JP2002155291A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JP2002155291A
JP2002155291A JP2000354595A JP2000354595A JP2002155291A JP 2002155291 A JP2002155291 A JP 2002155291A JP 2000354595 A JP2000354595 A JP 2000354595A JP 2000354595 A JP2000354595 A JP 2000354595A JP 2002155291 A JP2002155291 A JP 2002155291A
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JP
Japan
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lubricating oil
hydrocarbon group
oil composition
independently
oil
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JP2000354595A
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English (en)
Inventor
Takehisa Sato
剛久 佐藤
Takanori Kugimiya
貴徳 釘宮
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen General Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プッシュベルト式CVT油に要求される高い
金属間摩擦係数と、ベルト及びプーリーに対する優れた
摩耗防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物を提供
する。 【解決手段】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
油に、一般式(1)で表されるりん含有有機酸金属のア
ミン錯体を含有してなる潤滑油組成物、特に無段変速機
用潤滑油組成物を提供した。 【化1】 (式中、A、Bは、それぞれ独立に炭化水素基、又は置
換基を有する炭化水素基であり、xは0又は1であっ
て、x+y=2である。Mは、金属元素を示し、Xは、
それぞれ独立に酸素又は硫黄であり、R、Rは、そ
れぞれ独立に水素、炭化水素基、又は置換基を有する炭
化水素基である。また、a、bは、それぞれ独立に1又
は2の整数であって、2の場合、Mに結合する基は、同
一でも異なっていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関
し、詳しくは、無段変速機用潤滑油組成物に関し、さら
に詳しくは、プッシュベルト式無断変速機に用いられる
潤滑油組成物に関する。特に、プッシュベルト式無段変
速機において、金属間摩擦係数が高く、かつ摩耗防止性
能に優れる潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プッシュベルト式無段変速機(以下、ベ
ルト式CVTということもある)は、自動車の燃費向上
とドライバビリティの向上に有効であることから、近年
急速に販売台数が増えている。しかし、ベルト式CVT
は、大きな伝達トルク容量を得ることが難しいため、従
来は、排気量1600cc以下の小型車にしか搭載でき
なかった。伝達トルク容量の向上は、ベルト式CVTに
とって重要な課題である。
【0003】ベルト式CVTでは、ベルトエレメントと
プーリー間の摩擦力によりトルクが伝達される。そのた
め伝達トルク容量は、ベルトエレメントとプーリーの金
属間摩擦係数とプーリーの押付け力によって決定され
る。この金属間摩擦係数は、潤滑油の性能によっても左
右され、金属間摩擦係数が不足すると、ベルトとプーリ
ー間にすべりを生じたり、ベルトが破断するという不具
合を生じる恐れがある。一方、ベルト式CVTの発進機
構には、従来、電磁クラッチが使用されていたが、大排
気量化による伝達トルクの増大に対する対応と、運転性
向上のため、湿式クラッチやロックアップクラッチ付き
のトルクコンバーターが使用されるようになってきてい
る。これらの湿式クラッチ、トルクコンバーター及びC
VTには共通の潤滑油を使用しているため、無段変速機
用潤滑油(CVT油)は、これら湿式クラッチやトルク
コンバーターとの適合性も重要になってきている。
【0004】こうした中で従来CVT油には、自動変速
機油(以下、ATFということもある。)を流用するこ
とが多かった。これは、従来の小排気量の車では伝達ト
ルクが小さく、要求される金属間摩擦係数のレベルがあ
まり高くないため、ATFの中で比較的金属間摩擦係数
の高いものを選択すれば性能を満足することができたか
らである。ATFを流用することの利点としては、湿式
摩擦材との適合性や他の材料との適合性に実績があるこ
とが挙げられる。しかし、ベルト式CVTが大排気量の
車に搭載されるようになると、必要とされる金属間摩擦
係数のレベルが高くなって、ATFの流用では、性能を
満足することができないため、CVT専用油が必要にな
ってきている。
【0005】更に、ベルト式CVTで、エンジン出力を
効率よく伝達するためには、ベルトとプーリー間のすべ
りをより防止する必要があるが、すべりを防止するため
ベルトを挟み込む圧力を高めると、摩耗しやすくなる。
このため、装置面の改良だけでなく、潤滑油に対して
も、ベルトとプーリー間のすべりを防止し、かつベルト
及びプーリーの摩耗を防止するものが要求されるように
なった。
【0006】従来、無段変速機用潤滑油には、例えば、
特開平2−175794号公報では、摩耗防止剤、金属
清浄剤及びカルボキシル基を有する摩擦調整剤を配合し
た潤滑油組成物、特開平9−100487号公報では、
硫黄系極圧剤、りん系極圧剤及び金属系清浄剤を配合し
た無段変速機用組成物、特開平10−8081号公報で
は、無灰分散剤、硫黄系極圧剤及びりん系極圧剤を配合
した無段変速機用潤滑油組成物、特開平10−3062
92号公報では、全塩基価が特定範囲のCaスルホネー
ト及び亜リン酸エステル類等を配合したベルト式CVT
自動変速機用潤滑油組成物、特開平11−80772号
公報では、特定範囲の摩擦係数を有し、金属清浄剤やジ
アルキルジチオリン酸亜鉛を配合したベルト式無段変速
装置用潤滑油組成物、及び特開平11−181464号
公報では、ポリメタクリレート等、イミド化合物及びア
ルキルジチオリン酸亜鉛を配合した無段変速機油組成物
などが提案されている。しかし、これらの提案にも拘わ
らず、未だ充分な、高レベルの金属間摩擦係数と、ベル
ト及びプーリーに対する優れた摩耗防止性を満足するも
のは無かった。特に、ベルト式無段変速機用潤滑油(C
VT油)には、高い金属間摩擦係数が要求されるため、
金属清浄剤が配合されるが、金属清浄剤の中には、その
配合量によっては摩耗防止性を損なうものがあり、一
方、摩耗防止性を向上させるために配合する摩耗防止剤
は、金属清浄剤との相互作用により、配合量が少なすぎ
ると摩耗防止性が不十分であり、配合量が多すぎると金
属間摩擦係数が低下するなどの問題があつた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような開発状況に鑑み、ベルト式CVT油に要求され
る高い金属間摩擦係数と、ベルト及びプーリーに対する
優れた摩耗防止性を両立する無段変速機用潤滑油組成物
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対し鋭意研究を重ねた結果、潤滑油基油に、特定構造
のりん含有有機酸金属のアミン錯体を配合することによ
り、無段変速機用潤滑油として要求される金属間摩擦係
数の高い無段変速機用潤滑油組成物が得られることを見
出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至っ
たものである。すなわち、本発明の第1の発明によれ
ば、鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基油に、次の
一般式(1)で表されるりん含有有機酸金属のアミン錯
体を含有してなる潤滑油組成物が提供される。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、A、Bは、それぞれ独立に炭化水
素基、又は置換基を有する炭化水素基であり、xは0又
は1であって、x+y=2である。Mは、金属元素を示
し、Xは、それぞれ独立に酸素又は硫黄であり、R
は、それぞれ独立に水素、炭化水素基、又は置換基
を有する炭化水素基である。また、a、bは、それぞれ
独立に1又は2の整数であって、2の場合、Mに結合す
る基は、同一でも異なっていてもよい。)
【0011】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、無段変速機用潤滑油として用いられる
潤滑油組成物が提供される。
【0012】本発明は、上記した如く、潤滑油基油に、
少なくとも特定構造のりん含有有機酸金属のアミン錯体
を含有する潤滑油組成物に係るものであるが、その好ま
しい態様としては、次のものが包含される。 第1の発明において、組成物全量基準で、0.01〜
5.0重量%のりん含有有機酸金属のアミン錯体を含有
することを特徴とする潤滑油組成物 第2の発明において、無段変速機が、プッシュベルト
式無段変速機であることを特徴とする潤滑油組成物。 第1の発明において、一般式(1)中のA、Bは、次
の一般式(2)で表されることを特徴とする潤滑油組成
物。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Dは、水素、炭化水素基、又は置
換基を有する炭化水素基であり、R、Rは、それぞ
れ独立にアルキレン基である。また、pは、1〜20の
整数である。但し、A及びBの両方のDが同時に水素で
あることはない。) 第1の発明において、一般式(1)中のMは、亜鉛で
あることを特徴とする潤滑油組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 (1)潤滑油基油 本発明の潤滑油組成物に用いられる基油は、特に限定さ
れるものではなく、一般に潤滑油基油として用いられて
いるものならば何でも使用することができる。すなわ
ち、これらに該当するものとしては、鉱油、合成油、或
いはそれらの混合油がある。本発明で使用する基油は、
100℃において、0.5〜200mm/sの動粘度
を有し、好適な動粘度は、2〜25mm/sの範囲で
あり、更に好適な動粘度は、2.5〜8mm/sの範
囲である。基油の動粘度が高すぎると、低温粘度が悪化
し、逆に動粘度が低すぎると、無段変速機の摺動部にお
いて摩耗が生じたり、引火点が低くなるという問題が生
じる。鉱油としては、潤滑油粘度を有する炭化水素油留
分であり、例えば、減圧蒸留留出油をフェノール、フル
フラール、N−メチルピロリドンの如き芳香族抽出溶剤
で処理して得られるラフィネートを、プロパンやメチル
エチルケトン等の溶剤で脱蝋処理した後、必要に応じ
て、更に水素化精製を行って得られる炭化水素油、又は
この炭化水素留出油と溶剤抽出、溶剤脱蝋及び溶剤脱れ
き処理を行った残渣油との混合物を使用することができ
る。酸化安定性の観点からは、芳香族炭素数の全炭素に
対する割合、%C(ASTM D3238法)が20
以下のものが好ましく、10以下のものが特に好まし
い。また、流動点の観点からは、流動点が−10℃以下
のものが好ましく、−15℃以下のものが特に好まし
い。これらの精製鉱油は、組成上、パラフィン系、ナフ
テン系などで、単独又はこれらの混合系炭化水素であっ
ても良い。鉱油の具体例としては、軽質ニュートラル
油、中質ニュートラル油、重質ニュートラル油及びブラ
イトストック等が挙げられ、要求性能を満たすように適
宜混合することにより基油を調整することができる。
【0016】本発明に使用する合成油としては、オレフ
ィンオリゴマー、ニ塩基酸エステル、ポリオールエステ
ル、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、アルキ
ルベンゼン、アルキルナフタレン等を挙げることができ
る。オレフィンオリゴマーとしては、炭素数2〜14、
好ましくは4〜12の範囲である直鎖又は分岐のオレフ
ィン炭化水素の中から選択された任意の1種の単独、又
は2種以上の共重合により得られるものであり、平均分
子量が100〜約3,000、好ましくは200〜約
1,000の生成物から選択されるが、特に水素化によ
って不飽和結合を除去したものが好ましい。好ましい具
体的なオレフィンオリゴマーとしては、例えばポリブテ
ン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン・α−オレフ
ィンオリゴマー等である。ニ塩基酸エステルとしては、
炭素数4〜14の脂肪族ニ塩基酸と、炭素数4〜14の
脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。ポリオー
ルエステルとしては、ネオペンチルグリコール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アル
コールと、炭素数4〜18の脂肪酸とのエステルが挙げ
られる。又ヒドロキシピバリン酸等のヒドロキシ酸と脂
肪酸及びアルコールとのエステル等も使用することがで
きる。ポリオキシアルキレングリコールの例としては、
炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの重合物が使用で
き、アルキレンオキサイドは、単独の重合でも、混合物
の重合でも良い。またアルキレンオキサイドの混合物に
よる重合体は、ブロック重合体でも、ランダム重合体で
も良い。またアルキレングリコールの末端基は、片末端
又は両末端が、エーテル封鎖されていても良く、エステ
ル封鎖されていても良い。ポリエーテルとしては、フェ
ニルエーテル等が使用できる。これらの基油は、それぞ
れ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、鉱油と合成油を組み合わせて使用してもよ
い。
【0017】(2)必須添加剤成分 次に、本発明の潤滑油組成物に使用する、基油に含有さ
れる必須の添加剤成分である特定構造のりん含有有機酸
金属のアミン錯体について説明する。
【0018】本発明の潤滑油組成物において、必須成分
として用いられる特定構造のりん含有有機酸金属のアミ
ン錯体は、次の一般式(1)で表されるものである。一
般式(1)で表されるものとしては、例えば、ジアルキ
ルジチオりん酸亜鉛と、ポリエチレンポリアミンなどの
アミン化合物を混合することにより、合成することがで
きる。
【0019】
【化4】
【0020】一般式(1)中、A、Bは、それぞれ独立
に炭化水素基、又は置換基を有する炭化水素基であり、
xは0又は1であって、x+y=2である。A、Bとし
ては、次の一般式(2)で表される構造のものが好まし
い。このような構造のものとしては、例えば、試薬のト
リエチレンテトラミンと臭化ブチルを触媒存在下で還流
することにより、合成することができる。
【0021】
【化5】
【0022】一般式(2)中、Dは、水素、炭化水素
基、又は置換基を有する炭化水素基であって、置換基を
有する炭化水素基としては、ポリブテニルコハク酸イミ
ドやポリブテニルベンジルアミンが好適である。また、
、Rは、それぞれ独立にアルキレン基であり、好
ましくはエチレン基、プロピレン基、又はブチレン基で
ある。pは、任意の整数であり、好ましくは、1〜20
である。但し、A及びBの両方のDが同時に水素である
ことはない。一般式(1)中、Mは、金属元素を示し、
亜鉛、カドミウム、鉛、アンチモンなどが挙げられ、亜
鉛が好適である。Xは、それぞれ独立に酸素又は硫黄で
あり、R、Rは、それぞれ独立に水素、炭化水素
基、又は置換基を有する炭化水素基である。また、a、
bは、それぞれ独立に1又は2の整数であって、2の場
合、Mに結合する基、すなわちMに結合する括弧内の化
合物の構造は、同一でも異なっていてもよい。
【0023】本発明の潤滑油組成物において、潤滑油基
油に含有される上記の特定構造のりん含有有機酸金属の
アミン錯体の配合量は、組成物全量基準で、0.01〜
5.0重量%の範囲が好ましい。配合量が0.01重量
%未満であると、金属間摩擦係数の向上作用が小さく、
一方、5.0重量%を超えると配合量に見合う金属間摩
擦係数の向上が見られず、むしろ酸化安定性などが悪化
する恐れがある。
【0024】本発明の潤滑油組成物は、この特定構造の
りん含有有機酸金属のアミン錯体を必須成分として含有
させることにより、無段変速機油として使用した場合、
無段変速機用潤滑油として要求される高い金属間摩擦係
数と、優れた摩耗防止性を有するという顕著な効果を奏
する。
【0025】(3)その他の添加剤成分 本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油に必須成分として
上記の化合物を配合するものであるが、更に必要に応じ
て、通常のATFに使用する、次に示すような各種添加
剤、即ち、酸化防止剤、摩擦調整剤、無灰分散剤、金属
清浄剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、
金属不活性化剤、消泡剤、腐食防止剤、着色剤などを本
発明の目的を損なわない範囲で適宜添加することができ
る。
【0026】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系とアミン系が好ましく使用でき、これらを組み合わ
せて使用することは、酸化安定性が飛躍的に向上するた
め、特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては、
4メチル2,6ジターシャリーブチルフェノール、4,
4−メチレンビス2,6ジターシャリーブチルフェノー
ル等が好適に使用できる。アミン系酸化防止剤として
は、フェニルαナフチルアミン、アルキルフェニルαジ
フェニルアミン、ジフェニルアミン、アルキルジフェニ
ルアミン等が好適に使用できる。これらは、通常0.0
5〜5重量%の割合で使用される。
【0027】摩擦調整剤としては、アミン系摩擦調整剤
やホウ素含有アルコール系摩擦調整剤等が好適に使用で
きる。また、アミド系化合物、イミド系化合物、ホウ素
含有環状カルボン酸イミド等も好適に使用できる。アミ
ン系摩擦調整剤としては、炭素数が4〜36までのアル
キルアミン、アルキルジアミン、ジアルキルアミン、又
はトリアルキルアミンが使用できる。特にアルキルアミ
ンと、ジアルキルアミンが好適に使用できる。ホウ素含
有アルコール系摩擦調整剤としては、脂肪族モノアルコ
ール、脂肪族多価アルコール又はアルキレングリコール
とホウ酸との反応物が使用できる。摩擦調整剤の配合量
としては、組成物全量基準で、0.01〜5重量%が好
適であり、配合量が0.01重量%未満では所期の効果
を発揮せず、一方、5重量%を超えると金属間摩擦係数
が低下する。
【0028】無灰分散剤としては、モノイミド、ビスイ
ミド等のイミド化合物を挙げることができ、コハク酸イ
ミド又はコハク酸イミドをホウ素化合物で処理したもの
などが好ましく、ポリアルキル又はポリアルケニルコハ
ク酸イミドのホウ素含有物が特に好ましい。これらは、
通常0.1〜10重量%の割合で使用される。
【0029】金属清浄剤としては、分子内にアルカリ土
類金属又はアルカリ金属を有し、潤滑油基油に溶解又は
均一に分散するものであって、例えばアルカリ土類金属
の少なくとも一個の鎖状炭化水素基を有するサリシレー
ト、カルボキシレート、スルホネート、フェネート又は
フォスフォネートであり、具体的には、アルキルサリチ
ル酸のアルカリ土類金属塩や、アルキル等の置換基を有
するナフテン酸又はフタール酸のアルカリ土類金属塩
や、石油スルホン酸又はアルキルベンゼンやアルキルナ
フタレンのスルホン酸のアルカリ土類金属塩や、硫化ア
ルキルフェノールのアルカリ土類金属塩、又は炭化水素
基を有するチオフォスフォン酸やフォスフォン酸のアル
カリ土類金属塩などであり、カルシウム(Ca)塩、マ
グネシウム(Mg)塩、バリウム(Ba)塩が好適に用
いられる。また、アルカリ金属のサリシレート、カルボ
キシレート、スルホネート、フェネート又はフォスフォ
ネートも用いられ、アルカリ金属としては、ナトリウム
(Na)やカリウム(K)が挙げられる。これらの中
で、アルカリ土類金属のサリシレートやスルホネートが
好ましく用いられる。また、金属清浄剤は、通常は全塩
基価(TBN)[JISK2501(過塩素酸法)]が
10〜450mgKOH/gの範囲に、好ましくは、2
0〜400mgKOH/gの範囲である。石鹸分は、2
0〜50重量%のものが使用できるが、30〜45重量
%のものが特に好ましい。金属清浄剤の配合量は、組成
物全量基準で、0.05〜5重量%が好適である。
【0030】摩耗防止剤としては、一般にジチオリン酸
金属塩(Zn、Pb、Sb、Moなど)、ジチオカルバ
ミン酸金属塩(Zn、Moなど)、ナフテン酸金属塩
(Pbなど)、脂肪酸金属塩(Pbなど)、硫化油脂、
硫黄化合物、ホウ素化合物、リン酸エステル、亜リン酸
エステル、リン酸エステルアミン塩等が挙げられ、例え
ば、リン酸エステル系、ジチオリン酸金属塩系が好まし
く用いられる。これらは、通常0.05〜5重量%の割
合で使用される。
【0031】粘度指数向上剤としては、分散型粘度指数
向上剤が好適に使用でき、中でも分散型のポリメタクリ
レートが好適で、極性モノマーを5〜20モル%程度含
むものが良く、極性モノマーとしては、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジ
ンなどのアミン、N−ビニルピロリジノンなどの窒素化
合物が好適に使用できる。分散型粘度指数向上剤の分子
量としては、数平均分子量が5,000〜200,00
0のものが使用できるが、せん断安定性の面から平均分
子量100,000以下のものが好適に使用できる。分
散型粘度指数向上剤の配合量は、組成物全量基準で1〜
7重量%の範囲が好適であって、1%未満では、酸化安
定性の改善効果が少なく、一方、7%を超えると、酸化
安定性がかえって悪化することがある。粘度指数向上剤
として、非分散型の粘度指数向上剤を併用することもで
きる。併用できる非分散型粘度指数向上剤としては、エ
チレン−プロピレン共重合体等のオレフィン共重合体、
ポリアクリレート、(非分散型)ポリメタクリレートな
どであり、低温粘度の点から(非分散型)ポリメタクリ
レートが好ましい。併用する非分散型粘度指数向上剤
は、通常1〜20重量%の割合で使用される。
【0032】流動点降下剤としては、一般にエチレン−
酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンと
の縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、
ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げら
れ、例えば、ポリメタクリレートが好ましく用いられ
る。これらは、通常0.01〜5重量%の割合で使用さ
れる。
【0033】金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ
ールやチアジアゾール及びそれらの誘導体が好適に使用
でき、ベンゾトリアゾールタイプとチアジアゾールタイ
プの併用は、併用することにより優れた酸化安定性を示
すために、特に好ましい。これらは、通常0.001〜
3重量%の割合で使用される。
【0034】消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン
等のシリコーン系化合物、ソルビタンモノラウレート、
アルケニルコハク酸誘導体等のエステル系化合物を使用
することができる。これらは、通常0.0001〜2重
量%の割合で使用される。
【0035】本発明におけるベルト式CVTの例とし
て、Van Doorne’ Transmissie
BV社により製造されている金属ベルトを使用したC
VTが挙げられるが、本発明におけるベルト式CVT
は、必ずしもVan Doorne’ Transmi
ssie BV社により製造されたベルトを使用したC
VTに限定されるわけでは無く、同様の機構、つまり、
金属間摩擦を利用して動力を伝達するCVTなどに使用
することができる。さらに、本発明の潤滑油組成物は、
高い金属間摩擦係数を有するという顕著な効果を奏する
ため、CVTに限定されずに、高い金属間摩擦係数が要
求される用途や分野、例えばトラクションドライブ装置
などの潤滑油に好適に用いることができる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明について実施例及び比較例を
挙げて更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施
例に特に限定されるものではない。なお、実施例及び比
較例における金属間摩擦係数の測定と摩耗防止性の評価
は、次に示す方法で測定評価した。
【0037】(1)金属間摩擦係数と摩耗防止性 試験機としてSRV摩擦試験機(往復動型摩擦試験機)
を用い、次の試験条件で試験を実施し、すべり出し金属
間摩擦係数(すべり出し直後の金属間摩擦係数最大値)
を測定した。この金属間摩擦係数の高いものほど、伝達
トルク容量が大きいと判断される。また、摩耗防止性
は、試験終了時のプレートを触針式表面粗さ計で摩耗痕
を測定し、評価した。明確に摩耗痕が認められたもの
は、摩耗有りと評価され、摩耗防止性が劣ると判断され
る。 [試験条件] ・試験片 :ボール(SUJ2)、プレート(SUJ
2) ・試験温度 :100℃ ・荷重 :50N ・周波数 :1Hz ・ストローク:1mm
【0038】(2)実施例及び比較例 [実施例1]三角フラスコに、下記一般式(3)で表さ
れる化合物(ジアルキルジチオりん酸亜鉛)50gと、
化学式 CNH[CNH]H (4)で
示される化合物(ポリアミン)5gを採り、ヘプタン1
00gを加えて1時間攪拌後、エバポレータでヘプタン
を留去し、有機酸金属亜鉛のアミン錯体約55gを得
た。
【0039】
【化6】
【0040】(式中、R、Rは、それぞれ炭素数4
又は5のアルキル基である。) 次に、潤滑油基油として、溶剤精製パラフィン系鉱油
(100℃での動粘度、4mm/s)を使用し、この
鉱油に、組成物全量基準で、上記で得た有機酸金属亜鉛
のアミン錯体を1.1重量%配合し、そして、これ以外
の添加剤として、金属清浄剤として塩基性Caスルホネ
ートを0.5重量%、アミン系摩擦調整剤を0.02重
量%、非分散型のオレフィン共重合体粘度指数向上剤を
5重量%、分散型のポリメタクリレート粘度指数向上剤
を1.0重量%、及びその他添加剤として酸化防止剤、
金属不活性化剤と消泡剤の各一定量の合計0.5重量%
を配合する潤滑油組成物を調製した。この調製した潤滑
油組成物について、金属間摩擦係数と摩耗痕の測定評価
を実施した。この評価結果を表1に示す。有機酸金属亜
鉛のアミン錯体を含有した実施例1の金属間摩擦係数
は、0.195であって、良好であり、また、摩耗痕は
認められず摩耗防止性も、良好である。
【0041】[比較例1〜3]表1に示す基油成分と各
種添加剤成分を同表に示す割合で配合し、潤滑油組成物
を調製した。この調製した潤滑油組成物について、金属
間摩擦係数と摩耗痕の測定評価を実施した。これらの結
果も表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】上記の実施例及び比較例から、本発明にお
いて必須成分である特定構造のりん含有有機酸金属のア
ミン錯体を配合することにより、無段変速機用潤滑油と
して、高い金属間摩擦係数と優れた摩耗防止性の目標を
満足し、高品質のものが得られることが明らかになっ
た。一方、特定構造のりん含有有機酸金属のアミン錯体
を配合していない比較例1や、特定構造のりん含有有機
酸金属のアミン錯体の原料である有機酸金属亜鉛、又は
化学式(4)の化合物(ポリアミン)を配合した比較例
2、3では、高い金属間摩擦係数が得られていなかった
り、又は摩耗防止性に劣り、潤滑油組成物としての実用
性能に劣るものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明の潤滑油組成物、特にベルト式無
段変速機用潤滑油組成物は、潤滑油基油に、特定構造の
りん含有有機酸金属のアミン錯体を含有することによ
り、高い金属間摩擦係数と優れた摩耗防止性を得られる
という顕著な効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:04 C10N 40:04 Fターム(参考) 4H104 BE36R BH07R CE15R DA02A DB04C EB02 FA02 FA04 LA03 PA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油及び/又は合成油からなる潤滑油基
    油に、一般式(1)で表されるりん含有有機酸金属のア
    ミン錯体を含有してなる潤滑油組成物。 【化1】 (式中、A、Bは、それぞれ独立に炭化水素基、又は置
    換基を有する炭化水素基であり、xは0又は1であっ
    て、x+y=2である。Mは、金属元素を示し、Xは、
    それぞれ独立に酸素又は硫黄であり、R、Rは、そ
    れぞれ独立に水素、炭化水素基、又は置換基を有する炭
    化水素基である。また、a、bは、それぞれ独立に1又
    は2の整数であって、2の場合、Mに結合する基は、同
    一でも異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 無段変速機用潤滑油として用いられる請
    求項1記載の潤滑油組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4532268B2 (ja) * 2002-06-28 2010-08-25 新日本石油株式会社 潤滑油添加剤、これを含有する潤滑油組成物及びその製造方法

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