JP2002162345A - 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置 - Google Patents

分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置

Info

Publication number
JP2002162345A
JP2002162345A JP2000355353A JP2000355353A JP2002162345A JP 2002162345 A JP2002162345 A JP 2002162345A JP 2000355353 A JP2000355353 A JP 2000355353A JP 2000355353 A JP2000355353 A JP 2000355353A JP 2002162345 A JP2002162345 A JP 2002162345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
spr phenomenon
light
core
phenomenon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000355353A
Other languages
English (en)
Inventor
Gen Iwasaki
弦 岩崎
Osamu Niwa
修 丹羽
Tsutomu Horiuchi
勉 堀内
Tatsuya Hida
達也 飛田
Hisao Tabei
久男 田部井
Saburo Imamura
三郎 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Advanced Technology Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Advanced Technology Corp, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical NTT Advanced Technology Corp
Priority to JP2000355353A priority Critical patent/JP2002162345A/ja
Publication of JP2002162345A publication Critical patent/JP2002162345A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな分光器を用いずに、適当な光源さえあれ
ばSPR現象の波長スペクトル測定が可能である小型な
SPR現象計測チップおよびSPR現象測定装置を提供
する。 【解決手段】光導波路と、光導波路のコアに少なくとも
一部が直接接触する金属薄膜16とを備えたSPR現象
計測部分と、前記SPR現象計測部分に入射する光ある
いは前記SPR現象計測チップより出射した光を分光す
る機能を有する分光機能部分19,20,21とを備
え、前記SPR現象計測チップあるいは分光機能部分よ
り出射した光を測定する光計測器22を備えた計測チッ
プおよびこれに光測定装置を設けたSPR現象測定装置
であることを特徴とする。 【効果】SPR現象計測チップに光導波路を適応し、光
導波路に分光機能を持たせることにより、特別な分光器
を必要としない小型なSPR現象計測チップおよびSP
R現象測定装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分光機能を持った光導波
路型SPR現象計測チップ及びSPR現象測定装置、さ
らに詳細には導波路作製技術を用いて光を計測表面に導
光できる光導波路型SPR現象計測チップ及び光学系を
用いて金属薄膜上の屈折率を測定することにより、特定
物質の定量・定性を行うことができる表面プラズモン共
鳴現象測定装置表に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来化学プロセス計測、環境計測や臨床
検査等で呈色反応や免疫反応を利用した測定が行われて
いる。しかしこの測定方法では被測定物をサンプル抽出
する必要があるほか、煩雑な操作や標識物質を必要とす
るなどの問題があり、標識物質を必要とすることなく、
高感度で被測定物中の化学物質の定性・定量測定の可能
なセンサとして光励起表面プラズモン共鳴現象を利用し
たセンサが提案・実用化されている。以下表面プラズモ
ン共鳴(Surface Plasmon Reson
ance)をSPRと略して用いる。
【0003】SPR現象測定装置は図12に示すよう
に、光源1から発した光をp偏光光のみを通す偏光板2
を通しレンズ3である入射角範囲を持たせて高屈折率プ
リズム4に入射させ、被測定物6に接したセンサ膜を有
した金属薄膜5を照射し、金属薄膜からの反射光の強度
変化を、プリズム4を通して光電子検出器7で検出する
システムが一般的である。
【0004】光源1から発した光は、プリズムと金属の
界面でエバネッセント波となり、その波数は次式により
求められる。
【0005】kev=kppsinθ ここで、kpは入射光の波数、npはプリズムの屈折
率、θは入射角である。
【0006】一方、金属薄膜表面では、表面プラズモン
波が生じ、その波数は次式により求められる。
【0007】 ksp=(C/ω)・√(εn2/(ε+n2)) ここで、Cは光速、ωは角振動数、εは金属薄膜の誘電
率、nは被測定物の屈折率である。このエバネッセント
波と表面プラズモン波の波数が一致する入射角θもしく
は入射光の波数の時、エバネッセント波は表面プラズモ
ンの励起に使われ、反射光として観測される光量が減少
する。
【0008】図12では、光源1から放射された光はレ
ンズ3を通して常にある入射角度範囲を持った光を入射
するようになっており、さらに広範囲の入射角の光を入
射できるように、光源1と光電子検出器7は一定の反射
角を保ちながら駆動できるタイプが多い。
【0009】もしくは、図13に示すように入射光の角
度は一定とし、入射光の波数が可変であるタイプ、ある
いは反射光を分光できるタイプもある。なお、図13に
おいて、符号は図12と同じものを示す。
【0010】SPR現象はプリズム・金属薄膜に接した
被測定物の屈折率に依存するために、例えば試料を水と
して、図12のような構成のSPR測定装置で測定した
場合、図14に示すようにある一定の角度で極小を持つ
曲線として検出することができ、被測定物の濃度変化に
よる屈折率変化等を測定するばかりか、金属薄膜上に抗
体などを固定化することにより、抗原と結合した抗体の
屈折率変化を測定することにより、特定物質の定量を行
うことができる。
【0011】近年、SPR現象測定装置は小型化への要
求が高まってきている。しかし、図12のような機器構
成では装置が大きくなってしまい、また、計測部分おも
に金属薄膜の交換がとても不便であるという欠点があっ
た。
【0012】そこで、ビアコア(Biacore)社か
らファイバ型のSPR現象測定装置(製品名Biaco
re Probe)、テキサスインスツルメント(Te
xas Instrument)社からエポキシ樹脂中
に光源、光電子検出器、偏光板、金属薄膜を配した小型
のSPR現象測定装置(製品名Spreeta)が販売
されている。また、その他様々な小型SPR現象測定装
置が提案されている。
【0013】しかし、ファイバ型のものはその端面に計
測のための金属薄膜を形成しているものが多く、加工が
困難で、ファイバ1本に付き一つの計測表面しか持つこ
とができない。また、光ファイバからの反射光を取り出
すためのスプリッターやカプラなどの光部品、反射光を
計測するための分光器などが必要となり小型化に限度が
ある。エポキシ樹脂などにすべての光学系を配したタイ
プのものは、すべての光学部品を精度よく配置しなけれ
ばならず、しかも、金属薄膜の交換の利便性を失ってい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状を鑑みてなされたものであり、その目的は、汎用性・
生産性の高い光導波路作製技術を用いて、小型で交換の
容易なSPR現象計測チップ及び前記SPR現象計測チ
ップを使用したSPR現象測定装置を提供することであ
り、詳しくは、大きな分光器を用いずに、適当な光源さ
えあればSPR現象の波長スペクトル測定が可能である
小型なSPR現象計測チップ及びSPR現象測定装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による分光機能を持った光導波路型SPR現
象計測チップは、コアと前記コアの周囲に設けられたク
ラッドとを備え、前記コアは前記クラッドより高い屈折
率を有し、前記コアに入射した光を閉じ込めて伝播する
光導波路と、前記コアに少なくとも一部が直接接触し、
かつ表面プラズモン共鳴現象を起こす金属薄膜であっ
て、前記コアを伝播する光を計測することによって表面
プラズモン共鳴現象を測定される試料が接触するように
設けられる前記金属薄膜とを備えたSPR現象計測部分
と、前記SPR現象計測部分に入射する光あるいは前記
SPR現象計測部分より出射した光が通過することによ
って分光する機能を有する分光機能部分とを備えたこと
を特徴とする。
【0016】また本発明によるSPR現象測定装置は、
コアと前記コアの周囲に設けられたクラッドとを備え、
前記コアは前記クラッドより高い屈折率を有し、前記コ
アに入射した光を閉じ込めて伝播する光導波路と、前記
コアに少なくとも一部が直接接触し、かつ表面プラズモ
ン共鳴現象を起こす金属薄膜であって、前記コアを伝播
する光を計測することによって表面プラズモン共鳴現象
を測定される試料が接触するように設けられる前記金属
薄膜とを備えたSPR現象計測部分と、前記SPR現象
計測部分に入射する光あるいは前記SPR現象計測部分
より出射した光が通過することによって分光する機能を
有する分光機能部分とを有する導波路型SPR現象計測
チップと、前記金属薄膜上の屈折率の影響を受けた表面
プラズモン共鳴現象の波長スペクトルを測定するため、
前記SPR現象計測チップより出射した光を測定する光
計測器とを備えたことを特徴とする。
【0017】本発明の特徴は、SPR現象計測チップに
光導波路を適応した点にあり、さらに、光導波路に分光
機能を持たせることにより、特別な分光器を必要としな
い点にある。また、本発明によるSPR現象測定装置
は、上述の分光機能を持つSPR現象計測チップを使用
することにより、小型で安価なSPR現象測定装置を提
供できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明によるSPR現象測定の原
理は図13の形式の応用であり、プリズムの代わりに光
導波路を使用し、スペクトルを計測するものである。
【0019】光導波路を用いた光導波路型SPR現象計
測部分の概略図を図1に示す。光導波路は直線の導波路
のコア9と、前記コア9の周りに、前記コア9よりも屈
折率の低いクラッド8及びオーバークラッド10を設け
た構造になっている。
【0020】コア9の一部には金属薄膜5が直接に接す
る形で形成されており、この部分が計測表面となる。入
射光11はコア9に入射され、計測表面上の試料6とS
PR現象が生じ、出射光12として出射される。出射さ
れた光の光量変化や、スペクトル変化を計測することに
より、SPR現象を観察することができる。
【0021】図1のようなSPR現象計測部分を作製す
る場合、図2(a)のようにクラッド8にダイシングソ
ー等の切削手段、マスクを通したエッチング等の手段、
サンドブラスター等の手段によってコアを形成するため
の溝13を作製し、その溝にコア9を形成し(図2
(b))、その上に金属薄膜5を形成する(図3
(c))。金属薄膜5はコア9の少なくとも一部に形成
していればよく、クラッド8全体に形成してもよい。
【0022】この段階でもSPR現象の計測は行える
が、試料を乗せるための窪みをオーバークラッド10で
作製してもよい(図2(d))。図2(d)におけるオ
ーバークラッド10は光感応性高分子を用い、マスクを
通して必要部分に紫外線を照射し硬化させることによっ
て作製可能である。
【0023】また、図3に示すように、クラッド8の上
に、コア9を形成する(図3(a))。コア9の形成す
る方法は、前述の光感応性樹脂とマスクを使用する方法
やマスクを通したエッチングの方法など考えられる。そ
の後、コア9と同じ高さまでクラッド8を形成する(図
3(b))。その後、金属薄膜5を形成し(図3
(c))、試料を乗せるための窪みを作製する。
【0024】さらに、図4のように、平滑な基板14の
上に1μm程度のクロム(犠牲層)15を形成し(図4
(a))、その上にコア9を形成する(図4(b))。
その上に、クラッド8を形成し(図4(c))、クロム
15を溶かして基板14を剥離する(図4(d))。そ
の上にオーバークラッド10を計測領域を除いて形成
し、金属薄膜5を形成することによっても作製できる。
【0025】作製の方法はこれ以外にもあるが、一部作
製法のみここに記述した。光導波路のコアの形状は、マ
スクのパターンを変えることによって様々に変えること
が可能である。
【0026】図5に、分光機能部分が光カプラ17であ
る分光機能を持った光導波路型SPR現象計測チップを
示す。前記カプラ17は、光を単に分けるだけでなく、
設計次第では波長(波数)に依存して分岐させることが
できる。波数D、Eの光を11dに入射し、波数Dの光
は12dへ、波数Eの光は12eに出射されるように設
計することが可能である。その機能を利用し、光カプラ
を複数用いれば、分光機能部分として用いることが可能
である。16は金属薄膜(透明に記載してある)であ
り、分岐した光導波路とともにSPR計測部分を構成す
る。このようなSPR現象計測チップよりの出射光12
d、12eを光計測器で測定する。
【0027】さらに、分光する機能を持つ分光機能部分
として、図6に示すようなアレイ導波路回折格子、図7
に示すようなプリズム、図8に示すような回折格子など
が考えられる。
【0028】図6の分光機能部分であるアレイ導波路格
子は、入力用導波路コア18、入力側スラブ導波路1
9、アレイ導波路20、出力側スラブ導波路21からな
り、入射光11に適当な広波長光源を用いた時、出力側
スラブ導波路21から出射される光は波長により検出さ
れる位置が異なる。よって、金属薄膜16でSPR現象
を起こした光は、アレイ導波路格子(入力側スラブ導波
路19、アレイ導波路20、出力側スラブ導波路21)
で分光され、前記SPR現象計測チップと一体的に形成
されたPSD(Position Sensitive
Detector:半導体光位置検出器)、光検出ラ
インセンサ等の光検出器22上にスペクトル強度として
検出される。
【0029】図7では、分光する手段としてプリズム2
3を用いている。プリズム23は光導波路のクラッド8
やコア9よりも屈折率の高い材質からなっており、光源
として適当な波長域を持つ光源を用いた時、金属薄膜1
6でSPR現象を起こした光は、波長による屈折率の違
いによりプリズム23によって分光され、前記分光され
た出射光12はPSD、光検出ラインセンサ(光計測
器)22上にスペクトル強度として検出される。
【0030】図8に示す回折格子24は分光機能有する
ものとして広く用いられている。その回折格子24を光
導波路中に配し、金属薄膜16でSPR現象を起こした
光が入射されると分光され、PSDあるいは光検出ライ
ンセンサ(光計測器)22でスペクトル強度として検出
することができる。
【0031】同じ、回折格子を使用する方法でも、光導
波路のコアに直接、グレーティングを形成する方法が開
発され、その技術を応用すると、図9に示すような、S
PR現象計測チップを作製することができる。光導波路
のコア9にそれぞれ異なる波長の光を散乱させるグレー
ティング25a、25b、25c・・・25zを形成
し、その近傍に、金属薄膜16でSPR現象を起こし、
かつそれぞれのグレーティングで散乱した光を捉えるよ
うに、光ファイバ26a、26b、26c・・・26z
が固定されている。
【0032】光ファイバの先に光検出器を接続すること
により、グレーティングで設定した波長毎のスペクトル
として計測することが可能である。グレーティングの数
を増やし、その近傍に光検出ラインセンサ(光検出器)
を設置することによって、より細かいスペクトル測定が
可能となる。グレーティングは、光導波路のコアに強い
紫外線をあるパターンを持ったマスクを通して照射する
ことによって、コアに周期的に屈折率変化を起こし形成
する方法や、周期的なパターンを持ったコアを直接形成
する方法などがある。
【0033】図10は、ある波長を堺にして、光を反射
光と透過光に分けるフィルタ27を光導波路の途中に
(コア9の途中に)設けたもので、前記フィルタ27に
光を入射するコア9a,前記フィルタ27からの反射光
を伝搬するコア9b,前記フィルタを透過する透過光を
伝搬するコア9cを有しており、この図10においては
前記光を入射するコア9aに直接接するように表面プラ
ズモン共鳴現象を誘発する金属薄膜16が設けられてい
る。もちろんこの金属薄膜16は、前記フィルタ27か
らの反射光を伝搬するコア9b,前記フィルタを透過す
る透過光を伝搬するコア9cに直接接するように設けら
れていてもよい。このようにして、反射光、透過光の光
量を光計測器22によって測定、比較することによっ
て、表面プラズモン共鳴現象を測定できる。
【0034】以上の分光機能部分はSPR現象計測チッ
プ部分と同一基板上に形成してもよいし、別のチップ
(別体)として作製して、SPR現象計測チップ部分と
分光機能部分を光ファイバなどで光接続し、相互に光を
伝送できるようにしてもよい。また光計測器22も別に
形成することが可能で、前述のようにSPR現象計測チ
ップ部分あるいは分光機能部分と光ファイバなどで接続
してもよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0036】
【実施例1】マスクを用いたフォトリソグラフィー技術
を用いれば様々な形状のコアを作製することができ、光
を分岐させる構造を形成することができる。
【0037】エポキシの基板上に、高分子クラッド材を
スピンコート法で塗布し、加熱・硬化させる。その後、
UV硬化型高分子コア材をスピンコート法で塗布し、所
望の形状のコアを作製するためのパターンのあるマスク
を通してUV光を照射する。未硬化部分を溶剤で除去
し、コアと同じ高さまで高分子クラッド材を作製し、表
面を平滑になるように研磨する。分岐した後のコアには
それぞれ金属薄膜をスパッタ法で形成し、それぞれの金
属薄膜上を除いて、さらにオーバークラッド層を形成す
る。
【0038】以上の方法により、光導波路のうち分光機
能部分が光カプラ(図5)であるSPR現象計測チップ
を作製することができる。
【0039】また、設計次第では光カプラには波長に依
存して光を分ける機能を持たせることができる。入射光
11に600nm付近にピークを持つブロードなバンド
を持つ光を入射し、光カプラ17の機能として500n
mと700nmを中心として分岐する光カプラを設計し
た場合、500nmを中心とする波長の光は12dから
出射され、700nmを中心とする波長の光は12eか
ら出射される。SPR現象による吸収のピークが500
nmよりにあるのか、700nmよりにあるのかによっ
て、12d、12eの光量が変化するので、試料の屈折
率の変化を計測することが可能である。
【0040】上記の作製方法では、分光機能部分(光カ
プラ部分)とSPR現象計測チップ部分を同じチップ上
に作製しているが、分岐部分と計測部分を別々に作製し
て、間を光ファイバで接続してもよい。
【0041】
【実施例2】エポキシの基板上に、高分子クラッド材を
スピンコート法で塗布し、加熱・硬化して、クラッド層
を50μm形成する。その後、高分子コア材を同様にス
ピンコート法で塗布し、加熱・硬化し、コア層を5μm
作製する。その上にフォトレジストを塗布し、アレイ導
波路が作製できるようなパターンのマスクを用いてUV
光を照射する。未硬化部分を溶剤で除去した後、反応性
イオンエッチング装置でドライエッチングし、コアの導
波路を作製し、不用となったレジストを除去する。
【0042】その上にさらに高分子クラッド材をスピン
コー卜法で塗布し、加熱・硬化し、コアと同じ高さまで
クラッド層を作製し、表面を研磨した後、アレイ導波路
入力用コアの上に金属薄膜を作製する。その後、さらに
UV硬化性高分子クラッドを塗布し、金属薄膜部分を除
いて硬化させる。そして、出力側スラブ導波路の出射端
にPSDもしくは光検出ラインセンサを取り付ける。
【0043】以上の方法により、図6のようなSPR現
象計測部分とアレイ導波路回折格子による分光部分の両
方を備えた光導波路型SPR現象計測チップを作製する
ことが可能である。
【0044】この光導波路型SPR現象計測チップを使
用すれば、SPR現象により金属薄膜を反射した光のう
ち、特定の波長の光が減少し、その連続スペクトルを光
検出ラインセンサ(光測定器)により測定することが可
能である。
【0045】
【実施例3】エポキシ基板上に、クロムを1μm程度形
成し、UV硬化性高分子コア材を塗布し、周期的なパタ
ーンを持ったマスクを通して紫外線を照射しコアのグレ
ーティング部分を形成する。未硬化部分を溶剤で除去す
る。その上に、高分子クラッド材を塗布し、過熱・硬化
させる。
【0046】その上にさらにエポキシ基板を接着し、ク
ロムを溶剤で溶かして、クロムを形成したエポキシ基板
を剥離する。その後、基板を反転し、コアの一部を除い
てクラッドを20μm形成する。その上にチタンを50
Å、金を450Å形成する。グレーティング部分の近傍
には光検出ラインセンサを固定し、グレーティングから
の散乱光を受光できるようにする。
【0047】以上の方法により、光導波路コアに直接形
成したグレーティングにより分光可能なSPR現象計測
チップを作製することが可能である。
【0048】以上の計測チップを使用すれば、SPR現
象のスペクトル変化を、グレーティングにより分光され
た光と透過光の光量比という形で検出することができ
る。
【0049】
【実施例4】実施例1と同じ方法で金属薄膜まで形成し
た後、UV硬化性高分子クラッドをスピンコート法で塗
布し、流路28を作製できるようなパターンのマスクを
用いて、UVを照射する(図11参照)。もちろん流路
28部分はSPR現象計測の計測表面に重なっている。
未硬化部分を溶剤で除去した後に、流路28の入口、出
口にキャピラリー29を取り付け、UV接着剤で固定す
る。その後、チップ全体を天板30で蓋をする。
【0050】以上の方法により、フローセルが一体化さ
れたSPR現象計測チップを作製することが可能であ
る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光導
波路型SPR現象計測チップによれば、生産性の高い光
導波路作製技術を用いて、小型で交換の容易なSPR現
象計測チップを提供できるとともに、大きな分光器を用
いずに、適当な光源さえあればSPR現象の波長スペク
トル測定が可能である小型なSPR現象計測チップを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で提案する光導波路型SPR現象計測部
分の斜視図。
【図2】光導波路型SPR現象計測チップの製造方法の
説明図。
【図3】光導波路型SPR現象計測チップの製造方法の
説明図。
【図4】光導波路型SPR現象計測チップの製造方法の
説明図。
【図5】カプラ型光導波路型SPR現象計測チップの概
略図。
【図6】AWGにより分光できる光導波路型SPR現象
計測チップの概略図。
【図7】プリズムにより分光できる光導波路型SPR現
象測定装置の概略図。
【図8】回折格子により分光できる光導波路型SPR現
象測定装置の概略図。
【図9】光導波路コアグレーティングにより分光できる
光導波路型SPR現象計測チップの概略図。
【図10】フィルタにより分光できる光導波路型SPR
現象測定装置の概略図。
【図11】金属薄膜上に流路を形成した光導波路型SP
R現象計測チップの斜視図。
【図12】従来の入射角計測タイプにおけるSPR現象
測定装置の概略図。
【図13】従来のスペクトル計測タイプにおけるSPR
現象測定装置の概略図。
【図14】図12の構成のSPR現象測定装置で計測し
た結果を示す図。
【符号の説明】
1 光源 2 偏光板・偏光子 3 レンズ 4 高屈折率プリズム 5 金属薄膜 6 試料(被測定物) 7 光電子検出器 8 クラッド 9 コア 10 オーバークラッド 11 入射光 12 出射光 13 溝 14 基板 15 犠牲層 16 金属薄膜(透明に表記) 17 カプラ部分 18 入力用導波路コア 19 入力側スラブ導波路 20 アレイ導波路 21 出力側スラブ導波路 22 光計測器 23 プリズム 24 回折格子 25 グレーティング 26 光フアイバ 27 フィルタ 28 流路 29 キャピラリー 30 天板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 修 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 堀内 勉 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 飛田 達也 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 田部井 久男 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 今村 三郎 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 2G020 AA04 CA15 CB03 CB43 CC02 CC04 CC13 CC26 CC32 CC63 CD03 CD06 CD15 CD24 2G059 AA05 BB12 CC16 EE01 EE02 EE05 EE12 GG04 HH02 HH06 JJ02 JJ05 JJ06 JJ17 JJ19 JJ22 KK01 KK04 2H047 KA04 KB04 LA01 LA09 LA18 LA19 MA07 RA02 TA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと前記コアの周囲に設けられたクラ
    ッドとを備え、前記コアは前記クラッドより高い屈折率
    を有し、前記コアに入射した光を閉じ込めて伝播する光
    導波路と、前記コアに少なくとも一部が直接接触し、か
    つ表面プラズモン共鳴現象を起こす金属薄膜であって、
    前記コアを伝播する光を計測することによって表面プラ
    ズモン共鳴現象を測定される試料が接触するように設け
    られる前記金属薄膜とを備えたSPR現象計測部分と、
    前記SPR現象計測部分に入射する光あるいは前記SP
    R現象計測部分より出射した光が通過することによって
    分光する機能を有する分光機能部分とを備えたことを特
    徴とする分光機能を持った光導波路型SPR現象計測チ
    ップ。
  2. 【請求項2】 分光機能部分は、前記光導波路内に形成
    された、ある波長を境に光を反射光と透過光に分ける機
    能を持つフィルターであることを特徴とする請求項1記
    載の分光機能を持った光導波路型SPR現象計測チッ
    プ。
  3. 【請求項3】 分光機能部分は、前記光導波路内に形成
    された、光の波長に依存して分岐させる光カプラである
    ことを特徴とする請求項1に記載の分光機能を持った光
    導波路型SPR現象計測チップ。
  4. 【請求項4】 分光機能部分は、前記光導波路内に形成
    された、入力用光導波路と入力側スラブ導波路とアレイ
    導波路と出力側スラブ導波路からなるアレイ導波路回折
    格子であることを特徴とする請求項1に記載の分光機能
    を持った光導波路型SPR現象計測チップ。
  5. 【請求項5】 分光機能部分は、前記光導波路内に形成
    された、入力用光導波路のコアとクラッド部分よりも屈
    折率の高い透明体からなるプリズムであることを特徴と
    する請求項1に記載の分光機能を持った光導波路型SP
    R現象計測チップ。
  6. 【請求項6】 分光機能部分は、前記光導波路内に形成
    された回折格子であることを特徴とする請求項1に記載
    の分光機能を持った光導波路型SPR現象計測チップ。
  7. 【請求項7】 分光機能部分は、前記光導波路のコアに
    形成された、異なる波長の光を散乱させる複数のグレー
    ティングであることを特徴とする請求項1に記載の分光
    機能を持った光導波路型SPR現象計測チップ。
  8. 【請求項8】 金属薄膜に入射した光のうち、p偏光光
    のみの波長スペクトルを計測可能であることを特徴とす
    る請求項1から7に記載のいずれかの分光機能を持った
    光導波路型SPR現象計測チップ。
  9. 【請求項9】 SPR現象計測部分と、分光する機能を
    有した分光機能部分は別体で形成されており、前記SP
    R現象計測部分の光導波路と、分光機能部分の光導波路
    は、光接続されていることを特徴とする請求項1から8
    記載のいずれかの分光機能を持った光導波路型SPR現
    象計測チップ。
  10. 【請求項10】 コアと前記コアの周囲に設けられたク
    ラッドとを備え、前記コアは前記クラッドより高い屈折
    率を有し、前記コアに入射した光を閉じ込めて伝播する
    光導波路と、前記コアに少なくとも一部が直接接触し、
    かつ表面プラズモン共鳴現象を起こす金属薄膜であっ
    て、前記コアを伝播する光を計測することによって表面
    プラズモン共鳴現象を測定される試料が接触するように
    設けられる前記金属薄膜とを備えたSPR現象計測部分
    と、前記SPR現象計測部分に入射する光あるいは前記
    SPR現象計測部分より出射した光が通過することによ
    って分光する機能を有する分光機能部分とを有する導波
    路型SPR現象計測チップと、前記金属薄膜上の屈折率
    の影響を受けた表面プラズモン共鳴現象の波長スペクト
    ルを測定するため、前記SPR現象計測チップより出射
    した光を測定する光計測器とを備えたことを特徴とする
    SPR現象測定装置。
  11. 【請求項11】 前記光測定器は前記SPR現象計測チ
    ップに一体的に設けられていることを特徴とする請求項
    10記載のSPR現象測定装置。
JP2000355353A 2000-11-22 2000-11-22 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置 Pending JP2002162345A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000355353A JP2002162345A (ja) 2000-11-22 2000-11-22 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000355353A JP2002162345A (ja) 2000-11-22 2000-11-22 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002162345A true JP2002162345A (ja) 2002-06-07

Family

ID=18827777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000355353A Pending JP2002162345A (ja) 2000-11-22 2000-11-22 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002162345A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501121A (ja) * 2007-10-12 2011-01-06 エスペ3アッシュ 流体分析用の分光測定デバイス
JP2011521278A (ja) * 2008-04-18 2011-07-21 ソニー デーアーデーツェー オーストリア アクチェンゲゼルシャフト 光導波路の製造方法、光導波路及びセンサアレンジメント
JP2011242376A (ja) * 2010-05-21 2011-12-01 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd 分光分析装置
CN102495040A (zh) * 2011-11-11 2012-06-13 厦门大学 一种采用阵列波导光栅的拉曼光谱仪芯片
JP2020159973A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 ウシオ電機株式会社 光測定用光源装置、分光測定装置及び分光測定方法
CN115015182A (zh) * 2022-07-07 2022-09-06 合肥工业大学 一种基于平面光波导的集成型spr传感器

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011501121A (ja) * 2007-10-12 2011-01-06 エスペ3アッシュ 流体分析用の分光測定デバイス
JP2011521278A (ja) * 2008-04-18 2011-07-21 ソニー デーアーデーツェー オーストリア アクチェンゲゼルシャフト 光導波路の製造方法、光導波路及びセンサアレンジメント
US8811790B2 (en) 2008-04-18 2014-08-19 Sony Dadc Austria Ag Method for manufacturing an optical waveguide, optical waveguide, and sensor arrangement
JP2011242376A (ja) * 2010-05-21 2011-12-01 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd 分光分析装置
CN102495040A (zh) * 2011-11-11 2012-06-13 厦门大学 一种采用阵列波导光栅的拉曼光谱仪芯片
CN102495040B (zh) * 2011-11-11 2014-05-07 厦门大学 一种采用阵列波导光栅的拉曼光谱仪芯片
JP2020159973A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 ウシオ電機株式会社 光測定用光源装置、分光測定装置及び分光測定方法
JP2022089199A (ja) * 2019-03-27 2022-06-15 ウシオ電機株式会社 光測定用光源装置、分光測定装置及び分光測定方法
JP7115387B2 (ja) 2019-03-27 2022-08-09 ウシオ電機株式会社 光測定用光源装置、分光測定装置及び分光測定方法
CN115015182A (zh) * 2022-07-07 2022-09-06 合肥工业大学 一种基于平面光波导的集成型spr传感器
CN115015182B (zh) * 2022-07-07 2024-05-14 合肥工业大学 一种基于平面光波导的集成型spr传感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3576093B2 (ja) 光導波路型spr現象測定装置
Samusenko et al. A SiON microring resonator-based platform for biosensing at 850 nm
JP7212901B2 (ja) 集積化プラズモフォトニックバイオセンサおよび使用方法
JP5146311B2 (ja) 表面プラズモン共鳴センサ用チップおよび表面プラズモン共鳴センサ
US6373577B1 (en) Surface plasmon resonance sensor for the simultaneous measurement of a plurality of samples in fluid form
US7095010B2 (en) Silicon on insulator resonator sensors and modulators and method of operating the same
Muellner et al. CMOS-compatible Si3N4 waveguides for optical biosensing
US20050018949A1 (en) Multiple array surface plasmon resonance biosensor
JP2002148187A (ja) 光導波路型spr現象計測チップ、その製造方法およびspr現象計測方法
Wei et al. Direct laser writing polymer micro-resonators for refractive index sensors
WO2019019241A1 (zh) 一种基于脊形光波导的集成生化传感器
US5644125A (en) Spectrometer employing a Mach Zehnder interferometer created by etching a waveguide on a substrate
WO2013129378A1 (ja) Sprセンサセルおよびsprセンサ
JP5946330B2 (ja) Sprセンサセルおよびsprセンサ
JP2002162345A (ja) 分光機能を持った光導波路型spr現象計測チップ及びspr現象測定装置
WO2018188137A1 (zh) 一种基于脊形光波导的spr生化传感器
JP6076786B2 (ja) Sprセンサセルおよびsprセンサ
CN110780382B (zh) 光学结构及其制作方法、光源系统、以及检测装置
Densmore et al. Integration of vertical grating couplers and microfluidic channels with silicon photonic wire biosensor arrays
Letko et al. Theoretical Development of Polymer-Based Integrated Lossy-Mode Resonance Sensor for Photonic Integrated Circuits. Photonics 2022, 9, 764
Taha Design and Demonstration of Integrated Silicon Devices for Optical Sensing and Optical Communications
Racz Biochemical sensing using Siloxane polymer waveguides
JP2014185894A (ja) Sprセンサセルおよびsprセンサ
El Shamy et al. Study of Silicon Nitride Waveguide Platform for On-Chip Virus Detection: Prospects for COVID-19
Yoo Near-and mid-infrared integrated photonic bio-chemical sensing devices with on-chip spectrometers

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040309