JP2002168154A - エマルジョン燃料供給システム - Google Patents

エマルジョン燃料供給システム

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JP2002168154A JP2000368384A JP2000368384A JP2002168154A JP 2002168154 A JP2002168154 A JP 2002168154A JP 2000368384 A JP2000368384 A JP 2000368384A JP 2000368384 A JP2000368384 A JP 2000368384A JP 2002168154 A JP2002168154 A JP 2002168154A
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emulsion fuel
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小さい屋内設置スペースですみ、かつ、安価に
エマルジョン燃料の凍結を防止できるエマルジョン燃料
供給システムを提供すること。 【解決手段】エマルジョン燃料供給システム1におい
て、燃料供給用タンク20と、第5管路45とを設け、
ディーゼルエンジン30からの戻り燃料を燃料供給用タ
ンク20内に戻すように構成した。従って、燃料供給用
タンク20内のエマルジョン燃料をディーゼルエンジン
30からの戻り燃料によって常に温めることができ、燃
料供給用タンク20内のエマルジョン燃料の凍結を防止
できる。これにより燃料供給用タンク20を温めるヒー
タ21を小さくでき、省スペース化を図ることができ
る。また、従来はディーゼルエンジン30のフィードポ
ンプ31に戻していた戻り燃料を利用しているので燃料
コストを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルジョン燃料
供給システムに係り、詳しくは、エマルジョン燃料を内
燃機関に供給するエマルジョン燃料供給システムに関す
る。
【0002】
【背景技術】従来より、複数の液体が混合されて製造さ
れたエマルジョン燃料を内燃機関で利用することが知ら
れており、たとえば、ディーゼルエンジンでは、当該エ
ンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)、黒煙等の有害
物質を低減するために、燃料と水とを混合したエマルジ
ョン燃料を用いることが知られている。このようなエマ
ルジョン燃料は、大型の貯留タンクに貯留されてこの貯
留タンクからディーゼルエンジンに供給されたり、ま
た、エマルジョン燃料を製造するエマルジョン燃料製造
装置から直接ディーゼルエンジンに供給されたりしてい
る。
【0003】ところで、上述したようなエマルジョン燃
料の貯留タンクやエマルジョン燃料製造装置は、通常大
型である故、屋外に設置されることが多い。しかし、エ
マルジョン燃料は、水を含んでいるため、冬季等の寒冷
時に外気温がたとえば零下2℃〜3℃まで下がると凍結
してしまう可能性がある。このようなエマルジョン燃料
の凍結を防止するため、エマルジョン燃料製造装置また
は貯留タンクを屋内に設けた上でヒータで保温したり、
また、エマルジョン燃料の中に不凍液を混入したりして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たエマルジョン燃料の凍結防止方法では、以下のような
問題がある。エマルジョン燃料製造装置または貯留タン
クを屋内に設けて保温する前者の場合、屋内スペースと
して、エマルジョン燃料製造装置または貯留タンクを設
置するスペース、および、製造装置または貯留タンクを
保温するためのヒータの設置スペースが必要となる。こ
のため、広い屋内設置スペースを要するという問題があ
る。一方、エマルジョン燃料の中に不凍液を混入する後
者の場合、燃料コストが上がるという問題がある。
【0005】本発明の目的は、小さい屋内設置スペース
ですみ、かつ、安価にエマルジョン燃料の凍結を防止で
きるエマルジョン燃料供給システムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のエマルジョン燃
料供給システムは、上記目的を達成するために、以下の
構成を備える。請求項1に記載の発明は、内燃機関にエ
マルジョン燃料を供給するエマルジョン燃料供給システ
ムであって、前記内燃機関に供給されるエマルジョン燃
料を貯留する燃料供給用タンクを備え、前記内燃機関の
燃料噴射系統からの戻り燃料を前記燃料供給用タンクに
戻す戻り流路が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0007】この発明によれば、内燃機関にエマルジョ
ン燃料を供給する燃料供給用タンク内に、内燃機関の燃
料噴射系統からの戻り燃料を戻すように構成したから、
燃料供給用タンク内のエマルジョン燃料を内燃機関から
の戻り燃料によって常に温めることができ、燃料供給用
タンク内のエマルジョン燃料の凍結を防止できる。これ
により燃料供給用タンクを温めるヒータを不要または小
さくでき、省スペース化が図れる。また、従来は、内燃
機関のフィードポンプ等に戻していた戻り燃料を利用し
ているので、不凍液を用いた場合よりも燃料コストが抑
えられる。さらに、電力を用いずに燃料供給用タンク内
のエマルジョン燃料を温めているので、通常のエマルジ
ョン燃料供給システムと略同等の防災設備を備えればよ
く、エマルジョン燃料の凍結防止にかかるコストを抑え
ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のエマルジョン燃料供給システムにおいて、前記燃料供
給用タンク内に貯留されるエマルジョン燃料を製造する
エマルジョン燃料製造装置、またはエマルジョン燃料を
貯留するとともに前記燃料供給用タンクに供給可能な燃
料貯留用タンクが、前記燃料供給用タンクの上流側に配
置されていることを特徴とするものである。この発明に
よれば、燃料供給用タンクの上流側には、エマルジョン
燃料製造装置または燃料貯留用タンクが設けられてお
り、これら製造装置または燃料貯留用タンクとして従来
から使用されているものを本発明のエマルジョン燃料供
給システムに用いれば、従来のシステムをそのまま使用
することができる。つまり、従来のエマルジョン燃料製
造装置または燃料貯留用タンクと、これら製造装置また
は貯留用タンクから供給されるエマルジョン燃料を使用
する内燃機関との間に本発明の燃料供給用タンクを設
け、この燃料供給用タンクに戻り流路を設ければよいの
で、従来のシステムをそのまま利用でき、コストを抑え
ることができる。なお、エマルジョン燃料製造装置を燃
料供給用タンクの上流側に配置した場合には、エマルジ
ョン燃料を製造しながら内燃機関に供給でき、燃料貯留
用タンクを燃料供給用タンクの上流側に配置した場合に
は、たとえば購入したエマルジョン燃料を大量に貯留し
ておくことができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のエマルジョン燃料供給システムにおいて、前記エマル
ジョン燃料を製造するエマルジョン燃料製造装置と、こ
のエマルジョン製造装置で製造したエマルジョン燃料を
貯留するとともに前記燃料供給用タンクに供給可能な燃
料貯留用タンクとが、前記燃料供給用タンクの上流側に
配置されていることを特徴とするものである。この発明
によれば、エマルジョン燃料製造装置および燃料貯留用
タンクを設けたので、エマルジョン燃料製造装置で製造
したエマルジョン燃料を燃料貯留用タンク内に貯留し、
この燃料貯留用タンクから内燃機関に必要な量だけエマ
ルジョン燃料を燃料供給用タンクに供給すれば、燃料供
給用タンク内に貯留するエマルジョン燃料の量を少なく
でき、戻り燃料による凍結防止をより効果的に行うこと
ができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、内燃機関にエマ
ルジョン燃料を供給するエマルジョン燃料供給システム
であって、前記エマルジョン燃料を製造するエマルジョ
ン燃料製造装置と、前記エマルジョン燃料製造装置で製
造されたエマルジョン燃料を貯留するとともに当該エマ
ルジョン燃料を前記内燃機関に供給可能な複数の燃料供
給用タンクとを備え、前記エマルジョン燃料製造装置で
製造されたエマルジョン燃料の貯留先を切り換える第1
切換手段と、前記内燃機関へ供給されるエマルジョン燃
料の供給元を切り換える第2切換手段とを備え、前記エ
マルジョン燃料製造装置のエマルジョン燃料の貯留先と
なっている燃料供給用タンクと、前記内燃機関のエマル
ジョン燃料の供給元となっている燃料供給用タンクとが
異なっており、前記供給元となっている燃料供給用タン
クに、前記内燃機関の燃料噴射系統からの戻り燃料を戻
す戻り流路と、前記第2切換手段によって前記エマルジ
ョン燃料の供給元が切り換えられる際に前記戻り流路を
切り換える第3切換手段とが設けられていることを特徴
とするものである。
【0011】この発明によれば、第1切換手段により、
エマルジョン燃料の貯留先を複数の燃料供給用タンクの
うちから選択し、第2切換手段により、エマルジョン燃
料の供給元を複数の燃料供給用タンクのうちから選択す
る。ここで、エマルジョン燃料の貯留先となる燃料供給
用タンクと、供給元なる燃料供給用タンクとは異なって
おり、第3切換手段によって戻り流路が切り換えられて
供給元の燃料供給用タンクに戻り燃料が戻るようになっ
ている。このような構成において、たとえば、供給元の
タンク内のエマルジョン燃料がなくなると、第1および
第2切換手段によって、内燃機関へエマルジョン燃料を
供給していたタンクが貯留先に切り換えられ、エマルジ
ョン燃料製造装置からのエマルジョン燃料を貯留してい
たタンクが供給元に切り換えられるとともに、第3切換
手段によってこの供給元となったタンク内に内燃機関か
らの戻り燃料が供給されるようになる。このように、戻
り流路および第3切換手段によって、複数の燃料供給用
タンクのうち、供給元となっている燃料供給用タンクに
常に戻り燃料を戻すように構成したから、すぐに必要と
する供給元の燃料供給用タンク内の燃料凍結を確実に防
止できる。また、複数の燃料供給用タンクが備えられて
いるので、1つのタンクでエマルジョン燃料を貯留して
内燃機関に供給する場合と異なって、燃料供給用タンク
自体の容量を小さくでき、エマルジョン燃料の凍結をよ
り効果的に防止できる。さらに、従来、内燃機関のフィ
ードポンプ等に戻していた戻り燃料を利用しているの
で、不凍液を用いた場合よりも燃料コストが抑えられ
る。そして、電力を用いずに燃料供給用タンク内のエマ
ルジョン燃料を温めているので、通常のエマルジョン燃
料供給システムと略同等の防災設備を備えればよく、エ
マルジョン燃料の凍結防止にかかるコストを抑えること
ができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載のエマルジョン燃料供給シス
テムにおいて、前記燃料供給用タンクの容量は、内部の
エマルジョン燃料が前記戻り燃料の熱量によって少なく
とも凍結しない程度に温められる大きさであることを特
徴とするものである。この発明によれば、燃料供給用タ
ンクの容量を、内燃機関からの戻り燃料の熱量によって
少なくとも凍結しない程度に温められる大きさとしたの
で、寒冷時におけるタンク内のエマルジョン燃料の凍結
を確実に防止できる。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載のエマルジョン燃料供給シス
テムにおいて、前記燃料供給用タンクは、断熱材で覆わ
れていることを特徴とするものである。この発明によれ
ば、燃料供給用タンクを断熱材で覆っているので、内燃
機関の停止時、つまり戻り燃料が供給されない時におい
ても燃料供給用タンク内のエマルジョン燃料の凍結を防
止できる。また、燃料供給用タンクの容量は上述したよ
うに大きいものではないので、タンクを覆う断熱材も小
さくてすむうえ、電力等を用いないから省力化が図れ
る。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
請求項6のいずれかに記載のエマルジョン燃料供給シス
テムにおいて、前記燃料供給用タンクには、ヒータが設
けられていることを特徴とするものである。この発明に
よれば、燃料供給用タンクにヒータを設けたので、内燃
機関の停止時、つまり戻り燃料が供給されない時におい
ても燃料供給用タンク内のエマルジョン燃料の凍結を確
実に防止できる。また、燃料供給用タンクの容量は上述
したように大きいものではないので、小さなヒータでエ
マルジョン燃料の凍結を防止できて経済的である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1には、本発明の第1実施形態に係
るシステムが示されており、このシステムは、エマルジ
ョン燃料製造装置10および燃料供給用タンク20を含
んで構成されたエマルジョン燃料供給システム1と、こ
のエマルジョン燃料供給システム1から供給されるエマ
ルジョン燃料を利用する内燃機関としてのディーゼルエ
ンジン30とを備えている。
【0016】エマルジョン燃料製造装置10は、供給さ
れた適量ずつの複数の液体、たとえば水、燃料(たとえ
ば軽油、灯油、A重油等)、および界面活性剤を乳化状
態に混合してエマルジョン燃料を製造するものであり、
このようにして製造されたエマルジョン燃料は、エマル
ジョン燃料製造装置10の下流側に配置された燃料供給
用タンク20内に貯留される。このようなエマルジョン
燃料製造装置10は、たとえば、図示しない建物の屋上
等に設置されている。ここで、エマルジョン燃料製造装
置10と燃料供給用タンク20とを接続する第1管路4
1の途中には、流量調整弁41Aが設けられ、この流量
調整弁41Aによって、エマルジョン燃料製造装置10
から燃料供給用タンク20へと供給されるエマルジョン
燃料の供給量を調節できるようになっている。
【0017】燃料供給用タンク20は、エマルジョン燃
料製造装置10で製造されたエマルジョン燃料をその内
部に貯留するとともに、この貯留されたエマルジョン燃
料を燃料供給用タンク20の下流側に配置されたディー
ゼルエンジン30に供給可能としている。燃料供給用タ
ンク20の容量は、内部のエマルジョン燃料がディーゼ
ルエンジン30の後述する戻り燃料の熱量によって少な
くとも凍結しない程度に温められる大きさとされてい
る。このような燃料供給用タンク20には、当該燃料供
給用タンク20内のエマルジョン燃料を温める小型のヒ
ータ21が設けられている。
【0018】ディーゼルエンジン30は、図示は省略す
るが、空気をシリンダ内で圧縮して高温・高圧とし、燃
料噴射ノズルを含む噴射装置によってエマルジョン燃料
をシリンダ内に噴霧させて自然着火させるものである。
そして、シリンダ内の爆発力によって図示しないクラン
クシャフトを回転させて、このクランクシャフトに接続
されたフライホイール30Aを介して動力が取り出せる
ようになっている。このようなディーゼルエンジン30
は、たとえば発電機やポンプ等に利用される。
【0019】ここで、ディーゼルエンジン30の燃料噴
射系統30Bについて説明する。燃料噴射系統30B
は、燃料供給用タンク20から供給されたエマルジョン
燃料を、ディーゼルエンジン30のシリンダ(気筒)内
に噴射する燃料噴射ノズル(図示せず)まで導く系統で
あり、フィードポンプ31と、燃料フィルタ32と、複
数(本実施形態では4つ)の燃料噴射ポンプエレメント
331を有した燃料噴射ポンプ本体33と、図示しない
複数(本実施形態では燃料噴射ポンプエレメント331
の数に対応して4つ)の燃料噴射ノズルとを含んで構成
されている。なお、燃料噴射ポンプエレメント331
は、図示は省略するが、プランジャ(ピストン)および
プランジャバレル(シリンダ)を含んで構成されてい
る。
【0020】フィードポンプ31は、ディーゼルエンジ
ン30のカムシャフトやクランクシャフト等から駆動力
を得ており、燃料供給用タンク20からの燃料吸入を行
うとともに、燃料フィルタ32から燃料噴射ポンプエレ
メント331までの燃料吐出(送油)を行っている。燃
料供給用タンク20の出口とフィードポンプ31の入口
とを接続する第2管路42の途中には、流量調整弁42
Aが設けられ、この流量調整弁42Aによって、燃料供
給用タンク20からフィードポンプ31へと供給される
エマルジョン燃料の供給量を調節できるようになってい
る。燃料フィルタ32は、エマルジョン燃料中のゴミや
汚れを取り除くためのものであり、燃料フィルタ32の
入口は、第3管路43を介してフィードポンプ31の出
口に接続されている。
【0021】燃料噴射ポンプ本体33において、複数の
燃料噴射ポンプエレメント331は、ハウジング332
内に収納されており、このハウジング332内には、燃
料噴射ポンプエレメント331を駆動する図示しないカ
ムシャフトも収納されている。燃料噴射ポンプエレメン
ト331は、ディーゼルエンジン30が有するシリンダ
数に対応した数だけ設けられ、これら燃料噴射ポンプエ
レメント331が、複数の燃料噴射ノズル(図示せず)
にそれぞれエマルジョン燃料を圧送することで、各シリ
ンダ内にエマルジョン燃料が噴射されるようになってい
る。ハウジング332には、燃料噴射ポンプエレメント
331にエマルジョン燃料を供給するための燃料供給流
路332Aが形成されている。この燃料供給流路332
Aの入口332Bは、第4管路44を介して燃料フィル
タ32の出口に接続され、燃料供給流路332Aの出口
332Cは、戻り流路としての第5管路45を介して燃
料供給用タンク20に接続されている。
【0022】このような燃料噴射ポンプ本体33の構成
において、フィードポンプ31によって圧送されたエマ
ルジョン燃料は、燃料フィルタ32を通って、入口33
2Bから燃料供給流路332Aに入り、各燃料噴射ポン
プエレメント331に供給される。燃料噴射ポンプエレ
メント331に供給された燃料は、その一部が燃料噴射
ポンプエレメント331に圧送されて燃料噴射ノズルか
らシリンダ(気筒)内に噴射され、他の一部が燃料噴射
ポンプエレメント331のプランジャバレル内からオー
バーフローして燃料供給流路332Aに戻される。再び
燃料供給流路332Aに戻された戻り燃料(オーバーフ
ロー燃料)は、出口332Cから排出され、第5管路4
5を通って燃料供給用タンク20内に供給される。ここ
で、本実施形態では、第5管路45を介して燃料供給用
タンク20内に戻される燃料の量(戻り燃料の量)は、
たとえば、全ての燃料噴射ノズルからシリンダ内に噴射
される燃料の量の約1〜2倍となっている。なお、戻り
燃料の量は、前述した数値に限定されるものではなく、
たとえば燃料供給用タンク20の大きさや、戻り燃料の
温度等に応じて適宜設定されればよい。
【0023】上述したディーゼルエンジン30からの戻
り燃料の温度、すなわち燃料供給流路332Aの出口3
32Cでの燃料温度は、入口331Bでの燃料温度より
も約20℃〜30℃高くなっており、この燃料の温度上
昇の2つの主な理由を以下に説明する。燃料噴射ポンプ
エレメント331では、たとえばカムシャフトから得た
駆動力によってプランジャバレル内でプランジャが上下
動されており、プランジャが上昇する際にプランジャバ
レル内の燃料が燃料噴射ノズルに圧送されてシリンダ内
に噴射されるようになっている。噴射の最終時にプラン
ジャバレル内に残った高圧状態の燃料は、急に低圧な燃
料供給流路332Aに排出されるので、当該燃料供給流
路332Aに高速で噴出される。このため、燃料供給流
路332A内の燃料が内部摩擦により発熱して温度上昇
し、これにより、燃料供給流路332Aの出口332C
での燃料の温度が上昇する。また、燃料噴射ポンプ本体
33のハウジング332内に収納されたカムシャフトや
軸受け等の駆動部は潤滑油によって潤滑されているか
ら、この潤滑油の温度(たとえば80℃前後)によっ
て、燃料噴射ポンプ本体33が温められて温度上昇し、
この燃料噴射ポンプ本体33の熱によって燃料供給流路
332A内の燃料が加熱されて温度上昇する。上述した
2つの主な理由によって温度上昇した燃料を、燃料供給
流路332Aの出口332Cおよび第5管路45を介し
て燃料供給用タンク20内に戻しているので、燃料供給
用タンク20内のエマルジョン燃料が温められて凍結が
防止される。なお、上記2つの燃料温度上昇の理由のう
ち、前者の方が燃料の温度上昇への影響度が大きい。
【0024】次に、本実施形態の作用を説明する。エマ
ルジョン燃料製造装置10で製造されたエマルジョン燃
料は、燃料供給用タンク20内に貯留される。ディーゼ
ルエンジン30が始動すると、燃料供給用タンク20内
のエマルジョン燃料がフィードポンプ31によって吸入
されて各燃料噴射ポンプエレメント331に供給され
る。各燃料噴射ポンプエレメント331からオーバーフ
ローしたエマルジョン燃料(戻り燃料)は、再び燃料供
給流路332Aに高速で戻されて出口332Cから排出
され、第5管路45を通って燃料供給用タンク20内に
供給される。このように、ディーゼルエンジン30の作
動時では、燃料供給用タンク20内に常に燃料噴射系統
30Bからの高温の戻り燃料が供給されているから、寒
冷時において燃料供給用タンク20内のエマルジョン燃
料の凍結を防止できるようになる。また、ディーゼルエ
ンジン30の停止時では、燃料供給用タンク20に設け
られたヒータ21を用いることでエマルジョン燃料の凍
結を防止できるようになる。なお、本実施形態では、燃
料噴射ポンプエレメント331からの戻り燃料のみを燃
料供給用タンク20に戻しているが、たとえば、図示し
ない燃料噴射ノズルからの戻り燃料も燃料供給用タンク
20に戻すようにしてもよい。このような場合、独立し
た配管を用いて戻り燃料を燃料供給用タンク20内に戻
すようにしてもよく、または、燃料噴射ノズルに接続さ
れるとともに第5管路45に合流する配管を用いて戻り
燃料を戻すようにしてもよい。
【0025】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。 (1)エマルジョン燃料供給システム1において、燃料
供給用タンク20と、第5管路45とを設け、ディーゼ
ルエンジン30からの戻り燃料を燃料供給用タンク20
内に戻すように構成したから、燃料供給用タンク20内
のエマルジョン燃料をディーゼルエンジン30からの戻
り燃料によって常に温めることができ、燃料供給用タン
ク20内のエマルジョン燃料の凍結を防止できる。これ
により燃料供給用タンク20を温めるヒータ21を小さ
くでき、省スペース化を図ることができる。また、従来
は、ディーゼルエンジン30のフィードポンプ31に戻
していた戻り燃料を利用しているので、不凍液を用いた
場合よりも燃料コストが抑えることができる。さらに、
電力を用いずに燃料供給用タンク20内のエマルジョン
燃料を保温しているので、従来のエマルジョン燃料供給
システムと略同等の防災設備を備えればよく、エマルジ
ョン燃料の凍結防止にかかるコストを抑えることができ
る。
【0026】(2)燃料供給用タンク20をエマルジョ
ン燃料製造装置10とディーゼルエンジン30との間に
設置したので、たとえば、エマルジョン燃料製造装置1
0のみからなる従来のエマルジョン燃料供給システムに
燃料供給用タンク20および第5管路を設ければ、本発
明に係るエマルジョン燃料供給システム1を構成でき、
コストを抑えることができる。
【0027】(3)燃料供給用タンク20の容量を、デ
ィーゼルエンジン30からの戻り燃料の熱量によって少
なくとも凍結しない程度に温められる大きさとしたの
で、寒冷時における燃料供給用タンク20内のエマルジ
ョン燃料の凍結を確実に防止できるうえ、燃料供給用タ
ンク20に設けたヒータ21を小さなものですますこと
ができ、経済的である。
【0028】(4)燃料供給用タンク20にヒータ21
を設けたので、ディーゼルエンジン30の停止時におい
てもエマルジョン燃料の凍結を確実に防止できる。
【0029】[第2実施形態]図2には、本発明の第2
実施形態に係るシステムが示され、このシステムは、エ
マルジョン燃料供給システム2と、このエマルジョン燃
料供給システム2から供給されるエマルジョン燃料を利
用するディーゼルエンジン30とを備えている。ここ
で、本実施形態のシステムは、前述した第1実施形態の
システムとエマルジョン燃料供給システムが異なるのみ
で、このエマルジョン燃料供給システムからエマルジョ
ン燃料が供給されるディーゼルエンジンは略同様な構成
であるから、同符号を付してその説明を省略する。
【0030】まず、エマルジョン燃料供給システム2の
概略について説明する。エマルジョン燃料供給システム
2は、エマルジョン燃料を製造するエマルジョン燃料製
造装置50と、このエマルジョン燃料製造装置50に第
1燃料供給用タンク61および第2燃料供給用タンク6
2とを含んで構成されている。第1燃料供給用タンク6
1および第2燃料供給用タンク62は、エマルジョン燃
料製造装置50で製造されたエマルジョン燃料の貯留が
可能となっているとともに、エマルジョン燃料の原料と
なる水、燃料、および界面活性剤が投入されてこれら原
料のエマルジョン燃料製造装置50への供給が可能とな
っている。つまり、エマルジョン燃料製造装置50は、
第1および第2燃料供給用タンク61,62から供給さ
れた原料からエマルジョン燃料を製造し、製造したエマ
ルジョン燃料を第1および第2燃料供給用タンク61,
62に貯留している。エマルジョン燃料供給システム2
では、このようにして製造されたエマルジョン燃料をデ
ィーゼルエンジン30に供給している。
【0031】次に、エマルジョン燃料供給システム2の
各構成について詳細に説明する。第1燃料供給用タンク
61および第2燃料供給用タンク62は、前述の第1実
施形態の燃料供給用タンク20と同様に、内部のエマル
ジョン燃料がディーゼルエンジン30からの戻り燃料の
熱量によって少なくとも凍結しない程度に温められる大
きさの容量とされている。第1燃料供給用タンク61の
出口には、第1原料供給用管路611を介してエマルジ
ョン燃料製造装置50が接続されているとともに、第1
燃料供給用管路612を介してディーゼルエンジン30
のフィードポンプ31の入口が接続されている。これら
第1原料供給用管路611および第1燃料供給用管路6
12の途中には、それぞれ第1開閉弁611Aおよび第
2開閉弁612Aが設けられている。また、第1燃料供
給用タンク61の入口には、第1燃料貯留用管路613
を介してエマルジョン燃料製造装置50が接続されてい
るとともに、戻り流路としての第1戻り燃料供給用管路
614を介してディーゼルエンジン30の燃料供給流路
332Aの出口332Cが接続されている。これら第1
燃料貯留用管路613および第1戻り燃料供給用管路6
14の途中にも、それぞれ第3開閉弁613Aおよび第
4開閉弁614Aが設けられている。
【0032】第2燃料供給用タンク62の入口および出
口も、第1燃料供給用タンク61と同様に、それぞれ第
2原料供給用管路621、第2燃料供給用管路622、
第2燃料貯留用管路623、および戻り流路としての第
2戻り燃料供給用管路624を介してエマルジョン燃料
製造装置50およびディーゼルエンジン30に接続され
ており、これら管路621〜624の途中には、それぞ
れ第5〜第8開閉弁621A〜624Aが設けられてい
る。
【0033】ここで、第1燃料供給用タンク61に接続
された各管路611〜614の第1〜第4開閉弁611
A〜614A、および第2燃料供給用タンク62に接続
された各管路621〜624の第5〜第8開閉弁621
A〜624Aの開閉動作は、コントローラ70によって
制御できるようになっている。このコントローラ70
は、図示は省略するが、第1燃料供給用タンク61およ
び第2燃料供給用タンク62にそれぞれ設けられた各液
面センサからの入力信号によって作動するようになって
おり、各液面センサは、各タンク61,62内の液面高
さが予め設定した高さよりも低くなったとき、つまり、
内部のエマルジョン燃料が少なくなったときに信号をコ
ントローラ70に出力するようになっている。なお、本
発明の第1切換手段は、コントローラ70と、第3およ
び第7開閉弁613A,623Aとを含んで構成され、
本発明の第2切換手段は、コントローラ70と、第2お
よび第6開閉弁612A,622Aとを含んで構成さ
れ、本発明の第3切換手段は、コントローラ70と、第
4および第8開閉弁614A,624Aとを含んで構成
されている。
【0034】エマルジョン燃料製造装置50は、前述の
第1実施形態におけるエマルジョン燃料製造装置10と
略同様のものであり、供給された適量ずつの複数の液
体、たとえば水、燃料(たとえば軽油、灯油、A重油
等)、および界面活性剤を乳化状態に混合して水エマル
ジョン燃料を製造するものである。エマルジョン燃料製
造装置50は、循環ポンプ51と、乳化手段52とを含
んで構成されている。循環ポンプ51は、第1燃料供給
用タンク61および第2燃料供給用タンク62から原料
を吸入して乳化手段52まで圧送するとともに、乳化手
段52で製造されたエマルジョン燃料をさらに第1燃料
供給用タンク61および第2燃料供給用タンク62まで
圧送するものである。循環ポンプ51の入口には、前述
した第1および第2原料供給用管路611,621が接
続されて、循環ポンプ51の出口には、乳化手段52が
接続されている。乳化手段52は、循環ポンプ51から
圧送された混合液を、乳化状態に混合するものであり、
図示は省略するが、このような乳化手段52としては、
たとえば、高速回転のミキサー装置や、混合液を高速で
噴射して流体摩擦を生じさせることで乳化状態に混合す
る装置等が挙げられる。
【0035】次に、コントローラ70の動作を図3のフ
ローチャートを参照しながら説明し、この説明に伴って
本実施形態の作用を説明する。まず、作業者がエマルジ
ョン燃料供給システム2およびディーゼルエンジン30
を始動させると、第1および第2燃料供給用タンク6
1,62のうち、一方にエマルジョン燃料製造装置50
で製造したエマルジョン燃料が貯留され始め、他方から
ディーゼルエンジン30にエマルジョン燃料が供給され
始める。このとき、コントローラ70は、第1および第
2燃料供給用タンク61,62の各液面センサからの入
力信号の監視が開始され(S1)、各燃料供給用タンク
61,62からの入力信号が入るまで待機状態となる。
【0036】エマルジョン燃料の製造にあたっては、図
示しない原料供給装置から水、燃料、および界面活性剤
が第1燃料供給用タンク61または第2燃料供給用タン
ク62に供給される。なお、原料供給装置は、たとえば
水、燃料、界面活性剤の混合液に旋回流を与えながら当
該混合液を第1燃料供給用タンク61または第2燃料供
給用タンク62に供給するものであってもよい。ここ
で、たとえば第1燃料供給用タンク61に製造した燃料
が貯留されるようになっている場合には、第1および第
3開閉弁611A,613Aが開いていて、第2および
第4開閉弁612A,614Aが閉じている。第1燃料
供給用タンク61から第1原料供給用管路611を介し
て、エマルジョン燃料製造装置50に原料が供給される
と、これら原料が乳化手段52で混合されてエマルジョ
ン燃料となり、このエマルジョン燃料は第1燃料貯留用
管路613を介して第1燃料供給用タンク61に貯留さ
れる。
【0037】一方、エマルジョン燃料の供給にあたって
は、第1燃料供給用タンク61または第2燃料供給用タ
ンク62内にあるエマルジョン燃料が、それぞれ第1ま
たは第2燃料供給用管路612,622を介してディー
ゼルエンジン30に供給される。ここで、たとえば第2
燃料供給用タンク62内のエマルジョン燃料がディーゼ
ルエンジン30に供給されるようになっている場合に
は、第6および第8開閉弁622A,624Aが開いて
いて、第5および第7開閉弁621A,623Aが閉じ
ていて、ディーゼルエンジン30からの戻り燃料が第2
燃料供給用タンク62内に供給される。
【0038】第1燃料供給用タンク61の液面センサか
らの信号が入力されると(S2)、すなわちディーゼル
エンジン30にエマルジョン燃料を供給している第1燃
料供給用タンク61内の燃料が少なくなってくると、第
1・第3・第6・第8開閉弁611A,613A,62
2A,624Aに開動作信号および第2・第4・第5・
第7開閉弁612A,614A,621A,623Aに
閉動作信号が出力されて(S3)、各開閉弁611A,
613A,622A,624Aが開くとともに、各開閉
弁612A,614A,621A,623Aが閉じる。
つまり、第2燃料供給用タンク62がディーゼルエンジ
ン30へのエマルジョン燃料の供給元となり、第1燃料
供給用タンク61がエマルジョン燃料製造装置50のエ
マルジョン燃料の貯留先となる。また、第4開閉弁61
4Aが閉じているとともに、第8開閉弁624Aが開い
ているから、ディーゼルエンジン30からの戻り燃料が
第2戻り燃料供給用管路624を通って第2燃料供給用
タンク62内に供給される。
【0039】上述した信号出力(S3)の後、または、
第1燃料供給用タンク61の液面センサからの信号の入
力がない場合(S2)、第2燃料供給用タンク62の液
面センサからの信号が入力されると(S4)、すなわち
ディーゼルエンジン30にエマルジョン燃料を供給して
いる第2燃料供給用タンク62内の燃料が少なくなって
くると、第1・第3・第6・第8開閉弁611A,61
3A,622A,624Aに閉動作信号および第2・第
4・第5・第7開閉弁612A,614A,621A,
623Aに開動作信号が出力されて(S5)、各開閉弁
611A,613A,622A,624Aが閉まるとと
もに、各開閉弁612A,614A,621A,623
Aが開く。つまり、第1燃料供給用タンク61がディー
ゼルエンジン30へのエマルジョン燃料の供給元とな
り、第2燃料供給用タンク62がエマルジョン燃料製造
装置50のエマルジョン燃料の貯留先となる。また、第
4開閉弁614Aが開いているとともに、第8開閉弁6
24Aが閉じているから、ディーゼルエンジン30から
の戻り燃料が第1戻り燃料供給用管路614を通って第
1燃料供給用タンク61内に供給される。
【0040】上述した信号出力(S5)の後、または、
第1燃料供給用タンク61の液面センサからの信号の入
力がない場合(S4)、液面センサ監視の終了信号が入
力されると(S6)、監視が終了できるようになってい
る。一方、終了信号が入力されないと(S6)、引き続
いて、第1燃料供給用タンク61および第2燃料供給用
タンク62の各液面センサからの出力信号が入るまで待
機状態となる。
【0041】上述のような本実施形態によれば、前述の
第1実施形態の効果(1)〜(4)に加えて、次のよう
な効果がある。 (5)エマルジョン燃料供給システム2において、第1
および第2戻り燃料供給用管路614,624、コント
ローラ70、第4および第8開閉弁614A,624A
によって、第1および第2燃料供給用タンク61,62
のうち、供給元となっている燃料供給用タンクに常に戻
り燃料を戻すように構成したから、すぐに必要とする供
給元の燃料供給用タンク内の燃料凍結を確実に防止でき
る。また、エマルジョン燃料供給システム2には、2つ
の第1および第2燃料供給用タンク61,62が備えら
れているので、1つのタンクでエマルジョン燃料を貯留
してディーゼルエンジン30に供給する場合と異なっ
て、各燃料供給用タンク61,62自体の容量を小さく
でき、エマルジョン燃料の凍結をより効果的に防止でき
る。
【0042】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。たとえば、
前記第1実施形態では、燃料供給用タンク20に保温の
ためのヒータ21を設けたが、これに限らず、たとえば
燃料供給用タンク20を断熱材で覆ってもよく、また
は、他の保温手段により燃料供給用タンク20を保温す
るようにしてもよく、このようにすれば、ディーゼルエ
ンジン30の停止時、つまり戻り燃料が供給されない時
においても燃料供給用タンク20内のエマルジョン燃料
の凍結を防止できる。特に、断熱材で燃料供給用タンク
20を覆った場合には、電力等を用いないから省力化を
図ることができる。また、前記第2実施形態において、
第1および第2燃料供給用タンク61,62には上述の
ような保温手段を設けてないが、設けてもよく、このよ
うな場合も本発明に含まれる。なお、本発明に係る燃料
供給用タンクには、上述のような保温手段を必ずしも設
ける必要はなく、設けられない場合であっても本発明に
含まれる。
【0043】前記第1実施形態では、燃料供給用タンク
20の上流側にエマルジョン燃料製造装置10が配置さ
れていたが、エマルジョン燃料製造装置10の代わり
に、たとえば購入してきたエマルジョン燃料を貯留して
おく燃料貯留用タンクを設けてもよく、このような場合
は、大量のエマルジョン燃料を貯留しておくことができ
る。また、エマルジョン燃料製造装置10と燃料供給用
タンク20との間に燃料貯留用タンクを配置してもよ
い。このような場合、エマルジョン燃料製造装置10で
製造したエマルジョン燃料を燃料貯留用タンク内に貯留
し、この燃料貯留用タンクからディーゼルエンジン30
に必要な量だけエマルジョン燃料を燃料供給用タンク2
0に供給すれば、燃料供給用タンク20内に貯留するエ
マルジョン燃料の量を少なくでき、戻り燃料による凍結
防止をより効果的に行うことができる。
【0044】前記第2実施形態では、エマルジョン燃料
供給システム2に、第1および第2燃料供給用タンク6
1,62の2つの燃料供給用タンクを設けたが、3つ以
上の燃料供給用タンクを設けてもよい。このような場
合、エマルジョン燃料製造装置50の貯留先のタンクの
数を増やしたり、ディーゼルエンジン30の供給元のタ
ンクの数を増やしたりすることで、エマルジョン燃料製
造装置50の燃料製造量と、ディーゼルエンジン30の
燃料消費量とのバランス調整が容易にできるようにな
る。
【0045】前記各実施形態では、各燃料供給用タンク
20,61,62の容量を、内部のエマルジョン燃料が
ディーゼルエンジン30からの戻り燃料の熱量によって
少なくとも凍結しない程度に温められる大きさとした
が、本発明に係る燃料供給用タンクはこれに限定される
ものではなく、より大きな容量を有する燃料供給用タン
クであってもよい。このような場合、燃料供給用タンク
内のエマルジョン燃料の凍結を確実に防止するために、
タンクにヒータを設けたり、タンクを断熱材で覆ったり
してもよく、当該タンクのエマルジョン燃料は戻り燃料
による熱量によっても温められているのでヒータの小型
化または断熱材の少量化が図れ、経済的である。
【0046】前記各実施形態では、内燃機関として、デ
ィーゼルエンジン30を挙げたが、本発明に係る内燃機
関はこれに限定されるものではなく、たとえばガソリン
エンジン等であってもよく、要するに、エマルジョン燃
料を利用する内燃機関であればよい。
【0047】
【発明の効果】本発明のエマルジョン燃料供給システム
によれば、屋内設置スペースをとらずに、かつ、安価に
エマルジョン燃料の凍結を防止できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエマルジョン燃料
供給システムおよびディーゼルエンジンを示す概略図で
ある。
【図2】本発明の第2実施形態に係るエマルジョン燃料
供給システムおよびディーゼルエンジンを示す概略図で
ある。
【図3】前記実施形態における作用を説明するためのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1,2 エマルジョン燃料供給システム 30 内燃機関であるディーゼルエンジン 20,61,62 燃料供給用タンク 30B 燃料噴射系統 10,50 エマルジョン燃料製造装置 45,614,624 戻り流路である第5管路、第1
および第2戻り燃料供給用管路 70,613A,623A 第1切換手段であるコント
ローラ、第3および第7開閉弁 70,612A,622A 第2切換手段であるコント
ローラ、第2および第6開閉弁 70,614A,624A 第3切換手段であるコント
ローラ、第4および第8開閉弁 21 ヒータ
フロントページの続き Fターム(参考) 3G092 AA02 AA06 AB03 AB04 AB15 AB17 BB20 DE03S DE05S DE12S DE13S DE14S DE17S DE18S DF09 DG01 FA17 FA18 FA41 FA50 HB04X HB05X HB09Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関にエマルジョン燃料を供給する
    エマルジョン燃料供給システムであって、 前記内燃機関に供給されるエマルジョン燃料を貯留する
    燃料供給用タンクを備え、 前記内燃機関の燃料噴射系統からの戻り燃料を前記燃料
    供給用タンクに戻す戻り流路が設けられていることを特
    徴とするエマルジョン燃料供給システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエマルジョン燃料供給
    システムにおいて、 前記燃料供給用タンク内に貯留されるエマルジョン燃料
    を製造するエマルジョン燃料製造装置、 またはエマルジョン燃料を貯留するとともに前記燃料供
    給用タンクに供給可能な燃料貯留用タンクが、 前記燃料供給用タンクの上流側に配置されていることを
    特徴とするエマルジョン燃料供給システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のエマルジョン燃料供給
    システムにおいて、 前記エマルジョン燃料を製造するエマルジョン燃料製造
    装置と、 このエマルジョン製造装置で製造したエマルジョン燃料
    を貯留するとともに前記燃料供給用タンクに供給可能な
    燃料貯留用タンクとが、 前記燃料供給用タンクの上流側に配置されていることを
    特徴とするエマルジョン燃料供給システム。
  4. 【請求項4】 内燃機関にエマルジョン燃料を供給する
    エマルジョン燃料供給システムであって、 前記エマルジョン燃料を製造するエマルジョン燃料製造
    装置と、 前記エマルジョン燃料製造装置で製造されたエマルジョ
    ン燃料を貯留するとともに当該エマルジョン燃料を前記
    内燃機関に供給可能な複数の燃料供給用タンクとを備
    え、 前記エマルジョン燃料製造装置で製造されたエマルジョ
    ン燃料の貯留先を切り換える第1切換手段と、 前記内燃機関へ供給されるエマルジョン燃料の供給元を
    切り換える第2切換手段とを備え、 前記エマルジョン燃料製造装置のエマルジョン燃料の貯
    留先となっている燃料供給用タンクと、前記内燃機関の
    エマルジョン燃料の供給元となっている燃料供給用タン
    クとが異なっており、 前記供給元となっている燃料供給用タンクに、前記内燃
    機関の燃料噴射系統からの戻り燃料を戻す戻り流路と、 前記第2切換手段によって前記エマルジョン燃料の供給
    元が切り換えられる際に前記戻り流路を切り換える第3
    切換手段とが設けられていることを特徴とするエマルジ
    ョン燃料供給システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のエマルジョン燃料供給システムにおいて、 前記燃料供給用タンクの容量は、内部のエマルジョン燃
    料が前記戻り燃料の熱量によって少なくとも凍結しない
    程度に温められる大きさであることを特徴とするエマル
    ジョン燃料供給システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のエマルジョン燃料供給システムにおいて、 前記燃料供給用タンクは、断熱材で覆われていることを
    特徴とするエマルジョン燃料供給システム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載のエマルジョン燃料供給システムにおいて、 前記燃料供給用タンクには、ヒータが設けられているこ
    とを特徴とするエマルジョン燃料供給システム。
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