JP2002164166A - 有機el素子及び表示装置 - Google Patents

有機el素子及び表示装置

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JP2002164166A
JP2002164166A JP2000355300A JP2000355300A JP2002164166A JP 2002164166 A JP2002164166 A JP 2002164166A JP 2000355300 A JP2000355300 A JP 2000355300A JP 2000355300 A JP2000355300 A JP 2000355300A JP 2002164166 A JP2002164166 A JP 2002164166A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なTFT基板を必要とせず、また複雑な
外付部品を必要としない自身でアクティブマトリクスを
構成可能な有機EL素子を提供する。 【解決手段】 電子輸送層37と正孔輸送層36を有す
る有機EL素子において、少なくとも一方の輸送層から
注入されるキャリヤの量を制御するための制御電極34
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機エレクトロルミ
ネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という。)、
特に集積化に適した有機EL素子及び表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来集積化された有機EL素子の駆動方
法としてパッシブマトリクス法あるいはアクティブマト
リクス法が知られている。
【0003】前記パッシブマトリクス法は、有機EL素
子を複数配置する基板上に陰極である走査電極と、陽極
である信号電極を格子状に配置し、両電極間に電流を流
し込む事によって交点の各EL素子を駆動、発光せしめ
るものである。
【0004】また、前記アクティブマトリクス法の画素
構成、及び駆動方法は図10に示したようなものが一般
的である。図10において、101は信号線、102は
走査線、103及び105はスイッチ、104は容量、
106はEL素子、107は電源である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記パッシブマトリク
ス法は、有機EL素子の構成は簡単となるものの、有機
EL素子を駆動するための外付部品が必要となる。かか
る外付部品である電子回路、部品の価格は有機EL素子
の価格と比べて必ずしも安価ではない。
【0006】また、パッシブマトリクス法は、有機EL
素子を駆動するデューティ比が1ではなく、従って有機
EL素子を間欠的に比較的高輝度で発光する必要があ
る。これらの高輝度な駆動は、有機EL素子の負荷を高
め、劣化を促進する。
【0007】また、パッシブマトリクス法は、必然的に
駆動しない素子に対しても電圧が印加されるため、クロ
ストークが生じる。
【0008】前記クロストークを防ぐために例えば黒リ
セット法等の複雑な駆動方法が必要となる。これらは前
記デューティ比を更に低下せしめ、また前記外付部品の
価格を上昇せしめる。
【0009】それに対して前記アクティブマトリクス法
はデューティ比1であり、有機EL素子を比較的低輝度
で発光可能であるものの、有機EL素子の駆動には高価
なTFT基板が必要となるので基板及びシステム全体の
価格が上昇する。
【0010】前記TFTはアモルファスSiでは駆動能
力不足であると言われており、更に高価な低温ポリ、高
温ポリ、単結晶シリコンTFTが必要とされている。こ
れらTFTは大版基板を構成する上には不向きである。
また、各有機EL素子(画素)当たりの構成は図10に
示したように2個のスイッチング用TFTと1個の保持
容量が必要とされるため、前記画素の大きさを小さくす
る上で障害となっている。
【0011】本発明は前述の欠点を除去するものであ
り、高価なTFT基板を必要とせず、また複雑な外付部
品を必要としない自身でアクティブマトリクスを構成可
能な有機EL素子を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
前に、まず本発明を想定するに至った実験結果の説明を
行う。
【0013】ガラス基板上にパターニングされた直径2
mmのITO電極上に、正孔輸送層,電子輸送層,Al
−Li層,Al電極を順に抵抗加熱で蒸着し、有機EL
素子単体を作成した。前記両輸送層の界面の電子及び正
孔に対するポテンシャルバリアはいずれも0.6V以上
であった。
【0014】前記素子を電圧駆動した所、図1に示すよ
うなI−V特性が得られた。
【0015】0〜6Vの領域Iは発光開始点(4V)を
含む領域であり、主に両電極からの印加電圧で電流値が
決まっている領域であると考えられる。
【0016】それに対して6〜14Vの領域IIは空間
電荷制限電流(SCLC)で決まっている領域である。
【0017】またその上の14〜25Vの領域IIIは
本発明を想定するに至った、電気2重層を構成するキャ
リヤの再配置によるものである。以下簡単に前記現象の
説明を行う。
【0018】前記領域IIIに於いては、電圧を上昇、
印加させても、当初は電流値を増大させ、発光の輝度を
増加させるものの、時間の経過と共にその電流値、及び
輝度を減少させる。前記直径2mmの有機EL素子をよ
く観察すると、発光面の中央が暗いことが判明した。こ
の発光の不均一性は電圧の印加と共に次第に大きくな
り、しまいには外周から約0.3mmほどが光るのみと
なる。しかし電圧を切り、低電圧側で再び前記有機EL
素子を発光させると全面が均一に光るので、化学反応等
による劣化ではない。
【0019】本現象は以下のように解釈される。即ち、
本有機EL素子に於いては、素子を流れる電流は、前記
大きなポテンシャルバリアが形成された両輸送層界面に
於ける電気2重層がその電流値を決定している。前記界
面に於いては電子も正孔も、0.6V以上というポテン
シャルの壁によって容易に通り抜ける事は出来ない。従
って前記界面には次第に両キャリヤ(電子及び正孔)が
蓄積し、大きな容量、電気2重層を形成するようにな
る。この電気2重層が形成されると、その間を流れる電
流は、前記蓄積されたキャリヤが決めるようになる。
【0020】領域IIIに於いて更なる電圧を印加する
と、前記キャリヤの分布に変化を生じる。即ち、電圧が
高いほど前記キャリヤは前記有機EL素子の外周へと押
し出される。この原因は蓄積された同符号電荷(電子ま
たは正孔)間に働く反発(リパルジョン)であると考え
られる。前記外周側に押出されたキャリヤが作る電気2
重層に於いては流れる電流にさほど変化はなく、従って
再結合、及び発光に大きな差は生じなくなる。
【0021】またこのような状態で、界面の両輸送層の
電位を比較すると、キャリヤが多数蓄積している外周と
中央とではその値は異なっており、前記外周からの拡散
電流をキャンセルする分の電界が生じており、その値は
ドリフト電流の定義式 jdrift=enμE (e:単位電荷 n:キャリヤ密度 μ:移動度 E:
電界強度)から判るように、n及びμが小さいためにそ
の値Eはかなり大きくなる。
【0022】前記更なる電圧の増加分は、このような横
方向電界Eの形成によっても消費される。
【0023】以上の知見から、有機EL素子の特定の界
面のポテンシャルバリアを高め、キャリヤを封じ込める
事によって蓄積させ、前記蓄積したキャリヤを何らかの
手段(この場合は電圧)で制御する事が出来れば前記E
L素子の発光をも制御可能となる、という事が判明し
た。
【0024】本発明は前記原理を応用したものであり、
有機EL素子をMOSFETのように横方向に配置し、
両輸送層の界面のポテンシャルバリアの少なくとも一
方、望ましくは両方のバリア高さを高め、前記キャリヤ
の蓄積をうながし、前記界面の特定の領域上に縦方向電
界を印加するための制御電極を設ける事によって、前記
蓄積したキャリヤを制御可能とする事によって有機EL
素子の電気的特性、並びに発光特性を制御可能としたも
のである。
【0025】即ち、本発明第1の有機EL素子は、電子
輸送層と正孔輸送層を有する有機EL素子において、一
方の輸送層から注入されるキャリヤの量を制御するため
の制御電極を有することを特徴とする。
【0026】上記本発明第1の有機EL素子は、更なる
好ましい特徴として、「前記一方の輸送層から注入され
るキャリヤは、正孔であること」、「前記制御電極は、
前記キャリヤを注入する輸送層の直上に配置されている
こと」、「前記電子輸送層と正孔輸送層との界面では、
前記制御電極により注入量を制御されるキャリアに対す
るポテンシャル障壁が、反対電荷キャリアに対するポテ
ンシャル障壁よりも低いこと」、を含む。
【0027】また、本発明第2の有機EL素子は、電子
輸送層と正孔輸送層を有する有機EL素子において、両
輸送層から注入されるキャリヤの量を制御するための制
御電極を有することを特徴とする。
【0028】これら本発明の有機EL素子は、更なる好
ましい特徴として、「前記正孔輸送層は、TFLFLで
あること」、「前記制御電極は、絶縁膜を介した電界効
果型電極であること」、「前記絶縁膜は、素子を保護す
るパシベーション膜を兼ねること」、「前記制御電極
は、前記キャリヤを注入する電極の外周に広がっている
こと」、「前記制御電極の形状はドーナツ型であるこ
と」、「特定の界面のポテンシャル障壁は充分に高く、
該界面には両キャリヤの蓄積により電気2重層が形成さ
れていること」、「陽極が前記素子を形成する基板の表
面にベタで形成されていること」、「少なくとも一方の
輸送層はパターニングされており、互いに分離された複
数の素子を有すること」、を含む。
【0029】また、本発明の表示装置は、上記本発明の
有機EL素子を用いて構成した表示装置であって、前記
素子の制御電極と、陰極又は陽極でアクティブマトリク
ス回路を構成したことを特徴とする。
【0030】上記本発明の表示装置は、更なる好ましい
特徴として、「前記制御電極は走査線に接続されてお
り、前記陰極は信号線に接続されており、前記有機EL
素子の選択は、前記陽極の電位よりも低い電位で行われ
ること」、「前記陽極は共通電極であること」、「前記
アクティブマトリクス回路は低電圧駆動されること」、
「前記有機EL素子には、該素子の発光を延長するため
の蛍光材料又は燐光材料が加えられていること」、「前
記非選択有機EL素子の制御電極には、選択有機EL素
子のそれに印加する電圧とは反対符号の電圧が印加され
ること」、を含む。
【0031】本発明の表示装置における動作の一具体例
を図2を用いて以下に簡単に説明する。
【0032】陰極23を共通の電極とし、陽極22を信
号線25に、前記制御電極24を走査線26に接続し、
アクティブマトリクスを構成する。前記信号線25を正
の電流源27に接続し、前記走査線26に正の電圧28
を印加する事で前記信号線と走査線の交点に存在する有
機EL素子21が選択される。
【0033】前記選択された有機EL素子21に於いて
は、前記陽極22、陰極23間に正の電流源27からの
電流が流れ込む。その際前記界面に蓄積された片方のキ
ャリヤあるいは両方のキャリヤは、制御電極24の支配
を受ける。即ち、制御電極24に正の電圧が印加される
と、前記界面の一部に電界が発生し、前記蓄積したキャ
リヤは前記ポテンシャルのバリアを越えて流れ込み、再
結合し、発光を行う。
【0034】このように本発明の有機EL素子によれ
ば、高価なTFT基板を必要とせず、それ自身でアクテ
ィブマトリクス回路を実現可能であり、高価なプロセス
や高価な外付部品は不要となり、安価な表示装置が実現
されるのである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を具体的
な実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】(実施例1)本発明の第1実施例であるEL
表示装置の画素の概略断面図を図3に示す。
【0037】38は厚さ1.1mmのソーダライムガラ
スであり、37は厚さ500Åの電子輸送層を構成する
Alq3(下記の化学式からなるオキシンのアルミニウ
ム錯体)層である。
【0038】
【化1】
【0039】36は下記の化学式から成る厚さ100Å
の正孔輸送層を構成するTFLFLであり、パターニン
グ、開口されている。
【0040】
【化2】
【0041】電子輸送層37と正孔輸送層36は界面3
9を形成し、その界面39の電子に対するポテンシャル
バリアは0.8V、正孔に対するポテンシャルバリアは
0.6Vとなっている。
【0042】正孔輸送層36の上には厚さ1000Åの
絶縁膜35が形成されており、この絶縁膜35上には長
さ5μmのAl制御電極34が形成されている。
【0043】また、電子輸送層37上にはAl陰極33
設けられており、正孔輸送層36上にはITO陽極32
が設けられている。
【0044】前記陽極32と陰極33間に正の電圧が印
加されると、多数キャリヤである正孔は界面39に蓄積
するようになる。同様にして電子も同じく界面39に蓄
積するようになる。
【0045】前記蓄積した電荷に応じて界面39を通し
て電流が流れ、再結合を行い、Alq3層側で発光が行
われる。この時、制御電極34に正の電圧を印加する
と、制御電極34下の領域の界面に於いて前記ポテンシ
ャルギャップが狭まるようになり、更なる電流が流れ発
光強度が増大する。また、制御電極34に負の電圧を印
加すると、界面39に蓄積した正孔の一部は電界により
界面39から遠ざけられ、その結果、界面39を通過す
る電流は減少し、発光強度が低下する。
【0046】即ち、両電極32、33に印加する電圧を
適当に選び、且つ制御電極34に加える電圧のスイング
を適当に選択する事により、発光のon、offが可能
となる。尚、これら電圧は大略5V程度であり、比較的
低電圧である。
【0047】本実施例は、陽極32と制御電極34に電
圧を印加した時のみにしか前記発光を所望の値に制御す
る事は出来ず、従ってデューティ比が1のアクティブマ
トリクス駆動であるとは言い難い。
【0048】しかし、制御電極34が作る電界によって
集められたキャリヤは、制御電極がoffになっても緩
やかに拡散によって広がりながら再配置されるため、か
なり長い間その電流は流れ続け、発光を継続する。また
必要であるならば螢光や燐光物質のように発光寿命の長
い物質を添加する事によって前記発光の残光を長くする
事が可能であるので、本実施例のようなごく短時間のア
クセスによっても実質的にデューティ比が1に近い表示
を、保持容量等の回路工夫を行う事なく有機EL素子側
で実現する事が出来る。
【0049】(実施例2)図4に本発明の第2実施例で
ある、EL表示装置の画素の概略断面図を示す。
【0050】48はガラス基板であり、46は実施例1
と同様の厚さ100Åの正孔輸送層を構成するTFLF
L層、47は実施例1と同様の厚さ500Åの電子輸送
層を構成するAlq3層、45は厚さ500Åの酸化シ
リコン層からなる絶縁膜、43は厚さ1500ÅのAl
陰極、42は厚さ1500ÅのITO陽極、44は厚さ
1500ÅのAl制御電極である。
【0051】本実施例に於いては前記ポテンシャルバリ
アを低めるべき正孔輸送層46が電子輸送層47よりも
下方に存在するため、更に強い電界を発生する事を目的
として、制御電極44下の絶縁膜45の厚さを薄くして
いる。
【0052】本実施例に於いても実施例1と同様に制御
電極44により有機EL素子の発光を制御する事が出来
る。
【0053】(実施例3)本実施例の第三実施例である
EL表示装置の画素の概略断面図を図5に示す。
【0054】58はガラス基板であり、57は電子輸送
層である蛍光材料キナクリドンを含む下記の化学式から
なるBeBq2である。
【0055】
【化3】
【0056】56は正孔輸送層である下記の化学式から
なるTPD(トリフェニルアミン誘導体)である。
【0057】
【化4】
【0058】60は正孔注入層である下記の化学式から
なるmMTADATAである。
【0059】
【化5】
【0060】55は絶縁膜であり、53はMgIn陰
極、52はITO陽極、54はAl制御電極である。
【0061】本実施例によれば正孔輸送層56と電子輸
送層57の界面59の電子に対するポテンシャルバリア
は0.57V、正孔に対するポテンシャルバリアは0.
17Vと低いため、界面59に於ける両キャリヤの注入
効率が改善されており、その分有機EL素子の劣化が防
止でき、長寿命化されている。
【0062】このように本発明では、電子輸送層側で発
光を行うだけでなく、正孔輸送層側で発光を行う事も可
能である。
【0063】(実施例4)本発明の第4実施例であるE
L表示装置の画素構成を図6に示す。
【0064】67は電子輸送層であり、蛍光材料入正孔
輸送層66との成す界面69の正孔に対するポテンシャ
ルバリアは、電子に対するのポテンシャルバリアよりも
高くなっている。そのため正孔は正孔輸送層66中に蓄
積されがちである。電子輸送層67から注入される電子
の量はその上に形成されている制御電極64の支配を受
け、その結果、注入、再結合するキャリヤ数、即ち発光
量を制御する事が出来る。
【0065】(実施例5)本発明の第5実施例であるE
L表示装置の画素構成を図7に示す。
【0066】78はガラス基板、77は電子輸送層、7
6は正孔輸送層、75は絶縁膜、73は陰極、72は陽
極、74は制御電極である。
【0067】本実施例では、両輸送層76、77以外に
独立に発光層80を設け、この発光層80と両輸送層7
6、77との界面79a、79bのいずれかあるいは双
方のポテンシャルを制御電極74で制御する構成であ
る。
【0068】(実施例6)本発明の第6実施例として、
アクティブマトリクスの共通電極を陽極に取り、抵抗率
の高いITO電極を全面に形成して、前記高抵抗に由来
する問題を解決した例を示す。
【0069】図8は本実施例の画素の概略断面図であ
り、画素の大きさは100μm角、ガラス基板88上に
ITO陽極82が全面に形成されている。その上に蛍光
材料入の正孔輸送層86が全面に形成され、その上に直
径80μmの円板状の電子輸送層87がパターニング形
成されている。電子輸送層87からはAl陰極83が引
出されており、絶縁膜85の上には陰極83を中心とし
て、外径70μm、内径40μmのドーナツ状の制御電
極84が形成されている。尚、絶縁膜85は陰極83直
下のみ開口しており、パシベーション膜としての働きを
も有している。
【0070】前記両輸送層の界面89の電子に対するポ
テンシャルバリアは、正孔に対するポテンシャルバリア
よりも小さく形成されており、正孔輸送層86中に蓄積
した正孔めがけて陰極83から電子が注入される。ま
た、前記界面89のポテンシャルは制御電極84の影響
を受け、制御電極84の電位に応じて前記電子の注入量
が変化し、発光量が変化する。
【0071】図9に本実施例のアクティブマトリクス回
路を示す。
【0072】81は図9に示したEL素子(画素)であ
り、陽極92は共通電極である正の電源に全て接続され
ている。
【0073】それに対して陰極83は各信号線15に、
制御電極84は各走査線に16に接続されており、アク
ティブマトリクス回路を構成している。前記信号線15
は電位切換スイッチ17を通して、グラウンド19もし
くは正の電源に接続されている。同様に前記走査線16
もグラウンド19もしくは正の電源に接続されている。
図9は中心のEL素子が選択されている事を示してお
り、前記素子の両電極83、84には0の電位が印加さ
れている。
【0074】本実施例によれば電子を注入するEL素子
のアクティブマトリクス回路を容易に構成する事が出来
る。
【0075】尚、本実施例に於いてはアクティブマトリ
クス回路を構成する両電極(陰極および制御電極)共に
グラウンド電位を印加したが、必ずしも同じ電位を印加
する必要はなく、前記陽極の電位よりも低い電位であれ
ばよい。
【0076】(実施例7)本発明の第7実施例として、
実施例6と同様の画素構成において、前記制御電極に印
加する非選択時の電圧が、選択時のそれと反対符号であ
るEL表示装置の構成を挙げる。
【0077】本実施例においては、前記電子輸送層に対
して非選択時に前記制御電極に正の電圧を印加される。
これにより電子は前記界面から遠ざけられ、前記制御電
極下に蓄積するようになる。
【0078】前記制御電極下の電子輸送層領域は発光に
何ら寄与せず、従って前記キャリヤ電荷の蓄積により化
学反応劣化が生じても、前記EL素子の特性を直ちに劣
化させる事はない。即ち、本実施例の構成により前記E
L素子の寿命は向上する。
【0079】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば容
易にアクティブマトリクス回路を実現可能であり、高価
なプロセスや高価な外付部品は不要となり、安価な表示
装置を提供する事が出来る。
【0080】また高電圧駆動を必要としない事から長寿
命な表示装置を提供する事が出来るため、更にランニン
グコストを安価にする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL素子の電圧−電流特性を示す図であ
る。
【図2】本発明の表示装置における動作の一具体例を説
明するための回路図である。
【図3】本発明の第1実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図4】本発明の第2実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図5】本発明の第3実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図6】本発明の第4実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図7】本発明の第5実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図8】本発明の第6実施例であるEL表示装置の画素
の概略断面図である。
【図9】本発明の第6実施例であるEL表示装置のアク
ティブマトリクス回路図である。
【図10】従来のEL表示装置のアクティブマトリクス
回路図である。
【符号の説明】
15,25 信号線 16,26 走査線 17,18 スイッチ 19 グラウンド 21,31,41,51,61,71,81 EL素子 22,32,42,52,62,72,82 陽極 23,33,43,53,63,73,83 陰極 24,34,44,54,64,74,84 制御電極 27 電流源 28 電圧源 35,45,55,65,75,85 絶縁膜 36,46,56,66,76,86 正孔輸送層 37,47,57,67,77,87 電子輸送層 38,48,58,68,78,88 基板 39,49,59,69,79a,79b,89 界面 60 正孔注入層 80 発光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/26 H05B 33/26 Z

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子輸送層と正孔輸送層を有する有機E
    L素子において、一方の輸送層から注入されるキャリヤ
    の量を制御するための制御電極を有することを特徴とす
    る有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記一方の輸送層から注入されるキャリ
    ヤは、正孔であることを特徴とする請求項1に記載の有
    機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記制御電極は、前記キャリヤを注入す
    る輸送層の直上に配置されていることを特徴とする請求
    項1に記載の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記電子輸送層と正孔輸送層との界面で
    は、前記制御電極により注入量を制御されるキャリアに
    対するポテンシャル障壁が、反対電荷キャリアに対する
    ポテンシャル障壁よりも低いことを特徴とする請求項1
    に記載の有機EL素子。
  5. 【請求項5】 電子輸送層と正孔輸送層を有する有機E
    L素子において、両輸送層から注入されるキャリヤの量
    を制御するための制御電極を有することを特徴とする有
    機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記正孔輸送層は、TFLFLであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の有機
    EL素子。
  7. 【請求項7】 前記制御電極は、絶縁膜を介した電界効
    果型電極であることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の有機EL素子。
  8. 【請求項8】 前記絶縁膜は、素子を保護するパシベー
    ション膜を兼ねることを特徴とする請求項7に記載の有
    機EL素子。
  9. 【請求項9】 前記制御電極は、前記キャリヤを注入す
    る電極の外周に広がっていることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれかに記載の有機EL素子。
  10. 【請求項10】 前記制御電極の形状はドーナツ型であ
    ることを特徴とする請求項9に記載の有機EL素子。
  11. 【請求項11】 特定の界面のポテンシャル障壁は充分
    に高く、該界面には両キャリヤの蓄積により電気2重層
    が形成されていることを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれかに記載の有機EL素子。
  12. 【請求項12】 陽極が前記素子を形成する基板の表面
    にベタで形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    11のいずれかに記載の有機EL素子。
  13. 【請求項13】 少なくとも一方の輸送層はパターニン
    グされており、互いに分離された複数の素子を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の有
    機EL素子。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    有機EL素子を用いて構成した表示装置において、前記
    素子の制御電極と、陰極又は陽極でアクティブマトリク
    ス回路を構成したことを特徴とする表示装置。
  15. 【請求項15】 前記制御電極は走査線に接続されてお
    り、前記陰極は信号線に接続されており、前記有機EL
    素子の選択は、前記陽極の電位よりも低い電位で行われ
    ることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
  16. 【請求項16】 前記陽極は共通電極であることを特徴
    とする請求項15に記載の表示装置。
  17. 【請求項17】 前記アクティブマトリクス回路は低電
    圧駆動されることを特徴とする請求項14乃至16のい
    ずれかに記載の表示装置。
  18. 【請求項18】 前記有機EL素子には、該素子の発光
    を延長するための蛍光材料又は燐光材料が加えられてい
    ることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記
    載の表示装置。
  19. 【請求項19】 前記非選択有機EL素子の制御電極に
    は、選択有機EL素子のそれに印加する電圧とは反対符
    号の電圧が印加されることを特徴とする請求項14乃至
    18のいずれかに記載の表示装置。
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