JP2002156723A - 感度が向上したフォトサーモグラフィ材料 - Google Patents

感度が向上したフォトサーモグラフィ材料

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JP2002156723A
JP2002156723A JP2001271794A JP2001271794A JP2002156723A JP 2002156723 A JP2002156723 A JP 2002156723A JP 2001271794 A JP2001271794 A JP 2001271794A JP 2001271794 A JP2001271794 A JP 2001271794A JP 2002156723 A JP2002156723 A JP 2002156723A
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silver salt
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salt
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JP2001271794A
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English (en)
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Herman Uytterhoeven
ヘルマン・ウイツターホーベン
Johan Loccufier
ヨハン・ロキユフイエ
Yvan Gilliams
イバン・ギリアムス
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Agfa Gevaert NV
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水性媒体からコーティングされるフォトサー
モグラフィ記録材料の感光度を向上させる手段、記録材
料、それにおいて用いるための水性分散液及びその調製
法を提供すること。 【解決手段】 水性媒体中の感光性ハロゲン化銀及び結
合剤又は界面活性剤の分散液を調製し;続いて(a)第
1の銀塩をハロゲン化銀分散液に加え、次いで第2の銀
塩を加えるか;あるいは(b)第2の銀塩をハロゲン化
銀分散液に加え、次いで第1の銀塩を加えることを含
み、ここで水性分散液は12個より多い炭素原子を有す
る脂肪族カルボン酸の水溶性金属もしくはアンモニウム
塩を実質的に含まず、第1の銀塩は有機カルボン酸の実
質的に非−感光性且つ実質的に水−不溶性の銀塩であ
り、第2の銀塩は20℃において1Lの水中で0.1g
より大きい水−溶解度を有する、水性分散液の調製法;
水性分散液;製造されるフォトサーモグラフィ記録材
料;製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は実質的に非−感光性の有機銀塩
及び感光性ハロゲン化銀の水性分散液及びそれから製造
されるフォトサーモグラフィ記録材料に関する。
【0002】
【発明の背景】EP−A 754 969は、有機カル
ボン酸もしくはその塩の水溶液もしくは水性懸濁液;及
び銀塩の水溶液を水性液に同時に計量添加することを含
む実質的に非−感光性の有機カルボン酸の銀塩を含有す
る粒子の懸濁液の調製法を開示しており、この方法にお
いては有機カルボン酸もしくはその塩の水溶液もしくは
水性懸濁液;及び/又は銀塩の水溶液の計量添加が水性
液中の銀イオンの濃度又は銀塩のアニオンの濃度により
調節される。この方法の好ましい態様では、粒子の水性
懸濁液の調製の完了後、過剰の溶解した銀イオンは少な
くとも1種の銀塩に転換され、実質的に非−感光性の有
機カルボン酸の銀塩の粒子はハロゲン化銀粒子の存在下
で製造される。
【0003】EP−A 851 285は:(i)20
℃において1Lの水中における15g〜0.01gの溶
解度を有する塩Bを含む粒子を含有する水性分散液II
を調製し;(ii)水性分散液IIの粒子中の塩Bを有
機重金属塩Aに転換する段階を含み、有機重金属塩A及
び塩Bが共通のカチオンを有することを特徴とする、2
0℃における1Lの水中での10-2g未満の溶解度を有
する実質的に非−感光性の有機重金属塩Aを含む粒子を
含有する水性分散液Iの調製法を開示している。
【0004】コーティングpAgの低下(=UAgの上
昇)が通常のハロゲン化銀乳剤材料において乳剤感度を
向上させること、及びこの効果が可逆的である、すなわ
ちコーティングpAgの上昇(=UAgの低下)が通常
のハロゲン化銀乳剤材料において感度を低下させること
は既知である[例えばThe Theory ofth
e Photographic Process Fo
urth Edition,Ed.T.H.Jame
s,Eastman Kodak(1977),pag
es 157−158を参照されたい]。感光性ハロゲ
ン化銀の分散液に、コーティングの前に可溶性銀塩を加
えると、高いカブリレベルを有する写真材料を生ずる。
【0005】水性媒体からコーティングされる光−アド
レス可能な(photo−addresseable)
熱現像可能要素を有するフォトサーモグラフィ記録材料
の現像における主な問題は、溶媒媒体からコーティング
される光−アドレス可能な熱現像可能要素を有するフォ
トサーモグラフィ記録材料より低いそれらの感光度であ
る。従って水性媒体からコーティングされる光−アドレ
ス可能な熱現像可能要素の感光度を増強し、水性媒体か
らのコーティングの環境的且つ経済的利益が実現され得
るようにするための手段が必要である。
【0006】
【発明の側面】従って、本発明の1つの側面は、水性媒
体からコーティングされるフォトサーモグラフィ記録材
料の感光度を向上させる手段を提供することである。
【0007】従って、本発明のさらに別の側面は、その
光−アドレス可能な熱現像可能要素が水性媒体からコー
ティングされる、感光度が向上したフォトサーモグラフ
ィ記録材料を提供することである。
【0008】従って、本発明のさらに別の側面は、その
光−アドレス可能な熱現像可能要素が水性媒体からコー
ティングされる、感光度が向上したフォトサーモグラフ
ィ記録材料の提供において用いるための水性分散液を提
供することである。
【0009】従って、本発明のさらにもっと別の側面
は、感光度が向上したフォトサーモグラフィ記録材料の
提供において用いるための水性分散液の調製法を提供す
ることである。
【0010】本発明のさらに別の側面及び利点は、下記
の記述から明らかになるであろう。
【0011】
【発明の概略】通常の写真乳剤では、コーティングの前
に可溶性銀塩を感光性ハロゲン化銀の分散液に加える
と、非常に高いカブリレベルを有する写真材料を生ずる
が、驚くべきことに、水のL当たり0.1gより高い水
−溶解度を有する銀塩を、実質的に非−感光性且つ実質
的に水−不溶性の有機銀塩、感光性ハロゲン化銀及び結
合剤の水性分散液に加えると、有機銀塩のための還元剤
及び支持体上に水性分散液をコーティングすることによ
り形成される層を含有する光−アドレス可能な熱現像可
能要素の感光度を向上させ、それを用いて作成されるプ
リントの背景濃度を増加させないことが見いだされた。
【0012】上記の側面は、以下の順序で:(i)水性
媒体中の感光性ハロゲン化銀及び結合剤又は界面活性剤
の分散液を調製し;(ii)段階(i)で調製された分
散液に第1の銀塩を加え;(iii)段階(ii)で調
製された分散液に第2の銀塩を加える段階を含み、ここ
で水性分散液は12個より多い炭素原子を有する脂肪族
カルボン酸の水溶性金属もしくはアンモニウム塩を実質
的に含まず、第1の銀塩は有機カルボン酸の実質的に非
−感光性且つ実質的に水−不溶性の銀塩であり、第2の
銀塩は20℃において1Lの水中で0.1gより大きい
水−溶解度を有する水性分散液の調製法により実現され
る。
【0013】上記の側面はさらに、以下の順序で:
(i)水性媒体中の感光性ハロゲン化銀及び結合剤又は
界面活性剤の分散液を調製し;(ii)段階(i)で調
製された分散液に第2の銀塩を加え;(iii)段階
(ii)で調製された分散液に第1の銀塩を加える段階
を含み、ここで水性分散液は12個より多い炭素原子を
有する脂肪族カルボン酸の水溶性金属もしくはアンモニ
ウム塩を実質的に含まず、第1の銀塩は有機カルボン酸
の実質的に非−感光性且つ実質的に水−不溶性の銀塩で
あり、第2の銀塩は20℃において1Lの水中で0.1
gより大きい水−溶解度を有する水性分散液の調製法に
より実現される。
【0014】上記の側面は、上記の方法のいずれかを用
いて得ることができる水性分散液によっても実現され
る。
【0015】上記の側面は、実質的に無水条件下で熱現
像可能なフォトサーモグラフィ記録材料の感度を向上さ
せるための、20℃において水のL当たり0.1gより
大きい水−溶解度を有する第2の銀塩の使用であって、
フォトサーモグラフィ記録材料は光−アドレス可能な熱
現像可能要素を有し、光−アドレス可能な熱現像可能要
素は第1の銀塩、それと熱的作用関係にあるそれのため
の還元剤及び結合剤を含有し、ここで水性分散液は12
個より多い炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の水溶性
金属もしくはアンモニウム塩を実質的に含まず、第1の
銀塩は有機カルボン酸の実質的に非−感光性且つ実質的
に水−不溶性の銀塩である使用によっても実現される。
【0016】上記の側面は、支持体及び光−アドレス可
能な熱現像可能要素を含み、光−アドレス可能な熱現像
可能要素が2つの要件:(i)光−アドレス可能な熱現
像可能要素は上記で定義した第1の銀塩、それと熱的作
用関係にあるそれのための還元剤、感光性ハロゲン化銀
及び結合剤を含有する;ならびに(ii)光−アドレス
可能な熱現像可能要素は上記の水性分散液を支持体上に
コーティングすることにより得られうる層を含むを満た
す、実質的に無水条件下で熱現像可能なフォトサーモグ
ラフィ記録材料によっても実現される。
【0017】上記の側面は、(i)上記の水性分散液を
支持体上にコーティングし;(ii)段階(i)で形成
された層を乾燥する段階を含む、支持体及び光−アドレ
ス可能な熱現像可能要素を含み、光−アドレス可能な熱
現像可能要素が感光性ハロゲン化銀、第1の銀塩、それ
と熱的作用関係にあるそれのための還元剤及び結合剤を
含有する、実質的に無水条件下で熱現像可能なフォトサ
ーモグラフィ記録材料の製造法によっても実現される。
【0018】本発明のさらに別の好ましい態様を従属ク
レイムにて開示する。
【0019】
【発明の詳細な記述】定義本発明の目的のための水性と
いう用語は、少なくとも60容積%の水、好ましくは少
なくとも80容積%の水を含有し、且つ場合により水−
混和性有機溶媒、例えばアルコール類、例えばメタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、イソ
−アミルアルコール、オクタノール、セチルアルコール
など;グリコール類、例えばエチレングリコール;グリ
セリン;N−メチルピロリジノン;メトキシプロパノー
ル;ならびにケトン類、例えば2−プロパノン及び2−
ブタノンなどを含有することができることを意味する。
【0020】12個より多い炭素原子を有する脂肪族カ
ルボン酸の水溶性金属もしくはアンモニウム塩を実質的
に含まないは、12個より多い炭素原子を有する脂肪族
カルボン酸の水溶性金属もしくはアンモニウム塩がこと
さらに存在せず、もし存在するとしても微量で存在する
のみであることを意味する。
【0021】水溶性塩という用語は、20℃において少
なくとも2mg/Lの水中における溶解度を有する塩を
意味する。12個より多い炭素原子を有する脂肪族カル
ボン酸の金属もしくはアンモニウム塩という用語は、ベ
ヘン酸及びステアリン酸のような脂肪族カルボン酸のリ
チウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム
及びアンモニウム塩、ならびにそれらの混合物を含む。
【0022】実質的に非−感光性は、ことさらに感光性
ではなく、露出された時の暗色化に抵抗性であることを
意味する。
【0023】実質的に水−不溶性は、20℃における2
mg/L未満の水中における溶解度を意味する。
【0024】Sは、フォトサーモグラフィ記録材料がD
minより1.0高い光学濃度に達するmJ/m2にお
ける露出として定義される。かくしてSの値が低い程、
フォトサーモグラフィ記録材料の感光度が高い。
【0025】水性液のUAgは、本明細書において、水
性液中の銀電極(純度が99.99%の)と、10%K
NO3塩溶液から成る塩橋を介して液と連結された3M
KCl溶液中のAg/AgCl−電極から成る参照電
極との間の室温における電位差として定義される。
【0026】本明細書における「ヒートソルベント」と
いう用語により、50℃未満の温度において記録層中で
固体状態にあるが、60℃より高い温度において、加熱
された領域における記録層のための可塑剤及び/又はレ
ドックス−反応物の少なくとも1つ、例えば第1の銀塩
のための還元剤のための液体溶媒となる非−加水分解可
能有機材料を意味する。
【0027】本明細書で用いられる場合、実質的に無水
条件下において熱的に現像可能により、反応系が空気中
の水と大体平衡にあり、反応を誘導するかもしくは促進
するための水が特にもしくは積極的にサーモグラフィ記
録材料の外部から供給されない条件下での、80℃〜2
50℃の温度における加熱を意味する。そのような条件
はT.H.James,“The Theory of
the Photographic Proces
s,Fourth Edition,Macmilla
n 1977”,page 374に記載されている。
【0028】第1の銀塩第1の銀塩は、その有機基とし
て:アリール、アラルキル、アルカリール又はアルキル
を有する実質的に非−感光性且つ実質的に水−不溶性の
有機カルボン酸の銀塩である。脂肪族炭素鎖が好ましく
は少なくとも12個のC−原子を有する脂肪酸として既
知の脂肪族カルボン酸、例えばラウリン酸銀、パルミチ
ン酸銀、ステアリン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、
オレイン酸銀、ベヘン酸銀及びアラキドン酸銀は好まし
く、その銀塩は「銀せっけん」とも呼ばれる。GB
1,439,478に記載されているような他の有機カ
ルボン酸の銀塩、例えば安息香酸銀、ならびにRese
arch Disclosure 17029に記載さ
れているが、Research Disclosure
12542及びUS3,785,830に開示されて
いるような複素環式チオン基で置換されている有機カル
ボン酸の銀塩を除く有機カルボン酸の銀塩も熱現像可能
な銀画像の形成に用いることができる。第1の銀塩の組
合わせも本発明で用いられ得る。第1の銀塩又はそれら
の混合物の水性分散液は、US 5,891,616及
びEP−A 848286及びUS 3,839,04
9に記載されている通りに調製することができる。
【0029】第2の銀塩本発明の水性分散液中の第2の
銀塩は20℃において0.1g/Lより高い水中におけ
る溶解度を有し、1g/Lより高いのが好ましい。
【0030】本発明の水性分散液中の適した第2の銀塩
には硝酸銀、酢酸銀、プロピオン酸銀、酪酸銀、イソ酪
酸銀、酒石酸銀、サリチル酸銀、マロン酸銀、コハク酸
銀、乳酸銀及びシュウ酸銀が含まれる。これらの塩のい
くつかの溶解度を下記に示す:
【0031】
【表1】
【0032】#で印をつけた銀塩はそれ自身が感光性で
あるが、そのような塩が用いられる場合、第2の銀塩を
加えた時に画像背景のレベルにおける悪化は観察されな
かった。
【0033】ハロゲン化銀の分散液への可溶性銀塩の添
加がUAgにおける上昇(=pAgにおける低下=遊離
の銀イオン濃度における上昇)を生じ、それが存在する
銀塩の部分的還元を生じ得、それにより金属銀核を与え
ることは、ハロゲン化銀写真において既知である。その
ような金属銀核はハロゲン化銀写真材料においてカブリ
のレベルを向上させる。類似の効果が本発明から生ずる
感度の向上のための基礎であることは可能である。
【0034】感光性ハロゲン化銀本発明で用いられる感
光性ハロゲン化銀は、実質的に非−感光性の有機銀塩の
0.1〜100モルパーセント;好ましくは0.2〜8
0モルパーセント;特に好ましくは0.3〜50モルパ
ーセント;特別に好ましくは0.5〜35モル%;そし
て特別には1〜12モル%の範囲内で用いられ得る。
【0035】ハロゲン化銀は臭化銀、ヨウ化銀、塩化
銀、臭化ヨウ化銀、塩化臭化ヨウ化銀、塩化臭化銀など
のようないずれの感光性ハロゲン化銀であることもでき
る。ハロゲン化銀は、立方、斜方、板状、四面体、八方
などを含むがそれらに限られない感光性であるいずれの
形態にあることもでき、その上への結晶のエピタキシャ
ル成長を有することができる。
【0036】本発明で用いられるハロゲン化銀は、改質
なしで用いられ得る。しかしながら、硫黄、セレン、テ
ルルなどを含有する化合物又は金、白金、パラジウム、
鉄、ルテニウム、ロジウム又はイリジウムなどを含有す
る化合物、あるいはそれらの組合わせのような化学増感
剤を用いてそれを化学的に増感することができる。これ
らの方法の詳細はT.H.James,“The Th
eory of the Photographic
Process”,Fourth Edition,M
acmilla Publishing Co.In
c.,New York(1977),Chapter
5,pages 149 to 169に記載されて
いる。
【0037】ハロゲン化銀粒子の粒度は、ハロゲン化銀
粒子を含有する試料においてMoeller Tell
er法により決定することができ、試料を濾紙上に沈降
させ、それを負の白金の針−形電極及び参照電極と一緒
に電解質中に沈める。濾紙上のハロゲン化銀粒子を針−
形電極で個々にゆっくり走査し、そうするとハロゲン化
銀粒子は陰極において個々に電気化学的に還元される。
この電気化学的還元は電流パルスを伴い、それを時間の
関数として記録し、積算してハロゲン化銀粒子の電気化
学的還元に関する電荷移動Qを得、それはその体積に比
例する。それらの体積から、各粒子の同等円の粒径を決
定することができ、それらから平均粒子寸法及び寸法分
布を決定することができる。
【0038】水性分散液の調製法水性媒体中の感光性ハ
ロゲン化銀及び結合剤又は界面活性剤の分散液を調製
し;続いて(a)第1の銀塩をハロゲン化銀分散液に加
え、次いで第2の銀塩を加えるか;あるいは(b)第2
の銀塩をハロゲン化銀分散液に加え、次いで第1の銀塩
を加えることを含み、ここで水性分散液は12個より多
い炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の水溶性金属もし
くはアンモニウム塩を実質的に含まず、第1の銀塩は実
質的に非−感光性且つ実質的に水−不溶性の有機カルボ
ン酸の銀塩であり、第2の銀塩は20℃において1Lの
水中で0.1gより大きい水−溶解度を有する、水性分
散液の調製法が本発明により提供される。
【0039】選択肢(a)が組み入れられた本発明の方
法において、ベヘン酸銀はハロゲン化銀の存在下で製造
されないのが好ましい。
【0040】12個より多い炭素原子を有する脂肪族カ
ルボン酸の金属もしくはアンモニウム塩が水性分散液に
おいて不在であることからわかる通り、そのような方法
は第1の銀塩の合成法を除外する。
【0041】感光性ハロゲン化銀の分散に用いられる結
合剤は水−分散性もしくは水溶性結合剤であることがで
きる。適した水溶性結合剤は:ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドン、タンパク質性結合剤、例えばゼ
ラチン、改質ゼラチン、例えばフタロイルゼラチン、多
糖類、例えばデンプン、アラビアゴム及びデキストラン
ならびに水溶性セルロース誘導体である。
【0042】感光性ハロゲン化銀の分散に用いられる界
面活性剤は好ましくはアニオン性もしくは非−イオン性
界面活性剤であり、アニオン性スルホネート界面活性剤
が特に好ましい。
【0043】本発明に従う選択肢(b)が組み入れられ
た水性分散液の調製法の好ましい態様の場合、段階
(i)と段階(ii)の間にUAgの上昇があり、UA
gは水性液中の銀電極(純度が99.99%の)と、1
0%KNO3塩溶液から成る塩橋を介して液と連結され
た3M KCl溶液中のAg/AgCl−電極から成る
参照電極との間の室温における電位差である。第2の銀
塩の添加の故のUAg上昇は好ましくは少なくとも50
mVであり、少なくとも100mVが特に好ましい。
【0044】本発明に従う選択肢(b)が組み入れられ
た水性分散液の調製法のさらに別の好ましい態様の場
合、段階(ii)と段階(iii)の間にUAgの低下
があり、UAgは水性液中の銀電極(純度が99.99
%の)と、10%KNO3塩溶液から成る塩橋を介して
液と連結された3M KCl溶液中のAg/AgCl−
電極から成る参照電極との間の室温における電位差であ
る。
【0045】本発明に従う水性分散液の調製法のさらに
もっと別の好ましい態様の場合、水性分散液のpHが
9.0の値を越えないようにアンモニア水が加えられ
る。それより高いpH−値では水酸化銀及び酸化銀が生
成し、それは画像背景(Dmin)のレベルを向上させ
る。
【0046】本発明に従う水性乳剤の調製法に従うと、
第2の銀塩を水溶液として、少量の水−混和性有機溶媒
中に溶解して又は水中のスラリとして加えることができ
るが、後者の場合には第2の銀塩の粒子が水性乳剤の調
製の間に溶解しなければならない。
【0047】感光度の向上は水性媒体中における第2の
銀塩のイオン解離に依存するので、第2の銀塩の水−溶
解度は主に水性分散液の調製時間に影響する。従って第
2の銀塩の水−溶解度は20℃において1Lの水中で
0.1gより高い。
【0048】結合剤又は界面活性剤は、実質的に非−感
光性且つ水に不溶性の有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀
を懸濁液中に保つために必要である。
【0049】本発明に従う水性分散液の調製法の好まし
い態様の場合、第2の銀塩は硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀及
び硫酸銀より成る群から選ばれる。
【0050】水性分散液本発明は上記の水性分散液の調
製法により得ることができる水性分散液を提供する。
【0051】本発明に従う水性分散液の好ましい態様の
場合、加えられる第2の銀塩の量は感光性ハロゲン化銀
の量に関して少なくとも1モル%、そして好ましくは感
光性ハロゲン化銀の量に関して少なくとも15モル%で
ある。第2の銀塩の量は好ましくは感光性ハロゲン化銀
の量に関して80モル%未満でもある。感光性ハロゲン
化銀の粒子寸法は好ましくは70〜100nmである。
【0052】本発明に従う水性分散液のさらにもっと別
の好ましい態様の場合、水性分散液はさらに第1の銀塩
のための還元剤を含有する。
【0053】有機還元剤第1の銀塩粒子の還元に適した
有機還元剤は:芳香族ジ−及びトリ−ヒドロキシ化合
物;アミノフェノール;METOLTM;p−フェニレン
−ジアミン;アルコキシナフトール類、例えばUS−P
3,094,41に記載されている4−メトキシ−1
−ナフトール;ピラゾリジン−3−オン型還元剤、例え
ばPHENIDONETM;ピラゾリン−5−オン;イン
ダン−1,3−ジオン誘導体;ヒドロキシテトロン酸;
ヒドロキシテトロンイミド;例えばUS−P 4,08
2,901に記載されているようなヒドロキシルアミン
誘導体;ヒドラジン誘導体;ならびにレダクトン類、例
えばアスコルビン酸の場合にそうであるようにO、N又
はCに結合した少なくとも1つの活性水素原子を含有す
る有機化合物であり;US−P 3,074,809、
3,080,254、3,094,417及び3,88
7,378も参照されたい。特に適した還元剤は立体障
害のあるフェノール類、ビスフェノール類、スルホンア
ミドフェノール類及びWO97/04357に記載され
ているものである。
【0054】加熱すると実質的に非−感光性の有機カル
ボン酸の銀塩の還元における反応性パートナーになる還
元剤の組み合わせを用いることもできる。例えば、US
−P5,464,738に開示されているような立体障
害のあるフェノール類とスルホニルヒドラジド還元剤の
組合わせ;US−P 5,496,695に開示されて
いるようなトリチルヒドラジドとホルミル−フェニル−
ヒドラジドの組合わせ;US−P 5,545,50
5、US−P 5.545.507及びUS−P 5,
558,983に開示されているようなトリチルヒドラ
ジド及びホルミル−フェニル−ヒドラジドと多様な補助
還元剤の組合わせ;US−P 5,545,515及び
US−P 5,635,339に開示されているような
アクリロニトリル化合物の組合わせ;ならびにUS−P
5,654,130に開示されているような2−置換
マロノジアルデヒド化合物の組合わせ。
【0055】光−アドレス可能な熱現像可能要素本発明
に従うと、本発明の実質的無水条件下で熱的に現像可能
なフォトサーモグラフィ記録材料は、支持体及び光−ア
ドレス可能熱現像可能要素を含み、それは2つの要件:
(i)それが第1の銀塩、それと熱的作用関係にあるそ
れのための還元剤、感光性ハロゲン化銀及び結合剤を含
有すること;ならびに(ii)それが本発明に従う水性
分散液のコーティングにより得られうる層を含むこと、
を満たす。
【0056】これらの2つの要件は、水性分散液が結合
剤もしくは界面活性剤、第1の銀塩、感光性ハロゲン化
銀、第2の銀塩を含有し、場合により第1の銀塩のため
の還元剤、分光増感剤、超色増感剤、1種もしくはそれ
より多い安定剤及び結合剤を含有していることができる
点で重複するであろう。
【0057】光−アドレス可能な熱現像可能要素は、す
なわち本発明に従う水性分散液を用いて形成される単一
の層を含むことができ、あるいは1つより多い層を含
み、その1つが水性分散液を用いて形成され、他の層が
画像形成のために必要な他の成分、例えば第1の銀塩の
ための還元剤、結合剤、調色剤及び1種もしくはそれよ
り多い安定剤を含有していることができる。この層シス
テムにおいて、感光性ハロゲン化銀は実質的に非−感光
性の有機カルボン酸の銀塩と触媒的に関連していなけれ
ばならず、分光増感剤は場合により調色増感剤と一緒に
なって、ハロゲン化銀粒子と緊密な増感的関連になけれ
ばならず、熱現像プロセス又は要素の現像−前もしくは
−後安定化において活性な他の成分は同じ層もしくは他
の層中にあるべきであり、但し、有機還元剤及び、もし
存在するなら調色剤は実質的に非−感光性の有機カルボ
ン酸の銀塩と熱的作用関係になければならず、すなわち
熱現像プロセスの間、還元剤及び、もし存在するなら調
色剤が実質的に非−感光性の有機カルボン酸の銀塩に拡
散することができる。光−アドレス可能な熱現像可能要
素に保護層をコーティングすることもできる。
【0058】光−アドレス可能な熱現像可能要素のため
の結合剤本発明の水性分散液及び光−アドレス可能な熱
現像可能要素で用いるためのフィルム−形成性結合剤は
水−分散性もしくは水溶性結合剤であることができる。
【0059】適した水溶性フィルム−形成性結合剤は:
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタ
クリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポ
リエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、タンパ
ク質性結合剤、例えばゼラチン、改質ゼラチン、例えば
フタロイルゼラチン、多糖類、例えば澱粉、アラビアゴ
ム及びデキストランならびに水溶性セルロース誘導体で
ある。
【0060】適した水−分散性結合剤はいずれかの水−
不溶性ポリマー、例えば水−不溶性セルロース誘導体、
ポリウレタン類、ポリエステル類 ポリカーボネート類
及びα,β−エチレン性不飽和化合物から誘導されるポ
リマー、例えば後−塩素化ポリ塩化ビニル、部分的に加
水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、
好ましくはポリビニルブチラールならびに:塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メタクリレート、アクリレー
ト、メタクリル酸、アクリル酸、ビニルエステル類、ス
チレン類、ジエン類及びアルケン類より成る群から選ば
れるモノマーを用いて製造されるホモポリマー及びコポ
リマー;あるいはそれらの混合物である。
【0061】好ましい水−分散性結合剤は、スルホネー
ト、スルフィネート、カルボキシレート、ホスフェー
ト、第4級アンモニウム、第3級スルホニウム及び第4
級ホスホニウム基から成る群より選ばれる共有結合した
イオン性基を有する水−分散性フィルム−形成性ポリマ
ーである。さらに別の好ましい水−分散性結合剤は、1
つもしくはそれより多い酸基と共有結合した部分を持つ
水−分散性フィルム−形成性ポリマーである。
【0062】非常に小さいポリマー粒子の場合にはポリ
マー分散液とポリマー溶液の間に明確な切り離された転
移はないことに注意しなければならない。
【0063】架橋可能な基、例えばエポキシ基、アセト
−アセトキシ基及び架橋可能な二重結合を有する水−分
散性結合剤も好ましい。本発明の光−アドレス可能な熱
現像可能要素で用いるための好ましい水−分散性結合剤
は、WO 97/04355に開示されているようなポ
リマーラテックスである。
【0064】上記の結合剤又はそれらの混合物をワック
ス類、又は「サーマルソルベント」もしくは「サーモソ
ルベント」とも呼ばれ、高められた温度におけるレドッ
クス−反応の反応速度を増す「ヒートソルベント」と一
緒に用いることができる。
【0065】分光増感剤本発明に従う水性分散液又はフ
ォトサーモグラフィ記録材料の光−アドレス可能な熱現
像可能要素は、光源の波長に適したハロゲン化銀のため
の分光増感剤を場合により超色増感剤と一緒に含有する
ことができ、その波長はスペクトルの近UV部分、可視
部分、例えば630nm、670nmなど、又はIR部
分内にあることができる。ハロゲン化銀は場合により、
特に赤外線への増感の場合には、いわゆる超色増感剤の
存在下に、シアニン、メロシアニン、スチリル、ヘミシ
アニン、オキソノール、ヘミオキソノール及びキサンテ
ン色素を含む種々の既知の色素を用いて分光的に増感さ
れ得る。有用なシアニン色素には塩基性核、例えばチア
ゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、
オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイ
ミダゾール核を有するものが含まれる。好ましい有用な
メロシアニン色素には上記の塩基性核のみでなく、酸
核、例えばチオヒダントイン核、ローダニン核、オキサ
ゾリジンジオン核、チアゾリジンジオン核、バルビツル
酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾロ
ン核も有するものが含まれる。上記のシアニン及びメロ
シアニン色素の中で、イミノ基もしくはカルボキシル基
を有するものが特に有効である。
【0066】超色増感剤本発明に従うと、水性分散液又
は光−アドレス可能な熱現像可能要素はさらに超色増感
剤を含むことができる。好ましい超色増感剤は:メルカ
プト−化合物、ジスルフィド−化合物、スチルベン化合
物、オルガノボレート化合物及びスチリル化合物より成
る化合物の群から選ばれる。
【0067】調色剤比較的高い濃度において中性のブラ
ック画像色調、そして比較的低い濃度において中性のグ
レーを得るために、本発明に従う水性分散液又は光−ア
ドレス可能な熱現像可能要素は1種もしくはそれより多
い調色剤を含有することができる。調色剤は熱処理の
間、第1の銀塩及びそれらのための還元剤と熱的作用関
係になければならない。
【0068】安定剤及びカブリ防止剤保存寿命を増し、
カブリを減少させるために、本発明の光−アドレス可能
な熱現像可能要素又は水性分散液中に安定剤及びカブリ
防止剤、例えばフェニルトリブロモメチルスルホン、4
−メチルフタル酸及び2−メルカプト−4−ヘプチル−
オキサジアゾールを導入することができる。
【0069】支持体本発明に従うフォトサーモグラフィ
記録材料のための支持体は透明、半透明もしくは不透明
であることができ、好ましくは例えば紙、ポリエチレン
コート紙又は透明樹脂フィルムから作られる、例えばセ
ルロースエステル、例えば三酢酸セルロース、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネートあるいはポリエステル、例え
ばポリエチレンテレフタレートから作られる薄い柔軟性
担体である。支持体はシート、リボン又はウェブの形態
にあることができる。支持体に下塗層を下塗りすること
ができる。それは不透明化樹脂組成物から作られている
こともできる。
【0070】ハレーション防止色素本発明で用いられる
フォトサーモグラフィ記録材料は、感光性熱現像可能写
真材料を通過してしまった光を吸収し、それによりその
反射を妨げるハレーション防止もしくはアキュータンス
色素も含有することができる。そのような色素は光−ア
ドレス可能な熱現像可能要素又は本発明のフォトサーモ
グラフィ材料の他のいずれかの層中に導入することがで
きる。
【0071】帯電防止層本発明のフォトサーモグラフィ
記録材料の好ましい態様においては、帯電防止層が最外
層に適用される。
【0072】界面活性剤及び分散剤界面活性剤は、液体
と固体の間の界面張力を減少させる可溶性化合物である
表面活性剤である。本発明のサーモグラフィ及びフォト
サーモグラフィ記録材料はアニオン性、非−イオン性も
しくは両性界面活性剤を含有することができ、WO97
/04356に開示されているようなアニオン性及び非
−イオン性界面活性剤が好ましい。適した分散剤は天然
ポリマー性物質、合成ポリマー性物質及び微粉砕された
粉末、例えばシリカのような微粉砕された非−金属性無
機粉末である。
【0073】コーティング本発明のフォトサーモグラフ
ィのいずれの層のコーティングも、例えば引用すること
によりその記載事項が本明細書の内容となるModer
n Coating and Drying Tech
nology,edited by Edward
D.Cohen and Edgar B.Gutof
f,(1992) VCH Publishers I
nc.,220 East 23rdStreet,S
uite 909 New York,NY 1001
0,USAに記載されているようないずれかのコーティ
ング法によって行うことができる。
【0074】フォトサーモグラフィ記録材料の製造法本
発明はフォトサーモグラフィ記録材料の製造法も提供す
る。
【0075】驚くべきことに、上記の方法に従って製造
されるフォトサーモグラフィ記録材料を暗所で35℃も
しくはそれより高い温度に少なくとも3日間供すること
により、背景濃度Dmin及びS−値における変化がほ
とんどもしくは全くなく、さらに、フォトサーモグラフ
ィ記録材料が材料のロールとして存在しても、個別のシ
ートとして存在しても、長期間の保存−寿命条件を模し
ている45℃及び70%相対湿度において7日間のよう
な条件下に、暗所で保存したときにDmin−及びS−
値におけるさらなる変化がほとんどもしくは全くないこ
とから証明される通り、Dmin−及びS−値が安定化
したことが見いだされた。
【0076】フォトサーモグラフィ記録材料の製造法の
好ましい態様の場合、サーモグラフィ記録材料を少なく
とも35℃の温度で少なくとも3日間加熱し、少なくと
も45℃の温度が特に好ましい。さらに、温度は好まし
くは50℃より低い。期間は好ましくは少なくとも1週
間であり、加熱は好ましくは10〜75%、そして特に
好ましくは15〜70%の相対湿度において行われる。
特に好ましいのは45℃及び70%相対湿度における暗
所での7日間の加熱である。
【0077】フォトサーモグラフィ印刷本発明に従うフ
ォトサーモグラフィ記録材料をX−線波長と5ミクロン
波長の間の波長の放射線を用いて露出することができ、
画像は精細に焦点があわされた(focused)光
源、例えばCRT光源;UV、可視もしくはIR波長レ
ーザー、例えばHe/Ne−レーザー又は例えば780
nm、830nmもしくは850nmで発光するIR−
レーザーダイオード;又は発光ダイオード、例えば65
9nmで発光するものを用いる画素−通りの露出によ
り;あるいは適した照明を用いて、例えばUV、可視も
しくはIR光を用いてアスペクト(aspect)自身
又はそれからの像に直接露出することにより得られる。
【0078】本発明に従って画像−通りに露出されたフ
ォトサーモグラフィ記録材料の熱現像のために、関連す
る用途に許容され得る時間内に記録材料を現像温度に均
一に加熱することを可能にするいずれの種類の熱源も、
例えば接触加熱、放射加熱、マイクロ波加熱などを用い
ることができる。
【0079】工業的用途本発明に従うフォトサーモグラ
フィ記録材料は、例えばライトボックスを用いて操作さ
れる検査法でブラック−画像形成されたトランスパレン
シーが広く用いられている医学的診断分野におけるトラ
ンスパレンシーの作製、ならびに例えばハードコピーグ
ラフィックスの分野及びマイクロフィルム用途における
反射型プリントの作製の両方のために用いられ得る。そ
のような用途のためには、支持体は透明であるか、もし
くは不透明、すなわち白色光反射面を有するであろう。
透明ベースが用いられるべき場合、ベースは無色である
ことができるか、又は例えば医学的診断用途のためにブ
ルーの色で着色されていることができる。
【0080】下記において本発明の実施例1〜38及び
比較実施例1〜5により本発明を記述し、それらの実施
例においては、他にことわらなければ、すべてのパーセ
ンテージは重量によるパーセンテージであり、以下の成
分が用いられた:光−アドレス可能な熱現像可能要素:
AgB=ベヘン酸銀SENSI 01=
【0081】
【化1】
【0082】LOWINOX 22IB46=CHE
M.WERKE LOWIからの2−プロピル−ビス
(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタ
ン;R16875=R16875、ROUSSELOT
からのフタロイルゼラチン;K7598=7598型、
AGFA−GEVAERT GELATINEFABR
IKEからのカルシウム−非含有ゼラチン;BAYST
ALTM KA8522=BAYERからのスチレン及び
ブタジエンに基づくラテックスの50重量%水性分散
液;界面活性剤Nr.1=MARLONTM A−39
6、Huelsからのアルキル−フェニルスルホン酸ナ
トリウム;界面活性剤Nr.2=ERKANTOLTM
BX、BAYERからのジイソプロピル−ナフタレンス
ルホン酸ナトリウム;界面活性剤Nr.3=ULTRA
VONTM W、CIBA−GEIGYにより75〜85
%濃度のアリールスルホン酸ナトリウムとして供給;T
A01=フタラジン;STABI 01=
【0083】
【化2】
【0084】STABI 02=4−メチル−フタル
酸;及びSTABI 03=フェニルトリブロモメチル
スルホン。ハレーション防止層:K7598=7598
型、AGFA−GEVAERT GELATINEFA
BRIKEからのカルシウム−非含有ゼラチン;LAT
EX 01=ポリ(エチルアクリレート)ラテックス;
及びKIESELSOL 300F=BAYERからの
コロイドシリカの30%水性分散液。ANTIHALO
01
【0085】
【化3】
【0086】保護層:K7598=7598型、AGF
A−GEVAERT GELATINEFABRIKE
からのカルシウム−非含有ゼラチン;界面活性剤Nr.
4=ペルフルオロ−オクタン酸のアンモニウム塩。
【0087】02型感光性ハロゲン化銀の製造脱イオン
水中にMoeller Teller法(詳細に関して
は上記を参照されたい)を用いて測定される73nmの
重量平均粒子寸法を有する97モル%臭化銀及び3モル
%ヨウ化銀から成るハロゲン化銀粒子を11.44重量
%及び分散剤としてのR16875を5.17重量%含
む02型ハロゲン化銀乳剤を50.5℃において、例え
ばT.H.James,“The Theory of
the Photographic Process,
Fourth Edition,Macmillan
Publishing Co.Inc.,New Yo
rk(1977)”,Chapter 3,pages
88−104に記載されているような通常のハロゲン
化銀製造法を用いて製造した。
【0088】01型及び03〜15型感光性ハロゲン化
銀の製造表1及びその中で言及されている注にて示すこ
とを除いて上記の通りに、01型及び03〜15型感光
性ハロゲン化銀を製造した。
【0089】
【表2】
【0090】a)硝酸銀の90%が加えられたら1g/
LのK2IrCl6.6H2Oの溶液をさらに加え、得ら
れるAgXがAgXのモル当たり2.10-5モルのIr
4+を含有するようにし、表1に示す温度で製造を行っ
た;b)硝酸銀の90%が加えられたら1g/LのK2
IrCl6.6H2O及び1g/LのCu(NO32の溶
液をさらに加え、得られるAgXがAgXのモル当たり
2.10-5モルのIr4+及び1.10-5モルのCu2+
含有するようにし、表1に示す温度で製造を行った;
c)硝酸銀の90%が加えられたら1g/LのK2Ir
Cl6.6H2O及び1g/LのFe(NO33の溶液を
さらに加え、得られるAgXがAgXのモル当たり2.
10-5モルのIr4+及び1.10-5モルのFe3+を含有
するようにし、表1に示す温度で製造を行った;d)硝
酸銀の90%が加えられたら1g/LのK2IrCl6
6H2Oの溶液をさらに加え、得られるAgXがAgX
のモル当たり2.10-5モルのIr4+を含有するように
し、表1に示す温度で製造を行った。
【0091】本発明の実施例1〜5及び比較実施例1E
P−A 848 286に開示されているシングルジェ
ット法を用いる有機溶媒の不在下における水性媒体中の
ベヘン酸銀分散液の調製本発明の実施例1〜5及び比較
実施例1で用いられるベヘン酸銀のI型水性分散液を以
下の通りに調製した:i)80℃における200mm直
径の容器中において、0.549Lの量の界面活性剤n
r1の10%溶液及び662gの脱イオン水中で、80
℃に温度において、80mmの直径のタイフーン撹拌機
を用いて310rpmで撹拌しながら、136.2g
(0.4M)のベヘン酸を分散させ;ii)次いで80
℃において200mmの直径の容器に、80mmの直径
のタイフーン撹拌機を用いて310rpmで撹拌しなが
ら、水酸化ナトリウムの2M水溶液の0.188Lを1
0分かけて加え、実質的にベヘン酸ナトリウムを含有す
る透明な溶液を得;iii)次いで80℃の温度におい
て200mmの直径の容器に、80mmの直径のタイフ
ーン撹拌機を用いて310rpmで撹拌しながら、硝酸
銀の1M水溶液の0.360Lを4.5分間かけて加
え、ベヘン酸ナトリウムを完全にベヘン酸銀に転換す
る。
【0092】得られる水性ベヘン酸銀分散液は8.15
重量%のベヘン酸銀及び2.78重量%の界面活性剤1
を含有し、続いて脱塩され、限外濾過を用いて22.3
7重量%のベヘン酸銀を含有する水性分散液に濃縮され
た。
【0093】水性分散液の調製26.2gのK7598
を150gの脱イオン水中に40℃で溶解した。次いで
このゼラチン溶液に、11.7ミリモルのハロゲン化銀
に相当する1型ハロゲン化銀の11.44重量%分散液
の19.35gを、撹拌しながら20秒間かけて加え
た。次いで表2に示す量の硝酸銀を3.56重量%溶液
として加え、得られる分散液を脱イオン水を用いて、温
度を40℃に保ちながら265.4gに補足した。40
℃で1時間撹拌した後、UAg測定を行い(UAg−
1)、次いで206.6gの上記のベヘン酸銀分散液を
2.4gの1N硝酸と一緒に加え、40℃でさらに20
分間撹拌した後、2回目のUAg測定(UAg−2)を
行った。
【0094】2回目のUAg測定の後、以下の成分を加
えた:SENSI 01の4g/L溶液の8.7g、続
いて20分撹拌し、次いでメタノール中のSTABI
01の8重量%溶液の11.8g、及び最後に、コーテ
ィングの直前に、4.68重量%のフタラジン、16.
84重量%のLOWINOX 22IB46及び2重量
%の界面活性剤Nr.2を含む112gの分散液。
【0095】フォトサーモグラフィ記録材料の製造1L
の脱イオン水中に40℃において62.5gのK759
8を溶解することにより、ハレーション防止層分散液を
調製した。得られるゼラチン溶液に次いで以下の成分:
ANTIHALO 01の10重量%水溶液の14.5
g、LATEX 01の10重量%水性分散液の8g、
KIESELSOL 300Fの20重量%水性分散液
の42gを加え、最後にpHを6に調整してから、両面
上において下塗りされた100μmのポリ(エチレンテ
レフタレート)支持体の片面上に45μmの湿潤−層厚
さまでドクター−ブレードコーティングし、25℃で5
分間乾燥した。
【0096】次いで1928.2gの脱イオン水中に4
0℃において42.5gのK7598を溶解し、次いで
撹拌しながら以下の成分:8.7gのSTABI 0
2、179.1gのSTABI 03−分散液(17.
5重量%のSTABI 03、10重量%のK7598
及び1重量%の界面活性剤Nr.1を含む)、227.
3gのメタノール中に溶解された6gの1−フェニル−
5−メルカプト−テトラゾール、及び界面活性剤Nr.
3の10%溶液の17.4gを加えることにより、感熱
要素の第1層のための溶液を調製した。
【0097】ハレーション防止層がコーティングされて
いない支持体の面に、次いで感熱要素の第1の層のため
の溶液を50μmの湿潤層厚さまでコーティングし、2
5℃で5分間乾燥した後、感熱要素の第1の層を形成し
た。
【0098】次いで感熱要素の第1の層に上記の水性分
散液を100μmの湿潤層厚さまでオーバーコーティン
グし、25℃で5分間乾燥した後、感熱要素の第2の層
を形成した。
【0099】最後に、感熱要素の第2の層に、界面活性
剤Nr.4の5重量%溶液の78gが加えられている2
560gの脱イオン水中の57gのK7598の溶液
を、50μmの湿潤層厚さまでオーバーコーティング
し、25℃で5分間乾燥した後、保護層を形成した。
【0100】フォトサーモグラフィ記録材料の評価本発
明の実施例1〜5及び比較実施例1のフォトサーモグラ
フィ記録材料を最初に、フィルムの露出を変えるために
グレースケールウェッジを介して、He−Neレーザー
(632.8nm)に露出し、次いで100℃で20秒
間加熱し、ウェッジ画像を形成した。可視フィルターを
有するMACBETH TD903デンシトメーターを
用いてウェッジ画像におけるプリント濃度変動を決定
し、露出への光学濃度の依存性を得た。Dminより
1.0高い光学濃度が達成されるmJ/m2における露
出として定義されるS−値をこれらの光学濃度−露出依
存性から決定した。Dminより1.0高い光学濃度を
得るのに必要な露出の値、Sが低い程、フォトサーモグ
ラフィ材料の感光度が高い。
【0101】コーティングされたばかりのフォトサーモ
グラフィ記録材料及び又以下の試験の1つもしくはそれ
より多くに供された後の記録材料についてフォトサーモ
グラフィ評価を行い、背景濃度における変化ΔDmin
及びSにおける変化ΔSを決定した:i)20℃及び約
45%相対湿度において、暗所で1週間;ii)20℃
及び約45%相対湿度において、暗所で6週間;ii
i)35℃において、約45%相対湿度において、暗所
で1週間;iv)40℃において、約45%相対湿度に
おいて、暗所で1週間;v)43℃において、約45%
相対湿度において、暗所で1週間;vi)45℃におい
て、15%相対湿度において、暗所で1週間;vii)
45℃及び70%相対湿度において、暗所で1週間;v
iii)45℃及び70%相対湿度において、暗所で1
週間、続いて20℃及び約45%相対湿度において暗所
で1週間;ix)45℃及び70%相対湿度において、
暗所で1週間、続いて20℃及び約45%相対湿度にお
いて、暗所で5週間;x)45℃及び70%相対湿度に
おいて、暗所で1週間、続いて35℃及び80%相対湿
度において、暗所で1週間;xi)45℃及び70%相
対湿度において、暗所で2週間;xii)47℃におい
て、約45%相対湿度において、暗所で1週間。
【0102】本発明の実施例1〜5及び比較実施例1の
フォトサーモグラフィ記録材料に関する結果を下記の表
2に示す。
【0103】本発明の実施例1〜5及び比較実施例1の
フォトサーモグラフィ記録材料はすべて01型ハロゲン
化銀を用いて作られた(carried out)。ハ
ロゲン化銀に関して3.58モル%(本発明の実施例
1)〜44.8モル%(本発明の実施例5)の濃度で硝
酸銀を第2銀塩として加えると、水性分散液の調製の間
に硝酸銀が加えられなかった比較実施例1のフォトサー
モグラフィ記録材料が示す631mJ/m2のS−値と
比較してS−値を有意に、すなわち631から178〜
316mJ/m2に低下させ、かくして本発明の実施例
1〜5のフォトサーモグラフィ記録材料は同じ濃度を得
るために必要な露出がより低く、従って有意により高い
感光度を示す。ハロゲン化銀に関して35〜45モル%
の硝酸銀の量が加えられたフォトサーモグラフィ記録材
料(本発明の実施例4及び5を参照されたい)は、新し
い材料に関して最低のS−値(すなわち最高の感光度)
及び最低のDmin値を示した。
【0104】
【表3】
【0105】暗所でのエージング試験から、本発明の実
施例及び比較実施例の両方のフォトサーモグラフィ記録
材料の場合に、35℃より高い温度における長期間の状
態調節によってDminの安定化が達成され、ハロゲン
化銀に関して20モル%未満の硝酸銀の量の添加の場合
にS−値における有意に低下したドリフトが達成された
ことが明らかである(本発明の実施例1及び2の場合の
結果を参照されたい)。
【0106】本発明の実施例6〜24及び比較実施例2
本発明の実施例6〜24及び比較実施例2のフォトサー
モグラフィ記録材料の製造ならびにそこで用いられた水
性分散液の調製は、下記の表3に示す通り種々のAgX
−型を用いたこと以外は本発明の実施例1〜5及び比較
実施例1に関して記載した通りであった。本発明の実施
例6〜24及び比較実施例2のフォトサーモグラフィ記
録材料の評価も本発明の実施例1〜5及び比較実施例1
に関して記載した通りに行った。結果を下記の表3に、
本発明の実施例4に関する結果と一緒にまとめる。
【0107】本発明の実施例10〜12及び比較実施例
2のフォトサーモグラフィ記録材料はすべて06型ハロ
ゲン化銀を用いて作られた。ハロゲン化銀に関して2
6.8モル%(本発明の実施例10)〜71.6モル%
(本発明の実施例12)の濃度で硝酸銀を第2銀塩とし
て加えると、水性分散液の調製の間に硝酸銀が加えられ
なかった比較実施例2のフォトサーモグラフィ記録材料
が示す446mJ/m2のS−値と比較してS−値を有
意に、すなわち446から79〜178mJ/m 2に低
下させ、本発明の実施例10〜12のフォトサーモグラ
フィ記録材料は同じ濃度を得るために必要な露出がより
低く、従って有意により高い感光度を示す。
【0108】暗所におけるエージング試験から、06型
ハロゲン化銀を用いている本発明の実施例11及び比較
実施例2のフォトサーモグラフィ材料の両方の場合に、
35℃より高い温度における長期間の状態調節によって
Dminの安定化も達成されたことが明らかである。
【0109】
【表4】
【0110】本発明の実施例4、6〜9、11、13〜
20及び23のフォトサーモグラフィ記録材料の製造で
用いられた水性分散液の調製においては、ハロゲン化銀
に関して35.8モル%の硝酸銀をそれぞれ01〜14
型ハロゲン化銀に加えた。これらのフォトサーモグラフ
ィ記録材料を用いて得られるS−値は、用いられるハロ
ゲン化銀の型に依存することが見いだされた。純粋な臭
化銀粒子の場合、S−値及びDminの両方が粒度に強
く依存することが見いだされ、最低のS−値、すなわち
最高の感光度は70〜120nmの粒度の臭化銀を有す
るフォトサーモグラフィ記録材料の場合に見られ、最低
のDmin−値は50〜95nmの粒度の臭化銀を有す
るフォトサーモグラフィ記録材料の場合に見られた。場
合によりCu2+又はFe3+と一緒にIr4+がドーピング
されたヨウ化臭化銀を有するフォトサーモグラフィ記録
材料は、類似の粒度の場合、類似の感光度を示したが、
Dminは有意により低かった(本発明の実施例4及び
6〜8に関する結果を参照されたい)。
【0111】本発明の実施例25〜29本発明の実施例
25〜29のフォトサーモグラフィ記録材料の製造及び
そこで用いられる水性分散液の調製は、硝酸銀を他の水
溶性銀塩、例えば酢酸銀、硫酸銀及び乳酸銀により置き
換えたこと以外は本発明の実施例1〜5及び比較実施例
1に関して記載した通りであった。水性分散液の調製の
詳細を下記の表4に示す。
【0112】
【表5】
【0113】本発明の実施例25〜29のフォトサーモ
グラフィ記録材料の評価を本発明の実施例1〜5及び比
較実施例1に関して記載した通りに行った。結果を本発
明の実施例4に関する結果と共に下記の表4に、ハロゲ
ン化銀06及び12型が用いられ、同じモル量の硝酸銀
が第2銀塩として用いられた本発明の実施例11及び1
8に関する結果と一緒にまとめる。硝酸銀の代わりに硫
酸銀、酢酸銀又は乳酸銀を第2銀塩として用いる本発明
の実施例25〜29のフォトサーモグラフィ記録材料の
製造で用いられた水性分散液の調製も、第2銀塩が加え
られなかった水性分散液より感光度が有意に向上し、エ
ージング試験において安定性が向上しているフォトサー
モグラフィ記録材料を生じた。酢酸銀、硫酸銀及び硝酸
銀の場合、ハロゲン化銀に関して同じモル濃度におい
て、実験誤差内で同じ効果が観察されたが(本発明の実
施例25〜28を参照されたい)、乳酸銀の場合、ハロ
ゲン化銀に関してもっと高いモル濃度が必要であるよう
であった(本発明の実施例29を参照されたい)。これ
は本発明がその範囲において特定の第2銀塩に束縛され
ておらず、いずれの可溶性銀塩も用いられ得ることを示
している。
【0114】本発明の実施例30及び比較実施例3本発
明の実施例30及び比較実施例3のフォトサーモグラフ
ィ記録材料の製造ならびにそこで用いられる水性分散液
の調製は、K7598ゼラチンの水溶液に6.5gのB
AYSTALTM KA8522を加えたこと以外は本発
明の実施例1〜5及び比較実施例1に関して記載した通
りであった。用いられた水性分散液の調製の詳細を下記
の表5に示す。
【0115】本発明の実施例30及び比較実施例3のフ
ォトサーモグラフィ記録材料の評価を本発明の実施例1
〜5及び比較実施例1に関して記載した通りに行った。
結果を下記の表5に、ゼラチンのみが用いられた本発明
の実施例11に関する結果と一緒にまとめる。
【0116】
【表6】
【0117】本発明の実施例30の水性分散液では、B
AYSTALTM KA8522をゼラチンの他に結合剤
として用いた。それを用いて製造されるフォトサーモグ
ラフィ記録材料は、同じハロゲン化銀の型を用いている
本発明の実施例10〜12のフォトサーモグラフィ記録
材料の場合に観察されたと同じ感光度の向上及びエージ
ング試験における向上した安定性を示した。従って本発
明を用いて達成される感光度及び安定性における向上は
結合剤の選択により影響されない。
【0118】本発明の実施例31本発明の実施例31の
フォトサーモグラフィ記録材料の製造及びそこで用いら
れる水性分散液の調製は、第1の銀塩であるベヘン酸銀
をステアリン酸銀に置き換えたこと以外は本発明の実施
例1〜5及び比較実施例1に関して記載した通りであっ
た。用いられた水性分散液の調製の詳細を下記の表6に
示す。
【0119】本発明の実施例31のフォトサーモグラフ
ィ記録材料の評価を本発明の実施例1〜5及び比較実施
例1に関して記載した通りに行った。結果を下記の表6
に、ベヘン酸銀分散液が用いられた本発明の実施例11
に関する結果と一緒にまとめる。
【0120】
【表7】
【0121】第1の銀塩としてベヘン酸銀の代わりにス
テアリン酸銀を用いる本発明の実施例31の水性分散液
の調製は、ベヘン酸銀が第1の銀塩として用いられ、同
じハロゲン化銀の型が用いられた本発明の実施例11の
フォトサーモグラフィ記録材料の場合に観察されたもの
に匹敵する感光度及びエージング試験での安定性におけ
る向上を有するフォトサーモグラフィ記録材料を生じ
た。従って、感光度及び安定性における向上は特定の第
1銀塩に束縛されておらず、全般的有機銀塩の場合に得
られる。
【0122】本発明の実施例32〜35ならびに比較実
施例4及び5本発明の実施例32〜35ならびに比較実
施例4及び5のフォトサーモグラフィ記録材料の製造な
らびにそこで用いられる水性分散液の調製は、硝酸銀溶
液の前、それと一緒、又はその後に2.5重量%水溶液
としてアンモニアを加えたこと、ならびにこれらの実施
例においては06型ハロゲン化銀を用いたこと以外は本
発明の実施例1〜5及び比較実施例1に関して記載した
通りであった。用いられた水性分散液の調製の詳細を表
7に、やはり06型ハロゲン化銀を用いて調製された本
発明の実施例11のフォトサーモグラフィ記録材料の製
造で用いられた水性分散液の調製の詳細と一緒に示す。
【0123】
【表8】
【0124】本発明の実施例32〜35ならびに比較実
施例4及び5のフォトサーモグラフィ記録材料の評価を
本発明の実施例1〜5及び比較実施例1に関して記載し
た通りに行った。結果を下記の表8に、本発明の実施例
11のフォトサーモグラフィ記録材料に関する結果と一
緒にまとめる。
【0125】
【表9】
【0126】本発明の好ましい態様に従い、第2の銀塩
の他に、ハロゲン化銀のモル当たり1.256〜1.8
89モルの量でアンモニアを水溶液として水性分散液に
加えると、エージング試験(i):室温及び約45%の
相対湿度において暗所で1週間における、本発明の実施
例11のフォトサーモグラフィ記録材料の場合の+0.
64と比較して+0.07〜+0.16のΔDmin値
を以てDmin安定性における有意な向上を、Dmin
における境界的な上昇を犠牲にするが、S−値における
有意な低下、すなわち感光度における有意な向上と一緒
に有するフォトサーモグラフィ記録材料を生じた。この
エージング試験(i)における安定化は比較実施例4及
び5のフォトサーモグラフィ記録材料の場合にも見られ
るが、501及び1000mJ/m2のS−値は本発明
の実施例32〜35のフォトサーモグラフィ記録材料に
関するS−値より有意に高い。アンモニアの水溶液が本
発明の実施例33におけるように第2の銀塩と一緒に加
えられても、本発明の実施例34におけるように第2の
銀塩の添加の後に加えられても、あるいは本発明の実施
例35におけるように第2の銀塩の添加の前に加えられ
ても、これは得られるフォトサーモグラフィ記録材料の
画像形成性能に影響を有していないことが見いだされた
(表8における結果を参照されたい)。
【0127】本発明の実施例36本発明の実施例36の
フォトサーモグラフィ記録材料を本発明の実施例4に関
して記載した通りに製造し、詳細を表9に示す。フォト
サーモグラフィ評価を本発明の実施例1〜5及び比較実
施例1に関して上記に記載した通りに、ならびに又、そ
れらを種々のエージング管理に供した後に行い、背景濃
度における変化ΔDmin及びSにおける変化、ΔSを
決定した。新しいフォトサーモグラフィ記録材料C及び
Dに関するDmin及びS−値も表9に示す。
【0128】
【表10】
【0129】種々のエージング管理の後の、新しいフォ
トサーモグラフィ記録材料のDmin−及びS−値に関
するΔDmin及びΔS−値を表10に示す。
【0130】
【表11】
【0131】エージング管理i)及びii)は、エージ
ング試験i)において20℃及び45%相対湿度に暗所
で7日間供した後、Dminにおける0.64の上昇に
もかかわらず、Dminの安定化が達成されなかったこ
とを示し、それは20℃及び約45%相対湿度における
暗所でのさらなる35日間でDminがさらに0.95
上昇したことにより証明された[エージング試験i
i)]。
【0132】他方、本発明の実施例36のフォトサーモ
グラフィ記録材料を45℃及び70%相対湿度における
暗所での7日間に供すると、Dmin又はS−値におけ
る有意な変化を生じなかった[エージング試験vii)
を参照されたい]。さらに、エージング管理vii
i)、ix)及びx)はすべてエージング管理vii)
に加えてのさらなるエージングを表しており、それぞれ
20℃及び45%相対湿度における暗所でのさらなる7
日間、20℃及び45%相対湿度における暗所でのさら
なる35日間ならびに35℃及び80%相対湿度におけ
る暗所でのさらなる7日間を表していた。エージング管
理x)が長期間の保存−寿命のシミュレーションを表し
ているのにかかわらず、これらの場合のいずれにもDm
in又はS−値における有意なさらなる変動は観察され
なかった。これは45℃及び70%相対湿度における暗
所での最初の7日間の熱処理の後のDmin及びS−値
の両方における安定化を示した。
【0133】エージング試験(iii)〜(v)及び
(xii)では、本発明の実施例36のフォトサーモグ
ラフィ記録材料を約45%相対湿度において、35〜4
7℃の温度において、暗所での7日間の加熱に供した。
すべての場合にDminにおける有意な変動は観察され
なかった。
【0134】エージング試験vi)では、本発明の実施
例36のフォトサーモグラフィ記録材料Dを45℃及び
15%相対湿度における暗所での7日間の加熱に供し
た。この場合もDminにおける有意な変動は観察され
なかった。
【0135】本発明の実施例37及び38本発明の実施
例37及び38のフォトサーモグラフィ記録材料を、同
じ量の成分を異なる順序で混合することにより水性乳剤
を調製したこと以外は本発明の実施例11に関して記載
した通りに製造した。
【0136】本発明の実施例37の水性乳剤の調製は、
4.19ミリモルのAgNO3を加える前にハロゲン化
銀分散液をベヘン酸銀分散液と混合し、硝酸をベヘン酸
銀分散液と同時にではなく、硝酸銀の添加の後に加えた
点で本発明の実施例11の調製と異なった。硝酸を加え
た後にUAgは417mVであると決定され、それは本
発明の実施例11の場合に見られたUag−2値に類似
である。
【0137】本発明の実施例38の水性乳剤の調製は、
硝酸銀溶液をベヘン酸銀分散液の添加の前ではなく、メ
タノール中のSTABI 01の溶液の添加の後に加え
た点で、本発明の実施例11の調製と異なった。ハロゲ
ン化銀、ベヘン酸銀及び硝酸の混合の後、UAgは29
1mVであると決定された。
【0138】かくして本発明の実施例37及び38の水
性乳剤は両方とも、ハロゲン化銀及びベヘン酸銀分散液
の混合の後に硝酸銀溶液を加えることにより調製され
る。
【0139】フォトサーモグラフィ評価を本発明の実施
例1〜5及び比較実施例1に関して上記に記載した通り
に行った。結果を表11にまとめ、比較のために本発明
の実施例11に関する結果を含める。
【0140】
【表12】
【0141】表11の結果は、ベヘン酸銀分散液をハロ
ゲン化銀分散液及び硝酸銀の混合物に加えても、あるい
は硝酸銀溶液をハロゲン化銀及びベヘン酸銀分散液の混
合物に加えても、フォトサーモグラフィ記録材料のフォ
トサーモグラフィ性能が同等であることを示している。
【0142】本発明の好ましい態様を詳細に記載してき
たが、ここで前記の特許請求の範囲に定義した本発明の
範囲から逸脱することなく、実施態様において多くの修
正を成し得ることが当該技術分野における熟練者に明ら
かであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン・ロキユフイエ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 イバン・ギリアムス ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB01 AB03 AB23 AB25 BB00 BB39 CB00 CB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の順序で:(i)水性媒体中の感光
    性ハロゲン化銀及び結合剤又は界面活性剤の分散液を調
    製し;(ii)段階(i)で調製された分散液に第1の
    銀塩を加え;(iii)段階(ii)で調製された分散
    液に第2の銀塩を加える段階を含み、ここで該水性分散
    液は12個より多い炭素原子を有する脂肪族カルボン酸
    の水溶性金属もしくはアンモニウム塩を実質的に含ま
    ず、該第1の銀塩は有機カルボン酸の実質的に非−感光
    性且つ実質的に水−不溶性の銀塩であり、該第2の銀塩
    は20℃において1Lの水中で0.1gより大きい水−
    溶解度を有する水性分散液の調製法。
  2. 【請求項2】 以下の順序で:(i)水性媒体中の感光
    性ハロゲン化銀及び結合剤又は界面活性剤の分散液を調
    製し;(ii)段階(i)で調製された分散液に第2の
    銀塩を加え;(iii)段階(ii)で調製された分散
    液に第1の銀塩を加える段階を含み、ここで該水性分散
    液は12個より多い炭素原子を有する脂肪族カルボン酸
    の水溶性金属もしくはアンモニウム塩を実質的に含ま
    ず、該第1の銀塩は有機カルボン酸の実質的に非−感光
    性且つ実質的に水−不溶性の銀塩であり、該第2の銀塩
    は20℃において1Lの水中で0.1gより大きい水−
    溶解度を有する水性分散液の調製法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法により得られうる
    水性分散液。
  4. 【請求項4】 実質的に無水条件下で熱現像可能なフォ
    トサーモグラフィ記録材料の感度を向上させるための、
    20℃において水のL当たり0.1gより大きい水−溶
    解度を有する第2の銀塩の使用であって、該フォトサー
    モグラフィ記録材料は光−アドレス可能な熱現像可能要
    素を有し、該光−アドレス可能な熱現像可能要素は第1
    の銀塩、それと熱的作用関係にあるそれのための還元剤
    及び結合剤を含有し、ここで該水性分散液は12個より
    多い炭素原子を有する脂肪族カルボン酸の水溶性金属も
    しくはアンモニウム塩を実質的に含まず、該第1の銀塩
    は有機カルボン酸の実質的に非−感光性且つ実質的に水
    −不溶性の銀塩である使用。
  5. 【請求項5】 支持体及び光−アドレス可能な熱現像可
    能要素を含み、該光−アドレス可能な熱現像可能要素が
    2つの要件:(i)該光−アドレス可能な熱現像可能要
    素は請求項1で定義した第1の銀塩、それと熱的作用関
    係にあるそれのための還元剤、感光性ハロゲン化銀及び
    結合剤を含有する;ならびに(ii)該光−アドレス可
    能な熱現像可能要素は請求項3に従う水性分散液を該支
    持体上にコーティングすることにより得られうる層を含
    むを満たす、実質的に無水条件下で熱現像可能なフォト
    サーモグラフィ記録材料。
  6. 【請求項6】 (i)請求項3に従う水性分散液を支持
    体上にコーティングし;(ii)段階(i)で形成され
    た層を乾燥する段階を含む、支持体及び光−アドレス可
    能な熱現像可能要素を含み、光−アドレス可能な熱現像
    可能要素が感光性ハロゲン化銀、第1の銀塩、それと熱
    的作用関係にあるそれのための還元剤及び結合剤を含有
    する、実質的に無水条件下で熱現像可能なフォトサーモ
    グラフィ記録材料の製造法。
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