JP2002166356A - 研磨方法 - Google Patents

研磨方法

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JP2002166356A
JP2002166356A JP2000365620A JP2000365620A JP2002166356A JP 2002166356 A JP2002166356 A JP 2002166356A JP 2000365620 A JP2000365620 A JP 2000365620A JP 2000365620 A JP2000365620 A JP 2000365620A JP 2002166356 A JP2002166356 A JP 2002166356A
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polishing
abrasive grains
acid
aqueous solution
polished
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JP2000365620A
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Toru Hasegawa
亨 長谷川
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥粒が分散された研磨部を有する研磨パッド
と化学機械研磨用水系溶液とを用い、大きな研磨速度で
且つ高い平坦性を有する面を安定して、確実に得ること
ができる研磨方法を提供する。 【解決手段】 乳化重合により得られたスチレン系共重
合体を含むエマルションに、砥粒であるセリア粉末を分
散させた水系分散体を、フィルム上に薄く広げて放置・
乾燥させた後、粉砕し、更にモールドプレスして得られ
た研磨パッドの研磨面と、被研磨面との間に、酸化剤で
ある過酸化水素と、有機酸であるマロン酸とを含有する
化学機械研磨用水系溶液を介在させて研磨を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨方法に関し、更
に詳しくは、砥粒が分散された研磨部を有する研磨パッ
ドと化学機械研磨用水系溶液とを用いた研磨方法に関す
る。本発明の研磨方法はあらゆる精密な研磨に用いるこ
とができる。この研磨方法は特に高い平坦性を要する研
磨に好適であり、半導体装置の製造に好適に利用でき
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体ウエハの表面等を研磨
するためにCMP(ChemicalMechanic
al Polishing)と称される化学機械研磨が
使用されている。このCMPは、ウエハ等の被研磨面を
盤状の研磨パッドに押圧しながら摺動させ、同時に砥粒
が分散されたスラリー(水系分散体)をこの研磨パッド
上に流下させることにより行う。しかし、高い圧力によ
り押圧される被研磨面と研磨パッドの研磨面との間に、
上方から流下されるスラリー(特に砥粒)を確実に供給
することは難しく、実際に機能するスラリーは供給され
た全量の1%に満たないともいわれている。しかも、こ
のスラリーは高価であり、また、使用済みスラリーの処
理には更に多大なコストを必要とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、砥粒を含有する
スラリーを用いて、相対的に柔らかい部分と硬い部分と
が混在するような面を研磨する場合、柔らかい部分が過
度に研磨されることを十分防止できなため、達成できる
平坦性に限界を生ずる場合がある。特に、半導体装置
(半導体ウエハ)の製造時のダマシン配線を形成する場
合等は、柔らかい部分が導体層、硬い部分が半導体層又
はバリアメタル層等であり、導体層が過度に研磨されて
しまうことは重大な問題である。
【0004】更に、砥粒を含有させた研磨パッドが特開
平10−329032号公報、特開平11−15165
9号公報、特開平11−188647号公報及び特開平
11−207632号公報等において開示されている。
しかし、これら研磨パッドを用いた場合は、特にAl、
Cu及びW等の金属を含有する被研磨面を研磨するには
未だ十分な研磨速度が得られ難いという問題がある。本
発明は上記問題を解決できるものであり、大きな研磨速
度で、且つ高い平坦性を有する面を安定して、確実に得
ることができる研磨方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明の研磨体は、
砥粒を含有する研磨部を備える研磨パッドの研磨面と、
被研磨面との間に、酸化剤を含有する化学機械研磨用水
系溶液を介在させることを特徴とする。
【0006】上記「砥粒」とは、機械研磨作用を主とし
て有する粒子である。このような砥粒としては、セリア
(ガラス等の酸化ケイ素に対しては機械研磨作用に加え
て、化学研磨作用も有すると考えられる)、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン、酸化クロム、二酸化マンガン、三
酸化二マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、炭化ケイ
素、炭化ホウ素、ダイヤモンド、炭酸バリウム等から構
成される粒子を挙げることができる。この砥粒は鋭角部
分を有さない略球形のものを用いることが好ましい。
【0007】また、これらの砥粒としては高純度なもの
が好ましい。従って、(1)塩化ケイ素、塩化アルミニ
ウム、塩化チタン等を気相で酸素及び水素と反応させる
ヒュームド法により得られる砥粒、(2)テトラエトキ
シシラン又はチタンアルコキシド等の金属アルコキシド
を加水分解させ、縮合させて合成するゾルゲル法により
得られる砥粒、(3)精製により不純物を除去する無機
コロイド法等により得られる砥粒等を用いることが好ま
しい。
【0008】この砥粒の平均粒径は0.005〜50μ
m(より好ましくは0.005〜10μm、更に好まし
くは0.01〜1μm)であることが好ましい。平均粒
径が0.005μm未満であると研磨力が低下する傾向
にある。一方、50μmを超えると砥粒が大きすぎるた
めにスクラッチを生じる確率が次第に高くなる傾向にあ
り好ましくない。尚、この平均粒子径は透過型電子顕微
鏡で観察することにより測定できる。
【0009】更に、砥粒は研磨部中にどのような形態で
含有されていてもよい。例えば、砥粒のみが研磨部を構
成するマトリックス材中に分散されて含有されていても
よい。更に、砥粒が有機粒子の周りに付着した状態の複
合粒子がマトリックス材中に分散されて含有されていて
もよい。但し、砥粒は上記の好ましい粒径の範囲内で研
磨部に含まれることが好ましい。
【0010】上記「研磨部」はマトリックス材中に少な
くとも砥粒を含有する部分である。この研磨部はパッド
全体であってよく、一部であってもよい。この研磨部を
構成するマトリックス材としては、単独重合体や共重合
体(ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマー等)を用いるこ
とができ、架橋されていても、未架橋であってもよい。
例えば、ジエン系重合体、スチレン系重合体、(メタ)
アクリル系重合体、オレフィン系重合体、エポキシ系重
合体、フェノール系重合体、ポリイミド系重合体等を用
いることができる。マトリックス材はこれら単独重合体
及び共重合体等の1種のみからなってもよく、2種以上
からなってもよい。上記「研磨面」は少なくとも研磨部
の表面を含む面であり、研磨時に被研磨面と摺動する面
である。
【0011】上記「化学機械研磨用水系溶液」(以下、
単に「水系溶液」ともいう)は研磨面と被研磨面との間
に介在させるための溶液であり、溶解させた酸化剤と水
系媒体とを含有する。この水系媒体としては、水のみ、
又は水を含有する媒体を用いることができる。この水系
媒体には、例えば、非プロトン性極性溶媒、エステル
類、ケトン類、フェノール類、アルコール類及びアミン
類等を含有させることができる。また、この水系溶液に
は10質量%以上(より好ましくは20質量%以上)の
水が含有されることが好ましい。
【0012】この水系溶液は1つの被研磨面に対して1
種のみを用いてもよく、更に、複数種類の水系溶液を研
磨状態に応じて使い分けてもよい。特に半導体装置の研
磨においては導体層、半導体層及びバリアメタル層等の
研磨対象によって水系溶液に含有される成分を変えるこ
とが好ましい。
【0013】上記「酸化剤」は被研磨面を構成する成分
を酸化できるものであり、特に被研磨面が金属層である
場合に研磨速度を大きく向上させることができる。この
酸化剤は通常水溶性のものであり、特に制限されること
なく使用することができる。また、被研磨面の電気化学
的性質等により、例えば、Pourbaix線図等によ
って適宜選択して使用することが好ましい。
【0014】具体的には、無機過酸化物(過酸化水素
等)、過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
等)、ヘテロポリ酸(ケイモリブデン酸、リンモリブデ
ン酸、ケイタングステン酸、リンタングステン酸等)、
過マンガン酸化合物(過マンガン酸カリウム等)、重ク
ロム酸化合物(重クロム酸カリウム等)、ハロゲン酸化
合物(塩素酸塩、亜塩素酸塩、過塩素酸塩、ヨウ素酸カ
リウム等)、硝酸、硝酸化合物(硝酸鉄等)、遷移金属
塩(フェリシアン化カリウム等)、有機過酸化物(過酢
酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサ
イド等)等が拳げられる。これらの中でも過酸化水素を
用いることが特に好ましい。これは使用後の廃液処理が
容易であり、更には半導体装置の製造においては研磨後
の半導体装置の洗浄が容易なためである。尚、これらの
酸化剤は水系溶液中に1種のみが含有されてもよく、ま
た、2種以上が含有されてもよい。
【0015】水系溶液中における酸化剤の好ましい含有
量は、その酸化剤の種類により異なる。しかし、一般に
水系溶液を100質量部とした場合に、0.1〜30質
量部(更に好ましくは1〜10質量部)とすることが好
ましい。この含有量が0.1質量部未満では研磨速度を
十分に向上させることができない場合がある。一方、3
0質量部を超えて含有させると被研磨面に過度な腐食を
生じたり、取り扱い上危険である等好ましくない。
【0016】更に、請求項3に示すように有機酸を含有
させることができる。但し、この有機酸には酸化剤とし
て水系溶液中で機能する有機酸は含まれない。この様な
有機酸を含有させることにより研磨速度を更に向上させ
ることができる。上記「有機酸」としては、カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基及び/又はスルホン基等の酸性基
を有する化合物であり、パラトルエンスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、グル
タル酸、グルコン酸、アジピン酸、乳酸、クエン酸、酒
石酸、リンゴ酸、タンニン酸、グリコール酸、マロン
酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、マレイン酸、フタル酸及び没食子酸
等を挙げることができる。これらは1種のみを用いても
よいし、2種以上を併用することもできる。
【0017】上記の研磨部及び水系溶液の少なくとも一
方には、水系溶液に溶解して酸化剤として機能する酸を
除く無機酸を含有させることができる。この無機酸とし
ては塩酸及び硫酸等を挙げることができる。更に、水系
溶液に溶解して多価金属イオンを生成する物質を含有さ
せることもできる。多価金属イオンとしては、アルミニ
ウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、ジルコニ
ウム、モリブデン、錫、アンチモン、タンタル、タング
ステン、鉛及びセリウム等の多価イオンが挙げられる。
これらは1種のみであってもよいし、2種以上であって
もよい。特にアルミニウム、チタン、クロム、マンガ
ン、鉄、銅、亜鉛、錫及びセリウムの多価イオンは研磨
速度を大きくする効果が高く好ましい。また、多価金属
イオンを生成する物質としては、塩(硫酸塩、酢酸塩
等)又は錯体等が挙げられる。更に、水系溶液への溶解
では1価の金属イオンが生成し、その後、酸化剤が存在
することにより結果的に多価金属イオンが生成するもの
であってもよい。
【0018】その他、従来よりCMPに用いられるスラ
リーに含有される界面活性剤、アルカリ金属の水酸化
物、キレート剤、スクラッチ防止剤及び帯電防止剤等を
必要に応じて含有させることができる。
【0019】上記「介在させる」とは、研磨面と被研磨
面との間に結果的に水系溶液を存在させることであり、
その方法は限定されない。例えば、従来から用いられて
いる上方から水系溶液を流下させることにより介在させ
る方法を用いることができる。また、研磨パッド内に水
系溶液を供給するための供給管を設けることで研磨パッ
ド表面から直接研磨面と被研磨面との間に介在させる方
法を用いることもできる。
【0020】上記「被研磨面」としては、半導体装置、
磁気ディスク及び液晶ディスプレイ等の表面を挙げるこ
とができる。更に、この被研磨面を構成する材質は特に
限定されず、金属、セラミック及び樹脂等を挙げること
ができる。更に、被研磨面はこれら金属、セラミック及
び樹脂等が混在する面であってもよい。金属としてはア
ルミニウム、タングステン、銅、ケイ素、タンタル、ニ
オブ、チタン及びこれらの合金等を挙げることができ
る。また、セラミックとしてはケイ素、タンタル、ニオ
ブ並びにチタンの酸化物、窒化物等(酸化ケイ素にはガ
ラス、非結晶シリコン、多結晶シリコン及び単結晶シリ
コン等を含む)を挙げることができる。樹脂としては、
ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテン等を挙げること
ができる。
【0021】このような請求項1記載の研磨方法に用い
る水系溶液は、請求項2のように砥粒が含有されないも
のとすることができる。但し、研磨を行うことにより研
磨部から脱離した砥粒が使用時の水系溶液中に含有され
てもよい。砥粒が含有されないことにより、相対的に柔
らかい部分と硬い部分とが混在するような被研磨面にお
いては、特に高い精度の平坦面を得ることができる。即
ち、砥粒が水系溶液に含有される場合は、研磨中に柔ら
かい部分に砥粒が滞留し易いため、柔らかい部分が過度
に研磨される傾向にあることが原因であると考えられ
る。更に、砥粒が含有されないことにより砥粒が凝集し
ないように添加剤を添加したり、なんらかの工夫を施す
必要がない。従って、相対的に柔らかい部分と硬い部分
とが混在するような被研磨面を研磨する場合は、水系溶
液中には砥粒が含有されないことが好ましく、更には、
研磨部からの砥粒の脱離もより少ないことが好ましい。
【0022】また、請求項4に示すように研磨部はマト
リックス材原料と砥粒とが各々分散されて含まれている
水系分散体が固化されてなるものであることが好まし
い。更に、請求項5に示すように、マトリックス材原料
に砥粒が付着した複合粒子が分散されて含まれている水
系分散体が固化されてなるものであることが好ましい。
また、請求項4又は請求項5に示す水系分散体に更にマ
トリックス材原料及び/又は砥粒が分散されて含まれて
いてもよい。
【0023】即ち、研磨体は(1)マトリックス材原料
と砥粒とが含有され、別々に分散されている水系分散体
(請求項4)、(2)複合粒子が含有され、分散されて
いる水系分散体(請求項5)、(3)複合粒子と砥粒と
が含有され、分散されている水系分散体、(4)複合粒
子とマトリックス材原料とが含有され、分散されている
水系分散体、(5)複合粒子とマトリックス材原料と砥
粒とが含有され、分散されている水系分散体、のいずれ
かの水系分散体を固化して得られることが好ましい。
【0024】このようにして得られる研磨部では、通
常、有機系材料(マトリックス材)と無機系材料(砥
粒)とは親和性が低いためマトリックス材中に砥粒を分
散させることは非常に困難であるにも係わらず、砥粒が
極めて良好に分散されている。また、砥粒の容積率を1
〜99体積%(更には10〜70体積%、特に15〜5
0体積%)と幅広く調整することができる。
【0025】上記「マトリックス材原料」は、研磨部に
おいて砥粒を保持するマトリックス材を構成する原料で
あり、1種又は2種以上の成分から構成される。マトリ
ックス材原料としては、単独重合体や共重合体(ゴム、
樹脂、熱可塑性エラストマー等)を用いることができ、
架橋されていても、未架橋であってもよい。例えば、ジ
エン系重合体、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系
重合体、オレフィン系重合体、エポキシ系重合体、フェ
ノール系重合体、ポリイミド系重合体等を用いることが
できる。マトリックス材はこれら単独重合体及び共重合
体等の1種のみからなってもよく、2種以上からなって
もよい。また、これらのマトリックス材は、水系分散体
中において平均粒径が10μm以下(より好ましくは
0.1〜3μm)の粒子として分散されていることが好
ましい。
【0026】砥粒としては、前述の砥粒の中でも、セリ
ア、シリカ及びアルミナを用いることが特に好ましい。
水に馴染み易いため水に対する分散性が高く、固化後に
おいても高い分散性を保持して研磨部に含有される。特
にセリアは非常に高い分散性を示す研磨部を得ることが
できる。
【0027】上記「複合粒子」は、マトリックス材原料
に砥粒が付着(マトリックス材原料の表面に限られな
い)した粒子である。この付着の形態は限定されない
が、例えば、ゼータ電位差により静電的に付着させるこ
とができる。この場合、マトリックス材原料と砥粒とは
ゼータ電位が逆符号であり、電位差が5mV以上(より
好ましくは10mV以上)であることが好ましい。ま
た、マトリックス材原料にはカルボキシル基、スルホン
酸基、アミノ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
エーテル結合部及びエステル結合部等の少なくとも1種
を導入することでゼータ電位を調節できる。更に、付着
した砥粒が脱離し難いように複合粒子の表面をシランカ
ップリング剤からなる重縮合物により覆うことができ
る。
【0028】上記「水系分散体」の分散媒は水のみであ
っても、水以外の分散媒を含有する混合分散媒であって
もよい。混合分散媒の場合、水の含有率は10質量%以
上(より好ましくは20質量%以上)であることが好ま
しい。混合分散媒に含まれる水以外の分散媒としては、
例えば、非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン
類、フェノール類、アルコール類、アミン類等の分散媒
を挙げることができる。尚、分散媒は、水系分散体の調
製時には蒸散し過ぎず且つ除去が容易であることから、
沸点が60〜200℃のものを用いることが好ましい。
【0029】この水系分散体の固形分濃度は1〜80質
量%(より好ましくは10〜60質量%)であることが
好ましい。80質量%を超えると水系分散体の分散安定
性が低下する傾向にあり、沈殿を生じることがあるため
好ましくない。また、水系分散体は、マトリックス材原
料が分散されたエマルションに砥粒が分散されてなるこ
とがより好ましい。水系分散体の中でも乳化重合により
得られるエマルションや、乳化剤により乳化させたエマ
ルション等のエマルションを固化させた場合は特に砥粒
の分散性がよい研磨部を得ることができる。
【0030】この水系分散体にマトリックス材原料を分
散させる方法は特に限定されない。例えば、乳化重合、
懸濁重合等により得ることができる他、予め得られたマ
トリックス材原料を溶剤等により溶解させた後、この溶
液を水等に分散させて得ることもできる。更に、上記の
ようにして得られたマトリックス材原料が分散された水
系分散体に、砥粒を直接加えて分散させたり、予め調製
した砥粒が分散された水系溶液を加えることで、マトリ
ックス材原料及び砥粒が分散された水系分散体を得るこ
とができる。
【0031】水系分散体には、更に、界面活性剤、加硫
剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋促進剤、充填剤、発泡
剤、空隙を形成する中空粒子(膨張性、非膨張性)、軟
化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤
等を必要に応じて含有させることができる。その他、従
来よりCMPに用いられるスラリーに含有される酸化
剤、アルカリ金属の水酸化物、酸、pH調整剤、キレー
ト剤及びスクラッチ防止剤等を含有させることもでき
る。
【0032】上記「固化」は、通常、分散媒を除去する
工程と、成形する工程との2つの工程を必要とする。こ
の2つの工程は同時に行ってもよく、別々に行ってもよ
い。更には分散媒をある程度除去した後、成形し、更に
その後、分散媒を完全に除去することもできる。分散媒
の除去は、例えば、開放系に放置して自然に分散媒を蒸
発除去することができる。更に、加熱、減圧等を行うこ
とにより分散媒の蒸発を促進させることで行うことがで
きる。また、スプレードライ法等により造粒すると同時
に分散媒を急激に蒸発させることもできる。一方、成形
は、ある程度以上分散媒が除去された残査(塊状、フレ
ーク状、粉未状、ペレット状等)をプレス成形、押出し
成形、射出成形等することにより行うことができる。
【0033】また、分散媒の除去と成形とを同時に行う
場合は、所望の型に水系分散体を流し込み、分散媒を上
記と同様に除去することで型の形状に固化させることが
できる。更に、型を使用せず、基材となるフィルム等の
表面に直接水系分散体を展開し、その後、分散媒を上記
と同様にして除去することもできる。
【0034】また、架橋可能なマトリックス材原料を未
架橋の状態で分散させた水系分散体を固化させた場合
は、固化後に加熱等により架橋させることができる。更
に、マトリックス材原料が架橋重合体又は架橋共重合体
等である場合は水系分散体にバインダを含有させ、これ
を固化してマトリックス材原料を接着することができ
る。このバインダとしては前記マトリックス材原料と同
様な単独重合体及び/又は共重合体を用いることができ
る。
【0035】請求項1〜5のうちのいずれかに記載の研
磨方法は、請求項6に示す研磨方法のように半導体装置
の製造に好適に用いることができる。即ち、半導体装置
の製造時には前述のような相対的に柔らかい部分である
導体層と、相対的に硬い部分である半導体層及び/又は
バリアメタル層とが混在する被研磨面を研磨するにあた
り極めて高い平坦性を要するからである。
【0036】このような導体層を構成する材料として
は、請求項7に示すようにアルミニウム、銅及びタング
ステンのうちの少なくとも1種を主成分(いずれかの含
有量が95質量%以上)とする材料を挙げることができ
る。このような材料しては純アルミニウム、純銅、純タ
ングステン、銅−シリコン及び銅−アルミニウム等を挙
げることができる。
【0037】半導体層を構成する材料としては、シリコ
ン、ガリウム及びヒ素等を挙げることができる。バリア
メタル層を構成する材料としては、タンタル、チタン等
の硬度の高い金属、およびそれらの窒化物、酸化物等を
挙げることができる。タンタル等は純品に限られず、タ
ンタル−ニオブ等の合金であってもよい。また、窒化タ
ンタル、窒化チタン等も必ずしも純品である必要はな
い。
【0038】更に、半導体装置の製造時においては、上
記の他にも絶縁膜を研磨する必要がある。この絶縁膜は
相対的に柔らかい層である場合もあり、相対的に硬い層
である場合もある。この絶縁膜としてはSiO2膜、プ
ラズマTEOS等の熱酸化膜及び超LSIの性能向上を
目的とした誘電率の低い絶縁膜が挙げられる。この誘電
率の低い絶縁膜としては、シルセスキオキサン(誘電
率;約2.6〜3.0)、フッ素添加SiO2(誘電
率;約3.3〜3.5)、ポリイミド系樹脂(誘電率;
約2.4〜3.6、日立化成工業株式会社製、商品名
「PIQ」、Allied Signal社製、商品名
「FLARE」等)、ベンゾシクロブテン(誘電率;約
2.7、Dow Chemical社製、商品名「BC
B」等)、水素含有SOG(誘電率;約2.5〜3.
5)及び有機SOG(誘電率;約2.9、日立化成工業
株式会社製、商品名「HSGR7」等)等を挙げること
ができる。
【0039】請求項1〜7に示す研磨方法は市販の化学
機械研磨装置(株式会社荏原製作所製、型式「EPO−
112」、「EPO−222」、ラップマスターSFT
社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」、
アプライドマテリアル社製、商品名「Mirra」等)
を用いて行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 [1]研磨体の作製 (1)水系分散体A〜Cの調製 マトリックス材と砥粒とが分散された水系分散体A 温度調節が可能であり、撹拌機を備えるオートクレーブ
中に、表1に示すような各成分を各割合で投入し、75
℃で16時間反応させた。その結果、重合転化率95.
8%となり、ガラス転移温度が50℃である平均粒径1
66nmのスチレン系共重合体が分散されたエマルショ
ンを得た。尚、平均粒径は大塚電子株式会社製のレーザ
ー粒径解析システムにより測定した(以下、平均粒径は
同じ方法により測定した)。
【0041】
【表1】
【0042】得られたエマルションを25%水酸化カリ
ウム水溶液により、pH8.5に調節した。その後、イ
オン交換水を添加し、常温にてスリーワンモーターを用
いて撹拌後、加工前の平均粒径が0.3μmのセリア
(CeO2)粉末を投入し、更に1500回転/分で3
分間撹拌して水系分散体Aを得た。
【0043】 マトリックス材に砥粒が付着した複合
粒子が分散された水系分散体B 容量2リットルのフラスコに、表2に示すような各成分
を各割合で投入し、窒素ガス雰囲気において70℃で6
時間撹拌して重合させた。これによりカチオン性官能基
であるアミノ基と、ポリエチレングリコール鎖を備える
官能基とを有するメチルメタクリレート系共重合体粒子
を含むエマルションを得た。重合収率は95%であっ
た。尚、表2におけるメトキシポリエチレングリコール
メタクリレートは新中村化学工業株式会社製、品名「N
KエステルM−90G」の#400を用い、アゾ系重合
開始剤としては和光純薬株式会社製、品名「V50」を
用いた。
【0044】
【表2】
【0045】その後、得られたメチルメタクリレート系
共重合体粒子が10質量%含有されるエマルションを水
酸化カリウムによりpH10に調節した。このエマルシ
ョン中におけるメチルメタクリレート系共重合体粒子の
ゼータ電位は+12mVであった。一方、ヒュームド法
シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、品番#90)
粉末が10質量%含有されるように調節した分散体を同
様にpH10に調節した。この分散体中におけるシリカ
粒子のゼータ電位は−35mVであった。
【0046】その後、これらのエマルションと分散体と
を質量比が1対1となるように、容量2リットルのフラ
スコ内に投入して撹拌混合し、次いで、3質量部のテト
ラエトキシシランを添加して25℃で1時間撹拌し、更
に、40℃で3時間撹拌した。その後、冷却して複合粒
子が分散された水系分散体Bを得た。尚、この複合粒子
の表面の95%にシリカが付着していた。
【0047】 マトリックス材に砥粒が付着した複合
粒子が分散された水系分散体C 容量2リットルのフラスコに、表3に示すように各成分
を各割合で投入し、窒素ガス雰囲気において70℃で6
時間撹拌して重合させた。これによりカルボキシル基及
びヒドロキシル基を有するメチルメタクリレート系共重
合体粒子を含むエマルションを得た。尚、重合収率は9
5%であり、電導度滴定法により測定したカルボキシル
基含量は、粒子内部が30%、表面が60%、水相部が
10%であった。
【0048】
【表3】
【0049】その後、得られたメチルメタクリレート系
共重合体粒子が10質量%含有されるエマルションを硝
酸によりpH4に調節した。このエマルション中におけ
るメチルメタクレート系共重合体粒子のゼータ電位は−
25mVであった。一方、加工前の平均粒径が0.3μ
mのセリア粉末が10質量%含有されるように調節した
分散体を同様にpH4に調節した。この分散体中におけ
るセリアのゼータ電位は+20mVであった。その後、
これらのエマルションと分散体とを質量比が1対1とな
るように、容量2リットルのフラスコ内に投入して撹拌
混合し、次いで、3質量部のテトラエトキシシランを添
加して25℃で1時間撹拌し、更に、40℃で3時間撹
拌した。その後、冷却して複合粒子が分散された水系分
散体Cを得た。尚、この複合粒子の表面の90%にセリ
アが付着していた。
【0050】(2)固化 (1)で得られた水系分散体A〜Cを各々ポリエチレン
フィルムに薄く広げて、常温で48時間放置・乾燥させ
てフレーク物を得た。得られたフレーク物をさらにミキ
サーにかけ粉砕した粉末を各々モールドプレスにより直
径30cm、厚さ3mmの円盤状の研磨パッドA〜Cを
得た。
【0051】(3)化学機械研磨用水系溶液の調製 イオン交換水に、過酸化水素が2質量%、マロン酸が1
質量%となるように配合して水系溶液を調製した。
【0052】(4)研磨性能の評価 研磨速度及び平坦化度の測定 上記(2)までに得られた砥粒を含有する研磨パッドA
〜C及び砥粒を含有しない研磨パッドD(ロデール・ニ
ッタ株式会社製、品名「IC1000/SUBA40
0」)を各々研磨装置(ラップマスターSTF社製、形
式「LM−15」)の定盤に張り付けて(3)で得られ
た水系溶液を1分間に150mlずつ供給しながら4c
m四方のタングステンウエハ(SKW社製、品名「SK
W−5」)を研磨した。この時のテーブル回転数は50
rpmとし、研磨圧力は350g/cm2として研磨は
2分間行った。この他、水系溶液に変えてイオン交換水
のみ又はスラリー(キャボット社製、品名「W200
0」)を同条件で供給しながら、同じ研磨を行った(表
4参照)。
【0053】これらの結果より下記式(1)を用いて研
磨速度を算出し、表4に示した。尚、タングステン膜の
厚さは抵抗率測定器(NPS社製、型式「Σ−10」)
により測定した。 研磨速度(Å/分)=(研磨前のタングステン膜の厚さ−研磨後のタングステ ン膜の厚さ)/研磨時間・・・・・・(1)
【0054】更に、ピッチが200μm(配線幅100
μm、スペーサ幅100μm)であり、タングステン膜
表面からスペーサ底面までの距離T0が10000Åで
あり、タングステン膜表面から絶縁膜表面までの距離t
が15000Åである上記ウエハ表面において距離tが
20%となるまで研磨を行った。この研磨の後にタング
ステン膜表面からスペーサの形成されていた場所に生じ
る研磨後の凹部底面までの距離T1を測定し、T1をT0
で除した値(T1/T0)を平坦化度として表4に併記し
た。この平坦化度が小さい程、平坦性に優れた研磨を行
うことができることを意味する(図1参照)。尚、T0
及びT1は微細形状測定装置(KLA−Tencor社
製、型式「P−10」)により測定した。
【0055】
【表4】
【0056】表4の結果より、水系溶液を用いることに
より、水のみで研磨する場合に比べると研磨速度は2.
19〜2.46倍であり、いずれにおいても2倍以上研
磨速度を大きくできることが分かる。砥粒を含有しない
研磨パッドDと水系溶液を用いた比較例4ではほとんど
研磨を行うことができなかったが、水系溶液に変えてス
ラリーを用いることで比較例5に示すように大きな研磨
速度が得られた。しかし、比較例5における平坦化度は
0.23と大きな値になっている。これに対して、実施
例1〜3ではいずれも大きな研磨速度を実現しながら、
平坦化度も0.01未満と非常に小さいかった。
【0057】
【発明の効果】本発明の研磨方法によると、大きな研磨
速度で、且つ高い平坦性を有する面を安定して、確実に
得ることができる。更に、砥粒を含有するスラリーを要
しないため保管・輸送中等に砥粒が凝集することに対す
る対策をとる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における平坦化度を説明する説明図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 622 H01L 21/304 622F 622C 21/306 21/306 M

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒を含有する研磨部を備える研磨パッ
    ドの研磨面と、被研磨面との間に、酸化剤を含有する化
    学機械研磨用水系溶液を介在させることを特徴とする研
    磨方法。
  2. 【請求項2】 上記化学機械研磨用水系溶液には砥粒が
    含まれない請求項1記載の研磨方法。
  3. 【請求項3】 有機酸を含有する請求項1又は2に記載
    の研磨方法。
  4. 【請求項4】 上記研磨部は、マトリックス材原料と砥
    粒とが各々分散されて含まれている水系分散体が固化さ
    れてなる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の
    研磨方法。
  5. 【請求項5】 上記研磨部は、マトリックス材原料に砥
    粒が付着した複合粒子が分散されて含まれている水系分
    散体が固化されてなる請求項1乃至3のうちのいずれか
    1項に記載の研磨方法。
  6. 【請求項6】 半導体装置の製造に用いる請求項1乃至
    5のうちのいずれか1項に記載の研磨方法。
  7. 【請求項7】 Al、Cu及びWのうちの少なくとも1
    種を含有する薄膜の研磨に用いる請求項1乃至6のうち
    のいずれか1項に記載の研磨方法。
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