JP2002172990A - 乗物用保護具 - Google Patents

乗物用保護具

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JP2002172990A
JP2002172990A JP2000372787A JP2000372787A JP2002172990A JP 2002172990 A JP2002172990 A JP 2002172990A JP 2000372787 A JP2000372787 A JP 2000372787A JP 2000372787 A JP2000372787 A JP 2000372787A JP 2002172990 A JP2002172990 A JP 2002172990A
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leg
vehicle
end side
protector
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JP2000372787A
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Yasuhiko Ikeda
靖彦 池田
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Mikuni Corp
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Mikuni Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な強度や剛性を維持しつつ搭乗者に対す
る安全性をより向上させると共に使用時の利便性の向上
をも図ることができる乗物用保護具を提供することを目
的とする。 【解決手段】 座席sに着座した使用者の両大腿部を一
対の脚部5で跨いで該座席sに配置し、シートベルトに
より座席sに固定され、上記使用者を座席sに拘束する
と共に、シートベルトから加えられる衝撃を緩和する乗
物用保護具1において、上記脚部5の下端面に対して該
保護具1の上端面31が後端側から前端側にかけて下降
傾斜していることを特徴とする乗物用保護具1を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば身体の小さ
な幼児や小児を既設のシートベルトを用いて安全に座席
に拘束するための保護具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
の運転手及び同乗者には、衝突時の安全性を向上させる
ために、シートベルトの着用が義務付けられている。こ
の場合、シートベルトは大人の体格に合わせて設定され
ているため、幼児等が使用する際にはチャイルドシート
等のアジャスト具が用いられ、また、自動車の座席やチ
ャイルドシートに着座した幼児の身体に対してシートベ
ルトから加えられる衝撃を緩和すると共に、その衝撃を
座席に座っている幼児が腹部乃至胸部で受けるようにし
て、衝撃から幼児を保護する保護具を介してシートベル
トを装着することが行なわれる。
【0003】この保護具は、座席に着座した幼児等の使
用者の両大腿部を一対の脚部で跨いで座席の座面上に載
置し、シートベルトで固定して用いられるが、この場
合、自動車等の座席は、通常その座面が後端側から前端
側に向けて上方へと傾斜しており、このため、座席にセ
ットされた保護具の上端面も前端側が上方へと傾斜した
状態となる。
【0004】ここで、上記保護具の上端面は、通常テー
ブル等として使用されるように構成される場合が多い
が、座席にセットした状態では、上述のように、このテ
ーブル面は前端側が上方に傾斜した状態となってしまう
ため、実質的にはテーブルとして使用することは困難で
ある。
【0005】また、自動車が急停止、急旋回した場合や
衝突時などには、使用者の頭部が前方へと勢いよく倒れ
込む場合があるが、このとき上述のように保護具上端面
が上方へと傾斜した状態であると、保護具の前端部に顔
面が当たりやすく、たとえ保護具が軟質材で構成されて
いても大怪我につながりやすい。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、十分な強度や剛性を維持しつつ搭乗者に対する安全
性をより向上させると共に使用時の利便性の向上をも図
ることができる乗物用保護具を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、座席に着座した使用者の両大腿部を一対の
脚部で跨いで該座席に配置し、シートベルトにより座席
に固定され、上記使用者を座席に拘束すると共に、シー
トベルトから加えられる衝撃を緩和する乗物用保護具に
おいて、上記脚部の下端面に対して該保護具の上端面が
後端側から前端側にかけて下降傾斜していることを特徴
とする乗物用保護具を提供する。
【0008】即ち、本発明の乗物用保護具は、十分な剛
性を有する上記本体によりその用途に求められる機能を
維持しつつ、例えば自動車が急停止又は急旋回した場合
や衝突事故時などに、保護具上端面に強く打ち付けられ
る可能性のある顔面と保護具上端面との衝突を避け、ま
た、保護具上端面をテーブル等として用いる際の利便性
を高めるために、上記乗物用保護具の上端面を後端側か
ら前端側にかけて下降傾斜させて形成し、又は上記乗物
用保護具の脚部の長さを後端側に比べ前端側が短くなる
よう形成する等により、座席の座面に配置された状態の
乗物用保護具上端面が、乗物の床面に対してほぼ水平な
状態で保持されるよう構成したものである。
【0009】通常、自動車等の乗物の座席の座面は、後
端側から前端側にかけて上方傾斜しているため、乗物座
席にセットされた状態の保護具は、その上端面が自動車
室内の床面に対して後端側から前端側にかけて上方へ傾
斜した状態となり、例えば、衝突事故時などの強い衝撃
が与えられたときには、幼児の上半身が前方に倒れて顔
面が乗物用保護具の上端面に打ち付けられる場合があ
る。しかし、この乗物用保護具は、その上端面が乗物の
床面に対してほぼ水平な状態で保持されるよう構成され
ているため、前方に倒れ込んだ搭乗者の顔面が乗物用保
護具上端面に打ち付けられずらくなる。また、上端面が
乗物の床面に対してほぼ水平な状態で保持されるよう構
成されているため、該上端面をテーブル等として用いる
際にもテーブル面を水平に保つことができる。
【0010】このように、本発明の乗物用保護具によれ
ば、その用途に求められる十分な強度及び剛性を維持し
つつ、搭乗者に対する安全性をより向上させると共に使
用時の利便性の向上をも図ることができる。
【0011】この場合、上記脚部に着脱可能に取り付け
て、上記脚部下端面の角度を調節する傾斜角度調節部材
を備える等、上記上端面の下降傾斜角度を調節可能な機
能を備えたものであれば、例えばこの傾斜角調節部材を
脚部に着脱することにより、搭乗者の身体の大きさや座
面の状態等に応じて、座面に対する脚部下端面の傾斜角
度を調節でき、これにより乗物床面に対して保護具上端
面を水平に近い状態で保持でき、搭乗者の身体の安全性
を十分に確保しつつ使用時の利便性をも向上させること
ができる。
【0012】そして、上記傾斜角度調節部材が、互いに
対向する一対の両端面にそれぞれ上記脚部の先端部が嵌
着可能な凹部を有していると共に、該両凹部の底面が互
いに異なる角度を有するものであり、該凹部のいずれか
一方に上記脚部の先端部を嵌入して該傾斜角度調節部材
を脚部先端部に取り付けると共に、脚部先端部を嵌入す
る凹部を適宜選択することにより、脚部下端面の角度を
調節するように構成したものであれば、上記傾斜角度調
節部材を脚部に取り付けない場合を含めて、脚部下端面
の傾斜角度を3段階に調節でき、搭乗者の身体の大きさ
や座面の状態等の条件に応じて細かな傾斜角度の調節を
行うことができ、搭乗者の身体の安全性を十分に確保し
つつ保護具上面をテーブル面等として使用する際の利便
性等を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、実施例を示し、
本発明をより具体的に説明する。図1は、本発明の一実
施例にかかる乗物用保護具1を示すものである。この乗
物用保護具1は、図3に示すように、例えば、自動車等
の座席sの座面s1に配置してシートベルト(図示せ
ず)で固定することにより、座面s1に着座した幼児や
小児を衝突時の衝撃等から保護するものであり、図1,
2に示すように、断面略コの字形に形成された保護部3
と、該保護部3の下端面に一体に形成された一対の脚部
5と、後述する保護部3のシートベルト装着用凹部37
に着脱可能に装着され、シートベルトのズレ及び保護部
3の摩耗を防止するためのガイドpとを具備する。
【0014】上記保護部3は、断面略コの字形に形成さ
れて、前面側高さ方向中央部にシートベルト装着用凹部
37が形成されており、このシートベルト装着用凹部3
7に図示しないシートベルトが通されて幼児等の使用者
を座席に拘束すると共に、該保護部3の後面全面で該シ
ートベルトから加えられる衝撃を吸収するようになって
いる。
【0015】また、保護部3は、テーブルとして使用可
能なテーブル面31と、後面の幅方向中央部が断面円弧
状に窪んで形成され、この窪みに使用者の腹部乃至胸部
を密着させる窪み部33と、保護部3下端面の幅方向中
央部が膨出して形成され、使用者の両大腿部の間に配置
される膨出部35とを具備すると共に、使用者が腕を動
かし易いように後面側両角部上面が部分的に切り欠かれ
た形状に形成されている。
【0016】上記テーブル面31には、その周縁部の全
周に亘って突設され、テーブル面31上にこぼれた飲料
等がテーブル面31からこぼれ落ちることを防止するた
めの小壁体311と、前面側の両角部近傍に設けられ、
飲料等が収容されたカップ等を保持するため一対の収容
凹部315とが設けられている。
【0017】上記脚部5は、乗物の座席sの座面s1に
載置されて、上記保護部3を使用者が身体の適切な位置
で装着した状態に保つためのものであり、保護部3の下
端面の幅方向両縁部にそれぞれ一体に突設されている。
この脚部5は、図1,2に示すように、その長さが後端
側から前端側にかけて除々に短くなるよう形成されてお
り、これにより、座席sの座面s1に配置された状態の
乗物用保護具1のテーブル面31が、自動車室内の床面
に対して後端側から前端側にかけて上方に傾斜した状態
となることを避け、図3に示すように、自動車室内の床
面に対してほぼ水平な状態で保持されるようになってい
る。
【0018】この乗物用保護具1は、図2に断面で示す
ように、例えば、発泡ポリスチレン等の軽量で衝撃吸収
性を有する発泡体から形成された芯材(本体)11をカ
バー14で覆って構成されている。
【0019】芯材11を形成する発泡体は比較的発泡倍
率の低いものであり、保護具として十分な強度及び剛性
を有するものであるが、この芯材11には、使用者に密
着する上記窪み部33の上部には別部材として形成され
た第1衝撃吸収部12を備え、また、テーブル面31の
先端部から上面中央部にかけては別部材として形成され
た第2衝撃吸収部13を備える。
【0020】第1衝撃吸収部12には、多数の肉抜き孔
12aが形成されており、この多数の肉抜き孔12aに
よりこの部分の強度を意図的に低下させ、比較的容易に
破壊されるようになっている。また、第2衝撃吸収部1
3は、芯材11に嵌着する基体13aに薄肉板状の突片
13bを突設したものであり、該突片13bが芯材11
のテーブル面31中央部に設けられた浅い凹部に嵌入
し、テーブル面31の一部を構成するようになってい
る。
【0021】これら第1及び第2衝撃吸収部12,13
は、芯材11と同様の発泡体により形成されたものであ
るが、その発泡倍率を芯材11よりも高くしたものであ
り、これにより比較的破壊されやすく、また適度な弾性
も有しており、外部から加えられた衝撃を吸収するよう
になっている。
【0022】この芯材11を覆う上記カバー14は、図
2に示すように、芯材11の上端面を覆ってテーブル面
31の表面を構成する不透水部14aと、芯材11の後
面から下面にかけてを覆うよう構成されたメッシュ部1
4bと、ポリエステル等の布地から形成され、芯材11
の前面、両側面及びシートベルト装着用凹部37を構成
する面を覆うよう構成された布部14cとを縫製したも
のである。この場合、特に制限されるものではないが、
上記不透水部14aは、例えば発泡ポリプロピレン(P
P)等からなる弾性シートとポリ塩化ビニル(PVC)
等の不透水性材料とを張り合わせて構成することがで
き、これにより飲料水等をテーブル面に溢してもこれが
染み込むようなことがなく、テーブル面31を容易に清
掃することができる。また、上記メッシュ部14bは軟
質ウレタンシートやナイロンメッシュ等の通気性を有す
る材料で形成することができ、使用者と密着する後面か
ら底面部分を蒸れにくくすることが好ましい。更に、上
記布部14cはポリエステル等の通常の布地から形成す
ることができる。なお、このカバー14には、図示しな
いファスナーが取り付けられており、このファスナーの
開閉によって上記芯材11から着脱できるようになって
おり、このカバーを洗濯したり、場合によっては交換で
きるようになっている。
【0023】本実施例の乗物用保護具1は、図3(A)に
示すように、その後面を使用者に向けると共に、座席s
に着座した使用者である幼児や小児の両大腿部を脚部5
で跨ぐようにして座席sの座面s1上に載置し、上記保
護部3のシートベルト装着用凹部37に図示しないシー
トベルトを通して固定することにより、幼児又は小児を
座席sに拘束すると共に、例えば、自動車の衝突等に伴
う衝撃から、座席sに着座した幼児の身体を保護するも
のである。
【0024】この場合、本実施例の乗物用保護具1で
は、幼児の両大腿部の間に膨出部35が配置されると共
に、一対の脚部5により幼児の両大腿部を外側から軽く
挟み、さらに、腹部乃至胸部に窪み部33が密着して、
幼児に対する保護部3の幅方向の位置決めがなされ、ま
た、脚部5が座面s1に当接して配置されることによ
り、幼児に対する保護部3の高さ方向の位置決めがなさ
れる。そして、例えば、自動車の衝突時などにシートベ
ルトから身体に加えられる衝撃を、この保護部3で吸収
するものである。
【0025】このように乗物用保護具1を装着した状態
では、保護具1上面のテーブル面31に飲料を収容した
カップ等を載置できるが、本実施例の保護具1は、保護
部3上面のテーブル面31が、脚部5の下端面に対して
後端側から前端側にかけて下降傾斜するよう構成されて
いるため、座面s1上に載置された状態における保護具
1上面のテーブル面31は、自動車室内の床面に対して
ほぼ水平な状態で保持され、テーブル面31使用の際の
利便性を向上させることができる。
【0026】また、このように乗物用保護具1を装着し
た状態で、例えば、自動車が衝突等した場合、シートベ
ルトから搭乗者に加えられる衝撃は、保護部3のシート
ベルトと幼児の身体とで挟まれる部分である程度吸収さ
れるが、吸収しきれない衝撃が保護部3の後面から搭乗
者の腹部乃至胸部に対して加えられ、更に、図3(B)に
示すように、衝突の際の衝撃により搭乗者の上半身が前
方に倒れることとなる。
【0027】この場合、保護具1は幼児や小児を座席に
確実に拘束するため十分な強度及び剛性を備えるよう形
成されているため、前方に倒れた搭乗者の腹部乃至胸部
には、保護具1で吸収しきれない衝撃が直接加えられる
こととなるが、本実施例の保護具1では、上記芯材11
の保護部3の窪み部33上部に形成された第1衝撃吸収
部12が破壊されることにより搭乗者に加わる衝撃の多
くが吸収され、身体に加わる衝撃が大幅に減少する。
【0028】また、前方に倒れた搭乗者の顔面が保護部
3上面のテーブル面31に打ち付けられることもある
が、このような場合でも、本実施例の保護具1は、保護
部3上面のテーブル面31が、脚部5の下端面に対して
後端側から前端側にかけて下降傾斜するよう構成されて
いるため、座面s1上に載置された状態における保護部
3上面のテーブル面31が、自動車室内の床面に対して
ほぼ水平な状態で保持され、テーブル面31が後端側か
ら前端側にかけて自動車室内の床面に対して上方傾斜し
た場合に比べ、搭乗者の顔面と保護部3上面のテーブル
面31とが衝突しずらくなっている。さらに、搭乗者の
顔面が保護部3上面のテーブル面31に衝突した場合で
も、芯材11におけるテーブル面31先端部分から上面
中央部にかけて設けられた第2衝撃吸収部13の破壊又
は弾性変形により衝撃が吸収され、打ち付けられた顔面
への衝撃を大幅に緩和することができる。
【0029】このように、本実施例の乗物用保護具1に
よれば、十分な強度及び剛性を有する本体1により、幼
児や小児を座席sに拘束固定するという機能を十分に発
揮しつつ、しかも座面s1上に配置された状態において
保護部3のテーブル面31が自動車室内の床面に対して
ほぼ水平な状態で保持されるよう構成することにより、
搭乗者の安全性をより高めることができ、また、保護部
3のテーブル面31を使用する際の利便性を向上させる
ことができるものである。
【0030】本発明の乗物用保護具は、上記実施例の乗
物用保護具1に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない
限り種々変更して差し支えない。例えば、上記実施例で
は、脚部5の長さを後端側から前端側にかけて除々に短
くなるよう形成することにより、座面s1に配置された
状態における保護部3上面のテーブル面31が床面に対
してほぼ水平な状態で保持されるようにしたが、保護部
3の上面自体を後端側から前端側にかけて下降傾斜させ
て形成することにより座面s1に載置された状態におけ
る保護具1上面のテーブル面31が自動車室内の床面に
対しほぼ水平な状態を保持するようにしてもよい。
【0031】また、座面s1上に載置された保護具1上
面の座面s1に対する傾斜角度は、図4に示すような構
成の傾斜角度調節用のキャップ7を脚部5に着脱して調
節できるようにしてもよい。
【0032】上記キャップ(傾斜角調節部材)7は、脚
部5の先端部に装着された状態で座面s1上に配置され
ることにより、座面s1に対する保護部3上面の傾斜角
度を調節するようになっており、図4(A),(B)に
示すように、脚部5の先端部が挿抜される取付凹部71
が上面に開口し、下面が座面s1に当接して配置される
よう構成されている。
【0033】上記取付凹部71は、上記脚部5の先端部
が挿抜可能に形成され、更にキャップ7の後端側から前
端側にかけて所定角度下降傾斜した内底面71bを備え
る凹溝から構成され、開口71aから挿入された脚部5
の先端が内底面71bに当接した状態で、キャップ7が
座面s1に配置されることにより、脚部5の先端を座面
s1に対して所定角度傾斜した状態に保持するようにな
っている。
【0034】このように構成されたキャップ(傾斜角度
調節部材)7を用いて座面s1に対する保護部3上面の
傾斜角度を調節する場合、図4に二点鎖線で示す状態の
脚部5先端部をキャップ7上面に形成された開口71a
から、図4に太矢印で示すように取付凹部71に挿入
し、図4に実線で示すように、脚部5の先端と取付凹部
71の内底面71bとが当接するように脚部5の先端部
を取付凹部71に嵌入した状態で、キャップ7の下面が
座面s1に当接するよう乗物用保護具1を配置する。
【0035】この状態では、キャップ7下面に対する取
付凹部71の内底面71bの高さが、後端側から前端側
にかけて除々に低くなるよう形成されているため、脚部
5の先端部は、後端側に比べ前端側が低い位置に位置す
る。これにより、保護部3の上端面は、脚部5の先端を
座面s1に直接配置した場合のように、自動車室内の床
面に対して後端側から先端側にかけて上方に傾斜するこ
とを防止し、自動車室内の床面にほぼ水平な状態で保持
され、自動車衝突時の衝撃等により搭乗者の上半身が前
方に倒れても、搭乗者の顔面と保護部3上面とが衝突す
ることを避けることができる。
【0036】また、例えば、自動車の種類により座席の
座面の傾斜角度も異なるため、傾斜角度の小さな座面で
ある場合には、図4に二点鎖線で示すように脚部5をキ
ャップ7から抜き出して座面s1上に載置することによ
り、保護具1上面を自動車室内の床面に対してほぼ水平
に保つことができ、搭乗者の安全性を確保しつつ、保護
部3のテーブル面31使用の際の利便性等を確保でき
る。
【0037】以上説明したように、乗物用保護具1は、
脚部5の先端部にキャップ7を装着することにより、キ
ャップ7の下面から取付凹部71の底面71bの傾斜角
度に対応する分だけ、座面s1に対する保護部3上面の
傾斜角度を大きくできる。このため、脚部5の先端部に
キャップ7を装着した場合と、装着しない場合との2つ
の傾斜角度で保護具本体3を保持でき、使用者の身体の
大きさや座面s1の状態等に応じてキャップ7を脚部5
先端部に着脱することにより、細かな角度調節ができ
る。
【0038】従って、座面s1の状態や搭乗者の身体の
大きさ等に応じて、座面s1に対する保護具1上面の傾
斜角度を微調節でき、テーブル面31を使用する際の利
便性を維持しつつ、自動車衝突の際の安全性を十分に確
保できる。
【0039】この傾斜角度調節用のキャップは、脚部5
の先端部が挿抜されることにより座面s1に対する保護
部3の傾斜角度調節を可能とする取付凹部を一つ備える
ものに限られず、複数の取付凹部を備える構成としても
よい。以下、キャップ(傾斜角度調節部材)が複数の取
付凹部を備える場合について説明する。
【0040】図5,6は、複数の取付凹部を備えるキャ
ップ8を示すものである。このキャップ8は、上述した
キャップ7の取付凹部71とほぼ同様の構成を有する取
付凹部81及び82を上面と下面にそれぞれ設けたもの
である。但し、これら取付凹部81及び82はその内底
面81b,82bの傾斜角度が異なっており、取付凹部
81の内底面81bの傾斜角度にくらべ、取付凹部82
の内底面82bの傾斜角度が大きくなるよう構成されて
いる。
【0041】このような構成を有するキャップ8によれ
ば、図5中二点鎖線で示す状態の脚部5先端部を、実線
で示すようにキャップ8の一方の取付凹部81に嵌入す
ることにより、座面s1に直接脚部5を載置した場合に
おける座面s1に対する保護具1の傾斜角度に比べ、キ
ャップ8の取付凹部81の内底面81bの傾斜角度に対
応した分だけ座面s1に対する保護具1上面の傾斜角度
を大きくできる。一方、図6に示すように、二点鎖線で
示す状態の脚部5先端部を、実線で示すように他方の取
付凹部82に嵌入することにより、座面s1に直接脚部
5を載置した場合における座面s1に対する保護具1上
面の傾斜角度に比べ、キャップ8の取付凹部82の底面
82bの傾斜角度に対応した分だけ座面s1に対する保
護具1上面の傾斜角度を大きくできる。
【0042】このように、各取付凹部81,82に脚部
5の先端部を嵌入した場合における座面s1に対する保
護具1上面の傾斜角度が異なるため、2つの取付凹部8
1,82に対応して2段階の角度調節を行うことがで
き、更にキャップ8を取り外した状態を加えれば、3段
階の角度調節を行うことができる。従って、使用者の身
体の大きさや自動車座席の座面の状態等に応じた細かな
角度調節が可能となり、保護部3のテーブル面31使用
の際の利便性を保ちつつ、自動車衝突等の際の安全性を
より高めることができる。
【0043】なお、上記傾斜角度調節用のキャップ7,
8は、取付凹部71,81,82に脚部5の先端部を嵌
入して脚部5にキャップ7,8を取り付けるように構成
したが、例えば、脚部5の先端に凹溝を形成すると共
に、キャップに該凹溝に挿抜可能に形成された突条を設
け、該凹溝への該突条の挿抜により、脚部5の先端部に
対するキャップの着脱を行うようにしてもよい。
【0044】また、脚部5、及びキャップ7,8の取付
凹部71,81,82の底面71b,81b,82bの
傾斜角度は、乗物用保護具1を用いる自動車座席の座面
の状態や使用者の身体の大きさ等に応じて適宜設定され
るものである。
【0045】さらに、脚部5の長さを後端側から前端側
にかけて除々に短くなるよう構成すると共にキャップ
7,8を着脱することにより、保護具1上面の傾斜角度
を2段階又は3段階に調節可能とするものに限らず、脚
部5の後端側から前端側にかけての長さを同じ長さに構
成して脚部5先端部にキャップ7,8を着脱することに
よってのみ座面s1に対して保護具1上面を自動車室内
の床面に対してほぼ水平に保つようにしてもよい。
【0046】上記実施例では、保護部3を略コの字形に
形成してシートベルト装着用凹部37を設け、このシー
トベルト装着用凹部37にシートベルトを通して座席s
に固定するように構成したが、一対の脚部を座面に当接
させて座席に配置され且つシートベルトで座席に固定さ
れ、座席に着座した使用者を座席に拘束すると共に、該
シートベルトから加えられる衝撃を緩和し得るものであ
れば、保護部3の形状は、適宜変更して差し支えない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乗物用保
護具によれば、十分な強度や剛性を維持しつつ搭乗者に
対する安全性をより向上させると共に使用時の利便性の
向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる乗物用保護具を示す
斜視図である。
【図2】同乗物用保護具を構成する保護部の断面を示す
部分断面図である。
【図3】同乗物用保護具が自動車の座席に配置固定され
た状態を示す概略図であり、(A)は正常状態、(B)
は自動車衝突時における状態を示すものである。
【図4】同乗物用保護具に着脱可能に取り付けられる傾
斜角度調節用キャップの一例を示すものであり、(A)
は概略横断面図、(B)は概略縦断面図である。
【図5】同乗物用保護具に着脱可能に取り付けられる傾
斜角度調節用キャップの他の例を示すものであり、
(A)は概略横断面図、(B)は概略縦断面図である。
【図6】同乗物用保護具に着脱可能に取り付けられる傾
斜角度調節用キャップの他の例を示すものであり、
(A)は概略横断面図、(B)は概略縦断面図である。
【符号の説明】
1 乗物用保護具 12 第1衝撃吸収部 13 第2衝撃吸収部 3 保護部 31 テーブル面 37 シートベルト装着用凹部 5 脚部 7 キャップ(傾斜角度調節部材) 8 キャップ(傾斜角度調節部材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席に着座した使用者の両大腿部を一対
    の脚部で跨いで該座席に配置し、シートベルトにより座
    席に固定され、上記使用者を座席に拘束すると共に、シ
    ートベルトから加えられる衝撃を緩和する乗物用保護具
    において、上記脚部の下端面に対して該保護具の上端面
    が後端側から前端側にかけて下降傾斜していることを特
    徴とする乗物用保護具。
  2. 【請求項2】 上記上端面の下降傾斜角度を調節可能な
    機能を備えた請求項1記載の乗物用保護具。
  3. 【請求項3】 上記脚部に着脱可能に取り付けて、上記
    脚部下端面の角度を調節する傾斜角度調節部材を備えた
    請求項2記載の乗物用保護具。
  4. 【請求項4】 上記傾斜角度調節部材が、互いに対向す
    る一対の両端面にそれぞれ上記脚部の先端部が嵌着可能
    な凹部を有していると共に、該両凹部の底面が互いに異
    なる角度を有するものであり、該凹部のいずれか一方に
    上記脚部の先端部を嵌入して該傾斜角度調節部材を脚部
    先端部に取り付けると共に、脚部先端部を嵌入する凹部
    を適宜選択することにより、脚部下端面の角度を調節す
    るように構成した請求項3記載の乗物用保護具。
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