JP3160435B2 - 純水製造装置、及び同装置の再生方法 - Google Patents

純水製造装置、及び同装置の再生方法

Info

Publication number
JP3160435B2
JP3160435B2 JP21943493A JP21943493A JP3160435B2 JP 3160435 B2 JP3160435 B2 JP 3160435B2 JP 21943493 A JP21943493 A JP 21943493A JP 21943493 A JP21943493 A JP 21943493A JP 3160435 B2 JP3160435 B2 JP 3160435B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tower
water
cation exchange
regeneration
exchange resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21943493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0768254A (ja
Inventor
定夫 行政
康人 室下
和郎 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp filed Critical Organo Corp
Priority to JP21943493A priority Critical patent/JP3160435B2/ja
Publication of JPH0768254A publication Critical patent/JPH0768254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3160435B2 publication Critical patent/JP3160435B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン交換法による純水
製造装置及びその再生方法に関する。特に硬度成分及び
アルカリ度成分の濃度もしくは含有率の比較的高い原水
を用いて純水を製造するのに好適な純水製造装置、及び
その再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強酸性陽イオン交換樹脂(以下SCRと
記す)と、強塩基性陰イオン交換樹脂(以下SARと記
す)とを同一塔内に充填した従来の混床式イオン交換塔
で純水を製造する場合の、再生工程と、通水工程を、図
2を参照して説明する。
【0003】従来、混床式イオン交換塔(以下MB塔と
記す)の構成は、図2にその一例を示すようなものであ
り、一定期間通水して純水を製造した後は、樹脂のイオ
ン交換能力の再生工程に入る。
【0004】再生工程は、まずMB塔50の下部の配管
52から原水を供給し、樹脂層を流動化させながら、塔
内を上向流で流し塔上部の配管54から排出する逆洗操
作を行う。この操作により、塔内の上部に比重の軽いS
AR56が、下部に比重の重いSCR58が位置するよ
うに分離される。次に両樹脂を2層に沈静後、塔下部の
配管60から押水を供給しながら、配管62からアルカ
リ再生剤を供給してSAR56の再生を行い、再生廃液
は分離面に設けた再生廃液出口コレクター64を経由し
て、配管66から排出する。その後、同一ラインで再生
剤の押出洗浄を行うことによって、上部のSAR56の
再生が終了する。次に、配管62から押水を供給しなが
ら、塔下部の配管60から酸再生剤を供給してSCR5
8の再生を行い、再生廃液は分離面に設けた再生廃液出
口コレクター64を経由して、配管66から排出する。
その後、同一ラインで再生剤の押出洗浄を行うことによ
って、下部のSCR58の再生が終了する。その後、塔
内に残留する微量の酸、アルカリ及び不純物を除去する
ために、塔上部の配管68から洗浄水を供給すると同時
に、塔下部の配管52からも洗浄水を供給し、これらを
分離面に設けたコレクター64を経由して配管66から
排出する。最後に、塔内の水をその水面が樹脂面上20
〜30cmになるように配管70から抜き、塔下部の配
管72から空気を供給して、塔内のSCR58とSAR
56とをよく混合させる。その後、上部配管68から原
水を供給し、また上部配管74から塔内の空気を抜きな
がら塔内を満水状態にした後、原水を配管68から供給
し、配管70から洗浄水をブローすることによって再生
が完了する。通水工程(純水の製造工程)は、塔上部の
配管68に原水を供給することにより行われ、塔下部の
水質計76を経由して配管78から純水が得られる。
【0005】純水の純度は水質計76でモニタしてお
り、その純度が規定値を満足しない間は、配管70から
ブローし、純水ラインの配管78には送水しないように
する。以上がMB塔50の再生工程と通水工程である
が、この装置には以下のような問題点がある。
【0006】前記のSCR58中には原水中のカルシウ
ムイオンやマグネシウムイオン等が吸着されており、ま
たSAR56中には原水中のシリカ、及び炭酸等が吸着
されている。再生時にこれらの樹脂とアルカリ再生剤で
ある苛性ソーダ液が接触すると、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の種々の沈
殿が生成する。この現象をさけるため、逆洗分離時にS
CR58とSAR56の分離をよくする必要があるが、
実際には再生廃液の出口部に設けたコレクター64近辺
における両樹脂の分離は必ずしも完全なものではなく、
SCR58とSAR56が互いに一部混合されているの
が一般的である。そのため、アルカリ再生剤(通常苛性
ソーダ液)とSCR58の接触を完全に避けることは出
来ず、このため前記沈殿の発生が避けられない。
【0007】また、前記洗浄水、押出水等の再生用水は
一般に原水を使用するため、原水のカルシウム濃度やマ
グネシウム濃度等が高い場合にはSAR56の再生工程
で、アルカリ再生剤や再生後のSARと原水中のカルシ
ウム、マグネシウム、炭酸塩、シリカ等が反応して、前
記のような種々なる沈殿が一部生成するという問題が生
じることもある。
【0008】再生工程で生じるこれらの沈殿物は、原水
中に存在するカルシウム、マグネシウム、炭酸塩、シリ
カ等の量が多い場合と、絶対量としてはそれ程多くなく
ても、上記硬度成分の含有割合が多い場合に特に沈殿物
の量が増え、問題となる。通常、再生工程で、これらの
沈殿が、若干生成するのは、やむを得ないもので、生成
した沈殿は、再生工程の終了段階で実施する空気混合工
程で微細化され、再生後の活性化した樹脂に再吸着させ
ることによって解決している。しかし沈殿物の量が増え
てくると、再生後に水質が悪化して純水の採水が出来な
い場合や、1サイクル当りの採水量が少なくなって計画
値を満足できない場合が起きる。以上の理由により、M
B塔50に供給できる原水水質はカルシウム、マグネシ
ウム等の硬度成分、及び炭酸塩共に70mgCaCO3
/1以下であり、シリカ値は30mgCaCO3/l以
下であると一般に言われている。
【0009】また全カチオン成分のうち硬度成分の構成
割合は50%以下、全アニオンのうち炭酸イオンの構成
割合は50%以下であると一般に言われている。
【0010】従来、上記の水質値を超える場合は、MB
塔方式にせずに、SCRを充填したK塔、脱炭酸塔、S
ARを充填したA塔による、いわゆる2床3塔型の純水
製造装置、あるいはこの後段に混床式ポリッシャー(以
下MBPと記す)を設置して純水を製造する方法を採用
していた。
【0011】上記2床3塔型純水製造装置では、K塔、
A塔の両塔共に、再生剤を別々に供給し、A塔の再生用
水はK塔処理水、または純水を使用するので、再生時に
各種の沈殿物を生成することはない。しかし2床3塔型
純水製造装置では必ずしも混床式純水製造装置のように
高純度水が得られないので、この後段にMBPを設置す
る場合が多い。
【0012】この場合、前段の2床3塔型の純水製造装
置で沈殿物の原因となる硬度成分、炭酸塩、シリカが除
かれているので、MBPの再生時に沈殿物は生成しない
からである。
【0013】しかし、この方法では設備費が高くなる欠
点がある。また、MB塔単独で対応するための他の方法
として、再生工程で純水を使用する方法がとられること
もある。しかしながら、本方法もSCRやSARに吸着
されている成分にアルカリ再生剤が接触することによっ
て沈殿が生成するので、この方法もあまり有効ではな
い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、原水中に
存在する硬度成分、炭酸塩、シリカ等の量とその構成割
合が、前述のように一定値以上になるとMB塔の再生工
程中に、種々の沈殿が生じ、純度の低下、採水量の確保
が出来なくなる問題を解決するために鋭意検討した結
果、原水中のこれらの成分のうち、硬度成分と炭酸塩を
予め別の手段でその一部または大部分を除去した後、M
B塔に供給すると、再生工程における沈殿生成を有効に
抑制できることに想到し、本発明を完成するに至ったも
ので、その目的とするところは、比較的硬度成分、アル
カリ度成分の濃度の高い原水、あるいはこれらの成分の
含有率の高い原水を使用する場合にも、MB塔の再生の
際に沈殿生成が少なく、また再生後の純水の純度の立上
がりの早い純水製造装置、及びその再生方法を提供する
ことにある。さらに本発明の他の目的は、従来のMB塔
に別の手段を付加したとしても、その再生時間を延長さ
せない再生方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イオン交換
塔と、脱炭酸装置と、脱炭酸水槽と、強酸性陽イオン交
換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを同一塔内に充填
した混床式イオン交換塔とを有してなり、原水を陽イオ
ン交換塔、脱炭酸装置、脱炭酸水槽、混床式イオン交換
塔に順次通水して混床式イオン交換塔から純水を取り出
すように構成したことを特徴とする純水製造装置であ
る。
【0016】また本発明は上記純水製造装置の再生方法
において、混床式イオン交換塔内の強酸性陽イオン交換
樹脂に酸再生剤を通薬して前記強酸性陽イオン交換樹脂
を再生すると共に、前記通薬により生成する酸性再生廃
液を陽イオン交換塔に送って前記陽イオン交換塔内の弱
酸性陽イオン交換樹脂を再生することを特徴とする純水
製造装置の再生方法である。
【0017】また更に本発明は上記純水製造装置の再生
方法において、まず混床式イオン交換塔内の強塩基性陰
イオン交換樹脂を再生し、次いで強酸性陽イオン交換樹
脂を再生すると共に前記強酸性陽イオン交換樹脂の再生
により生成する酸性再生廃液を陽イオン交換塔に送って
弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、かつ前記強塩基性陰
イオン交換樹脂を再生している間は、原水を陽イオン交
換塔に通水して、当該処理水を強塩基性陰イオン交換樹
脂の再生工程に利用することを特徴とする純水製造装置
の再生方法である。
【0018】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0019】本発明による純水製造装置の機器構成を図
1に示す。本発明の装置は、陽イオン交換塔1(以下K
W塔と記す)、脱炭酸装置としての脱炭酸塔2(以下D
塔と記す)、脱炭酸水槽3(以下DWTと記す)、及び
MB塔4から構成されている。以下に各構成機器、及び
その処理機能について説明する。KW塔1の内部には、
H形の弱酸性陽イオン交換樹脂5(以下WCRと記す)
が充填されている。配管18から原水をKW塔1に供給
すると、原水中のアルカリ度成分(HCO3 -)に相当す
る硬度成分がWCR5により吸着除去され、アルカリ度
成分の大部分が炭酸に変わる。D塔2の内部にはラシヒ
リングやテラレットパッキン等の脱炭酸用充填材6が充
填されている。上部の配管19からKW塔1の処理水を
D塔2に供給し、下部の配管23から空気を供給する
と、D塔2の内部の脱炭酸用充填材6の表面で、供給水
と空気とが向流接触し、これにより供給水中に溶解して
いる炭酸が空気中に移動し、配管25から系外に排出さ
れる。なお、脱炭酸装置としては、このような脱炭酸塔
の他に、例えば真空脱気塔や加熱脱気塔、あるいは脱気
膜を用いた膜脱気装置等の公知のものを使用することが
できる。炭酸が除去された処理水(脱炭酸水)はD塔の
下部に設けられたDWT3に流入する。この脱炭酸水中
の残存炭酸量は一般に5〜10mg・CaCo3 /l程
度となる。得られた脱炭酸水は、次いでMB塔4に供給
され、ここで不純物イオンが除去されて純水となり、純
水出口管21から取り出される。上述のような純水の採
水を行って規定の採水量に達したら、KW塔1及びMB
塔4の再生を行う。
【0020】次に、KW塔1及びMB塔4の再生方法に
ついて説明をする。再生に際しては、MB塔4の再生か
ら開始する。
【0021】MB塔4の再生は逆洗工程から始まる。即
ち、MB塔4の下部の配管16から逆洗水をMB塔4内
に供給し、MB塔4内にほぼ均一に混合されているSC
RとSARとを流動状態とする。SCRとSARとは比
重が異なるため、上記操作により互いに分離する。前記
逆洗水は上部配管17から排出される。その後、逆洗水
の流入を停止し、樹脂を沈静させることにより、SCR
8とSAR7とはMB塔4内で分離状態を保って沈降す
る。
【0022】次にSAR7の再生工程を行う。
【0023】配管10からアルカリ再生剤を供給すると
共に、塔下部の配管11から押水を供給し、生じる再生
廃液を再生廃液出口コレクター9に集液し、配管12か
ら排出させる。アルカリ再生剤は公知のものが使用でき
る。その後、アルカリ再生剤の代りに脱炭酸水を同一ラ
インで供給し、SAR7を満している再生剤の押出工程
を行う。その後配管16から押水を供給すると同時に、
配管20から脱炭酸水を供給して配管12から排出させ
るSAR7の洗浄を行うことにより、SAR7の再生が
完了する。なお、上記SAR7の再生工程が終了するま
では、KW塔に原水を通水し続けている。またSAR7
の再生用水としては前述の説明では脱炭酸水を用いた
が、場合によっては、KW塔処理水を直接用いてもさし
つかえない。次いで、MB塔4内のSCR8とKW塔1
内のWCR5の再生工程を行う。即ち、まずKW塔1に
供給している原水の供給を停止して脱炭酸水の製造を中
断する。次いでMB塔4の下部配管11から酸再生剤を
供給すると共に、配管10から押水を供給し、これによ
って生成する酸性再生廃液を再生廃液出口コレクター9
で集水する。集められた酸性再生廃液は配管13を経由
させてKW塔1の再生剤入口管28に導き、KW塔1内
のWCR5と接触させ、これによって当該WCR5を再
生させた後、下部配管14から排出させる。その後、酸
再生剤の代わりに脱炭酸水槽3中の脱炭酸水に切り換え
て同一操作をすることにより、SCR8及びWCR5の
押出工程を行い、その後、MB塔4とKW塔1の洗浄工
程をそれぞれ独立して実施する。
【0024】MB塔4の洗浄は上部配管20と下部配管
16とから脱炭酸水を供給し、再生廃液出口コレクター
9を経て配管12から排出することにより行う。
【0025】KW塔1の洗浄は配管18から原水を供給
し、配管14から排出することによって行う。これによ
ってSCR8、及びWCR5の再生が完了する。
【0026】上記酸再生剤としては、強酸性陽イオン交
換樹脂の再生用に用いる公知の濃度、量の薬剤をそのま
ま用いることができる。
【0027】この工程中は前述のように脱炭酸水の製造
を中断しているので、この工程で用いる脱炭酸水は脱炭
酸水槽3内に貯留してある脱炭酸水を用いるものであ
る。
【0028】次に、MB塔4内のSCR8とSAR7の
混合工程から満水ブロー工程までと、KW塔1の逆洗工
程とを行うものであるが、これは常法による。なお、K
W塔1の逆洗工程は原水を用いても脱炭酸水を用いても
良い。
【0029】また、KW塔1の逆洗工程は、MB塔4の
逆洗と同時に再生工程の一番最初に実施しても良い。
【0030】なお、KW塔1の再生に廃酸を使用せず、
新しい酸再生剤を使用する場合は、当該酸再生剤をKW
塔1の配管29より供給する。
【0031】KW塔1に充填されたWCR5は再生効率
が良いため、上述のようにMB塔4に充填されている強
酸性カチオン交換樹脂の酸性再生廃液を利用して再生で
きる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0033】本発明により、純水を製造する場合、KW
塔1に供給する原水の硬度成分、炭酸塩等の量が比較的
多い場合、あるいはその構成割合が大きい場合にその効
果があることは前述の通りである。
【0034】本発明の実施例に使用した原水水質を表1
に示す。
【0035】
【表1】 図1に示す構成の装置を用いた。使用した各構成機器に
ついて説明する。KW塔1は内径350mm、高さ16
00mmの円筒状であり、その内部にWCR5としてア
ンバーライトIRC−76(商品名)を75 l充填し
た。
【0036】また内径300mm、高さ1600mmの
円筒状のD塔2には、外形59mm、高さ19mmの充
填剤6(ラシヒリング)を高さが1200mmになるよ
うに充填し、通水時は下部の配管23より空気を100
Nm3 /Hで供給した。内径450mm、高さ3400
mmの円筒状のMB塔4にSCR8としてアンバーライ
トIR−124(商品名)を80 l、SAR7として
アンバーライトIRA−410(商品名)を190 l
充填した。
【0037】以下、再生工程について説明する。先ずM
B塔4の逆洗工程について説明する。
【0038】MB塔4の下部の配管16から逆洗水を1
500 l/H流量で15分間供給してSCRとSAR
を分離させ、上部の配管17から逆洗水を排出した。そ
の後、逆洗水の流入を停止してイオン交換樹脂を沈静さ
せると、SCR8とSAR7の沈降と両樹脂の分離が完
了した。この状態で分離は良好であったが、両樹脂の境
界面にはSCR8とSAR7の混合部が約30mmにわ
たり存在した。次にSAR7の再生工程について説明す
る。
【0039】先ず、配管10から4%(重量%、以下同
様)苛性ソーダ水溶液の720 lを1000 l/H
の流量で供給し、同時に塔下部の配管11から押水とし
て脱炭酸水を360 l/Hの流量で供給し、再生廃液
出口コレクター9に集液し、配管12からアルカリ再生
廃液を排出した。その後、4%苛性ソーダ水溶液の代り
に脱炭酸水を、同一ルート、同一流量で12分間供給し
て、薬液の押出工程を実施した。更に塔上部の配管20
から2300 l/H、塔下部の配管16から1500
l/Hの流量で洗浄水として脱炭酸水を同時に5分間
供給し、コレクター9に集液し、配管12から排出し
た。なお、ここまでは、KW塔に原水を通水して脱炭酸
水を製造し続けていた。
【0040】次にMB塔4のSCR8とKW塔1のWC
R5の再生工程について説明する。
【0041】先ずMB塔4の下部配管11から5%塩酸
140 lを360 l/Hの流量で供給し、同時に配
管10から押水として脱炭酸水を1000 l/Hの流
量で供給した。再生廃液出口コレクター9から酸性再生
廃液を取り出し、これを配管13を経由して、KW塔1
の再生剤入口管28に導き、KW塔1内に供給し、下部
配管14から排出させた。その後、5%HClを、脱炭
酸水に切り替え、同一ルート、同一流量で15分間薬液
の押出工程を実施した。
【0042】更に塔上部の配管20から2300 l/
H、塔下部の配管16から1500l/Hの流量で、洗
浄水として脱炭酸水を同時に5分間供給し、コレクター
9に集液し、配管12から排出した。
【0043】この時KW塔1の洗浄は配管18から原水
を4m3 /Hの流量で5分間供給し、下部配管14から
排出する方法で、MB塔4のSCR8の洗浄工程とは独
立して実施した。
【0044】なお、前記再生工程のうち、MB塔4のS
CR8の通薬、押出、洗浄工程のみ、脱炭酸水槽3に貯
留した脱炭酸水を使用し、それ以前の工程、つまり、逆
洗、SAR7の通薬、押出、洗浄工程までは、前述のご
とくKW塔1、D塔2で脱炭酸水を製造しながら、これ
を脱炭酸水槽3経由でMB塔4に再生用水として供給し
た。
【0045】次にMB塔4のSCR8とSAR7の混合
工程から、満水ブロー工程までと、KW塔1の逆洗工程
について説明する。
【0046】MB塔4の下部の配管15から水抜工程と
して塔内の水を抜くに際し、上部の配管24から空気を
入れながら塔内の水を20分間でほぼ完全に抜いた。次
に塔下部の配管16から、混合準備工程として逆洗水を
1500 l/Hの流量で樹脂面上200mmの高さに
水位が上る迄供給した。この所要時間は約6分であっ
た。続いて、塔下部の配管22から混合工程として圧縮
空気(1.9kg/cm2 )を18Nm3 /Hの流量で
5分間供給し、上部の空気抜き管24から排気した。こ
の工程でSCR8とSAR7がよく混合された。混合終
了後、上部配管20から脱炭酸水を7m3 /Hの流量で
供給しながら、下部配管15から塔内の水を排出する工
程を塔内が満水状態になるまで実施した。この満水ブロ
ー工程の所要時間は7分であった。満水後は上部配管2
0から脱炭酸水を供給し、下部配管15から3000
l/Hの流量で排出させるブロー洗浄を実施した。水質
計30の純度(電気伝導率)の指示値は、満水ブロー工
程2分で、1μS/cm(25℃)を示し、満水ブロー
終了時には0.5μS/cm(25℃)を示した。次の
ブロー洗浄5分後の純度は、0.2μS/cm(25
℃)を示した。 MB塔4の水抜工程では脱炭酸水を使
用しないので、この工程の間にKW塔1の逆洗工程を実
施した。
【0047】逆洗方法はKW塔1の下部配管26から原
水を1000 l/Hの流量で15分間供給して上部配
管27から逆洗水を排出した。
【0048】その後、5分間休止してWCRを沈静する
ことによって、KW塔1の再生が完了した。このように
MB塔4の再生工程の途中にKW塔1の再生を行うこと
によって本発明法の再生所要時間は、従来のMB塔4の
再生所要時間と同じ時間で実施することができた。つま
り、MB塔4の再生時間以外に余分の時間を必要としな
いものである。次に、通水工程を実施した。
【0049】原水をKW塔1、D塔2、脱炭酸水槽3、
MB塔4の順に4m3 /Hの流量で通水し、MB塔4の
出口配管に設置した水質計30で純水の純度(電気伝導
率)を監視した。その結果、通水1時間でその純度は
0.1μS/cm(25℃)に達し、最高純度は0.0
7μS/cm(25℃)が得られた。
【0050】通水の終了時の電気伝導率を1μS/cm
(25℃)として、前記再生工程と通水工程とを5サイ
クル実施した結果、純水の採水量は1サイクル当り39
3〜40m3 で安定した。 (比較例)KW塔1に供給すべき原水を直接MB塔4に
送り(つまり、KW塔、D塔、脱炭酸水槽を用いない
で)、前記と同様な方法で再生と通水を繰り返した。そ
の結果、MB塔の再生終了時の洗浄ブロー工程で、純度
(電気伝導率)は2μS/cm(25℃)であったの
で、MB塔4の再生工程の水抜き、混合準備、空気混
合、満水ブロー、洗浄ブロー工程を再度行った。結果
は、洗浄ブロー15分後にやっと1μS/cm(25
℃)の純度が得られた。また通水時の最高純度は0.4
μS/cm(25℃)であった。通水終点を1μS/c
m(25℃)とした時、純水の採水量は、1サイクル当
り12m3 から17m3 に大きく変動した。
【0051】参考のために実施例におけるKW塔1処理
水とD塔2の処理水(MB塔の供給水)との分析値を表
2に示す。
【0052】
【表2】 表1の原水と表2のD塔処理水(脱炭酸水)を比較する
と判るように、原水をKW塔1とD塔2とで処理するこ
とによって、全カチオンで43%、全アニオンで49%
のイオンが除去された。また除去された成分は、前記の
ようにMB塔4の再生工程で生成する各種沈殿物の原因
となるイオン、つまり硬度成分と炭酸イオンであった。
これらの除去率は硬度成分で79%、炭酸イオンで93
%であった。従って本発明におけるMB塔4の再生工程
では沈殿物がほとんど生成せず、またMB塔4の供給水
のイオン量が大幅に減少するので、同一規模のMB塔を
使用する場合には上述のごとく純水の採水量が従来より
大幅に増加する。換言すれば同一量の純水を得ようとす
る場合には、従来のMB塔単独の場合に較べてMB塔に
充填するSCR、SARの樹脂量が少なくなるというこ
とである。また一般的に硬度成分を吸着したSCRの再
生効率は悪くなるが、本発明によればこの硬度成分の多
くをKW塔1の再生効率の良いWCR5で除去できるの
で、全体の再生効率が良くなるのと相まって、同一量の
純水を得ようとする場合には再生剤使用量も大幅に減少
する。
【0053】また従来のMB塔だけで構成された純水製
造装置では、再生終了時の純度の立上がりが悪く、また
通水時の最高純度も本発明法より悪かった。
【0054】
【発明の効果】本発明においては、前述のようにMB塔
の前段にKW塔及びD塔を設けたので、MB塔に供給さ
れる脱炭酸水の水質は、KW塔に供給される原水の水質
に比較し、相当量の硬度成分、アルカリ度成分及び炭酸
が除去されている。このため、MB塔の再生時に問題と
なる沈殿生成が起らなくなる上、MB塔のイオン負荷が
減少する。
【0055】更に、本発明の純水製造装置はKW塔を有
するものであるが、この再生はMB塔のSCRの再生と
同時に、しかもSCRの再生廃液を用いて行えるので、
この場合にはMB塔単独で構成されている従来の純水製
造装置の再生に必要な時間と同じ時間で再生でき、何ら
余分の再生時間を必要とするものではないと共に、再生
剤の利用効率の向上が図れる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の純水製造装置の一構成例を示すフロー
図である。
【図2】従来の純水製造装置の一構成例を示すフロー図
である。
【符号の説明】
1 陽イオン交換塔(KW塔) 2 脱炭酸塔(D塔) 3 脱炭酸水槽(DWT) 4 混床式イオン交換塔(MB塔) 5 弱酸性陽イオン交換樹脂(WCR) 6 脱炭酸用充填材 7 強塩基性陰イオン交換樹脂(SAR) 8 強酸性陽イオン交換樹脂(SCR) 9 再生廃液出口コレクター
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 和郎 大阪府大阪市北区堂島1丁目5番17号堂 島グランドビル オルガノ株式会社大阪 支店内 (56)参考文献 特開 昭64−56186(JP,A) 特公 昭48−4311(JP,B1) 特公 昭48−10299(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/42 B01J 47/02 - 47/04 B01J 49/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弱酸性陽イオン交換樹脂を充填した陽イ
    オン交換塔と、脱炭酸装置と、脱炭酸水槽と、強酸性陽
    イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを同一塔
    内に充填した混床式イオン交換塔とを有してなり、原水
    を陽イオン交換塔、脱炭酸装置、脱炭酸水槽、混床式イ
    オン交換塔に順次通水して混床式イオン交換塔から純水
    を取り出すように構成したことを特徴とする純水製造装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した純水製造装置の再生
    方法において、混床式イオン交換塔内の強酸性陽イオン
    交換樹脂に酸再生剤を通薬して前記強酸性陽イオン交換
    樹脂を再生すると共に、前記通薬により生成する酸性再
    生廃液を陽イオン交換塔に送って前記陽イオン交換塔内
    の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生することを特徴とする
    純水製造装置の再生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した純水製造装置の再生
    方法において、まず混床式イオン交換塔内の強塩基性陰
    イオン交換樹脂を再生し、次いで強酸性陽イオン交換樹
    脂を再生すると共に前記強酸性陽イオン交換樹脂の再生
    により生成する酸性再生廃液を陽イオン交換塔に送って
    弱酸性陽イオン交換樹脂を再生し、かつ前記強塩基性陰
    イオン交換樹脂を再生している間は、原水を陽イオン交
    換塔に通水して、当該処理水を強塩基性陰イオン交換樹
    脂の再生工程に利用することを特徴とする純水製造装置
    の再生方法。
JP21943493A 1993-09-03 1993-09-03 純水製造装置、及び同装置の再生方法 Expired - Fee Related JP3160435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21943493A JP3160435B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 純水製造装置、及び同装置の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21943493A JP3160435B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 純水製造装置、及び同装置の再生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0768254A JPH0768254A (ja) 1995-03-14
JP3160435B2 true JP3160435B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=16735347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21943493A Expired - Fee Related JP3160435B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 純水製造装置、及び同装置の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3160435B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7143700A (en) * 1999-11-19 2001-05-24 Rohm And Haas Company Water treatment method and apparatus
KR100892257B1 (ko) * 2007-08-20 2009-04-09 (주)우리텍 공정 스팀 응축수 재활용 장치
KR101470620B1 (ko) * 2014-04-10 2014-12-10 (주) 시온텍 원수의 경도와 증발잔류물 제거를 위한 이온교환 연수 장치
CN115054947A (zh) * 2022-06-29 2022-09-16 成都长力元生物科技有限公司 一种低聚甘露糖滤液纯化和离子交换柱再生的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0768254A (ja) 1995-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101918771B1 (ko) 이온 교환 장치
JPS61209087A (ja) 貫流型の水脱塩方式及び方法
WO2011040278A1 (ja) イオン交換装置及びその塔体、並びに水処理装置
JP4210403B2 (ja) 混床式糖液精製装置の再生法
US4176056A (en) Cyclic operation of a bed of mixed ion exchange resins
JP3160435B2 (ja) 純水製造装置、及び同装置の再生方法
JPH10137751A (ja) イオン交換方法及びこのイオン交換方法に用いられるイオン交換塔
US4085042A (en) Solid-fluid contacting process
JPH05253576A (ja) フッ素含有水の処理方法
JP3913379B2 (ja) 混床式イオン交換装置の再生方法
JP3922824B2 (ja) 高純度水の製造装置
JP3613376B2 (ja) 純水製造装置及び純水製造方法
JP2940651B2 (ja) 純水製造装置
JPH0143593B2 (ja)
JP2002361247A (ja) 純水製造方法
JP2742975B2 (ja) イオン交換装置の再生方法
JP7184152B1 (ja) 混合イオン交換樹脂の分離塔、およびこれを用いた混合イオン交換樹脂の分離方法
JP3951456B2 (ja) 純水製造装置
JP2607544B2 (ja) 上昇流再生に用いるイオン交換塔
JP4216998B2 (ja) 混床式糖液精製装置の再生法
JP3592452B2 (ja) 混床式の糖液精製装置
JPS6362592A (ja) 半導体の洗浄廃水の処理方法
JP2845489B2 (ja) 混床式ショ糖液精製装置の再生法
JP4756911B2 (ja) ホウ素の回収方法
JPS6112490B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080216

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090216

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees