JP2002172333A - 光触媒体 - Google Patents

光触媒体

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JP2002172333A
JP2002172333A JP2001220778A JP2001220778A JP2002172333A JP 2002172333 A JP2002172333 A JP 2002172333A JP 2001220778 A JP2001220778 A JP 2001220778A JP 2001220778 A JP2001220778 A JP 2001220778A JP 2002172333 A JP2002172333 A JP 2002172333A
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晃 川勝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚れ物質などの付着、吸着性を抑制しつつ、よ
り高い分解性を有する光触媒体、ランプおよび照明器具
を提供する。 【解決手段】光触媒体10は、基体1と;基体1上にT
i、O、Cを主成分とするアモルファス金属化合物から
形成された光触媒膜2と;を具備している。この光触媒
膜のC/Oを1以下(好適には0.01〜0.3)とし
た有機化合物を熱分解することにより比較的低温の焼成
で光触媒膜を形成したので、光触媒作用の高い分解力に
より汚れがつき難く、清浄効果の高い光触媒体を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】消臭、防汚およびまたは抗菌を行うため
に、光触媒膜を用いること知られている。
【0003】光触媒膜は、紫外線照射を受けて、その光
エネルギーを吸収すると、光触媒膜を構成して光触媒作
用を呈する半導体に電子とホールが生成する。電子とホ
ールは、膜表面にある酸素や水と反応して活性酸素や他
の活性なラジカルなどを生じ、有機物からなる汚れ物質
や臭い成分を酸化還元して分解するとされている。
【0004】光触媒作用のある物質のうち、現在最も有
望視されているのは酸化チタンである。酸化チタンは、
光触媒作用が顕著であるとともに、安全で工業的に合理
的な価格で、しかも必要量を入手できる物質だからであ
る。
【0005】近時、光触媒膜の有用性に注目して、建
材、照明器具およびランプなど幅広い物品に光触媒膜を
形成しようとする動きが活発である。
【0006】光触媒膜の製造方法には種々あるが、いわ
ゆるディップ法と超微粒子分散液コーティング法とが一
般的に用いられている。
【0007】いわゆるディップ法は、基体に光触媒膜を
構成する金属のアルコキシド、たとえば光触媒膜が酸化
チタンである場合には、チタンのアルコキシドを含む塗
布液を塗布し、400〜500℃の温度で焼成して光触
媒膜を形成する方法である。この製造方法により得られ
た光触媒膜は、膜強度に優れるために耐久性がある。
【0008】超微粒子分散液コーティング法は、酸化チ
タンなどの光触媒性の超微粒子を水やアルコールなどか
らなる溶液中に分散させた水溶性分散液を基体に塗布
し、焼成して光触媒膜を得る方法である。この製造方法
により得られた光触媒膜は、結晶性が高く、光触媒性に
優れている。
【0009】いわゆるディップ法により得られた光触媒
膜は、高温で長時間焼成しないと、膜表面における結晶
性が十分でなく、光触媒性が低いという問題がある。基
体がソーダライムガラスなどの軟質ガラスの場合には、
ガラスの軟化温度が比較的低いので、所要の高温で焼成
できないから、十分な光触媒性を得ることが困難であ
る。
【0010】また、上記製造方法により光触媒膜を形成
すると、ガラスの屈折率に比べて酸化チタンを主体とす
る光触媒膜の屈折率が大きいために、両者の屈折率差に
よって生じる光干渉作用によって、可視光透過率が低下
するという問題もある。
【0011】一方、超微粒子分散液コーティング法にお
いては、基体との付着性を十分に得にくいとともに、有
機質の結着剤を用いている場合に、その結着剤にクラッ
クが発生しやすい。結着剤にクラックが発生すると、白
濁などにより透過率低下が発生するといった問題があ
る。出願人は、超微粒子分散液コーティング法による光
触媒膜形成を改善して、基体に形成された金属酸化物超
微粒子とSi化合物からなる多孔質金属酸化物からなる
下地層と下地層の上に形成された酸化チタンの超微粒子
を主体とする光触媒膜を形成した光触媒体において、下
地層に含まれる金属酸化物超微粒子がAl,Zr,Si
の酸化物からなり、その平均粒径が10〜40nmであ
りかつそのモル比率が40〜90%である光触媒体を出
願している。また、このような光触媒体の分解効果をさ
らに改善した高機能光触媒体とこれを用いたランプおよ
び照明器具を提供することを出願しており、高い分解特
性のものが得られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な高い分解特性の光触媒を以ってしても、なお高い分解
特性が求められている。しかも、従来のように高い温度
で燒結するなどの必要がなく、光触媒膜を形成する基体
の選択の幅を狭めることもなく、なお基体との相性を良
好に保ち光触媒体を強固に結着させることのでき、膜強
度が高く、科学的耐久性に優れた光触媒体の追求が行な
われている。
【0013】また、このような高分解性の光触媒体は、
分解性が高い反面、汚れ物質やガスなどの吸着性も高
く、使用条件によっては汚れが付着する量の方が光触媒
作用によって分解される量よりも多くなる場合があり、
この場合には所望の効果が得られないことが判明した。
また、光触媒膜に光が所望の強度で照射されない領域が
あると、その領域は光触媒膜が形成されていない部分に
比べて汚れ物質やガスなどが多量に付着するため、かえ
って汚れが目立つという悪影響がある。
【0014】この汚れの付着性は、光触媒膜の表面状態
に影響を受ける。そして、高分解性の光触媒体は膜自体
の親水性が高く、親水性の高い光触媒膜ほど汚れの付
着、吸着性が高い傾向が見られている。
【0015】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、高い分解性特性を有し、汚れ物質などの付着、吸
着性を抑制できる光触媒体を提供することを目的とす
る。
【課題を達成するための手段】請求項1の光触媒体は、
基体と;基体上に形成されたTi、O、Cを主成分と
し、C/O比が1以下である光触媒膜と;を具備してい
ることを特徴とする。
【0016】本請求項および以下の請求項において、特
に指定しない限り用語の定義および技術的意味は以下の
説明による。
【0017】本発明者は、光触媒膜の形成材料について
種々検討した結果、これまで知られていなかったTi、
O、Cを主成分としC/O比が1以下とすることによっ
て、光触媒膜が非常に高い分解力を有し、かつ低温で形
成できることを突き止めた。また、この光触媒膜を比較
的高温状態の熱処理を行いことにより、高い分解力を維
持しつつ、膜強度、基体への付着強度、耐久性の良好な
酸化チタンを主体とする光触媒膜が得られることも発見
した。特に、膜全体のC/O比の平均が0.01〜0.
3の範囲にであり特にその表面でのC/O比が0.1以
下となることが好ましい。これは、Cの含有量を大きく
してしまうと光触媒膜で光が吸収され膜の透過率が低下
するためと考えられる。このため、上記の範囲が最適値
となった。
【0018】基体は、光触媒膜を担持するもので、専ら
光触媒膜担持を目的とする部材はもちろんのこと、元来
光触媒の担持を目的としない他の機能のために形成され
る機能材であることを許容する。基体として用いられる
機能材としては、たとえばタイル、窓ガラス、天井パネ
ルなどの建築材や、厨房用および衛生用の器材、家電機
器、照明用器材、消臭用または集塵用フィルターなどが
挙げられ、上記列挙するもの以外にも、光触媒作用が発
揮できるものであれば所望の部材を基体として適用する
ことができる。
【0019】基体の材料としては、金属、ガラス、セラ
ミックス(磁器を含む。)、陶器、石材、合成樹脂およ
び木材などが挙げられる。しかし、光触媒膜は熱分解に
より形成されるため、基体は、その熱分解時の加熱温度
に耐え得る耐熱性を備えている必要がある。この熱分解
によって光触媒膜が基体に強固に固着されることにな
る。
【0020】また、基体を金属、金属酸化物、セラミッ
クスなどからなる粒径が1.0μm〜数100μmの粒
子体とし、この粒子体の表面に光触媒膜を形成すること
で、光触媒体を光触媒機能を備えた粒状材料とすること
が可能である。この光触媒機能を備えた粒状材料は、空
気清浄器の脱臭用フィルターとして用いたり、水浄化装
置の添加剤として利用することの他、塗料に混入して光
触媒コーティング剤とすることも可能である。また、こ
の粒子体を膜となるように配設させることにも許容す
る。
【0021】基体は、光触媒膜を高温で焼成して形成す
る場合には、その焼成に耐え得る耐熱性を備えている必
要がある。
【0022】C/O比は、成膜時の雰囲気中の酸素混入
量を調整することにより制御することが可能であるが、
他の方法で制御されたものでも構わない。
【0023】光触媒膜のC/O比を1以下にすると、光
触媒膜の分解力が良好であり、1を超えると分解力が大
幅に低下することが実験によって確認された。
【0024】よって、請求項1の発明によれば、光触媒
膜の分解力を高い状態で維持することが可能である。請
求項2は、請求項1記載の光触媒体において、光触媒膜
はアモルファス金属化合物からなることを特徴とする。
【0025】アモルファス系酸化チタンを用いた光触媒
はこれまで知られていなかったが非常に高い分解力を有
し手いることを付きとめた、また、比較的高温状態の熱
処理を行うことができるため高い分解力を維持しつつ膜
郷土、基体への付着強度、耐久性の良好な光触媒膜を得
ることができたものである。
【0026】本請求項の光触媒膜は、以下のように作用
する。 (1)比較的低温領域の乾燥または焼成により、光触媒
活性の高い光触媒膜が得られる。(2)(1)の光触媒
膜を比較的高温領域(300℃超)で熱処理することに
より、酸化チタン(TiO)に結晶化され、より高い
分解性を維持し、基体への付着強度、膜強度が高く、化
学的耐久性を備えた光触媒膜が得られる。 (3)基体と光触媒膜との相性が良好であり、光触媒膜
を基体に強固に結着させることができる。 (4)光触媒の表面は通常の状態では疎水性であること
が確認されており、この疎水性を備えることによって汚
れ物質やガスなどの付着、吸着性が大幅に低減される。
【0027】請求項2の発明によれば、Ti、O、Cを
主成分とするアモルファス金属化合物から光触媒膜を形
成したので、高い分解力を有する光触媒体を低温で形成
することができる。
【0028】請求項3は、請求項2記載の光触媒体にお
いて、アモルファス金属化合物からなる光触媒膜を熱処
理により結晶化させ、酸化チタンを主成分としたことを
特徴とする。結晶化とは、アナターゼ構造、ルチル構造
およびその混合物などを許容する。
【0029】請求項3の発明によれば、Ti、O、Cを
主成分とするアモルファス金属化合物からなる光触媒膜
を熱処理するので、光触媒膜が結晶化されて、高い分解
力を維持しつつ、基体への付着強度、膜強度が高く、化
学的耐久性を備えた光触媒体を得ることができる。
【0030】請求項4の請求項1ないし3いずれか一記
載の光触媒体であって、光触媒膜がTiOR2(Rはキ
レート化合物)を原材料とする有機金属化合物を熱分解
することによって形成されたことを特徴とする。
【0031】この光触媒膜は、TiOR2(Rはキレー
ト化合物)を水、有機溶剤またはこれらの混合溶液に溶
かしたものを所望の条件で塗布し、乾燥または熱処理す
ることによって形成することができる。また、チタンア
ルコキシドなどの有機チタン化合物をベースとした溶液
を、特定の条件でCVD法によって成膜し、熱分解によ
り形成することも可能である。
【0032】請求項4は、請求項1ないし3いずれか一
記載の光触媒体において、アモルファス金属化合物がT
iOR2(Rはキレート化合物)を原材料とする有機金
属化合物を熱分解することによって形成されたことを特
徴とする。
【0033】TiOR2(Rはキレート化合物)を原材
料とする有機金属化合物を熱分解することによって得ら
れたTi、O、Cを主成分とするアモルファス金属化合
物からなる光触媒膜は光触媒活性が極めて高くなること
が実験によって確認されたが、光触媒活性が高くなる詳
細なメカニズムは不明である。
【0034】しかし、光触媒膜の成膜過程において特に
表面でのOH基の生成量が光触媒活性に影響していると
考えられる。従来のようにチタンアルコキシド(TiO
4)を原材料として光触媒膜を成膜する場合には、ま
ず部分的に加水分解反応が起こり、OH基が多数形成さ
れ、それを熱分解することにより酸化チタン(Ti
2)を有する光触媒膜となる。このように成膜された
従来の光触媒膜は、OH基を多量に含んでおり、結晶欠
陥が多く発生する。
【0035】これに対し、本請求項のTiOR2(Rは
キレート化合物)を原材料にして成膜する場合には、こ
の原材料では加水分解反応がほとんど起こらず、直接熱
分解しているため、OH基の生成量は非常に少ないため
と考えられる。
【0036】請求項4の発明によれば、アモルファス金
属化合物からなる光触媒膜がTiOR2を原材料とする
有機金属化合物を熱分解して形成されるので、光触媒活
性を一層高くすることができる。
【0037】請求項5は、請求項4記載の光触媒体にお
いて、TiOR2を原材料とする有機金属化合物にT
i、Si、Zr、YおよびAlからなる群のうち少なく
とも一種またはその混合物のアルコキシド、キレートお
よびその変成体を添加させて光触媒膜を形成したことを
特徴とする。
【0038】請求項5の発明によれば、TiOR2を原
材料とする有機金属化合物にTi、Si、Zr、Yおよ
びAlからなる群のうち少なくとも一種のアルコキシ
ド、キレートおよびその変成体を添加するので、光触媒
膜がCを含んでいることによって可視領域の若干の吸収
が生じるにもかかわらず、成膜性および光触媒活性を改
善することができる。
【0039】請求項6は、請求項4または5記載の光触
媒体において、TiOR2を原材料とする有機金属化合
物に金属酸化物微粒子を添加させたことを特徴とする。
【0040】請求項6の発明によれば、TiOR2を原
材料とする有機金属化合物に金属酸化物微粒子を添加す
るので、成膜性および光触媒活性を改善することができ
る。
【0041】請求項7は、請求項4ないし6いずれか一
記載の光触媒体において、TiOR 2を原材料とする有
機金属化合物にシリコーン樹脂またはその変成体を添加
させたことを特徴とする。
【0042】請求項7の発明によれば、TiOR2を原
材料とする有機金属化合物にシリコーン樹脂またはその
変成体を添加するので、成膜性および光触媒活性を改善
することができる。
【0043】請求項8は、請求項4ないし7いずれか一
記載の光触媒体において、TiOR 2を原材料とする有
機金属化合物を、不活性ガスを主体とする雰囲気中で熱
分解することにより光触媒膜を形成したことを特徴とす
る。
【0044】請求項8の発明によれば、TiOR2を原
材料とする有機金属化合物を、不活性ガスを主体とする
雰囲気中で熱分解するので、成膜性を改善しつつ、光触
媒活性を維持することができる。
【0045】請求項9は、請求項4ないし8いずれか一
記載の光触媒体において、Rがアセチルアセトン(C5
72)、シクロペンタジエニル(C55)またはジピ
バロイルメタン(C11192)のうち少なくとも一種
であることを特徴とする。
【0046】請求項9の光触媒体によれば、比較的安価
で取扱いが容易なキレート化合物により光触媒膜を成膜
することが可能となる。
【0047】請求項10は、請求項4ないし9いずれか
一記載の光触媒体において、TiORR’(R:キ
レート化合物、R’;アルキル基、水酸基、アルコキシ
基またはカルボキシ基)からなり、x+y=2、かつy
≦1としたことを特徴とする。
【0048】TiORR’は、酸化チタン(Ti
O)に結合しているキレート化合物(R)のうち、片方
のキレート化合物(R’)をアルキル基、水酸基、アル
コキシ基またはカルボキシ基で置換することで、基体表
面への濡れ性が向上され、膜の付着力や成膜性を改善で
きるという作用を奏する。このように一方のキレート化
合物(R)を置換する方法としては、周知の化学反応を
利用することが可能である。
【0049】請求項10の光触媒体によれば、TiOR
R’であって酸化チタン(TiO)に結合している
キレート化合物(R)のうち、片方のキレート化合物
(R’)をアルキル基、水酸基、アルコキシ基またはカ
ルボキシ基で置換することによって、基体表面への濡れ
性が向上され、膜の付着力や成膜性を改善できる。
【0050】請求項11は、請求項4ないし10いずれ
か一記載の光触媒体において、TiOR2を原材料とし
た有機金属化合物を溶剤に溶解し、さらにTiO2、A
lO、SiOから選択された少なくとも1種の超微
粒子を分散して調製された溶液を基体上に塗布した後、
熱分解を行うことにより光触媒膜が形成されたことを特
徴とする。
【0051】TiO2、AlO、SiOから選択さ
れた少なくとも1種の超微粒子とは、平均粒径が2〜1
00nm、好ましくは4〜10nmである。TiO2
AlO、SiOから選択された少なくとも1種の超
微粒子は、水やエタノールなどの有機溶剤に分散させた
溶液でTiOR2を原材料とした有機金属化合物と適量
混合される。このときの混合割合としては、酸化チタン
TiO2に換算して形成膜の材料の質量換算比がTiO2
/TiOR2が1/4〜4/5となるのが好ましい。
【0052】このように、TiOR2を原材料とした有
機金属化合物にTiO2、AlO、SiOから選択
された少なくとも1種の超微粒子を適量混合すること
で、成膜性が向上し、可視光透過率も高くすることがで
きる。これは、TiO2、AlO 、SiOから選択
された少なくとも1種の超微粒子が光触媒膜中に分散混
合されることによって混合屈折率差が少なくなり、光干
渉が低減されるためと考えられる。
【0053】請求項11の光触媒体によれば、TiOR
2を原材料とした有機金属化合物にTiO2、AlO
SiOから選択された少なくとも1種の超微粒子が適
量混合されるので、光触媒膜の成膜性が向上し、可視光
透過率を高くすることができる。
【0054】請求項12の光触媒体は、基体と;基体上
に形成されたTi、O、Cを主成分とし、C/O比が1
以下である光触媒膜で、光触媒膜にさらにTiO2、A
lO 、SiOから選択された少なくとも1種の超微
粒子が混合され、その量が光触媒膜の酸化物換算量とし
て30〜90wt%であることを特徴とする。
【0055】Ti、O、Cを主成分とする光触媒膜は請
求項1にあるように高い分解力を有する光触媒体を低温
で形成するなどの利点があるがCを含む影響で透過率が
低下するなどの不具合があげられる。このようなことか
ら、種種の添加物を検討した結果、TiO2、Al
、SiOから選択された少なくとも1種の超微粒
子を混合することによって透過率が高く高い分解力を示
し有力であった、特にTiOを酸化物還元として30
〜90wt%にすることによって性膜が良好であり低温
での形成が可能となり、かつ高透過率を有する光触媒体
を形成することができたものである。
【0056】請求項13は請求項1ないし12いずれか
一記載の光触媒体であって、形成された光触媒体の膜厚
が30〜350nmでかつ500から600nmの可視
光平均透過率が86%以上であることを特徴とする。
【0057】これは、Cの含有量が大きいことで光職内
膜で光が吸収され膜の透過率が低下することから、膜の
透過率および光触媒の分解性能に必要な膜圧を規定した
植えて透過率を規定する。このことによって、光触媒の
活性化に必要なCの含有量を透過率によって規定するも
のである。
【0058】請求項13の発明によれば、光触媒の分解
性能に必要な膜厚における透過率を規定することによっ
て、最適な光触媒の分解性能を得ることができる。
【0059】請求項14は、請求項1ないし13いずれ
か一記載の光触媒体において、光触媒膜が疎水性を呈す
ることを特徴とする。
【0060】ここで、「疎水性」とは、大気雰囲気にお
ける平衡状態で、水に対する接触角が60°以上となる
ことを意味する。
【0061】酸化チタンを主成分とする膜の表面は、製
法などによって多少変化するが、水に対する接触角が約
45〜50°またはこれ以下の親水性を呈するのが一般
的であり、また紫外線を照射することによりその接触角
がさらに低下して親水性になるものもある。
【0062】このように、酸化チタンを主成分とする膜
は、一般的に親水傾向が強く、親水性の高い光触媒膜ほ
ど汚れの付着、吸着性が高い傾向が見られている。
【0063】発明者は、TiOR2を原材料とした有機
化合物を熱分解して成膜した光触媒膜は、表面を疎水性
とすることによって汚れの付着性が大幅に低減され、か
つ非常に高い分解特性が得られることがが判明した。
【0064】疎水性を呈するメカニズムの詳細は不明で
あるが、加水分解を経ず、熱分解により光触媒膜が成膜
されるため、酸化チタンが膜表面まで欠陥の少ない完全
結晶に近い状態となり、OH基が結合し難くなっている
ためと思われる。
【0065】光触媒膜の表面が疎水性を呈していると、
汚れ物質やガスなどの付着、吸着性が大幅に低減され、
かつ光触媒膜の分解特性も高いので、光触媒体の清浄効
果がより促進される。特に、請求項10の光触媒体の光
触媒膜は、膜形成直後は親水性であるがそのまま放置あ
るいは一度水を付着させると水に対する接触角が約70
〜90°の疎水性を示す。
【0066】請求項14の発明によれば、光触媒膜が疎
水性を呈すると、光触媒膜が形成されていない基体表面
と比較しても汚れ物質、ガスの吸着または付着が低減さ
れるため、分解性が高い効果と汚れ物質の付着を抑制す
る効果の両者を備えた光触媒体とすることができる。
【0067】請求項15は、請求項1ないし14いずれ
か一記載の光触媒体において、基体が多孔質表面を有し
ていることを特徴とする。
【0068】請求項15は、請求項1ないし14いずれ
か一記載の光触媒体において、基体に多孔質金属酸化物
被膜が形成されており、この多孔質金属酸化物被膜の表
面に光触媒膜が形成されていることを特徴とする。
【0069】金属、セラミックスなどを基体とし、その
表面を多孔質とした場合にTi,O,Cを主成分とする
したアモルファス金属化合物からなる光触媒膜を形成す
ると光触媒特性がさらに向上することが判明した。この
場合、光触媒膜の膜厚は、数nm〜数10nmと小さく
ても分解性は非常に高くなる。
【0070】これは、基体の表面に例えばシリカ(Si
2)やアルミナ(Al23)などからなる多孔性金属
酸化物被膜を形成した場合でも同様な効果が得られる。
【0071】一般の有機チタン化合物などによるディッ
プ法では、一定膜厚、例えば10nm以下ではほとんど
光触媒活性が無くなるのに対し、本請求項の光触媒膜は
膜厚10nm以下でも比較的高い光触媒活性を維持して
おり、例えば2〜3nmであっても若干低下するだけで
あった。これは、基体が多孔質表面であるため、光触媒
膜の表面積が増加することに起因しているものと思われ
る。
【0072】請求項15または16の発明によれば、基
体表面を多孔質とすることによって、膜厚を小さくして
も高い光触媒活性を有する光触媒体を得ることができ
る。
【0073】請求項17は、請求項1ないし11いずれ
か一記載の光触媒体において、基体は金属酸化物粒子で
あり、この粒子表面に光触媒膜が形成されていることを
特徴とする。
【0074】光触媒膜が比較的低温領域で焼成されたも
のである場合、雰囲気中のSOやNOなどによって
光触媒活性の低下することがある。このような光触媒活
性の低下は、高温熱処理することにより大きく改善され
るが、高温熱処理が必要のため基体材質制限される。
【0075】そこで、比較的耐熱性に優れた例えばシリ
カ(SiO2)やアルミナ(Al2 3)などからなる金
属酸化物粒子表面に光触媒層を形成し、直接あるいはそ
の金属酸化物粒子を基体上に堆積した光触媒体を得るこ
とによってこれらが改善され、かつ高い光触媒活性の光
触媒体が得られる。
【0076】金属酸化物微粒子は、通常使用されている
4〜100nmの酸化チタン微粒子のみでなく、ガラ
ス、アルミナ、ジルコニアなど他の光触媒活性がほとん
どないものでもよく、また、ビーズのように直径数mm
の物でも良い。これは、原材料のTiOR2(Rはアセ
チルアセトン)を水およびエタノール(50:50)に
2〜10質量%溶解した溶液にアルミナからなる金属酸
化物微粒子(粒径16nm)を適量混合し乾燥後、10
0〜500℃で適時熱処理しさらに粉砕する等により適
切な二次形状とすることにより形成される。
【0077】自然乾燥したのみの塗布膜は、水、有機溶
剤などに溶解し膜強度も非常に弱いが、それを、低温
(100℃〜500℃)の熱処理により部分的に原材料
を熱分解して光触媒膜を形成する。
【0078】請求項17の発明によれば、金属酸化物微
粒子の表面に請求項1ないし11の光触媒膜を形成した
ので、実用的な膜強度と耐久性を有し、かつ光触媒膜単
体であっても非常に高い分解性の光触媒膜が低温で得ら
れ、例えば、そのままで溶液系での被分解物の分解、あ
るいはこの微粒子を基体上に膜、粒子などに堆積して適
切な2次形状として光触媒体として利用することができ
る。
【0079】請求項18は請求項1ないし13いずれか
一記載の光触媒体であって、基体と;基体にMO
(MはSi、Zr、Al、Gaにうちの少なくとも一
種)層を5〜150−nm形成したものの表面上に光触
媒膜を形成したことを特徴とする。
【0080】MOにおいて、MはSi、Zr、A
l、Gaにうちの少なくとも一種または、それらの混合
物であり、基体上に形成される。また、Y/Xを0.0
2〜0.2の範囲とすることが特に高い分解性を有する
光触媒体とすることができる。
【0081】このようなMO層はSi、Zr、A
l、Gaにうちの少なくとも一種もしくはそれらの混合
物のアルコキシド、キレートおよびそれらの変生態を溶
解したものを塗布し乾燥させることによって形成するこ
とができる。このとき膜厚が5〜150nmが良好であ
る。例えば、Zrアセチルアセトナートを1〜5wt%
アルコールに溶解したものを塗布し150℃に加熱する
ことによってZrCを膜厚70nmに形成することがで
きる。
【0082】請求項18の発明の光触媒膜によれば、基
体表面状態に敏感でありその状態によって成膜性および
分解性のむら、低下が発生しやすい光触媒膜の表面状態
によらずに成膜性および分解性のむらおよび低下を抑制
することができる。
【0083】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照して説明する。
【0084】図1は、本発明の第1の実施形態における
光触媒体の断面を拡大して示す概念的模式図である。
【0085】各図において、10は光触媒体、1は基
体、2は光触媒膜である。基体1は、厚さ3mm、一辺
の長さが約50mmの矩形板状ソーダライムガラスから
構成されている。
【0086】本実施形態の光触媒膜は、Ti、O、Cを
主成分としたアモルファス酸化チタン系の金属化合物か
ら成膜されている。
【0087】この光触媒膜2の形成方法について説明す
る。
【0088】例えば原材料をTiOR(Rはアセチル
アセトン(C572))を水およびエタノール(5
0:50)からなる溶媒に2〜10質量%溶解した溶液
を調製し、この溶液を基体1に塗布して自然乾燥する。
【0089】こうして得られた塗布膜は、水または有機
溶剤などに溶解し、膜強度も非常に弱い。しかし、この
塗布膜を比較的低温領域(100〜500℃)の熱処理
することによって塗布膜の原材料を部分的に熱分解して
Ti、O、Cを主成分としたアモルファス金属化合物か
らなる光触媒膜2とする。
【0090】このように光触媒膜2をTi、O、Cを主
成分としたアモルファス金属化合物から形成することに
より、実用的な膜強度を備え、耐久性に優れ、かつ非常
に高い分解力を有する光触媒膜2を得ることができる。
しかも、この光触媒膜2は比較的低温で形成することが
可能であるため、基体1の耐熱温度が制約されず、光触
媒膜自体が熱劣化することを抑制することができる。
【0091】このように成膜された光触媒膜2は600
℃以下の熱処理であればX線回析によりアモルファス構
造を有することが確認された。
【0092】また、600℃を超える比較的高温領域で
熱処理した光触媒膜2をX線回析で観察したところ、光
触媒膜2が表面まで格子欠陥が少なく完全結晶に近い酸
化チタン(TiO)から構成された状態となり、非常
に高い分解力を維持しつつ、より高い基体1への付着強
度、膜強度、化学的耐久性を備えた光触媒膜2を得るこ
とができた。
【0093】また、本実施形態の光触媒膜2は、成膜直
後は親水性であるが、そのまま放置するか、あるいは一
度水を付着させると水に対する接触角が約70〜90°
となり、疎水性を示す。
【0094】光触媒膜2が疎水性を呈すると、光触媒膜
が形成されていない基体表面に比べて汚れ物質、ガスの
吸着が低減される。したがって、高い分解力と汚れ付着
の低減効果を兼ね備えた光触媒体2を得ることができ
る。
【0095】光触媒膜2がTiOR2を水、有機溶剤ま
たはこれらの混合溶液に溶かしたものを主体として塗布
し、乾燥または熱処理する場合、Rはアセチルアセトン
(C 572)、シクロペンタジエニル(C55)また
はジピバロイルメタン(C11192)などでも同様の
光触媒膜2が形成できる。
【0096】また、TiOR2を使用する場合、塗膜時
の成膜性が悪く、色むらや分解性のむらが発生しやす
い。これを改善するたTiOR2のRのうち平均1個以
下を別のアルキル基、水酸基、アルコキシ基、カルボキ
シル基で置換すると高い分解力を維持しつつ成膜性を改
善できる。
【0097】さらに、TiOR2を原材料とする有機金
属化合物にTi、Si、Zr、YおよびAlからなる群
のうち少なくとも一種のアルコキシド、キレートおよび
その変成体を添加させたものを微量(30%以下)混合
すると、高い分解力を維持しつつ成膜性を改善できる。
【0098】また、TiOR2を原材料とする有機金属
化合物に金属酸化物微粒子を少量添加したり、シリコー
ンまたはその変成物の少量添加しても、同様に高い分解
力を維持しつつ成膜性を改善できる。
【0099】例えばTiOR2(Rはアセチルアセトン
(C572))などは、水、または有機溶剤に溶解し
かつそれらとの反応性は弱く、これら各種添加材ともほ
とんど反応しないため少量の添加では分解性などへの影
響が少ない。
【0100】次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態については光触媒膜の成膜過程が異なるのみ
であり、基本的構成は図1と同様であるため同一符号を
付して説明する。
【0101】本実施形態の光触媒膜2も、Ti、O、C
を主成分としたアモルファス酸化チタン系の金属化合物
から成膜されているが、成膜用の原材料にチタンアルコ
キシド(TiOR4)を使用している点で第1の実施形
態とは異なる。
【0102】すなわち、チタンアルコキシド(TiOR
4)を成膜用の原材料として使用しても、これをソース
としてN2などの不活性ガスを主体とする雰囲気下にお
いて300℃以上で熱分解することによってTi、O、
Cを主成分としたアモルファス酸化チタン系の金属化合
物からなる光触媒膜2を形成できる。ただし、チタンア
ルコキシド(TiOR4)を成膜用の原材料として使用
する場合には、分解温度(加熱温度)、投入ソース量、
添加酸素量を所望条件に調節する必要がある。投入ソー
ス量が少量の場合には、本実施形態の光触媒膜は形成で
きず、OH基を多量に含んだ従来の酸化チタン膜となっ
てしまう。したがって、従来に比べて数倍から数十倍の
ソース量を投入し、過飽和に近い状態で熱分解すること
で本実施形態の光触媒体10が形成できる。
【0103】また、少量の酸素を雰囲気中に混合させる
場合、酸素混入量を調整することにより光触媒膜中のC
/O比を制御する。C/O比は1以下にすると光触媒膜
2の分解力が良好であり、1を超えると分解力が大幅に
低下する。
【0104】比較的高温領域で熱処理を行う場合には、
光触媒膜2の酸化チタンがアナターゼ形の結晶構造とな
るように熱処理するのが望ましい。酸化チタンには結晶
構造としてルチル形とアナターゼ形とがあるが、光触媒
作用はアナターゼ形の方が優れていると考えられてお
り、膜強度、耐久性なども向上するためである。
【0105】しかし、実際にはアナターゼ形にルチル形
が混合して形成される場合も多く、それでも実用的な光
触媒作用を得ることができるから、本実施形態において
は、両者の混合した態様を許容する。
【0106】なお、本発明の光触媒体はランプとしても
適用可能である。この場合、ランプの発光原理は問わな
い。たとえば、ガラスバルブを基体とした場合にこのガ
ラスバルブ表面上に光触媒膜が形成される。ガラスバル
ブは、放電媒体を包囲している態様であってもよいし、
発光部を内包している発光管をさらに包囲する外管であ
ってもよい。すなわち、ランプは白熱電球、放電ランプ
などであることを許容し、白熱電球の場合にはフィラメ
ントが発熱部に、放電ランプの場合には放電によって輝
線を発する放電媒体や蛍光体層などが発光部にそれぞれ
該当する。また、LEDの場合には発光半導体チップが
発光部に、モールド樹脂がガラスバルブにそれぞれ該当
するため、広義にはバルブはガラスに限定されない。
【0107】白熱電球の場合、色温度が高いハロゲン電
球の方が一般照明用電球より波長400nm以下の発光
割合が高いが、一般照明用の白熱電球であってもよい。
【0108】放電ランプの場合、低圧放電ランプおよび
高圧放電ランプのいずれでもよい。
【0109】低圧放電ランプとしては、たとえば蛍光ラ
ンプがある。蛍光ランプに用いる蛍光体を選択して40
0nm以下の発光を適当に増加させることができる。こ
のような蛍光ランプは、比較的可視光の低下が少なく
て、しかも光触媒体の活性化作用が一般照明用の蛍光ラ
ンプに比較して良好なので、光触媒体活性化用のランプ
として好適である。しかし、本発明は一般照明用として
従来から多用されている三波長形発光の蛍光体やカルシ
ウムハロリン酸塩蛍光体を用いた蛍光ランプであること
を許容するものである。
【0110】また、主として400nm以下の発光を利
用する目的の殺菌ランプやブラックライト、ケミカルラ
ンプなどをも許容する。一方、高圧放電ランプとして
は、たとえば水銀ランプ、メタルハライドランプおよび
高圧ナトリウムランプなどであるを許容する。
【0111】ランプのガラスバルブを基体として光触媒
膜を形成しているので、たとえランプが発生する400
nm以下の発光量が少なくても光触媒膜を十分に活性化
することができる。
【0112】ランプを用いると、光触媒作用によりガラ
スバルブに付着するたばこの脂や、ばい煙などの有機質
の汚れ物質が分解されるので、ガラスバルブの汚れによ
る光束低下が少なくなる。このため、長期間にわたって
良好な照明を行うことができるとともに、ランプの清掃
インターバルを長くすることができる。
【0113】さらに、ランプが点灯するのに伴って生じ
る発熱により、ランプの周囲に熱対流が発生じ、室内の
空気が対流する。ランプに接触した空気の消臭、殺菌が
行われる。したがって、本発明のランプを用いることに
より、室内空気を消臭、殺菌することができる。
【0114】また、本発明の光触媒体は、照明器具とし
て使用することも可能である。照明器具の場合には、照
明器具本体の制光手段または反射体を基体とし、この制
光手段などの少なくとも一部に光触媒膜を形成すればよ
い。照明器具は、屋外用および屋内用のいずれでもよ
い。
【0115】制光手段は、反射体、グローブ、セード、
透光性カバーおよびルーバなどの一種類または任意の複
数種類の組み合わせで用いられていることを許容する。
また、制光手段の全体に光触媒膜を形成してもよいし、
その一部分に形成してもよい。
【0116】制光手段は、使用によりばい煙やたばこの
脂などの有機物からなる汚れがそこに付着すると、照明
器具としての光学性能が低下するが、光触媒膜を形成し
ておくことにより、汚れが分解されるので、光学性能の
低下を抑制することができる。
【0117】また、制光手段に接触した空気中の臭い物
質を分解したり殺菌することにより、室内の脱臭、殺菌
を行うこともできる。
【0118】さらに、光触媒体を膜状に形成するだけで
なく、粒形状また、両家以上に下ものをさらに膜状に形
成するなど種種に形成でき、用途としては照明器具の他
たとえば冷蔵庫、エアコンディショナー、空気清浄装置
などに収納できる大きさおよび構造にして、これらの機
器に配設することにより、脱臭または殺菌手段とするこ
ともできる。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)Ti、O、Cを主成分とするアモルファス金属化
合物から光触媒膜を形成した場合、高い分解力を有する
光触媒体を低温で形成することができる。 (2)TiOR2を原材料とした有機化合物を熱分解す
ることにより光触媒膜を形成した場合には、光触媒作用
の高い分解力により汚れがつき難く、清浄効果の高い光
触媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、2の実施形態における光触媒体
の断面を拡大して示す概念的模式図。
【符号の説明】
1…基体、2…光触媒膜、10…光触媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/08 B01J 37/08 C01G 23/04 C01G 23/04 C Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC03 CD02 CD07 4G069 BA01A BA02A BA04B BA21A BA21B BA21C BA48A BC16A BC16C BC40A BC40C BC50A BC50B BC50C BC51A BC51C BD05A BD05C BE08C BE11C BE36C CD10 DA05 EA02X EB19 EC22Y EC26 ED01 ED04 EE01 FA01 FA02 FA03 FB15 FB23 FB34 FC02 FC08

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体と;基体上に形成されたTi、O、C
    を主成分とし、C/O比が1以下である光触媒膜と;を
    具備していることを特徴とする光触媒体。
  2. 【請求項2】光触媒膜はアモルファス金属化合物からな
    ることを特徴とする請求項1記載の光触媒体。
  3. 【請求項3】アモルファス金属化合物からなる光触媒膜
    を熱処理により結晶化させたことを特徴とする請求項2
    記載の光触媒体。
  4. 【請求項4】光触媒膜がTiOR2(Rはキレート化合
    物)を原材料とする有機金属化合物を熱分解することに
    よって形成されたことを特徴とする請求項1ないし3い
    ずれか一記載の光触媒体。
  5. 【請求項5】TiOR2を原材料とする有機金属化合物
    にTi、Si、Zr、YおよびAlからなる群のうち少
    なくとも一種のアルコキシド、キレートおよびその変成
    体を添加させて光触媒膜を形成したことを特徴とする請
    求項4記載の光触媒体。
  6. 【請求項6】TiOR2を原材料とする有機金属化合物
    に金属酸化物微粒子を添加させたことを特徴とする請求
    項4または5記載の光触媒体。
  7. 【請求項7】TiOR2を原材料とする有機金属化合物
    にシリコーン樹脂またはその変成体を添加させたことを
    特徴とする請求項4ないし6いずれか一記載の光触媒
    体。
  8. 【請求項8】TiOR2を原材料とする有機金属化合物
    を、不活性ガスを主体とする雰囲気中で熱分解すること
    により光触媒膜を形成したことを特徴とする請求項4な
    いし7いずれか一記載の光触媒体。
  9. 【請求項9】Rがアセチルアセトン(C572)、シ
    クロペンタジエニル(C55)またはジピバロイルメタ
    ン(C11192)のうち少なくとも一種であることを
    特徴とする請求項4ないし8いずれか一記載の光触媒
    体。
  10. 【請求項10】光触媒膜がTiORR’(R:キレ
    ート化合物、R’;アルキル基、水酸基、アルコキシ基
    またはカルボキシ基)からなり、x+y=2、かつy≦
    1であることを特徴とする請求項4ないし9いずれか一
    記載の光触媒体。
  11. 【請求項11】TiOR2を原材料とした有機金属化合
    物を溶剤に溶解し、さらにTiO2、AlO、SiO
    から選択された少なくとも1種の超微粒子を分散して
    調製された溶液を基体上に塗布した後、熱分解を行うこ
    とにより光触媒膜が形成されたことを特徴とする請求項
    4ないし10いずれか一記載の光触媒体。
  12. 【請求項12】基体と;基体上に形成されたTi、O、
    Cを主成分とし、C/O比が1以下である光触媒膜で、
    光触媒膜にさらにTiO2、AlO、SiOから選
    択された少なくとも1種の超微粒子が混合され、その量
    が光触媒膜の酸化物換算量として30〜90wt%であ
    ることを特徴とする光触媒体。
  13. 【請求項13】形成された光触媒体の膜厚が30〜35
    0nmでかつ500から600nmの可視光平均透過率
    が86%以上であることを特徴とする請求項1ないし1
    2いずれか一記載の光触媒体。
  14. 【請求項14】光触媒体が疎水性を呈することを特徴と
    する請求項1ないし13いずれか一記載の光触媒体。
  15. 【請求項15】基体が多孔質表面を有していることを特
    徴とする請求項1ないし12いずれか一記載の光触媒
    体。
  16. 【請求項16】基体に多孔質金属酸化物被膜が形成され
    ており、この多孔質金属酸化物被膜の表面に光触媒膜が
    形成されていることを特徴とする請求項1ないし12い
    ずれか一記載の光触媒体。
  17. 【請求項17】基体は金属酸化物粒子であり、この粒子
    表面に光触媒層が形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし11いずれか一記載の光触媒体。
  18. 【請求項18】基体と;基体にMO(MはSi、
    Zr、Al、Gaにうちの少なくとも一種)層を5〜1
    50nm形成したものの表面上に光触媒膜を形成したこ
    とを特徴とする請求項1ないし13いずれか一記載の光
    触媒体。
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