JP2002165600A - 混床式糖液精製装置の再生法 - Google Patents

混床式糖液精製装置の再生法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン
交換樹脂を充填した混床式糖液精製装置の再生法であっ
て、処理糖液のpHが酸性側に振れるのを防止して、処
理糖液のpHを安定させることができる再生法を提供す
る。 【解決手段】 まず、強塩基性アニオン交換樹脂8及び
強酸性カチオン交換樹脂10の両方にアルカリ再生剤を
接触させて、強塩基性アニオン交換樹脂を再生するとと
もに、強酸性カチオン交換樹脂を塩形とする。その後、
強酸性カチオン交換樹脂にその総イオン交換容量未満の
イオン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触させて
強酸性カチオン交換樹脂を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デンプン糖液等の
糖液の脱塩、脱色を行う糖液精製装置の再生法に関し、
さらに詳述すると、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性
アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液精製装置のイオン
交換樹脂の再生法に関する。
【0002】
【従来の技術】デンプンを酸又は酵素で加水分解する
と、その分解条件によって種々のデンプン糖(デンプン
を原料として製造された糖類の総称)が得られる。デン
プンの加水分解工程は液化と糖化の2工程に分けられ、
デンプンの糖化によってデンプン糖液が得られるが、こ
のデンプン糖液中には様々な不純物が含まれている。そ
のため、これら不純物除去を目的として、デンプンの糖
化工程の後にはデンプン糖液の精製が行われる。
【0003】デンプン糖液を精製する場合、粉末活性炭
濾過、粒状活性炭濾過、骨炭濾過等の精製工程の後処理
として、イオン交換処理が行われている。イオン交換処
理には、脱色を目的としたイオン交換処理と、脱塩を目
的としたイオン交換処理がある。
【0004】脱塩を目的としたイオン交換処理は、一般
に、強酸性カチオン交換樹脂層と弱塩基性アニオン交換
樹脂層を用いた複床式の前脱塩システムと、強酸性カチ
オン交換樹脂とII形強塩基性アニオン交換樹脂を用いた
混床式の仕上げ脱塩システムとによって構成され、前脱
塩システムで原液中の塩類、色素、その他の不純物の大
部分を除去し、仕上げ脱塩システムで仕上げの脱塩、脱
色、pH調整を行っている。この脱塩処理は工業的に広
く使用されており、高純度の糖液が得られる点で、糖液
の精製処理法として優れた方法である。これは、混床層
を用いた仕上げ脱塩がうまく働いているためである。ま
た、最近では、II形強塩基性アニオン交換樹脂に代え
て、I形強塩基性アニオン交換樹脂を用いて混床を形成
することも提案されている。
【0005】上述の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性
アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液精製装置(仕上げ
脱塩システム)におけるイオン交換樹脂の再生は、従
来、次のように行われている。まず、混床塔で糖液処理
を終了した後、混床塔内で強酸性カチオン交換樹脂を下
層に、強塩基性アニオン交換樹脂を上層に分離する。混
合状態の両樹脂の分離は、逆洗によって両樹脂の比重差
を利用して行う。そして、下層の強酸性カチオン交換樹
脂に塩酸水溶液等の酸再生剤を通薬して強酸性カチオン
交換樹脂の再生を行う。同様に、上層の強塩基性アニオ
ン交換樹脂に水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ再生
剤を通薬して強塩基性アニオン交換樹脂の再生を行う。
一方の樹脂層への通薬時には他方の樹脂層に水を通水
し、両樹脂の分離境界面に設置したコレクタより樹脂再
生廃液及び上記水を排出する。また、両樹脂層に同時に
再生剤を通薬する方法もある。両樹脂を再生した後は、
これらを再び混合して混床を形成させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したデンプン糖液
のイオン交換処理では、後段の濃縮工程での着色や糖の
分解を防ぐために、イオン交換処理後の処理糖液のpH
が5〜6の範囲内にあることが望ましい。処理糖液のp
Hを決定するのは、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性
アニオン交換樹脂を用いた混床式の仕上げ脱塩システム
であり、したがってこの仕上げ脱塩システムでは、処理
糖液のpHが最適な範囲となるように強酸性カチオン交
換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の樹脂量の比率を決
定している。
【0007】しかし、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基
性アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液精製装置(仕上
げ脱塩システム)は、従来の再生法、すなわち強酸性カ
チオン交換樹脂に酸再生剤、強塩基性アニオン交換樹脂
にアルカリ再生剤をそれぞれ通薬する方法によって再生
処理を数サイクル行った場合に処理糖液のpHが酸性側
に振れ、処理糖液のpHが5より低くなることがあっ
た。
【0008】上記現象が生じる理由は必ずしも明らかで
はないが、強塩基性アニオン交換樹脂は強酸性カチオン
交換樹脂に比べて通液により汚染されやすいため、通液
及び再生処理を数サイクル行った場合に、強塩基性アニ
オン交換樹脂によるアニオン交換速度が、強酸性カチオ
ン交換樹脂によるカチオン交換速度に比べて相対的に低
下し、その結果、糖液中のカチオンがアニオンに比べて
相対的に多くイオン交換されて処理糖液のpHが酸性側
に振れるのではないかと推測される。
【0009】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
もので、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交
換樹脂を充填した混床式糖液精製装置の再生法であっ
て、処理糖液のpHが酸性側に振れるのを防止して、処
理糖液のpHを安定させることができる混床式糖液精製
装置の再生法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、強酸性カチオン交
換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液
精製装置の再生において、まず、強酸性カチオン交換樹
脂及び強塩基性アニオン交換樹脂の両方にアルカリ再生
剤を接触させて、強塩基性アニオン交換樹脂を再生する
とともに、強酸性カチオン交換樹脂を塩形とした後、強
酸性カチオン交換樹脂に該樹脂の総イオン交換容量未満
のイオン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触させ
て強酸性カチオン交換樹脂を再生した場合、処理糖液の
pHが酸性側に振れることが防止され、処理糖液のpH
が安定することを見出した。
【0011】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換
樹脂を充填した混床式糖液精製装置のイオン交換樹脂を
再生するに当たり、強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基
性アニオン交換樹脂にアルカリ再生剤を接触させた後、
強酸性カチオン交換樹脂に該樹脂の総イオン交換容量未
満のイオン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触さ
せることを特徴とする混床式糖液精製装置の再生法を提
供する。
【0012】前述したように、強酸性カチオン交換樹脂
と強塩基性アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液精製装
置では、通液及び再生処理を数サイクル行った場合にア
ニオン交換速度がカチオン交換速度に比べて相対的に低
下し、その結果、処理糖液のpHが酸性側に振れるので
はないかと考えられる。これに対し、本発明のようにア
ルカリ再生剤で強酸性カチオン交換樹脂を塩形とした
後、強酸性カチオン交換樹脂にその総イオン交換容量未
満のイオン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触さ
せて強酸性カチオン交換樹脂を再生した場合、再生後に
は強酸性カチオン交換樹脂中にH形のものと塩形のもの
が含まれることになる。すなわち、再生後の強酸性カチ
オン交換樹脂は、一部をH形、残部を塩形とし、意図的
に再生率を低下させる。
【0013】本発明では、上記のように再生率を低下さ
せることにより再生後の強酸性カチオン交換樹脂の脱塩
性能を意図的に低下させ、通液及び再生処理を数サイク
ル行った場合でも、強塩基性アニオン交換樹脂によるア
ニオン交換速度が強酸性カチオン交換樹脂によるカチオ
ン交換速度に比べて相対的に低下することが防止され、
カチオン交換速度とアニオン交換速度のバランスが良く
なり、その結果、処理糖液のpHが酸性側に振れること
が防止され、処理糖液のpHが安定することができると
考えられる。なお、本発明では再生後の強酸性カチオン
交換樹脂の脱塩性能は低下するが、混床式処理であるた
め混床式糖液精製装置からリークするカチオン量は極微
量であり、その後の工程に影響を及ぼすものではない。
【0014】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明では、まず、強酸性カチオン交換樹脂と強塩
基性アニオン交換樹脂にアルカリ再生剤を通薬する。ア
ルカリ再生剤の種類に限定はないが、水酸化ナトリウム
水溶液を好適に用いることができる。また、強酸性カチ
オン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂にアルカリ再
生剤を通液する場合、両イオン交換樹脂を分離する前に
アルカリ再生剤を通液してもよく、分離した後にアルカ
リ再生剤を通液してもよいが、通常は分離した後に通液
する。
【0015】本発明では、次に、強酸性カチオン交換樹
脂に酸再生剤を通薬する。酸再生剤の種類に限定はない
が、塩酸水溶液を好適に用いることができる。また、強
酸性カチオン交換樹脂への酸再生剤の通液は、両イオン
交換樹脂を分離した状態で行えばよい。
【0016】この場合、本発明では、強酸性カチオン交
換樹脂に該樹脂の総イオン交換容量未満のイオン交換容
量に相当する当量の酸再生剤、好ましくは、強酸性カチ
オン交換樹脂の総イオン交換容量の30〜80%のイオ
ン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触させる。上
記数値が30%未満であると塩形の強酸性カチオン交換
樹脂が多くなりすぎて強酸性カチオン交換樹脂から塩が
リークすることがあり、80%を超えるとH形の強酸性
カチオン交換樹脂が多くなりすぎて通薬及び再生処理を
数サイクル行った場合に処理糖液のpHが酸性側に振れ
ることがある。
【0017】本発明を適用する混床式糖液精製装置の強
酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂の
種類に限定はなく、処理の目的等に応じて適宜選択すれ
ばよい。具体的には、アンバーライト(登録商標、以下
同じ)200CT、IR120B、IR124、IR1
18、ダイヤイオン(登録商標、以下同じ)SK1B、
SK102、PK208、PK212(以上、強酸性カ
チオン交換樹脂)、アンバーライトIRA402BL、
IRA400、IRA440B、IRA404、IRA
900、IRA904、ダイヤイオンSA10A、SA
11A、PA306、PA308(以上、I形強塩基性
アニオン交換樹脂)、アンバーライトIRA411、I
RA410、IRA910、ダイヤイオンSA20、P
A418(以上、II形強塩基性アニオン交換樹脂)等を
用いることができる。
【0018】本発明を適用する混床式糖液精製装置は、
強酸性カチオン交換樹脂の樹脂量と強塩基性アニオン交
換樹脂の樹脂量との比を2:1〜1:4として混床を形
成させたものであることが好ましい。これは、処理糖液
のpHをより安定させるためである。すなわち、強酸性
カチオン交換樹脂の樹脂量が上記範囲より多いと処理糖
液のpHが酸性側になりすぎ、強塩基性アニオン交換樹
脂の樹脂量が上記範囲より多いと処理糖液のpHがアル
カリ側になりすぎる。
【0019】また、本発明の再生法は、例えば下記糖液
精製システム(A)、(B)における混床式糖液精製装
置に対して好適に適用できるが、これらに限定されるも
のではない。 (A)強酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオン交換装
置と、弱塩基性アニオン交換樹脂を用いたアニオン交換
装置と、強酸性カチオン交換樹脂及びI形又はII形の強
塩基性アニオン交換樹脂を用いた混床式糖液精製装置と
をこの順で設置した糖液精製システム。 (B)強酸性カチオン交換樹脂を用いたカチオン交換装
置と、強酸性カチオン交換樹脂及び弱塩基性アニオン交
換樹脂を用いた混床式糖液精製装置と、強酸性カチオン
交換樹脂及びI形又はII形の強塩基性アニオン交換樹脂
を用いた混床式糖液精製装置とをこの順で設置した糖液
精製システム。本システムでは、後段の混床式糖液精製
装置に本発明を適用する。
【0020】本発明の再生法は、例えば、デンプン糖液
を処理する混床式糖液精製装置の再生法として好適に使
用されるが、これに限定されるものではなく、他の混床
式糖液精製装置の再生法として使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用する混床式糖
液精製装置の一例を示す概略構成図である。本例の混床
式糖液精製装置2の下部にはイオン交換樹脂(強酸性カ
チオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂)を支持
するための支持床4が敷設されている。また、塔内の下
部には酸再生剤を供給するディストリビュータ6が設置
されているとともに、上層の強塩基性アニオン交換樹脂
8と下層の強酸性カチオン交換樹脂10との分離境界面
12には、強酸性カチオン交換樹脂の再生廃液を排出す
るコレクタ14が設置されている。さらに、図中16は
原糖液導入管、18は処理糖液排出管を示す。
【0022】本例の混床式糖液精製装置の再生を本発明
の再生法によって行う手順は、例えば下記のとおりであ
る。 (1)糖液処理を終了した後、原糖液導入管16から塔
内に水を導入し、この水で混床層中の糖液を押し出し、
糖液及び水は処理糖液排出管18から排出する。 (2)糖液押し出し終了後、ディストリビュータ6から
水を導入し、樹脂層を膨張流動させる逆洗を行う。これ
により、両イオン交換樹脂をそれらの比重差を利用して
分離する。逆洗終了後は両イオン交換樹脂を沈静させ
る。 (3)その後、原糖液導入管16から塔内にアルカリ再
生剤を導入し、上層の強塩基性アニオン交換樹脂8及び
下層の強酸性カチオン交換樹脂10にアルカリ再生剤を
下向流で一括通薬する。アルカリ再生剤の再生廃液は処
理糖液排出管18から排出する。これにより、強塩基性
アニオン交換樹脂8を再生するとともに、強酸性カチオ
ン交換樹脂10を塩形にする。なお、ディストリビュー
タを別途塔上部に設置し、このディストリビュータから
塔内にアルカリ再生剤を導入してもよい。 (4)次に、アルカリ再生剤を水で押し出し、必要に応
じて樹脂層を水洗した後、ディストリビュータ6より、
下層の強酸性カチオン交換樹脂10に塩酸水溶液等の酸
再生剤を上向流で通薬する。具体的には、強酸性カチオ
ン交換樹脂10の総イオン交換容量未満、好ましくは総
イオン交換容量の30〜80%のイオン交換容量に相当
する当量の酸再生剤を通薬する。同時に、上層の強塩基
性アニオン交換樹脂8に押さえ水を下向流で通水する。
そして、樹脂再生廃液及び押さえ水をコレクタ14から
排出する。これにより、強酸性カチオン交換樹脂10の
再生が行われる。 (5)次いで、ディストリビュータ6から塔内に水を導
入し、この水で強酸性カチオン交換樹脂10中の酸再生
剤を押し出す。同時に、上層の強塩基性アニオン交換樹
脂8に原糖液導入管16から押さえ水を下向流で通水す
る。そして、樹脂再生廃液及び押さえ水をコレクタ14
から排出する。 (6)塔内に水を適当量入れた状態でディストリビュー
タ6から樹脂中に空気をバブリングすることにより、再
生された両樹脂を再び混合して混床を形成させる。
【0023】他の再生法としては、糖液処理を終了した
後、両イオン交換樹脂の混床層に下部からアルカリ再生
剤を上向流で通液して、樹脂層を膨張流動させながら両
イオン交換樹脂を分離することにより、強塩基性アニオ
ン交換樹脂を再生するとともに、強酸性カチオン交換樹
脂を塩形とし、次いでアルカリ再生剤の流入を停止して
両イオン交換樹脂を沈静させた後、樹脂層下部に分離さ
れた強酸性カチオン交換樹脂にその総イオン交換容量未
満のイオン交換容量に相当する当量の酸再生剤を接触さ
せる方法がある。この方法では前述の(2)及び(3)
の工程を同時に行うことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。
【0025】(実施例)H形強酸性カチオン交換樹脂
(アンバーライトIRA120B)3.5Lを充填した
カラム(SC塔)、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹
脂(アンバーライトXE583)5.0Lを充填したカ
ラム(WA塔)、H形強酸性カチオン交換樹脂(アンバ
ーライト200CT)1.0L及びOH形II形強塩基性
アニオン交換樹脂(アンバーライト411)2.0Lを
混合充填したカラム(MB塔)の3塔をこの順で設置し
て糖液精製システムを構成した。使用したイオン交換樹
脂はいずれも数サイクルの糖液精製処理に使用済みの樹
脂である。また、MB塔には中間コレクタを設置した。
【0026】デンプン糖液200Lを前記SC塔、WA
塔、MB塔にこの順で通液した後、MB塔の糖液の押し
出し、洗浄、再生を行った。再生は下記手順で行った。
まず、上向流の逆洗水により樹脂層を50%展開し、
強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の
分離を行った。次に、カラム上部より1.0mol/
Lの水酸化ナトリウム水溶液4Lを両樹脂に下向流で一
括通薬して、強塩基性アニオン交換樹脂を再生するとと
もに、強酸性カチオン交換樹脂をNa形とした。水で
水酸化ナトリウム水溶液の押し出し及び両樹脂の洗浄を
行った後、カラム下部より1mol/Lの塩酸水溶液9
50mLを強酸性カチオン交換樹脂に上向流で通薬し
て、強酸性カチオン交換樹脂を再生した。この時、上層
の強塩基性アニオン交換樹脂に押さえ水を下向流で通水
し、樹脂再生廃液及び押さえ水を中間コレクタから排出
した。水による塩酸水溶液の押し出し及び強酸性カチ
オン交換樹脂の洗浄後、カラム下部より空気を供給して
強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂と
の混合を行い、再び混床層を形成させた。
【0027】ここで、上記例における強酸性カチオン交
換樹脂の総イオン交換容量と酸再生剤使用量について説
明する。イオン交換樹脂の総イオン交換容量は、樹脂1
L当たり吸着することのできるイオンの当量であり、単
位は[eq(当量)/L−樹脂]である。実施例のMB
塔で用いた強酸性カチオン交換樹脂アンバーライト20
0CTは、総イオン交換容量が1.75eq/L−樹脂
であるから、樹脂1L当たり一価のイオンであれば1.
75mol吸着することができる。実施例で酸再生剤と
して用いた塩酸(HCl)は一価の酸となるので、1m
ol/L=1eq/Lとなる。1mol/Lの塩酸を用
いてアンバーライト200CTを再生する場合、強酸性
カチオン交換樹脂の総イオン交換容量に対する酸再生剤
使用量(%)は、下記式(a)のようになる。 [塩酸濃度(eq/L)×塩酸使用量(L)]÷[樹脂
量(L)×総交換容量(eq/L)]×100 ・・・
(a) したがって、本実施例の場合を式(a)に当てはめると
以下のようになり、本実施例では強酸性カチオン交換樹
脂にその総イオン交換容量の54%に相当する当量の酸
再生剤を接触させたことになる。 (1eq/L×0.950L)÷(1L×1.75eq
/L)×100=54%
【0028】前述した再生工程が終了した後、デンプン
糖液200LをSC塔、WA塔、MB塔にこの順で通液
し、樹脂を再生する工程を5サイクル行った。処理糖液
のpH及び電気伝導率の5サイクルでの平均値を表1に
示した。
【0029】(比較例)実施例と同様の糖液精製システ
ムを構成した。そして、デンプン糖液200LをSC
塔、WA塔、MB塔にこの順で通液した後、MB塔の糖
液の押し出し、洗浄、再生を行った。再生は下記手順に
より従来方法で行った。 まず、上向流の逆洗水により樹脂層を50%展開し、
強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂の
分離を行った。 次に、カラム上部より1.0mol/Lの水酸化ナト
リウム水溶液4Lを強塩基性アニオン交換樹脂に下向流
で通薬して、強塩基性アニオン交換樹脂を再生した。こ
の時、下層の強酸性カチオン交換樹脂に押さえ水を上向
流で通水し、樹脂再生廃液及び押さえ水を中間コレクタ
から排出した。 水で水酸化ナトリウム水溶液の押し出し及び強塩基性
アニオン交換樹脂の洗浄を行った後、カラム下部より1
mol/Lの塩酸水溶液1.5Lを強酸性カチオン交換
樹脂に上向流で通薬して、強酸性カチオン交換樹脂を再
生した。この時、上層の強塩基性アニオン交換樹脂に押
さえ水を下向流で通水し、樹脂再生廃液及び押さえ水を
中間コレクタから排出した。 水による塩酸水溶液の押し出し及び強酸性カチオン交
換樹脂の洗浄後、カラム下部より空気を供給して強酸性
カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂との混合
を行い、再び混床層を形成させた。
【0030】上記再生工程が終了した後、デンプン糖液
200LをSC塔、WA塔、MB塔にこの順で通液し、
樹脂を再生する工程を5サイクル行った。処理糖液のp
H及び電気伝導率の5サイクルでの平均値を表1に示し
た。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果より、本発明方法で再生を行っ
た実施例は、処理糖液のpHが5〜6の範囲内で安定し
ていることが確認された。これに対し、従来法で再生を
行った比較例は、処理糖液のpHが酸性側に振れ、処理
糖液のpHが5より低くなるものであった。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る混床式糖液
精製装置の再生法によれば、強酸性カチオン交換樹脂と
強塩基性アニオン交換樹脂を充填した混床式糖液精製装
置の処理糖液のpHを安定させることができ、イオン交
換処理の後段の濃縮工程での着色や糖の分解を防ぐこと
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する混床式糖液精製装置の一例を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
2 混床式糖液精製装置 4 支持床 6 ディストリビュータ 8 強塩基性アニオン交換樹脂 10 強酸性カチオン交換樹脂 12 分離境界面 14 コレクタ 16 原糖液導入管 18 処理糖液排出管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニ
    オン交換樹脂を充填した混床式糖液精製装置のイオン交
    換樹脂を再生するに当たり、強酸性カチオン交換樹脂及
    び強塩基性アニオン交換樹脂にアルカリ再生剤を接触さ
    せた後、強酸性カチオン交換樹脂に該樹脂の総イオン交
    換容量未満のイオン交換容量に相当する当量の酸再生剤
    を接触させることを特徴とする混床式糖液精製装置の再
    生法。
  2. 【請求項2】 強酸性カチオン交換樹脂に該樹脂の総イ
    オン交換容量の30〜80%のイオン交換容量に相当す
    る当量の酸再生剤を接触させる請求項1に記載の混床式
    糖液精製装置の再生法。
  3. 【請求項3】 アルカリ再生剤として水酸化ナトリウム
    水溶液を用いる請求項1又は2に記載の混床式糖液精製
    装置の再生法。
  4. 【請求項4】 混床式糖液精製装置が、強酸性カチオン
    交換樹脂の樹脂量と強塩基性アニオン交換樹脂の樹脂量
    との比を2:1〜1:4として混床を形成させたもので
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の混床式糖液精
    製装置の再生法。
  5. 【請求項5】 混床式糖液精製装置がデンプン糖液の精
    製装置である請求項1〜4のいずれか1項に記載の混床
    式糖液精製装置の再生法。
JP2000364741A 2000-11-30 2000-11-30 混床式糖液精製装置の再生法 Expired - Lifetime JP4216998B2 (ja)

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