JP2002154013A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2002154013A
JP2002154013A JP2000348706A JP2000348706A JP2002154013A JP 2002154013 A JP2002154013 A JP 2002154013A JP 2000348706 A JP2000348706 A JP 2000348706A JP 2000348706 A JP2000348706 A JP 2000348706A JP 2002154013 A JP2002154013 A JP 2002154013A
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electrode
driving device
electrode driving
electric discharge
speed
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JP2000348706A
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Masahiro Iesawa
雅宏 家澤
Akihiko Imashiro
昭彦 今城
Koji Akamatsu
浩二 赤松
Satoshi Suzuki
智 鈴木
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工精度を向上させるとともに電極駆動装置
を小型化する放電加工装置を得ること。 【解決手段】 放電用の電極2aを保持し、電極2aを
駆動する電極駆動装置1と、電極駆動装置1を保持し、
第1の電極駆動装置1を駆動するZ軸駆動装置と、を備
えた放電加工装置において、電極駆動装置1は、電極2
aを保持し、電極2aとともに移動する可動部3と、可
動部3の移動方向の両端を支持する板ばね5aおよび5
bと、板ばね5aと板ばね5bとの間に設けられ、可動
部3を駆動する電磁アクチュエータとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被加工物と電極
との間に放電を発生させて該被加工物を加工する放電加
工装置に関し、特に、電極を保持し、電極位置を高速に
微調整する第1の電極駆動装置と、該第1の電極駆動装
置を保持し、該電極駆動装置および電極を大きく移動さ
せる第2の電極駆動装置とを備えた放電加工装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放電加工装置として、文献「高速
電極駆動装置による放電加工速度の改善」、今井祥人,
佐竹 彰,種田 淳,小林和彦 著(電機加工学会誌V
ol.27 No55)に開示された高速電極駆動装置
を用いた放電加工装置が知られている。図16は、この
従来の高速電極駆動装置の構成を示す図である。従来の
高速電極駆動装置80は、円筒形状の圧電素子81と、
圧電素子81をほぼ同一の中心軸上に収容する円筒形状
の架台82と、圧電素子81の変位側端面と電極83と
を接続するダイアフラム構造部分84と、ダイアフラム
構造部分84の変位量を検出する光学変位センサ85と
を備える。
【0003】高速電極駆動装置80は、後述するZ軸駆
動装置89の可動部に取り付けられ、電極83を保持
し、電極83の位置を高速に微調整する。ダイアフラム
構造部分84は、圧電素子81の伸縮に応じて電極83
とともに変位する。光学変位センサ85は、ダイアフラ
ム構造部分84の鉛直方向の変位量を検出する。そし
て、後述する制御器86が、光学変位センサ85の検出
結果に基づいて圧電素子81を駆動する。これにより、
高速電極駆動装置80における電極83の位置決めを行
う。なお、圧電素子81は、ピエゾ素子であって、内径
8ミリ・メートル、外径20ミリ・メートル、高さ52
ミリ・メートル、最大ストローク±14マイクロ・メー
トルを有する。
【0004】図17は、この従来の放電加工装置の極間
制御系の構成を示す図である。この極間制御系は、極間
(電極と被加工物との間)の平均電圧を指定する極間平
均電圧指令と放電加工プロセス88における極間の平均
電圧との差を入力し、高速電極駆動装置80に対する位
置指令およびZ軸駆動装置89に対する位置指令をそれ
ぞれ出力する制御器86と、制御器86による位置指令
に基づいて高速電極駆動装置80を駆動するZ軸駆動装
置89と、制御器86による位置指令を、ローパスフィ
ルタ87を介して入力し、この位置指令に基づいて電極
83を駆動する高速電極駆動装置80とを備える。
【0005】そして、Z軸駆動装置89による高速電極
駆動装置80の変位量と高速電極駆動装置80による電
極83の変位量との和によって、電極83の位置が定ま
り、放電を発生させて図示しない被加工物を加工する放
電加工プロセス88が実行される。ローパスフィルタ8
7は、高速電極駆動装置80の位置制御帯域を制限する
ものである。この極間制御系では、極間の平均電圧が所
定の一定値となるように、高速電極駆動装置80が主に
極間の隙間距離を調節するとともにZ軸駆動装置89が
ジャンプ動作や加工の進みに対応した平均的な電極送り
を行う。また、高速電極駆動装置80のストロークでは
不安定な加工状態を回避するのに不十分な場合は、高速
電極駆動装置80とZ軸駆動装置89とが協調動作す
る。なお、Z軸駆動装置89の位置制御帯域は数十ヘル
ツ、高速電極駆動装置80の位置制御帯域は最大800
Hz程度である。
【0006】また、他の従来の放電加工装置として、文
献「可動コイル式ヘッドによる放電微細加工の高速
化」、増沢隆久,田中勝也,藤野正俊 著(電機加工学
会誌Vol8 No.16)に開示されたMCヘッドを
用いた放電加工装置が知られている。図18は、この従
来のMCヘッドの構成を示す図である。従来のMCヘッ
ド90は、MCヘッド90を大きく移動させる送り機構
に取り付けられる架台91と、架台91の内部に設けら
れた図示しないマグネットおよび図示しない可動コイル
からなる図示しないボイスコイルモータと、図示しない
可動コイルに取り付けられたコーン92と、コーン92
に取り付けられた電極ホルダ93と、電極ホルダ93に
取り付けられた電極94と、電極94の位置決めを行う
ガイド95とを備える。
【0007】MCヘッド90は、図示しないボイスコイ
ルモータによって電極ホルダ93および電極94を鉛直
方向に駆動し、極間距離を調整する。図19は、この従
来の放電加工装置の直列2段サーボ送り方式の構成を示
す図である。この直列2段サーボ送り方式では、制御回
路96が、サーボモータ97を制御して電極94を送り
込み、制御回路98が、電極94と工作物(被加工物)
99との間の平均電圧と所定の基準電圧との差に基づい
てMCヘッド90を制御し、極間距離を調整する。10
0は加工回路,101はDC電源である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記高
速電極駆動装置80を用いた放電加工装置によれば、圧
電素子81の一端でダイアフラムを押して電極83を駆
動するため、また、圧電素子81の伸縮のばらつきによ
ってダイアフラムの面倒れが発生する場合があり、電極
83が傾いて加工精度が劣化するという問題点があっ
た。
【0009】また、前記高速電極駆動装置80を用いた
放電加工装置によれば、高速電極駆動装置80における
電極83の位置に関わらずZ軸駆動装置89が高速電極
駆動装置80を駆動するため、応答の速い高速電極駆動
装置80が応答の遅いZ軸駆動装置89よりも速く動い
てストロークが飽和した状態で安定して機能しなくな
り、Z軸駆動装置89によって極間距離を調整する場合
があるので、安定した加工性能が得られず、加工速度が
低下するという問題点があった。前記MCヘッド90に
おいても同様の課題がある。
【0010】また、前記高速電極駆動装置80を用いた
放電加工装置によれば、制御器86による電極83の位
置決定が所定の範囲内で行われるように調整しないた
め、ストローク飽和が発生し、放電加工が行われない無
駄時間が増加し、加工速度が低下するという問題点があ
った。前記MCヘッド90においても同様の課題があ
る。また、前記高速電極駆動装置80を用いた放電加工
装置によれば、圧電素子81によって電極83を駆動す
るため、電極83の高速移動が可能な範囲が小さくな
り、加工速度が低下するという不具合があった。
【0011】また、前記MCヘッド90を用いた放電加
工装置によれば、コーン92上に電極ホルダ93を接着
し、電極ホルダ93および電極94を駆動するため、電
極94の位置決めが困難化し、安定した加工精度を得に
くいという問題点があった。
【0012】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、加工精度を向上させる放電加工装置を得ること
を第1の目的とする。また、この発明は、上記に鑑みて
なされたものであって、加工速度を向上させる放電加工
装置を得ることを第2の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、この発明にかかる放電加工装置
にあっては、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する
第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持
し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装
置と、を備えた放電加工装置において、前記第1の電極
駆動装置が、前記電極を保持し、該電極とともに移動す
る保持手段と、前記保持手段の移動方向に離れた位置を
それぞれ支持する第1の弾性変形部材および第2の弾性
変形部材と、前記第1の弾性変形部材と前記第2の弾性
変形部材との間に設けられ、前記保持手段を駆動する駆
動手段と、を具備することを特徴とする。
【0014】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、前記駆動手段が、磁石およびコイルを有する電磁ア
クチュエータであることを特徴とする。
【0015】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する第1の電
極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持し、該第
1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装置と、を
備えた放電加工装置において、前記第1の電極駆動装置
に対する前記電極の相対的な位置を検出する検出手段
と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第2の電
極駆動装置に前記第1の電極駆動装置の駆動を行わせる
制御を行う第1の制御手段と、を具備することを特徴と
する。
【0016】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する第1の電
極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持し、該第
1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装置と、を
備えた放電加工装置において、前記第1の電極駆動装置
に対する前記電極の相対的な位置を検出する検出手段
と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の電
極駆動装置に対する前記電極の相対的な移動速度に関す
る速度情報を生成する速度情報生成手段と、前記速度情
報に基づいて、前記第1の電極駆動装置に前記電極の駆
動を行わせる制御を行う第2の制御手段と、を具備する
ことを特徴とする。
【0017】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する第1の電
極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持し、該第
1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装置と、を
備えた放電加工装置において、前記電極と被加工物との
間の距離に応じた、前記第1の電極駆動装置に対する前
記電極の相対的な位置を決定する位置決定手段と、所定
のストローク範囲以内で前記位置決定を行わせる調整を
前記位置決定手段に対して行う調整手段と、を具備する
ことを特徴とする。
【0018】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、前記ストローク範囲が、駆動中心から絶対値20マ
イクロ・メートル以内の範囲から駆動中心から絶対値1
000マイクロ・メートル以内の範囲までの間に設定さ
れることを特徴とする。
【0019】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する第1の電
極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持し、該第
1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装置と、を
備えた放電加工装置において、前記第1の電極駆動装置
および前記第2の電極駆動装置における位置制御に用い
る位置フィードバックループと、前記電極と被加工物と
の間の平均電圧に基づいて前記電極と前記被加工物との
間の距離を調整する極間平均電圧制御に用いる極間平均
電圧フィードバックループとを切り替える切替手段を具
備することを特徴とする。
【0020】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、前記第1の電極駆動装置における位置制御に用いる
位置フィードバックループおよび前記第2の電極駆動装
置における位置制御に用いる位置フィードバックループ
を、それぞれ独立して設けたことを特徴とする。
【0021】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、放電用の電極を保持し、該電極を駆動する第1の電
極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保持し、該第
1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動装置と、を
備えた放電加工装置において、前記第1の電極駆動装置
が、前記電極を3次元的に駆動する駆動手段を具備する
ことを特徴とする。
【0022】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、前記駆動手段が、前記第1の電極駆動装置と被加工
物とを結ぶZ軸方向に前記電極を駆動するZ軸駆動手段
と、前記Z軸方向に垂直なXY平面上で直交するX軸方
向およびY軸方向に前記電極をそれぞれ駆動するX軸駆
動手段およびY軸駆動手段と、を有することを特徴とす
る。
【0023】つぎの発明にかかる放電加工装置にあって
は、前記X軸駆動手段および前記Y軸駆動手段が、直動
玉軸および電磁アクチュエータを有することを特徴とす
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態
によって、この発明が限定されるものではない。
【0025】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1にかかる放電加工装置の電極駆動装置の構成を示
す図である。実施の形態1の放電加工装置1は、後述す
るZ軸駆動装置14の可動部分に取り付けられ、電極位
置を高速に微調整するものである。放電加工装置1は、
電極2aを保持する電極ホルダ2bと、電極ホルダ2b
および電極2aとともに移動する円筒形状の可動部3
と、可動部3をほぼ同一中心軸上に収容する円筒形状の
架台4と、架台4内で可動部3の上端を支持する板ばね
5aと、架台4内で可動部3の下端を支持する板ばね5
bと、可動部3に巻きつけたコイル6aおよび6bと、
架台4の内側に固定した磁石7aおよび7bと、架台4
のほぼ中心軸上に設けられ、電極ホルダ2bの変位量を
検出する変位センサ8とを備える。
【0026】電極ホルダ2bは、放電用の電極2aを保
持する。可動部3は、電極ホルダ2bおよび電極ホルダ
2bが保持する電極2aとともに移動する。架台4は、
可動部3を収容し、後述するZ軸駆動装置14の可動部
分に取り付けられる。板ばね5aおよび5bは、架台4
内に固定され、可動部3の上端および下端をそれぞれ鉛
直方向上下(以下、Z軸方向と呼ぶ)可動に支持する。
コイル6a,6bおよび磁石7a,7bは、電磁アクチ
ュエータを構成し、可動部3をZ軸方向に駆動する。
【0027】コイル6a,6bを流れる電流を調整する
ことによって、可動部3の変位を調整することができ
る。コイル6a,6bを流れる電流の調整は、その電流
自体を調整するか、またはその電流に等価な電圧を調整
することによって行われる。変位センサ8は、電極ホル
ダ2bの変位量、すなわち、電極駆動装置1に対する電
極2aの相対的な位置を検出する。変位センサ8の検出
結果に基づいて電磁アクチュエータを制御することによ
って、電極駆動装置1の可動部3の高精度な位置決めを
行うことができる。
【0028】図2は、実施の形態1にかかる可動部3お
よび板ばね5a,5bに関する力学モデルを示す図であ
る。板ばね5a,5bの電極駆動方向のばね係数をkz
とし、板ばね5a,5bの電極駆動方向と垂直な方向の
ばね係数をkXとし、コイル6a,6bと磁石7a,7
bとの間の磁気的な力をFとし、力Fがかかる位置と電
極2aの中心とがずれている距離をrとし、板ばね5a
と板ばね5bとの間の距離をhとし、板ばね5a,5b
の内側直径をbとすると、力Fがかかることによって発
生する電極2aの傾きθは、式(1)で示される。
【0029】 θ≒F・r/(kz・b2+kX・h2) ・・・(1) ここで、板ばね5aおよび5bは、駆動方向の剛性が弱
く、駆動方向と垂直な方向の剛性が強くなるように設計
されているので、ばね係数kzは、ばね係数kXに比して
非常に小さい。したがって、式(1)は、近似的に式
(2)で表すことができる。 θ≒F・r/(kX・h2) ・・・(2) 式(2)から、板ばね5aおよび5bによって可動部3
の上下を支持するダイアフラム構造では、同一の偏心力
が可動部3に作用する場合、板ばね5aと板ばね5bと
の間の距離hが大きいほど電極2aの傾きθが小さくな
ることがわかる。すなわち、板ばね5aと板ばね5bと
の間のダイアフラム構造部分の寸法に応じて傾きθが定
まる。
【0030】図3は、実施の形態1にかかる電磁アクチ
ュエータおよびダイアフラム構造部分の寸法を示す説明
図である。電極駆動装置1では、板ばね5aと板ばね5
bとの間のダイアフラム構造部分9の内部に、コイル6
a,6bおよび磁石7a,7bを有する電磁アクチュエ
ータ10が配置される(図3(a)参照)。これに対し
て、前述した従来の高速電極駆動装置80では、ダイア
フラム構造部分84の外部に圧電素子81が配置される
(図3(b)参照)。このため、実施の形態1のダイア
フラム構造部分9と従来のダイアフラム構造部分84と
を同じ寸法にして同一の偏心力に対する電極の傾きを同
じ大きさにした場合、電極駆動装置1は、従来の高速電
極駆動装置80に比して、圧電素子81の高さh2分だ
け小さくなる。
【0031】また、従来の高速電極駆動装置80は、圧
電素子81をアクチュエータとして用いるため、高速電
極駆動装置80の最大ストロークが、圧電素子81の最
大ストロークによって制限されて小さくなる。たとえ
ば、5センチ・メートル程度の圧電素子の場合、その最
大ストロークは、50マイクロ・メートル未満程度であ
る。一方、電極駆動装置1は、電磁アクチュエータ10
を用いる。電磁アクチュエータ10の最大ストローク
は、コイル6aおよび6bと磁石7aおよび7bとの間
の磁気的な力の最大値と板ばね5aおよび5bのばね定
数によって定まる。
【0032】コイル6aおよび6bと磁石7aおよび7
bとの間の磁気的な力の最大値をF max、板ばね5aお
よび5bのばね定数をkとすると、最大ストロークZX
は、式(3)で表される。 ZX=Fmax/k ・・・(3) 力の最大値Fmaxおよびばね定数kは、コイル6a,6
bおよび磁石7a,7bならびに板ばね5a,5bの設
定によって容易に変更できる。そして、大きい最大スト
ロークZXが容易に得られる。
【0033】図4は、実施の形態1にかかる放電加工装
置の極間平均電圧制御系の構成を示す図である。この極
間平均電圧制御系は、極間の平均電圧を指定する極間平
均電圧指令を外部から入力し、極間の平均電圧が、極間
平均電圧指令によって指定された一定値となるように極
間距離を制御する。この極間平均電圧制御系は、極間平
均電圧指令と放電加工プロセス12における極間の平均
電圧との差に応じたサーボ指令値を電極駆動装置1に出
力する加工制御器11と、電極駆動装置1に対する電極
2aの相対的な位置(以下、電極変位量と呼ぶ)D1と
電極変位量D1に対する追従を指定する電極位置追従指
令との和に応じた指令値を出力する電極追従制御器13
と、電極追従制御器13による指令値に基づいて電極駆
動装置1を駆動するZ軸駆動装置14とを備える。
【0034】そして、Z軸駆動装置14による電極駆動
装置1の変位量と電極変位量D1との和、すなわち、図
示しない被加工物に対する電極2aの相対的な位置(以
下、極間変位量と呼ぶ)D2に応じた放電加工プロセス
12が行われる。加工制御器11は、極間平均電圧指令
と放電加工プロセス12における極間の平均電圧との差
を入力し、この差に応じたサーボ指令値を算出し、この
サーボ指令値を電極駆動装置1に出力する。電極駆動装
置1は、加工制御器11によるサーボ指令値に基づい
て、電極変位量D1を調整する。電極追従制御器13
は、電極変位量D1と電極位置追従指令との和を入力
し、この和に応じた指令値を算出し、この指令値をZ軸
駆動装置14に出力する。Z軸駆動装置14は、電極追
従制御器13による指令値に基づいて電極駆動装置1を
駆動する。
【0035】なお、この例では、電極追従制御器13
が、電極変位量D1と電極位置追従指令との和を入力し
ているが、必ずしもこの形態である必要はなく、少なく
とも電極変位量D1または電極変位量D1に等価な量に
基づいて指令値を算出すればよい。また、加工制御器1
1による電極駆動装置1に対するサーボ指令値は、電極
駆動装置1を電流制御する場合は電流指令値、電極駆動
装置1を速度制御する場合は速度指令値、電極駆動装置
1を位置制御する場合は位置指令値となる。また、電極
駆動装置1に代えて、他の形態の電極駆動装置を用いて
もよい。
【0036】つぎに、電極駆動装置1を電流制御する場
合について説明する。電極駆動装置1を電流制御する場
合は、電極駆動装置1において電流制御系を構成する。
図5は、実施の形態1にかかる電極駆動装置1の電流制
御系の構成を示す図である。この電流制御系は、コイル
6aおよび6bに流す電流を指定する電流指令値を加工
制御器11から入力し、電極変位量D1を調整する。
【0037】この電流制御系は、電極変位量D1の変化
に基づいて、電極駆動装置1に対する電極2aの相対的
な速度に対応する電流値をフィードバックする速度フィ
ードバック制御器18と、コイル6aおよび6bに流れ
る電流のコイル電流値および速度フィードバック制御器
18によるフィードバック値を加工制御器11による電
流指令値から差し引いた値に応じた電流をコイル6aお
よび6bに流す制御を行う電流制御器16とを備える。
そして、コイル6aおよび6bに電流が流れると、電極
駆動装置1の電気・機械特性17に応じて電極変位量D
1が定まる。速度フィードバック制御器18の伝達関数
は、{KVs/(τs+1)}で表される。ただし、KV
は、速度フィードバック制御器18のゲイン、τは、速
度フィードバック制御器18の時定数である。
【0038】つぎに、電極駆動装置1を速度制御する場
合について説明する。電極駆動装置1を速度制御する場
合は、電極駆動装置1において速度制御系を構成する。
図6は、実施の形態1にかかる電極駆動装置1の速度制
御系の構成を示す図である。なお、図5と同一構成の部
分については同一の符号を付している。この速度制御系
は、電極駆動装置1に対する電極2aの相対的な移動速
度を指定する速度指令値を加工制御器11から入力し、
電極変位量D1を調整する。
【0039】この速度制御系は、電極変位量D1の変化
に基づいて、電極駆動装置1に対する電極2aの相対的
な速度に対応する速度値をフィードバックする速度フィ
ードバック制御器19と、加工制御器11による速度指
令値と速度フィードバック制御器19によるフィードバ
ック値との差に応じた電流指令値を出力する速度フィー
ドバック制御器20と、速度フィードバック制御器20
による電流指令値とコイル6aおよび6bに流れる電流
のコイル電流値との差に応じた電流をコイル6aおよび
6bに流す制御を行う電流制御器16とを備える。
【0040】つぎに、電極駆動装置1を位置制御する場
合について説明する。電極駆動装置1を位置制御する場
合は、電極駆動装置1において位置制御系を構成する。
図7は、実施の形態1にかかる電極駆動装置1の位置制
御系の構成を示す図である。なお、図6と同一構成の部
分については同一の符号を付している。この位置制御系
は、電極駆動装置1に対する電極2aの相対的な位置を
指定する位置指令値を加工制御器11から入力し、電極
変位量D1を調整する。
【0041】この位置制御系は、図6に示した速度制御
系のフィードバックループ(以下、速度フィードバック
ループと呼ぶ)の外側に、電極変位量D1と加工制御器
11による位置指令値との差に応じた速度値を出力する
位置フィードバック制御器21を設け、速度フィードバ
ック制御器20が、位置フィードバック制御器21によ
る速度値と速度フィードバック制御器19によるフィー
ドバック値との差に応じた電流指令値を出力するように
したものである。この位置制御系では、速度フィードバ
ックループの外側に、位置制御に用いる位置フィードバ
ックループを設けるため、オーバーシュートや残留振動
を抑制することができるので、加工精度を向上させるこ
とができる。
【0042】なお、電極駆動装置1は、この発明の第1
の電極駆動装置に対応し、Z軸駆動装置14は、この発
明の第2の電極駆動装置に対応し、電極ホルダ2bおよ
び可動部3は、この発明の保持手段に対応し、板ばね5
aおよび5bは、この発明の第1の弾性変形部材および
第2の弾性変形部材に対応し、変位センサ8は、この発
明の検出手段に対応し、電極追従制御器13は、この発
明の第1の制御手段に対応し、速度フィードバック制御
器18ならびに速度フィードバック制御器19および2
0は、この発明の速度情報生成手段に対応し、電流制御
器16は、この発明の第2の制御手段に対応する。
【0043】つぎに、実施の形態1の動作について図8
および図9を参照して説明する。図8(a)は、実施の
形態1にかかる極間平均電圧制御系の周波数伝達特性を
示す図であり、図8(b)は、図17に示した従来の極
間制御系の周波数伝達特性を示す図である。ここでは、
電極駆動装置1および高速電極駆動装置80として、8
00ヘルツの位置制御帯域を有するものをそれぞれ用
い、Z軸駆動装置14およびZ軸駆動装置89として、
30ヘルツの位置制御帯域を有するものをそれぞれ用
い、電極駆動装置1およびZ軸駆動装置14の協調制
御、ならびに高速電極駆動装置80およびZ軸駆動装置
89の協調制御を行った。
【0044】ただし、これらの周波数特性は、放電プロ
セスにおける極間の平均電圧(以下、極間平均電圧と呼
ぶ)が極間変位量に比例するとみなせる領域のものであ
り、極間変位量と極間平均電圧の比例係数を1として正
規化している。また、電極駆動装置1および高速電極駆
動装置80によるストロークの上限値と下限値の中間位
置をそれぞれ基準位置とし、値「0」としている。ま
た、電極位置追従指令は、電極駆動装置1のストローク
の上限値と下限値の中間位置を指示する。
【0045】図8(a)において、L1は、極間平均電
圧制御系の極間平均電圧指令から極間変位量までの周波
数伝達特性を示し、L2は、極間平均電圧制御系の極間
平均電圧指令から電極変位量までの周波数伝達特性を示
し、L3は、極間平均電圧制御系の極間平均電圧指令か
らZ軸駆動装置14による電極駆動装置1の変位量まで
(以下、Z軸駆動系と呼ぶ)の周波数伝達特性を示す。
極間平均電圧制御系において、極間平均電圧制御系の極
間平均電圧指令から極間変位量までの周波数伝達特性L
1は、300ヘルツ程度以上で減衰している。
【0046】ここで、Z軸駆動系の周波数特性L3は、
極間平均電圧指令に対して10ヘルツ以下の低周波数域
においてほぼゲイン0dBで追従し、10ヘルツ以上の
高周波数域において減衰している。一方、極間平均電圧
制御系の極間平均電圧指令から電極変位量までの周波数
伝達特性L2は、10ヘルツ〜300ヘルツの高周波数
域においてほぼゲイン0dBで追従し、10ヘルツ以下
の低周波数域において減衰している。すなわち、直流を
含めた低周波数域の送りをZ軸駆動装置14が行い、高
周波数の送りを電極駆動装置1が行っている。これによ
り、加工時の外乱や加工の進行にともなう電極駆動装置
1のストローク飽和が生じにくくなる。
【0047】一方、従来の極間制御系でも、極間制御系
の極間平均電圧指令から極間変位量までの周波数伝達特
性L11は、300ヘルツ程度以上で減衰している。し
かし、極間制御系の極間平均電圧指令から電極変位量ま
での周波数伝達特性L12は、300ヘルツ以下でほぼ
ゲイン0dBに追従しているのに対し、Z軸駆動系の周
波数特性L13のゲインは、全周波数域においてかなり
小さい。これは、高速電極駆動装置80がストローク飽
和するまでZ軸駆動装置89がほとんど動作しないこと
を示している。これにより、加工時の外乱や加工の進行
にともなう高速電極駆動装置80のストローク飽和が生
じやすくなる。
【0048】図9は、実施の形態1にかかる電極駆動装
置1の電流制御系の周波数伝達特性を示す図である。こ
こでは、加工制御器11による電流指令値から電極変位
量までの周波数伝達特性を示している。図9において、
L21およびL23は、速度フィードバック制御器18
を用いない場合、すなわちKVが「0」の場合の周波数
伝達特性を示し、L22およびL24は、速度フィード
バック制御器18を用いる場合、すなわちKVが「0」
以上の場合の周波数伝達特性を示す。速度フィードバッ
ク制御器18を用いない場合は、機械共振が発生してい
るが、速度フィードバック制御器18を用いない場合
は、機械共振が抑制されている。すなわち、速度フィー
ドバック制御器18を用いることによって、機械共振が
抑制されることがわかる。
【0049】実際の放電加工では、機械共振が放電を不
安定にする要因の一つとなり、これが加工速度を低下さ
せる要因の一つとなっている。したがって、速度フィー
ドバック制御器18を用いることによって、機械共振が
抑制を抑制することができ、安定した放電が得られるの
で、加工速度を向上させることができる。なお、速度制
御系および位置制御系においても同様に機械共振を抑制
することができ、安定した放電を得て、加工速度を向上
させることができる。
【0050】この実施の形態1によれば、電極ホルダ2
bおよび可動部3が、電極2aを保持し、電極2aとと
もに移動し、板ばね5aおよび5bが、可動部3の移動
方向の両端を支持し、板ばね5aと5bとの間に設けら
れた電磁アクチュエータが、電極ホルダ2bおよび可動
部3を駆動する。これにより、板ばね5aおよび5bか
らなるダイアフラム構造部分の外部にアクチュエータを
設ける必要が無くなり、板ばね5aと板ばね5bの間隔
を十分確保することができるため、加工精度を向上させ
るとともに電極駆動装置1を小型化することができる。
【0051】また、実施の形態1によれば、磁石7a,
7bおよびコイル6a,6bを有する電磁アクチュエー
タによって電極2aを駆動するため、第1電極駆動装置
のストロークを大きくすることができるので、加工速度
を向上させることができる。また、実施の形態1によれ
ば、変位センサ8が、電極駆動装置1に対する電極2a
の相対的な位置を検出し、追従制御器13が、変位セン
サ8の検出結果に基づいて、Z軸駆動装置14に電極駆
動装置1の駆動を行わせる制御を行う。これにより、ス
トローク飽和を抑制し、安定した加工性能を得ることが
できるため、加工速度を向上させることができる。
【0052】また、実施の形態1によれば、変位センサ
8が、電極駆動装置1に対する電極2aの相対的な位置
を検出し、速度フィードバック制御器18が、変位セン
サ8の検出結果に基づいて、電極駆動装置1に対する電
極2aの相対的な移動速度に関する情報を生成し、電流
制御器16が、この情報に基づいて、電極駆動装置1に
電極2aの駆動を行わせる制御を行う。これにより、電
極駆動装置1に対する電極2aの相対的な移動速度に応
じた電極2aの駆動を行うことができ、機械共振を抑え
て放電を安定化させることができるため、加工速度を向
上させることができる。
【0053】実施の形態2.図10は、この発明の実施
の形態2にかかる放電加工装置の極間平均電圧制御系の
構成を示す図である。この極間平均電圧制御系は、前述
した実施の形態1の極間平均電圧制御系において、加工
制御器11に代えてストローク調整機能付加工制御器2
6を設けたものである。
【0054】ストローク調整機能付加工制御器26は、
極間平均電圧指令と放電加工プロセス12における極間
の平均電圧との差を入力し、この差に応じたサーボ指令
値を算出し、この位置指令値を電極駆動装置1に出力す
る。ストローク調整機能付加工制御器26は、サーボ指
令値に対応する電極変位量を所定の範囲内に調整するス
トローク調整を行う。ストローク調整機能付加工制御器
26は、ロジック回路によって構成してもよいが、ここ
では、図示しないコンピュータおよび図示しないROM
に記録したプログラムによって具現化した例を挙げる。
なお、ストローク調整機能付加工制御器26は、この発
明の位置決定手段および調整手段に対応する。
【0055】つぎに、実施の形態2の動作について図1
1および図12のフローチャートを参照して説明する。
図11は、実施の形態2にかかる電極駆動装置1を電流
制御する場合のストローク調整機能付加工制御器26の
処理手順を示す図である。この処理において、まず、ス
トローク調整機能付加工制御器26は、極間平均電圧指
令と極間平均電圧との差の情報を読み込む(S1)。つ
ぎに、ストローク調整機能付加工制御器26は、この情
報および内部変数を用いて所定の演算を行い、ストロー
ク調整前の電流指令値icomを算出する(S2)。つぎ
に、ストローク調整機能付加工制御器26は、算出した
電流指令値icomおよび式(4)を用い、電流指令値i
comに対応する電極変位量Z1を算出する(S3)。
【0056】Z1=Kt・icom・k ・・・(4) ただし、Ktは、電極駆動装置1の推力定数、kは、電
極駆動装置1の板ばね5aおよび5bの電極駆動方向の
ばね定数である。また、電極変位量Z1は、変位の中心
点を「0」とし、図示しない被加工物側を正とし、電極
駆動装置1側を負とした場合の電極2aの位置である。
つぎに、ストローク調整機能付加工制御器26は、電極
変位量Z1の絶対値が予め設定した最大値Zmaxに比して
大きいか否かを判定する(S4)。電極変位量Z1の絶
対値が最大値Zmaxに比して大きい場合、ストローク調
整機能付加工制御器26は、電極変位量Z1の絶対値と
最大値Zmaxとの差ΔZを算出する(S5)。
【0057】そして、ストローク調整機能付加工制御器
26は、電極変位量Z1がsign(Z1)・Zmaxとな
るように電流icomを修正するとともに、ステップS1
で読み込んだ極間平均電圧指令と極間平均電圧との差の
情報に基づいて該修正後の電流icomが算出されるよう
に、内部変数を修正する(S6)。なお、sign
(X)は、実数Xが正の場合は「1」を、実数Xが負の
場合は「−1」をかえす演算を行う演算記号である。最
後に、電流icomを電極駆動装置1に出力し(S7)、
処理を終了する。一方、ステップS4で、電極変位量Z
1の絶対値が最大値Zmax以下の場合は、ステップS5お
よびS6をスキップしてステップS7に進む。
【0058】つぎに、電極駆動装置1を位置制御する場
合のストローク調整機能付加工制御器26の処理手順に
ついて説明する。図12は、実施の形態2にかかる電極
駆動装置1を位置制御する場合のストローク調整機能付
加工制御器26の処理手順を示す図である。なお、図1
1と同一動作の部分については同一の符号を付してい
る。この処理において、まず、ストローク調整機能付加
工制御器26は、極間平均電圧指令と極間平均電圧との
差の情報を読み込む(S1)。
【0059】つぎに、ストローク調整機能付加工制御器
26は、この情報および内部変数を用いて所定の演算を
行い、ストローク調整前の位置指令値Zcomを算出する
(S11)。つぎに、ストローク調整機能付加工制御器
26は、位置指令値Zcomの絶対値が予め設定した最大
値Zmaxに比して大きいか否かを判定する(S12)。
位置指令値Zcomの絶対値が最大値Zmaxに比して大きい
場合、ストローク調整機能付加工制御器26は、位置指
令値Zcomの絶対値と最大値Zmaxとの差ΔZを算出する
(S13)。
【0060】そして、ストローク調整機能付加工制御器
26は、位置指令値Zcomがsign(Zcom)・Zmax
となるように位置指令値Zcomを修正するとともに、ス
テップS1で読み込んだ極間平均電圧指令と極間平均電
圧との差の情報に基づいて該修正後の位置指令値Zcom
が算出されるように、内部変数を修正する(S14)。
最後に、位置指令値Zcomを電極駆動装置1に出力し
(S15)、処理を終了する。一方、ステップS12
で、位置指令値Zcomの絶対値が最大値Zmax以下の場合
は、ステップS13およびS14をスキップしてステッ
プS15に進む。
【0061】つぎに、ストローク調整機能付加工制御器
26によるストローク調整が、有効な放電加工時間の増
減にどのように寄与するかについて説明する。図13
は、実施の形態2にかかる極間平均電圧波形および電極
変位波形を示す図である。ここでは、電極駆動装置1お
よびZ軸駆動装置14のジャンプ動作後に、極間に放電
発生させる電圧Vmaxを印加し、その直後に極間平均電
圧を制御する極間平均電圧制御動作に移り、その後、極
間平均電圧指令の値Vcom付近の極間平均電圧で放電加
工を行ったあと、再びジャンプ動作を行った場合を示し
ている。図13において、極間平均電圧が値Vcom付近
に落ち着く時間が長いほど、有効な放電加工時間が長く
なる。
【0062】図13(a)は、電極駆動装置1を用い
ず、Z軸駆動装置14のみで電極2aを駆動した場合の
極間平均電圧の時間波形を示している。この場合、スト
ローク調整機能付加工制御器26によるストローク調整
が行われない。そして、Z軸駆動装置14の可動部は、
機械的なストロークの限界まで移動できる。図13
(a)に示す極間平均電圧の時間波形では、極間に電圧
maxが印加されたあと、極間平均電圧が電圧Vmaxのま
ま落ち着いている時間が長くなり、全体として有効放電
加工時間が短くなっている。
【0063】これは、Z軸駆動装置14による駆動が電
極駆動装置1による駆動に比して遅いからであり、ま
た、ジャンプ動作時に極間の距離が大きくなりすぎて、
極間平均電圧を値Vcomにする極間距離になるまでに長
時間を要するからである。この例では、Z軸駆動装置1
4を用いた場合を示しているが、ストローク調整を行わ
ない場合には、電極駆動装置1を用いた場合においても
極間距離が大きくなりすぎて放電有効時間が短くなる場
合がある。
【0064】図13(b)は、ストローク調整機能付加
工制御器26によって電極駆動装置1のストロークを±
100マイクロ・メートル程度に調整した場合の極間平
均電圧の時間波形を示している。この場合は、図13
(a)に示した極間平均電圧の時間波形に比して、極間
平均電圧が電圧Vmaxのまま落ち着いている時間が短く
なり、極間平均電圧が値Vcom付近に落ち着く時間が長
くなっている。すなわち、有効な放電加工時間が増加し
ている。
【0065】図13(c)は、ストローク調整機能付加
工制御器26によって電極駆動装置1のストロークを±
25マイクロ・メートル程度に調整した場合の極間平均
電圧の時間波形を示している。この場合は、極間平均電
圧制御に移った直後に電極駆動装置1がストローク飽和
を起こしている。そして、図13(c)に示す極間平均
電圧の時間波形は、図13(a)に示した極間平均電圧
の時間波形に比して、有効放電加工時間が若干増加して
いるが、図13(b)に示した極間平均電圧の時間波形
に比して、有効放電加工時間が減少している。このよう
に、電極駆動装置1のストロークをジャンプ動作や電気
加工条件に応じて変化させれば、有効放電時間を改善す
ることができる。
【0066】つぎに、電極駆動装置1のストロークを調
整する範囲について説明する。通常、放電加工でよく使
用される極間距離は30マイクロ・メートル〜40マイ
クロ・メートル程度であるので、電極駆動装置1のスト
ロークの最大値は±20マイクロ・メートル以上あれ
ば、通常の用途における放電加工において高速の加工速
度を得ることができる。また、荒加工の用途において
は、一般的に、極間距離の最大値は200マイクロ・メ
ートル以下であり、電極駆動装置1のストロークの最大
値は±500マイクロ・メートル程度あれば、ほとんど
の荒加工および仕上げ加工において高速の加工速度を得
ることができる。
【0067】電極駆動装置1とZ軸駆動装置14との協
調動作による駆動方式では、大きな送り動作はZ軸駆動
装置14が行い、放電の微細な制御は電極駆動装置1が
行うので、電極駆動装置1のストロークの最大値が±1
000マイクロ・メートルあれば、高速の加工速度を十
分に得ることができる。なお、電極駆動装置1のストロ
ークの最大値を±1000マイクロ・メートル以上に設
定しても高速の加工速度が得られることは明らかである
が、通常のジャンプ動作では、極間変位量が500マイ
クロ・メートル以下で極間平均電圧制御動作に入る場合
が多く、電極駆動装置1のストロークの最大値を±10
00マイクロ・メートル以上に設定すると、電極駆動装
置1の消費電力や電極駆動装置1の電極駆動動作の放電
加工への寄与効率が低下する。他の構成および動作につ
いては、実施の形態1と同じである。
【0068】この実施の形態2によれば、ストローク調
整機能付加工制御器26が、電極2aと図示しない被加
工物との間の距離に応じた電極変位量を決定し、所定の
ストローク範囲以内で電極変位量の決定を行うように調
整する。これにより、ストローク飽和を抑制し、放電が
行われない無駄時間を低減することができるため、加工
速度を向上させることができる。また、実施の形態2に
よれば、ストローク範囲を、駆動中心から絶対値20マ
イクロ・メートル以内の範囲から駆動中心から絶対値1
000マイクロ・メートル以内の範囲までの間に設定す
る。これにより、高速かつ安定した放電を維持すること
ができ、さらに無駄時間を低減することができるため、
さらに加工速度を向上させることができる。
【0069】実施の形態3.図14は、この発明の実施
の形態3にかかる放電加工装置の切替制御系の構成を示
す図である。なお、図4と同一構成の部分については同
一の符号を付している。この切替制御系は、図4に示し
た極間平均電圧制御系において、制御切替装置32,3
3を挿入し、極間平均電圧制御に用いる極間平均電圧フ
ィードバックループと位置制御に用いる位置フィードバ
ックループとを切り替えるようにしたものである。実施
の形態3の電極駆動装置31は、図5に示した電流制御
系または図6に示した速度制御系によって構成され、位
置フィードバックループを含まない。
【0070】NC装置34は、極間平均電圧指令D5お
よび極間位置追従指令D3を切替制御系に出力するとと
もに、電極駆動装置31に対して位置を指示する位置指
令D4、位置制御と極間平均電圧制御との切り替えを指
示する切替指令D6、およびZ軸駆動装置に対して位置
を指示する位置指令D7を切替制御系に出力する。制御
切替装置32は、NC装置34による極間平均電圧指令
D5と極間平均電圧との差の値、またはNC装置34に
よる位置指令D4と電極変位量D1との差の値のいずれ
か一方の値を選択して加工制御器11に出力する。この
選択は、NC装置34による切替指令D6に基づいて行
われる。
【0071】また、制御切替装置33は、NC装置34
による切替指令D6に基づいて、電極追従制御器13に
よる指令値またはNC装置34による位置指令D7のい
ずれか一方を選択してZ軸駆動装置14に出力する。加
工制御器11は、NC装置34による極間平均電圧指令
D5と極間平均電圧との差の値を受信した場合、前述し
た実施の形態1と同じ動作を行う。一方、NC装置34
による位置指令D4と電極変位量D1との差の値を受信
した場合は、位置指令D4で指示された位置に電極2a
を移動させる位置制御を行う。
【0072】また、Z軸駆動装置14は、電極追従制御
器13による指令値を受信した場合は、前述した実施の
形態1と同じ動作を行う。一方、NC装置34による位
置指令D7を受信した場合は、位置指令D7で指示され
た位置に電極駆動装置31を移動させる位置制御を行
う。なお、制御切替装置32および33は、この発明の
切替手段に対応する。
【0073】つぎに、実施の形態3の動作について説明
する。実施の形態3の動作では、制御切替装置(スイッ
チ)32および33によって、位置指令値,位置フィー
ドバック値および位置フィードバック制御器からなる位
置制御系、または極間平均電圧指令値,極間平均電圧フ
ィードバック値および加工制御器からなる極間平均電圧
制御系のいずれか一方の制御系が選択される。位置制御
時には、電極駆動装置31およびZ軸駆動装置14が、
位置指令D4およびD7に基づいて位置決め動作を行
い、電極2aの位置が調整される。
【0074】位置制御時においては、加工制御器11,
電極駆動装置31および制御切替装置32で構成される
位置フィードバックループとZ軸駆動装置14内の位置
フィードバックループとは独立しており、極間平均電圧
のフィードバックは行われない。すなわち、電極駆動装
置31の位置制御とZ軸駆動装置14の位置制御は独立
して行われる。また、極間平均電圧制御時には、極間平
均電圧指令D5および電極位置追従指令D3が切替制御
系に与えられ、電極2aと図示しない被加工物との相対
距離が調整されることによって、極間平均電圧が調整さ
れる。
【0075】このように、位置制御時と極間平均電圧制
御時とで制御構造を切り替えることにより、加工開始前
の原点位置の設定を確実に行うことができる。また、極
間平均電圧制御時には、変位センサ8の検出遅れによる
極間平均電圧制御系の応答性能の劣化を防止することが
できるので、極間平均電圧フィードバックループの内側
に位置フィードバックループを設けた構成の従来の極間
平均電圧制御系に比して極間平均電圧制御系の周波数応
答を大きくすることができる。
【0076】この実施の形態3によれば、制御切替装置
32および33が、電極駆動装置31およびZ軸駆動装
置14における位置制御に用いる位置フィードバックル
ープと、極間平均電圧に基づいて極間距離を調整する極
間平均電圧制御に用いる極間平均電圧フィードバックル
ープとを切り替える。これにより、位置フィードバック
ループと極間平均電圧フィードバックループとを分離
し、これらを切り替えて用い、電極2aと図示しない被
加工物の相対位置の位置決め精度を向上させることがで
きるため、加工精度を向上させることができる。
【0077】また、極間平均電圧制御系の周波数応答帯
域を大きくすることができるため、加工時に発生する加
工くずなどの影響下においてもNC装置34による極間
電圧指令D5が指示する値に極間平均電圧を維持しやす
くなり、安定した放電加工時間が増加するので、加工速
度を向上させることができる。また、電極駆動装置31
における位置制御に用いる位置フィードバックループお
よびZ軸駆動装置14における位置制御に用いる位置フ
ィードバックループを、それぞれ独立して設けたことに
より、電極2aと図示しない被加工物の相対位置の位置
決め精度をさらに向上させることができる。
【0078】実施の形態4.図15は、この発明の実施
の形態4にかかる放電加工装置の電極駆動装置の構成を
示す図である。この電極駆動装置は、前述した実施の形
態1の電極駆動装置1において、3次元的に電極2aを
移動させるようにしたものである。この電極駆動装置
は、Z軸駆動装置14に固定されるベース41と、水平
面上の一方向であるX軸方向に摺動可能な直動玉軸受4
2と、直動玉軸受42に支持され、X軸方向に可動なサ
ドル43と、水平面上においてX軸方向に垂直なY軸方
向に摺動可能な直動玉軸受44と、直動玉軸受44に支
持され、電極駆動装置1を支持し、Y軸方向に可動な支
持板45と、サドル43を駆動する電磁アクチュエータ
46と、支持板45を駆動する電磁アクチュエータ47
と、サドル43の変位を検出する変位センサ49と、支
持板45の変位を検出する変位センサ50とを備える。
【0079】つぎに、実施の形態4の動作について説明
する。実施の形態4では、まず、Z軸駆動装置14の可
動部にベース41を固定する。そして、電磁アクチュエ
ータ46,47および電極駆動装置1の電磁アクチュエ
ータ10とを協調制御し、電極2aと被加工物との間の
相対位置決めを3次元的に行う。ここで、Z軸方向と同
様に、X軸方向およびY軸方向についても、変位センサ
49および50を用いた極間平均電圧制御系をそれぞれ
構成し、実施の形態1と同様の効果を得ることができ
る。
【0080】すなわち、ストローク飽和を抑制すること
が可能な極間平均電圧制御系をX軸方向,Y軸方向およ
びZ軸方向のそれぞれについて構成することができる。
これにより、X軸方向,Y軸方向およびZ軸方向の極間
平均電圧制御を高速かつ安定に行うことができるので、
加工速度を向上させることができる。また、実施の形態
3の切替制御系をX軸方向,Y軸方向およびZ軸方向に
適用することもできる。これにより、X軸方向,Y軸方
向およびZ軸方向の加工精度を改善することができる。
他の構成および動作は、実施の形態1と同じである。
【0081】この実施の形態4によれば、電磁アクチュ
エータ10,46および47が電極2aを3次元的に駆
動することにより、3次元の各方向における極間平均電
圧制御系の制御帯域を向上させることができ、放電加工
が行われない無駄時間を低減することができるため、加
工速度を向上させることができる。また、各駆動方向の
位置ずれの調整を容易かつ高精度に行い、電極駆動装置
の位置決め精度を向上させることができるため、加工精
度を向上させることができる。また、直動玉軸42,4
4および電磁アクチュエータ46,47を有することに
より、Z軸方向の機械精度を向上させることができるた
め、さらに加工精度を向上させることができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明によれ
ば、保持手段が、電極を保持し、該電極とともに移動
し、第1の弾性変形部材および第2の弾性変形部材が、
保持手段の移動方向に離れた位置をそれぞれ支持し、第
1の弾性変形部材と第2の弾性変形部材との間に設けら
れた駆動手段が、保持手段を駆動するので、加工精度を
向上させるとともに第1の電極駆動装置を小型化する放
電加工装置を得ることができる。
【0083】つぎの発明によれば、磁石およびコイルを
有する電磁アクチュエータを駆動手段として用いるの
で、加工速度を向上させることができる。
【0084】つぎの発明によれば、検出手段が、第1の
電極駆動装置に対する電極の相対的な位置を検出し、第
1の制御手段が、検出手段の検出結果に基づいて、第2
の電極駆動装置に第1の電極駆動装置の駆動を行わせる
制御を行うので、加工速度を向上させることができる。
【0085】つぎの発明によれば、検出手段が、第1の
電極駆動装置に対する電極の相対的な位置を検出し、速
度情報生成手段が、検出手段の検出結果に基づいて、第
1の電極駆動装置に対する電極の相対的な移動速度に関
する速度情報を生成し、第2の制御手段が、速度情報に
基づいて、第1の電極駆動装置に電極の駆動を行わせる
制御を行うので、加工速度を向上させることができる。
【0086】つぎの発明によれば、位置決定手段が、電
極と被加工物との間の距離に応じた、第1の電極駆動装
置に対する電極の相対的な位置を決定し、調整手段が、
所定のストローク範囲以内で位置決定を行わせる調整を
位置決定手段に対して行うので、加工速度を向上させる
ことができる。
【0087】つぎの発明によれば、ストローク範囲を、
駆動中心から絶対値20マイクロ・メートル以内の範囲
から駆動中心から絶対値1000マイクロ・メートル以
内の範囲までの間に設定するので、さらに加工速度を向
上させることができる。
【0088】つぎの発明によれば、切替手段が、第1の
電極駆動装置および第2の電極駆動装置における位置制
御に用いる位置フィードバックループと、電極と被加工
物との間の平均電圧に基づいて電極と被加工物との間の
距離を調整する極間平均電圧制御に用いる極間平均電圧
フィードバックループとを切り替えるので、加工速度と
加工精度とを向上させることができる。
【0089】つぎの発明によれば、第1の電極駆動装置
における位置制御に用いる位置フィードバックループお
よび第2の電極駆動装置における位置制御に用いる位置
フィードバックループを、それぞれ独立して設けたの
で、加工精度をさらに向上させることができる。
【0090】つぎの発明によれば、第1の電極駆動装置
の駆動手段が電極を3次元的に駆動するので、加工速度
を向上させることができる。
【0091】つぎの発明によれば、Z軸駆動手段が、第
1の電極駆動装置と被加工物とを結ぶZ軸方向に電極を
駆動し、X軸駆動手段およびY軸駆動手段が、Z軸方向
に垂直なXY平面上で直交するX軸方向およびY軸方向
に電極をそれぞれ駆動するので、加工精度を向上させる
ことができる。
【0092】つぎの発明によれば、X軸駆動手段および
Y軸駆動手段が、直動玉軸および電磁アクチュエータを
有するので、さらに加工精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる放電加工装
置の電極駆動装置の構成を示す図である。
【図2】 実施の形態1にかかる可動部および板ばねに
関する力学モデルを示す図である。
【図3】 (a)(b)は、実施の形態1にかかる電磁
アクチュエータおよびダイアフラム構造部分の寸法を示
す説明図である。
【図4】 実施の形態1にかかる放電加工装置の極間平
均電圧制御系の構成を示す図である。
【図5】 実施の形態1にかかる電極駆動装置の電流制
御系の構成を示す図である。
【図6】 実施の形態1にかかる電極駆動装置の速度制
御系の構成を示す図である。
【図7】 実施の形態1にかかる電極駆動装置の位置制
御系の構成を示す図である。
【図8】 (a)(b)は、実施の形態1にかかる極間
平均電圧制御系の周波数伝達特性を示す図である。
【図9】 実施の形態1にかかる電極駆動装置の電流制
御系の周波数伝達特性を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態2にかかる放電加工
装置の極間平均電圧制御系の構成を示す図である。
【図11】 実施の形態2にかかる電極駆動装置を電流
制御する場合のストローク調整機能付加工制御器の処理
手順を示す図である。
【図12】 実施の形態2にかかる電極駆動装置を位置
制御する場合のストローク調整機能付加工制御器の処理
手順を示す図である。
【図13】 (a)(b)(c)は、実施の形態2にか
かる極間平均電圧波形および電極変位波形を示す図であ
る。
【図14】 この発明の実施の形態3にかかる放電加工
装置の切替制御系の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態4にかかる放電加工
装置の電極駆動装置の構成を示す図である。
【図16】 従来の高速電極駆動装置の構成を示す図で
ある。
【図17】 従来の放電加工装置の極間制御系の構成を
示す図である。
【図18】 従来のMCヘッドの構成を示す図である。
【図19】 従来の放電加工装置の直列2段サーボ送り
方式の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,31 電極駆動装置、2a 電極、2b 電極ホル
ダ、3 可動部、4架台、5a,5b 板ばね、6a,
6b コイル、7a,7b 磁石、8,49,50 変
位センサ、9 ダイアフラム構造部分、10,46,4
7 電磁アクチュエータ、11 加工制御器、12 放
電加工プロセス、13 電極追従制御器、14 Z軸駆
動装置、16 電流制御器、17 電極駆動装置の電気
・機械特性、18,19,20 速度フィードバック制
御器、21 位置フィードバック制御器、26 ストロ
ーク調整機能付加工制御器、32,33 制御切替装
置、34 NC装置、41 ベース、42,44 直動
玉軸受、43 サドル、45 支持板。
フロントページの続き (72)発明者 赤松 浩二 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 智 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 DD01 DE04 DE05 DE09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記第1の電極駆動装置は、 前記電極を保持し、該電極とともに移動する保持手段
    と、 前記保持手段の移動方向に離れた位置をそれぞれ支持す
    る第1の弾性変形部材および第2の弾性変形部材と、 前記第1の弾性変形部材と前記第2の弾性変形部材との
    間に設けられ、前記保持手段を駆動する駆動手段と、 を具備することを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、磁石およびコイルを有
    する電磁アクチュエータであることを特徴とする請求項
    1に記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記第1の電極駆動装置に対する前記電極の相対的な位
    置を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第2の電極駆
    動装置に前記第1の電極駆動装置の駆動を行わせる制御
    を行う第1の制御手段と、 を具備することを特徴とする放電加工装置。
  4. 【請求項4】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記第1の電極駆動装置に対する前記電極の相対的な位
    置を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第1の電極駆
    動装置に対する前記電極の相対的な移動速度に関する速
    度情報を生成する速度情報生成手段と、 前記速度情報に基づいて、前記第1の電極駆動装置に前
    記電極の駆動を行わせる制御を行う第2の制御手段と、 を具備することを特徴とする放電加工装置。
  5. 【請求項5】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記電極と被加工物との間の距離に応じた、前記第1の
    電極駆動装置に対する前記電極の相対的な位置を決定す
    る位置決定手段と、 所定のストローク範囲以内で前記位置決定を行わせる調
    整を前記位置決定手段に対して行う調整手段と、 を具備することを特徴とする放電加工装置。
  6. 【請求項6】 前記ストローク範囲は、駆動中心から絶
    対値20マイクロ・メートル以内の範囲から駆動中心か
    ら絶対値1000マイクロ・メートル以内の範囲までの
    間に設定されることを特徴とする請求項5に記載の放電
    加工装置。
  7. 【請求項7】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記第1の電極駆動装置および前記第2の電極駆動装置
    における位置制御に用いる位置フィードバックループ
    と、前記電極と被加工物との間の平均電圧に基づいて前
    記電極と前記被加工物との間の距離を調整する極間平均
    電圧制御に用いる極間平均電圧フィードバックループと
    を切り替える切替手段を具備することを特徴とする放電
    加工装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極駆動装置における位置制
    御に用いる位置フィードバックループおよび前記第2の
    電極駆動装置における位置制御に用いる位置フィードバ
    ックループを、それぞれ独立して設けたことを特徴とす
    る請求項7に記載の放電加工装置。
  9. 【請求項9】 放電用の電極を保持し、該電極を駆動す
    る第1の電極駆動装置と、前記第1の電極駆動装置を保
    持し、該第1の電極駆動装置を駆動する第2の電極駆動
    装置と、を備えた放電加工装置において、 前記第1の電極駆動装置は、前記電極を3次元的に駆動
    する駆動手段を具備することを特徴とする放電加工装
    置。
  10. 【請求項10】 前記駆動手段は、 前記第1の電極駆動装置と被加工物とを結ぶZ軸方向に
    前記電極を駆動するZ軸駆動手段と、 前記Z軸方向に垂直なXY平面上で直交するX軸方向お
    よびY軸方向に前記電極をそれぞれ駆動するX軸駆動手
    段およびY軸駆動手段と、 を有することを特徴とする請求項9に記載の放電加工装
    置。
  11. 【請求項11】 前記X軸駆動手段および前記Y軸駆動
    手段は、直動玉軸および電磁アクチュエータを有するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の放電加工装置。
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