JP4121733B2 - 黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法及び摺動部材 - Google Patents

黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法及び摺動部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、黒鉛粒子を含有した黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法、及び摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム(Al)合金は軽量で機械的性質や加工性に優れていることから工業材料として広く使用されている。Al合金の中でもAl−Si系合金やAl−Sn−Si系合金の耐摩耗性は優れていることが知られている。特にAl−Sn−Si系合金は流体潤滑条件下での耐摩耗性が優れているので、軸受などの摺動部材として工業的に使用されている。しかし、このAl−Sn−Si系合金は境界潤滑条件下での使用においては耐凝着性に劣るので、流体潤滑条件下での使用に限られる、という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
Al合金を境界潤滑条件下で使用可能にする技術として、
(1)Al合金の摺動面に固体潤滑剤として黒鉛を埋設固定することにより、Al合金に自己潤滑性を付与する技術、及び
(2)Al合金中に固体潤滑剤として黒鉛を分散させることにより、Al合金に自己潤滑性を付与する技術、
が知られている。
【0004】
上記した(1)の技術は、Al合金から板状や円筒状の部材を作製し、例えば円筒状の部材のうち摺動面となる平面あるいは円筒面に複数個の孔を明け、これらの孔に固体潤滑剤を接着剤によって埋設固定することにより、Al合金に自己潤滑性を付与する技術である。しかし、この技術では、円筒状部材が小径(小サイズ)のときは、孔明け作業やその後の固体潤滑剤の埋設作業が煩雑になる、という欠点がある。
【0005】
また、上記した(2)の技術としては、例えば特公昭44−1042号公報あるいは特公昭45−13224号公報に開示された技術が知られている。
【0006】
特公昭44−1042号公報には、流下しつつある金属溶融物に、黒鉛粉末を懸濁させた中性ガスを吹付けてAl合金を飛沫粒状化させると共に、その粒状化金属表面に黒鉛粉末を付着させ、これを鋳型に導入し、黒鉛が付着した金属粒子を互いに融着させ、粒界に黒鉛が保持された一体金属として凝固させる技術が開示されている。
【0007】
特公昭45−13224号公報には、金属の溶融物中に、分散剤としてガスを用いて、金属被覆した黒鉛粒子を分散させ、その後、溶融物を冷却して固化させる技術が開示されている。
【0008】
上記した特公昭44−1042号公報に開示された技術では、黒鉛及び黒鉛を含有する母体金属の歩留まりが非常に悪く、また多くの巣が発生したりガス中の不純物を巻き込んだりするので健全な鋳塊が得られにくい、という欠点がある。
【0009】
また、特公昭45−13224号公報に開示された技術では、黒鉛粒子を母材金属の熔融物中へ注入するために長時間を要し、しかも、多くの黒鉛粒子が浮上するので黒鉛が均一に分散しにくい、という欠点がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、Al合金中に黒鉛粒子を均一に分散含有させた黒鉛含有Al合金の製造方法、及びこの製造方法によって製造した黒鉛含有Al合金から作製した摺動部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、黒鉛粒子がAl合金の溶湯から浮上分離する要因について考察した。その要因として、黒鉛粒子の表面の性質を挙げた。黒鉛粒子と溶融合金とが接触するとき、溶融合金の粘性挙動に対する黒鉛粒子の表面の見掛けの粘性が黒鉛粒子の分散性に影響を与える、と考えた。換言すれば、黒鉛粒子の表面にAl合金の溶湯と粘性挙動が近似した見掛けの表面を形成することにより、黒鉛粒子がAl合金中に良好に分散する、と本発明者らは考えた。
【0012】
この考えに基づき、黒鉛粒子の表面の改質について各種実験を試みた。その結果、Al合金の溶湯中に投入した際、短時間では分解あるいは飛散しない物質として無水硼酸(B)及び硼砂(Na)が存在し、これらの物質をAl合金の溶湯中に投入した場合、これらの物質が軟化あるいは溶融して粘稠性を発揮することを見出した。さらに、Al合金の溶湯中に黒鉛粒子を投入した後、溶湯を短時間で凝固させることにより、Al合金中に黒鉛粒子を均一に分散できることも見出した。本発明は、これらの知見に基づきなされた。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の黒鉛含有アルミニウム合金製造方法は、
(1)無水硼酸及び硼砂から選択される硼素酸化物の被膜が表面に形成された黒鉛粒子をアルミニウム合金の溶湯中に、この黒鉛粒子の含有量が3重量%以上15重量%以下になるように投入し、
(2)この黒鉛粒子が投入されたアルミニウム合金の溶湯をダイカスト鋳造して黒鉛含有アルミニウム合金を製造することを特徴とするものである。
【0014】
ここで、
(3)前記アルミニウム合金の溶湯は、10重量%以上45重量%以下のSiと、1重量%以上15重量%以下のCuと、残部Al及び不可避的不純物とからなるものであってもよい。
【0015】
また、
(4)前記アルミニウム合金の溶湯は、10重量%以上45重量%以下のSiと、0.05重量%以上10重量%以下のCuと、0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、残部Al及び不可避的不純物からなるものであってもよい。
【0016】
さらに、
(5)前記アルミニウム合金の溶湯は、0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有するものであってもよい。
【0017】
さらにまた、
(6)前記アルミニウム合金の溶湯は、0.1重量%以上2重量%以下のFe及び0.01重量%以上0.4重量%以下のTiのうちの少なくとも一方を含有するものであってもよい。
【0018】
さらにまた、
(7)前記黒鉛粒子は、その粒度が、14メッシュを通過し100メッシュを通過しないものであってもよい。
【0019】
さらにまた、
(8)前記黒鉛粒子は、その粒度が、20メッシュを通過し55メッシュを通過しないものであってもよい。
【0020】
さらにまた、
(9)黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成するに当り、水又はアルコールからなる溶媒に硼素酸化物を溶解させて飽和溶液を作製し、この飽和溶液に黒鉛粒子を添加してその表面に硼素酸化物を付着させ、この黒鉛粒子を加熱して乾燥させることによりこの黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成してもよい。
【0021】
また、上記目的を達成するための本発明の摺動部材は、
(10)上記した黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法によって製造された黒鉛含有アルミニウム合金から作製されたことを特徴とするものである。
【0022】
黒鉛粒子としては、天然黒鉛または人造黒鉛から作製された黒鉛粒子が使用される。黒鉛粒子の大きさは分散性にある程度影響を及ぼす。黒鉛粒子の大きさが3000μm以下であれば良好に分散させることができる。黒鉛粒子の大きさに下限はないが、摺動部材においては自己潤滑性の観点からある程度の粒度が必要とされる。14メッシュ(1190μm)を通過し100メッシュ(150μm)を通過しない粒度、好ましくは20メッシュ(840μm)を通過し55メッシュ(250μm)を通過しない粒度に調整した黒鉛粒子が使用されることが好ましい。人造黒鉛を使用する場合は、後述する実施例のように、電極カーボンを粉砕して所定の粒度に調整した。また、天然黒鉛を使用する場合は、天然黒鉛の粒度が約200メッシュ以上であるので、天然黒鉛を造粒して所定の粒度に調整した。
【0023】
製造された黒鉛含有Al合金中に均一に分散含有される黒鉛粒子の含有量は3重量%以上15重量%以下の範囲内である。黒鉛粒子の含有量が3重量%未満では、摺動部材とした場合の自己潤滑性が十分でなく、一方、15重量%を超えて含有した場合には、Al合金の強度が低下する。また、Al合金中に均一に分散含有された黒鉛粒子は潤滑油剤との親和性に富んでいるので、潤滑油剤による潤滑作用と黒鉛による固体潤滑作用の相乗効果が発揮され、境界潤滑条件下においても優れた擦摩耗特性を発揮する。
【0024】
上記した各種の成分元素について説明する。
【0025】
(1)Siについて
【0026】
Siを含有したAl合金の溶湯を冷却していくと、Siの一部はAlと固溶体を形成してAl合金のマトリックスの強度と硬さを増加させる。また、Alに固溶できない一部のSiが初晶Siとなって小さな多角形状の微細結晶として合金中に分散して析出する。この初晶Siの析出によってAl合金の耐摩耗性及び耐凝着性が向上する。また、この初晶Siは、Al合金中に均一に分散含有された黒鉛粒子の被膜形成に寄与し、摺動部材としての摩耗特性を向上させる。Al合金溶湯中のSiの含有量が10重量%未満では、上記の効果が十分発揮されず、またSiの含有量が45重量%を超えたときはAl合金の靭性を著しく低下させる。従って、Siの含有量としては、10重量%以上45重量%以下の範囲内が適当である。
【0027】
(2)Cuについて
【0028】
CuはAlに固溶し、Al合金の結晶粒を微細化してAl合金マトリックスを強化させる。また、Cuの一部はAlやSiと化合物を形成して時効硬化するので、Al合金の高温強度と硬さを向上させる。Cuの含有量が1.0重量%未満ではAl合金マトリックスの強化に寄与せず、一方、Cuの含有量が15重量%を超えたときはAl合金を脆くする。従って、Cuの含有量としては、1.0重量%以上15重量%以下の範囲内が適当である。
【0029】
(3)Pについて
【0030】
Pは、CuPの母合金として含有される。PはAl合金の結晶粒を微細化してその強度の向上に寄与する。Pの含有量が0.01重量%未満ではAl合金の結晶粒をほとんど微細化することができず、強度の向上に寄与しない。一方、Pの含有量が0.5重量%を超えたときはAl合金を脆弱化させる。従って、Pの含有量としては、0.01重量%以上0.5重量%以下の範囲内が適当である。
【0031】
(4)Mgについて
【0032】
MgはAlに固溶して固溶体を形成することによりAl合金の靭性を向上させる。また、MgがSiと共存した場合、MgSi化合物を生成して時効硬化性を発揮し、Al合金マトリックスの硬度を高め、耐摩耗性を向上させる。Mgの含有量が0.5重量%未満では時効硬化性に起因する耐摩耗性の向上に効果がなく、一方、Mgの含有量が5重量%を超えたときは時効硬化性を却って弱める。従って、Mgの含有量としては、0.5重量%以上5重量%以下の範囲内が適当である。
【0033】
(5)Feについて
【0034】
Feは、その一部がAlと相互に固溶体を形成して結晶粒を微細化する効果と、ダイカスト鋳造時の金型からの型離れを良好にする効果を有する。Feの含有量が0.1重量%未満では結晶粒を微細化する効果及び型離れの効果が発揮されず、一方、Feの含有量が2重量%を超えたときはAl合金の強度を低下させる。従って、Feの含有量としては、0.1重量%以上2重量%以下の範囲内が適当である。
【0035】
(6)Tiについて
【0036】
Tiは、Alに僅かに固溶して結晶粒を微細化するので、Al合金の強度と耐摩耗性を向上させる。Tiの含有量が0.01重量%未満では上記の効果が発揮されず、一方、Tiの含有量が0.4重量%超えたときはTiAl化合物が多量に析出し、Al合金の加工性を悪化させる。従って、Tiの含有量としては、0.01重量%以上0.4重量%以下の範囲内が適当である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
【0038】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、50重量%のCuを含むAlCu母合金とを準備し、Siが23重量%、Cuが6重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが23重量%、Cuが6重量%、残部がAlである。
【0039】
黒鉛粒子として、下記の(A)〜(D)の人造黒鉛を準備した。
(A)電極カーボンを粉砕し、14メッシュ(1190μm)を通過し20メッシュ(840μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛
(B)電極カーボンを粉砕し、20メッシュ(840μm)を通過し36メッシュ(420μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛
(C)電極カーボンを粉砕し、36メッシュ(420μm)を通過し55メッシュ(250μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛
(D)電極カーボンを粉砕し、55メッシュ(250μm)を通過し100メッシュ(150μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛
【0040】
また、無水硼酸を準備し、無水硼酸の100℃の飽和水溶液を4つ作製した。これら4つの飽和水溶液中に上記の(A)乃至(D)の人造黒鉛粒子をそれぞれ投入し、その後、これを乾燥して人造黒鉛粒子の表面に無水硼酸の被膜を形成した。このようにして、互いに粒度の異なる4種類の黒鉛粒子を得た。続いて、無水硼酸の被膜が表面に形成された4種類の人造黒鉛粒子をそれぞれ別のAl合金の溶湯に投入した。この場合、最終的に製造される黒鉛含有アルミニウム合金に対する人造黒鉛粒子の重量%として、(1)3重量%、(2)5重量%、(3)8重量%、(4)10重量%、(5)15重量%の割合の人造黒鉛粒子をそれぞれ別のAl合金の溶湯中に投入した。なお、この割合は、Al合金溶湯に対する割合としても同じものとなる。
【0041】
上記のようにして、人造黒鉛粒子の含有率が互いに異なる5種類のAl合金溶湯を作製した。各溶湯を125トンのコールドチャンバ式横型ダイカスト鋳造機にて150kgf/cmの圧力をかけてダイカスト鋳造した。このようにして得たAl合金鋳物に機械加工を施し、一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。
【0042】
実施例1は、上記した(A)乃至(D)に示した4種類の黒鉛粒子の粒度と、黒鉛含有Al合金に対するこれら各粒度の黒鉛粒子の含有量との違い、及び黒鉛粒子の粒度の違いに起因する黒鉛含有Al合金中への均一分散性ついて調査すると共に、上記の製造方法で得られた板状試験片(板状摺動部材)の諸特性について実験したものである。
【0043】
図1に、実施例1の(A)−(4)で得た板状試験片の顕微鏡写真(20倍)を示す。図2に、実施例1の(B)−(4)で得た板状試験片の顕微鏡写真(20倍)を示す。図3に、実施例1の(C)−(4)で得た板状試験片の顕微鏡写真(20倍)を示す。図4に、実施例1の(D)−(4)で得た板状試験片の顕微鏡写真(20倍)を示す。ここで、(A)−(4)とは、上記した(A)に記載した粒度の人造黒鉛を、上記した(4)に記載した割合(10重量%)だけ使用したことを意味する。(B)−(4)等の表現も同様である。
【0044】
図1乃至図4において、黒鉛含有Al合金中に黒く点在して見えるのが人造黒鉛粒子であり、人造黒鉛粒子はAl合金中に均一に分散されていることが判る。この実施例1で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)、耐荷重性及び摩擦係数の試験結果を表1に示す。なお、耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。また、表1における粒度の項目のA乃至Dは、上記の(A)乃至(D)を表し、また、重量%の項目の1乃至5は、上記の(1)乃至(5)を表す。
【表1】
Figure 0004121733
【0045】
図1乃至図4に示すように、Si−Cu−Al系合金中に所定の粒度に調整した黒鉛粒子を均一に分散含有させることに成功した。以下の実施例2乃至実施例7においては、Si−Cu−Al系合金自体の耐摩耗性を向上させるために各種金属元素を配合したAl合金溶湯中に、実施例1と同様の方法で黒鉛粒子を均一に分散含有させ、この黒鉛粒子が分散含有された黒鉛含有Al合金の諸特性について実験した結果を説明する。
〔実施例2〕
【0046】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、50重量%のCuを含むAlCu母合金と、Mgインゴットとを準備し、Siが23重量%、Cuが6重量%、Mgが1重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが23重量%、Cuが6重量%、Mgが1重量%、残部がAlである。
【0047】
黒鉛粒子として、実施例1の(B)−(4)の人造黒鉛粒子を準備した。硼砂を準備し、硼砂の100℃の飽和水溶液を作製した。この飽和水溶液中に、上記した(B)−(4)の人造黒鉛粒子を投入し、その後、これを乾燥して人造黒鉛粒子の表面に硼砂の被膜を形成した。続いて、硼砂の被膜が形成された人造黒鉛粒子をAl合金の溶湯に投入した。この場合、最終的に製造される黒鉛含有Al合金に対して人造黒鉛粒子が10重量%となるように人造黒鉛粒子を投入した。なお、この割合は、Al合金溶湯に対する割合としても同じものとなる。
【0048】
10重量%の人造黒鉛粒子が投入されたAl合金溶湯を125トンのコールドチャンバ式横型ダイカスト鋳造機にて150kgf/cmの圧力をかけてダイカスト鋳造した。このようにして得た黒鉛含有Al合金鋳物に機械加工を施し、一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例2で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。
〔実施例3〕
【0049】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、50重量%のCuを含むAlCu母合金と、50重量%のFeを含むAlFe母合金とを準備し、Siが23重量%、Cuが6重量%、Feが1重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが23重量%、Cuが6重量%、Feが1重量%、残部がAlである。
【0050】
黒鉛粒子として、実施例2と同様の人造黒鉛粒子を準備した。実施例1と同様にして無水硼酸の100℃の飽和水溶液を作製した。この飽和水溶液中に人造黒鉛粒子を投入し、その後、これを乾燥して人造黒鉛粒子の表面に無水硼酸の被膜を形成した。
【0051】
続いて、無水硼酸の被膜が形成された人造黒鉛粒子をAl合金の溶湯中に投入した。この場合、最終的に製造される黒鉛含有Al合金に対して人造黒鉛粒子が10重量%となるように人造黒鉛粒子を投入した。なお、この割合は、Al合金溶湯に対する割合としても同じものとなる。
【0052】
10重量%の人造黒鉛粒子が投入されたAl合金溶湯を125トンのコールドチャンバ式横型ダイカスト鋳造機にて150kgf/cmの圧力をかけてダイカスト鋳造した。このようにして得た黒鉛含有Al合金鋳物に機械加工を施し、一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例3で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。
〔実施例4〕
【0053】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、50重量%のCuを含むAlCu母合金と、50重量%のFeを含むAlFe母合金と、Mgインゴットとを準備し、Siが23重量%、Cuが6重量%、Feが1重量%、Mgが1重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが23重量%、Cuが6重量%、Feが1重量%、Mgが1重量%、残部がAlである。
【0054】
以下、実施例3と同様にして、黒鉛含有Al合金中に10重量%の人造黒鉛粒子を均一に分散含有した一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例4で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。
〔実施例5〕
【0055】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備し、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、残部がAlである。
【0056】
以下、実施例3と同様にして、黒鉛含有Al合金中に10重量%の人造黒鉛粒子を均一に分散含有した一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例5で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。
〔実施例6〕
【0057】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と、Mgインゴットとを準備し、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、Mgが1重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、Mgが1重量%、残部がAlである。
【0058】
以下、実施例3と同様にして、10重量%の人造黒鉛粒子を均一に分散含有した一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例6で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。〔実施例7〕
【0059】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、14.5重量%のPを含むCuP母合金と、5重量%のTiを含むAlTi母合金とを準備し、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、Tiが0.1重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解してAl合金の溶湯を得た。このAl合金の溶湯の組成は、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、Tiが0.1重量%、残部がAlである。
【0060】
以下、実施例3と同様にして、10重量%の人造黒鉛粒子を均一に分散含有した一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片(板状摺動部材)を作製した。この実施例7で得た板状試験片の成分組成及び硬さ(ブリネル硬さ:HB)を表2に示す。なお、表2中の耐荷重性及び摩擦係数の試験結果については後述する。〔比較例1〕
【0061】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、50重量%のCuを含むAlCu母合金とを準備し、Siが23重量%、Cuが6重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解した。
【0062】
この溶解によって得られた溶融Al合金をダイカスト鋳造法により鋳造し、一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片を作製した。この板状試験片に直径5.42mmの円孔を10個形成した。これらの円孔に直径5.4mmの円柱状人造黒鉛をエポキシ樹脂製接着剤によって埋設固定した。この円柱状人造黒鉛の板状試験片の表面に露出する割合は約25%である。円柱状人造黒鉛を埋設固定した板状試験片を板状摺動部材とした。
〔比較例2〕
【0063】
25重量%のSiを含むAlSi母合金と、14.5重量%のPを含むCuP母合金とを準備し、Siが20重量%、Cuが1重量%、Pが0.2重量%、残部がAlとなるようにAlインゴットで調整し、これらを電気炉にて780℃の温度で溶解した。
【0064】
この溶解によって得られた溶融Al合金をダイカスト鋳造法により鋳造し、一辺が30mm、厚さが5mmの板状試験片を作製した。この板状試験片に直径5.42mmの円孔を10個形成したのち、これらの円孔に直径5.4mmの円柱状人造黒鉛をエポキシ樹脂製接着剤によって埋設固定した。この円柱状人造黒鉛の板状試験片の表面に露出する割合は約25%である。円柱状人造黒鉛を埋設固定した板状試験片を板状摺動部材とした。
【0065】
次に、上述した実施例1乃至実施例7で得た板状摺動部材、及び比較例1乃至比較例2で得た板状摺動部材について、以下の条件で摩擦特性について試験した。
〔試験条件〕
【0066】
図5に示すように、板状試験片(板状摺動部材)10を固定しておき、相手材となる円筒体(機械構造用炭素鋼:S45C)12を板状試験片10の上から(矢印A方向から)その表面10aに所定の荷重で押し付けながら、円筒体12を矢印B方向に回転させるスラスト試験を行った。円筒体12はその内径が20.0mm、外径が25.6mmのものを使用した。また、試験を開始するに先立って、板状試験片10の表面10aにリチウム系グリースを塗布した。
【0067】
円筒体12を矢印B方向に回転させる速度(摺動速度)は5m/分とし、所定の荷重として、試験開始から10分間は2kgf/cm(面圧)の荷重(初期荷重)を円筒体12に負荷した。試験開始から10分間経過後に1kgf/cm増やし、その後も10分間経過毎に1kgf/cmずつ荷重を増やす累積荷重とした。
【0068】
実施例1で得た板状試験片の試験結果を表1に示す。また、実施例2乃至実施例7で得た板状試験片、及び比較例1乃至比較例2で得た板状試験片の試験結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004121733
【0069】
実施例2乃至実施例7の板状摺動部材においても、黒鉛含有Al合金中に黒鉛粒子が均一に分散含有されていることが認められた。なお、表2中、比較例1及び比較例2の硬さは、円柱状人造黒鉛が埋設されていないAl合金部位の硬さを測定したときの値である。
【0070】
表1及び表2に示す試験結果から、実施例1乃至実施例7の板状摺動部材では、耐荷重性として2.5MPa以上の値を示した。この結果、実施例1乃至実施例7の板状摺動部材は、比較例1及び比較例2の板状摺動部材と比べて耐荷重性が優れていることがわかる。また、実施例1乃至実施例7の板状摺動部材を比較例1及び比較例2の板状摺動部材と比べた場合、摩擦係数においては同等乃至それ以上の性能を有することが判明した。
【0071】
実施例1乃至実施例7の板状摺動部材は、上述したように比較例1及び比較例2の板状摺動部材と比較して耐荷重性及び摩擦係数において同等乃至それ以上の性能を示したことは、自己潤滑性を有するAl合金の製造面において優位性を有するものである。
【0072】
【発明の効果】
本発明の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法では、黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成する。硼素酸化物は、無水硼酸(B)及び硼砂(Na)のいずれか一方から形成され、これらの物質は、Al合金の溶湯中に投入した際、短時間では分解あるいは飛散せずに軟化あるいは溶融して粘稠性を発揮する物質である。従って、表面に硼素酸化物の被膜が形成された黒鉛粒子はAl合金の溶湯中に投入されても、この黒鉛粒子に吸着されている酸素が放出されない。このため、黒鉛粒子と熔融Al合金との濡れ性を阻害するγ相のAl酸化物が生成されない。また、硼素酸化物の被膜が形成された黒鉛粒子には、Al合金の溶湯と粘性挙動が近似した見掛けの表面が形成される。従って、Al合金の溶湯中に黒鉛粒子は均一に分散される。しかも、この黒鉛粒子をAl合金の溶湯中に投入した後、このAl合金を短時間で凝固する鋳造方法として圧力をかけて鋳造するダイカスト鋳造法を採用するので、凝固したAl合金中に黒鉛粒子がいっそう均一に分散される。この結果、Al合金中に黒鉛粒子が均一に分散含有した黒鉛含有Al合金を製造できる。このように黒鉛粒子が均一に分散含有された黒鉛含有Al合金には自己潤滑性が付与されるので、この黒鉛含有Al合金は、特に境界潤滑条件下の使用においても優れた摩擦性能を発揮する。
【0073】
ここで、前記アルミニウム合金の溶湯は、10重量%以上45重量%以下のSiと、1重量%以上15重量%以下のCuと、残部Al及び不可避的不純物とからなるものである場合は、黒鉛含有アルミニウム合金には適切な量のSiが含有されるので、この黒鉛含有Al合金のマトリックスの強度及び硬さが増加すると共に、この黒鉛含有アルミニウム合金の耐摩耗性及び耐凝着性も向上する。また、黒鉛含有アルミニウム合金には適切な量のCuが含有されるので、この合金のマトリックスが強化されると共に高温強度と硬さが向上する。
【0074】
また、前記アルミニウム合金の溶湯は、10重量%以上45重量%以下のSiと、0.05重量%以上10重量%以下のCuと、0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、残部Al及び不可避的不純物からなるものである場合は、黒鉛含有アルミニウム合金には適切な量のPが含有されるので、Al合金の結晶粒が微細化されてその強度が向上する。
【0075】
さらに、前記アルミニウム合金の溶湯は、0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有するものである場合は、黒鉛含有アルミニウム合金には適切な量のMgが含有されるので、その靱性が向上する。また、MgはSiと結合してMgSi化合物を生成することにより時効硬化性を発揮し、黒鉛含有アルミニウム合金のマトリックスの硬度を高め、耐摩耗性を向上させる。
【0076】
さらにまた、前記アルミニウム合金の溶湯は、0.1重量%以上2重量%以下のFe及び0.01重量%以上0.4重量%以下のTiのうちの少なくとも一方を含有するものである場合は、黒鉛含有アルミニウム合金には適切な量のFeが含有されたとき、Feの一部がAlと相互に固溶体を形成して結晶粒を微細化すると共に、ダイカスト鋳造時の金型からの型離れを良好にする。また、黒鉛含有アルミニウム合金に適切な量のTiが含有されたとき、このTiがAlに僅かに固溶して結晶粒を微細化するので、Al合金の強度と耐摩耗性を向上させる。
【0077】
さらにまた、前記黒鉛粒子は、その粒度が、14メッシュを通過し100メッシュを通過しないものである場合は、黒鉛粒子がいっそう均一に分散される。
【0078】
さらにまた、前記黒鉛粒子は、その粒度が、20メッシュを通過し55メッシュを通過しないものである場合は、黒鉛粒子がさらにいっそう均一に分散される。
【0079】
さらにまた、黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成するに当り、水又はアルコールからなる溶媒に硼素酸化物を溶解させて飽和溶液を作製し、この飽和溶液に黒鉛粒子を添加してその表面に硼素酸化物を付着させ、この黒鉛粒子を加熱して乾燥させることによりこの黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成する場合は、黒鉛粒子の表面に被膜を容易に形成できる。
【0080】
また、本発明の摺動部材は、黒鉛粒子が均一に分散して含有された黒鉛含有アルミニウム合金から作製される。このようにアルミニウム合金中に均一に分散含有された黒鉛粒子は潤滑油剤との親和性に富んでいるので、潤滑油剤による潤滑作用と黒鉛による固体潤滑作用の相乗効果が発揮され、境界潤滑条件下においても優れた摩擦摩耗特性を発揮する摺動部材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られたSi23重量%、Cu6重量%、残部AlからなるAl合金中に14メッシュ(1190μm)を通過し20メッシュ(840μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛粒子が均一に分散含有された板状摺動部材を示す顕微鏡写真(20倍)である。
【図2】本発明の製造方法によって得られたSi23重量%、Cu6重量%、残部AlからなるAl合金中に20メッシュ(840μm)を通過し36メッシュ(420μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛粒子が均一に分散含有された板状摺動部材を示す顕微鏡写真(20倍)である。
【図3】本発明の製造方法によって得られたSi23重量%、Cu6重量%、残部AlからなるAl合金中に36メッシュ(420μm)を通過し55メッシュ(250μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛粒子が均一に分散含有された板状摺動部材を示す顕微鏡写真(20倍)である。
【図4】本発明の製造方法によって得られたSi23重量%、Cu6重量%、残部AlからなるAl合金中に55メッシュ(250μm)を通過し100メッシュ(150μm)を通過しない粒度に調整した人造黒鉛粒子が均一に分散含有された板状摺動部材を示す顕微鏡写真(20倍)である。
【図5】試験方法(スラスト試験)を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 板状試験片
12 円筒体

Claims (9)

  1. 無水硼酸及び硼砂から選択される硼素酸化物の被膜が表面に形成された黒鉛粒子をアルミニウム合金の溶湯中に、この黒鉛粒子の含有量が3重量%以上15重量%以下になるように投入し、
    この黒鉛粒子が投入されたアルミニウム合金の溶湯をダイカスト鋳造して黒鉛含有アルミニウム合金を製造することを特徴とする黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金の溶湯は、
    10重量%以上45重量%以下のSiと、1重量%以上15重量%以下のCuと、残部Al及び不可避的不純物とからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金の溶湯は、
    10重量%以上45重量%以下のSiと、0.05重量%以上10重量%以下のCuと、0.01重量%以上0.5重量%以下のPと、残部Al及び不可避的不純物からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  4. 前記アルミニウム合金の溶湯は、
    0.5重量%以上5重量%以下のMgを含有するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  5. 前記アルミニウム合金の溶湯は、
    0.1重量%以上2重量%以下のFe及び0.01重量%以上0.4重量%以下のTiのうちの少なくとも一方を含有するものであることを特徴とする請求項2から4までのうちのいずれか一項に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  6. 前記黒鉛粒子は、
    その粒度が、14メッシュを通過し100メッシュを通過しないものであることを特徴とする請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  7. 前記黒鉛粒子は、
    その粒度が、20メッシュを通過し55メッシュを通過しないものであることを特徴とする請求項6に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  8. 黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成するに当り、
    水又はアルコールからなる溶媒に硼素酸化物を溶解させて飽和溶液を作製し、
    この飽和溶液に黒鉛粒子を添加してその表面に硼素酸化物を付着させ、
    この黒鉛粒子を加熱して乾燥させることによりこの黒鉛粒子の表面に硼素酸化物の被膜を形成することを特徴とする請求項1から7までのうちのいずれか一項に記載の黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法。
  9. 請求項1から8までのうちのいずれか一項に記載された黒鉛含有アルミニウム合金の製造方法によって製造された黒鉛含有アルミニウム合金から作製されたことを特徴とする摺動部材。
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