JP2002172320A - 流動層装置およびそれを使用した粉粒体処理方法 - Google Patents
流動層装置およびそれを使用した粉粒体処理方法Info
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- JP2002172320A JP2002172320A JP2000371355A JP2000371355A JP2002172320A JP 2002172320 A JP2002172320 A JP 2002172320A JP 2000371355 A JP2000371355 A JP 2000371355A JP 2000371355 A JP2000371355 A JP 2000371355A JP 2002172320 A JP2002172320 A JP 2002172320A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 流動層装置における流動室内の結露を防止す
る。 【解決手段】 流動層装置の粉粒体処理容器12の器壁
12aを外壁31にて囲繞する。器壁12aと外壁31
との間に、断熱室30を形成する。外壁31には真空ポ
ンプ34と接続した排気口33を設け、断熱室30内の
空気を吸引し内圧を13.3Pa以下の真空状態とす
る。真空状態となった断熱室30により熱の伝導が遮断
され、器壁12aには外気の熱が伝わらない。従って、
器壁12aが外気により冷却され、その内面に結露が生
じるのを防止することができ、器壁12a内面への粉粒
体の付着を抑制できる。
る。 【解決手段】 流動層装置の粉粒体処理容器12の器壁
12aを外壁31にて囲繞する。器壁12aと外壁31
との間に、断熱室30を形成する。外壁31には真空ポ
ンプ34と接続した排気口33を設け、断熱室30内の
空気を吸引し内圧を13.3Pa以下の真空状態とす
る。真空状態となった断熱室30により熱の伝導が遮断
され、器壁12aには外気の熱が伝わらない。従って、
器壁12aが外気により冷却され、その内面に結露が生
じるのを防止することができ、器壁12a内面への粉粒
体の付着を抑制できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体の造粒、コ
ーティング、乾燥等の粉粒体処理技術に関し、特に、流
動層状態にある医薬品や食品等の粉粒体を、粉粒体処理
容器内の内壁に付着させずに処理する場合に有効な技術
に関するものである。
ーティング、乾燥等の粉粒体処理技術に関し、特に、流
動層状態にある医薬品や食品等の粉粒体を、粉粒体処理
容器内の内壁に付着させずに処理する場合に有効な技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品、食品等の分野では、粉粒体の造
粒、コーティング、乾燥等の所謂粉粒体の処理を、流動
層状態を利用して単一装置で行う流動層装置が広く使用
されている。流動層装置は、密閉構造を採用しているた
め、GMPにも適しており、また、製造された造粒物は
比較的多孔質で溶解性が良好であるという特徴を有す
る。
粒、コーティング、乾燥等の所謂粉粒体の処理を、流動
層状態を利用して単一装置で行う流動層装置が広く使用
されている。流動層装置は、密閉構造を採用しているた
め、GMPにも適しており、また、製造された造粒物は
比較的多孔質で溶解性が良好であるという特徴を有す
る。
【0003】流動層装置は、粉粒体を収容した粉粒体処
理容器内に、流動層形成用気体を導入し、この流動層形
成用気体により収容されている粉粒体を浮遊、攪拌させ
て所謂流動層状態にして、粉粒体の造粒、コーティン
グ、乾燥等の処理を行う装置である。
理容器内に、流動層形成用気体を導入し、この流動層形
成用気体により収容されている粉粒体を浮遊、攪拌させ
て所謂流動層状態にして、粉粒体の造粒、コーティン
グ、乾燥等の処理を行う装置である。
【0004】通常の流動層装置では、粉粒体処理容器
は、例えば、ステンレス等の断熱性のない素材によって
形成され、その器壁の外側は外気に晒された状態となっ
ている。そのため、例えば、造粒、コーティング工程等
で被処理物に水性液をスプレーすると、粉粒体処理容器
内が高湿度状態となり、その状態で粉粒体処理容器内の
温度が外気より高温状態になっている場合には、粉粒体
処理容器の器壁が外気により直接冷却されて露点以下の
温度となる部分が生じる。この部分で、粉粒体処理容器
内の水分が結露する。
は、例えば、ステンレス等の断熱性のない素材によって
形成され、その器壁の外側は外気に晒された状態となっ
ている。そのため、例えば、造粒、コーティング工程等
で被処理物に水性液をスプレーすると、粉粒体処理容器
内が高湿度状態となり、その状態で粉粒体処理容器内の
温度が外気より高温状態になっている場合には、粉粒体
処理容器の器壁が外気により直接冷却されて露点以下の
温度となる部分が生じる。この部分で、粉粒体処理容器
内の水分が結露する。
【0005】粉粒体処理容器内の水分の結露は、粉粒体
が器壁内面に付着する原因となり、製品品質上好ましく
ない。そのため、従来より種々の対策が提案されてい
る。
が器壁内面に付着する原因となり、製品品質上好ましく
ない。そのため、従来より種々の対策が提案されてい
る。
【0006】例えば、粉粒体処理容器の器壁を加熱用ジ
ャケットで覆い、器壁内面が露点温度まで下がらないよ
うに器壁温度を上げる手段が提案されている。
ャケットで覆い、器壁内面が露点温度まで下がらないよ
うに器壁温度を上げる手段が提案されている。
【0007】しかし、加熱用ジャケットを粉粒体処理容
器の器壁外側に装着する構成では、流動層装置に加熱ジ
ャケットや、加熱ジャケット内に熱媒体を供給する供給
設備、断熱工事等種々の付帯設備を設ける必要があり、
装置構成の規模が付帯設備を設けない場合に比べてかな
り大きくなる。そのため、付帯設備を設けない構成に比
べて設置スペースを拡大する必要があり、従来の設置ス
ペースでは設置できない場合も考えられる。そこで、設
置スペースという観点からは、装置規模を拡大しないで
済む構成が強く望まれている。
器の器壁外側に装着する構成では、流動層装置に加熱ジ
ャケットや、加熱ジャケット内に熱媒体を供給する供給
設備、断熱工事等種々の付帯設備を設ける必要があり、
装置構成の規模が付帯設備を設けない場合に比べてかな
り大きくなる。そのため、付帯設備を設けない構成に比
べて設置スペースを拡大する必要があり、従来の設置ス
ペースでは設置できない場合も考えられる。そこで、設
置スペースという観点からは、装置規模を拡大しないで
済む構成が強く望まれている。
【0008】また、かかる付帯設備を設ける構成では、
その分当然に装置自体の価格も高くなり、併せて設備コ
ストも増大する。そのため、コスト面からも付帯設備を
必要としない構成が強く望まれる。低コストで結露防止
対策が施せる技術開発が望ましい。
その分当然に装置自体の価格も高くなり、併せて設備コ
ストも増大する。そのため、コスト面からも付帯設備を
必要としない構成が強く望まれる。低コストで結露防止
対策が施せる技術開発が望ましい。
【0009】また、器壁に付着した粉体を除去するとい
観点からの付着防止対策も、従来より種々提案されてい
る。例えば、実開昭58−108138号公報には、可
撓性スリーブを粉体処理機の壁面に所定の間隔で張り巡
らせ、形成された空間部に圧ガスを供給して該スリーブ
の振動により粉体の付着を防止し、また、付着した粉体
を除去する装置が提案されている。
観点からの付着防止対策も、従来より種々提案されてい
る。例えば、実開昭58−108138号公報には、可
撓性スリーブを粉体処理機の壁面に所定の間隔で張り巡
らせ、形成された空間部に圧ガスを供給して該スリーブ
の振動により粉体の付着を防止し、また、付着した粉体
を除去する装置が提案されている。
【0010】実公平3−23302号公報には、流動層
装置の上部に沿って回転する回転吹落し機から空気を吹
き出して器壁内面に付着した粉粒体を吹き落とす装置が
開示されている。実公平1−9619号公報には、エア
スイーパ装置から空気を吹き出して器壁内面およびバグ
フィルタに付着した粉粒体を吹き落とす装置が開示され
ている。特公平5−4128号公報には、ノズルやノズ
ルに至る配管を加熱することによりこれらに結露に基づ
き粉粒体が付着することを防止する方法が開示されてい
る。
装置の上部に沿って回転する回転吹落し機から空気を吹
き出して器壁内面に付着した粉粒体を吹き落とす装置が
開示されている。実公平1−9619号公報には、エア
スイーパ装置から空気を吹き出して器壁内面およびバグ
フィルタに付着した粉粒体を吹き落とす装置が開示され
ている。特公平5−4128号公報には、ノズルやノズ
ルに至る配管を加熱することによりこれらに結露に基づ
き粉粒体が付着することを防止する方法が開示されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように流動層装
置内の付着防止策は種々提案されているが、これまで提
案されてきた付着防止技術は、その技術的観点からは、
付着物の発生を当初より防止しようとする観点からの技
術と、付着物の発生を前提として発生した付着物を除去
しようとする観点からの技術とに大きく分けられる。
置内の付着防止策は種々提案されているが、これまで提
案されてきた付着防止技術は、その技術的観点からは、
付着物の発生を当初より防止しようとする観点からの技
術と、付着物の発生を前提として発生した付着物を除去
しようとする観点からの技術とに大きく分けられる。
【0012】付着物に関しては、当初からその発生を防
止することが根本的な解決に繋がるもので最も望ましい
と考えられる。付着物の発生を前提としてその発生を防
止する対策では、付着物の除去を行うまでの間に付着物
が自然に剥離等して製造中の製品へ混入する虞が常に存
在する。
止することが根本的な解決に繋がるもので最も望ましい
と考えられる。付着物の発生を前提としてその発生を防
止する対策では、付着物の除去を行うまでの間に付着物
が自然に剥離等して製造中の製品へ混入する虞が常に存
在する。
【0013】さらに、付着物が許容限度を越える度に、
粉粒体処理容器内の付着物の除去を行う必要が生じ、付
着物除去の手間がかかる。そのため、長時間の連続稼働
を行わせることができない等、工程管理上、稼働効率上
種々の問題点を有する。
粉粒体処理容器内の付着物の除去を行う必要が生じ、付
着物除去の手間がかかる。そのため、長時間の連続稼働
を行わせることができない等、工程管理上、稼働効率上
種々の問題点を有する。
【0014】本発明者は、付着物の製品への混入を完全
に防止するとの観点からは、当初より付着物を発生させ
ないようにする技術が必要と考えた。しかし、従来より
提案されている各種技術は、それなりに有効ではあるも
のの、付着物を当初から発生させないように、粉粒体処
理容器内に結露を生じさせないという技術的観点から
は、未だ十分な提案がなされていないのが現状である。
に防止するとの観点からは、当初より付着物を発生させ
ないようにする技術が必要と考えた。しかし、従来より
提案されている各種技術は、それなりに有効ではあるも
のの、付着物を当初から発生させないように、粉粒体処
理容器内に結露を生じさせないという技術的観点から
は、未だ十分な提案がなされていないのが現状である。
【0015】本発明の目的は、粉粒体を流動層状態にし
て処理するに際して、流動層装置内で粉粒体の付着を発
生させないようにすることにある。
て処理するに際して、流動層装置内で粉粒体の付着を発
生させないようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に鑑み、付着物の除去作業を必要としない、すなわち付
着物が当初より発生しない流動層を利用した粉粒体処理
技術を開発すべく、付着物の発生原因の究明を行った。
その結果、本発明者らの研究により、次のような機構に
より流動層装置の粉粒体処理容器の器壁内面に粉粒体が
付着することを解明した。
に鑑み、付着物の除去作業を必要としない、すなわち付
着物が当初より発生しない流動層を利用した粉粒体処理
技術を開発すべく、付着物の発生原因の究明を行った。
その結果、本発明者らの研究により、次のような機構に
より流動層装置の粉粒体処理容器の器壁内面に粉粒体が
付着することを解明した。
【0017】従来構成の流動層装置では、前述の如く、
通常は、前記粉粒体処理容器は、ステンレス板等の断熱
性のない素材によって例えば円筒状等に形成されてお
り、粉粒体を流動層状態で処理する流動室を構成する粉
粒体処理容器の器壁外側は、外気に直接接触した状態と
なっている。すなわち、外気により粉粒体処理容器の器
壁は直接冷却され易い状態に置かれていることとなる。
通常は、前記粉粒体処理容器は、ステンレス板等の断熱
性のない素材によって例えば円筒状等に形成されてお
り、粉粒体を流動層状態で処理する流動室を構成する粉
粒体処理容器の器壁外側は、外気に直接接触した状態と
なっている。すなわち、外気により粉粒体処理容器の器
壁は直接冷却され易い状態に置かれていることとなる。
【0018】一方、造粒、コーティング等の粉粒体処理
を実施するためには、前記粉粒体処理容器内において被
処理物に対し水性液をスプレーするが、このスプレーに
より前記粉粒体処理容器内は多湿雰囲気となる。この状
態で、粉粒体処理容器の器壁が上記のように外気で直接
冷却されると、その器壁の一部が粉粒体処理容器内の温
度より低い露点以下の温度となる部分が生じる。この部
分に粉粒体処理容器内の水分が結露することとなる。
を実施するためには、前記粉粒体処理容器内において被
処理物に対し水性液をスプレーするが、このスプレーに
より前記粉粒体処理容器内は多湿雰囲気となる。この状
態で、粉粒体処理容器の器壁が上記のように外気で直接
冷却されると、その器壁の一部が粉粒体処理容器内の温
度より低い露点以下の温度となる部分が生じる。この部
分に粉粒体処理容器内の水分が結露することとなる。
【0019】このように結露が発生すると、その水分に
バインダーの飛沫や粉末が付着溶解して接着剤として機
能し、粉粒体を付着することとなる。この粉粒体が核と
なりさらにその上に粉粒体が付着して、器壁内面全体に
付着物が拡大することが分かった。許容限度を越えて拡
大した付着物は、装置の稼働を停止して除去、洗浄等を
行う必要がありかなりの手間を要することとなる。すな
わち、付着物の発生は、製品収率や装置稼動効率にも悪
影響を与えている。
バインダーの飛沫や粉末が付着溶解して接着剤として機
能し、粉粒体を付着することとなる。この粉粒体が核と
なりさらにその上に粉粒体が付着して、器壁内面全体に
付着物が拡大することが分かった。許容限度を越えて拡
大した付着物は、装置の稼働を停止して除去、洗浄等を
行う必要がありかなりの手間を要することとなる。すな
わち、付着物の発生は、製品収率や装置稼動効率にも悪
影響を与えている。
【0020】そこで、粉粒体が収容された粉粒体処理容
器内に、流動層形成用気体を供給して、前記粉粒体を流
動層状態にして処理を行う本発明の流動層装置では、前
記粉粒体処理容器の器壁に、器壁内面に発生する結露を
防止する結露防止手段を設けて、器壁内面に水分の結露
が生じないようにする構成を採用した。
器内に、流動層形成用気体を供給して、前記粉粒体を流
動層状態にして処理を行う本発明の流動層装置では、前
記粉粒体処理容器の器壁に、器壁内面に発生する結露を
防止する結露防止手段を設けて、器壁内面に水分の結露
が生じないようにする構成を採用した。
【0021】前記結露防止手段は、前記器壁を囲繞する
外壁と、前記器壁と前記外壁との間に形成された断熱空
間とを有してなることを特徴とする。前記結露防止手段
はさらに、前記断熱空間内の空気を吸引するポンプ装置
を備えることを特徴とする。前記断熱空間には、大気圧
よりも低い圧力の気体によって満たしておいてもよい。
前記断熱空間内の気体の圧力が1.33Pa以下である
ことを特徴とする。前記粉粒体へスプレー液を噴霧する
スプレーノズルを備えていることを特徴とする。前記処
理は、造粒処理、コーティング処理、乾燥処理の少なく
ともいずれかの処理であることを特徴とする。
外壁と、前記器壁と前記外壁との間に形成された断熱空
間とを有してなることを特徴とする。前記結露防止手段
はさらに、前記断熱空間内の空気を吸引するポンプ装置
を備えることを特徴とする。前記断熱空間には、大気圧
よりも低い圧力の気体によって満たしておいてもよい。
前記断熱空間内の気体の圧力が1.33Pa以下である
ことを特徴とする。前記粉粒体へスプレー液を噴霧する
スプレーノズルを備えていることを特徴とする。前記処
理は、造粒処理、コーティング処理、乾燥処理の少なく
ともいずれかの処理であることを特徴とする。
【0022】上記構成によれば、前記結露防止手段によ
り、粉粒体処理容器の器壁内面に結露が生じるのを防止
でき、器壁内面への粉粒体の付着が抑制され、洗浄作業
が緩和されると共に、製品収率や装置稼動効率が向上
し、生産効率等の改善を図ることが可能となる。付着物
の発生を前提として付着物を除去する対策とは異なり、
付着物の発生を当初より防止できる根本的解決に繋がる
構成である。
り、粉粒体処理容器の器壁内面に結露が生じるのを防止
でき、器壁内面への粉粒体の付着が抑制され、洗浄作業
が緩和されると共に、製品収率や装置稼動効率が向上
し、生産効率等の改善を図ることが可能となる。付着物
の発生を前提として付着物を除去する対策とは異なり、
付着物の発生を当初より防止できる根本的解決に繋がる
構成である。
【0023】この場合、前記結露防止手段として、前記
器壁を囲繞する外壁と、前記器壁と前記外壁との間に形
成された断熱空間を設けてもよい。これにより、前記断
熱空間にて熱の伝導が遮断され、器壁が外気の温度の影
響を受けないため、器壁が外気により冷却されてその内
面に結露が発生するのを防止することができる。
器壁を囲繞する外壁と、前記器壁と前記外壁との間に形
成された断熱空間を設けてもよい。これにより、前記断
熱空間にて熱の伝導が遮断され、器壁が外気の温度の影
響を受けないため、器壁が外気により冷却されてその内
面に結露が発生するのを防止することができる。
【0024】また、前記結露防止手段に、断熱空間の形
成手段として、さらに、前記断熱空間内の空気を吸引す
るポンプ装置を設けてもよい。ポンプ装置を設けること
により、必要の都度断熱空間内の気圧を所望気圧に設定
することが可能となる。加えて、前記断熱空間を、大気
圧よりも低い圧力の気体によって満たしてもよく、この
際、前記断熱空間内の気体の圧力を1.33Pa以下と
することが好ましい。これにより、器壁外周を真空状
態、あるいは真空状態に匹敵する程の低圧状態の断熱空
間にて囲繞することができ、熱伝導遮断作用をより強化
でき、さらに結露防止効果の向上を図ることができる。
成手段として、さらに、前記断熱空間内の空気を吸引す
るポンプ装置を設けてもよい。ポンプ装置を設けること
により、必要の都度断熱空間内の気圧を所望気圧に設定
することが可能となる。加えて、前記断熱空間を、大気
圧よりも低い圧力の気体によって満たしてもよく、この
際、前記断熱空間内の気体の圧力を1.33Pa以下と
することが好ましい。これにより、器壁外周を真空状
態、あるいは真空状態に匹敵する程の低圧状態の断熱空
間にて囲繞することができ、熱伝導遮断作用をより強化
でき、さらに結露防止効果の向上を図ることができる。
【0025】かかる粉粒体処理容器に断熱構造を設ける
構成は、遠心流動層装置、あるいは流動層乾燥装置に適
用することもできる。例えば、前記粉粒体処理容器内の
前記粉粒体が流動層状態になる流動層帯域の上方でバグ
フィルタの下方に位置する空域の湿度を低下させる器壁
内面への乾燥加熱気体の供給手段を有する構成の流動層
装置にしてもよい。
構成は、遠心流動層装置、あるいは流動層乾燥装置に適
用することもできる。例えば、前記粉粒体処理容器内の
前記粉粒体が流動層状態になる流動層帯域の上方でバグ
フィルタの下方に位置する空域の湿度を低下させる器壁
内面への乾燥加熱気体の供給手段を有する構成の流動層
装置にしてもよい。
【0026】より詳細には、上記流動層装置としては、
例えば、前記粉粒体処理容器の器壁に、前記粉粒体処理
容器内への乾燥気体の供給用の吹出し口を設けるように
すればよい。かかる構成を設けることにより、前記断熱
構造を粉粒体処理容器の全体に設けなくても、例えば流
動室部分に限定して設けて、断熱室で囲まれない空間内
に乾燥空気を供給するようにしてその空間における結露
を防止することができる。すなわち、乾燥気体の粉粒体
処理容器内への吹出しを、断熱構造の補完的役割として
機能させるようにすることができる。
例えば、前記粉粒体処理容器の器壁に、前記粉粒体処理
容器内への乾燥気体の供給用の吹出し口を設けるように
すればよい。かかる構成を設けることにより、前記断熱
構造を粉粒体処理容器の全体に設けなくても、例えば流
動室部分に限定して設けて、断熱室で囲まれない空間内
に乾燥空気を供給するようにしてその空間における結露
を防止することができる。すなわち、乾燥気体の粉粒体
処理容器内への吹出しを、断熱構造の補完的役割として
機能させるようにすることができる。
【0027】さらには、上記吹出し口にガイドを設け
て、乾燥加熱気体が粉流体処理容器の器壁内面に沿って
吹出すようにすれば、器壁内面の近傍雰囲気を低湿度状
態にし、且つ器壁内面の温度低下をも防止して、より効
果的に器壁内面への粉流体の付着防止効果を図ることが
できる。
て、乾燥加熱気体が粉流体処理容器の器壁内面に沿って
吹出すようにすれば、器壁内面の近傍雰囲気を低湿度状
態にし、且つ器壁内面の温度低下をも防止して、より効
果的に器壁内面への粉流体の付着防止効果を図ることが
できる。
【0028】かかるガイドとしては、例えば、吹出し口
から所定間隔離れた位置に吹出し口の開口面に対面する
ように板状部材を設けることにより、吹出し口から吹き
出した乾燥加熱気体が板面に当たって、上下方向に器壁
内面に沿って吹出すように構成すればよい。かかるガイ
ドは、全部の吹出し口に設けるようにしてもよいし、あ
るいは一部の吹出し口に設けるようにしてもよい。
から所定間隔離れた位置に吹出し口の開口面に対面する
ように板状部材を設けることにより、吹出し口から吹き
出した乾燥加熱気体が板面に当たって、上下方向に器壁
内面に沿って吹出すように構成すればよい。かかるガイ
ドは、全部の吹出し口に設けるようにしてもよいし、あ
るいは一部の吹出し口に設けるようにしてもよい。
【0029】かかる板状のガイドの板面に、気体通過孔
を設けておけば、吹出し口から吹き出した乾燥加熱気体
の一部はこの気体通過孔を通過して空域に流れ、該気体
の残部は器壁内面に沿って流れ、空域の低湿度雰囲気
と、器壁内面近傍の低湿度雰囲気および器壁の温度低下
防止を併せて行うことができる。
を設けておけば、吹出し口から吹き出した乾燥加熱気体
の一部はこの気体通過孔を通過して空域に流れ、該気体
の残部は器壁内面に沿って流れ、空域の低湿度雰囲気
と、器壁内面近傍の低湿度雰囲気および器壁の温度低下
防止を併せて行うことができる。
【0030】また、前記粉粒体処理容器の水平断面が実
質的に円形である下方部分に、前記粉流体処理容器の内
側との間に所定間隔をおいて水平方向に回転可能な回転
体を設ける流動層装置に構成してもよい。
質的に円形である下方部分に、前記粉流体処理容器の内
側との間に所定間隔をおいて水平方向に回転可能な回転
体を設ける流動層装置に構成してもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は流
動層造粒コーティング装置に構成した本発明の実施の形
態1の流動層装置を示す断面図である。図2(A)は粉
粒体処理容器の結露防止手段としての断熱構造を示す部
分斜視図であり、(B)は断熱構造部分にスペーサを設
けた状態を示す断面図である。
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は流
動層造粒コーティング装置に構成した本発明の実施の形
態1の流動層装置を示す断面図である。図2(A)は粉
粒体処理容器の結露防止手段としての断熱構造を示す部
分斜視図であり、(B)は断熱構造部分にスペーサを設
けた状態を示す断面図である。
【0032】図1に示したように、本実施の形態による
流動層装置10は、流動層造粒コーティング装置10a
に構成され、粉粒体11を流動層状態にして造粒した
り、あるいは造粒した粉粒体11上に、あるいは未造粒
の粉粒体11上にコーティング層を形成したりすること
もできる。
流動層装置10は、流動層造粒コーティング装置10a
に構成され、粉粒体11を流動層状態にして造粒した
り、あるいは造粒した粉粒体11上に、あるいは未造粒
の粉粒体11上にコーティング層を形成したりすること
もできる。
【0033】造粒に際しては、例えば、流動層造粒コー
ティング装置10a(10)では、粉粒体11にバイン
ダー液や粉体を所定速度で添加し、粉粒体11を芯とし
て、あるいは粉体同士を結合させて球形顆粒等の造粒処
理が行える。また、コーティングに際しては、例えば、
流動層造粒コーティング装置10aで球形顆粒等を流動
層状態にさせつつ粉体やバインダー液を加え、顆粒等の
上にコーティング層を形成することもできる。
ティング装置10a(10)では、粉粒体11にバイン
ダー液や粉体を所定速度で添加し、粉粒体11を芯とし
て、あるいは粉体同士を結合させて球形顆粒等の造粒処
理が行える。また、コーティングに際しては、例えば、
流動層造粒コーティング装置10aで球形顆粒等を流動
層状態にさせつつ粉体やバインダー液を加え、顆粒等の
上にコーティング層を形成することもできる。
【0034】上記各種の粉粒体処理を行うことができる
流動層造粒コーティング装置10a(10)には、図1
に示すように、下部が逆円錐形とされた筒状の粉粒体処
理容器12が設けられている。粉粒体処理容器12の底
部には、多数の気体流通孔を有する通気部材13が設け
られている。気体流通孔は、流動層形成用気体は通過さ
せるが、粉粒体処理容器12内の粉粒体11を通さない
程度の微細口径の孔に形成されている。
流動層造粒コーティング装置10a(10)には、図1
に示すように、下部が逆円錐形とされた筒状の粉粒体処
理容器12が設けられている。粉粒体処理容器12の底
部には、多数の気体流通孔を有する通気部材13が設け
られている。気体流通孔は、流動層形成用気体は通過さ
せるが、粉粒体処理容器12内の粉粒体11を通さない
程度の微細口径の孔に形成されている。
【0035】粉粒体処理容器12の側方には、給気ダク
ト14が設けられ、通気部材13を介して、粉粒体処理
容器12内に流動層形成用気体を給気できるように接続
されている。給気ダクト14には、給気ファン15によ
り給気される流動層形成用気体を清浄化するフィルタ1
6と、流動層形成用気体を加熱または冷却して所定温度
に調節する熱交換機17が設けられ、通風路18の開口
部が上記通気部材13に合わせて接続されている。通風
路18には、流動層形成用気体の流量調節用のダンパ1
9が設けられている。
ト14が設けられ、通気部材13を介して、粉粒体処理
容器12内に流動層形成用気体を給気できるように接続
されている。給気ダクト14には、給気ファン15によ
り給気される流動層形成用気体を清浄化するフィルタ1
6と、流動層形成用気体を加熱または冷却して所定温度
に調節する熱交換機17が設けられ、通風路18の開口
部が上記通気部材13に合わせて接続されている。通風
路18には、流動層形成用気体の流量調節用のダンパ1
9が設けられている。
【0036】粉粒体処理容器12の内部には、図1に示
すように、スプレーガン20が設けられ、コーティテン
グ液等のスプレー液の噴霧が行えるようになっている。
スプレーガン20は、スプレー配管21で粉粒体処理容
器12外に設けたスプレー液貯留槽22に接続され、供
給ポンプ23でスプレー液が供給されるようになってい
る。
すように、スプレーガン20が設けられ、コーティテン
グ液等のスプレー液の噴霧が行えるようになっている。
スプレーガン20は、スプレー配管21で粉粒体処理容
器12外に設けたスプレー液貯留槽22に接続され、供
給ポンプ23でスプレー液が供給されるようになってい
る。
【0037】上記構成のスプレーガン20としては、二
流体ないし三流体構造のノズルを用いることもできる。
勿論、一流体ノズルに構成してもよい。スプレーガン2
0の取付け位置は、図示したように粉粒体層の上方にあ
っても、あるいは側方から粉粒体層中にスプレーするよ
うに設置しても構わない。その他どのような位置であっ
ても、粉粒体にスプレー液を供給するという目的が達成
されればよい。
流体ないし三流体構造のノズルを用いることもできる。
勿論、一流体ノズルに構成してもよい。スプレーガン2
0の取付け位置は、図示したように粉粒体層の上方にあ
っても、あるいは側方から粉粒体層中にスプレーするよ
うに設置しても構わない。その他どのような位置であっ
ても、粉粒体にスプレー液を供給するという目的が達成
されればよい。
【0038】粉粒体処理容器12の内部上方には、バグ
フィルタ24が設けられている。バグフィルタ24の上
方には、バグフィルタ24が目詰まりを起こした際に、
エアーを強く吹きつけて目詰まりの解消を図るためのパ
ルスジェット用ノズル25が設けられている。粉粒体処
理容器12は、その天板側には、爆圧放散用の開放蓋2
6が設けられ、粉塵爆発等の爆発に際しては、開放蓋2
6が開放されて粉粒体処理容器12内の爆圧を瞬時に開
放することができるようになっている。さらに、粉粒体
処理容器12内の上方側方は、排気ダクト27に続き、
流動層形成用気体を、流動層造粒コーティング装置10
a外に排気できるようになっている。排気ダクト27内
には、排気量の調節用にダンパ28が設けられている。
フィルタ24が設けられている。バグフィルタ24の上
方には、バグフィルタ24が目詰まりを起こした際に、
エアーを強く吹きつけて目詰まりの解消を図るためのパ
ルスジェット用ノズル25が設けられている。粉粒体処
理容器12は、その天板側には、爆圧放散用の開放蓋2
6が設けられ、粉塵爆発等の爆発に際しては、開放蓋2
6が開放されて粉粒体処理容器12内の爆圧を瞬時に開
放することができるようになっている。さらに、粉粒体
処理容器12内の上方側方は、排気ダクト27に続き、
流動層形成用気体を、流動層造粒コーティング装置10
a外に排気できるようになっている。排気ダクト27内
には、排気量の調節用にダンパ28が設けられている。
【0039】かかる構成を有する流動層造粒コーティン
グ装置10aの上記粉粒体処理容器12は、材質には特
に制限はないが、ステンレス、鉄、軽合金、強化プラス
チック等の種々の素材を使用して形成されている。粉粒
体処理容器12内で粉粒体11と接触する器壁12aの
内面である接粉部11aは、その一部または全部にフッ
素樹脂やポリエーテル等の非付着性樹脂のライニングを
施しても構わない。
グ装置10aの上記粉粒体処理容器12は、材質には特
に制限はないが、ステンレス、鉄、軽合金、強化プラス
チック等の種々の素材を使用して形成されている。粉粒
体処理容器12内で粉粒体11と接触する器壁12aの
内面である接粉部11aは、その一部または全部にフッ
素樹脂やポリエーテル等の非付着性樹脂のライニングを
施しても構わない。
【0040】一方、前述のように、粉粒体処理容器12
が、金属製の器壁12aのみによって外気と隔てられた
ものでは、器壁12aが外気によって直接冷却されて、
器壁12aの内面には局部的に露点以下の温度となる部
分が生じ、かかる部分では、粉粒体処理容器12内の水
分が結露する。例えば、粉粒体処理容器12内が温度7
0℃湿度60%の雰囲気の場合には、温度が58℃に下
がると湿度100%となる。従って、外気により冷却さ
れて58℃以下となった部位は露点ゾーンとなり、そこ
には結露が生ずることとなる。
が、金属製の器壁12aのみによって外気と隔てられた
ものでは、器壁12aが外気によって直接冷却されて、
器壁12aの内面には局部的に露点以下の温度となる部
分が生じ、かかる部分では、粉粒体処理容器12内の水
分が結露する。例えば、粉粒体処理容器12内が温度7
0℃湿度60%の雰囲気の場合には、温度が58℃に下
がると湿度100%となる。従って、外気により冷却さ
れて58℃以下となった部位は露点ゾーンとなり、そこ
には結露が生ずることとなる。
【0041】結露が生ずると、その水分にバインダーの
飛沫や粉末が付着溶解して接着剤として機能し、粉粒体
が付着する。そして、この粉粒体が核となりさらに粉粒
体が付着して、それが器壁12a内面全体に拡大する。
許容限度以上に付着が拡大した場合には、流動層造粒コ
ーティング装置10aの稼働を停止して、粉粒体処理容
器12内の洗浄を行わなければならない。
飛沫や粉末が付着溶解して接着剤として機能し、粉粒体
が付着する。そして、この粉粒体が核となりさらに粉粒
体が付着して、それが器壁12a内面全体に拡大する。
許容限度以上に付着が拡大した場合には、流動層造粒コ
ーティング装置10aの稼働を停止して、粉粒体処理容
器12内の洗浄を行わなければならない。
【0042】そこで、本実施の形態の流動層造粒コーテ
ィング装置10aでは、図1,2に示すように、粉粒体
処理容器12を二重壁構造で囲むことにより器壁12a
内の結露を防止するようにした。器壁12aの外側に真
空の断熱室30を形成して、器壁12aが外気温の影響
を受けないようにした。結露防止手段として断熱室30
を設けることにより、器壁12aの内面温度が露点以下
に低下しないようにした。
ィング装置10aでは、図1,2に示すように、粉粒体
処理容器12を二重壁構造で囲むことにより器壁12a
内の結露を防止するようにした。器壁12aの外側に真
空の断熱室30を形成して、器壁12aが外気温の影響
を受けないようにした。結露防止手段として断熱室30
を設けることにより、器壁12aの内面温度が露点以下
に低下しないようにした。
【0043】流動層造粒コーティング装置10aの粉粒
体処理容器12は、その器壁12aを内壁として囲繞す
るように外壁31が設けられている。図1に示す場合に
は、粉粒体処理容器12の通気部材13を設けた下端側
から、バグフィルタ24の取付け上方位置までの部分
が、外壁31により囲繞されている。器壁12aと外壁
31との間が、気密に形成された断熱室(断熱空間)3
0に形成されている。器壁12aと外壁31との間に
は、両壁に当接するように直径1mm〜2mm程度のステン
レス製のスペーサ32が配設されている。
体処理容器12は、その器壁12aを内壁として囲繞す
るように外壁31が設けられている。図1に示す場合に
は、粉粒体処理容器12の通気部材13を設けた下端側
から、バグフィルタ24の取付け上方位置までの部分
が、外壁31により囲繞されている。器壁12aと外壁
31との間が、気密に形成された断熱室(断熱空間)3
0に形成されている。器壁12aと外壁31との間に
は、両壁に当接するように直径1mm〜2mm程度のステン
レス製のスペーサ32が配設されている。
【0044】外壁31にはさらに、図1に示すように、
断熱室30内の空気を排出するための排気口33が設け
られている。排気口33は、装置外部に設けられた真空
ポンプ(ポンプ装置)34と接続されている。そして、
真空ポンプ34を作動させて断熱室30内の空気を吸引
することにより、断熱室30内が大気圧よりも低い圧力
の気体によって満たされた状態となる。つまり、断熱室
30内が真空状態となる。この際、断熱室30内の空間
は、器壁12aと外壁31との間に配されたスペーサ3
2によっても確保される。
断熱室30内の空気を排出するための排気口33が設け
られている。排気口33は、装置外部に設けられた真空
ポンプ(ポンプ装置)34と接続されている。そして、
真空ポンプ34を作動させて断熱室30内の空気を吸引
することにより、断熱室30内が大気圧よりも低い圧力
の気体によって満たされた状態となる。つまり、断熱室
30内が真空状態となる。この際、断熱室30内の空間
は、器壁12aと外壁31との間に配されたスペーサ3
2によっても確保される。
【0045】なお、断熱室30内は、中真空状態(10
2Pa〜10-1Pa)若しくは高真空状態(10-1Pa
〜10-5Pa)とする。但し、本実施の形態では、装置
剛性や断熱効果を考慮して、費用対効果の関係から、1
3.3Pa(0.1Torr)以下、好ましくは、13.3〜
1.33Pa(0.1〜0.01Torr)としている。
2Pa〜10-1Pa)若しくは高真空状態(10-1Pa
〜10-5Pa)とする。但し、本実施の形態では、装置
剛性や断熱効果を考慮して、費用対効果の関係から、1
3.3Pa(0.1Torr)以下、好ましくは、13.3〜
1.33Pa(0.1〜0.01Torr)としている。
【0046】このように、断熱室30を真空状態とする
と、装置の内外にて熱の伝導が遮断される。すなわち、
粉粒体処理容器12内と装置外部との間に温度差があっ
ても、器壁12aが外気温によって直接冷却されること
がない。このため、例えば、粉粒体処理容器12内が高
温多湿となっても、器壁12aが外気により冷却されて
その内面に結露が生じるということがない。従って、器
壁12aの内面に粉粒体が付着することもなく、洗浄作
業が緩和され、生産効率等の改善を図ることが可能とな
る。
と、装置の内外にて熱の伝導が遮断される。すなわち、
粉粒体処理容器12内と装置外部との間に温度差があっ
ても、器壁12aが外気温によって直接冷却されること
がない。このため、例えば、粉粒体処理容器12内が高
温多湿となっても、器壁12aが外気により冷却されて
その内面に結露が生じるということがない。従って、器
壁12aの内面に粉粒体が付着することもなく、洗浄作
業が緩和され、生産効率等の改善を図ることが可能とな
る。
【0047】次に、上記構成の流動層造粒コーティング
装置10a(10)を使用して、粉粒体処理容器12内
に粉粒体の付着物を発生させることなく、造粒、コーテ
ィングを行う粉粒体処理方法について説明する。
装置10a(10)を使用して、粉粒体処理容器12内
に粉粒体の付着物を発生させることなく、造粒、コーテ
ィングを行う粉粒体処理方法について説明する。
【0048】図1に示すように、粉粒体処理容器12の
側方に設けた原料投入口12bから、被処理物として所
定量の粉粒体11を粉粒体処理容器12内に投入する。
併せて、給気ファン15から流動層形成用気体を給気ダ
クト14内に供給する。給気ダクト14内に送られた流
動層形成用気体は、フィルタ16で塵等が除去されて所
定のクリーン度まで清浄化される。清浄化された流動層
形成用気体は、熱交換機17を通過して流動層を形成す
るに必要な温度に調節される。
側方に設けた原料投入口12bから、被処理物として所
定量の粉粒体11を粉粒体処理容器12内に投入する。
併せて、給気ファン15から流動層形成用気体を給気ダ
クト14内に供給する。給気ダクト14内に送られた流
動層形成用気体は、フィルタ16で塵等が除去されて所
定のクリーン度まで清浄化される。清浄化された流動層
形成用気体は、熱交換機17を通過して流動層を形成す
るに必要な温度に調節される。
【0049】熱交換機17により、所定温度に達するま
で加熱、あるいは冷却が行われる。あるいは、温度調節
が不要な場合には、加熱あるいは冷却を行わずに、熱交
換機17を通過させればよい。
で加熱、あるいは冷却が行われる。あるいは、温度調節
が不要な場合には、加熱あるいは冷却を行わずに、熱交
換機17を通過させればよい。
【0050】熱交換機17で、例えば、外気温より高い
温度に設定された流動層形成用気体は通風路18内に通
され、ダンパ19により必要流量に調節されて、通気部
材13側に流されることとなる。通気部材13側では、
多数設けた通気孔から、粉粒体処理容器12内に流動層
形成用気体が通される。流動層形成用気体の流れは、図
1で白抜き矢印で示した。
温度に設定された流動層形成用気体は通風路18内に通
され、ダンパ19により必要流量に調節されて、通気部
材13側に流されることとなる。通気部材13側では、
多数設けた通気孔から、粉粒体処理容器12内に流動層
形成用気体が通される。流動層形成用気体の流れは、図
1で白抜き矢印で示した。
【0051】粉粒体処理容器12内の流動室Aでは、投
入された粉粒体11は、下から上方に向けて上昇する流
動層形成用気体により、浮遊、攪拌された状態の所謂流
動層状態にされる。その様子を、図1では、実線の回転
矢印で示した。このように流動層状態にされた粉粒体1
1に向けて、スプレー液貯留層22内に貯留されたバイ
ンダー液22aが供給ポンプ23によりスプレーガン2
0に供給されて噴霧されることとなる。
入された粉粒体11は、下から上方に向けて上昇する流
動層形成用気体により、浮遊、攪拌された状態の所謂流
動層状態にされる。その様子を、図1では、実線の回転
矢印で示した。このように流動層状態にされた粉粒体1
1に向けて、スプレー液貯留層22内に貯留されたバイ
ンダー液22aが供給ポンプ23によりスプレーガン2
0に供給されて噴霧されることとなる。
【0052】粉粒体処理容器12内では、かかるバイン
ダー液22aの噴霧により高温多湿状態になる。しか
し、粉粒体処理容器12の器壁12aは、間に断熱室3
0を介在させて外壁31により二重構造に囲繞されてい
る為、器壁12aの温度は外気により冷却されることは
なく露点温度以下に下がることがない。そのため、粉粒
体処理容器12内が高温多湿の状態であっても、器壁1
2a内面に水分が結露することはなく、粉粒体11の付
着が発生することがない。
ダー液22aの噴霧により高温多湿状態になる。しか
し、粉粒体処理容器12の器壁12aは、間に断熱室3
0を介在させて外壁31により二重構造に囲繞されてい
る為、器壁12aの温度は外気により冷却されることは
なく露点温度以下に下がることがない。そのため、粉粒
体処理容器12内が高温多湿の状態であっても、器壁1
2a内面に水分が結露することはなく、粉粒体11の付
着が発生することがない。
【0053】すなわち、本発明の流動層装置10を使用
することにより、粉粒体11を粉粒体処理容器12の器
壁12a内面へ付着させることなく、粉粒体11を流動
層状態にして造粒することができる。このように上記流
動層装置10では、粉粒体の付着が当初より防止できる
ため、粉粒体の付着が見られる従来構成とは異なり、付
着物の除去目的で装置の稼働を停止する必要もなく、且
つ付着物の発生による原料損失もないため、稼働効率よ
く、収率低下を来すことのない造粒が行える。併せて、
連続稼働も可能である。
することにより、粉粒体11を粉粒体処理容器12の器
壁12a内面へ付着させることなく、粉粒体11を流動
層状態にして造粒することができる。このように上記流
動層装置10では、粉粒体の付着が当初より防止できる
ため、粉粒体の付着が見られる従来構成とは異なり、付
着物の除去目的で装置の稼働を停止する必要もなく、且
つ付着物の発生による原料損失もないため、稼働効率よ
く、収率低下を来すことのない造粒が行える。併せて、
連続稼働も可能である。
【0054】一方、粉粒体処理容器12内に導入された
流動層形成用気体は、上記の如く粉粒体処理容器12内
を下方から上方に通過する際に、粉粒体11を流動層状
態にさせ、そのまま上方のバグフィルタ24を通過し
て、排気ダクト27を経由して装置外に排気される。
流動層形成用気体は、上記の如く粉粒体処理容器12内
を下方から上方に通過する際に、粉粒体11を流動層状
態にさせ、そのまま上方のバグフィルタ24を通過し
て、排気ダクト27を経由して装置外に排気される。
【0055】上昇する流動層形成用気体に伴って粉粒体
11の一部、あるいは微粉が上方に運ばれるが、かかる
粉粒体11あるいは微粉は、バグフィルタ24により除
去され、流動層形成用気体の排気に伴って装置外に排気
されることはない。バグフィルタ24の目詰まりが発生
した場合には、バルスジェット用ノズル25から、適宜
エアをバグフィルタ24に吹きつけて、目詰まりに関わ
る粉粒体11、微粉等を払い落とせばよい。払い落とさ
れた粉粒体11あるいは微粉は、流動室A内で流動層状
態にされて造粒に使用される。
11の一部、あるいは微粉が上方に運ばれるが、かかる
粉粒体11あるいは微粉は、バグフィルタ24により除
去され、流動層形成用気体の排気に伴って装置外に排気
されることはない。バグフィルタ24の目詰まりが発生
した場合には、バルスジェット用ノズル25から、適宜
エアをバグフィルタ24に吹きつけて、目詰まりに関わ
る粉粒体11、微粉等を払い落とせばよい。払い落とさ
れた粉粒体11あるいは微粉は、流動室A内で流動層状
態にされて造粒に使用される。
【0056】なお、バグフィルタ24の目詰まり防止
は、上記パルスジェット用ノズル25からのエアの吹き
つけ以外にも、バグフィルタ24自体を機械的に揺すっ
て目詰まりを解消させるシェーキング機構を採用しても
構わない。
は、上記パルスジェット用ノズル25からのエアの吹き
つけ以外にも、バグフィルタ24自体を機械的に揺すっ
て目詰まりを解消させるシェーキング機構を採用しても
構わない。
【0057】上記要領で粉粒体11の造粒終了後に、ス
プレー液貯留槽22に別途貯留したコーティング液22
aをスプレーガン20から吹きつけ、併せて別途原料投
入口12bからコーティング粉末原料を投入すれば、造
粒後の粉粒体11上にコーティングを行うことができ
る。すなわち、造粒、コーティングを連続的に行うこと
ができる。
プレー液貯留槽22に別途貯留したコーティング液22
aをスプレーガン20から吹きつけ、併せて別途原料投
入口12bからコーティング粉末原料を投入すれば、造
粒後の粉粒体11上にコーティングを行うことができ
る。すなわち、造粒、コーティングを連続的に行うこと
ができる。
【0058】さらに、かかるコーティング終了後に、乾
燥温度に設定した流動層形成用気体を粉粒体処理容器1
2内に供給すれば、コーティング終了後の製品を流動層
状態で乾燥させることもできる。
燥温度に設定した流動層形成用気体を粉粒体処理容器1
2内に供給すれば、コーティング終了後の製品を流動層
状態で乾燥させることもできる。
【0059】なお、当該装置では、「造粒→乾燥」、
「コーティング→乾燥」、「コーティング+乾燥(コー
ティングしつつ乾燥する)」、「造粒→コーティング→
乾燥」、「造粒→コーティング+乾燥」等の各種処理パ
ターンが可能である。さらには、前述のように当該装置
ではコーティング処理も可能であり、前記処理パターン
のうち「コーティング→乾燥」の処理について、造粒処
理後の粒子や別途仕込んだ粒子をコーティング処理を行
った後乾燥処理することもできる。また、コーティング
処理と乾燥処理とを、連続的(「コーティング→乾
燥」)または同時進行状態(「コーティング+乾燥」)
にて実行することもできる。
「コーティング→乾燥」、「コーティング+乾燥(コー
ティングしつつ乾燥する)」、「造粒→コーティング→
乾燥」、「造粒→コーティング+乾燥」等の各種処理パ
ターンが可能である。さらには、前述のように当該装置
ではコーティング処理も可能であり、前記処理パターン
のうち「コーティング→乾燥」の処理について、造粒処
理後の粒子や別途仕込んだ粒子をコーティング処理を行
った後乾燥処理することもできる。また、コーティング
処理と乾燥処理とを、連続的(「コーティング→乾
燥」)または同時進行状態(「コーティング+乾燥」)
にて実行することもできる。
【0060】上記説明のより具体的な構成としては、例
えば、フロイント産業株式会社製の流動層造粒装置であ
るフローコーター(商品名)の粉粒体処理容器の器壁と
外壁との間に断熱室を設ける構成が考えられる。
えば、フロイント産業株式会社製の流動層造粒装置であ
るフローコーター(商品名)の粉粒体処理容器の器壁と
外壁との間に断熱室を設ける構成が考えられる。
【0061】(実施の形態2)図3は、粉粒体処理容器
が、器壁の断熱構造と、粉粒体処理容器内で粉粒体が流
動層状態にされる流動層帯域の上方とバグフィルタの下
方との間の空域に結露防止用気体を供給する手段とを併
有する構成を有する流動層装置を示す概略断面図であ
る。
が、器壁の断熱構造と、粉粒体処理容器内で粉粒体が流
動層状態にされる流動層帯域の上方とバグフィルタの下
方との間の空域に結露防止用気体を供給する手段とを併
有する構成を有する流動層装置を示す概略断面図であ
る。
【0062】以下、本発明の実施の形態の流動層装置の
構成について説明する。なお、上記実施の形態1と同様
の構成を示す部材については、同一符号を使用すること
とする。
構成について説明する。なお、上記実施の形態1と同様
の構成を示す部材については、同一符号を使用すること
とする。
【0063】流動層装置10は、下部が逆円錐形とされ
た筒状の粉粒体処理容器12の内部に、食品、医薬品等
の被処理物である粉粒体11を収容して造粒、コーティ
ング、乾燥等を行うものである。粉粒体処理容器12の
底部には、多数の気体流通孔を有する目皿板13aが通
気部材13として設置されており、目皿板13aの下側
には通風路18が設けられている。この通風路18に
は、目皿板13aの下方から粉粒体処理容器12内に流
動層形成用気体を供給して粉粒体11を流動化させるた
めの給気ファン15および流動層形成用気体を加熱する
ためのヒータ17aが熱交換機として接続されている。
た筒状の粉粒体処理容器12の内部に、食品、医薬品等
の被処理物である粉粒体11を収容して造粒、コーティ
ング、乾燥等を行うものである。粉粒体処理容器12の
底部には、多数の気体流通孔を有する目皿板13aが通
気部材13として設置されており、目皿板13aの下側
には通風路18が設けられている。この通風路18に
は、目皿板13aの下方から粉粒体処理容器12内に流
動層形成用気体を供給して粉粒体11を流動化させるた
めの給気ファン15および流動層形成用気体を加熱する
ためのヒータ17aが熱交換機として接続されている。
【0064】この給気ファン15より供給される流動層
形成用気体は、主として粉粒体処理容器12内の粉粒体
11を流動化させて目皿板13aの上方に流動層帯域A
lを形成するためのものである。ここで、流動層帯域A
1とは、目皿板13aの上方であって、流動層形成用気
体によって粉粒体11が常時流動化状態を呈している領
域をいい、後述する空域(微粉が少量舞い上がったり粒
子が突沸的に跳ね上がるのみで、正規の被処理粉粒体が
常時存在することがない領域)A2より下方に位置する
ものである。
形成用気体は、主として粉粒体処理容器12内の粉粒体
11を流動化させて目皿板13aの上方に流動層帯域A
lを形成するためのものである。ここで、流動層帯域A
1とは、目皿板13aの上方であって、流動層形成用気
体によって粉粒体11が常時流動化状態を呈している領
域をいい、後述する空域(微粉が少量舞い上がったり粒
子が突沸的に跳ね上がるのみで、正規の被処理粉粒体が
常時存在することがない領域)A2より下方に位置する
ものである。
【0065】粉流体処理容器12は、それを構成する器
壁12aが実施の形態1で説明したと同様に、外壁31
に囲繞されて間に断熱空間(断熱室)30を形成した断
熱構造が設けられている。図3に示す場合には、流動層
帯域A1と空域A2とを内包する部分にこの断熱構造が
設けられている。
壁12aが実施の形態1で説明したと同様に、外壁31
に囲繞されて間に断熱空間(断熱室)30を形成した断
熱構造が設けられている。図3に示す場合には、流動層
帯域A1と空域A2とを内包する部分にこの断熱構造が
設けられている。
【0066】また、バグフィルタ24が設けられた粉粒
体処理容器12の上部には、粉流体処理容器12に供給
された流動層形成用気体を排出するための排気ファン2
7aが、排気ダクト27に接続されており、この排気フ
ァン27aが粉流体処理容器12に供給された流動層形
成用気体を排出する際に気体中の微粉がバグフィルタ2
4に付着することによって、粉流体処理容器12内の微
粉が除去されるようになっている。なお、流動層形成用
気体が排気ファン27aによって吸気される場合は、給
気ファン15は必要ない場合がある。
体処理容器12の上部には、粉流体処理容器12に供給
された流動層形成用気体を排出するための排気ファン2
7aが、排気ダクト27に接続されており、この排気フ
ァン27aが粉流体処理容器12に供給された流動層形
成用気体を排出する際に気体中の微粉がバグフィルタ2
4に付着することによって、粉流体処理容器12内の微
粉が除去されるようになっている。なお、流動層形成用
気体が排気ファン27aによって吸気される場合は、給
気ファン15は必要ない場合がある。
【0067】一方、粉流体処理容器12内の流動層帯域
Alとバグフィルタ24との間に位置している空域A2
に気体を供給するための空気源35aおよび該空気源3
5aからの気体を除湿する除湿器35bが、粉流体処理
容器12の壁面の同一平面上に複数配設された吹出し口
36に接続され、空域A2に粉流体処理容器12内の器
壁内面が結露しないようにする結露防止用気体が流動層
帯域A1の直上位置に供給されるようになっている。
Alとバグフィルタ24との間に位置している空域A2
に気体を供給するための空気源35aおよび該空気源3
5aからの気体を除湿する除湿器35bが、粉流体処理
容器12の壁面の同一平面上に複数配設された吹出し口
36に接続され、空域A2に粉流体処理容器12内の器
壁内面が結露しないようにする結露防止用気体が流動層
帯域A1の直上位置に供給されるようになっている。
【0068】かかる構成の図3に示す流動層装置10で
は、給気ファン15からヒータ17aを経て、加熱され
て所定の温度にされた(あるいは、ヒータ17aで加熱
されないままの)流動層形成用気体を、通風路18を経
て目皿板13の気体流通孔から粉流体処理容器12内に
上向きに供給する。それにより、粉流体処理容器12内
における目皿板13の上側には、粉粒体11の流動化に
よる流動層帯域A1が形成される。
は、給気ファン15からヒータ17aを経て、加熱され
て所定の温度にされた(あるいは、ヒータ17aで加熱
されないままの)流動層形成用気体を、通風路18を経
て目皿板13の気体流通孔から粉流体処理容器12内に
上向きに供給する。それにより、粉流体処理容器12内
における目皿板13の上側には、粉粒体11の流動化に
よる流動層帯域A1が形成される。
【0069】一方、空気源35aから除湿器35bを経
て除湿された結露防止用気体は、粉流体処理容器12内
に構成される流動層帯域Alの直上位置の器壁12aの
複数箇所に設けた吹出し口36から空域A2に供給され
る。そのため、流動層形成用気体により流動化された粉
粒体11等から水分が蒸発しても、流動層帯域Alの直
上には上記のように吹出し口36から低湿度の、すなわ
ち乾燥した結露防止用気体が供給されるため蒸気密度が
低く維持されて空域A2の内壁面の結露が防止される。
供給される結露防止用気体を図中では破線矢印で表示
し、実線矢印で表示する流動層形成用気体と区別した。
て除湿された結露防止用気体は、粉流体処理容器12内
に構成される流動層帯域Alの直上位置の器壁12aの
複数箇所に設けた吹出し口36から空域A2に供給され
る。そのため、流動層形成用気体により流動化された粉
粒体11等から水分が蒸発しても、流動層帯域Alの直
上には上記のように吹出し口36から低湿度の、すなわ
ち乾燥した結露防止用気体が供給されるため蒸気密度が
低く維持されて空域A2の内壁面の結露が防止される。
供給される結露防止用気体を図中では破線矢印で表示
し、実線矢印で表示する流動層形成用気体と区別した。
【0070】特に、図3に示す構成では、粉流体処理容
器12は上記の如く器壁12a側が断熱二重壁構造に形
成されているため、空域A2に接する器壁12a内面の
温度が露点まで低下するのが防止され、上記空域A2内
の蒸気密度が低く維持される効果と相乗してより器壁1
2a内面の粉流体の付着防止を確実なものとすることが
できる。
器12は上記の如く器壁12a側が断熱二重壁構造に形
成されているため、空域A2に接する器壁12a内面の
温度が露点まで低下するのが防止され、上記空域A2内
の蒸気密度が低く維持される効果と相乗してより器壁1
2a内面の粉流体の付着防止を確実なものとすることが
できる。
【0071】従って、粉粒体11の造粒、コーティン
グ、乾燥時において、流動層帯域Alからの微粉等の飛
来や粒子の突沸的な上昇、さらには上方に設けられたバ
グフィルタ24からの微粉の払い落し等によって、空域
A2の内壁面に粉粒体11が付着することがない。
グ、乾燥時において、流動層帯域Alからの微粉等の飛
来や粒子の突沸的な上昇、さらには上方に設けられたバ
グフィルタ24からの微粉の払い落し等によって、空域
A2の内壁面に粉粒体11が付着することがない。
【0072】図4(A)に示す構成では、吹出し口36
から空域A2に供給される結露防止用気体が、流動層形
成用気体を分流して使用できるように構成されている。
図3に示す構成のうち空気源35aおよび除湿器35
b、給気ファン15は用いられておらず、ヒータ17a
からの流動層形成用気体が粉流体処理容器12の壁面に
設けられた吹出し口36にも分岐されて接続され、それ
ぞれの流量を制御するバルブ36a,36bが設けられ
ている。
から空域A2に供給される結露防止用気体が、流動層形
成用気体を分流して使用できるように構成されている。
図3に示す構成のうち空気源35aおよび除湿器35
b、給気ファン15は用いられておらず、ヒータ17a
からの流動層形成用気体が粉流体処理容器12の壁面に
設けられた吹出し口36にも分岐されて接続され、それ
ぞれの流量を制御するバルブ36a,36bが設けられ
ている。
【0073】かかる構成の流動層装置10では、流動層
形成用気体が空域A2にも供給され、これによって粉粒
体11等からの水分の蒸発による空域A2の湿度上昇に
よる結露が防止されるので、図3に示す構成と同様に、
微粉等の飛来や粒子の突沸的な上昇、バグフィルタ24
からの微粉の払い落し等による空域A2の器壁12内面
面への粉粒体11の付着が確実に防止される。さらに、
構成自体も、図3に示す構成に比べて、空気源35aお
よび除湿器35bが用いられていないので低価格の製品
構成を達成することができる。
形成用気体が空域A2にも供給され、これによって粉粒
体11等からの水分の蒸発による空域A2の湿度上昇に
よる結露が防止されるので、図3に示す構成と同様に、
微粉等の飛来や粒子の突沸的な上昇、バグフィルタ24
からの微粉の払い落し等による空域A2の器壁12内面
面への粉粒体11の付着が確実に防止される。さらに、
構成自体も、図3に示す構成に比べて、空気源35aお
よび除湿器35bが用いられていないので低価格の製品
構成を達成することができる。
【0074】また、図4(B)に示すように、吹出し口
36の開口面から少し離れた位置に、上記開口面に対向
して板面を配置した板状部材36cを設け、この板状部
材36cを吹出し口36から吹き出した乾燥加熱気体を
器壁12a内面に沿って吹出し方向を案内するガイドと
して機能させることにより、器壁12a内面の近傍雰囲
気を低湿度、乾燥状態にして、粉流体の付着防止効果図
ることもできる。かかる図4(B)に示す構成は、図3
にも、さらには、以下に述べる変形例でも採用すること
ができる。ガイドの形状は、気体を器壁12内面に沿っ
て吹き出せる形状であれば、上記板状以外の形状であっ
ても構わない。
36の開口面から少し離れた位置に、上記開口面に対向
して板面を配置した板状部材36cを設け、この板状部
材36cを吹出し口36から吹き出した乾燥加熱気体を
器壁12a内面に沿って吹出し方向を案内するガイドと
して機能させることにより、器壁12a内面の近傍雰囲
気を低湿度、乾燥状態にして、粉流体の付着防止効果図
ることもできる。かかる図4(B)に示す構成は、図3
にも、さらには、以下に述べる変形例でも採用すること
ができる。ガイドの形状は、気体を器壁12内面に沿っ
て吹き出せる形状であれば、上記板状以外の形状であっ
ても構わない。
【0075】図5に示す構成では、粉流体処理容器12
の下面の略中央部から通風路18および目皿板13を貫
通し、その開口部が空域A2にまで達するように筒状の
ノズル37が上下動可能に設けられており、この筒状の
ノズル37によって結露防止用気体が空域A2の中央部
付近に供給されるようになっている。ノズル37によっ
て空域A2の中央部付近に結露防止用気体が供給される
ことにより、空域A2の器壁12a内面における結露を
確実に防止することが可能になる。
の下面の略中央部から通風路18および目皿板13を貫
通し、その開口部が空域A2にまで達するように筒状の
ノズル37が上下動可能に設けられており、この筒状の
ノズル37によって結露防止用気体が空域A2の中央部
付近に供給されるようになっている。ノズル37によっ
て空域A2の中央部付近に結露防止用気体が供給される
ことにより、空域A2の器壁12a内面における結露を
確実に防止することが可能になる。
【0076】さらに、このノズル37は上下動可能にし
ておけば、被処理物である粉粒体11の仕込量や処理条
件によって流動層帯域A1が広がったりあるいは狭まっ
たりしたときでも、ノズル37を上下動させることによ
って結露防止用気体の供給位置を調整することができ
る。流動層帯域A1の変動にかかわらず、結露防止用気
体を常に空域A2の適正な位置に供給することが可能と
なる。
ておけば、被処理物である粉粒体11の仕込量や処理条
件によって流動層帯域A1が広がったりあるいは狭まっ
たりしたときでも、ノズル37を上下動させることによ
って結露防止用気体の供給位置を調整することができ
る。流動層帯域A1の変動にかかわらず、結露防止用気
体を常に空域A2の適正な位置に供給することが可能と
なる。
【0077】図6に示す構成では、粉流体処理容器12
における空域A2の壁面に設けられ、結露防止用気体を
吹出す吹出し口36が上下方向に複数設けられている。
各吹出し口36は相互に切換可能とされて、結露防止用
気体の供給位置を上下方向に調整できるようになってい
る。被処理物である粉粒体11の仕込量や処理条件によ
って流動層帯域A1が変動したときには、結露防止用気
体を供給する吹出し口36を切り換えて供給位置を調節
することで、図5に示す構成の場合と同様に、結露防止
用気体を常に空域A2に供給することができる。
における空域A2の壁面に設けられ、結露防止用気体を
吹出す吹出し口36が上下方向に複数設けられている。
各吹出し口36は相互に切換可能とされて、結露防止用
気体の供給位置を上下方向に調整できるようになってい
る。被処理物である粉粒体11の仕込量や処理条件によ
って流動層帯域A1が変動したときには、結露防止用気
体を供給する吹出し口36を切り換えて供給位置を調節
することで、図5に示す構成の場合と同様に、結露防止
用気体を常に空域A2に供給することができる。
【0078】図7に示す構成では、粉流体処理容器12
の空域A2に、多数の気体流通孔38aが開設された環
状の結露防止用気体供給部材38が水平に設けられ、こ
の結露防止用気体供給部材38の気体流通孔38aから
結露防止用気体が供給されるようになっている。かかる
構成によれば、結露防止用気体が結露防止用気体供給部
材38の気体流通孔38aから均等に、また器壁12a
内面により接近した位置で供給されるので、効果的に空
域A2の壁面における結露を防止することが可能にな
る。
の空域A2に、多数の気体流通孔38aが開設された環
状の結露防止用気体供給部材38が水平に設けられ、こ
の結露防止用気体供給部材38の気体流通孔38aから
結露防止用気体が供給されるようになっている。かかる
構成によれば、結露防止用気体が結露防止用気体供給部
材38の気体流通孔38aから均等に、また器壁12a
内面により接近した位置で供給されるので、効果的に空
域A2の壁面における結露を防止することが可能にな
る。
【0079】図8に示す構成では、粉流体処理容器12
における空域A2を囲む器壁12a内面に、多数の気体
流通孔39aが開設された結露防止用気体供給路39が
周設され、この結露防止用気体供給路39の気体流通孔
39aから結露防止用気体が供給されるようになってい
る。結露防止用気体は、粉流体処理容器12に周設され
た結露防止用気体供給路39の気体流通孔39aから空
域A2に対して均等に供給されるので、同様に、効果的
に空域A2の壁面における結露を防止することが可能に
なる。
における空域A2を囲む器壁12a内面に、多数の気体
流通孔39aが開設された結露防止用気体供給路39が
周設され、この結露防止用気体供給路39の気体流通孔
39aから結露防止用気体が供給されるようになってい
る。結露防止用気体は、粉流体処理容器12に周設され
た結露防止用気体供給路39の気体流通孔39aから空
域A2に対して均等に供給されるので、同様に、効果的
に空域A2の壁面における結露を防止することが可能に
なる。
【0080】図9に示す構成では、粉流体処理容器12
の上部から空域A2に向けてノズル37aが設けられ、
このノズル37aから結露防止用気体が空域A2に供給
されるようになっている。結露防止用気体がノズル37
aから空域A2に供給されることによって、空域A2の
壁面における結露を防止することができる。
の上部から空域A2に向けてノズル37aが設けられ、
このノズル37aから結露防止用気体が空域A2に供給
されるようになっている。結露防止用気体がノズル37
aから空域A2に供給されることによって、空域A2の
壁面における結露を防止することができる。
【0081】本実施の形態で説明した本発明の構成は、
図3〜図9で示した構成に限定されるものではなく、そ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても構わない。例
えば、結露防止用気体は、除湿器やヒータ等によって除
湿あるいは加熱されていなくても、粉流体処理容器12
内の器壁12a内面が結露しないようにできるものであ
ればよい。
図3〜図9で示した構成に限定されるものではなく、そ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても構わない。例
えば、結露防止用気体は、除湿器やヒータ等によって除
湿あるいは加熱されていなくても、粉流体処理容器12
内の器壁12a内面が結露しないようにできるものであ
ればよい。
【0082】また、図5〜図9における構成において
も、図4で示した構成と同様に、流動層形成用気体を途
中で分流して結露防止使用気体として使用するようにし
てもよい。さらに、被処理物である粉粒体が可燃性溶剤
を含む場合には、防爆用の不燃性気体を結露防止用気体
に使用しても勿論構わない。
も、図4で示した構成と同様に、流動層形成用気体を途
中で分流して結露防止使用気体として使用するようにし
てもよい。さらに、被処理物である粉粒体が可燃性溶剤
を含む場合には、防爆用の不燃性気体を結露防止用気体
に使用しても勿論構わない。
【0083】図5に示す構成では筒状部材は上下動が可
能としたが、固定式であってもよく、図6に示す構成で
は上下方向に複数設けた吹出し口を相互に切換可能とし
たが、必ずしも切換可能に構成しなくても構わない。
能としたが、固定式であってもよく、図6に示す構成で
は上下方向に複数設けた吹出し口を相互に切換可能とし
たが、必ずしも切換可能に構成しなくても構わない。
【0084】また、結露防止用気体を供給する吹出し口
の数や開口部の形状等は、任意でよく、上記説明の範囲
に限定する必要はない。さらに、粉流体処理容器12の
断面形状等も図示の構成に限定されるものではない。
の数や開口部の形状等は、任意でよく、上記説明の範囲
に限定する必要はない。さらに、粉流体処理容器12の
断面形状等も図示の構成に限定されるものではない。
【0085】本実施の形態で説明した構成の流動層装置
は、医薬品、食品の造粒、コーティング、乾燥に適用で
きることは勿論であるが、他の物質、たとえば化粧品、
化学品等の造粒、コーティング、乾燥等にも適用するこ
とができる。
は、医薬品、食品の造粒、コーティング、乾燥に適用で
きることは勿論であるが、他の物質、たとえば化粧品、
化学品等の造粒、コーティング、乾燥等にも適用するこ
とができる。
【0086】図3に示す構成を有する流動層装置とし
て、流動層造粒乾燥機(FLO−5型フロイント産業株
式会社製)を用い、被処理物として乳糖5kgと、バイ
ンダとしてHPC−L(日本曹達株式会社製)水溶液と
で、乳糖にHPC−L水溶液を噴霧し、造粒を行った。
このとき、流動用気体として、70℃の空気を2m3/
minの速度で供給して流動層を形成し、結露防止用気
体として、室温の空気を0.5m3/minの速度で空
域に供給した。そして、造粒終了後にHPC−L水溶液
の噴霧を中止して乾燥させ、乳糖の器壁内面への付着程
度を目視観察した。その結果、乳糖の付着量はごく少量
であり、非常に良好な結果を得ることができた。
て、流動層造粒乾燥機(FLO−5型フロイント産業株
式会社製)を用い、被処理物として乳糖5kgと、バイ
ンダとしてHPC−L(日本曹達株式会社製)水溶液と
で、乳糖にHPC−L水溶液を噴霧し、造粒を行った。
このとき、流動用気体として、70℃の空気を2m3/
minの速度で供給して流動層を形成し、結露防止用気
体として、室温の空気を0.5m3/minの速度で空
域に供給した。そして、造粒終了後にHPC−L水溶液
の噴霧を中止して乾燥させ、乳糖の器壁内面への付着程
度を目視観察した。その結果、乳糖の付着量はごく少量
であり、非常に良好な結果を得ることができた。
【0087】これは、結露防止用気体と、断熱構造壁と
の両構成の相乗効果により、極めて良好の付着防止効果
が得られるものと考えられる。かかる両構成を採用しな
い場合には、他の条件を同一として造粒を行った場合に
おいては、乳糖の付着量は顕著に多くなり、本発明の構
成の有効性が明らかである。
の両構成の相乗効果により、極めて良好の付着防止効果
が得られるものと考えられる。かかる両構成を採用しな
い場合には、他の条件を同一として造粒を行った場合に
おいては、乳糖の付着量は顕著に多くなり、本発明の構
成の有効性が明らかである。
【0088】(実施の形態3)本実施の形態では、遠心
流動層造粒コーティング装置に構成した本発明の流動層
装置について説明する。かかる例としては、フロイント
産業株式会社製のスパイラフロー(商品名)がある。図
10は、遠心流動層造粒コーティング装置を示す断面図
である。なお、以下の説明では、前記実施の形態1で説
明した流動層造粒コーティング装置10aと同様の構成
部材については、同一の符号を使用した。
流動層造粒コーティング装置に構成した本発明の流動層
装置について説明する。かかる例としては、フロイント
産業株式会社製のスパイラフロー(商品名)がある。図
10は、遠心流動層造粒コーティング装置を示す断面図
である。なお、以下の説明では、前記実施の形態1で説
明した流動層造粒コーティング装置10aと同様の構成
部材については、同一の符号を使用した。
【0089】本実施の形態で説明する流動層装置10
は、図10に示すように、遠心流動層造粒コーティング
装置10bに構成されており、かかる遠心流動層造粒コ
ーティング装置10b(10)は、ほぼ直立状態で設置
され内部に流動室Aを有する円筒形状の粉粒体処理容器
12が設けられている。粉粒体処理容器12には、その
内部に開口して設けられた原料投入口12bが設けら
れ、流動室A内に被処理物としての粉粒体が投入される
ようになっている。
は、図10に示すように、遠心流動層造粒コーティング
装置10bに構成されており、かかる遠心流動層造粒コ
ーティング装置10b(10)は、ほぼ直立状態で設置
され内部に流動室Aを有する円筒形状の粉粒体処理容器
12が設けられている。粉粒体処理容器12には、その
内部に開口して設けられた原料投入口12bが設けら
れ、流動室A内に被処理物としての粉粒体が投入される
ようになっている。
【0090】図10に示す場合には、粉粒体処理容器1
2の実質的に水平断面が円形である下方部分には、接粉
部11aとの間に所定間隔離して回転体40が設けら
れ、かかる回転体40を設けた辺りから、バグフィルタ
24の取付け上方位置までの部分が、外壁31により囲
繞され二重壁構造、すなわち断熱壁構造に形成されてい
る。断熱壁構造は、図2に示すように、器壁12aと外
壁31の間には、両壁に当接するように直径1mm〜2mm
程度のステンレス製のスペーサ32が配設されている。
2の実質的に水平断面が円形である下方部分には、接粉
部11aとの間に所定間隔離して回転体40が設けら
れ、かかる回転体40を設けた辺りから、バグフィルタ
24の取付け上方位置までの部分が、外壁31により囲
繞され二重壁構造、すなわち断熱壁構造に形成されてい
る。断熱壁構造は、図2に示すように、器壁12aと外
壁31の間には、両壁に当接するように直径1mm〜2mm
程度のステンレス製のスペーサ32が配設されている。
【0091】外壁31にはさらに、図10に示すよう
に、断熱室30内の空気を排出するための排気口33が
設けられ、装置外部に設けられた真空ポンプ(ポンプ装
置)34と接続されている。真空ポンプ34を作動させ
て断熱室30内の空気を吸引することにより、断熱室3
0内を大気圧よりも低い圧力の気体によって満たした状
態にすることができる。さらには、断熱室30内を真空
状態とすることもできる。この際、断熱室30内の空間
は、器壁12aと外壁31の間に配されたスペーサ32
によっても確保される。
に、断熱室30内の空気を排出するための排気口33が
設けられ、装置外部に設けられた真空ポンプ(ポンプ装
置)34と接続されている。真空ポンプ34を作動させ
て断熱室30内の空気を吸引することにより、断熱室3
0内を大気圧よりも低い圧力の気体によって満たした状
態にすることができる。さらには、断熱室30内を真空
状態とすることもできる。この際、断熱室30内の空間
は、器壁12aと外壁31の間に配されたスペーサ32
によっても確保される。
【0092】なお、断熱室30内の真空度は、例えば、
中真空状態(102Pa〜10-1Pa)若しくは高真空
状態(10-1Pa〜10-5Pa)とすればよい。装置剛
性や断熱効果を考慮して、費用対効果の関係から、1
3.3Pa(0.1Torr)以下、好ましくは、13.3〜
1.33Pa(0.1〜0.01Torr)とすればよい。
中真空状態(102Pa〜10-1Pa)若しくは高真空
状態(10-1Pa〜10-5Pa)とすればよい。装置剛
性や断熱効果を考慮して、費用対効果の関係から、1
3.3Pa(0.1Torr)以下、好ましくは、13.3〜
1.33Pa(0.1〜0.01Torr)とすればよい。
【0093】このように断熱室30を真空状態にするこ
とにより、装置の内外での熱の伝導が遮断される。その
ため、粉粒体処理容器12内と装置外部との間に温度差
があっても、器壁12aが外気温によって直接冷却され
ることがなく、粉粒体処理容器12内が高温高湿の状態
でも、器壁12aに露点以下に温度が下がった部分が発
生せず、器壁12a内面に結露の発生が認められない。
従って、器壁12aの内面に粉粒体が付着することもな
く、洗浄作業が緩和され、生産効率等の改善を図ること
が可能となる。
とにより、装置の内外での熱の伝導が遮断される。その
ため、粉粒体処理容器12内と装置外部との間に温度差
があっても、器壁12aが外気温によって直接冷却され
ることがなく、粉粒体処理容器12内が高温高湿の状態
でも、器壁12aに露点以下に温度が下がった部分が発
生せず、器壁12a内面に結露の発生が認められない。
従って、器壁12aの内面に粉粒体が付着することもな
く、洗浄作業が緩和され、生産効率等の改善を図ること
が可能となる。
【0094】かかる粉粒体処理容器12の流動室Aの底
部に位置させて、回転体40として回転円板が回転自在
に設けられており、この回転体40の外周面と粉粒体処
理容器12の器壁12a内面との間には、環状の隙間つ
まりスリット41が形成されている。この回転体40を
駆動するために、回転体40の下面に固定された中空の
回転軸42が粉粒体処理容器12の底壁43に取り付け
られた軸受部44に回転自在に支持されており、回転軸
44には可変速式のモータ45の回転がベルト46によ
り伝達されるようになっている。
部に位置させて、回転体40として回転円板が回転自在
に設けられており、この回転体40の外周面と粉粒体処
理容器12の器壁12a内面との間には、環状の隙間つ
まりスリット41が形成されている。この回転体40を
駆動するために、回転体40の下面に固定された中空の
回転軸42が粉粒体処理容器12の底壁43に取り付け
られた軸受部44に回転自在に支持されており、回転軸
44には可変速式のモータ45の回転がベルト46によ
り伝達されるようになっている。
【0095】造粒等の処理が終了した後の製品を外部に
排出するために、回転体40のやや上方の位置に開口部
を有する排出シュート47が粉粒体処理容器12に設け
られ、この排出シュート47には前記開口部を開閉する
ための排出弁48が設けられている。
排出するために、回転体40のやや上方の位置に開口部
を有する排出シュート47が粉粒体処理容器12に設け
られ、この排出シュート47には前記開口部を開閉する
ための排出弁48が設けられている。
【0096】回転体40は、図10に示すように、外周
部が上方に向けて傾斜して、皿状の断面形状となってお
り、この回転体40には、回転中心から所定の半径の位
置に環状に通気部49が形成されている。この通気部4
9は所定のメッシュとなった金網によって形成され、こ
れが環状となって回転体40に設けられている。かかる
通気部49は、金網を回転体40にその円周方向所定の
長さ毎に複数形成するようにしてもよく、あるいは回転
体40に多数の細孔を形成することによって形成しても
よい。
部が上方に向けて傾斜して、皿状の断面形状となってお
り、この回転体40には、回転中心から所定の半径の位
置に環状に通気部49が形成されている。この通気部4
9は所定のメッシュとなった金網によって形成され、こ
れが環状となって回転体40に設けられている。かかる
通気部49は、金網を回転体40にその円周方向所定の
長さ毎に複数形成するようにしてもよく、あるいは回転
体40に多数の細孔を形成することによって形成しても
よい。
【0097】通気部49の構成に関しては、金網を用い
て形成するか、回転体40に細孔を設けることにより通
気部49を形成するか、そして、どの部位に通気部49
を形成するか等、投入される粉粒体の種類や、流動室A
内に形成するフローパターンによって種々変更すればよ
い。さらには、通気部49を設けない構成も考えられ
る。
て形成するか、回転体40に細孔を設けることにより通
気部49を形成するか、そして、どの部位に通気部49
を形成するか等、投入される粉粒体の種類や、流動室A
内に形成するフローパターンによって種々変更すればよ
い。さらには、通気部49を設けない構成も考えられ
る。
【0098】底壁43には通気部49の径方向内側に位
置させて円筒状の隔壁51が取り付けられており、さら
に通気部49の径方向外側に位置させて円筒状の隔壁5
2が取り付けられている。隔壁51、52との間に、通
気部49に連通する環状の流動層形成用気体供給部53
が形成され、隔壁52と粉粒体処理容器12との間に、
スリット41に連通する流動層形成用気体供給部54が
形成されている。
置させて円筒状の隔壁51が取り付けられており、さら
に通気部49の径方向外側に位置させて円筒状の隔壁5
2が取り付けられている。隔壁51、52との間に、通
気部49に連通する環状の流動層形成用気体供給部53
が形成され、隔壁52と粉粒体処理容器12との間に、
スリット41に連通する流動層形成用気体供給部54が
形成されている。
【0099】図10に示すように、粉粒体処理容器12
に隣接して給気ダクト14が設けられており、この給気
ダクト14には給気ファン15により空気が供給される
ようになっている。給気ダクト14内には、給気ファン
15からの空気を清浄化するためのフィルタ16と、流
動層形成用気体を加熱または冷却するための熱交換器1
7とが設けられている。
に隣接して給気ダクト14が設けられており、この給気
ダクト14には給気ファン15により空気が供給される
ようになっている。給気ダクト14内には、給気ファン
15からの空気を清浄化するためのフィルタ16と、流
動層形成用気体を加熱または冷却するための熱交換器1
7とが設けられている。
【0100】給気ダクト14の吹き出し口は第1通風路
18aにより流動層形成用気体供給部54に導通され、
第2通風路18bにより流動層形成用気体供給部53に
導通され、第1通風路18aと第2通風路18bとは、
隔壁18cにより区画されている。従って、スリット4
1および通気部49からは流動室A内に流動層形成用気
体が供給され、これらの気流と回転体40の回転とによ
って粉粒体は遠心転動作用を伴った流動層状態となる。
18aにより流動層形成用気体供給部54に導通され、
第2通風路18bにより流動層形成用気体供給部53に
導通され、第1通風路18aと第2通風路18bとは、
隔壁18cにより区画されている。従って、スリット4
1および通気部49からは流動室A内に流動層形成用気
体が供給され、これらの気流と回転体40の回転とによ
って粉粒体は遠心転動作用を伴った流動層状態となる。
【0101】それぞれの気体通路18a、18bの入口
部には、これらを流れる気体の流量を調整するために、
流量調節用のダンパ19a、19bが設けられており、
これらのダンパ19a、19bを独立して制御すること
により、スリット41および通気部49を通って流動室
A内に供給される気流によるフローパターンを様々に変
化させることができる。粉粒体処理容器12の上端部に
は、流動室A内の気体を外部に排出するための排気ダク
ト27が設けられている。
部には、これらを流れる気体の流量を調整するために、
流量調節用のダンパ19a、19bが設けられており、
これらのダンパ19a、19bを独立して制御すること
により、スリット41および通気部49を通って流動室
A内に供給される気流によるフローパターンを様々に変
化させることができる。粉粒体処理容器12の上端部に
は、流動室A内の気体を外部に排出するための排気ダク
ト27が設けられている。
【0102】流動状態となった粉粒体に対してコーティ
ング液またはバインダ液を噴霧するために、粉粒体処理
容器12内には、スプレーガン20aが設けられ、さら
に流動室A内に回転体40に対向してスプレーガン20
bが設けられており、それぞれのスプレーガン20a、
20bにはポンプ23a、23bによってスプレー液貯
留槽22内のスプレー液22aが供給されるようになっ
ている。
ング液またはバインダ液を噴霧するために、粉粒体処理
容器12内には、スプレーガン20aが設けられ、さら
に流動室A内に回転体40に対向してスプレーガン20
bが設けられており、それぞれのスプレーガン20a、
20bにはポンプ23a、23bによってスプレー液貯
留槽22内のスプレー液22aが供給されるようになっ
ている。
【0103】一方、スプレーガン20aの近傍には、原
料投入口12bから投入される粉粒体原料とは相違した
粉粒体原料を流動室A内に供給するためにノズル56が
設けられている。
料投入口12bから投入される粉粒体原料とは相違した
粉粒体原料を流動室A内に供給するためにノズル56が
設けられている。
【0104】図10に示すように、中空の回転軸42内
には、軸受57を介して支持軸58が回転自在に設けら
れており、この支持軸58の上端部には攪拌羽根60が
取り付けられている。この攪拌羽根60は支持軸58に
固定されセンターコーンとも言われるボス部61と、こ
のボス部61に固定され放射方向に延びる2本ないし3
本程度の複数本の攪拌翼62とを有している。この支持
軸58は図10に示すように、ベルト63を介してモー
タ64により回転体40とは独立した回転方向および回
転速度で駆動されるようになっており、この支持軸58
によって攪拌羽根60を回転させることにより、粉粒体
の攪拌混合作用を促進するようにしている。
には、軸受57を介して支持軸58が回転自在に設けら
れており、この支持軸58の上端部には攪拌羽根60が
取り付けられている。この攪拌羽根60は支持軸58に
固定されセンターコーンとも言われるボス部61と、こ
のボス部61に固定され放射方向に延びる2本ないし3
本程度の複数本の攪拌翼62とを有している。この支持
軸58は図10に示すように、ベルト63を介してモー
タ64により回転体40とは独立した回転方向および回
転速度で駆動されるようになっており、この支持軸58
によって攪拌羽根60を回転させることにより、粉粒体
の攪拌混合作用を促進するようにしている。
【0105】次に、図10に示した流動層造粒コーティ
ング装置により造粒コーティングを行う粉粒体処理方法
の手順について説明する。
ング装置により造粒コーティングを行う粉粒体処理方法
の手順について説明する。
【0106】粉粒体原料は、原料投入口12bから所定
量だけ供給される。粉粒体原料は、通気部49およびス
リット41から供給される流動層形成用気体による上昇
と自重による落下とを繰り返して流動層状態となって攪
拌混合される。また、モータ45により回転体40を回
転させることにより、粉粒体は遠心転動作用によっても
攪拌混合される。この攪拌混合はモータ64により攪拌
羽根60を回転体40と同一方向または逆方向に回転す
ることにより促進される。
量だけ供給される。粉粒体原料は、通気部49およびス
リット41から供給される流動層形成用気体による上昇
と自重による落下とを繰り返して流動層状態となって攪
拌混合される。また、モータ45により回転体40を回
転させることにより、粉粒体は遠心転動作用によっても
攪拌混合される。この攪拌混合はモータ64により攪拌
羽根60を回転体40と同一方向または逆方向に回転す
ることにより促進される。
【0107】このように攪拌混合された状態の粉粒体に
向けて、スプレーガン20a,20bの一方または両方
からバインダ液またはコーティング液が噴霧される。必
要に応じて、ノズル56からも流動層の中に粉粒体原料
が供給される。造粒コーティングの進行状況に応じて、
スリット41と通気部49とからの流動層形成用気体の
供給割合を、ダンパ19a、19bの開度を調整するこ
とにより変化させることができる。
向けて、スプレーガン20a,20bの一方または両方
からバインダ液またはコーティング液が噴霧される。必
要に応じて、ノズル56からも流動層の中に粉粒体原料
が供給される。造粒コーティングの進行状況に応じて、
スリット41と通気部49とからの流動層形成用気体の
供給割合を、ダンパ19a、19bの開度を調整するこ
とにより変化させることができる。
【0108】なお、本発明は上記実施の形態の説明に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能であることはいうまでもない。例えば、回転
体40としては、外周部が上方に向けて傾斜した皿状の
回転円板以外に、全体的に表面が平坦となった回転円板
や断面が山型に層状に形成された積層円板、すり鉢状の
円板等を用いるようにしても良く、これらの円板は実質
的に流動室の底部に設けられればよい。
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能であることはいうまでもない。例えば、回転
体40としては、外周部が上方に向けて傾斜した皿状の
回転円板以外に、全体的に表面が平坦となった回転円板
や断面が山型に層状に形成された積層円板、すり鉢状の
円板等を用いるようにしても良く、これらの円板は実質
的に流動室の底部に設けられればよい。
【0109】また、攪拌羽根の構造も前記実施例以外の
他の構造とすることも可能であり、たとえば、回転体の
回転中心Oを回転中心とする支持軸の下端部に攪拌羽根
を取り付けて、攪拌羽根を流動室内に吊り下げるように
してもよい。
他の構造とすることも可能であり、たとえば、回転体の
回転中心Oを回転中心とする支持軸の下端部に攪拌羽根
を取り付けて、攪拌羽根を流動室内に吊り下げるように
してもよい。
【0110】(実施の形態4)本実施の形態では、流動
層乾燥装置に構成した本発明の流動層装置について説明
する。かかる流動層乾燥装置は、造粒終了後、あるいは
コーティング終了後の粉粒体11を流動層状態で乾燥処
理する粉粒体処理に使用する装置である。流動層乾燥装
置は、前記実施の形態1で説明した流動層造粒装置10
aと基本構成はほぼ同一で、スプレーガン20が設けら
れていない点が異なる。
層乾燥装置に構成した本発明の流動層装置について説明
する。かかる流動層乾燥装置は、造粒終了後、あるいは
コーティング終了後の粉粒体11を流動層状態で乾燥処
理する粉粒体処理に使用する装置である。流動層乾燥装
置は、前記実施の形態1で説明した流動層造粒装置10
aと基本構成はほぼ同一で、スプレーガン20が設けら
れていない点が異なる。
【0111】具体的な実施例としては、例えば、フロイ
ント産業株式会社製の流動層乾燥装置であるフロードラ
イヤーの粉粒体処理容器の器壁と外壁との間に断熱室を
設ける構成が考えられる。
ント産業株式会社製の流動層乾燥装置であるフロードラ
イヤーの粉粒体処理容器の器壁と外壁との間に断熱室を
設ける構成が考えられる。
【0112】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0113】例えば、上記実施の形態1〜3では、上記
二重壁構造を粉粒体処理容器12内のバグフィルタ24
の取付け上方位置まで構成した場合について説明した
が、図17に示すように、バグフィルタ24の下方位置
程度まで構成するようにしても構わない。さらには、粉
粒体処理容器12内で常時流動層が形成される流動層帯
域A1の範囲に二重壁構造を設けるようにしても構わな
い。二重壁構造を粉粒体処理容器12のどの範囲まで設
けるかについては、範囲を広く設定すればその分断熱効
果が高まって好ましいが、反面、装置の製造価格もその
分高くなる。そのため流動層装置で処理する粉体種類に
より、その二重壁構造をどの範囲で設けるか設定すれば
よい。
二重壁構造を粉粒体処理容器12内のバグフィルタ24
の取付け上方位置まで構成した場合について説明した
が、図17に示すように、バグフィルタ24の下方位置
程度まで構成するようにしても構わない。さらには、粉
粒体処理容器12内で常時流動層が形成される流動層帯
域A1の範囲に二重壁構造を設けるようにしても構わな
い。二重壁構造を粉粒体処理容器12のどの範囲まで設
けるかについては、範囲を広く設定すればその分断熱効
果が高まって好ましいが、反面、装置の製造価格もその
分高くなる。そのため流動層装置で処理する粉体種類に
より、その二重壁構造をどの範囲で設けるか設定すれば
よい。
【0114】さらには、二重壁構造部以外の部分、すな
わち器壁12のみによる囲まれた空域A2に、乾燥気体
を供給するように、器壁12に乾燥気体の吹出口を設け
るようにしても構わない。このように構成することによ
り、流動層帯域A1を二重壁構造で結露防止を図り、そ
れ以外の空域A2は乾燥気体を吹出し口から供給するこ
とにより結露防止を図るように、両者の結露防止機能を
併有させて粉粒体の付着防止をより効果的に図るように
してもよい。
わち器壁12のみによる囲まれた空域A2に、乾燥気体
を供給するように、器壁12に乾燥気体の吹出口を設け
るようにしても構わない。このように構成することによ
り、流動層帯域A1を二重壁構造で結露防止を図り、そ
れ以外の空域A2は乾燥気体を吹出し口から供給するこ
とにより結露防止を図るように、両者の結露防止機能を
併有させて粉粒体の付着防止をより効果的に図るように
してもよい。
【0115】かかる吹出し口から供給する乾燥気体は、
給気ダクト14あるいは、給気ファン15から給気ダク
ト14までの途中を分岐して、流動層形成用気体を利用
することができるようにすればよい。分岐した流動層形
成用気体は、必要に応じて、途中に設けたヒータ等で温
度調節できるようにしても構わない。また、流動層形成
用気体を分留することなく、別途に乾燥気体を供給する
ようにしても、勿論構わない。
給気ダクト14あるいは、給気ファン15から給気ダク
ト14までの途中を分岐して、流動層形成用気体を利用
することができるようにすればよい。分岐した流動層形
成用気体は、必要に応じて、途中に設けたヒータ等で温
度調節できるようにしても構わない。また、流動層形成
用気体を分留することなく、別途に乾燥気体を供給する
ようにしても、勿論構わない。
【0116】なお、粉粒体処理容器12内の流動層帯域
A1以外の空域A2に、器壁12aに設けたを吹出し口
から乾燥加熱気体を供給する構成は、遠心流動層造粒コ
ーティング装置、流動層乾燥装置にも適用できることは
勿論である。
A1以外の空域A2に、器壁12aに設けたを吹出し口
から乾燥加熱気体を供給する構成は、遠心流動層造粒コ
ーティング装置、流動層乾燥装置にも適用できることは
勿論である。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、粉粒体処理容器の器壁
を外壁にて囲繞し、器壁と外壁との間に断熱空間を形成
したので、この断熱空間にて熱の伝導が遮断され、器壁
に外気の熱が伝わるのを抑制できる。従って、器壁が外
気により冷却され、その内面に結露が生じるのを防止す
ることができ、器壁内面への粉粒体の付着を抑制するこ
とが可能となる。
を外壁にて囲繞し、器壁と外壁との間に断熱空間を形成
したので、この断熱空間にて熱の伝導が遮断され、器壁
に外気の熱が伝わるのを抑制できる。従って、器壁が外
気により冷却され、その内面に結露が生じるのを防止す
ることができ、器壁内面への粉粒体の付着を抑制するこ
とが可能となる。
【0118】このため、流動層状態で粉粒体を処理する
本発明の粉粒体処理方法では、処理工程における洗浄作
業を緩和することができ、且つ製品収率、装置稼動効
率、生産効率等の改善を図ることが可能となる。
本発明の粉粒体処理方法では、処理工程における洗浄作
業を緩和することができ、且つ製品収率、装置稼動効
率、生産効率等の改善を図ることが可能となる。
【0119】また、結露防止用気体の供給手段を上記構
成と併有する構成とすれば、空域の湿度が低下されるの
で、流動層形成用気体により流動化される粉粒体からの
水分の蒸発に起因した器壁内面の結露が防止される。し
たがって、粉粒体の造粒、コーティング、乾燥時におい
て、流動層帯域からの微粉等の飛来や粒子の突沸的な上
昇や上方に設けられたバグフィルタからの微粉の払い落
し等により、空域の内壁面に粉粒体が付着することがな
くなり、粉粒体の良好な造粒、コーティング、乾燥が可
能になる。
成と併有する構成とすれば、空域の湿度が低下されるの
で、流動層形成用気体により流動化される粉粒体からの
水分の蒸発に起因した器壁内面の結露が防止される。し
たがって、粉粒体の造粒、コーティング、乾燥時におい
て、流動層帯域からの微粉等の飛来や粒子の突沸的な上
昇や上方に設けられたバグフィルタからの微粉の払い落
し等により、空域の内壁面に粉粒体が付着することがな
くなり、粉粒体の良好な造粒、コーティング、乾燥が可
能になる。
【0120】そして、この流動層の器壁内面への粉粒体
の付着防止が、吹出し口等から結露防止用気体を空域に
供給するだけで達成でき、可動部分や複雑な構造は等は
必要とされず、既存の装置の簡単な改造で実現が可能と
なる。また、熱媒体の供給設備や断熱工事等も不要とな
り、極めて経済的である。
の付着防止が、吹出し口等から結露防止用気体を空域に
供給するだけで達成でき、可動部分や複雑な構造は等は
必要とされず、既存の装置の簡単な改造で実現が可能と
なる。また、熱媒体の供給設備や断熱工事等も不要とな
り、極めて経済的である。
【0121】特に、結露防止用気体が流動層帯域の直上
位置に供給される流動層装置によれば、流動層形成用気
体により流動化される粉粒体等から蒸発した水分が流動
層帯域の直上において希釈化されて湿度が低下されるこ
ととなるので、流動層の器壁内面の結露がより有効に防
止されることとなる。
位置に供給される流動層装置によれば、流動層形成用気
体により流動化される粉粒体等から蒸発した水分が流動
層帯域の直上において希釈化されて湿度が低下されるこ
ととなるので、流動層の器壁内面の結露がより有効に防
止されることとなる。
【0122】また、流動層を形成する粉粒体処理容器の
底部側に遠心転動用の回転体を設けた遠心流動層装置に
上記断熱壁構造を採用すれば、流動層状態と、遠心転動
状態とで粉流体を処理する場合でも、粉粒体処理容器の
器壁内面への付着を効果的に防止することかができる。
底部側に遠心転動用の回転体を設けた遠心流動層装置に
上記断熱壁構造を採用すれば、流動層状態と、遠心転動
状態とで粉流体を処理する場合でも、粉粒体処理容器の
器壁内面への付着を効果的に防止することかができる。
【0123】また、本発明の流動層装置を流動層乾燥装
置に構成すれば、別途造粒、あるいは最終形態にまで製
造した粉粒体を、粉粒体処理容器内に付着させることな
く乾燥させることができ、乾燥時の付着による製品損失
の心配がない。
置に構成すれば、別途造粒、あるいは最終形態にまで製
造した粉粒体を、粉粒体処理容器内に付着させることな
く乾燥させることができ、乾燥時の付着による製品損失
の心配がない。
【図1】本発明の実施の形態1である流動層造粒コーテ
ィング装置の構成を示す断面図である。
ィング装置の構成を示す断面図である。
【図2】(A)、(B)は、断熱室を設けた粉粒体処理
容器の部分断面図である。
容器の部分断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2による流動層装置を示す
概略断面図である。
概略断面図である。
【図4】(A)は本発明の実施の形態2による流動層装
置の変形例を示す概略断面図であり、(B)は(A)に
おける吹出し口の構成の変形例を示す部分断面図であ
る。
置の変形例を示す概略断面図であり、(B)は(A)に
おける吹出し口の構成の変形例を示す部分断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態2による流動層装置の変形
例を示す概略説明図である。
例を示す概略説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2による流動層装置の変形
例を示す概略説明図である。
例を示す概略説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2による流動層装置の変形
例を示す概略説明図である。
例を示す概略説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2による流動層装置の変形
例を示す概略説明図である。
例を示す概略説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2による流動層装置の変形
例を示す概略説明図である。
例を示す概略説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3である遠心流動層造粒
コーティング装置の構成を示す断面図である。
コーティング装置の構成を示す断面図である。
10 流動層装置 10a 流動層造粒コーティング装置 11 粉粒体 11a 接粉部 12 粉粒体処理容器 12a 器壁 12b 原料投入口 13 通気部材 13a 目皿板 14 給気ダクト 15 給気ファン 16 フィルタ 17 熱交換機 18 通風路 18a 第1通風路 18b 第2通風路 18c 隔壁 19 ダンパ 19a ダンパ 19b ダンパ 20 スプレーガン 20a スプレーガン 20b スプレーガン 21 スプレー配管 22 スプレー液貯留槽 22a スプレー液(バインダー液、コーティング液) 23 供給ポンプ 23a 供給ポンプ 23b 供給ポンプ 24 バグフィルタ 25 パルスジェット用ノズル 26 開放蓋 27 排気ダクト 28 ダンパ 30 断熱室(断熱空間) 31 外壁 32 スペーサ 33 排気口 34 真空ポンプ 35a 空気源 35b 除湿器 36 吹出し口 36a バルブ 36b バルブ 37 ノズル 37a ノズル 38 結露防止用気体供給部材 38a 気体流通孔 39 結露防止用気体供給路 39a 気体流通孔 40 回転体 41 スリット 42 回転軸 43 底壁 44 軸受部 45 モータ 46 ベルト 47 排出シュート 48 排出弁 49 通気部 51 隔壁 52 隔壁 53 流動層形成用気体給気部 54 流動層形成用気体給気部 55 金網 56 ノズル 57 軸受 58 支持軸 60 攪拌羽根 61 ボス部 62 攪拌翼 63 ベルト 64 モータ A 流動室 A1 流動層帯域 A2 空域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白鳥 衛 東京都新宿区高田馬場2丁目14番2号 フ ロイント産業株式会社内 Fターム(参考) 4G004 AA03 BA02 EA06 KA02
Claims (10)
- 【請求項1】 粉粒体が収容された粉粒体処理容器内
に、流動層形成用気体を供給して、前記粉粒体を流動層
状態にして粉粒体の処理を行う流動層装置であって、 前記粉粒体処理容器の器壁には、前記器壁を囲繞する外
壁と、前記器壁と前記外壁との間に形成された断熱空間
とを有してなる結露防止手段が設けられていることを特
徴とする流動層装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の流動層装置において、 前記結露防止手段は、前記断熱空間内の空気を吸引する
ポンプ装置を備えることを特徴とする流動層装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の流動層装置において、 前記断熱空間内の気体の圧力が1.33Pa以下である
ことを特徴とする流動層装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の流
動層装置において、 前記粉粒体へスプレー液を噴霧するスプレーノズルを備
えていることを特徴とする流動層装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の流
動層装置において、 前記処理は、造粒処理、コーティング処理、乾燥処理の
少なくともいずれかの処理であることを特徴とする流動
層装置。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の流
動層装置において、 前記粉流体処理容器内の前記粉流体が流動層状態になる
流動層帯域の上方でバグフィルタの下方に位置する空域
への乾燥加熱気体の供給手段を有することを特徴とする
流動層装置。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の流
動層装置において、 前記粉粒体処理容器内の器壁内面への乾燥加熱気体の供
給手段を有することを特徴とする流動層装置。 - 【請求項8】 請求項7記載の流動層装置において、 前記乾燥加熱気体の供給手段は、前記供給手段の吹出し
口に、器壁方向へ前記乾燥加熱気体を案内するガイドを
設けたことを特徴とする流動層装置。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流
動層装置において、 前記粉粒体処理容器の水平断面が実質的に円形である下
方部分に、前記粉流体処理容器の内側との間に所定間隔
をおいて水平方向に回転可能な回転体を設けたことを特
徴とする流動層装置。 - 【請求項10】 粉粒体が収容された粉粒体処理容器内
に、流動層形成用気体を供給して、前記粉粒体を流動層
状態にして粉粒体を処理する方法であって、 請求項1〜9のいずれか1項に記載の流動層装置を使用
して、前記粉粒体処理容器内に収容された前記粉粒体
を、粉粒体処理容器外と断熱雰囲気状態で処理すること
を特徴とする粉粒体処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000371355A JP2002172320A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 流動層装置およびそれを使用した粉粒体処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000371355A JP2002172320A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 流動層装置およびそれを使用した粉粒体処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002172320A true JP2002172320A (ja) | 2002-06-18 |
Family
ID=18841093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000371355A Pending JP2002172320A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 流動層装置およびそれを使用した粉粒体処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002172320A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012148228A (ja) * | 2011-01-18 | 2012-08-09 | Toyota Motor Corp | 流動層装置 |
JP2012148251A (ja) * | 2011-01-20 | 2012-08-09 | Toyota Motor Corp | 流動層装置 |
JP2016067971A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-05-09 | 株式会社パウレック | 流動層装置 |
US20180117554A1 (en) * | 2016-10-27 | 2018-05-03 | Yara International Asa | Fluidized bed granulation |
US10544064B2 (en) | 2014-10-28 | 2020-01-28 | Yara International Asa | Fluidized bed granulation |
JP7563740B2 (ja) | 2020-10-30 | 2024-10-08 | 株式会社パウレック | 粉粒体処理装置 |
-
2000
- 2000-12-06 JP JP2000371355A patent/JP2002172320A/ja active Pending
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