JP2002169141A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メモリー性を有する例えばカイラルネマチッ
ク液晶層を挟持した液晶表示パネルをホルダープレート
に固定する場合、ホルダープレートの反りや部分的な凸
部による外力に起因する表示ムラをなくす。 【解決手段】 液晶表示パネル１０とホルダープレート
３０との間に、弾性体からなるダンパーシート４０を配
置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一対の透明電極基
板間にメモリー型液晶層を備えた液晶表示素子に関し、
さらに詳しく言えば、外力による表示ムラ対策に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図２を参照して、液晶表示パネル１０
は、液晶層（図示しない）を挟んで周辺同士が貼り合わ
された一対の透明電極基板１１，１２を備えており、少
なくとも一方の透明電極基板１１には、引出電極が形成
された端子部１１ａが連設されている。

【０００３】この端子部１１ａに、液晶表示パネル１０
を駆動するための回路基板が接続される。この例では、
フレキシブルプリント基板にドライバーＩＣ２１を実装
してなるＴＣＰ基板２０が用いられ、ＴＣＰ基板２０は
端子部１１ａから液晶表示パネル１０の裏面側に折り曲
げられ、その裏面側に配置される制御回路基板２２と接
続される。

【０００４】これとは別に、ＴＣＰ基板２０を折り曲げ
ることなく側方に引き出す場合もあるが、いずれにして
も、液晶表示パネル１０の裏面側にホルダープレート３
０を配置して、液晶表示パネル１０や制御回路基板２２
をホルダープレート３０に固定するようにしている。

【０００５】ところで、近年、液晶ディスプレイの明る
さを制限する偏光板が不要で、高精細化しても表示品位
が低下しない液晶ディスプレイが注目されており、その
一つとしてメモリ型カイラルネマチック液晶を用いた液
晶ディスプレイが提案されている。

【０００６】カイラルネマチック液晶は印加電圧に応じ
て、選択反射を示すプレナー配列と、全体として散乱状
態を示すフォーカルコニック配列をとるが、この２つの
状態は電界が印加されていないときでも安定である。す
なわち、メモリ型として機能する。

【０００７】また、印加電圧を調整することで、電圧印
加後にプレナー配列とフォーカルコニック配列の中間的
な光学特性を発現する状態をとることもでき、状態変化
の過程で液晶分子が電界方向に揃ったホメオトロピック
状態をとることもできる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カイラ
ルネマチック液晶の場合、外力が加えられると表示ムラ
が生ずる。例えば、表示面を指で押圧すると、その部分
が表示ムラとなる。

【０００９】したがって、液晶表示パネル１０の液晶が
カイラルネマチック液晶で、ホルダープレート３０に固
定する場合、ホルダープレート３０の固定面が完全に平
坦ではなく、その固定面に反りや部分的な凸部が存在す
ると、そこから受ける外力により部分的に表示ムラが発
生することになる。この表示ムラは、例えば凸部の高さ
が０．０５ｍｍ、反り量が０．３ｍｍ程度でも発生す
る。

【００１０】また、カイラルネマチック液晶を有する液
晶表示パネルの場合、その裏面側にフォーカルコニック
時の背景色を得るため、例えば黒色の印刷塗膜が形成さ
れるが、ホルダープレート３０の固定面に反りや凸部が
あると、それによって印刷塗膜が剥がされてしまうとい
う課題もある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、その構成上の特徴
は、対向面側にそれぞれ透明電極が形成された一対の透
明電極基板間に、印加電圧に応じて電圧印加後に発現す
るプレナー配列およびフォーカルコニック配列の安定性
に基づくメモリー性を有する液晶層を挟持した液晶表示
パネルの背面側にホルダープレートを配置して、上記液
晶表示パネルを上記ホルダープレートで保持してなる液
晶表示素子において、上記液晶表示パネルと上記ホルダ
ープレートとの間に、上記液晶表示パネルに対する上記
ホルダープレート側からの部分的な外力を緩衝する弾性
体からなるダンパーシートを介在したことにある。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、図１により、本発明の実施
形態について説明するが、先に説明した図２の従来例と
同一もしくは同一と見なされる構成要素には同じ参照符
号を用いている。

【００１３】この実施形態において、液晶表示パネル１
０の一対の透明電極基板１１，１２間に挟持される液晶
層はカイラルネマチック液晶で、図示されていないが、
パネルの裏面側には、フォーカルコニック時の背景色と
なる例えば黒色の印刷塗膜が形成されている。

【００１４】この液晶表示パネル１０をホルダープレー
ト３０に固定するにあたって、ダンパーシート４０が用
いられる。ダンパーシート４０は、好ましくは液晶表示
パネル１０の裏面全体を覆う大きさに形成されたゴム系
スポンジからなり、その厚さは、ホルダープレート３０
に予想される反り量や凸部の大きさを吸収し得る厚さに
選定される。

【００１５】また、ダンパーシート４０の材質として
は、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、天然ゴム
などを例示することができる。さらに、上記ゴム系スポ
ンジの特性として、効果的に外力を緩衝させるために、
密度が５０〜２００ｋｇ／ｍ^３，硬度が５〜３０゜，２
５％圧縮荷重が１５０〜１０００ｇ／ｃｍ^２の範囲であ
ることが好ましい。

【００１６】変形例として、ダンパーシート４０は、例
えばパンチングプレートのように多数の孔が開けられた
もの、もくしは格子状のものであってもよい。なお、ホ
ルダープレート３０の固定面に存在する凸部は、主に成
形金型面から転写される筋やボス的なものであるが、ゴ
ミなどの異物も含まれる。

【００１７】ダンパーシート４０を液晶表示パネル１０
とホルダープレート３０との間に介装することにより、
ホルダープレート３０の反りや凸部に起因して液晶表示
パネル１０にかけられる部分的な外力が緩衝され、表示
ムラが解消される。また、液晶表示パネル１０の裏面側
に形成されている印刷塗膜も保護される。さらには、外
部からの振動や衝撃に対しても強くなり、パネル割れ事
故も少なくなる。

【００１８】実際に、カイラルネマチック液晶を有する
縦１４０ｍｍ×横１１０ｍｍの液晶表示パネルを、反り
量０．３ｍｍまたは部分的に高さ０．０５ｍｍの凸部を
有するホルダープレート３０に取り付ける際、それらの
間に、厚さ０．５ｍｍ，密度２５０ｋｇ／ｃｍ^３，硬度
１０゜，２５％圧縮荷重が４００ｇ／ｃｍ^２のシリコー
ンゴムスポンジを配置したところ、表示ムラは生じなか
った。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
メモリー性を有する例えばカイラルネマチック液晶層を
挟持した液晶表示パネルの背面側にホルダープレートを
配置して、上記液晶表示パネルを上記ホルダープレート
で保持してなる液晶表示素子において、液晶表示パネル
とホルダープレートとの間に、弾性体からなるダンパー
シートを配置たことにより、ホルダープレートの反りや
部分的な凸部による外力に起因する表示ムラをなくすこ
とができる。また、パネル裏面に形成されている印刷塗
膜も保護できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示した模式的断面図。

【図２】従来例を示した図１と同様の模式的断面図。

【符号の説明】

１０ 液晶表示パネル １１，１２ 透明電極基板 １１ａ 端子部 ２０ ＴＣＰ基板 ２１ ドライバーＩＣ ２２ 制御回路基板 ３０ ホルダープレート ４０ ダンパーシート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏目 大二朗 東京都荒川区東日暮里５丁目７番18号 オ プトレックス株式会社内 Ｆターム(参考） 2H088 GA02 GA03 GA17 JA10 JA14 MA01 MA20 2H089 HA40 JA10 KA15 QA02 QA12 QA14 RA08 RA11 5G435 AA07 BB12 EE02 EE11 GG42

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向面側にそれぞれ透明電極が形成され
   た一対の透明電極基板間に、印加電圧に応じて電圧印加
   後に発現するプレナー配列およびフォーカルコニック配
   列の安定性に基づくメモリー性を有する液晶層を挟持し
   た液晶表示パネルの背面側にホルダープレートを配置し
   て、上記液晶表示パネルを上記ホルダープレートで保持
   してなる液晶表示素子において、 上記液晶表示パネルと上記ホルダープレートとの間に、
   上記液晶表示パネルに対する上記ホルダープレート側か
   らの部分的な外力を緩衝する弾性体からなるダンパーシ
   ートが介在されていることを特徴とする液晶表示素子。