JP6076786B2 - Sprセンサセルおよびsprセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、SPRセンサセルおよびSPRセンサに関する。より詳細には、本発明は、光導波路を備えるSPRセンサセルおよびSPRセンサに関する。
従来、化学分析および生物化学分析などの分野において、光ファイバを備えるSPR(表面プラズモン共鳴:Surface Plasmon Resonance)センサが用いられている。光ファイバを備えるSPRセンサでは、光ファイバの先端部の外周面に金属薄膜が形成されるとともに、分析サンプルが固定され、その光ファイバ内に光が導入される。導入される光のうち特定の波長の光が、金属薄膜において表面プラズモン共鳴を発生させ、その光強度が減衰する。このようなSPRセンサにおいて、表面プラズモン共鳴を発生させる波長は、通常、光ファイバに固定される分析サンプルの屈折率などによって異なる。したがって、表面プラズモン共鳴の発生後に光強度が減衰する波長を計測すれば、表面プラズモン共鳴を発生させた波長を特定でき、さらに、その減衰する波長が変化したことを検出すれば、表面プラズモン共鳴を発生させる波長が変化したことを確認できるので、分析サンプルの屈折率の変化を確認できる。その結果、このようなSPRセンサは、例えば、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出など、種々の化学分析および生物化学分析に用いることができる。
このような光ファイバを備えるSPRセンサにおいては、光ファイバの先端部が微細な円筒形状であるので、金属薄膜の形成および分析サンプルの固定が困難であるという問題がある。このような問題を解決するために、例えば、光が透過するコアと、このコアを覆うクラッドとを備え、このクラッドの所定位置にコアの表面に至る貫通口を形成し、この貫通口に対応した位置におけるコアの表面に金属薄膜を形成したSPRセンサセルが提案されている(例えば、特許文献1)。このようなSPRセンサセルによれば、コア表面に表面プラズモン共鳴を発生させるための金属薄膜の形成、および、その表面への分析サンプルの固定が容易である。また、このようなSPRセンサセルにおいて、コア層内のアンダークラッド層側の領域の屈折率を連続的に変化させることによってSPRセンサセルの検出精度を向上させることが提案されている(特許文献2)。
しかし、近年、化学分析および生物化学分析においては、微細な変化および/または微量成分の検出に対する要求が高まっており、SPRセンサセルのさらなる検出感度の向上が求められている。
特開2000−19100号公報 特開2012−107902号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、非常に優れた検出感度を有するSPRセンサセルおよびSPRセンサを提供することにある。
本発明によればSPRセンサセルが提供される。本発明のSPRセンサセルは、アンダークラッド層と、少なくとも一部が該アンダークラッド層に隣接するように設けられたコア層と、該コア層を被覆する金属層とを有し、該コア層が、屈折率均一層と屈折率勾配層とを含み、該屈折率勾配層が、該屈折率均一層と該金属層との間に配置されており、該屈折率勾配層の屈折率が、該屈折率均一層の屈折率以上であり、その厚み方向において、該屈折率均一層側表面から該金属層側に向かって連続的に増大している。
好ましい実施形態において、上記屈折率勾配層の厚みが、1μm〜30μmである。
好ましい実施形態において、上記屈折率勾配層における屈折率変化(ΔN=Nmax−Nmin:ただし、Nmaxは屈折率勾配層における最大屈折率を表し、Nminは屈折率勾配層における最小屈折率を表す)が、0.001〜0.035である。
好ましい実施形態において、上記屈折率勾配層の厚み(Tb(μm))と屈折率変化(ΔN=Nmax−Nmin:ただし、Nmaxは屈折率勾配層における最大屈折率を表し、Nminは屈折率勾配層における最小屈折率を表す)とが、0.5×10−3≦ΔN/Tb≦20.0×10−3の関係を満たす。
好ましい実施形態において、上記屈折率均一層の屈折率(NCO)が、1.34≦NCO≦1.43の関係を満たす。
本発明の別の局面によれば、SPRセンサが提供される。このSPRセンサは、上記のSPRセンサセルを備える。
本発明によれば、金属層との界面付近でコア層の屈折率を金属層側に向かって連続的に増大させることにより、シグナル強度に優れたSPRセンサセルおよびSPRセンサを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明する概略斜視図である。 図1に示すSPRセンサセルの概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態によるSPRセンサセルの概略断面図である。 本発明のSPRセンサセルの製造方法の一例を説明する概略断面図である。 本発明のSPRセンサセルに用いられ得る光導波路フィルムの製造方法の一例を説明する概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサを説明する概略断面図である。
A.SPRセンサセル
図1は、本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明する概略斜視図である。図2は、図1に示すSPRセンサセルの概略断面図である。なお、以下のSPRセンサセルの説明において方向に言及するときは、図面の紙面上側を上側とし、図面の紙面下側を下側とする。
SPRセンサセル100は、図1および図2に示すように、平面視略矩形の有底枠形状に形成されており、アンダークラッド層11と、屈折率均一層12aと屈折率勾配層12bとから構成されるコア層12と、アンダークラッド層11およびコア層12の上面を被覆する保護層13と、保護層13の上に設けられ、コア層12を被覆する金属層14とを有する。アンダークラッド層11、コア層12、保護層13および金属層14は光導波路を構成し、サンプルの状態および/またはその変化を検知する検知部10として機能する。図示した形態においては、SPRセンサセル100は、検知部10に隣接するように設けられたサンプル配置部20を備える。サンプル配置部20は、オーバークラッド層15により規定されている。保護層13は、目的に応じて省略されてもよい。オーバークラッド層15も、サンプル配置部20を適切に設けることができる限りにおいて省略されてもよい。サンプル配置部20には、分析されるサンプル(例えば、溶液、粉末)が検知部(実質的には金属層)に接触して配置される。
アンダークラッド層11は、所定の厚みを有する平面視略矩形平板状に形成されている。アンダークラッド層の厚み(コア層上面からの厚み)は、例えば5μm〜400μmである。
コア層12は、アンダークラッド層11の幅方向(図2の紙面の左右方向)および厚み方向の両方と直交する方向に延びる略角柱形状に形成され、アンダークラッド層11の幅方向略中央部の上端部に埋設されている。コア層12の延びる方向が、光導波路内を光が伝播する方向となる。
コア層12は、その上面がアンダークラッド層11の上面と面一となるように配置されている。コア層の上面がアンダークラッド層の上面と面一となるように配置することにより、金属層をコア層の上側のみに効率よく配置することができる。さらに、コア層は、その延びる方向の両端面がアンダークラッド層の当該方向の両端面と面一となるように配置されている。
本発明において、コア層12は屈折率均一層12aと屈折率勾配層12bとを含む。屈折率勾配層12bは、屈折率均一層12aの上(換言すると、屈折率均一層12aと金属層14との間)に配置されている。
屈折率均一層12aは、均一な屈折率を有する。屈折率均一層の屈折率(NCO)は、好ましくは1.43以下であり、より好ましくは1.40未満であり、さらに好ましくは1.38以下である。屈折率均一層の屈折率を1.43以下とすることにより、検出感度を格段に向上させることができる。屈折率均一層の屈折率の下限は、好ましくは1.34である。屈折率均一層の屈折率が1.34以上であれば、水溶液系のサンプル(水の屈折率:1.33)であってもSPRを励起することができ、かつ、汎用の材料を使用することができる。なお、本明細書において、屈折率は、波長830nmにおける屈折率を意味する。また、本明細書において、「屈折率が均一」とは、任意の面内における屈折率のバラツキが0.001未満である場合を包含する。
屈折率均一層12aの屈折率(NCO)は、アンダークラッド層11の屈折率(NCL)より高い。屈折率均一層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差(NCO−NCL)は、好ましくは0.010以上であり、より好ましくは0.020以上、さらに好ましくは0.025以上である。屈折率均一層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差がこのような範囲であれば、検出部の光導波路をいわゆるマルチモードとすることができる。したがって、光導波路を透過する光の量を多くすることができ、結果として、S/N比を向上させることができる。また、屈折率均一層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差は、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.050以下である。屈折率均一層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差がこのような範囲であれば、SPR励起が生じる反射角の光がコア層内に存在することができる。
屈折率勾配層12bは、屈折率均一層12aの屈折率以上であり、その厚み方向において、屈折率均一層12a側表面から金属層14側に向かって連続的に増大する屈折率を有する。このような屈折率変化を有する屈折率勾配層をコア層内の金属層側に設けることにより、シグナル強度が増大されたSPRセンサセルを得ることができる。当該効果が奏されるメカニズムは定かではなく、本発明を拘束するものではないが、以下のように推測される。すなわち、屈折率勾配層の存在により、光導波路(コア層)内を伝播する光の反射角度がSPR励起に有利な角度に変化し、その結果、SPRシグナルを大きく生じさせる角度で反射する光の量が増加するので、SPRが強く励起されて、大きなSPRシグナルが得られると推測される。これに対し、特許文献2に記載の従来のSPRセンサセルにおいては、屈折率勾配層はアンダークラッド層側に向かって連続的に減少する屈折率を有し、コア層内のアンダークラッド側に配置されている。このような屈折率勾配層は、屈折率均一層内の光量が増加するように屈折率均一層に光を導入する作用を有すると考えられ、本発明における屈折率勾配層とはその作用効果を異にするものである。なお、屈折率勾配層12bは、その厚み方向において、屈折率均一層12a側表面から金属層14側表面まで連続的に増大する屈折率を有することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、金属層側の表層部分の屈折率が実質的に均一となっていてもよい。このような屈折率が実質的に均一な表層部分の厚みは、通常、屈折率勾配層の厚みの20%以下であり、例えば3μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下であり得る。
屈折率勾配層12bの最小屈折率(Nmin)は、通常、屈折率均一層12a側表面における屈折率であり、屈折率均一層の屈折率に等しい。屈折率勾配層の最大屈折率(Nmax)は、後述の屈折率変化を満たす値であることが好ましく、例えば1.341以上1.465以下であり得る。
屈折率勾配層12bにおける屈折率変化(ΔN=Nmax−Nmin)は、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上、さらに好ましくは0.010以上である。屈折率変化が0.001以上であれば、光導波路内を伝播する光の反射角度をSPR励起に有利な角度に変化させることができる。屈折率変化の上限値は特に限定されないが、作製の容易性の観点から、0.035とすることができる。
屈折率勾配層12bの厚みをTb(μm)としたときの厚み方向における屈折率の変化率(屈折率変化(ΔN)/厚み(Tb))は、好ましくは0.5×10−3〜20.0×10−3、より好ましくは0.8×10−3〜16.0×10−3、さらに好ましくは1.0×10−3〜15.0×10−3である。厚み方向における屈折率の変化率(ΔN/Tb)がこのような範囲内である場合、光導波路内を伝播する光の反射角度をSPR励起に有利な角度に好適に変化させることができる。
屈折率勾配層12bの厚み(Tb)は、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは2μm〜25μm、さらに好ましくは3μm〜20μmである。このように屈折率勾配層の厚みを比較的小さくすることにより、光導波路内を伝播する光の反射角度をSPR励起に有利な角度に好適に変化させることができる。一方、屈折率均一層12aの厚み(Ta)は、コア径を大きくして十分な光量を光導波路に入射させる観点から、屈折率勾配層の厚み(Tb)以上であることが好ましい。具体的には、TaおよびTbは、1≦Ta/Tbの関係を満たすことが好ましく、1.5≦Ta/Tbの関係を満たすことがより好ましく、3≦Ta/Tb≦50の関係を満たすことがさらに好ましい。屈折率均一層の厚み(Ta)は、例えば4μm〜199μmであり得る。なお、コア層12の厚み(屈折率均一層と屈折率勾配層との合計厚み)は、例えば5μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。また、コア層の幅は、例えば5μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。このような厚みおよび/または幅であれば、光導波路をいわゆるマルチモードとすることができる。
屈折率均一層12aを形成する材料としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な材料を用いることができる。例えば、具体例としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂およびこれらの変性体(例えば、フルオレン変性体、重水素変性体、フッ素樹脂以外の場合はフッ素変性体)が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは、好ましくは感光剤を配合して、感光性材料として用いられ得る。アンダークラッド層11は、屈折率均一層を形成する材料と同様の材料であって、屈折率が屈折率均一層よりも低くなるように調整された材料から形成され得る。
屈折率勾配層12bは、上記の屈折率が得られる限りにおいて、任意の適切な材料を用いて形成され得る。例えば、屈折率勾配層は、その厚み方向において組成勾配が生じるように(すなわち、組成が連続的に変化するように)、予め形成しておいた屈折率均一層の金属層側表面から屈折率均一層よりも高い屈折率を有する材料を浸み込ませ、該勾配を固定することによって形成され得る。また、例えば、屈折率勾配層は、屈折率均一層形成材料と同じ材料を用いて、その厚み方向において架橋密度勾配を生じさせることによって形成され得る。
上記屈折率均一層に浸み込ませる材料としては、屈折率均一層よりも高い屈折率を有し、組成勾配を生じるように屈折率均一層に浸み込んで硬化し得る限りにおいて任意の適切な材料が用いられる。好ましくは1.400〜1.600の屈折率を有する材料である。このような材料の具体例としては、1.400〜1.600の屈折率を有する(メタ)アクリル系モノマー等の重合性モノマーが挙げられる。
保護層13は、必要に応じて、アンダークラッド層11およびコア層12の上面をすべて被覆するように、平面視においてアンダークラッド層11と同じ形状の薄膜として形成されている。図示例とは異なり、保護層は、アンダークラッド層およびコア層の上面の一部を被覆するように形成されてもよい。保護層を設けることにより、例えば、サンプルが液状である場合に、サンプルによってコア層および/またはクラッド層が膨潤することを防止することができる。保護層を形成する材料としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムが挙げられる。これらの材料は、好ましくは、コア層よりも屈折率が低くなるように調整され得る。保護層の厚みは、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜20nmである。
金属層14は、図2に示すように、保護層13を介して、コア層12の上面を均一に被覆するように形成されている。この場合、必要に応じて、保護層13と金属層14との間に易接着層(図示せず)が設けられ得る。易接着層を形成することにより、保護層と金属層とを強固に固着させることができる。保護層を設けず、金属層でコア層を直接被覆してもよい。
金属層14を形成する材料としては、金、銀、白金、銅、アルミニウムおよびこれらの合金が挙げられる。金属層は、単一層であってもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。金属層の厚み(積層構造を有する場合はすべての層の合計厚み)は、好ましくは20nm〜70nmであり、より好ましくは30nm〜60nmである。
易接着層を形成する材料としては、代表的にはクロムまたはチタンが挙げられる。易接着層の厚みは、好ましくは1nm〜5nmである。
オーバークラッド層15は、図1に示すように、アンダークラッド層11およびコア層12の上面(図示例では、保護層13の上面)において、その外周がアンダークラッド層11の外周と平面視において略同一となるように、平面視矩形の枠形状に形成されている。アンダークラッド層11およびコア層12の上面(図示例では、保護層13の上面)とオーバークラッド層15とで囲まれる部分が、サンプル配置部20として区画されている。当該区画にサンプルを配置することにより、検知部10の金属層とサンプルとが接触し、検出が可能となる。さらに、このような区画を形成することにより、サンプルを容易に金属層表面に配置することができるので、作業性の向上を図ることができる。
オーバークラッド層15を形成する材料としては、例えば、上記コア層およびアンダークラッド層を形成する材料、ならびにシリコーンゴムが挙げられる。オーバークラッド層の厚みは、好ましくは5μm〜2000μmであり、さらに好ましくは25μm〜200μmである。オーバークラッド層の屈折率は、好ましくは、コア層の屈折率よりも低い。1つの実施形態においては、オーバークラッド層の屈折率は、アンダークラッド層の屈折率と同等である。なお、コア層よりも低い屈折率を有する保護層を形成する場合には、オーバークラッド層の屈折率は、必ずしもコア層の屈折率よりも低くなくてもよい。
本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明してきたが、本発明はこれらに限定されない。例えば、コア層とアンダークラッド層の関係においては、コア層の少なくとも一部がアンダークラッド層に隣接するように設けられていればよい。例えば、上記実施形態ではアンダークラッド層にコア層が埋設された構成を説明したが、コア層はアンダークラッド層を貫通するようにして設けられてもよい。また、アンダークラッド層の上にコア層を形成し、当該コア層の所定の部分をオーバークラッド層で包囲する構成としてもよい。
さらに、SPRセンサにおけるコア層の数は、目的に応じて変更してもよい。具体的には、コア層は、アンダークラッド層の幅方向に所定の間隔を隔てて複数形成されてもよい。このような構成であれば、複数のサンプルを同時に分析することができるので、分析効率を向上させることができる。コア層の形状もまた、目的に応じて任意の適切な形状(例えば、半円柱形状、凸柱形状)を採用することができる。
また、屈折率均一層および屈折率勾配層はそれぞれ、厳密に均一な厚みを有している必要はなく、例えば、図3に示すように、不均一な厚みを有していてもよい。この場合、屈折率均一層および屈折率勾配層の厚みとしては、各々の層内の最大厚みを採用する。
さらに、SPRセンサセル100(サンプル配置部20)の上部には、蓋を設けてもよい。このような構成とすれば、サンプルが外気に接触することを防止することができる。また、サンプルが溶液である場合には、溶媒の蒸発による濃度変化を防止することができる。蓋を設ける場合には、液状サンプルをサンプル配置部へ注入するための注入口とサンプル配置部から排出するための排出口とを設けてもよい。このような構成とすれば、サンプルを流してサンプル配置部に連続的に供給することができるので、サンプルの特性を連続的に測定することができる。
上記の実施形態は、それぞれを適切に組み合わせてもよい。
B.SPRセンサセルの製造方法
本発明のSPRセンサセルは、任意の適切な方法により製造され得る。以下に、図4を参照しながら本発明のSPRセンサセルの製造方法の一例を説明する。
第一に、図4(a)に示すようなアンダークラッド層11に埋設されたコア層(屈折率均一層12a)を有する光導波路フィルムを任意の適切な方法によって作製する。このような光導波路フィルムの作製方法の具体例としては、図5に示す方法や特開2012‐215541の図3に記載されるような方法が挙げられる。
図5に示す方法においては、まず、図5(a)に示すように、コア層の形状に対応する凹部を有する鋳型30の表面上に屈折率均一層を形成する材料12a’を配置する。次いで、図5(b)に示すように、鋳型30表面に転写フィルム40を所定の方向に向かって押圧手段50で押圧しながら貼り合わせて、該凹部に屈折率均一層形成材料12a’を充填しつつ余分な屈折率均一層形成材料12a’を除去する。その後、図5(c)に示すように、凹部内に充填された屈折率均一層形成材料12a’に紫外線を照射し、当該材料を硬化させて、屈折率均一層12aを形成する。紫外線の照射条件は、屈折率均一層形成材料の種類に応じて適切に設定され得る。必要に応じて、屈折率均一層形成材料を加熱してもよい。加熱は、紫外線照射前に行ってもよく、紫外線照射後に行ってもよく、紫外線照射と併せて行ってもよい。加熱条件は、屈折率均一層形成材料の種類に応じて適切に設定され得る。次いで、図5(d)に示すように、転写フィルム40を鋳型30から剥離して、転写フィルム40上に屈折率均一層12aを転写する。次いで、図5(e)に示すように、アンダークラッド層を形成する材料11’を、屈折率均一層12aを覆うように塗布する。その後、図5(f)に示すように、アンダークラッド層形成材料11’に紫外線を照射し、当該材料を硬化させて、アンダークラッド層11を形成する。紫外線の照射条件は、アンダークラッド層形成材料の種類に応じて適切に設定され得る。その後、図5(g)に示すように、転写フィルム40を剥離除去し、上下反転することにより、アンダークラッド層11に埋設された屈折率均一層12aを有する光導波路フィルムが得られる。
次いで、図4(b)に示すように、上記光導波路フィルムの屈折率均一層12aの上面(露出面)に屈折率均一層よりも高い屈折率を有する材料12b’を塗布する。塗布された高屈折率材料12b’が屈折率均一層12aの表面に浸み込んでいくことによって、その厚み方向に組成勾配(結果として屈折率勾配)が形成され得る。塗布後すぐ、または所定の時間放置した後、図4(c)に示すように、アンダークラッド層11の上面に剥離フィルム70を所定の方向に向かって押圧手段50で押圧しながら貼り合わせて、余分な高屈折率材料12b’を除去する。高屈折率材料の種類によって浸み込みやすさは異なるが、一般に、高屈折率材料の塗布から除去までの時間(以下、「浸透時間」と称する)を長くすることによって、浸み込み量が増加する傾向にある。したがって、浸透時間を調整することによって、屈折率均一層および屈折率勾配層の厚みを調整することができる。浸透時間は、例えば5秒〜120分、好ましくは10秒〜60分である。なお、必要に応じて、加熱しながら浸み込ませてもよい。加熱温度は、例えば40℃〜100℃である。
次いで、図4(d)に示すように、剥離フィルム70側から紫外線を照射し、高屈折率材料12b’を硬化させて、屈折率勾配層12bを形成する(具体的には、屈折率均一層12aにおいて、高屈折率材料12b’が浸み込んだ領域が屈折率勾配層12bとなる)。このとき、余分な高屈折率材料の除去後すぐに、浸み込んだ高屈折率材料の硬化を行うことが好ましい。屈折率勾配が乱れるのを回避できるからである。紫外線の照射条件は、高屈折率材料の種類に応じて適切に設定され得る。
次いで、剥離フィルム70を剥離除去し、必要に応じて、図4(e)に示すように、アンダークラッド層11およびコア層12の上に、保護層13を形成する。保護層は、例えば、保護層を形成する材料をスパッタリングまたは蒸着することにより形成される。保護層を形成する場合には、好ましくは、保護層の上に易接着層(図示せず)を形成する。易接着層は、例えば、クロムまたはチタンをスパッタリングすることにより形成される。
次に、図4(f)に示すように、保護層13の上(保護層を形成しない場合には、コア層およびアンダークラッド層の上面)に、コア層12を被覆するようにして金属層14を形成する。具体的には、金属層14は、例えば、所定のパターンを有するマスクを介して金属層を形成する材料を真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリングすることにより形成される。
最後に、図4(g)に示すように、上記所定の枠形状を有するオーバークラッド層15を形成する。オーバークラッド層15は、任意の適切な方法により形成され得る。オーバークラッド層15は、例えば、上記所定の枠形状を有する鋳型を保護層13の上に配置し、当該鋳型にオーバークラッド層形成材料のワニスを充填して乾燥し、必要に応じて硬化させ、最後に鋳型を除去することにより形成され得る。感光性材料を用いる場合には、オーバークラッド層15は、保護層13の全面にワニスを塗布し、乾燥後に、所定のパターンのフォトマスクを介して露光および現像することにより形成され得る。
以上のようにして、図1に示すSPRセンサセルを作製することができる。
C.SPRセンサ
図6は、本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサを説明する概略断面図である。SPRセンサ200は、SPRセンサセル100と光源110と光計測器120とを備える。SPRセンサセル100は、上記A項およびB項で説明した本発明のSPRセンサである。
光源110としては、任意の適切な光源が採用され得る。光源の具体例としては、白色光源、単色光光源が挙げられる。光計測器120は、任意の適切な演算処理装置に接続され、データの蓄積、表示および加工を可能としている。
光源110は、光源側光コネクタ111を介して光源側光ファイバ112に接続されている。光源側光ファイバ112は、光源側ファイバブロック113を介してSPRセンサセル100(コア層12)の伝播方向一方側端部に接続されている。SPRセンサセル100(コア層12)の伝播方向他方側端部には、計測器側ファイバブロック114を介して計測器側光ファイバ115が接続されている。計測器側光ファイバ115は、計測器側光コネクタ116を介して光計測器120に接続されている。SPR励起可能な反射角の光を光導波路内に伝播させることができるマルチモード光ファイバにて接続することが好ましい。
SPRセンサセル100は、任意の適切なセンサセル固定装置(図示せず)によって固定されている。センサセル固定装置は、所定方向(例えば、SPRセンサセルの幅方向)に沿って移動可能とされており、これにより、SPRセンサセルを所望の位置に配置することができる。
光源側光ファイバ112は、光源側光ファイバ固定装置131により固定され、計測器側光ファイバ115は、計測器側光ファイバ固定装置132により固定されている。光源側光ファイバ固定装置131および計測器側光ファイバ固定装置132は、それぞれ、任意の適切な6軸移動ステージ(図示せず)の上に固定されており、光ファイバの伝播方向、幅方向(伝播方向と水平方向において直交する方向)および厚み方向(伝播方向と垂直方向において直交する方向)と、これらのそれぞれの方向を軸とする回転方向とに可動とされている。
このようなSPRセンサによれば、光源110、光源側光ファイバ112、SPRセンサセル100(コア層12)、計測器側光ファイバ115および光計測器120を一軸上に配置することができ、これらを透過するように光源110から光を導入することができる。
以下、このようなSPRセンサの使用形態の一例を説明する。
まず、サンプルをSPRセンサセル100のサンプル配置部20に配置し、サンプルと金属層14とを接触させる。次いで、光源110から所定の光を、光源側光ファイバ112を介してSPRセンサセル100(コア層12)に導入する(図6の矢印L1参照)。SPRセンサセル100(コア層12)に導入された光は、コア層12内において屈折率勾配層12bによって反射角度を変化させながら全反射を繰り返し、SPRセンサセル100(コア層12)を透過するとともに、一部の光は、コア層12の上面において金属層14に入射し、表面プラズモン共鳴により減衰される。SPRセンサセル100(コア層12)を透過した光は、計測器側光ファイバ115を介して光計測器120に導入される(図6の矢印L2参照)。すなわち、このSPRセンサ200において、光計測器120に導入される光は、コア層12において表面プラズモン共鳴を発生させた波長の光強度が減衰している。表面プラズモン共鳴を発生させる波長は、金属層14に接触したサンプルの屈折率などに依存するので、光計測器120に導入される光の光強度の減衰を検出することにより、サンプルの屈折率の変化を検出することができる。
例えば、光源110として白色光源を用いる場合には、光計測器120によって、SPRセンサセル100の透過後に光強度が減衰する波長(表面プラズモン共鳴を発生させる波長)を計測し、その減衰する波長が変化したことを検出すれば、サンプルの屈折率の変化を確認することができる。また例えば、光源110として単色光光源を用いる場合には、光計測器120によって、SPRセンサセル100の透過後における単色光の光強度の変化(減衰の度合い)を計測し、その減衰の度合いが変化したことを検出すれば、表面プラズモン共鳴を発生させる波長が変化したことを確認でき、サンプルの屈折率の変化を確認することができる。
上記のように、このようなSPRセンサセルは、サンプルの屈折率の変化に基づいて、例えば、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出などの種々の化学分析および生物化学分析に用いることができる。より具体的には、例えば、サンプルが溶液である場合には、サンプル(溶液)の屈折率は溶液の濃度に依存するので、サンプルの屈折率を検出すれば、そのサンプルの濃度を測定することができる。さらに、サンプルの屈折率が変化したことを検出すれば、サンプルの濃度が変化したことを確認することができる。また例えば、免疫反応の検出においては、SPRセンサセル100の金属層14の上に誘電体膜を介して抗体を固定し、抗体に検体を接触させる。抗体と検体とが免疫反応すればサンプルの屈折率が変化するので、抗体と検体との接触前後におけるサンプルの屈折率変化を検出することにより、抗体と検体とが免疫反応したと判断することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、特に明記しない限り、屈折率の測定波長は830nmである。
<屈折率の測定>
屈折率は、シリコンウェハの上に10μm厚の膜を形成し、プリズムカプラ式屈折率測定装置を用いて波長830nmで測定した。
<勾配を有する屈折率変化の測定>
勾配を有する屈折率変化は、溝尻光学工業所社製の屈折率分布測定装置を用いて測定した。具体的には、光導波路の長さが100μmとなるようにダイサー(DISCO社製)で切削した測定試料(厚み:約50μm、幅:200mm)をスライドガラス上に設置し、その断面を測定した。切削断面の表面粗さによる測定誤差を軽減するため、純水を試料に滴下し、その上部にカバーガラスを設置して平滑になるようにして、干渉縞の測定を行った。屈折率を測定する解析分解能は0.214×0.214μmであった。測定された光の干渉縞のシフト量から測定領域の屈折率分布を得ることができる。
<屈折率勾配層の厚みの測定>
ビームパターン計測システム(シナジーオプトシステムズ社製、M−Scope type L)を用いてコア層中の光強度分布を測定した。具体的には、ハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製、商品名「HL−2000−HP」、白色光)からの光をグレーテッド型のマルチモードファイバ(φ50μm)を介してSPRセンサセルのコア層の入射側端面に導入し、コア層の出射側に接続したビームパターン計測システムによって、コア層中の光強度分布を測定した。次いで、該光強度分布の測定値に基づいて、屈折率勾配層の厚みを算出した。
<実施例1>
図5に示すような方法でアンダークラッド層に埋設されたコア層(屈折率均一層)を有する光導波路フィルムを作製した。具体的には、表面に幅50μmおよび厚み(深さ)50μmのコア層形成用の凹部が形成された鋳型(長さ200mm、幅200mm)の該表面に屈折率均一層形成材料を滴下した。該鋳型の表面に片面をコロナ処理したポリプロピレン(PP)フィルム(厚み:40μm)のコロナ処理面の片端を当接させ、他端は反らせた状態とした。この状態で、鋳型とPPフィルムとの当接部位にPPフィルム側からローラを押し当てながら他端側に向かってローラを回転させて両者を貼り合わせた。これにより、鋳型の凹部内に屈折率均一層形成材料を充填し、余分な屈折率均一層形成材料を押し出した。次いで、得られた積層体に対し、PPフィルム側から紫外線を照射し、屈折率均一層形成材料を完全に硬化させて屈折率均一層(屈折率:1.384)を形成した。なお、屈折率均一層形成材料は、フッ素系UV硬化型樹脂(DIC社製、商品名「OP38Z」)60重量部とフッ素系UV硬化型樹脂(DIC社製、商品名「OP40Z」)40重量部とを攪拌溶解させて調製した。次いで、鋳型からPPフィルムを剥離して、該フィルム上に厚み50μm、幅50μmの略角柱形状の屈折率均一層を転写した。
上記PPフィルム上に、屈折率均一層を被覆するようにアンダークラッド層形成材料(フッ素系UV硬化型樹脂(ソルベイスペシャルティポリマージャパン社製、商品名「Fluorolink MD700」))を塗布した。このとき、屈折率均一層表面(上面)からの厚みが100μmになるように塗布した。次いで、紫外線を照射し、アンダークラッド層形成材料を硬化させて、アンダークラッド層(屈折率:1.347)を形成した。その後、PPフィルムを剥離除去し、アンダークラッド層およびコア層(屈折率均一層)を上下反転させた。以上のようにして、アンダークラッド層に埋設されたコア層(屈折率均一層)を有する光導波路フィルムを作製した。
次いで、図4に示す方法と類似の方法でSPRセンサセルを作製した。具体的には、上記光導波路フィルムのコア層(屈折率均一層)露出面に高屈折率材料としてn−ブチルアクリレート(屈折率:1.456)を塗布した。塗布後すぐに、剥離処理されたPETフィルム(厚み:45μm)の剥離処理面の片端を光導波路フィルムの上面に当接させ、他端は反らせた状態とした。この状態でこれらの当接部位にPETフィルム側からローラを押し当てながら他端側に向かってローラを回転させて両者を貼り合わせた。これにより、コア層(屈折率均一層)に高屈折率材料を浸み込ませ、余分な高屈折率材料を押し出した(浸透時間:約5秒)。次いで、得られた積層体に対し、PETフィルム側から紫外線を照射し、高屈折率材料を硬化させて屈折率勾配層を形成した。その後、PETフィルムを剥離除去した。
次いで、光導波路フィルムを長さ22.25mm×幅20mmにダイシング切断した後、長さ6mm×幅1mmの開口部を有するマスクを介して、コア層を覆うように金をスパッタリングし、金属層(厚み:30nm)を形成した。最後に、アンダークラッド層形成材料と同じ材料を用い、アンダークラッド層を形成したのと類似の方法で、枠形状のオーバークラッド層を形成した。このようにして、保護層を有さないこと以外は図1および図2に示すSPRセンサセルと同様のSPRセンサセルを作製した。
上記で得られたSPRセンサセルと、ハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製、商品名「HL−2000−HP」、白色光)と、分光器(オーシャンオプティクス社製、商品名「USB4000」)とを一軸上に配置して図6に示すようなSPRセンサを作製した。具体的には、光源からの光がSPRセンサセルのコア層の入射側端面に導入されるように、グレーテッド型のマルチモードファイバ(φ50μm/125μm)を介してハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製、商品名「HL−2000−HP」、白色光)をSPRセンサセル(コア層)の入射側に接続し、出射側に分光器(オーシャンオプティクス社製、商品名「USB4000」)を接続した。SPRセンサセルのサンプル配置部に、サンプルとして純水(屈折率:1.330)または10vol%エチレングリコール水溶液(屈折率:1.3436)40μLを投入して測定を行った。そして、サンプルを配置しない状態でSPRセンサセル(光導波路)に光を透過させたときの各波長の光強度を100%とした場合の各サンプルの透過率スペクトルを求め、純水測定時のピーク強度および純水測定時とエチレングリコール水溶液測定時とで最も透過率強度に差が生じる特定波長にてピーク強度変化量を計測した。ここで、該ピーク強度が大きいことはSPRピーク強度が大きいことを意味し、該ピーク強度変化が大きいほど検出感度が高いことを示す。結果を表1に示す。
<実施例2>
高屈折率材料として2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(屈折率:1.411)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3>
高屈折率材料として2−フェノキシエチルメタクリレート(屈折率:1.512)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例4>
高屈折率材料として2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(屈折率:1.411)を用いたことおよび浸透時間を3分としたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例5>
高屈折率材料として2−フェノキシエチルメタクリレート(屈折率:1.512)を用いたことおよび浸透時間を3分としたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例6>
浸透時間を3分としたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例7>
浸透時間を5分としたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例8>
浸透時間を10分としたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
高屈折率材料の塗布、除去および紫外線硬化を行わなかったこと(結果として、屈折率勾配層を形成しなかったこと)以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<評価>
表1から明らかなように、実施例のSPRセンサセルは、比較例のSPRセンサセルに比べてピーク強度変化が大きく、感度に優れることがわかる。
本発明のSPRセンサセルおよびSPRセンサは、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出など、種々の化学分析および生物化学分析に好適に利用され得る。
10 検知部
11 アンダークラッド層
12 コア層
12a 屈折率均一層
12b 屈折率勾配層
13 保護層
14 金属層
15 オーバークラッド層
20 サンプル配置部
100 SPRセンサセル
110 光源
120 光計測器
200 SPRセンサ

Claims (6)

  1. アンダークラッド層と、少なくとも一部が該アンダークラッド層に隣接するように設けられたコア層と、該コア層を被覆する金属層とを有するSPRセンサであって、
    該コア層が、屈折率均一層と屈折率勾配層とを含み、
    該屈折率勾配層が、該屈折率均一層と該金属層との間に配置されており、
    該屈折率勾配層の屈折率が、該屈折率均一層の屈折率以上であり、その厚み方向において、該屈折率均一層側表面から該金属層側に向かって連続的に増大している、
    SPRセンサセル。
  2. 前記屈折率勾配層の厚みが、1μm〜30μmである、請求項1に記載のSPRセンサセル。
  3. 前記屈折率勾配層における屈折率変化(ΔN=Nmax−Nmin:ただし、Nmaxは屈折率勾配層における最大屈折率を表し、Nminは屈折率勾配層における最小屈折率を表す)が、0.001〜0.035である、請求項1または2に記載のSPRセンサセル。
  4. 前記屈折率勾配層の厚み(Tb(μm))と屈折率変化(ΔN=Nmax−Nmin:ただし、Nmaxは屈折率勾配層における最大屈折率を表し、Nminは屈折率勾配層における最小屈折率を表す)とが、0.5×10−3≦ΔN/Tb≦20.0×10−3の関係を満たす、請求項1から3のいずれかに記載のSPRセンサセル。
  5. 前記屈折率均一層の屈折率(NCO)が、1.34≦NCO≦1.43の関係を満たす、請求項1から4のいずれかに記載のSPRセンサセル。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のSPRセンサセルを備える、SPRセンサ。
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