JP2002161128A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形後や半田処理後の反りが小さく、半田処
理時の信頼性に優れ、更に難燃性に優れるため、臭素化
合物、アンチモン化合物を削減もしくは削除し、高温保
管特性を向上させた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
及びこれを用いた半導体装置を提供すること。 【解決手段】 (A)フェノールアラルキル型エポキシ
樹脂、(B)トリフェノールメタン型フェノール樹脂、
(C)硬化促進剤、及び(D)無機充填材を必須成分と
することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反りが小さく、耐
半田クラック性、難燃性に優れた半導体封止用エポキシ
樹脂組成物、及びこれを用いた半導体装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化、高性
能化の市場動向において、半導体の高集積化が年々進
み、又半導体装置の表面実装化が促進されるなかで、新
規にエリア実装型半導体装置が開発され、従来構造の半
導体装置から移行し始めている。エリア実装型半導体装
置としてはBGA(ボールグリッドアレイ)或いは、更
に小型化を追求したCSP(チップスケールパッケー
ジ)が代表的であるが、これらは従来QFP、SOPに
代表される表面実装型半導体装置では限界に近づいてい
る多ピン化・高速化・マルチチップ化への要求に対応す
るために開発されたものである。構造としては、BT樹
脂/銅箔回路基板(ビスマレイミド・トリアジン/ガラ
スクロス基板)に代表される硬質回路基板、或いはポリ
イミド樹脂フィルム/銅箔回路基板に代表されるフレキ
シブル回路基板の片面上に半導体素子を搭載し、その半
導体素子搭載面、即ち基板の片面のみがエポキシ樹脂組
成物等で成形・封止されている。又基板の半導体素子搭
載面の反対面には半田ボールを2次元的に並列して形成
し、半導体装置を実装する回路基板との接合を行う特徴
を有している。更に半導体素子を搭載する基板として
は、上記有機回路基板以外にもリードフレーム等の金属
基板を用いる構造も開発されている。
【0003】これらエリア実装型半導体装置の構造は基
板の半導体素子搭載面のみを樹脂組成物で封止し、半田
ボール形成面側は封止しないという片面封止の形態をと
っている。ごく希に、リードフレーム等の金属基板等で
は、半田ボール形成面でも数十μm程度の封止樹脂層が
存在することもあるが、半導体素子搭載面では数百μm
から数mm程度の封止樹脂層が形成されるため、実質的
に片面封止となっている。このため、有機基板や金属基
板と樹脂組成物の硬化物との間での線膨張・熱収縮の不
整合、或いは樹脂組成物の成形・硬化時の硬化収縮によ
る影響により、これらの半導体装置では成形直後から反
りが発生しやすい。又これらの半導体装置を実装する回
路基板上に半田接合を行う場合、200℃以上の加熱工
程を経るが、この際に半導体装置の反りが発生し、多数
の半田ボールが平坦とならず、半導体装置を実装する回
路基板から浮き上がってしまい、電気的接合信頼性が低
下する問題も起こる。
【0004】又赤外線リフロー、ベーパーフェイズソル
ダリング、半田浸漬等の手段での半田処理による半田接
合を行う場合、樹脂組成物の硬化物並びに有機基板から
の吸湿により半導体装置内部に存在する水分が高温で急
激に気化することによる応力で半導体装置にクラックが
発生したり、基板の素子搭載面と樹脂組成物の硬化物と
の界面で剥離が発生することもあり、硬化物の低応力化
・低吸湿化とともに、基板との密着性も求められる。更
に基板と硬化物の線膨張係数の不整合により、信頼性テ
ストの代表例である温度サイクル試験でも、基板/硬化
物界面の剥離や半導体装置のクラックが発生する。従来
のQFPやSOP等の表面実装型半導体装置では、半田
実装時のクラックや各素材界面での剥離の防止のため
に、ビフェニル型エポキシ樹脂に代表されるような結晶
性エポキシ樹脂と可撓性骨格を有するフェノール樹脂と
を組み合わせて用い、かつ無機充填材の配合量を増加す
ることにより、低Tg化かつ低吸湿化を行う対策がとら
れてきた。しかし、この手法では、片面封止型半導体装
置における反りの問題は解決できないのが現状であっ
た。
【0005】基板上の実質的に片面のみを樹脂組成物で
封止した半導体装置において、反りを低減するには、基
板の線膨張係数と樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を近
付けること、及び樹脂組成物の硬化収縮を小さくする二
つの方法が重要である。基板としては有機基板ではBT
樹脂やポリイミド樹脂のような高ガラス転移温度(以
下、Tgという)の樹脂が広く用いられており、これら
はエポキシ樹脂組成物の成形温度である170℃近辺よ
りも高いTgを有する。従って、成形温度から室温まで
の冷却過程では有機基板のα1 の領域のみで収縮する。
従って、樹脂組成物もTgが高く、かつα1 が回路基板
と同じであり、更に硬化収縮がゼロであれば反りはほぼ
ゼロであると考えられる。このため、多官能型エポキシ
樹脂と多官能型フェノール樹脂との組み合わせによりT
gを高くし、無機充填材の配合量でα1 を合わせる手法
が既に提案されている。
【0006】ところが、一分子中に3個以上のエポキシ
基を有する多官能型エポキシ樹脂と一分子中に3個以上
のフェノール性水酸基を有する多官能型フェノール樹脂
との組み合わせ系は吸水率が大きいこと、半田処理温度
でも高弾性を示し、発生応力が高いことなどから、半田
処理時のクラック発生や界面剥離の発生が解決されてい
ない。信頼性に優れる半導体装置を得るには、回路基板
や半導体素子と樹脂組成物の硬化物との密着性を高める
ことが必須の条件であった。
【0007】一方、半導体封止用エポキシ樹脂組成物に
は難燃剤成分として、臭素含有の化合物、及び三酸化ア
ンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のア
ンチモン化合物が配合されている。しかしながら、世界
的な環境保護の意識の高まりの中、臭素含有の有機化合
物や、アンチモン化合物を使用せずに難燃性を有するエ
ポキシ樹脂組成物の要求が大きくなってきている。更
に、半導体装置を150〜200℃での高温で長時間保
管すると、難燃剤である臭素化合物やアンチモン化合物
は、半導体素子の抵抗値の増加や、金線の断線を引き起
こすことが知られている。この観点からも、臭素化合物
やアンチモン化合物を使用しないで、高温保管特性に優
れるエポキシ樹脂組成物の開発が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形後や半
田処理後の反りが小さく、半田処理時の信頼性に優れ、
更に難燃性にも優れるため、臭素化合物、アンチモン化
合物を削減もしくは含まず、高温保管特性を向上させた
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた半
導体装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)一般式
(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)一般式(2)で
示されるフェノール樹脂、(C)硬化促進剤、及び
(D)無機充填材を必須成分とすることを特徴とする半
導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【化3】 (R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一
でも異なっていてもよい。aは0〜4の整数、bは0〜
3の整数。nは平均値で、1〜10の正数。)
【0010】
【化4】 (R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一
でも異なっていてもよい。cは0〜4の整数、dは0〜
3の整数。nは平均値で、1〜10の正数。)(2)
全エポキシ樹脂組成物中に含有される臭素原子及びアン
チモン原子が、それぞれ0.1重量%未満である第
(1)項記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(3)基板の片面に半導体素子が搭載され、この半導体
素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみが第
(1)項又は第(2)項のいずれかに記載のエポキシ樹
脂組成物によって封止されていることを特徴とするエリ
ア実装型半導体装置、である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂について述べる。汎用のオルソ
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂をエポキシ化する
前のベース樹脂は、メチレン結合を介してオルソクレゾ
ールが繰り返し構造に組み込まれているのに対し、本発
明で用いられる一般式(1)で示されるエポキシ樹脂
は、エポキシ化する前のベース樹脂がパラキシリレン類
結合を介してフェノール類が繰り返し構造に組み込まれ
ているため、このベース樹脂をエポキシ化したエポキシ
樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、耐熱性を低下させ
ることなく、エポキシ基の官能基密度が適当に緩和され
ることにより、耐半田クラック性及び熱時強度等が優れ
ているものと考えられる。更にフェノール類間がパラキ
シリレン類で結合されているため、主鎖中の芳香環の含
有率が一定で、かつフェノール樹脂との結合点濃度が小
さくなる。従って硬化物中の芳香環含有率が増加し、難
燃性に優れ、かつ耐湿性にも優れている。一般式(1)
で示されるエポキシ樹脂の内では、硬化性の点から、式
(3)で示される樹脂が好ましい。
【0012】
【化5】 (nは平均値で、1〜10の正数。)
【0013】一般式(1)で示される樹脂の特性を損な
わない範囲で他のエポキシ樹脂と併用することができ
る。併用する場合の一般式(1)のエポキシ樹脂の配合
量としては、全エポキシ樹脂中に20重量%以上が好ま
しく、更に望ましくは50重量%が好ましい。20重量
%未満だと難燃性及び熱時強度が低下するため好ましく
ない。併用するエポキシ樹脂としては、分子内にエポキ
シ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指
し、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型
エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらは限定
されるものではない。
【0014】一般式(2)で示されるフェノール樹脂
は、一分子中に3個以上の水酸基を有しており、これを
用いたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、汎用のフェノー
ルノボラック樹脂を用いた場合に比べ、架橋密度が高
く、高いTgとなる特徴があるため、硬化収縮量が少な
く、成形後の半導体装置の反り量が小さくなる。一般式
(2)で示されるフェノール樹脂の内では、硬化性の点
から、式(4)で示される樹脂が好ましい。
【0015】
【化6】 (nは平均値で、1〜10の正数。)
【0016】一般式(2)で示される樹脂の特性を損な
わない範囲で他のフェノール樹脂と併用することができ
る。併用する場合の一般式(2)のエポキシ樹脂の配合
量としては、全フェノール樹脂中に20重量%以上が好
ましく、更に望ましくは50重量%が好ましい。 20
重量%未満だと、Tgが低下するとともに架橋密度が高
くならず、硬化収縮量が増大し、成形後の半導体装置の
反り量が大きくなり、好ましくない。併用するフェノー
ル樹脂としては、分子内にフェノール性水酸基を有する
モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノー
ル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、等
が挙げられるが、これらは限定されるものではない。
【0017】本発明に用いられる硬化促進剤は、エポキ
シ樹脂と樹脂との架橋反応の触媒であり、具体例として
は、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7等のアミン系化合物、トリフェ
ニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラ
フェニルボレート塩等の有機リン系化合物、2−メチル
イミダゾール等のイミダゾール化合物等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらの硬化促
進剤は単独でも混合して用いてもよい。
【0018】本発明に用いられる無機充填材としては、
溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素等が挙げ
られ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これら
の内では、球形度の高い溶融シリカを全量、あるいは一
部破砕シリカを併用することが好ましい。無機充填材の
平均粒径としては5〜30μm、最大粒径としては15
0μm以下が好ましく、特に平均粒径5〜20μm、最
大粒径74μm以下が好ましい。又粒子の大きさの異な
るものを混合することにより充填量を多くすることがで
きる。無機充填材は、予めシランカップリング剤等で表
面処理されているものを用いてもよい。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分の他、必要に応じて臭素化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモン等の難燃剤を含有することは差し支えな
いが、半導体装置の150〜200℃の高温下での電気
特性の安定性が要求される用途では、臭素原子、アンチ
モン原子の含有量が、それぞれ全エポキシ樹脂組成物中
に0.1重量%未満であることが好ましく、全く含まれ
ない方がより好ましい。臭素原子、アンチモン原子のい
ずれかが0.1重量%以上だと、半導体装置を高温下に
放置したときに半導体装置の抵抗値が時間と共に増大
し、最終的には半導体素子の金線が断線する不良が発生
する可能性がある。又環境保護の点からも、臭素原子、
アンチモン原子のそれぞれの含有量が0.1重量%未満
で、極力含有されていないことが望ましい。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(D)成分を必須成分とするが、これ以外に必要に応じ
てシランカップリング剤、カーボンブラック等の着色
剤、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤、及びシリ
コーンオイル、ゴム等の低応力添加剤を始め、種々の添
加剤を適宜配合しても差し支えない。本発明のエポキシ
樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他の添加
剤等をミキサー等によって充分に均一に混合した後、更
に熱ロール又はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕し
て得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半
導体素子等の各種の電子部品を封止し、半導体装置を製
造するには、トランスファーモールド、コンプレッショ
ンモールド、インジェクションモールド等の従来からの
成形方法で硬化成形すればよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する。
配合割合は重量部とする。 実施例1 式(3)で示されるエポキシ樹脂(軟化点53℃、エポキシ当量239) 12.1重量部 式(4)で示されるフェノール樹脂(軟化点107℃、水酸基当量97) 4.9重量部 球状溶融シリカ 83.0重量部 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUという ) 0.2重量部 カーボンブラック 0.3重量部 カルナバワックス 0.5重量部 をミキサーを用いて混合した後、表面温度が90℃と4
5℃の2本ロールを用いて混練し、冷却後粉砕してエポ
キシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を
以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0022】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用いて、金型温度175℃、
射出圧力70Kg/cm2、硬化時間2分で測定した。 ガラス転移温度(Tg):樹脂組成物を175℃、射出
圧力70Kg/cm2、2分間トランスファー成形した
テストピースを、更に175℃、8時間で後硬化し、熱
機械分析装置[セイコー電子(株)製TMA−120、
昇温速度5℃/分]で測定した。 硬化収縮率:金型温度180℃、射出圧力75Kg/c
2、2分間でトランスファー成形したテストピース
を、更に175℃、8時間で後硬化した。180℃に加
熱された状態の金型のキャビティ寸法と、180℃に加
熱された成形品の寸法を、ノギスを用いて測定し、(成
形品寸法)/(金型キャビティ寸法)の比率で硬化収縮
率を表した。単位は%。 熱時強度:240℃での曲げ強度をJIS K 691
1に準じて測定した。単位はN/mm2 。 パッケージ反り量:225ピンBGAパッケージ(基板
は0.36mm厚BT樹脂基板、パッケージサイズは2
4×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップはサ
イズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路基板
のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンディ
ングしている)を180℃の金型温度、射出圧力75k
g/cm2 で2分間トランスファー成形を行い、更に1
75℃で8時間、後硬化した。室温に冷却後パッケージ
のゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方
向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とし
た。 難燃性:試験片(厚さ1/16インチ)を、金型温度1
75℃、射出圧力70Kg/cm2、硬化時間2分でト
ランスファー成形し、UL−94垂直試験を行い、Σ
F、Fmaxを求めた。 耐半田クラック性:パッケージ反り量測定に用いた成形
品パッケージを85℃、相対湿度60%の環境下で16
8時間放置し、その後240℃の半田槽に10秒間浸漬
した。顕微鏡でパッケージを観察し、外部クラックを
[(クラック発生パッケージ数)/(全パッケージ数)
×100]%で表示した。又チップと樹脂組成物の硬化
物との剥離面積の割合を超音波探傷装置を用いて測定
し、剥離率を[(剥離面積)/(チップ面積)×10
0]%で表示した。 高温保管特性:模擬素子を25μm径の金線で配線した
16ピンSOPを、金型温度175℃、射出圧力70K
g/cm2、硬化時間2分でトランスファー成形し、1
75℃、8時間で後硬化した。185℃の恒温槽で処理
し、一定時間毎にピン間の抵抗値を測定した。初期の抵
抗値から10%以上抵抗値が増大したパッケージ数が、
15個中8個以上になった恒温槽処理時間を高温保管特
性として表示した。この時間が長いと、高温安定性に優
れていることを示す。単位は時間。 臭素原子、アンチモン原子の含有量:直径40mm、厚
さ5〜7mmの成形品を金型温度175℃、射出圧力7
0Kg/cm2、硬化時間2分でトランスファー成形
し、蛍光X線分析装置を用いて、全エポキシ樹脂組成物
中の臭素原子、アンチモン原子の含有量を定量した。単
位は重量%。
【0023】実施例2〜6、比較例1〜3 表1、の配合に従って、実施例1と同様にエポキシ樹脂
組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1に示す。 なお、実施例、及び比較例で用いた材料を以下に示す。 オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点5
5℃、エポキシ当200) ビフェニル型エポキシ樹脂(融点105℃、エポキシ当
量195:油化シェルエポキシ(株)・製、YX400
0) 式(5)で示されるエポキシ樹脂(軟化点60℃、エポ
キシ当量170)
【化7】
【0024】フェノールノボラック樹脂(軟化点80
℃、水酸基当量104) 式(6)で示されるフェノール樹脂(軟化点120℃、
水酸基当量173)
【化8】
【0025】式(7)で示されるフェノール樹脂(軟化
点71℃、水酸基当量170)
【化9】 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点8
4℃、エポキシ当量285、臭素原子含有率35重量
%:日本化薬(株)・製、BREN−S)
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、成形後や半田処理後の反りが小さく、流動性、硬
化性等の成形性、及び半導体素子、リードフレーム等の
各種部材との接着性に優れ、硬化物の高温時における高
強度と低吸湿性により、これを用いた半導体装置は基板
実装時における耐半田クラック性に優れ、更に臭素化合
物、アンチモン化合物を配合しなくても難燃性に優れる
ため、高温保管特性に優れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1)で示されるエポキシ
    樹脂、(B)一般式(2)で示されるフェノール樹脂、
    (C)硬化促進剤、及び(D)無機充填材を必須成分と
    することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。 【化1】 (R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一
    でも異なっていてもよい。aは0〜4の整数、bは0〜
    3の整数。nは平均値で、1〜10の正数。) 【化2】 (R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、互いに同一
    でも異なっていてもよい。cは0〜4の整数、dは0〜
    3の整数。nは平均値で、1〜10の正数。)
  2. 【請求項2】 全エポキシ樹脂組成物中に含有される臭
    素原子及びアンチモン原子が、それぞれ0.1重量%未
    満である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 基板の片面に半導体素子が搭載され、こ
    の半導体素子が搭載された基板面側の実質的に片面のみ
    が請求項1又は2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成
    物によって封止されていることを特徴とするエリア実装
    型半導体装置。
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