JP2002170657A - 誘導加熱用電源装置 - Google Patents

誘導加熱用電源装置

Info

Publication number
JP2002170657A
JP2002170657A JP2000367922A JP2000367922A JP2002170657A JP 2002170657 A JP2002170657 A JP 2002170657A JP 2000367922 A JP2000367922 A JP 2000367922A JP 2000367922 A JP2000367922 A JP 2000367922A JP 2002170657 A JP2002170657 A JP 2002170657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
power supply
signal
load
switching element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000367922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3652239B2 (ja
Inventor
Kotaro Hirayama
鋼太郎 平山
Kenta Miyahara
健太 宮原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi High Frequency Co Ltd filed Critical Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Priority to JP2000367922A priority Critical patent/JP3652239B2/ja
Publication of JP2002170657A publication Critical patent/JP2002170657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3652239B2 publication Critical patent/JP3652239B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通電中でも許容最低出力インピーダンスの変
更を容易に行って電源能力の利用率を高めることの可能
な誘導加熱用電源装置を提供する。 【解決手段】 直流給電部9からの直流を交流に変換す
るスイッチング発振部6G内の一つのスイッチング素子
Ta1 に、ON信号の出現頻度を調整可能な指令信号X
* を送信し、且つ/又は他のスイッチング素子Tb1
に、ON/OFFモードか常時OFFモードかを行わせ
る指令信号Y* を送信する構成とし、誘導加熱中、これ
らの指令信号X* 、Y* によってスイッチング発振部6
Gからの出力交番電流のパルス密度を調節して、許容最
低出力インピーダンスを、加熱につれて変化する負荷イ
ンピーダンスに整合させ、電源能力の利用率を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の誘導加熱な
どに用いる誘導加熱用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱用の電源には、通常、商用交流
が使用されており、この商用交流を誘導加熱用の高周波
電流に変換する手段として、ソリッドステートのスイッ
チング素子を用いたインバータが広く使用されている。
インバータとは、本来は、素子に出力極性を切り換える
スイッチング動作を行わせて直流入力を交流に変換して
出力させる機構の呼称であるが、商用交流を整流して直
流にする「順変換部」が一体化された装置の一般的呼称
ともなっている。因に、このように一体化された装置に
おいては、直流を交流に変換する本来のインバータ部分
は「逆変換部」と称される。本願では上記一体化装置を
「インバータ」と称することとする。
【0003】また、場所によっては商用交流が使用でき
ない場合があり、そのような場合には、ディーゼルエン
ジン或いはガソリンエンジン等の原動機で駆動される交
流発電機を交流電源として使用している。以下、この場
合を例にとって従来例を説明する。図18に示すよう
に、原動機2と交流発電機3を備えた起電部1に、順変
換部5と逆変換部6を備えたインバータ4が接続され、
そのインバータ4の出力が、誘導コイル10とマッチン
グトランス11等を擁する負荷7に供給されている。通
常、エンジン2と交流発電機3を組み合わせた起電部1
には、出力電圧及び周波数を一定値に維持するための制
御装置が設けられている。
【0004】インバータ4の順変換部5には通常、出力
電圧を調整するための手段(例えば、サイリスタの点弧
角を調節する位相制御手段)及び過剰電流が流れないよ
うに規制する手段が設けられており、順変換部5からの
出力電圧及び電流をそれぞれ所定値以下に調節可能とし
ている。
【0005】逆変換部(以下スイッチング発振部とい
う)6には、通常、スイッチング素子を4個所に配した
フルブリッジ型のスイッチング回路、又は、2個所に配
したハーフブリッジ型のスイッチング回路が用いられて
おり、図18では、フルブリッジ型を用いた場合を示し
ている。このフルブリッジ型のスイッチング発振部6に
は、4個所(a1 ,a2 ,b1 ,b2 )にスイッチング
素子T=(Ta1 , Ta2 ,Tb1 ,Tb2 )がそれ
ぞれ配備されている。パルスオシレータなどを備えた制
御回路8からは、素子{Ta=(Ta1 ,Ta2 )、T
b=(Tb1 ,Tb2 )}のON/OFF動作を指令す
るペアのパルス信号{X,Y}が{ON,OFF}→
{OFF,ON}→{ON,OFF}・・・という時系
列で発振され、Xは素子Ta1 ,Ta2 の信号端子Sa
1 ,Sa2 に、Yは素子Tb1 ,Tb2 の信号端子Sb
1 ,Sb2 にそれぞれ入力されて、素子Ta1 →負荷7
→素子Ta2 を通る電路(以下、「正極性入電路」とす
る)と素子Tb1 →負荷7→素子Tb2 を通る電路(以
下、「負極性入電路」)が代わる代わるONされるスイ
ッチング動作が行われる。このスイッチング発振部6に
順変換部5から直流が入力されると、負荷7には、矢印
A方向とB方向の電流が代わる代わる流れて交流通電が
行われることとなる。なお、Dは、スイッチング素子と
は逆方向の導通を常時ONさせておくためのダイオー
ド、Cは負荷7に直列に配置された共振用コンデンサで
ある。
【0006】図19は、インバータ4′のスイッチング
発振部6′にハーフブリッジ型を用いた場合の回路図で
ある。ハーフブリッジ型のスイッチング発振部6′に
は、2個所(a,b)にスイッチング素子T=(Ta,
Tb)が配備されている。しかして、フルブリッジ型と
同様に、制御回路8′からの指令信号{X,Y}={O
N,OFF}により、素子Ta→負荷7→C2 を通る正
極性入電路がONされて、負荷7に矢印A方向の電流が
流れると同時に、コンデンサC1 ,C2 に電荷が充電さ
れる。次いで、指令信号{X,Y}={OFF,ON}
により、素子TaがOFFの状態で、コンデンサC1
2 の電荷により負荷7→素子Tbを通る矢印B方向の
電流が流れる。かくして、負荷7には、指令信号{X,
Y}={ON,OFF}→{OFF,ON}→{ON,
OFF}………に従って、矢印A方向と矢印B方向の電
流が代わる代わる流れる交流通電が行われる。
【0007】さて、図18に示すフルブリッジ型のスイ
ッチング回路を用いた従来装置において、順変換部5の
出力電圧及び出力電流はそれぞれ一定値以下に制御され
ているので、負荷7に対しても上記直列コンデンサを含
めた系(以下「負荷回路」)に適用される電圧及び電流
が一定値以下に抑えられることとなる。ここで、順変換
部5の出力電圧及び出力電流の最大値をそれぞれ、V
0 ,I0 とすると、フルブリッジ型のスイッチング発振
部6は、入力側と同一の電圧、電流の交流に変換して出
力できるので、負荷回路に適用しうる最大電圧及び最大
電流もそれぞれ、V0 ,I0 となり、負荷7に供給可能
な最大電力P0 は、P0 =V0 ×I0 となる。順変換部
5からスイッチング発振部6を介して負荷7に取り込ま
れる電力Pは、上記V0 ,I0 制限下では負荷7のイン
ピーダンスRの大きさに応じて変化する。すなわち、ス
イッチング発振部6が出力しうる最大電圧V0 と最大電
流I0 の比、即ち V0 /I0 =Z0 を、スイッチング
発振部6の出力インピーダンスとすると、図20に示す
ように、負荷7のインピーダンスRが出力インピーダン
スZ0 に等しい場合には、負荷7には電力P=V0 ×I
0 =最大電力P0 が取り込まれるが、R>Z0 の場合に
は、電圧V0 を越える電圧を印加できないため負荷7へ
の電流が制限され、電力P=V0 2/R<最大電力P0
なり、Rが大きいほどPは小となる。一方、R<Z0
場合には、電流I0 を越える電流を流すことができない
ため負荷7に印加される電圧が制限され、電力P=I0 2
R<最大電力P0 となり、Rが小さいほどPは小とな
る。よって、R=Z0 に設定しておけば、最大電力P0
を負荷7に供給でき、電源能力が最大限に生かされる。
上記電力Pと負荷7のインピーダンスRとの関係を図2
1に示す。
【0008】上記したように、電源能力を最大限に生か
すには負荷7のインピーダンスRをスイッチング発振部
6の出力インピーダンスZ0 に等しく設定しておくこと
が必要となる。そこで、誘導コイル10の前にマッチン
グトランス11を介在させて負荷7を構成し、このマッ
チングトランス11の巻数比の選定により、負荷7のイ
ンピーダンスRをインバータ4の出力インピーダンスZ
0 に等しく設定する方法が採られている。ところが、誘
導加熱にあっては、被加熱物が変態点を越えて昇温する
と、被加熱物の磁性の変化により誘導コイル10のイン
ピーダンスが大きく低下し、従って、その誘導コイル1
9とマッチングトランス11からなる負荷7のインピー
ダンスRも被加熱物の昇温によって大きく低下してしま
う。例えば、図14は丸鋼を誘導加熱する際の負荷7の
インピーダンスRの変化を定性的に示すものであり、加
熱中にインピーダンスが大きく変化している。このた
め、加熱初期における負荷7のインピーダンスRをスイ
ッチング発振部6の出力インピーダンスZ0 に等しく設
定しておくと、被加熱物が昇温して変態点を越えてきた
時にインピーダンスRが大きく低下して供給電力が急激
に低下してしまう。このため、図16に示すように、加
熱初期には被加熱物が急勾配で昇温するが、途中から昇
温速度がにぶり、所定温度までの加熱に時間がかかる。
また逆に、被加熱物が高温になってインピーダンスが小
さくなった時における負荷7のインピーダンスRをスイ
ッチング発振部6の出力インピーダンスZ0 に等しく設
定しておくと、被加熱物の昇温初期にはインピーダンス
Rが出力インピーダンスZ0 よりもかなり大きいため供
給電力が小さく、このため、図17に示すように昇温速
度が遅く、やはり所定温度までの加熱に時間がかかる。
【0009】この問題は、図19に示すハーフブリッジ
型のスイッチング発振部6′においても同様に生じる。
ただし、この場合には、スイッチング発振部6′の出力
電圧が入力電圧V0 の1/2となり、出力電流が入力電
流I0 の2倍となるので、出力インピーダンスZ0
は、 Z0′=0.5V0 /2I0 =V0 /4I0 =Z0 /4 となり、フルブリッジの場合の1/4となる。
【0010】以上に説明した問題は、商用電源を用いた
場合にも当然生じる。この問題を解決するには、加熱の
途中でトランスの巻数比を設定変え(タップ切り換えな
ど)して、所望の昇温スケジュールを確保することが考
えられる。すなわち、加熱初期の負荷7のインピーダン
スRがスイッチング発振部6又は6′の出力インピーダ
ンスZ0 又はZ0′にほぼ等しくなるようにトランスの
巻数比を設定して誘導加熱を開始した後、被加熱物の昇
温によって負荷7のインピーダンスRが低下し、出力イ
ンピーダンスZ0 又はZ0′からのずれが大きくなった
時点においてトランスの巻数比の設定変えして負荷7の
インピーダンスRを再び出力インピーダンスZ0 又はZ
0′に等しくなるように修正するという動作を行うこと
が考えられる。しかしながら、トランス巻数比の設定変
えを誘導加熱中の大電流通電下で行えるようにするには
多大な設備コストを要するので、通常は、一旦通電を停
めて設定変えをする。しかして、この通電停止は、誘導
加熱の急速加熱メリットを大なり小なり減殺するもので
ある。又、上記処置を行っても、なお、電源1の能力が
十分に生かせたとは言えない。
【0011】電源能力に十分余裕を持たせれば、トラン
ス巻数比を設定変えしなくても、思い通りの昇温速度を
確保できる。しかしながら、この場合、設備コスト増と
なる。特に、電源として、商用交流ではなく、発電機等
を用いた自立型のものを用いた場合には、能力増に伴う
重量増或いは寸法増により、フィールドその他での利用
性が減殺される。また、この種の電源装置は使用場所に
常設するというよりは、必要な時に運搬してきて使用す
ることが多いので、能力増に伴う重量増或いは寸法増は
運搬に対する大きい制限となる。しかも、電源能力の非
利用率が、能力に余裕のない場合よりも更に大となるの
である。電源装置の規模に係る上記諸問題は、商用交流
を利用する装置、自立型装置の両者に共通するが、商用
交流が利用できないようないわば難所で用いることにな
る自立型装置においてとりわけ大問題である。
【0012】なお、出力電流の周期挙動データをスイッ
チング素子の制御回路に帰還入力してスイッチング発振
部の発振駆動を行う、周波数追尾型のインバータにおい
ては、負荷7のインピーダンスRとスイッチング発振部
6又は6′の出力インピーダンスZ0 又はZ0′が大き
く異なる不整合状態では、発振駆動自体に支障をきたす
こともあるので、この点からも回路の出力インピーダン
スと負荷インピーダンスの整合は重要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘導加熱用
電源装置の電力能力等に係る上記事情に鑑みてなされた
ものであって、通電中でも、スイッチング発振部の許容
最低出力インピーダンスと負荷のインピーダンスとの整
合を行うことを可能とし、これによって、負荷に対する
供給電力の低下を抑制し、電源能力を最大限に利用可能
とした誘導加熱用電源装置の提供を課題とした。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく検討の結果、電源装置のスイッチング発振部
でのパルス発振モードの変更によって、該スイッチング
発振部の出力インピーダンスが変化することに着目し、
負荷のインピーダンス変化に対して、スイッチング発振
部のパルス発振モードを変更して許容最低出力インピー
ダンスを調節することで両者の整合を図り、負荷への供
給電力を最大限に確保できることを見出し、本発明を完
成した。
【0015】すなわち、本発明の第一の発明は、直流電
力をパルス交流電力に変換するためのスイッチング発振
部を、回路内の4個所にスイッチング素子を配してブリ
ッジを組んだフルブリッジ型のスイッチング回路と、前
記スイッチング素子に指令信号を送信する制御回路を備
えた構成とし、更にその制御回路を、3個所のスイッチ
ング素子に対してON/OFF動作を指令する信号を送
信し、1個所のスイッチング素子に対して、ON/OF
F動作を指令する信号と常時OFF動作を指令する信号
を、切換え自在に送信するように編成し、前記1個所の
スイッチング素子に対する指令信号の切換えによって前
記スイッチング発振部の許容最低出力インピーダンスを
2段階に可変としたものである。
【0016】本発明の第二の発明は、直流電力をパルス
交流電力に変換するためのスイッチング発振部を、回路
内の4個所にスイッチング素子を配してブリッジを組ん
だフルブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチ
ング素子に指令信号を送信する制御回路を備えた構成と
し、更にその制御回路を、3個所のスイッチング素子に
対してON/OFF動作を指令する信号を送信し、1個
所のスイッチング素子に対して、ON/OFF動作を指
令する信号をON状態の出現頻度を調節自在な形態で送
信するように編成し、前記1個所のスイッチング素子に
対する指令信号のON状態の出現頻度の調節によって前
記スイッチング発振部の許容最低出力インピーダンスを
多段階に可変としたものである。
【0017】本発明の第三の発明は、直流電力をパルス
交流電力に変換するためのスイッチング発振部を、回路
内の4個所にスイッチング素子を配してブリッジを組ん
だフルブリッジ型のスイッチング回路と、前記スイッチ
ング素子に指令信号を送信する制御回路を備えた構成と
し、更にその制御回路を、2個所のスイッチング素子に
対してON/OFF動作を指令する信号を送信し、1個
所のスイッチング素子に対して、ON/OFF動作を指
令する信号と常時OFF動作を指令する信号を、切換え
自在に送信し、残りの1個所のスイッチング素子に対し
て、ON/OFF動作を指令する信号をON状態の出現
頻度を調節自在な形態で送信するように編成し、前記1
個所のスイッチング素子に対する指令信号の切換え及び
前記1個所のスイッチング素子に対する指令信号のON
状態の出現頻度の調節のいずれか一方若しくは双方によ
って、前記スイッチング発振部の許容最低出力インピー
ダンスを多段階に可変としたものである。
【0018】本発明の第四の発明は、直流電力をパルス
交流電力に変換するためのスイッチング発振部を、回路
内の2個所若しくは1個所にスイッチング素子を配して
ブリッジを組んだハーフブリッジ型又は一石型のスイッ
チング回路と、前記スイッチング素子に指令信号を送信
する制御回路を備えた構成とし、更にその制御回路を、
1個所のスイッチング素子に対して、ON/OFF動作
を指令する信号をON状態の出現頻度を調節自在な形態
で送信するように編成し、前記1個所のスイッチング素
子に対する指令信号のON状態の出現頻度の調節によっ
て前記スイッチング発振部の許容最低出力インピーダン
スを多段階に可変としたものである。
【0019】本発明の第五の発明は、上記第一〜第四発
明のいずれかの電源装置において、前記スイッチング発
振部に接続した負荷の通電挙動を検知する負荷通電挙動
検知器を配備すると共に、その検知結果に基づいて前記
スイッチング発振部の許容最低出力インピーダンスを前
記負荷のインピーダンスに近づけるよう制御するよう前
記スイッチング発振部の制御回路を編成したものであ
る。
【0020】なお、ここで云うスイッチング発振部の許
容最低出力インピーダンスとは、負荷に印加される電圧
OUT と、その際負荷に供給しうる最大電流IMAX
比、すなわち、VOUT /IMAX ≡Z と改めて定義して
おく。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電源装置に用いる直流給
電部は、直流を供給しうるものであればその構成は任意
であり、商用交流電源とインバータの順変換部の組み合
わせでもよいし、燃料をエネルギー源とする自立型の直
流給電部でもよい。自立型の直流給電部の例としては、
次のような組み合わせを挙げることができる。
【0022】1.ガソリンエンジン、ディーゼルエンジ
ン、マイクロガスタービン等の原動機で駆動される交流
発電機+インバータの順変換部。この場合、交流発電機
には出力電圧を概ね安定化させる程度の低レベルの制御
は必要であるが、周波数を厳密に安定化させるといった
高レベルの制御は必要としない。また、順変換部は、交
流を直流に変化する機能さえあればよく、後述するよう
にスイッチング発振部で負荷への供給電力を調整できる
ので、順変換部には伝達電力を制御する機能は必須では
ない。これらの点で、直流給電部の規模やコストを従来
よりも小さくできる。
【0023】2.ガソリンエンジン、ディーゼルエンジ
ン、マイクロガスタービン等の原動機で駆動される直流
発電機。電源に直流発電機を用いると、順変換部の搭載
が全く不要になり、給電部の規模やコストを更に小さく
できる。
【0024】3.燃料電池。燃料電池は高効率で且つク
リーンであり、環境負荷を極小化できる。順変換部は無
論不要である。
【0025】4.上記1、2又は3に記載の直流給電部
の後段に電気二重層コンデンサ(大容量コンデンサ)を
並列配備した形態。電気二重層コンデンサを配備したこ
とにより、負荷の起動時等の際の一過的な大電流ディマ
ンドが電気二重層コンデンサのアキュームレータ機能に
よってカバーされ、このため、一過的な大電流ディマン
ド迄をも考慮した電流容量設定が不要となって給電部が
小規模で済むばかりでなく、負荷変動にレスポンスよく
適応できるという利点も得られる。
【0026】前記直流給電部の出力電圧は一定に保持さ
れる構成としてもよいが、この出力電圧を調節自在とし
てもよい。この出力電圧を調節自在としておくと、負荷
供給電力の調節を大元の燃料消費を加減して行うことと
なり、起電部使用燃料の節約が可能となる。
【0027】本発明の電源装置のスイッチング発振部に
用いるスイッチング素子としては、その代表的なものと
して、SIT(静電誘導型トランジスタ)、IGBT
(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、FET(電界
効果トランジスタ)、GTO(ゲートターンオフサイリ
スタ)を例示できる。要は、少なくとも基本の3端子を
有し、その内2端子間の特定方向の導通が残りの1端子
(前記信号端子S)に入力された信号に応じてON/O
FFされる伝達特性を備えた素子であればよく、各種素
子の中からインバータの仕様上の要請(出力周波数、電
力規模、電圧、小型化など)に適したものを選定して用
いればよい。
【0028】以下、図面を参照して本発明の実施形態を
更に詳細に説明する。図1は第一発明の一実施形態を示
す回路図であり、図18に示す従来例と同一部品には同
一符号を付して示す。図1の実施形態による電源装置
も、図18に示す従来例と同様に、ガソリンエンジン等
の原動機2と交流発電機3を備えた起電部1に、順変換
部5と逆変換部(スイッチング発振部)6Aを備えたイ
ンバータ4Aを接続した構成となっており、インバータ
4Aの出力側に負荷7(誘導加熱用のコイル10及びマ
ッチングトランス11等)が接続されている。起電部1
には、出力電圧を一定値に維持し、出力電流を一定値以
下に抑えるための制御装置が設けられている。インバー
タ4Aの順変換部5は、交流を脈流に変換する整流回路
5aとそれに並列に設けられたコンデンサ5bを備えて
おり、起電部1と順変換部5の整流回路5aとが直流起
電部を構成し、起電部1と順変換部5とが直流給電部9
を構成する。直流起電部に並列配置されたコンデンサ5
bは、整流回路5aからの脈流を平滑化して直流にする
ためのものであり、従来使用されているものと同程度の
1mF以下の容量のものを用いてもよいし、それよりも
容量のはるかに大きい電気二重層コンデンサ(1F以上
といった大容量コンデンサ)を用いてもよい。大容量コ
ンデンサを用いると、負荷の起動時等の際に一過的に要
する大電流を大容量コンデンサから出力することがで
き、このため直流起電部の電流容量を、上記一過的な大
電流ディマンド迄は考慮しない規模に留め得るばかりで
なく、急激な負荷変動にレスポンスよく適応できる。な
お、この実施形態における順変換部5には、出力電力を
調整するための手段は設けられていない。
【0029】スイッチング発振部6Aは、フルブリッジ
型のスイッチング回路を備えており、その回路内の4個
所(a1 ,a2 ,b1 ,b2 )にスイッチング素子T=
(Ta1 ,Ta2 ,Tb1 ,Tb2 )がそれぞれ配備さ
れており、且つ、各スイッチング素子に該素子をON/
OFFさせるパルス状の指令信号を送信するための制御
回路8Aが設けられている。この制御回路8Aは、1個
所のスイッチング素子(例えば、Tb1 )以外のスイッ
チング素子Ta1 ,Ta2 ,Tb2 には通常のフルブリ
ッジ型のスイッチング発振部と同様のON/OFF動作
を指令するペアのパルス信号{X,Y}を出力し、残り
の1個所のスイッチング素子Tb1 には、指令信号Y*
として、パルス信号Yと同一の信号か、常時OFF信号
を自在に切り換えて出力可能な編成としている。
【0030】いま、スイッチング素子Tb1 への指令信
号Y* を、スイッチング素子Tb2へのパルス信号Yと
同一(同一位相でON/OFF動作を行わせる信号)と
すると、スイッチング発振部6Aには従来のフルブリッ
ジ型のものと同様に、正極性入電路と負極性入電路が交
互に形成されて、スイッチング発振部6はフルブリッジ
として機能する。すなわち、直流給電部9の出力電圧、
出力最大電流及び最大供給電力(能力)をそれぞれ、V
0 、I0 、P0 (V0 × I0 =P0 )とすると、負荷
回路には、マッチングトランス11の一次側ベースで、
図2のV−t図に示すように、直流給電部9に由来する
半波電圧V0 が、極性を半波単位で変えながら常時印加
されて(即ち、前記VOUT =V0 )、IMAX =I0 まで
の電流を供給できる。即ち、スイッチング発振部6Aの
許容最低出力インピーダンスZは、 Z=VOUT /IMAX =V0 /I0 ≡Z0 となり、負荷7のインピーダンスRがこの許容最低出力
インピーダンスZ0 に一致している時に、P0 一杯まで
の電力を負荷7に供給できる。
【0031】これに対して、スイッチング素子Tb1
の指令信号Y* を常時OFF信号とした時には、スイッ
チング発振部6には正極性入電路のみが半波おきに形成
されて、スイッチング発振部6Aはハーフブリッジとし
て機能する。即ち、スイッチング発振部6Aは、図3の
V−t図に示すように、正極側の半波電圧V0 のみが出
力される。このため、負荷7には、同じく半波電圧V0
が印加されるが、その極性が常に同じであって反対極性
の半波電圧V0 が印加されないことから、負荷への出力
電圧(実効値)VOUT = 0.5V0 となり、電流の方
は、出力電圧VOUT が1/2であるため、連続供給でき
る電流I0 の2倍の電流、2I0 を負荷7に供給できる
ことになる。これは、直流給電部9の平滑回路の時定数
がスイッチングの周期よりも十分に大きく、負担すべき
電流が時間的にならされるからである。即ち、この場
合、許容最低出力インピーダンスZは、 Z=VOUT /IMAX =0.5V0 /2I0 =Z0 /4 となり、フルブリッジ回路として機能した時の許容最低
出力インピーダンスZ0の1/4に低下し、負荷のイン
ピーダンスRがZ0 /4の時に、P0 一杯までの電力を
負荷7に供給できる。従って、一つのスイッチング素子
Tb1 への指令信号Y* を上記のように切り換えること
によって、スイッチング発振部6Aの許容最低出力イン
ピーダンスを4:1の2段階に可変にでき、ひいては、
直流給電部9の能力をフルに生かした高能率の通電が上
記2段階の負荷インピーダンスに亘って行えることにな
る。例えば、誘導加熱初期の負荷インピーダンスが大き
い時の負荷インピーダンスRを、スイッチング発振部6
Aがフルブリッジ回路として機能する時の許容最低出力
インピーダンスZ0 に等しくなるように設定して最大電
力P0 を供給可能としておき、誘導加熱の進行につれて
負荷インピーダンスRが低下して供給電力が低下した時
には、スイッチング発振部6Aをハーフブリッジ回路と
して機能するように切り換えることで、スイッチング発
振部6Aの許容最低出力インピーダンスを負荷インピー
ダンスに近づけ、供給電力を再び最大電力P0 に近づく
ように増大させることができ、直流給電部9の能力を十
分に生かした通電を行うことができる。ここで、上記許
容最低出力インピーダンス調節のためのスイッチング素
子Tb1 への指令信号Y* の切り換えは、弱電信号処理
であって電流が微弱であるから、インバータの通電を停
止せずに行うことができる。
【0032】なお、上記したようにスイッチング素子T
1 を常時OFFとしてスイッチング発振部6Aをハー
フブリッジ回路として機能させた場合において、スイッ
チング素子Ta1 をONとした時には正極性入電路が形
成されて負荷7にはA方向の電流が流れるが、スイッチ
ング素子Ta1 をOFFとした時にはスイッチング素子
Tb1 もOFF状態となっているため、直流給電部9か
ら負荷7へは電流が流れない。しかしながら、この時に
はスイッチング素子Tb2 がONとなるため負荷7から
スイッチング素子Tb2 、スイッチング素子Ta2 に並
列なダイオードD、及びコンデンサCを通って元の負荷
7に戻る回路が形成されるため、コンデンサCに蓄積さ
れた電荷により、負荷7をB方向に流れる回生電流が生
じる。このため、負荷7には交番電流が流れることとな
り、支障なく誘導加熱を行うことができる。
【0033】上記したように制御回路8Aは、スイッチ
ング素子Ta1 ,Ta2 ,Tb2 には通常のフルブリッ
ジ型のスイッチング発振部と同様のON/OFF動作を
指令するペアのパルス信号{X,Y}を送信し、残りの
1個所のスイッチング素子Tb1 には、指令信号Y*
して、パルス信号Yと同一の信号か、常時OFF信号を
自在に切り換えて送信可能な機能を備えている。これら
の機能を備えさせるため、制御回路8Aには、所望周波
数の発振を行うパルスオシレータ、又は、スイッチング
発振部6Aの出力電流の周期挙動データを位相を合わせ
て帰還させるためのPLL(Phase Locked Loop )機
構、これらの信号を素子を駆動できるレベルに増幅する
ためのブースタアンプ、正極性入電路の素子と負極性入
電路の素子が同時にONしているラップ期間が生じない
ようにするためのデッドタイム調整機構、及び必要に応
じて素子への前記動作指令等を編成するためのマイクロ
コンピュータを配備している。これらの各要素は通常の
フルブリッジ型のスイッチング発振部に設けられている
ものとほとんど同一であり、単に、動作指令等を編成す
るためのマイクロコンピュータに、1個所のスイッチン
グ素子Tb1 への指令信号Y* を、パルス信号Yと同一
の信号か、常時OFF信号かを切り換える機能を付与す
るのみで、本実施形態の制御回路8Aを構成できる。か
くして、この実施形態は、制御回路8Aを、従来のもの
に簡単な変更を加えるのみで実現できるという利点を有
している。
【0034】上記実施形態において、スイッチング発振
部6Aの許容最低出力インピーダンス調節のためのスイ
ッチング素子Tb1 への指令信号Y* の切り換えは、手
動操作で行ってもよいし、プログラムを組んでおいて実
施してもよいし、更には、後述する図12の実施形態に
示すように、負荷系通電挙動検知器からの信号に基づい
て自動的に行ってもよい。
【0035】なお、上例ではスイッチング素子Tb1
の指令信号を切り換えることで許容最低出力インピーダ
ンスを調節しているが、この代わりに他のスイッチング
素子への信号を、ON/OFFモードと、OFFモード
に切り換えるようにしてもよい。
【0036】次に、第二発明の実施形態を説明する。図
4は第二発明の一実施形態を示す回路図である。この実
施形態では、スイッチング発振部6Bの制御回路8B
を、1個所のスイッチング素子Ta1 を除いた他の3個
所のスイッチング素子に対しては、通常のフルブリッジ
型のスイッチング回路と同様にON/OFF動作を行わ
せるためのペアのパルス信号(X、Y)を送信し、残り
の1個所のスイッチング素子Ta1 には、指令信号X*
として、スイッチング素子Ta2 へのパルス信号Xと同
一位相でON/OFF動作させるパルス信号ではある
が、ON信号の出現頻度を変更自在とした信号を送信す
るように編成している。
【0037】この構成のスイッチング発振部6Bでは、
スイッチング素子Ta1 へのパルス信号X* におけるO
N信号の出現頻度を削減しない場合(従って信号X*
信号Xと同一となる)には、スイッチング発振部6Bは
通常のフルブリッジ型のスイッチング回路として機能
し、従って、許容最低出力インピーダンスはZ0 (=V
0 /I0 )となる。一方、パルス信号X* のON信号の
出現頻度をm/n(但し、m,nは整数で且つm<n)
に調節した場合、スイッチング素子Ta1 を通る正極性
入電路による負荷回路に電圧V0 が印加されて電流I0
が流せる頻度がm/n、電圧0.5V0 が印加されて電
流2I0 が流せる頻度が(n−m)/nになり、ついて
は、許容最高出力アドミタンスの実効値は、 G=mI0 /nV0 +2(n−m)I0 /0.5nV0 =(4n−3m)/nZ0 、 故に最低許容出力インピーダンスの実効値は、 Z=1/G=Z0 n/(4n−3m) となる。図9に例示したケースでは、Z(実効値)=Z
0 /3となっている。因みに、通常のフルブリッジとし
て機能している状態に相当するm/n=1のケースで
は、m=n、よってZ=Z0、ハーフブリッジとして機
能している状態に相当するm/n=0のケースでは、m
=0、よってZ=Z0 /4 となる。このように、スイ
ッチング発振部6Bの許容最低出力インピーダンスZ
は、パルス信号X* のON信号の出現頻度m/nによっ
て変化し、従って、この出現頻度m/nを変更すること
により、スイッチング発振部6Bの許容最低出力インピ
ーダンスZを多段階(頻度調節の母数nが大であれば実
質的に無段階)に調節可能である。かくして、誘導加熱
中において、負荷インピーダンスRが変化しても、パル
ス信号X* のON信号の出現頻度m/nを調整してスイ
ッチング発振部6Bの許容最低出力インピーダンスZを
負荷インピーダンスRに整合させることができ、それに
よって、直流給電部9の能力をフルに生かした高能率の
通電が、トランス巻数比の設定変えなしに行えることに
なる。
【0038】なお、この実施形態においても、スイッチ
ング素子Ta1 をONすべき時にON信号を削減してO
FF状態に保持した時、直流給電部9からスイッチング
素子Ta1 を通って負荷7に流れる電流は阻止される
が、この時にはスイッチング素子Ta2 がON状態とな
っているので、負荷7からコンデンサC、スイッチング
素子Ta2 、スイッチング素子Tb2 に並列のダイオー
ドDを通って元の負荷7に戻る回路が形成され、この回
路をA方向にコンデンサCの電荷による回生電流が流れ
ることとなる。かくして、負荷7には、常に交番電流が
流れることとなり、支障なく誘導加熱を行うことができ
る。
【0039】図4に示す実施形態では、ON信号の出現
頻度m/nの調節によってスイッチング発振部6Bの許
容最低出力インピーダンスZを調節するものであるの
で、整数m,nの選択によってきわめて多段階に許容最
低出力インピーダンスZを変化させることができ、精密
な調節が可能となる利点が得られる。
【0040】なお、図4のスイッチング発振部において
も、スイッチング素子Ta1の上記役割を他の個所のス
イッチング素子に持たせるようにしてもよい。
【0041】スイッチング発振部6Bに上記動作を行わ
せる制御回路8Bには、図1に示す制御回路8Aの諸機
構に加えて、パルス信号X* におけるON信号の出現頻
度を調節自在とするための機構として、例えば、レート
ジェネレータを配備している。レートジェネレータは、
母数N中のM回のサンプリングを所望のM/N比で指令
するレート信号を、時系列的にほぼ均等に分散させて発
振することのできる機構であって、上記制御回路8Bに
おいては、例えば、前記ブースタアンプの前段に配し
て、M=N×m/nの設定下でパレスオシレータ等から
の発振駆動指令をm/nの頻度で通過させる関門として
機能する。
【0042】次に、第三発明の実施形態を説明する。図
5は第三発明の一実施形態を示す回路図である。この実
施形態では、図1に示す実施形態におけるスイッチング
素子Tb1 の動作モードの切り換えと、図4に示す実施
形態におけるスイッチング素子Ta1 のON状態頻度の
調節とを合わせて行うようにしたものであり、制御回路
8Cは、2個所のスイッチング素子Ta2 とスイッチン
グ素子Tb2 に、ON/OFF動作を行わせるためのペ
アのパルス信号(X、Y)を送信し、1個所のスイッチ
ング素子Ta1 には、スイッチング素子Ta2 へのパル
ス信号Xと同一位相ではあるがON信号の出現頻度を変
更自在としたパルス信号X* を送信し、スイッチング素
子Tb1 には、スイッチング素子Tb2 へのパルス信号
Yと同一位相のON/OFF動作用の信号か常時OFF
信号かを切り換えて指令する指令信号Y* を送信するよ
うに編成している。
【0043】この実施形態では、スイッチング素子Ta
1 のON状態頻度の調節とスイッチング素子Tb1 の動
作モードの切り換えとを適当に使うことで、スイッチン
グ発振部の許容最低出力インピーダンスを広い範囲に亘
って所望の値に設定可能である。例えば、負荷7のイン
ピーダンスがR0 →0.5R0 →0.25R0 のように
順次半減してゆく負荷を例にとると、上記半減時期に対
応して、スイッチング発振部6Cの動作モードを、
(1)Ta1 :100%ON、Tb1 :ON/OFFモ
ード、即ち回路を通常のフルブリッジとして機能させた
状態で、マッチングトランスの巻数比をR0 にマッチン
グさせて通電を開始………即ち、Z=R0 (2)Ta1 :66%ON、Tb1 :ON/OFFモー
ド……Z=0.5R0 (3)Ta1 :100%ON、Tb1 :常時OFFモー
ド……Z=0.25R0 (4)Ta1 :50%ON、Tb1 :常時OFFモード
……Z=0.125R0 (5)Ta1 :25%ON、Tb1 :常時OFFモード
……Z=0.0625R0 のように設定変えして行けばよい。
【0044】このように、スイッチング素子Ta1 のO
N状態頻度の調節とスイッチング素子Tb1 の動作モー
ドの切り換えとを組み合わせたことにより、きわめて低
い許容最低出力インピーダンスを実現できる。しかも、
上例では出力インピーダンスを大まかに変更する例を示
したが、実際にはスイッチング素子Ta1 のON状態頻
度の調節を小刻みに行うことで、更に小刻みの変更も可
能であり、負荷への通電がより円滑に行えるようにな
る。
【0045】なお、図5の実施形態においても、スイッ
チング素子Ta1 或いはTb1 の上記役割を素子の動作
が相容れる範囲で他のスイッチング個所の素子に受け持
たせてもよい。
【0046】次に、第四発明の実施形態を説明する。図
6、図7、図8はそれぞれ第四発明の実施形態を示す回
路図である。これらの実施形態はいずれもハーフブリッ
ジ型又は一石型のスイッチング回路を備えたスイッチン
グ発振部6D〜6Fを用いたものであり、そのスイッチ
ング発振部6D〜6Fの制御回路8D〜8Fを、1個所
のスイッチング素子、例えば、図6の回路のTa、又、
図7、図8については唯一個所に配置したTに、それら
の素子をON/OFFさせるために送信する指令信号
(パルス信号)X* におけるON信号の出現頻度を変更
自在とするように編成している。なお、図6の実施形態
の制御回路8Dは、他のスイッチング素子Tbに対して
は、スイッチング素子Taに対するパルス信号X* と位
相が180°ずれた、ON/OFF動作を行わせるため
のパルス信号Yを供給するように編成している。
【0047】図6に示すスイッチング発振部6Dにおい
ては、スイッチング素子Taへのパルス信号X* におけ
る、ON信号の出現頻度を1/1とした場合(ON信号
を削除しない場合)には、図19に示す通常のハーフブ
リッジ回路として機能し、前述したように、許容最低出
力インピーダンスZ0′は、 Z0′=VOUT /IMAX =0.5V0 /2I0 =V0
4I0 =Z0 /4 となり、フルブリッジの場合の1/4となる。
【0048】そして、このパルス信号X* における、O
N信号の出現頻度をm/nに調節した場合、負荷7への
出力電圧印加頻度は、本来の頻度のm/n倍となる。す
なわち、m/n=1/3のケースにおける出力電圧印加
頻度を例示した図10のV−t図に見る通り、負荷7に
は前出図3のケース(ハーフブリッジ回路)のm/nの
頻度で半波電圧V0 が印加される。このため、負荷回路
への印加電圧VX =V0 /2の状態で、印加頻度が減少
する分だけ、負荷7への出力可能な最大電流が増加し、
最大電流IMAX =2I0 /(m/n) となる。従っ
て、この時の許容最低出力インピーダンスZは、 Z=0.5V0 ÷IMAX =(Z0 /4)×(m/n)=
0′×(m/n) となる。
【0049】このように、この実施形態においても、ス
イッチング発振部6Dの最低許容出力インピーダンスZ
は、パルス信号X* のON信号の出現頻度m/nによっ
て変化するので、この出現頻度m/nを調節することに
より、スイッチング発振部6Dの許容最低出力インピー
ダンスZを多段階に調節でき、負荷インピーダンスRに
整合させることができる。
【0050】更に又、回路中の1個所だけにスイッチン
グ素子を配した、図7、図8に示す一石型のスイッチン
グ発振部6E,6Fにおいても、スイッチング素子Tへ
のパルス信号X* における、ON信号の出現頻度をm/
nに調節した場合、負荷7への出力電圧印加頻度は、本
来の印加頻度のm/n倍となる。従って、m/n=1/
3のケースにおける印加頻度を例示した図11のV−t
図に見る通り、負荷回路には前記ハーフブリッジ回路の
場合と同様に、前出図3のケース(ハーフブリッジ回
路)のm/nの頻度で半波電圧V0 が印加され、それに
よって許容最低出力インピーダンスが低下する。かくし
て、パルス信号X* のON信号の出現頻度m/nを調節
することにより、スイッチング発振部6E,6Fにおけ
る許容最低出力インピーダンスZを多段階に調節でき、
負荷インピーダンスRに整合させることができる。
【0051】図6〜図8のスイッチング発振部6D〜6
Fに上記動作を行わせる制御回路8D〜8Fも、図4に
示す制御回路8Bと同様な、パルス信号X* におけるO
N信号の出現頻度を調節自在とするための機構を配備し
ている。なお、前記デッドタイム調整機能については、
一方の極性の入電路のみを備えた図7、図8の一石型ス
イッチング発振部6E、6Fには不要である。
【0052】なお、以上に説明した各実施形態におい
て、スイッチング発振部の許容最低出力インピーダンス
Zを、負荷への印加電圧VOUT 及び最大電流IMAX から
求めているが、実際には、許容最低出力インピーダンス
Zは負荷7の特性(加熱コイルの純抵抗分をR、インダ
クタンス分をωLとした時に、Q=ωL/Rで定義され
るQ値)によっても影響を受けている。従って、スイッ
チング発振部の許容最低出力インピーダンスを負荷イン
ピーダンスに整合させる際には、このQ値による補正を
加えてスイッチング発振部の許容最低出力インピーダン
スZを求めることが好ましい。この補正は計算により、
或いは実験により求めることができる。
【0053】次に第五発明の実施形態を説明する。図1
2は、図5に示す実施形態において、スイッチング素子
Tb1 の動作モード切り換えないしはスイッチング素子
Ta1 のON状態頻度調節を、負荷インピーダンスの変
化に応じて自動的に行うように構成した実施形態を示す
ものである。この実施形態では、負荷7を含む出力回路
20に負荷の通電挙動を検出するための負荷系通電挙動
検知器として電流検知器21が取り付けられており、負
荷7を流れる出力電流の振幅IX がその電流検知器21
によって把握され、これが帰還路22を経て制御回路8
Gに入力される。次いで、スイッチング発振部6Gのそ
の時点での動作状態(前記スイッチング素子Ta1 のO
N状態頻度m/nなど)から特定されるIMAX (負荷7
に供給できる最大電流)と前記IX との差ΔI(ないし
はΔI/IMAX 等)に基づいて、該ΔIを縮小すべく編
成された前記指令信号X* ないしは指令信号Y* が発信
されるように、制御回路8G内のマイクロコンピュータ
をプログラムしておくものである。なお、図12には、
図5のスイッチング発振部に上記帰還制御方式を導入す
る例を示したが、該制御方式は、図1、図4、図6〜図
8のスイッチング発振部にも導入できる。
【0054】上記構成により、IMAX ≒IX =VOUT
Rを瞬時に実現する許容最低出力インピーダンス制御が
刻々行われ、負荷7に対して、直流給電部9の能力を最
大限に生かした給電が始終行えることになる。なお、こ
こでは許容最低出力インピーダンスと負荷インピーダン
スの差を、出力電流振幅を把握して検知する例を示した
が、他の手段によって上記インピーダンス差を検知する
ようにしてもよい。
【0055】上記した各実施形態の電源装置において、
スイッチング発振部内の複数個所にスイッチング素子が
配置されている場合、前記モード切り換え或いはON状
態頻度調節を受け持たせる素子が、特定個所の素子に固
定されていると、スイッチング素子に並列接続されたダ
イオードD(図1など参照)を含めて、素子の耐用期間
に配置個所による差が生じ、保守性の点で好ましくない
ことになる。
【0056】そこで、図13に例示したように、各個所
の素子の信号端子{Sa1 ,Sa2,Sb1 ,Sb2
に送信する指令信号を、適当な周期で、例えば、
{X* ,X,Y* ,Y}→{X,X* ,Y,Y* }→
{Y,Y* ,X,X* }→{Y* ,Y,X* ,X}→
{X* ,X,Y* ,Y}→……のように入れ替えて、各
個所毎の素子の役割分担にローテーションを組むと、配
置個所による素子耐用期間差が生じなくなり、優れた保
守性が確保される。上記指令信号の入れ替えも、制御回
路8H内のマイクロコンピュータのプログラムにより行
える。なお、ここでは、図5のスイッチング発振部に上
記ローテーション方式を導入する例を示したが、図1、
図4、図6、図12などのスイッチング発振部にも該方
式を導入できる。
【0057】以上に述べた各電源装置のスイッチング発
振部において、各スイッチング素子の発振駆動手段は限
定されない。即ち、別設のパルスオシレータ等で駆動し
てもよいし、出力電流の周期挙動データを帰還入力して
駆動してもよい。しかし、誘導加熱のように、電力効率
の良否が操業コストを支配する用途では、帰還駆動方式
が推奨される。
【0058】帰還方式の発振駆動は、たとえば、図12
の回路において、電流検知器21から帰還路22を経て
制御回路8Gに送信された出力電流データの中の周期挙
動に関するデータを、制御回路内に配した前記PLL機
構(位相調整機構)等により加工した上で、スイッチン
グ素子の信号端子Sに送信して行う。これにより、誘導
コイルに由来するインダクタンスL(トランス一次側ベ
ース)とコンデンサのキャパシタンスCとで決まる出力
回路の共振周波数f=1/2π√(LC)で素子が発振
駆動され、ひいては負荷7への通電が行われる。即ち、
共振状態の通電となり、最大限の電力効率が確保され
る。帰還駆動方式においては、前述のように、許容最低
出力インピーダンスと負荷インピーダンスの不整合によ
る発振動作の停止が起こり得るが、本発明のスイッチン
グ発振部で実現される高度のインピーダンス整合は、帰
還駆動動作の安定化にも有利に作用する。
【0059】すなわち、帰還駆動方式を採用した実施形
態の電源装置にあっては、本発明による給電部能力の最
大限利用と帰還駆動による電力効率の最大限確保が合わ
せて実現される。
【0060】本発明の電源装置における負荷への投入電
力の調節は、たとえば、以下のようにして行うことがで
きる。まず、許容最低出力インピーダンスの変更にスイ
ッチング素子のON状態頻度調節を利用するケースで
は、インピーダンス変更のための上記ON頻度調節機構
を、そのまま、投入電力調節にも利用できる。すなわ
ち、m/nのON頻度で電源能力が最大限に引き出せる
場合、ON頻度をm/N=m/pnとすることによっ
て、投入電力を電源能力の1/pに調節できる。
【0061】又、上記ON状態頻度調節を利用しないケ
ースでは、図1等に示す直流給電部9内に公知の電力調
節手段(3相位相制御など)を配設すればよい。
【0062】なお、本発明の電源装置のスイッチング発
振部においては、スイッチング素子の電流容量について
以下のように配慮する。
【0063】先ず、スイッチング素子の電流定格は、通
常、連続通電条件で定められているから、本発明におい
てスイッチング素子のON状態頻度がm/nとなって素
子に流れる最大電流が(n/m)I0 (I0 はm/n=
1/1即ち連続通電時の値)となっても、素子への通電
頻度がm/nであるから、一応は許容される。
【0064】又、インバータ設計においては、市販素子
仕様の自由度にもよるが、通常は、上記電流定格が2I
0 前後の素子を充てるので、これにより電流許容度が2
倍に補強される。
【0065】更には、通電仕様、素子特性、耐用実績な
どを考慮して電流定格が3I0 〜4I0 の素子を充てる
とか、あるいは、所要の素子を2基並列構成にすること
により、万全を期すことができる。
【0066】
【実施例】図12の構成の電源装置を製作し、丸鋼表層
部を900°Cに急速加熱する誘導加熱実験を行った。 [電源1の仕様] 原動機:ガソリンエンジン 出力80KW 交流発電機:出力電圧200V 定格電流200A 周波数 50/60Hz [インバータの仕様] ・発振駆動:帰還駆動方式 ・電源能力:250V×200A=50KW ・出力インピーダンス:1.4〜0.175Ω可変(1.4〜0.35Ωの範囲 、0.35〜0.175Ωの範囲それぞれについて250段階の自動切換え式) [丸棒の仕様]・100mmφ。これの短区間(約20
mm)を加熱するようにした。1000°Cまでの昇温
過程における負荷インピーダンスの変化を図14に定性
的に示す。
【0067】[実験結果] ・インバータを本発明の動作仕様で稼働させた時(本発
明実施例)の昇温カーブを図15に示す。 ・インバータの出力インピーダンスを1・4Ωに固定し
て稼働させた時(比較例1)の昇温カーブを図16に、
また、0.35Ωに固定して稼働させた時(比較例2)
の昇温カーブを図17に、それぞれ示す。
【0068】図15〜図17の結果に見る通り、比較例
1、2では900°Cまでの昇温に約30秒を要してい
るのに対し、本発明実施例では約15秒で900°Cに
達している。この差異は、本発明実施例では上記昇温過
程において前記給電部能力を終始フル活用できているの
に対し、比較例1では電圧能力が、比較例2では電流能
力が、それぞれ一部の温度域(比較例1では低温域、比
較例2では高温域)でしかフルには生かせていないこと
に起因している。なお、本発明実施例と同様な昇温速度
を確保するには、電源能力を大きくする必要があり、必
要とされる電源能力を計算して求めると、250V×4
00A=100KW 程度必要となる。このため、電源
1をかなり大型化する必要がある。上記実験例だけを見
ても本発明の電源装置の優位性が明らかである。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の電源装置は、直
流給電部からの直流電力をパルス交流電力に変換するた
めのインバータのスイッチング発振部内のスイッチング
素子の動作状態を可変として許容最低出力インピーダン
スを可変としたことを特徴とする。
【0070】スイッチング発振部を備えた電源装置を、
鋼材の誘導加熱のような急速な大電力入力を要する用途
に用いた場合、スイッチング発振部の許容最低出力イン
ピーダンスと負荷インピーダンスの整合が、加熱を高能
率に行うための要件である。しかしながら、加熱が進む
につれて大きく変化する負荷インピーダンスを、スイッ
チング発振部の許容最低出力インピーダンスに整合させ
るために、マッチングトランスの巻数比の設定替えを手
動で行うといった従来のインピーダンス整合操作は、加
熱の中断による加熱能力の低下を招き、しかも加熱の全
過程に亘る整合が行えるわけではなかった。
【0071】本発明の電源装置によれば、前記スイッチ
ング素子動作状態の選定がスイッチング素子への信号端
子への弱電指令によって行えることから、加熱を中断し
なくても許容最低出力インピーダンスの変更ができ、更
には、インピーダンス整合の自動化が容易に行える結
果、加熱の全過程に亘って終始整合状態を確保した高能
率通電も可能になった。
【0072】更に、高能率通電が可能となったため、燃
料をエネルギー源とする自立型の直流給電部を用いた場
合には、その直流給電部を従来に比べて小型化、軽量化
することが可能となり、低価格の且つ運搬しやすい電源
装置を提供できた。即ち、誘導加熱を始めとする高能率
通電の要請に、余す所なく答えた電源装置を提供できた
ものであり、産業界への貢献が絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電源装置及びそれに
接続した負荷を示す回路図
【図2】図1の電源装置におけるスイッチング発振部を
フルブリッジ態様で動作させた時の電圧出力を示すグラ
【図3】図1の電源装置におけるスイッチング発振部を
ハーフブリッジ態様で動作させた時の電圧出力を示すグ
ラフ
【図4】本発明の他の実施形態に係る電源装置を、負荷
を接続した形で示す回路図
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る電源装置を、
負荷を接続した形で示す回路図
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る電源装置を、
負荷を接続した形で示す回路図
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る電源装置を、
負荷を接続した形で示す回路図
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る電源装置を、
負荷を接続した形で示す回路図
【図9】図4の電源装置におけるスイッチング発振部の
電圧出力を示すグラフ
【図10】図6の電源装置におけるスイッチング発振部
の電圧出力を示すグラフ
【図11】図7、図8の電源装置におけるスイッチング
発振部の電圧出力を示すグラフ
【図12】本発明の更に他の実施形態に係る電源装置
を、負荷を接続した形で示す回路図
【図13】図11のスイッチング発振部における素子動
作割り振りのローテーションを例示した回路図
【図14】供試負荷のインピーダンスの変化を定性的に
示すグラフ
【図15】本発明実施例における昇温カーブを示すグラ
【図16】比較例1における昇温カーブを示すグラフ
【図17】比較例2における昇温カーブを示すグラフ
【図18】従来のフルブリッジ型スイッチング発振部を
備えた電源装置を、負荷を接続した形で示す回路図
【図19】従来のハーフブリッジ型スイッチング発振部
を備えた電源装置を、負荷を接続した形で示す回路図
【図20】従来のスイッチング発振部の出力インピーダ
ンスと負荷インピーダンスとの整合の良否を示すグラフ
【図21】従来のスイッチング発振部における出力電力
と負荷インピーダンスとの関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 起電部 2 原動機 3 交流発電機 4、4′、4A、4B、4C、4D、4V、4F、4
G、4H インバータ 5 順変換部 6、6′、6A、6B、6C、6D、6V、6F、6
G、6H スイッチング発振部 7 負荷 8、8′、8A、8B、8C、8D、8V、8F、8
G、8H 制御回路 9 直流給電部 10 誘導コイル 11 マッチングトランス 20 出力回路 21 電流検出器(負荷系通電挙動検知器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K059 AA02 AA04 AA05 AA14 AA15 AB08 AC07 AC09 AC15 AC54 AD03 AD13 AD32 AD35 BD02 CD13 CD14 CD17 CD22 5H007 BB04 BB11 CA01 CB05 CB09 DB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を誘導加熱するための誘導コイ
    ルを擁する負荷に所望周波数の交流電力を供給するため
    の電源装置であって、直流給電部と、その直流電力をパ
    ルス交流電力に変換するためのスイッチング発振部とを
    有し、該スイッチング発振部が、回路内の4個所にスイ
    ッチング素子を配してブリッジを組んだフルブリッジ型
    のスイッチング回路と、前記スイッチング素子に指令信
    号を送信する制御回路を備え、その制御回路が、3個所
    のスイッチング素子に対してON/OFF動作を指令す
    る信号を送信し、1個所のスイッチング素子に対して、
    ON/OFF動作を指令する信号と常時OFF動作を指
    令する信号を、切換え自在に送信するように編成し、前
    記1個所のスイッチング素子に対する指令信号の切換え
    によって前記スイッチング発振部の許容最低出力インピ
    ーダンスを可変にしたことを特徴とする誘導加熱用電源
    装置。
  2. 【請求項2】 被加熱物を誘導加熱するための誘導コイ
    ルを擁する負荷に所望周波数の交流電力を供給するため
    の電源装置であって、直流給電部と、その直流電力をパ
    ルス交流電力に変換するためのスイッチング発振部とを
    有し、該スイッチング発振部が、回路内の4個所にスイ
    ッチング素子を配してブリッジを組んだフルブリッジ型
    のスイッチング回路と、前記スイッチング素子に指令信
    号を送信する制御回路を備え、その制御回路が、3個所
    のスイッチング素子に対してON/OFF動作を指令す
    る信号を送信し、1個所のスイッチング素子に対して、
    ON/OFF動作を指令する信号をON状態の出現頻度
    を調節自在な形態で送信するように編成し、前記1個所
    のスイッチング素子に対する指令信号のON状態の出現
    頻度の調節によって前記スイッチング発振部の許容最低
    出力インピーダンスを可変にしたことを特徴とする誘導
    加熱用電源装置。
  3. 【請求項3】 被加熱物を誘導加熱するための誘導コイ
    ルを擁する負荷に所望周波数の交流電力を供給するため
    の電源装置であって、直流給電部と、その直流電力をパ
    ルス交流電力に変換するためのスイッチング発振部とを
    有し、該スイッチング発振部が、回路内の4個所にスイ
    ッチング素子を配してブリッジを組んだフルブリッジ型
    のスイッチング回路と、前記スイッチング素子に指令信
    号を送信する制御回路を備え、その制御回路が、2個所
    のスイッチング素子に対してON/OFF動作を指令す
    る信号を送信し、1個所のスイッチング素子に対して、
    ON/OFF動作を指令する信号と常時OFF動作を指
    令する信号を、切換え自在に送信し、残りの1個所のス
    イッチング素子に対して、ON/OFF動作を指令する
    信号をON状態の出現頻度を調節自在な形態で送信する
    ように編成し、前記1個所のスイッチング素子に対する
    指令信号の切換え及び前記1個所のスイッチング素子に
    対する指令信号のON状態の出現頻度の調節のいずれか
    一方若しくは双方によって、前記スイッチング発振部の
    許容最低出力インピーダンスを可変にしたことを特徴と
    する誘導加熱用電源装置。
  4. 【請求項4】 被加熱物を誘導加熱するための誘導コイ
    ルを擁する負荷に所望周波数の交流電力を供給するため
    の電源装置であって、直流給電部と、その直流電力をパ
    ルス交流電力に変換するためのスイッチング発振部とを
    有し、該スイッチング発振部が、回路内の2個所若しく
    は1個所にスイッチング素子を配してブリッジを組んだ
    ハーフブリッジ型又は一石型のスイッチング回路と、前
    記スイッチング素子に指令信号を送信する制御回路を備
    え、該制御回路が、1個所のスイッチング素子に対し
    て、ON/OFF動作を指令する信号をON状態の出現
    頻度を調節自在な形態で送信するように構成し、前記1
    個所のスイッチング素子に対する指令信号のON状態の
    出現頻度の調節によって前記スイッチング発振部の許容
    最低出力インピーダンスを可変にしたことを特徴とする
    誘導加熱用電源装置。
  5. 【請求項5】 前記スイッチング発振部に接続した負荷
    の通電挙動を検知する負荷通電挙動検知器を配備すると
    共に、その検知結果に基づいて前記スイッチング発振部
    の許容最低出力インピーダンスを前記負荷のインピーダ
    ンスに近づけるよう制御するよう前記スイッチング発振
    部の制御回路を編成したことを特徴とする請求項1から
    4のいずれか1項記載の誘導加熱用電源装置。
  6. 【請求項6】 前記制御回路から複数個所のスイッチン
    グ素子に送信する指令信号の種類を順繰りに切り換える
    ことで、1個所のスイッチング素子に負担が集中しない
    ように構成した、請求項1から5のいずれか1項記載の
    誘導加熱用電源装置。
  7. 【請求項7】 前記スイッチング発振部が、その出力電
    流の周期挙動データを制御回路に帰還入力してスイッチ
    ング素子を発振駆動する、周波数追尾型のスイッチング
    発振部である、請求項1から6のいずれか1項記載の誘
    導加熱用電源装置。
  8. 【請求項8】 前記直流給電部が、燃料をエネルギー源
    とする自立型直流給電部である、請求項1から7のいず
    れか1項記載の誘導加熱用電源装置。
JP2000367922A 2000-12-04 2000-12-04 誘導加熱用電源装置 Expired - Lifetime JP3652239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000367922A JP3652239B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 誘導加熱用電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000367922A JP3652239B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 誘導加熱用電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002170657A true JP2002170657A (ja) 2002-06-14
JP3652239B2 JP3652239B2 (ja) 2005-05-25

Family

ID=18838264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000367922A Expired - Lifetime JP3652239B2 (ja) 2000-12-04 2000-12-04 誘導加熱用電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3652239B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005108840A (ja) * 2003-09-25 2005-04-21 Internatl Rectifier Corp 誘導加熱装置
WO2005043958A1 (ja) * 2003-10-30 2005-05-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱調理器
JP2006351352A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Denki Kogyo Co Ltd 高周波焼入設備の瞬間大電力供給用電源
JP2009507464A (ja) * 2005-09-07 2009-02-19 フランツ・ハイマー・マシーネンバウ・カーゲー 回路、収縮固定および調整方法
JP2015117425A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 高周波熱錬株式会社 熱処理用電力変換装置及び方法
US10050497B2 (en) 2015-07-14 2018-08-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of assembling rotary electric machine
JP2018529324A (ja) * 2015-08-31 2018-10-11 ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドBritish American Tobacco (Investments) Limited 喫煙材を加熱するための装置
RU197581U1 (ru) * 2020-02-25 2020-05-15 Эдуард Владимирович Малик Портативный индукционный нагреватель
CN112806610A (zh) * 2019-11-15 2021-05-18 深圳市合元科技有限公司 气雾生成装置及控制方法
US11064725B2 (en) 2015-08-31 2021-07-20 British American Tobacco (Investments) Limited Material for use with apparatus for heating smokable material
US11241042B2 (en) 2012-09-25 2022-02-08 Nicoventures Trading Limited Heating smokeable material
US11452313B2 (en) 2015-10-30 2022-09-27 Nicoventures Trading Limited Apparatus for heating smokable material
US11659863B2 (en) 2015-08-31 2023-05-30 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material
US11672279B2 (en) 2011-09-06 2023-06-13 Nicoventures Trading Limited Heating smokeable material
US11825870B2 (en) 2015-10-30 2023-11-28 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material
US11924930B2 (en) 2015-08-31 2024-03-05 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005108840A (ja) * 2003-09-25 2005-04-21 Internatl Rectifier Corp 誘導加熱装置
US7368691B2 (en) 2003-09-25 2008-05-06 International Rectifier Corporation Induction heating apparatus
WO2005043958A1 (ja) * 2003-10-30 2005-05-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 誘導加熱調理器
JPWO2005043958A1 (ja) * 2003-10-30 2007-05-17 松下電器産業株式会社 誘導加熱調理器
KR100745896B1 (ko) * 2003-10-30 2007-08-02 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 유도 가열 조리기
US7442907B2 (en) 2003-10-30 2008-10-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Induction heating cooking device
US7973268B2 (en) 2003-10-30 2011-07-05 Panasonic Corporation Induction heating cooking device
JP2006351352A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Denki Kogyo Co Ltd 高周波焼入設備の瞬間大電力供給用電源
JP2009507464A (ja) * 2005-09-07 2009-02-19 フランツ・ハイマー・マシーネンバウ・カーゲー 回路、収縮固定および調整方法
US11672279B2 (en) 2011-09-06 2023-06-13 Nicoventures Trading Limited Heating smokeable material
US11241042B2 (en) 2012-09-25 2022-02-08 Nicoventures Trading Limited Heating smokeable material
JP2015117425A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 高周波熱錬株式会社 熱処理用電力変換装置及び方法
US10050497B2 (en) 2015-07-14 2018-08-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of assembling rotary electric machine
JP2018529324A (ja) * 2015-08-31 2018-10-11 ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドBritish American Tobacco (Investments) Limited 喫煙材を加熱するための装置
US11064725B2 (en) 2015-08-31 2021-07-20 British American Tobacco (Investments) Limited Material for use with apparatus for heating smokable material
US11659863B2 (en) 2015-08-31 2023-05-30 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material
US11924930B2 (en) 2015-08-31 2024-03-05 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material
US11452313B2 (en) 2015-10-30 2022-09-27 Nicoventures Trading Limited Apparatus for heating smokable material
US11825870B2 (en) 2015-10-30 2023-11-28 Nicoventures Trading Limited Article for use with apparatus for heating smokable material
US12016393B2 (en) 2015-10-30 2024-06-25 Nicoventures Trading Limited Apparatus for heating smokable material
CN112806610A (zh) * 2019-11-15 2021-05-18 深圳市合元科技有限公司 气雾生成装置及控制方法
CN112806610B (zh) * 2019-11-15 2024-05-03 深圳市合元科技有限公司 气雾生成装置及控制方法
RU197581U1 (ru) * 2020-02-25 2020-05-15 Эдуард Владимирович Малик Портативный индукционный нагреватель

Also Published As

Publication number Publication date
JP3652239B2 (ja) 2005-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002170657A (ja) 誘導加熱用電源装置
CN110401350B (zh) 双有源全桥双向dc-dc变换器的全负载范围zvs的移相控制方法
KR102434241B1 (ko) 유도식 전력 수신기
EP2689525B1 (en) Arrangement for controlled and efficient infeed of photovoltaic power into the ac mains with parallely connected dc/dc converters
WO2002011274A1 (en) Alexander topology resonance energy converter and inversion circuit
JP2007527479A (ja) 自由ピストンスターリングエンジン制御
US6873138B2 (en) Method and apparatus for converting power
US20210367453A1 (en) Wireless power system
Lin et al. An ultrasonic motor drive using a current-source parallel-resonant inverter with energy feedback
JP2676790B2 (ja) 高周波電源装置
JP3828384B2 (ja) 電子レンジ
JPS598148B2 (ja) 周波数変換装置
KR20220044996A (ko) 차량-그리드-홈 전력 인터페이스
JPH06276078A (ja) スイッチ回路
JP4210840B2 (ja) インバータ装置
JPH0549110A (ja) 電気自動車用バツテリ充電装置
Aydemir et al. Utilization of a series resonant DC link for a DC motor drive
JP2003059631A (ja) 高周波電源装置
JPH1198847A (ja) 整流回路
Caldeira et al. Utilization of the series resonant DC link as a DC motor drive
JP2628059B2 (ja) 直流電源装置
JP3757577B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP2893466B2 (ja) プッシュプルインバータ
JPH056427B2 (ja)
JP2682885B2 (ja) インバータ電子レンジの駆動回路

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3652239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080304

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090304

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090304

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100304

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110304

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110304

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120304

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130304

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130304

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term