JP2002172687A - 薄板樹脂成形体の製造方法並びに成形型 - Google Patents

薄板樹脂成形体の製造方法並びに成形型

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JP2002172687A
JP2002172687A JP2000371325A JP2000371325A JP2002172687A JP 2002172687 A JP2002172687 A JP 2002172687A JP 2000371325 A JP2000371325 A JP 2000371325A JP 2000371325 A JP2000371325 A JP 2000371325A JP 2002172687 A JP2002172687 A JP 2002172687A
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Masahiko Suzuki
政彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大がかりな型締装置や作業を要さず、材注入
に加圧を要さず、繊維密度が高く、板厚の薄い大きな成
形体を容易に成形する方法を提供することを目的として
いる。 【解決手段】 熱硬化性樹脂材を使用する型成形方法に
おいて、成形部4と連通する減圧室8を型外に配設した
合わせ型の成形部4内に、熱硬化性樹脂材を無加圧で投
入して型締めをした後、減圧室8内の気圧を、低圧で減
圧することによって、成形部4内の配合樹脂を高い真空
圧で加圧して、板厚の薄い成形体に形成することを特徴
とする薄板樹脂成形体の製造方法、並びにその成形型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄板樹脂成形体
の製造方法並びに成形型に係り、特に熱硬化性樹脂材を
使用する成形方法において、外的な強い加圧プレスを使
用せずに、弾性に優れた、板厚の薄い成形体を容易に成
形することができる薄板樹脂成形体の製造方法並びに成
形型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性樹脂材を使用して、樹脂
成形体を製造する過程では、成形型の外部から、大がか
りな装置によって加圧して、雌雄型の締付をおこなって
プレスしている。また雌雄両型をクランプやエアバック
などで締付けて型締めをしてから、大きな圧力をかけて
配合樹脂材を成形型内に注入している。また成形型内に
配合樹脂材を無加圧で投入し、外圧による型締めプレス
をせずに、型内の減圧をすることによって型締めする提
案、例えば特願2000−086834号、2000−
223394号なども本発明出願人からなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記外圧によるプレス
では、プレス機が必要であり、粘度の高い配合樹脂に外
圧をかけてプレスするには、大きな加圧装置を必要と
し、特に板厚2mm以下の成形体を造ることは不可能
で、板厚3mmが限界とされていた。またその加圧力に
耐えられる頑強な成形型が必要となり、その設備、成形
型製作ともに多大な費用を必要とする。特に大型製品を
製造するには、頑強で重い成形型の移動にクレーンも必
要となり、作業性も悪化する難がある。
【0004】繊維強化材を使用する成形では、成形型内
部に繊維強化材がセットされているために、注入する配
合樹脂の流動抵抗があり、材注入圧力を高くあげなけれ
ば早く配合樹脂を注入することができない。早く配合樹
脂を注入するためには、高い注入圧に耐えられる強度が
成形型に必要となる。また仮に注入圧力を低くすると、
配合樹脂材の注入に長時間を要して、生産性が悪化する
という問題点がある。
【0005】型締めされた成形型内に配合樹脂材を圧入
させる事は、配合樹脂材の粘度、加圧速度、などのバラ
ンスがとりにくく、成形型の剛性が弱い場合には、外圧
によって成形型の変形が生じ、材料、注入条件のバラン
スがとれない場合には、成形品の板厚に厚、薄の斑が生
じるなどの問題がある。
【0006】また、前記成形型内の減圧をする方法にお
いては、投入された配合樹脂材が減圧方向へ移動すると
いう問題もある。一方、型内減圧製法にかかわらず、板
厚を3mm以下にするには強力な加圧力を必要とする。
【0007】この発明は、それらの実情に鑑みて、外的
大きな加圧によるプレスをせず、容易に板厚を薄くする
ことができて、製品は折損することもなく、弾力性に優
れた大型成形体を、製造することのできる薄板樹脂成形
体の製造方法、並びに成形型を、提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決し、目的を達成するために、次のような技術的な手
段を講じた。ここで云うプリホーム繊維とは、繊維強化
材(ガラス、カーボンその他繊維)を配合樹脂と共に型
面に吹付け、あるいは手作業によって付着させて、成形
しようとする形状にあらかじめ成形してある繊維をい
う。合わせ型とは、雌雄型のほかに多部材の組立型も含
む。樹脂成形体とは、樹脂で成形された平板、湾曲板、
3次元構造物をいう。配合樹脂とは、FRP成形その他
成形に必要、かつ充分な各種素材を配合させてある軟性
飴状の熱硬化性樹脂をいう。発明の具体的な内容は次の
通りである。
【0009】(1) 熱硬化性樹脂材を使用する型成形方
法において、成形部と連通する減圧室を型外に配設した
合わせ型の成形部内に、熱硬化性樹脂材を無加圧で投入
して型締めをした後、減圧室内の気圧を低圧で減圧する
ことによって、減圧室と連通する成形部内の配合樹脂を
高い真空圧で加圧して、板厚の薄い成形体に形成する薄
板樹脂成形体の製造方法。
【0010】(2) 成形部と連通する減圧室を型外に配
設した合わせ型の、成形部に繊維強化材をセットし、そ
の成形部に配合樹脂材を無加圧で投入して、型締めして
後、減圧室の気圧を低圧で減圧することによって、減圧
室と連通する成形部内の配合樹脂を高い真空圧で加圧し
て、板厚の薄い成形体に成形する薄板樹脂成形体の製造
方法。
【0011】(3) 前記減圧は、1.5cmHg〜20
cmHgの範囲の低圧で行う(1),(2)のいずれかに記載
された樹脂成形体の製造方法。
【0012】(4) 雌雄型の組合わせからなり、雌雄型
の外部に成形部と連通する減圧室を配設し、該減圧室に
は減圧手段が連結されており、型締め後に、減圧室内の
気圧を減圧することにより、減圧室と連通する成形部内
の配合樹脂を真空圧で加圧可能に構成された樹脂成形
型。
【0013】(5) 前記減圧室と連通する抜気孔が、型
に複数形成されている(4)に記載された樹脂成形型。
【0014】(6) 前記減圧室と連通する抜気孔が、型
の平面において、型内の成形部を囲むように配設されて
いる(4),(5)のいずれかに記載された樹脂成形型。
【0015】(7) 前記減圧手段は、1.5cmHg〜
20cmHgの範囲の低圧減圧機である(4)〜(6)のいず
れかに記載された樹脂成形型。
【0016】(8) 前記成形型は、雌雄型のいずれか
が、可撓性素材で形成されて、成形部の減圧により硬質
の型方向へ可撓な(4)〜(7)のいずれかに記載された樹脂
成形型。
【0017】(9) 前記成形型は、成形部の雌雄対向間
隙が、減圧により縮小可能に、材止めシールが圧縮可撓
な(4)〜(8)のいずれかに記載された樹脂成形型。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態例を、図面
を参照して説明する。図1は成形型の縦断正面図、図2
は型締めをした成形型の縦断正面図である。
【0019】成形型(1)(2)は、雌型(1)と雄型(2)から構
成されている合わせ型である。図1において符号(3)は
型合面、(4)は成形部、(5)は材止シール、(6)は抜気
孔、(7)はホース、(8)は減圧室、(8a)は基部、(8b)は中
間体、(8c)は蓋体、(8d)はフランジ、(9)はホース、(1
0)は減圧手段、(11)は繊維強化材である。
【0020】減圧室(8)は、基部(8a)、中間体(8b)、蓋
体(8c)をフランジ(8d)部分の結合可能に構成され、減圧
室(8)の容量を、大きさの異なる中間体(8b)の差し替え
により変化させる事ができる。
【0021】製法について、まず雌型(1)の成形部(4)
に、繊維強化材(ガラス繊維、カーボン繊維等)(11)を
あらかじめ成形したプリホーム繊維(プリホームしない
で繊維強化材マット・クロスなどを使用することもでき
る。)をセットして、理論必要量の配合樹脂を無加圧で
投入した。この雌型(1)の上に雄型(2)を、材止シール
(5)面が当るまで軽く締付けた。
【0022】その後、減圧手段(10)によって、低圧
(1.5cmHg〜20cmHg)で減圧室(8)をゆっ
くり減圧した。これによって、型合面(3)は上下が密接
したので型移動しないように型(1)(2)の外周を固定した
(図2参照)。
【0023】型締めした状態で、更に減圧手段(10)で減
圧していくと、前記減圧室(8))内の空気が次第に引き出
されて、減圧室(8)内部は減圧されて真空度が上がって
来る。これによって型締めが進み、真空圧が成形部(4)
内の配合樹脂に均等にかかり、成形部(4)内底の配合樹
脂が繊維強化材の側部を登り、繊維強化材(11)の繊維間
に配合樹脂が浸透し、全体の板厚が薄くなる。これで成
形部(4)内の配合樹脂を養生することによって、配合樹
脂が硬化して、浅い箱状の薄板樹脂成形体(図示せず)
が完成した。
【0024】図1でもよく判るように、雌型(1)の成形
部(4)に無加圧で必要量の配合樹脂を投入することがで
きる。従って、1辺が2メートルを越えるような、どの
ような大型の成形体製造においても、配合樹脂材の投入
は極めて短時間で、必要量を成形部(4)内に充填するこ
とができる。また余分の配合樹脂を使用しないので、溢
れることがなく、無駄が生じない。
【0025】従来の成形法では、強力な外圧によって配
合樹脂の注入をしていたので、繊維強化材(11)の繊維間
の小さな気泡を、そのまま繊維間に閉じこめて樹脂が流
れて、包み込んでしまうことが多く、その結果は不良品
の多発につながった。
【0026】しかし、この発明では、成形型(1)(2)の外
部に、成形部(4)と連通するように連結した減圧室(8)内
を減圧手段(10)で減圧することによって、完全に型締め
をし、真空圧で成形部(4)内の配合樹脂を加圧すること
ができるので、雌雄型(1)(2)の接近によって押圧される
配合樹脂は、繊維間のどのような隙間にも浸透して細か
な気泡も、完全に繊維間から押し出すことができる。
【0027】更に減圧を続けると、成形部(4)に連通し
ている減圧室(8)内の気圧が減圧されて、真空圧が成形
部(4)内の配合樹脂を均等に加圧することになり、配合
樹脂は繊維強化材(11)を圧縮すると共に、繊維間に入っ
てガラス含有量を良好にし、全体の板厚は2mm以下に
も薄くすることが可能である。すなわち、従来の製法で
は、可及的に板厚を薄くしても3mmが限度であった。
この従来のガラス繊維等繊維強化材(11)の密度はおよそ
30%で、樹脂分が70%にもなっている。
【0028】本発明方法では、同じ量の繊維強化材(11)
を使用して、板厚2mm以下にすることができるため、
板厚に対するガラス繊維など繊維強化材(11)の密度は4
5%〜50%にも達することから、従来の繊維強化材(1
1)を使用したものとは、かけ離れた強度が著しく向上
し、新素材を使用したような優れた効果がある。
【0029】その結果、従来の成形品は、折曲げると9
0度近く曲がって折れてしまったが、本発明製法による
成形体は、折れずに環状にすることができる弾力性に優
れ、平面を槌で打っても槌を跳ね返す弾性を有してい
る。
【0030】すなわちこれは、従来の繊維強化プラスチ
ック(FRP)が、繊維は樹脂に対する強化材であった
ものが、この発明製法によると、逆にガラス繊維(他の
繊維も同じ)に対して樹脂が接着材的な構成に変化して
いるため、繊維の強度が中心になり、可及的に樹脂量を
減少させた、強度の高い製品開発が可能になった。
【0031】この場合の減圧力は、低圧(1.5cmH
g〜20cmHg)であっても、減圧室(8)の容量を変
化させることによって、成形部(4)内の配合樹脂には1
000トンとか、2000トンという高い圧力をかける
ことが可能になる。
【0032】すなわち、従来の方法で減圧すると、型内
部の空気がなくなった時点で減圧ホースの径の分しか、
成型部(4)に減圧力がかからない。また配合樹脂が成形
部(4)内にいっぱいになった時点で、減圧力はホースの
径の内容量分しか減圧力がかからない。これに対して本
方法では、成形型を締め切った状態で、成形部(4)内の
空気がなくても、減圧室(8)の大きさの容量分だけ減圧
による真空に近い吸引力を造り出すことができて、これ
によって、成形部(4)に対する減圧力を高く保持させる
ことができる。
【0033】このことから従来のような、大がかりな型
締め装置や作業は全く不用になった。 すなわち、配合
樹脂のような粘性のある流動体を、強い外圧をかけて成
形型内に押込むことよりも、成形型内の気体を減圧で外
へ引く事の方が、遙かに小さな力ですむ。これによっ
て、設備も型構造も著しく簡素化する事ができる。加え
て、板厚の薄い成形型でも配合樹脂に対して高圧の圧力
をかけることができる。
【0034】このように、1辺が2メートルを越える大
きな成形体でも、成形型(1)(2)に対して大きな外的材注
入圧がかからないので、板厚の薄いFRP成形体製の成
形型で充分に間に合い、型コスト負担を安価にすること
ができる。当然に成形型の軽量化に伴い、作業用の大が
かりな機材設備を必要とせず、作業性が向上する。
【0035】図3は成形方法の第2実施例を示す成形型
の縦断正面図である。前例と同じ部材は同じ符号を付し
て説明を省略する。符号(12)は材入孔、(13)はホース、
(14)はコック、(15)は材給具である。
【0036】この成形方法は、雄型(2)の表面に、繊維
強化材(11)を手作業で付着させるか、あるいはプリホー
ム繊維を被せる。あるいは、この雄型(2)の表面に直
に、繊維と接着剤を同時に吹付けてプリホームする。
【0037】型締めをした後に、材給具(15)に配合樹脂
を必要理論量だけ入れておいて、樹脂の自重で配合樹脂
を成形部(4)へ投入する。この場合、配合樹脂が成形部
(4)へ充填された段階で、材入孔(12)のコック(14)を閉
じて、前記同様に減圧手段(10)を稼動させて減圧室(8)
内の空気を吸い出し、減圧させる。これによって、成形
部(4)内を減圧させる事ができる。この場合、図3にお
いて材入孔(12)は上位置にあるが、図における材止シー
ル(5)の内側の型合面(3)に連通するように構成する事、
また複数形成することができる。
【0038】本発明方法においては、前述のように、配
合樹脂は、外圧をかけて型内に圧入させるのではなく、
極端には、バケツやホースで水を入れるように、直に無
加圧で成形型内に入れる事ができるので、材投入の時間
は、極めて短時間ですむ。
【0039】加えて、成形型(1)(2)の外に成形部(4)と
連通する減圧室(8)を形成し、型合わせをして、低圧で
減圧室(8)の気圧を減圧させる事によって、短時間で、
かつ小さな力で成形部(4)内で板厚の薄い成形体を形成
することができるので、大がかりなプレス設備や、わず
らわしい作業を必要としなくなった。
【0040】本発明は、プリホーム繊維を使用する成形
のみに限らず、繊維強化材(クロス・マット等)を成形
型内に配設するFRP式、並びに繊維強化材を使用しな
い、熱硬化性樹脂材を使用する成形の全てにも摘用する
事ができる。すなわち、例えば人造代理石の成形、ウレ
タン注入成形、などについても、無加圧樹脂注入、型締
めプレス機無しの成形をすることができる。
【0041】前記減圧室(8)は、1個でもよいが、型の
形状によって複数形成することができる。また、平面に
おいて、型内の成形部(4)の周囲を囲むように、減圧室
(8)を連結させるための抜気孔(6)を環状に配列して複数
形成することができる。
【0042】なお、成形型は、雄型の板厚を薄くするこ
とができるので軽量化ができ、強い減圧に対応すること
ができる。また減圧に対応させるために雄型、あるいは
雌型全体をゴムのような可撓性素材で形成することがで
きる。図3に示す態様の成形型なら、シール(5)を可撓
性にすることによって、雌雄型を接近させて板厚を薄く
する事ができる。
【0043】
【発明の効果】上記のように構成されたこの発明は、次
のような優れた効果を有している。
【0044】(1) 請求項1に記載された発明は、合わ
せ型の成形部に連通して、成形型の外部に形成された減
圧室を減圧することによって、その真空圧で雄型を雌型
に強力に引き寄せ、成形部内の配合樹脂を強力な減圧力
で加圧することができるので、その結果、外圧による型
締めプレスをせずに、小型低圧の減圧機と簡素な成形型
で、板厚は薄いが強度に優れた、大きな成形体を成形す
る事ができる。これによって大がかりな設備、煩雑な作
業を要することなく、小工場で容易に実施する事ができ
る効果、並びに成形型に減圧の負担がかからない効果が
ある。
【0045】(2) 請求項2に記載の発明は、雌型に繊
維強化材をセットし、その雌型に配合樹脂材を無加圧で
投入し、型締め後、極めて短時間で配合樹脂の充填をす
ることができる効果がある。また合わせ型の成形部に連
通して型の外部に配設された減圧室を減圧することによ
って、その真空圧で成形部内の配合樹脂材を強力に加圧
するので、繊維強化材の繊維間の気泡も完全に押出され
て、複雑な形状の隅部分にも配合樹脂材を均一かつ完全
に充填さて、かつ板厚を薄くせることができる効果があ
る。また圧縮して板厚を薄くすることによって、全体の
配合樹脂量が少なくなり、配合樹脂材が繊維強化材の接
着剤的な役割を果すことになり、繊維強化材の密度が高
くなるため、薄板樹脂成形体に弾性強度が著しく向上す
る効果がある。
【0046】(3) 請求項3に記載の発明は、1.5c
mHg〜20cmHgの範囲の低圧で減圧を行うので、
減圧機は小型微力のもので充分であり、設備費負担が小
さく、また成形型に負担がかからない効果がある。
【0047】(4) 請求項4に記載の発明は、型の成形
部に連通する減圧室が、成形型の外部に配設されている
ので、型締めして成形部内に空気量が少なくても、この
容量の多い減圧室を減圧することによって、高い真空圧
を成形部内にかけることにより、配合樹脂材を加圧する
ことができ、従来不可能であった板厚2mm以下の樹脂
成形体を、容易に均厚に、しかも弾性の優れた高品質に
形成することができる効果がある。また加圧に大がかり
な機械設備を必要とせず、圧力による型の負担が小さい
ので、成形型を軽量化することが出来る。その結果、作
業性にも優れ、大型成形品を小工場で小人数で容易に製
造することができる効果がある。
【0048】(5) 請求項5に記載の発明は、方外の減
圧室と連通する抜気孔を複数、型に形成することによ
り、大型、複雑形状の成型品も、板厚に斑がなく、薄板
厚の樹脂成形体を成形することができる効果がある。
【0049】(6) 請求項6に記載の発明は、型の平面
で成型部の周囲を囲むように、減圧室と連通する抜気孔
を型に形成することによって、大型の型でも、周囲から
均等に成形部内を減圧させることができる効果がある。
【0050】(7) 請求項7に記載の発明は、1.5c
mHg〜20cmHgの範囲の低圧減圧機を使用するこ
とによって、型締めをスピードアップすることができ、
型締めに要する大がかりな機械設備、並びに煩雑な作業
を必要としない効果がある。同時に負圧に対する成形型
の負担が軽く、成形型を軽量化することができる。
【0051】(8) 請求項8に記載の発明は、雌雄型の
いずれかが可撓性を有しているため、真空成形のように
均等にかかる真空圧によって、可撓性型は硬質型の方へ
と近接することになり、板厚の薄い成形に適している効
果がある。
【0052】(9) 請求項9記載の発明は、材止シール
が、成形部の真空によってつぶされて、雌雄型の成形部
対面間が接近して、板厚2mm以下という樹脂成形品が
製造可能という効果がある。
【0053】総体としてこの発明は、従来品に比して樹
脂分が少なく、繊維強化材の配合率が多いため、弾性に
優れて折損しにくく、衝撃に対しても弾発性に優れ、し
かも軽量で高品質の薄板樹脂成形体を得ることができる
効果がある。また、薄板樹脂成形体は、薄く、軽くて弾
性に優れているので、多方面の用途に利用することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形型の縦断正面図である。
【図2】成形型の型締めした状態を示す縦断正面図であ
る。
【図3】第2実施例を示す成形型の縦断正面図である。
【符号の説明】
(1)雌型 (2)雄型 (3)型合面 (4)成型部 (5)材止シール (6)抜気孔 (7)ホース (8)減圧室 (8a)基部 (8b)中間体 (8c)蓋体 (8d)フランジ (9)ホース (10)減圧手段 (11)繊維強化材 (12)材入孔 (13)ホース (14)コック (15)材入具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F202 AA36 AD16 AG03 AH55 AR02 CA17 CB01 CB12 CK86 CK90 CL02 CP01 CP06 4F208 AA36 AD16 AG03 AH55 AR02 MA01 MB01 MB11 MC03 MG11 MJ05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂材を使用する型成形方法に
    おいて、成形部と連通する減圧室を型外に配設した合わ
    せ型の成形部内に、熱硬化性樹脂材を無加圧で投入して
    型締めをした後、減圧室内の気圧を低圧で減圧すること
    によって、減圧室と連通する成形部内の配合樹脂を高い
    真空圧で加圧して、板厚の薄い成形体に形成することを
    特徴とする薄板樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形部と連通する減圧室を型外に配設し
    た合わせ型の、成形部に繊維強化材をセットし、その成
    形部に配合樹脂材を無加圧で投入して、型締めして後、
    減圧室の気圧を低圧で減圧することによって、減圧室と
    連通する成形部内の配合樹脂を高い真空圧で加圧して、
    板厚の薄い成形体に成形することを特徴とする薄板樹脂
    成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記減圧は、1.5cmHg〜20cm
    Hgの範囲の低圧で行う事を特徴とする請求項1,2の
    いずれかに記載された樹脂成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 雌雄型の組合わせからなり、型の外部に
    成形部と連通する減圧室を配設し、該減圧室には減圧手
    段が連結されており、型締め後に、減圧室内の気圧を減
    圧することにより、減圧室と連通する成形部内の配合樹
    脂を真空圧で加圧可能に構成されたことを特徴とする樹
    脂成形型。
  5. 【請求項5】 前記減圧室と連通する抜気孔が、型に複
    数形成されていることを特徴とする請求項4に記載され
    た樹脂成形型。
  6. 【請求項6】 前記減圧室と連通する抜気孔が、型の平
    面において、型内の成形部を囲むように配設されている
    ことを特徴とする請求項4に記載された樹脂成形型。
  7. 【請求項7】 前記減圧手段は、1.5cmHg〜20
    cmHgの範囲の低圧減圧機である事を特徴とする、請
    求項4〜6のいずれかに記載された樹脂成形型。
  8. 【請求項8】 前記成形型は、雌雄型のいずれかが、可
    撓性素材で形成されて、成形部の減圧により硬質の型方
    向へ可撓なことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに
    記載された樹脂成形型。
  9. 【請求項9】 前記成形型は、成形部の雌雄対向間隙
    が、減圧により縮小可能に、材止めシールが圧縮可撓な
    事を特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載された樹
    脂成形型。
JP2000371325A 2000-12-06 2000-12-06 薄板樹脂成形体の製造方法並びに成形型 Pending JP2002172687A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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