JP2002151294A - プラズマ処理装置又はプラズマ処理システムの性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置又はプラズマ処理システムの性能評価方法、保守方法、性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラズマ処理装置

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JP2002151294A JP2000338246A JP2000338246A JP2002151294A JP 2002151294 A JP2002151294 A JP 2002151294A JP 2000338246 A JP2000338246 A JP 2000338246A JP 2000338246 A JP2000338246 A JP 2000338246A JP 2002151294 A JP2002151294 A JP 2002151294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ処理装置を分解、搬送後再組み立て
した後において、所望の性能が維持されているかどうか
を簡便かつ迅速に評価できるようにする。 【解決手段】 プラズマを励起するための電極4を有す
るプラズマ処理室60と、この電極4に接続された高周
波電源1と、プラズマ処理室60と高周波電源1とのイ
ンピーダンス整合を得るための整合回路2とを具備し、
プラズマ処理室60の高周波電源1の接続された電極4
と直流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX
の納入後における値Cx1の値が、電極4と対となり協働
してプラズマを発生する電極8との間のプラズマ電極容
量Ce の26倍より小さい値かどうかにより、性能を評
価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
又はプラズマ処理システムの性能評価方法、保守方法、
性能管理システム、及び性能確認システム、並びにプラ
ズマ処理装置に係り、特に、プラズマ処理装置又はプラ
ズマ処理システムが納入後に所望の性能を維持し続ける
ことに用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】CVD( chemical vapor depositio
n)、スパッタリング、ドライエッチング、アッシング
等のプラズマ処理をおこなうプラズマ処理装置の一例と
しては、従来から、図38に示すような、いわゆる2周
波数励起タイプのものが知られている。図38に示すプ
ラズマ処理装置は、高周波電源1とプラズマ励起電極4
との間に整合回路2Aが介在されている。整合回路2A
はこれら高周波電源1とプラズマ励起電極4との間のイ
ンピーダンスの整合を得るための回路として設けられて
いる。
【0003】高周波電源1からの高周波電力は整合回路
2Aを通して給電板3によりプラズマ励起電極4へ供給
される。この整合回路2Aは導電体からなるハウジング
により形成されるマッチングボックス2内に収納されて
おり、プラズマ励起電極4および給電板3は、導体から
なるシャーシ21によって覆われている。プラズマ励起
電極(カソード電極)4の下側には凸部4aが設けられ
るとともに、このプラズマ励起電極(カソード電極)4
の下には、多数の孔7が形成されているシャワープレー
ト5が凸部4aに接して設けられている。これらプラズ
マ励起電極4とシャワープレート5との間には空間6が
形成されている。この空間6にはガス導入管17が接続
されており、導体からなるガス導入管17の途中には絶
縁体17aが挿入されてプラズマ励起電極側とガス供給
源側とが絶縁されている。
【0004】ガス導入管17から導入されたガスは、シ
ャワープレート5の孔7を通ってチャンバ壁10により
形成されたチャンバ室60内に供給される。なお、符号
9はチャンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電
極)4とを絶縁する絶縁体である。また、排気系の図示
は省略してある。一方、チャンバ室(プラズマ処理室)
60内には基板16を載置しプラズマ励起電極ともなる
ウエハサセプタ(サセプタ電極)8が設けられておりそ
の周囲にはサセプタシールド12が設けられている。
【0005】サセプタシールド12はサセプタ電極8を
受けるシールド支持板12Aと、このシールド支持板1
2Aの中央部から垂下形成された筒型の支持筒12Bと
からなり、支持筒12Bはチャンバ底部10Aを貫通し
て設けられるとともに、この支持筒12Bの下端部とチ
ャンバ底部10Aとがベローズ11により密閉接続され
ている。これら、ウエハサセプタ8およびサセプタシー
ルド12は、これらの隙間がシャフト13の周囲に設け
られた電気絶縁物からなる絶縁手段12Cによって真空
絶縁されるとともに電気的にも絶縁されている。また、
ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12は、ベロ
ーズ11により上下動可能となっており、プラズマ励起
電極4,ウエハサセープタ8間の距離の調整ができる。
ウエハサセプタ8には、シャフト13および第2のマッ
チングボックス14内に収納された整合回路を介して第
2の高周波電源15が接続されている。なお、チャンバ
壁10とサセプタシールド12とは直流的に同電位とな
っている。
【0006】図39に従来のプラズマ処理装置の他の例
を示す。図39に示すプラズマ処理装置は、図38に示
すプラズマ処理装置とは異なり、1周波数励起タイプの
プラズマ処理装置である。すなわち、カソード電極4に
のみ高周波電力が供給されるようになっており、サセプ
タ電極8は接地されている。また、図38で示される第
2の高周波電源15と第2のマッチングボックス14は
設けられていない。また、サセプタ電極8とチャンバ壁
10とは直流的に同電位となっている。
【0007】上記のプラズマ処理装置においては、一般
的に13.56MHz程度の周波数の電力を投入して、
両電極4,8の間でプラズマを生成し、このプラズマに
より、CVD( chemical vapor deposition)、スパッ
タリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズマ
処理をおこなうものである。しかし、上記のプラズマ処
理装置においては、電力消費効率(高周波電源1からプ
ラズマ励起電極4に投入した電力に対してプラズマ中で
消費された電力の割合)は必ずしも良好ではない。特
に、高周波電源から供給される周波数が高くなるほど、
プラズマ処理装置における電力消費効率の低下が顕著で
ある。同時にまた、基板サイズが大きくなるほどその低
下が顕著である。その結果、電力消費効率が低いことに
より、プラズマ空間で消費される実効的な電力が上がら
ないため、成膜速度が遅くなる、また、たとえば絶縁膜
の成膜の場合にあってはより絶縁耐圧の高い絶縁膜の形
成が困難である、という問題点を有している。
【0008】そして、このようなプラズマ処理装置の動
作確認および、動作の評価方法としては、例えば、以下
のように実際に成膜等の処理をおこない、この被成膜特
性を評価するというような方法でおこなっていた。 (1)堆積速度と膜面内均一性 基板上にプラズマCVDにより所望の膜を成膜する。 レジストのパターニングをおこなう。 膜をドライエッチングする。 アッシングにより上記レジストを剥離する。 膜の膜厚段差を触針式段差計により計測する。 成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。 膜面内均一性は、6インチ基板面内において16ポイ
ントで測定する。 (2)BHFエッチングレート 上記(1)〜と同様に膜を成膜後、レジストマスク
をパターニングする。 BHF液に1分間基板を浸漬する。 純水洗浄後乾燥し、レジストをH2SO4+H22
剥離する。 上記(1)と同様段差を計測する。 浸漬時間と段差からエッチング速度を算出する。 (3)絶縁耐圧 ガラス基板上にスパッタリングにより導電性膜を成膜
し、下部電極としてパターニングする。 プラズマCVDにより絶縁膜を成膜する。 と同様の方法で上部電極を形成する。 下部電極用にコンタクト孔を形成する。 上下電極にプロービングし、I−V特性(電流電圧特
性)を測定する。このとき最大電圧として200V程度
まで印加する。 電極面積を100μm角とし、100pAをよぎると
ころが、1μA/cm2に相当するので、この時のVを
絶縁耐圧として定義する。
【0009】さらに、上記のようなプラズマ処理装置に
対しては、従来から、半導体および液晶表示装置製造に
用いられる場合において、プラズマ処理速度(成膜時の
堆積速度や、加工速度)が早く生産性が高いこと、そし
て、被処理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性
(膜厚の膜面内方向分布、加工処理ばらつきの膜面内方
向分布)に優れていることが求められているが、近年で
は、被処理基板の大型化に伴い、膜面内方向の均一性に
対する要求が一段と強まっている。また、被処理基板の
大型化に伴い、投入電力量もkWオーダーが投入される
まで増大し、電力消費量が増す傾向にある。このため、
電源の高容量化に伴い、電源の開発コストが増大すると
ともに、装置稼働時には電力使用が増すことからランニ
ングコストを削減することが望まれている。また、電力
消費量が増大することは、環境負荷となる二酸化炭素の
排出量が増大する。これは、被処理基板の大型化に伴っ
てさらに放出量が増大するとともに電力消費効率をさら
に下げてしまうため電力消費量が増大するので、この二
酸化炭素の放出量削減への要求も高くなっている。一
方、プラズマ励起周波数として、従来一般的であった1
3.56MHzに対して、これを越える30MHz以上
のVHF帯の周波数を用いるなど、高周波数化を図るこ
とで、プラズマ空間で消費される実効的な電力の増加を
図ることができる。その結果として、プラズマCDVな
どの堆積装置においては、成膜時の堆積速度を向上させ
ることができる可能性が示されていた。
【0010】さらに、上記のようなプラズマチャンバを
複数有するプラズマ処理装置に対しては、個々のプラズ
マチャンバに対して、プラズマ処理の機差をなくし、異
なるプラズマチャンバにおいて処理をおこなった被処理
基板においても、プラズマ処理速度(成膜時の堆積速度
や、加工速度)や生産性、そして、被処理基体面内方向
におけるプラズマ処理の均一性(膜厚の膜面内方向分布
等の、処理のばらつきをなくしたいという要求がある。
同時に、プラズマチャンバを複数有するプラズマ処理装
置に対しては、個々のプラズマチャンバに対して、供給
するガス流量や圧力、供給電力、処理時間等の外部パラ
メータが等しい同一のプロセスレシピを適用して、略同
一のプラズマ処理結果が得られることが望まれている。
そして、プラズマ処理装置の新規設置時や調整・保守点
検時において、複数のプラズマチャンバごとの機差をな
くして処理のばらつきをなくし同一のプロセスレシピに
より略同一の処理結果を得るために必要な調整時間の短
縮が求められるとともに、このような調整に必要なコス
トの削減が要求されていた。
【0011】さらに、上記のようなプラズマ処理装置を
複数有するプラズマ処理システムに対しても、同様に、
各プラズマ処理装置における個々のプラズマチャンバに
対して、プラズマ処理の機差をなくしたいという要求が
存在していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプラズ
マ処理装置においては、13.56MHz程度の周波数
の電力を投入するように設計されており、13.56M
Hzを越える周波数の電力を投入することに対応してい
ない。より具体的には、高周波電力を投入する部分、つ
まり、プラズマ処理をおこなうチャンバ全体としては、
容量、インピーダンス、共振周波数特性等の電気的高周
波的な特性が考慮されておらず、次のような不具合が生
じていた。 13.56MHzを越える周波数の電力を投入した場
合、電力消費効率があがらず、成膜時に堆積速度を向上
することができないばかりか、むしろ、堆積速度が遅く
なる場合があった。 さらに投入する電力をより高周波数化すると、周波数
の上昇に伴って、プラズマ空間で消費される実効的な電
力は上昇してピークを迎え、その後、減少に転じて、つ
いにはグロー放電できなくなってしまい高周波数化の意
味がなくなってしまう。
【0013】また、次のような不具合も生じていた。プ
ラズマチャンバを複数有するプラズマ処理装置やプラズ
マ処理システムに対しては、複数のプラズマチャンバに
対してインピーダンス、共振周波数特性等の電気的高周
波的な特性の機差をなくすという設計がなされていない
ために、個々のプラズマチャンバにおいて、プラズマ空
間で消費される実効的な電力等がそれぞれ均一になって
いない可能性がある。このため、複数のプラズマチャン
バに対して同一のプロセスレシピを適用しているにも関
わらず、同一のプラズマ処理結果が得られない可能性が
ある。したがって、同じプラズマ処理結果を得るために
は、個々のプラズマチャンバごとに、それぞれ供給する
ガス流量や圧力、供給電力、処理時間等の外部パラメー
タと上記の(1)〜(3)のような評価方法による処理
結果とを比較して、これらの相関関係を把握する必要が
あるが、そのデータ量は膨大なものになり、すべてをお
こなうことが困難である。
【0014】また、上記のようなプラズマ処理装置の動
作確認および、動作の評価方法として、上記の(1)〜
(3)のような方法を採用した場合には、適正な動作を
しているかどうかの確認をするためにはプラズマ処理装
置を作動させることが必要である上に、プラズマ処理装
置の設置場所とは別の検査場所において被処理基板を複
数のステップにより処理測定する必要がある。このた
め、評価結果がでるまでには数日、あるいは数週間を要
しており、装置開発段階においては、プラズマ処理室の
性能確認に時間がかかりすぎるため、これを短縮したい
という要求があった。
【0015】さらに、複数のプラズマチャンバを有する
プラズマ処理装置やプラズマ処理システムに対して上記
の(1)〜(3)のような検査方法を採用した場合に
は、複数のプラズマチャンバごとの機差をなくして処理
のばらつきをなくし、同一のプロセスレシピにより同一
処理結果を得るために必要な調整時間が、月単位で必要
となってしまう。このため、調整期間の短縮が求められ
るとともに、このような調整に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従
事する作業員の人件費等、コストが膨大なものになると
いう問題があった。
【0016】このように、プラズマ処理装置において
は、所望のレベルの性能を備えるという配慮が求められ
ており、さらに複数のプラズマチャンバ(プラズマ処理
室)を備えるプラズマ処理装置やプラズマ処理システム
にあっては、プラズマ処理の性能の機差をなくすような
配慮が求められていた。しかし、たとえこのような配慮
が充分になされたプラズマ処理装置であっても、プラズ
マ処理装置を搬送する際には、一般に一端分解してから
搬送し、搬送先で再組み立てすることが行われている。
この場合には、搬送中の振動や再組み立て作業の不備等
により搬送前の性能が維持されていない恐れがあった。
さらに、納入後、すなわち、納入先にて再組み立て後に
プラズマ処理を繰り返す内に、所望の性能レベルが維持
できなくなったり複数のプラズマ処理室間の機差が生じ
る可能性があった。また、分解掃除、部品交換、組み立
て調整等の調整作業を行った場合には、調整の不備等に
より調整作業前の性能が維持されていない可能性があっ
た。
【0017】また、上記のようなプラズマ処理装置の性
能が所望の性能レベルや所望の機差内に維持されている
かどうかを確認するための評価方法として、上記の
(1)〜(3)のような動作評価方法を採用した場合に
は、プラズマ処理装置を作動させることが必要である上
に、プラズマ処理装置の設置場所とは別の検査場所など
において被処理基板を複数のステップにより処理測定す
る必要がある。そして、装置性能が仕様を満足できない
場合には、装置を調整して、プラズマ処理を実施し、被
処理基板を評価するといった一連の長いサイクルを繰り
返す必要がある上、納入した装置の立ち上げ期間が長期
化するといった問題があった。製造ラインの立ち上げ期
間の長短は、そのまま年度の売り上げに大きな影響を及
ぼしていた。このため、より簡便な方法でプラズマ処理
装置の性能を把握し、問題発見から改善までのサイクル
を早め、装置の立ち上げ期間を短縮するという要求があ
った。
【0018】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、以下の目的を達成しようとするものである。納入
先においてプラズマ処理装置やプラズマ処理システムの
性能が適正に発揮維持されていたかどうかを確認するた
めの迅速かつ簡便な評価方法の提供を目的の一つとす
る。プラズマ処理装置やプラズマ処理システムの性能が
適正に維持されていない場合に、簡便で、迅速に是正可
能な保守方法の提供を目的の一つとする。納入先におい
てプラズマ処理装置やプラズマ処理システムの性能が適
正に発揮されるように管理するための、あるいは、性能
が適正に発揮されていない場合には、保守作業を直ちに
行えるよう管理するための性能管理システムの提供を目
的の一つとする。適正な動作状態に簡便に維持可能なプ
ラズマ処理装置の提供を目的の一つとすること。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価方法は、
プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室
と、この電極に高周波電力を供給するための高周波電源
と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に上記高周
波電源を接続するとともに上記電極に接続した高周波電
力配電体を上記出力端子に接続することにより上記プラ
ズマ処理室と上記高周波電源とのインピーダンス整合を
得る整合回路と、を具備するプラズマ処理装置の性能評
価方法であって、上記高周波電源の接続された電極と直
流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX の、
時刻t0とその後の時刻t1における値CX0、CX1の差Δ
Xの絶対値を求め、その値が所定の値より小さい値で
ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、その
値が所定の値以上である場合に、所定の性能を維持して
いないと判断することを特徴とする。
【0020】また、本発明に係るプラズマ処理装置の保
守方法は、上記発明に係る評価方法の結果、ΔCxの絶
対値が所定の値を超えていた場合に、容量Cxの是正作
業を行うことを特徴とする。
【0021】また、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有
するプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給す
るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上記電極
に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接続する
ことにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源とのイ
ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
マ処理装置の性能管理システムであって、上記高周波電
源の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位
部との間の容量CX の、時刻t0における値CX0を記憶
するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続された
納入先入出力装置とを備え、上記サーバーは、上記容量
Xのその後の時刻t1における値CX1を、上記納入先入
出力装置から受信し、上記CX0と、このCX1との差であ
るΔCXの絶対値を演算し、その値が所定の値より小さ
い値である場合には、所定の性能を維持している旨の信
号を、所定の値以上の値である場合には、所定の性能を
維持していない旨の信号を、各々納入先入出力装置に発
信することを特徴とする。
【0022】また、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムは、プラズマを励起するための電極を有
するプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給す
るための高周波電源と、 入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上記電
極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接続す
ることにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源との
インピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラ
ズマ処理装置の性能管理システムであって、上記高周波
電源の接続された電極と直流的にアースされた各接地電
位部との間の容量CXの、時刻t0における値Cx0と、各
々所定の値の範囲によって決められた故障レベルに対応
して登録されたサービスエンジニアの情報とを記憶する
サーバーと、このサーバーの搬送元における出力装置
と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力
装置とを備え、上記サーバーは、上記Cx0のその後の時
刻t1における値Cx1を、上記納入先入出力装置から受
信し、上記Cx0と、このCx1との差であるΔCxの絶対
値を演算し、その値が、何れかの故障レベルの所定の値
の範囲である場合には、上記出力装置から、当該故障レ
ベルと、当該故障レベルに対応して登録されたサービス
エンジニアの情報と共に、保守作業命令を出力すること
を特徴とする。
【0023】また、本発明に係るプラズマ処理装置は、
プラズマを励起するための電極を有するプラズマ処理室
と、この電極に高周波電力を供給するための高周波電源
と、入力端子と出力端子とを有し該入力端子に上記高周
波電源を接続するとともに上記電極に接続した高周波電
力配電体を上記出力端子に接続することにより上記プラ
ズマ処理室と上記高周波電源とのインピーダンス整合を
得る整合回路と、を具備するプラズマ処理装置であっ
て、上記高周波電源の接続された電極と直流的にアース
された各接地電位部との間の容量CXの、時刻t0とその
後の時刻t1における値CX0、X1の差ΔCXの絶対値が
所定の値より小さい値に維持されていることを特徴とす
る。
【0024】また、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能確認システムは、購入発注者が販売保守者から購入し
た上記のプラズマ処理装置の時刻t0とその後の時刻t1
において計測可能な動作性能状況を示す性能状況情報の
閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側情報端末
と、販売保守者が上記性能状況情報をアップロードする
販売保守者側情報端末と、上記購入発注者側情報端末の
要求に応答して、販売保守者側情報端末からアップロー
ドされた性能状況情報を購入発注者側情報端末に提供す
る性能状況情報提供手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0025】また、上記各発明において、時刻t0とそ
の後の時刻t1との間になされて、容量Cxに影響を与え
る可能性のある事象としては、例えば、プラズマ処理室
内に被処理物が導入され、該被処理物にプラズマ処理が
行われることが挙げられる。また、他の事象としては、
プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立て調
整等の調整作業が施されることが挙げられる。さらに他
の事象としては、分解、搬送、及び再組み立てが施され
ることが挙げられる。
【0026】上記本発明に係るプラズマ処理装置の性能
管理システムにおいては、上記サーバーが、プラズマ処
理装置の固有番号毎にCx0を記憶し、納入先入出力装置
から納入したプラズマ処理装置の固有番号を受信して、
当該固有番号に対応するCx0 を用いて演算をするように
してもよい。
【0027】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
の性能管理システムにおいては、上記納入先入出力装置
に、プラズマ処理装置に接続された容量を測定する測定
器を接続して、該測定器からサーバーに、Cx1が直接送
信されるようにすることもできる。
【0028】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
の性能管理システムにおいては、上記サーバーが搬送元
において出力装置を備え、ΔCxの絶対値が所定の値を
超える場合に、上記出力装置から、保守作業命令信号を
出力するようにしてもよい。
【0029】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
の性能管理システムにおいては、上記サーバーが搬送元
における出力装置から保守作業命令を出力すると共に、
上記納入先入出力装置に当該故障レベルを発信するよう
にしてもよい。
【0030】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
においては、ΔCxの絶対値が所定の値以上の値である
場合に、プラズマ電極容量Cxの是正作業を行うことに
より、ΔCxの絶対値が所定の値より小さい値に維持さ
れるようにする態様が好適に採用できる。
【0031】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
の性能確認システムにおいては、上記性能状況情報が、
上記容量Cxを含むものとすることができる。また、上
記性能状況情報が、カタログまたは仕様書として出力さ
れるものとすることができる。
【0032】上記課題を解決するため、本発明に係わる
プラズマ処理装置の性能評価方法は、プラズマを励起す
るための電極を有するプラズマ処理室と、この電極に高
周波電力を供給するための高周波電源と、入力端子と出
力端子とを有し該入力端子に上記高周波電源を接続する
とともに上記電極に接続した高周波電力配電体を上記出
力端子に接続することにより上記プラズマ処理室と上記
高周波電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、
を具備するプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納
入先に搬送して、該納入先にて再組み立てした後のプラ
ズマ処理装置の性能評価方法であって、上記高周波電源
の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位部
との間の容量CXの納入後における値Cx1の値が、上記
高周波電源の接続された電極と対となり協働してプラズ
マを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce の26
倍より小さい値である場合に、所定の性能を維持してい
ると判断し、上記プラズマ極容量Ce の26倍以上の値
である場合に、所定の性能を維持していないと判断する
ことを特徴とする。
【0033】また、本発明に係わるプラズマ処理装置の
性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を有す
る複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力を
供給するための高周波電源と、 入力端子と出力端子と
を有し該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに
上記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に
接続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波電
源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備す
るプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬
送して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理
装置の性能評価方法であって、上記複数のプラズマ処理
室においてそれぞれ測定した、上記高周波電源の接続さ
れた電極と対となり協働してプラズマを発生する電極と
の間のプラズマ電極容量Ce の、納入後における値Ce1
の値のばらつきCe1rが、その最大値Ce1maxと最小値C
e1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義されCe1rの値が所定の値より小さい場合に、所
定の性能を維持していると判断し、所定の値以上である
場合に所定の性能を維持していないと判断するととも
に、上記複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定し
た、上記高周波電源の接続された電極と直流的にアース
された各接地電位部との間の容量CX の、納入後におけ
る値CX1の値のばらつきCX1rが、その最大値CX1max
最小値CX1minによって、 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+CX1min) と定義され、CX1rの値が所定の値より小さい場合に、
所定の性能を維持していると判断し、所定の値以上であ
る場合に所定の性能を維持していないと判断することを
特徴とする。
【0034】また、本発明に係わるプラズマ処理装置の
性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を有す
る複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力を
供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを
有し該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上
記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接
続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源
とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備する
プラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬送
して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理装
置の性能評価方法であって、上記複数のプラズマ処理室
においてそれぞれ測定した、上記高周波電源の接続され
た電極と対となり協働してプラズマを発生する電極との
間のプラズマ電極容量Ce の、納入後における値Ce1
値のばらつきCe1rが、その最大値Ce1maxと最小値C
e1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、
所定の性能を維持していると判断し、所定の値以上であ
る場合に所定の性能を維持していないと判断するととも
に、上記複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定し
た、 上記高周波電源の接続された電極と直流的にアー
スされた各接地電位部との間の容量CXの、納入後にお
ける値Cx1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1max
と最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値より小さい値であ
り、かつ上記Cx1の値のいずれも上記高周波電源の接続
された電極と対となり協働してプラズマを発生する電極
との間のプラズマ電極容量Ceの26倍より小さい値で
ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、C
x1rの値が所定の値以上の値である場合、又は上記Cx1
の値のいずれかが上記プラズマ電極容量Ceの26倍以
上の値である場合、所定の性能を維持していないと判断
することを特徴とする。
【0035】また、本発明に係わるプラズマ処理システ
ムの性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を
有するプラズマ処理室と、上記電極に高周波電力を供給
するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上記電
極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接続す
ることにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源との
インピーダンス整合を得る整合回路と、 を具備するプ
ラズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システム
を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先に
て再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能評価
方法であって、上記複数のプラズマ処理装置においてそ
れぞれ測定した、上記高周波電源の接続された電極と対
となり協働してプラズマを発生する電極との間のプラズ
マ電極容量Ce の、納入後における値Ce1の値のばらつ
きCe1rが、その最大値Ce1maxと最小値Ce1minによっ
て、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、
所定の性能を維持していると判断し、所定の値以上であ
る場合に所定の性能を維持していないと判断するととも
に、上記複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定
した、上記高周波電源の接続された電極と直流的にアー
スされた各接地電位部との間の容量CXの、納入後にお
ける値CX1の値のばらつきCX1rが、その最大値CX1max
と最小値CX1minによって、 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値より小さい値である
場合に、所定の性能を維持していると判断し、所定の値
以上の値である場合に所定の性能を維持していないと判
断することを特徴とする。
【0036】また、本発明に係わるプラズマ処理システ
ムの性能評価方法は、プラズマを励起するための電極を
有するプラズマ処理室と、上記電極に高周波電力を供給
するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上記電
極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接続す
ることにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源との
インピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラ
ズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システム
を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先に
て再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能評価
方法であって、上記複数のプラズマ処理装置においてそ
れぞれ測定した、上記高周波電源の接続された電極と対
となり協働してプラズマを発生する電極との間のプラズ
マ電極容量Ce の、納入後における値Ce1の値のばらつ
きCe1rが、その最大値Ce1maxと最小値Ce1minによっ
て、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、
所定の性能を維持していると判断し、所定の値以上であ
る場合に所定の性能を維持していないと判断するととも
に、上記複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定
した、上記高周波電源の接続された電極と直流的にアー
スされた各接地電位部との間の容量CXの、納入後にお
ける値Cx1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1max
と最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値より小さい値であ
り、かつ上記Cx1の値のいずれも上記高周波電源の接続
された電極と対となり協働してプラズマを発生する電極
との間のプラズマ電極容量Ceの26倍より小さい値で
ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、C
x1rの値が所定の値以上の値である場合、又は上記Cx1
の値のいずれかが上記プラズマ電極容量Ceの26倍以
上の値である場合、所定の性能を維持していないと判断
することを特徴とする。
【0037】また、本発明に係わるプラズマ処理装置の
性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を
有するプラズマ処理室と、上記電極に高周波電力を供給
するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上記電
極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接続す
ることにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源との
インピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラ
ズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬送し
て、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理装置
の性能管理システムであって、上記高周波電源の接続さ
れた電極と対となり協働してプラズマを発生する電極と
の間のプラズマ電極容量Ceを記憶するサーバーと、こ
のサーバーと通信回線で接続された納入先入出力装置と
を備え、上記サーバーは、上記高周波電源の接続された
電極と直流的にアースされた各接地電位部との間の容量
X の納入後における値Cx1を、上記納入先入出力装置
から受信し、納入後における値Cx1の値が上記プラズマ
電極容量Ce の26倍より小さい値である場合には、
所定の性能を維持している旨の信号を、納入後における
値Cx1の値が上記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の
値である場合には、所定の性能を維持していない旨の信
号を、各々納入先入出力装置に発信することを特徴とす
る。
【0038】また、本発明に係わるプラズマ処理装置の
性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を
有する複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電
力を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子
とを有し該入力端子に上記高周波電源を接続するととも
に上記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子
に接続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波
電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備
するプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に
搬送して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処
理装置の性能管理システムであって、上記高周波電源の
接続された電極と対となり協働してプラズマを発生する
電極との間のプラズマ電極容量Ceを記憶するサーバー
と、このサーバーと通信回線で接続された納入先入出力
装置とを備え、上記サーバーは、上記複数のプラズマ処
理室においてそれぞれ測定した、上記高周波電源の接続
された電極と直流的にアースされた各接地電位部との間
の容量CX の納入後における値Cx1を、上記納入先入出
力装置から受信し、納入後における値Cx1の値が上記プ
ラズマ電極容量Ce の26倍より小さい値である場合
には、所定の性能を維持している旨の信号を、納入後に
おける値Cx1の値が上記プラズマ電極容量Ceの26倍
以上の値である場合には、所定の性能を維持していない
旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信することを特
徴とする。
【0039】また、本発明に係わるプラズマ処理装置の
性能管理システムは、プラズマを励起するための電極を
有する複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電
力を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子
とを有し該入力端子に上記高周波電源を接続するととも
に上記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子
に接続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波
電源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備
するプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に
搬送して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処
理装置の性能管理システムであって、出力装置を備えた
サーバーと、このサーバーと通信回線で接続された納入
先入力装置とを備え、上記サーバーは、上記複数のプラ
ズマ処理室においてそれぞれ測定した、上記高周波電源
の接続された電極と対となり協働してプラズマを発生す
る電極との間のプラズマ電極容量Ce の、納入後におけ
る値Ce1を、各々のプラズマ処理室の固有番号と共に上
記納入先入出力装置から受信し、この値Ce1の値のばら
つきCe1rが、その最大値Ce1maxと最小値Ce1minによ
って、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、このCe1rの値が所定の値以上である場合
に、上記出力装置から、保守作業命令を当該最大値C
e1max又は最小値Ce1minを与えたプラズマ処理室の固有
番号と共に出力し、上記サーバーは、上記複数のプラズ
マ処理室においてそれぞれ測定した、上記高周波電源の
接続された電極と直流的にアースされた各接地電位部と
の間の容量CX の納入後における値Cx1を、各々のプラ
ズマ処理室の固有番号と共に上記納入先入出力装置から
受信し、この値Cx1の値のばらつきCx1rが、その最大
値Cx1maxと最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値以上の場合に、上記
出力装置から、保守作業命令を当該最大値Cx1max又は
最小値Cx1minを与えたプラズマ処理室の固有番号と共
に出力することを特徴とする。
【0040】また、本発明に係わるプラズマ処理システ
ムの性能管理システムは、プラズマを励起するための電
極を有するプラズマ処理室と、上記電極に高周波電力を
供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを
有し該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上
記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接
続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源
とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備する
プラズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システ
ムを、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先
にて再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能管
理システムであって、上記高周波電源の接続された電極
と対となり協働してプラズマを発生する電極との間のプ
ラズマ電極容量Ceを記憶するサーバーと、このサーバ
ーと通信回線で接続された納入先入出力装置とを備え、
上記サーバーは、上記複数のプラズマ処理装置において
それぞれ測定した、上記高周波電源の接続された電極と
直流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX
納入後における値Cx1を、上記納入先入出力装置から受
信し、納入後における値Cx1の値が上記プラズマ電極容
量Ce の26倍より小さい値である場合には、所定の
性能を維持している旨の信号を、納入後における値Cx1
の値が上記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値であ
る場合には、所定の性能を維持していない旨の信号を、
各々納入先入出力装置に発信することを特徴とする。
【0041】また、本発明に係わるプラズマ処理システ
ムの性能管理システムは、プラズマを励起するための電
極を有するプラズマ処理室と、上記電極に高周波電力を
供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを
有し該入力端子に上記高周波電源を接続するとともに上
記電極に接続した高周波電力配電体を上記出力端子に接
続することにより上記プラズマ処理室と上記高周波電源
とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備する
プラズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システ
ムを、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先
にて再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能管
理システムであって、出力装置を備えたサーバーと、こ
のサーバーと通信回線で接続された納入先入力装置とを
備え、上記サーバーは、上記複数のプラズマ処理装置に
おいてそれぞれ測定した、上記高周波電源の接続された
電極と対となり協働してプラズマを発生する電極との間
のプラズマ電極容量Ce の、納入後における値Ce1を、
各々のプラズマ処理装置の固有番号と共に上記納入先入
出力装置から受信し、この値Ce1の値のばらつきCe1r
が、その最大値Ce1maxと最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、このCe1rの値が所定の値以上である場合
に、上記出力装置から、保守作業命令を当該最大値C
e1max又は最小値Ce1minを与えたプラズマ処理装置の固
有番号と共に出力し、上記サーバーは、上記複数のプラ
ズマ処理装置においてそれぞれ測定した、上記高周波電
源の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位
部との間の容量CX の納入後における値Cx1を、各々の
プラズマ処理装置の固有番号と共に上記納入先入出力装
置から受信し、この値Cx1の値のばらつきCx1rが、そ
の最大値Cx1maxと最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値以上の場合に、上記
出力装置から、保守作業命令を当該最大値Cx1max又は
最小値Cx1minを与えたプラズマ処理装置の固有番号と
共に出力することを特徴とする。
【0042】また、本発明に係わるプラズマ処理装置又
はプラズマ処理システムの性能確認システムは、購入発
注者が販売保守者から購入した請求項49から請求項5
8の何れかに記載の性能管理システムで管理されたプラ
ズマ処理装置又はプラズマ処理システムの搬送元にて分
解後、納入先に搬送して、該納入先にて再組立てした後
の動作性能状況を示す性能状況情報の閲覧を公衆回線を
介して要求する購入発注者側情報端末と、販売保守者が
上記性能状況情報をアップロードする販売保守者側情報
端末と、上記購入発注者側情報端末の要求に応答して、
販売保守者側情報端末からアップロードされた性能状況
情報を購入発注者側情報端末に提供する性能状況情報提
供手段とを具備することを特徴とする。
【0043】また、上記各発明において、上記高周波電
源の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位
部との間の容量CXの、納入後における値CX1の値のば
らつきCX1r と対比する所定の値として好ましい値
は、0.1であり、より好ましい値は0.03である。
また、上記各発明において、上記高周波電源の接続され
た電極と対となり協働してプラズマを発生する電極との
間のプラズマ電極容量Ce の、納入後における値Ce1
値のばらつきCe1rと対比する所定の値として好ましい
値は、0.1であり、より好ましい値は0.03であ
る。
【0044】また、上記本発明に係るプラズマ処理装置
の性能管理システム又はプラズマ処理システムの性能管
理システムにおいて、上記Ceの26倍と納入後の上記
容量CX1とを比較して性能を判断する場合には、上記サ
ーバーが搬送元において出力装置を備え、納入後におけ
る値Cx1が上記プラズマ電極容量Ce の26倍より小
さい値である場合に(Ceの26倍が納入後におけるが
上記容量CX1の値以下である場合に)、上記出力装置か
ら、保守作業命令を出力することが望ましい。また、上
記本発明に係るプラズマ処理装置の性能確認システムに
おいては、上記性能状況情報が、上記高周波電源の接続
された電極と対となり協働してプラズマを発生する電極
との間のプラズマ電極容量Ce と、上記高周波電源の接
続された電極と直流的にアースされた各接地電位部との
間の容量CXを含むものとすることができる。また、上
記性能状況情報が、カタログまたは仕様書として出力さ
れるものとすることができる。
【0045】以下、上記各発明をさらに詳細に説明す
る。上記各発明では、高周波電源の接続された電極と直
流的にアースされた各接地電位部との間の容量(ロス容
量)CX を評価指標とした。これは容量Cxが、プラズ
マ空間で消費される実効的な電力等のプラズマ処理装置
の性能と密接な関連性を有するとともに、汚れが付着し
たり、組み立て精度に狂いが生じる等、性能に悪影響を
及ぼす事象が発生した場合には、容易に変動する値であ
ることに着目したものである。また、容量Cx は、搬送
中の振動や納入後の再組み立ての不備で精度に狂い生じ
る等、性能に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、
容易に変動する値であることに着目したものである。そ
して、この指標とした容量Cxは、時刻t0とその後の時
刻t1における値Cx 0、Cx1の差ΔCxの絶対値が、プラ
ズマ処理装置の性能変動幅と密接な関連を有すること、
及びこの値が所定の値よりも小さい場合は、性能変動幅
も所定の範囲内であると見なせることを見いだし、この
ΔCxの絶対値と所定の値を比較することにより、プラ
ズマ処理装置の性能評価を可能とした。すなわち、分解
搬送後に再組立する新規設置時やその後の使用によるプ
ラズマ処理の繰り返し、あるいは調整・保守点検等の際
に、プラズマ処理室の性能が所定の性能レベルを維持し
ているか、また、プラズマ処理室が複数ある場合には、
性能の機差が充分抑えられているか等の評価を可能とし
たものである。
【0046】この容量Cxの測定は瞬時に行うことがで
きるので、基板への実際の成膜等による従来の検査方法
を採用した場合に比べて、大幅に評価時間を短縮するこ
とができる。また、性能評価に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の検査処理費用、および、評価作業
に従事する作業員の人件費等の、コストを削減すること
が可能となる。そのため、本発明に係るプラズマ処理装
置の評価方法によれば、プラズマ処理装置の性能評価を
瞬時にしかもコストをかけずに行うことができる。ま
た、本発明に係るプラズマ処理システムの評価方法によ
れば、プラズマ処理装置の性能評価を瞬時にしかもコス
トをかけずに行うことができる。また、プラズマ処理装
置が、複数のプラズマ処理室を有している場合には、そ
れぞれ求めた容量Cxを指標とすることにより、各プラ
ズマ処理室に対して、常に同一のプロセスレシピを適用
して、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、
プラズマ処理室において例えば成膜をおこなった際に、
膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性
の膜を継続して得ることを可能とするものである。ま
た、本発明に係る保守方法によれば、性能評価結果を瞬
時に、かつコストをかけずに行うことができるので、所
望の頻度で性能評価を行い、その結果を直ちに反映して
是正作業を行うことができる。
【0047】また、本発明に係るプラズマ処理システム
の評価方法によれば、プラズマ処理装置の性能評価を瞬
時にしかもコストをかけずに行うことができる。また、
プラズマ処理システムは、複数のプラズマ処理装置から
なるため、複数のプラズマ処理室を有している。これら
各プラズマ処理装置においてそれぞれに求めた容量Cx
を指標とすることにより、各プラズマ処理室に対して、
常に同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズ
マ処理結果を得ること、つまり、プラズマ処理室におい
て例えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッ
チングレート等、略均一な膜特性の膜を継続して得るこ
とを可能とするものである。
【0048】また、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムによれば、メーカー等が管理するサーバ
ーを利用することにより、納入先の使用者等が簡便に性
能評価結果を知ることができる。また、本発明に係るプ
ラズマ処理システムの性能管理システムによれば、メー
カー等が管理するサーバーを利用することにより、納入
先の使用者等が簡便に性能評価結果や機差に関する情報
を知ることができる。また、本発明に係るプラズマ処理
装置によれば、容量Cxという、常時確認可能な指標に
より性能を維持されるので、良好なプラズマ処理を行う
ことが可能となる。さらに、本発明に係るプラズマ処理
装置の性能確認システムによれば、販売保守者が管理す
るサーバーを利用することにより、購入発注者が、プラ
ズマ処理装置の動作性能状況を簡便に知ることができ
る。
【0049】従って、何れの発明も、問題のあるプラズ
マ処理作業を行ってしまうことを事前に回避し、良好な
状態にプラズマ処理装置を保つことに寄与するものであ
る。また、プラズマ処理室に対して、常に同一のプロセ
スレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を得る
こと、つまり、プラズマ処理室において例えば成膜をお
こなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、
略均一な膜特性の膜を継続して得ることを可能とするも
のである。なお、プラズマ処理装置が、複数のプラズマ
処理室を有していたり、複数のプラズマ処理装置が結合
してプラズマ処理システムを構成している場合には、各
プラズマ処理室毎にこの容量Cxを求めて指標とするこ
とができる。
【0050】本発明においては、上記高周波電源の接続
された電極と直流的にアースされた各接地電位部との間
の容量(ロス容量)CX を指標とし、さらにこの容量C
X をコントロールすることにより、プラズマ電極容量C
e を容量CX より大きな範囲の値に設定(より具体的に
はプラズマ電極容量Ce の26倍が、容量CX より大き
な範囲の値に設定、あるいは容量Cxの値がプラズマ電
極容量Ce の26倍より小さい値に設定)することが
可能で、高周波電源から供給される電流のうち、電極以
外への分流分をコントロールすることが可能となるた
め、電力を効率よくプラズマ発生空間に導入することが
可能となり、同一周波数を供給した場合に、従来のプラ
ズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的
な電力の増大を図ることができる。その結果、例えば、
膜の積層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ること
ができる。
【0051】ここで、虚数単位をj(j2 =−1)、角
振動数をω(ω=2πfe ;fe は電力周波数)とする
と、電流IはインピーダンスZ(Ω)に反比例し、イン
ピーダンスZは容量Cに対して以下の式(11)、 Z ∝ −j/ωC (11) で示される関係を満たしているため、容量CXを小さく
設定する(ロス容量CXをプラズマ電極容量Ce に対し
て設定する)ことにより、電極間のインピーダンスに比
べて、各接地電位部のインピーダンスが大きくなり、そ
の結果、従来一般的に使用されていた13.56MHz
程度以上の高い周波数の電力を投入した場合であって
も、プラズマ発生空間に投入されるプラズマ電流Ie
増大することが可能となる。
【0052】この容量(ロス容量)CX は、機械的な構
造をその多くの要因としてきまる電気的高周波的な特性
であり、各実機ごとに異なっていると考えられる。上記
の範囲に、このロス容量CX を小さく設定すること(プ
ラズマ電極容量Ce の26倍が、容量CX より大きな範
囲の値に設定すること)により、各実機に対しても、従
来考慮されていなかった部分の全般的な電気的高周波的
特性を設定することが可能となり、プラズマ発生の安定
性を期待することができる。その結果、プラズマ発生空
間に投入されるプラズマ電流Ie に対してプラズマ処理
室(プラズマ処理室ユニット)の他の各接地電位部に分
流してしまうロス電流IX を削減し、プラズマ発生空間
に投入される実効的な電力が目減りすることを防止し、
プラズマ密度が減少することを防止することができる。
従ってこの容量Cxをプラズマ発生の安定性や均一な動
作に密接に関係する評価指標として用いると、的確な性
能評価が可能となるものである。
【0053】また、本発明においては上記プラズマ電極
容量Ce の7倍が、上記容量(ロス容量)CX より大き
な範囲の値に設定されることが好ましく、この範囲に設
定することにより、各接地電位部に分流する高周波電流
の減少を図ることが可能となり、同一のプラズマ処理条
件においては、プラズマ発生空間に投入される実効的な
電力をより一層向上することが可能となり、さらに処理
速度を向上することができる。特に、成膜処理をおこな
う際においては、膜の堆積速度をさらに向上することが
できる。また、プラズマ発生空間に投入される実効的な
電力が向上されることにより、成膜された膜の特性をよ
り向上することができる。例えば、絶縁膜の成膜に際し
ては、膜の絶縁耐圧の向上を図ることが可能となる。同
時に、高周波電源に接続された電極からこの電極と対向
する電極に向かう高周波電流を、これら電極間に収束さ
せることが可能となり、プラズマ発生空間に投入される
実効的な電力が向上されることにより、膜面内方向にお
ける被成膜の均一性を向上することができる、つまり、
膜厚や絶縁耐圧等の膜特性の膜面内方向におけるばらつ
きを減少することが可能となる。
【0054】さらに、本発明においては、上記プラズマ
電極容量Ce の5倍が、上記容量(ロス容量)CX より
大きな範囲の値に設定されてなることが好ましく、この
範囲に設定することにより、同一の条件として、処理速
度、膜の面内方向の均一性、膜特性を得るために必要な
電力を従来に比べて削減することが可能となり、省電力
化をはかり、ランニングコストの低減を図ることができ
る。ここで、成膜時においては、処理速度は堆積速度、
膜の面内方向の均一性としては膜厚や膜特性、膜特性と
しては絶縁耐圧等が対応する。
【0055】ここで、ロス容量CX について説明する。
高周波電源から供給された電流I は、図8に示すよ
うに、プラズマ励起電極により形成されるプラズマ発生
空間に投入されるプラズマ電流Ieと、それ以外の部分
に分流してしまうロス電流IX とに分けられる。このロ
ス電流IX が流入する部分、つまり、高周波電源に接続
された電極およびこの電極と対向する電極の間の容量成
分(プラズマ電極容量Ce )以外の、高周波電源に接続
された電極およびプラズマチャンバにおけるアースされ
た各接地電位部との間に発生する容量成分を総括してロ
ス容量CX とする。
【0056】次に、容量CXを測定するための測定範囲
について説明する。容量CXの測定範囲としては、例え
ば、図1に示すような、上記プラズマを励起するための
電極が平行平板型とされ、この平行平板型の対向する電
極間の容量が上記プラズマ電極容量Ce とされ、この電
極のうち、上記高周波電源の接続された電極が上記プラ
ズマ処理室の蓋体の一部を構成するプラズマ処理装置に
おいては、蓋体において上記整合回路の上記出力端子と
される測定位置PRよりもプラズマ処理室側、つまり、
この測定位置PRから高周波電力配電体,プラズマ励起
電極側のプラズマ処理室の範囲を設定することができ
る。ここで、整合回路は、プラズマ処理室内のプラズマ
状態等の変化に対応してインピーダンスを調整するため
に、その多くは複数の受動素子を 具備する構成とされ
ている。
【0057】図2は整合回路を示す模式図である。例え
ば、整合回路としては、図2に示すように、高周波電源
1とプラズマ放電用の電極4との間に、コイル23とチ
ューニングコンデンサ24とが直列に設けられ、さら
に、高周波電源1には他のロードコンデンサ22が並列
に接続され一端がアースされている構成の整合回路2A
が挙げられる。このような整合回路の受動素子のうち、
出力最終段の受動素子の出力端子位置で切り離す、つま
り、直接電極4側に接続される素子、上記例の場合は、
チューニングコンデンサ24の出力端子位置PRで、整
合回路2Aを切り離した状態で、これよりも先のプラズ
マ処理室部分を上記測定範囲とする。
【0058】図4は測定時における蓋体を示す模式図で
ある。蓋体の全体容量を計測する場合においても同様に
して、図4に示すように、プラズマチャンバから蓋体を
取り外した状態で、この出力端子位置PRから電極4の
容量成分を計測することにより、ロス容量CX を導出す
ることができる。ここで、ロス容量CX は、後述するよ
うに、図5に示すCABC 等の合成容量として求め
ることができる。
【0059】または、上記の測定位置に変えて、測定範
囲としては、図1に示すように、蓋体において上記高周
波電力を供給する際に上記高周波電源および上記整合回
路の上記入力端子に接続される上記高周波電力給電体
(給電線)の上記高周波電源側端部とされる測定位置P
R2よりもプラズマ処理室側、つまり、この測定位置P
R2から高周波電力給電体,整合回路,高周波電力配電
体,プラズマ励起電極側のプラズマ処理室の範囲を設定
することができる。
【0060】または、上記の測定位置に変えて、測定範
囲としては、図1に示すように、蓋体において上記整合
回路の上記入力端子とされる測定位置PR3よりもプラ
ズマ処理室側、つまり、この測定位置PR3から整合回
路,高周波電力配電体,プラズマ励起電極側のプラズマ
処理室の範囲を設定することができる。
【0061】上記各発明において、上記容量Cxの、時
刻t0とその後の時刻t1における値Cx0、Cx1の差ΔC
xの絶対値と比較する所定の値に特に制限はないが、例
えば、Cx0の10%と設定することができる。この場
合、たとえばプラズマCVD装置において、堆積速度の
変動を±5%以内に抑えたり、膜厚や絶縁耐圧等の膜特
性の膜面内方向におけるばらつきを±5%以内に抑える
ことができる。また、より好ましくは、Cx0の3%と設
定することができる。この場合、たとえばプラズマCV
D装置において、堆積速度の変動を±2%以内に抑えた
り、膜厚や絶縁耐圧等の膜特性の膜面内方向におけるば
らつきを±2%以内に抑えることができる。
【0062】また、本発明においては、一つの評価基準
(以下「評価基準1」という。)として、上記高周波電
源の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位
部との間の容量CXの納入後における値Cx1の値が、上
記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプラ
ズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce の2
6倍より小さい範囲であるかどうか(上記高周波電源の
接続された電極と対となり協働してプラズマを発生する
電極との間のプラズマ電極容量Ce の26倍、上記高周
波電源の接続された電極と直流的にアースされた各接地
電位部との間の容量CXより大きな値の範囲であるかど
うか)を用いた。これは、以下の理由による。すなわ
ち、容量CXの納入後における値Cx1の値が、プラズマ
電極容量Ce の26倍より小さい範囲の値(プラズマ電
極容量Ce の26倍が、容量CX より大きな範囲の値)
であれば、高周波電源から供給される電流のうち、電極
以外への分流分を少なくすることが可能となるため、電
力を効率よくプラズマ発生空間に導入することが可能と
なり、同一周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処
理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的な電力
の増大を図ることができる。その結果、例えば、膜の積
層をおこなう際には、堆積速度の向上を図ることができ
る。この容量(ロス容量)CX は、上述したように機械
的な構造をその多くの要因としてきまる電気的高周波的
な特性であり、各実機(各プラズマ処理室あるいは各プ
ラズマ処理装置)ごとに異なっていると考えられる。そ
してこのロス容量CX をもとに性能を評価することによ
り、各実機に対しても、従来考慮されていなかった部分
の全般的な電気的高周波的特性を評価することが可能と
なり、プラズマ発生の安定性を期待しうるかどうかの判
断ができる。その結果、動作安定性の高いプラズマ処理
装置を維持する上で、適切な性能評価方法と性能管理シ
ステムを提供することが可能となる。
【0063】本発明においては、他の評価基準(以下
「評価基準2」という。)として、納入後における値C
e1の値のばらつきCe1rが、所定の値より小さな値の範
囲であるかどうかを用い、また、納入後における値CX1
の値のばらつきCX1rが、所定の値より小さな値の範囲
であるかどうかを用いた。これは、以下の理由による。
すなわち、上記高周波電源の接続された電極と対となり
協働してプラズマを発生する電極との間のプラズマ電極
容量Ce を、複数あるプラズマ処理室のそれぞれにつ
いて測定し、その最大値Ce1maxと最小値Ce1minを求め
る。そして、こららの最大値Ce1maxと最小値Ce1min
を用いて、ばらつきCe1rを以下の式のように定義す
る。 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) このCe1rの値が所定の値より小さい値であれば、複数
のプラズマ処理室に対しプラズマ電極容量Ce等の電気
的高周波的な特性の機差をなくすことが可能となり、こ
れにより、プラズマ電極容量Ceなどを指標とする一定
の管理幅内に複数のプラズマ処理室を設定することが可
能となるので、個々のプラズマ処理室において、プラズ
マ空間で消費される実効的な電力等をそれぞれ略均一に
することができる。また、上記高周波電源の接続された
電極と直流的にアースされた各接地電位部との間の容量
X を、複数あるプラズマ処理室のそれぞれについて測
定し、その最大値CX1maxと最小値CX1minを求める。そ
して、これらの最大値CX1maxと最小値CX1minを用い
て、ばらつきCX1r を以下の式のように定義する。 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+CX1min) このCX1rの値が所定の値より小さい値であれば、複数
のプラズマ処理室に対してロス容量Cx等の電気的高周
波的な特性の機差をなくすことが可能となり、これによ
り、ロス容量CXなどを指標とする一定の管理幅内に複
数のプラズマ処理室を設定することが可能となるので、
個々のプラズマ処理室において、プラズマ空間で消費さ
れる実効的な電力等をそれぞれ略均一にすることができ
る。その結果、複数のプラズマ処理室に対して同一のプ
ロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果を
得ること、つまり、複数のプラズマ処理室において例え
ば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチング
レート等、略均一な膜特性の膜を得ることが可能とな
る。
【0064】また、本発明においては、上記評価基準1
と評価基準2とを組み合わせて用いることができる。こ
の場合、動作安定性の高いプラズマ処理装置を維持する
上で、適切な性能評価方法を提供することが可能となる
と共に、複数のプラズマ処理室に対してプラズマ電極容
量Ce、ロス容量CX等の電気的高周波的な特性の機差が
小さい状況を維持する上で、適切な性能評価方法を提供
することが可能となる。この場合、プラズマ電極容量C
eの、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rと対比
する所定の値に特に制限はないが、例えば、0.1とす
ることができる。また、上記容量CXの、納入後におけ
る値CX1の値のばらつきCX1r と対比する所定の値に
特に制限はないが、例えば、0.1とすることができ
る。この場合、略同一の条件で積層をおこなったプラズ
マ装置において、膜厚のばらつきの値を±5%の範囲に
おさめる等、プラズマ処理の均一性を維持することが可
能になる。
【0065】さらに、上記の所定の値を0.03より小
さい範囲に設定することで、複数のプラズマ処理室に対
してプラズマ電極容量Ce、ロス容量Cx等の電気的高周
波的な特性の機差をなくすことが可能となり、これによ
り、プラズマ電極容量Ce、ロス容量Cxを指標とする一
定の管理幅内に複数のプラズマ処理室を設定することが
可能となるので、個々のプラズマ処理室において、プラ
ズマ空間で消費される実効的な電力をそれぞれ略均一に
することができる。その結果、複数のプラズマ処理室に
対して同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラ
ズマ処理結果を得ること、つまり、複数のプラズマ処理
室において例えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐
圧、エッチングレート等、略均一な膜特性の膜を得るこ
とが可能となる。具体的には、上記のばらつきの値を
0.03より小さい範囲に設定することにより、略同一
の条件で積層をおこなったプラズマ処理室において、膜
厚のばらつきの値を±2%の範囲におさめることができ
る。
【0066】上記本発明に係るプラズマ処理装置の性能
管理システム又はプラズマ処理システムの性能管理シス
テムは、たとえば、プラズマ処理装置又はプラズマ処理
システムのメーカー、流通業者、メンテナンス業者等か
らユーザー等にプラズマ処理装置又はプラズマ処理シス
テムを納入するに際して、搬送元で分解後、納入先に搬
送して、納入先にて再組み立てをするという一連の処理
工程を経た後、あるいは、その後の使用期間中のよう
に、時刻t0からある時間が経過した後の時刻t1 におい
て、プラズマ処理装置の性能が維持されているかどうか
を評価しその性能を管理するシステムである。本管理シ
ステムにおけるサーバーは、プラズマ処理装置又はプラ
ズマ処理システムのメーカー、流通業者、メンテナンス
業者等の搬送元が管理するものであるが、その設置場所
は搬送元に特に限定されない。このサーバーは容量Cx
の分解前の値Cx0を記憶している。そして、この記憶し
たCx0を用いて、搬入先にあるプラズマ処理装置の性能
を評価するものである。また、このサーバーは、プラズ
マ電極容量Ce の分解前の値Ce0も記憶しているのが好
ましい。この場合、この記憶したCe0も用いて、搬入先
にあるプラズマ処理装置の性能を評価できる。
【0067】このCx0等の値は、メーカー等で管理して
いる標準的な容量Cx等の値としても良いが、プラズマ
処理装置あるいはプラズマ処理室の固有番号毎にCx0
やCe0 等の値を記憶することにより、納入先の個別のプ
ラズマ処理装置あるいはプラズマ処理室に対応して、よ
り的確な評価ができる。従って、より精度の高い管理シ
ステムとすることができる。なお、プラズマ処理装置あ
るいはプラズマ処理室の固有番号とは、プラズマ処理装
置あるいはプラズマ処理室を個別に特定できる番号であ
れば特に限定はなく、その形式は数字だけでなく文字等
を含むものであってもよい。例えば、プラズマ処理室を
一つ備えたプラズマ処理装置の場合、当該プラズマ処理
装置の製造番号を、当該プラズマ処理室の固有番号とし
て扱うこともできる。
【0068】サーバーには、納入先に設置された入出力
装置が通信回線で接続されている。この通信回線の媒体
や形式に特に限定はなく、離間した地点におかれたサー
バーと入出力装置との間で信号の授受ができるものであ
ればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回
線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使
用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々
の通信形式を活用できる。また、納入先の入出力装置、
入力装置にも特に限定はなく、パーソナルコンピュー
タ、専用端末機、電話機等を利用する通信回線の種類等
に適応できる範囲で適宜選択できる。なお、評価基準2
を用いる性能管理システムにおける納入先入力装置で
は、少なくとも入力機能が必要で、出力機能は必須では
ないが、出力機能を備えていても差し支えないのはもち
ろんである。
【0069】サーバーは、係る納入先入出力装置から納
入後(あるいは再組み立て後)における値Cx1や、値C
e1を受信する。また、必要に応じてプラズマ処理装置あ
るいはプラズマ処理室の固有番号を受信する。ここで、
納入後とは、再組み立て直後だけでなく、その後の使用
期間中を含むものである。すなわち、サーバーは、納入
先のプラズマ処理装置やプラズマ処理システムの性能を
反映する値Cx1やCe1 を、適宜継続して受信できるもの
である。また、評価基準1を用いる性能管理システムの
場合、このサーバーは上記プラズマ電極容量Ce (特に
e0)とロス容量Cx(特にCx0)を記憶している。そ
して、この記憶したプラズマ電極容量Ce (特に
e0)、ロス容量Cx(特にCx0)を用いて、搬入先に
あるプラズマ処理装置の性能を評価するものである。ま
た、上記サーバーは、納入先入出力装置から、ロス容量
xの納入後における値Cx1や、プラズマ電極容量Ce
納入後における値Ce1を必要に応じて、その値を与える
プラズマ処理装置あるいはプラズマ処理室の固有番号と
共に受信するようにしてもよい。納入先入出力装置から
サーバーに対して、Cx1の値やCe1の値やプラズマ処理
装置あるいはプラズマ処理室の固有番号を送信するため
には、納入先入出力装置に納入先のユーザーや、納入先
を訪問したサービスマン等がこれらの値を手で入力する
ことができるが、この入力作業は適宜自動化や省力化が
可能である。例えば、納入先入出力装置に、プラズマ処
理装置又はプラズマ処理システムに接続された容量を測
定する測定器を接続して、この測定器から上記サーバー
に、Cx1等を直接送信することができる。また、単独の
プラズマ処理室を備えたプラズマ処理装置を単独で使用
する納入先においては、プラズマ処理装置の固有番号を
一度納入先入出力装置に登録し、その後は入力作業を省
略することができる。
【0070】サーバーは、上記容量Cx0、Cx1の値か
ら、内部の演算処理装置を用いてCx0 と、このCx1との
差であるΔCxの絶対値を演算する。そして、その値が
所定の値より小さい値である場合には、所定の性能を維
持している旨の信号を、所定の値以上の値である場合に
は、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々評価
情報として納入先入出力装置に発信する。また、サーバ
ーは、納入後における値Cx1の値と、プラズマ電極容量
e(特に、納入後におけるプラズマ電極容量Ce 1
の値から、内部の演算処理装置を用いてCx1の値と、プ
ラズマ電極容量Ce (特に、納入後におけるプラズマ電
極容量Ce1 )の値を比較し、納入後における値Cx1
値が上記プラズマ電極容量Ce(特に、納入後における
プラズマ電極容量Ce1 )の26倍より小さい値である
場合には、所定の性能を維持している旨の信号を、納入
後における値Cx1の値が上記プラズマ電極容量Ce(特
に、納入後におけるプラズマ電極容量Ce1 )の26倍
以上の値である場合には、所定の性能を維持していない
旨の信号を、各々納入先入出力装置に発信する。すなわ
ち、納入先入出力装置は評価情報を受信することがで
き、これにより、納入先においてプラズマ処理装置ある
いはプラズマ処理室の性能評価結果を把握することが可
能となる。なお、納入先入出力装置は、評価情報を表示
器に表示したり、プリントアウトしたり、あるいは警報
信号を発する等、適宜の方法で評価情報をユーザー等に
伝達することができる。
【0071】この場合のサーバーは、また、搬送元にお
いて出力装置を備え、ΔCxの絶対値が所定の値を超え
る場合に、上記出力装置から、評価情報として保守作業
命令を出力することができる。この場合、対応するプラ
ズマ処理室の固有番号も併せて出力することが望まし
い。これにより、納入先のプラズマ処理装置やプラズマ
処理システムの不具合を搬送元においていち早く把握
し、直ちに保守サービスを提供することができる。ま
た、サーバーは、また、搬送元において出力装置を備
え、納入後における値Cx1の値が上記プラズマ電極容量
eの26倍以上の値である場合に、上記出力装置か
ら、評価情報として保守作業命令を出力することができ
る。なお、サーバーが搬送元におかれていない場合に
は、サーバーと出力装置との間には任意の通信回線が使
用される。
【0072】サーバーが、納入先入出力装置と搬送元の
出力装置との双方に評価情報を提供する場合、両評価情
報の基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくとも
よい。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報に
ついては、所定の値をCxの10%とし、この値を越え
たときに所定の性能を維持していない旨の信号を発信
し、一方、搬送元の出力装置には、所定の値をCxの3
%として、この値を越える場合に保守作業命令を出力す
るようにしても良い。このように、搬送元の出力装置に
対して、納入先入出力装置に対するよりも厳しい評価基
準に基づき保守作業命令が出される場合には、納入先の
プラズマ処理装置の性能が大きく変動する以前に搬送元
による保守サービスを行うことができる。すなわち、よ
り先手を打った保守体制を確立することができる。
【0073】上記本発明に係る他のプラズマ処理装置の
性能管理システムもまた、たとえば、プラズマ処理装置
のメーカー、流通業者、メンテナンス業者等からユーザ
ー等にプラズマ処理装置を納入するに際して、搬送元で
分解後、納入先に搬送して、納入先にて再組み立てをす
るという一連の処理工程を経た後、あるいは、その後の
使用期間中のように、時刻t0からある時間が経過した
後の時刻t1において、プラズマ処理装置の性能が維持
されているかどうかを評価しその性能を管理するシステ
ムである。本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理シ
ステムの特徴が、先のプラズマ処理装置の性能管理シス
テムの特徴と異なる点は、サーバーが、各々所定の値の
範囲によって決められた故障レベルに対応して登録され
たサービスエンジニアの情報とを記憶すると共に、搬送
元における出力装置を備える点である。そして、サーバ
ーが、ΔCxの絶対値を演算した後、その値が、何れか
の故障レベルの所定の値の範囲である場合には、上記出
力装置から、当該故障レベルと、当該故障レベルに対応
して登録されたサービスエンジニアの情報と共に、保守
作業命令を出力するという処理を行う点にある。
【0074】この性能管理システムの場合、搬送元で
は、保守作業命令が出力されると共に、どの程度の故障
レベルかや、その故障レベルに応じてランク分けされた
サービスエンジニアの情報も出力される。そのため、こ
の本発明に係る他のプラズマ処理装置の性能管理システ
ムによれば、遠隔地に納入したプラズマ処理装置であっ
ても、搬送元において、その故障レベルを把握すること
ができる。そして、その故障レベルに応じて、教育訓練
度合の異なるサービスエンジニアを派遣することができ
る。従って、人材活用が合理化できると共に、迅速、か
つ、的確なサポートが可能となる。すなわち、装置納入
後のフィールドサポート体制の合理化が可能となるもの
である。
【0075】評価基準2を用いる性能管理システムの場
合、サーバーは出力装置を備えている。この出力装置の
設置場所に特に限定はないが、搬送元、メーカー、サー
ビスセンター等、納入先に対する保守サービスを提供す
る場所ににおかれていることが望ましい。サーバーと出
力装置とが遠隔地におかれている場合には、両者の間に
は任意の通信回線が使用される。そして、このサーバー
は、評価基準2を用いて、搬入先にあるプラズマ処理装
置の性能を評価すると共に、望ましくない評価結果を得
た場合には、出力装置から保守作業命令を、その評価結
果に用いられた最大値Ce1max又は最小値Ce1min や最大
値CX1max又は最小値CX1minを与えたプラズマ処理室の
固有番号と共に出力するものである。
【0076】この場合、サーバーは評価基準2による評
価を行うために、納入先入力装置から高周波特性として
のロス容量CXの納入後における値CX1 やプラズマ電
極容量Ce の、納入後における値Ce1を受信する。ここ
で、納入後とは、再組み立て直後だけでなく、その後の
使用期間中を含むものである。すなわち、サーバーは、
納入先のプラズマ処理装置やプラズマ処理システムの性
能を反映するCe1値や、このCe1と全体容量CTから算
出できるCx1を適宜継続して受信できるものである。ま
た、上記サーバーは、納入先入力装置から、高周波特性
としてのCXの納入後における値CX1や、プラズマ電極
容量Ce の納入後における値Ce1と共に、その値を与え
るプラズマ処理室あるいはプラズマ処理装置の固有番号
も受信する。
【0077】サーバーは、プラズマ処理装置全体、又は
プラズマ処理システム全体におけるプラズマ処理室のC
X1を総て受信すると、それらの値の中から、最大値C
X1max と最小値CX1minと、これらに対応する固有番号を
特定する。そして、 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+CX1min) との定義に従い、ばらつきCX1rを求め、その値が所定
の値以上の場合に、上記出力装置から、保守作業命令を
当該最大値CX1max又は最小値CX1minを与えたプラズマ
処理室あるいはプラズマ処理装置の固有番号と共に出力
する。また、サーバーは、プラズマ処理装置全体、又は
プラズマ処理システム全体におけるプラズマ処理室のC
e1を総て受信すると、それらの値の中から、最大値C
e1 maxと最小値Ce1minと、これらに対応する固有番号
を特定する。そして、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) との定義に従い、ばらつきCe1rを求め、その値が所定
の値以上の場合に、上記出力装置から、保守作業命令を
当該最大値Ce1max又は最小値Ce1minを与えたプラズマ
処理室あるいはプラズマ処理装置の固有番号と共に出力
する。これにより、納入先のプラズマ処理装置やプラズ
マ処理システムの不具合を搬送元等のサービス提供者側
でいち早く把握し、直ちに保守サービスを提供すること
ができる。なお、各プラズマ処理室のCX1は、対応する
プラズマ処理室のCe と全体容量CTから計算することが
できる。
【0078】また、本発明のプラズマ処理装置の性能確
認システムにおいて、販売保守者がアップロードした各
プラズマ処理室ユニットの動作性能状況を示す性能状況
情報に対して、購入発注者が情報端末から公衆回線を介
して閲覧を可能とすることにより、購入発注者に対し
て、購入後の使用時における、プラズマ処理装置の動作
性能・保守情報を容易に提供することが可能となる。ま
た、上記性能状況情報が、上述したようにプラズマ処理
装置に対する性能パラメータとしてのプラズマ電極容量
xと、上記高周波電源の接続された電極と対となり協
働してプラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容
量Ce を含むことにより、購入発注者のプラズマ処理装
置に対する性能判断材料を提供することが可能となる。
さらに、上記性能状況情報を、カタログまたは仕様書と
して出力することができる。
【0079】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプラズマ処理
装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は本実施形態のプラズマ処理装置
の概略構成を示す断面図、図2は図1におけるプラズマ
処理装置の整合回路を示す模式図、図3は図1における
蓋体を示す模式図である。
【0080】本実施形態のプラズマ処理装置は、CVD
( chemical vapor deposition)、ドライエッチング、
アッシング等のプラズマ処理をおこなう1周波数励起タ
イプのプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)7
5とされ、プラズマを励起するための平行平板型電極
4,8が設けられ、この電極4に接続された高周波電源
1と、プラズマチャンバ75と高周波電源1とのインピ
ーダンス整合を得るための整合回路2Aとを具備する構
成とされる。同時に、本実施形態のプラズマ処理装置
は、後述するように、平行平板型電極4,8のプラズマ
電極容量Ce の26倍が、上記高周波電源の接続された
電極と直流的にアースされた各接地電位部との間の容量
(ロス容量)CX より大きな範囲の値に設定されて設
計、製造されている。そして、分解搬送後、納入先にお
いて再組み立てした後においても、さらに、その後の使
用期間においても、その時のCX1(時刻t0の後の時刻
1における上記高周波電源の接続された電極と直流的
にアースされた各接地電位部との間のロス容量の値)
が、CX1と、CX0(時刻t0における上記高周波電源の
接続された電極と直流的にアースされた各接地電位部と
の間のロス容量の値) との差ΔCXの絶対値がCX0の1
0%より小さい値となるように維持されている。
【0081】さらに詳細に説明すると、本実施形態のプ
ラズマ処理装置は、プラズマチャンバ75は、図1〜図
3に示すように、チャンバ室(プラズマ処理室)60の
上部位置に高周波電源1に接続されたプラズマ励起電極
(電極)4およびシャワープレート5が設けられ、チャ
ンバ室60の下部にはシャワープレート5に対向して被
処理基板16を載置するサセプタ電極(対向電極)8が
設けられている。プラズマ励起電極4は、給電板(高周
波電力配電体)3,整合回路2A,高周波電力供給電体
(給電線)1Aを介して高周波電源1と接続されてい
る。これらプラズマ励起電極4および給電板3は、シャ
ーシ21に覆われるとともに、整合回路2Aは導電体か
らなるマッチングボックス2の内部に収納されている。
給電板3としては、例えば、幅50〜100mm、厚さ
0.5mm、長さ100〜300mmの形状を有する銅
の表面に銀めっきを施したものが用いられており、この
給電板3は後述する整合回路2Aのチューニングコンデ
ンサ24の出力端子、およびプラズマ励起電極4にそれ
ぞれネジ止めされている。
【0082】また、プラズマ励起電極(カソード電極)
4の下側には凸部4aが設けられるとともに、このプラ
ズマ励起電極(カソード電極)4の下には、多数の孔7
が形成されているシャワープレート5が凸部4aに接し
て設けられている。これらプラズマ励起電極4とシャワ
ープレート5との間には空間6が形成されている。この
空間6にはガス導入管17が接続されている。このガス
導入管17は、導体からなるとともに、ガス導入管17
の途中には絶縁体17aがシャーシ21内側位置に介挿
されてプラズマ励起電極4側とガス供給源側とが絶縁さ
れる。
【0083】ガス導入管17から導入されたガスは、シ
ャワープレート5の多数の孔7,7からチャンバ壁10
により形成されたチャンバ室60内に供給される。チャ
ンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とは
絶縁体9により互いに絶縁されている。また、図2にお
いて、チャンバ室60に接続される排気系の図示は省略
してある。一方、チャンバ室60内には基板16を載置
しプラズマ励起電極ともなる盤状のウエハサセプタ(サ
セプタ電極)8が設けられている。
【0084】チャンバ壁10の上端部分は、その全周に
わたってチャンバ壁上部10aとして分離可能とされて
おり、このチャンバ壁上部10aとチャンバ壁10との
間には図示しないOリング等の密閉手段が設けられてチ
ャンバ室60内部の密閉を維持可能となっている。この
チャンバ壁上部10aはシャーシ21側壁の下端部と接
続されており、チャンバ壁上部10aとシャーシ21は
直流的に同電位となっている。図3に示すように、チャ
ンバ壁上部10a,プラズマ励起電極4,シャワープレ
ート5,絶縁体9,シャーシ21,ガス導入管17は、
一体として,チャンバ壁10,サセプタ電極8等の下部
構造から分離可能とされる蓋体19を構成しており、蓋
体19は例えば図示しないヒンジ等の開放手段により、
チャンバ壁10に対して回動してチャンバ室60を開放
可能な構造とされている。
【0085】サセプタ電極(対向電極)8の下部中央に
は、シャフト13が接続され、このシャフト13がチャ
ンバ底部10Aを貫通して設けられるとともに、シャフ
ト13の下端部とチャンバ底部10A中心部とがベロー
ズ11により密閉接続されている。これら、ウエハサセ
プタ8およびシャフト13はベローズ11により上下動
可能となっており、電極4,8間の距離の調整ができ
る。これらサセプタ電極8とシャフト13とが接続され
ているため、サセプタ電極8,シャフト13,ベローズ
11,チャンバ底部10A,チャンバ壁10,チャンバ
壁上部10aは直流的に同電位となっている。さらに、
チャンバ壁10とチャンバ壁上部10aとシャーシ21
は接続されているため、チャンバ壁10,チャンバ壁上
部10a,シャーシ21,マッチングボックス2はいず
れも直流的に同電位となっている。
【0086】ここで、整合回路2Aは、チャンバ室60
内のプラズマ状態等の変化に対応してインピーダンスを
調整するために、その多くは複数の受動素子を具備する
構成とされている。整合回路2Aは、図1,図2に示す
ように、複数の受動素子として、高周波電源1と給電板
3との間に、コイル23とチューニングコンデンサ24
とが直列に設けられ、これらコイル23とチューニング
コンデンサ24とには、並列にロードコンデンサ22が
接続され、このロードコンデンサ22の一端はマッチン
グボックス2に接続されている。ここで、チューニング
コンデンサ24は給電板3を介してプラズマ励起電極4
に接続されている。マッチングボックス2は、同軸ケー
ブルとされる給電線(高周波電力供給電体)1Aのシー
ルド線に接続されており、このシールド線が直流的にア
ースされている。これにより、サセプタ電極8,シャフ
ト13,ベローズ11,チャンバ底部10A,チャンバ
壁10,シャーシ21,マッチングボックス2は接地電
位に設定されることになり、同時に、ロードコンデンサ
22の一端も直流的にアースされた状態となる。
【0087】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ7
5におけるプラズマ電極容量Ce とロス容量CX につい
て説明する。図4はプラズマチャンバ75のロス容量C
X を説明するための模式図であり、図5は、図4の等価
回路を示す回路図である。
【0088】プラズマ電極容量Ce は、平行平板型とさ
れるプラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間の容量
であり、電極4,8の面積とこれら電極4,8間の距離
とにより規定される。一方、ロス容量CX は、プラズマ
励起電極4からサセプタ電極8以外に流れる電流に対す
る容量成分の総和であり、すなわち、プラズマ励起電極
4と、直流的にアースされた各接地電位部との間の容量
である。ここで、各接地電位部とは、サセプタ電極8以
外のアース電位にあるプラズマチャンバ75の各部であ
り、シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部10
A,チャンバ壁10,チャンバ壁上部10a,シャーシ
21,マッチングボックス2,ガス導入管17,を意味
するものであるが、ロス容量CX としてプラズマ励起電
極4に対向する部分として、具体的には図4に示すよう
に、ガス導入管17,シャーシ21,チャンバ壁上部1
0aを考慮する。すると、ロス容量CX としては、絶縁
体17aを挟んだプラズマ励起電極4とガス導入管17
との間の容量CA 、プラズマ励起電極4とシャーシ21
との間の容量CB 、プラズマ励起電極4とチャンバ壁上
部10aとの間の容量CC の和として定義される。つま
り、図4に示すように、蓋体19をプラズマチャンバ7
5から電気的に分離した状態において、この蓋体19に
おけるプラズマ励起電極4からサセプタ電極8以外に流
れる電流に対する容量成分の和をロス容量CX と見なす
ことができる。
【0089】実際には、図3に示すように、チャンバ壁
10から分離した蓋体19において上記整合回路2Aの
出力端子とされる測定位置PRから測定した容量がロス
容量CX とされる。ここで、「分離」とはヒンジ等によ
り蓋体19を回動させること等によりチャンバ室60を
開放した状態を示しており、これは、蓋体とチャンバ壁
10とが物理的に接続されていないことも含んでいる
が、主に、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との容
量が非計測状態となっていることを意味するものであ
る。本実施形態における蓋体19における測定範囲とし
ては、整合回路2Aの受動素子のうち出力最終段の受動
素子の出力端子位置で切り離した状態をその対象とす
る。つまり、図4に示すように、給電板3に接続される
チューニングコンデンサ24の出力端子位置PRで、給
電板3と整合回路2Aの端子との接合部つまりネジ止め
を外して整合回路2Aを切り離した状態の蓋体19を測
定範囲とする。
【0090】そして図4に破線で示すように、高周波特
性測定器ANのプローブ105を、切り離した出力端子
位置PRおよび蓋体19の例えばシャーシ21とされる
アース位置に接続する。このプローブ105は、図4に
示すように、導線110上に絶縁被覆112を設け、こ
の絶縁被覆112上に外周導体111を被覆してなるも
のである。このプローブ105は同軸ケーブルを通して
インピーダンス測定器(高周波特性測定器)ANに接続
されている。ここで、プローブ105は、導線110を
出力端子位置PRに、また、外周導体111をシャーシ
21の上面中央とされるアース位置に接続する。なお、
本実施形態では高周波特性測定器ANとして、インピー
ダンス測定器を用いたが、測定周波数固定のLCRメー
ターや、容量測定機能付きのテスタを用いてもよい。こ
れにより、図5に示すように、ロス容量CX として、以
下の電気的高周波的要因が計測できる。絶縁体17aを
挟んだプラズマ励起電極4とガス導入管17との間の容
量CAプラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量
Bプラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間
の容量CC
【0091】本実施形態のプラズマチャンバ75におい
ては、このように定義されたロス容量CX とプラズマ電
極容量Ce とが、プラズマ電極容量Ce の26倍が、ロ
ス容量CX より大きな範囲の値になるように設定する。
ここで、ロス容量CX とプラズマ電極容量Ce とが上記
の関係を満たすように設定する方法としては、例えば、 プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との距離、面積
等を調整する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとのオー
バーラップ面積を調整する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の
絶縁材の材質を調節する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の
絶縁材の厚さを調整する。 プラズマ励起電極4とシャーシ21との距離、面積等
を調整する。 ガス導入管17に挿入した絶縁体17aの材質を調整
する。 ガス導入管17に挿入した絶縁体17aの長さを調整
する。 等の手法を適用することができる。
【0092】本実施形態のプラズマ処理装置(プラズマ
チャンバ)75においては、蓋体19をチャンバ壁10
に接続するとともに、整合回路2A,マッチングボック
ス2,給電線1A,高周波電源1をそれぞれ所定の場所
に接続し、高周波電源1により13.56MHz程度以
上の周波数の電力、具体的には、例えば13.56MH
z,27.12MHz,40.68MHz等の周波数の
電力を投入して、両電極4,8の間でプラズマを生成
し、このプラズマにより、サセプタ電極8に載置した基
板16にCVD( chemical vapor deposition)、スパ
ッタリング、ドライエッチング、アッシング等のプラズ
マ処理をおこなうことができる。このとき、高周波電力
は、高周波電源1から給電線1Aの同軸ケーブル,整合
回路2A,給電板3,プラズマ励起電極(カソード電
極)4に供給される。一方、高周波電流の経路を考えた
場合、電流はこれらを介してプラズマ空間(チャンバ室
60)を経由した後、さらにもう一方の電極(サセプタ
電極)8,シャフト13,ベローズ11,チャンバ底部
10A,チャンバ壁10,チャンバ壁上部10aを通
る。その後、シャーシ21,マッチングボックス2,給
電線1Aのシールド線を通り、高周波電源1のアースに
戻る。
【0093】ここで、プラズマ発光時に供給される高周
波電流が流れる回路に対して、考慮される電気的高周波
的要因は、図6,図7に示すように、上記測定範囲のう
ち、以下のものが考えられる。 給電板(フィーダ)3のインダクタンスLf および抵抗
f プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ
電極容量Ce シャフト13のインダクタンスLC および抵抗RC ベローズ11のインダクタンスLB および抵抗RB チャンバ壁10のインダクタンスLA および抵抗RA 絶縁体17aを挟むガス導入管17とプラズマ励起電極
4との間の容量CA プラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量CB プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の容
量CC
【0094】これらの電気的高周波的要因が、図5に示
すように、給電板(フィーダ)3のインダクタンスLf
および抵抗Rf 、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8
との間のプラズマ電極容量Ce 、シャフト13のインダ
クタンスLC および抵抗RC、ベローズ11のインダク
タンスLB および抵抗RB 、チャンバ壁10のインダク
タンスLA および抵抗RA 、が順に直列に接続されてそ
の終端の抵抗RA がアースされるとともに、抵抗Rf
プラズマ電極容量Ce との間に、容量CA ,容量CB
容量CC の一端がアースされた状態でそれぞれ並列に接
続された等価回路を形成しており、この等価回路におい
て、高周波電源1から供給された電流I は、概略、
図8に示すように、プラズマ電極容量Ceに投入される
プラズマ電流Ieと、それ以外の部分に分流してしまう
ロス電流IX とに分けられる。 I =Ie+IX (14)
【0095】プラズマチャンバ75の回路においては、
上述のように、プラズマ電極容量Ce の26倍が、ロス
容量CX より大きな範囲の値になるように設定されてい
ることにより、プラズマ励起電極4,サセプタ8間のイ
ンピーダンスに比べて、プラズマ励起電極4,各接地電
位部17,21,10aのインピーダンスが大きくな
る。これは、虚数単位をj(j2 =−1)、角振動数を
ω(ω=2πfe ;feは電力周波数)とすると、イン
ピーダンスZ(Ω)が容量Cに対して以下の式(1
1)、 Z ∝ −j/ωC (11) で示される関係を満たしているため、容量を定義するこ
とにより、上記の様にインピーダンスを設定することが
可能なためである。その結果、電流Iはインピーダンス
Z(Ω)に反比例するために、プラズマ電流Ieに比べ
てロス電流IX の分流が増加することを抑制することが
できる。従来一般的に使用されていた13.56MHz
程度以上の高い周波数fe の電力を投入した場合であっ
ても、プラズマ発生空間に投入されるプラズマ電流Ie
を増大することが可能となる。
【0096】そして、 上記のように定義されたロス容
量CXがプラズマ電極容量Ce の26倍より小さい範囲
の値に設定されてなる(プラズマ電極容量Ce の26倍
が、ロス容量CX より大きな範囲の値に設定されてな
る)ことにより、高周波電源1から供給される電流I
のうち、電極4,8以外への分流分をコントロールする
ことが可能となるため、電力を効率よくチャンバ室60
のプラズマ発生空間に導入することが可能となり、同一
周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比
べてプラズマ空間で消費される実効的な電力の上昇を図
ることができる。その結果、膜の積層をおこなう際に
は、堆積速度の向上を図ることを可能とすることができ
る。上記の範囲に、プラズマ電極容量Ce ,ロス容量C
X を設定することにより、各実機に対しても、従来考慮
されていなかった部分の全般的な電気的高周波的特性を
設定することが可能となり、プラズマ発生の安定性を期
待することができる。その結果、動作安定性の高いプラ
ズマ処理装置を提供することが可能となる。その結果、
プラズマ発生空間に投入されるプラズマ電流Ie に対し
てプラズマチャンバ(プラズマ処理室ユニット)の他の
各接地電位部に分流してしまうロス電流IX を削減し
て、プラズマ発生空間に投入される電力が目減りするこ
とを防止し、同一周波数を供給した場合に、従来のプラ
ズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費される実効的
な電力の上昇を図ることができる。
【0097】さらに、プラズマ空間で消費される実効的
な電力の上昇により、被処理基体16における膜面内方
向におけるプラズマ処理の均一性の向上を図ることがで
き、成膜処理においては膜厚の膜面内方向分布の均一性
の向上を図ることが可能となる。同時に、プラズマ空間
で消費される実効的な電力の上昇により、プラズマCV
D、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜状
態の向上、すなわち、堆積した膜における絶縁耐圧や、
エッチング液に対する耐エッチング性、そして、いわゆ
る膜の「固さ」つまり膜の緻密さ等の膜特性の向上を図
ることが可能となる。ここで、膜の緻密さは例えば、B
HF液によるエッチングに対する浸食されにくさ、耐エ
ッチング性によって表現可能である。
【0098】さらに、同一周波数を供給した場合に、従
来のプラズマ処理装置と比べてプラズマ空間で消費され
る実効的な電力の上昇を図ることができるため、電力の
消費効率を向上し、同等の処理速度もしくは膜特性を得
るために、従来より少ない投入電力ですむようにでき
る。したがって、電力損失の低減を図ること、ランニン
グコストの削減を図ること、生産性の向上を図ることが
できる。同時に、処理時間を短縮することが可能となる
ため、プラズマ処理時において放出される二酸化炭素の
総量を削減することが可能となる。
【0099】そして、プラズマ電極容量Ce の26倍
が、上記のように定義された容量(ロス容量)CX より
大きな範囲の値になるようにCe0 が設定されて設計、
製造されている。そして、本プラズマ処理装置が分解搬
送後、納入先において再組み立てした後においても、さ
らに、その後それが使用され被処理物のプラズマ処理が
行われても、さらには、分解掃除、部品交換、組み立て
調整等の調整作業が施されても、その時のCX1(時刻t
0の後の時刻t1における上記高周波電源の接続された電
極と直流的にアースされた各接地電位部との間のロス容
量の値)が、CX1 と、CX0(時刻t0における上記高周
波電源の接続された電極と直流的にアースされた各接地
電位部との間のロス容量の値) との差ΔCXの絶対値が
X0の10%より小さい値となるように維持されてい
る。そのために、もし、ΔCXの絶対値がCx0の10%
以上となった場合は是正作業が行われる。ここで、上記
X1を是正する方法としては、例えば、 プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との距離、面積
等を調整する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとのオー
バーラップ面積を調整する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の
絶縁材の材質を調節する。 プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の
絶縁材の厚さを調整する。 プラズマ励起電極4とシャーシ21との距離、面積等
を調整する。 ガス導入管17に挿入した絶縁体17aの材質を調整
する。 ガス導入管17に挿入した絶縁体17aの長さを調整
する。 等の手法を適用することができる。
【0100】本実施形態のプラズマ処理装置において
は、分解、搬送、再組み立て、その後の使用(プラズマ
処理)、あるいは調整作業が施された後においても、C
X1が、CX1とCX0との差ΔCXの絶対値がCX0の10%
より小さい値となるように維持されている。そのため、
ある時間が経過する間に、上記のような電気的高周波的
な特性に影響を与える可能性のある事象があった場合に
も、その時間の前後で、電気的高周波的な特性の差をな
くすことが可能となり、これにより、ロス容量CXを指
標とする一定の管理幅内に本装置のプラズマチャンバ7
5の状態を維持することが可能となるので、プラズマ空
間で消費される実効的な電力等をそれぞれ略均一に維持
することができる。
【0101】その結果、上記のような電気的高周波的な
特性に影響を与える可能性のある事象があった場合に
も、その時間の前後で同一のプロセスレシピを適用し
て、略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、プ
ラズマチャンバ75において例えばある時間を隔てて成
膜をおこなった際に、経過した時間の前後で、膜厚、絶
縁耐圧、エッチングレート等、略同等な膜特性の膜を得
ることが可能となる。具体的には、上記のΔCxの絶対
値がCx0の10%より小さい値に維持することにより、
時間の経過にかかわらず、すなわち、分解、搬送、再組
み立てや使用回数、調整作業等の存在にかかわらず、略
同一の条件で積層をおこなったプラズマチャンバCNに
おいて、堆積速度の変動を5%以内に抑えたり、膜厚や
絶縁耐圧等の膜特性の膜面内方向におけるばらつきを5
%以内に抑えることができる。そのため、従来考慮され
ていなかったプラズマ処理装置の全般的な電気的高周波
的特性を設定することが可能となり、プラズマ発生の安
定性を期待することができる。その結果、動作安定性が
高く、プラズマチャンバ75で均一な動作が期待できる
プラズマ処理装置を提供することが可能となる。さら
に、プラズマ処理室60を複数備えたプラズマ処理装
置、あるいはプラズマ処理装置(プラズマチャンバ)7
5を複数備えたプラズマ処理システムとして構成した場
合には、複数のプラズマ処理室60や、複数のプラズマ
チャンバ75間においても、同一のプロセスレシピを適
用して、略同一のプラズマ処理結果が得られる状態を維
持することが可能となる。これにより、膨大なデータか
ら外部パラメータと実際の基板を処理するような評価方
法による処理結果との相関関係によるプロセス条件の把
握を不必要とすることができる。
【0102】したがって、処理のばらつきをなくし同一
のプロセスレシピにより略同一の処理結果を得るために
必要な調整時間を、被処理基板16への実際の成膜等に
よる検査方法を採用した場合に比べて、ロス容量(高周
波電源の接続された電極と直流的にアースされた各接地
電位部との間の容量)CXを測定することにより、大幅
に短縮することができる。しかも、処理をおこなった基
板の評価によりプラズマ処理装置の動作確認および、動
作の評価をおこなうという2段階の方法でなく、ダイレ
クトにプラズマ処理装置の評価を、しかも、プラズマ処
理装置のプラズマチャンバ75が設置してある場所で短
時間におこなうことが可能である。その上、被処理基板
16への実際の成膜等による検査方法を採用した場合、
別々に行うしかなかった複数のプラズマ処理室60や、
複数のプラズマチャンバ75を有するプラズマ処理装置
の場合についても、結果をほぼ同時に得ることができ
る。このため、製造ラインを数日あるいは数週間停止し
てプラズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をす
る必要がなくなり、製造ラインとしての生産性を向上す
ることができる。また、このような調整に必要な検査用
基板等の費用、この検査用基板の処理費用、および、調
整作業に従事する作業員の人件費等、コストを削減する
ことが可能となる。
【0103】なお、図9に示すように、それぞれのイン
ピーダンスが一致する複数本の導線101a〜101h
の一端をプローブ取付具104に接続してなるフィクス
チャを使用してプラズマチャンバ75の蓋体19におけ
る高周波数特性としてロス容量CX を測定することも可
能である。プローブ取付具104は、例えば50mm×
10mm×0.5mmの銅板を、締め付け部106とリ
ング部とができるように成形されている。リング部は上
記高周特性測定器ANのプローブ105の外側にはめ込
み可能な径とされる。このプローブ取付部104に導線
101a〜101hの一端をハンダ付けなどにより電気
的に接続する。導線101a〜101hの他端には、測
定対象(プラズマチャンバ75)との着脱用の端子(圧
着端子)102a〜102hが取り付けられている。こ
のフィクスチャを使用するに際してはプローブ取付具1
04のリング状部をプローブ105にはめ込み、締め付
け部106で締め付けを行う。一方各導線101a〜1
01hは略点対称となるように圧着端子102a〜10
2hにおいて測定対象に、図10に示すように、ねじ1
14により着脱自在にねじ止めする導体101a〜10
1hは、例えばアルミニウム、銅、銀、金により構成す
ればよく、または、銀、金を50μm以上メッキして構
成してもよい。
【0104】このようなフィクスチャを使用して容量C
Xを測定する方法を、図1、図9、及び図10を用いて
説明する。まず測定するプラズマチャンバ75におい
て、高周波電源1とマッチングボックス2をプラズマチ
ャンバ75から取り外す。そして、蓋体19を測定範囲
とする場合に、この蓋体19をチャンバ壁10から取り
外す。測定具ANのプローブ105の導線110を給給
電板3に接続する。次いでフィクスチャの導線101a
〜101hに接続する圧着端子102a〜102hをプ
ラズマチャンバ75(蓋体19)のシャーシ21に給電
板3を中心とする略点対称となるようにネジ114によ
ってネジ止めする。フィクスチャをこのように配置した
後、測定信号を測定具ANの導線110に供給し、プラ
ズマチャンバ75(蓋体19)の給電板3からプラズマ
空間(プラズマ処理室)60を経てシャーシ21に至る
経路のインピーダンスを測定する。これにより、測定対
象の大きさ、あるいは、測定する2点間の距離に制約を
与えることなく、かつ、測定対象に均一に電流を流すこ
とができ、測定対象のインピーダンスを測定するのに影
響を及ぼさない残留インピーダンス値を設定し、より正
確にインピーダンス測定をおこなうことができる。従っ
て、高周波数特性としてのプラズマ電極容量Ce および
ロス容量CX をより正確に測定することができる。ま
た、本実施形態のプラズマ処理装置は、高周波特性全般
でなく、特に、容量に着目しているので、安価な測定器
の利用が可能である。
【0105】なお、本実施形態においては、プラズマチ
ャンバ75において、サセプタ電極側8に基板16を載
置してプラズマ励起電極4に対するプラズマ電極容量C
e およびロス容量CX を設定したが、カソード電極4側
に基板16を取り付けるよう対応することも可能であ
る。
【0106】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の第
2実施形態を、図面に基づいて説明する。 [第2実施形態]図11は本実施形態のプラズマ処理室
ユニット(プラズマチャンバ)の概略構成を示す断面
図、図12は図11における蓋体を示す模式図である。
【0107】本実施形態のプラズマ処理室ユニットは、
2周波励起タイプのプラズマ処理装置とされ、図1〜図
4に示した第1実施形態のプラズマチャンバ75と異な
るのはサセプタ電極8側にも高周波電力を供給する点、
高周波特性測定用端子61およびその付近の構成に関す
る点、および、プラズマ電極容量Ce ,ロス容量CX
設定に関する点である。それ以外の対応する構成要素に
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0108】本実施形態のプラズマチャンバ95は、図
11に示すように、サセプタ電極8の周囲にサセプタシ
ールド12が設けられ、ウエハサセプタ8およびサセプ
タシールド12は、これらの隙間がシャフト13の周囲
の設けられた電気絶縁物からなる絶縁手段12Cによっ
て真空絶縁されるとともに電気的にも絶縁されている。
また、ウエハサセプタ8およびサセプタシールド12
は、ベローズ11により上下動可能に構成されている。
この構成により、プラズマ励起電極4とサセプタ電極8
との間の距離が調整可能となっている。また、サセプタ
電極8は、シャフト13下端に接続された給電板28、
および、導電体からなるサセプタ電極側マッチングボッ
クス26内部に収納された整合回路25を介して第2の
高周波電源27と接続されている。給電板28は、サセ
プタシールド12の支持筒12B下端に接続されたシャ
ーシ29に覆われており、このシャーシ29は、同軸ケ
ーブルとされる給電線27Aのシールド線によって接続
されたマッチングボックス26とともにアースされてい
る。これにより、サセプタシールド12,シャーシ2
9,マッチングボックス26は直流的に同電位となって
いる。
【0109】ここで、整合回路25は、第2の高周波電
源27とサセプタ電極8との間のインピーダンスの整合
を図るものとされ、この整合回路25としては、図11
に示すように、複数の受動素子として、第2の高周波電
源27と給電板28との間に、チューニングコイル30
とチューニングコンデンサ31とが直列に設けられ、こ
れらと並列にロードコンデンサ32が接続され、このロ
ードコンデンサ32の一端はマッチングボックス26に
接続されており、上記整合回路2Aと略同様の構成とさ
れている。マッチングボックス26は給電線27Aのシ
ールド線を介して接地電位に設定されており、同時に、
ロードコンデンサ32の一端がアースされている。な
お、チューニングコイル30と直列にチューニングコイ
ルを接続することや、ロードコンデンサ32と並列にロ
ードコンデンサを設けることも可能である。給電板28
としては給電板3と同様なものが適用され、この給電板
28は整合回路25からの端子およびシャフト13にそ
れぞれネジ止めされている。
【0110】本実施形態のプラズマチャンバ95は、平
行平板型電極4,8のプラズマ電極容量Ce の5倍が、
ロス容量CX より大きな範囲の値になるように、CX0
が設定されて設計、製造されている。そして、分解搬送
後、納入先において再組み立てした後においても、さら
に、その後の使用期間においても、その時のCX1(時刻
0の後の時刻t1における上記高周波電源の接続された
電極と直流的にアースされた各接地電位部との間のロス
容量の値)が、CX1と、CX0(時刻t0における上記高
周波電源の接続された電極と直流的にアースされた各接
地電位部との間のロス容量の値) との差ΔCX の絶対値
がCX0の10%より小さい値となるように維持されてい
る。
【0111】本実施形態のプラズマチャンバ95の測定
範囲としては、図11,図12に示す測定位置PRより
もプラズマ励起電極4側とされ、この測定範囲におけ
る、整合回路2Aの受動素子のうち出力最終段の受動素
子の出力端子位置のチューニングコンデンサ24の出力
端子位置である測定位置PRより配電体3側には、図1
3,図14に示すように、上記プラズマチャンバ95の
インピーダンス測定用端子(高周波特性測定用端子)6
1が設けられている。この測定用端子61は、第1実施
形態で測定位置PRとされた配電体3入力端子位置とさ
れる分岐点Bから、導体によってシャーシ21の外部ま
でのびている。そして、整合回路2Aの出力端子位置P
R付近に、上記整合回路2Aと上記高周波特性測定用端
子(インピーダンス測定用端子)61とを切り替えるス
イッチとして、整合回路2Aと給電板3との間に設けら
れるスイッチSW1と、測定用端子61と給電板との間
に設けられるスイッチSW2とが設けられている。
【0112】ここで、スイッチSW1,SW2を上記高
周波特性測定用端子(インピーダンス測定用端子)61
側に接続した場合における高周波特性測定用端子(イン
ピーダンス測定用端子)61側からのインピーダンス特
性と、スイッチSW1,SW2を整合回路2A側に接続
した場合における整合回路2Aの出力端子位置PR側か
らのインピーダンス特性と、が等しく設定される。つま
り、図11に示すように、スイッチSW1付近のインピ
ーダンスZ1 とスイッチSW2付近のインピーダンスZ
2 とが等しく設定される。これは、スイッチSW1を整
合回路2A側に接続してスイッチSW2を開いた場合に
おける整合回路2Aの出力端子とされる測定位置PR側
つまり測定位置PRからスイッチSW2への分岐点Bま
でのインピーダンスZ1 と、上記スイッチSW2を測定
用端子61側に接続してスイッチSW1を開いた場合に
おける高周波特性測定用端子(インピーダンス測定用端
子)61側つまり高周波特性測定用端子(インピーダン
ス測定用端子)61からスイッチSW1への分岐点Bま
でのインピーダンスZ2 とが等しく設定されるというこ
とを意味している。
【0113】高周波特性測定用端子(インピーダンス測
定用端子)61には、図11,図12に示すように、高
周波数特性測定器(インピーダンス測定器)ANのプロ
ーブが着脱自在に接続されている。このプローブには、
同時に、プラズマチャンバ95の例えばシャーシ21と
されるアース位置に着脱自在に接続されている。
【0114】本実施形態のプラズマチャンバ95におい
ては、スイッチSW1を閉じるとともに、スイッチSW
2を開いた状態において、サセプタ電極8上に被処理基
板16を載置し、第1、第2の高周波電源1,27から
プラズマ励起電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ
高周波電力を印加するとともに、ガス導入管17からシ
ャワープレート6を介して反応ガスをチャンバ室60内
に供給してプラズマを発生させ、被処理基板16に対し
て成膜等のプラズマ処理をおこなう。このとき、第1の
高周波電源1から13.56MHz程度以上の周波数の
電力、具体的には、例えば13.56MHz,27.1
2MHz,40.68MHz等の周波数の電力を投入す
る。そして、第2の高周波電源27からも第1の高周波
電源1からと同等か、異なる周波数の電力、例えば1.
6MHz程度の電力を投入することもできる。
【0115】ここで、本実施形態のプラズマチャンバ9
5における高周波特性としてのプラズマ電極容量Ce
ロス容量CX を第1実施形態と同様にして測定・定義す
る。本実施形態のプラズマ電極容量Ce ,ロス容量CX
は、具体的には図5、図13に示すように測定・定義さ
れる。図13は図11の本実施形態のプラズマチャンバ
95のプラズマ電極容量Ce,ロス容量CX 測定用の等
価回路を示す回路図である。また、本実施形態のプラズ
マ処理装置の蓋体19において、プラズマ電極容量C
e ,ロス容量CX 測定用の等価回路を示す回路図は、第
1実施形態で示した図5と同様である。
【0116】本実施形態のプラズマチャンバ95の測定
範囲としては、測定位置PRからみたプラズマチャンバ
95における蓋体19の状態をその対象とする。これ
は、図11に示すように、スイッチSW1付近のインピ
ーダンスZ1 とスイッチSW2付近のインピーダンスZ
2 とが等しく設定されたことで、測定用端子(インピー
ダンス測定用端子)61からみた状態のプラズマチャン
バ95の蓋体19を測定範囲とした際の高周波数特性
(インピーダンス特性)に等しいものとなっている。こ
こで、高周波数特性測定時において、整合回路2Aを電
気的に切り離すためには機械的に整合回路2Aおよびマ
ッチングボックス2等を着脱する必要のあった第1実施
形態に対して、本実施形態では、図11、図12に示す
ように、高周波数特性測定時において、スイッチSW1
によって切断されている整合回路2Aは測定範囲に含ま
れず、測定範囲外とすることができるためで、これによ
り、プラズマチャンバ95の蓋体19における高周波数
特性を測定することが容易になる。そして、第1実施形
態における測定範囲に対して、配電体3の入力端子位置
とされた分岐点Bと直列に接続された測定用端子(イン
ピーダンス測定用端子)61,スイッチSW2を含んで
測定範囲とすることができる。
【0117】このとき、測定範囲とされるプラズマチャ
ンバ95に対して、考慮されている電気的高周波的要因
は、図13に示すように、以下のものが考えられる。 スイッチSW2のインダクタンスLSWおよび抵抗RSW 給電板(フィーダ)3のインダクタンスLf および抵抗
f プラズマ励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ
電極容量Ce 整合回路25からの寄与 サセプタ電極8とサセプタシールド12との間の容量C
S サセプタシールド12の支持筒12Bのインダクタンス
C および抵抗RC ベローズ11のインダクタンスLB および抵抗RB チャンバ壁10のインダクタンスLA および抵抗RA 絶縁体17aを挟んでガス導入管17とプラズマ励起電
極4との間の容量CA プラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量CB プラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の容
量CC
【0118】ここで、第1実施形態における測定範囲と
比べるとスイッチSW2が加わっているが、これは、プ
ラズマ発光時にはスイッチSW1は閉じた状態となって
いる、つまり、インピーダンス特性に対するスイッチS
W1の寄与が存在していることに対応している。すなわ
ち、このスイッチSW1付近のインピーダンスZ1 と等
しいインピーダンスZ2 を有するスイッチSW2付近を
含んで上記測定範囲とすることにより、測定用端子(イ
ンピーダンス測定用端子)61からみたプラズマチャン
バ95の測定範囲を、実際にプラズマ発光時に高周波電
流の流れる回路状態に近づけて高周波数特性測定の正確
性をより向上することが可能となる。
【0119】そして、高周波数特性測定器(インピーダ
ンス測定器)ANに接続された図9に示したプローブ1
05を測定用端子61およびプラズマチャンバ95の例
えばシャーシ21とされるアース位置に接続する。この
状態で、スイッチSW2を閉じるとともに、スイッチS
W1を開いた状態に設定して、高周波数特性測定器AN
によりプラズマチャンバ95の蓋体19における高周波
特性としてロス容量CX を測定する。図12に示すよう
に、蓋体19をチャンバ壁10から電気的に分離した状
態において、この蓋体19におけるプラズマ励起電極4
に生じる容量成分をロス容量CX と見なすことができ
る。
【0120】ロス容量CX は、プラズマ励起電極4から
サセプタ電極8以外に流れる電流に対する容量成分の総
和であり、すなわち、プラズマ励起電極4と、直流的に
アースされた各接地電位部との間の容量である。ここ
で、各接地電位部とは、サセプタ電極8以外のアース電
位にあるプラズマチャンバ95の各部であり、サセプタ
シールド12,支持筒12B,シャフト13,ベローズ
11,チャンバ底部10A,チャンバ壁1,チャンバ壁
上部10a,シャーシ21,マッチングボックス2,絶
縁体17aからガス供給源側のガス導入管17,高周波
電力供給電体(給電線)1Aのシース線等を意味するも
のであるが、ロス容量CX に関与する部分としてプラズ
マ励起電極4に対向する要素としては、具体的には、図
4に示した第1実施形態と同様に、ガス導入管17,シ
ャーシ21,チャンバ壁上部10aを考慮する。する
と、ロス容量CX としては、プラズマ励起電極4と絶縁
体17aを挟んだガス導入管17との間の容量CA 、プ
ラズマ励起電極4とシャーシ21との間の容量CB 、プ
ラズマ励起電極4とチャンバ壁上部10aとの間の容量
C の和として定義される。
【0121】ついで、平行平板型とされるプラズマ励起
電極4とサセプタ電極8との間の容量であり、電極4,
8の面積とこれら電極4,8間の距離とにより規定され
るプラズマ電極容量Ce を、プラズマ励起電極4とサセ
プタ電極8との寸法等から規定する。
【0122】本実施形態のプラズマチャンバ75におい
ては、このように定義されたロス容量CX とプラズマ電
極容量Ce との関係として、プラズマ電極容量Ce の5
倍が、ロス容量CX より大きな範囲の値になるように設
定する。ここで、ロス容量CX とプラズマ電極容量Ce
とが上記の関係を満たすように設定する方法としては、
例えば、第1実施形態で述べた〜等の手法を適用す
ることができる。
【0123】さらに、本実施形態においては、プラズマ
励起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量
e を、プラズマ発光空間における実効的な電極間の距
離δにより設定する。
【0124】図14は、プラズマ発光状態における電極
間の状態を示す模式図である。まず、図14に示すよう
に、この対向する平行平板型とされるプラズマ励起電極
4,サセプタ電極8間の距離をdとし、この電極4,8
間の距離方向においてそれぞれの電極4,8と発光時の
プラズマとの距離の和をδとする。つまり、プラズマ発
光時に目視できるプラズマ発光領域Pとプラズマ励起電
極4との間のプラズマ発光していない部分の距離をδ
a 、プラズマ発光領域Pとサセプタ電極8との間のプラ
ズマ発光していない部分の距離をδb としたときに、式
(6)に示すようにこれらの和をδとする。 δa +δb = δ (6) ここで、電極4,8間の距離dと、電極4,8間におい
てプラズマの発光していない部分の距離の和δとから、
実際にプラズマ発光状態における電極4,8間のモデル
的な容量Ce"が求められる。
【0125】プラズマ発光時における平行平板電極4,
8は、その間にあるプラズマ発光領域Pが導体として見
なせるため、あたかも、電極4,8間の距離がδになっ
たようにみなすことができる。その結果、プラズマ発光
時の平行平板電極4,8間の容量Ce"は、電極4,8間
の距離に反比例するため、非プラズマ発光時に容量Ce
だったものが、プラズマ発光時には見かけ上d/δ倍に
なる。 Ce ∝ 1/d Ce" ∝ 1/δ (7) ∴Ce" ∝ d/δ・Ce
【0126】従って、このプラズマ発光時のプラズマ電
極容量Ce"の5倍が、ロス容量CXより大きな範囲の値
になるように設定することもできる。つまり、プラズマ
電極容量Ce の5×d/δ倍が、ロス容量CX より大き
な範囲の値になるように設定することもできる。これに
より、より一層のプラズマ発光時における電力消費効率
の向上を図ることが可能となる。
【0127】上記のように定義されたプラズマ電極容量
e あるいはプラズマ発光時のプラズマ電極容量Ce"の
5倍(プラズマ電極容量Ce の5×d/δ倍)が、上記
のように定義された容量(ロス容量)CX より大きな範
囲の値になるようにCe0 が設定されて設計、製造され
ている。そして、本プラズマ処理装置(プラズマチャン
バ)が分解搬送後、納入先において再組み立てした後に
おいても、さらに、その後それが使用され被処理物のプ
ラズマ処理が行われても、さらには、分解掃除、部品交
換、組み立て調整等の調整作業が施されても、その時の
X1(時刻t0 の後の時刻t1における上記高周波電源の
接続された電極と直流的にアースされた各接地電位部と
の間のロス容量の値)が、CX1と、CX0(時刻t0にお
ける上記高周波電源の接続された電極と直流的にアース
された各接地電位部との間のロス容量の値) との差Δ
Xの絶対値がCX0の10%より小さい値となるように
維持されている。そのために、もし、ΔCXの絶対値が
e0の10%以上となった場合は是正作業が行われる。
ここで、上記CX1を是正する方法としては、例えば、第
1実施形態で述べた〜等の手法を適用することがで
きる。
【0128】本実施形態においては、第1実施形態と同
等の効果を奏するとともに、測定用端子61に高周波数
特性測定器ANを着脱自在に接続するとともに、スイッ
チSW1,SW2を設け、これらのインピーダンスZ1
とインピーダンスZ2 とを等しく設定することで、プラ
ズマチャンバ95と整合回路2Aを着脱することなく、
スイッチSW1,SW2切り替えのみにより、高周波特
性の測定、特に、プラズマ電極容量Ce ,ロス容量CX
の測定を容易におこなうことが可能となる。さらに、本
実施形態において、プラズマ電極容量Ce の5倍が、容
量(ロス容量)CX より大きな範囲の値に設定されてな
ることにより、同一の条件として、処理速度、膜の面内
方向の均一性、膜特性を得るために必要な電力を従来に
比べて削減することが可能となり、省電力化をはかり、
ランニングコストの低減を図ることができる。ここで、
成膜時においては、処理速度は堆積速度、膜の面内方向
の均一性としては膜厚や膜特性、膜特性としては絶縁耐
圧等が対応する。
【0129】なお、本実施形態においては、2つのスイ
ッチSW1およびスイッチSW2を設ける構成とした
が、分岐点から出力端子位置PRまでと分岐点からプロ
ーブまでのインピーダンスが等しく設定されていれば、
よく、例えば1つのスイッチによりこれらの接続を切り
替え可能とすることもできる。また、本実施形態におい
ては、本願発明を平行平板型電極4,8を有するタイプ
のプラズマ処理装置に適用した場合について説明した
が、平行平板型電極4,8を有するタイプに代えてIC
P(inductive coupled plasma)誘導結合プラズマ励起
型、RLSA(radial line slot antenna)ラジアルラ
インスロットアンテナ型などのプラズマ処理装置や、R
IE(Riactive Ion Etching)反応性スパッタエッチン
グ用の処理装置に適用することもできる。なお、電極
4,8に替えて、ターゲット材を取り付けることによ
り、プラズマ処理としてスパッタリングをおこなうこと
も可能である。
【0130】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第3実施形態として、図面に基づいて
説明する。 [第3実施形態]図15は本実施形態に係るプラズマ処
理装置の性能管理システムのシステム構成図、図16
は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法
を示すフローチャートである。
【0131】図15に示す性能管理システムは、サーバ
ー210と、納入先の入出力装置220と、これらサー
バー210と入出力装置220とを接続する通信回線2
30と、サーバー210に接続された搬送元の出力装置
240とから構成されている。
【0132】サーバー210は、プラズマ処理装置のメ
ーカー、流通業者、メンテナンス業者等の搬送元が管理
するもので、その設置場所も搬送元とすることが望まし
い。また、このサーバー210は、同時に複数の納入先
の入出力装置220に対してサービスを提供するための
高速な処理能力を持った計算機と、多様なサービスと納
入先のプラズマ処理装置に関する情報を格納するための
大容量記憶装置を備えたものであることが望ましい、具
体的には、大型計算機、高性能ワークステーション等が
よい。サーバー210は、計算機211およびこれに接
続された記憶装置212と、通信回線230と接続する
ための送受信手段213とから構成されている。また、
このサーバー210に、搬送元に設置された出力装置2
40が接続されている。
【0133】また、納入先の入出力装置220は、納入
先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン等が利用する
もので、納入先に設置されるか、又は納入先に携帯され
て利用される。この入出力装置は通信回線230を利用
してサーバー210と信号の授受を行えるものであれば
特に限定はなく、具体的にはパーソナルコンピュータ、
専用端末機、電話機等が利用できる。納入先入出力装置
220は、本体221、および通信回線230と接続す
るための送受信手段223とから構成されている。
【0134】通信回線230は、その媒体や形式に特に
限定はなく、離間した地点におかれたサーバー210と
入出力装置220との間で信号の授受ができるものであ
ればよい。すなわち、ケーブル回線、光ファイバー回
線、衛星回線等の種々の有線や無線の通信媒体を適宜使
用できると共に、電話回線網、インターネット網等種々
の通信形式を活用できる。
【0135】以下、図15を参照しながら、図16のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能
評価を開始するにあたり、まず、納入先に納入された、
あるいは使用中のプラズマ処理装置について、高周波特
性としての値Cx1(時刻t0の後の時刻t1における上記
高周波電源の接続された電極と直流的にアースされた各
接地電位部との間のロス容量の値)、値Ce1(時刻t0
の後の時刻t1における上記高周波電源の接続された電
極と対となり協働してプラズマを発生する電極との間の
プラズマ電極容量の値)を測定し、この値を入出力装置
220から入力する(ステップ301)。この入力され
たCx1の値は、通信回線230を通じてサーバ210に
送信される。
【0136】これに対しサーバ210は、記憶装置21
2に格納された基準となる高周波特性としてのCX0(時
刻t0における上記高周波電源の接続された電極と直流
的にアースされた各接地電位部との間のロス容量の値)
と、Ce0(時刻t0における上記高周波電源の接続され
た電極と対となり協働してプラズマを発生する電極との
間のプラズマ電極容量の値)の情報500を呼び出し、
これら値に基づき、CX0とCx1との差の絶対値|ΔCX|
を計算する(ステップ302)。なお、基準となる高周
波特性としてのロス容量CX0は、プラズマ処理装置を納
入先に搬送するに先立ち分解をする前に、搬送元で設定
した高周波特性値であって、例えば平行平板型電極4,
8のプラズマ電極容量Ce の26倍が、ロス容量CX
り大きい範囲の値になるようにような関係を満たすCX0
であり(Cx0は、上記プラズマ電極容量Ce の26
倍より小さい範囲の値になるような関係を満たす値)、
より好ましくはプラズマ電極容量Ce の7倍が、ロス容
量CX より大きな範囲の値になるようにような関係を満
たすCX0 、さらに好ましくはプラズマ電極容量Ce
5倍が、ロス容量CX より大きな範囲の値になるように
ような関係を満たすCX0である。
【0137】次にサーバ210は、|ΔCX|とCX0とを
比較し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具体
的には、|ΔCX|がCX0の10%より小さい値の場合に
は、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持している
と判断する。また、|ΔCX|がCX0の10%以上の値の
場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持し
ていると判断する(ステップ303)。
【0138】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置2
40の双方に提供する(ステップ304)。この内、入
出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表示
の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信し
たりする。具体的には、所定の性能を維持していると判
断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切
に維持されておりますので、そのままご使用くださ
い。」といったメッセージを、所定の信号を維持してい
ないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能
は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱
説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセー
ジを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサー
ビスマン等に伝えられるようにする。また、出力装置2
40に対しても、所定の信号を維持していないと判断し
た場合に、プリントアウトや画面表示、信号出力等の指
令信号を送信したり、あるいは、警報音発生信号を送信
したりする。そして、出力装置240から、プリントア
ウト、画面表示、信号出力、あるいは警報音等の保守作
業命令を出力する。なお、搬送元において、いずれの納
入先のどの装置が保守を必要としているかを判断するた
めに、入出力装置220からプラズマ処理室の固有番号
を受信し、これを出力装置240から出力することが望
ましいが、入出力装置220の固有番号、例えばアドレ
ス番号や電話番号等から判断して、その判断結果を出力
装置240から出力してもよい。
【0139】この結果、納入先の顧客や納入先を訪問し
たサービスマン等は、プラズマ処理装置を実際に動作さ
せて成膜された基板を検査するという作業を行うことな
く、直ちに当該プラズマ装置の性能を評価することがで
きる。しかも、処理をおこなった基板の評価によりプラ
ズマ処理装置の動作確認および、動作の評価をおこなう
という2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズマ処理
装置の評価を、しかも、プラズマ処理装置(プラズマチ
ャンバ)75あるいは95が設置してある場所で短時間
におこなうことが可能である。その上、被処理基板への
実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別々に行
うしかなかった複数のプラズマチャンバあるいは複数の
プラズマ処理室を有するプラズマ処理装置の場合につい
ても、結果をほぼ同時に得ることができる。このため、
製造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理
装置の動作確認および、動作の評価をする必要がなくな
り、製造ラインとしての生産性を向上することができ
る。また、このような調整に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従
事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能
となる。
【0140】また、搬送元のメーカー等においては、納
入先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守
作業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、
顧客に対するアフタサービス体制を充実させることがで
きる。
【0141】なお、本実施形態のように、サーバー21
0が、納入先の入出力装置220と搬送元の出力装置2
40との双方に評価情報を提供する場合、両評価情報の
基礎となる所定の値は必ずしも同一の値でなくともよ
い。例えば、納入先入出力装置に発信する評価情報につ
いては、所定の値をCX0の10%とし、この値を越えた
ときに所定の性能を維持していない旨の信号を発信し、
一方、搬送元の出力装置には、所定の値をCX0の3%と
して、この値を越える場合に保守作業命令を出力するよ
うにしても良い。このように、搬送元の出力装置に対し
て、納入先入出力装置に対するよりも厳しい評価基準に
基づき保守作業命令が出される場合には、納入先のプラ
ズマ処理装置の性能が大きく変動する以前に搬送元によ
る保守サービスを行うことができる。すなわち、より先
手を打った保守体制を確立することができる。
【0142】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムの他の実施形態を第4実施形態として、
図面に基づいて説明する。 [第4実施形態]図17は本実施形態に係るプラズマ処
理装置の性能管理システムのシステム構成図、図18
は、同性能管理システムで実現される評価情報提供方法
を示すフローチャートである。なお、両図において、図
15及び図16と同一の構成要素には、同一の符号を附
してその説明を省略する。
【0143】図17に示す性能管理システムは、サーバ
ー210と、納入先の入出力装置220と、これらサー
バー210と入出力装置220とを接続する通信回線2
30と、サーバーに接続された搬送元の出力装置240
とに加えて、プラズマ処理装置250に接続された容量
を測定する測定器260とから構成されている。
【0144】本実施形態では、容量測定器260の出力
端子が入出力装置220に接続され、容量測定器260
で測定されたプラズマ測定装置250の高周波特性とし
ての容量Cxが、入出力装置220及び通信回線230
を介して、人手による入力作業を経ることなく、直接サ
ーバー210に送信されるようになっている。また、入
出力装置220は、プラズマ処理室の固有番号Sの入力
を受けると、容量測定器260の測定結果を読みとるよ
うにプログラムされている。
【0145】以下、図17を参照しながら、図18のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの利用者は、同システムで性能
評価を開始するにあたり、まず、予め容量測定器260
を入出力装置220に接続した上で、納入先に納入され
た、あるいは使用中のプラズマ処理装置について、プラ
ズマ処理室の固有番号Sを入出力装置220から入力す
る。このとき、プラズマ処理室の高周波特性としての容
量の値CX1(時刻t1における上記高周波電源の接続さ
れた電極と直流的にアースされた各接地電位部との間の
ロス容量の値)、値Ce1(時刻t0の後の時刻t1におけ
る上記高周波電源の接続された電極と対となり協働して
プラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量の
値)の測定値が、入出力装置220のプログラムに従
い、自動的に容量測定器260から入出力装置220に
入力される。(ステップ401)。この入力された固有
番号S及びCx1及びCe1の値は、通信回線230を通じ
てサーバー210に送信される。
【0146】これに対しサーバー210は、記憶装置2
12に格納された高周波特性としての容量の値Cx0(時
刻t0における上記高周波電源の接続された電極と直流
的にアースされた各接地電位部との間のロス容量の
値)、値Ce0(時刻t0における上記高周波電源の接続
された電極と対となり協働してプラズマを発生する電極
との間のプラズマ電極容量の値)の情報の中から、固有
番号Sに対応する固有Cx0 やCe1情報600を呼び出
し、この値に基づき、Cx0とCx1との差の絶対値|ΔCx
|を計算する(ステップ402)。ここで、固有Cx0
e1は、固有番号Sと1対1の関係で記憶装置212に
格納されたもの、すなわち、各々のプラズマ処理室毎に
設定した、あるいは、製造時等に実際に測定した個別の
高周波特性としての容量の値Cx0、値Ce1である。
【0147】次にサーバー210は、|ΔCx|とCx0
を比較し、当該プラズマ処理装置の性能を評価する。具
体的には、|ΔCx|がCx0の10%より小さい値の場合
には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持してい
ると判断する。また、|ΔCx |がCx0の10%以上の値
の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維持
していないと判断する(ステップ403)。
【0148】次にサーバー210は、上記性能評価の結
果を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置
240の双方に提供する(ステップ404)。この内、
入出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表
示の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信
したりする。具体的には、所定の性能を維持していると
判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適
切に維持されておりますので、そのままご使用くださ
い。」といったメッセージを、所定の信号を維持してい
ないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能
は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱
説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセー
ジを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサー
ビスマン等に伝えられるようにする。また、サーバー2
10は、出力装置240に対しても、プリントアウトや
画面表示の指令信号を送信したり、あるいは、警報音発
生信号を送信したりする。具体的には、所定の信号を維
持していないと判断した場合に、保守作業命令を送信す
る。なお、搬送元において、いずれの納入先のどの装置
が保守を必要としているかを判断するために、サーバー
210から出力装置240に対してプラズマ処理室の固
有番号も同時に提供される。
【0149】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムにおいては、第3実施形態と同等の効果を奏すると
ともに、固有番号S毎に実際の値を記憶することで、よ
り精密な管理が可能となる。また、出力装置240に保
守作業命令と共に固有番号240の情報が提供されるの
で、搬送元において、何れのプロセス処理装置に問題が
生じたか、あるいは何れのプロセス処理装置のいずれの
プロセス処理室に問題が生じたか等を直ちに把握でき
る。なお、複数のプラズマ処理室を備えたプラズマ処理
装置やプラズマ処理装置を複数備えたプラズマ処理シス
テムにおいては、各々のプラズマ処理室の動作条件を揃
え、同一のプロセスレシピで同等の成膜特性を得るため
に、同等の高周波特性を設定することが望ましい。その
ため、固有Cx0やCe1は、プロセス処理室間でバラツキ
なく設定することが望ましいが、納入先の事情等種々の
要因により他のプロセス処理装置と大きく異なるCx0
e1を設定しても差し支えない。
【0150】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムの他の実施形態を第5実施形態として説
明する。 [第5実施形態]本実施形態に係るプラズマ処理装置の
性能管理システムのシステム構成もまた、第4実施形態
の図17で示される。本実施形態と第5実施形態との構
成上の相違は、サーバー210が、エンジニア情報60
1として、各々所定の値の範囲によって決められた故障
レベルを含む状態レベルと、故障レベルに対応して登録
されたサービスエンジニアの情報を記憶しているもので
ある点である。表1は、エンジニア情報601の一例を
示すものである。
【0151】
【表1】
【0152】以下、図17を参照しながら、図19のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。図19のフローチャートにおけるステップ50
1及びステップ502は、各々図18のステップ40
1、402と同一なのでその説明を省略する。
【0153】ステップ502で|ΔCx|を求めた後、サ
ーバー210は、|ΔCx|をエンジニア情報601に照
らして、どの状態レベルにあるかを評価する。そして、
|ΔCx |のレベルが、いずれかの故障レベルであると評
価した際は、当該故障レベルに対応してエンジニア情報
601に登録されているサービスエンジニアの情報を呼
び出す。(ステップ503)。
【0154】次にサーバー210は、上記性能評価の結
果として、状態レベルを納入先の入出力装置220、及
び搬送元の出力装置240の双方に提供する(ステップ
504)。この内、入出力装置220に対しては、状態
レベル(故障レベル)をプリントアウトや画面表示の指
令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信したり
することにより発信する。具体的には、状態レベルは
「最良」であると判断した場合には、例えば「ご照会の
装置の性能は、適切に維持されておりますので、そのま
まご使用ください。」といったメッセージを、状態レベ
ルは「良」であると判断した場合には、例えば「ご照会
の装置の性能は、適切に維持されておりますが、そろそ
ろ点検が必要です。」といったメッセージを、状態レベ
ルが何れかの故障レベルであると判断した場合には、例
えば「ご照会の装置は、故障レベル2に該当します。性
能が適切に維持されていない恐れがありますので、サー
ビスエンジニアに調整を依頼してください。」といった
メッセージを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧
客やサービスマン等に伝えられるようにする。また、サ
ーバー210は、出力装置240に対しては、状態レベ
ルがいずれかの故障レベルに該当する場合、状態レベル
だけでなく、当該故障レベルに対応したサービスエンジ
ニアの情報と共に保守作業命令を出力する。
【0155】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムによれば、搬送元において、保守作業命令が出力さ
れると共に、どの程度の故障レベルかや、その故障レベ
ルに応じてランク分けされたサービスエンジニアの情報
も出力される。そのため、このシステムによれば、遠隔
地に納入したプラズマ処理装置であっても、搬送元にお
いて、その故障レベルを把握することができる。そし
て、その故障レベルに応じて、教育訓練度合の異なるサ
ービスエンジニアを派遣することができる。従って、人
材活用が合理化できると共に、迅速、かつ、的確なサポ
ートが可能となる。すなわち、装置納入後のフィールド
サポート体制の合理化が可能となるものである。本管理
システムの対象となるプラズマ処理装置に特に限定はな
く、第1、2実施形態において示したプラズマ処理装置
又は、後述する第9、10の実施形態において示したプ
ラズマ処理装置又は第11の実施形態において示したプ
ラズマ処理システムにおけるプラズマ処理装置等も対象
となる。
【0156】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能確認システムの実施形態を第6実施形態として、図面
に基づいて説明する。なお、以下の説明では、購入発注
者を単に発注者、また販売保守者を単に保守者という。 [第6実施形態]図20は本実施形態のプラズマ処理装
置の性能確認システムのシステム構成図である。この図
において、参照符号C1 ,C2 ,……はクライアント・
コンピュータ(以下、単にクライアントという)、Sは
サーバー・コンピュータ(性能状況情報提供手段,以下
単にサーバーという)、Dはデータベース・コンピュー
タ(基準情報記憶手段,以下単にデータベースとい
う)、またNは公衆回線である。クライアントC1 ,C
2 ,……とサーバーSとデータベースDとは、この図に
示すように公衆回線Nを介して相互に接続されている。
【0157】クライアントC1 ,C2 ,……は、一般に
広く普及しているインターネットの通信プロトコル(T
CP/IP等)を用いてサーバーSと通信する機能(通
信機能)を備えたものである。このうち、クライアント
C1 (発注者側情報端末)は、発注者が保守者に発注し
たプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムのプラ
ズマチャンバの性能状況を公衆回線Nを介して確認する
ためのコンピュータであり、サーバーSが保持する「プ
ラズマチャンバの性能情報提供ページ」を情報提供ペー
ジ(Webページ)として閲覧する機能(プラズマチャ
ンバの性能状況情報閲覧機能)を備えたものである。ま
た、クライアントC2 (保守者側情報端末)は、保守者
が上記「性能状況情報」の一部である「CX0情報(時刻
0における上記高周波電源の接続された電極と直流的
にアースされた各接地電位部との間のロス容量の値情
報)」や「Ce0(時刻t0における上記高周波電源の接
続された電極と対となり協働してプラズマを発生する電
極との間のプラズマ電極容量の値情報)」をサーバーS
にアップロードするとともに、クライアントC1 を介し
て発注者から発せられた電子メールを受信するためのも
のである。ここで、プラズマ処理装置又はプラズマ処理
システムは、上記の第1〜第2実施形態に準じる構成と
されるとともに、チャンバ数等の構成条件は、任意に設
定可能なものとされる。
【0158】上記サーバーSの通信機能は、公衆回線N
がアナログ回線の場合にはモデムによって実現され、公
衆回線NがISDN(Integrated Services Digital Ne
twork)等のデジタル回線の場合には専用ターミナルア
ダプタ等によって実現される。 サーバーSは、性能状
況情報提供用のコンピュータであり、上記クライアント
C1 から受信される閲覧要求に応じて、性能状況情報を
インターネットの通信プロトコルを用いてクライアント
C1 に送信する。ここで、上述した発注者が保守者から
プラズマ処理装置を納入された時点では、性能状況情報
を閲覧するための個別の「閲覧専用パスワード」が保守
者から個々の発注者に提供されるようになっている。こ
のサーバーSは、正規な閲覧専用パスワードが提供され
た場合のみ、性能状況情報のうち動作保守状況情報をク
ライアントC1 に送信するように構成されている。
【0159】ここで、具体的詳細については後述する
が、上記「性能状況情報」は、保守者の販売するプラズ
マ処理装置またはプラズマ処理システムにおけるプラズ
マチャンバの機種に関する情報、各機種における仕様書
としての品質性能情報、納入された各実機における品質
性能を示すパラメータの情報、および、このパラメー
タ、メンテナンスの履歴情報等から構成されている。こ
のうち、各実機における品質性能、パラメータ、メンテ
ナンスの履歴情報については、「閲覧専用パスワード」
が提供された発注者のみに閲覧可能となっている。
【0160】また、これら「性能状況情報」は、保守者
または発注者からサーバーSに提供されるとともに実際
の動作・保守状況を示す「動作保守状況情報」と、デー
タベースDに蓄積されると共にカタログとして未購入の
クライアントが閲覧可能な「性能基準情報」とから構成
されるものである。「性能基準情報」は、保守者が各プ
ラズマチャンバによっておこなうプラズマ処理に対して
客観的に性能を記述するためのものであり、プラズマC
VD、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜
状態を予測可能とするものである。
【0161】本実施形態では、これら「性能基準情報」
は、データベースDに蓄積されるようになっている。サ
ーバーSは、クライアントC1 から受信される「性能状
況情報」の閲覧要求に対して、データベースDを検索す
ることにより必要な「性能基準情報」を取得して、「性
能状況情報提供ページ」として発注者のクライアントC
1 に送信するように構成されている。また、サーバーS
は、「閲覧専用パスワード」が提供された発注者から受
信される「性能状況情報」の閲覧要求に対しては、同様
に、データベースDを検索することにより必要な「性能
基準情報」を取得するとともに、当該「性能基準情報」
にクライアントC2 を介して保守者から提供された「動
作保守状況情報」を組み合わせて「性能状況情報」を構
成し、「性能状況情報提供ページ」として発注者のクラ
イアントC1 に送信するように構成されている。
【0162】データベースDは、このような「性能状況
情報」を構成する「性能基準情報」をプラズマ処理装置
またはプラズマ処理システムのプラズマチャンバの機種
毎に記憶蓄積するものであり、サーバーSから受信され
る検索要求に応じてこれら「性能基準情報」を読み出し
てサーバーSに転送する。図20では1つのサーバーS
のみを示しているが、本実施形態では、汎用性のある
「性能基準情報」を保守者が複数箇所から管理する複数
のサーバー間で共通利用することが可能なように、これ
らサーバーとは個別のデータベースDに「性能基準情
報」を蓄積するようにしている。
【0163】次に、このように構成されたプラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムの性能確認システムの
動作について、図21に示すフローチャートに沿って詳
しく説明する。なお、このフローチャートは、上記サー
バーSにおける「性能状況情報」の提供処理を示すもの
である。
【0164】通常、保守者は、不特定の発注者に対して
販売するプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバの「性能状況情報」、特に
「性能基準情報」を購入時の指標として提示することに
なる。一方、発注者は、この「性能基準情報」によって
プラズマチャンバにどのような性能、つまりどのような
プラズマ処理が可能なのかを把握することができる。
【0165】また、保守者は、特定の発注者に対して納
入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムに
おけるプラズマチャンバの「性能状況情報」のうち、
「性能基準情報」を使用時の指標として提示するととも
に、「動作保守状況情報」を動作状態のパラメータとし
て提示することになる。一方、ユーザーとしての発注者
は、「性能基準情報」と「動作保守状況情報」とを比較
することによってプラズマ処理装置またはプラズマ処理
システムにおける各プラズマチャンバの動作確認をおこ
なうとともにメンテナンスの必要性を認識し、かつ、プ
ラズマ処理状態の状態を把握することができる。
【0166】例えば、プラズマ処理装置またはプラズマ
処理システムを保守者から購入しようとする発注者は、
サーバーSにアクセスすることにより、以下のようにし
て自らが購入しようとするプラズマ処理装置またはプラ
ズマ処理システムの「性能状況情報」の実体を容易に確
認することができる。
【0167】まず、発注者がアクセスしようとした場合
には、予め設定されたサーバーSのIPアドレスに基づ
いてクライアントC1 からサーバーSに表示要求が送信
される。一方、サーバーSは、上記表示要求の受信を受
信すると(ステップS1)、カタログページCPをクラ
イアントC1 に送信する(ステップS2)。図22は、
このようにしてサーバーSからクライアントC1 に送信
されたカタログページのメインページの一例である。こ
のカタログページCPには、保守者が販売する多数の機
種毎にその「性能状況情報」のうち「性能基準情報」を
表示するための機種選択ボタンK1,K2,K3,K4
…、と、後述するように、プラズマ処理装置またはプラ
ズマ処理システムを保守者から納入された発注者の使用
するカスタマーユーザ画面の表示要求をするためのカス
タマーユーザボタンK4から構成されている。
【0168】例えば、発注者がクライアントC1 に備え
られたポインティングデバイス(例えばマウス)等を用
いることによって上記プラズマ処理装置またはプラズマ
処理システムの機種を選択指定した後、機種選択ボタン
K1〜K4…のいずれかを選択指定すると、この指示
は、「性能状況情報」のうち「性能基準情報」の表示要
求としてサーバーSに送信される。
【0169】この表示要求を受信すると(ステップS
3)、サーバーSは、選択された機種のうち、表示要求
された情報に該当するサブページをクライアントC1 に
送信する。すなわち、サーバーSは、「性能基準情報」
の表示が要求された場合(A)、図23に示すような選
択された機種を指定することによってデータベースDか
ら「真空性能」「給排気性能」「温度性能」「プラズマ
処理室電気性能」等のデータ、およびこれらのデータに
おけるプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム毎
の、各パラメータのばらつきの値のデータを取得し、こ
れらの掲載された仕様書ページCP1をクライアントC
1 に送信する(ステップS4)。
【0170】仕様書ページCP1には、図23に示すよ
うに、選択された機種を示す機種種別K6、真空性能表
示欄K7、給排気性能表示欄K8、温度性能表示欄K
9、プラズマ処理室電気性能表示欄K10から構成され
ている。これらは、選択された機種のプラズマチャンバ
における「性能基準情報」に対応するものであり、例え
ば、それぞれ、真空性能表示欄K7には、 到達真空度 1×10-4Pa以下 操作圧力 30〜300Pa 給排気性能表示欄K8には、 最大ガス流量 SiH4 100SCCM NH3 500SCCM N2 2000SCCM 排気特性 500SCCM流して20Pa以下 温度性能表示欄K9には、 ヒータ設定温度 200〜350±10℃ チャンバ設定温度 60〜80±2.0℃ の項目が記載されている。ここで、SCCM(standard
cubic centimeters per minute) は、標準状態(0℃、
1013hPa)に換算した際におけるガス流量を表し
ており、cm3/min に等しい単位を表している。
【0171】そしてこれらのパラメータPに対して、そ
れぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれ
のパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin
のばらつきを、以下の式(10B) (Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B) として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそ
れぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0172】また、プラズマ処理室電気性能表示欄K1
0には、前述した第1〜第2実施形態のプラズマ処理装
置又は後述する第9、10の実施形態のプラズマ処理装
置又は第11の実施形態のプラズマ処理システムにおけ
るプラズマ処理装置で説明したプラズマ励起電極4とサ
セプタ電極8間のプラズマ電極容量Ce プラズマ励起
電極4と直流的にアースされた各接地電位部との間のロ
ス容量CX の値、及びこの設定範囲とプラズマ電極容量
e との関係等値が記載される。 また、これ以外に
も、共振周波数f、高周波電力の周波数におけるインピ
ーダンスZ、プラズマチャンバのレジスタンスRおよび
リアクタンスX等が記載される。共振周波数fとして
は、高周波電力を供給する際に整合回路の出力端に接続
される高周波電力配電体の端部で測定したプラズマ処理
室の第1直列共振周波数f0や、上記電極と協働してプ
ラズマを発生する対向電極との容量によって規定される
直列共振周波数を採用したりすることができる。また、
プラズマ処理室電気性能表示欄K10には、上記以外に
も、上記第1直列共振周波数f0の設定範囲と電力周波
数feとの関係等が記載される。また、仕様書ページC
P1には、「プラズマ処理装置またはプラズマ処理シス
テムの納入時においては各パラメータ値がこのページに
記載された設定範囲内にあることを保証します」という
性能保証の文言が記載される。
【0173】これにより、従来は、考慮されていなかっ
たプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの全体
的な電気的高周波的な特性およびプラズマチャンバの電
気的特性のばらつきを購入時の新たなる指標として提示
することができる。また、クライアントC1 またはクラ
イアントC2 において、これら性能状況情報をプリンタ
等に出力しハードコピーを作ることにより、上記の性能
状況情報内容の記載されたカタログまたは仕様書として
出力することが可能である。さらに、第1直列共振周波
数 、レジスタンスR、アクタンスX、プラズマ電極容
量Ce 、容量(ロス容量)CX 等の値および上記性能保
証の文言をクライアントC1 …の端末、カタログまたは
仕様書等に提示することにより、発注者が、電機部品を
吟味するようにプラズマチャンバの性能を判断して保守
者から購入することが可能となる。
【0174】なお、サーバーSは、このようなサブペー
ジのクライアントC1 への送信が完了した後に、クライ
アントC1 から接続解除要求が受信されない場合は(ス
テップS5)、次のサブページの表示要求を待って待機
し(ステップS3)、一方、クライアントC1 から接続
解除要求が受信された場合には(ステップS5)、当該
クライアントC1 との交信を終了する。
【0175】また、プラズマ処理装置またはプラズマ処
理システムを保守者から納入した発注者は、サーバーS
にアクセスすることにより、以下のようにして自らが購
入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムに
おけるプラズマチャンバの「性能状況情報」の実体を容
易に確認することができる。この発注者は保守者と売買
契約を締結した時点で、発注者個別に対応するととも
に、購入したプラズマ処理装置またはプラズマ処理シス
テムの機種番号、およびそれぞれのプラズマチャンバの
機種番号にも対応可能なカスタマーユーザIDと、プラ
ズマ処理装置またはプラズマ処理システムおよびその各
プラズマチャンバの「動作保守状況情報」を閲覧するた
めの個別の「ユーザー専用パスワード(閲覧専用パスワ
ード)」が保守者から個々の発注者に提供されるように
なっている。このサーバーSは、正規な閲覧専用パスワ
ードが提供された場合のみ、「動作保守状況情報」をク
ライアントC1 に送信するように構成されている。
【0176】まず、発注者がアクセスしようとした場合
には、前述のカタログページCPにおいて、カスタマー
ユーザボタンK5を指定操作することにより、発注者は
カスタマーユーザ画面の表示要求をサーバーSに送信す
る。一方、サーバーSは、上記表示要求の受信を受信す
ると(ステップS3−B)、当該発注者に対して、「閲
覧専用パスワード」の入力を促す入力要求としてのサブ
ページをクライアントC1 に送信する(ステップS
6)。図24はカスタマーユーザページCP2を示すも
のであり、このカスタマーユーザページCP2はカスタ
マーユーザID入力欄K11、およびパスワード入力欄
K12から構成される。
【0177】この入力要求としてのカスタマーユーザペ
ージCP2はクライアントC1 に表示されるので、発注
者は、当該入力要求に応答してプラズマ処理装置または
プラズマ処理システムおよびその各プラズマチャンバの
識別を可能とするために、保守者から供与された「閲覧
専用パスワード」を「カスタマーユーザID」とともに
クライアントC1 に入力することになる。ここで、発注
者は、図24に示すカスタマーユーザID入力欄K11
およびパスワード入力欄K12に、それぞれ、カスタマ
ーコードIDとパスワードを入力する。サーバーSは、
クライアントC1から正規の「カスタマーユーザID」
および「閲覧専用パスワード」が受信された場合のみ
(ステップS7)、当該「閲覧専用パスワード」に予め
関連付けられた「動作保守状況情報」のサブページをク
ライアントC1 に送信する(ステップS9)。
【0178】すなわち、「動作保守状況情報」の閲覧
は、上記プラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
の購入契約を締結した特定の発注者のみ、つまり正規の
「閲覧専用パスワード」を知り得るもののみに許可され
るようになっており、当該発注者以外の第3者がサーバ
ーSにアクセスしても「動作保守状況情報」を閲覧する
ことができない。通常、保守者は同時に多数の発注者と
の間で納入契約を締結するとともに、各々の発注者へ複
数のプラズマ処理装置またはプラズマ処理システムの納
入を同時に並行して行う場合があるが、上記「閲覧専用
パスワード」は、個々の発注者毎および各プラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズマ
チャンバ毎に相違するものが提供されるので、個々の発
注者は、各プラズマ処理装置またはプラズマ処理システ
ムおよびその各プラズマチャンバに対して、それぞれ自
らに提供された「閲覧専用パスワード」に関連付けられ
た「動作保守状況情報」を個別に閲覧することができ
る。
【0179】したがって、納入に係わる秘密情報が発注
者相互間で漏洩することを確実に防止することができる
とともに、複数のプラズマ処理装置またはプラズマ処理
システムが納入された場合にでもそれぞれのプラズマ処
理装置またはプラズマ処理システムおよびその各プラズ
マチャンバを個別に識別可能とすることができる。な
お、サーバーSは、正規の「閲覧専用パスワード」が受
信されない場合には(ステップS7)、接続不許可メッ
セージをクライアントC1 に送信して(ステップS
8)、発注者に「閲覧専用パスワード」を再度入力する
ように促す。発注者が「閲覧専用パスワード」を誤入力
した場合には、この機会に正規の入力を行うことにより
「動作保守状況情報」を閲覧することができる。
【0180】このID、パスワードが確認されると(ス
テップS7)、サーバーSは、表示要求された情報に該
当するサブページをデータベースDから読み出してクラ
イアントC1 に送信する。すなわち、サーバーSは、ユ
ーザIDによって識別された個別のプラズマ処理装置ま
たはプラズマ処理システムおよびその各プラズマチャン
バに対する「性能基準情報」「動作保守状況情報」の表
示が要求された場合、機種を指定することによってデー
タベースDから「真空性能」「給排気性能」「温度性
能」「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、
これらの掲載された仕様書ページのサブページCP3を
クライアントC1 に送信する(ステップS9)。
【0181】図25は、このようにしてサーバーSから
クライアントC1 に送信された「動作保守状況情報」の
サブページCP3である。このサブページとしてのメン
テナンス履歴ページCP3には、図25に示すように、
納入されたプラズマ処理装置またはプラズマ処理システ
ムおよびその各プラズマチャンバの機械番号を示すロッ
ト番号表示K13、真空性能表示欄K7、給排気性能表
示欄K8、温度性能表示欄K9、プラズマ処理室電気性
能表示欄K10、そして、真空性能メンテナンス欄K1
4、給排気性能メンテナンス欄K15、温度性能メンテ
ナンス欄K16、プラズマ処理室電気性能メンテナンス
欄K17から構成されている。これらは、納入された実
機の「性能基準情報」および「動作保守状況情報」に対
応するものであり、例えば、それぞれ、真空性能表示欄
K7、真空性能メンテナンス欄K14には、 到達真空度 1.3×10-5Pa以下 操作圧力 200Pa 給排気性能表示欄K8、給排気性能メンテナンス欄K1
5には、 ガス流量 SiH4 40SCCM NH3 160SCCM N2 600SCCM 排気特性 6.8×10-7Pa・m3/sec 温度性能表示欄K9、温度性能メンテナンス欄K16に
は、 ヒータ設定温度 302.3±4.9℃ チャンバ設定温度 80.1±2.1℃ の項目が記載されている。
【0182】そしてこれらのパラメータPに対して、そ
れぞれのプラズマ処理装置またはプラズマ処理システム
における各プラズマチャンバ毎のばらつきを、それぞれ
のパラメータPのうちその最大値Pmax と最小値Pmin
のばらつきを、以下の式(10B) (Pmax −Pmin )/(Pmax +Pmin ) (10B) として定義し、これらのばらつきの値の各プラズマ処理
装置またはプラズマ処理システムにおける設定範囲をそ
れぞれのパラメータの項目に対して表示する。
【0183】さらに、このサブページCP3には、各プ
ラズマチャンバ毎のメンテナンス欄を表示するための
「詳細」ボタンK18が各メンテナンス履歴欄K14,
K15,K16,K17ごとに設けられ、発注者が、当
該情報を閲覧可能となっている。
【0184】発注者が、当該詳細欄により表示要求をお
こなった場合には、メンテナンス履歴の詳細情報の記載
されたメンテナンス詳細ページCP4がデータベースD
からクライアントC1 に送信する。
【0185】図26は、このようにしてサーバーSから
クライアントC1 に送信された「詳細メンテナンス情
報」のメンテナンス詳細ページのサブページCP4であ
る。図には電気性能メンテナンスのページを示してい
る。このメンテナンス詳細ページCP4には、図26に
示すように、納入されたプラズマ処理装置またはプラズ
マ処理システムおよびその各プラズマチャンバの機械番
号を示すロット番号表示K13、選択された各メンテナ
ンス欄が表示される。ここで、各メンテナンス欄として
は、各プラズマチャンバに対応するパラメータPのメン
テナンス時の値と、これらのパラメータPのばらつきの
値とが、プラズマ処理装置またはプラズマ処理システ
ム、および、各プラズマチャンバ毎のロット番号毎に表
示される。
【0186】また、プラズマ処理室電気性能表示欄K1
0およびプラズマ処理室電気性能メンテナンス欄K17
には、前述した第1〜第2実施形態のプラズマ処理装置
又は後述する第9、10の実施形態のプラズマ処理装置
又は第11の実施形態のプラズマ処理システムにおける
プラズマ処理装置で説明したプラズマ励起電極4とサセ
プタ電極8間のプラズマ容量Ce 、電極4と直流的にア
ースされた各接地電位部との間の容量(ロス容量)
X、この設定範囲とプラズマ容量Ceとの関係が記載さ
れる。また、これ以外にも、電力周波数fe におけるプ
ラズマチャンバのレジスタンスRおよびリアクタンス
X、そして、第1直列共振周波数f0 の値、および、こ
の設定範囲と電力周波数fe との関係等の値が記載され
る。
【0187】同時に、データベースDから「性能基準情
報」としての「真空性能」「給排気性能」「温度性能」
「プラズマ処理室電気性能」等のデータを取得し、これ
らを図25,図26に示すように、「動作保守状況情
報」とセットでメンテナンス履歴ページCP3、メンテ
ナンス詳細ページCP4に表示することにより、「性能
基準情報」を参照して「動作保守状況情報」を閲覧する
ことができ、これにより、発注者は、納入されたプラズ
マ処理装置またはプラズマ処理システムおよびプラズマ
チャンバの「性能状況情報」のうち、「性能基準情報」
を使用時の指標として確認するとともに、「動作保守状
況情報」を動作状態を示すパラメータとして検討するこ
とができる。同時に、「性能基準情報」と「動作保守状
況情報」とを比較することによってプラズマ処理装置ま
たはプラズマ処理システムおよびプラズマチャンバの動
作確認をおこなうとともにメンテナンスの必要性を認識
し、かつ、プラズマ処理状態の状態を把握することがで
きる。
【0188】なお、サーバーSは、このようなサブペー
ジCP3、CP4のクライアントC1 への送信が完了し
た後に、クライアントC1 から接続解除要求が受信され
ない場合は(ステップS5)、接続不許可メッセージを
クライアントC1 に送信して(ステップS8)、発注者
に「閲覧専用パスワード」を再度入力するか、次のサブ
ページの表示要求を待って待機し(ステップS3)、一
方、クライアントC1から接続解除要求が受信された場
合には(ステップS5)、当該クライアントC1 との交
信を終了する。
【0189】本実施形態のプラズマ処理装置またはプラ
ズマ処理システムの性能確認システムにおいて、購入発
注者が販売保守者に発注したプラズマ処理装置またはプ
ラズマ処理システムの動作性能状況を示す性能状況情報
の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側情報端
末と、販売保守者が上記性能状況情報をアップロードす
る販売保守者側情報端末と、上記購入発注者側情報端末
の要求に応答して、販売保守者側情報端末からアップロ
ードされた性能状況情報を購入発注者側情報端末に提供
する性能状況情報提供手段と、を具備することができ、
さらに、上記性能状況情報が、上記ロス容量Cx および
このパラメータに対して、それぞれのプラズマ処理装置
またはプラズマ処理システムにおける各プラズマチャン
バ毎のばらつきの値を含むとともに、上記性能状況情報
が、カタログまたは仕様書として出力されることによ
り、販売保守者がアップロードしたプラズマ処理装置ま
たはプラズマ処理システムおよびそのプラズマチャンバ
の性能基準情報および動作保守状況情報からなる性能状
況情報に対して、購入発注者が情報端末から公衆回線を
介して閲覧を可能とすることにより、発注者に対して、
購入時に判断基準となる情報を伝達することが可能とな
り、かつ、使用時における、プラズマ処理装置またはプ
ラズマ処理システムおよびそのプラズマチャンバごとの
動作性能・保守情報を容易に提供することが可能とな
る。また、上記性能状況情報が、上述したようにプラズ
マチャンバに対する性能パラメータとしての上記ロス容
量Cx およびそのばらつきの値や、プラズマ電極容量C
eおよびそのばらつきの値を含むことにより、発注者の
プラズマ処理装置またはプラズマ処理システムその各プ
ラズマチャンバに対する性能判断材料を提供できるとと
もに、購入時における適切な判断をすることが可能とな
る。さらに、上記性能状況情報を、カタログまたは仕様
書として出力することができる。本性能確認システムの
対象となるプラズマ処理装置に特に限定はなく、第1、
2実施形態において示したプラズマ処理装置又は後述す
る第9、10の実施形態において示したプラズマ処理装
置又は第11の実施形態において示したプラズマ処理シ
ステムにおけるプラズマ処理装置等も対象となる。
【0190】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能評価方法を第7実施形態として、図面に基づいて説明
する。 [第7実施形態]本実施形態の性能評価方法の対象とな
るプラズマ処理装置としては図1乃至図8を用いて説明
した第1実施形態のプラズマ処理装置が用いられる。上
記第1実施形態で説明した方法と同様にして測定・定義
したロス容量CXの納入後における値Cx1の値が、高周
波電源1の接続された電極4と対となり協働してプラズ
マを発生する電極8との間のプラズマ電極容量Ce の2
6倍より小さい値の範囲になるかどうか(プラズマ電極
容量Ce の26倍がロス容量CXの納入後における値C
x1 より大きい値になるかどうか)により、所望の性能
を維持しているか否かが判断される。すなわち、ロス容
量CXの納入後における値Cx1 の値が、電極4と電極8
との間のプラズマ電極容量Ce の26倍以上の値である
場合には、所望の性能が維持できていないと判断する。
そして、所望の性能が維持できていないと判断した場合
には、ロス容量CXの納入後における値Cx1の値が、電
極4と電極8との間のプラズマ電極容量Ce の26倍よ
り小さい値の範囲になるように、ロス容量CX1を是正す
る措置をとることができる。
【0191】ここで、上記CX1を是正する方法として
は、例えば、第1実施形態で説明した〜等の手法を
適用することができる。本実施形態の性能評価方法にお
いては、プラズマチャンバ75のロス容量CX の納入後
における値Cx1の値が、電極4と電極8との間のプラズ
マ電極容量Ceの26倍より小さい値の範囲(プラズマ
電極容量Ce の26倍がロス容量CXの納入後における
値Cx1 より大きい値の範囲)にする是正作業が可能と
なることにより、従来は、考慮されていなかったプラズ
マチャンバ75の全体的な電気的高周波的な特性を適正
な範囲に収めることができる。これにより、動作安定性
を向上して、従来一般的に使用されていた13.56M
Hz程度以上の高い周波数の電力を投入した場合であっ
ても、高周波電源1からの電力を、プラズマ励起電極4
とサセプタ電極8との間のプラズマ発生空間に効率よく
導入することが可能となる。同時に、同一周波数を供給
した場合に、従来のプラズマ処理装置と比べて、プラズ
マ空間で消費される実効的な電力を大きくし、生成する
プラズマ密度の上昇を図ることができる。その結果、プ
ラズマ励起周波数の高周波化による処理速度の向上を図
ること、つまり、プラズマCVD等により膜の積層をお
こなう際には、堆積速度の向上を図ることができる。
【0192】さらに、本実施形態の性能評価の結果、適
切な是正作業が施されれば、プラズマ空間に効率よく電
力が供給されることにより、プラズマの不要な広がりも
抑制でき、被処理基体16における膜面内方向における
プラズマ処理の均一性の向上を図ることができ、成膜処
理においては膜厚の膜面内方向分布の均一性の向上を図
ることが可能となる。同時に、高い電力を投入すること
によりプラズマポテンシャルを低くすることができ、イ
オンによるダメージを抑制できるので、プラズマCV
D、スパッタリングなどの成膜処理においては、成膜状
態の向上、すなわち、堆積した膜における絶縁耐圧や、
エッチング液に対する耐エッチング性、そして、いわゆ
る膜の「固さ」つまり膜の緻密さ等の膜特性の向上を図
ることが可能となる。ここで、膜の緻密さは例えば、B
HF液によるエッチングに対する浸食されにくさ、耐エ
ッチング性によって表現可能である。
【0193】さらに、上記是正作業が施されれば、同一
周波数を供給した場合に、従来のプラズマ処理装置と比
べてプラズマ空間に効率よく電力が供給することができ
るため、電力の消費効率を向上し、同等の処理速度もし
くは膜特性を得るために、従来より少ない投入電力です
むようにできる。したがって、電力消費の低減を図るこ
と、ランニングコストの削減を図ることができる。同時
に、従来と同じ投入時間を用いる場合には、処理時間を
短縮することが可能となり、生産性の向上を図ることが
できる。いずれの場合も省力化が可能となり、プラズマ
処理に要する電力消費を減らせることから二酸化炭素の
排出総量を削減することが可能となる。
【0194】そして、本実施形態の性能評価方法によれ
ば、プラズマ処理装置の実機が設置してある場所で、高
周波特性測定器ANによりロス容量CXを測定するだけ
で、短時間にプラズマ処理装置の性能確認および、性能
の評価が可能となる。このため、成膜された基板を検査
するために、製造ラインを数日あるいは数週間停止して
プラズマ処理装置の性能確認および、性能の評価をする
必要がなくなり、製造ラインとしての生産性を向上する
ことができる。このロス容量CXは、機械的な構造をそ
の多くの要因としてきまる電気的高周波的な特性であ
り、各プラズマ処理室ごとに異なっていると考えられ
る。上記の範囲に、このCXを指標とすることにより、
各プラズマ処理室に対しても、従来考慮されていなかっ
たその全般的な電気的高周波的特性を設定することが可
能となり、プラズマ発生の安定性を期待することができ
る。その結果、動作安定性の高いプラズマ処理装置を提
供することが可能となる。しかも、これらの性能評価
を、装置を搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納
入先にて再組み立てした後に実施するために、搬送中の
振動や搬入後の再組み立て作業の不備で精度に狂いが生
じる等、性能に悪影響を及ぼす事象が発生した後に、簡
便かつ短時間で性能を確認できるので、問題発見から改
善までのサイクルを早めることができるので、納入後の
装置の立ち上げ期間を短縮することが可能となる。
【0195】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能評価方法を第8実施形態として、図面に基づいて説明
する。 [第8実施形態]本実施形態の性能評価方法の対象とな
るプラズマ処理装置としては図11乃至図14を用いて
説明した第2実施形態のプラズマ処理装置である。上記
第2実施形態で説明した方法と同様にして測定・定義し
たロス容量CXの納入後における値Cx1の値が、高周波
電源1の接続された電極4と対となり協働してプラズマ
を発生する電極8との間のプラズマ電極容量Ce の26
倍より小さい値の範囲になるかどうか(プラズマ電極容
量Ce の26倍がロス容量CXの納入後における値Cx1
より大きい値になるかどうか)により、所望の性能を
維持しているか否か判断される。すなわち、ロス容量C
Xの納入後における値Cx1の値が、電極4と電極8との
間のプラズマ電極容量Ce の26倍以上の値である場合
には、所望の性能が維持できていないと判断する。そし
て、所望の性能が維持できていないと判断した場合に
は、ロス容量CXの納入後における値Cx1の値が、電極
4と電極8との間のプラズマ電極容量Ce の26倍より
小さい値の範囲になるように、ロス容量CX1を是正する
措置をとることができる。
【0196】ここで、上記CX1を是正する方法として
は、例えば、第2実施形態で説明した〜等の手法を
適用することができる。
【0197】また、第8実施形態では、第2実施形態で
説明した方法と同様にして測定・定義したプラズマ発光
時のプラズマ電極容量Ce"の5倍が、ロス容量CX より
大きい範囲にあるかどうか評価される。ここでのプラズ
マ発光時のプラズマ電極容量Ce"の5倍が、ロス容量C
X より大きい範囲にあるかどうかは、第2実施形態で説
明した原理から、プラズマ装置75におけるプラズマ励
起電極4とサセプタ電極8との間のプラズマ電極容量C
eの5×d/δ倍がロス容量CX より大きい範囲にある
かどうかを判断することにより評価することが可能であ
る。
【0198】本実施形態のプラズマ処理装置の性能評価
方法においては、第7実施形態と同等の効果を奏すると
ともに、測定用端子61に高周波特性測定器ANを着脱
自在に接続するとともに、スイッチSW1,SW2を設
け、これらのインピーダンスZ1 とインピーダンスZ2
とを等しく設定することで、プラズマチャンバ95と整
合回路2Aとを着脱することなく、かつ、測定用プロー
ブ105を着脱することなく、スイッチSW1,SW2
切り替えのみにより高周波特性の測定、特に、プラズマ
電極容量Ce ,ロス容量CX の測定を容易におこなうこ
とが可能となる。さらに、プラズマ電極容量Ceの5×
d/δ倍と、ロス容量CXの値を比較することにより、
直接プラズマを発光させる上記電極4,8の周波数特性
を評価できるため、プラズマ発光空間に対して電力をよ
り効果的に投入することができ、さらなる電力消費効
率、または、処理効率についての適切な判断が可能とな
る。
【0199】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能評価方法の第9実施形態を、図面に基づいて説明す
る。 [第9実施形態]図27は本実施形態の性能評価方法の
対象となるプラズマ処理装置の概略構成を示す図であ
る。このプラズマ処理装置71は、例えば、トップゲー
ト型TFTの半導体能動膜をなす多結晶シリコンの成膜
からゲート絶縁膜の成膜までの一貫処理が可能なものと
され、複数のプラズマ処理室を有する装置とされる。
【0200】本実施の形態のプラズマ処理装置71は、
図27に示すように、略七角形状の搬送室72の周囲
に、5つの処理室ユニットと1つのローダ室73と1つ
のアンローダ室74とが連設されている。また、5つの
処理室ユニットの内訳としては、アモルファスシリコン
膜を成膜する第1成膜室、シリコン酸化膜を成膜する第
2成膜室、およびシリコン窒化膜を成膜する第3成膜室
からなるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)
75,76,77、成膜後の被処理基板のアニーリング
処理を行うレーザアニール室78、成膜後の被処理基板
の熱処理を行う熱処理室79、である。
【0201】プラズマ処理室ユニット(プラズマチャン
バ)である、第1成膜室75、第2成膜室76、第3成
膜室77はそれぞれ異なる種類の膜を成膜するような異
なる処理をおこなうことも可能であり、また、同一のプ
ロセスレシピにより同一の処理をおこなうこともできる
のものであるが、略同一の構成とされている。そして、
これらの複数のプラズマチャンバ75,76,77は、
それぞれ、前述した図1ないし図8に示す第1実施形態
におけるプラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)
75と略同一の構成とされている。なお、本実施形態に
おいて、プラズマチャンバ75が前述した第1実施形態
と異なるのは、プラズマ処理室ユニット(プラズマチャ
ンバ)75のプラズマ電極容量Ce と容量(ロス容量)
X とに関する点のみであり、プラズマ処理ユニットと
しての構成に関しては第1実施形態に準ずるものとされ
る。また、これ以外の第1実施形態と略同等の構成要素
に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。こ
れらのプラズマチャンバ75,76,77のいずれかに
おいてアモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜、シリ
コン窒化膜等の成膜をおこなう際には、サセプタ電極8
上に被処理基板16を載置し、高周波電源1から高周波
電極4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を
印加するとともにガス導入管17からシャワープレート
6を介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラ
ズマを発生させ、被処理基板16上にアモルファスシリ
コン膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を成膜す
る。
【0202】レーザアニール室78は、図28に示すよ
うに、チャンバ80の上部にレーザ光源81が設けられ
る一方、チャンバ80内の下部には被処理基板16を載
置するためのステージ82が直交するX方向、Y方向の
2方向に水平移動可能に設けられている。そして、レー
ザ光源81の出射部81aからスポット状のレーザ光8
3(1点鎖線で示す)が出射されると同時に、被処理基
板16を支持したステージ82がX方向、Y方向に水平
移動することにより、レーザ光83が被処理基板16の
全面を走査できるようになっている。レーザ光源81に
は例えばXeCl、ArF、ArCl、XeF等のハロ
ゲンガスを用いたガスレーザを用いることができる。ま
た、レーザアニール室78の構成は、レーザ光を出射す
るレーザ光源を備え、レーザ光源から出射されるスポッ
ト状のレーザ光が被処理基板の表面をくまなく走査でき
る構成のものであれば、種々の構成の装置を用いること
ができる。この場合、レーザ光源は例えばXeCl、A
rF、ArCl、XeF等のハロゲンガスを用いたガス
レーザを用いることができる。膜の種類によってはYA
Gレーザ等の他のレーザ光源を用いることもでき、レー
ザ光の照射の形態としては、パルスレーザアニール、連
続発振レーザアニールを用いることができる。また、熱
処理室の構成は、例えば多段式電気炉型の装置を用いる
ことができる。
【0203】熱処理室79は、図29に示すように、多
段式電気炉型のものであり、チャンバ84内に多段に設
けられたヒータ85の各々に被処理基板16が載置され
る構成になっている。そして、ヒータ85の通電により
複数枚の被処理基板16が加熱されるようになってい
る。なお、熱処理室89と搬送室72との間にはゲート
バルブ86が設けられている。
【0204】図27に示すローダ室73、アンローダ室
74には、ローダカセット、アンローダカセットが着脱
可能に設けられている。これら2つのカセットは、複数
枚の被処理基板16が収容可能なものであり、ローダカ
セットに成膜前の被処理基板16が収容され、アンロー
ダカセットには成膜済の被処理基板16が収容される。
そして、これら処理室ユニットとローダ室73、アンロ
ーダ室74の中央に位置する搬送室72に基板搬送ロボ
ット(搬送手段)87が設置されている。基板搬送ロボ
ット87はその上部に伸縮自在なリンク機構を有するア
ーム88を有し、アーム88は回転可能かつ昇降可能と
なっており、アーム88の先端部で被処理基板16を支
持、搬送するようになっている。
【0205】上記構成のプラズマ処理装置71は、例え
ば各処理室における成膜条件、アニール条件、熱処理条
件等、種々の処理条件や処理シーケンスをオペレータが
設定する他は、各部の動作が制御部により制御されてお
り、自動運転する構成になっている。したがって、この
プラズマ処理装置71を使用する際には、処理前の被処
理基板16をローダカセットにセットし、オペレータが
スタートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボット87
によりローダカセットから各処理室内に被処理基板16
が搬送され、各処理室で一連の処理が順次自動的に行わ
れた後、基板搬送ロボット87によりアンローダカセッ
トに収容される。
【0206】本実施形態の性能評価方法の対象となるプ
ラズマ処理装置71においては、複数のプラズマチャン
バ75,76,77のそれぞれにおいて、高周波特性と
してロス容量Cxの、納入後における値Cx1の値のばら
つきCx1rが、その最大値Cx1maxと最小値Cx1minによ
って、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値として0.1より小
さい値であるかどうかにより、所望の性能を維持してい
るか否かが判断される。すなわち、Cx1rの値が0.1
より小さい場合には所望の性能を維持していると判断
し、0.1以上の場合には、所望の性能が維持できてい
ないと判断する。そして、所望の性能が維持できていな
いと判断した場合には、Cx1rの値が0.1より小さい
値の範囲になるように、ロス容量Cxを是正する措置を
とることができる。ここで、ロス容量Cx の定義及び
測定方法と、ロス容量Cxの是正方法は、上記第1実施
形態で説明した方法と同様であるので、その説明を省略
する。また、第9実施形態では、上記Cx1rの評価に加
えて、複数のプラズマチャンバ75,76,77におい
ては、高周波電源1の接続された電極4と協働してプラ
ズマを発生する電極8との間のプラズマ電極容量Ce
の、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rが、そ
の最大値Ce1maxと最小値Ce1minによって Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) とされ、このCe1rの値が0.1より小さい範囲が小さ
い値であるかどうかにより、所望の性能を維持している
か否かが判断することが好ましい。すなわち、Ce1r
値が0.1より小さい場合には所望の性能を維持してい
ると判断し、0.1以上の場合には、所望の性能が維持
できていないと判断する。
【0207】上記のように、それぞれのプラズマチャン
バ75,76,77(複数のプラズマ処理室)の高周波
特性としてロス容量Cxのうち、その最大値Cx1maxと最
小値Cx1minのばらつきを、上記式に示すように定義
し、この値が0.1より小さい範囲の値かどうかを評価
し、また、プラズマ電極容量Ceのうち、その最大値Ce
1maxと最小値Ce1minのばらつきを、上記式に示すよう
に定義し、この値が0.1より小さい範囲の値かどうか
を評価することで、複数のプラズマチャンバ(複数のプ
ラズマ処理室)75,76,77に対して電気的高周波
的な特性の機差をなくすような是正措置が可能となり、
これにより、ロス容量Cxやプラズマ電極容量Ceを指標
とする一定の管理幅内に複数のプラズマチャンバ75,
76,77の状態を設定することが可能となるので、個
々のプラズマチャンバ75,76,77において、プラ
ズマ空間で消費される実効的な電力等をそれぞれ略均一
にすることができる。
【0208】その結果、複数のプラズマチャンバ75,
76,77に対して同一のプロセスレシピを適用して、
略同一のプラズマ処理結果を得ること、つまり、複数の
プラズマチャンバ(複数のプラズマ処理室)75,7
6,77において例えば成膜をおこなった際に、膜厚、
絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性の膜を
得ることが可能となる。具体的には、上記のばらつきの
値を0.1より小さい範囲に設定することにより、略同
一の条件で積層をおこなったプラズマチャンバ75,7
6,77において、膜厚のばらつきの値を±5%の範囲
におさめることができる。そのため、従来考慮されてい
なかったプラズマ処理装置71の全般的な電気的高周波
的特性を設定することが可能となり、プラズマ発生の安
定性を期待することができる。その結果、動作安定性が
高く、各プラズマチャンバ75,76,77で均一な動
作が期待できるプラズマ処理装置71を維持管理するこ
とが可能となる。これにより、複数のプラズマチャンバ
75,76,77に対する膨大なデータから外部パラメ
ータと実際の基板を処理するような評価方法による処理
結果との相関関係によるプロセス条件の把握を不必要と
することができる。
【0209】したがって、新規設置時や調整・保守点検
時において、各プラズマチャンバ75,76,77ごと
の機差をなくして処理のばらつきをなくし同一のプロセ
スレシピにより略同一の処理結果を得るために必要な調
整時間を、被処理基板16への実際の成膜等による検査
方法を採用した場合に比べて、 ロス容量CX、プラズマ
電極容量Ceを測定することにより、大幅に短縮するこ
とができる。しかも、処理をおこなった基板の評価によ
りプラズマ処理装置71の動作確認および、動作の評価
をおこなうという2段階の方法でなく、ダイレクトにプ
ラズマ処理装置71の評価を、しかも、プラズマ処理装
置71の実機が設置してある場所で短時間におこなうこ
とが可能である。その上、被処理基板16への実際の成
膜等による検査方法を採用した場合、別々に行うしかな
かった複数のプラズマチャンバ75,76,77に対す
る結果をほぼ同時に実現することができる。このため、
製造ラインを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理
装置71の動作確認および、動作の評価をする必要がな
くなり、製造ラインとしての生産性を向上することがで
きる。また、このような調整に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従
事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能
となる。
【0210】さらに、この各プラズマチャンバ75,7
6,77においては、第7から第8の実施形態において
採用した評価方法を併せて採用することができる。すな
わち、各々のCXと、プラズマ極容量Ceとを比較した評
価基準を上記ばらつきCx1r に基づく評価と併用するこ
とにより、機差だけでなく、プラズマチャンバ75,7
6,77の全体的な電気的高周波的な特性をそれぞれ適
正な範囲に収めることができる。これにより、各プラズ
マ処理室75,76,77において第7から第8の実施
形態と同様の効果を得ることが可能となる。しかも、こ
れらを、複数のプラズマチャンバ75,76,77にお
いて同時に実現することができる。
【0211】以下、本発明に係る性能評価方法を第10
実施形態としてを図面に基づいて説明する。 [第10実施形態]図30は本実施形態の性能評価方法
の対象となるプラズマ処理装置91の概略構成を示す断
面図である。本実施形態のプラズマ処理装置91は、図
30に示すように、略四角形の搬送室92の周囲にロー
ドロック室93と熱処理室99とプラズマ処理室ユニッ
ト95,96とが設けられた構成とされている。この装
置は基板移載用の搬送ロボットが設置されている搬送室
92を中央にして、各室の間が、ゲートg1,g2,g
3,g4で区切られている。搬送室(待機室)92と加
熱室99とその他の処理室ユニット95,96はそれぞ
れ個別の高真空ポンプによって高真空度に排気されてい
る。ロードロック室91は低真空ポンプによって低真空
度に排気されている。
【0212】この実施形態のプラズマ処理装置91にお
いては、その構成要素が図1乃至図8に示した第1実施
形態のプラズマ処理装置(プラズマチャンバ)75及び
図27〜図29に示した第9実施形態のプラズマ処理装
置71に対応しており、それぞれ、搬送室72に搬送室
92が、熱処理室79に熱処理室99が、ローダ室73
およびアンローダ室74にロードロック室93が対応し
ており、略同一の構成の部分に関しては説明を省略す
る。
【0213】上記構成のプラズマ処理装置91は、ゲー
トg0を開放して被処理基板16をロードロック室93
に搬入し、ゲートg0を閉塞してロードロック室93を
低真空ポンプによって排気する。ゲートg1,g2を開
放してロードロック室93に搬入された基板16を、搬
送室92の搬送ロボットの移載アームによって熱処理室
99に移動し、ゲートg1,g2を閉塞して搬送室92
と熱処理室99を高真空ポンプによって排気する。つい
で基板16を加熱処理し、終了後、ゲートg2,g4を
開放して熱処理された基板16を、搬送室92の搬送ロ
ボットの移載アームによってプラズマ処理室ユニット
(プラズマチャンバ)95に移動する。プラズマチャン
バ(プラズマチャンバ)95の基板16を反応処理し、
終了後ゲートg4,g3を開放して処理された基板16
を、搬送室92の搬送ロボットの移載アームによってプ
ラズマ処理室ユニット(プラズマチャンバ)96に移動
する。プラズマチャンバ96の基板16を反応処理し、
終了後ゲートg3,g1を開放して基板16を、搬送室
92の搬送ロボットの移載アームによってロードロック
室93に移動する。このとき、例えば各プラズマチャン
バ(プラズマ処理室)における成膜条件等の処理条件や
処理シーケンスをオペレータが設定する他は、各部の動
作が制御部により制御されており、自動運転する構成に
なっている。したがって、このプラズマ処理装置91を
使用する際には、処理前の被処理基板16をロードロッ
ク室93のローダカセットにセットし、オペレータがス
タートスイッチを操作すれば、基板搬送ロボットにより
ローダカセットから各処理室内に被処理基板16が搬送
され、各処理室で一連の処理が順次自動的に行われた
後、基板搬送ロボットによりアンローダカセット(ロー
ダカセット)に収容される。
【0214】上記構成のプラズマチャンバ95,96に
おいては、第2実施形態と同様に、サセプタ電極8上に
被処理基板16を載置し、高周波電源1から高周波電極
4とサセプタ電極8の双方にそれぞれ高周波電力を印加
するとともにガス導入管17からシャワープレート6を
介して反応ガスをチャンバ室60内に供給してプラズマ
を発生させ、被処理基板16上にアモルファスシリコン
膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等を成膜する。
【0215】そして、これらの複数のプラズマチャンバ
95,96は、図30に示すように、後述するスイッチ
SW2等を介して測定器(高周波特性測定器)ANに接
続されている。同時に、複数のプラズマチャンバ95,
96においては、プラズマ電極容量Ce の、納入後にお
ける値Ce1の値のばらつきCe1rが、その最大値Ce1m ax
と最小値Ce1minによって Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、このCe1rの値が0.03より小さい範囲
が小さい値であるかどうかにより、所望の性能を維持し
ているか否かが判断される。すなわち、このCe1 rの値
が0.03より小さい場合には所望の性能を維持してい
ると判断し、0.03以上の場合には、所望の性能が維
持できていないと判断する。また、複数のプラズマチャ
ンバ95,96においては、高周波特性としてロス容量
xの、納入後における値Cx1の値のばらつきCx1rが、
その最大値Cx1maxと最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値として0.03より
小さい値であるかどうかにより、所望の性能を維持して
いるか否かが判断される。すなわち、Cx1rの値が0.
03より小さい場合には所望の性能を維持していると判
断し、0.03以上の場合には、所望の性能が維持でき
ていないと判断する。そして、所望の性能が維持できて
いないと判断した場合には、Cx1rの値が0.03より
小さい値の範囲になるように、ロス容量Cxを是正する
措置をとることができる。
【0216】本実施形態においては、第9実施形態と同
等の効果を奏するとともに、各プラズマチャンバ95,
96におけるプラズマ電極容量Ceの、納入後における
値Ce 1の値のばらつきCe1rが0.03より小さい範囲
の値かどうかを評価するので、適切な是正措置を施すこ
とができ、複数のプラズマチャンバ(複数のプラズマ処
理室)95,96に対して容量Ceの電気的高周波的な
特性の機差をなくすことが可能となり、また、各プラズ
マチャンバ95,96におけるロス容量Cxの、納入後
における値Cx1の値のばらつきCx1rが0.03より小
さい範囲の値かどうかを評価するので、適切な是正措置
を施すことができ、複数のプラズマチャンバ(複数のプ
ラズマ処理室)95,96に対してロス容量Cxの電気
的高周波的な特性の機差をなくすことが可能となり、こ
れにより、プラズマ電極容量Ceやロス容量Cxを指標と
して一定の管理幅内に複数のプラズマ処理室の状態を設
定することが可能となるので、個々のプラズマチャンバ
95,96において、プラズマ空間で消費される実効的
な電力等をそれぞれ略均一にすることができる。その結
果、複数のプラズマチャンバ95,96に対して同一の
プロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処理結果
を得ること、つまり、複数のプラズマ処理室において例
えば成膜をおこなった際に、膜厚、絶縁耐圧、エッチン
グレート等、略均一な膜特性の膜を得ることが可能とな
る。具体的には、上記のばらつきの値を0.03より小
さい範囲に設定することにより、略同一の条件で積層を
おこなったプラズマ処理室において、膜厚のばらつきの
値を±2%の範囲におさめることができる。
【0217】さらに、このプラズマ処理装置91におい
ては、複数のプラズマチャンバ95,96の上記整合回
路2Aの出力端子位置PRに測定用端子(インピーダン
ス測定用端子)61を設け、この測定用端子61に高周
波特性測定器(インピーダンス測定器)ANを着脱自在
に接続するとともに、スイッチSW1,SW2を設ける
ことで、上記プラズマチャンバ95,96の高周波特性
としてのロス容量Cx を測定する際のプロービングを容
易におこなうことが可能となり、ロス容量Cx の測定時
における作業効率を向上することができる。
【0218】さらに、これら複数のプラズマチャンバ9
5,96においてインピーダンスZ1 とインピーダンス
2 とを等しく設定することにより、個々のプラズマチ
ャンバ95,96において、インピーダンス測定用プロ
ーブ105を着脱することなく、スイッチSW1,SW
2切り替えのみにより高周波特性としてのロス容量Cx
の測定と、プラズマ処理装置の動作状態(プラズマ発生
状態)と、の切り替えを容易におこなうことが可能とな
る。ここで、ロス容量Cxの測定時において、スイッチ
SW1,SW2切り替えのみにより複数のプラズマチャ
ンバ95,96を順に切り替えることができ、ロス容量
xの測定時における作業効率を向上することができ
る。さらに、複数のプラズマチャンバ95,96におい
て第9実施形態と同様に、ロス容量Cxとプラズマ電極
容量Ceとの値を比較した評価方法により、適切な是正
措置を施すことで、直接プラズマを発光させる上記電極
4,8の高周波特性をそれぞれのプラズマチャンバ9
5,96において規定できるため、プラズマ発光空間に
対して電力をより効果的に投入することができ、本実施
形態のプラズマ処理装置91全体でさらなる電力消費効
率の向上か、または、処理効率の向上を図ることが可能
となる。
【0219】なお、このプラズマ処理装置において、2
つのスイッチSW1およびスイッチSW2を設ける構成
としたが、分岐点から出力端子位置PRまでと分岐点か
らプローブまでのインピーダンスが等しく設定されてい
れば、よく、例えば1つのスイッチによりこれらの接続
を切り替え可能とすることもできる。
【0220】さらに、この各プラズマチャンバ95,9
6においては、第7から第9の実施形態において採用し
た評価方法を併せて採用することができる。すなわち、
各々のロス容量Cxと、プラズマ電極容量Ce の26倍
とを比較(各々のロス容量Cx 1と、プラズマ電極容量C
e1の26倍とを比較)した評価基準を上記ばらつきCx
1r やCx1rに基づく評価と併用することにより、機差
だけでなく、プラズマチャンバ95,96の全体的な電
気的高周波的な特性をそれぞれ適正な範囲に収めること
ができる。これにより、各プラズマチャンバ95,96
において第7から第9の実施形態と同様の効果を得るこ
とが可能となる。しかも、これらを、複数のプラズマチ
ャンバ95,96において同時に実現することができ
る。
【0221】以下、本発明に係る性能評価方法を第11
実施形態として図面に基づいて説明する。 [第11実施形態]図31は本実施形態の性能評価方法
の対象となるプラズマ処理システムの概略構成を示す模
式図である。
【0222】このプラズマ処理システムは、図27に示
した第9実施形態におけるプラズマ処理装置と略同等の
プラズマ処理装置71,71’と、図30に示した第1
0実施形態におけるプラズマ処理装置と略同等のプラズ
マ処理装置91と、を組み合わせて概略構成されてい
る。先に説明した第9,第10実施形態におけるプラズ
マ処理装置の構成要素に対応するものには同一の符号を
付してその説明を省略する。
【0223】このプラズマ処理システムは、図31に示
すように、3つのプラズマチャンバ(プラズマ処理室)
95,96,97を有するプラズマ処理装置71、2つ
のプラズマチャンバ(プラズマ処理室)95,96を有
するプラズマ処理装置91、および、3つのプラズマチ
ャンバ(プラズマ処理室)95,96,97を有するプ
ラズマ処理装置71’が製造ラインの一部を構成するも
のとされている。
【0224】このプラズマ処理システムの製造ラインに
おける工程は、例えば、以下のようになっている。ま
ず、プラズマ処理前処理をおこなった被処理基板16
に、プラズマ処理装置71のプラズマチャンバ95にお
いて成膜処理をおこない、ついで、熱処理室79におい
て加熱処理をおこない、その後、レーザーアニール室7
8においてアニール処理がおこなわれ、プラズマチャン
バ96,97において、被処理基板16に順次第2,第
3の成膜処理がおこなわれる。次いで、プラズマ処理装
置71から搬出された被処理基板16に、図示しない他
の処理装置において、フォトリソグラフィー工程により
フォトレジストの形成をおこなう。そして、プラズマ処
理装置91のプラズマチャンバ95においてプラズマエ
ッチングをおこない、ついで、プラズマチャンバ96に
おいて、被処理基板16に成膜処理をおこなう。次い
で、プラズマ処理装置91から搬出された被処理基板1
6に、図示しない他の処理装置において、レジストを剥
離し、新たにフォトリソグラフィー工程によりパターニ
ングする。最後に、プラズマ処理装置71’のプラズマ
チャンバ95、96,97において被処理基板16に順
次第1,第2,第3の成膜処理がおこなわれ、被処理基
板16をプラズマ処理後処理へと送り、製造ラインにお
ける本実施形態のプラズマ処理システムにおける工程は
終了する。
【0225】このプラズマ処理システムは、図31に示
すように、各プラズマ処理室95,96,97の測定用
端子61がスイッチSW3を介して測定器ANに接続さ
れている。スイッチSW3は各プラズマ処理室95,9
6,97の測定時に測定対象のプラズマチャンバ95,
96,97と測定器ANとのみを接続して、それ以外の
プラズマ処理室95,96,97を切断するよう切り替
えるスイッチとして設けられている。そして、この測定
用端子61から、スイッチSW3までのインピーダンス
が、各プラズマチャンバ95,96,97に対して等し
くなるように、測定用の同軸ケーブルの長さが等しく設
定されている。測定用端子61には、図11に示す第2
実施形態と同様にして、測定器ANのプローブが着脱自
在に接続されている。
【0226】ここで、複数のプラズマ処理装置の各プラ
ズマチャンバ95,96,97におけるプラズマ電極容
量Ce と、ロス容量Cxは、スイッチSW3を切り替え
ることにより、第10実施形態と同様にして測定でき
る。そして、その複数のプラズマチャンバ95,96,
97においては、プラズマ電極容量Ce の、納入後にお
ける値Ce1の値のばらつきCe1rが、その最大値Ce1max
と最小値Ce1minによって Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、このCe1rの値が0.03より小さい範囲
が小さい値であるかどうかにより、所望の性能を維持し
ているか否かが判断される。すなわち、このCe1 rの値
が0.03より小さい場合には所望の性能を維持してい
ると判断し、0.03以上の場合には、所望の性能が維
持できていないと判断する。また、その複数のプラズマ
チャンバ95,96,97においては、ロス容量C
xの、納入後における値Cx1の値のばらつきCx1rが、そ
の最大値Cx1maxと最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、Cx1rの値が所定の値として0.03より
小さい範囲の値であるかどうかにより、所望の性能を維
持しているか否かが判断される。すなわち、Cx1rの値
が0.03より小さい場合には所望の性能を維持してい
ると判断し、0.03以上の場合には、所望の性能が維
持できていないと判断する。そして、所望の性能が維持
できていないと判断した場合には、Cx1rの値が0.0
3より小さい値の範囲になるように、ロス容量Cxを是
正する措置をとることができる。ここで、ロス容量Cx
の定義及び測定方法と、ロス容量Cxの是正方法は、
上記第2実施形態で説明した方法と同様であるので、そ
の説明を省略する。
【0227】本実施形態においては、第9,第10実施
形態と同等の効果を奏するとともに、各プラズマチャン
バ95,96,97のプラズマ電極容量Ceの、納入後
における値Ce1の値のばらつきCe1rが0.03より小
さい範囲の値かどうかを評価するので、適切な是正措置
を施すことができ、複数のプラズマチャンバ(複数のプ
ラズマ処理室)95,96,97に対する容量Ceの電気
的高周波的な特性の機差をなくすことが可能となり、ま
た、ロス容量Cxの、納入後における値Cx1の値のばら
つきCx1rが、0.03より小さい範囲の値かどうかを
評価するので、適切な是正措置を施すことができ、複数
のプラズマ処理装置71,91,71’において、それ
ぞれ、各プラズマチャンバ95,96,97に対する容
量Cxの電気的高周波的な特性の機差をなくすことが可
能となり、これにより、プラズマ処理システム全体にお
いてインピーダンス特性を指標とする一定の管理幅内に
複数のプラズマチャンバ95,96,97の状態を設定
することが可能となるので、個々のプラズマチャンバ9
5,96,97において、プラズマ空間で消費される実
効的な電力等をそれぞれ略均一にすることができる。
【0228】その結果、プラズマ処理システム全体にお
いて複数のプラズマチャンバ95,96,97に対して
同一のプロセスレシピを適用して、略同一のプラズマ処
理結果を得ること、つまり、複数のプラズマチャンバ9
5,96,97において例えば成膜をおこなった際に、
膜厚、絶縁耐圧、エッチングレート等、略均一な膜特性
の膜を得ることが可能となる。具体的には、上記のばら
つきの値を0.03より小さい範囲に設定することによ
り、略同一の条件で積層をおこなったプラズマチャンバ
95,96,97において、膜厚のばらつきの値を±2
%の範囲におさめることができる。そのため、従来考慮
されていなかったプラズマ処理システムの全般的な電気
的高周波的特性を設定することが可能となり、個々のプ
ラズマチャンバ95,96,97におけるプラズマ発生
の安定性を期待することができる。その結果、動作安定
性が高く、各プラズマチャンバ95,96,97で均一
な動作が期待できるプラズマ処理システムを提供するこ
とが可能となる。これにより、単一のプラズマ処理装置
よりも多数のプラズマチャンバ95,96,97に対す
る膨大なデータから外部パラメータと実際の基板を処理
するような評価方法による処理結果との相関関係による
プロセス条件の把握を不必要とすることができる。
【0229】したがって、新規設置時や調整・保守点検
時において、各プラズマチャンバ95,96,97ごと
の機差をなくして処理のばらつきをなくし、各プラズマ
チャンバ95,96,97において同一のプロセスレシ
ピにより略同一の処理結果を得るために必要な調整時間
を、被処理基板16への実際の成膜等による検査方法を
採用した場合に比べて、ロス容量Cx を測定することに
より、大幅に短縮することができる。しかも、処理をお
こなった基板の評価によりプラズマ処理システムの動作
確認および、動作の評価をおこなうという2段階の方法
でなく、ダイレクトにプラズマ処理システムの評価を、
しかも、プラズマ処理システムの実機が設置してある場
所で短時間におこなうことが可能である。その上、被処
理基板16への実際の成膜等による検査方法を採用した
場合、別々におこなうしかなかった複数のプラズマチャ
ンバ(プラズマ処理室)95,96,97に対する結果
をほぼ同時に実現することができる。このため、製造ラ
インを数日あるいは数週間停止してプラズマ処理システ
ムの動作確認および、動作の評価をする必要がなくな
り、製造ラインとしての生産性を向上することができ
る。また、このような調整に必要な検査用基板等の費
用、この検査用基板の処理費用、および、調整作業に従
事する作業員の人件費等、コストを削減することが可能
となる。
【0230】さらに、この各プラズマチャンバ95,9
6,97においては、第8から第9の実施形態において
採用した評価方法を併せて採用することができる。すな
わち、各々のロス容量Cxとプラズマ電極容量Ceを比較
(各々のロス容量Cx1と、プラズマ電極容量Ce1の26
倍とを比較)した評価基準を上記ばらつきCx1rやCx 1r
に基づく評価と併用することにより、機差だけでなく、
プラズマチャンバ95,96,97の全体的な電気的高
周波的な特性をそれぞれ適正な範囲に収めることができ
る。これにより、各プラズマチャンバ95,96,97
において第8から第9の実施形態と同様の効果を得るこ
とが可能となる。しかも、これらを、複数のプラズマチ
ャンバ95,96,97において同時に実現することが
できる。
【0231】さらに、スイッチSW1,SW2を設けて
これらのインピーダンスZ1 とインピーダンスZ2 とを
等しく設定し、同時に、測定用端子61からスイッチS
W3までのインピーダンスを複数のプラズマ処理装置7
1,71’、91における各プラズマチャンバ95,9
6,97に対して等しくなるように設定することで、ス
イッチSW1,SW2,SW3を切り替えるだけで、高
周波特性としてのロス容量Cxを測定できる。
【0232】なお、本実施形態において、スイッチSW
1,SW2,SW3を測定しようとする各プラズマチャ
ンバ95,96,97に対する切り替え動作を連動させ
ることが可能であり、また、2つのスイッチSW1およ
びスイッチSW2の構成を、分岐点から出力端子位置P
Rまでと分岐点からプローブまでのインピーダンスが等
しく設定される1つのスイッチとすることもできる。
【0233】本発明における上記の第9から第11の各
実施形態においては、図32に示すように、プラズマチ
ャンバ95,96,97に対応して、整合回路2Aと、
高周波電源1とが、それぞれ設けられて、プラズマチャ
ンバ95,96,97における整合回路2Aの接続位置
に、SW4を介して測定器ANを接続したが、図33に
示すように、個々のプラズマチャンバ95,96,97
に対する整合回路2A,2A,2Aが、同一の高周波電
源1に接続される構成や、図34に示すように、個々の
プラズマチャンバ95,96,97が、同一の整合回路
2Aに接続される構成にも適用可能である。この場合、
図33に示すように、プラズマチャンバ95,96,9
7と整合回路2Aとの接続位置に、SW4を介して高周
波特性測定器ANが接続される。
【0234】また、上記の第10、11の各実施形態に
おいては、高周波特性としてプラズマ電極容量Ceとロ
ス容量Cxを採用し、Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/
(Cx1m ax+Cx1min)で示される式に基づいて評価する
方法に、上記Ce1r=(Ce1max −Ce1min)/(Ce1max
+Ce1min)式に基づいて評価する方法を組み合わせて
評価する場合について説明したが、高周波特性としてロ
ス容量Cxを採用し、Cx 1r=(Cx1max−Cx1min)/
(Cx1max+Cx1min)で示される式に基づいて評価をお
こなうようにしてもよい。
【0235】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムを第12実施形態として、図面に基づい
て説明する。 [第12実施形態]本実施形態に係るプラズマ処理装置
の性能管理システムのシステム構成図は、第3実施形態
で示した図15及び図17と同様である。図35は、本
実施形態に係るプラズマ処理装置の性能管理システムで
実現される評価情報提供方法を示すフローチャートであ
る。
【0236】図17に示す性能管理システムは、図15
の構成に加えて、プラズマ処理装置250に接続された
高周波特性測定器(容量測定器)260とから構成され
ている。本管理システムの対象となるプラズマ処理装置
に特に限定はなく、第1から第2、9、10の実施形態
において示したプラズマ処理装置又は第11の実施形態
において示したプラズマ処理システムにおけるプラズマ
処理装置等が対象となる。
【0237】以下、図15及び図17を参照しながら、
図35のフローチャートに従い、本実施形態における処
理動作を説明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサ
ービスマン等、本性能管理システムの利用者は、同シス
テムで性能評価を開始するにあたり、まず、納入先に納
入された、あるいは使用中のプラズマ処理装置につい
て、納入後のプラズマチャンバのプラズマ電極容量
e1、ロス容量Cx1を測定し、この値を入出力装置22
0から入力する。また、図17に示す性能管理システム
の場合には、プラズマ処理装置250に接続された測定
器260から直接測定値が入力される。この入力された
x1の値は、通信回線230を通じてサーバ210に送
信される(ステップ301)。
【0238】これに対しサーバ210は、{Cx1÷2
6}を計算する(ステップ302)。次にサーバ210
は、記憶装置212に格納されたプラズマチャンバのプ
ラズマ電極容量Ce(納入前のプラズマ電極容量C
e0 )の情報500を呼び出し、この値と先に計算した
{Cx1÷26}とを比較し、当該プラズマ処理装置の性
能を評価する。具体的には、{Cx1÷26}が上記プラ
ズマ電極容量Ce (納入後のプラズマ電極容量Ce1でも
よい)より小さい値である場合(Cx1の値が上記プラズ
マ電極容量Ceの26倍より小さい値である場合)に
は、所定の性能を維持していると判断し、{Cx1÷2
6}が上記プラズマ電極容量Ce(納入後のプラズマ電
極容量Ce1でもよい)以上の値である場合(Cx1の値が
上記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値である場
合)には、所定の性能を維持していないと判断する(ス
テップ303)。なお、実施形態9から実施形態11に
示した複数のプラズマチャンバを有するプラズマ処理装
置又はプラズマ処理システムから複数のCx11の入力を
受けた場合には、すべての{Cx1÷26}が上記プラズ
マ電極容量Ce より小さい値である場合のみ、所定の性
能を維持していると判断し、それ以外の場合には、所定
の性能を維持していないと判断する。
【0239】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
を納入先の入出力装置220、及び搬送元の出力装置2
40の双方に提供する(ステップ304)。この内、入
出力装置220に対しては、プリントアウトや画面表示
の指令信号を送信したり、あるいは、音声信号を送信し
たりする。具体的には、所定の性能を維持していると判
断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能は、適切
に維持されておりますので、そのままご使用くださ
い。」といったメッセージを、所定の信号を維持してい
ないと判断した場合には、例えば「ご照会の装置の性能
は、適切に維持されていない恐れがありますので、取扱
説明書に従い調整をお願いします。」といったメッセー
ジを、プリントアウト、画面表示、音声等で顧客やサー
ビスマン等に伝えられるようにする。また、出力装置2
40に対しても、所定の信号を維持していないと判断し
た場合に、プリントアウトや画面表示、信号出力等の指
令信号を送信したり、あるいは、警報音発生信号を送信
したりする。そして、出力装置240から、プリントア
ウト、画面表示、信号出力、あるいは警報音等の保守作
業命令を出力する。なお、搬送元において、いずれの納
入先のどの装置が保守を必要としているかを判断するた
めに、入出力装置220からプラズマチャンバ(プラズ
マ処理室)の固有番号を受信し、これを出力装置240
から出力することが望ましいが、入出力装置220の固
有番号、例えばアドレス番号や電話番号等から判断し
て、その判断結果を出力装置240から出力してもよ
い。
【0240】この結果、納入先の顧客や納入先を訪問し
たサービスマン等は、プラズマ処理装置を実際に動作さ
せて成膜された基板を検査するという作業を行うことな
く、直ちに当該プラズマ装置の性能を評価基準1に基づ
き評価することができる。しかも、処理をおこなった基
板の評価によりプラズマ処理装置の動作確認および、動
作の評価をおこなうという2段階の方法でなく、ダイレ
クトにプラズマ処理装置の評価を、しかも、プラズマ処
理装置のプラズマチャンバが設置してある場所で短時間
におこなうことが可能である。その上、被処理基板への
実際の成膜等による検査方法を採用した場合、別々に行
うしかなかった複数のプラズマチャンバを有するプラズ
マ処理装置の場合についても、結果をほぼ同時に得るこ
とができる。このため、納入後の装置性能について、簡
便かつ短時間で確認でき、問題がある場合には、問題発
見から改善までのサイクルを早めることができるので、
装置の立ち上げ期間を短縮することができる。また、こ
のような確認に必要な検査用基板等の費用、この検査用
基板の処理費用、および、確認作業に従事する作業員の
人件費等、コストを削減することが可能となる。
【0241】また、搬送元のメーカー等においては、納
入先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守
作業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、
顧客に対するアフタサービス体制を充実させることがで
きる。
【0242】以下、本発明に係るプラズマ処理装置の性
能管理システムの他の実施形態を第13実施形態とし
て、図面に基づいて説明する。 [第13実施形態]図36は本実施形態に係るプラズマ
処理装置の性能管理システムのシステム構成図である。
図37は、同性能管理システムで実現される評価情報提
供方法を示すフローチャートである。なお、両図におい
て、図15〜図16と、図35と同一の構成要素には、
同一の符号を附してその説明を省略する。
【0243】図36に示す性能管理システムは、サーバ
210と、納入先の入力装置270と、これらサーバ2
10と入力装置270とを接続する通信回線230と、
サーバーに接続された搬送元の出力装置240とから構
成されている。本管理システムの対象となるのは、プラ
ズマ処理室を複数有するプラズマ処理装置又はプラズマ
処理システムで、第9から第11の実施形態において示
したプラズマ処理装置又はプラズマ処理システム等が対
象となる。
【0244】以下、図36を参照しながら、図37のフ
ローチャートに従い、本実施形態における処理動作を説
明する。納入先の顧客や、納入先を訪れたサービスマン
等、本性能管理システムの納入先側における利用者は、
同システムで性能評価を開始するにあたり、まず、入力
装置270から、納入先に納入されたプラズマ処理装置
について、プラズマチャンバ(プラズマ処理室)の固有
番号S及び各プラズマチャンバの高周波特性としてのプ
ラズマ電極容量Ce1、ロス容量Cx1の測定値を入力す
る。この入力された固有番号S及びプラズマ電極容量C
e1とCx1の値は、通信回線230を通じてサーバ210
に送信される(ステップ401)。なお、プラズマ処理
装置に接続された高周波特性測定器を入力装置270に
接続しておいて、サーバー210からの指令により自動
的にプラズマチャンバの固有番号S及び各プラズマチャ
ンバの高周波特性としてのCx1の測定値が入力されるよ
うにしてもよい。
【0245】これに対しサーバ210は、高周波特性と
してのプラズマ電極容量Ce1の情報の中から、最大値C
e1max及び最小値Ce1minを検索して対応する固有番号S
と共に特定し、また、高周波特性としてのロス容量Cx1
の情報の中から、最大値Cx1 max及び最小値Cx1minを検
索して対応する固有番号Sと共に特定する(ステップ4
02)。次いで、下記式に従いばらつきCe1r、Cx1r
計算する(ステップ403)。 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min
【0246】次にサーバ210は、Ce1rと所定の価、
例えば0.1とを比較し、当該プラズマ処理装置の性能
を評価する。具体的には、Ce1rが所定の値より小さい
値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維
持していると判断する。また、Cx1rが所定の値以上の
値の場合には、当該プラズマ処理装置が所定の性能を維
持していないと判断する。また、上記サーバ210は、
x1rと所定の価、例えば0.1とを比較し、当該プラ
ズマ処理装置の性能を評価する。具体的には、Cx1r
所定の値より小さい値の場合には、当該プラズマ処理装
置が所定の性能を維持していると判断する。また、C
x1rが所定の値以上の値の場合には、当該プラズマ処理
装置が所定の性能を維持していないと判断する(ステッ
プ404)。
【0247】次にサーバ210は、上記性能評価の結果
所定の性能を維持していないと判断した場合に、搬送元
の出力装置240に評価情報として、保守作業命令を当
該最大値Ce1max又は最小値Ce1minや当該最大値C
x1max又は最小値Cx1minを与えたプラズマチャンバの固
有番号と共に提供する(ステップ405)。具体的に
は、サーバ210は、出力装置240に対して、プリン
トアウトや画面表示の指令信号を送信したり、あるい
は、警報音発生信号を送信したりする。そして、搬送元
において、保守作業命令と共に、いずれの納入先のどの
装置が保守を必要としているかを判断するために必要な
情報として、該当するプラズマチャンバの固有番号が出
力される。
【0248】本実施形態のプラズマ処理装置の管理シス
テムにおいては、搬送元において、何れのプロセス処理
装置に問題が生じたか、あるいは何れのプロセス処理装
置のいずれのプロセス処理室に問題が生じたか等を直ち
に把握できる。
【0249】すなわち、メーカーサービス会社等の搬送
元においては、納入したプラズマ処理装置やプラズマ処
理システムを実際に動作させて成膜された基板を検査す
るという作業を行うことなく、直ちに当該プラズマ装置
の性能を評価基準2に基づき評価することができる。し
かも、処理をおこなった基板の評価によりプラズマ処理
装置等の動作確認および、動作の評価をおこなうという
2段階の方法でなく、ダイレクトにプラズマ処理装置の
評価を、しかも、プラズマ処理装置のプラズマチャンバ
CNが設置してある場所で短時間におこなうことが可能
である。その上、被処理基板への実際の成膜等による検
査方法を採用した場合、別々に行うしかなかった複数の
プラズマチャンバを有するプラズマ処理装置の場合につ
いても、結果をほぼ同時に得ることができる。このた
め、納入後の装置性能について、簡便かつ短時間で確認
でき、問題がある場合には、問題発見から改善までのサ
イクルを早めることができるので、装置の立ち上げ期間
を短縮することができる。また、このような確認に必要
な検査用基板等の費用、この検査用基板の処理費用、お
よび、確認作業に従事する作業員の人件費等、コストを
削減することが可能となる。
【0250】また、搬送元のメーカー等において、納入
先のプラズマ処理装置に問題が生じた場合には、保守作
業命令を受けて直ちにこれを知ることができるので、顧
客に対するアフタサービス体制を充実させることができ
る。
【0251】
【実施例】(比較例1)プラズマ励起電極4とサセプタ
電極8との間のプラズマ電極容量Ceを25pF、プラ
ズマ励起電極4とアース間のロス容量CX を980p
F、平行平板型の電極4,8のサイズが25cm角とさ
れ、これらの電極間隔が30mmに設定され、その電力
が1000W、電力周波数fe を40.68MHzに設
定した以外は図11に示したプラズマ処理装置と同様の
構成のプラズマ処理装置を準備し、このプラズマ処理装
置を比較例1とした。
【0252】(実施例1)比較例1のプラズマ処理装置
に対してプラズマ励起電極4とサセプタ電極8との距離
を改善(電極間隔が20mm)してCeを37pFと
し、プラズマ励起電極4とアース間のロス容量CX を9
80pFに設定し、26Ce >CX としたものを実施例
1のプラズマ処理装置とした。ここでの平行平板型の電
極4,8のサイズは25cm角とされ、その電力が10
00W、電力周波数fe を40.68MHzに設定し
た。
【0253】 (実施例2)実施例1に対してプラズマ
励起電極8とチャンバ壁上部10aとのオーバーラップ
面積を改善して、プラズマ励起電極4とアース間のロス
容量CXを250pFに設定し、7Ce >CX としたも
のを実施例2のプラズマ処理装置とした。ここでの平行
平板型の電極4,8のサイズは25cm角とされ、その
電力が1000W、電力周波数fe を40.68MHz
に設定した。 (実施例3)実施例2に対しプラズマ励起電極8とチャ
ンバ壁上部10aとの間の絶縁材の材質を調整して、プ
ラズマ励起電極4とアース間のロス容量CXを180p
Fに設定し、5Ce >CX としたものを実施例3のプラ
ズマ処理装置とした。ここでの平行平板型の電極4,8
のサイズは25cm角とされ、その電力が800W、電
力周波数fe を40.68MHzに設定した。
【0254】さらに、これら実施例および比較例に対す
る評価として、800W、400Wの条件でSiNx
の成膜をおこない、このSiNx 膜に対する評価とし
て、以下のようにおこなった。 (1)堆積速度と膜面内均一性 ガラス基板上にプラズマCVDによりSiNx 膜を成
膜する。 フォトリソによりレジストのパターニングをおこな
う。 SF6 とO2 を用いてSiNx 膜をドライエッチング
する。 O2 アッシングによりレジストを剥離する。 SiNx 膜の膜厚段差を触針式段差計により計測す
る。 成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。 膜面内均一性は、6インチガラス基板面内において1
6ポイントで測定する。 (2)BHFエッチングレート 上記(1)〜と同様にレジストマスクをパターニン
グする。 25℃のBHF液(HF:NH4F =1:10の混合
液)に1分間ガラス基板を浸漬する。 純水洗浄後乾燥し、レジストを硫酸過水(H2SO4
22)で剥離する。 上記(1)と同様段差を計測する。 浸漬時間と段差からエッチング速度を算出する。
【0255】さらに、これら実施例および比較例に対す
る評価として、800W、400Wの条件でSiNx
の成膜をおこない、このSiNx 膜に対する評価を以下
のようにおこなった。 (3)絶縁耐圧 ガラス基板上にスパッタリングによりクロム膜を成膜
し、下部電極としてパターニングする。 プラズマCVDによりSiNx 膜を成膜する。 と同様の方法でクロムからなる上部電極を形成す
る。 下部電極用にコンタクト孔を形成する。 上下電極にプロービングし、I−V特性(電流電圧特
性)を測定する。このと き最大電圧として200V程度まで印加する。 電極面積を100μm角とし、100pAをよぎると
ころが、1μA/cm2に相当するので、この時のVを
絶縁耐圧として定義する。 これらの結果を、表2に示す。
【0256】
【表2】
【0257】これらの結果から、堆積速度、膜面内均一
性、BHFエッチングレート、絶縁耐圧について、26
e >CXとした場合(実施例1)には、比較例1に比
べて堆積速度が100nm/分以上に改善されており、
また、膜厚のバラツキが改善されており、さらにBHF
エッチングレートも200nm/分以下となり、膜質が
改善されることがわかる。また、7Ce >CXとした場
合(実施例2)には、堆積速度が比較例1の5倍程度に
まで改善されているとともに、膜厚のばらつきが実施例
1の半分程度に改善され、また、絶縁耐圧が改善されて
いることがわかる。さらに、5Ce >CX とした場合
(実施例3)には、80%の出力としても(投入する電
力を1000Wから800Wに低減しても)、実施例2
と同様の膜特性を有する成膜をおこなうことが可能とな
っていることがわかる。つまり、プラズマ励起電極4と
アース間のロス容量CX の値を設定することにより、プ
ラズマ処理装置の性能が向上している。したがって、プ
ラズマ励起電極4とアース間のロス容量CXを性能評価
の指標とできることがわかる。
【0258】(実施例4)図30と同様の複数のプラズ
マチャンバを有するプラズマ処理装置において、実施例
4として、プラズマ電極容量Ceの、納入後における値
e1の値のばらつきCe1rが、その最大値Ce1maxと最小
値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義し、このCe1rを0.09に設定し、また、ロス
容量Cxの、納入後における値Cx1の値のばらつきCx1r
が、その最大値Cx1maxと最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義し、このCx1rを0.09に設定した。同時に、
これらプラズマ電極容量Ce(納入後のプラズマ電極容
量Ce1)の平均値を37pFに設定し、これらロス容量
x(納入後のロス容量Cx1 )の平均値を250pFに
設定した。 (実施例5)図30と同様の複数のプラズマチャンバを
有するプラズマ処理装置において、実施例5として、プ
ラズマ電極容量Ceの、納入後における値Ce1の値のば
らつきCe1rを0.02に設定し、また、ロス容量C
xの、納入後における値Cx1の値のばらつきCx1rを0.
02に設定した。同時に、これらプラズマ電極容量Ce
(納入後のプラズマ電極容量Ce1)の平均値を37pF
に設定し、これらロス容量Cx(納入後のロス容量C
x1 )の平均値を980pFに設定した。 (比較例2)図30と同様の複数のプラズマチャンバを
有するプラズマ処理装置において、比較例2として、プ
ラズマ電極容量Ceの、納入後における値Ce1の値のば
らつきCe1rを1に設定し、ロス容量Cxの、納入後にお
ける値Cx1の値のばらつきCx1rを1に設定した。同時
に、これらプラズマ電極容量Ce(納入後のプラズマ電
極容量Ce1)の平均値を37pF設定し、これらロス容
量Cx(納入後のロス容量Cx1 ) の平均値を180p
Fに設定。
【0259】上記の実施例4,5および比較例2におい
て、実施例4、5および比較例2に対する評価として同
一のプロセスレシピを適用し、窒化珪素膜を堆積し、以
下のように各プラズマ処理室に対する膜厚ばらつきを計
測した。 ガラス基板上にプラズマCVDによりSiNx 膜を成
膜する。 フォトリソによりレジストのパターニングをおこな
う。 SF6 とO2 を用いてSiNx 膜をドライエッチング
する。 O2 アッシングによりレジストを剥離する。 SiNx 膜の膜厚段差を触針式段差計により計測す
る。 成膜時間と膜厚から堆積速度を算出する。 膜面内均一性は、6インチガラス基板面内において1
6ポイントで測定する。
【0260】ここで、成膜時における条件は、 基板温度 350℃ SiH4 40sccm NH3 200sccm N2 600sccm 圧力 150Pa である。これらの結果を表3に示す。
【0261】
【表3】
【0262】これらの結果から、プラズマ電極容量Ce
の納入後における値Ce1の値のばらつきCe1r の値を
設定し、ロス容量Cxの納入後における値Cx1の値のば
らつきCx1r の値を設定した場合には、プラズマチャン
バ(プラズマ処理室)ごとの機差による膜厚のばらつき
が改善されていることがわかる。つまり、ロス容量Cx
の、納入後における値Cx1の値のばらつきCx1r の値を
設定することにより、プラズマ処理装置の動作特性が向
上している。したがって、プラズマ電極容量Ce1のばら
つきやロス容量Cx1のばらつきを性能評価の指標とでき
ることがわかる。
【0263】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理装置又はプラズマ
処理システムの性能評価方法によれば、プラズマ処理装
置を分解、搬送後再組み立てが施された後、すなわち納
入後に、被処理物が導入されてプラズマ処理が行われた
り、分解掃除、部品交換、組み立て調整等の調整作業が
施されたりした際に、プラズマ処理装置やプラズマ処理
システムの性能が適正に維持されているかどうかを迅速
かつ簡便に確認できる。また、本発明のプラズマ処理装
置の保守方法によれば、プラズマ処理装置の性能が適正
に維持されていない場合に、迅速に是正が可能となる。
また、本発明のプラズマ処理装置の性能管理システム又
はプラズマ処理システムの性能管理システムによれば、
納入先において、プラズマ処理装置の性能が適正に維持
されるために、納入先におけるプラズマ処理装置の性能
評価をメーカー等の搬送元で支援できると共に、メーカ
ー等の搬送元で充実した保守サービス体制を整えること
が可能となる。さらに、本発明のプラズマ処理装置によ
れば、適正な動作状態に簡便に維持することが可能であ
り、良好なプラズマ処理を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】図1におけるプラズマチャンバの整合回路を示
す模式図である。
【図3】図1におけるプラズマチャンバの蓋体を示す断
面図である。
【図4】図3における蓋体のロス容量CX を説明するた
めの模式図である。
【図5】図4における蓋体のロス容量CX を説明するた
めの等価回路である。
【図6】図1におけるプラズマチャンバの等価回路を示
す回路図である。
【図7】図1におけるプラズマチャンバのインピーダン
ス特性を説明するための模式図である。
【図8】 電流I とプラズマ電流Ie とロス電流IX
を説明するための回路図である。
【図9】 高周波特性測定器のプローブと、これに取り
付けるフィクスチャを示す斜視図である。
【図10】 図9の測定器のプローブとフィクスチャを
プラズマチャンバに接続した状態示す模式図である。
【図11】 本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施
形態を示す概略構成図である。
【図12】 図11におけるプラズマチャンバの蓋体を
示す断面図を示す回路図である。
【図13】 図11におけるプラズマチャンバの等価回
路を示す回路図である。
【図14】 プラズマ発光状態における電極間の状態を
示す模式図である。
【図15】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理
システムの第3実施形態、第12実施形態におけるシス
テム構成図である。
【図16】 同性能管理システムで実現される評価情報
提供方法を示すフローチャートである。
【図17】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理
システムの第5実施形態におけるシステム構成図であ
る。
【図18】 同性能管理システムで実現される評価情報
提供方法を示すフローチャートである。
【図19】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能管理
システムの第5実施形態で実現される評価情報提供方法
を示すフローチャートである。
【図20】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムを示すシステム構成図である。
【図21】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるサーバーSの建築状況情報の提供処理を示
すフローチャートである。
【図22】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるメインページCPの構成を示す平面図であ
る。
【図23】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるサブページCP1の構成を示す平面図であ
る。
【図24】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるメインページCP2の構成を示す平面図で
ある。
【図25】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるサブページCP3の構成を示す平面図であ
る。
【図26】 本発明のプラズマ処理装置の性能確認シス
テムに係わるサブページCP4の構成を示す平面図であ
る。
【図27】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価
方法の第9実施形態の対象となるプラズマ処理装置の概
略構成図である。
【図28】 図27におけるレーザアニール室を示す縦
断面図である。
【図29】 図27における熱処理室を示す縦断面図で
ある。
【図30】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価
方法の第10実施形態の対象となるプラズマ処理装置の
概略構成図である。
【図31】 本発明に係るプラズマ処理システムの性能
評価方法の第11実施形態の対象となるプラズマ処理シ
ステムの概略構成図である。
【図32】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価
方法の対象となる他のプラズマ処理装置を示す概略構成
図である。
【図33】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価
方法の対象となる他のプラズマ処理装置を示す概略構成
図である。
【図34】 本発明に係るプラズマ処理装置の性能評価
方法の対象となる他のプラズマ処理装置を示す概略構成
図である。
【図35】 第12実施形態に係るプラズマ処理装置の
性能管理システムで実現される評価情報提供方法を示す
フローチャートである。
【図36】 第13実施形態に係るプラズマ処理装置の
性能管理システムのシステム構成図である。
【図37】 同性能管理システムで実現される評価情報
提供方法を示すフローチャートである。
【図38】従来のプラズマ処理装置の一例を示す模式図
である。
【図39】従来のプラズマ処理装置の他の例を示す模式
図である。
【符号の説明】
1…高周波電源 1A…給電線 2…マッチングボックス 2A…整合回路 3…給電板 4…プラズマ励起電極(電極:カソード電極) 5…シャワープレート 6…空間 7…孔 8…ウエハサセプタ(対向電極:サセプタ電極) 9…絶縁体 10…チャンバ壁 10A…チャンバ底部 10a…チャンバ壁上部 11…ベローズ 12…サセプタシールド 12A…シールド支持板 12B…支持筒 13…シャフト 16…基板 17…ガス導入管 17a…絶縁体 21…シャーシ 22…ロードコンデンサ 23…コイル 24…チューニングコンデンサ 25…整合回路 26…マッチングボックス 27…第2の高周波電源 27A…給電線 28…給電板(高周波電力配電体) 29…シャーシ 30…コイル 31…チューニングコンデンサ 32…ロードコンデンサ 60…チャンバ室(プラズマ処理室) 61…測定用端子(高周波特性測定用端子) 75、76,77,95,96,97…プラズマチャン
バ(プラズマ処理室ユニット) 78…レーザアニール室 79,99…熱処理室 80,84…チャンバ 81…レーザ光源 82…ステージ 83…レーザ光 85…ヒータ 86…ゲートバルブ 87…基板搬送ロボット(搬送手段) 88…アーム 93…ロードロック室 105…プローブ AN…測定器(高周波特性測定器) B…分岐点 P…プラズマ発光領域 PR,PR’…出力端子位置 SW1,SW2,SW3,SW4…スイッチ g0,g1,g2,g3,g4…ゲート
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月17日(2001.7.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】さらに、上記のようなプラズマ処理装置に
対しては、従来から、半導体および液晶表示装置製造に
用いられる場合において、プラズマ処理速度(成膜時の
堆積速度や、加工速度)が早く生産性が高いこと、そし
て、被処理基体面内方向におけるプラズマ処理の均一性
(膜厚の膜面内方向分布、加工処理ばらつきの膜面内方
向分布)に優れていることが求められているが、近年で
は、被処理基板の大型化に伴い、膜面内方向の均一性に
対する要求が一段と強まっている。また、被処理基板の
大型化に伴い、投入電力量もkWオーダーが投入される
まで増大し、電力消費量が増す傾向にある。このため、
電源の高容量化に伴い、電源の開発コストが増大すると
ともに、装置稼働時には電力使用が増すことからランニ
ングコストを削減することが望まれている。また、電力
消費量が増大することは、環境負荷となる二酸化炭素の
排出量が増大する。これは、被処理基板の大型化に伴っ
てさらに放出量が増大するとともに電力消費効率をさら
に下げてしまうため電力消費量が増大するので、この二
酸化炭素の放出量削減への要求も高くなっている。一
方、プラズマ励起周波数として、従来一般的であった1
3.56MHzに対して、これを越える30MHz以上
のVHF帯の周波数を用いるなど、高周波化を図ること
で、プラズマ空間で消費される実効的な電力の増加を図
ることができる。その結果として、プラズマCVDなど
の堆積装置においては、成膜時の堆積速度を向上させる
ことができる可能性が示されていた。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のプラズ
マ処理装置においては、13.56MHz程度の周波数
の電力を投入するように設計されており、13.56M
Hzを越える周波数の電力を投入することに対応してい
ない。より具体的には、高周波電力を投入する部分、つ
まり、プラズマ処理をおこなうチャンバ全体としては、
容量、インピーダンス、共振周波数特性等の電気的高周
波的な特性が考慮されておらず、次のような不具合が生
じていた。 13.56MHzを越える周波数の電力を投入した場
合、電力消費効率があがらず、成膜時に堆積速度を向上
することができないばかりか、むしろ、堆積速度が遅く
なる場合があった。 さらに投入する電力をより高周波化すると、周波数の
上昇に伴って、プラズマ空間で消費される実効的な電力
は上昇してピークを迎え、その後、減少に転じて、つい
にはグロー放電できなくなってしまい高周波化の意味が
なくなってしまう。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】このように、プラズマ処理装置において
は、所望のレベルの性能を備えるという配慮が求められ
ており、さらに複数のプラズマチャンバ(プラズマ処理
室)を備えるプラズマ処理装置やプラズマ処理システム
にあっては、プラズマ処理の性能の機差をなくすような
配慮が求められていた。しかし、たとえこのような配慮
が充分になされたプラズマ処理装置であっても、プラズ
マ処理装置を搬送する際には、一般に一旦分解してから
搬送し、搬送先で再組み立てすることが行われている。
この場合には、搬送中の振動や再組み立て作業の不備等
により搬送前の性能が維持されていない恐れがあった。
さらに、納入後、すなわち、納入先にて再組み立て後に
プラズマ処理を繰り返す内に、所望の性能レベルが維持
できなくなったり複数のプラズマ処理室間の機差が生じ
る可能性があった。また、分解掃除、部品交換、組み立
て調整等の調整作業を行った場合には、調整の不備等に
より調整作業前の性能が維持されていない可能性があっ
た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】以下、上記各発明をさらに詳細に説明す
る。上記各発明では、高周波電源の接続された電極と直
流的にアースされた各接地電位部との間の容量(ロス容
量)CX を評価指標とした。これは容量Cxが、プラズ
マ空間で消費される実効的な電力等のプラズマ処理装置
の性能と密接な関連性を有するとともに、汚れが付着し
たり、組み立て精度に狂いが生じる等、性能に悪影響を
及ぼす事象が発生した場合には、容易に変動する値であ
ることに着目したものである。また、容量Cx は、搬送
中の振動や納入後の再組み立ての不備で精度に狂いが生
じる等、性能に悪影響を及ぼす事象が発生した場合に
は、容易に変動する値であることに着目したものであ
る。そして、この指標とした容量Cxは、時刻t0とその
後の時刻t1における値Cx 0、Cx1の差ΔCxの絶対値
が、プラズマ処理装置の性能変動幅と密接な関連を有す
ること、及びこの値が所定の値よりも小さい場合は、性
能変動幅も所定の範囲内であると見なせることを見いだ
し、このΔCxの絶対値と所定の値を比較することによ
り、プラズマ処理装置の性能評価を可能とした。すなわ
ち、分解搬送後に再組立する新規設置時やその後の使用
によるプラズマ処理の繰り返し、あるいは調整・保守点
検等の際に、プラズマ処理室の性能が所定の性能レベル
を維持しているか、また、プラズマ処理室が複数ある場
合には、性能の機差が充分抑えられているか等の評価を
可能としたものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】ガス導入管17から導入されたガスは、シ
ャワープレート5の多数の孔7,7からチャンバ壁10
により形成されたチャンバ室60内に供給される。チャ
ンバ壁10とプラズマ励起電極(カソード電極)4とは
絶縁体9により互いに絶縁されている。また、図1にお
いて、チャンバ室60に接続される排気系の図示は省略
してある。一方、チャンバ室60内には基板16を載置
しプラズマ励起電極ともなる盤状のウエハサセプタ(サ
セプタ電極)8が設けられている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正内容】
【0112】ここで、スイッチSW2を上記高周波特性
測定用端子(インピーダンス測定用端子)61側に接続
した場合における高周波特性測定用端子(インピーダン
ス測定用端子)61側からのインピーダンス特性と、
イッチSW1を整合回路2A側に接続した場合における
整合回路2Aの出力端子位置PR側からのインピーダン
ス特性と、が等しく設定される。つまり、図11に示す
ように、スイッチSW1付近のインピーダンスZ1 とス
イッチSW2付近のインピーダンスZ2 とが等しく設定
される。これは、スイッチSW1を整合回路2A側に接
続してスイッチSW2を開いた場合における整合回路2
Aの出力端子とされる測定位置PR側つまり測定位置P
RからスイッチSW2への分岐点Bまでのインピーダン
スZ1 と、上記スイッチSW2を測定用端子61側に接
続してスイッチSW1を開いた場合における高周波特性
測定用端子(インピーダンス測定用端子)61側つまり
高周波特性測定用端子(インピーダンス測定用端子)6
1からスイッチSW1への分岐点Bまでのインピーダン
スZ2 とが等しく設定されるということを意味してい
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】本実施形態のプラズマチャンバ95の測定
範囲としては、測定位置PRからみたプラズマチャンバ
95における蓋体19の状態をその対象とする。これ
は、図11に示すように、スイッチSW1付近のインピ
ーダンスZ1 とスイッチSW2付近のインピーダンスZ
2 とが等しく設定されたことで、測定用端子(インピー
ダンス測定用端子)61からみた状態のプラズマチャン
バ95の蓋体19を測定範囲とした際の高周波数特性
(インピーダンス特性)に等しいものとなっている。こ
こで、高周波特性測定時において、整合回路2Aを電気
的に切り離すためには機械的に整合回路2Aおよびマッ
チングボックス2等を着脱する必要のあった第1実施形
態に対して、本実施形態では、図11、図12に示すよ
うに、高周波特性測定時において、スイッチSW1によ
って切断されている整合回路2Aは測定範囲に含まれ
ず、測定範囲外とすることができるためで、これによ
り、プラズマチャンバ95の蓋体19における高周波特
を測定することが容易になる。そして、第1実施形態
における測定範囲に対して、配電体3の入力端子位置と
された分岐点Bと直列に接続された測定用端子(インピ
ーダンス測定用端子)61,スイッチSW2を含んで測
定範囲とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ヶ袋2−1−17− 301 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA13 AA18 FA03 HA12 KA30 KA39 5F004 AA16 BA04 BA09 BA20 BB28 CB05 CB07 5F045 AA08 AF07 DP03 EB05 EH11 EH13 EM10 GB02

Claims (61)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマを励起するための電極を有す
    るプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給する
    ための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該入
    力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極に
    接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続するこ
    とにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイン
    ピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズマ
    処理装置の性能評価方法であって、 前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CX の、時刻t0とその後
    の時刻t1における値CX0、CX1の差ΔCXの絶対値を求
    め、その値が所定の値より小さい値である場合に、所定
    の性能を維持していると判断し、その値が所定の値以上
    である場合に、所定の性能を維持していないと判断する
    ことを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の値がCX0の10%であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置の性
    能評価方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の値がCX0の3%であること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置の性能
    評価方法。
  4. 【請求項4】 時刻t0とその後の時刻t1との間に、
    前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被処理
    物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  5. 【請求項5】 時刻t0とその後の時刻t1との間に、
    前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組み立
    て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請求項
    1に記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  6. 【請求項6】 時刻t0とその後の時刻t1との間に、
    分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴とす
    る請求項1に記載のプラズマ処理装置の性能評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載された評価方法の結
    果、ΔCXの絶対値が所定の値を超えていた場合に、容
    量CXの是正作業を行うことを特徴とするプラズマ処理
    装置の保守方法。
  8. 【請求項8】 プラズマを励起するための電極を有す
    るプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給する
    ための高周波電源と、 入力端子と出力端子とを有し該入力端子に前記高周波電
    源を接続するとともに前記電極に接続した高周波電力配
    電体を前記出力端子に接続することにより前記プラズマ
    処理室と前記高周波電源とのインピーダンス整合を得る
    整合回路と、を具備するプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステムであって、 前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CX の、時刻t0における
    値CX0を記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線
    で接続された納入先入出力装置とを備え、 前記サーバーは、前記容量CXのその後の時刻t1におけ
    る値CX1を、前記納入先入出力装置から受信し、前記C
    X0と、このCX1との差であるΔCXの絶対値を演算し、
    その値が所定の値より小さい値である場合には、所定の
    性能を維持している旨の信号を、所定の値以上の値であ
    る場合には、所定の性能を維持していない旨の信号を、
    各々納入先入出力装置に発信することを特徴とするプラ
    ズマ処理装置の性能管理システム。
  9. 【請求項9】 前記所定の値がCX0の10%であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置の性
    能管理システム。
  10. 【請求項10】 前記所定の値がCX0の3%であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置の性
    能管理システム。
  11. 【請求項11】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項8に記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  12. 【請求項12】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項8に記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  13. 【請求項13】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項8に記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  14. 【請求項14】 前記サーバーが、プラズマ処理装置
    の固有番号毎にCX0 を記憶し、納入先入出力装置から納
    入したプラズマ処理装置の固有番号を受信して、当該固
    有番号に対応するCX0を用いて演算をすることを特徴と
    する請求項8に記載のプラズマ処理装置の性能管理シス
    テム。
  15. 【請求項15】 前記納入先入出力装置に、プラズマ
    処理装置に接続された容量を測定する測定器を接続し
    て、該測定器からサーバーに、CX1が直接送信されるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置の性
    能管理システム。
  16. 【請求項16】 前記サーバーが搬送元において出力
    装置を備え、ΔCXの絶対値が所定の値を超える場合
    に、前記出力装置から、保守作業命令信号を出力するこ
    とを特徴とする請求項8に記載のプラズマ処理装置の性
    能管理システム。
  17. 【請求項17】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置の性能管理システムであって、 前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CXの、時刻t0における値
    x0と、各々所定の値の範囲によって決められた故障レ
    ベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情報と
    を記憶するサーバーと、このサーバーの搬送元における
    出力装置と、このサーバーと通信回線で接続された納入
    先入出力装置とを備え、 前記サーバーは、前記Cx0のその後の時刻t1における
    値Cx1を、前記納入先入出力装置から受信し、前記Cx0
    と、このCx1との差であるΔCxの絶対値を演算し、そ
    の値が、何れかの故障レベルの所定の値の範囲である場
    合には、前記出力装置から、当該故障レベルと、当該故
    障レベルに対応して登録されたサービスエンジニアの情
    報と共に、保守作業命令を出力することを特徴とするプ
    ラズマ処理装置の性能管理システム。
  18. 【請求項18】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項17に記載のプラズマ処理装置の性能管理システム。
  19. 【請求項19】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項17に記載のプラズマ処理装置の性能管理システ
    ム。
  20. 【請求項20】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項17に記載のプラズマ処理装置の性能管理
    システム。
  21. 【請求項21】 前記サーバーが、プラズマ処理装置
    の固有番号毎にCxを記憶し、納入先入出力装置から納
    入したプラズマ処理装置の固有番号を受信して、当該固
    有番号に対応するCxを用いて演算をすることを特徴と
    する請求項17に記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  22. 【請求項22】 前記納入先入出力装置に、プラズマ
    処理装置に接続された容量を測定する測定器を接続し
    て、該測定器から前記サーバーに、Cx1が直接送信され
    ることを特徴とする請求項17に記載のプラズマ処理装
    置の性能管理システム。
  23. 【請求項23】 前記サーバーが、前記当該故障レベ
    ルを、前記納入先入出力装置にも発信することを特徴と
    する請求項17に記載のプラズマ処理装置の性能管理シ
    ステム。
  24. 【請求項24】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置であって、 前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CXの、時刻t0とその後の
    時刻t1における値CX0、X1の差ΔCXの絶対値が所定
    の値より小さい値に維持されていることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  25. 【請求項25】 前記所定の値がCX0の10%である
    ことを特徴とする請求項24に記載のプラズマ処理装
    置。
  26. 【請求項26】 前記所定の値がCX0の3%であるこ
    とを特徴とする請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  27. 【請求項27】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理室内に被処理物が導入され、該被
    処理物にプラズマ処理が行われることを特徴とする請求
    項24に記載のプラズマ処理装置。
  28. 【請求項28】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、前記プラズマ処理装置に、分解掃除、部品交換、組
    み立て調整等の調整作業が施されることを特徴とする請
    求項24に記載のプラズマ処理装置。
  29. 【請求項29】 時刻t0とその後の時刻t1との間
    に、分解、搬送、及び再組み立てが施されることを特徴
    とする請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  30. 【請求項30】 ΔCXの絶対値が所定の値以上の値で
    ある場合に、プラズマ電極容量の是正作業を行うことに
    より、ΔCXの絶対値が所定の値より小さい値に維持さ
    れていることを特徴とする請求項24に記載のプラズマ
    処理装置。
  31. 【請求項31】 購入発注者が販売保守者から購入し
    た請求項24に記載のプラズマ処理装置の時刻t0とそ
    の後の時刻t1において計測可能な動作性能状況を示す
    性能状況情報の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発
    注者側情報端末と、販売保守者が前記性能状況情報をア
    ップロードする販売保守者側情報端末と、前記購入発注
    者側情報端末の要求に応答して、販売保守者側情報端末
    からアップロードされた性能状況情報を購入発注者側情
    報端末に提供する性能状況情報提供手段と、を具備する
    ことを特徴とするプラズマ処理装置の性能確認システ
    ム。
  32. 【請求項32】 性能状況情報が、前記容量CXを含む
    ことを特徴とする請求項31記載のプラズマ処理装置の
    性能確認システム。
  33. 【請求項33】 性能状況情報が、カタログまたは仕
    様書として出力されることを特徴とする請求項32記載
    のプラズマ処理装置の性能確認システム。
  34. 【請求項34】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、この電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、
    該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理装置の性
    能評価方法であって、 前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CXの納入後における値C
    x1の値が、前記高周波電源の接続された電極と対となり
    協働してプラズマを発生する電極との間のプラズマ電極
    容量Ceの26倍より小さい値である場合に、所定の性
    能を維持していると判断し、前記プラズマ極容量Ce
    26倍以上の値である場合に、所定の性能を維持してい
    ないと判断することを特徴とするプラズマ処理装置の性
    能評価方法。
  35. 【請求項35】 プラズマを励起するための電極を有
    する複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力
    を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子と
    を有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに
    前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に
    接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電
    源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備す
    るプラズマ処理装置を、 搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先にて再
    組み立てした後のプラズマ処理装置の性能評価方法であ
    って、 前記複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定した、
    前記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプ
    ラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce
    の、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rが、そ
    の最大値Ce1maxと最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、 該Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、所定の性能
    を維持していると判断し、所定の値以上である場合に所
    定の性能を維持していないと判断するとともに、 前記複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定した、
    前記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされ
    た各接地電位部との間の容量CX の、納入後における値
    X1の値のばらつきCX1rが、その最大値CX1maxと最小
    値CX1minによって、 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+CX1min) と定義され、 CX1rの値が所定の値より小さい場合に、所定の性能を
    維持していると判断し、所定の値以上である場合に所定
    の性能を維持していないと判断することを特徴とするプ
    ラズマ処理装置の性能評価方法。
  36. 【請求項36】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項35に記載のプラズマ処理装置の性能
    評価方法。
  37. 【請求項37】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項35に記載のプラズマ処理装置の性
    能評価方法。
  38. 【請求項38】 プラズマを励起するための電極を有す
    る複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力を
    供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを
    有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前
    記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接
    続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源
    とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備する
    プラズマ処理装置を、 搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先にて再
    組み立てした後のプラズマ処理装置の性能評価方法であ
    って、 前記複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定した、
    前記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプ
    ラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce
    の、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rが、そ
    の最大値Ce1maxと最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、 該Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、所定の性能
    を維持していると判断し、所定の値以上である場合に所
    定の性能を維持していないと判断するとともに、 前記
    複数のプラズマ処理室においてそれぞれ測定した、 前
    記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされた
    各接地電位部との間の容量CXの、納入後における値C
    x1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1maxと最小値
    x1min によって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、該Cx1rの値が所定の値より小さい値であ
    り、かつ前記Cx1の値のいずれも前記高周波電源の接続
    された電極と対となり協働してプラズマを発生する電極
    との間のプラズマ電極容量Ceの26倍より小さい値で
    ある場合に、所定の性能を維持していると判断し、 Cx1rの値が所定の値以上の値である場合、又は前記C
    x1の値のいずれかが前記プラズマ電極容量Ceの26倍
    以上の値である場合、所定の性能を維持していないと判
    断することを特徴とするプラズマ処理装置の性能評価方
    法。
  39. 【請求項39】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項38に記載のプラズマ処理装置の性能
    評価方法。
  40. 【請求項40】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項38に記載のプラズマ処理装置の性
    能評価方法。
  41. 【請求項41】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システムを、
    搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先にて再
    組み立てした後のプラズマ処理システムの性能評価方法
    であって、 前記複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定し
    た、前記高周波電源の接続された電極と対となり協働し
    てプラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量C
    e の、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rが、
    その最大値Ce1max と最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、 該Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、所定の性能
    を維持していると判断し、所定の値以上である場合に所
    定の性能を維持していないと判断するとともに、 前記複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定し
    た、前記高周波電源の接続された電極と直流的にアース
    された各接地電位部との間の容量CXの、納入後におけ
    る値CX1の値のばらつきCX1rが、その最大値CX1max
    最小値CX1minによって、 CX1r=(CX1max−CX1min)/(CX1max+Cx1min) と定義され、 該Cx1rの値が所定の値より小さい値である場合に、所
    定の性能を維持していると判断し、所定の値以上の値で
    ある場合に所定の性能を維持していないと判断すること
    を特徴とするプラズマ処理システムの性能評価方法。
  42. 【請求項42】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項41に記載のプラズマ処理システムの
    性能評価方法。
  43. 【請求項43】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項41に記載のプラズマ処理システム
    の性能評価方法。
  44. 【請求項44】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、 を具備するプラ
    ズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システム
    を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先に
    て再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能評価
    方法であって、 前記複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定し
    た、前記高周波電源の接続された電極と対となり協働し
    てプラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量C
    e の、納入後における値Ce1の値のばらつきCe1rが、
    その最大値Ce1max と最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、 該Ce1rの値が所定の値より小さい場合に、所定の性能
    を維持していると判断し、所定の値以上である場合に所
    定の性能を維持していないと判断するとともに、 前記
    複数のプラズマ処理装置においてそれぞれ測定した、前
    記高周波電源の接続された電極と直流的にアースされた
    各接地電位部との間の容量CXの、納入後における値C
    x1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1maxと最小値
    x1min によって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、 Cx1rの値が所定の値より小さい値であり、かつ前記C
    x1の値のいずれも前記高周波電源の接続された電極と対
    となり協働してプラズマを発生する電極との間のプラズ
    マ電極容量Ceの26倍より小さい値である場合に、所
    定の性能を維持していると判断し、 Cx1rの値が所定の値以上の値である場合、又は前記C
    x1の値のいずれかが前記プラズマ電極容量Ceの26倍
    以上の値である場合、所定の性能を維持していないと判
    断することを特徴とするプラズマ処理システムの性能評
    価方法。
  45. 【請求項45】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項44に記載のプラズマ処理システムの
    性能評価方法。
  46. 【請求項46】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項44に記載のプラズマ処理システム
    の性能評価方法。
  47. 【請求項47】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、
    該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理装置の性
    能管理システムであって、 前記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプ
    ラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce
    記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続さ
    れた納入先入出力装置とを備え、 前記サーバーは、前記高周波電源の接続された電極と直
    流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX の納
    入後における値Cx1を、前記納入先入出力装置から受信
    し、 納入後における値Cx1の値が前記プラズマ電極容量Ce
    の26倍より小さい値である場合には、所定の性能を維
    持している旨の信号を、納入後における値Cx1 の値が前
    記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値である場合に
    は、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々納入
    先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処理
    装置の性能管理システム。
  48. 【請求項48】 前記サーバーが搬送元において出力
    装置を備え、納入後における値CX1の値のいずれかが前
    記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値である場合
    に、前記出力装置から、保守作業命令を出力することを
    特徴とする請求項47に記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  49. 【請求項49】 プラズマを励起するための電極を有
    する複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力
    を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子と
    を有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに
    前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に
    接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電
    源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備す
    るプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬
    送して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理
    装置の性能管理システムであって、 前記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプ
    ラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce
    記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続さ
    れた納入先入出力装置とを備え、 前記サーバーは、前記複数のプラズマ処理室においてそ
    れぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と直
    流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX の納
    入後における値Cx1を、前記納入先入出力装置から受信
    し、 納入後における値Cx1の値が前記プラズマ電極容量Ce
    の26倍より小さい値である場合には、所定の性能を
    維持している旨の信号を、納入後における値Cx1の値が
    前記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値である場合
    には、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々納
    入先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処
    理装置の性能管理システム。
  50. 【請求項50】 前記サーバーが搬送元において出力
    装置を備え、納入後における値Cx1の値のいずれかが前
    記プラズマ電極容量Ce の26倍より小さい値である
    場合に、前記出力装置から、保守作業命令を出力するこ
    とを特徴とする請求項49に記載のプラズマ処理装置の
    性能管理システム。
  51. 【請求項51】 プラズマを励起するための電極を有
    する複数のプラズマ処理室と、各々の電極に高周波電力
    を供給するための高周波電源と、入力端子と出力端子と
    を有し該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに
    前記電極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に
    接続することにより前記プラズマ処理室と前記高周波電
    源とのインピーダンス整合を得る整合回路と、を具備す
    るプラズマ処理装置を、搬送元にて分解後、納入先に搬
    送して、該納入先にて再組み立てした後のプラズマ処理
    装置の性能管理システムであって、 出力装置を備えたサーバーと、このサーバーと通信回線
    で接続された納入先入力装置とを備え、 前記サーバーは、前記複数のプラズマ処理室においてそ
    れぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と対
    となり協働してプラズマを発生する電極との間のプラズ
    マ電極容量Ce の、納入後における値Ce1を、各々のプ
    ラズマ処理室の固有番号と共に前記納入先入出力装置か
    ら受信し、この値Ce1の値のばらつきCe1rが、その最
    大値Ce1maxと最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、該Ce1rの値が所定の値以上である場合
    に、前記出力装置から、保守作業命令を当該最大値C
    e1max又は最小値Ce1minを与えたプラズマ処理室の固有
    番号と共に出力し、 前記サーバーは、前記複数のプラズマ処理室においてそ
    れぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と直
    流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX の納
    入後における値Cx1を、各々のプラズマ処理室の固有番
    号と共に前記納入先入出力装置から受信し、 この値Cx1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1max
    と最小値Cx1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、 該Cx1rの値が所定の値以上の場合に、前記出力装置か
    ら、保守作業命令を当該最大値Cx1max又は最小値C
    x1minを与えたプラズマ処理室の固有番号と共に出力す
    ることを特徴とするプラズマ処理装置の性能管理システ
    ム。
  52. 【請求項52】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項51に記載のプラズマ処理装置の性能
    管理システム。
  53. 【請求項53】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項51に記載のプラズマ処理装置の性
    能管理システム。
  54. 【請求項54】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、前記電極に高周波電力を供給す
    るための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し該
    入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電極
    に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続する
    ことにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源とのイ
    ンピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラズ
    マ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システムを、
    搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先にて再
    組み立てした後のプラズマ処理システムの性能管理シス
    テムであって、 前記高周波電源の接続された電極と対となり協働してプ
    ラズマを発生する電極との間のプラズマ電極容量Ce
    記憶するサーバーと、このサーバーと通信回線で接続さ
    れた納入先入出力装置とを備え、 前記サーバーは、前記複数のプラズマ処理装置において
    それぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と
    直流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX
    納入後における値Cx1を、前記納入先入出力装置から受
    信し、 納入後における値Cx1の値が前記プラズマ電極容量Ce
    の26倍より小さい値である場合には、所定の性能を
    維持している旨の信号を、納入後における値Cx1の値が
    前記プラズマ電極容量Ceの26倍以上の値である場合
    には、所定の性能を維持していない旨の信号を、各々納
    入先入出力装置に発信することを特徴とするプラズマ処
    理システムの性能管理システム。
  55. 【請求項55】 前記サーバーが搬送元において出力
    装置を備え、納入後における値Cx1の値のいずれかが前
    記プラズマ電極容量Ce の26倍より小さい値である
    場合に、前記出力装置から、保守作業命令信号を出力す
    ることを特徴とする請求項54に記載のプラズマ処理シ
    ステムの性能管理システム。
  56. 【請求項56】 プラズマを励起するための電極を有
    するプラズマ処理室と、 前記電極に高周波電力を供給
    するための高周波電源と、入力端子と出力端子とを有し
    該入力端子に前記高周波電源を接続するとともに前記電
    極に接続した高周波電力配電体を前記出力端子に接続す
    ることにより前記プラズマ処理室と前記高周波電源との
    インピーダンス整合を得る整合回路と、を具備するプラ
    ズマ処理装置が複数設けられたプラズマ処理システム
    を、搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該納入先に
    て再組み立てした後のプラズマ処理システムの性能管理
    システムであって、 出力装置を備えたサーバーと、このサーバーと通信回線
    で接続された納入先入力装置とを備え、 前記サーバーは、前記複数のプラズマ処理装置において
    それぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と
    対となり協働してプラズマを発生する電極との間のプラ
    ズマ電極容量Ce の、納入後における値Ce1を、各々の
    プラズマ処理装置の固有番号と共に前記納入先入出力装
    置から受信し、この値Ce1の値のばらつきCe1rが、そ
    の最大値Ce1maxと最小値Ce1minによって、 Ce1r=(Ce1max−Ce1min)/(Ce1max+Ce1min) と定義され、このCe1rの値が所定の値以上である場合
    に、前記出力装置から、保守作業命令を当該最大値C
    e1max又は最小値Ce1minを与えたプラズマ処理装置の固
    有番号と共に出力し、 前記サーバーは前記複数のプラズマ処理装置においてそ
    れぞれ測定した、前記高周波電源の接続された電極と直
    流的にアースされた各接地電位部との間の容量CX の納
    入後における値Cx1を、各々のプラズマ処理装置の固有
    番号と共に前記納入先入出力装置から受信し、この値C
    x1の値のばらつきCx1rが、その最大値Cx1maxと最小値
    x1minによって、 Cx1r=(Cx1max−Cx1min)/(Cx1max+Cx1min) と定義され、 該Cx1rの値が所定の値以上の場合に、前記出力装置か
    ら、保守作業命令を当該最大値Cx1max又は最小値C
    x1minを与えたプラズマ処理装置の固有番号と共に出力
    することを特徴とするプラズマ処理システムの性能管理
    システム。
  57. 【請求項57】 前記所定の値が0.1であることを
    特徴とする請求項56に記載のプラズマ処理システムの
    性能管理システム。
  58. 【請求項58】 前記所定の値が0.03であること
    を特徴とする請求項56に記載のプラズマ処理システム
    の性能管理システム。
  59. 【請求項59】 購入発注者が販売保守者から購入し
    た請求項49から請求項58の何れかに記載の性能管理
    システムで管理されたプラズマ処理装置又はプラズマ処
    理システムの搬送元にて分解後、納入先に搬送して、該
    納入先にて再組立てした後の動作性能状況を示す性能状
    況情報の閲覧を公衆回線を介して要求する購入発注者側
    情報端末と、販売保守者が前記性能状況情報をアップロ
    ードする販売保守者側情報端末と、前記購入発注者側情
    報端末の要求に応答して、販売保守者側情報端末からア
    ップロードされた性能状況情報を購入発注者側情報端末
    に提供する性能状況情報提供手段と、を具備することを
    特徴とするプラズマ処理装置又はプラズマ処理システム
    の性能確認システム。
  60. 【請求項60】 性能状況情報が、前記高周波電源の
    接続された電極と対となり協働してプラズマを発生する
    電極との間のプラズマ電極容量Ce と、前記高周波電源
    の接続された電極と直流的にアースされた各接地電位部
    との間の容量CXを含むことを特徴とする請求項59記
    載のプラズマ処理装置又はプラズマ処理システムの性能
    確認システム。
  61. 【請求項61】 性能状況情報が、カタログまたは仕
    様書として出力されることを特徴とする請求項60記載
    のプラズマ処理装置又はプラズマ処理システムの性能確
    認システム。
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