JP2002155362A - Cvd装置および製膜方法ならびに情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

Cvd装置および製膜方法ならびに情報記録媒体の製造方法

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JP2002155362A
JP2002155362A JP2000351005A JP2000351005A JP2002155362A JP 2002155362 A JP2002155362 A JP 2002155362A JP 2000351005 A JP2000351005 A JP 2000351005A JP 2000351005 A JP2000351005 A JP 2000351005A JP 2002155362 A JP2002155362 A JP 2002155362A
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film forming
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cvd apparatus
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JP2000351005A
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Ryuichi Ushio
隆一 牛尾
Yasushi Sasaoka
泰 笹岡
Norikazu Nogawa
典和 野川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製膜室の内壁面に付着した薄膜の剥離現象が抑
制されたプラズマCVD装置を提供する。 【解決手段】製膜室内で製膜原料ガスをプラズマ状態と
し、基板表面に加速衝突させて製膜するプラズマCVD
装置において、熱電導率が200W/m・K以下の材料
で製膜室の内壁を構成して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD装置および
製膜方法ならびに情報記録媒体の製造方法に関し詳しく
は、炭素が主成分である膜を製膜するのに好適なプラズ
マCVD(プラズマ促進化学蒸着)装置および当該装置
を使用した製膜方法ならびに情報記録媒体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマCVD(pCVD)装置、例え
ば、熱フィラメント−プラズマCVD(F−pCVD)
装置は、製膜室内で真空条件下に加熱されたフィラメン
ト状のカソードとアノードとの間の放電により製膜原料
ガスをプラズマ状態とし、そして、マイナス電位により
上記のプラズマを基板表面に加速衝突させて製膜する装
置である。カソード及びアノードは、共に金属で構成さ
れるが、特にフィラメント状のカソードには、通常、タ
ングステンやタンタル等の金属が使用される。本装置に
よれば、製膜原料ガスの種類に応じ、炭素(C)膜、ケ
イ素(Si)膜、窒素(N)化膜などの製膜が可能であ
る。
【0003】炭素が主成分である膜を製膜する場合、p
CVD装置による製膜方法は、炭素含有モノマー(液
体)を使用することが出来るため、取扱いが容易である
等の利点を有する。従って、この製膜方法は、特に情報
記録媒体(磁気記録媒体や光記録媒体など)の保護層の
形成手段として注目され、また、この製膜方法で得られ
た上記の膜から成る保護層は、スパッタ膜に比し、薄膜
領域で高い耐久性を有する。
【0004】ところで、従来のpCVD装置によって特
に炭素が主成分である膜を製膜する場合、時間の経過と
共に製膜室の内壁面(通常は製膜室の内部に配置される
50〜500μmのアルミニウム製の防着部材の表面)
に付着した炭素薄膜から小片が剥離して基板に付着する
という欠点がある。そして、情報記録媒体の製造方法に
おいては、情報記録媒体に付着した剥離片にヘッドが衝
突してグライド特性が低下すると言う問題を惹起する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、製膜室の内壁面
に付着した薄膜の剥離現象が抑制されたプラズマCVD
装置および当該装置を使用した製膜方法を提供すること
にある。本発明の他の目的は、炭素が主成分である保護
層を有し、グライド特性に優れた情報記録媒体の製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、特定の材料で製
膜室の内壁を構成することにより上記の目的を容易に達
成し得るとの知見を得、本発明の完成に至った。
【0007】すなわち、本発明の第1の要旨は、製膜室
内で製膜原料ガスをプラズマ状態とし、基板表面に加速
衝突させて製膜するプラズマCVD装置において、熱電
導率が200W/m・K以下の材料で製膜室の内壁を構
成して成ることを特徴とするCVD装置に存する。
【0008】そして、本発明の第2の要旨は、製膜原料
として炭素含有モノマーを使用し、炭素が主成分である
膜を製膜するに当たり、請求項1〜4の何れかに記載の
プラズマCVD装置を使用し、製膜中、製膜室の内壁面
をフロート電位に設定し且つ内壁面の温度を350℃以
上に保持することを特徴とする製膜方法に存する。
【0009】更に、本発明の第3の要旨は、基板上に少
なくとも記録層を形成した後に炭素が主成分である保護
層を形成する情報記録媒体の製造方法において、請求項
5に記載の製膜方法により保護層を形成することを特徴
とする情報記録媒体の製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は、本発明のpCVD装置の一例
(F−pCVD装置)を示す縦断面図である。図1に示
されたF−pCVD装置は、基板の両面に同時に製膜可
能な装置であり、左右対称の構成を備えているが、便宜
上、右側の構成の一部は図示を省略している。また、図
1に示されたF−pCVD装置の場合、製膜室の内壁は
製膜室内に配置された防着部材によって構成されてい
る。
【0011】先ず、本発明のpCVD装置について説明
する。本発明のpCVD装置は、基本的には、前述の通
り、製膜室内で製膜原料ガスをプラズマ状態とし、基板
表面に加速衝突させて製膜する装置である。そして、本
発明の好ましい態様のpCVD装置においては、製膜室
内で真空条件下に加熱されたフィラメント状のカソード
とアノードとの間の放電により製膜原料ガスをプラズマ
状態とし、そして、マイナス電位により上記のプラズマ
を基板の表面に加速衝突させて製膜する。図1に示した
F−pCVD装置は次の様な構成を備えている。
【0012】カソード(2)は、製膜室壁(5)の側部
から製膜室(1)内に貫通した2個のソケット(7)の
先端部に形成され、交流のカソード電源(8)に接続さ
れている。ソケット(7)は、製膜室壁(5)に対し、
電気絶縁性の気密体として構成されており、また、ソケ
ット(7)の表面は、付着した炭素膜の剥離を防止する
ため、金属溶射などで表面を粗面化するのが好ましい。
【0013】アノード(3)は、特別にロート状の形状
を有し且つその内周面の中央部付近でカソード(2)を
包囲する位置に配置される。アノード(3)は、製膜室
壁(5)の内周面に対して電気絶縁性の固定手段(図示
せず)により固定されている。斯かる固定手段として
は、例えば、製膜室壁(5)の内周面およびアノード
(3)の外周面から突出する各取付片を絶縁材を介して
接続する手段などが挙げられる。そして、アノード
(3)は、ソケット(7)と同様に、製膜室壁(5)に
対して電気絶縁性の気密体として構成され且つ製膜室壁
(5)の側部に配置されたソケット(9)を介してアノ
ード電源(10)(アノード(3)側でプラス電位の電
流)に接続される。
【0014】カソード電源(8)の一端はアース(2
1)に接続され、また、製膜室壁(5)はアース(2
2)に接続される。そして、カソード電源(8)のアー
ス側と基板(4)との間には、基板(4)側でマイナス
電位となる直流のイオン加速用電源(23)が挿入され
る。通常、カソード電源(8)としては0〜20v(0
〜50A)、アノード電源(10)としては0〜200
v(0〜5000mA)、イオン加速用電源(23)と
しては0〜1500v(0〜200mA)の各電源が適
用される。なお、製膜運転中、カソード(2)は、常
時、通電加熱される。
【0015】製膜室(1)の内部には、好ましい態様と
して、円筒状の防着部材(遮蔽部材)(11)が配置さ
れている。防着部材(11)は、製膜室壁(5)の内周
面に対して電気絶縁性の固定手段(図示せず)により固
定されている。また、アノード(3)側の防着部材(1
1)の周端部には、内側に傾斜し且つアノード(3)の
最大内径(先端部内径)より小さい外径の整流部(1
2)が設けられており、アノード(3)の先端部と整流
部(12)との間にはガス流路(13)が形成されてい
る。
【0016】そして、ガス流路(13)の近傍の製膜室
(1)の上部には、必要に応じて不活性ガスにより適宜
の濃度に希釈された製膜原料ガスを供給するための製膜
原料ガス供給管(14)が挿入されている。更に、アノ
ード(3)側近傍の製膜室壁(5)の内部には、製膜室
壁(5)の異常加熱防止のため、冷却水供給管(20)
から供給された冷却水を循環させるための冷却水循環路
(19)が設けられる。
【0017】円盤状の基板(4)は、盤面が略垂直にな
る状態にペデスタル(1A)によって支持される。すな
わち、基板(4)は、カソード(2)及びアノード
(3)に対向する状態に保持される。そして、ペデスタ
ル(1A)により、製膜室(1)内に基板(4)が搬入
された場合、ペデスタル(1A)の下端部に付設された
シール材(図示せず)が接続管(6)とトランスファー
ケース(図示せず)の接続部に嵌合することにより、製
膜室(1)とトランスファーケースとが実質的に遮断さ
れる。
【0018】基板(4)の両主要面に対向する位置に
は、膜厚補正板(17)が配置される。基板(4)が円
盤状の場合、その外周部と中心部は、薄膜が厚く形成さ
れる傾向があり、また、基板(4)の両面に同時に製膜
する際に左右のプラズマが互いに影響し合う領域とな
る。膜厚補正板(17)は、円盤状の基板(4)の中心
部と外周部を覆う様なドーナツ形状を有し、基板(4)
の全体に亘り、形成される薄膜の厚さを均一にする機能
を有する。
【0019】膜厚補正板(17)の外周部は、防着部材
(11)の端部に固定され、内周部(17a)は、外周
部に設けられた支持アーム(18)によって支持され
る。その結果、膜厚補正板(17)は、防着部材(1
1)と同様に、製膜室壁(5)の内周面に対して電気的
に絶縁された状態となる。すなわち、膜厚補正板(1
7)は、防着部材(11)と共に、電気的に独立した状
態(フロート電位)に維持されている。なお、膜厚補正
板(17)の内周部(17a)は省略してもよい。
【0020】本発明のpCVD装置の特徴は、熱電導率
が200W/m・K以下の材料で製膜室の内壁を構成し
た点にある。製膜室の内壁は、図1に示されたF−pC
VD装置の場合には製膜室内に配置された防着部材(1
1)によって構成されているが、防着部材(11)態様
の装置の場合には製膜室の内壁は製膜室壁(5)によっ
て構成されることとなる。
【0021】製膜室の内壁の熱電導率は、好ましくは1
00W/m・K以下、更に好ましくは50W/m・K以
下である。なお、上記の熱電導率の値は300Kにおけ
る測定値である。熱電導率が200W/m・K以下の材
料としては、特に制限されず、例えば、マンガン(7.
8W/m・K)、チタン(21.9W/m・K)、ステ
ンレス(14〜17W/m・K)、鉄(80.3W/m
・K)、クロム(90.3W/m・K)等が挙げられる
が、コスト等の観点から、チタン又はステンレスが好適
である。斯かる材料で全体が構成された内壁は、例え
ば、アルミニウム(237.0W/m・K)や銅(39
8.9W/m・K)で構成された内壁に比し、熱伝導率
が低い分だけ保温性に優れ、通常の製膜条件の場合35
0℃以上に保持される。
【0022】本発明のpCVD装置の場合、上記の様に
製膜中の内壁温度を高温に保持するため、低熱電導率の
材料で内壁を構成する。従って、被覆法により内壁の表
面のみを低熱電導率材料で構成しても余り意味がなく、
内壁全体を低熱電導率材料で構成する必要がある。ま
た、他の部品についても同様に低熱電導率材料で構成す
るのが好ましい。
【0023】本発明のpCVD装置によって製膜室の内
壁面に付着した薄膜の剥離現象が抑制される理由は、必
ずしも明らかではないが、特に炭素が主成分である膜を
製膜する場合には次の様に推定される。すなわち、製膜
室の内壁面の温度が例えば350℃以上の高温に保持さ
れた場合は、長期の生産運転中においても付着した膜質
の変化がないために新たな膜内部応力を生じずに剥離し
難い特性の膜となる。特に、製膜室の内壁面をフロート
電位に設定することにより、製膜室の内壁面に付着する
膜種をイオン以外を主体(ラジカル主体)とする膜種に
することが出来る。そして、この場合、製膜室の温度を
高める程に製膜室の内壁面に形成される炭素主成分の膜
の量を著しく軽減することが出来る。
【0024】上記の様に構成された本発明のpCVD装
置は、特に炭素が主成分である膜を製膜する際に好適に
使用される。なお、本発明のpCVD装置の使用方法
は、次の本発明の製膜方法において説明する。
【0025】次に、本発明の製膜方法について説明す
る。本発明の製膜方法の特徴は、上記の本発明のpCV
D装置を使用する点にある。
【0026】図1に示すF−pCVD装置による連続的
な製膜方法は、次の様に、主として、製膜室(1)への
基板(4)の搬入、製膜、基板(4)の搬出から成る操
作を順次に繰り返して行われる。
【0027】先ず、昇降機構(図示せず)の駆動により
ペデスタル(15)を上昇して基板(4)を製膜室
(1)内に搬入する。
【0028】次いで、製膜原料ガス供給管(14)から
製膜原料ガスを供給する。これにより、製膜原料ガスは
ガス流路(13)を通して製膜室(1)に流れ込む。以
上の操作はガス安定化と呼ばれる。なお、この際の製膜
室(1)内の圧力は、前述の製膜室用真空排気ユニット
の能力によって決定される。
【0029】次いで、アノード(3)及び基板(4)に
対し、夫々アノード電源(10)及びイオン加速用電源
(23)から所定の電位を印加する。これにより、常に
高温に加熱されたカソード(2)からアノード(3)に
向かって多量の熱電子が放出され、両電極の間でグロー
放電が開始される。そして、放電によって生じた熱電子
は、製膜原料ガスをイオン化してプラズマ状態にする。
プラズマ状態の製膜原料イオンは、基板(4)のマイナ
ス電位によって加速され、基板(4)に衝突して付着
し、炭素が主成分である膜が製膜される。なお、例えば
トルエンを使用した場合、プラズマ領域においては次の
(I)の反応が起こり、基板(4)の表面では次の(I
I)の反応が起こっていると考えられる。
【0030】
【化1】 C78 + e- → C78 + + 2e- ・・・(I) C78 + + e- → C72 + 3H2↑ ・・・(II)
【0031】次いで、製膜原料ガスの供給を停止して製
膜を終了する。その後、前述の製膜室用真空排気ユニッ
トにて製膜室(1)内に残留する原料ガスが排気されて
製膜室(1)内の圧力が原料ガスの供給前のレベルに復
帰するのを待った後、ペデスタル(15)を降下させる
ことにより、製膜室(1)から前述のトランスファーケ
ースに基板(4)を搬出する。
【0032】本発明においては、前記の製膜原料ガスと
して炭素含有モノマーガスを使用する。炭素含有モノマ
ーの具体例としては、メタン、エタン、プロパン、エチ
レン、アセチレン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素、
アルコール類、窒素含有炭化水素、フッ素含有炭化水素
などが挙げられる。特に、ベンゼン、トルエン又はピロ
ールが好適に使用される。また、必要に応じ、炭素含有
モノマーの濃度調節および膜質調節のために使用される
不活性ガスとしては、Ar、He、H2、N2、O2等
が挙げられる。
【0033】本発明の製膜方法の他の特徴は、上記の様
にして、炭素が主成分である膜を連続的に製膜するに当
たり、製膜中、製膜室の内壁面をフロート電位に設定し
且つ内壁面の温度を350℃以上に保持する点にある。
図1に示したF−pCVD装置の場合、製膜室(1)の
内壁は、低熱電導率の材料(例えばチタン又はステンレ
ス)より成る防着部材(11)にて構成される。
【0034】防着部材(11)は、製膜室壁(5)の内
周面に対して電気絶縁性の固定手段により固定されるこ
とによりフロート電位に設定されている。防着部材(1
1)の表面の温度は、その配置位置、特に製膜室壁
(5)からの距離によって異なるが、低熱電導率の材料
で構成された防着部材(11)の表面の温度は、容易に
350℃以上に保持される。この様な条件下において
は、防着部材(11)の表面に形成される膜の量は著し
く軽減され、更に、防着部材(11)の表面に僅かに付
着する膜は、剥離し難い特性を有する。
【0035】次に、本発明の情報記録媒体の製造方法に
ついて説明する。本発明の特徴は、基板上に少なくとも
記録層を形成した後に炭素が主成分である保護層を形成
する情報記録媒体の製造方法において、上記の製膜方法
により保護層を形成する点にある。本発明が対象とする
情報記録媒体としては、磁気記録媒体、光記録媒体など
が挙げられる。以下の説明は、基板として非磁性基板が
使用され且つ記録層が磁性層から構成される磁気記録媒
体の例である。
【0036】先ず、基板について説明する。磁気記録媒
体の基板としては、高速記録再生時に高速回転させても
振動しない必要があり通常は硬質基板が使用される。硬
質基板の具体例としては、Alを主成分としたAl−M
g合金などのAl合金基板、Mgを主成分としたMg−
Zn合金などのMg合金基板、通常のソーダガラス、ア
ルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類、シリコ
ン、チタン、セラミックス、各種の樹脂基板、それらを
組み合わせた基板などが挙げられる。これらの中では、
強度の点ではAl合金基板や結晶化ガラス等のガラス製
基板、コストの点では樹脂製基板が好ましい。
【0037】基板表面には、無電解めっき法、スパッタ
リング法など定法により、NiP等の金属被覆層を形成
してもよい。膜厚は、通常50nm〜500nmとされ
る。また、基板表面には同心状テキスチャリングを施し
てもよい。面内記録媒体においてはテキスチャリング溝
に沿って磁化容易軸を配向させることが出来る。
【0038】次に、磁性層について説明する。磁性層の
保磁力は、高密度記録を行うために2000Oe以上が
好ましい。より好ましくは3000Oe以上である。高
保磁力媒体は、一般に、磁性層と磁気ヘッドとの距離を
小さくして記録再生する必要があるが、本発明の成膜方
法によれば、欠陥が少なく緻密な固い保護層が良好に形
成できるため、それだけ保護層を薄く出来、磁気ヘッド
と磁性層との距離を小さく出来、高密度記録に適した媒
体を製造できる。ただし、磁性層の保磁力は、2000
0Oe以下が好ましい。20000Oeを超える場合
は、通常、磁気記録が困難となる。
【0039】磁性層材料としては、Co合金磁性層、T
bFeCoを代表とする希土類系磁性層、CoとPdの
積層膜を代表とする遷移金属と貴金属系の積層膜などが
好適に使用される。
【0040】Co合金磁性層としては、通常、純Coや
CoNi、CoSm、CoCrTa、CoNiCr、C
oCrPt等の磁性材料として一般に使用されるCo合
金磁性材料が挙げられる。これらのCo合金に更にN
i、Cr、Pt、Ta、W、B等の元素やSiO2等の
化合物を加えたものでもよい。例えば、CoCrPtT
a、CoCrPtB、CoNiPt、CoNiCrPt
B等が挙げられる。Co合金磁性層の膜厚は任意である
が、通常5nm以上、好ましくは10nm以上である。
また、通常50nm以下、好ましくは30nm以下であ
る。また、斯かる磁性層は、適当な非磁性の中間層を介
して積層してもよく或いは直接2層以上を積層してもよ
い。その際、積層される磁性材料の組成は、同じであっ
ても異なっていてもよい。
【0041】希土類系磁性層としては、磁性材料として
一般的なものを使用し得るが、例えば、TbFeCo、
GdFeCo、DyFeCo、TbFe等が挙げられ
る。これらの希土類合金にTb、Dy、Ho等を添加し
てもよい。酸化劣化防止の目的により、Ti、Al、P
tが添加されていてもよい。希土類系磁性層の膜厚は、
任意であるが、通常5〜100nm程度である。また、
斯かる磁性層は、適当な非磁性の中間層を介して積層し
てもよく或いは直接2層以上を積層してもよい。
【0042】遷移金属と貴金属系の積層膜としては、磁
性材料として一般的なものを使用し得るが、例えば、C
o/Pd、Co/Pt、Fe/Pt、Fe/Au、Fe
/Ag等が挙げられる。これらの積層膜材料の遷移金属
および貴金属は、特に純粋なものでなくてもよく、それ
らを主成分とするとする合金であってもよい。積層膜の
膜厚は、任意であるが、通常5〜1000nm程度であ
る。また、必要に応じて3種以上の材料の積層であって
もよい。
【0043】基板と磁性層との間には下地層などを形成
してもよい。下地層は、結晶を微細化し且つその結晶面
の配向を制御することを目的とし、Crを主成分とする
ものが好適に使用される。下地層の構成材料の具体例と
しては、純Crの他、記録層との結晶マッチングなどの
目的により、CrにV、Ti、Mo、Zr、Hf、T
a、W、Ge、Nb、Si、Cu、Bから選ばれる1又
は2以上の元素を添加した合金や酸化Cr等が挙げられ
る。第二および第三元素の含有量は、それぞれの元素に
よって最適量が異なるが、一般には1〜50原子%であ
る。下地層の膜厚は、磁気異方性を発現させ得るに十分
であればよいが、通常0.1〜50nm、好ましくは
0.3〜30nmである。更に、また、Cr系下地層上
にCoCr系中間層を設けてもよい。更に、垂直記録媒
体やキーパー媒体においては、下地層と磁性層の間に軟
磁性層を設けるのが好ましい。軟磁性層の構成材料は、
透磁率が比較的高く損失の少ないものであればよいが、
NiFeやそれに第3元素としてMo等を添加した合金
が好適に使用される。
【0044】本発明における、炭素が主成分である保護
層(炭素質保護層)は、通常、磁性層の表面に設けられ
るが、必要に応じて他の層を介して設けてもよい。ヘッ
ドとの衝突による磁性層の損傷を防ぐ働きをする。炭素
が主成分である材料としては、カーボン、水素化カーボ
ン、窒素化カーボン、SiC等が挙げられる。本発明に
おいては、上記の異る炭素材料から構成される保護層を
積層してもよく、また、他の材料、例えば、SiO2
Zr23、SiN、TiN等の硬質材料から成る保護層
を積層してもよい。耐衝撃性および潤滑性の観点から、
最表面は炭素質保護膜が好ましく、ヘッドによる磁性層
の損傷にも極めて強いという観点から、特にダイヤモン
ドライクカーボンが好ましい。磁性層の直上の保護層を
Crを主成分とする層を設けると、磁性層への酸素透過
を防ぐ効果が高く好ましい。なお、保護層は透明でも不
透明でもよい。
【0045】保護層上には潤滑層を形成するのが好まし
い。潤滑層は磁気ヘッドにより磁性層が損傷するのを防
ぐ機能を持つ。潤滑層に使用する潤滑剤としては、フッ
素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤、これらの混合物などが
挙げられ、ディップ法、スピンコート法などの常法で塗
布することが出来る。潤滑層の厚さは、磁気ヘッドを汚
さない様にするために薄い方がよく、通常1〜10nm
とされる。」
【0046】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、製膜室の
内壁表面に付着した薄膜の剥離現象が抑制された製膜方
法が提供される。斯かる製膜方法によれば、汚れが少な
くグライド特性に優れた磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のpCVD装置の一例(F−pCVD装
置)を示す縦断面図
【符号の説明】
1:製膜室 2:カソード 3:アノード 4:基板 5:製膜室壁 6:接続管 7:ソケット 8:カソード電源 9:ソケット 10:アノード電源 11:防着部材 12:整流部 13:ガス流路 14:製膜原料ガス供給管 15:ペデスタル 16:支持爪 17:膜厚補正板 17a:膜厚補正板の内周部 18:支持アーム 19:冷却水循環路 20:冷却水供給管 21:アース 22:アース 23:イオン加速用電源
フロントページの続き (72)発明者 野川 典和 シンガポール共和国 ジュロン パイオニ アロード 103 ミツビシケミカルインフ ォニクス・ピーティーイー・エルティーデ ィー内 Fターム(参考) 4K030 AA09 BA27 DA06 JA10 KA08 KA12 KA46 LA20 5D112 AA07 BC05 FA10 FB22 FB24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製膜室内で製膜原料ガスをプラズマ状態
    とし、基板表面に加速衝突させて製膜するプラズマCV
    D装置において、熱電導率が200W/m・K以下の材
    料で製膜室の内壁を構成して成ることを特徴とするCV
    D装置。
  2. 【請求項2】 製膜室の内壁面がフロート電位に設定さ
    れている請求項1に記載のCVD装置。
  3. 【請求項3】 製膜室内で真空条件下に加熱されたフィ
    ラメント状カソードとアノードとの間の放電により製膜
    原料ガスをプラズマ状態とし、そして、マイナス電位に
    より上記のプラズマを基板表面に加速衝突させて製膜す
    る、熱フィラメント−プラズマCVD装置である請求項
    1又は2に記載のCVD装置。
  4. 【請求項4】 製膜室の内壁が製膜室内に配置された防
    着部材によって構成されている請求項1〜3の何れかに
    記載のCVD装置。
  5. 【請求項5】 製膜室の内壁の構成材料が チタン又は
    ステンレスである請求項1〜4の何れかに記載のCVD
    装置。
  6. 【請求項6】 製膜原料として炭素含有モノマーを使用
    し、炭素が主成分である膜を製膜するに当たり、請求項
    1〜5の何れかに記載のプラズマCVD装置を使用し、
    製膜中、製膜室の内壁面をフロート電位に設定し且つ内
    壁面の温度を350℃以上に保持することを特徴とする
    製膜方法。
  7. 【請求項7】 基板上に少なくとも記録層を形成した後
    に炭素が主成分である保護層を形成する情報記録媒体の
    製造方法において、請求項6に記載の製膜方法により保
    護層を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方
    法。
JP2000351005A 2000-11-17 2000-11-17 Cvd装置および製膜方法ならびに情報記録媒体の製造方法 Withdrawn JP2002155362A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014025115A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Yuutekku:Kk プラズマcvd装置及び磁気記録媒体の製造方法
JP2014025116A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Yuutekku:Kk プラズマcvd装置及び磁気記録媒体の製造方法

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JP2014025115A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Yuutekku:Kk プラズマcvd装置及び磁気記録媒体の製造方法
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