JP2002172603A - 新機能付与木材、その製法およびその使用方法 - Google Patents

新機能付与木材、その製法およびその使用方法

Info

Publication number
JP2002172603A
JP2002172603A JP2000373366A JP2000373366A JP2002172603A JP 2002172603 A JP2002172603 A JP 2002172603A JP 2000373366 A JP2000373366 A JP 2000373366A JP 2000373366 A JP2000373366 A JP 2000373366A JP 2002172603 A JP2002172603 A JP 2002172603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
titanium oxide
anatase
type titanium
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000373366A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenjiro Makino
賢次郎 牧野
Kazuharu Yoshizuka
和治 吉塚
Tsukasa Kawakami
宰 川上
Izumi Kawakami
泉 川上
Toshio Uchibori
俊夫 内堀
Chikao Kanazawa
親男 金澤
Katsutoshi Inoue
勝利 井上
Naoki Miyahara
直樹 宮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000373366A priority Critical patent/JP2002172603A/ja
Publication of JP2002172603A publication Critical patent/JP2002172603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、消臭性、調湿性、さらに場合により
難燃性、寸法安定性、防塵性、防汚性、美白性、撥水
性、光触媒の付着性などの1つ以上を付与した新機能付
与木材を製造する。 【解決手段】 木材に対する吸水率が5重量%以上の表
面に樹脂加工をしていない木材に、潮解性を有さない水
酸化アルカリ土類金属、潮解性を有さないアルカリ金属
無機塩およびアナターゼ型酸化チタンの少なくとも1つ
を付着させてなる新機能付与木材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水率が5重量%
(以下、%という)以上の木材に、潮解性を有さない水
酸化アルカリ土類金属および(または)潮解性を有さな
いアルカリ金属無機塩ならびにアナターゼ型酸化チタン
のうちの少なくとも1つを付着させ、必要に応じて撥水
剤の塗布、特定の天然物の超微粉砕物または抽出物の塗
布または含浸を行ない、抗菌性、消臭性、さらに場合に
より難燃性、寸法安定性、調湿性、防塵性、防汚性、美
白性、撥水性、光触媒の付着性などの1つ以上を付与し
た、可視光下または暗所で使用される内装材、外装材、
家具などに使用される新機能付与木材、その製法および
その使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】木材
は、建築用材料として古くから用いられてきているが、
火災のときに燃焼しやすいという欠点があり、アスベス
ト、ロックウール、ガラスウールなどの無機系化合物
や、ホウ酸系、リン系、ハロゲン系、窒素系の難燃剤な
どを用いて難燃化した木材が多く用いられてきている。
【0003】しかし、前記無機系化合物や難燃剤を用い
て難燃化した木材を用いた製品には、火災時の毒ガス発
生の問題、ホルマリン発生の問題、加工クズや加工カス
を廃棄するときの2次汚染の問題、コスト高になる問
題、作業毒性の問題などがある。
【0004】これらの問題を解決するための技術とし
て、超微粒子化したセラミックを杉板などの表面に含浸
させ、木材表面を耐火性、難燃性にする技術も開発され
ているが、セラミックの超微粒子化および超微粒子化し
たセラミックの木材への均一な含浸に費用がかかり、高
コストになる、変色(黒色または暗色化)する、木材表
面から数μmの深さまでしか含浸しないなどの問題があ
り、実用化にいたっていない。
【0005】また、表面をクロス加工、樹脂加工、塗装
などした内装材や外装材に、アナターゼ型酸化チタンを
塗布、付着させて、抗菌消臭化処理をする技術が開発さ
れ、公表されているが、アナターゼ型酸化チタンを塗
布、付着させた内装材表面(たとえばクロス表面や樹脂
加工表面)、外壁材表面に光があたると、該表面が酸化
劣化して、変色したり、光沢を失ったり、クロス面、樹
脂加工面、塗装面などにヒビワレ、断烈などが生じ、ふ
き取りにより脱落するなどの欠点が生ずる。
【0006】前記欠点を解消するために、アナターゼ型
酸化チタンによって劣化せず、アナターゼ型酸化チタン
と内装材(たとえば壁材)などの表面との接着を促進す
る研究が進められている(合成塗料、接着剤、フィルム
などで光沢のある面にはアナターゼ型酸化チタンが付着
しにくいため、接着剤により接着させる研究が行なわれ
ているが、接着剤がアナターゼ型酸化チタンを包み込み
触媒効果を低下させるため、その改良研究が進められて
いる)が、高価である、耐久性に劣る、アナターゼ型酸
化チタンの活性を充分維持させることができないのいず
れかの欠点を有しており、満足できるものが得られてい
ないのが実状である。
【0007】また、内装材や外装材に、撥水剤であるシ
リコーン系撥水剤やフッ素系撥水剤を塗布した木材を多
く見かけるが、通気性、通水性、調湿性を有し、撥水性
を有する木材は開発されていない。ましてや、光触媒の
上に塗布し、光触媒が水や酸素を活性化する触媒効果を
妨害しないで、撥水性を付与することができるものは存
在しない。
【0008】さらに、アナターゼ型酸化チタンを用いて
抗菌性および消臭性を付与した材料に暗所で抗菌性およ
び消臭性を発現させ、その抗菌性および消臭性が消失し
たとき、光にさらすことによって、再度、暗所での抗菌
性および消臭性を再活性化させる技術は、これまで存在
しない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決した新機能付与木材を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、杉板を代表とする高い吸水性を有する木
材に、潮解性を有さない水酸化アルカリ土類金属および
(または)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩の含浸
ならびにアナターゼ型酸化チタンの付着のうち少なくと
も1つを行ない、必要に応じて撥水剤の塗布、特定の天
然物の超微粉砕物または抽出物の塗布または含浸を行な
い、天日乾燥、通気乾燥または陰干し乾燥などさせるこ
とにより、未処理の木材やセラミック微粒子を含浸させ
た木材より、抗菌性および消臭性にすぐれ、さらに場合
により難燃性、寸法安定性、調湿性、防塵性、防汚性、
美白美肌性、撥水性、光触媒の付着性、暗所・可視光下
の両方で抗菌消臭性を発現しつづけるなどの1つ以上の
機能を有する木材をきわめて安価に得ることができるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0010】すなわち、本発明は、木材に対する吸水率
が5%以上の表面に樹脂加工をしていない木材に、潮解
性を有さない水酸化アルカリ土類金属および(または)
潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を含浸させてなる
新機能付与木材(請求項1)、木材に対する吸水率が5
%以上の表面に樹脂加工をしていない木材に、アナター
ゼ型酸化チタンを付着させてなる新機能付与木材(請求
項2)、木材に対する吸水率が5%以上の表面に樹脂加
工をしていない木材に、ポリフェノールであるタンニン
(カテキン)を含む天然物、ペクチン酸を含む天然物、
キチンもしくはキトサンを含む天然物またはアルギン酸
を含む天然物の超微粉砕物または前記天然物の抽出物を
塗布または含浸したものに、さらにアナターゼ型酸化チ
タンを付着させてなる新機能付与木材(請求項3)、請
求項1記載の新機能付与木材に、さらにアナターゼ型酸
化チタンを付着させてなる木材(請求項4)、請求項1
記載の新機能付与木材に、ポリフェノールであるタンニ
ン(カテキン)を含む天然物、ペクチン酸を含む天然
物、キチンもしくはキトサンを含む天然物またはアルギ
ン酸を含む天然物の超微粉砕物またはそれらの抽出物を
塗布または含浸したものに、さらにアナターゼ型酸化チ
タンを付着させてなる木材(請求項5)、アナターゼ型
酸化チタンの付着量が0.05〜5g/m2である請求
項2、3、4または5記載の木材(請求項6)、請求項
1、2、3、4、5または6記載の新機能付与木材を、
さらにシリコーン系撥水剤またはフッ素系撥水剤で被覆
してなる木材(請求項7)、シリコーン系撥水剤または
フッ素系撥水剤の被覆量(固形分)が、0.005〜
0.5g/m2である請求項7記載の木材(請求項
8)、木材に対する吸水率が5%以上の表面に樹脂加工
をしていない木材が、杉材、米国産杉材、桐材、桧材、
松材、ツガ材、モミ材、ラワン材を代表とする木材また
は疎水性樹脂を含有していない前記木材からなる合板で
ある請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の
木材(請求項9)、潮解性を有さない水酸化アルカリ土
類金属が、代表的には水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウムまたは水酸化バリウムであり、潮解性を有さない
アルカリ金属無機塩が、代表的には炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸カリウム
である請求項1、4、5、6、7、8または9記載の木
材(請求項10)、木材に対する吸水率が5%以上の表
面に樹脂加工をしていない木材に、請求項1記載の潮解
性を有さない水酸化アルカリ土類金属および(または)
潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を常圧〜1.08
MPa(0〜10kg/cm2・G)の圧力下で含浸さ
せることを特徴とする新機能付与木材の製法(請求項1
1)、木材に対する吸水率が5%以上の表面に樹脂加工
をしていない木材に、潮解性を有さない水酸化アルカリ
土類金属を含浸させたのち酸性のアナターゼ型酸化チタ
ン液を用いてアナターゼ型酸化チタンを付着させること
を特徴とする新機能付与木材の製法(請求項12)、お
よび暗所で、請求項2、3、4、5、6、7、8または
9記載の新機能付与木材に抗菌性および消臭性を発現せ
しめ、その機能が減耗した段階で可視光下にさらし、ア
ナターゼ型酸化チタンの光触媒作用で抗菌性および消臭
性を再活性化することを特徴とする請求項2、3、4、
5、6、7、8または9記載の新機能付与木材の使用方
法(請求項13)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の新機能付与木材(1)
は、木材に対する吸水率が5%以上の表面に樹脂加工を
していない木材(以下、吸水性木材ともいう)に、潮解
性を有さない水酸化アルカリ土類金属および(または)
潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を含浸させた難燃
性、抗菌性および消臭性を付与した木材である。
【0012】前記表面に樹脂加工をしていない木材に対
する吸水率が5%以上の木材というのは、表面に樹脂加
工をしていないほぼ10mm×100mm×100mm
の木材を、40±10℃、湿度(相対湿度、以下同様)
30〜40%の部屋で8時間かけて乾燥させたのち、2
5±5℃の水に浮かせて12時間吸水させたとき、乾燥
木材に対する吸水率が5%以上、さらには10%以上に
なる木材のことである。吸水率が5%以上の表面に樹脂
加工をしていない木材であるため、100gの水に約
0.13gしか溶解しない消石灰でも、石灰乳にするこ
とによりÅ〜数千μmの微粒子として含浸されるため、
消石灰の含浸率を2%以上にすることができる。この結
果、表面に樹脂加工をしていない木材を、難燃性(自己
消化性)で、抗菌性および消臭性にすることができる。
【0013】前記吸水率が5%以上の表面に樹脂加工を
していない木材の具体例としては、たとえば杉材(吸水
率23%)、米国産杉材(吸水率21%)、桐材(吸水
率28%)、桧材(吸水率10%)、松材(吸水率8
%)、ツガ材(吸水率7%)、ラワン材(吸水率5
%)、モミ材(吸水率14%)、疎水性樹脂を含有して
いない前記木材からなる合板、たとえば石野巻合板
(株)製の構造用合板P07−45 1級、2級(吸水
率16%)などがあげられる。また、天然繊維(セルロ
ース系、絹、毛)や皮革、木材・植物の加工クズなどか
ら成形された吸水率5%以上の木材と同一の目的に用い
る内装、外装、家具、床、天井用の素材も吸水性木材に
含まれるが、これらに限定されるものではない。これら
のうちでは、杉材、米国産杉材、桐材、疎水性樹脂を含
有していない前記木材からなる合板が、高い吸水率を有
し、本発明が目的とする新機能を付与した木材を製造し
やすく、手軽に内装材、外装材、家具などに用いること
ができる点から好ましい。
【0014】前記疎水性樹脂を含有していない前記木材
からなる合板というのは、合板の結着剤または結合剤な
どとして、吸水率を大きく低下させるような疎水性樹脂
を使用していない前記木材からなる合板のことである。
【0015】前記吸水率を大きく低下させる疎水性樹脂
でない結着剤または結合剤などの具体例としては、酢酸
ビニル系エマルジョン、アクリル酸系エマルジョン、ア
セチル化澱粉、アセチル化セルロース、リグノフェノー
ル、天然樹液などからなる結着剤または結合剤などがあ
げられる。
【0016】一方、前記吸水率を大きく低下させる疎水
性樹脂の具体例としては、ウレタン系樹脂、フェノール
系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂などがあげられ
る。これらの樹脂からの接着剤、塗料などが使用されて
いる合板の場合、疎水性樹脂を含有していない前記木材
からなる合板には該当しない。
【0017】前記疎水性樹脂を含有していない前記木材
からなる合板における木材に対する疎水性樹脂でない結
着剤または結合剤の使用割合としては、1〜10%、さ
らには2〜5%であるのが、吸水性、放水性および強度
の点から好ましい。
【0018】前記疎水性樹脂を含有していない前記木材
からなる合板の具体例としては、たとえばランバー宮崎
協同組合製の杉合板♯10、♯20、桧合板♯10、♯
20、石野巻合板(株)製の構造用合板P07−45
1級、2級などがあげられる。通常、これらの吸水率は
およそ8%以上になる。
【0019】なお、前記木材(合板を含む)の形状には
とくに限定はないが、内装材、外装材、床材、天井材、
欄間材、屏風材、家具材、机材、発泡フェノール樹脂断
熱材の枠板などの用途に好ましく使用される点から、5
〜20mm×100〜300mm×1000〜2000
mm程度の板状物、5〜20mm×500〜1000m
m×1000〜2100mm程度のベニヤ板状物に加工
した構造用合板などが好ましい。
【0020】前記吸水性木材に新機能(難燃性、抗菌性
および消臭性)を付与するために含浸せしめられる潮解
性を有さない水酸化アルカリ土類金属としては、たとえ
ば水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリ
ウム、好ましくは水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ムが、価格などの点からあげられる。これらの化合物を
使用する場合には、含浸した水酸化アルカリ土類金属や
それが空気中の炭酸ガスと反応して炭酸塩となったも
の、および燃焼時に発生する炭酸ガスと炭酸塩を形成
し、水を発生することにより、木材を難燃化すると考え
られる。また、水酸化アルカリ土類金属や生成する水酸
化アルカリ土類金属の塩は、抗菌性を有するため、菌に
よる臭気の発生が抑えられる。また、メルカプタンやア
ルデヒド系の臭気を強力に吸着・分解する。
【0021】前記水酸化カルシウム(消石灰)は、水中
に消石灰の微粉(通常、粒子径1〜1000μm程度)
を懸濁させた石灰乳として使用される。水100gに対
して20℃で消石灰約0.13gしか溶解しないため、
懸濁液にすることにより、消石灰濃度10〜50%の乳
白色懸濁液状物にすることができる。なお、含浸効率と
粘度の点から、消石灰濃度10〜20%の懸濁液として
使用するのが好ましい。
【0022】なお、吸水により水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウムなどになる酸化カルシウム、酸化マグネ
シウムなどの化合物は、含浸処理時に一般に水性液にさ
れるために、この段階で水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウムなどになり、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウムなどを使用することになる。
【0023】前記吸水性木材に新機能を付与するために
付着せしめられる潮解性を有さないアルカリ金属無機塩
は、潮解性(吸湿性)を有さず、金属腐食性の小さい塩
類であって、アルカリ金属無機塩自体が抗菌性、消臭
性、調湿性を有する中性に近い塩類(微酸性〜微アルカ
リ性の塩類)である。該無機塩が木材に含浸することに
より、前記抗菌性、消臭性、調湿性に加え、木材が難燃
化する。
【0024】前記アルカリ金属無機塩の例としては、ナ
トリウム、カリウム、リチウムなど、好ましくはナトリ
ウム、カリウムの炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸
塩、重亜硫酸塩などがあげられる。具体例としては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭
酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜
硫酸カリウムなどがあげられる。
【0025】前記潮解性を有さない水酸化アルカリ土類
金属および潮解性を有さないアルカリ金属無機塩は単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうちでは、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナト
リウム、重炭酸カリウムが、難燃性にすぐれ、抗菌性お
よび消臭性が良好である点から好ましく、重亜硫酸ナト
リウム、重亜硫酸カリウムが、消臭性、とくにホルマリ
ン消臭性にすぐれ、難燃性が良好である点から好まし
く、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムが、難燃性およ
び消臭性が良好である点から好ましく、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウムが、難燃性が良好である点から好まし
い。
【0026】本発明の新機能付与木材(1)として消石
灰を含浸させたものの場合、たとえば水100重量部
(以下、部という)に対して消石灰10〜50部、さら
には10〜20部を懸濁させた石灰乳(消石灰を水に加
え、一般的に用いる撹拌を行なうことにより石灰乳が得
られる。このものは、0.13%水に溶けたÅに近い分
子粒子と考えられるものから1000μm(0.1m
m)前後までの粒度分布を有し、木材の中に含浸される
数μm以下の粒子が多数存在するため、完全に溶解しな
くても溶解度以上に含浸する。この現象は、本発明者ら
が発見したものである)に、木材に対する吸水率が5%
以上の木材を、好ましくは木材に対する含水率を0.5
%以下にしたものを浸漬し、常圧以上、好ましくは0.
108〜1.08MPa(0.1〜10kg/cm2
G)の加圧下、好ましくは5〜40℃で2〜12時間程
度含浸させることにより、製造することができる。
【0027】前記表面に樹脂加工をしていない木材の含
水率が高すぎる場合には、含浸される石灰乳の含浸率が
低くなる傾向が生じる。
【0028】石灰乳以外の潮解性を有さない水酸化アル
カリ土類金属および潮解性を有さないアルカリ金属無機
塩の場合、水に対する溶解度に近い濃度の液として含浸
させることができる。たとえば、常圧で23%の水を含
浸する杉板に亜硫酸ソーダ液を含浸させる場合、亜硫酸
ソーダは水に対して20%溶解するため、常圧で4〜5
%含浸させることができる。
【0029】このようにして得られる本発明の新機能付
与木材(1)は、潮解性を有さない水酸化アルカリ土類
金属および(または)潮解性を有さないアルカリ金属無
機塩を含浸後、40±10℃、湿度30〜40%で12
時間のごとき条件で乾燥させた状態で、厚さ10mmの
吸水性木材の面積1m2あたり常圧下50〜300g、
加圧下100〜900gの潮解性を有さない水酸化アル
カリ土類金属および(または)潮解性を有さないアルカ
リ金属無機塩を含有し、JIS A 9511に準じた
簡易法に基づいて測定した杉板10mm×10mm×1
00mmの難燃性の未燃焼寸法が95〜100mmで、
該杉板10mm×100mm×100mmを用いて、平
板塗布培養法で測定した抗菌性(実施例4の方法)が、
石灰乳含浸杉板に5%デンプン液を約80mg塗布した
ものの28日目のコロニー数が約250個(石灰乳未含
浸杉板に5%デンプン液を約80mg塗布したものの2
8日目の場合、コロニーがほぼ全面を覆い、コロニー数
を測定できない)、およびJIS K 0804の測定
器具を用い、JIS K 0099の条件でアンモニア
濃度を測定する方法で測定した消臭性が、石灰乳含浸杉
板を用いたものの4時間目のアンモニア濃度が325p
pm(石灰乳未含浸杉板を用いたものの4時間目のアン
モニア濃度が425ppm)で、10mm×100mm
×100mmで全面に潮解性を有さない水酸化アルカリ
土類金属および(または)潮解性を有さないアルカリ金
属無機塩を含浸させた試験片を40±10℃、湿度30
〜40%で12時間金網上にならべて乾燥させたのち、
25±5℃で水面に浮かせ、飽和点に達するまで(約1
日間)静置したときの木材に対する吸水率が5〜28
%、さらには10〜28%となり、この試験片を40±
10℃、湿度30〜40%で1日間放置したときの木材
に対する含水率が0.1〜2.0%、さらには0.3〜
1.2%になり、恒量点に達する時間を測定すると、水
に入れて約8時間で恒量に達するなどの特性を有する。
【0030】前記吸水性木材の表面積1m2あたりの潮
解性を有さない水酸化アルカリ土類金属および(また
は)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩の含有量が前
記範囲よりも少ない場合には、難燃性(自己消化性)、
抗菌性、消臭性が充分でなくなる傾向が生じ、前記範囲
よりも多い場合には、不燃性となり、抗菌性、消臭性も
さらに良好となるが、製造しにくくなる傾向が生じる。
したがって、吸水率の低い木材の場合、潮解性を有さな
い水酸化アルカリ土類金属および(または)潮解性を有
さないアルカリ金属無機塩を過飽和(スラリー状)にし
て、加圧下に含浸するのがより有効である。
【0031】本発明の新機能付与木材(2)は、表面に
樹脂加工をしていない木材に対する吸水率が5%以上の
表面に樹脂加工をしていない木材(吸水性木材)に、ア
ナターゼ型酸化チタンを付着(塗布などの方法による)
させた抗菌性および消臭性を有する木材である。
【0032】表面に樹脂加工をしていない木材の表面
は、屋内では、人の手や、タバコの煙、料理ミスト、油
ミストなどにより汚れやすいが、表面に樹脂加工をして
いない木材の表面にアナターゼ型酸化チタンを付着させ
ておくと、付着させたアナターゼ型酸化チタンにより、
前記汚れが分解される。この効果は、木材に潮解性を有
さない水酸化アルカリ土類金属および(または)潮解性
を有さないアルカリ金属無機塩を含浸させたものにアナ
ターゼ型酸化チタンを付着させた場合も同様である。
【0033】前記アナターゼ型酸化チタンの付着は、た
とえば木材をペーパーバフ仕上げした表面に生じた凹凸
のくぼみの部分に、アナターゼ型酸化チタン粒子が保持
されたり(物理的保持)、リグニンの末端基、バシリン
アルデヒドやシリンガアルデヒドの−CHO基が光触媒
により酸化されて−COOHとなり、アセトアシロンや
アセトシリゴンのアセチル基も加水分解されて−COO
Hとなり、−OH基と−COOH基の立体構造の中にキ
レート状にアナターゼ型酸化チタンが取り込まれるため
か(酸化チタンの表面に存在するTi−OHと木材のセ
ルロースの−OH基2ヵ所と縮合して化学結合するた
め、またはJ.P.C&P,B.Ac.113(199
8)89−92に示されているように、Ca(COO
H)2:::::TiO2の結合の理論から、リグニン由来の
前記−COOHとCa2+の結合により、とくに石灰含浸
木材とTiO2との結合が強くなるためか)、きわめて
強力に付着し、塗布後、布でふき取ろうとしてもほとん
ど脱落せず失活しない。
【0034】なお、通常、木材は、リグニンの自動酸化
反応により褐変しやすいが、光触媒による酸化により前
記褐変をおさえることができる。また、表面の酸化によ
る微少の肌あれにより光の乱反射が生じ、美白性が増加
する。さらに、石灰乳を処理したものは美白性が増す。
【0035】リグニンをカテコールなどで抽出したもの
や、ポリフェノール(タンニン、カテキン)、ペクチ
ン、キチン、アルギン酸などの天然多糖類を、紙、繊
維、プラスチック、金属、表面を樹脂塗料加工した物質
の表面に塗布し、そのうえにアナターゼ型酸化チタンを
塗布すると、木材の場合と同様に強力に付着すると同時
に、表面の劣化・分解が生じない。
【0036】前記アナターゼ型酸化チタンは、触媒活性
の点から1次粒子径が200nm以下、さらには20n
m以下のものであり、このようなアナターゼ型酸化チタ
ンである限り使用することができる。
【0037】前記吸水性木材に付着させるアナターゼ型
酸化チタンの量は、吸水性木材の表面積1m2あたり
0.05〜5g、さらには0.5〜1gであるのが、光
触媒効果、コスト、塗布斑が発生しにくいなどの点から
好ましい。前記付着量が少なすぎる場合には、触媒活性
が充分でなかったり、妨害因子により失活したりしやす
くなり、多すぎる場合には、木材の表面に斑ができた
り、コスト高になりやすくなる。
【0038】前記吸水性木材にアナターゼ型酸化チタン
を付着させる場合、前記アナターゼ型酸化チタンを、水
や、酸、アンモニア、水酸化アルカリ土類金属などの水
性液に溶解させるが、アルカリ金属イオン(とくにNa
イオンはアナターゼ型酸化チタンの失活因子となること
がある)を含まない液が使用される。アナターゼ型酸化
チタンは、とくにNaイオンにより失活することがある
ので、Na塩を含浸した木材の場合には、表面にタンニ
ン、ペクチン、キトサン、アルギン酸を塗布したうえに
塗布するのが好ましい。
【0039】前記分散液におけるアナターゼ型酸化チタ
ンの含有率は、通常、中性型で0.2〜10%、さらに
は0.5〜5%、酸性型で2〜40%、さらには2〜1
0%であるのが、作業性、塗布斑、コストなどの点から
好ましい。前記含有率が低すぎる場合には、重ね塗りが
必要になりやすく、高すぎる場合には、塗布斑が生じや
すくなる。
【0040】前記分散液は、酸性〜弱アルカリ性(pH
約1.5〜8)であるが、中性(pH約6.5〜7.
5)であるのが、潮解性を有さない、触媒活性を妨害し
ないアルカリ金属無機塩が中性の場合や潮解性を有さな
い水酸化アルカリ土類金属および(または)潮解性を有
さないアルカリ金属無機塩を含浸させない場合でも、木
材を中性加工できる点から好ましい。分散液が酸性の場
合、分散液を付着させる前に潮解性を有さない水酸化ア
ルカリ土類金属および(または)潮解性を有さないアル
カリ金属無機塩を含浸させておき、分散液が付着したの
ち中性付近になるようにするのが好ましい。分散液がア
ルカリ性の場合、空気中の炭酸ガスを吸って中和する
が、強アルカリ性の場合、肌荒れしやすくなる場合があ
る。
【0041】前記アナターゼ型酸化チタンの分散液の具
体例としては、たとえば石原産業(株)製のSTシリー
ズ(たとえばSTS−01、STS−02は、酸化チタ
ン約30%の強酸性液状物、STS−21は、約40%
の弱アルカリ性スラリー状物)や、佐電工(株)製のレ
インボー(たとえばレインボー型、レインボープラス
型、それぞれ酸化チタン約2.5%、約3.0%の中性
液状物)などの中性ゾル体、エコデバイス(株)製の可
視光応答型(たとえば酸化チタンおよび光触媒、酸化チ
タン約50%の中性液状物)などの分散体があげられ
る。このほか、粉体、ペースト状体、ゾル体、分散体な
どがあり、いずれも使用し得る。
【0042】前記分散液を吸水性木材に付着させる場
合、吸水性木材を含水率5%以下に乾燥させ、それに分
散液を塗布(ハケ塗り、ローラー塗り、スプレー塗装な
ど)などにしたのち、天日乾燥、通気乾燥、陰干し乾
燥、除湿乾燥、赤外線乾燥などの方法で乾燥させるの
が、木材の物性、酸化チタンの活性低下を起こしにく
い、均一に塗布しやすい点から好ましい。
【0043】このようにして得られる本発明の新機能付
与木材(2)は、平板塗布培養法で測定した抗菌性(実
施例4の方法)が、アナターゼ型酸化チタンを塗布し乾
燥したものに、5%デンプン液を約80mg塗布した杉
板の28日目のコロニー数が2個(アナターゼ型酸化チ
タンを塗布していない、5%デンプン液を約80mg塗
布し、乾燥した杉板の28日目の場合、コロニーがほぼ
全面を覆い、コロニー数を測定できない)、およびJI
S K 0804の測定器具を用い、JISK 009
9の条件でアンモニア濃度を測定する方法で測定した消
臭性が、アナターゼ型酸化チタン塗布杉板を用いたもの
の4時間目のアンモニア濃度が4ppm(アナターゼ型
酸化チタン未塗布杉板を用いたものの4時間目のアンモ
ニア濃度が425ppm)で、10mm×100mm×
100mmで全面にアナターゼ型酸化チタンを付着させ
た試験片を、40±10℃、湿度30〜40%で8時間
おいて乾燥させたのち、40±10℃、湿度80〜90
%で半日つるしたときの木材に対する吸水率が5〜28
%、さらには10〜28%となり、この試験片を40±
10℃、湿度30〜40%で半日つるしたときの木材に
対する含水率が0.1〜2.0%、さらには0.3〜
1.2%になり、吸水と放水を繰り返す。前記調湿性は
半恒久的に保持される。また、本発明の新機能付与木材
(2)は、付着させたアナターゼ型酸化チタンが可視光
線をうけ、木材表面や空気中の水分や酸素を活性化し、
抗菌性および消臭性を発現する。
【0044】本発明の新機能付与木材(2)では、吸水
性木材に直接アナターゼ型酸化チタンを付着させたが、
吸水性木材に、まず、ポリフェノールであるリグニン
(木材に約30%のリグニンが含まれているが、抽出し
たリグニンを表面に塗布することによりアナターゼ型酸
化チタンの密着性を増加させることができる)、タンニ
ン(カテキン)を含む天然物、ペクチン酸を含む天然
物、キチンもしくはキトサンを含む天然物またはアルギ
ン酸を含む天然物の超微粉砕物または前記天然物の抽出
物を塗布または含浸したものに、さらにアナターゼ型酸
化チタンを付着させた抗菌性および消臭性を有する木材
(3)(以下、新機能付与木材(3)ともいう)にして
もよい。
【0045】なお、アナターゼ型酸化チタンは、アルカ
リ金属イオン(とくにNaイオン)により失活すること
があるので、アルカリ金属塩を含浸した木材の場合に
は、表面にタンニン、ペクチン、キトサン、アルギン酸
などを塗布したうえに塗布するのが好ましい。
【0046】吸水性木材(リグニンを大量に含有する、
リグニン自体がポリフェノールカルボン酸系ゆえ、酸化
により自己縮合するだけで合成高分子のように、分解に
よる肌荒れや、表面の変質、破損を生じない)の表面
に、ポリフェノールであるタンニン(カテキン)を含む
天然物(たとえば茶葉)、ペクチン(ペクチン酸)を含
む天然物(たとえばみかんジュースカス)、キチンもし
くはキトサンを含む天然物(たとえばエビ・カニのカ
ラ)、アルギン酸を含む天然物(たとえばコンブ、ワカ
メ)の超微粉砕物または前記天然物からの抽出物やリグ
ニンを塗布または含浸したのち、そのうえにアナターゼ
型酸化チタンを塗布する場合には、タンニン(カテキ
ン)、ペクチン酸、キチンまたはキトサン、アルギン
酸、リグニンなどがアナターゼ型酸化チタンを木材に強
力に付着せしめる接着剤として作用し、強力な結合を形
成し、ふき取っても脱落しなくなる。
【0047】さらにまた、アナターゼ型酸化チタンと木
材とをより強力に接着せしめるために、タンニン(カテ
キン)、ペクチン酸、キチンまたはキトサン、アルギン
酸を含む天然物の微粉砕物または抽出物のもつ強力な金
属キレート能を用いて、キレート変成したものを用いる
と、木材のセルロース、ペクチン、リグニンなどの末端
と強い結合を示すとともに、酸化チタンとの間にも強い
結合を示すことを見出した。たとえば、タンニン(カテ
キン)、ペクチン酸、キチンまたはキトサン、アルギン
酸などについては、重金属を容易に、強力に吸着・結合
することに関する報文が多数あり、また、これらはセル
ロースやリグニンと強力に結合し、かつ、酸化チタンと
の分子間結合を形成することを見出した。
【0048】また、アナターゼ型酸化チタンは、可視光
線を受け、木材表面や空気中の水分や酸素を活性化して
抗菌性および消臭性を発現するが、前記接着剤を用いた
場合には、これらが有する抗菌性および消臭性により、
可視光線のない暗い所(アナターゼ型酸化チタンの光触
媒効果が現れない所)でも、抗菌消臭効果を発現するた
め、流し台の収納部、タンス、押入、下駄箱、机などの
内部に抗菌性および消臭性を付与することができる。
【0049】さらに驚くべきことには、タンニン(カテ
キン)、ペクチン(ペクチン酸)、キチン(キトサ
ン)、アルギン酸などが、暗所で臭気物質を吸着などす
ることにより消臭し、失活したものに光をあてることに
より、アナターゼ型酸化チタンが光触媒として作用し、
吸着などした臭気物質を分解し、タンニン(カテキン)
などの暗所での消臭能が賦活(再付与)される。しか
も、これらの物性は、アナターゼ型酸化チタンにより分
解・劣化することは、多糖類やポリフェノール類である
からきわめて少ない。
【0050】この賦活(再付与)は、アナターゼ型酸化
チタンと接着剤となる抗菌消臭性天然物との組み合わせ
に限らず、アナターゼ型酸化チタンをコーティングした
活性炭についてもおこる。アナターゼ型酸化チタンをコ
ーティングした活性炭を用いて、抗菌性および消臭性を
発現させ、活性炭の吸着能がなくなった時点で光にあて
るだけで、活性炭の吸着能を賦活させることができる。
【0051】前記天然物の超微粉砕物は、活性炭、木炭
とともに使用してもよく、この場合には、活性炭、木炭
を天然物と同時または別々に最大径で30μm以下、好
ましくは10μm以下にするとともに、さらに好ましく
は消石灰でpH9以下の微アルカリ性にする方が、活性
炭、木炭がスムーズに付着・含浸される。なお、天然
物、たとえばカテキンを含む茶葉やペクチン酸を含むジ
ュースカスを粉砕するとき、鉄イオンを加えた水系で超
微粉砕しながら同時にキレート化するのがよい。
【0052】前記タンニン(カテキン)を多く含む天然
物などを超微粉砕物にする方法としては、特願2000
−182993号明細書に記載の方法で前記天然物を超
微粉砕すればよい。
【0053】前記特願2000−182993号明細書
に記載の方法とは、湿式・常温で、最大径500μmを
こえ25000μm以下にした天然物を、最大径30μ
mをこえ500μm以下に微粉砕することができる機能
および微粉砕された天然物をさらに最大径1〜30μm
に超微粉砕することができる機能をそなえた別々の粉砕
機を連結したまたは前記微粉砕機能および超微粉砕機能
を1つの粉砕装置内で一体化した粉砕装置を用い、天然
物を、湿式・常温で順次小さくなるように段階的に粉砕
する(最大径500μmをこえ25000μm以下の天
然物を、最大径30μmをこえ500μm以下に微粉砕
し、微粉砕された天然物をさらに最大径1〜30μmに
超微粉砕する)方法で、最大径1〜30μm、さらには
1〜10μmに超微粉砕された、飲料品(ジュースを含
む)、食品、食品添加物、調味料、酒、香料、入浴剤、
生薬、抗菌消臭剤または化粧品などの製造に使用され
る。
【0054】前記粉砕装置において、湿式・常温で最大
径500μmをこえ25000μm以下に粉砕した天然
物を、最大径30μmをこえ500μm以下に微粉砕す
ることができる機能をそなえた粉砕機が、連続式横型ロ
ーラーミルまたは完全密閉・水平型マイクロビーズミル
(微粉砕用)を代表とする磨砕機能を有する微粉砕機で
あり、微粉砕された天然物をさらに最大径1〜30μm
に超微粉砕することができる機能をそなえた粉砕機が、
完全密閉・水平型マイクロビーズミル(超微粉砕用)を
代表とする磨砕機能を有する超微粉砕機であるのが好ま
しい。さらに、前記微粉砕機能および超微粉砕機能を1
つの装置内で一体化した粉砕装置が、完全密閉・水平型
マイクロビーズミル(微粉砕用および超微粉砕用の両
方)であり、該完全密閉・水平型マイクロビーズミル
(微粉砕用および超微粉砕用の両方)のボールの径を5
mmφから0.1mmφまで段階的にかえた粉砕機を直
列に接続して一体化した粉砕装置であるのが好ましい。
ことに、前記完全密閉・水平型マイクロビーズミル(微
粉砕用および超微粉砕用の両方)の周速が8〜15m/
秒、ビーズ充填率が75〜90%、粘度が1000〜9
0000cP、粉砕室内温度が1〜30℃、連続滞留時
間が1〜15分の条件で使用することができる粉砕装置
であるのが好ましく、とくに、天然物を粉砕する前に系
を減圧脱気し、不活性ガスを封入して粉砕することがで
きる粉砕装置であるのが好ましい。
【0055】前記粉砕方法において、微粉砕が、磨砕機
能を有する微粉砕機による微粉砕であり、超微粉砕が、
磨砕機能を有する超微粉砕機による超微粉砕であるのが
好ましく、さらに、前記微粉砕が、完全密閉・水平型マ
イクロビーズミル(微粉砕用)による微粉砕であり、前
記超微粉砕が、完全密閉・水平型マイクロビーズミル
(超微粉砕用)による超微粉砕であり、完全密閉・水平
型マイクロビーズミル(微粉砕用と超微粉砕用の両方)
の運転条件が、周速8〜15m/秒、ビーズ充填率75
〜90%、粘度1000〜90000cP、粉砕室内温
度1〜30℃、連続滞留時間1〜15分であるのが好ま
しく、ことに、天然物を粉砕する前に系を減圧脱気し、
不活性ガスを封入してから粉砕する方法で粉砕するのが
さらに好ましい。
【0056】前記粉砕装置、粉砕方法を図1に基づいて
説明する。
【0057】図1において、11は、天然物を最大径5
00μmをこえ25000μm以下に粉砕するためのド
ライミキサーミルであり、超微粉砕粒子液を噴霧乾燥さ
せる場合には噴霧乾燥機となる、12は、最大径500
μmをこえ25000μm以下の天然物を最大径30μ
mをこえ500μm以下に微粉砕するための微粉砕用ダ
イノミル、13は、最大径30μmをこえ500μm以
下に微粉砕された天然物を最大径1〜30μmに超微粉
砕するための超微粉砕用ダイノミル、14は、超微粉砕
粒子液をストックするストックタンクである。
【0058】ドライミキサーミル11の投入口15よ
り、原料となる天然物がそのまま投入される。これら
は、ドライミキサーミル11に取り付けられた撹拌粗砕
羽根16および固定刃兼バッフル17により最大径2.
5mmφ(25000μm)以下に粉砕される。
【0059】ドライミキサーミル11のかわりに、スー
パーミル、ロートプレックスを用いてもよい。
【0060】撹拌粗砕羽根16は、下部軸受が減圧・加
圧可能な仕様になっており、減圧時には、オイルシール
部に液やガスを注入し、オイルシール部の磨耗などのト
ラブルを防ぐ。一方、加圧時には、強制的に液をもらす
場合、注入口に水のヘッドタンクより微量定量ポンプで
水を注入しながら、オイルシール部を洗浄するようにし
ている。
【0061】撹拌粗砕羽根16は、底面に沈着する原料
をかきあげるように羽根の刃が加工されており、撹拌粗
砕羽根16の外立上り部16aは、固定刃兼バッフル1
7とのクリアランスが3〜5mmになるように設定され
ており、切断効果と壁面付着防止効果を示すようになっ
ている。固定刃兼バッフル17は、壁面に対し接触角θ
が55〜65度、好ましくは60度であり、固定刃兼バ
ッフル17の先端の壁面からの立上りは50mm以下、
さらには30mm前後であるのが、付着が少なく、バッ
フル効果、カッティング効果が良好になる点から好まし
い。固定刃の刃先は超硬刃が好ましく、バッフルより5
mm前後突き出すように取り付けるのが好ましい。撹拌
粗砕羽根16の中立上り部16bは、天然物および粗粉
砕物を粉砕しながら撹拌する。
【0062】最大径2.5mmφ(25000μm)以
下に粉砕された天然物は、そののち、取出口18から取
り出され、スラリーポンプ19により微粉砕用ダイノミ
ル12に供給される。通常、このときの温度は1〜30
℃、粘度は1000〜10000cP程度である。微粉
砕用ダイノミル12に供給された最大径500μmをこ
え25000μm以下の天然物は、ミル内に内設した回
転羽根でボールを撹拌しながら、ボールとボール、ボー
ルと外筒との間にかみこまれた粒子が粉砕されることに
より、最大径30μmをこえ500μm以下に粉砕され
る。
【0063】微粉砕用ダイノミル12に含まれるボール
の大きさは1〜10mmφ、好ましくは1〜5mmφで
あり、微粉砕用ダイノミル12のかわりにピンミルを用
いてもよい。ピンミルの中に内設したピンはダイノミル
中のボールと同じ作用をする。
【0064】最大径30μmをこえ500μm以下に粉
砕された天然物は、そののち、超微粉砕用ダイノミル1
3に供給される。
【0065】超微粉砕用ダイノミル13に含まれるダイ
ノミルボールの大きさは、0.1mmφ以上1mmφ未
満、好ましくは0.2〜0.5mmφ、たとえば0.5
mmφ、0.3mmφ、0.2mmφ、0.1mmφに
なるように、1〜2台の超微粉砕用ダイノミルが用いら
れる。超微粉砕用ダイノミルは、別々の粉砕機を連結し
たものであってもよく、ボールの大きさが、たとえば
0.5mmφ、0.3mmφ、0.2mmφ、0.1m
mφのうちから1〜2種を選び、1つの粉砕装置内で一
体化したものであってもよい。2種のボールを1つの粉
砕装置内で一体化する場合、大きさの違うボール間にス
リット(ボール止め)が設けられる。超微粉砕用ダイノ
ミル13に供給された最大径30μmをこえ500μm
以下の天然物は、微粉砕機と同様のメカニズムにより最
大径1〜30μm、さらには1〜10μm、ことには1
〜5μmに粉砕される。ボールの大きさが、たとえば
0.5mmφの場合、通常、10μm以下に超微粉砕す
ることができる。
【0066】なお、微粉砕用ダイノミル12および超微
粉砕用ダイノミル13の運転条件としては、ビーズ充填
率75〜90%、さらには80〜85%、粉砕室温度1
〜30℃、さらには3〜25℃、粘度1000〜900
00cP、さらには10000〜50000cP、周速
8〜15m/秒、さらには10〜12m/秒が好まし
い。
【0067】超微粉砕された天然物は、そののちストッ
クタンク14に供給され、貯蔵される。ストックタンク
14に貯蔵された超微粉砕された天然物は、そのまま製
品(天然消臭抗菌剤)にされる場合、たとえばギヤーポ
ンプ21により製品取出口22から取り出される。一
方、噴霧乾燥後に製品にされる場合には、たとえばギヤ
ーポンプ21によりドライミキサーミル11に取り付け
たスプレーノズル23に供給され、噴霧乾燥後に製品に
される。
【0068】なお、噴霧乾燥前にドライミキサーミル1
1内部の洗浄のために、スプリンクーラー型ノズルを取
りつけ高圧で側面全面を洗浄するのが好ましい。洗浄が
終わり、真空スプレードライヤーに切り替えるときは、
噴射ノズル径をたとえばポンプ注入するパイプの径d1
に対して径d2が1.5〜10倍のパイプで、径d2に対
して長さlが2〜10倍のミストコレクターパイプを取
り付けることにより、ミストが真空ラインにフラッシュ
ロスすることをほとんど防止することができる。
【0069】前記噴霧乾燥に際しては、真空ポンプ24
により1〜40Torr(133.3〜5332Pa)
にして内温20〜80℃程度で乾燥させるのが、天然物
の酸化、熱劣化を防ぐ点から好ましい。粉体は取出口1
8とは別に設けた粉体取出口から取り出せばよい。
【0070】なお、図1中の20はインバーターモータ
ー、Mはモーターである。
【0071】前記のようにして湿式粉砕物が製造され、
必要により噴霧乾燥せしめられる。
【0072】前記方法によりタンニン(カテキン)を多
く含む天然物(たとえば茶葉)、ペクチン(ペクチン
酸)を多く含む天然物(たとえばみかんジュースカ
ス)、キチン(キトサン)を多く含む天然物(たとえば
エビ・カニエキスカス)、およびアルギン酸を多く含む
天然物(たとえばコンブ、ワカメ)を、最大径30μm
以下、好ましくは10μm以下に超微粉砕したものが製
造される。天然物が木材の細胞に含浸されていくために
は、10μm以下の超微粒子にすることが好ましい。そ
れより大きいと含浸効率が低下する。塗布の場合には、
表面の凹凸の大きさから、30μm以下であれば充分使
用可能である。
【0073】また、前記天然物(原料)から、タンニン
(カテキン)、ペクチン(ペクチン酸)、キチン(キト
サン)、アルギン酸などの抽出は、たとえば熱水抽出、
水抽出、アルコール抽出、アルカリ抽出、好ましくは熱
水抽出、水抽出を0.098〜0.59MPa(常圧〜
5kg/cm2・G)で行なうなどの方法により行なう
ことができる。
【0074】前記天然物の超微粉砕物の塗布は、吸水性
木材の表面1m2あたり固形分で1〜100g、さらに
は5〜50gであるのが、調湿性、アナターゼ型酸化チ
タンの付着性などの点から好ましい。含浸の場合、厚さ
10mm、1m2あたり10〜1000g、さらには5
0〜500gであるのが抗菌性、消臭性、調湿性の点か
ら好ましい。前記塗布量または含浸量が少なすぎる場合
には、前記超微粉砕物を使用することによるアナターゼ
型酸化チタンの付着性改善効果が充分得られなくなり、
暗所での抗菌消臭効果も小さくなり、吸水性木材にアナ
ターゼ型酸化チタンを付着させた場合の付着性に近づく
傾向が生じ、多すぎる場合には、調湿性の阻害や、塗布
・含浸斑が生じやすくなる傾向が生じる。
【0075】また、前記天然物からの抽出物の塗布は、
吸水性木材の表面1m2あたり固形分で1〜50g、さ
らには2.5〜25gであるのが、調湿性、アナターゼ
型酸化チタンの付着性の点から好ましい。含浸の場合、
厚さ10mm、1m2あたり10〜500g、さらには
25〜250gであるのが抗菌性、消臭性、調湿性の点
から好ましい。前記塗布または含浸量が少なすぎる場合
には、前記超微粉砕物を使用することによるアナターゼ
型酸化チタンの付着性改善効果が充分得られなくなり、
暗所での抗菌消臭効果も小さくなり、吸水性木材にアナ
ターゼ型酸化チタンを付着させた場合の付着性に近づく
傾向が生じ、多すぎる場合には、調湿性の阻害や酸化チ
タンのつつみ込みによる活性低下、塗布・含浸斑が生じ
やすくなる傾向が生じる。
【0076】前記天然物の超微粉砕物または抽出物の塗
布または含浸は、たとえば水に希釈し、1〜10cPの
粘度にし、スプレー塗布、ローラー塗布、浸漬含浸など
の方法により行なえばよい。
【0077】前記天然物の超微粉砕物または抽出物を塗
布または含浸したのちのアナターゼ型酸化チタンの付着
は、前記天然物の超微粉砕物または抽出物の塗布物また
は含浸物が完全に乾燥したのち行なうのが、アナターゼ
型酸化チタンが前記天然物の超微粉砕物または抽出物で
全面被覆されずに部分的に素材と密着し、触媒活性を維
持しやすい点から好ましい。
【0078】本発明の新機能付与木材(1)(吸水性木
材に潮解性を有さない水酸化アルカリ土類金属および
(または)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を含浸
させ、乾燥させた新機能付与木材)の表面に、さらにア
ナターゼ型酸化チタンを付着させた新機能付与木材
(4)にしてもよい。このとき、先に水酸化アルカリ土
類金属などのアルカリ性のものまたは炭酸塩などのよう
に強酸と接触すると塩を形成するアルカリ金属無機塩を
付着・乾燥させれば、従来、木材には使用できなかった
強酸性のアナターゼ型酸化チタンを付着させても、中和
されるため、木材にも使用することができる。
【0079】水酸化アルカリ土類金属などのアルカリ性
のもの、たとえば石灰乳を含浸させたものにアナターゼ
型酸化チタンを付着させる場合、木材の表面の凹部に析
出(晶出)した炭酸力ルシウム(消石灰と大気中の炭酸
ガスとが反応して生成)や消石灰粒子と、アナターゼ型
酸化チタン粒子とのあいだの物理化学的吸着により付着
すると考えられる。石灰乳を含浸させた木材にアナター
ゼ型酸化チタンを塗布することにより、アナターゼ型酸
化チタンをより強力に接着させることができ、半恒久的
に抗菌性および消臭性を付与することができる。
【0080】前記本発明の新機能付与木材(4)は、吸
水性木材に潮解性を有さない水酸化アルカリ土類金属お
よび(または)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を
付着させた本発明の新機能付与木材(1)の特性と、吸
水性木材にアナターゼ型酸化チタンを付着させた本発明
の新機能付与木材(2)の特性とをあわせもつ。
【0081】また、吸水性木材に潮解性を有さない水酸
化アルカリ土類金属および(または)潮解性を有さない
アルカリ金属無機塩を付着・乾燥させた本発明の新機能
付与木材(1)の表面に、まず、タンニン(カテキン)
を含む天然物、ペクチン酸を含む天然物、キチンまたは
キトサンを含む天然物もしくはアルギン酸を含む天然物
の超微粉砕物またはそれらの抽出物を塗布したものに、
さらにアナターゼ型酸化チタンを付着させた抗菌性およ
び消臭性を有する新機能付与木材(5)にしてもよい。
この場合には、先に潮解性を有さない水酸化アルカリ土
類金属および(または)潮解性を有さないアルカリ金属
無機塩を付着・乾燥させ、ついで、タンニン(カテキ
ン)を含む天然物、ペクチン酸を含む天然物、キチンも
しくはキトサンを含む天然物またはアルギン酸を含む天
然物の超微粉砕物またはそれらの抽出物を塗布または含
浸し、さらに、アナターゼ型酸化チタンを付着させてい
るため、アナターゼ型酸化チタンの脱落がおこりにく
く、難燃性、暗所および可視光下両方での抗菌消臭効
果、美白、寸法安定性、調湿性に加えて、暗所で抗菌消
臭効果が失活しても光に曝すことにより再賦活される特
性を有する。
【0082】前記本発明の新機能付与木材(1)〜
(5)は、そのまま使用してもよいが、シリコーン系撥
水剤またはフッ素系撥水剤を被覆し、抗菌性、消臭性、
調湿性、場合により難燃性、通気性などを有し、さらに
撥水性を有する新機能付与木材にしてもよい。得られた
新機能付与木材を内壁に使用する場合には、手垢などの
汚れがつきにくく、外壁に使用する場合には、埃、コケ
などの付着が抑えられ、ジェット洗浄することができ、
調湿性も備えているという効果が得られる。また、光触
媒であるアナターゼ型酸化チタンが脱落したり(風雪、
雨風により)、光触媒で分解しないダストなどの汚染を
防ぐことが重要であるが、シリコーン系またはフッ素系
の撥水剤を塗布すると、撥水剤は粒子として付着し撥水
するために汚染やアナターゼ型酸化チタンの脱落を防止
し、調湿性(分子状の水は吸着、放出する調湿作用)を
保持することができる。さらに、以上に述べたアナター
ゼ型酸化チタン処理した木材の表面にシリコーン系また
はフッ素系の撥水剤を通気性、調湿性を妨げない量塗布
すると、屋外においても屋内においても、ふき取りや雨
風などによりアナターゼ型酸化チタンを脱落させること
なく、また、通気性を有するため酸化チタンの光触媒効
果を失うことがなく、さらに、シリコーン系またはフッ
素系の撥水剤は分解しにくいため、撥水性、防汚性、抗
菌性、抗コケ性、消臭性の効果を長期間にわたり持続さ
せることができる。
【0083】前記シリコーン系撥水剤またはフッ素系撥
水剤の被覆量としては、たとえば固形分で0.005〜
0.5g/m2、さらには0.01〜0.25g/m2
ことには0.05〜0.1g/m2であるのが、撥水性
を維持し、調湿性(ガス状水分を吸い放出する性質)を
維持するなどの点から好ましい。前記被覆量が少なすぎ
る場合には、撥水性が充分でなくなる傾向が生じ、多す
ぎる場合には、通気性を妨げ、コスト高になる傾向が生
じる。
【0084】前記シリコーン系撥水剤としては、撥水性
だけでなく撥油性も備えたもので、建材、繊維、紙用に
用いられているものが好ましい。その具体例としては、
たとえば東芝シリコーン(株)製の東芝シリコーンTS
W810、TSW811、TSW870、TSW83
1、TSW8251などがあげられる。
【0085】また、前記フッ素系撥水剤としては、撥水
性だけでなく撥油性も備えたもので、建材、繊維、紙用
に用いられているものが好ましい。その具体例として
は、たとえば旭硝子(株)製のアサヒガード、コロンブ
ス(株)製のアメダスなどがあげられる。
【0086】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために、実施
例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0087】なお、実施例で用いた天然物の超微粉砕物
の製造に使用した湿式粉砕機(図1に記載の湿式粉砕
機)および運転条件の詳細を、以下にまとめて示す。
【0088】ドライミキサーミル11として、(有)山
曹ミクロン製の有効仕込容量1000リットルのドライ
ミキサーミル(直径1m、高さ3m、密封可能なステン
レス製タンクに、0.5mの外立上り部(スクレーパー
兼カッター羽根)16a 2個および軸と外立上り部1
6aの中間に中立上り部(カッター羽根)16b 2個
を有する直径1mの攪拌粗砕羽根16を底面に接触する
ようにシャフトに取付け、外立上り部16aと接近する
位置に固定刃兼バッフル17 1個を設けたもの)を使
用した。
【0089】洗浄、風乾した天然物20〜200kgを
ドライミキサーミル11に投入し、同重量の飲料水を加
え、撹拌粗砕羽根16と固定刃兼バッフル17を用いて
5分間粉砕することにより、2.5mmφパス(250
00μm)の粉砕品を得た。粉砕は、5分間で段階的に
回転数を50rpmから300rpmまであげる条件で
行なった。
【0090】得られた粉砕品をスラリーポンプ19で微
粉砕用ダイノミル12に供給し、最大径50〜500μ
mにしたのち、連結した超微粉砕用ダイノミル13で粉
砕することにより、所定の粒子径の湿式粉砕物を得た。
【0091】なお、微粉砕用ダイノミル12は、ダイノ
ミルKDL−Pの粉砕筒(室)に1mmφのボールを8
5%充填したもので、周速9m/秒、粉砕室内温度20
±5℃、出口粘度10000cP、滞留時間6分の条件
で、また、超微粉砕用ダイノミル13は、ダイノミルK
DL−Pの粉砕筒(室)に、0.5mmφのボールを8
5%充填し、周速10m/秒、粉砕室内温度20±5
℃、出口粘度40000cP、滞留時間6分の条件で運
転した。
【0092】湿式粉砕物を乾燥させる場合、得られた湿
式粉砕物をストックタンク14にストックし、ギヤーポ
ンプ21により高圧(5kg/cm2(49.0×104
Pa))でスプレーノズル23に供給し、スプレーノズ
ル23よりドライミキサーミル11に供給することによ
り、ドライミキサーミル11内を洗浄し、洗浄液を微粉
砕用ダイノミル12、ついで超微粉砕用ダイノミル13
を通して全量をストックタンク14にストックした。
【0093】実施例1 杉板、桐板、表面に樹脂加工をしていない合板(石野巻
合板(株)製の構造用合板P07−45 2級特類、吸
水率16%)(以下、合板という)、米国産杉板を、厚
さ10mm×100mm×100mmに切り、40±1
0℃、湿度30〜40%に調節した除湿乾燥室で8時間
乾燥させ、含水率0.5〜1.0%の乾燥木片を得た。
得られた乾燥木片を、マグネティックスターラーで撹拌
している10%石灰乳(水性液)に浮かせて12時間放
置したのち取り出し、40±10℃、湿度30〜40%
の除湿乾燥室で12時間乾燥させた。
【0094】乾燥開始後8〜9時間で、石灰乳含浸木片
は恒量に達した。
【0095】得られた石灰乳含浸乾燥木片の重量を測定
し、石灰乳含浸前の乾燥木片の重量との差から、含浸消
石灰量を求めた。結果を表1に示す。
【0096】比較例1 実施例1と同様にして、石灰乳のかわりにダイノミルK
DL−P(シンマルエンタープライゼス(株)製)で
0.5μm以下の粒子に湿式粉砕した、パーライト、シ
ラスバルーン、炭酸カルシウムを含浸させたときの含浸
量を測定した。結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】一般に杉板に類する吸湿性、吸水性の木材
の中で杉板の場合には、厚さ10mm×100mm×1
00mmあたり約22±2gの水を吸う。水100gに
消石灰約0.13gが溶解するとされているが、前記吸
水量からすれば約0.13g×(22/100)=約
0.03gとなるはずであるが、2g前後含浸される。
これは、石灰乳が、Å(オングストローム)〜数千μm
の粒子で分散しており、Å〜10μmぐらいの粒子が含
浸されるためであると考えられる。
【0099】しかし、サブミクロンオーダーに微粉砕さ
れた人工的に製造された微粒子は、たとえすぐれた分散
剤を併用して水に分散させたとしても、木材の細胞壁を
通過することはなく、表面に近いわずか数μmの深さま
で含浸されるだけで、本質的に木材全体に均一に含浸さ
れ、木材全体を難燃化することはできない。
【0100】さらに、石灰乳はアルカリ性で、木材のセ
ルロース、ペクチン、リグニン中の−OH基、−CH2
OH基、−COOH基、−COOCH3基、−CHO基
などと電気的(静電気的)、化学的に親和性があり、容
易に均一に吸収される。
【0101】同時に、物質移動の法則から、消石灰を懸
濁させた15%石灰乳の溶解分散液と超微粒子が組織内
に吸収され結合すると、水を分離し、その水が溶解して
いない石灰乳中の消石灰を溶解し、極限値で対理論溶解
度の約100倍もの量含浸すると考える。
【0102】一方、人工の不活性微粒子(パーライトや
シラスバルーンの微粉砕物や、中性で水に溶けない石膏
や炭酸カルシウムなどの微粒子)が木材の表面に接触吸
収されると、木材のもつマイナス電荷とこれら微粒子の
マイナス電荷が静電気的に反発しあい、無機微粒子間で
自己凝集して大きな粒子に成長するため、深く含浸され
ないで、表面に凝集層が形成し、数μmしか付着吸収さ
れないと考えられる。
【0103】実施例2 150mmφ、深さ200mmの耐圧容器(10kg/
cm2・G)に石灰乳(15%スラリー液)を入れ、こ
れに回転子と実施例1と同様にして製造した乾燥木片
(杉板、桐板、合板、米国産杉板)とを入れ、コンプレ
ッサーでテスト圧力まであげ、マグネットスターラーを
まわして含浸させた。
【0104】含浸装置にコンプレッサーで圧力を加えた
以外、実施例1と同様にして、石灰乳を含浸させた試験
片を得、消石灰含浸量を求めた。結果を表2に示す。
【0105】比較例2 含浸装置にコンプレッサーで圧力を加えた以外、比較例
1と同様にして、炭酸カルシウム液を含浸させた試験片
を得、炭酸カルシウム含浸量を求めた。結果を表2に示
す。
【0106】
【表2】
【0107】実施例3 実施例1、2で得られた杉板の試験片を10mm×10
mm×100mに切断した試料を作成し、水平に保持
し、ブンゼンバーナーの炎の先を試料の先端に直角に接
触させて、燃えはじめるまでの秒数(A秒)、炎をはず
したとき消えるまでの秒数(B秒)、燃え残った部分の
長さ(未燃焼寸法)(Cmm)を求めた。結果を表3に
示す。
【0108】比較例3 比較例1、2で得られた杉板の試験片を用いて、実施例
3と同様にして評価した。結果を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】実施例4 実施例1で石灰乳を含浸させた杉板の試験片と何も含浸
させていない杉板の試験片とを、10mm×50mm×
50mmに切断して試料を作成した。得られた試料の片
面にアナターゼ型酸化チタン液((株)佐電工製、アナ
ターゼ型酸化チタン含有率2.5%、商品名レインボー
型)を原液、5倍液(純水を用いる、以下同様)、10
倍希釈液にしたものを塗布したのち、湿度30〜40
%、20〜25℃の除湿乾燥室に30分入れて乾燥させ
た。そのうえに、α化澱粉の5%液(微生物の栄養源)
を平絵筆で1回塗布(80±5mgの液を塗布)した。
得られた試料をアナターゼ型酸化チタン液塗布と同一の
条件で乾燥させたのち、乾燥させた試料の表面に黒コウ
ジカビを平絵筆につけて1回なぜつけて培養サンプルを
作成した。
【0111】得られた培養サンプルを高さ50mm×1
00mm×200mmの上面蓋が透明なタッパーの中
に、純水を5mmの深さになるように入れたうえにの
せ、ゆるやかに蓋をのせて20〜30℃の部屋に保持
し、7日の倍数単位でチェックし、発現したコロニーの
大きさ(最大Dmmφ、最小Emmφ)および数(F
個)を求めた。結果を表4に示す。
【0112】比較例4 実施例4と同様にして石灰乳を含浸させていない杉板の
試験片を作成し、アナターゼ型酸化チタンを塗布せず、
α化澱粉の5%液の塗布と黒コウジカビの付着を実施例
4と同様にして行ない、実施例4と同様に評価した。結
果を表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】実施例5 実施例1で石灰乳を含浸させた杉板の試験片と何も含浸
させていない杉板の試験片とを、厚さ10mm×50m
m×50mmに切断して試料を作成した。得られた試料
に、アナターゼ型酸化チタン液((株)佐電工製、アナ
ターゼ型酸化チタン含有率2.5%、商品名レインボー
型)を原液、5倍希釈液、10倍希釈液にしたものを塗
布したところ、夫々の試料に塗布された量は、原液が9
9.1mg(39.6g/m2)、5倍希釈液が97.
5mg(39.0g/m2)、10倍希釈液が97.2
mg(38.9g/m2)であった。
【0115】下部にコックを取り付けた下が円錐形で上
が円筒形のガラスロート(円筒形の部分の径100m
m、高さ100mmで、ゴム栓ができるようになってい
る20mmφの吸引管を挿入した上蓋付、1mの高さに
つるした40Wの蛍光灯で光照射)の下部に50%アン
モニア水10mlを入れ、5分後に下部コックを開けて
アンモニア水を全量排出し、同時に作成した試料を入
れ、蓋をし、経時毎にアンモニア濃度をJIS K 0
804の器具を用いてJIS K 0099の条件で測
定した。結果を表5に示す。
【0116】比較例5 石灰乳もアナターゼ型酸化チタン液も含浸・塗布してい
ない杉板を厚さ10mm×50mm×50mmに切断し
た試料を用いて、実施例5と同様にして消臭性を測定し
た。結果を表5に示す。
【0117】
【表5】
【0118】実施例6 実施例1と同様にして、杉板、桐板、合板、米国産杉板
に石灰乳を含浸、乾燥させた試験片を作成した。
【0119】得られた試験片に、硫酸酸性型のアナター
ゼ型酸化チタン液(石原産業(株)製、STS−01)
を2.5%液になるように希釈した液を塗布(1g/m
2)し、10日後に外観および色調を観察した。結果を
表6に示す。
【0120】
【表6】
【0121】実施例7 実施例1と同様にして杉板に石灰乳を含浸させた。その
のち、表7に記載の量のシリコーン系撥水剤(東芝シリ
コーン(株)製、TSW810)を塗布した試料を作成
し、撥水性および調湿性(吸水性、放水性)を測定し
た。
【0122】また、同様にして杉板に石灰乳を含浸させ
たものに、実施例4と同様にしてアナターゼ型酸化チタ
ンを塗布し、シリコーン系撥水剤を塗布した試料を作成
し、撥水性および調湿性を測定した。
【0123】結果を表7に示す。
【0124】(撥水性)試料を水平に置き、5mlの水
をピペットで注ぎ、水玉の形成から消失までの時間を測
定した。
【0125】(調湿性)試料の底面と側面を布テープで
完全にシールし、撥水剤を処理した一面(比較例は未処
理)を上側にし、20℃、湿度80〜90%の箱に入
れ、吸水して重量が平衡点に達するまでの時間を測定し
た。そののち、20℃、湿度50±5%の部屋に放置
し、放水して重量が平衡点になるまでの時間を測定し
た。
【0126】なお、平衡点は、吸水および放水の場合と
もに、経時毎の重量測定により吸水量および放水量がほ
とんど変化しなくなる点(吸水量および放水量が前回の
吸水量および放水量に対してそれぞれ100.5%以下
および99.8%以上)を求めた。
【0127】比較例6 未処理の杉板および未処理の杉板にシリコーン系撥水剤
を塗布した試料を作成し、撥水性および調湿性を測定し
た。
【0128】結果を表7に示す。
【0129】
【表7】
【0130】実施例8 実施例1と同様にして杉板に石灰乳を含浸、乾燥させた
ものと、含浸させていないものとを作成した。さらに、
それぞれの杉板について、30μm以下に超微粉砕した
5%茶葉液を8時間含浸させ、40±10℃、湿度30
〜40%に調節した部屋で乾燥させたものと、茶葉液を
含浸させていないものとを作成した。そののち、40℃
の温水に溶解させた5%ペクチン液(市販のペクチン粉
末を5%になるように水に入れ、撹拌しながら緩やかに
40℃まで加熱し、透明にした液)をハケで1回塗布
(40g/m2)し、乾燥させた。ついで、実施例4と
同様にして、アナターゼ型酸化チタン液の5倍希釈液を
塗布(40g/m2、乾燥量0.2g/m2)し、乾燥さ
せた試料をそれぞれ2枚作成した。
【0131】得られた試料の1枚の表面を乾布で1回ふ
き取ったものと、ふき取らないものとの組み合わせで、
合計8点の試料について、実施例4と同様の培養試験を
行ない、20日後のコロニーの数を測定した。
【0132】結果を表8に示す。
【0133】比較例7 化粧ベニヤ板に、石灰乳、最大粒子径30μmの茶葉微
粉砕液の含浸を試みたが、含浸しなかった。
【0134】前記化粧ベニヤ板に前記ペクチン液を塗布
したものと、塗布しないものをつくり、それぞれにアナ
ターゼ型酸化チタン5倍希釈液を塗布し、乾燥させた試
料を2枚作成した。
【0135】得られた試料の1枚の表面を乾布で1回ふ
き取ったものと、ふき取らないものとの組み合わせで、
実施例4と同様の培養試験を行ない、20日後のコロニ
ーの数を測定した。
【0136】結果を表8に示す。
【0137】
【表8】
【0138】実施例9 厚さ10mm×50mm×50mmの杉板に常圧で、最
大粒子径30μmに湿式粉砕した茶葉、ジュースカス、
エビカラ、コンブの液(固形分10%)を8時間かけて
含浸(4g/m2)させ、湿度30〜40%、25℃で
恒量になるまで乾燥させたものをそれぞれ2個つくっ
た。一方にはアナターゼ型酸化チタン液((株)佐電工
製、レインボー型、2.5%原液)を塗布(1g/
2)し、他方には塗布せず、光の存在しない場所に置
いた以外、実施例5と同様にして4時間後のアンモニア
濃度(1回目)を測定した。測定後、試料を取り出し、
1mの高さにつるした40Wの蛍光灯の下に10時間放
置したのち、再度暗所で1回目と同様にして2回目のア
ンモニア濃度を測定した。
【0139】結果を表9に示す。
【0140】比較例8 アナターゼ型酸化チタン未塗布の杉板を用いた以外、実
施例9と同様にしてアンモニア濃度を測定した。結果を
表9に示す。
【0141】
【表9】
【0142】実施例10 杉板に、実施例1と同様の方法、条件で、アルカリ金属
無機塩または水酸化アルカリ土類金属の15%液(溶解
しきらない場合はスラリー状で使用)を含浸させたもの
を作成し、含浸量(g/m2×10mm厚さ)、難燃性
(実施例3の燃えはじめるまでの秒数(A秒))、抗菌
性(実施例4と同様にして7日後の数を測定した)、消
臭性(アンモニア、メルカプトプロピオン酸、ホルムア
ルデヒドについて評価した。アンモニアについては、実
施例9に記載の方法で濃度(1回目)を測定し、メルカ
プトプロピオン酸およびホルムアルデヒドについては、
実施例5と同様の装置を用い、50%アンモニア水のか
わりに50%メルカプトプロピオン酸水溶液または37
%ホルマリン水溶液を用い、4時間後3人のモニターに
臭気をかいでもらい、その結果を、消臭性なし:×、少
しあり:△、あり:○、非常にあり:◎で多数決で判定
した)を測定した。結果を表10に示す。
【0143】比較例9 未含浸の杉板を用いて実施例10と同様に評価した。結
果を表10に示す。
【0144】
【表10】
【0145】
【発明の効果】本発明では、吸水率が5%以上の木材
に、潮解性を有さない水酸化アルカリ土類金属および
(または)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩ならび
にアナターゼ型酸化チタンのうちの少なくとも1つを付
着させ、さらに必要に応じて撥水剤の塗布、特定の天然
物の超微粉砕物または抽出物の塗布または含浸を行なう
ため、抗菌性、消臭性、調湿性、さらに場合により難燃
性、寸法安定性、防塵性、防汚性、美白性、撥水性、光
触媒の付着性などの1つ以上を付与した、可視光下また
は暗所で使用される内装材、外装材、家具などに使用さ
れる新機能付与木材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する天然物の超微粉砕物の製造に
使用する粉砕機の説明図である。
【符号の説明】
11 ドライミキサーミル 12 微粉砕用ダイノミル 13 超微粉砕用ダイノミル 14 ストックタンク 15 投入口 16 攪拌粗砕羽根 16a 拌粗砕羽根6の外立上り部 16b 拌粗砕羽根6の中立上り部 17 固定刃兼バッフル 18 取出口 19 スラリーポンプ 20 インバーターモーター 21 ギヤーポンプ 22 製品取出口 23 スプレーノズル 24 真空ポンプ M モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内堀 俊夫 宮崎市希望ヶ丘一丁目37番24号 (72)発明者 金澤 親男 大阪市鶴見区放出東1−9−1 (72)発明者 井上 勝利 佐賀市本庄町鹿子19−21 (72)発明者 宮原 直樹 佐賀市田代一丁目1番1−1001号 Fターム(参考) 2B230 AA01 AA07 AA21 BA01 CA01 CA02 CA15 CB30 EB01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材に対する吸水率が5重量%以上の表
    面に樹脂加工をしていない木材に、潮解性を有さない水
    酸化アルカリ土類金属および(または)潮解性を有さな
    いアルカリ金属無機塩を含浸させてなる新機能付与木
    材。
  2. 【請求項2】 木材に対する吸水率が5重量%以上の表
    面に樹脂加工をしていない木材に、アナターゼ型酸化チ
    タンを付着させてなる新機能付与木材。
  3. 【請求項3】 木材に対する吸水率が5重量%以上の表
    面に樹脂加工をしていない木材に、ポリフェノールであ
    るタンニン(カテキン)を含む天然物、ペクチン酸を含
    む天然物、キチンもしくはキトサンを含む天然物または
    アルギン酸を含む天然物の超微粉砕物または前記天然物
    の抽出物を塗布または含浸したものに、さらにアナター
    ゼ型酸化チタンを付着させてなる新機能付与木材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の新機能付与木材に、さら
    にアナターゼ型酸化チタンを付着させてなる木材。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の新機能付与木材に、ポリ
    フェノールであるタンニン(カテキン)を含む天然物、
    ペクチン酸を含む天然物、キチンもしくはキトサンを含
    む天然物またはアルギン酸を含む天然物の超微粉砕物ま
    たはそれらの抽出物を塗布または含浸したものに、さら
    にアナターゼ型酸化チタンを付着させてなる木材。
  6. 【請求項6】 アナターゼ型酸化チタンの付着量が0.
    05〜5g/m2である請求項2、3、4または5記載
    の木材。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の新機能付与木材を、さらにシリコーン系撥水剤または
    フッ素系撥水剤で被覆してなる木材。
  8. 【請求項8】 シリコーン系撥水剤またはフッ素系撥水
    剤の被覆量(固形分)が、0.005〜0.5g/m2
    である請求項7記載の木材。
  9. 【請求項9】 木材に対する吸水率が5重量%以上の表
    面に樹脂加工をしていない木材が、杉材、米国産杉材、
    桐材、桧材、松材、ツガ材、モミ材、ラワン材または疎
    水性樹脂を含有していない前記木材からなる合板である
    請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の木
    材。
  10. 【請求項10】 潮解性を有さない水酸化アルカリ土類
    金属が、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは
    水酸化バリウムであり、潮解性を有さないアルカリ金属
    無機塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナト
    リウム、重炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
    ム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナト
    リウムまたは重亜硫酸カリウムである請求項1、4、
    5、6、7、8または9記載の木材。
  11. 【請求項11】 木材に対する吸水率が5重量%以上の
    表面に樹脂加工をしていない木材に、請求項1記載の潮
    解性を有さない水酸化アルカリ土類金属および(また
    は)潮解性を有さないアルカリ金属無機塩を常圧〜1.
    08MPa(0〜10kg/cm2・G)の圧力下で含
    浸させることを特徴とする新機能付与木材の製法。
  12. 【請求項12】 木材に対する吸水率が5重量%以上の
    表面に樹脂加工をしていない木材に、潮解性を有さない
    水酸化アルカリ土類金属を含浸させたのち酸性のアナタ
    ーゼ型酸化チタン液を用いてアナターゼ型酸化チタンを
    付着させることを特徴とする新機能付与木材の製法。
  13. 【請求項13】 暗所で、請求項2、3、4、5、6、
    7、8または9記載の新機能付与木材に抗菌性および消
    臭性を発現せしめ、その機能が減耗した段階で可視光下
    にさらし、アナターゼ型酸化チタンの光触媒作用で抗菌
    性および消臭性を再活性化することを特徴とする請求項
    2、3、4、5、6、7、8または9記載の新機能付与
    木材の使用方法。
JP2000373366A 2000-12-07 2000-12-07 新機能付与木材、その製法およびその使用方法 Pending JP2002172603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000373366A JP2002172603A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 新機能付与木材、その製法およびその使用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000373366A JP2002172603A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 新機能付与木材、その製法およびその使用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002172603A true JP2002172603A (ja) 2002-06-18

Family

ID=18842770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000373366A Pending JP2002172603A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 新機能付与木材、その製法およびその使用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002172603A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006255992A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Mitsubishi Motors Corp 合成板
JP2006306946A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Mie Prefecture リグノフェノール系複合成形品の製造方法
WO2010140501A1 (ja) * 2009-06-02 2010-12-09 Makino Kenjiro 新規チタン酸モノマーおよびその高分子ならびにその製造方法および用途
WO2012096249A1 (ja) * 2011-01-14 2012-07-19 KUBOKI Hideto 木材の耐性強化処理方法と該方法により製造された耐性強化木材
JP2013091692A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Shirakawa Kotomi 不燃組成物
CN103496020A (zh) * 2013-10-12 2014-01-08 北京林业大学 一种抗菌木材及其制备方法
JP2014168902A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Tetsuya Suzuki 耐火加工木材及びその製造方法
CN104260169A (zh) * 2014-10-08 2015-01-07 西南林业大学 一种疏水、抗紫外线老化的木质基复合材料及其制备方法
KR102026630B1 (ko) * 2019-03-29 2019-10-01 항균소재 주식회사 목재 항균 가공처리 조성물로 가공처리된 목재 및 이의 제조방법
CN110774394A (zh) * 2019-11-04 2020-02-11 合肥工业大学 一种超疏水多功能纤维素基材料表面处理方法
CN117298670A (zh) * 2023-09-26 2023-12-29 广州旭璟科技有限公司 一种有机溶剂法制木质素制程中糖液和木质素分离设备及方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006255992A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Mitsubishi Motors Corp 合成板
JP2006306946A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Mie Prefecture リグノフェノール系複合成形品の製造方法
WO2010140501A1 (ja) * 2009-06-02 2010-12-09 Makino Kenjiro 新規チタン酸モノマーおよびその高分子ならびにその製造方法および用途
CN103328168A (zh) * 2011-01-14 2013-09-25 久保木秀人 木材的抗性强化处理方法和由该方法制造的抗性强化木材
JP2012144026A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Hidehito Kuboki 木材の耐性強化処理方法と該方法により製造された耐性強化木材
WO2012096249A1 (ja) * 2011-01-14 2012-07-19 KUBOKI Hideto 木材の耐性強化処理方法と該方法により製造された耐性強化木材
JP2013091692A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Shirakawa Kotomi 不燃組成物
JP2014168902A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Tetsuya Suzuki 耐火加工木材及びその製造方法
CN103496020A (zh) * 2013-10-12 2014-01-08 北京林业大学 一种抗菌木材及其制备方法
CN104260169A (zh) * 2014-10-08 2015-01-07 西南林业大学 一种疏水、抗紫外线老化的木质基复合材料及其制备方法
KR102026630B1 (ko) * 2019-03-29 2019-10-01 항균소재 주식회사 목재 항균 가공처리 조성물로 가공처리된 목재 및 이의 제조방법
CN110774394A (zh) * 2019-11-04 2020-02-11 合肥工业大学 一种超疏水多功能纤维素基材料表面处理方法
CN117298670A (zh) * 2023-09-26 2023-12-29 广州旭璟科技有限公司 一种有机溶剂法制木质素制程中糖液和木质素分离设备及方法
CN117298670B (zh) * 2023-09-26 2024-04-30 广州旭璟科技有限公司 一种有机溶剂法制木质素制程中糖液和木质素分离设备及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002172603A (ja) 新機能付与木材、その製法およびその使用方法
CN103880351A (zh) 环境友好型复合硅酸钙板及其制备方法
CN105220579A (zh) 一种环保新型无污染负离子装饰纸
CN104857663A (zh) 人造板用甲醛清除剂
CN107867810A (zh) 空气净化、调湿自洁、抗菌健康型贝壳粉生物质干粉涂料
CN110258132A (zh) 一种除甲醛印花墙布及其生产工艺
CN110252125A (zh) 一种净味除醛墙布护理剂及其制备方法
CN106280763A (zh) 可擦洗硅藻土光触媒喷涂液
CN106280761A (zh) 可擦洗氧化镁光触媒喷涂液
CN106221425A (zh) 可擦洗石膏光触媒喷涂液
CN106221398A (zh) 可擦洗分子筛光触媒喷涂液
CN106221438A (zh) 可擦洗蛇纹石光触媒喷涂液
KR100862991B1 (ko) 한지 및 이의 제조방법
CN105155354A (zh) 一种环保型装饰纸及其制备方法
CN104875258B (zh) 除甲醛人造板材
CN108914706A (zh) 一种吸附甲醛的环保壁纸
CN106221427A (zh) 可擦洗氧化铝光触媒喷涂液
CN106280764A (zh) 可擦洗麦饭石光触媒喷涂液
CN106221434A (zh) 可擦洗伊绿混层粘土光触媒喷涂液
CN106280757A (zh) 可擦洗高岭土光触媒喷涂液
CN106280760A (zh) 可擦洗浮石光触媒喷涂液
CN106221420A (zh) 可擦洗白炭黑光触媒喷涂液
KR100656457B1 (ko) 휘발성유기화합물 흡착용 도료의 제조방법
CN106280768A (zh) 可擦洗粉煤灰光触媒喷涂液
CN106221435A (zh) 可擦洗铝矾土光触媒喷涂液