JP2002171728A - コイル含浸装置 - Google Patents

コイル含浸装置

Info

Publication number
JP2002171728A
JP2002171728A JP2000367588A JP2000367588A JP2002171728A JP 2002171728 A JP2002171728 A JP 2002171728A JP 2000367588 A JP2000367588 A JP 2000367588A JP 2000367588 A JP2000367588 A JP 2000367588A JP 2002171728 A JP2002171728 A JP 2002171728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
impregnating
vacuum
impregnation
coil assembly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000367588A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Yamada
誠一郎 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Electronics Co Ltd
Original Assignee
Moric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Moric Co Ltd filed Critical Moric Co Ltd
Priority to JP2000367588A priority Critical patent/JP2002171728A/ja
Publication of JP2002171728A publication Critical patent/JP2002171728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタータモータのアーマチュアのように、振
動が大きく高回転で使用されるロータのコイルに対し
て、コイル固定用の溶液をコイル内部まで十分に浸透さ
せて巻線同士を内部まで十分強固に固定できるコイル含
浸装置を提供する。 【解決手段】 コイル組体のコイル6に、巻線同士の固
定用含浸液34を含浸させるコイル含浸装置10であっ
て、含浸処理すべきコイル組体が内部にセットされる真
空容器18と、真空容器18内にセットされたコイル組
体のコイル部に含浸液供給管19及びその先端部のノズ
ル20を介して含浸液24を吐出する含浸液供給ポンプ
29と、真空容器18内を真空排気するための真空ポン
プ32と、真空容器18内を真空状態から徐々に大気圧
状態にするための大気開放手段26を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータや発電機等
のロータ側のコイルに巻線同士の固定溶液を含浸させる
ためのコイル含浸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車のスタータモータは、コイル
が装着されたアーマチュアを回転させてエンジンを始動
させる。このアーマチュアは、シャフトに固定されたコ
アにコイルが巻回され、このシャフトに設けたピニオン
がエンジンのクランク軸に直結したフライホイール外周
のリングギヤと噛合ってこれを回転させてエンジンを始
動させる。このようなスタータモータのアーマチュア
は、振動が大きくまた高回転になるため、コイルの巻線
が緩んで巻線同士が擦れ合って断線や短絡等の不具合が
起こり易くなる。
【0003】一方、従来、一般のモータ等のコイルの緩
みやずれを無くしてコイルを固定するために、エポキシ
樹脂等をコイル表面にコーティングして断線や短絡等の
防止を図ったコイル固定方法が用いられていた。このコ
イル固定方法では、コイル表面にコーティングされるコ
イル固定用のエポキシ樹脂は、コイルの表面に大気圧状
態で塗布されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大気圧
の下で単にコイル表面にエポキシ樹脂等のコイル固定液
を塗布しただけでは、エポキシ樹脂がコイル表面で固化
し、樹脂がコイル内部まで浸透しないため、コイル全体
を内部の巻線まで充分確実に固定できない。振動が小さ
い場合や低回転のモータの場合にはこのようなコイル表
面の固定だけで問題は生じないが、自動二輪車のスター
タモータのように特に振動が大きく高回転で使用される
場合には、コイル内部での巻線同士の固定が不充分とな
って、振動や回転の遠心力により巻線同士の擦れやずれ
等による断線や短絡等の不具合が生じる。
【0005】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、スタータモータのアーマチュアのように、振動が
大きく高回転で使用されるロータのコイルに対して、コ
イル固定用の溶液をコイル内部まで十分に浸透させて巻
線同士を内部まで十分強固に固定できるコイル含浸装置
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、コイル組体のコイルに、巻線同士の固
定用含浸液を含浸させるコイル含浸装置であって、含浸
処理すべきコイル組体が内部にセットされる真空容器
と、該真空容器内にセットされたコイル組体のコイル部
に含浸液供給管及びその先端部のノズルを介して含浸液
を吐出する含浸液供給ポンプと、前記真空容器内を真空
排気するための真空ポンプと、該真空容器内を真空状態
から徐々に大気圧状態にするための大気開放手段を備え
たことを特徴とするコイル含浸装置を提供する。
【0007】この構成によれば、真空容器内にアーマチ
ュア等のコイル組体をセットし、この真空容器を真空状
態にしてコイル組体のコイルに巻線固定用の含浸液をノ
ズルから吐出してコイル表面にコーティングする。所定
量のコーティング後、含浸液をさらに吐出しながら真空
容器を徐々に大気に開放する。これにより、コイル内部
が真空状態のままコイル外面が徐々に大気圧となるた
め、コイル表面側にコーティングされた含浸液がコイル
内部に吸引されてコイル内全体に浸透する。
【0008】好ましい構成例においては、前記コイル組
体は前記真空容器内で回転可能に保持され、前記ノズル
を複数個備え、前記含浸液供給ポンプは真空室内に設置
され、該真空室は前記真空容器と連通して前記真空ポン
プにより真空排気されることを特徴としている。
【0009】この構成によれば、真空容器内でコイル組
体を回転させながら複数のノズルからコイル表面に含浸
液を供給することにより、コイル表面に対して含浸液を
均一にコーティングしてこれをコイル内部全体に均一に
含浸させることができる。また、含浸液を供給するポン
プは真空室内に設置され、この真空室は、含浸処理が行
われる真空容器と連通して同じ真空ポンプで真空排気さ
れるため、真空室と真空容器が同じ真空圧となって、真
空室内の含浸液供給ポンプから真空容器内のノズルを介
してこの真空容器に含浸液が円滑に供給される。
【0010】さらに好ましい構成例においては、複数の
コイル組体を放射状の位置に装着してその位置に対応し
て間欠的に回転動作するターンテーブルを備え、該ター
ンテーブルの所定の位置で含浸処理を行い、含浸処理終
了毎に順次ターンテーブルを間欠回転させて含浸処理し
たコイル組体をターンテーブル上で乾燥させ、該ターン
テーブルが1周することにより前記所定の位置に戻った
コイル組体を取出すとともに次のコイル組体をセットし
て含浸処理するように構成したことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、ターンテーブル上の放
射状の位置に複数のコイル組体が順番に装着され、ター
ンテーブルの所定位置で含浸処理を行ったコイル組体を
順番に間欠的に回転移動させながらターンテーブル上で
乾燥させることにより、1つのコイル組体を含浸処理し
てこれを乾燥固化に要する時間を有効に利用して別の新
たなコイル組体を順次含浸処理することができる。これ
により、例えば製造ライン中で、含浸処理の位置に順次
送られてくるコイル組体を待機させることなく連続的に
含浸および乾燥処理することができ、ラインの流れを円
滑にして生産効率の向上が図られる。
【0012】さらに好ましい構成例では、前記コイル組
体の製造ライン中に加熱炉を備え、該加熱炉で前記コイ
ル組体を加熱し、加熱されたコイル組体を含浸処理し、
含浸処理を終了したコイル組体を再び加熱処理するよう
に前記製造ライン中にインラインで配設されたことを特
徴としている。
【0013】この構成によれば、含浸処理プロセスの前
後に加熱プロセスを含む製造ライン中に含浸装置を設
け、加熱されたコイル組体を含浸処理して含浸液を充分
コイル内部に浸透させ、含浸後のコイル組体を再び加熱
することにより、含浸液は短時間で充分確実に乾燥固化
する。このような製造ライン中に含浸装置を設けること
により、製造ラインでの一連の製造プロセスフローにお
いて連続的に含浸処理を施すことができ、製造プロセス
全体の効率化が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に
係る含浸装置の構成説明図である。この実施形態は、自
動二輪車のスタータモータ用アーマチュアに適用したコ
イル含浸装置の例を示す。
【0015】含浸処理すべきアーマチュア1は、シャフ
ト2と、これに放射状に圧入して装着されたコア3と、
このコア3の両側に隣接してシャフト2に圧入されたコ
ンミテータ4(ステータ側のブラシが接触するコイル巻
線端子部)およびベアリング5と、コア3に巻回された
コイル6とにより構成される。
【0016】このコイル含浸装置10の含浸処理部7
は、アーマチュア1のシャフト端部を掴んでセットする
固定ハウジング8と、この固定ハウジング8に装着され
たアーマチュア1を覆うカプセル9とにより構成され
る。固定ハウジング8は支持本体11に固定され、アー
マチュア1のシャフト2を回転可能に掴む回転保持部1
2を有する。この回転保持部12は、支持本体11上に
設置されたモータ13によりベルト14を介して回転駆
動される。
【0017】カプセル9は、その下部にスライダ15を
備え、支持本体11に設けたガイドレール16に沿っ
て、矢印Aのように、摺動可能である。カプセル9は、
例えば円筒形状であって、固定ハウジング8に対し、リ
ング状のシール材(不図示)を介してシール結合部17
で気密封止状態で連結される。固定ハウジング8とこれ
に結合されたカプセル9により真空容器18が形成され
る。
【0018】カプセル9の端面9aを貫通して含浸液の
供給チューブ19が配設される。この供給チューブ19
の端部に複数のノズル20が備わる。このノズル20
は、1本の供給チューブ19の端部に複数個設けてもよ
いし、あるいは複数本の供給チューブ19を配設して各
々のチューブ先端にノズル20を設けてもよい。これら
のノズル20は、アーマチュア1のコイル6に対し、矢
印Bのように均一に含浸液を吐出できるような位置に分
散して配設される。カプセル9内の供給チューブ19
は、ノズル位置を固定するために金属製パイプで構成
し、これに連続するカプセル9の外側の供給チューブ1
9は、カプセル9のスライド動作に追従するために可撓
性のチューブとすることが好ましい。
【0019】ノズル20から含浸液を吐出してコイル6
の含浸処理を行う場合、コンミテータ4およびベアリン
グ5に含浸液がかからないように、それぞれスリーブ状
のカバー21で外周面を覆っておく。
【0020】カプセル9内のアーマチュア1の下側の位
置にドレンパン22が傾斜して設けられる。ドレンパン
22は、カプセル9の端面9aを貫通する可撓性の廃液
チューブ23を介して密閉された廃液容器24に接続さ
れる。この廃液チューブ23を通してコイル6からドレ
ンパン22内に滴下した含浸液または後述の洗浄液が廃
液容器24内に排出され、含浸液と洗浄液が混合した廃
液25として容器底部に溜まる。このとき本実施形態で
は、含浸液または洗浄液とともに、真空容器18内のエ
アが矢印Cのように廃液容器24内に吸引され容器上部
に溜まる。すなわち、含浸液または洗浄液とともにエア
が真空容器18から排出され、これが廃液容器24で気
液分離され含浸液および洗浄液は容器底部に溜まり、エ
アは容器上部に溜まる。
【0021】カプセル9の端面9aにはさらに大気開放
チューブ26が貫通して設けられる。この大気開放チュ
ーブ26には、流量調整弁27および開閉弁28が並列
して設けられ、真空容器18内を真空状態から徐々に大
気開放して大気圧にすることができる。
【0022】真空容器18内に含浸液を送出するための
前述の供給チューブ19は、ローラーポンプ29に接続
される。ローラーポンプ29は、例えばドラム周囲に設
けたチューブをピンチローラーで圧接しながらチューブ
内の液体を吐出するものであり、低騒音、低振動で円滑
な含浸液の供給ができる。ローラーポンプ29の吸込み
側には、吸込みチューブ33を介して含浸液34を収容
した含浸液容器35または洗浄液36を収容した洗浄液
容器37に接続される。含浸液容器35には、ミキサー
(不図示)からエポキシ樹脂と硬化剤の混合溶液からな
る含浸液34が供給される。吸込みチューブ33の端部
は、プロセスに応じて含浸液容器35または洗浄液容器
36内に選択的に挿入され、含浸液34または洗浄液3
6が矢印Eのように吸引される。含浸液または洗浄液
は、ローラーポンプ29の吐出側から矢印Fのように、
供給チューブ19を通してノズル20を介して真空容器
18内に吐出され、さらにドレンパン22から廃液チュ
ーブ23を通して廃液容器24内に回収される。
【0023】このローラーポンプ29は、密閉されたポ
ンプ室30内に設置される。このポンプ室30は、真空
チューブ31を介して真空ポンプ32に接続される。真
空チューブ31には圧力調整用のレギュレータ41が設
けられる。真空ポンプ32はポンプ室30内を矢印Dの
ように真空排気してポンプ室30内を所定の真空状態に
する。
【0024】ポンプ室30は、エア吸引チューブ38を
介して前述の廃液容器24の上部のエア溜まり部に接続
される。エア吸引チューブ38には、流量調整弁39お
よび開閉弁40が設けられる。このエア吸引チューブ3
8を通して廃液容器24内のエアが、真空ポンプ32に
よりポンプ室30を介して、矢印Gのように吸引され
る。これにより、真空容器18内のエアが廃液チューブ
23を介して吸引され、真空容器18とポンプ室30が
同じ真空ポンプ32により真空排気されて同じ真空圧力
状態になる。
【0025】図2は上記構成のコイル含浸装置の操作ス
テップのタイムチャートである。この例では、5つのタ
イマーA〜Eを用いて、圧力状態や含浸状態および硬化
状態等を時間的に判断して各ステップの処理を行ってプ
ロセス全体をシーケンス制御している。図中各欄の帯部
分は通電による動作状態を示す。ここでエア吸引チュー
ブ38(真空吸引側)の開閉弁40は通電により開いて
エアを通過させ、大気開放チューブ26(大気開放側)
の開閉弁28は通電により閉じてエアを止めるように構
成されている。また、真空吸引側および大気開放側の流
量調整弁39,27はともに通電により閉じるように構
成されている。
【0026】ロータリーポンプ29を収容したポンプ室
30や真空容器18内圧力は常時圧力計でモニターして
おくことが好ましい。この場合、タイマーによる時間管
理に代えて実際の圧力計の検出値に基づいて圧力状態を
判別してシーケンス制御を行ってもよい。
【0027】まず装置を初期状態に設定する。この初期
状態は、電源をONにし、真空ポンプ32をONにした
状態で、エア吸引チューブ38の開閉弁40を閉じ、大
気開放チューブ26の開閉弁28を開き、流量調整弁3
9および27をともに開いた状態とする。このとき、エ
ア吸引チューブ38の流量調整弁39は極少量の一定流
量とし、大気に開放する流量調整弁27の流量をエア吸
引チューブの流量調整弁39の流量より大きく設定す
る。これにより、真空ポンプ32を作動させた状態のま
ま真空容器18内が大気圧となってカプセル9の開閉動
作が可能になる。
【0028】初期状態にした後のステップは以下のとお
りである。 (1)カプセル9を開いた状態で、アーマチュア1のコ
ンミテータ4およびベアリング5にカバー21を装着し
てこのアーマチュア1を固定ハウジング8の回転保持部
12に取付ける。 (2)スタートボタン(不図示)をONにしてモータ1
3を駆動し、アーマチュア1を回転させる。このとき、
ローラーポンプ29は間欠運転モードから連続含浸運転
モードに設定変更される。間欠運転モードは、1つのア
ーマチュアに対し含浸処理を終了した後、次のアーマチ
ュアをセットするまでに装置の配管内に残留する含浸液
が硬化しないように、間欠的に含浸液を送り込むための
運転である。この間欠運転モードはタイマーEにより時
間的に管理される。連続含浸運転モードは、含浸処理中
に含浸液を連続的に供給する運転である。 (3)カプセル9を閉じる。これにより、リミットスイ
ッチ(不図示)がこれに併設したマニュアルスイッチと
ともに動作して、タイマーA〜Dがカウントを開始す
る。これと同時に、開閉弁40が開き、開閉弁28およ
び流量調整弁27が閉じる。この状態で真空容器18内
が所定の真空圧力となるように、真空ポンプ32のレギ
ュレータ41を予め調整してセットしておく。 (4)タイマーAがセットカウントに達したら、ローラ
ーポンプ29を連続含浸運転モードで駆動して含浸処理
を開始する。このタイマーAのセットカウントは、真空
容器18内が所定の真空圧力になる時間に設定されてい
る。 (5)タイマーBがセットカウントに達した時点で、ロ
ーラーポンプ29を駆動したまま、真空吸引側の開閉弁
40を閉じ、大気開放側の流量調整弁27を開く。これ
により、真空容器18内が徐々に大気圧まで昇圧しなが
ら含浸処理が継続される。このとき大気開放側の開閉弁
28は閉じたままであって、真空容器18内は急激に大
気圧に昇圧することなく、ゆっくりと大気圧になる。こ
のように真空容器18内が徐々に大気圧になる間にコイ
ルに含浸液を供給し続けることにより、コイル表面側の
含浸液が、真空状態のコイル内部側に吸引され、コイル
内部に含浸液が浸透していく。 (6)タイマーCがセットカウントに達したら、ローラ
ーポンプ29の駆動を停止して含浸液の供給を停止する
とともに、開閉弁28を開いて真空容器18内を完全に
大気に開放する。この状態で含浸液が硬化するまで時間
待ちする。この硬化時間は予めタイマーDにセットされ
ている。 (7)タイマーDがセットカウントに達したら、終了表
示ランプ(不図示)を点灯させる。 (8)続いて、カプセル9を開く。 (9)スタートボタンをOFFにして、モータ13の駆
動を停止しアーマチュアの回転を停止する。このとき、
タイマーEがカウント開始し、次のアーマチュアがセッ
トされてスタートボタンがONになるまでローラーポン
プ29が間欠運転を行う。 (10)アーマチュア1を取外し、コンミテータ4およ
びベアリング5のカバー21を外す。この後、ステップ
(1)に戻る。
【0029】含浸処理すべき全てのアーマチュアに対し
処理が終了したら、含浸装置の配管内から含浸液を除去
するための洗浄を行う。この洗浄プロセスは、真空ポン
プをONにし、他を全てOFFにした状態で行う。この
状態でローラーポンプ29の吸込みチューブ33を洗浄
液36内に挿入し、ローラーポンプ29を駆動して洗浄
液を含浸装置内に送込んで洗浄する。
【0030】図3は、製造ライン中に設置するために一
体ユニット化した含浸装置の構成図である。このコイル
含浸装置10は、例えば3段のラック状装置本体42か
らなり、各棚上に図1で示した構成部材が搭載される。
この例では、上段に真空容器18及びアーマチュアの回
転駆動モータ13を含む含浸処理部7と、ロータリーポ
ンプ29を収容したポンプ室30を搭載し、中段に真空
ポンプ32と操作パネル43を搭載し、下段に廃液容器
25、エポキシ樹脂等の含浸液容器35および洗浄液容
器36を搭載している。固定ハウジング8およびカプセ
ル9からなる真空容器18は、モータ13とともに並列
して複数個設けてもよい。操作パネル43には、不図示
の電源スイッチやスタートボタンおよび圧力計等が設け
られる。装置本体42はキャスター44を備え、製造ラ
イン中の所定の含浸プロセス位置に搬送され、そこに設
置される。この含浸プロセス位置に隣接して加熱炉が設
けられる。アーマチュアは加熱炉で含浸しやすい所定温
度まで加熱された状態で含浸装置10にセットされる。
含浸処理が終了して所定時間自然乾燥した後、再び加熱
炉で加熱して含浸したエポキシ樹脂を完全に乾燥固化す
る。
【0031】図4は、製造ライン中に設置する含浸処理
部7の別の構成例を示す。この例は、ターンテーブル4
5を備え、このターンテーブル45上に放射状に複数個
(この例では90°毎の放射状の位置に2個ずつ合計8
個)のアーマチュア1が装着される。ターンテーブル4
5の所定の処理位置46にカプセル9およびそのガイド
レール16が設けられる。ターンテーブル45の放射状
の各アーマチュア装着位置には固定ハウジング8のみが
設けられる。ターンテーブル45は、矢印Hのように、
放射状の各位置が順番に処理位置46に停止するように
間欠的に回転する。
【0032】含浸処理すべきアーマチュア1は、このタ
ーンテーブル45に隣接した加熱炉(不図示)で加熱さ
れ、このターンテーブル45の着脱位置に搬送される。
加熱された状態のアーマチュア1は、カプセル9が開い
た状態でターンテーブル上の固定ハウジング8に装着さ
れ、カプセル9を閉じて前述のように真空状態で含浸処
理が行われる。この含浸処理の間ターンテーブル45は
停止している。このとき、ターンテーブル45上の他の
位置の固定ハウジング8に装着された含浸処理後のアー
マチュア1は、各位置でそれぞれ回転しながら含浸液を
自然乾燥させる。
【0033】処理位置46の真空容器18内で含浸処理
が終了したら、カプセル9を開き、ターンテーブル45
を90°回転する。これにより含浸処理したアーマチュ
アが処理位置からターンテーブル内部方向に送込まれ、
ターンテーブルを1回転した自然乾燥後のアーマチュア
が処理位置46に戻る。この処理位置46に戻った乾燥
処理後のアーマチュアを取外し、新たなアーマチュアを
取付けて次の含浸処理を行う。取外された乾燥処理後の
アーマチュアは再び加熱炉で加熱され完全に乾燥固化さ
れる。
【0034】このようにターンテーブル上に複数のアー
マチュアを装着して含浸処理および乾燥処理を順次行う
ことにより、含浸処理に要する時間を有効に利用して乾
燥処理を行い、製造ラインで送られてくるアーマチュア
を中断待機させることなく連続的に含浸乾燥処理して次
の処理プロセスに送り出すことができ、製造ラインの効
率化が図られる。なお、処理位置で含浸処理するアーマ
チュアの数は2個に限らずさらに増やしてもよい。ま
た、ターンテーブル上の放射状の取付け位置は、90°
に限らず、製造ラインの搬送量や含浸処理の処理時間等
に応じて、取付け位置の間隔や各取付け位置でのアーマ
チュアの取付け数を変えてもよい。
【0035】図5は、本発明の含浸装置を用いたコイル
製造ラインの例を示すフローチャートである。この例
は、自動二輪車のスタータモータ用アーマチュアの製造
プロセスを示す。
【0036】まず、前プロセスから送られてくるアーマ
チュアのシャフトにコイル巻線のコアが圧入される(ス
テップS1)。続いて全体を絶縁樹脂でコーティングし
て絶縁処理を施す(ステップS2)。次に、コイル巻線
端部のブラシ接触部となるコンミテータをコアに隣接し
てシャフトに圧入する(ステップS3)。次に、コアに
巻線を施してコイルを形成する(ステップS4)。この
コイルに前述のコイル含浸装置(図1、図3または図
4)を用いて含浸処理を施す(ステップS5)。含浸処
理後にこれを乾燥固化させ(ステップS6)、コイルの
重量バランスを修正する(ステップS7)。その後、コ
ンミテータの表面を切削して外径を揃える(ステップS
8)。これによりアーマチュアの組体が完成する。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、真空
容器内にアーマチュア等のコイル組体をセットし、この
真空容器を真空状態にしてコイル組体のコイルに巻線固
定用の含浸液をノズルから吐出してコイル表面にコーテ
ィングし、所定量のコーティング後、含浸液をさらに吐
出しながら真空容器を徐々に大気に開放する。これによ
り、コイル内部が真空状態のままコイル外面が徐々に大
気圧となるため、コイル表面側にコーティングされた含
浸液がコイル内部に吸引されてコイル内全体に浸透す
る。
【0038】これにより、スタータモータのアーマチュ
アのように、振動が大きく高回転で使用されるロータの
コイルに対して、コイル固定用の溶液をコイル内部まで
十分に浸透させて巻線同士を内部まで十分強固に固定で
き、断線や短絡等を防止して信頼性の高いコイル巻線構
造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るコイル含浸装置の構
成図。
【図2】 図1のコイル含浸装置の動作を示すタイムチ
ャート。
【図3】 ユニット化したコイル含浸装置の構成図。
【図4】 コイル含浸装置の含浸処理部の別の例の構成
説明図。
【図5】 アーマチュアの製造ラインを示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
1:アーマチュア、2:シャフト、3:コア、4:コン
ミテータ、5:ベアリング、6:コイル、7:含浸処理
部、8:固定ハウジング、9:カプセル、10:含浸装
置、11:支持本体、12:回転保持部、13:モー
タ、14:ベルト、15:スライダ、16:レール、1
7:シール結合部、18:真空容器、19:供給チュー
ブ、20:ノズル、21:カバー、22:ドレンパン、
23:廃液チューブ、24:廃液容器、25:廃液、2
6:大気開放チューブ、27:流量調整弁、28:開閉
弁、29:ローラーポンプ、30:ポンプ室、31:真
空チューブ、32:真空ポンプ、33:吸込みチュー
ブ、34:含浸液、35:含浸液容器、36:洗浄液、
37:洗浄液容器、38:エア吸引チューブ、39:流
量調整弁、40:開閉弁、41:レギュレータ、42:
ラック状装置本体、43:操作パネル、44:キャスタ
ー、45:ターンテーブル、46:処理装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイル組体のコイルに、巻線同士の固定用
    含浸液を含浸させるコイル含浸装置であって、含浸処理
    すべきコイル組体が内部にセットされる真空容器と、該
    真空容器内にセットされたコイル組体のコイル部に含浸
    液供給管及びその先端部のノズルを介して含浸液を吐出
    する含浸液供給ポンプと、前記真空容器内を真空排気す
    るための真空ポンプと、該真空容器内を真空状態から徐
    々に大気圧状態にするための大気開放手段を備えたこと
    を特徴とするコイル含浸装置。
  2. 【請求項2】前記コイル組体は前記真空容器内で回転可
    能に保持され、前記ノズルを複数個備え、前記含浸液供
    給ポンプは真空室内に設置され、該真空室は前記真空容
    器と連通して前記真空ポンプにより真空排気されること
    を特徴とする請求項1に記載のコイル含浸装置。
  3. 【請求項3】複数のコイル組体を放射状の位置に装着し
    てその位置に対応して間欠的に回転動作するターンテー
    ブルを備え、該ターンテーブルの所定の位置で含浸処理
    を行い、含浸処理終了毎に順次ターンテーブルを間欠回
    転させて含浸処理したコイル組体をターンテーブル上で
    乾燥させ、該ターンテーブルが1周することにより前記
    所定の位置に戻ったコイル組体を取出すとともに次のコ
    イル組体をセットして含浸処理するように構成したこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のコイル含浸装
    置。
  4. 【請求項4】前記コイル組体の製造ライン中に加熱炉を
    備え、該加熱炉で前記コイル組体を加熱し、加熱された
    コイル組体を含浸処理し、含浸処理を終了したコイル組
    体を再び加熱処理するように前記製造ライン中にインラ
    インで配設されたことを特徴とする請求項1、2または
    3に記載のコイル含浸装置。
JP2000367588A 2000-12-01 2000-12-01 コイル含浸装置 Pending JP2002171728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000367588A JP2002171728A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 コイル含浸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000367588A JP2002171728A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 コイル含浸装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002171728A true JP2002171728A (ja) 2002-06-14

Family

ID=18837985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000367588A Pending JP2002171728A (ja) 2000-12-01 2000-12-01 コイル含浸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002171728A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141180A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Aisin Aw Co Ltd ワニス含浸装置及びワニス含浸方法
CN110098704A (zh) * 2018-01-31 2019-08-06 北京金风科创风电设备有限公司 填充液体驱替浸渍浸润电枢的工艺装备和方法
CN117791996A (zh) * 2024-02-23 2024-03-29 哈尔滨电机厂有限责任公司 一种定子线棒svpi绝缘浸漆系统工艺布局结构及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006141180A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Aisin Aw Co Ltd ワニス含浸装置及びワニス含浸方法
JP4696536B2 (ja) * 2004-11-15 2011-06-08 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ワニス含浸装置及びワニス含浸方法
CN110098704A (zh) * 2018-01-31 2019-08-06 北京金风科创风电设备有限公司 填充液体驱替浸渍浸润电枢的工艺装备和方法
WO2019148799A1 (zh) * 2018-01-31 2019-08-08 北京金风科创风电设备有限公司 利用填充液体填充电枢的工艺装备和方法
CN117791996A (zh) * 2024-02-23 2024-03-29 哈尔滨电机厂有限责任公司 一种定子线棒svpi绝缘浸漆系统工艺布局结构及方法
CN117791996B (zh) * 2024-02-23 2024-04-30 哈尔滨电机厂有限责任公司 一种定子线棒svpi绝缘浸漆系统工艺布局结构及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102097901B (zh) 大型风力发电机定子绝缘浸漆处理方法及浸漆和烘烤装置
JP2002171728A (ja) コイル含浸装置
US8172544B2 (en) Operation control device for vacuum pump and method for stopping operation thereof
JP2007274762A (ja) ワニス含浸方法及びワニス含浸装置
JP3724182B2 (ja) 電池用電解液注液装置
FR2684917A1 (fr) Procede de fabrication d'un tuyau en matiere plastique par moulage par centrifugation et installation pour la mise en óoeuvre du procede.
CN207896838U (zh) 液体正压填充装置
JP3628753B2 (ja) 軸受装置の流体潤滑剤注入方法
JPH0739120A (ja) 巻線体のワニス処理方法並びにワニス処理装置
KR100291026B1 (ko) 회전압축기의 고정자 코팅방법
JP4735370B2 (ja) ワニス含浸方法
JP2024514172A (ja) セクタ回転浸漬装置
US4493858A (en) Method for insulating slots in rotors of electrical rotating machines
JPS61221553A (ja) 回転電機のワニス処理方法
JP4696536B2 (ja) ワニス含浸装置及びワニス含浸方法
US20220352797A1 (en) Insulating a coil winding of an active part of an electrical machine
GB2046642A (en) Manufacture of an Armature for an Electric Motor
JPH06327201A (ja) 電気機器のワニス含浸方法及びその装置
CN110098704A (zh) 填充液体驱替浸渍浸润电枢的工艺装备和方法
JP5217175B2 (ja) 遠心貯留器及びルビジウムランプまたはルビジウムガスセルの製造方法
KR102029158B1 (ko) 모터용 로터 글루액 도포장치
JPS54160446A (en) Insulation of iron core
JP2004194398A (ja) 固定子コイルのワニス処理装置及びワニス処理方法
JPS62138073A (ja) 真空内回転装置の起動方法
JP2007274803A (ja) ワニス含浸装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060405