JP2002168388A - 四方向継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】応力が集中し易い中央部分が破損するおそれが
なく、配管部材としてのポリエチレン管を電気融着方式
により接続するようにして配管することができる四方向
継手を提供する。 【解決手段】内周面に凹凸面を有する４個の受口を備え
剛性材料からなる四方向継手本体の各受口内に、それぞ
れ、ポリエチレン短管の一端部が挿入され、その外周面
が前記受口内の凹凸面に嵌合変形するように接合され、
それらのポリエチレン短管の他端部に、それぞれ、管状
体接続部が形成されている四方向継手である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、四方向の管状体接
続部を有する四方向継手に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、四方向継手としては、鋳鉄製であ
って、フランジ又はねじ部からなる４個の管接続部を有
するものが知られている。このような鋳鉄製の四方向継
手は、そのフランジ又はねじ部からなる４個の管接続部
に、それぞれ、鋼管を、その一端部に設けられたフラン
ジ又はねじ部を接続するような配管部材として用いられ
ている。

【０００３】近年、水道用樹脂管として、耐震型の高性
能のポリエチレン管が注目されている。このようなポリ
エチレン管を配管部材と用いて配管する場合には、施工
性に優れ且つ接続強度を確保するため、通常、接続部に
電熱線が埋設されたものを用いて、電気融着方式により
接続している。しかし、上記の従来の鋳鉄製の四方向継
手を用いた場合には、配管材としてのポリエチレン管を
電気融着方式により接続することができないという問題
点がある。

【０００４】又、４箇所の管接続部にそれぞれ電熱線を
埋設した樹脂製の四方向継手を、射出成形により成形す
ることも考えらる。しかしながら、４箇所の管接続部に
電熱線を埋設した樹脂製の四方向継手を射出成形により
製造するためには、複雑な構造の金型を準備する必要が
あり、しかも、それぞれ呼び径が異なる４箇所の管接続
部を有する樹脂製の四方向継手を種々品揃えしようとす
ると、沢山の金型を準備する必要があるという問題点が
ある。又、樹脂製の四方向継手は、施工した配管内に加
圧流体を流下する際に、応力が集中する中央部分が破損
し易いという問題点もある。

【０００５】又、例えば、特開平５−１１８４８７号公
報に記載のように、十字管形状に形成された樹脂製管路
形成部品の各端部に、一端部に通電することにより発熱
するコイルが埋設された融着部が形成される一方、他端
部に突き合わせ溶接部が形成された樹脂製受口部材の突
き合わせ溶接部がバット溶接された管接続部材が提案さ
れている。しかしながら、このような管接続部材も、ポ
リエチレン管を配管部材として施工した配管内に加圧流
体が流下する際に、十字管形状に形成された樹脂製管路
形成部品の中央部分に応力が集中して破損し易いという
問題点がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解消し、応力が集中し易い中央部分が破
損するおそれがなく、配管部材としてのポリエチレン管
を電気融着方式により接続するようにして配管すること
ができる四方向継手を提供することを目的としてなされ
たものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、内周面
に凹凸面を有する４個の受口を備えた剛性材料からなる
四方向継手本体の各受口内に、それぞれ、ポリエチレン
短管の一端部が挿入され、その外周面が前記受口内の凹
凸面に嵌合変形するように接合され、それらのポリエチ
レン短管の他端部に、それぞれ、管状体接続部が形成さ
れている四方向継手である。

【０００８】本発明において、四方向継手本体を形成す
る剛性材料としては、例えば、鋳鉄、ステンレススチー
ル、繊維強化樹脂等が挙げられる。本発明において、ポ
リエチレン短管の他端部に形成される管状体接続部とし
ては、挿口があってもよいし受口であってもよい。管状
体としては、管継手であってもよいし、管であってもよ
い。

【０００９】

【作用】本発明の四方向継手は、中央部分を形成する四
方向継手本体が剛性材料からなるので、ポリエチレン管
を配管部材として施工した配管内に加圧流体が流下する
際に、内圧が作用したり外部応力が作用しても破損する
おそれがなく、配管部材としてのポリエチレン管を接続
する部分がポリエチレン短管からなるので、電気融着方
式により信頼性に優れた接続をすることができ、又、四
方向継手本体の各受口内にポリエチレン短管の一端部の
挿口がその受口内の凹凸面に嵌合変形するように強固に
接合されているので、その部分が破損することもない。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の四方向継手の例を
図面を参照して説明する。図１は、本発明の四方向継手
の一例を示す一部断面図である。図１に示すように、こ
の四方向継手１は、四方向継手本体１１と、４個のポリ
エチレン短管１２とからなる。

【００１１】四方向継手本体１１は、鋳鉄等の剛性材料
からなり、十字状に四方向にのびる４個の受口１１１を
備えている。各受口１１１内の内周面には、その開口側
と奥側に２本の周方向に沿う凹溝が設けられ、凹溝内に
はパッキング１１１ｂ，１１１ｃが装着されており、凹
溝と凹溝との間に凹凸面１１１ａを有している。

【００１２】４個のポリエチレン短管１２には、それぞ
れ、一端部に四方向継手本体１１に接続される第１の挿
口１２１が設けられ、他端部には、図示しない電気融着
ソケットに接続される第２の挿口１２２が設けられてい
る。各ポリエチレン短管１２の第１の挿口１２１内に
は、金属製の内筒体１３が装着されている。

【００１３】四方向継手本体１１の各受口１１１内に
は、それぞれ、ポリエチレン短管１２の第１の挿口１２
１が挿入され、その内部に装着された内筒体１２３を拡
径することにより、その外周面が受口１１１内の凹凸面
１１１ａに嵌合変形されるようにして強固に接合されて
いる。

【００１４】次に、この四方向継手１における、四方向
継手本体１１の受口１１１とポリエチレン短管１２の第
１の挿口１２１との接続状態を、図２（ａ）〜（ｃ）を
参照して説明する。まず、図２（ａ）に示すように、四
方向継手本体１１の受口１１１内に、ポリエチレン短管
１２の第１の挿口１２１が挿入される。

【００１５】次に、図２（ｂ）に示すように、そのポリ
エチレン短管１２の第１の挿口１２１内に装着されてい
る内筒体１３内に、拡径治具２の先端部が挿入される。
拡径治具２の先端部には、割り型からなる外型２１と、
内型２２とが備えられている。外型２１の内周面は傾斜
面とされ、内型２２の外周面も対応する傾斜面とされて
いる。そして、油圧等によりシャフト２３を引っ張るこ
とにより、外型２１の傾斜面と内型２２の傾斜面との間
が摺動して、外型２１が拡径できるような構造となって
いる。拡径治具２のシャフト２３を引っ張って外型２１
を拡径させ、内筒体１３を拡径させることにより、ポリ
エチレン短管１２の第１の挿口１２１の外周面が受口１
１１内の凹凸面１１１ａに嵌合変形される。

【００１６】最後に、拡径治具２のシャフト２３を押し
込むようにして、外型２１を縮径させるようにして、そ
の先端部を抜き去り、図２（ｃ）に示すような、四方向
継手本体１１の受口１１１内に、ポリエチレン短管１２
の第１の挿口１２１の外周面が受口１１１内の凹凸面１
１１ａに嵌合変形されるようにして強固に接合された接
続構造が形成される。

【００１７】以下、図１に示す四方向継手１を用いて、
ポリエチレン管を配管する状態を図３を参照して説明す
る。四方向継手１のポリエチレン短管１２の他端部に形
成された管状体接続部１２２が、電気融着ソケット３の
一端部の受口３１内に挿入された後、電熱線に通電する
ことにより、融着状態にて接合されている。又、電気融
着ソケット３の受口３２内にポリエチレン管４の一端部
４１が挿入された後、電熱線に通電することにより、融
着状態にて接合されている。このようにして、四方向継
手１の各ポリエチレン短管１２に、それぞれ、電気融着
ソケット３を介してポリエチレン管４が接続されて、十
字状の配管路が形成される。

【００１８】図４は、本発明の四方向継手の別の例を示
す一部断面図である。図４に示すように、この四方向継
手５は、四方向継手本体５１と、４個のポリエチレン短
管５２とからなる。四方向継手本体５１は、図１を参照
して説明したものと同じであるので、対応する図番のみ
を付してその詳細な説明は省略する。

【００１９】４個のポリエチレン短管５２には、それぞ
れ、一端部に四方向継手本体５１に接続される第１の挿
口５２１が設けられ、他端部に図示しない電気融着ソケ
ットの受口に接続される第２の挿口５２２が設けられて
いる。各ポリエチレン短管５２の第１の挿口５２１の管
壁内には、通電することにより加熱する電熱線５２１ａ
が埋設されている。

【００２０】四方向継手本体５１の各受口５１１内に
は、それぞれ、ポリエチレン短管５２の第１の挿口５２
１が挿入され、その管壁内に埋設された電熱線５２１に
通電して溶融状態とすることにより、その外周面が受口
５１１内の凹凸面５１１ａに嵌合変形されるようにして
強固に接合されている。

【００２１】図５は、本発明の四方向継手の更に別の例
を示す一部断面図である。図５に示すように、この四方
向継手６は、四方向継手本体６１と、４個のポリエチレ
ン短管６２とからなる。四方向継手本体６１は、図１を
参照して説明したものと同じであるので、対応する図番
のみを付してその詳細な説明は省略する。

【００２２】４個のポリエチレン短管６２には、それぞ
れ、一端部に四方向継手本体６１に接続される第１の挿
口６２１が設けられ、他端部には、図示しない電気融着
ソケットに接続される第２の挿口６２２が設けられてい
る。各ポリエチレン短管６２の第１の挿口６２１内に
は、通電することにより発熱する材料からなる加熱用筒
体６３が装着されている。

【００２３】四方向継手本体６１の各受口６１１内に
は、それぞれ、ポリエチレン短管６２の第１の挿口６２
１が挿入され、その内部に装着された加熱用筒体６３に
通電して溶融状態とすることにより、その外周面が受口
６１１内の凹凸面６１１ａに嵌合変形されるようにして
強固に接合されている。

【００２４】

【発明の効果】本発明の四方向継手は、上記のとおりの
構成とされているので、応力が集中し易い中央部分が破
損するおそれがなく、配管部材としてのポリエチレン管
を電気融着方式により接続するようにして配管すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の四方向継手の一例を説明する一部断面
図である。

【図２】図１に示す四方向継手における、四方向継手本
体の受口に対するポリエチレン短管の第１の挿口の接続
状態を説明する説明図であり、（ａ）は四方向継手本体
の受口内にポリエチレン短管の第１の挿口が挿入される
状態を示す一部断面図、（ｂ）は拡径治具により内筒体
を拡径させる状態を示す一部断面図、（ｃ）は四方向継
手本体の受口内にポリエチレン短管の第１の挿口の外周
面が受口内の凹凸面に嵌合変形されるようにして強固に
接合された接続構造を示す一部断面図である。

【図３】図１に示す四方向継手を用いて、ポリエチレン
管を配管する状態を説明する平面図である。

【図４】本発明の四方向継手の別の例を説明する一部断
面図である。

【図５】本発明の四方向継手の更に別の例を説明する一
部断面図である。

【符号の説明】

１，５，６ 四方向継手 ２ 拡径治具 ３ 電気融着ソケット ４ ポリエチレン管 １１，５１，６１ 四方向継手本体 １２，５２，６２ ポリエチレン短管 １３ 内筒体 ６３ 加熱用筒体 １１１，５１１，６１１ 受口 １１１ａ，５１１ａ，６１１ａ 凹凸面 １２１，５２１，６２１ 第１の挿口 １２２，５２２，６２２ 第２の挿口 ５２１ａ 電熱線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周面に凹凸面を有する４個の受口を備
   えた剛性材料からなる四方向継手本体の各受口内に、そ
   れぞれ、ポリエチレン短管の一端部が挿入され、その外
   周面が前記受口内の凹凸面に嵌合変形するように接合さ
   れ、それらのポリエチレン短管の他端部に、それぞれ、
   管状体接続部が形成されていることを特徴とする四方向
   継手。