JP2002153696A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP2002153696A
JP2002153696A JP2000350922A JP2000350922A JP2002153696A JP 2002153696 A JP2002153696 A JP 2002153696A JP 2000350922 A JP2000350922 A JP 2000350922A JP 2000350922 A JP2000350922 A JP 2000350922A JP 2002153696 A JP2002153696 A JP 2002153696A
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Japan
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detergent
powder detergent
powder
dissolving
washing
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Application number
JP2000350922A
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English (en)
Inventor
Yoshito Watabe
義人 渡部
Toshifumi Koike
敏文 小池
Toshiyasu Kamano
年恭 釜野
Isao Hiyama
功 桧山
Gichu Ota
義注 太田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉末洗剤を十分に溶解して洗浄力を高めた洗濯
機を提供する。 【解決手段】粉末洗剤を溶解する粉末洗剤溶解容器8に
投入した粉末洗剤を溶解する洗剤溶液24の循環を剪断
力発生手段(剪断力発生機能)を備えた循環手段10に
よって行うことにより粉末洗剤の微粒化および分散ある
いは溶解を促進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末洗剤を使用す
る洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平7−68082号公報に記載され
た洗濯機は、給水弁および洗剤送出機構を動作させて洗
剤撹拌容器に規定量の水と粉末洗剤とを投入し、ポンプ
を動作させて水と粉末洗剤とを洗剤撹拌容器とポンプの
間で循環させることにより撹拌し、この撹拌により洗剤
粒子を水に溶解させて洗剤溶液を生成した後に該洗剤溶
液を洗濯槽に投入するようにした洗剤供給装置を備えて
いる。
【0003】また、現在、市販されている全自動洗濯機
の大部分は、洗濯物の量を検知して好ましい洗剤の量を
表示して知らせることにより、相当する粉末洗剤を洗濯
物の上に手作業で投入する手順が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特許公報に記載された
洗濯機は、循環させる洗剤溶解液を洗剤撹拌容器内に吐
出するための配管が洗剤撹拌容器の下部に接続されてい
るために、洗剤撹拌容器内に淀みが発生して洗剤粒子を
十分に溶解することができず、いわゆるダマになって未
溶解状態で残ってしまう場合がある。
【0005】また、多量の粉末洗剤を一度に洗剤撹拌容
器内に供給すると、粉末洗剤が集合体として振る舞うた
めに、その集合体の表面だけが水に溶けてゲル状とな
り、集合体の内部に水が浸透しなくなることがある。こ
のような現象が発生すると、この粉末洗剤の集合体は溶
解せずにダマとなってしまう。
【0006】また、市販されている全自動洗濯機では、
粉末洗剤を洗濯物の上に投入するために、洗濯物に未溶
解の粉末洗剤粒子が付着したままの状態で洗濯を終了し
てしまう場合がある。
【0007】本発明の1つの目的は、粉末洗剤が粒子状
態で洗濯物へ付着するのを防止すると共に粉末洗剤の洗
浄力を十分に発揮させることができる洗濯機を提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、このような洗濯機を
実現するのに好適な洗剤供給装置を提供することにあ
る。
【0009】本発明の更に他の目的は、粉末石鹸を使用
するのに好適な洗濯機およびその洗剤供給装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉末洗剤を溶
解して洗濯槽に供給する洗剤供給装置を備えた洗濯機に
おいて、前記洗剤供給装置は、粉末洗剤を投入する粉末
洗剤溶解容器と、洗い工程における使用水量に比べて少
量の洗剤溶液を前記粉末洗剤溶解容器に循環させて粉末
洗剤を溶解する循環手段を備え、前記循環手段は、循環
する洗剤溶液に含まれる洗剤粒子に剪断力を作用させる
剪断力発生手段を備えたことを特徴とする。
【0011】そして、前記循環手段は、洗剤溶解液吸引
口を粉末洗剤溶解容器の底部に開口するように接続し、
洗剤溶液吐出口を前記粉末洗剤溶解容器の洗剤溶液の液
面より上方に開口するように接続したことを特徴とす
る。
【0012】また、前記洗剤供給装置は、粉末洗剤を溶
解するために使用する水の量を洗い工程における使用水
量の200分の1〜4分の1の範囲に設定したことを特
徴とする。
【0013】また、前記洗剤供給装置は、1回分の粉末
洗剤を前記粉末洗剤溶解容器に徐々に供給する粉末洗剤
投入装置を備えたことを特徴とする。
【0014】また、風呂水を吸水して洗濯槽に給水する
風呂水供給手段を備え、前記循環手段と前記風呂水供給
手段は、使用するポンプを兼用するようにしたことを特
徴とする。
【0015】また、前記洗剤供給装置は、前記洗剤溶解
容器内の気泡を吸引して排除する気泡吸引手段を備えた
ことを特徴とする。
【0016】また、給水からカルシウムイオンやマグネ
シウムイオンなどを除去するイオン交換装置を備え、こ
のイオン交換装置を通過した軟水を前記粉末洗剤溶解容
器に供給して洗剤の溶媒(洗剤溶液)として使用するよ
うにしたことを特徴とする。
【0017】そして、前記洗濯機は、前記粉末洗剤とし
て粉末石鹸を使用するようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して具体的に説明する。
【0019】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す
洗濯機の縦断側面図である。
【0020】この実施の形態における洗濯機は、筐体
1,洗濯水を溜める外槽2,洗濯物を入れる洗濯兼脱水
槽3,撹拌翼4,駆動手段5,三方電磁弁6,イオン交
換装置7,粉末洗剤溶解容器8,洗濯槽内付着物除去剤
容器9,循環手段10および風呂水供給手段11を備え
る。
【0021】ここで、外槽2と洗濯兼脱水槽3は、洗濯
槽を構成する。
【0022】また、三方電磁弁6は、水道配管の蛇口で
あるバルブ12から配管13を介して受水し、イオン交
換装置7に向かう配管14と洗濯槽へ直接向かう配管1
5に切り替えて給水制御するためのものである。
【0023】また、イオン交換装置7は、受水した水道
水中の硬度成分を吸着して除去することにより軟水化す
るイオン交換樹脂と該イオン交換樹脂の硬度成分吸着能
力を回復させる再生液(食塩水)を供給する再生手段を
内蔵する。
【0024】また、循環手段10は、粉末洗剤を少量の
水に分散して溶解するために粉末洗剤溶解容器8内の洗
剤溶液を循環させるポンプであり、洗剤溶液および該溶
液中に混在する粉末洗剤の粒子に羽根車による剪断力を
強く作用させて該粒子を微粒化および分散する作用が大
きい遠心ポンプを使用することにより剪断力発生手段と
しても機能させる。
【0025】また、風呂水供給手段11は、風呂の残り
湯を吸引して洗濯槽に供給するためのポンプである。
【0026】そして、水道水を軟水化して洗濯槽に給水
する場合には、三方電磁弁6により配管13と配管14
とを接続し、電磁弁16,17を開,電磁弁18を閉と
することにより、配管13から供給される水道水をイオ
ン除去装置7を通過させて軟水化した後に配管19,2
0を通して洗濯槽に供給するように構成する。このと
き、配管13と配管15は接続状態としない。
【0027】また、イオン交換装置7を通過させて得た
軟水を粉末洗剤溶解容器8に供給する場合には、三方電
磁弁6によって配管13と配管14を接続し、電磁弁1
6,18を開,電磁弁17を閉とすることにより、イオ
ン交換装置7を通過して軟水化した水道水を電磁弁1
6,配管19,電磁弁18,配管21を通して粉末洗剤
溶解容器8に供給するように構成する。
【0028】また、風呂の残り湯を洗濯槽に供給する場
合には、電磁弁17,22を開,電磁弁16,18を閉
として風呂水供給手段11を運転することにより、風呂
水供給手段11によって吸引した残り湯を配管23,電
磁弁17,配管20を通して洗濯槽に供給するように構
成する。この残り湯を粉末洗剤溶解容器8に供給する場
合には、電磁弁18を開,電磁弁16,17を閉とする
ことにより、風呂の残り湯が電磁弁18と配管21を通
して粉末洗剤溶解容器8に流れ込むように構成する。洗
剤溶液として、風呂の温暖な残り湯を使用することによ
り、粉末洗剤が溶解し易くなる。
【0029】粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24を循
環する場合には、電磁弁18を閉とし、三方電磁弁25
によって循環手段10の洗剤溶液吐出口と配管21を接
続する。このとき、循環手段10の洗剤溶液吐出口と配
管26とは接続しない。このようにして循環手段10を
運転することにより、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液
24は、循環手段10によって粉末洗剤溶解容器8から
吸引され、配管21から粉末洗剤溶解容器8内に吐出さ
れるように循環する。
【0030】そして、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液
24を洗濯槽に供給する場合には、三方電磁弁25によ
って循環手段10の洗剤溶液吐出口と配管26を接続す
ると共に循環手段10を運転する。このようにすると、
粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24は、循環手段10
によって吸引され、配管26から洗濯槽に供給される。
【0031】図示説明は省略するが、粉末洗剤溶解容器
8に水道水を直接供給するための配管と電磁弁を設置し
ても良い。
【0032】この実施の形態において、前記循環手段1
0は、前述したように、洗剤溶液24および該洗剤溶液
24中に混在する粉末洗剤の粒子に強く剪断力を作用さ
せる遠心ポンプを使用している。そして、この循環手段
10は、洗剤溶液吸引口を粉末洗剤溶解容器8の傾斜し
た底部の最低位置に設けた循環開口81に接続し、洗剤
溶液吐出口を前記粉末洗剤溶解容器8の洗剤溶液24の
液面より上方に開口するように設けたノズル27に配管
21を介して接続することにより、洗剤溶液24に混入
している粉末洗剤の粒子を微粒化および分散させて洗剤
溶液24への溶解を促進するように機能させる。また、
前記ノズル27は、洗剤溶液24の液面の上方に開口す
るように設置し、循環させる洗剤溶液を粉末洗剤溶解容
器8内の液面上に散布するように吐出する構成としたこ
とにより、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24に淀み
が発生するのを軽減し、更に、溶解液面上に浮遊してい
る粉末洗剤上に洗剤溶液を散布して洗剤溶液24内に混
合させて溶解し易くする。
【0033】このように機能するノズル27は、洗剤溶
液を拡散するような拡散型の吐出口を備えることが望ま
しいが、このような吐出口形状に限定されるものではな
く、直流状の吐出口や吐出水流の力によって旋回して吐
出の方向を周期的に変化させるものでも良いし、複数の
吐出口を備えてその一部を粉末洗剤溶解容器8内の洗剤
溶液24中に開口させるように設置しても良い。粉末洗
剤溶解容器8内の洗剤溶液24中に開口する吐出口から
吐出する洗剤溶液は、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液
24を撹拌するように作用することにより粉末洗剤が粉
末洗剤溶解容器8の底部に沈殿して堆積するのを抑制す
る。
【0034】ここで、剪断力発生手段として機能するよ
うに求められる循環手段10は、遠心ポンプに限らず、
運転することにより洗剤溶液および粉末洗剤粒子に強い
剪断力を作用させることができるポンプであれば良い。
【0035】粉末洗剤溶解容器8への粉末洗剤の投入
は、この実施の形態においては、粉末洗剤溶解容器8の
上方に設置した粉末洗剤投入装置28から粉末洗剤を自
動的に徐々に流下させることにより実現するようにして
いる。この洗剤投入は、粉末洗剤溶解容器8を筐体1の
表面に開口させて手作業で実現するように構成しても良
い。
【0036】また、粉末洗剤溶解容器8には、洗剤溶液
24を加熱することができるように加熱手段29を付設
し、低温の水には溶解し難い粉末洗剤を溶解し易くする
ことができるようにしている。
【0037】この実施の形態では、粉末洗剤溶解容器8
は、現行の洗濯機に内蔵することを想定して、その内容
積を約1リットルとした。
【0038】粉末洗剤溶解容器8と循環手段10と粉末
洗剤投入装置28は、洗剤供給装置の主要部を構成す
る。
【0039】洗濯槽内付着物除去剤容器9は、弱酸(食
酢,クエン酸等)や過炭酸塩等の酸素系漂白剤あるいは
次亜塩素酸塩等の塩素系漂白剤を収容し、配管15から
電磁弁30,三方電磁弁31および電磁弁32を介して
供給した水道水で希釈し、外槽2の側面に設けたノズル
33a,33bによって洗濯兼脱水槽3の外周面に向け
て噴射することができるように構成している。ここで、
前記薬剤を総称して洗濯槽内付着物除去剤と呼ぶことと
する。この実施の形態では、ノズル33a,33bは、
2個としたが、外槽2および洗濯兼脱水槽3の外壁およ
び内壁の石鹸滓等の洗濯槽内付着物を十分に除去するこ
とができれば、外槽2の上部に1個でも良いし、不十分
であれば、3個以上設けても良い。また、複数のノズル
33a,33bの配置は、鉛直方向に分布させても良い
し、周方向に分布させても良く、ジグザグ状に配置して
も良い。ノズル33a,33bによる洗濯槽内付着物除
去剤の噴射方向を調整することにより、あるいはノズル
33a,33bを回転させることにより、洗濯槽内付着
物除去剤希釈液が外槽2および洗濯兼脱水槽3の内壁お
よび外壁の全面に行き渡るようにすることもできる。更
に、ノズル33a,33bによる洗濯槽内付着物除去剤
希釈液の噴射は、直流状,分散流状,霧状等の様々な形
態とすることが可能である。洗濯槽内付着物除去剤容器
9,洗濯槽内付着物除去剤希釈液を噴射するノズル33
a,33bおよび配管系を総称して洗濯槽内付着物除去
装置と呼ぶことができる。
【0040】この洗濯機における各種の前記電気部品の
制御は、図示説明は省略するが、マイクロコンピュータ
を主体にして構成した制御装置により、操作パネルから
の入力指示に従って洗濯および脱水制御プログラムを実
行することにより実現する。
【0041】このような洗濯機による洗い工程は、洗濯
兼脱水槽3内に洗濯物を入れ、粉末洗剤投入装置28内
に洗濯に必要な量の粉末洗剤を入れて蓋を閉じ、操作パ
ネルの洗濯開始ボタンを押すことにより開始する。
【0042】初めに、イオン除去装置7で生成した軟水
(洗剤溶液)または風呂の残り湯を洗剤溶液として粉末
洗剤溶解容器8へ供給する。そして、循環手段10を起
動して粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24を該循環手
段10を通して循環させると共に、粉末洗剤投入装置2
8から粉末洗剤溶解容器8内に粉末洗剤を徐々に流下さ
せる。粉末洗剤溶解容器8内に供給れた粉末洗剤は、循
環開口81から洗剤溶液と共に循環手段10内に吸引さ
れ、ノズル27から粉末洗剤溶解容器8における洗剤溶
解液24の上方から該洗剤溶解容器8内に吐き出されて
循環する。このような循環により、洗剤溶液24および
該洗剤溶液24内に混入している粉末洗剤は、循環手段
10内で剪断力を受けて微粒化および分散すると共に溶
解する。ことのき、必要に応じて、加熱手段29により
洗剤溶液24を加熱することにより粉末洗剤の溶解を促
進させる。これにより、洗剤濃度が高い洗剤溶液ができ
る。このような粉末洗剤の溶解は、洗剤溶液24への粉
末洗剤の分散および溶解を短時間に実現し、且つ、粉末
洗剤の不溶解部分、いわゆるダマの発生を抑制すること
ができる。
【0043】また、洗剤溶液24の循環流量を時間的に
変化させてノズル27から吐出する洗剤溶液24を脈動
させることにより、洗剤溶液24に淀みが生じ難くする
ことも可能である。
【0044】この実施の形態では、粉末洗剤溶解容器8
の内容積を約1リットルに設定することにより、合成粉
末洗剤の場合は、約5wt%の濃厚な洗剤溶液を生成
し、粉末石鹸の場合は、約10wt%の濃厚な洗剤溶液
を生成するようにしているが、実験の結果、常温では溶
解し難い粉末石鹸の場合でも溶解および肉眼では観察で
きないほどに微粒化することができる。
【0045】なお、洗剤溶液24の温度を30℃以上、
望ましくは37℃以上、更に望ましくは40℃以上とす
ることにより、粉末洗剤を更に確実に溶解することがで
き、洗い液の温度を上昇させて洗浄率を高めることがで
きる。また、粉末洗剤の種類によっては、洗剤溶液の濃
度を20wt%程度まで高めることができる。
【0046】また、この実施の形態では、粉末洗剤溶解
容器8の内容積を約1リットルとしたが、粉末洗剤溶解
容器8を洗濯機の底部等の比較的大きな空間に設置する
ようにすれば、20リットル程度の内容積を確保するこ
とができる。
【0047】これらのことから、粉末洗剤溶解容器8の
内容積を洗い工程において使用する水量の200分の1
〜4分の1の範囲で設定することができる。更に、この
実施の形態では、軟水を用いて濃厚な洗剤溶液を生成す
るようにしたが、イオン交換去置7を通さない水道水を
用いても良いことは言うまでもない。
【0048】ここで、合成粉末洗剤とは、通常、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)等を主成分とす
る洗剤であり、粉末石鹸とは、脂肪酸塩を主成分とする
ものである。脂肪酸塩は、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩(LAS)に比べて河川等の自然環境中での分解
が速い。すなわち、生分解性が高い。このために、脂肪
酸塩の方が自然環境に対する負荷が小さいと考えられ
る。
【0049】粉末洗剤溶解容器8において粉末洗剤を溶
解している間に、三方電磁弁6からイオン交換装置7お
よび電磁弁16,17を通して洗濯槽内へ給水し、洗濯
物の予洗いを行うことができる。予洗いを行うことによ
り、洗濯物に付着した汚れやカルシウム分,マグネシウ
ム分を除去することができるために、石鹸滓の発生を抑
制することができると共に洗浄率を高めることができ
る。予洗いを行った場合には、脱水を行い、給水を始め
ておいても良い。予洗いを行わない場合にも給水を始め
ておくことができる。この予洗いおよび予洗い終了後の
給水は、水道水を配管15,34を介して直に洗濯槽に
給水しても良いし、イオン交換装置7によって生成した
軟水を電磁弁16,17を通して洗濯槽に給水しても良
い。
【0050】そして、粉末洗剤溶解容器8内の濃厚な洗
剤溶液を洗濯槽内に供給し、洗い工程を開始する。この
とき、撹拌翼4を回転させながら濃厚な洗剤溶液を供給
することが望ましい。その後、従来の洗濯機と同様の工
程を経て十分な洗いと濯ぎ工程を行う。外槽2内の洗濯
水は、電磁弁35を開いて排水ホース36から機外に排
水する。
【0051】そして、最後または最後から1回前の濯ぎ
工程において、洗濯槽内付着物除去剤容器9に予め入れ
ておいた洗濯槽内付着物除去剤を配管15から供給する
水道水で希釈した後にノズル33a,33bによって外
槽2に供給することにより、洗濯物に石鹸滓が残らない
ようにすることができる。そして、濯ぎ工程終了後に脱
水を行ってから洗濯物を取り出すことができるようにす
る。
【0052】外槽2の内壁および洗濯兼脱水槽3の外壁
に付着した石鹸滓やカビ等の洗濯槽内付着物を溶解除去
する洗濯槽内付着物除去は、非洗濯時に、洗濯槽内付着
物除去剤を希釈して洗濯兼脱水槽3の外壁に噴射するこ
とにより行うことができる。この洗濯槽内付着物除去工
程は、洗濯の度に行う必要はなく、数回ないしは数十回
に1回程度行えば良い。この洗濯槽内付着物除去工程
は、洗濯兼脱水槽3を回転させながら洗濯槽内付着物除
去剤希釈液を該洗濯兼脱水槽3の外壁に噴射することに
より、洗濯槽内付着物除去剤希釈液を洗濯兼脱水槽3の
外壁全体に行き渡らせると共にその飛散液を外槽2の内
壁にも付着させるようにして行う。このとき、外槽2を
洗濯槽内付着物除去剤希釈液で満たす必要はなく、少量
の洗濯槽内付着物除去剤と水によって外槽2の内壁およ
び洗濯兼脱水槽3の外壁の洗濯槽内付着物を除去するこ
とができる。
【0053】前述した洗い工程は、通常の洗剤濃度の洗
濯液による洗いを想定しているが、粉末洗剤溶解容器8
から洗濯槽へ注入する濃厚な洗剤溶液を利用して通常の
2分の1以下、望ましくは4分の1以下、更に望ましく
は10分の1以下の洗い水量で濃厚な洗い液を生成し、
この濃厚な洗い液を洗濯物に染み込ませた後に水を追加
して通常の洗いを行うことにより、洗浄率を向上させる
ことができる。
【0054】また、この洗濯機においては、溶解し難い
粉末石鹸の利用が容易となるために、合成粉末洗剤を使
用する場合に比べて洗濯排水の生分解性が高くなり、自
然環境への負荷を低減することができる、という副次的
効果も得られる。
【0055】特に、合成洗剤の多くは硫黄分を含んでい
るために、生分解の過程で硫酸を生成してコンクリート
製の下水管を腐食するという問題が指摘されている。す
なわち、生成した硫酸がコンクリートに含まれるカルシ
ウムに作用してコンクリートを劣化させ、下水管の寿命
を著しく縮めてしまうというものである。この点、粉末
石鹸は、硫黄分を含まないために、硫酸を生成すること
がない。従って、この洗濯機によって粉末石鹸を使用す
るようにすれば、下水中の硫黄分が減少し、下水管の劣
化を抑制する効果を期待することができる。
【0056】図2は、剪断力発生手段としても機能する
循環手段10の一例の具体的な構成を一部を切断して示
す正面図である。この実施の形態において、循環手段1
0は、遠心ポンプの一種であり、6枚の羽根101aを
有する羽根車101とケーシング102と吸引口103
および吐出口104を備える。羽根車101は、駆動電
動機の回転軸105に嵌着されて該回転軸105と共に
回転する。粉末洗剤粒子を含んだ洗剤溶液は、羽根車1
01の回転によって吸引口103から吸引され、羽根1
01aの縁端により剪断力と撹拌力を受けた後に吐出口
104から吐出される。そして、剪断力と撹拌力によっ
て洗剤溶液内の粉末洗剤粒子は、微粒化および分散して
溶解が促進される。
【0057】図3は、前記循環手段10の他の例を示す
縦断側面図である。この例は、羽根101aにより洗剤
溶液および粉末洗剤粒子に作用させる剪断力および撹拌
力を高めるために、羽根101aに多数の円形状の穴1
01bを形成した構成であり、その他は、前述した一例
と同一構成である。
【0058】このような循環手段10によれば、穴10
1bの縁端が洗剤溶液および粉末洗剤粒子に作用させる
剪断力および撹拌力を高めるように機能し、粉末洗剤粒
子の微粒化および分散を一層活発にして溶解を促進す
る。
【0059】図4〜図10は、循環手段10の更に他の
例を示すもので、洗剤溶液および粉末洗剤粒子に作用さ
せる剪断力および撹拌力を高めるように機能させる羽根
101aの側面図である。
【0060】図4の例は、縦長の複数の長方形の穴10
1cを形成した羽根101aであり、図5は、先端に3
角形状の切欠き101dを形成した羽根101aであ
り、図6は、先端に複数条の切り込み101eを入れて
櫛状に形成した羽根101aであり、図7は、両側縁の
対称位置に3角形の切欠き101fを形成した羽根10
1aであり、図8は、両側縁の対称位置に半円形の切欠
き101gを形成した羽根101aであり、図9は、両
側縁の非対称位置に半円形の切欠き101hを形成した
羽根101aであり、図10は、先端を傾斜縁101i
を形成した羽根101aである。
【0061】このような羽根101aは、何れも、洗剤
溶液および粉末洗剤粒子に対して作用させる剪断力およ
び撹拌力を増加させて粉末洗剤の溶解を促進することが
できる。
【0062】図11は、洗剤供給装置の一実施の形態を
示す側面図である。この実施の形態における洗剤供給装
置は、粉末洗剤溶解容器8の上に粉末洗剤投入装置28
を設置している。粉末洗剤投入装置28は、粉末洗剤投
入容器37と駆動手段38と駆動力伝達部材39を備え
ており、駆動手段38を運転することにより粉末洗剤投
入容器37内の粉末洗剤を粉末洗剤溶解容器8内に徐々
に流下させることができる構成にしている。
【0063】図12〜図14は、粉末洗剤投入装置28
の一実施の形態を具体的に示すもので、図12は粉末洗
剤投入装置28の上面図、図13は横断平面図、図14
は縦断側面図である。
【0064】この実施の形態において、粉末洗剤投入装
置28は、粉末洗剤投入容器37内に形成した粉末洗剤
収容室371の上方に開口372を設けて蓋373によ
って塞ぎ、この蓋373を開けて粉末洗剤収容室371
内に粉末洗剤40を入れて収容するように構成してい
る。粉末洗剤投入の時機は、洗濯物を洗濯槽に入れる前
でも、洗濯物を洗濯槽に入れて洗濯物の量を検知して洗
剤量を決定した後でも良い。また、投入する粉末洗剤の
量は、一回の洗濯に使用する洗剤量でも複数回の洗濯に
使用する洗剤量でも良い。
【0065】前記駆動力伝達部材39は、粉末洗剤投入
容器37の側壁を進退自在に貫通し、その先端に板状の
粉末洗剤掻き落し部材374を取り付けている。駆動手
段38は、駆動力伝達部材39を進退させるように駆動
し、粉末洗剤掻き落し部材374は、前記駆動力伝達部
材39の進退に伴って前記粉末洗剤収容室371内を進
退する。
【0066】粉末洗剤投入容器37は、粉末洗剤収容室
371の全幅に及ぶ洗剤投入穴375を粉末洗剤収容室
371の終端(図の右端)に位置するように備える。こ
の洗剤投入穴375を開閉する蓋376は、図示説明は
省略するが、粉末洗剤掻き落し部材374を前進させる
ことにより洗剤投入穴375を開き、後退させることに
より洗剤投入穴375を閉じるように連動させる。蓋3
76の開閉駆動は、駆動手段38を利用する構成と独立
した駆動手段を使用する構成の何れも採用することがで
きる。
【0067】この粉末洗剤投入装置28は、初期状態で
は、粉末洗剤掻き落し部材374を粉末洗剤収容室37
1の始端(図の左端)に位置させておき、粉末洗剤収容
室371に粉末洗剤40を入れて収容する。そして、洗
剤投入時には、駆動手段38を運転して駆動力伝達部材
39を介して粉末洗剤掻き落し部材374を緩やかに前
進させて粉末洗剤40を洗剤投入穴375に向けて押し
寄せると共に蓋376を開動させて洗剤投入穴375を
開くことにより、粉末洗剤40を洗剤投入穴375から
徐々に落下させる。そして、駆動手段38を逆方向に運
転することにより粉末洗剤掻き落し部材374を後退さ
せて始端に戻すと共に蓋376を閉動させて洗剤投入穴
375を閉じることにより、下方の位置する粉末洗剤溶
解容器8で発生する水滴や湿気が粉末洗剤収容室371
内に侵入するのを防ぐ。
【0068】この実施の形態では、粉末洗剤掻き落し部
材374の高さを粉末洗剤収容室371の深さと略等し
くしているために、粉末洗剤掻き落し部材374を1回
前進させることにより粉末洗剤40の投入が終了する。
従って、粉末洗剤40が一度に多量に流下して不溶部分
が生じないように、粉末洗剤掻き落し部材374の前進
速度を緩やかに設定することが望ましい。
【0069】図15および図16は、粉末洗剤投入装置
28の変形例を示すものであり、図15は縦断側面図、
図16は縦断正面図である。
【0070】この変形例は、粉末洗剤収容室371の深
さに対して相当に背丈の低い粉末洗剤掻き落し部材37
7を使用し、粉末洗剤収容室371の始端と終端に位置
するように2つの洗剤投入穴375a,375bを設け
た構成である。洗剤投入穴375a,375bを開閉す
る蓋は、図示説明を省略する。
【0071】このような粉末洗剤投入装置28では、粉
末洗剤掻き落し部材377を前進させると、粉末洗剤4
0の一部が粉末洗剤掻き落し部材377の上端を乗り越
えて該粉末洗剤掻き落し部材377の後側に落ちこぼれ
て粉末洗剤収容室371内に残留し、粉末洗剤掻き落し
部材377を乗り越えなかった粉末洗剤40が終端まで
押し寄せられて洗剤投入穴375aから流下する。そし
て、粉末洗剤掻き落し部材377を後退させると、落ち
こぼれて残留した粉末洗剤40が始端まで押し寄せられ
て洗剤投入穴375bから流下する。この変形例のよう
にすると、粉末洗剤40を2か所の洗剤投入穴375
a,375bから広い範囲で徐々に流下させることがで
きる。
【0072】図17は、粉末洗剤投入装置28の更なる
変形例を示す横断平面図である。この変形例は、扇形の
粉末洗剤投入容器41を使用して扇形の粉末洗剤収容室
411を形成し、この扇形の粉末洗剤収容室411内で
粉末洗剤掻き落し部材412を回動(振れ)させること
によって該粉末洗剤収容室411の粉末洗剤40を側縁
に押し寄せ、洗剤投入穴413から流下させる構成であ
る。駆動手段38は、駆動力伝達部材42を粉末洗剤収
容室41の広がり角度内で往復するように回動させるよ
うに構成する。
【0073】図18,図19は、粉末洗剤投入装置28
の更なる変形例を示すものであり、図18は初期状態に
おける部分縦断側面図、図19は回転状態を示す部分縦
断側面図である。
【0074】この変形例は、円筒の側面の一部を切り欠
いて開口431を形成した形状の粉末洗剤投入容器43
を使用し、この粉末洗剤投入容器43を回転可能に支持
して駆動手段38によって回転駆動するように構成し、
粉末洗剤収容室432内には粉末洗剤投入容器43の回
転に影響されずに静止状態を保つように下向きに伸びる
粉末洗剤掻き落し部材433を設置した構成である。
【0075】初期状態では、駆動手段38は、開口43
1が上向きの姿勢となるように粉末洗剤投入容器43を
回転させておく。この状態で、粉末洗剤40を開口43
1から粉末洗剤収容室432内に入れて収容する。
【0076】洗剤供給時には、駆動手段38を運転する
ことによって粉末洗剤投入容器43を回転させる。粉末
洗剤投入容器43が回転しても粉末洗剤掻き落し部材4
33は下向きに伸びた状態を維持しているので、粉末洗
剤収容室432内の粉末洗剤40も粉末洗剤掻き落し部
材433に止められて静止状態を維持し、開口431が
下向きになって粉末洗剤40の静止位置に達すると該粉
末洗剤40が粉末洗剤掻き落し部材433に押されて該
開口431から徐々に流下する。
【0077】開口431を上向きにした状態で該開口4
31から粉末洗剤収容室432内に粉末洗剤40を入れ
ると、粉末洗剤40は、粉末洗剤掻き落し部材433の
左右両側に分かれて収容されることになる。従って、粉
末洗剤投入容器43を時計方向に回転させて開口431
を下向きにすると、図19に示すように、粉末洗剤掻き
落し部材433の左側に位置する粉末洗剤40が開口4
31から流下することになる。粉末洗剤掻き落し部材4
33の左側に位置する粉末洗剤40を流下させるときに
は、粉末洗剤投入容器43を反対方向(反時計回り)に
回転させて開口431を下向きにする。
【0078】図20,図21は、粉末洗剤投入装置28
の更なる変形例を示すものであり、図20は横断平面
図、図21は上面図である。
【0079】この変形例は、粉末洗剤投入容器44を下
容器441と上容器442を相対移動可能に上下に重ね
るように組み合わせて構成し、下容器441に入れた粉
末洗剤40を両容器441,442の相対移動させてず
らすことによって掻き寄せて流下させるようにした構成
である。
【0080】下側に組み合わせる下容器441は、図2
0に示すように、扇形の底壁443と外周面壁444お
よび側壁445の三面を備え、底壁443の側壁445
の近傍に洗剤投入穴446を形成している。そして、下
容器441は、駆動手段38によって駆動される支持部
材46に結合され、周方向に扇形範囲で運動可能に支持
している。
【0081】上側に組み合わせる上容器442は、図2
1に示すように、上壁447と内周壁448および側壁
449の三面を備え、上壁447には蓋付きの開口45
0を設けている。この上容器442は、洗濯機の筐体に
固定する。
【0082】この粉末洗剤投入装置28は、粉末洗剤投
入容器44の下容器441と上容器442を整合させた
初期状態において、開口450を開いて粉末洗剤40を
入れて底壁443上に載置するように収容する。そし
て、洗剤投入時には、駆動手段38を運転することによ
り、側壁445,449間を狭めるように下容器441
を周方向に移動させて上容器442との整合をずらす。
この下容器441の移動によって、この下容器441の
底壁443に載置されている粉末洗剤40は、上容器4
42の側壁449に押されて洗剤投入穴446に向けて
掻き寄せられ、この洗剤投入穴446から徐々に流下す
る。
【0083】この変形例では、下容器441を移動する
ようにしているが、反対に、上容器442を移動するよ
うにしても良い。
【0084】前述した粉末洗剤投入装置の実施の形態
は、粉末洗剤掻き落し部材の往復運動によって粉末洗剤
を粉末洗剤溶解容器内に緩やかに流入させるように構成
したが、粉末洗剤を粉末洗剤溶解容器内に緩やかに供給
する作用を伴っていれば往復運動以外の手段、例えば、
らせん運動する部材等の利用も可能である。
【0085】図22は、洗剤溶解液循環系の変形例を示
す横断平面図である。この変形例は、循環手段10によ
って4角形の箱形の粉末洗剤溶解容器8の底壁に設けた
循環開口81から吸引した洗剤溶液24を配管21を介
して2個のノズル27a,27bから前記粉末洗剤溶解
容器8の溶解液面上に吐出して循環させるようにした構
成である。ノズル27aは、噴射角が広い広角噴射形の
ものを使用し、ノズル27bは噴射角が比較的狭い狭角
噴射形のものを使用する。
【0086】このように、噴射角度の異なる複数のノズ
ル27a,27bを使用することにより、粉末洗剤溶解
容器8内の洗剤溶液24の淀みを生じ難くすることがで
きる。
【0087】図23は、洗剤溶液循環系の更なる変形例
を示す横断平面図である。この変形例は、ノズル27
a,27b,27c,27dを4角形の箱形の粉末洗剤
溶解容器8の四隅に設置した構成である。そして、ノズ
ル27a,27cは広角噴射形のものを使用し、27
b,27dは狭角噴射形のものを使用する。
【0088】このように構成することにより、粉末洗剤
溶解容器8内の洗剤溶液24の淀みを一層生じ難くする
ことができる。
【0089】なお、ノズルの数,形状および配置は、前
述した実施の形態に限定されるものではない。
【0090】前述した実施の形態のように、複数のノズ
ル27(27a〜27d)を使用することにより粉末洗
剤溶解容器8内の洗剤溶液24の淀みを軽減することが
できるが、洗剤溶液24が循環手段10のポンプの中で
撹拌されると微細な気泡が生じるために、ノズル27か
ら吐出する洗剤溶液には多数の気泡が混在している。こ
のため、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24中に気泡
が混入して該気泡が液中を上昇することになる。このよ
うな気泡の動きは、粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液
は、水だけの場合に比べて複雑に流れて淀みの発生を抑
制するように作用する。しかし、ノズルの個数は、生産
コストの観点からは、少ない方が有利である。
【0091】図24は、洗剤溶液循環系の更なる変形例
を示す横断平面図である。この変形例は、粉末洗剤溶解
容器8を円筒形に形成し、2つのノズル27a,27b
から洗剤溶液を吐出するようにした構成である。この変
形例のように円筒形の粉末線座右溶解容器8は、断面が
矩形の溶解容器に比べて洗剤溶液の淀みが生じ難くい利
点がある。
【0092】図25は、洗剤供給装置の変形例を示す縦
断側面図である。この変形例は、循環手段10の吸引口
に連なる吸引パイプ47を粉末洗剤溶解容器8の底部近
くに開口するように該粉末洗剤溶解容器8の上部から該
容器内に挿入した構成である。このような構成とするこ
とにより、粉末洗剤溶解容器8との配管が分解し易くな
り、部品の修理や再利用が容易となる。
【0093】図26は、本発明の第2の実施の形態を示
す洗濯機の縦断側面図である。この実施の形態は、循環
手段10のポンプを風呂水(残り湯)供給手段と兼用す
るように構成したものである。そのために、電磁弁22
は、直接、配管23を介して循環手段10の洗剤溶液吸
引口に接続し、循環手段10の洗剤溶液吸引口と81の
間に電磁弁48を介在させた。その他は、第1の実施の
形態と同様の構成である。
【0094】風呂から残り湯を給水するときには、電磁
弁22を開,電磁弁48を閉として循環手段10を運転
する。粉末洗剤溶解容器8内の洗剤溶液24を循環させ
るときには、電磁弁22を閉,電磁弁48を開として循
環手段10を運転する。
【0095】このような実施の形態によれば、使用する
ポンプを1個とすることができるので、低コストを実現
することができる。そして、風呂の残り湯を洗剤溶液と
して使用すれば、粉末洗剤を効率良く溶解することがで
きる。
【0096】図27は、本発明の第3の実施の形態を示
す洗濯機の縦断側面図である。この実施の形態は、循環
手段10におけるポンプを駆動する動力源として給水流
を利用する構成である。
【0097】循環手段(ポンプ)10を駆動する動力発
生手段49は、配管19と電磁弁17の間に接続し、循
環手段10の洗剤溶液吐出口は配管21に接続し、粉末
洗剤溶解容器8の循環開口81は、三方電磁弁50を介
して前記循環手段10の洗剤溶液吸引口と配管26に接
続した構成である。
【0098】図28は、この実施の形態における前記循
環手段10と動力発生手段49の縦断側面図である。循
環手段10は、前述したような遠心ポンプであり、羽根
車101とケーシング102と吸引口103と吐出口1
04と回転軸105を備える。そして、動力発生手段4
9は、水車であって、前記循環手段10における回転軸
105を延長して共用し、この回転軸105に嵌着した
羽根車491と、この羽根車491を包囲するケーシン
グ492と水流入口493と水流出口494を備え、羽
根車491の回転を回転軸105によって羽根車101
に伝達する構成である。循環手段(遠心ポンプ)10と
動力発生手段(水車)49の間は隔壁によって液体の交
流を遮断するように構成する。
【0099】動力発生手段49は、水が水流入口493
からケーシング492内に流入して水流出口494から
流出するように流れると、この水の流れに伴って羽根車
491が回転する。この回転は、回転軸105を介して
循環手段10の羽根車101を回転させる。
【0100】このような構成によれば、循環手段10を
運転(回転)させたいときには、動力発生手段49に通
水すれば良い。この通水は、配管20から洗濯槽に流入
するので、洗濯槽への給水時に循環手段10を運転して
粉末洗剤を溶解するようにすれば良い。
【0101】この実施の形態では、動力発生手段49へ
の水道水の通水は、イオン交換装置7を通した軟水で行
うように構成した、水道水を直接利用するように構成し
ても良い。
【0102】図29は、本発明の第4の実施の形態を示
す洗濯機の縦断側面図である。洗剤溶解装置の粉末洗剤
溶解容器8の上に粉末洗剤投入装置28を設置する構成
において、粉末洗剤を溶解するために洗剤溶液を循環さ
せると粉末洗剤溶解容器8内に洗剤溶液の気泡が多量に
発生し、この気泡が蓄積して盛り上がって粉末洗剤投入
装置28に接触するようになと該粉末洗剤投入装置28
を湿潤させてその後の洗剤投入を妨げる恐れがある。こ
の実施の形態は、粉末洗剤溶解容器8内に発生する気泡
を洗濯槽への給水を利用して吸引除去する構成である。
【0103】気泡吸引手段51は、水流による減圧、す
なわちアスピレータの原理を利用して粉末洗剤溶解容器
8内の気泡および空気を吸引するものである。この気泡
吸引手段51の吸引用の配管は、粉末洗剤溶解容器8の
洗剤溶解液24の液面レベルよりも高い位置に開口する
ように接続する。
【0104】この気泡吸引手段51への給水は、配管1
9から分岐した配管52を電磁弁53を介して行い、配
管54を介して洗濯槽内に流入するように構成する。
【0105】この気泡吸引手段51は、洗剤溶解装置の
運転に連動させて運転させるように制御しても良いが、
粉末洗剤溶解容器8内に洗剤溶液24上の気泡の発達を
検知する気泡検知手段を設け、気泡が発達したときに運
転するように構成しても良い。
【0106】気泡検知手段は、一対の電極を露出させて
設置し、電極間に気泡が入ることにより電極間の抵抗が
減少することを利用しても良い。また、発光素子と受光
素子を対として設置し、これらの素子間に気泡が入った
ときに受光量が減少することを利用しても良い。気泡検
知手段は、このような形態に限定されるものではなく、
気泡の表面張力を検知する等、他の手段を利用すること
もできる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、粉末石鹸や粉末合成洗
剤等の粉末洗剤を十分に微粒化および分散あるいは溶解
した濃度の高い洗剤溶液を洗濯槽に供給し、洗剤が粉末
状態で洗濯物へ付着するのを防止すると共に洗剤の洗浄
力を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す洗濯機の縦断
側面図である。
【図2】図1に示した洗濯機における循環手段の一部を
切断して示す正面図である。
【図3】循環手段の他の例を示す縦断側面図である。
【図4】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図5】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図6】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図7】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図8】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図9】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図であ
る。
【図10】循環手段の更に他の例を示す羽根の側面図で
ある。
【図11】図1に示した洗濯機における洗剤供給装置の
側面図である。
【図12】図11に示した洗剤供給装置における粉末洗
剤投入装置の上面図である。
【図13】図12に示した粉末洗剤投入装置の横断平面
図である。
【図14】図12に示した粉末洗剤投入装置の縦断側面
図である。
【図15】図12に示した粉末洗剤投入装置の変形例を
示す縦断側面図である。
【図16】図15に示した粉末洗剤投入装置の縦断正面
図である。
【図17】図11に示した洗剤供給装置における粉末洗
剤投入装置の変形例を示す横断平面図である。
【図18】図11に示した洗剤供給装置における粉末洗
剤投入装置の更なる変形例の初期状態を示す部分縦断側
面図である。
【図19】図18に示した粉末洗剤投入装置の回転状態
を示す部分縦断側面図である。
【図20】図11に示した洗剤供給装置における粉末洗
剤投入装置の更なる変形例を示す横断平面図である。
【図21】図20に示した粉末洗剤投入装置の一部を切
り欠いた上面図である。
【図22】図11に示した洗剤供給装置における洗剤溶
液循環系の変形例を示す横断平面図である。
【図23】図11に示した洗剤供給装置における洗剤溶
液循環系の更なる変形例を示す横断平面図である。
【図24】図11に示した洗剤供給装置における洗剤溶
液循環系の更なる変形例を示す横断平面図である。
【図25】図11に示した洗剤供給装置の変形例を示す
縦断側面図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態を示す洗濯機の縦
断側面図である。
【図27】本発明の第3の実施の形態を示す洗濯機の縦
断側面図である。
【図28】図27に示した洗濯機における循環手段と動
力発生手段の縦断側面図である。
【図29】本発明の第4の実施の形態を示す洗濯機の縦
断側面図である。
【符号の説明】
1…筐体、2…外槽、3…洗濯兼脱水槽、4…撹拌翼、
5…駆動手段、7…イオン交換装置、8…粉末洗剤溶解
容器、10…循環手段、27…ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜野 年恭 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 (72)発明者 桧山 功 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 (72)発明者 太田 義注 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3B155 AA21 BB08 CB42 CB62 FA04 FA07 GA01 GA28 GB03 GB10 MA01 MA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末洗剤を溶解して洗濯槽に供給する洗剤
    供給装置を備えた洗濯機において、 前記洗剤供給装置は、粉末洗剤を投入する粉末洗剤溶解
    容器と、洗い工程における使用水量に比べて少量の洗剤
    溶液を前記粉末洗剤溶解容器に循環させて粉末洗剤を溶
    解する循環手段を備え、前記循環手段は、循環する洗剤
    溶液に含まれる洗剤粒子に剪断力を作用させる剪断力発
    生手段を備えたことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記循環手段は、洗剤
    溶液吸引口を粉末洗剤溶解容器の底部に開口するように
    接続し、洗剤溶液吐出口を前記粉末洗剤溶解容器の洗剤
    溶液の液面より上方に開口するように接続したことを特
    徴とする洗濯機。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記洗剤供給
    装置は、粉末洗剤を溶解するために使用する水の量を洗
    い工程における使用水量の200分の1〜4分の1の範
    囲に設定したことを特徴とする洗濯機。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の1項において、前記洗剤供
    給装置は、1回分の粉末洗剤を前記粉末洗剤溶解容器に
    徐々に供給する粉末洗剤投入装置を備えたことを特徴と
    する洗濯機。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の1項において、風呂水を吸
    水して洗濯槽に給水する風呂水供給手段を備え、前記循
    環手段と前記風呂水供給手段は、使用するポンプを兼用
    するようにしたことを特徴とする洗濯機。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の1項において、前記洗剤供
    給装置は、前記洗剤溶解容器内の気泡を吸引して排除す
    る気泡吸引手段を備えたことを特徴とする洗濯機。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の1項において、給水からイ
    オン成分を除去するイオン交換装置を備え、このイオン
    交換装置を通過した軟水を前記粉末洗剤溶解容器に供給
    して洗剤溶液として使用するようにしたことを特徴とす
    る洗濯機。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の1項において、前記粉末洗
    剤として粉末石鹸を使用するようにしたことを特徴とす
    る洗濯機。
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