JP2002162451A - リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック - Google Patents

リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック

Info

Publication number
JP2002162451A
JP2002162451A JP2000361149A JP2000361149A JP2002162451A JP 2002162451 A JP2002162451 A JP 2002162451A JP 2000361149 A JP2000361149 A JP 2000361149A JP 2000361149 A JP2000361149 A JP 2000361149A JP 2002162451 A JP2002162451 A JP 2002162451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacity
battery
charging
ion battery
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000361149A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3470098B2 (ja
Inventor
Kaoru Asakura
薫 朝倉
Toshiro Hirai
敏郎 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2000361149A priority Critical patent/JP3470098B2/ja
Priority to DE10164770A priority patent/DE10164770B4/de
Priority to DE10164771A priority patent/DE10164771B4/de
Priority to DE10164772A priority patent/DE10164772B4/de
Priority to DE10110642A priority patent/DE10110642B4/de
Priority to KR10-2001-0012675A priority patent/KR100414979B1/ko
Priority to TW090105739A priority patent/TW510977B/zh
Priority to US09/804,503 priority patent/US6586940B2/en
Publication of JP2002162451A publication Critical patent/JP2002162451A/ja
Priority to KR10-2003-0024354A priority patent/KR100440676B1/ko
Priority to KR10-2003-0024355A priority patent/KR100402309B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP3470098B2 publication Critical patent/JP3470098B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウムイオン電池の高精度容量推定方法、高
精度劣化判定方法および高精度劣化判定装置ならびに高
精度劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック
を提供すること。 【解決手段】リチウムイオン電池を定電流定電圧方式で
充電する過程と、該電池を放電させる過程とをそれぞれ
1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実施し、該サイク
ルにおいて、定電圧充電開始後充電電流がα倍(ここ
に、αは定数であり、0<α<1であるとする)になる
までの時間tαを測定し、tαが該サイクル数の増大に
伴って増加または不変の場合には関係式C= -Atα
B(ここに、AおよびBは正値定数である)を用い、そ
の他の場合には関係式C=+At α+B'(ここに、
B’は正値定数である)を用いて、該電池の容量の公称
容量に対する百分率比容量Cを推定するリチウムイオン
電池の容量推定方法を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムイオン電池
に関し、特に、リチウムイオン電池の容量推定方法、劣
化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を
具備したリチウムイオン電池パックに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化、高性能
化、携帯型化によって、電池の需要が高まっている。そ
れに応じて電池の改良、開発はますます活発化してき
た。また、それに伴って電池の適用領域も拡大してき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電池の普及とともに、
これら搭載された電池の信頼性向上の要求も高くなって
きている。特に、従来の鉛電池やニッケルカドミウム電
池(以下、Ni/Cd電池と称す)に比べて体積当た
り、あるいは重量当たり大幅な高エネルギー密度を有す
るニッケル水素電池(以下、Ni/MH電池と称す)や
リチウムイオン電池(以下、Liイオン電池と称す)で
は、その内部に蓄えられているエネルギーが大きいた
め、電池の異常に伴って起こる事故による被害の程度も
より深刻となりうるので、信頼性の確保が重要な課題と
なっている。
【0004】また、鉛電池、Ni/Cd電池、およびN
i/MH電池が、過充電による副反応で発生するガスを
吸収する反応機構を有するのに対して、Liイオン電池
は、正極活物質としてリチウムを挿入脱離できる金属酸
化物、負極活物質としてリチウムを挿入脱離できる炭素
化合物、電解液としてリチウム塩を溶質として溶解した
非水有機化合物混合溶液とから構成されていて、この電
池には、過充電により発生するガスの吸収反応が起こら
ないなど安全性維持の点で電池反応機構上にも大きな制
約がある。
【0005】さらに、複数のLiイオン電池を直列に配
置して使用する場合には、電池の劣化が進行すると個々
の電池特性のアンバランスが過充電や過放電をもたら
し、安全性の点で大きな不安要素となりうる。特にLi
イオン電池は高価なため、できる限り長期間使用し取り
かえ回数を少なくしたいが、逆に寿命末期のLiイオン
電池はきわめて安全性が低下するのでなるべく早期の電
池交換が望ましく、経済的にも大きな課題を残してい
た。
【0006】信頼性のひとつとして、搭載電池の的確な
劣化状態の把握とタイムリーな電池の交換が挙げられ
る。Ni/MH電池やLiイオン電池の高エネルギー密
度電池に関しては、1994年に提唱されたスマートバ
ッテリーシステム(SBS)が充電制御、残存容量判定
などを含めたバッテリーマネジメントシステムとして、
改良が加えられながら普及してきている(www.sbs-foru
m.org参照)。しかし、これらの電池制御・管理は、製
造メーカ、電池種類などの情報の他、電池の電流、電
圧、温度などを常時モニタする膨大な情報データ管理に
基づく方法が採用されているのみであり、極めて高価な
方式で、製品価格の高騰を来していた。
【0007】また、安全性維持の点で重要となる電池の
劣化状態の監視については、該Liイオン電池搭載の機
器のモデルチェンジが頻繁に実施されていることもあっ
て、使用時間の確保と監視を重視する余り、なおざりに
されている傾向がある。
【0008】特に、SBSは電池の充電制御、残存容量
などの制御・管理であり、電池の劣化状態まで把握する
機能は有しておらず、電池、または電池パックの交換は
使用者の勘に頼っているのが現状であった。
【0009】SBSとは別に、ビデオカメラに搭載すL
iイオン電池の制御・管理方式などが提案されている
が、その方式においては、電池の劣化は、すでに測定さ
れた容量の表示から判断することができるのみであるの
で、その精度には課題を残している。
【0010】本発明の目的は、上記現状を改善するため
に、リチウムイオン電池の高精度容量推定方法、高精度
劣化判定方法および高精度劣化判定装置ならびに高精度
劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パックを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、請求項1に記載したように、リ
チウムイオン電池の容量推定方法であって、該電池を、
該電池の電池電圧があらかじめ設定された上限電圧Vc
に達するまで一定電流Ic0で定電流充電した後に該電
池電圧を上記Vcに保って定電圧充電する定電流定電圧
方式によって充電する充電過程と、該充電過程後の該電
池を放電させる放電過程とをそれぞれ1回ずつ含む充放
電サイクルを複数回実施し、該充放電サイクルにおい
て、充電モードを定電流モードから定電圧モードに切り
替えた時点から、充電電流が上記Ic0のα倍(ここ
に、αは定数であり、0<α<1であるとする)になる
までの時間tαを測定し、該測定によって得たtαの測
定値が該サイクルの繰り返し回数nの増大に伴って増加
するかまたは不変である場合には該電池の容量Cdの該
電池の公称容量Cnに対する百分率比容量C(ここに、
Cは100×(Cd/Cn)で与えられる)の値を関係式 C= -Atα+B (1) (ここに、AおよびBは正値定数である)を用いて推定
し、該測定によって得たtαの測定値が該サイクルの繰
り返し回数nの増大に伴って減少する場合には上記百分
率比容量Cの値を関係式 C=+Atα+B’ (2) (ここに、B’は正値定数である)を用いて推定し、該
電池の容量Cdを、上記推定によって得た百分率比容量
Cの推定値と上記公称容量Cnとから、等式Cd=(C/
100)×Cnによって推定することを特徴とするリチ
ウムイオン電池の容量推定方法を構成する。
【0012】また、本発明においては、請求項2に記載
したように、上記αの値が1/2であることを特徴とす
る請求項1に記載のリチウムイオン電池の容量推定方法
を構成する。
【0013】また、本発明においては、請求項3に記載
したように、請求項1または2に記載のリチウムイオン
電池の容量推定方法において、上記定数A、Bおよび
B’の値を決定するために、容量推定対象となるリチウ
ムイオン電池と同一種類で同一公称容量Cnを有するリ
チウムイオン電池を上記定電流定電圧方式によって充電
する充電過程と、該充電過程後の該電池を、該電池の電
池電圧が放電終止電圧Vdに達するまで放電させる放電
過程とをそれぞれ1回ずつ含む充放電サイクルであっ
て、1回の充電時間を3時間以上10日間以下、好まし
くは3日間以上10日間以下とし、放電電流Idを0.
2CmA以上2.0CmA以下(ここに、CmAは該電
池の公称容量Cnを1時間で割って得る電流値である)
とし、該電池の周囲温度を0℃以上45℃以下、好まし
くは15℃以上30℃以下とする充放電サイクルを5回
以上、好ましくは6回以上実施し、該充放電サイクルに
おいて、上記時間tαを測定し、放電電流Idを時間に
関して積分することによって該電池の容量Cdを求め、
該容量Cdの上記公称容量Cnに対する百分率比容量C
(ここに、Cは100×(Cd/Cn)で与えられる)を
算出し、第n回目のサイクルにおいて得たtαの値およ
びCの値を、それぞれ、上記nの関数tα(n)およびC
(n)として記録し、上記関係式(1)および(2)が、
α=tα(n)およびC=C(n)としたときに、上記t
α(n)とC(n)との相関関係を近似的に表すように、上
記定数A、BおよびB’の値を決定し、該決定によって
決定された値を上記関係式(1)および(2)に代入し
て得る関係式を用いて、前記容量推定対象となるリチウ
ムイオン電池の容量Cdを推定することを特徴とするリ
チウムイオン電池の容量推定方法を構成する。
【0014】また、本発明においては、請求項4に記載
したように、リチウムイオン電池の容量推定方法であっ
て、該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充
電過程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程
とをそれぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実施
し、該充放電サイクルにおいて、充電モードを定電流モ
ードから定電圧モードに切り替えた時点から、あらかじ
め設定された時間tm(ここに、0<tm≦0.8Cn/
Ic0であり、Cnは該電池の公称容量であるとする)
だけ経過した時点における充電電流Itmを測定し、該
測定によって得たItmの測定値が該サイクルの繰り返
し回数nの増大に伴って増加するかまたは不変である場
合には該電池の容量Cdの該電池の公称容量Cnに対す
る百分率比容量C(ここに、Cは100×(Cd/Cn)
で与えられる)の値を関係式 C= -MItm+N (3) (ここに、MおよびNは正値定数である)を用いて推定
し、該測定によって得たItmの測定値が該サイクルの
繰り返し回数nの増大に伴って減少する場合には上記百
分率比容量Cの値を関係式 C=+MItm+N’ (4) (ここに、N’は正値定数である)を用いて推定し、該
電池の容量Cdを、上記推定によって得た百分率比容量
Cの推定値と上記公称容量Cnとから、等式Cd=(C/
100)×Cnによって推定することを特徴とするリチ
ウムイオン電池の容量推定方法を構成する。
【0015】また、本発明においては、請求項5に記載
したように、上記tmが1分以上15分以内であること
を特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン電池の容
量推定方法を構成する。
【0016】また、本発明においては、請求項6に記載
したように、請求項4または5に記載のリチウムイオン
電池の容量推定方法において、上記定数M、Nおよび
N’の値を決定するために、容量推定対象となるリチウ
ムイオン電池と同一種類で同一公称容量Cnを有するリ
チウムイオン電池を上記定電流定電圧方式によって充電
する充電過程と、該充電過程後の該電池を、該電池の電
池電圧が放電終止電圧Vdに達するまで放電させる放電
過程とをそれぞれ1回ずつ含む充放電サイクルであっ
て、1回の充電時間を3時間以上30日間以下とし、放
電電流値Idを0.2CmA以上2.0CmA以下(ここ
に、CmAは上記公称容量Cnを1時間で割って得る電
流値である)とし、該電池の周囲温度を0℃以上45℃
以下、好ましくは15℃以上30℃以下とする充放電サ
イクルを5回以上実施し、各充放電サイクルにおいて、
上記電流Itmを測定し、放電電流Idを時間に関して
積分することによって該電池の容量Cdを求め、該容量
Cdの公称容量Cnに対する百分率比容量C(ここに、
C=100×(Cd/Cn))を算出し、第n回目のサイ
クルにおいて得たItmの値およびCの値を、それぞ
れ、nの関数Itm(n)およびC(n)として記録し、上
記関係式(3)および(4)が、Itm=Itm(n)お
よびC=C(n)としたときに、上記Itm(n)とC(n)
との相関関係を近似的に表すように、上記定数M、Nお
よびN’の値を決定し、該決定によって決定された値を
上記関係式(3)および(4)に代入して得る関係式を
用いて、前記容量推定対象となるリチウムイオン電池の
容量Cdを推定することを特徴とするリチウムイオン電
池の容量推定方法を構成する。
【0017】また、本発明においては、請求項7に記載
したように、リチウムイオン電池の劣化判定方法であっ
て、該リチウムイオン電池の容量Cdを請求項1、2、
3、4、5または6に記載のリチウムイオン電池の容量
推定方法によって推定し、該推定によって得られたCd
の値が、あらかじめ定められた容量Ceの値よりも小で
あるときに、該リチウムイオン電池は劣化したと判定す
ることを特徴とするリチウムイオン電池の劣化判定方法
を構成する。
【0018】また、本発明においては、請求項8に記載
したように、リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
て、該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充
電過程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程
とをそれぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実行
する機能、および、該充放電サイクル実行中に上記時間
αを計測する機能を有する電池制御部と、第n回目の
該充放電サイクルにおいて、該計測によって得られた上
記tαの値を上記nの関数tα(n)として記憶する記憶
部と、上記tα(n)の値を用い、請求項7に記載のリチ
ウムイオン電池の劣化判定方法によって該電池の劣化を
判定する論理回路部とを有することを特徴とするリチウ
ムイオン電池の劣化判定装置を構成する。
【0019】また、本発明においては、請求項9に記載
したように、リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
て、該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充
電過程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程
とをそれぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実行
する機能、および、該充放電サイクル実行中に上記電流
tmを計測する機能を有する電池制御部と、第n回目
の該充放電サイクルにおいて、該計測によって得られた
上記Itmの値を上記nの関数Itm(n)として記憶す
る記憶部と、上記Itm(n)の値を用い、請求項7に記
載のリチウムイオン電池の劣化判定方法に従って該電池
の劣化を判定する論理回路部とを有することを特徴とす
るリチウムイオン電池の劣化判定装置を構成する。
【0020】また、本発明においては、請求項10に記
載したように、劣化判定機能を具備したリチウムイオン
電池パックであって、該電池パック中のリチウムイオン
電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充電過程
と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程とをそ
れぞれ1回ずつ含む充放電サイクルが複数回実行された
場合に、該充放電サイクル実行中に上記時間tαの値を
計測する計測部と、第n回目の該充放電サイクルにおい
て、該計測によって得られた上記tαの値を上記nの関
数tα(n)として記憶する記憶部と、上記tα(n)を用
い、請求項7に記載のリチウムイオン電池の劣化判定方
法に従って該電池の劣化を判定する論理回路部とを有す
ることを特徴とする劣化判定機能を具備したリチウムイ
オン電池パックを構成する。
【0021】また、本発明においては、請求項11に記
載したように、劣化判定機能を具備したリチウムイオン
電池パックであって、該電池パック中のリチウムイオン
電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充電過程
と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程とをそ
れぞれ1回ずつ含む充放電サイクルが複数回実行された
場合に、該充放電サイクル実行中に上記電流Itmを計
測する計測部と、第n回目の該充放電サイクルにおい
て、該計測によって得られた上記Itmの値を上記nの
関数Itm(n)として記憶する記憶部と、上記I
tm(n)の値を用い、請求項7に記載のリチウムイオン
電池の劣化判定方法に従って該電池の劣化を判定する論
理回路部とを有することを特徴とする劣化判定機能を具
備したリチウムイオン電池パックを構成する。
【0022】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態においては、任
意の時間使用したLiイオン電池、またはリチウムイオ
ン電池パックを、電池電圧があらかじめ設定された上限
電圧に達するまで一定電流で定電流充電した後に該電池
電圧を一定に保って定電圧充電する定電流定電圧(CC
−CV)方式の充電を行う充電器、あるいは、Liイオ
ン電池搭載の機器であって、該電池を該定電流定電圧方
式によって充電する機能を有する機器を商用電源に接続
して、充電モードが定電流(CC)モードから定電圧
(CV)モードに変更されてから、充電電流値が減衰
し、たとえば、1/2に達するまでの所要時間から、あ
るいは、定電圧(CV)モード充電が開始されてから一
定時間後、たとえば、5分後における充電電流値から、
該電池または該電池パックの容量推定、劣化判定を行
い、さらに、この概念になる容量推定機能、劣化判定機
能を具備した装置あるいはLiイオン電池パックを構成
する。
【0023】本発明に係るLiイオン電池の容量推定方
法および劣化判定方法を、図面を用いてさらに詳しく説
明する。
【0024】Liイオン電池の定電流定電圧(CC−C
V)方式による充電における電池電圧Vと充電電流Ic
の経時変化を図1に示す。
【0025】図1において、Liイオン電池またはリチ
ウムイオン電池パック(以下、これらをLiイオン電池
と総称する)を定電流定電圧(CC−CV)方式によっ
て充電する場合、該電池は、まず、定電流(CC)モー
ドによって、所定の一定充電電流Ic0で、該電池の電
圧Vがあらかじめ設定された上限電圧Vcに到達するま
で、時間tcsからtに到る間、定電流充電され、そ
の後、該電池は定電圧(CV)モードによって、電池電
圧はVcで一定のまま、定電圧充電され、充電電流Ic
は時間とともに減衰する。
【0026】通常、上記充電上限電圧Vcは、4.1V
/セルないし4.2V/セル(ここに、セルは単一の電
池を意味する)であり、充電電流は0.033CmA以
上1.0CmA以下(ここに、CmAは公称容量Cnを
1時間で割って得る電流値である)であり、放電終止電
圧は2.75V/セル以上3.0V/セル以下に設定され
る。
【0027】本願発明者らは、Liイオン電池に対し
て、該電池を電池電圧があらかじめ設定された上限電圧
Vcに達するまで一定電流Ic0で定電流充電した後に
電池電圧をVcに保って定電圧充電する充電過程と、該
充電過程後の該電池を放電させる放電過程(これは該電
池を電源として使用する過程に該当する)とをそれぞれ
1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実施し、該充放電
サイクルにおける放電電流を時間に関して積分して求め
た該電池の放電容量Cd(以下、単に容量と称す)と、
定電圧(CV)モード充電(以下、CV充電と称す)に
おける充電電流の変化との相関関係を鋭意検討評価した
結果、CV充電における充電電流の減衰パターンが該充
放電サイクルの繰り返しにつれて変化する特徴を発見す
るに至った。その充電電流減衰パターンの変化の特徴を
図2に例示した。
【0028】図2は、上記充放電サイクルごとのCV充
電における充電電流の時間的変化を示した図である。図
2において、いずれのサイクルにおいても、充電電流は
充電時間とともに減衰するが、その減衰速度は、40サ
イクル目までは単純に遅くなっている。しかし、それを
過ぎると、CV充電過程の初期には充電電流の減衰が4
0サイクル目に較べて早くなり、その後は充電時間とと
もに減衰が緩慢になってくることがわかる。すなわち、
図2によれば、40サイクル経過後は、それ以前の充放
電サイクルとは、サイクルごとの充電電流の減衰傾向に
異なったパターンが存在することが明らかになった。
【0029】図3は、CV充電電流値が半減するときの
経過時間(図中、CV電流半減時間t1/2で表す)
と、電池の容量Cdの公称容量Cnに対する百分率比容
量C=100×(Cd/Cn)(以下、このCを単に比容
量と称する)との関係を示した図である。
【0030】図3において、比容量Cがサイクルの繰り
返し数の増大に伴って減少するにつれて、CV充電の電
流値半減時の経過時間t1/2は増加するが、比容量C
が85(%)となる近辺で、今度は、比容量Cの減少とと
もに経過時間t1/2も減少する。その変化傾向はちょ
うど尖点(曲線の勾配が不連続的に変わる点、t1/
のピークに相当する)を通るC=一定の直線(図中破線
で示す)に関して対称の形を示している。しかも、この
変化傾向は上記の直線に関して対称な2本の直線によっ
て近似され、t1/2がサイクルの繰り返し数の増大に
伴って増加するか変化しなくなる場合には関係式 C= -At1/2+B (1') (ここに、AおよびBは正値定数である)で近似され、
1/2がサイクルの繰り返し数の増大に伴って減少す
る場合には関係式 C=+At1/2+B’ (2') (ここに、B’は正値定数である)によって近似され
る。
【0031】関係式(1')におけるt1/2の係数 -
Aと関係式(2')におけるt1/2の係数+Aとは符
号が反対で絶対値が等しいから、上記尖点における比容
量CをCで表せば、等式B'=2C−Bが成り立
つ。
【0032】図4は、CV充電開始後の一定経過時間
(この場合には5分)後の充電電流値I5minと比容
量Cとの関係を示した図である。
【0033】図4において、比容量Cがサイクルの繰り
返し数の増大に伴って減少するにつれて、充電電流値I
5minは直線的に増加するが、図3と同様に、比容量
Cが85(%)となる近辺で、今度は、比容量Cの減少と
ともに充電電流値I5minは直線的に減少する。そし
て、この場合も、図3の場合と同様に、その変化傾向
は、I5minのピークに相当する尖点を通るC=一定
の直線(図中、破線で示す)に関して対称形を成してい
ることが明らかになった。
【0034】この場合にも、この変化傾向は上記の直線
に関して対称な2本の直線によって近似され、I
5minがサイクルの繰り返し数の増大に伴って増加す
るか変化しなくなる場合には関係式 C= -MI5min+N
(3')(ここに、MおよびNは正値
定数である)で近似され、I5minがサイクルの繰り
返し数の増大に伴って減少する場合には関係式 C=+MI5min+N’ (4' ) (ここに、N’は正値定数である)によって近似され
る。
【0035】この場合にも、関係式(3')におけるI
5minの係数 -Mと関係式(4')におけるI
5minの係数+Mとは符号が反対で絶対値が等しいか
ら、上記尖点における比容量CをCで表せば、等式
B'=2C−Bが成り立つ。 (容量推定、劣化判定の手法1)本発明に係るLiイオ
ン電池の容量推定、劣化判定の第1の手法においては、
上記の関係式(1')および(2')を一般化した関係式
を用いて容量推定、劣化判定をおこなう。すなわち、図
1に示したように、上記CC−CV方式の充電におい
て、電池電圧Vが充電上限電圧Vcに到達して充電モー
ドが定電圧(CV)モードに変更になってから、充電電
流IcがIc0からIc0のα倍(ここに、αは定数で
あり、0<α<1であるとする)すなわちαIc0に到
達するまでの時間tαをモニタし、電池使用の初期、す
なわち、充放電サイクルの繰り返し数nが比較的小さ
く、nの増大に伴ってtαが増加するか変化しなくなる
場合においては、比容量Cを、時間tαの一次関数で示
される関係式 C= -Atα+B (1) (ここに、AおよびBは正値定数である)によって推定
し、充放電サイクルの繰り返し数nが増大して、nの増
大に伴ってtαが減少する場合においては、比容量C
を、時間tαの一次関数で示される関係式 C=+Atα+B’ (2) (ここに、B’は正値定数である)によって推定し、こ
の推定値と電池の公称容量Cnとから、等式Cd=(C/
100)×Cnによって、容量推定の対象となったLi
イオン電池の容量Cdを推定する。
【0036】さらに、このようにして推定した容量Cd
の値があらかじめ設定された容量Ceの値よりも小であ
るときに、該Liイオン電池は劣化したと判定する。
【0037】本手法が有効であるためには、定数αが不
等式0<α<1を満足することが必要であり、さらに、
高精度の推定を行うために好ましいαの値の範囲があ
る。すでに示した図3から明らかなように、1/2はそ
のような好ましいαの値の1つである。 (容量推定、劣化判定の手法2)本発明に係るLiイオ
ン電池の容量推定、劣化判定の第2の手法においては、
上記の関係式(3')および(4')を一般化した関係式
を用いて容量推定、劣化判定をおこなう。すなわち、図
1に示したように、上記CC−CV方式の充電におい
て、一定充電電流Ic0による定電流充電によって、電
池電圧Vが充電上限電圧Vcに到達して充電モードが定
電圧(CV)モードに変更になってから、あらかじめ設
定された時間tm(ただし、0<tm≦0.8Cn/Ic
0であり、Cnは該電池の公称容量であるとする)だけ
経過した時点における充電電流Itmを測定し、電池使
用の初期、すなわち、充放電サイクルの繰り返し数nが
比較的小さく、nの増大に伴ってItmが増加するか変
化しなくなる場合においては、比容量Cを、充電電流I
tmの一次関数で示される関係式 C= -MItm+N (3) (ここに、MおよびNは正値定数である)によって推定
し、充放電サイクルの繰り返し数nが増大して、nの増
大に伴ってItmが減少する場合においては、比容量C
を、充電電流Itmの一次関数で示される関係式 C=+MItm+N’ (4) (ここに、N’は正値定数である)によって推定し、こ
の推定値と電池の公称容量Cnとから、等式Cd=(C/
100)×Cnによって、容量推定の対象となったLi
イオン電池の容量Cdを推定する。
【0038】さらに、このようにして推定した容量Cd
の値があらかじめ設定された容量Ceの値よりも小であ
るときに、該Liイオン電池は劣化したと判定する。
【0039】本手法によって高精度の推定を行うために
好ましいtmの値の範囲がある。すでに示した図4から
明らかなように、5分はそのような好ましいtmの値の
1つであり、後述の実施例、たとえば実施例5、におい
て説明するように、そのような好ましいtmの値は1分
以上15分以下の範囲内にある。なお、tmは不等式0
<tm≦0.8Cn/Ic0を満足しなければならない
が、後述するように、Ic0は最大1.0CmAである
ので、そのような場合においても、上記不等式は0<t
m≦48分となり、上記の好ましいtmの値はこの不等
式を満足している。
【0040】上記手法1および2のいずれにおいても、
容量推定に用いる関係式が2つあり、そのいずれを用い
るかの判断は、上記tαが前回充放電サイクルと比較し
て増加しているか変化していないか減少しているか、あ
るいは、上記Itmが前回充放電サイクルと比較して増
加しているか変化していないか減少しているか、によっ
て行う必要がある。もしも、すでに図3および4に示し
たように、上記tαの前回充放電サイクルと比較しての
増加あるいは不変あるいは減少が、上記Itmの前回充
放電サイクルと比較しての増加あるいは不変あるいは減
少と一致して起こることが保証されている場合には、上
記の関係式選択の判断を上記tαあるいはItmの一方
のみを監視することによって行ってもよい。
【0041】なお、上記tα(あるいはItm)が、前
回充放電サイクルと比較して減少していても、これが何
らかの機器のトラブルなどで偶発的に起こり、再びもと
のように前回充放電サイクルと比較して増加する状態に
戻る場合もある。そのような場合には、再び関係式
(1)(または(3))を使用するようにしておけばよ
く、本発明の新規性を何ら損なうものではない。
【0042】本発明における容量推定方法および劣化判
定方法が、その対象とする定電圧(CV)充電モードに
おける充電電流値の減衰が、いったん充放電サイクルの
回数増加とともに上記tα、たとえば充電電流値半減時
間t1/2が長くなり、CV充電開始後一定時間経過時
の充電電流値Itmが大きくなり、ある一定充放電サイ
クル数を境に、この傾向が逆となる理由は必ずしも明確
ではないが、以下のように解釈することが可能である。
【0043】すなわち、Liイオン電池では、正極活物
質である金属酸化物が電解液中に溶解し、その一部が負
極上に生成したり、電解液とLiイオンとが反応して
(電解液が分解して)その生成物が負極表面上に皮膜を
形成することによって、オーミック抵抗、電荷移動抵抗
が増大し、充電による正極活物質からのLiイオンの
溶出、負極炭素材料へのLiイオンの挿入における固
体内拡散速度などに遅れが生じて、その結果、CV充電
電流の減衰が緩慢になる。ところが一定充放電サイクル
を経過すると、表面皮膜の成長や活物質結晶の崩壊など
によって正極、負極活物質内のリチウム収容サイト数の
喪失が起こってくる。そうすると、収容サイト数当たり
の充電電流値が増大して、CV充電開始初期には充電電
流値の減衰速度がそれまでのサイクルより大きくなり、
そしてその後はオーミック抵抗や電荷移動抵抗がさらに
増大しているために充電電流値の減衰はそれまでのサイ
クルより緩慢となるのである。
【0044】上記関係式(1)、(2)、(3)および
(4)が、Liイオン電池の容量推定、劣化判定に有効
となるためには、該電池を、0.033CmA以上1.0
CmA以下の電流値で充電する。0.033CmA未満
の微少電流では充電が十分に行われなかったり、自己放
電の影響が無視できなくなり、上記関係式(1)、
(2)、(3)および(4)により算定した比容量が実
際の比容量と異なり、容量推定、劣化判定に好ましくな
い。また、1.0CmAを上回る大電流での充電の場
合、所要時間自体が短く、時間の測定値に大きな誤差を
生じたり、劣化による充電時間の変化が異なる場合があ
り、同様に本発明の容量推定、劣化判定の条件としては
好ましくない。そのため、ほとんどすべてのLiイオン
電池搭載機器、および充電器に適用されている充電電流
値はこの範囲にある。これ以外の範囲の電流値を採用す
る機器、および充電器は、特殊な用途、例えば緊急時に
使用するために超急速充電を必要とする場合など、きわ
めて限定された用途に用いるもののみのごく少数であ
り、本発明の関係式をほとんど必要としない機器、およ
び充電器である。
【0045】Liイオン電池の容量推定、劣化判定に用
いる上記関係式(1)、(2)、(3)および(4)
は、これを適用するLiイオン電池の搭載機器、または
充電器の充電条件における定電圧(CV)充電開始から
電流値がα倍になるまでの所要時間tαと、その条件下
における比容量Cとの関係、あるいはCV充電開始から
一定の所要時間における充電電流値Itmと比容量Cと
の関係を反映していることを前提としている。もしも、
上記関係式(1)および(3)を作成したとき(関係式
(2)および(4)は、関係式(1)および(3)が作
成されていれば、これと尖点における比容量の値とを基
に作成が可能)の初期の充電電流値と、搭載機器、また
は充電器の定電圧(CV)モード充電開始初期の充電電
流値が異なる場合には、あらかじめ別途、それぞれの充
電条件におけるCVモード充電開始から電流値がα倍に
なるまでの所要時間tα、またはCV充電開始後所定時
間における充電電流値Itmを求めておき、上記関係式
(1)の作成時の条件における所要時間teと搭載装
置、または充電器に相当する条件での所要時間tfとの
比tf/teを上記関係式(1)のtαに乗じて換算
し、あるいは該関係式(3)の作成時の条件における充
電電流値Icと搭載装置、または充電器に相当する条件
での充電電流値Icfとの比Icf/Icを上記関係式
(3)のItmに乗じて換算する必要がある。
【0046】なぜならば、定電流(CC)モード充電に
おける充電率(全充電期間におけるCCモード充電の充
電割合)は電流値が小さいほど大きくなり、そのため、
CCモードの充電率に依存してCVモードの充電時間も
変化し、併せて電流値の半減に要する時間も影響を受け
ることになるからである。また、その影響は、電池サイ
ズ、電池形状、製造メーカ、電池構成材料などによって
異なるため、別途、実際に試験を実施して、電流値の影
響を把握する必要がある。
【0047】上記Liイオン電池の容量推定、劣化判定
に用いる関係式(3)および(4)を構成する充電電流
値Itmは、すでに述べたように、定電圧(CV)モー
ド充電開始後1分以上15分以内の所定時間tmにおけ
るモニタリングが適当である。1分未満の短期間だと、
電池内の状態に充電電流値の変化が極めて影響されやす
く測定値に誤差が生じやすい。また、15分を超える長
期間での充電電流値I tmと比容量Cとの関係は、尖点
を境にした対称形となりにくく判定誤差が大きくなって
好ましくない。 (定数A、B、B'、M、NおよびN'の決定方法)上記
Liイオン電池の容量推定、劣化判定に用いる上記関係
式(1)および(3)を作成するためには、該関係式
(1)中の定数A、Bの値、および該関係式(3)中の
定数M、Nの値を決定しなければならない。該関係式
(1)および(3)作成のためには、容量推定、劣化判
定の対象となるLiイオン電池と同一種類で同一公称容
量の電池または電池パックを試験して上記定数A、B、
MおよびNを決定するのが最も妥当である。なぜなら
ば、市販のLiイオン電池は、使用する正極活物質、負
極カーボンおよび電解液の種類が多様であり、電池の劣
化に伴う充電電圧挙動の変化だけでなく、初期の電池の
充電挙動も異なっているからである。
【0048】本発明においては、上記関係式(1)の定
数AおよびB、関係式(3)の定数M、Nを決定し、定
数の値が確定した関係式を作成するために、極めて短時
間で実現が可能な作成方法も併せて提案する。
【0049】すなわち、上記関係式(1)および(3)
を用いて容量推定、劣化判定を実施するリチウムイオン
電池または電池パックの使用条件と同じ充電上限電圧V
c、CCモード充電電流値Ic0、放電終止電圧Vdを
設定し、充電時間を3時間以上10日間以下、好ましく
は3日間以上10日間以下に設定し、放電電流値Idを
0.2CmA以上2.0CmA以下に設定し、このような
CC-CV方式充電過程1回と放電過程1回とを含む充
放電サイクルを、容量推定の対象となるLiイオン電池
と同一種類、同一公称容量の電池に対して5回以上実施
し、試験温度(電池の周囲温度)を0℃以上45℃以
下、好ましくは15℃以上30℃以下に設定して充放電
サイクル試験を実施し、各充放電サイクルにおける充電
において、定電圧(CV)モード充電が開始されてから
充電電流値がIc0のα倍に減少し到達するまでの所要
時間tαの値と、CVモード充電開始後、1分以上15
分以内に設定された時間tmだけ経過した時点における
充電電流Itmの値と、公称容量Cnに対する放電容量
Cd(放電電流を時間に関して積分して得る)の百分率
比容量C(C=100×(Cd/Cn))の値とを記憶
し、第n回目のサイクルにおいて得たtαの値、Itm
の値およびCの値を、それぞれ、nの関数tα(n)、I
tm(n)およびC(n)と考えて、関係式(1)が、tα
=tα(n)、C=C(n)としたときに、上記tα(n)と
C(n)との相関関係を近似的に表すように、上記定数A
およびBの値を決定し、上記関係式(3)が、Itm
tm(n)、C=C(n)としたときに、上記I tm(n)
とC(n)との相関関係を近似的に表すように、定数Mお
よびNを決定する。
【0050】上記の定数決定方法において、上記関係式
(1)の場合には、好ましくは充放電サイクルを6回以
上実施し、4サイクル目以降の各充放電サイクルにおけ
る充電において、定電圧(CV)モード充電が開始され
てから充電電流値がIc0のα倍に減少し到達するまで
の所要時間tαのデータを使用する。
【0051】上記関係式(2)および(4)における定
数B'およびN'の決定も、上記の充放電サイクルの繰り
返し回数を多くして、上記tα(n)またはItm(n)が
nの増大とともに減少する状態を実現させて、上記と同
様の手法によって行うことができる。なお、上記t
α(n)またはItm(n)がnの増大とともに増加する状
態から減少する状態に転ずるときの比容量Cの値、すな
わちtα(n)またはItm(n)が最大となる尖点におけ
る比容量Cの値Cが判明した場合には、その値C
定数BまたはMの値とから、等式B'=2C−Bまた
はN'=2C−Nによって決定することができる。
【0052】試験を0℃以上45℃以下で実施する理由
は、該温度範囲が通常、Liイオン電池の使用温度範囲
であり、この温度における電池の劣化の進行状況を反映
した上記所要時間tαと比容量Cとの関係を把握するこ
とがより正確な劣化判定を実現できるからである。さら
に、15℃以上30℃以下の温度で試験を実施すると、
大半の場合の使用温度条件がこの温度範囲内であること
を考慮すると、より実際の劣化を反映した上記所要時間
αと比容量Cの関係を把握できることになり、より好
ましい。
【0053】また、1サイクル当たりの充電時間は、3
時間以上10日以下に設定する。この設定により、サイ
クルごとの電池の劣化が適度に進み、推定精度の良い関
係式(1)または(3)を作成するために必要なデータ
を効率的に取得できる。特に、充電時間を3日間以上1
0日間以下に設定した場合、充放電サイクルに伴う容量
の低下が明瞭に認められ、上記関係式(1)または
(3)を作成するために効率のよいデータ収集が可能と
なり、しかも、実施例2に示すように、推定精度の高い
関係式を得ることができて、より好ましい。
【0054】3時間未満の充電時間の場合、Liイオン
電池の劣化の進行が遅く、推定精度の良い関係式(1)
または(3)を作成するためのデータ取得に数百サイク
ルを必要とし、膨大な時間を浪費することになり、また
場合によっては充電不足となり劣化と充電不良が混在し
て正しい劣化と特性の把握が不可能となり、いずれも好
ましくない。
【0055】また、1サイクル当たりの充電時間を10
日間より長く設定すると、1サイクル当たりの経過時間
が長くなり、データ取得に時間がかかって同様に好まし
くない。
【0056】上記充放電サイクル試験における放電電流
値は、0.2CmA以上2.0CmA以下に設定する。下
限電流を0.2CmAから1.0CmA、すなわち、放電
電流値を1.0CmA以上2.0CmA以下に設定すれ
ば、さらに効率のよいデータ取得が可能となる。0.2
CmA未満の低放電電流の場合、完全放電に時間がかか
り好ましくない。また、2.0CmAより大きな放電電
流では、放電時間自体が短くなりすぎ、放電容量Cdの
測定値にばらつきが生じたり、劣化が進むと、容量Cd
が急激に低下して精度の良い関係式(1)および(3)
を作成することができなくなるため好ましくない。
【0057】上記充放電サイクル試験の実施に当たって
は、装置の設定の制約などにより、必要ならば充電と放
電との間に一定時間の休止を設定することができる。上
記関係式(1)を作成するために実施する充放電サイク
ル試験においては、各サイクルごとに、充電の定電流
(CC)モードから定電圧(CV)モードに変更されて
から充電電流値が減少してα倍(ただし、0<α<1)
の値に到達するまでの時間tαと、引き続く放電の放電
電流を時間に関して積分して得る放電容量Cdの公称容
量Cnに対する百分率比容量Cを各充放電サイクルごと
に測定する。測定した時間tαと比容量Cとの関係をプ
ロットし、上記関係式(1)がその関係を高精度で近似
するように式中の定数AおよびBを決定する。
【0058】上記関係式(1)の定数AおよびBを決定
するために4サイクル目以降の時間tαと比容量Cとを
採用する理由は、上記充放電サイクル試験を開始してか
ら最初の3サイクル目の容量変化は、Liイオン電池の
電解液中の不純物の負極カーボン上での分解反応などの
ために、その後のサイクルに伴う容量変化と異なってい
る場合が多く、初期の3サイクル目までのデータを用い
ると推定誤差の大きな関係式を導く恐れがあり好ましく
ないからである。
【0059】上記充放電サイクル試験は、容量推定、劣
化判定結果を実容量の±20%以内の高精度とするため
に必要な時間tαと比容量Cのデータを充足するため、
5サイクル以上実施する。
【0060】4サイクル目の1サイクルのみのデータを
用いると、上記関係式(1)中の定数AおよびBが決定
できず該関係式(1)を作成できない。好ましくは、6
サイクル以上のデータを用いることにより、より高精度
の容量推定、劣化判定を可能とする関係式(1)を作成
することができる。
【0061】また、上記関係式(3)を作成するために
実施する充放電サイクル試験においては、各サイクルご
とに、充電の定電流(CC)モードから定電圧(CV)
モードに変更されてから1分以上、15分以内の所定の
経過時間tmにおける充電電流値Itmと、引き続く放
電の放電電流を時間に関して積分して得る放電容量Cd
の公称容量Cnに対する百分率比容量Cとの関係をプロ
ットし、関係式(3)の定数MおよびNを決定する。
【0062】該充放電サイクル試験は、判定結果を実容
量の±20%以内の高精度とするために必要な充電電流
値Itmと比容量Cのデータを充足するため、5サイク
ル以上実施する。
【0063】以上に説明したようにして作成した関係式
(1)、(2)、(3)および(4)を用いた本発明に
おけるLiイオン電池の容量推定、劣化判定方法は、L
iイオン電池を電源またはバックアップ電源として搭載
し、定電流定電圧(CC−CV)方式によって該搭載電
池を充電する機能を有する各種装置類に適用することが
できる。
【0064】本発明におけるLiイオン電池の容量推
定、劣化判定の方法を装置類に適用する具体的な一例を
図を用いて説明する。
【0065】図5は、本発明におけるLiイオン電池の
容量推定、劣化判定の方法を実施する機能を具備したL
iイオン電池電源装置の一構成概念を示したものであ
る。
【0066】図5において、1は電源部であり、電源部
1にはLiイオン電池2a、2b、2cが搭載され、こ
れらの電池は電池制御部3で充放電、安全に関する制御
がなされる。4は充電器であり、電池制御部3で制御を
うけ、電池2a、2b、2cを充電する。5は論理部で
あり、この論理部5に電池制御部3がインターフェイス
6を介して繋がり、搭載電池2a、2b、2cに関する
情報や制御の実施の指示を受け、制御に関するデータを
送出する。7はCPU、8はメモリであり、電池の制御
に関する情報の蓄積、制御の指示、データの演算、記憶
を行う。電池2a、2b、2cのID入力などはキーボ
ードコントローラ9を介して行う。
【0067】本発明における上記関係式(1')および
(2')はCPU7の空きメモリなどにあらかじめ入力
され、あるいは必要ならばCPU7に加えてICメモリ
を増設して入力される。CPU7は電源制御部5に、充
電モードが定電流(CC)モードから定電圧(CV)モ
ードに変更されてから充電電流値が半減するまでの時間
1/2を測定する指示を行ったり、逆に、制御部5が
行った時間t1/2の測定の結果を制御部5から受け取
り記憶する。CPU7は、受け取り記憶した時間t
1/2を上記関係式(1')または(2')に代入して演
算を行い、上記容量推定、劣化判定の手法1による容量
推定、劣化判定を行いその結果を算出する。必要なら
ば、この結果をメモリ8に記憶させる。容量推定、劣化
判定の結果は、システムマネジメントバスなど適当な配
線10を介して、図5に示した構成を装備している装置
本体の表示部、または音声部に表示、あるいは警告音と
して発出する。
【0068】このようにして、本発明におけるLiイオ
ン電池の容量推定方法または劣化判定方法を実施する機
能を具備した装置、たとえば上記の場合のように、電池
の容量推定機能および電池の劣化判定機能を具備したL
iイオン電池電源装置を構成することができる。ただ
し、上記概念になるLiイオン電池の容量推定、劣化判
定が実施できれば、何ら上記の構成に限定されることは
ない。たとえば、上記関係式(1)および(2)、ある
いは上記関係式(3)および(4)を用いてLiイオン
電池の容量推定、劣化判定を行う機能を具備したLiイ
オン電池電源装置は、図5に示した構成において、CP
U7内の演算様式の変更と、電源制御部5における測定
対象の変更とによって実現させることができる。
【0069】なお、図5に示した構成において、電池制
御部5は請求項8に記載の電池制御部に該当し、CPU
7は請求項8に記載の記憶部と論理回路部とを内蔵し、
電池制御部5とCPU7とから構成されるリチウムイオ
ン電池の劣化判定装置は請求項8に記載のリチウムイオ
ン電池の劣化判定装置に該当している。
【0070】本発明におけるLiイオン電池の容量推
定、劣化判定の方法は、また、Liイオン電池のパック
内の制御用マイコン、あるいは必要ならば簡単な増設メ
モリをパック内に付与することによって、電池パックに
適用することができる。本発明におけるLiイオン電池
の容量推定、劣化判定の方法を電池パックに適用する具
体的一構成例を、図6によって説明する。
【0071】図6において、Liイオン電池12−1、
12−2、12−3が直列に搭載されている。11は電
池パック本体であり、13は安全機構の保護用ICであ
り、電圧、電流、温度などのモニタ、ソフト的な安全制
御を行う。14−A、14−B、14−C、14−1、
14−2、14−3は電池パック11内の電流制御、お
よび、電池12−1、12−2、12−3の充電電流制
御を目的とするFETである。15は温度ヒューズであ
るPTC素子であり、16は電流ヒューズであり、それ
ぞれ温度上昇時、異常大電流時に電流を遮断する役目を
負う。17はプラス端子、18はマイナス端子、19は
情報出力、コントロールのための端子である。これらの
構成要素は、通常のLiイオン電池パックに設置されて
いるものである。
【0072】本発明に係る劣化判定機能を具備したリチ
ウムイオン電池パックが上記従来のリチウムイオン電池
パックと異なる点は以下のとおりである。すなわち、本
発明においては、安全機構の保護用IC13内にタイマ
ーを搭載し、空きメモリに上記関係式(1')および
(2')をあらかじめ入力しておき、図6におけるLi
イオン電池12−1、12−2、12−3の両端の電圧
をVccとVssとにより保護用IC13がモニタし、
充電モードが定電流(CC)モードから定電圧(CV)
モードに変更されてから充電電流値が半減するまでの経
過時間t1/2をカウントし記憶し、この測定し記憶さ
れた時間t1/2の値を上記関係式(1')または
(2')に代入、演算して比容量Cを算出する。必要な
らば、保護用IC13とは別にパック内の適当な位置に
増設ICを設けることもできる。
【0073】演算した結果は端子19を通して適当なデ
ィスプレイ、あるいは警告音などに表示、発出するため
に、電池パック11を搭載している装置本体に出力す
る。
【0074】このように、既存のLiイオン電池パック
の最小限の変更によって、本発明における劣化判定の機
能を具備したしiイオン電池パックを提供できる。ただ
し、上記概念になるLiイオン電池の劣化判定が実施で
きれば何ら上記の構成に限定されることはない。たとえ
ば、上記関係式(1)および(2)、あるいは上記関係
式(3)および(4)を用いてLiイオン電池の容量推
定、劣化判定を行う機能を具備したLiイオン電池パッ
クは、図6に示した構成において、保護用IC内の演算
様式の変更と、電池の容量推定、劣化判定を行うための
測定対象の変更とによって実現させることができる。
【0075】なお、図6に示した構成において、保護用
IC13が請求項10に記載の計測部と記憶部と論理回
路部とを内蔵していて、図6に示した構成全体が請求項
10に記載の劣化判定機能を具備したリチウムイオン電
池パックに該当する。
【0076】本発明におけるLiイオン電池の容量推
定、劣化判定の方法、および該容量推定機能、劣化判定
機能を具備したLiイオン電池の適用対象としては、特
に高信頼性を必要とする機器が考えられ、該容量推定、
劣化判定によって的確な電池の劣化状態を把握し、タイ
ムリーな電池の交換を実現することによって、機器のト
ラブルを回避する。しかしながら、Liイオン電池を搭
載する機器であれば何ら上記容量推定、劣化判定の方
法、および容量推定機能、劣化判定機能を具備したLi
イオン電池パックを採用することに問題はなく、しかも
ムダのない電池交換を実現することができるため使用す
る利点はきわめて大きい。
【0077】
【実施例】以下に本発明に係るリチウムイオン電池の容
量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに
劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パックにつ
いて具体的実施例によって説明するが、本発明は何らこ
れに限定されることはない。 [実施例1]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)を25℃の恒温槽に設置し、該電池をデータ収集・
保管機能を有する電池充放電自動試験装置に接続し、定
電流充電電流600mA(1.0CmA)、充電上限電
圧4.1V、充電時間7日間の定電流定電圧(CC−C
V)方式による充電と、放電電流値600mA(1.0
CmA)、放電終止電圧2.75Vの放電と、充電と放
電との間に休止を1時間はさんだ充放電サイクル試験を
10サイクル実施し、各サイクルにおける定電圧(C
V)モード充電開始時から充電電流値がCV充電初期の
1/2に到達するまでの経過時間t1/2(hr)と、
放電電流を時間に関して積分して得る容量Cdの公称容
量Cnに対する百分率比容量C(%)とを測定した。こ
こに、C=100×(Cd/Cn)である。
【0078】試験により得られた4サイクル目から10
サイクル目までに得られた時間t /2(hr)と比容
量Cとの関係から下記の関係式(5)を得た。
【0079】 C= -33.7t1/2+101 (5) これとは別に、使用済み角形Liイオン電池(公称容量
600mAh)を用意し、定電流充電電流600mA
(1.0CmA)、充電上限電圧4.1V、充電時間3
時間の定電流定電圧(CC−CV)方式による充電と、
放電電流600mA(1.0CmA)、放電終止電圧2.
75Vの放電と、充電・放電の間に10分間の休止をは
さんだ充放電サイクルを実施して、各サイクルごとのC
C充電モードからCV充電モードに変更となってから電
流値が半減するまでの経過時間t /2(hr)と、放
電電流を時間に関して積分して得る容量Cdの公称容量
600mAhに対する比容量C(%)とを記録した。
【0080】比容量Cの低下とともに時間t1/2は増
大したが、第9サイクル目を境に逆に比容量Cの低下と
ともに時間t1/2も減少に転じた。そこで、第9サイ
クル目以降の時間t1/2と比容量Cとの関係は、上記
関係式(2') C=At1/2+B’ (2') によって近似されることになるが、そのためには、上記
関係式(2')における定数Aの値および定数B'の値を
決定する必要がある。定数Aの値は上記関係式(5)に
おける定数Aの値と同じく33.7(1/hr)とすれば
よく、定数B'の値は、第9サイクル目におけるt
1/2の値すなわち0.45(hr)を上記関係式
(5)に代入して求めたCの値:C=85.835
(%)と等式B'=2C−Bとから算出して、B'=7
0.67(%)とすればよい。このように定数を決定す
れば、上記関係式(2')は下記の関係式(6)とな
る。
【0081】 C=33.7t1/2+70.67 (6) 以上のようにして求めた上記関係式(5)および(6)
の妥当性を検討した。
【0082】結果を図7に示す。
【0083】図7は、試験電池の充放電サイクル試験に
おけるCV充電開始後、充電電流値が半減するまでの経
過時間t1/2と比容量Cとの関係を示した図であり、
図中7−1は関係式(5)を示す直線であり、7−2
は、第9サイクル目のデータ(測定点)であり、7−3
は関係式(6)を示す直線である。
【0084】また、図7において、7−4、7−5は関
係式(5)に従って求めた容量推定値の±10%(すな
わち誤差が±10%)を示す直線であり、7−6、7−
7は関係式(6)に従って求めた容量推定値の±10%
を示す直線である。
【0085】図7に示すように、測定データはすべて誤
差±10%以内に収まっており、しかも関係式(5)お
よび(6)を示す直線7−1、7−3に極めて近接して
おり、このことから、本発明に係るリチウムイオン電池
の容量推定方法および劣化判定方法が高精度の容量推定
結果および劣化判定結果を与えることを示している。 [実施例2]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)6個を25℃の恒温槽に設置し、データ収集・保管
機能を有する電池充放電自動試験装置にそれぞれの電池
を個別に接続し、充電電流値600mA(1.0Cm
A)、充電上限電圧4.1V、充電時間を2時間、3時
間、3日間、7日間、10日間、および11日間の各時
間に設定して定電流定電圧(CC−CV)方式による充
電と、放電電流値600mAh(1.0CmA)、放電
終止電圧2.75Vの放電と、充電と放電との間に休止
を1時間はさんだ充放電サイクル試験を10サイクル実
施し、各サイクルにおける定電圧(CV)モード充電開
始時から充電電流値がCV充電初期の1/2に到達する
までの経過時間t1/2(hr)と、放電電流を時間に
関して積分して得る容量Cdの公称容量Cnに対する比
容量C(%)とを測定した。
【0086】試験により得られた4サイクル目から10
サイクル目における時間t1/2と比容量Cとから表1
に示す関係式Iを得た。表中、t1/2を単にtと記
し、各関係式Iに対して、その関係式を得るために用い
た測定点の図8における記号を付記してある。
【0087】
【表1】 これとは別に、使用済み角形Liイオン電池(公称容量
600mAh)を調達し、室温で、充電電流600mA
充電電流600mA(1.0CmA)、充電上限電圧4.
1V、充電時間3時間の定電流定電圧(CC−CV)方
式による充電と、放電電流600mA(1.0Cm
A)、放電終止電圧2.75Vの放電と、充電と放電と
の間に10分間の休止をはさんだ充放電サイクルを45
サイクル実施して、各サイクルごとのCC充電モードか
らCV充電モードに変更となってから電流値が半減する
までの所要時間t1/2(hr)と容量Cdの公称容量
600mAhに対する比容量C(%)とを記録し、表に
示した関係式Iの妥当性を検討した。
【0088】この試験において、30サイクル目にCV
充電電流値の半減に到達するに要した時間t1/2は最
大値0.455時間を示し、以後はサイクルとともに、
CV充電電流値半減時間t1/2は減少に転じた。この
ときの最大CV充電電流値半減時間t1/2と、それに
対応する比容量C=91.8%と、等式B'=2C
Bとを用いて、表1の各関係式Iに対応した関係式IIを
作成し、その妥当性を併せて検討した。
【0089】結果を図8に示す。
【0090】図8は、該充放電サイクルで求めたCV充
電モード開始から電流値半減までの所要時間t1/2
比容量Cとの関係を示した図であり、図中、45サイク
ル目までの測定データを灰色丸印で示してある。
【0091】また、図8には、表1に示した各関係式I
を作成するための試験データ(図中、表1に付記した記
号で表す)とともに作成した関係式Iを直線で示してあ
り、8−1は充電時間2時間のデータから作成した関係
式Iであり、8−2は充電時間3時間の試験データから
作成した関係式Iであり、8−3は充電時間3日間の試
験データから作成した関係式Iであり、8−4は充電時
間7日間の試験から作成した関係式Iであり、8−5は
充電時間10日間の試験データから作成した関係式Iで
あり、さらに8−6は充電時間11日間の試験データか
ら作成した関係式Iである。
【0092】さらに、図8において、8−7は、測定デ
ータのCV充電電流値半減時間t /2が最大を示す測
定点(尖点に該当する)であり、併せて、この値を用い
て作成した関係式IIを直線で示してあり、8−8は充電
時間2時間のデータから作成した関係式IIであり、8−
9は充電時間3時間の試験データから作成した関係式II
であり、8−10は充電時間3日間の試験データから作
成した関係式IIであり、8−11は充電時間7日間の試
験から作成した関係式IIであり、8−12は充電時間1
0日間の試験データから作成した関係式IIであり、さら
に8−13は充電時間11日間の試験データから作成し
た関係式IIである。
【0093】また、測定したCV充電電流値の半減する
までの所要時間t1/2を各関係式Iに代入して算出し
た推定比容量と実測比容量との最大誤差と、この最大誤
差が最も小さかった充電時間7日間の試験から作成した
関係式IIを基準にして、CV充電電流値半減時間が0.
1hrの場合の関係式IIから算出した推定比容量との差
を最大誤差として併せて表1に示しておいた。
【0094】図8、表1に示したように、充電時間を3
時間以上10日間以内に設定した試験から得られた関係
式Iにより算出した比容量は、いずれも誤差±10%以
内であり、優れた判定結果を示した。特に、表1に示し
たように、充電時間を3日以上10日以下に設定すると
判定誤差は±5%未満に収まりきわめて精度の高い判定
が可能になることが明らかになった。
【0095】また、関係式IIに関しても、充電時間を3
時間以上10日間以内に設定すると±10%以内に誤差
が収まり、優れた精度の判定が期待できることがわかっ
た。
【0096】これに対して、充電時間を2時間、あるい
は11日間に設定した試験から作成した関係式Iおよび
IIによると、精度のよい劣化判定が困難であることがわ
かった。 [実施例3]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)4個を室温下に設置し、データ収集・保管機能を有
する電池充放電自動試験装置にそれぞれの電池を個別に
接続し、充電電流値600mA(1.0CmA)、充電
上限電圧4.1V、充電時間を7日間に設定して定電流
定電圧(CC−CV)方式による充電と、放電電流値6
00mA(1.0CmA)、放電終止電圧2.75Vの放
電と、充電と放電との間に休止を1時間はさんだ充放電
サイクル試験を10サイクル実施し、各サイクルにおけ
る定電圧(CV)モード充電開始時から充電電流値がC
V充電初期の1/2に到達するまでの経過時間t1/2
(hr)と、容量Cd公称容量Cnに対する比容量C
(%)を測定した。
【0097】試験により得られたデータのうち、1サイ
クル目から4サイクル目の時間t /2と比容量Cか
ら、4および5サイクル目の時間t1/2と比容量Cか
ら、4サイクル目から6サイクル目の時間t1/2と比
容量Cから、および、4サイクル目から10サイクル目
の時間t1/2と比容量Cからそれぞれ4つの関係式を
得た。
【0098】この4つの関係式に、実施例2において試
験した使用済み角形Liイオン電池(公称容量600m
Ah)の45サイクル分のCC充電モードからCV充電
モードに変更となってから電流値が半減するまでの所要
時間t1/2(hr)と放電容量Cdの公称容量600
mAhに対する比容量Cの実測データを適用して、算定
比容量と実測の比容量との比較を行った。
【0099】結果を図9に示す。
【0100】図9は、CV充電モード開始から電流値半
減までの所要時間t1/2(hr)と比容量Cとの関係
を示した図であり、図中、灰色丸印は実施例2で測定し
た使用済み角形電池の実測データであり、9−1の直線
は1サイクル〜4サイクル目の測定データから作成した
関係式を、9−2の直線は4サイクル目と5サイクル目
のデータから作成した関係式を、9−3は4サイクル目
から6サイクル目までのデータから作成した関係式を、
さらに9−4の直線は4サイクル目から10サイクル目
までのデータから作成した関係式を示している。図9の
右側に、各直線を得るために用いた測定点とサイクルと
の対応を示した。
【0101】図9から明らかなように、本発明になる関
係式作成の方法に従えば、精度の高い判定が可能とな
り、4サイクル目と5サイクル目のデータから作成した
関係式で算出した比容量の値は実測値に対して最大誤差
(絶対値)は3.2%に留まり、4サイクル目から6サ
イクル目までのデータから作成した関係式で算出した値
は実測値に対して最大誤差(絶対値)は5.4%に留ま
り、また、4サイクル目から10サイクル目までのデー
タから作成した関係式で算出した値は実測値に対して最
大誤差(絶対値)は2.1%に留まる優れた判定精度で
あった。
【0102】これに対して、1サイクル目から4サイク
ル目までのデータから作成した関係式で算出すると、実
測値に対して最大誤差(絶対値)は43.5%となり、
±20%を越える誤差となって好ましくないことがわか
った。 [実施例4]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)5個を5℃の恒温槽に設置し、データ収集・保管機
能を有する電池充放電自動試験装置にそれぞれの電池を
個別に接続し、充電電流値を600mA(1.0Cm
A)、充電上限電圧4.1V、充電時間を7日間に設定
して定電流定電圧(CC−CV)方式による充電と、放
電電流値600mAh(1.0CmA)、放電終止電圧
2.75Vの放電と、充電と放電との間に休止を1時間
はさんだ充放電サイクル試験を10サイクル実施し、各
サイクルにおける定電圧(CV)モード充電開始5分後
のI5min(1.0CmAを単位として表す)と、公
称容量に対する比容量C(%)を測定した。
【0103】試験により得られたデータのうち、それぞ
れ4サイクル目から10サイクル目のCV充電開始5分
後の電流値I5min(CmA)と比容量C(%)とか
ら下記の関係式(7)を得た。
【0104】 C= -58.6I5min+143 (7) この5つの電池から得られた関係式(7)に対して、実
施例2において試験した使用済み角形Liイオン電池
(公称容量600mAh)の45サイクル分のCV充電
開始から5分後の充電電流値I5min(CmA)と放
電容量の公称容量600mAhに対する比容量C(%)
のデータを適用して算定比容量と実測の比容量との比較
を行った。
【0105】また、30サイクル目にI5minは最大
値を示し、それ以後はサイクルとともに減少に転じたた
め、I5minが最大値を示したときの容量C=9
1.8(%)と等式B'=2C−Bとから、以後のサイ
クルのデータに適用する関係式 C=58.6I5min+40.5 (8) を作成し、同様に算定比容量と実測容量との比較を行っ
た。
【0106】結果を図10に示す。
【0107】すなわち、図10は、上記充放電サイクル
試験で求めたCV充電開始5分後の電流値I
5min(CmA)と公称容量比C(%)との関係を示
した図であり、図中灰色丸印が使用済み角形Liイオン
電池の測定データを示し、黒四角が上記関係式(7)お
よび(8)を得るために行ったサイクルにおいて得た測
定点を示している。また、図中10−1は関係式(7)
を示す直線であり、10−3は、測定データにおける尖
点(I5minが最大となる点)10−2から定数を決
定して求めた関係式(8)を示す直線である。
【0108】図10に示したように、測定データはすべ
て±20%以内に収まっており、本発明の実施によっ
て、高精度の容量推定および劣化判定が可能であること
が判る。 [実施例5]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)6個を、25℃に設定した恒温槽内に設置し、デー
タ収集・保管機能を有する電池充放電自動試験装置にそ
れぞれの電池を個別に接続し、充電電流値を600mA
(1.0CmA)、充電上限電圧4.1V、充電時間を7
日間に設定して定電流定電圧(CC−CV)方式による
充電と、放電電流値600mAh(1.0CmA)、放
電終止電圧2.75Vの放電と、充電と放電との間に休
止を1時間はさんだ充放電サイクル試験を10サイクル
実施し、各サイクルにおける定電圧(CV)モード充電
開始時から30秒後、1分後、5分後、15分後、20
分後の充電電流値I30sec、I1m in、I
5min、I15min、I20min(CmA)と、
放電容量の公称容量に対する比容量C(%)を測定し
た。
【0109】結果を図11に示す。
【0110】図11は、試験により得られた測定データ
と、それぞれ各条件における4サイクル目から10サイ
クル目の充電電流値(I30sec、I1min、I
5mi 、I15min、I20min)と比容量Cか
ら求めた関係式を示した図である。図中、11−1はC
V充電開始30秒後の電流値I30secと比容量とか
ら求めた関係式を示す直線であり、11−2は1分後の
電流値I1minと比容量とから求めた関係式を示す直
線であり、11−3は5分後の電流値I5min、11
−4は15分後の電流値I15min、そして11−5
は20分後の電流値I20minの場合の関係式を、そ
れぞれ、示した直線である。また、測定点と、CVモー
ド充電開始時から充電電流測定時点までの時間との対応
は図の右側に示したとおりである。
【0111】また、比容量が91.8%のとき、充電電
流値は最大値を示し、以後のサイクルでは、サイクル数
とともに充電電流値が減少に転じる尖点となることがわ
かった。この値に基づいて、それぞれの関係式の傾きの
符号を逆にした別の関係式を作成した。作成した関係式
は、充電電流を測定する時点が30秒後の場合が11−
6で示される直線であり、1分後、5分後、15分後、
20分後の場合がそれぞれ、11−7、11−8、11
−9、11−10で示される直線である。
【0112】図11から明らかなように、CV充電開始
から1分後以降15分後までは、優れた容量推定、劣化
判定を実施しうることがわかる。これに対し、20分後
では、尖点以降で誤差が大きくなるため、好ましくな
い。また、30秒後では、関係式と測定データとの全体
の整合性は良好であるものの、個々の電流値のばらつき
が大きく、この値で容量推定を行うと誤差が大きくなる
恐れがありいずれも好ましくないことがわかった。
【0113】以上、実施例1〜5の説明によって明らか
なように、本発明の実施によって、リチウムイオン電池
の高精度容量推定方法および高精度劣化判定方法を提供
することができる。 [実施例6]角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)3本直列の電池パックの充電のため、充電上限電圧
12.3V(2.75V/セル)、充電電流値600mA
(1.0CmA)、充電を終了するためのしきい値であ
る収束電流値を30mA(0.05CmA)とした定電
流定電圧(CC−CV)方式で充電し、充電時に該電池
パックの容量推定機能と、電池寿命判定基準Ceを36
0mAh(公称容量の60%)として、本発明の実施に
よって劣化判定を行う機能を有する充電器、すなわち、
本発明に係るリチウムイオン電池の劣化判定装置を搭載
した充電器を作製した。
【0114】作製した充電器の構成概念を図12に示
す。すなわち、図12において、20は本実施例におい
て作製した充電器であり、この充電器20は商用電源2
1に端子22、および23で接続される。また、該充電
器20に対し、Liイオン電池パック24が充電のため
に端子25および26に接続され装着されるようにし
た。
【0115】充電器20は、商用電源21から供給され
る電気をAC/DCコンバータ27によって直流に変換
し、充電電流、電池パック24の電圧をモニタし、また
サーミスタ28により温度モニタを行いながら、電源マ
イコン29、充電制御用マイコン30により、上述の充
電条件と、過充電、過放電、異常大電流、異常電池温度
上昇など危険状態を検知し回避をするための制御を行
い、電池パック24を充電する。充電はスイッチ31に
より、充電完了時、あるいは異常を検知した時、充電を
停止する。
【0116】充電制御用マイコン30は本発明に係るリ
チウムイオン電池の容量推定方法および劣化判定方法を
実行する機能を有し、該容量推定方法および劣化判定方
法の実行結果を表示部32に出力する。
【0117】表示部32は充電の完了、劣化表示、推定
容量表示、その他、何らかの異常を制御用マイコン30
の出力に従って表示する。表示部32は、充電関係の表
示を行うLED(赤:充電中、緑:充電完了)と、劣化
判定結果を表示するLED(赤:電池取りかえ、黄:ま
もなく電池取りかえ、緑:電池は取りかえ不要)と、推
定容量算出結果の数値表示、異常の表示を行うLCDデ
ィスプレイとから構成されている。
【0118】充電関係のLEDでは、充電完了の場合の
み緑のLEDが点灯し、充電中は赤のLEDが点灯し、
それ以外の異常を示す場合には両方とも点灯しない。
【0119】劣化判定結果を示すLEDでは、充電制御
用マイコン30による容量推定の結果である推定比容量
Cの値が60%未満の場合は、推定容量Cdの値が電池
寿命判定基準Ceの値よりも小となるので、電池は劣化
したと判定され、赤のLEDが点灯し、電池パックを直
ちに新しい電池パックに交換すべきであることを示す。
また、推定比容量Cの値が60%以上70%未満の場合
には、まもなく、すなわち、使用条件にもよるが、数カ
月以内に電池パックを交換すべきであるため黄のLED
を点灯させる。さらに比容量が70%以上の場合は、電
池パックは新品か、または、相当長期間使用が可能で、
取りかえる必要がないため、緑のLEDを点灯させる。
【0120】LCDディスプレイは文字による情報を表
示させることを目的として設置している。電池パックの
装着不良をはじめ、安全性に関わる警告情報など、正常
に充電を行うことが困難であることを示したり、劣化判
定結果を数値で示したりする。また、商用電源の突然の
停止の場合には、装着した電池パックの電圧が8.25
Vより高い場合のみ、装着電池パックから電流を供給し
て電源切れを表示するようにしてある。
【0121】本実施例において作製した充電器における
劣化判定の手順を図13および図14(図13続き)に
示した。
【0122】図13および図14(図13続き)に示し
た劣化判定の手順を説明する。
【0123】手順A:充電器に電池パックを装着してC
Cモード充電を開始し、電池パックの電圧Vをモニタす
る。パック電圧Vが充電上限値12.3V(4.1V/セ
ル)に達した時点で充電をCVモードに切り替え、総充
電容量が公称容量の3倍を超えていたら、容量推定、劣
化判定のための時間計測を開始する。同時に、充電電流
値をモニタする。
【0124】手順B:電流値が300mA(0.5Cm
A)に到達したら時間計測を終了。充電上限電圧到達時
から電流値300mA到達時までの所要時間t
1/2(hr)を記録する。
【0125】手順C:取得した所要時間t1/2(h
r)を劣化関係式(5) C= -33.7t1/2+101 (5) に代入、比容量C(%)を算出する。もしも、前サイク
ルの所要時間t1/2bが記録されており、t1/2
1/2bとなる場合には、この不等式が初めて成立し
た場合にはt1/2bを関係式(5)に代入して比容量
C(%)(この値をCbとする)を算出し、その他の場
合には、関係式(5)の代わりに、関係式 C=33.7t1/2+N' (6') (ここに、N'は正値定数とする)を用い、t1/2をこ
の式に代入して比容量C(%)を算出する。上記関係式
(6')における定数N'は、t1/2が最大となる点
(尖点)におけるt1/2の値と比容量Cの値(上記の
Cb)とを関係式(6')に代入することによって求め
られる。この定数N'の算出方法は、すでに示した等式
N'=2C−Nを用いる方法と等価である。なお、図
14(図13続き)において、上記N'は単にNと表さ
れている。
【0126】手順D:算出された結果をLCDとLED
に表示する。判定結果である比容量の値に応じて、上述
したように赤、黄、縁のいずれかのLEDを点灯させ、
同時にLCDディスプレイに数値を表示する。LCDデ
ィスプレイ表示は30秒間、LEDは充電器が商用電源
に接続されている問点灯させる。
【0127】本発明になる容量推定、劣化判定は、充電
制御用マイコン30に、実施例1において作成した劣化
関係式(5)と、図13および図14(図13続き)に
示したフロー手順をプログラムしてあらかじめ入力して
おき、電池パックの電圧と充電電流値のモニタリングを
利用しながら、内蔵タイマにより、パック電圧が12.
3Vに到達してCC充電モードからCV充電モードに変
更されてから充電電流値が1/2の300mAに到達す
るまでの時間t1/2を測定し、上記関係式(5)また
は、関係式(6')に適用して、Liイオン電池パック
の容量推定、劣化判定を行い、表示部32に推定容量
値、劣化判定結果を表示するようにした。なお、本実施
例で作製した充電器には、電池の充電時間が判るよう、
LCDディスプレイ上にタイマー表示を行っている。
【0128】このようにして構成される充電器を用い、
この充電器に使用済みの同タイプの電池パックを装着
し、充電した。この使用済み電池パックは、定電流(C
C)モードから定電圧(CV)モードに充電形態が変更
となってから、27分で劣化判定結果が表示され、3時
間6分で充電が終了した。LCDディスプレイには86
%と表示され、緑色のLEDが点灯した。
【0129】充電された上記電池パックを電池充放電自
動試験装置に設置し、放電電流値600mA(1.0C
mA)、放電終止電圧8.25Vに設定して定電流放電
を実施し、放電容量を求めたところ、534mAhであ
った。この実測容量を比容量に換算すると89%とな
り、この実比容量に対する上記の推定比容量の誤差はわ
ずかに約3%であることが判る。
【0130】以上の通り、本発明になる容量推定機能お
よび劣化判定機能を有する充電器では、精度の高い容量
推定可能であり、従って、精度の高い劣化判定を行うこ
とが可能であることが明らかになった。本実施例におい
ては、充電制御用マイコン30が本発明に係るリチウム
イオン電池の劣化判定装置を構成している。
【0131】以上の説明により明らかなように、本発明
の実施によって、リチウムイオン電池の高精度劣化判定
装置を提供することができる。 [実施例7]充電上限電圧12.3V、充電電流600
mA(1.0CmA)、収束電流値が60mAの条件で
定電流定電圧(CC−CV)モード充電を行う機能を有
した小型携帯用情報端末機器に搭載する、図6に示す構
成のLiイオン電池パックを作製した。該電池パックは
角形セル(公称容量600mAh)12−1、12−
2、および12−3の3セル直列のパックであり、保護
用ICに上記関係式(5)をあらかじめ入力してある。
【0132】また、図6に示す構成の該電池パック内の
保護用IC13メモリには、Liイオン電池12−1、
12−2、12−3各セルの両端の電圧をVccとVs
sによりモニタし、充電上限電圧12.3V(4.1V/
セル)に電圧が達してCC充電モードからCV充電モー
ドに変更となってから電流値をモニタして1/2の30
0mA(0.5CmA)に到達するまでの経過時間t
1/2をカウントし、この測定された時間t1/2の値
を、表示手順を除く図13および図14(図13続き)
に示した手順に従って上記関係式(5)、あるいは、前
サイクルの時間t 1/2bより小さくなる場合には上記
実施例6に示した関係式(6’)を作成、これにt
1/2の値を代入、演算して比容量Cを算出するプログ
ラムがあらかじめ入力してある。
【0133】演算した結果は端子19を通して該電池パ
ックを搭載する情報端末機器本体の液晶ディスプレイに
表示するために装置本体に出力する機構になっている。
【0134】液晶ディスプレイには、判定結果である数
値がパーセントで表示されるとともに、バーの長さのパ
ーセント数値に相当する割合が塗りつぶしで示されるよ
うになっている。
【0135】劣化判定の指示は、該機器本体から充電開
始と同時に発出される。劣化判定実施のための手順フロ
ーは、図13および図14(図13続き)において、結
果の表示が機器本体のディスプレイに表示されるために
機器本体に結果を送出する以外は図13および図14
(図13続き)と同様である。
【0136】このような構成になる電池パックを情報端
末機器に装着し、1時間使用した後、商用電源に接続し
て充電を開始し、充電開始後に表示されたディスプレイ
を見たところ、該電池パックの比容量推定の結果は86
%と表示された。充電完了のサインがディスプレイ上に
現れたのを確認して、この情報端末機器を0FFにし、
該電池パックを脱着し、適当な接続コードを用いて、電
池充放電自動試験装置に接続し、放電電流600mA
(1.0CmA)、放電終止電圧8.25V(2.75V
/セル)で放電させ容量を測定した。その結果、実放電
容量は501mAh、比容量に換算して83.5%であ
った。
【0137】従って、本発明になる電池パックに搭載し
た容量推定機能による推定結果は、比容量の差として、
誤差 -2.5%と優れた推定精度を示すことが明らかに
なった。本電池パックは本発明に係る劣化判定機能を具
備したリチウムイオン電池パックでもあり、その劣化判
定機能による劣化判定は上記の優れた精度の容量推定機
能にに基づいて行われるので、本電池パックは高精度劣
化判定機能を具備したリチウムイオン電池パックであ
る。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の実施によ
って、リチウムイオン電池の高精度容量推定方法、高精
度劣化判定方法および高精度劣化判定装置ならびに高精
度劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パックを
提供することができる。
【0139】リチウムイオン電池の劣化状態を知る場
合、本発明における容量推定および劣化判定方法を用い
ることにより、すぐれた精度で電池の容量、および劣化
状態を把握することが可能になり、リチウムイオン電池
の管理においてきわめて大きな貢献を果たすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるリチウムイオン電池の容量推定
方法を説明する図である。
【図2】本発明におけるリチウムイオン電池の容量推
定、劣化判定方法の根拠となる定電圧モード充電におけ
る充電電流減衰の変化を示した図である。
【図3】本発明におけるリチウムイオン電池の容量推
定、劣化判定方法を説明する定電流(CC)充電から定
電圧(CV)充電に変更されてから充電電流が半減する
までの所要時間と比容量との関係を示した図である。
【図4】本発明におけるリチウムイオン電池の別の容量
推定、劣化判定方法を説明する一例として、定電流(C
C)充電から定電圧(CV)充電に変更されてから5分
後の電流値と比容量との関係を示した図である。
【図5】本発明におけるリチウムイオン電池の容量推
定、劣化判定の方法を装置類に適用する具体的な一例を
説明する図である。
【図6】本発明における劣化判定機能を具備したリチウ
ムイオン電池パックの回路構成例を示した図である。
【図7】本発明の実施例1における充放電サイクル試験
の結果を示したCV充電電流半減時間t1/2と比容量
Cとの関係を示した図であり、7−1は関係式(5)を
示す直線であり、7−2は測定データの尖点であり、7
−3は別の関係式(6)を示す直線である。
【図8】本発明の実施例2における充放電サイクル試験
で求めたCV充電モード開始から電流値半減に至る所要
時間t1/2と比容量Cとの関係と各関係式を示した図
であり、8−1、8−2、8−3、8−4、8−5、お
よび8−6は各条件での関係式を示す直線であり、8−
7は測定データの尖点であり、8−8、8−9、8−1
0、8−11、8−12、および8−13はこの尖点を
基に作成した別の関係式を示す直線である。
【図9】本発明の実施例3におけるCV充電モード開始
から電流値半減に至る所要時間t1/2と比容量Cとの
関係を示すデータと各関係式を示した図であり、9−
1、9−2、9−3、および9−4は各条件での関係式
を示す直線である。
【図10】本発明の実施例4におけるCV充電モード開
始から5分後の充電電流値I5m inと比容量Cとの関
係を示すデータと各関係式を示した図であり、10−1
と10−3は関係式を示す直線であり、10−2は10
−3の関係式を作成する根拠となる測定データの尖点を
示している。
【図11】本発明の実施例5におけるCV充電モード開
始から一定時間後の充電電流値と比容量Cとの関係を示
すデータと各関係式を示した図であり、11−1、11
−2、11−3、11−4、11−5、11−6、11
−7、11−8、11−9、および11−10は各条件
での関係式を示す直線である。
【図12】本発明の実施例6において作製した充電器の
構成を示した図である。
【図13】本発明の実施例6において実施した劣化判定
手順を示したフロー図である。
【図14】図13の続きである。
【符号の説明】
1…電源部、2a、2b、2c…Liイオン電池、3…
電池制御部、4…充電器、5…論理部、6…インターフ
ェイス、7…CPU、8…メモリ、9…キーボードコン
トローラ、10…配線、11…電池パック本体、12-
1、12-2、12-3…Liイオン電池、13…保護用
IC、14-A、14-B、14-C、14-1、14-
2、14-3…FET、15…PTC素子、16…電流
ヒューズ、17…プラス端子、18…マイナス端子、1
9…情報出力、コントロールのための端子、20…充電
器、21…商用電源、22、23…商用電源と充電器と
を接続する端子、24…Liイオン電池パック、25、
26…充電器と電池パックとを接続する端子、27…A
C/DCコンバータ、28…サーミスタ、29…電源マ
イコン、30…充電制御用マイコン、31…スイツチ、
32…表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G016 CA00 CB12 CB33 CC01 CC03 CC04 CC07 CC12 CC23 CC27 CC28 CD06 CD09 CD10 CD14 5G003 AA01 BA01 DA07 EA05 EA08 GA01 GC05 5H030 AA06 AA10 AS06 FF42 FF43 FF44 FF52

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムイオン電池の容量推定方法であっ
    て、 該電池を、該電池の電池電圧があらかじめ設定された上
    限電圧Vcに達するまで一定電流Ic0で定電流充電し
    た後に該電池電圧を上記Vcに保って定電圧充電する定
    電流定電圧方式によって充電する充電過程と、該充電過
    程後の該電池を放電させる放電過程とをそれぞれ1回ず
    つ含む充放電サイクルを複数回実施し、該充放電サイク
    ルにおいて、充電モードを定電流モードから定電圧モー
    ドに切り替えた時点から、充電電流が上記Ic0のα倍
    (ここに、αは定数であり、0<α<1であるとする)
    になるまでの時間tαを測定し、 該測定によって得たtαの測定値が該サイクルの繰り返
    し回数nの増大に伴って増加するかまたは不変である場
    合には該電池の容量Cdの該電池の公称容量Cnに対す
    る百分率比容量C(ここに、Cは100×(Cd/Cn)
    で与えられる)の値を関係式 C= -Atα+B (1) (ここに、AおよびBは正値定数である)を用いて推定
    し、該測定によって得たtαの測定値が該サイクルの繰
    り返し回数nの増大に伴って減少する場合には上記百分
    率比容量Cの値を関係式 C=+Atα+B’ (2) (ここに、B’は正値定数である)を用いて推定し、 該電池の容量Cdを、上記推定によって得た百分率比容
    量Cの推定値と上記公称容量Cnとから、等式Cd=
    (C/100)×Cnによって推定することを特徴とする
    リチウムイオン電池の容量推定方法。
  2. 【請求項2】上記αの値が1/2であることを特徴とす
    る請求項1に記載のリチウムイオン電池の容量推定方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のリチウムイオン
    電池の容量推定方法において、 上記定数A、BおよびB’の値を決定するために、 容量推定対象となるリチウムイオン電池と同一種類で同
    一公称容量Cnを有するリチウムイオン電池を上記定電
    流定電圧方式によって充電する充電過程と、該充電過程
    後の該電池を、該電池の電池電圧が放電終止電圧Vdに
    達するまで放電させる放電過程とをそれぞれ1回ずつ含
    む充放電サイクルであって、1回の充電時間を3時間以
    上10日間以下、好ましくは3日間以上10日間以下と
    し、放電電流Idを0.2CmA以上2.0CmA以下
    (ここに、CmAは該電池の公称容量Cnを1時間で割
    って得る電流値である)とし、該電池の周囲温度を0℃
    以上45℃以下、好ましくは15℃以上30℃以下とす
    る充放電サイクルを5回以上、好ましくは6回以上実施
    し、 該充放電サイクルにおいて、上記時間tαを測定し、放
    電電流Idを時間に関して積分することによって該電池
    の容量Cdを求め、該容量Cdの上記公称容量Cnに対
    する百分率比容量C(ここに、Cは100×(Cd/C
    n)で与えられる)を算出し、第n回目のサイクルにお
    いて得たtαの値およびCの値を、それぞれ、上記nの
    関数tα(n)およびC(n)として記録し、 上記関係式(1)および(2)が、tα=tα(n)およ
    びC=C(n)としたときに、上記tα(n)とC(n)との
    相関関係を近似的に表すように、上記定数A、Bおよび
    B’の値を決定し、 該決定によって決定された値を上記関係式(1)および
    (2)に代入して得る関係式を用いて、前記容量推定対
    象となるリチウムイオン電池の容量Cdを推定すること
    を特徴とするリチウムイオン電池の容量推定方法。
  4. 【請求項4】リチウムイオン電池の容量推定方法であっ
    て、 該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充電過
    程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程とを
    それぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実施し、 該充放電サイクルにおいて、充電モードを定電流モード
    から定電圧モードに切り替えた時点から、あらかじめ設
    定された時間tm(ここに、0<tm≦0.8Cn/Ic
    0であり、Cnは該電池の公称容量であるとする)だけ
    経過した時点における充電電流Itmを測定し、 該測定によって得たItmの測定値が該サイクルの繰り
    返し回数nの増大に伴って増加するかまたは不変である
    場合には該電池の容量Cdの該電池の公称容量Cnに対
    する百分率比容量C(ここに、Cは100×(Cd/C
    n)で与えられる)の値を関係式 C= -MItm+N (3) (ここに、MおよびNは正値定数である)を用いて推定
    し、 該測定によって得たItmの測定値が該サイクルの繰り
    返し回数nの増大に伴って減少する場合には上記百分率
    比容量Cの値を関係式 C=+MItm+N’ (4) (ここに、N’は正値定数である)を用いて推定し、 該電池の容量Cdを、上記推定によって得た百分率比容
    量Cの推定値と上記公称容量Cnとから、等式Cd=
    (C/100)×Cnによって推定することを特徴とする
    リチウムイオン電池の容量推定方法。
  5. 【請求項5】上記tmが1分以上15分以内であること
    を特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン電池の容
    量推定方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5に記載のリチウムイオン
    電池の容量推定方法において、 上記定数M、NおよびN’の値を決定するために、 容量推定対象となるリチウムイオン電池と同一種類で同
    一公称容量Cnを有するリチウムイオン電池を上記定電
    流定電圧方式によって充電する充電過程と、該充電過程
    後の該電池を、該電池の電池電圧が放電終止電圧Vdに
    達するまで放電させる放電過程とをそれぞれ1回ずつ含
    む充放電サイクルであって、1回の充電時間を3時間以
    上30日間以下とし、放電電流値Idを0.2CmA以
    上2.0CmA以下(ここに、CmAは上記公称容量C
    nを1時間で割って得る電流値である)とし、該電池の
    周囲温度を0℃以上45℃以下、好ましくは15℃以上
    30℃以下とする充放電サイクルを5回以上実施し、 各充放電サイクルにおいて、上記電流Itmを測定し、
    放電電流Idを時間に関して積分することによって該電
    池の容量Cdを求め、該容量Cdの公称容量Cnに対す
    る百分率比容量C(ここに、C=100×(Cd/C
    n))を算出し、第n回目のサイクルにおいて得たI
    tmの値およびCの値を、それぞれ、nの関数I
    tm(n)およびC(n)として記録し、 上記関係式(3)および(4)が、Itm=Itm(n)
    およびC=C(n)としたときに、上記Itm(n)とC
    (n)との相関関係を近似的に表すように、上記定数M、
    NおよびN’の値を決定し、 該決定によって決定された値を上記関係式(3)および
    (4)に代入して得る関係式を用いて、前記容量推定対
    象となるリチウムイオン電池の容量Cdを推定すること
    を特徴とするリチウムイオン電池の容量推定方法。
  7. 【請求項7】リチウムイオン電池の劣化判定方法であっ
    て、該リチウムイオン電池の容量Cdを請求項1、2、
    3、4、5または6に記載のリチウムイオン電池の容量
    推定方法によって推定し、該推定によって得られたCd
    の値が、あらかじめ定められた容量Ceの値よりも小で
    あるときに、該リチウムイオン電池は劣化したと判定す
    ることを特徴とするリチウムイオン電池の劣化判定方
    法。
  8. 【請求項8】リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
    て、 該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充電過
    程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程とを
    それぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実行する
    機能、および、該充放電サイクル実行中に上記時間tα
    を計測する機能を有する電池制御部と、 第n回目の該充放電サイクルにおいて、該計測によって
    得られた上記tαの値を上記nの関数tα(n)として記
    憶する記憶部と、 上記tα(n)の値を用い、請求項7に記載のリチウムイ
    オン電池の劣化判定方法によって該電池の劣化を判定す
    る論理回路部とを有することを特徴とするリチウムイオ
    ン電池の劣化判定装置。
  9. 【請求項9】リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
    て、 該電池を上記定電流定電圧方式によって充電する充電過
    程と、該充電過程後の該電池を放電させる放電過程とを
    それぞれ1回ずつ含む充放電サイクルを複数回実行する
    機能、および、該充放電サイクル実行中に上記電流I
    tmを計測する機能を有する電池制御部と、 第n回目の該充放電サイクルにおいて、該計測によって
    得られた上記Itmの値を上記nの関数Itm(n)とし
    て記憶する記憶部と、 上記Itm(n)の値を用い、請求項7に記載のリチウム
    イオン電池の劣化判定方法に従って該電池の劣化を判定
    する論理回路部とを有することを特徴とするリチウムイ
    オン電池の劣化判定装置。
  10. 【請求項10】劣化判定機能を具備したリチウムイオン
    電池パックであって、 該電池パック中のリチウムイオン電池を上記定電流定電
    圧方式によって充電する充電過程と、該充電過程後の該
    電池を放電させる放電過程とをそれぞれ1回ずつ含む充
    放電サイクルが複数回実行された場合に、該充放電サイ
    クル実行中に上記時間tαの値を計測する計測部と、 第n回目の該充放電サイクルにおいて、該計測によって
    得られた上記tαの値を上記nの関数tα(n)として記
    憶する記憶部と、 上記tα(n)を用い、請求項7に記載のリチウムイオン
    電池の劣化判定方法に従って該電池の劣化を判定する論
    理回路部とを有することを特徴とする劣化判定機能を具
    備したリチウムイオン電池パック。
  11. 【請求項11】劣化判定機能を具備したリチウムイオン
    電池パックであって、 該電池パック中のリチウムイオン電池を上記定電流定電
    圧方式によって充電する充電過程と、該充電過程後の該
    電池を放電させる放電過程とをそれぞれ1回ずつ含む充
    放電サイクルが複数回実行された場合に、該充放電サイ
    クル実行中に上記電流Itmを計測する計測部と、 第n回目の該充放電サイクルにおいて、該計測によって
    得られた上記Itmの値を上記nの関数Itm(n)とし
    て記憶する記憶部と、 上記Itm(n)の値を用い、請求項7に記載のリチウム
    イオン電池の劣化判定方法に従って該電池の劣化を判定
    する論理回路部とを有することを特徴とする劣化判定機
    能を具備したリチウムイオン電池パック。
JP2000361149A 2000-03-13 2000-11-28 リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック Expired - Fee Related JP3470098B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000361149A JP3470098B2 (ja) 2000-11-28 2000-11-28 リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック
DE10164771A DE10164771B4 (de) 2000-03-13 2001-03-06 Kapazitätsabschätzungsverfahren und -vorrichtung für Lithium-Ionenzellen und Lithium-Ionenbatterien
DE10164772A DE10164772B4 (de) 2000-03-13 2001-03-06 Kapazitätsabschätzungsverfahren, Degradationsabschätzungsverfahren und Degradationsabschätzungsvorrichtung für Lithium-Ionenzellen und Lithium-Ionenbatterien
DE10110642A DE10110642B4 (de) 2000-03-13 2001-03-06 Kapazitätsabschätzungsverfahren, Degradationsabschätzungsverfahren und Degradationsabschätzungsvorrichtung für Lithium-Ionenzellen und Lithium-Ionenbatterien
DE10164770A DE10164770B4 (de) 2000-03-13 2001-03-06 Kapazitätsabschätzungsverfahren, Degradationsabschätzungsverfahren und Degradationsabschätzungsvorrichtung für Lithium-Ionenzellen und Lithium-Ionenbatterien
TW090105739A TW510977B (en) 2000-03-13 2001-03-12 Capacity estimation method, degradation estimation method and degradation estimation apparatus for lithium-ion cells, and lithium-ion batteries
KR10-2001-0012675A KR100414979B1 (ko) 2000-03-13 2001-03-12 리튬이온전지의 용량추정방법, 열화판정방법 및열화판정장치, 및 리튬이온배터리
US09/804,503 US6586940B2 (en) 2000-03-13 2001-03-12 Capacity estimation method, degradation estimation method and degradation estimation apparatus for lithium-ion cells, and lithium-ion batteries
KR10-2003-0024354A KR100440676B1 (ko) 2000-03-13 2003-04-17 리튬이온전지의 용량추정방법, 열화판정방법 및열화판정장치, 및 리튬이온배터리
KR10-2003-0024355A KR100402309B1 (ko) 2000-03-13 2003-04-17 리튬이온전지의 용량추정방법, 열화판정방법 및열화판정장치, 및 리튬이온배터리

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000361149A JP3470098B2 (ja) 2000-11-28 2000-11-28 リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002162451A true JP2002162451A (ja) 2002-06-07
JP3470098B2 JP3470098B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=18832628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000361149A Expired - Fee Related JP3470098B2 (ja) 2000-03-13 2000-11-28 リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3470098B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5033262B2 (ja) * 2009-12-14 2012-09-26 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池の充電完了の判定方法及び放電終了の判定方法、充電制御回路、放電制御回路、並びに電源
CN102983371A (zh) * 2011-05-31 2013-03-20 株式会社东芝 计算方法、计算系统、计算装置
US9018897B2 (en) 2011-06-03 2015-04-28 Gs Yuasa International Ltd. Electric storage device condition determination device, electrically chargeable device, and method of determining electric storage device condition
JP2016219447A (ja) * 2015-05-14 2016-12-22 日置電機株式会社 電気二重層キャパシタの電圧保持率特定装置および電気二重層キャパシタの電圧保持率特定方法
CN110994049A (zh) * 2019-11-22 2020-04-10 力神动力电池系统有限公司 一种判断锂离子电池负压排气设备排气孔堵塞的方法
WO2020201893A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 株式会社半導体エネルギー研究所 二次電池の充電状態推定方法、二次電池の充電状態推定システム、及び二次電池の異常検知方法
CN112379289A (zh) * 2020-10-31 2021-02-19 浙江锋锂新能源科技有限公司 一种锂离子电池最大电流的测试方法
CN112557920A (zh) * 2020-11-20 2021-03-26 天津力神电池股份有限公司 一种快速评测高电压锂离子电池体系稳定性的方法
CN112585839A (zh) * 2018-08-31 2021-03-30 三洋电机株式会社 二次电池的充电系统
CN112864464A (zh) * 2021-01-08 2021-05-28 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种提升软包锂离子电池循环性能的方法及装置
CN114814631A (zh) * 2022-04-25 2022-07-29 浙江大学 一种基于云计算与特征选择的锂电池在线寿命预测方法
CN117129880A (zh) * 2023-10-26 2023-11-28 通号通信信息集团有限公司 一种铅酸蓄电池的可用容量估算及健康状态评估方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111196179B (zh) * 2018-11-16 2021-07-20 宝沃汽车(中国)有限公司 电池剩余充电时间的估算方法、估算装置及车辆

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5033262B2 (ja) * 2009-12-14 2012-09-26 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池の充電完了の判定方法及び放電終了の判定方法、充電制御回路、放電制御回路、並びに電源
CN102983371A (zh) * 2011-05-31 2013-03-20 株式会社东芝 计算方法、计算系统、计算装置
US9018897B2 (en) 2011-06-03 2015-04-28 Gs Yuasa International Ltd. Electric storage device condition determination device, electrically chargeable device, and method of determining electric storage device condition
JP2016219447A (ja) * 2015-05-14 2016-12-22 日置電機株式会社 電気二重層キャパシタの電圧保持率特定装置および電気二重層キャパシタの電圧保持率特定方法
CN112585839A (zh) * 2018-08-31 2021-03-30 三洋电机株式会社 二次电池的充电系统
WO2020201893A1 (ja) * 2019-04-02 2020-10-08 株式会社半導体エネルギー研究所 二次電池の充電状態推定方法、二次電池の充電状態推定システム、及び二次電池の異常検知方法
CN110994049A (zh) * 2019-11-22 2020-04-10 力神动力电池系统有限公司 一种判断锂离子电池负压排气设备排气孔堵塞的方法
CN112379289A (zh) * 2020-10-31 2021-02-19 浙江锋锂新能源科技有限公司 一种锂离子电池最大电流的测试方法
CN112379289B (zh) * 2020-10-31 2024-03-29 浙江锋锂新能源科技有限公司 一种锂离子电池最大电流的测试方法
CN112557920A (zh) * 2020-11-20 2021-03-26 天津力神电池股份有限公司 一种快速评测高电压锂离子电池体系稳定性的方法
CN112864464A (zh) * 2021-01-08 2021-05-28 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种提升软包锂离子电池循环性能的方法及装置
CN112864464B (zh) * 2021-01-08 2022-06-24 国联汽车动力电池研究院有限责任公司 一种提升软包锂离子电池循环性能的方法及装置
CN114814631A (zh) * 2022-04-25 2022-07-29 浙江大学 一种基于云计算与特征选择的锂电池在线寿命预测方法
CN114814631B (zh) * 2022-04-25 2023-07-18 浙江大学 一种基于云计算与特征选择的锂电池在线寿命预测方法
CN117129880A (zh) * 2023-10-26 2023-11-28 通号通信信息集团有限公司 一种铅酸蓄电池的可用容量估算及健康状态评估方法
CN117129880B (zh) * 2023-10-26 2024-02-09 通号通信信息集团有限公司 一种铅酸蓄电池的可用容量估算及健康状态评估方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3470098B2 (ja) 2003-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6586940B2 (en) Capacity estimation method, degradation estimation method and degradation estimation apparatus for lithium-ion cells, and lithium-ion batteries
AU2017263851B2 (en) Battery state detection system and method
US6504344B1 (en) Monitoring battery packs
KR100534818B1 (ko) 재충전가능한 전지의 내부상태의 검출방법 및 검출장치
Stan et al. A comparative study of lithium ion to lead acid batteries for use in UPS applications
JP7066390B2 (ja) 蓄電池の経済性推定装置および経済性推定方法
EP2894760B1 (en) Method for refresh charging of a lead battery, and corresponding charging device
US8742723B2 (en) Battery pack assembled with recycled batteries and method of assembly
US20080074082A1 (en) Battery management system and method
CN109073712B (zh) 电池状态检测系统和方法
JP3649652B2 (ja) リチウムイオン電池の容量推定方法および劣化判定装置ならびにリチウムイオン電池パック
JP3370047B2 (ja) リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびにリチウムイオン電池パック
US20100327809A1 (en) Charging apparatus and quality judging apparatus for packed battery
CN109075401A (zh) 电池组和对电池组充电的方法
JP3470098B2 (ja) リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびに劣化判定機能を具備したリチウムイオン電池パック
JP2003009406A (ja) 二次電池の状態演算装置
JP3547686B2 (ja) リチウムイオン電池の容量推定方法、劣化判定方法および劣化判定装置ならびにリチウムイオン電池パック
CN112014751B (zh) 一种基于推测锂离子电池的实际可放电容量的soc估算方法
JP3649643B2 (ja) リチウムイオン電池の容量推定方法
Kilic et al. Design of master and slave modules on battery management system for electric vehicles
JP2010008133A (ja) 携帯型充電器およびそれに用いる二次電池の劣化診断方法
EP4105669A1 (en) Method for calculating battery degradation degree and apparatus for calculating battery degradation degree
JP2002135989A (ja) 蓄電池の充放電制御方法
JP2013029445A (ja) バッテリ管理装置及び電力供給システム
CN114552039A (zh) 一种电池常带电自保养的控制方法及常带电自保养的电池

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees