JP2002155335A - アルミニウム合金摺動部材及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金摺動部材及びその製造方法

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JP2002155335A
JP2002155335A JP2000354418A JP2000354418A JP2002155335A JP 2002155335 A JP2002155335 A JP 2002155335A JP 2000354418 A JP2000354418 A JP 2000354418A JP 2000354418 A JP2000354418 A JP 2000354418A JP 2002155335 A JP2002155335 A JP 2002155335A
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alloy sliding
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Michihiro Tagami
道弘 田上
Akiyoshi Sugafuji
昭良 菅藤
Yasuhiro Shirasaka
康広 白坂
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Oiles Industry Co Ltd
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Oiles Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性や耐摩耗性に優れると共にリサイクル性
も高く、しかも軽量化も図れるアルミニウム合金摺動部
材を提供する。 【解決手段】10重量%以上45重量%以下のSiと、
0.05重量%以上10重量%以下のCuと、0.01
重量%以上0.5重量%以下のPと、Al及び不可避的
不純物のみを含む残部とからなる組成を有するアルミニ
ウム合金を得、このアルミニウム合金の表面層のうちの
所定部位にレーザーを照射して微細化部位12を形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酷な摺動条件下
で使用されるアルミニウム合金摺動部材及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種の機器や装置には軸受な
どの摺動部材(部品)が使用されることが多い。例えば
OA機器のプリンタでは、高速プリンタ用ブッシュなど
が使用されている。このように家電やOA機器などで使
用される摺動部材を作製する場合、一般に、樹脂系複合
材料が使用される。また、自動車や二輪車では、エンジ
ンや足回り部品の一つとして軸受が使用されている。軸
受などの摺動部材を製造する場合、樹脂系複合材料の
他、給油式の砲金(Gun metal)や鋼製軸受な
どが材料として使われる。
【0003】上記したOA機器などではその性能が年々
向上しており、この向上に伴って摺動部材に高負荷が作
用することがある。従って、今まで以上に耐熱性や耐摩
耗性の優れた材料が望まれている。しかし、樹脂系複合
材料は、一般に、鋼と比べて耐熱性や耐摩耗性に劣る。
【0004】また、自動車などでは、その軽量化のため
に軸受などの軽量化を図っている。しかし、砲金や鋼製
軸受などは、一般に、樹脂系複合材料に比べて重い。
【0005】ところで、省資源や環境改善のためにリサ
イクルできる部品や部材が多く使用されるようになって
いる。また、各種の機器や装置として、環境を汚染しな
いものが望まれている。このような観点から上記の材料
をみた場合、樹脂系複合材料は複合材料であるので分別
しにくく、リサイクル性が低い。一方、給油式の砲金や
鋼製軸受などから作製した摺動部材では、これらの摺動
面に外部から潤滑油が供給されるので環境汚染の点で問
題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、耐熱性や耐摩耗性に優れると共にリサイクル性も
高く、しかも軽量化も図れるアルミニウム合金摺動部材
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のアルミニウム合金摺動部材は、(1−1)1
0重量%以上45重量%以下のSiと、(1−2)0.
05重量%以上10重量%以下のCuと、(1−3)
0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、(1−
4)Al及び不可避的不純物のみを含む残部とからなる
組成を有し、(1−5)その表面層のうちの所定の部位
には、この所定の部位以外の他の部位よりも硬くて微細
な結晶組織からなる微細化部位が形成されていることを
特徴とするものである。
【0008】ここで、上記のアルミニウム合金摺動部材
は、(2)0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有
してもよい。
【0009】また、上記のアルミニウム合金摺動部材
は、(3)0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有
してもよい。
【0010】また、上記のアルミニウム合金摺動部材
は、(4)0.5重量%以上5重量%以下のMg、及び
0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有してもよ
い。
【0011】さらに、(5)上記のアルミニウム合金摺
動部材は、板状もしくは円筒状のものであってもよい。
【0012】さらにまた、(6)上記微細化部位は、所
定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子状、及び互いに独立
して分散した円状のうちのいずれかの形状のものであっ
てもよい。
【0013】また、上記目的を達成するための本発明の
アルミニウム合金摺動部材の製造方法は、(7−1)1
0重量%以上45重量%以下のSiと、(7−2)0.
05重量%以上10重量%以下のCuと、(7−3)
0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、(7−
4)Al及び不可避的不純物のみを含む残部とからなる
組成を有するアルミニウム合金を得、(8)このアルミ
ニウム合金の表面層のうちの所定の部位に、この所定の
部位以外の他の部位よりも硬くて微細な結晶組織からな
る微細化部位を形成することを特徴とするものである。
【0014】ここで、(9)上記アルミニウム合金を得
る際に、0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有さ
せてもよい。
【0015】また、(10)上記アルミニウム合金を得
る際に、0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有さ
せてもよい。
【0016】さらに、(11)上記アルミニウム合金を
得る際に、0.5重量%以上5重量%以下のMg、及び
0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有させてもよ
い。
【0017】さらにまた、(12)上記アルミニウム合
金を得る際に、板状もしくは円筒状のアルミニウム合金
を得てもよい。
【0018】さらにまた、(13)上記微細化部位を形
成する際に、所定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子状、
及び互いに独立して分散した円状のうちのいずれかの形
状の微細化部位を形成してもよい。
【0019】さらにまた、(14)上記微細化部位を形
成する際に、上記所定の部位にYAGレーザーを照射し
てこの所定の部位を微細化してもよい。
【0020】上記した発明を創作するに当たり、本発明
者らは、アルミニウムが優れた熱伝導性やリサイクル性
を有し、鋼に比べて比重の小さいことに着目した。しか
し、アルミニウムは軟らかくて凝着性をもつので、摺動
材料としての大きな欠点がアルミニウムには存在してい
ることとなる。
【0021】本発明者らは、この欠点を解消するための
第1の対策として、アルミニウムの結晶粒を微細化して
そのマトリックス(地)の強度を高めると共にマトリッ
クスに硬質化合物を分散して析出させて耐摩耗性を向上
させることにより耐凝着性を改善した。アルミニウムの
結晶粒を微細化するために、アルミニウムに所定量のC
uなどを添加してアルミニウム合金にした。この添加に
より、強度の高いマトリックスをもつアルミニウム合金
が得られた。
【0022】また、上記の欠点を解消するための第2の
対策として、アルミニウムに多量のSiを添加した。こ
の添加により、初晶Siがマトリックスに分散して析出
し、耐摩耗性が向上して耐凝着性を大きく改善できた。
【0023】さらに、上記の欠点を解消するための第3
の対策として、上記したアルミニウム合金の表面層のう
ちの所定の部位にレーザーを照射した。照射するレーザ
ーとしては、例えば出力0.75kw以上のYAGレー
ザーを用いた。このようにしてレーザーが照射された部
位は急速に溶解して急速に凝固する。これにより、レー
ザーが照射されない部位に比べて非常に微細な結晶組織
(微細化部位)が得られる。この微細化部位の硬さは約
200Hvであり、非常に硬い。また、この微細化部位
の厚さは、表面から300μm〜500μmである。な
お、微細化部位では深くなるほど硬さは低下するが、レ
ーザー照射の効果は約1000μmまであることが判明
した。
【0024】ところで、アルミニウム合金の表面層の全
面にレーザー照射するよりも、表面層を局部的にレーザ
ー照射したほうが、摺動性が向上することが判明した。
ここで、局部的にレーザー照射するとは、上記の微細化
部位が、例えば、所定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子
状、及び互いに独立して分散した円状のうちのいずれか
の形状になるようにレーザー照射することをいう。
【0025】上記した微細化部位について、図1から図
3までを参照して説明する。図1に、微細化部位の形状
の例を挙げる。図1(a)は、点状の微細化部位が形成
されたアルミニウム合金摺動部材を模式的に示す平面図
であり、(b)は、所定幅をもつ帯状の微細化部位が形
成されたアルミニウム合金摺動部材を模式的に示す平面
図であり、(c)は、所定幅をもつ格子状の微細化部位
が形成されたアルミニウム合金摺動部材を模式的に示す
平面図であり、(d)は、互いに独立して分散した円状
の微細化部位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を
模式的に示す平面図であり、(e)は、連続した波状の
微細化部位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を模
式的に示す平面図である。
【0026】図2と図3を参照して、微細化部位を含む
アルミニウム合金の横断面形状の一例とその合金組織に
ついて説明する。図2(a)は、微細化部位を含むアル
ミニウム合金の表面近傍を模式的に示す横断面図であ
り、(b)は、微細化部位の全体を模式的に示す横断面
図である。図3は、Si20重量%、Cu1重量%、P
0.2重量%、残部Alからなるアルミニウム合金摺動
部材の、微細化部位を形成する前の合金組織を示す顕微
鏡写真である。図4は、図3の合金組成からなるアルミ
ニウム合金摺動部材の表面に微細化部位を形成した後に
おけるこの微細化部位の合金組織を示す顕微鏡写真であ
る。
【0027】微細化部位12は他の部位14よりも硬
く、表面上に分散して形成されており、相手材との摺動
の際には、微細化部位12において荷重を負担すること
になる。この微細化部位12の表面12aは微細な凹凸
面であり、相手材との接触面積が減少されるので、相手
材との凝着性が改善され、耐摩耗性が向上する。また、
微細化部位12を含む合金の表面に潤滑油18が介在す
る場合は、凝着性はいっそう改善され、耐摩耗性も向上
する。なお、図2(a)に示すように、表面近傍には、
初晶Siが分散している。
【0028】ここで、本発明のアルミニウム合金摺動部
材が含有する成分元素について説明する。 (1)Siについて 溶融しているアルミニウム合金を冷却していくと、Al
に固溶できないSiが初晶Siとなって析出する。この
初晶Siは、小さな多角形状結晶として析出する。この
場合、溶融しているアルミニウム合金をダイカスト鋳造
法によって急冷凝固させたときは、初晶Siは微細結晶
として分散して析出する。また、溶融しているアルミニ
ウム合金に微量のPが含まれているときも、初晶Siは
微細結晶として分散して析出する。さらに、冷却してい
くとSiの一部とAlが結合してSiX AlY 系硬質化
合物を形成し、この化合物が分散して細い棒状又は板状
に析出する。このため、上述した理由によりアルミニウ
ム合金の耐摩耗性と耐凝着性が向上する。また、添加さ
れたSiの一部はAlに固溶してこのマトリックスの強
度や硬さが高まる。
【0029】但し、Siが10重量%未満のときは、上
記の効果が十分には発揮されない。一方、Siが45重
量%を超えたときは、アルミニウム合金の靭性が著しく
低下する。従って、10重量%以上45重量%以下のS
iとした。なお、Siが20重量%以上40重量%以下
の場合、初晶SiやSiXAl Y系硬質化合物が適量に析
出するので、耐摩耗性と耐凝着性がいっそう向上する。 (2)Cuについて CuはAlに固溶してアルミニウム合金の結晶粒を微細
化するので、そのマトリックスが強化される。また、C
uの一部はAlやSiと化合物を形成して時効硬化する
ので、アルミニウム合金のマトリックスの高温強度と硬
さを向上させる。
【0030】但し、Cuが0.05重量%未満のとき
は、アルミニウム合金のマトリックスが強化されにく
い。一方、Cuが10重量%を超えても、Cuの添加に
よる効果は変わらない。従って、0.05重量%以上1
0重量%以下のCuとした。なお、Cuが1重量%以上
6重量%以下の場合は、アルミニウム合金の結晶粒がい
っそう確実に微細化する。 (3)Mgについて MgはAlに固溶して固溶体を形成することによりアル
ミニウム合金の靭性を向上させる。また、MgがSiと
共存した場合は時効硬化性を発揮するので、アルミニウ
ム合金のマトリックスが硬化し、耐摩耗性がさらに向上
する。但し、Mgが0.5重量%未満のときは、Al中
のMg2 Siの溶解度が著しく減少し、時効硬化性が薄
れる。一方、Mgが5重量%を超えたときは、時効硬化
性をほとんど発揮しないので好ましくない。従って、
0.5重量%以上5重量%以下のMgとした。なお、M
gが1重量%以上3重量%以下の場合は、適切な量の固
溶体が形成されると共に、時効硬化性もいっそう良好に
発揮される。 (4)Feについて Feの一部とAlは互いに固溶体を形成して結晶粒を微
細化する。しかし、Feが多量に含有された場合はアル
ミニウム合金が脆弱化する。
【0031】また、微量のFeは、アルミニウム合金を
金型鋳造やダイカスト鋳造するときに型離れを良好にす
る。但し、Feが0.1重量%未満のときは型離れを良
好にできない。一方、Feが2重量%を超えたときは、
アルミニウム合金を脆弱化する。従って、0.1重量%
以上2重量%以下のFeとした。なお、Feが0.5重
量%以上1重量%以下の場合は、結晶粒を微細化する作
用と、型離れを良好にする作用とがいっそう良好に発揮
される。 (5)Pについて 溶融状態のアルミニウムにPを単独で添加しにくいの
で、CuP母合金として添加する。Pは、アルミニウム
合金の結晶粒を微細化してその強度を向上させる。
【0032】但し、Pが0.01重量%未満のときは、
アルミニウム合金の結晶粒をほとんど微細化できない。
一方、Pが0.5重量%を超えたときは、アルミニウム
合金が脆弱化する。従って、0.01重量%以上0.5
重量%以下のPとした。なお、Pが0.05重量%以上
0.3重量%以下の場合は、上記の効果がいっそう良好
に発揮される。また、Pと同時に添加されたCuは、上
記と同じ作用を奏する。
【0033】
【実施例】[実施例1]25重量%のSiを含むAlS
i母合金と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と
を準備し、Siが40重量%、Cuが1.0重量%、及
びPが0.2重量%(残部Al)になるようにAlイン
ゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で
溶解した。
【0034】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、40
重量%のSiと、1.0重量%のCuと、0.2重量%
のPと、残部Alとからなる組成を有する。この板状の
アルミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30m
m、厚さが5mmの方形板を作製した。
【0035】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で156であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で123であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例2]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備
し、Siが30重量%、Cuが1.0重量%、及びPが
0.2重量%(残部Al)になるようにAlインゴット
で調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解し
た。
【0036】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、30
重量%のSiと、1.0重量%のCuと、0.2重量%
のPと、残部Alとからなる組成を有する。この板状の
アルミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30m
m、厚さが5mmの方形板を作製した。
【0037】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で147であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で115であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例3]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備
し、Siが20重量%、Cuが1.0重量%、及びPが
0.2重量%(残部Al)になるようにAlインゴット
で調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解し
た。
【0038】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、1.0重量%のCuと、0.2重量%
のPと、残部Alとからなる組成を有する。この板状の
アルミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30m
m、厚さが5mmの方形板を作製した。
【0039】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で144であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で113であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例4]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備
し、Siが20重量%、Cuが3.0重量%、及びPが
0.2重量%(残部Al)になるようにAlインゴット
で調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解し
た。
【0040】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、3.0重量%のCuと、0.2重量%
のPと、残部Alとからなる組成を有する。この板状の
アルミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30m
m、厚さが5mmの方形板を作製した。
【0041】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で150であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で118であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例5]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備
し、Siが20重量%、Cuが6.0重量%、及びPが
0.2重量%(残部Al)になるようにAlインゴット
で調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解し
た。
【0042】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、6.0重量%のCuと、0.2重量%
のPと、残部Alとからなる組成を有する。この板状の
アルミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30m
m、厚さが5mmの方形板を作製した。
【0043】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で153であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で120であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例6]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と、Mgイ
ンゴットとを準備し、Siが20重量%、Cuが6.0
重量%、Mgが1.0重量%、及びPが0.2重量%
(残部Al)になるようにAlインゴットで調整し、こ
れらを電気炉にて780℃の温度で溶解した。
【0044】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、6.0重量%のCuと、1.0重量%
のMgと、0.2重量%のPと、残部Alとからなる組
成を有する。この板状のアルミニウム合金鋳物を切削加
工して、一辺が30mm、厚さが5mmの方形板を作製
した。
【0045】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で158であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で125であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例7]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と、50重
量%のFeを含むAlFe母合金とを準備し、Siが2
0重量%、Cuが6.0重量%、Feが1.0重量%、
及びPが0.2重量%(残部Al)になるようにAlイ
ンゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度
で溶解した。
【0046】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、6.0重量%のCuと、1.0重量%
のFeと、0.2重量%のPと、残部Alとからなる組
成を有する。この板状のアルミニウム合金鋳物を切削加
工して、一辺が30mm、厚さが5mmの方形板を作製
した。
【0047】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で160であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で127であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [実施例8]25重量%のSiを含むAlSi母合金
と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と、50重
量%のFeを含むAlFe母合金と、Mgインゴットと
を準備し、Siが20重量%、Cuが6.0重量%、F
eが1.0重量%、Mgが1.0重量%、及びPが0.
2重量%(残部Al)になるようにAlインゴットで調
整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解した。
【0048】この溶解により得られた溶融アルミニウム
合金を周知のダイカスト鋳造法により鋳造し、板状のア
ルミニウム合金を得た。このアルミニウム合金は、20
重量%のSiと、6.0重量%のCuと、1.0重量%
のFeと、1.0重量%のMgと、0.2重量%のP
と、残部Alとからなる組成を有する。この板状のアル
ミニウム合金鋳物を切削加工して、一辺が30mm、厚
さが5mmの方形板を作製した。
【0049】この方形板の表面に、出力1.5kwのY
AGレーザーを、照射角20°、レーザー幅1.6m
m、速度1m/分の条件で、2mm間隔の帯状に照射し
た。レーザー照射された帯状の部位(微細化部位)で
は、合金組織が微細化されており、この微細化部位の硬
さはビッカース(Hv)で180であり、一方、レーザ
ー照射されなかった部位(他の部位)の硬さはビッカー
ス(Hv)で143であった。このようにして微細化部
位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を製造し、こ
れを試験片とした。試験条件については後述する。 [比較例]比較例として、耐摩耗部品用途に使用されて
いる日本工業規格(JIS)のH5302、記号ADC
14で規定される17重量%のSi、4.5重量%のC
u、0.55重量%のMg、1.3重量%のFe、1.
5重量%のZn、0.5重量%のMn、残部Alからな
るアルミニウム合金を用いた。このアルミニウム合金か
ら一辺が30mm、厚さが5mmの方形板を作製し、こ
れを比較例の試験片とした。
【0050】上述した実施例1から8までに記載した試
験片、及び比較例に記載した試験片を用いて、下記の試
験条件で摩擦試験を行った。試験結果と各試験片の組成
や硬さを表1に示す。また、摩擦試験の方法を図6に模
式的に示す。 [試験条件]摩擦試験としては、図6に示すように、試
験片20を固定しておき、摩擦の相手材になるSUS3
04製の円筒ブッシュ22を試験片20の上から(矢印
A方向から)その表面20aに所定の荷重で押し付けな
がら、円筒ブッシュ22を矢印B方向に回転させるスラ
スト試験を行った。円筒ブッシュ22の内径は20.0
mm、外径は25.6mmである。また、この摩擦試験
を開始するに先立って、試験片20の表面20aに、1
0重量%の黒鉛を含有したリチウム系グリースを塗布し
た。
【0051】円筒ブッシュ22を矢印B方向に回転させ
る速度(摺動速度)は10m/分とした。また、所定の
荷重として、摩擦試験開始から10分間は2kgf/c
2(面圧)の荷重(初期荷重)を円筒ブッシュ22に
負荷した。摩擦試験開始から10分経過後に荷重を1k
gf/cm2 増やし、その後も、10分経過毎に1kg
f/cm2 ずつ荷重を増やす累積荷重にした。 [試験結果]試験結果と各試験片の組成や硬さを表1に
示す。
【0052】
【表1】 表1に記載した耐荷重性とは、上記の摩擦試験において
摩擦係数が上昇し始めた時点の荷重(面圧)の値をい
い、この耐荷重性が大きいほど、耐摩耗性に優れてい
る。また、摩擦係数は試験開始後、安定域に移行したと
きの値を示した。
【0053】各実施例の耐荷重性を比較した場合、表1
に示すように、実施例3の試験片の耐荷重性が一番小さ
くて19kgf/cm2 であり、一方、実施例8の試験
片の耐荷重性が一番大きくて27kgf/cm2 であっ
た。しかし、比較例の試験片の耐荷重性は8kgf/c
2 であるので、実施例3の試験片であっても、比較例
の試験片に比べて2倍以上の耐荷重性を有する。また、
各実施例の摩擦係数は0.06から0.13の範囲内で
あるのに対し、比較例の摩擦係数は0.30であった。
この結果、実施例の試験片は、比較例に比べて耐摩耗
性、耐凝着性に非常に優れていることが判明した。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明の(請求項1
に記載された)アルミニウム合金摺動部材では、多量に
含有されているSiの一部がAlに固溶して固溶体を形
成することによりアルミニウム合金のマトリックスを微
細な共晶組織にするので、このマトリックスの強度や硬
さが高まる。また、SiとAlがSiXAl Y系硬質化合
物を分散して析出するので耐摩耗性と耐凝着性が向上す
る。さらに、CuはAlに固溶してアルミニウム合金を
強化し時効硬化するので、このアルミニウム合金のマト
リックスの高温強度と硬さがさらに向上する。さらにま
た、Pによってアルミニウム合金の結晶粒がいっそう微
細化されるので、その強度も確実に向上する。このよう
にAlに適宜の量のSi、Cu、及びPを含有させるこ
とにより、高温強度と硬さが向上したマトリックスを有
すると共に耐摩耗性及び耐凝着性に優れたアルミニウム
合金摺動部材が得られる。また、アルミニウム合金であ
るのでリサイクル性も高く、軽量化も図れる。さらにま
た、アルミニウム合金摺動部材の表面に形成された微細
化部位は他の部位よりも硬く、表面上に分散して形成さ
れており、相手材との摺動の際には、微細化部位におい
て荷重を負担することになる。この微細化部位の表面は
微細な凹凸面であり、相手材との接触面積が減少される
ので、相手材との凝着性が改善され、耐摩耗性が向上す
る。また、微細化部位を含む合金の表面に潤滑油が介在
する場合は、凝着性はいっそう改善され、耐摩耗性も向
上する。
【0055】ここで、上記のアルミニウム合金摺動部材
が、0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有した場
合は、MgがAlに固溶して固溶体を形成することによ
りアルミニウム合金の靭性を向上させる。また、Mgが
Siと共存した場合は時効硬化性を発揮するので、アル
ミニウム合金のマトリックスが硬化し、耐摩耗性がさら
に向上する。なお、Mgが1重量%以上3重量%以下の
場合は、適切な量の固溶体が形成されると共に、時効硬
化性もいっそう良好に発揮される。
【0056】さらに、上記のアルミニウム合金摺動部材
が、0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有した場
合は、Feの一部とAlは互いに固溶体を形成して結晶
粒を微細化する。また、微量のFeは、アルミニウム合
金を金型鋳造やダイカスト鋳造するときに型離れを良好
にする。なお、Feが0.5重量%以上1重量%以下の
場合は、結晶粒を微細化する作用と、型離れを良好にす
る作用とがいっそう良好に発揮される。
【0057】さらにまた、上記のアルミニウム合金摺動
部材が、板状もしくは円筒状のものである場合は、その
表面層にレーザーを容易に照射できるので微細化部位を
容易に形成できる。
【0058】さらにまた、上記微細化部位が、所定幅を
もつ帯状、所定幅をもつ格子状、及び互いに独立して分
散した円状のうちのいずれかの形状のものである場合
は、簡易な形状の微細化部位をもつアルミニウム合金摺
動部材が得られる。
【0059】また、以上説明したように本発明の(請求
項6に記載された)アルミニウム合金摺動部材の製造方
法によって製造されたアルミニウム合金摺動部材では、
多量に含有されているSiの一部がAlに固溶して固溶
体を形成することによりアルミニウム合金のマトリック
スを微細な共晶組織にするので、このマトリックスの強
度や硬さが高まる。また、多量のSiとAlがSiXAl
Y系硬質化合物を分散して析出するので耐摩耗性と耐凝
着性が向上する。さらに、CuはAlに固溶してアルミ
ニウム合金を強化し時効硬化するので、このアルミニウ
ム合金のマトリックスの高温強度と硬さがさらに向上す
る。さらにまた、Pによってアルミニウム合金の結晶粒
がいっそう微細化されるので、その強度も確実に向上す
る。このようにAlに適宜の量のSi、Cu、及びPを
含有させることにより、高温強度と硬さが向上したマト
リックスを有すると共に耐摩耗性及び耐凝着性に優れた
アルミニウム合金摺動部材が得られる。また、アルミニ
ウム合金であるのでリサイクル性も高く、軽量化も図れ
る。さらにまた、アルミニウム合金摺動部材の表面に形
成された微細化部位は他の部位よりも硬く、表面上に分
散して形成されており、相手材との摺動の際には、微細
化部位において荷重を負担することになる。この微細化
部位の表面は微細な凹凸面であり、相手材との接触面積
が減少されるので、相手材との凝着性が改善され、耐摩
耗性が向上する。また、微細化部位を含む合金の表面に
潤滑油が介在する場合は、凝着性はいっそう改善され、
耐摩耗性も向上する。
【0060】ここで、上記のアルミニウム合金を得る際
に、0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有させる
場合は、MgがAlに固溶して固溶体を形成することに
よりアルミニウム合金の靭性を向上させる。また、Mg
がSiと共存した場合は時効硬化性を発揮するので、ア
ルミニウム合金のマトリックスが硬化し、耐摩耗性がさ
らに向上する。なお、Mgが1重量%以上3重量%以下
の場合は、適切な量の固溶体が形成されると共に、時効
硬化性もいっそう良好に発揮される。
【0061】さらに、上記のアルミニウム合金を得る際
に、0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有させる
場合は、FeとAlは互いに固溶体を形成して結晶粒を
微細化する。また、微量のFeは、アルミニウム合金を
金型鋳造やダイカスト鋳造するときに型離れを良好にす
る。なお、Feが0.5重量%以上1重量%以下の場合
は、結晶粒を微細化する作用と、型離れを良好にする作
用とがいっそう良好に発揮される。
【0062】さらにまた、上記アルミニウム合金を得る
際に、板状もしくは円筒状のアルミニウム合金を得る場
合は、その表面層にレーザーを容易に照射できるので微
細化部位を容易に形成できる。
【0063】さらにまた、上記微細化部位を形成する際
に、所定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子状、及び互い
に独立して分散した円状のうちのいずれかの形状の微細
化部位を形成する場合は、簡易な形状の微細化部位をも
つアルミニウム合金摺動部材が得られる。
【0064】さらにまた、上記微細化部位を形成する際
に、上記所定の部位にYAGレーザーを照射して微細化
する場合は任意の形状の微細化部位を容易に形成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、点状の微細化部位が形成されたアル
ミニウム合金摺動部材を模式的に示す平面図であり、
(b)は、所定幅をもつ帯状の微細化部位が形成された
アルミニウム合金摺動部材を模式的に示す平面図であ
り、(c)は、所定幅をもつ格子状の微細化部位が形成
されたアルミニウム合金摺動部材を模式的に示す平面図
であり、(d)は、互いに独立して分散した円状の微細
化部位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を模式的
に示す平面図であり、(e)は、連続した波状の微細化
部位が形成されたアルミニウム合金摺動部材を模式的に
示す平面図である。
【図2】(a)は、微細化部位を含むアルミニウム合金
の表面近傍を模式的に示す横断面図であり、(b)は、
微細化部位の全体を模式的に示す横断面図である。
【図3】Si20重量%、Cu1重量%、P0.2重量
%、残部Alからなるアルミニウム合金摺動部材の、微
細化部位を形成する前の合金組織を示す顕微鏡写真であ
る。
【図4】図3の合金組成からなるアルミニウム合金摺動
部材の表面に微細化部位を形成した後におけるこの微細
化部位の合金組織を示す顕微鏡写真である。
【図5】摩擦試験の方法を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10 アルミニウム合金摺動部材 12 微細化部位 14 他の部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA20 DA01 DA02 QA01 SB03 SB04 SE01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10重量%以上45重量%以下のSi
    と、 0.05重量%以上10重量%以下のCuと、 0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、 Al及び不可避的不純物のみを含む残部とからなる組成
    を有し、 その表面層のうちの所定の部位には、この所定の部位以
    外の他の部位よりも硬くて微細な結晶組織からなる微細
    化部位が形成されていることを特徴とするアルミニウム
    合金摺動部材。
  2. 【請求項2】 0.5重量%以上5重量%以下のMgを
    含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウ
    ム合金摺動部材。
  3. 【請求項3】 0.1重量%以上2重量%以下のFeを
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアル
    ミニウム合金摺動部材。
  4. 【請求項4】 板状もしくは円筒状のものであることを
    特徴とする請求項1,2,又は3に記載のアルミニウム
    合金摺動部材。
  5. 【請求項5】 前記微細化部位は、 所定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子状、及び互いに独
    立して分散した円状のうちのいずれかの形状のものであ
    ることを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれ
    か一項に記載のアルミニウム合金摺動部材。
  6. 【請求項6】 10重量%以上45重量%以下のSi
    と、 0.05重量%以上10重量%以下のCuと、 0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、 Al及び不可避的不純物のみを含む残部とからなる組成
    を有するアルミニウム合金を得、 このアルミニウム合金の表面層のうちの所定の部位に、
    この所定の部位以外の他の部位よりも硬くて微細な結晶
    組織からなる微細化部位を形成することを特徴とするア
    ルミニウム合金摺動部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルミニウム合金を得る際に、 0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有させること
    を特徴とする請求項6に記載のアルミニウム合金摺動部
    材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルミニウム合金を得る際に、 0.1重量%以上2重量%以下のFeを含有することを
    特徴とする請求項6又は7に記載のアルミニウム合金摺
    動部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アルミニウム合金を得る際に、 板状もしくは円筒状のアルミニウム合金を得ることを特
    徴とする請求項6,7,又は8に記載のアルミニウム合
    金摺動部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記微細化部位を形成する際に、 所定幅をもつ帯状、所定幅をもつ格子状、及び互いに独
    立して分散した円状のうちのいずれかの形状の微細化部
    位を形成することを特徴とする請求項6から9までのう
    ちのいずれか一項に記載のアルミニウム合金摺動部材の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記微細化部位を形成する際に、 前記所定の部位にYAGレーザーを照射して該所定の部
    位を微細化することを特徴とする請求項6から10まで
    のうちのいずれか一項に記載のアルミニウム合金摺動部
    材の製造方法。
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