JP2002167241A - ガラスパネルの製造方法 - Google Patents

ガラスパネルの製造方法

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JP2002167241A
JP2002167241A JP2000365404A JP2000365404A JP2002167241A JP 2002167241 A JP2002167241 A JP 2002167241A JP 2000365404 A JP2000365404 A JP 2000365404A JP 2000365404 A JP2000365404 A JP 2000365404A JP 2002167241 A JP2002167241 A JP 2002167241A
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peripheral portion
solder
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glass
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English (en)
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Shinjiro Doken
新二郎 堂見
Shigeki Nakagaki
茂樹 中垣
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先行して周縁部に導入してある金属材料と、
後続して周縁部に導入する金属材料とを、気密性を損な
うおそれが少ない状態で融合できるようにする。 【解決手段】 板面を互いに対向させてある一対の板ガ
ラス1A,1B間にスペーサを介在させて間隙部を形成
し、溶融状態の金属材料3を間隙部に差し込んだ導入部
材5でその周縁部に導入しながら、導入部材を周縁部に
沿って移動させて、周縁部に導入した金属材料で板ガラ
ス同士を接合し、間隙部を気密に封止してあるガラスパ
ネルの製造方法であって、周縁部のうちの金属材料を先
行して導入してある先行導入範囲Eの少なくとも一端側
の金属材料が軟化している状態で、その軟化している金
属材料に導入部材を入り込ませることによって、先行導
入範囲に導入してある金属材料と、その先行導入範囲に
隣接する周縁部に後続して導入する金属材料とを融合さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板面を互いに対向
させてある一対の板ガラス間にスペーサを介在させて間
隙部を形成し、溶融状態の金属材料を前記間隙部に差し
込んだ導入部材でその間隙部のうちの周縁部に導入しな
がら、前記導入部材をその周縁部に沿って移動させて、
前記周縁部に導入した金属材料で板ガラス同士を接合
し、前記間隙部を気密に封止してあるガラスパネルの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記ガラスパネルの製造方法では、例え
ば、導入部材を周縁部の全周に亘って一連に移動させ
て、その周縁部に導入した金属材料で間隙部を全周に亘
って気密に封止する場合や、導入部材を周縁部の所定範
囲毎に各別に移動させて、金属材料を所定範囲ごとに分
けて周縁部に導入する場合に、先行して周縁部に導入し
てある金属材料と、後続して周縁部に導入する金属材料
とを確実に融合させる必要がある。このため、従来、周
縁部のうちの金属材料を先行して導入してある先行導入
範囲に隣接する周縁部に金属材料を後続して導入すると
きに、後続して導入する溶融状態の金属材料が先行導入
範囲に導入してある硬化状態の金属材料にちょうど接触
した状態となるように導入部材を移動させている。
【0003】尚、本発明における金属材料の「軟化」状
態とは前記金属材料がその液相線温度以上の温度に保持
され完全に液相となっている「溶融」状態だけではな
く、固相線温度より高く液相線温度未満の温度に保持さ
れ、前記溶融状態よりも粘度の高い状態も含む。つまり
固相線温度より高い温度に保持され、完全には固化して
いない状態を指す。また本発明における金属材料の「硬
化」状態とは前記金属材料がその固相線温度以下の温度
に保持され完全に固化し、固相となっている状態を指
す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属材
料の表面に金属酸化物が生成されている場合は、溶融状
態の金属材料が硬化状態の金属材料にちょうど接触した
状態となるように導入部材を移動させても、先行導入範
囲の金属材料と後続して導入した金属材料との界面に金
属酸化物が介在して、気密性を損なうおそれがあり、ま
た、導入部材が硬化状態の金属材料に強く接触すると、
その硬化状態の金属材料が板ガラスから剥離して、かえ
って気密性を損なうおそれがある。本発明は上記実情に
鑑みてなされたものであって、先行して周縁部に導入し
てある金属材料と、後続して周縁部に導入する金属材料
とを、気密性を損なうおそれが少ない状態で融合できる
ようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の特
徴構成は、板面を互いに対向させてある一対の板ガラス
間にスペーサを介在させて間隙部を形成し、溶融状態の
金属材料を前記間隙部に差し込んだ導入部材でその間隙
部のうちの周縁部に導入しながら、前記導入部材をその
周縁部に沿って移動させて、前記周縁部に導入した金属
材料で板ガラス同士を接合し、前記間隙部を気密に封止
してあるガラスパネルの製造方法であって、前記周縁部
のうちの金属材料を先行して導入してある先行導入範囲
の少なくとも一端側の金属材料が軟化している状態で、
その軟化している部分に前記導入部材を入り込ませるこ
とによって、前記先行導入範囲に導入してある金属材料
と、その先行導入範囲に隣接する周縁部に後続して導入
する金属材料とを融合させる点にある。 〔作用〕先行導入範囲の少なくとも一端側の金属材料が
軟化している状態で、その軟化している金属材料に導入
部材を入り込ませることによって、金属材料の表面に金
属酸化物が生成されていても、その金属酸化物の全部又
は一部を、溶融状態の金属材料や軟化状態の金属材料の
内部に導入部材で取り込みながら、先行導入範囲に導入
してある金属材料と、その先行導入範囲に隣接する周縁
部に後続して導入する金属材料とを融合させる。 〔効果〕金属材料の表面に金属酸化物が生成されていて
も、先行導入範囲に導入してある金属材料と後続して導
入する金属材料との界面に金属酸化物が介在するおそれ
が少なくなるので、先行して周縁部に導入してある金属
材料と、後続して周縁部に導入する金属材料とを、気密
性を損なうおそれが少ない状態で融合できる。
【0006】請求項2記載の発明の特徴構成は、前記導
入部材を、前記先行導入範囲の一端側の軟化している金
属材料中を通して、前記周縁部の内外に亘って移動させ
る点にある。 〔作用〕先行導入範囲に隣接する周縁部に沿って移動さ
せた導入部材を、先行導入範囲の一端側の軟化している
金属材料中を通して、周縁部の外側に引き出したり、導
入部材を、周縁部の外側から先行導入範囲の一端側の軟
化している金属材料中を通して、先行導入範囲に隣接す
る周縁部に沿って移動させたりすることができる。 〔効果〕先行導入範囲の一端側の軟化している金属材料
中を通過する導入部材により、先行して周縁部に導入し
てある軟化状態の金属材料と、後続して周縁部に導入す
る溶融状態の金属材料とをともに流動させながら攪拌し
て、効果的に融合させることができる。
【0007】請求項3記載の発明の特徴構成は、前記先
行導入範囲の一端側に溶融状態で導入した金属材料が硬
化する前に、その金属材料に前記導入部材を入り込ませ
る点にある。 〔作用〕先行導入範囲の一端側の金属材料を別途軟化状
態にさせる必要がなく、その金属材料に導入部材を入り
込ませることができる。 〔効果〕軟化用の特別な加熱装置を使用したり、熱エネ
ルギーを消費することなく、導入部材を先行導入範囲の
一端側の金属材料に簡便に入り込ませることができる。
【0008】請求項4記載の発明の特徴構成は、既に硬
化した前記先行導入範囲の一端側の金属材料を再度軟化
させた状態にして、その金属材料に前記導入部材を入り
込ませる点にある。 〔作用〕先行導入範囲の一端側の、導入部材を入り込ま
せようとしている金属材料が既に硬化しているときは、
その金属材料を再度軟化させた状態にして、その軟化さ
せた金属材料に導入部材を入り込ませる。 〔効果〕先行導入範囲の一端側の金属材料に導入部材を
入り込ませるタイミングを任意に設定することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 〔第1実施形態〕図1は、板面を互いに対向させてある
寸法形状が略同じ一対の矩形板ガラス1A,1B間にイ
ンコネル718製のスペーサ2を介在させて間隙部Vを
形成し、間隙部Vのうちの周縁部V1に全周に亘って充
填した金属材料としてのはんだ3で、その間隙部V1を
気密に封止してあるガラスパネルPを示す。
【0010】前記両板ガラス1A,1Bは厚みが約3m
mの透明フロート板ガラスで構成してあり、外周端面4
を揃えて対向させた両板ガラス1A,1B間に高さが
0.2mm程度で直径が0.5mm程度のスペーサ2を
介在させ、間隙部Vを1.0×10-2Pa以下に減圧し
て、いわゆる真空複層ガラスを構成してある。
【0011】前記ガラスパネルPの製造方法を以下に説
明する。図2に示すように、約20mmの間隔で配置し
たスペーサ2を挟んで、二枚の板ガラス1A,1Bをそ
の外周端面4を揃えて上下に重ね合わせておく。尚、各
板ガラス1A,1Bの歪点(ガラスの粘度が4×1014
poise の時の温度) は約500℃である。
【0012】次に、重ね合わせた二枚の板ガラス1A,
1Bを、予め、180℃程度に加熱しておき、図3,図
4に示すように、間隙部Vに差し込んだ導入部材5でそ
の間隙部Vのうちの周縁部V1に溶融状態のはんだ3を
導入しながら、導入部材5をその周縁部V1に沿って移
動させて、周縁部V1の全周に亘ってはんだ3を導入し
た後、常温まで冷却し、一方の板ガラス1Aに形成した
貫通孔を通して間隙部Vを真空ポンプなどで吸引して、
その間隙部Vを減圧する。
【0013】尚、はんだ3は、Sn90.85%,Zn
9.0%,Ti0.15%の組成(重量%) からなり、
このはんだ3の液相線温度(低温側から昇温した時にそ
の金属が完全に液相になる温度) は、215℃である。
【0014】前記導入部材5は、図5に示すように、ス
テンレス鋼製の厚さ0.1mmの板材の移動方向に離れ
た二箇所を移動方向に直交する方向に沿って一連の断面
V字形の波状に屈曲させたもので、各屈曲部位の外周側
を周縁部V1に臨む両板ガラス1A,1Bの板面6に対
して接触する接触部7に形成するとともに、各凹入面を
溶融状態のはんだ3を貯留する貯留部8に形成して、貯
留部8を接触部7に対して移動方向の前後に隣り合わせ
て設けてあり、はんだ3を電気加熱して溶解する溶解槽
9内の溶融状態のはんだ3が、導入部材7の上下両面に
沿って溶解槽9外に自重で流れ出るように、溶解槽9の
下端部に連通接続したはんだ排出筒10の内側に挿入し
てある。
【0015】そして、図6に示すように、導入部材5を
約5mmの差込深さで間隙部Vに差し込んで、各接触部
7を両板ガラス1A,1Bの板面6に擦り付けながら、
導入部材5を溶解槽9ごと周縁部V1に沿って移動させ
て、貯留部8に貯留してある溶融状態のはんだ3を外周
端面4から約5mmの幅で板面6に接着させるようにし
てある。
【0016】図7は、導入部材5を周縁部V1に沿って
移動させる移動順を示し、以下、両板ガラス1A,1B
の四隅を順にA点,B点,C点,D点といい、A点とB
点とに亘る周縁部V1をAB周縁部Vab、B点とC点
とに亘る周縁部V1をBC周縁部Vbc、C点とD点と
に亘る周縁部V1をCD周縁部Vcd、D点とA点とに
亘る周縁部V1をDA周縁部Vdaという。
【0017】つまり、図7(イ) に示すように、A点の
DA周縁部Vda側から間隙部Vに差し込んだ導入部材
5をAB周縁部Vabに沿ってB点に向けて移動させ、
B点のBC周縁部Vbc側に抜き出すことにより、溶融
状態のはんだ3をそのAB周縁部Vabに全長に亘って
導入する。
【0018】次に、図7(ロ) に示すように、D点のC
D周縁部Vcd側から間隙部Vに差し込んだ導入部材5
をDA周縁部Vdaに沿ってA点に向けて移動させるの
であるが、導入部材5がA点に移動するまでに、先行し
てはんだ3を導入してある先行導入範囲EであるAB周
縁部Vabに導入したはんだ3が硬化するので、先行導
入範囲(AB周縁部Vab) Eに導入したはんだ3のう
ちのA点側のはんだ3をバーナーや電気ヒータなどで再
度加熱溶融し、その溶融しているはんだ3に導入部材5
を先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eの外側から、つ
まり、DA周縁部Vda側から入り込ませて、そのはん
だ3中を通して、A点のAB周縁部Vab側に抜き出す
ことにより、先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eに導
入してあるはんだ3と、その先行導入範囲(AB周縁部
Vab) Eに隣接するDA周縁部Vdaに後続して導入
するはんだ3とを融合させる。
【0019】次に、図7(ハ) に示すように、C点のC
D周縁部Vcd側から間隙部Vに差し込んだ導入部材5
をBC周縁部Vbcに沿ってB点に向けて移動させる。
このときは、先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eに導
入したはんだ3が硬化しているので、先行導入範囲(A
B周縁部Vab) Eに導入したはんだ3のうちのB点側
のはんだ3を再度加熱溶融し、その溶融しているはんだ
3に導入部材5を先行導入範囲(AB周縁部Vab) E
の外側から、つまり、BC周縁部Vbc側から入り込ま
せて、そのはんだ3中を通して、B点のAB周縁部Va
b側に抜き出すことにより、先行導入範囲(AB周縁部
Vab) Eに導入してあるはんだ3と、その先行導入範
囲(AB周縁部Vab) Eに隣接するBC周縁部Vbc
に後続して導入するはんだ3とを融合させる。
【0020】次に、図7(ニ) に示すように、C点のB
C周縁部Vbc側から間隙部Vに差し込んだ導入部材5
をCD周縁部Vcdに沿ってD点に向けて移動させて、
CD周縁部Vcdに導入したはんだ3と、先行導入範囲
EであるBC周縁部Vbc及びDA周縁部Vdaに導入
してあるはんだ3とを融合させるのであるが、このとき
は、先行導入範囲(BC周縁部Vbc) EのC点側のは
んだ3が硬化する前に、そのはんだ3に導入部材5を入
り込ませて、そのはんだ3中を通して、CD周縁部Vc
dに沿ってD点に向けて移動させることにより、先行導
入範囲(BC周縁部Vbc) Eに導入してあるはんだ3
と、その先行導入範囲(BC周縁部Vbc) Eに隣接す
るCD周縁部Vcdに後続して導入するはんだ3とを融
合させる。
【0021】また、導入部材5がD点に移動するまで
に、先行導入範囲(DA周縁部Vda) Eに導入してあ
るはんだ3が硬化するので、先行導入範囲(DA周縁部
Vda) Eに導入したはんだ3のうちのD点側のはんだ
3を再度加熱溶融し、その溶融しているはんだ3に導入
部材5を先行導入範囲(DA周縁部Vda) Eの外側か
ら、つまり、CD周縁部Vcd側から入り込ませて、そ
のはんだ3中を通して、D点のDA周縁部Vda側に抜
き出すことにより、先行導入範囲(DA周縁部Vda)
Eに導入してあるはんだ3と、その先行導入範囲(DA
周縁部Vda) Eに隣接するCD周縁部Vcdに後続し
て導入するはんだ3とを融合させる。
【0022】〔第2実施形態〕第1実施形態の図7
(イ) 〜図7(ハ) に示したと同様に、先行導入範囲
(AB周縁部Vab) Eに導入してあるはんだ3と、そ
の先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eに隣接するDA
周縁部Vda及びBC周縁部Vbcに後続して導入する
はんだ3とを融合させた後、CD周縁部Vcdにはんだ
3を導入するときに、図8に示すように、CD周縁部V
cdの中間位置から間隙部Vに差し込んだ導入部材5を
C点に向けて移動させた後、D点に向けて移動させて、
CD周縁部Vcdに導入したはんだ3と、先行導入範囲
EであるBC周縁部Vbc及びDA周縁部Vdaに導入
してあるはんだ3とを融合させても良い。
【0023】つまり、図8(イ) に示すように、CD周
縁部VcdのC点近くから間隙部Vに差し込んだ導入部
材5を、先行導入範囲(BC周縁部Vbc) EのC点側
のはんだ3が硬化する前に、そのはんだ3に導入部材5
を入り込ませることにより、先行導入範囲(BC周縁部
Vbc) Eに導入してあるはんだ3と、その先行導入範
囲(BC周縁部Vbc) Eに隣接するCD周縁部Vcd
に後続して導入するはんだ3とを融合させる。
【0024】そして、図8(ロ) に示すように、先行導
入範囲(DA周縁部Vda) Eに導入したはんだ3のう
ちのD点側のはんだ3を再度加熱溶融し、その溶融して
いるはんだ3に導入部材5を先行導入範囲(DA周縁部
Vda) Eの外側から、つまり、CD周縁部Vcd側か
ら入り込ませて、そのはんだ3中を通して、D点のDA
周縁部Vda側に抜き出すことにより、先行導入範囲
(DA周縁部Vda) Eに導入してあるはんだ3と、そ
の先行導入範囲(DA周縁部Vda) Eに隣接するCD
周縁部Vcdに後続して導入するはんだ3とを融合させ
る。
【0025】このように、はんだ3をCD周縁部Vcd
に導入することにより、先行導入範囲(BC周縁部Vb
c) Eに導入してあるはんだ3の表面のうちの、C点に
おけるBC周縁部Vbc側の表面から導入部材5を間隙
部Vに差し込むことによる、その表面に生成された酸化
被膜のはんだ3の内部への取り込みを回避できるので、
気密性を損なうおそれが一層少ない状態で接合できる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0026】〔第3実施形態〕図9に示すように、導入
部材5を間隙部Vから抜き出してから、抜き出し側のは
んだ3が硬化する前に、そのはんだ3に導入部材5を入
り込ませて、周縁部V1に沿って移動させても良い。
【0027】つまり、図9(イ) に示すように、A点の
DA周縁部Vda側から間隙部Vに差し込んだ導入部材
5をAB周縁部Vabに沿ってB点に向けて移動させ、
B点のBC周縁部Vbc側に抜き出すことにより、溶融
状態のはんだ3をそのAB周縁部Vabに全長に亘って
導入する。
【0028】次に、図9(ロ) に示すように、先行導入
範囲EであるAB周縁部Vabに導入したはんだ3のう
ちのB点側のはんだ3が硬化する前に、その溶融してい
るはんだ3に導入部材5を先行導入範囲(AB周縁部V
ab) Eの外側から、つまり、B点のAB周縁部Vab
側から入り込ませて、そのはんだ3中を通して、BC周
縁部Vbcに沿ってC点に向けて移動させ、C点のCD
周縁部Vcd側に抜き出すことにより、先行導入範囲
(AB周縁部Vab) Eに導入してあるはんだ3と、そ
の先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eに隣接するBC
周縁部Vbcに後続して導入するはんだ3とを融合させ
る。
【0029】次に、図(ハ) に示すように、先行導入範
囲EであるBC周縁部Vbcに導入したはんだ3のうち
のC点側のはんだ3が硬化する前に、その溶融している
はんだ3に導入部材5を先行導入範囲(BC周縁部Vb
c) Eの外側から、つまり、C点のBC周縁部Vbc側
から入り込ませて、そのはんだ3中を通して、CD周縁
部Vcdに沿ってD点に向けて移動させ、D点のDA周
縁部Vda側に抜き出すことにより、先行導入範囲(B
C周縁部Vbc) Eに導入してあるはんだ3と、その先
行導入範囲(BC周縁部Vbc) Eに隣接するCD周縁
部Vcdに後続して導入するはんだ3とを融合させる。
【0030】次に、図(ニ) に示すように、先行導入範
囲EであるCD周縁部Vcdに導入したはんだ3のうち
のD点側のはんだ3が硬化する前に、その溶融している
はんだ3に導入部材5を先行導入範囲(CD周縁部Vc
d) Eの外側から、つまり、D点のCD周縁部Vcd側
から入り込ませて、そのはんだ3中を通して、DA周縁
部Vdaに沿ってA点に向けて移動させることにより、
先行導入範囲(CD周縁部Vcd) Eに導入してあるは
んだ3と、その先行導入範囲(CD周縁部Vcd) Eに
隣接するDA周縁部Vdaに後続して導入するはんだ3
とを融合させる。
【0031】このとき、先行導入範囲EであるAB周縁
部Vabに導入したはんだ3が硬化しているので、先行
導入範囲(AB周縁部Vab) Eに導入したはんだ3の
うちのA点側のはんだ3を再度加熱溶融し、その溶融し
ているはんだ3に導入部材5を先行導入範囲(AB周縁
部Vab) Eの外側から、つまり、DA周縁部Vda側
から入り込ませて、そのはんだ3中を通して、A点のA
B周縁部Vab側に抜き出すことにより、先行導入範囲
(AB周縁部Vab) Eに導入してあるはんだ3と、そ
の先行導入範囲(AB周縁部Vab) Eに隣接するDA
周縁部Vdaに後続して導入するはんだ3とを融合させ
る。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0032】〔その他の実施形態〕 1.本発明によるガラスパネルの製造方法は、導入部材
を周縁部の全周に亘って一連に移動させて、その周縁部
に導入した金属材料で間隙部を全周に亘って気密に封止
するときに使用しても良い。 2.本発明によるガラスパネルの製造方法は、複数の導
入部材を同時に使用して、それらの導入部材で溶融状態
の金属材料を間隙部のうちの周縁部に導入しながら、そ
の周縁部に沿って移動させても良い。 3.本発明によるガラスパネルの製造方法は、表面に金
属酸化物被膜や金属被膜を形成してある板ガラスを使用
しても良い。 4.第1〜第3実施形態において、導入部材を周縁部に
沿って移動させる方向と同じ方向から導入部材を間隙部
に差し込んだが、導入部材を周縁部に沿って移動させる
方向に交差する方向、例えば直交する方向から導入部材
を間隙部に差し込んでも良い。 5.本発明によるガラスパネルの製造方法は、一対の板
ガラスのうちの一方の板ガラスの外周端面を、他方の板
ガラスの外周端面よりも突出させてあるガラスパネルの
製造に使用しても良い。 6.本発明によるガラスパネルの製造方法は、不活性ガ
スの雰囲気中で、溶融状態の金属材料を間隙部に差し込
んだ導入部材でその間隙部のうちの周縁部に導入しなが
ら、導入部材をその周縁部に沿って移動させても良い。 7.本発明によるガラスパネルの製造方法は、多種にわ
たる用途のガラスパネルの製造に使用することが可能
で、例えば、建築用・乗物用(自動車の窓ガラス、鉄道
車両の窓ガラス、船舶の窓ガラス)・機器要素用(プラ
ズマディスプレイの表面ガラスや、冷蔵庫の開閉扉や壁
部、保温装置の開閉扉や壁部)等に用いるガラスパネル
の製造に使用することが可能である。また、ガラスパネ
ルは、両板ガラス間の間隙部を、先の実施形態で説明し
たように1.0×10-2Pa以下の減圧状態に減圧する
ものに限らず、減圧度そのものは任意に設定することが
可能である。更には、大気圧と等圧とすることも可能で
ある。 8.本発明によるガラスパネルの製造方法は、先の実施
形態で説明した厚み3mmの板ガラスを使用するものに
限定されず、他の厚みの板ガラスを使用しても良い。ま
た、一方の板ガラスと他方の板ガラスとの厚み寸法が異
なるものを組み合わせてガラスパネルを製造してもよ
い。また、ガラスの種別は任意に選定することが可能で
あり、例えば型板ガラス、すりガラス(表面処理により
光を拡散させる機能を付与したガラス)、網入りガラ
ス、又は、強化ガラスや、熱線吸収・紫外線吸収・熱線
反射等の機能を付与した板ガラスや、それらとの組み合
わせであってもよい。また、ガラスの組成については、
ソーダ珪酸ガラス(ソーダ石灰シリカガラス)や、ホウ
珪酸ガラスや、アルミノ珪酸ガラスや、各種結晶化ガラ
スであってもよい。 9.本発明によるガラスパネルの製造方法は、先の実施
形態で説明したインコネル718製のスペーサを使用す
るものに限定されず、例えば、ステンレス鋼や、それ以
外にも、他の金属・石英ガラス・セラミックス、ガラス
・低融点ガラス等で構成したスペーサを使用しても良
い。 10.本発明によるガラスパネルの製造方法は、金属材
料として、例えば、錫・ビスマス・鉛・亜鉛・インジウ
ム・アンチモン等の何れか一種、又は、二種以上を主成
分とするものや、銀・アルミニウム・銅等の何れか一
種、又は、二種以上を添加してある金属材料を使用して
も良いが、SnとZnとの合計に対するZnの比率が8
〜10%であり、Tiを含有し、Cuを実質的に含まな
いものが最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラスパネルの断面図
【図2】ガラスパネルの製造方法を説明する要部断面図
【図3】ガラスパネルの製造方法を説明する要部断面図
【図4】ガラスパネルのガラスパネルの製造方法を説明
する一部切欠き平面図
【図5】要部の斜視図
【図6】ガラスパネルの製造方法を説明する要部断面図
【図7】金属材料の導入順序を説明する概略平面図
【図8】第2実施形態のガラスパネルの製造方法を説明
する概略平面図
【図9】第3実施形態のガラスパネルの製造方法を説明
する概略平面図
【符号の説明】
1A 板ガラス 1B 板ガラス 2 スペーサ 3 金属材料 5 導入部材 E 先行導入範囲 V 間隙部 V1 周縁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板面を互いに対向させてある一対の板ガ
    ラス間にスペーサを介在させて間隙部を形成し、 溶融状態の金属材料を前記間隙部に差し込んだ導入部材
    でその間隙部のうちの周縁部に導入しながら、前記導入
    部材をその周縁部に沿って移動させて、前記周縁部に導
    入した金属材料で板ガラス同士を接合し、前記間隙部を
    気密に封止してあるガラスパネルの製造方法であって、 前記周縁部のうちの金属材料を先行して導入してある先
    行導入範囲の少なくとも一端側の金属材料が軟化してい
    る状態で、その軟化している部分に前記導入部材を入り
    込ませることによって、前記先行導入範囲に導入してあ
    る金属材料と、その先行導入範囲に隣接する周縁部に後
    続して導入する金属材料とを融合させるガラスパネルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導入部材を、前記先行導入範囲の一
    端側の軟化している金属材料中を通して、前記周縁部の
    内外に亘って移動させる請求項1記載のガラスパネルの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記先行導入範囲の一端側に溶融状態で
    導入した金属材料が硬化する前に、その金属材料に前記
    導入部材を入り込ませる請求項1又は2記載のガラスパ
    ネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 既に硬化した前記先行導入範囲の一端側
    の金属材料を再度軟化させた状態にして、その金属材料
    に前記導入部材を入り込ませる請求項1ないし3のいず
    れか1項記載のガラスパネルの製造方法。
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