JP2002154169A - 複合レンズ製造装置及び複合レンズ製造方法 - Google Patents
複合レンズ製造装置及び複合レンズ製造方法Info
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Abstract
樹脂層を形成して一体のレンズとして複合レンズを製造
するにあたって、紫外線硬化樹脂層の硬化が迅速、か
つ、確実に行えるようにする。 【解決手段】 位置決めユニット2に保持されたベース
レンズ101の面上に金型9によって紫外線硬化樹脂層
を成型し、紫外線照射器14により紫外線硬化樹脂層を
硬化させるにあたって、紫外線硬化樹脂層の周囲に窒素
ガスを導入する。
Description
レンズの面上に紫外線硬化樹脂層が形成されて一体のレ
ンズとされた複合レンズの製造装置及び製造方法に関す
る。
紫外線硬化樹脂層を形成して一体のレンズとした複合レ
ンズが提案されている。このような複合レンズを製造す
るには、ベースレンズの面上に液状の紫外線硬化樹脂を
滴下し、この面と金型とによって該紫外線硬化樹脂を挟
みこみ、この状態でベースレンズを透して紫外線硬化樹
脂に紫外線を照射して、該紫外線硬化樹脂を硬化させ
る。
させることによって、表面が非球面などの任意の形状と
なされた紫外線硬化樹脂層がベースレンズの面上に形成
され、複合レンズが完成する。
な複合レンズを製造するにあたっては、紫外線硬化樹脂
層の周縁部分、すなわち、紫外線硬化樹脂層のベースレ
ンズ外周に近い側の部分では、紫外線硬化樹脂が空気に
接しているために、紫外線の照射により充分に硬化させ
ることが困難であった。
いままで離型を行うと、未硬化の紫外線硬化樹脂が金型
に付着してしまうので、そのままでは次の複合レンズの
製造が行えなくなったり、製造された複合レンズにおい
て紫外線硬化樹脂層の外周側部分が欠損したりするなど
の問題が生ずる。
案されるものであって、ガラス製のベースレンズの面上
に紫外線硬化樹脂層を形成して一体のレンズとする複合
レンズを製造するにあたって、紫外線硬化樹脂層の硬化
が迅速、かつ、確実に行えるようになされた複合レンズ
製造装置及び複合レンズ製造方法を提供しようとするも
のである。
め、本発明に係る複合レンズ製造装置は、ガラス製のベ
ースレンズの面上に紫外線硬化樹脂層が形成されて一体
のレンズとされた複合レンズの製造装置であって、ベー
スレンズを保持する保持手段と、この保持手段に保持さ
れたベースレンズの面上に紫外線硬化樹脂層を成型する
金型と、この金型がベースレンズ上に成型している紫外
線硬化樹脂層を硬化させる紫外線照射器と、この紫外線
照射器が紫外線硬化樹脂層を硬化させるときに紫外線硬
化樹脂層の周囲に窒素ガスを導入するための窒素導入手
段とを備えたことを特徴とするものである。
は、ガラス製のベースレンズの面上に紫外線硬化樹脂層
を形成して一体のレンズとする複合レンズの製造方法で
あって、ベースレンズを保持手段によって保持し、この
保持手段に保持されたベースレンズの面上に金型によっ
て紫外線硬化樹脂層を成型し、該金型が該ベースレンズ
上に成型している紫外線硬化樹脂層の周囲に窒素ガスを
導入し、紫外線照射器により紫外線硬化樹脂層を硬化さ
せることを特徴とするものである。
を参照しながら説明する。
明に係る複合レンズ製造装置において実施される。すな
わち、本発明に係る複合レンズ製造装置は、ガラス製の
ベースレンズの面上に紫外線硬化樹脂層が形成されて一
体のレンズとされた複合レンズ(レプリカレンズ)の製
造装置であり、本発明に係る複合レンズ製造方法は、ガ
ラス製のベースレンズの面上に紫外線硬化樹脂層を形成
して一体のレンズとする複合レンズの製造方法である。
うに、ベースレンズ101を位置決めして保持するベル
クランプ部1を有し、該ベースレンズ101を保持する
する保持手段となる位置決めユニット2を備えて構成さ
れる。この位置決めユニット2は、略々円筒状に形成さ
れており、一端部がペースレンズ101を保持するベル
クランプ部1となっている。位置決めユニット2の他端
部は、石英ガラス3によって閉蓋されている。
ズ101のレンズ面の外周側部分を吸着保持するように
構成されている。すなわち、このベルクランプ部1から
は、位置決めユニット2の他端側に設けられた吸着ポー
ト4に亘って吸引用の隧道部が設けられており、該吸着
ポート4を介してポンプにより吸引することにより、ベ
ルクランプ部1に当接されたベースレンズ101は、該
ベルクランプ部1の吸着面に吸着保持される。このと
き、ベースレンズ101は、レンズ面を基準として、調
芯されて保持される。
ズ101の保持は、ベースレンズ101の形状に応じ
て、種々の構成を採ることとなる。すなわち、図2に示
すように、ベースレンズ101の形状が鍔なしの両凸面
のレンズであるときには、ベルクランプ部1の吸着面と
チャッキング部材5によって、これら両凸面の外周部分
を挟持する。ベースレンズ101の形状が鍔なしの両凹
面のレンズであるときには、ベルクランプ部1の吸着面
とチャッキング部材5によって、これら両凹面の外周部
分を挟持する。これらの場合には、各凸面、または、凹
面によって、ベースレンズ101の傾き調整及び調芯が
行われる。
が凸面、他面が凹面または平面のレンズであるときに
は、ベルクランプ部1の吸着面とチャッキング部材5に
よって、これら凸面及び凹面または平面の外周部分を挟
持するか、または、凸面の外周部分及び凹面または平面
の外周縁部を挟持する。凸面及び凹面または平面の外周
部分を挟持する場合には、これら凸面及び凹面または平
面によって、ベースレンズ101の傾き調整及び調芯が
行われる。凸面の外周部分及び凹面または平面の外周縁
部を挟持する場合には、凸面よって、ベースレンズ10
1の調芯が行われ、凹面側または平面側の外周縁部によ
って、ベースレンズ101の傾き調整が行われる。
面または凹面を有するレンズであるときには、ベルクラ
ンプ部1の吸着面とチャッキング部材5によって、鍔部
及び凸面または凹面の外周部分を挟持する。この場合に
は、凸面または凹面よって、ベースレンズ101の調芯
が行われ、鍔部によって、ベースレンズ101の傾き調
整が行われる。
は、外周面部とベルクランプ部1の吸着面とは、一度の
チャッキングにおいて研磨加工されており、これら外周
面部と吸着面との同芯度は1μm以内となされている。
したがって、ベースレンズ101は、位置決めユニット
2の外周面部に対して1μm以内の偏芯量で、この位置
決めユニット2に保持される。
決めユニット2をリニアガイド6を介して保持するハウ
ジング7を備えている。このハウジング7は、円筒状に
形成されており、一端部を、この複合レンズ製造装置の
基台部8に固定されて配設されている。基台部8は、こ
のハウジング7が取り付けられる場所に該ハウジング7
の内径に相当する透孔を有している。この透孔を介し
て、後述する金型9が、基台部8側よりハウジング7内
に挿入される。
ト2を保持するためのリニアガイド6と、後述する金型
9を保持するストロークベアリング10とが配設されて
いる。ストロークベアリング10は、ハウジング7の一
端側、すなわち、基台部8側に設けられ、リニアガイド
6は、ハウジング7の他端側に設けられている。このハ
ウジング7は、これらリニアガイド6及びストロークベ
アリング10を同心として保持固定できるように、一端
部より他端部に亘って同一内径を有し、また、この内径
部は、一度の研磨加工によって形成されている。
との間には、中間部材11が、該ハウジング7に対して
着脱可能となされて介在されている。この中間部材11
は、円筒状に形成されており、ハウジング7に保持され
る外周面部と、リニアガイド6を保持する内周面部と
は、一度のチャッキングにおいて研磨加工され、同芯度
は1μm以内となされている。そして、リニアガイド6
の内外周の偏芯は2μm以内となされているので、位置
決めユニット2は、リニアガイド6及び中間部材11を
介してハウジング7に取り付けられたとき、このハウジ
ング7に対しては、3μm以内の偏芯量となる。位置決
めユニット2おける外周面部とベルクランプ部1の吸着
面とは、1μm以内の同芯度となっているので、位置決
めユニット2がリニアガイド6及び中間部材11を介し
てハウジング7に取り付けられたとき、ベルクランプ部
1の吸着面のハウジング7に対する偏芯量は、4μm以
内となる。
てもよいが、中間部材11を用いることにより、複合レ
ンズの機種の変更に伴う位置決めユニット2の交換が容
易となる。すなわち、異なる機種の複合レンズごとに適
合する複数種類の位置決めユニット2について、それぞ
れハウジング7に対して着脱可能な中間部材11及びリ
ニアガイド6を作成しておけば、機種変更のときには、
中間部材11及びリニアガイド6を交換するだけで済
む。
7に対するリニアガイド6の位置を調整することによ
り、位置決めユニット2のハウジング7に対する位置を
調整する第1の調整機構12が設けられている。この第
1の調整機構12は、ハウジング7と中間部材11との
間の位置調整を行うことによって、位置決めユニット2
のハウジング7に対する位置の調整を行う。この第1の
調整機構12は、ハウジング7に、リニアガイド6の一
端側及び他端側に対応して設けられた調整ネジによって
構成されている。これら調整ネジは、ハウジング7の側
面部より螺入され、このハウジング7の内周面部にまで
貫通しており、先端部を中間部材11の外周面部に当接
させている。すなわち、これら調整ネジを回すことによ
り、中間部材11は、ハウジング7内において中心軸に
直交する側方方向に押圧されて、偏芯及び傾きを調整さ
れる。
間にも、第1の調整機構と同様の調整機構が設けられて
いる。この調整機構により、リニアガイド6の中間部材
11に対する偏芯及び傾きを調整することができる。
ジング7にストロークベアリング10を介して保持さ
れ、位置決めユニット2のベルクランプ部1により保持
されたベースレンズ101の面上に紫外線硬化樹脂層を
成型する金型9を有している。この金型9は、先端部9
aが、ペースレンズ101との間で紫外線硬化樹脂層を
形成するための、例えば非球面に、高精度に加工されて
いる。この非球面部と、ストロークベアリング10によ
って保持される外周面部との偏芯量は、1μm以内とな
されている。ストロークベアリング10の偏芯量が2μ
m以内であるので、金型9は、ストロークベアリング1
0を介してハウジング7に取り付けられたとき、このハ
ウジング7に対しては、3μm以内の偏芯量となる。
ガイド6及び中間部材11を介してハウジング7に取り
付けられ、金型9がストロークベアリング10を介して
ハウジング7に取り付けられたとき、ベルクランプ部1
の吸着面の金型9の先端部9aに対する偏芯量は、無調
整でも、7μm以内となる。このとき、ベルクランプ部
1の吸着面に保持されたベースレンズ101と、金型9
の先端部9aとの間の偏芯量は、8μm以内となる。
グ7に対するストロークベアリング10の位置を調整す
ることによって、金型9のハウジング7に対する位置を
調整する第2の調整機構13が設けられている。この第
2の調整機構13は、第1の調整機構12と同様に、ハ
ウジング7に、ストロークベアリング10の一端側及び
他端側に対応して設けられた調整ネジによって構成され
ている。これら調整ネジは、ハウジング7の側面部より
螺入され、このハウジング7の内周面部にまで貫通して
おり、先端部をのストロークベアリング10の外周面部
に当接させている。すなわち、これら調整ネジを回すこ
とにより、ストロークベアリング10は、ハウジング7
内において中心軸に直交する側方方向に押圧されて、偏
芯及び傾きを調整される。
れぞれ位置決めユニット2及び金型9のハウジング7に
対する偏芯を調整する機構であるので、位置決めユニッ
ト2と金型9との調芯を行う機構となっている。
は、金型9がベースレンズ101上に成型する紫外線硬
化樹脂層を硬化させる紫外線照射器14を備えている。
この紫外線照射器14は、基台部8に対して接離操作可
能となされたシャフト15内に設けられている。このシ
ャフト15は、リニアブッシュ16にガイドされて、基
台部8に対して接離操作可能となされており、該基台部
8に臨む一端部に、位置決めユニット2が取り付けられ
る。このシャフト15内には、紫外線照射器14が発し
た紫外線を、このシャフト15の一端部を経て位置決め
ユニット2の他端側より該位置決めユニット2内に導
き、この位置決めユニット2の一端部に保持されたベー
スレンズ101に導くための紫外線レンズが設けられて
いる。すなわち、紫外線照射器14は、金型9とベース
レンズ101との間に成型される紫外線硬化樹脂層に対
して、該ベースレンズ101を透して紫外線を照射し
て、この紫外線硬化樹脂層を硬化させる。
より、位置決めユニット2は、ハウジング7に対する挿
入及び抜取りをされる。このとき、位置決めユニット2
は、リニアガイド6にガイドされることにより、ハウジ
ング7に対して所定の偏芯量以内の状態に保持される。
光電センサ7aにより、このハウジング7に位置決めユ
ニット2が挿入されたことが検出されるようになってい
る。
に示すように、金型9を移動操作して、この金型9のハ
ウジング7に対する挿入及び抜き取り操作と、この金型
9の軸回りの回転操作を行う金型保持機構40を有して
いる。この金型保持機構40は、基台部8に一端部を取
り付けられた支持筒17を有して構成されている。この
支持筒17は、基台部8のハウジング7が取付けられた
側の反対側に、該ハウジング7と同軸に取付けられてい
る。この支持筒17の他端側には、ナット部材18が、
この支持筒17に対して同軸に、この支持筒17に対し
て軸回りに回転可能となされて取付けられている。この
ナット部材18は、基台部8に対して固定して配設され
た昇降モータ19により、無端駆動ベルト20を介し
て、回転操作される。そして、このナット部材18に螺
合して、ボールネジシャフト21が、支持筒17に同軸
となされて支持されている。このボールネジシャフト2
1は、支持筒17の軸方向には移動可能であるが、支持
筒17の外方側に突出した端側に設けられた掛止部材2
2によって、支持筒17に対する軸回りの回転はできな
いようになっている。したがって、このボールネジシャ
フト21は、ナット部材18が回転操作されることによ
り、支持筒17の軸方向に移動操作される。
支持筒17内の端部には、ボールベアリング23の内環
部が取付けられている。このボールベアリング23の内
環部に介して回転可能となされた外環部には、金型支持
シャフト24が、支持筒17に同軸となされて取付けら
れている。この金型支持シャフト24の先端部には、金
型9が、同軸に取付けられている。
は、スプライン25が形成されており、このスプライン
25には、従動プーリ26が取付けられている。この従
動プーリ26は、スプライン25に噛合していることに
よって、金型支持シャフト24に対しては、軸方向への
移動は可能であるが、軸回りの回転はできないようにな
っている。そして、この従動プーリ26は、基台部8に
対して固定して配設された回動モータ27により、無端
駆動ベルト28を介して、回転操作される。したがっ
て、金型支持シャフト24は、回動モータ27により、
軸回りに回転操作されることができる。
動力によって、支持筒17の軸方向の移動操作、すなわ
ち、ハウジング7に対する挿入及び抜出し操作をなさ
れ、回動モータ27の駆動力によって、支持筒17の軸
回りの回動操作、すなわち、ハウジング7に対する軸回
りの回動操作をなされる。金型9は、ベースレンズ10
1との間に紫外線硬化樹脂層の成型するときには、軸回
りに回転されながら、位置決めユニット2に保持された
ベースレンズ101に近接され、離型のときには、軸回
りに回転されながら、該ベースレンズ101より離間さ
れる。
置決めユニット2と金型9との偏芯調整の手順について
説明する。まず、図4に示すように、位置決めユニット
2のベルクランプ部1にベースレンズ101を保持さ
せ、この位置決めユニット2をリニアガイド6を介して
中間部材11に保持させる。この状態において、位置決
めユニット2及び中間部材11を透過偏芯顕微鏡にセッ
トする。そして、中間部材11を軸回りに回転させて、
位置決めユニット2の他端側の振れ量(偏芯量)をダイ
ヤルゲージによって測定する。中間部材11に設けられ
た位置決めユニット2の他端側の調整ネジ29aを調整
して、ダイヤルゲージによって測定される位置決めユニ
ット2の振れ量が±2μm以内となるようにする。そし
て、透過偏芯顕微鏡を用いて、ベースレンズ101の透
過偏芯が所定の量以下となるように、中間部材11に設
けられた位置決めユニット2の一端側の調整ネジ29b
を調整する。この操作の繰返しにより、ダイヤルゲージ
によって測定される位置決めユニット2の振れ量が±2
μm以内、透過偏芯顕微鏡によって測定されるベースレ
ンズ101の透過偏芯が所定の量以下となるように調整
する。
に、ストロークベアリング10を介して、金型9に代わ
る冶具9bを保持させる。この冶具9bは、その外周面
部において、金型9と同一の形状に形成されている。そ
して、冶具9bの軸回りにハウジング7を回転させ、こ
のハウジング7の一端側の振れ量(偏芯量)をダイヤル
ゲージによって測定する。ハウジング7に設けられた第
2の調整機構13の調整ネジを調整して、ダイヤルゲー
ジによって測定されるハウジング7の振れ量が所定量以
内となるようにする。
に位置決めユニット2を保持させ、この状態において、
ハウジング7、中間部材11及び位置決めユニット2を
透過偏芯顕微鏡にセットする。そして、ハウジング7を
冶具9bの軸回りに回転させて、位置決めユニット2の
他端側の振れ量(偏芯量)をダイヤルゲージによって測
定する。第1の調整機構12の調整ネジを調整して、ダ
イヤルゲージによって測定される位置決めユニット2の
振れ量が±2μm以内となるようにする。そして、透過
偏芯顕微鏡を用いて、ベースレンズ101の透過偏芯が
所定の量以下となるように、第1の調整機構12の調整
ネジを調整する。この操作の繰返しにより、ダイヤルゲ
ージによって測定される位置決めユニット2の振れ量が
±2μm以内、透過偏芯顕微鏡によって測定されるベー
スレンズ101の透過偏芯が所定の量以下となるように
調整する。
ては、以下の手順により調整する。すなわち、位置決め
ユニット2のベルクランプ部1にベースレンズ101を
保持させ、この位置決めユニット2をリニアガイド6を
介してハウジングに保持させる。この状態において、位
置決めユニット2及びハウジング7を透過偏芯顕微鏡に
セットする。そして、ハウジング7を軸回りに回転させ
て、位置決めユニット2の他端側の振れ量(偏芯量)を
ダイヤルゲージによって測定する。第1の調整機構12
の調整ネジを調整して、ダイヤルゲージによって測定さ
れる位置決めユニット2の振れ量が±2μm以内となる
ようにする。そして、透過偏芯顕微鏡を用いて、ベース
レンズ101の透過偏芯が所定の量以下となるように、
第1の調整機構12の調整ネジを調整する。この操作の
繰返しにより、ダイヤルゲージによって測定される位置
決めユニット2の振れ量が±2μm以内、透過偏芯顕微
鏡によって測定されるベースレンズ101の透過偏芯が
所定の量以下となるように調整する。
リング10を介して、金型9に代わる冶具9bを保持さ
せる。この状態において、ハウジング7及び位置決めユ
ニット2を透過偏芯顕微鏡にセットする。そして、ハウ
ジング7を冶具9bの軸回りに回転させて、位置決めユ
ニット2の他端側の振れ量(偏芯量)をダイヤルゲージ
によって測定する。第2の調整機構13の調整ネジを調
整して、ダイヤルゲージによって測定される位置決めユ
ニット2の振れ量が±2μm以内となるようにする。そ
して、透過偏芯顕微鏡を用いて、ベースレンズ101の
透過偏芯が所定の量以下となるように、第2の調整機構
13の調整ネジを調整する。この操作の繰返しにより、
ダイヤルゲージによって測定される位置決めユニット2
の振れ量が±2μm以内、透過偏芯顕微鏡によって測定
されるベースレンズ101の透過偏芯が所定の量以下と
なるように調整する。
り、ハウジング7に対して、位置決めユニット2及び金
型9を繰返し着脱しても、これら位置決めユニット2及
び金型9間の偏芯量が一定の量以下に抑えられる。
いては、以下のような手順により、複合レンズの製造が
行われる。まず、図7に示すように、位置決めユニット
2のベルクランプ部1にベースレンズ101を位置決め
して保持させる。このとき、ベースレンズ101の外周
部に、リング状部材30を載せる。このリング部材30
は、内径がベースレンズ101の外径よりもやや小さ
く、外径が中間部材11の先端側に内方に向けて設けら
れた鍔部の内径よりもやや大きくなされて形成されてい
る。このリング部材は、後述する紫外線硬化樹脂層がベ
ースレンズ101の外方側に食み出した場合において
も、紫外線硬化樹脂が金型9や中間部材11に付着する
ことを防止するものである。なお、紫外線硬化樹脂層の
食み出しによりベースレンズ101とリング部材30と
が接合されてしまっても、このリング部材30とベース
レンズ101とは、装置の外方において容易に剥離させ
ることができるので問題はない。
ト2をハウジング7側に移動操作し、この位置決めユニ
ット2をハウジング7によりリニアガイド6を介して保
持させる。このとき、すでに、リニアガイド6のハウジ
ング7に対する位置が調整されているので、位置決めユ
ニット2のハウジング7に対する位置の調整もなされて
いる。
向する側の面上に、液状の紫外線硬化樹脂を滴下する。
なお、液状の紫外線硬化樹脂は、ベースレンズ101の
金型9に対向する側の面が凹面であるときには該凹面上
に滴下するが、ベースレンズ101の金型9に対向する
側の面が凸面であるときには、これに対向する金型の凹
面上に滴下する。すなわち、この場合には、装置全体を
倒立させて使用することとなる。
せ、このハウジング7によりストロークベアリング10
を介して保持させる。このとき、すでに、ストロークベ
アリング10のハウジング7に対する位置が調整されて
いるので、位置決めユニット2と金型9との調芯は行わ
れている。このとき、回動モータ及び昇降モータ27及
び昇降モータ19を駆動させて、金型9を軸回りに回転
させながら、ベースレンズ101に近接させる。
ンズ101に近接し、このベースレンズ101との間に
紫外線硬化樹脂層を形成する。このとき、液状の紫外線
硬化樹が滴下されたレンズ面が凹面であるときには、こ
の紫外線硬化樹脂の滴に対して凸面の金型9が進入して
ゆくので、金型9と紫外線硬化樹脂との接触は、中心部
から外周側に向けて行われ、このときに、紫外線硬化樹
脂層中の気泡が外周側に追い出される。液状の紫外線硬
化樹が凹面の金型側に滴下されている場合も同様に、紫
外線硬化樹脂の滴に対して凸面のベースレンズ101の
面が進入してゆくので、ベースレンズ101と紫外線硬
化樹脂との接触は、中心部から外周側に向けて行われ、
このときに、紫外線硬化樹脂層中の気泡が外周側に追い
出される。
成型している紫外線硬化樹脂層に対し、ベースレンズ1
01を透して、紫外線照射器14を用いて紫外線を照射
し、この紫外線硬化樹脂層を硬化させる。
ては、窒素導入手段により、紫外線硬化樹脂層の周囲に
窒素ガスを導入する。すなわち、この複合レンズ製造装
置において、紫外線硬化樹脂層の硬化は、該紫外線硬化
樹脂層の周囲に窒素ガスを導入した状態で行う。窒素ガ
スの導入により、ベースレンズ101の周縁側における
紫外線硬化樹脂層も、迅速、かつ、確実に硬化される。
ら位置決めユニット2の周辺部を経てベースレンズ10
1の周囲部に窒素ガスを導入さるものであるが、図9に
示すように、リング部材30に空気を逃がすための透孔
32を設けることにより、効率よく窒素ガスを導入する
ことができる。また、窒素ガスの導入は、窒素ボンベの
バルブを操作することにより、紫外線硬化樹脂層への紫
外線の照射のタイミングに合わせて行うようにする。ま
た、窒素導入手段としては、導入された窒素ガスが未硬
化の紫外線硬化樹脂層を変形させることを防止する遮蔽
部を設けるとよい。これは、窒素ガスの導入路上に、ベ
ースレンズ101を覆うようにして壁状の部材を設ける
ことにより実現できる。この遮蔽部により、窒素ガスを
導入するときに、導入された窒素ガスが未硬化の紫外線
硬化樹脂層に直接あたって該紫外線硬化樹脂層が変形す
ることを防止できる。なお、窒素ガスの導入路33は、
図9に示すように、金型9側に設けるようにしてもよ
い。
たならば、金型9をベースレンズ101より離間させる
離型を行う。この離型に際しては、回動モータ及び昇降
モータ27及び昇降モータ19を駆動させて、金型9を
軸回りに回転させながら、ベースレンズ101より離間
させる。そして、ベースレンズ101のレンズ面上に硬
化された紫外線硬化樹脂層が形成された複合レンズが完
成する。
製造装置及び複合レンズ製造方法においては、保持手段
に保持されたベースレンズの面上に金型によって紫外線
硬化樹脂層を成型し、紫外線照射器により該紫外線硬化
樹脂層を硬化させるにあたって、該紫外線硬化樹脂層の
周囲に窒素ガスを導入する。
れることがなく、該紫外線硬化樹脂層を、紫外線の照射
により、確実、かつ、迅速に硬化させることができる。
ンズの面上に紫外線硬化樹脂層を形成して一体のレンズ
とする複合レンズを製造するにあたって、紫外線硬化樹
脂層の硬化が迅速、かつ、確実に行えるようになされた
複合レンズ製造装置及び複合レンズ製造方法を提供する
ことができるものである。
決めユニット部分)の構成を示す縦断面図である。
部のベースレンズの形状に対応した構成を示す縦断面図
である。
部分)の構成を示す縦断面図である。
1の手順を示す縦断面図である。
2の手順を示す縦断面図である。
3の手順を示す縦断面図である。
脂層を成型する状態を示す縦断面図である。
脂層を硬化させている状態を示す縦断面図である。
路の構成を示す縦断面図である。
アブッシュ、7 ハウジング、8 基台部、9 金型、
9b 冶具、10 ストロークベアリング、11、中間
部材、12 第1の調整機構、13 第2の調整機構、
14 紫外線照射器、33 窒素導入路、40 金型保
持機構、101 ベースレンズ
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス製のベースレンズの面上に紫外線
硬化樹脂層が形成されて一体のレンズとされた複合レン
ズの製造装置であって、 ベースレンズを保持する保持手段と、 上記保持手段に保持されたベースレンズの面上に紫外線
硬化樹脂層を成型する金型と、 上記金型が上記ベースレンズ上に成型している紫外線硬
化樹脂層を硬化させる紫外線照射器と、 上記紫外線照射器が上記紫外線硬化樹脂層を硬化させる
ときに該紫外線硬化樹脂層の周囲に窒素ガスを導入する
ための窒素導入手段とを備えたことを特徴とする複合レ
ンズ製造装置。 - 【請求項2】 窒素導入手段は、導入された窒素ガスが
未硬化の紫外線硬化樹脂層を変形させることを防止する
遮蔽部を有していることを特徴とする請求項1記載の複
合レンズ製造装置。 - 【請求項3】 ガラス製のベースレンズの面上に紫外線
硬化樹脂層を形成して一体のレンズとする複合レンズの
製造方法であって、 ベースレンズを保持手段によって保持し、 上記保持手段に保持されたベースレンズの面上に金型に
よって紫外線硬化樹脂層を成型し、 上記金型が上記ベースレンズ上に成型している紫外線硬
化樹脂層の周囲に窒素ガスを導入し、 紫外線照射器により上記紫外線硬化樹脂層を硬化させる
ことを特徴とする複合レンズ製造方法。 - 【請求項4】 窒素ガスを導入するときには、導入され
た窒素ガスが未硬化の紫外線硬化樹脂層に直接あたるこ
とを防止することを特徴とする請求項3記載の複合レン
ズ製造方法。
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