JP2002165874A - 生体インプラント材 - Google Patents

生体インプラント材

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JP2002165874A JP2000364697A JP2000364697A JP2002165874A JP 2002165874 A JP2002165874 A JP 2002165874A JP 2000364697 A JP2000364697 A JP 2000364697A JP 2000364697 A JP2000364697 A JP 2000364697A JP 2002165874 A JP2002165874 A JP 2002165874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミック製基体とセラミック製多孔質部材が
クラックの発生なしに接合され、且つ、その接合強度が
十分大きく、さらに、セラミック製多孔質部材の孔の壁
面に骨の増進を促進する作用があるリン酸カルシウム系
材料が強固に被着されるようにする。 【解決手段】セラミック製基体上に生体為害性の少ない
金属材からなる中間層を介してセラミック製多孔質部材
を接合してなり、かつ上記セラミック製多孔質部材は少
なくともその孔壁面に生体為害性の少ない金属材が被着
された構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疾病、災害などに
より骨機能や手足の関節機能が失われた場合などに、こ
れらを修復するために治療に用いられる整形外科用人工
骨及び人工関節や老齢、疾病などによって失われた歯牙
を復元するために用いられる人工歯根等を構成する生体
インプラント材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インプラントロジーの発展は目覚
ましいものがあり、人工心臓、人工血管、人工肺など様
々な人工臓器が医療の世界で活躍している。特に、整形
外科の分野では、失われれた関節機能を復元するための
人工関節が広く用いられ、また、歯科医療の分野では人
工歯根が脚光を浴びている。
【0003】このような人工関節、人工骨、人工関節な
どの骨内埋入型の生体インプラント材として、セラミッ
ク製基体上に細孔が三次元的に連通し、且つ細孔の連通
状態が適宜コントロールされたセラミック製多孔質部材
を備えたものが提案されている。
【0004】この技術は、上記多孔質部材として多数の
孔が穿設されている未焼成のセラミック製薄板を、薄板
に穿設した孔の位置を略一定の深さごとに変位させなが
ら積層し、これをセラミック製基体とともに一体焼結す
ることにより得られる生体インプラントに関するもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術は骨が増
生進入してくるのを最適に誘導できるよう孔形状を正確
にコントロールできるものであったが、セラミック製基
体と上記セラミック製多孔質部材の焼成時の収縮率の差
から、一体焼成時に両者の間でクラックが発生するなど
一体化に難があった。そして、クラックの発生によりセ
ラミック製多孔質部材がセラミック製基体から脱落した
り、基体に歪みを生じて摺動面の摩耗特性に影響を与え
る恐れがあるなどの問題点があった。
【0006】また、骨の増進を更に促進することを目的
としてセラミック製多孔質部材の孔壁面にリン酸カルシ
ウム系材料のコーティングを行う場合、化学的に安定な
セラミックと、リン酸カルシウム材料との間で強固な固
着が得られないなどの問題点があった。
【0007】本発明は、上記のような従来技術の問題点
に鑑み、セラミック製基体とセラミック製多孔質部材が
クラックの発生なしに接合され、且つ、その接合強度が
十分大きく、さらに、セラミック製多孔質部材の孔の壁
面に骨の増進を促進する作用があるリン酸カルシウム系
材料が強固に被着されるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の生体インプラント材は、セラミック製基
体上に生体為害性の少ない金属材からなる中間層を介し
てセラミック製多孔質部材を接合してなり、かつ上記セ
ラミック製多孔質部材は少なくともその孔壁面に生体為
害性の少ない金属材が被着されていることを特徴とす
る。
【0009】かかる構成によれば、上記金属材の中間層
を介した接合形態により、セラミック製基体とセラミッ
ク製多孔質部材間の焼成時における収縮率の差の影響が
ないので、クラックの発生なしに接合される。しかも、
その接合強度を十分大きくすることが可能である。この
ような良好な接合は、焼成済のセラミック製基体と焼成
済みのセラミック製多孔質部材を拡散接合法を利用して
接合することで達成することができる。
【0010】さらに、セラミック製多孔質部材の孔の壁
面には金属材が被着されているので、金属材上にリン酸
カルシウム系材料或いは生体内でリン酸カルシウム生出
作用のある材料を形成する公知の方法を利用することが
できる。そして、こうした方法でもって骨の増進作用が
あるリン酸カルシウム系材料を孔の壁面に強固に形成す
れば、骨とセラミック製多孔質部材が強固に固着するこ
とになる。
【0011】次に、請求項2の発明によれば、上記セラ
ミック製多孔質部材の孔壁面に被着された生体為害性の
少ない金属材上にリン酸カルシウム材料が被着されてい
ることを特徴とする。
【0012】かかる構成によれば、生体内に埋入当初か
ら骨を孔内へ増進させる作用が活発となる。
【0013】請求項3の発明によれば、上記生体為害性
の少ない金属材がチタン、タンタル、タングステン、ジ
ルコニウム、モリブデン、ニオブもしくはこれらを主成
分とする合金、またはコバルト・クロム合金、ステンレ
ス鋼のうちから選ばれる1種以上からなることを特徴と
する。
【0014】かかる構成によれば、上記材質は生体為害
性が非常に少ないので、生体内で極めて安全である。
【0015】請求項4の発明によれば、上記セラミック
製基体とセラミック製多孔質部がジルコニアからなり、
上記生体為害性の少ない金属材がチタン又はチタン合金
であることを特徴とする。
【0016】かかる構成によれば、ジルコニアとチタン
の熱膨張率が比較的近いので、ジルコニアに加わる残留
応力が少なく、生体インプラント材の強度を低下させる
ことが少ない。
【0017】請求項5の発明によれば、上記金属製中間
層の厚さが0.005〜0.1mmであることを特徴と
する。
【0018】かかる構成によれば、セラミック製基体と
セラミック製多孔質部材が十分大きな接合力で固着し、
且つ、中間層の剥離強度を大きくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。本発明の生体インプラント材は、セラミック製基体
上にセラミック製多孔質部材を接合したものである。こ
れら、セラミック製基体とセラミック製多孔質部材は、
生体為害性の少ない金属材からなる中間層を介して接合
されている。また、上記セラミック製多孔質部材は少な
くともその孔壁面に生体為害性の少ない金属材が被着さ
れている。
【0020】上記セラミック製基体およびセラミック製
多孔質部材には、酸化物系セラミック(アルミナ、ジル
コニア、チタニア)、窒化物系セラミック(窒化珪素、
窒化チタン、窒化アルミ)もしくは炭化物系セラミック
(炭化珪素)や、アルミナ分散ジルコニアやチタニア分
散アルミナなどの素材強度を改善した混合セラミックを
使用することができる。
【0021】なお、上記セラミック製基体およびセラミ
ック製多孔質部材に対して、イオン注入を行っても良
い。すなわち、後述の中間層を構成する材種のイオンを
予め表面に注入しておくことにより、中間層との密着性
を向上させることが可能である。例えば、アルミナから
なるセラミック体の表面に予めチタンを注入しておく
と、中間層としてチタンを用いた場合、密着強度を20
%ほどアップさせることができる。
【0022】上記セラミック製多孔質部材は、上記孔の
壁面に金属材が被着されていることを特徴とする。上記
セラッミク製多孔質部材の孔の壁面に被着する上記金属
材としては、生体との馴染みが良い金属、例えば、チタ
ン、タンタル、タングステン、ジルコニウム、モリブデ
ン、ニオブもしくはこれらを主成分とする合金、または
コバルト・クロム合金、ステンレス鋼のうちから選ばれ
る1種以上を用いることができる。
【0023】このように上記孔の壁面に金属材が被着さ
れていることの利点として、金属材上にリン酸カルシウ
ム系材料或いは生体内でリン酸カルシウム生出作用のあ
る材料を形成する公知の方法を利用できることがあげら
れる。そして、こうした方法でもって骨の増進作用があ
るリン酸カルシウム系材料を孔の壁面に強固に形成すれ
ば、骨とセラミック製多孔質部材が強固に固着すること
になる。すなわち、セラミック製多孔質部材の孔内に新
生骨が増生進入し、進入した骨組織はその立体構造によ
り生体内で生体インプラント材を強固に保持することが
可能となる。
【0024】上記公知の方法として、カルシウム化合物
とリン化合物を含有する電解質中で陽極酸化後、必要に
応じて水熱処理する方法(電気化学的コーティング方
法)や、アルカリ液中に浸漬後加熱処理し、カルシウム
及びリンを含有する水溶液中に浸漬する方法(化学的コ
ーティング方法)等がある。なお、この化学的コーティ
ング方法の場合、形成される表面層が生体中のカルシウ
ムとリンを取り込んでリン酸カルシウム材料に変質する
ことになるので、必ずしも予めリン酸カルシウム材料を
被着しておく必要はない。
【0025】ちなみに、上記電気化学的コーティング方
法、化学的コーティング方法はいずれも、不導体であり
化学的に安定であるセラミック材に適用することは困難
であり、金属材に対してのみ適用可能である。
【0026】上記リン酸カルシウム材料としては、水酸
アパタイト、トリカルシウムフォスフェート(α型、β
型)、オクタカウルシウムフォスフェートなどがある
が、これらに限定されるものではない。
【0027】上記セラミック製多孔質部材はその形態に
特に限定はないが、多数の孔が穿設されている焼成済み
のセラミック製薄板を、薄板に穿設した孔の位置を略一
定の深さごとに変位させながら積層したものが好まし
い。このようなセラミック製多孔質部材において、細孔
が三次元的に連通し、且つ細孔の連通状態を適宜コント
ロールすることが望ましい。
【0028】上記構成のセラミック製多孔質部材は以下
のように作製することができる。まず、積層前の焼成済
みの薄板の段階で孔壁を含む全面に生体為害性の少ない
金属材を被着する。更に、上記薄板を接合するセラミッ
ク製基体上にも生体為害性の少ない金属材を被着する。
続いて、この薄板を上記セラミック製基体上に載置し、
この状態で拡散接合することで薄板同士の接合およびセ
ラミック基体上へのセラミック製多孔質部材の設置を同
時に行う。なお、上記拡散接合については後述する。こ
の場合、生体為害性の少ない材料の孔の壁面への被着、
薄板同士を接合する接合層の形成、後述の中間層の形成
が同時に行われる。
【0029】ちなみに、このセラミック製多孔質部材の
表面にセラミック材を露出させたい場合は、所望の箇所
の被着コーティング材をフッ酸化合物などによる酸処理
や、サンドブラスト処理によって除去すれば良い。
【0030】次に、上記中間層について説明する。中間
層は生体為害性の少ない金属材からなり、このような金
属材としては、前記セラッミク製多孔質部材の孔の壁面
に被着する上記金属材として挙げたものを用いることが
できる。この中間層は、上記セラミック製基体とセラミ
ック製多孔質部材の間に介在して両者を接合する作用を
有する。この接合形態を拡散接合とすることにより、両
部材が十分大きい接合強度でもって接合可能である。
【0031】ここで、拡散接合とは、被接合物を突き合
わせた状態で加圧及び加熱することにより接合面間に被
接合物の構成原子の拡散を生じさせて被接合物をその融
点以下で接合する方法である。この接合において、初期
の段階でミクロ的には接触面が点接触となっているが、
次第に金属材の点接触部が塑性変形していくことで接触
面を形成する。そして、この接合面間で相互原子の拡散
が行われる間、クリープ変形が生じ、時間の経過ととも
に接触面積が増大していく。この拡散接合によれば、生
体内の使用環境で十分な接合強度を持つことが可能であ
る。
【0032】かかる拡散接合を上記生体インプラントに
適用するにあたって、セラミック製基体とセラミック製
多孔質部材としてジルコニアを、中間層としてチタンを
用いることが好適である。この組み合わせは、それぞれ
の熱膨張係数が近く、またチタンは酸素との親和性が高
い。したがって、接合工程中にジルコニア側からチタン
への酸素の拡散が起こり、強固な接合強度が得られる。
なお、このような酸素の拡散現象は、他の酸化物系セラ
ミックでも見られ、例えばアルミナとチタンの組み合わ
せにおいても高い接合強度が得られる。
【0033】上記拡散接合工程は荷重下で行う。その条
件は、1平方mm当たり1gから100gであることが
望ましい。これは、1g未満の荷重条件では、中間層の
充分な塑性流動が得られないため、密着力が小さくなっ
てしまう。一方、100gを超える荷重条件では、塑性
流動が大きすぎて中間層としての役割が果たせなくなる
だけでなく、また、セラミック製多孔質部材が変形して
潰れる可能性がある。
【0034】拡散接合時の温度は、材料の組み合わせに
よって異なるが、ジルコニアの基体と薄板の積層体を、
チタン層を介して接合する場合は1000℃程度が最適
である。
【0035】上記中間層を形成する方法としては、コー
ティング手段を用いることができる。中間層を構成する
生体為害性の少ない金属材のコーティングは、セラミッ
ク製基体及びセラミック製多孔質部材の両方に形成する
ことが望ましい。
【0036】コーティング方法としては、低熱衝撃性の
コーティング方法を用いることが好ましい。ここで、低
熱衝撃性というのは、コーティング層を形成する際に、
セラミック材に対して熱的な衝撃を加えることがない、
或いは、セラミック材に対してコーティング時のコーテ
ィング層の冷却収縮による応力衝撃を与えない場合をい
う。
【0037】上記低熱衝撃性のコーティング方法として
は、真空蒸着、イオンビーム蒸着、スパッタリング、イ
オンプレーティング、ダイナミックミキシング法などの
PVD法や、TiCNやTiCなどのCVD法によるコ
ーティング法、電気メッキや無電解メッキなどの湿式コ
ーティング法を用いることができる。勿論、これらの方
法を組み合わせて使用することもできる。
【0038】これらのコーティング方法のうち、PVD
法を用いることが好適である。PVD法により形成され
た中間層は塑性流動作用が良好であるので大きな接合強
度を得ることができること、結晶性が良好であり緻密で
欠陥が少ないので安定な結合が得られること、大量の処
理により生産コストを抑えられること等などの利点があ
る。PVD法のうちでも、特にスパッタリングやイオン
プレーティング法ではこれらの利点が顕著である。
【0039】なお、上記中間層の厚みについては、使用
する材料やコーティング方法によっても異なるが、生体
適合性コーティング層は0.005mmから0.1mm
であることが好ましい。0.005mm未満の厚みで
は、拡散接合時にセラミック材相互の表面の微視的な凹
凸が干渉しあう。そのため、金属材とセラミック材の接
触面積を増加させる作用が大きく期待できない。また
0.1mmを越える厚みでは、特に中間層で層内破壊を
起こす恐れがある
【0040】
【実験例】以下、生体為害性の少ない金属材からなる上
記中間層および接合層によるセラミック材の接合強度に
ついての実験例を具体的に説明する。
【0041】直径17mm、厚み5mmの焼成済みジル
コニアセラミック円板を脱脂洗浄後、その直径17mm
の片面に、スパッタリング法にて厚さ10μmのチタン
をコーティングした後、同径の焼成済み多孔質ジルコニ
アセラミック薄板、即ち有効径300μm、孔ピッチ5
00μm、厚み200μmのジルコニアセラミックの全面
に同じくスパッタリング法にて厚さ10μmのチタンを
コーティングしたものを10層積層し、1平方mmあた
り10gの荷重を負荷した状態で、1000℃で拡散接
合し、実験用の試験片を製作した。
【0042】評価項目は断面分析と密着強度試験であ
る。断面分析は、試験片を樹脂包埋後、切断及び研磨し
て、試験片断面を金属顕微鏡(倍率400倍)で観察し
た。一方密着強度試験は、JIS H8666(セラミ
ック溶射試験方法)に準拠して行った。各試験片の両面
をエポキシ系接着剤で試験用治具に接着し、インストロ
ンタイプ引張試験機を使用して引張速度1mm/分で、
試験片が破断するまで荷重を加え、破断強度を測定し
た。各試験片の破断部位の確認は目視及び光学顕微鏡観
察にて行った。また本試験実施に際して、コントロール
として焼成後に上記寸法及び形状となるような未焼成の
ジルコニアセラミック円板及び薄板を一体化後に焼成し
た試験片を作製して比較評価した。
【0043】同時に、焼成済みのジルコニアセラミック
円板及び薄層を、スパッタリング層を付与せずに接合を
試みたが、接合は得られなかった。
【0044】本発明試験片は、基体のジルコニアセラミ
ック上及びその上に積層するジルコニアセラミック薄板
に、生体適合性コーティング層としてチタンをスパッタ
リング法によってコートし、両者を拡散接合法にて接合
した。
【0045】この試験の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、コントロール群では、
密着強度は有意に低く、断面観察においてもジルコニア
基体とジルコニア薄板積層体との間で、熱収縮の差によ
るクラックが発生し、充分な接合はほとんど得られなか
った。一方、本発明試験片群では、高い密着性が得ら
れ、断面分析ではスパッタリングチタン層の塑性流動に
よる変形を伴うジルコニアセラミック基体及びその上に
積層するジルコニアセラミック薄板の接合が認められ
た。
【0048】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の生体インプラ
ント材はセラミック製基体上に生体為害性の少ない金属
材からなる中間層を介してセラミック製多孔質部材を接
合してなり、かつ上記セラミック製多孔質部材は少なく
ともその孔壁面に生体為害性の少ない金属材が被着され
ているので、上記金属材の中間層を介した接合形態によ
り、セラミック製基体とセラミック製多孔質部材間の焼
成時における収縮率の差の影響がないので、クラックの
発生なしに接合され、且つ、その接合強度を十分大きく
することが可能である。
【0049】さらに、セラミック製多孔質部材の孔の壁
面に金属材を被着することで、孔の壁面に骨の増進を促
進する作用があるリン酸カルシウム系材料を強固に被着
することが可能である。
【0050】また本発明において、上記セラミック製多
孔質部材の孔壁面に被着された生体為害性の少ない金属
材上にリン酸カルシウム材料が被着されるようにするこ
とで、生体内に埋入当初から骨を孔内へ増進させる作用
を活発とすることができる。
【0051】また、上記生体為害性の少ない金属材がチ
タン、タンタル、タングステン、ジルコニウム、モリブ
デン、ニオブもしくはこれらを主成分とする合金、また
はコバルト・クロム合金、ステンレス鋼のうちから選ば
れる1種または2種以上からなる構成とすることで、上
記材質は生体為害性が非常に少ないので、生体内で極め
て安全な生体インプラント材とすることができる。
【0052】さらに本発明において、上記セラミック製
基体とセラミック製多孔質部がジルコニアからなり、上
記生体為害性の少ない金属材がチタン又はチタン合金で
ある構成とすることにより、ジルコニアとチタンの熱膨
張率が比較的近いので、ジルコニアに加わる残留応力が
少なく、生体インプラント材の強度を低下させ難くする
ことができる。
【0053】また、上記金属製中間層の厚さを0.00
5〜0.1mmとすることで十分大きな接合力と中間層
の剥離強度を両立させることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック製基体上に生体為害性の少ない
    金属材からなる中間層を介してセラミック製多孔質部材
    を接合してなり、かつ上記セラミック製多孔質部材は少
    なくともその孔壁面に生体為害性の少ない金属材が被着
    されていることを特徴とする生体インプラント材。
  2. 【請求項2】上記セラミック製多孔質部材の孔壁面に被
    着された生体為害性の少ない金属材上にリン酸カルシウ
    ム材料が被着されていることを特徴とする請求項1記載
    の生体インプラント材。
  3. 【請求項3】上記生体為害性の少ない金属材がチタン、
    タンタル、タングステン、ジルコニウム、モリブデン、
    ニオブもしくはこれらを主成分とする合金、またはコバ
    ルト・クロム合金、ステンレス鋼のうちから選ばれる1
    種以上からなることを特徴とする請求項1記載の生体イ
    ンプラント材。
  4. 【請求項4】上記セラミック製基体とセラミック製多孔
    質部材がジルコニアからなり、上記中間層がチタン又は
    チタン合金からなることを特徴とする請求項1記載の生
    体インプラント材。
  5. 【請求項5】上記中間層の厚さが0.005〜0.1m
    mであることを特徴とする請求項1記載の生体インプラ
    ント材。
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