JP2002162184A - 蓄熱材料、蓄熱方法ならびに放熱方法 - Google Patents

蓄熱材料、蓄熱方法ならびに放熱方法

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JP2002162184A
JP2002162184A JP2000361821A JP2000361821A JP2002162184A JP 2002162184 A JP2002162184 A JP 2002162184A JP 2000361821 A JP2000361821 A JP 2000361821A JP 2000361821 A JP2000361821 A JP 2000361821A JP 2002162184 A JP2002162184 A JP 2002162184A
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heat
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aluminum oxide
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Isao Shinoda
功 篠田
Yasuhiro Kishimoto
靖弘 岸本
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 100℃〜350℃程度の高温度域での蓄放
熱に使用でき、且つ十分な蓄熱量を有し、また比較的長
時間の蓄熱が可能であって、周辺材料の腐食性も殆ど無
い、優れた蓄熱材料を提供する。更に、これを用いた蓄
熱方法及び放熱方法を提供する。 【解決手段】 見掛け比重が0.5〜1.1kg/Lで
ある酸化アルミニウムを含む蓄熱材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷暖房用、給湯用、
調理用等の熱エネルギー源、動力源としてのボイラー等
の熱エネルギー源として、あるいは廃熱回収、コジェネ
レーションシステムに用いられる可逆的化学反応を利用
した熱エネルギーの蓄熱物質として有用な蓄熱材料、蓄
熱方法および放熱方法に関する。特に、100℃〜35
0℃程度の温度領域での熱エネルギーの出し入れに適し
た蓄熱材料、蓄熱方法および放熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、100℃を超えるような高温熱エ
ネルギーを貯蔵する材料として、ペンタエリスリトール
(特開昭59−134497号公報)、マンニトール
(特開平05−32963号公報および特開平10−1
02050号公報)、エリスリトール(特開平05−3
2963号公報および特開平09−249875号公
報)等の糖アルコールを利用する潜熱蓄熱材、直鎖低分
子量ポリエチレンを利用する潜熱蓄熱材(特開平08−
34976号公報)が知られている。
【0003】これらの潜熱蓄熱材は取り扱いが容易であ
り、比較的長時間の蓄熱が可能ではあるが、蓄熱量が3
5〜80kCal/kg程度と少なく、優れた蓄熱材料
とはいえないものであった。
【0004】また、500℃以上に加熱してその比熱容
量を利用する顕熱蓄熱材として、マグネシア砂およびマ
グネシア煉瓦が知られている。
【0005】かかる顕熱蓄熱材は、比熱容量は0.20
〜0.23kCal/kgとさらに小さいが、放熱温度
と蓄熱温度との差を500℃以上取ることにより蓄熱量
は十分となるものである。しかし、放熱温度と蓄熱温度
との差を500℃以上取る必要があるため用途が限定さ
れ、また厚大な防熱層を設ける必要がある等設備が大が
かりになってしまう欠点があり、更に比較的長時間の蓄
熱が困難であるという問題もあった。
【0006】これらを解決する技術として、例えば、特
公昭54−29311号公報では生石灰に水を加えて化
学反応を生じせしめ、その際に生じる熱エネルギーを利
用し、さらに生成した消石灰に廃熱などの熱エネルギー
を加えて、元の生石灰に戻しておくことにより、熱エネ
ルギーを貯蔵する方法が提案された。
【0007】また、特開平1−135889号公報で
は、可逆的水和反応蓄熱材としての生石灰を改質する方
法として、アルミニウム粉末を添加成形した水酸化アル
ミニウムカルシウムが生石灰に比べ、蓄熱温度の低減お
よび成形体の硬度上昇があると記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭54−29311号公報の方法においては、次
式、 CaO+H2O ⇔ Ca(OH)2+15.2kCal (I) で表される可逆反応を利用するものであって、右辺から
左辺へ反応させる(蓄熱する)際は580℃程度の高温
度が必要であり、また蓄熱量も低いものであった。ま
た、水酸化カルシウムは高pH値を示し、蓄熱槽の腐食
を招きやすいという傾向がある。
【0009】また、特開平01−135889号公報の
方法においては、次式、 9/7Ca(OH)2+1/7Ca12Al1433+33/7H2O ⇔ Ca3Al2(OH)12+44.2kCal (II) で表される可逆反応を利用するものであって、右辺から
左辺へ反応させる(蓄熱する)際は300℃程度の温度
でよいが、消石灰に対するアルミニウム粉末の添加量は
7重量%程度であり、大半は消石灰のため、なお、腐食
性に問題があった。
【0010】そこで本発明の目的は、以上のような問題
点を解消し、100℃〜350℃程度の高温度域での蓄
放熱に使用でき、且つ十分な蓄熱量を有し、また比較的
長時間の蓄熱が可能であって、周辺材料の腐食性も殆ど
無い、優れた蓄熱材料を提供することにあり、更に、こ
れを用いた蓄熱方法及び放熱方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、以下の構成とすること
により上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、見掛け比重が0.5〜
1.1kg/Lである酸化アルミニウムを含む蓄熱材料
である。
【0013】また、本発明は、上記蓄熱材料を脱水する
ことを特徴とする蓄熱方法であり、好ましくは上記蓄熱
材料の脱水を、酸化アルミニウムのBET比表面積が1
00〜350m2/gとなるように行う該蓄熱方法であ
る。
【0014】さらに本発明は、実質的に脱水された上記
蓄熱材料を80〜200℃に加熱し、0℃以上で該蓄熱
材料温度より100℃低い温度を下限とし、該蓄熱材料
温度より50℃高い温度を上限とする温度範囲の液体お
よび/または気体の水分を、該蓄熱材料に接触させる放
熱方法であり、また、実質的に脱水された上記蓄熱材料
を100〜200℃に加熱し、0〜100℃の温度範囲
で、かつ該蓄熱材料との温度差が100℃以内である水
滴を該蓄熱材料に接触させる放熱方法である。好ましく
は、上記水滴の直径が5〜500μmである該放熱方法
であり、また実質的に脱水された蓄熱材料の酸化アルミ
ニウムが、BET比表面積100〜350m2/gの性
状を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述するが、
まず、本発明の蓄熱材料について詳述する。本発明の蓄
熱材料は、見掛け比重0.5〜1.1kg/Lである酸
化アルミニウムからなるものである。
【0016】本発明の蓄熱材料は、下記(III)式、 Al23+nH2O ⇔ Al23・nH2O+熱エネルギー (III) で表されるように酸化アルミニウムが水分を取り込んだ
状態(「水和アルミナ」とも称する)と無水状態との間
での熱エネルギーのやり取りを利用するものである。即
ち、無水状態の酸化アルミニウムが水分を取り込み水和
することに伴い放熱し、逆に水分を取り込んだ状態の酸
化アルミニウムを脱水して無水状態とすることに伴い蓄
熱するものである。尚、ここで、水分を取り込んだ状態
の酸化アルミニウムを慣用的に水和アルミナと称するこ
とから、水分の取り込みを「水和」と称するが、どのよ
うな状態であるかは必ずしも明確ではなく、「取り込ん
だ」とは物理的に酸化アルミニウムと水が混合されてい
る状態、即ち、湿った状態或いは濡れた状態となること
を意味せず、例えば常温で通常の乾燥雰囲気中にあって
も恒常的に酸化アルミニウム内に水分が存在することを
言う。
【0017】従って、本発明の蓄熱材料は、後述のよう
に気体状態でも液体状態でもよい水分が効率よく酸化ア
ルミニウムと接触するように、見掛け比重0.5〜1.
1kg/L、好ましくは0.6〜1.0kg/Lである
ことが必要となる。
【0018】見掛け比重が1.1kg/Lを超えると十
分な放熱量が得られないか、又は極めて放熱効率が悪く
なってしまう。逆に、見掛け比重が0.5kg/L未満
であるものを得るのは技術的困難性が増すだけでなく、
蓄放熱にかかる装置が大掛かりとなり、又、放出された
熱エネルギーを利用する上でエネルギー密度が希薄とな
り、実用性に欠けてしまう。
【0019】本発明の蓄熱材料は、上記範囲内の見掛け
比重を有すればよく、その形態はどのような形態でも差
し支えなく、一般的な球状成形、打錠、押出、破砕等に
より得られた、例えば、顆粒状、ペレット状、ビーズ
状、粉末状、及びこれらを少量のバインダー乃至接着剤
(例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂等の有機系バイ
ンダー乃至接着剤、セメント系、水ガラス系等の無機系
バインダー乃至接着剤)と共に成形したブロック状でも
よい。但し、バインダー乃至接着剤を用いる場合、酸化
アルミニウムの表面が必要以上にバインダー乃至接着剤
で覆われてしまうと、水分と酸化アルミニウムとの接触
が妨げられ蓄放熱が不良となるので、バインダー乃至接
着剤は可能な限り少量とすることが好ましい。
【0020】次に、本発明の蓄熱方法について詳述す
る。本発明の蓄熱方法は、見掛け比重0.5〜1.1k
g/Lである酸化アルミニウムを含む蓄熱材料を脱水す
るものであり、本発明の蓄熱方法に使用する蓄熱材料は
上記本発明の蓄熱材料である。
【0021】上述の通り、水和した酸化アルミニウムを
脱水させ無水状態とすることは吸熱反応であり、これに
伴い蓄熱が行われる。
【0022】本発明の蓄熱方法において脱水は、上記水
和酸化アルミニウムを実質的に無水状態にすればよいの
で、必ずしも加熱を必要としないが、好ましくは酸化ア
ルミニウムを、例えば、約100℃以上、好ましくは約
100℃〜約500℃に加熱して乾燥雰囲気中に置くこ
とが蓄熱効率の点で好ましい。但し、350℃を超える
温度では、後述の基礎BET比表面積の変化等が発生し
蓄熱時間制御が難しくなるので、作業性の観点からは3
50℃以下とすることが好ましい。
【0023】また、蓄熱された酸化アルミニウムは、水
和アルミナを加熱脱水(か焼)し、α−アルミナに至る
前の中間アルミナ、いわゆる活性アルミナと呼ばれるも
のに相当する。
【0024】蓄熱された酸化アルミニウムである活性ア
ルミナは、その加熱脱水(か焼)の程度により、BET
表面積が異なり、一般的にか焼の程度が進むほど、BE
T比表面積が大きくなる傾向にある。
【0025】本発明の蓄熱方法においては、蓄熱材料で
ある酸化アルミニウムをそのBET比表面積が100か
ら350m2/gとなるように脱水を行うことが好まし
く、さらに好ましくは、200から300m2/gとな
るようにする。
【0026】比表面積が100m2/g未満であると脱
水が不十分であり蓄熱量が低いものとなり、一方、35
0m2/gを超えると、工業的に不安定で酸化アルミニ
ウム粒子が崩壊しやすく、上記必須条件である見掛け比
重を得にくくなる。
【0027】酸化アルミニウムのBET比表面積は、酸
化アルミニウム表面の微細構造に由来すると思われる基
本的なBET比表面積を有している。本発明においては
300℃の乾燥雰囲気中に12時間置いたときのBET
比表面積を「基礎BET比表面積」と定義する。ある基
礎BET比表面積を有する酸化アルミニウムは、高温
(例えば350℃超、好ましくは400℃以上)でか焼
しないかぎり、水和によって一時的にBET比表面積が
低下した後に乾燥雰囲気中で加熱しても、その基礎BE
T比表面積以上にはBET比表面積が増加しない。例え
ば、基礎BET比表面積150m2/g、200m2
g、300m2/gである酸化アルミニウムを水和させ
た後、同条件、例えば150℃の乾燥雰囲気中に十分な
時間置いても夫々異なったBET比表面積を示し、10
0℃以上であれば基礎BET比表面積に近い値となり、
乾燥温度が300℃となると平衡状態となる。
【0028】次に、本発明の放熱方法について詳述す
る。本発明の放熱方法は、見掛け比重0.5〜1.1k
g/Lである実質的に脱水された酸化アルミニウムを含
む蓄熱材料を80〜200℃に加熱し、該蓄熱材料温度
より100℃低い温度を下限とし、蓄熱材料温度より5
0℃高い温度を上限とする温度範囲の、液体でも気体で
もよい水分を、該蓄熱材料に接触させるものであり、本
発明の放熱方法に使用する蓄熱材料は上記本発明の蓄熱
材料である。
【0029】上述の通り、実質的に脱水された、無水状
態の酸化アルミニウムに水分を取り込ませる、即ち水和
させることは発熱反応であり、これに伴い放熱が行われ
るものである。
【0030】本発明の放熱方法に使用する実質的に脱水
された酸化アルミニウムは、上記本発明の蓄熱方法によ
り蓄熱された酸化アルミニウムを使用すればよいが、市
販の活性アルミナ(水和アルミナを加熱脱水したもの)
を使用することもできる。
【0031】本発明の放熱方法においては、まず上記蓄
熱材料を80〜200℃、好ましくは100〜150℃
に加熱する。
【0032】かかる蓄熱材料の温度が80℃未満である
と、本発明の目的である高温度領域での放熱ができず、
一方、200℃を超えると、水分が酸化アルミニウムに
取り込まれにくくなり、放熱量が低下してしまう。
【0033】本発明の放熱方法においては、上記範囲内
温度の蓄熱材料に、〔M−100〕℃〜〔M+50〕℃
の温度範囲の水分を接触させるものである。ここで、M
は該蓄熱材料の温度である。
【0034】水分の温度がM−100℃未満であると、
放熱における十分な温度と十分な放熱量が得られない。
一方、M+50℃を超えると、装置を大掛かりにする必
要があるなどの問題があり、実用的でない。
【0035】ここで用いられる水分は、液体の水であっ
ても、気体の水蒸気であってもよいが、蓄熱材料の加熱
温度範囲を広範に設定できる点では水蒸気が適してい
る。
【0036】一方、液体の水を使用した場合、蓄熱材料
から気化熱を奪うので水蒸気を使用した場合に比較し
て、蓄熱材料の温度をやや高めにすることが好ましく、
100℃以上とするのが良い。蓄熱材料の温度の上限は
上記の場合と同様である。
【0037】また、液体の水を使用した場合の水の温度
は特に限定されず0〜100℃の範囲で使用することが
できるが、該蓄熱材料との温度差は100℃以内とする
のが好ましい。温度差がこの範囲を超える、即ち水の温
度が低すぎる場合、上記と同様となる。
【0038】液体の水を使用する場合、好ましくは水は
微小水滴であることが好ましく、例えば、直径5〜50
0μmであることが望ましい。
【0039】直径が5μm未満では水滴は直ちに水蒸気
と化し水滴を用いる意味が無く、一方、500μmを超
えると水滴は浮遊し難く、上記蓄熱材料との接触に支障
を来たす場合がある。
【0040】使用する水の量は特に限定されないが、効
率の点から酸化アルミニウムの水和に必要十分な量用い
るのが好ましい。少なすぎれば放熱が十分行われないこ
ととなり、多すぎると放熱された熱を消費してしまうこ
とがある。
【0041】本発明の上記蓄熱材料を用いて、上記蓄熱
方法及び放熱方法を、交互に連続的に行うことにより、
上記発明の属する技術分野に記載したような熱エネルギ
ーの効率的利用が可能となる。
【0042】図1を参照しながら、本発明の蓄熱材料を
使用して蓄放熱を行う方法の具体的な一例を示し、更に
本発明を説明する。
【0043】図1に示すように、顆粒状またはペレット
状酸化アルミニウム1を収納した蓄熱槽2の底部には網
状仕切り板3が設けられている。蓄熱槽2は耐熱性があ
り、底部に酸化アルミニウムが流出しないよう網状の仕
切板が存在する構造であれば、どのような材質、構造で
もよい。
【0044】この蓄熱槽2の上端には、乾燥熱空気出入
口4が形成され、この乾燥熱空気出入口4には三方切換
弁5を介し乾燥熱空気導入路6と乾燥熱空気導出路7が
連通されている。
【0045】さらに、蓄熱槽2の下部には三方切換弁9
を介して、水蒸気供給口8が形成され、三方切換弁は水
蒸気導入路10と水蒸気導出路11が連通されている。
また、蓄熱槽2下部に存在する水蒸気供給口8には水蒸
気分配ノズル12が接続され、蓄熱槽2下端にはドレン
コック14を有するドレン口13が設けられている。
【0046】酸化アルミニウム水和物からなる顆粒状も
しくはペレット状蓄熱物質1を放熱させるためには、水
蒸気導入路10より三方切換弁9、水蒸気供給口8を経
て、水蒸気分配ノズル12より水蒸気を噴霧する。する
と、下記反応式(III)を右辺にすすみ、酸化アルミニ
ウム水和物を生成するとともに発熱する。発生した熱は
水蒸気とともに流入した熱空気とともに、蓄熱槽2上部
に設けた乾燥熱空気出入口4から三方切換弁5を介して
乾燥熱空気導出路7から排出、放熱される。この際、発
熱反応により生成した酸化アルミニウム水和物1はその
ままの形状で網状仕切板の上に保持される。 Al23+nH2O ⇔ Al23・nH2O+熱エネルギー (III)
【0047】放熱時には、上述の加熱された酸化アルミ
ニウムに水蒸気を流通させる。水蒸気を流通させる際の
酸化アルミニウムの温度は80℃から200℃の範囲が
よく、好ましくは100℃から150℃の範囲である。
【0048】吹き込む水蒸気の温度は、理論的には水の
臨界温度まで使用可能であるが、蓄熱槽2の耐圧性を考
慮した場合、100〜150℃の温度範囲が実際的であ
る。
【0049】次に、顆粒状もしくはペレット状酸化アル
ミニウム水和物1を収納した蓄熱槽2内に三方切換弁5
によって乾燥熱空気導入路6より、熱源機によって生じ
た100〜350℃の乾燥熱空気を流通せしめると、酸
化アルミニウム水和物1は上記反応式(III)を左辺に
すすみ、酸化アルミニウムと水とを生成する。これは吸
熱反応であるから、生成した水は水蒸気もしくは水とし
てドレンから排出される。この際、酸化アルミニウムに
なる蓄熱物質は顆粒状もしくはペレット状の形状維持し
たまま、網状仕切板3上に残る。
【0050】蓄熱時には、顆粒状またはペレット状酸化
アルミニウム1を収めた蓄熱槽2に100〜350℃の
乾燥空気を流通させ、加熱する。
【0051】本発明に使用する熱源機は、炉、ボイラ
ー、ヒーター線、タービン等から発生する熱を利用する
ことができるため、特に制約を受けるものではない。ま
た、蓄熱槽2についても、本発明の蓄熱材料は従来の蓄
熱材料に比較して腐食性が極端に小さいため、通常の湿
潤性環境で使われる材質で耐熱性があるものであれば、
使用することができる。
【0052】上述のように蓄熱槽2に水蒸気を供給し、
蓄熱物質より発熱させる工程(1)と乾燥熱空気を流入
させて脱水蓄熱させる工程(2)を反復させることによ
り、可逆的水和反応による蓄放熱を繰り返すことができ
る。
【0053】本発明においては吸熱反応時のエネルギー
損失(水の気化熱)を抑えるために水蒸気を使うことが
望ましいが、水蒸気の代わりに超音波加湿機で使用され
る振動式微小水滴発生装置、または微細な孔を開けた噴
霧ノズルによって発生する微小な水滴を供給することに
より、放熱させることも可能である。
【0054】上述の蓄熱された酸化アルミニウムに超音
波加湿機等で生成した微小水滴を流通させ放熱させる場
合の水滴温度は、100℃以下である。この場合、酸化
アルミニウムの温度は100から150℃の範囲が適当
で、好ましくは100℃から120℃の範囲で行う。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、
本実施例において、比表面積の測定、蓄熱物質の放熱試
験および蓄熱物質の蓄熱試験は以下のようにして行っ
た。
【0056】(比表面積の測定)JIS Z 8830
に準拠して窒素ガス吸着法によってBET比表面積を求
めた。
【0057】(蓄熱物質の放熱試験)図1に示すような
鋼製円筒形蓄熱槽(直径110mm、高さ150mm)
を2個用意し、それぞれに同じ種類のアルミナ(見掛け
比重:0.9kg/L)を各1kgずつ充填した。2個
の蓄熱槽内部の同じ位置9カ所に抵抗測温体をセット
し、蓄熱物質内部温度を測温した。恒温チャンバー内に
セットし、2個の蓄熱槽の内部温度がすべて同じ温度を
示したら、第1の蓄熱槽については三方切換弁を開けて
所定量の水蒸気を吹き込み、もう一方の第2蓄熱槽には
水蒸気と同一温度の乾燥空気を吹き込んだ。尚、実施例
13〜15については、水蒸気に代えて直径約100μ
mの水滴を含む気流を使用した。
【0058】水蒸気を吹き込んだ蓄熱槽は内部温度が上
昇するが、乾燥空気を吹き込んだものは内部温度が上昇
せず、雰囲気温度に追従した。1秒ごとに各部位9点の
温度を差し引き、平均値を求め、比熱を乗じた。2つの
蓄熱槽内部の温度が全く同一になるまで積算を継続し
た。この積算値を放熱量とした。
【0059】(蓄熱物質の蓄熱試験)上記試験による放
熱後、所定温度の乾燥熱空気を蓄熱槽に流通し、内部温
度がこの乾燥空気温度になるまで蓄熱した。もう一方の
蓄熱槽には、未使用のアルミナにも同一方法にて乾燥空
気を吹き込み、蓄熱物質の放熱試験と同様に温度差を求
め、このときの吸熱反応熱量を積算値から求めた。
【0060】実施例1〜21 下記の表1、2に示す本発明の蓄熱材料による実施例に
ついて、上記試験方法に基づく蓄熱材料の放熱量の測定
値を同表に示す。また、上記試験方法に基づく蓄熱材料
の蓄熱量の測定結果を下記の表3に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、脱水および水和により100℃〜350℃程度の高
温度領域での蓄熱および放熱に使用でき、かつ十分な蓄
熱量を有し、また比較的長時間の蓄熱が可能であって、
周辺材料の腐食性も殆どない優れた蓄熱材料と、これを
用いた蓄熱方法及び放熱方法を提供することができる。
従って、本発明は、冷暖房用、給湯用、調理用等の熱エ
ネルギー源として、または動力源としてのボイラー等、
廃熱回収、コジェネレーションシステムに用いられる蓄
熱材料および蓄熱・放熱方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱材料を使用して蓄放熱を行う一例
装置の模式図である。
【符号の説明】
1 ペレット状酸化アルミニウム 2 蓄熱槽 3 網状仕切り板 4 乾燥熱空気出入口 5 三方切替弁 6 乾燥熱空気導入路 7 乾燥熱空気導出路 8 水蒸気供給口 9 三方切替弁 10 水蒸気導入路 11 水蒸気導出路 12 水蒸気分配ノズル 13 ドレン口 14 ドレンコック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見掛け比重が0.5〜1.1kg/Lで
    ある酸化アルミニウムを含むことを特徴とする蓄熱材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蓄熱材料を脱水すること
    を特徴とする蓄熱方法。
  3. 【請求項3】 上記蓄熱材料の脱水を、酸化アルミニウ
    ムのBET比表面積が100〜350m2/gとなるよ
    うに行う請求項2記載の蓄熱方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の蓄熱方法により脱水され
    た蓄熱材料を80〜200℃に加熱し、0℃以上で該蓄
    熱材料温度より100℃低い温度を下限とし、該蓄熱材
    料温度より50℃高い温度を上限とする温度範囲の液体
    および/または気体の水分を、該蓄熱材料に接触させる
    ことを特徴とする放熱方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の蓄熱方法により脱水され
    た蓄熱材料を100〜200℃に加熱し、0〜100℃
    の温度範囲で、かつ該蓄熱材料との温度差が100℃以
    内である水滴を該蓄熱材料に接触させることを特徴とす
    る放熱方法。
  6. 【請求項6】 上記水滴の直径が5〜500μmである
    請求項5記載の放熱方法。
  7. 【請求項7】 実質的に脱水された蓄熱材料の酸化アル
    ミニウムが、BET比表面積100〜350m2/gの
    性状を有する請求項4〜6のうちいずれか一項記載の放
    熱方法。
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