JP2002151261A - 発光表示素子およびその製造プログラム - Google Patents

発光表示素子およびその製造プログラム

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JP2002151261A JP2000344386A JP2000344386A JP2002151261A JP 2002151261 A JP2002151261 A JP 2002151261A JP 2000344386 A JP2000344386 A JP 2000344386A JP 2000344386 A JP2000344386 A JP 2000344386A JP 2002151261 A JP2002151261 A JP 2002151261A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力化できる発光表示素子およびその
製造プログラムを提供する。 【解決手段】 マトリクス状に配置された複数の画素を
表示面に設ける。印加電圧に対する輝度特性がKc(V)
であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧V
emaxにおいて最大値を示すような発光素子をそれぞれの
画素に形成する。画素中の発光素子の開口率を、上記表
示面での設定された最高輝度、表示画像の階調分布およ
び上記発光効率に基づいて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型化および低消
費電力化を図れる発光表示素子およびその製造プログラ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機EL(ElectroLuminescesnce) 素子
は、自発光素子であるため、これをディスプレイに応用
した場合、液晶をしのぐ、高コントラスト、広視野角の
薄型ディスプレイと成りうる可能性を有している。
【0003】一般的な有機EL素子は、図3に示すよう
に、基板1上に陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、
発光層5、電子輸送層6、陰極7がこの順に積層された
構造を備えている。両電極に直流電圧を印加することに
より、陽極からホールが、陰極から電子が注入される。
この2つの再結合によって、発光層5の蛍光分子の一重
項励起状態が生成され、その一重項励起子が基底状態に
戻る際、外部に光を放出するという一連の過程が有機E
Lの発光原理である。
【0004】一般的な有機EL素子の特性は、図2
(a)、図2(b)、図2(c)に示すように、輝度
(Kc )(cd/m2)についてはある閾値電圧以上から、印
加電圧の上昇に伴って徐々に増加し、電流密度(I)(m
A/cm2)についてもある閾値電圧以上から、印加電圧の上
昇に伴って徐々に増加し、また発光効率(E)(lm/W)
については、ある電圧(Vemax)において最大値〔E
(Vemax)〕つまり極大値を示すものである。上記cd
は、光度の単位であるカンデラを示し、上記lmは、光束
の単位であるルーメンを示す。
【0005】近年、有機ELを用いたディスプレイが盛
んに開発されており、単純マトリクス構成では、S. Miy
aguchiらが、5インチの有機ELディスプレイを発表し
ている(EL98(1998)p. 137-140)。
【0006】また、1つの画素に複数のTFTが形成さ
れたアクティブマトリクス構成では、T. Shimodaらが、
発光層にポリマーを用いた有機ELディスプレイを発表
している(SID 99 Digest p. 372-375 )。
【0007】これまで、有機ELディスプレイの開口率
は、輝度を重視していたため、なるべく大きい方が好ま
しいとされていた。例えば、特開平11−251069
号公報では、デバイス構造に改良を加えることにより、
高開口率化を実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におい
ては、消費電力の観点から、ディスプレイの開口率がど
のような値であるべきか議論されたことがなかった。つ
まり、発光効率(E)が、図2(c)に示すように、最
大値を有する場合、低消費電力となる最適な開口率が存
在すると想定された。
【0009】本発明は、この点を明らかにし、低消費電
力となる開口率を有する発光表示素子(ディスプレイ)
を提供するとともに、低消費電力となる開口率を選択し
て設定するための、発光表示素子の製造プログラムを提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発光表示素子の
製造プログラムは、以上の課題を解決するために、マト
リクス状に配置された複数の画素を表示面に備え、上記
画素に発光素子をそれぞれ形成するための発光表示素子
の製造プログラムであって、上記発光素子は、印加電圧
に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧に対する
発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大値を示す
ものであり、1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の
発光時の発光期間はtであり、上記表示面の最低輝度が
Kd.minであり、そのときの階調レベルを0とし、上記
表示面の最高輝度がKd.max であり、そのときの階調レ
ベルをN(Nは整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z
1<Z2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値であると
き、1画素中の前記発光素子の開口率X%(0<X≦1
00)を、次式を用いて、
【0011】
【数20】
【0012】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0013】なお、上記Z1 としては、所望値を設定で
きるが、0.2、望ましくは0.25、より望ましくは
0.3が挙げられる。上記Z2 としては、0.8、望ま
しくは0.6、より望ましくは0.5が挙げられる。ま
た、以下に記載のZ1 およびZ2 についても同様な設定
値が好ましい。
【0014】これにより、上記方法では、単色光を発光
する表示素子において、所定の輝度を維持しながら開口
率を低消費電力となるように選択できて、低消費電力化
が実現できる発光表示素子を確実に製造できる。
【0015】本発明の他の発光表示素子の製造プログラ
ムは、マトリクス状に配置された複数の画素を表示面に
備え、各画素の光出射側には、透過スペクトルがF
(λ)となる少なくとも1層から成る層またはフィルム
が形成されており、上記画素に対し、発光スペクトルが
P(λ)である発光素子をそれぞれ形成するための発光
表示素子の製造プログラムであって、上記発光素子は、
印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧
に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大
値を示すものであり、1フレーム期間Tにおいて、各発
光素子の発光時の発光期間はtであり、上記表示面の最
低輝度がKd.min であり、そのときの階調レベルを0と
し、上記表示面の最高輝度がKd.max であり、そのとき
の階調レベルをN(Nは整数)とし、各係数Z1 、Z2
(0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値
であり、
【0016】
【数21】
【0017】を定義したとき、1画素中の前記発光素子
の開口率X%(0<X≦100)を、次式を用いて、
【0018】
【数22】
【0019】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0020】これにより、上記方法では、光出射側に、
例えば、透過スペクトルがF(λ)となる円偏光板等の
光学素子が設けられてコントラスト等の光学特性が改善
された、単色光を発光する発光表示素子において低消費
電力化を図れる開口率を選択できて、低消費電力化がよ
り確実に実現できる。
【0021】本発明のさらに他の発光表示素子の製造プ
ログラムは、m個のサブピクセルからなる画素を、複
数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、互いに異
なる透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、 A
m (λ)を有するm種類のカラーフィルタが、各画素の
各サブピクセルに対し、1種類ずつ、光出射側に形成さ
れており、発光スペクトルがP(λ)である発光素子を
上記各サブピクセルにそれぞれ形成するための発光表示
素子の製造プログラムであって、上記発光素子は、印加
電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧に対
する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大値を
示すものであり、1フレーム期間Tにおいて、各発光素
子の発光時の発光期間はtであり、上記表示面の最低輝
度がKd.min であり、そのときの階調レベルを0とし、
上記表示面の最高輝度がKd.max であり、そのときの階
調レベルをN(Nは整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0
<Z1 <Z 2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値であ
り、
【0022】
【数23】
【0023】
【数24】
【0024】を定義したとき、1画素中の前記発光素子
の開口率X%(0<X≦100)を次式を用いて、
【0025】
【数25】
【0026】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0027】これにより、上記方法では、発光が単色光
であり、光出射側にカラーフィルタが設けられた発光表
示素子において、低消費電力化を図れる開口率を選択で
きて低消費電力化がより確実に実現できる。
【0028】本発明のさらに他の発光表示素子の製造プ
ログラムは、m個のサブピクセルからなる画素を、複
数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、互いに異
なる透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、 A
m (λ)を有するm種類のカラーフィルタが、各画素の
各サブピクセルに対し、1種類ずつ、光出射側に形成さ
れており、各画素の光出射側には、透過スペクトルがF
(λ)となる少なくとも1層から成る層またはフィルム
が形成されており、発光スペクトルがP(λ)である発
光素子を上記各サブピクセルにそれぞれ形成するための
発光表示素子の製造プログラムであって、上記発光素子
は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加
電圧に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて
最大値を示すものであり、1フレーム期間Tにおいて、
各発光素子の発光時の発光期間はtであり、上記表示面
の最低輝度がKd.min であり、そのときの階調レベルを
0とし、上記表示面の最高輝度がKd.max であり、その
ときの階調レベルをN(Nは整数)とし、各係数Z1
2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルでの所望す
る値であり、
【0029】
【数26】
【0030】
【数27】
【0031】を定義したとき、1画素中の前記発光素子
の開口率X%(0<X≦100)を、次式を用いて、
【0032】
【数28】
【0033】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0034】これにより、上記方法では、発光が単色光
であり、光出射側にカラーフィルタおよび、円偏光板等
が設けられた発光表示素子において、低消費電力化を図
れる開口率を選択できて低消費電力化がより確実に実現
できる。
【0035】本発明のさらに他の発光表示素子の製造プ
ログラムは、m個のサブピクセルからなる画素を、複
数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、印加電圧
Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1 (V、λ)、
S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であるm種類の発
光素子(発光素子1 、発光素子2 、…、発光素子m )
が、m個のサブピクセルから成る1画素中の各サブピク
セルに対し、1種類ずつ、かつ、各種類の発光素子の1
画素中における開口率が、先の発光素子の順番に対応し
て、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるように形成され
ている発光表示素子の製造プログラムであって、m種類
の発光素子は、印加電圧Vに対する輝度特性が、それぞ
れKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,m (V)であ
り、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ電圧Vema
x,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値を示すも
のであり、1フレーム期間Tにおける、各発光素子の発
光時の発光時間をtであり、表示面での最低輝度Kd.mi
n 時の階調レベルを0とし、表示面での最高輝度Kd.ma
x のときの階調レベルをNとし、最高輝度Kd.max 時の
これら発光スペクトルの輝度を、順番にKd.max,1 、K
d.max,2 、…、Kd.max,mとし、各係数Z1 、Z2 (0
<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値であ
り、少なくとも1種類の発光素子j において、次式を用
いて、開口率XELj% (0<X≦100)を、
【0036】
【数29】
【0037】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0038】これにより、上記方法では、各サブピクセ
ルに赤、青、緑等の発光色を出す発光素子が形成された
発光表示素子において、低消費電力化を図れる開口率を
選択できて低消費電力化がより確実に実現できる。
【0039】本発明のさらに他の発光表示素子の製造プ
ログラムは、m個のサブピクセルからなる画素を、複
数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、印加電圧
Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1 (V、λ)、
S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であるm種類の発
光素子(発光素子1 、発光素子2 、…、発光素子m )
が、m個のサブピクセルから成る1画素中の各サブピク
セルに対し、1種類ずつ、かつ、各種類の発光素子の1
画素中における開口率が、先の発光素子の順番に対応し
て、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるように形成さ
れ、各サブピクセルの光出射側には、透過スペクトルが
F(λ)となる少なくとも一層からなる層またはフィル
ムが形成されている発光表示素子の製造プログラムであ
って、m種類の発光素子は、印加電圧Vに対する輝度特
性が、それぞれKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,
m (V)であり、印加電圧に対する発光効率が、それぞ
れ電圧Vemax,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大
値を示すものであり、1フレーム期間Tにおける、各発
光素子の発光時の発光時間をtであり、表示面での最低
輝度Kd.min 時の階調レベルを0とし、表示面での最高
輝度Kd.max のときの階調レベルをNとし、最高輝度K
d.max 時のこれら発光スペクトルの輝度を、順番にKd.
max,1 、Kd.max,2 、…、Kd.max,m とし、各係数
1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルでの
所望する値であり、
【0040】
【数30】
【0041】を定義したとき、少なくとも1種類の発光
素子j において、次式を用いて、開口率XELj%(0<
X≦100)を、
【0042】
【数31】
【0043】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定することを特徴としている。
【0044】これにより、上記方法では、各サブピクセ
ルに赤、青、緑等の発光色を発光する発光素子が形成さ
れ、光出射側に円偏光板等が形成された発光表示素子に
おいて低消費電力化を図れる開口率を選択できて低消費
電力化がより確実に実現できる。
【0045】本発明の発光表示素子は、前記の課題を解
決するために、マトリクス状に配置された複数の画素が
表示面に設けられ、印加電圧に対する輝度特性がKc
(V)であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、
電圧Vemaxにおいて最大値を示すような発光素子がそれ
ぞれの画素に形成され、画素中の発光素子の開口率が、
上記表示面の設定された最高輝度、表示画像の階調分布
および上記発光効率に基づいて設定され、例えば、1フ
レーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光期間
はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であり、
そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高輝度
がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(Nは整
数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が
全階調レベルでの所望する値であるとき、1画素中の前
記発光素子の開口率X%が、次式を用いて、
【0046】
【数32】
【0047】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 設定されていることを特徴としている。
【0048】それゆえ、上記構成では、自発的に発光す
る発光素子を画素に備えた発光表示素子において、発光
素子の開口率を低消費電力化を図れるように選択できる
ので、低消費電力化が実現できる。
【0049】上記発光表示素子においては、各画素の光
出射側に、透過スペクトルF(λ)を備えた、コントラ
スト等の光学特性を改善するための光学機能層が形成さ
れており、開口率は、上記透過スペクトルF(λ)に基
づく透過率も考慮されて、例えば、1フレーム期間Tに
おいて、各発光素子の発光時の発光期間はtであり、上
記表示面の最低輝度がKd.min であり、そのときの階調
レベルを0とし、上記表示面の最高輝度がKd.max であ
り、そのときの階調レベルをN(Nは整数)とし、各係
数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルで
の所望する値であり、前述のY1 を用いて、1画素中の
前記発光素子の開口率X%が、次式を用いて、
【0050】
【数33】
【0051】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 設定されていてもよい。
【0052】上記構成によれば、光出射側に、円偏光板
等の光学素子が設けられてコントラスト等の光学特性が
改善された、単色光を発光する発光表示素子において
も、低消費電力化が実現できる。
【0053】上記発光表示素子では、画素が、m個のサ
ブピクセルからなり、互いに異なる透過スペクトルA
1(λ)、A2(λ)、…、 Am (λ)を有するm種類の
カラーフィルタが、各画素の各サブピクセルに対し、1
種類ずつ、光出射側に形成されており、開口率は、上記
透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、 Am (λ)に
基づく透過率も考慮されて、例えば、1フレーム期間T
において、各発光素子の発光時の発光期間はtであり、
上記表示面の最低輝度がKd.min であり、そのときの階
調レベルを0とし、上記表示面の最高輝度がKd.max で
あり、そのときの階調レベルをN(Nは整数)とし、各
係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベル
での所望する値であり、前述のL(λ)およびY2 を用
いて、1画素中の前記発光素子の開口率X%が、次式を
用いて、
【0054】
【数34】
【0055】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 設定されていてもよい。
【0056】上記構成によれば、発光が単色光であり、
光出射側にカラーフィルタがさらに設けられた発光表示
素子においても、低消費電力化が実現できる。また、上
記構成では、上記光学素子を備えた発光表示素子におい
ても、低消費電力化が実現できる。
【0057】上記発光表示素子においては、画素が、m
個のサブピクセルからなり、発光素子が、印加電圧Vに
対する輝度特性が、それぞれKc,1 (V)、Kc,2
(V)、…、Kc,m (V)であり、印加電圧に対する発
光効率が、それぞれ電圧Vemax,1、Vemax,2、…、Vem
ax,mにおいて最大値を示し、印加電圧Vに対する発光ス
ペクトルがそれぞれS1 (V、λ)、S2 (V、λ)、
…、Sm (V、λ)であるm種類の発光素子(発光素子
1 、発光素子2 、…、発光素子m )であり、上記m種類
の発光素子が、m個のサブピクセルから成る1画素中の
各サブピクセルに対し、1種類ずつ、かつ、各種類の発
光素子の1画素中における開口率が、先の発光素子の順
番に対応して、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるよう
に形成されており、各開口率は、上記各発光スペクトル
S1 (V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)
も考慮されて、例えば、1フレーム期間Tにおける、各
発光素子の発光時の発光時間をtであり、表示面での最
低輝度Kd.min 時の階調レベルを0とし、表示面での最
高輝度Kd.max のときの階調レベルをNとし、最高輝度
Kd.max 時のこれら発光スペクトルの輝度を、順番にK
d.max,1 、Kd.max,2 、…、Kd.max,m とし、各係数Z
1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベルでの所
望する値であり、少なくとも1種類の発光素子j におい
ては、次式を用いて、開口率XELj%が、
【0058】
【数35】
【0059】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 設定されていてもよい。
【0060】上記構成によれば、さらに、各サプピクセ
ルに赤、青、緑等の発光色を出射してカラー表示が可能
な、各発光素子が形成された発光表示素子において、低
消費電力化が実現できる。また、上記構成では、上記光
学素子を備えた発光表示素子においても、低消費電力化
が実現できる。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図72に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0062】本発明の発光表示素子は、マトリクス状に
配置された各画素に、それぞれ有機EL素子(発光素
子)を備えたものである。上記有機EL素子は、例えば
図3に示すように、基板1上に陽極2、正孔注入層3、
正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、陰極7がこの
順に積層された構造を備えており、各画素に対し、本発
明に係る発光表示素子の製造プログラム(製造方法)に
より選択され、設定された開口率X%でそれぞれ形成さ
れている。
【0063】この有機EL素子の特性であるが、印加電
圧に対する輝度特性Kc(V)が、図2(a)のよう
に、ある閾値電圧から印加電圧の上昇に伴って徐々に増
加するような特性を有し、印加電圧に対する電流密度I
(V)が、図2(b)のように、ある閾値電圧から印加
電圧の上昇に伴って徐々に増加するような特性を有し、
印加電圧に対する発光効率E(V)が、図2(c)のよ
うに、上記閾値から最大許容印加電圧までの間にある電
圧Vemaxにおいて最大値を有するものである。
【0064】有機EL素子の輝度特性を測定する際の注
意点であるが、輝度測定面積は、発光面積より小さくな
ければならない。またある電圧での輝度測定を行う際に
は、輝度測定装置のサンプリング時間の間、この電圧が
印加されていなければならない。有機EL素子をディス
プレイに形成した後、このような測定を行う場合、各有
機EL素子が小さく、測定が困難である場合は、測定し
やすい大きさの有機EL素子のセルを作製し測定すると
よい。この際、作製する有機EL素子のセルは、ディス
プレイに形成した有機ELと同一のデバイス構造、およ
び材料でなくてはならない。
【0065】なお、後に光出射側に円偏光板や、カラー
フィルタが設けられたディスプレイに関して述べるが、
この場合、円偏光板やカラーフィルタが設けられている
ため、ディスプレイからは有機EL素子本来の輝度測定
はできない。この場合、ディスプレイに形成した有機E
L素子と同一のデバイス構造、および材料で、かつ測定
しやすい大きさの有機EL素子のセルを作製し測定する
とよい。もちろん、この有機EL素子のセルには円偏光
板やカラーフィルタは設けられていない。
【0066】また開口率の定義であるが、図1の模式図
に示すように、1画素の面積(表示面の面方向に沿った
面積)中に占める有機EL素子の発光部の発光面積の割
り合い(占有率)であるとする。図1では、各画素を明
確にするため、点線を用いて各画素を区切っているが、
実際のディスプレイにこのような点線があるわけではな
い。このディスプレイにおいて、1フレーム期間T(1
画面を表示するための走査期間T)における各有機EL
素子の発光時の発光期間をtとする。
【0067】次にこのディスプレイの輝度および階調に
ついてであるが、有機EL素子単体の輝度Kc と区別す
るため、ディスプレイの輝度をKd (ディスプレイの表
示面での輝度)とする。ディスプレイの最高輝度を決定
し、これをKd.max とし、この時の階調レベルをNとす
る。またディスプレイの最低輝度をKd.min とし、この
時の階調レベルを0とする。最低輝度Kd.min が最高輝
度Kd.max に比べ十分小さい時は、近似的にKd.min =
0としてよく、以下の説明ではKd.min =0として説明
している。
【0068】ディスプレイによっては、輝度調節機構を
設けてもよいが、このような場合は、ある輝度に調節
し、その調節における最高輝度をKd.max とし、以下の
開口率の設定をすればよい。なお、ディスプレイの輝度
測定時の注意点であるが、輝度測定面積は、各画素の大
きさに比べて、十分大きいものでなくてはならない。ま
た、輝度測定装置のサンプリング時間は、1フレームの
時間より十分長くなければならない。
【0069】ディスプレイの輝度Kdと階調の関係は、
線形関係とすると、図4のようになる。コントラストを
強調するため、図5のように非線形に設定してあるディ
スプレイもあるが、線形のものとさほどかけ離れないた
め、線形関係として以下の開口率の設定を進めても構わ
ない。
【0070】このとき、有機EL素子の輝度Kc と階調
の関係は、上記の開口率、発光期間を考慮すると、ディ
スプレイの最高輝度Kd.max 時に、各画素の有機EL素
子の発光輝度Kc は、
【0071】
【数36】
【0072】でなければならないため、図6のようにな
る。
【0073】ここで、上記に示したようなディスプレイ
で、開口率がX1 、X2 、X3 であるような3種類のデ
ィスプレイを考え、m階調目を全画素に表示するとする
(0≦m≦N)。各階調レベルを表示している画素の個
数をヒストグラムで表すと、この場合は、m階調目のみ
を使用しているので、図7のようになる。
【0074】また開口率の大小関係はX1 <X2 <X3
であるとする。それぞれの開口率における、階調と有機
EL素子の輝度Kc の関係は(1)式を用いることによ
り図8のようになる。
【0075】ここで、X2 は、m階調目における輝度K
c が、最大発光効率時の輝度Kc (Vemax)と等しくな
るような開口率とする。すなわち、
【0076】
【数37】
【0077】である。
【0078】ディスプレイの消費電力は、m階調目の輝
度における電圧、電流密度の積に、ディスプレイ内に占
める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたものである
が、(2)の右辺を満たしている開口率X2 の場合、最
大発光効率となる輝度で発光しているため、最も低消費
電力となるはずである。
【0079】〔実施例1〕これを確かめるため、有機E
L素子にTFTが接続された図9のような回路を基本単
位とし、これが透明基板上に複数形成された図10のよ
うな回路構成を備えたディスプレイを作製し実験を行っ
た。図9の基本単位1つにつき1画素が対応している。
【0080】作製したディスプレイは開口率5%、14
%、40%、50%の4種類のディスプレイである。またこ
れらのディスプレイの仕様は次の通りである(〔仕様
1〕とする)。
【0081】 ・総面積 12 cm2 ・画素数 39900 (走査線数 300本、データ線数 133本) ・階調に関して 0 階調から 255階調 ・輝度に関して 255階調目に相当するディスプレイの最高輝度Kd.max を 100 cd/m2に設定。また、0 階調目であるディスプレイの 最低輝度は 0 cd/m2であった。
【0082】 ・発光期間 1フレーム期間Tを 16.6 msとし、各有機EL素子の発光 時の発光期間tは1フレーム期間と同じ 16.6 msに設定。
【0083】 ・走査に関して プログレッシブ走査 これらディスプレイの断面図を図11に示す。ただし、
図11に示すディスプレイにはTFTや配線の図示は省
略されている。図11に示すように、ディスプレイにお
いては、有機EL素子の陽極(光の出射側)として、I
TO電極などの透明電極8がガラス基板1上に形成さ
れ、その上に上記有機EL素子の発光層9が形成され、
その上に陰極であり共通反射電極でもあるアルミ電極1
0が樹脂材料11を介してガラス基板1上に形成されて
いる。また、樹脂材料11は、各画素間を電気的にかつ
光学的に遮断するように各画素の配置の周囲に沿って碁
盤の目状にも形成されている。
【0084】上記発光層9は、例えば、PVK(図12
(a))に対し、PBD(図12(b))が、30 wt
%、TPB(図12(c))が 3 mol%、クマリン6
(図12(d))が、0.08 mol%、DCM1 (図12
(e))が、0.04 mol%、ナイルレッド(図12
(f))が0.03 mol%の割合でドーパントされたもので
あり、白色発光をするものが用いられる。PVKは、ポ
リ(N−ビニルカルバゾール)である。PBDは、1,3,
4-オキサジアゾール誘導体である。
【0085】この有機EL素子の輝度特性、電流特性、
発光効率特性はそれぞれ図13(a)、図13(b)、
図13(c)のようであった。主な特性を次に示す。
【0086】・最大発光効率となる電圧Vemax 3.12 V
(その時の発光効率は2.76 lm/W ) ・最大発光効率時の輝度Kc (Vemax) 216 cd/m2 ここで、有機EL素子のTFT駆動に関して以下に述べ
る。通常、有機EL素子のTFT駆動には図9に示すよ
うに、n-チャンネルTFTであるスイッチングTFT
と、P-チャンネルTFTであるドライビングTFTの2
種類が必要である。走査線からスイッチングTFTのゲ
ートを開く信号が入力され、これと同期してデータ線よ
り、データ信号に応じた量の電荷がキャパシタに入力さ
れ、このキャパシタに蓄積された電荷量に応じてドライ
ビングTFTのソース−ドレイン間の抵抗値が決まり、
電流供給線から、有機EL素子に電流が供給され、有機
EL素子が発光する。
【0087】スイッチングTFTのゲートが閉じられた
後も、ドライビングTFTを通して電流供給線から電流
が供給されるため、次の走査まで、有機EL素子は発光
が可能となる。また、この方法の場合、データ線からの
データ信号に応じソース−ドレイン間の抵抗値が決ま
り、これにより有機EL素子に供給される電流量が決ま
るため、データ信号に応じた輝度が得られ、階調表示も
可能となる。
【0088】次に駆動走査方法であるが、上記駆動走査
方法としては、通常、プログレッシブ走査とインターレ
ース走査とが挙げられる。プログレッシブ走査の場合、
図14のように、順次走査線が走査され、走査のタイミ
ングと同期して、画像データ信号が、データ線を通して
入力される。このため、各有機EL素子の発光時の発光
期間tは、1フレーム期間Tとほぼ等しくなる。
【0089】最近では、動画表示の動きぼけを防止する
ために、1フレーム期間における、発光時間を短くする
駆動方法もある。この場合、図15のように、1フレー
ム期間に二回、走査線を走査し、一回目の走査では、画
像信号が入力され、二回目の走査では、リセット信号が
入力される。このため、第一回目のゲート線走査から、
第二回目のゲート線走査までの時間をtとおくと、各有
機EL素子の発光時の発光期間もほぼtとなる。
【0090】インターレース走査では、一般的に次の2
つの方法がある。第一の方法では、図16に示すよう
に、1フレーム期間が第一フィールドと第二フィールド
に時分割され、各フィールドにおいて、走査線が順次走
査され、第一フィールド時には、奇数番目の走査線の走
査と同期し、画像データ信号が各データ線を通して入力
され、偶数番目の走査線の走査と同期し、リセット信号
が各データ線を通して入力され、第二フィールド時には
偶数番目の走査線の走査と同期し、画像データ信号が各
データ線を通して入力され、奇数番目の走査線の走査と
同期し、リセット信号が各データ線を通して入力され
る。この場合、1フレーム期間Tにおける、各画素の発
光時の発光期間tは、1フィールドの期間とほぼ同じに
なる。
【0091】このインターレース走査において、動きぼ
け対策のため、発光期間を短くする場合、図17に示す
ように、1フィールド間に走査線を二回走査する方法が
挙げられる。
【0092】この方法では、第一フィールドにおける第
一回目の走査線の走査では、奇数番目の走査線が順次走
査され、走査と同期し、画像データ信号が各データ線を
通して入力され、第二回目の走査線走査では、再び奇数
番目の走査線が順次走査され、走査と同期し、リセット
信号が各データ線を通して入力され、第二フィールドに
おける第一回目の走査線の走査では、偶数番目の走査線
が順次走査され、走査と同期し、画像データ信号が各デ
ータ線を通して入力され、第二回目の走査線走査では、
再び偶数番目の走査線が順次走査され、走査と同期し、
リセット信号が各データ線を通して入力される。
【0093】この場合、1フレーム期間Tにおける各画
素の発光時の発光期間tは、1フィールド間における第
一回目の走査線の走査から第二回目の走査線走査までの
時間とほぼ等しくなる。この他にも走査方法はあるが、
基本的には1フィールド間に走査線を二回走査し、第一
回目の走査では画像データ信号が入力され、第二回目の
走査ではリセット信号が入力されるものであるため、1
フレーム期間Tにおける各画素の発光時の発光期間t
は、1フィールド間における第一回目の走査線の走査か
ら第二回目の走査線走査までの時間とほぼ等しくなる。
【0094】インターレース走査の第二の方法では、図
18の様に、1フレーム期間が第一フィールドと第二フ
ィールドに時分割され、第一フィールドにおいては、2
本ずつの走査線が同時に選択されていき、走査のタイミ
ングに合わせ、画像データ信号が各データ線を通して入
力され、第二フィールドにおいては、第一フレームに対
し、一本走査線がずれた状態で2本ずつの走査線が同時
に選択されていき、走査のタイミングに合わせ、画像デ
ータ信号が各データ線を通して入力される。
【0095】この場合、1フレーム期間Tにおける各画
素の発光時の発光期間tは、1フレーム期間の時間とほ
ほ等しくなる。このインターレース走査において、動き
ぼけ対策のため、発光期間を短くする場合、図19に示
すように、1フィールド間に走査線を二回走査する方法
が挙げられる。この方法では、第一フィールドにおける
第一回目の走査線走査では、2本ずつの走査線が同時に
選択されていき、走査のタイミングに合わせ、画像デー
タ信号が各データ線を通して入力され、第二回目の走査
線走査では、再び2本ずつの走査線が同時に選択されて
いき、走査のタイミングに合わせ、リセット信号が各デ
ータ線を通して入力され、第二フィールドにおける第一
回目の走査線走査では、第一フレームに対し、1本走査
線がずれた状態で2本ずつの走査線が同時に選択されて
いき、走査のタイミングに合わせ、画像データ信号が各
データ線を通して入力され、第二回目の走査線走査で
は、再び2本ずつの走査線が同時に選択されていき、走
査のタイミングに合わせ、リセット信号が各データ線を
通して入力される。
【0096】この場合、1フレーム期間Tおける各画素
の発光時の発光期間tは、第一フィールドにおける、第
一回目の走査線の走査から第二回目の走査線走査までの
時間t’と、第二フィールドにおける第一回目の走査線
の走査から第二回目の走査線走査までの時間t”の合計
時間t’+t”とほぼ等しくなる。
【0097】本実施例のディスプレイでは、〔仕様1〕
でも述べた様に、プログレッシブ走査であり、例えば、
1フレーム期間 16.6 msにおける、各有機EL素子の発
光時の発光期間は 16.6 msに設定されている。
【0098】各開口率のディスプレイにおいて、階調と
有機EL素子の輝度Kc との関係は、図20のようにな
る。例えば、開口率5%の場合では、ディスプレイの最
高輝度Kd.max = 100 cd/m2時には、各画素の有機EL
素子の発光輝度Kc は、(1)式を用いて
【0099】
【数38】
【0100】である。
【0101】これらディスプレイの全画素にm=77階調
目を表示させた(図21)。この時、77階調目における
輝度Kc が、最大発光効率時の輝度Kc (Vemax)と等
しくなるような開口率、すなわち(2)式の右辺から計
算される開口率が最も低消費電力になるはずである。
【0102】そこで、実際に数値を代入してみると
【0103】
【数39】
【0104】となり、開口率14%の場合が、最も低消費
電力になるはずである。
【0105】そこで、前述した、各開口率にて作製され
た各ディスプレイについて、実際に消費電力を計算、お
よび測定したところ、開口率に対する消費電力は図22
に示すように、開口率14%のディスプレイが最も低消費
電力になった。
【0106】次に、一般画像について、最も低消費電力
となる開口率を考えてみる。これまで全画素の階調レベ
ルが単一の階調レベルである場合を考えてきが、実際の
映像では、このようなことは稀であり、階調レベルと、
その階調を使用している画素数のグラフで考えた場合、
ある程度の幅を持ち、且ピークを示す場合が多い。例え
ば、サッカーの試合の1画面を解析すると、階調レベル
と、その階調を使用している画素数との関係は、例えば
図23のようになり、確かにある程度の幅を持ち、且ピ
ークを示すことがわかる。
【0107】このような一般画像おいても、最も使用頻
度の高い階調レベルにおける輝度が、最大発光効率時の
輝度Kc (Vemax)と等しくなるように開口率を選ぶこ
とにより、低消費電力化が可能となる。
【0108】(2)式を用いて、例えば図23のような
階調分布を有する画像に対して、最も低消費電力になる
開口率を求めてみると、最も使用頻度の高い階調レベル
は87階調目であったので
【0109】
【数40】
【0110】から、開口率15%が最も低消費電力になる
ことが予想される。
【0111】〔実施例2〕そこで上記の開口率5%、14
%、40%、50%ディスプレイを用い、図23の映像を表
示した場合の消費電力を計算および測定したところ、消
費電力と、開口率の関係は図24のようになり、開口率
14%のディスプレイが最も低消費電力になることがわか
った。
【0112】以上のことから、最も使用頻度の高い階調
レベルをmとした場合、この階調レベルにおける有機E
L素子の輝度Kc が、最大発光効率時の輝度Kc (Vem
ax)と等しくなるように開口率を選択することにより、
すなわち(2)式の右辺から計算される開口率を選ぶこ
とにより、最も低消費電力となることがわかった。
【0113】では一般の画像において、どの階調レベル
が最も使用頻度が高いのであろうか。これを調べるた
め、複数の画像について、階調レベルの使用頻度を調査
したしたところ、全階調レベル内の20%から80%の範
囲、より多くは25%から60%、最も多くは30%から50%
が使用され、最低輝度付近である0%から20%未満の範
囲の階調レベルと、最高輝度付近である、80%を超えて
100%の範囲の階調レベルは、あまり使用されないこと
がわかった。
【0114】このことから、最も使用される、20%から
80%の範囲の階調レベルにおいて、(2)式の右辺を満
たす開口率X、すなわち以下の式(3)にて示された範
囲内の開口率Xであれば低消費電力化できることが想定
された(図25参照)。
【0115】
【数41】
【0116】〔実施例3〕各値を代入すると、開口率が
9%から37%の範囲であれば、(3)式の範囲を満たし
ている。そこで、開口率5%、14%、30%、50%のディ
スプレイを作製し、一般画像を表示させたところ、平均
の消費電力は、図26のようになった。このことから、
(3)式の範囲内の開口率であれば、低消費電力化が実
現できることがわかった。
【0117】ところで、一般の有機ELのディスプレイ
においては、陰極にアルミ等の光反射性の材料が用いら
れる。この場合、外部光が陰極で反射されるため、暗状
態の輝度が上昇し、コントラストが著しく減少する問題
点がある。
【0118】この問題点を解決するため、偏光板とλ/
4板を組み合わせた円偏光板を用いる方法が用いられて
いる。これにより外光反射がおさえられ良好なコントラ
スト(光学特性)が実現できる。
【0119】図2(a)、図2(b)、図2(c)の特
性を示す有機EL素子が、各画素に開口率X%で形成さ
れ、且このような円偏光板が、光出射側に設けられたデ
ィスプレイについて考えてみる。このディスプレイにお
いて、1フレーム期間Tにおける、各有機EL素子の発
光時の発光期間はtとする。ディスプレイの最高輝度を
決定し、これをKd.max とし、この時の階調レベルをN
とする。また最低輝度Kd.min 時の階調レベルを0とす
る。最低輝度Kd.min が最高輝度Kd.max に比べ十分小
さい時は、近似的にKd.min =0としてよく、以下の説
明ではKd.min=0として説明している。
【0120】円偏光板の透過スペクトルをF(λ)とす
ると、このとき円偏光板の透過率に相当する値が次の式
(4)で与えられるY1 である。
【0121】
【数42】
【0122】ただし、上の式(4)で、バーy(λ)は
等色関数であり、P(λ)はある印加電圧での有機EL
素子の発光スペクトルである。
【0123】この円偏光板が光の出射側に設けられたデ
ィスプレイを考えた場合、有機EL素子の輝度Kcと階
調の関係は、上記のY1 、開口率、発光期間を考慮する
と、ディスプレイの最高輝度Kd.max 時に、各有機EL
素子の発光輝度Kc が、
【0124】
【数43】
【0125】でなければならないため、図27のように
なる。
【0126】ここで、開口率がX1 、X2 、X3 である
ような3種類のディスプレイを考え、m階調目を全画素
に表示するとする。また開口率の大小関係はX1 <X2
<X 3 であるとする。それぞれの開口率における、階調
と有機EL素子の輝度Kc の関係は(5)式を用いるこ
とにより図28のようになる。ここで、X2 は、m階調
目における輝度Kc が、最大発光効率時の輝度Kc (V
emax)と等しくなるような開口率とする。すなわち
【0127】
【数44】
【0128】である。
【0129】ディスプレイの消費電力は、m階調目の輝
度における電圧、電流密度の積に、ディスプレイ内に占
める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたものである
が、(2)の右辺を満たしている開口率X2 の場合、最
大発光効率となる輝度で発光しているため、最も低消費
電力となるはずである。
【0130】〔実施例4〕これを確かめるために、開口
率が10%、33%、50%、70%となる図10に示す回路構
成を備えたディスプレイを作製した。ディスプレイの仕
様は〔仕様1〕と同じである。ただし、上記ディスプレ
イにおける光の出射側のガラス基板1上には図29に示
すように、透過スペクトルが図30であるような円偏光
板が設けられている。上記円偏光板は、光学素子であ
る、λ/4板12と偏光板13とが光出射方向に沿って
互いに積層されたものである。また、上記ディスプレイ
においては、前述の実施例1(図11参照)で用いた有
機EL素子と同じものが用いられており、図11と同一
な部材番号を付与してそれらの説明を省いた。
【0131】このとき(4)式から計算されるY1 は、
42となった。すなわち、透過率が42%ということにな
る。各開口率のディスプレイにおいて、階調と有機EL
素子の輝度Kc との関係は、図31のようになる。例え
ば、開口率10%の場合では、ディスプレイの最高輝度K
d.max = 100 cd/m2時には、各画素の有機EL素子の発
光輝度Kc は、(5)式を用いて
【0132】
【数45】
【0133】である。これらディスプレイの全体の画素
にm=77階調目を表示させた。
【0134】この時、77階調目における有機EL素子の
輝度Kc が、最大発光効率時の輝度Kc(Vemax) と等し
くなるような開口率、すなわち(6)式の右辺から計算
される開口率Xが最も低消費電力になるはずである。そ
こで、実際に数値を代入してみると
【0135】
【数46】
【0136】となり、開口率33%の場合が、最も低消費
電力になるはずである。そこで、実際に消費電力を計
算、および測定したところ、開口率に対する消費電力は
図32に示すように、開口率33%のディスプレイが最も
低消費電力になり、開口率が33%付近のものが良好な低
消費電力を示すことが実証された。
【0137】〔実施例5〕図23のような分布を示す画
像に対して、消費電力を計算した。(6)式を用いて、
図23のような分布を示す画像に対して、最も低消費電
力になる開口率を求めてみると、最も使用頻度の高い階
調レベルは、前述したように87階調目であるので、
【0138】
【数47】
【0139】から、開口率37%近辺が最も低消費電力
になることが予想された。
【0140】そこで上記の開口率10%、33%、50%、70
%のディスプレイを用い、図23の画像を表示した場合
の消費電力を計算、および測定したところ、消費電力
と、開口率の関係は図33のようになり、開口率33%〜
50%のディスプレイが最も低消費電力になることがわか
り、上記の予想は正しいことが証明された。
【0141】一般の画像の場合、全階調レベルの20%〜
80%が最も使用されることを考えると、この範囲の階調
レベルにおいて、(6)の右辺を満たす開口率、すなわ
ち以下の式(7)にて示される範囲内の開口率であれば
低消費電力化できることが想定された(図34参照)。
【0142】
【数48】
【0143】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 〔実施例6〕前述の各値を代入すると、上記の範囲を満
たす開口率の範囲は、22%から88%の範囲である。そこ
で、開口率5%、10%、25%、50%、70%のディスプレ
イを作製し、一般画像を表示させたところ、平均の消費
電力は、図35のようになった。このことから、(7)
式の範囲内の開口率であれば、低消費電力化が実現でき
ることがわかった。
【0144】次に、1画素がm個のサブピクセルから成
り、それぞれのサブピクセルには図2(a)、図2
(b)、図2(c)のような特性を示す有機EL素子が
形成されており、またそれぞれのサブピクセルの光出射
側には、それぞれ異なる透過スペクトルAm (λ)を示
すm種類のカラーフィルタがそれぞれ設けられているデ
ィスプレイを考えてみる。
【0145】このディスプレイにおいて1フレーム期間
Tにおける、各有機EL素子の発光時の発光期間はtと
する。また、ディスプレイの最高輝度を決定し、これを
Kd.max とし、この時の階調レベルをNとする。また最
低輝度Kd.min 時の階調レベルを0とする。最低輝度K
d.min が最高輝度Kd.max に比べ十分小さい時は、近似
的にKd.min =0としてよく、以下の説明ではKd.min
=0として説明している。
【0146】ここでの開口率の定義であるが、1画素の
面積中に占める、各サブピクセルの有機EL素子の発光
部の合計面積の割合であり、ディスプレイの開口率をX
%であるとする。また、以下の式(8)を定義すると、
【0147】
【数49】
【0148】カラーフィルタの透過率に相当する値が次
の式(9)で与えられるY2 である。
【0149】
【数50】
【0150】ただし、上の式(9)で、バーy(λ)は
等色関数であり、P(λ)はある印加電圧での有機EL
素子の発光スペクトルである。
【0151】有機EL素子の輝度Kc と階調の関係は、
上記のY2 、開口率、発光期間を考慮すると、ディスプ
レイの最高輝度Kd.max 時に、各サブピクセルの有機E
L素子の発光輝度Kc が、
【0152】
【数51】
【0153】でなければならないため、図36のように
なる。
【0154】ここで、1画素における開口率がX1 、X
2 、X3 であるような3種類のディスプレイを考え、m
階調目を全画素に表示するとする。また開口率の大小関
係はX1 <X2 <X3 であるとする。それぞれの開口率
における、階調と有機EL素子の輝度Kcの関係は(1
0)式を用いることにより図37のようになる。ここ
で、X2 は、m階調目における有機EL素子の輝度Kc
が、最大発光効率時の輝度Kc(Vemax) と等しくなるよ
うな開口率とする。すなわち
【0155】
【数52】
【0156】である。
【0157】ディスプレイの消費電力は、m階調目の輝
度における電圧、電流密度の積に、ディスプレイ内に占
める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたものである
が、(11)の右辺を満たしている開口率X2 の場合、
最大発光効率となる輝度で発光しているため、最も低消
費電力となるはずである。
【0158】〔実施例7〕これを確かめるために、開口
率が10%、20%、42%、60%となる図10に示す回路構
成を備えたディスプレイを作製した。ただし、図9の基
本単位一つに付き、一つのサブピクセルが対応してお
り、1画素は、同一走査線上にある3つのサブピクセル
からなり、各サブピクセルには図38に示すような透過
スペクトルをもつR、G、Bの3色のカラーフィルタが
形成されている。
【0159】図39にこのディスプレイの断面図を示
す。上記ディスプレイにおいては、各カラーフィルタで
ある赤色カラーフィルタ15、緑色カラーフィルタ1
6、青色カラーフィルタ17は、ガラス基板1とITO
電極等の各透明電極8との間にオーバーコート層18を
介してそれぞれ形成されている。また、各カラーフィル
タである赤色カラーフィルタ15、緑色カラーフィルタ
16、青色カラーフィルタ17間には、ブラックマトリ
クス14が前述の樹脂材料11に沿って形成されてい
る。また、他の部材については図11と同一の部材番号
を付与してそれらの説明を省略している。また図39で
はTFTや配線等の図示は省略してある。
【0160】L(λ)は(8)式を用いて図40のよう
になる。またディスプレイの仕様は次の通りである
(〔仕様2〕)。
【0161】 ・総面積 36 cm2 ・画素数 39900 (走査線数 300本、データ線数 399本) ・階調に関して 0 階調から 255階調 ・輝度に関して 255階調目に相当するディスプレイの最高輝度Kd.max を 100 cd/m2に設定。また0階調目であるディスプレイ の最低輝度は0 cd/m2 であった。
【0162】 ・発光期間 1フレーム期間Tを 16.6 msとし、各有機EL素子の発 光時の発光期間tは1フレーム期間と同じ 16.6 msとし た。
【0163】 ・走査に関して プログレッシブ走査 またディスプレイに形成された有機EL素子は実施例1
で用いた有機EL素子と同じである。このとき、(9)
式から計算されるY2 は、33.4となった。すなわち、透
過率が33.4%ということになる。
【0164】各開口率のディスプレイにおいて、階調と
有機EL素子の輝度Kc との関係は、図41のようにな
る。例えば、開口率10%の場合では、ディスプレイの最
高輝度Kd.max = 100 cd/m2時には、各サブピクセルの
有機EL素子の発光輝度Kcは、
【0165】
【数53】
【0166】である。これらディスプレイにm=77であ
る、77階調目を表示させた。
【0167】この時、77階調目における有機EL素子の
輝度Kc が、最大発光効率時の輝度Kc(Vemax) と等し
くなるような開口率、すなわち(11)式の右辺から計
算される開口率が最も低消費電力になるはずである。そ
こで、実際に数値を代入してみると
【0168】
【数54】
【0169】となり、開口率42%の場合が、最も低消費
電力になると予想される。そこで、実際に消費電力を計
算、および測定したところ、開口率に対する消費電力は
図42のようになり、開口率42%のディスプレイが最も
低消費電力になった。
【0170】〔実施例8〕図23のような分布を示す画
像に対して、消費電力を計算した。(11)式を用い
て、図23のような分布を示す画像に対して、最も低消
費電力になる開口率を求めてみると、最も使用頻度の高
い階調レベルは、前述したように87階調目であるので
【0171】
【数55】
【0172】から、開口率47%近辺が最も低消費電力に
なることが予想される。
【0173】そこで開口率が10%、20%、42%、60%の
上記のディスプレイを用い、図23の画像を表示した場
合の消費電力を計算、および測定したところ、消費電力
と、開口率の関係は図43のようになり、開口率42%の
ディスプレイが最も低消費電力になることがわかり、上
記の予想は正しいことが確認された。
【0174】一般の画像の場合、前述したように、全階
調レベルの20%〜80%が最も使用されることを考える
と、この範囲の階調レベルにおいて、(11)の右辺を
満たす開口率、すなわち以下の式(12)にて示される
範囲内の開口率であれば低消費電力化できることが予想
された(図44参照)。
【0175】
【数56】
【0176】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 〔実施例9〕前述の各値を代入すると、開口率が27%以
上であれば、(12)式の範囲を満たしていることが判
った。そこで、開口率10%、30%、40%、60%のディス
プレイを作製し、一般画像を表示させたところ、消費電
力は、図45のようになった。このことから、(12)
式の範囲内の開口率であれば、低消費電力化が実現でき
ることがわかった。
【0177】次に、1画素がm個のサブピクセルから成
り、それぞれのサブピクセルには図2(a)、図2
(b)、図2(c)のような特性を示す有機EL素子が
形成されており、またそれぞれのサブピクセルの光出射
側には、それぞれ異なる透過スペクトルAm(λ)を有
するm種類のカラーフィルタがそれぞれ設けられてお
り、更に光出射側には、透過スペクトルがF(λ)とな
る円偏光板が形成されているディスプレイを考えてみ
る。
【0178】このディスプレイで1フレーム期間Tにお
ける、各有機EL素子の発光時の発光期間はtとする。
ディスプレイの最高輝度を決定し、これをKd.max と
し、この時の階調レベルをNとする。また最低輝度Kd.
min 時の階調レベルを0とする。最低輝度Kd.min が最
高輝度Kd.max に比べ十分小さい時は、近似的にKd.mi
n =0としてよく、以下の説明ではKd.min =0として
説明している。
【0179】また、ここでの開口率の定義であるが、1
画素の面積中に占める、各サブピクセルの有機EL素子
の発光部の合計面積の割合であり、ディスプレイの開口
率をX%とする。
【0180】円偏光板の透過スペクトルをF(λ)と
し、(8)式でカラーフィルタの透過スペクトルL
(λ)を定義すると、円偏光板とカラーフィルタを重ね
た場合の透過率は次の式(13)のY3 で表される。
【0181】
【数57】
【0182】ただし、上の式(13)でバーy(λ)は
等色関数であり、P(λ)はある電圧での有機EL素子
の発光スペクトルである。
【0183】この時、有機EL素子の輝度Kc と階調の
関係は上記のY3 、開口率、発光期間を考慮すると、デ
ィスプレイの最高輝度Kd.max 時に、各サブピクセルの
有機EL素子の発光輝度Kc が、
【0184】
【数58】
【0185】でなければならないため、図46のように
なる。
【0186】ここで、開口率がX1 、X2 、X3 である
ような3種類のディスプレイを想定し、m階調目を全画
素に表示するとする。また開口率の大小関係はX1 <X
2 <X3 であるとする。それぞれの開口率における、階
調と有機EL素子の輝度Kcの関係は(14)式を用い
ることにより図47のようになる。ここで、X2 は、m
階調目における有機EL素子の輝度Kc が、最大発光効
率時の輝度Kc(Vemax)と等しくなるような開口率とす
る。すなわち
【0187】
【数59】
【0188】である。ディスプレイの消費電力は、m階
調目の輝度における電圧、電流密度の積に、ディスプレ
イ内に占める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたも
のであるが、(15)の右辺を満たしている開口率X2
の場合、最大発光効率となる輝度で発光しているため、
最も低消費電力となるはずである。
【0189】〔実施例10〕これを確かめるために、開
口率が20%、40%、70%、80%となる図10に示す回路
構成を備えたディスプレイを作製した。ただし、図9の
基本単位一つに付き、一つのサブピクセルが対応してお
り、1画素は、同一走査線上にある3つのサブピクセル
からなり、各サブピクセルには図38に示すような透過
スペクトルを示すR、G、Bの3色のカラーフィルタが
形成されている。
【0190】上記ディスプレイの光出射側には、さらに
図30に示すような透過スペクトルを示す円偏光板が形
成されている。またディスプレイの仕様は、最高輝度を
除いて、前述の〔仕様2〕と同じである。ディスプレイ
の最高輝度Kd.max を 70 cd/m2 とした。
【0191】ディスプレイに形成された有機EL素子は
実施例1で用いた有機EL素子と同じものを用いた。図
48にこのディスプレイの断面図を示す。図48に示す
ように、各カラーフィルタとしての赤色カラーフィルタ
15、緑色カラーフィルタ16、青色カラーフィルタ1
7は、ガラス基板1とITO電極などの透明電極8との
間にオーバーコート層18を介して形成されている。上
記円偏光板は、λ/4板12と偏光板13とからなって
いる。図48ではTFTや配線等は省略してある。
【0192】このとき、(13)式から計算されるY3
は14となった。すなわち透過率が14%ということにな
る。各開口率のディスプレイにおいて、階調と有機EL
素子の輝度Kc との関係は、図49のようになる。例え
ば、開口率20%の場合では、ディスプレイの最高輝度K
d.max = 70 cd/m2 時に、各有機EL素子の発光輝度K
c は、(14)式を用いて、
【0193】
【数60】
【0194】となる。これらディスプレイにm=77階調
目を表示させた。
【0195】この時、77階調目における輝度Kc が、最
大発光効率時の輝度Kc(Vemax) と等しくなるような開
口率、すなわち(15)式の右辺から計算される開口率
が最も低消費電力になるはずである。そこで、実際に数
値を代入してみると、
【0196】
【数61】
【0197】となり、開口率70%の場合が、最も低消費
電力になるはずである。
【0198】そこで、実際に消費電力を計算、および測
定したところ、開口率に対する消費電力は図50のよう
になり、開口率70%のディスプレイが最も低消費電力に
なった。
【0199】〔実施例11〕図23のような分布を示す
画像に対して、消費電力を計算した。(15)式を用い
て、図23のような分布を示す画像に対して、最も低消
費電力になる開口率を求めてみると、最も使用頻度の高
い階調レベルは、前述したように87階調目であるので、
【0200】
【数62】
【0201】から、開口率78%近辺が最も低消費電力に
なることが予想される。
【0202】そこで開口率が20%、40%、70%、80%の
上記のディスプレイを用い、図23の映像を表示した場
合の消費電力を計算、および測定したところ、消費電力
と、開口率の関係は図51のようになり、開口率70%〜
80%のディスプレイが最も低消費電力になることがわか
り、上記の予想は正しいことが確認された。
【0203】一般の画像の場合、全階調レベルの20%〜
80%が最も使用されることを考えると、この範囲の階調
レベルにおいて、(15)の右辺を満たす開口率、すな
わち以下の式(16)にて示される範囲内の開口率であ
れば低消費電力化できることが予想される(図52参
照)。
【0204】
【数63】
【0205】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 〔実施例12〕前述の各値を代入すると、開口率が46%
以上であれば、(16)式の範囲を満たしている。開口
率20%、50%、70%、80%のディスプレイをそれぞれ作
製し、一般画像を表示させたところ、平均の消費電力は
図53のようになった。このことから、(16)式の範
囲内の開口率であれば、低消費電力化が実現できること
が判った。
【0206】次に、印加電圧Vに対する輝度特性が、そ
れぞれKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,m (V)
であり、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ電圧V
emax,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値を示
し、印加電圧Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1
(V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であ
るm種類の発光素子(有機EL素子1 、有機EL素子2
、…、有機EL素子m )が、m個のサブピクセルから
成る1画素中の各サブピクセルに対し、1種類ずつ形成
されており、このような画素を複数備えたディスプレイ
を考える。各種類の有機EL素子の開口率を、1画素の
面積中に占める、各種類の有機EL素子の発光部の面積
の割合であると定義し、先の有機EL素子の順番に対応
して、XEL1、XEL2 、…、XELm であるとする。また
1フレーム期間Tにおける、各有機EL素子の発光時の
発光時間をtとする。
【0207】ディスプレイの最高輝度を決定し、これを
Kd.max とし、この時の階調レベルをNとする。また最
低輝度Kd.min 時の階調レベルを0とする。最低輝度K
d.min が最高輝度Kd.max に比べ十分小さい時は、近似
的にKd.min =0としてよく、以下の説明ではKd.min
=0として説明している。
【0208】ディスプレイの最高輝度Kd.max 時に、各
種類の有機EL素子の発光時に印加される電圧を、先の
有機EL素子の順番に対応させて、Vmax,1 、Vmax,2
、…、Vmax,m とおくと、このときの各種類の有機E
L素子の発光スペクトルは、S1 (Vmax,1 、λ)、S
2 (Vmax,2 、λ)、…、Sm (Vmax,m 、λ)と書け
る。ディスプレイの最高輝度Kd.max 時のこれらスペク
トルの輝度を、順番にKd.max,1 、Kd.max,2 、…、K
d.max,m とすると、Kd.max =Kd.max,1 +Kd.max,2
+…+Kd.max,m が成り立つ。
【0209】今、これら種類の有機EL素子のうち、有
機EL素子j において、低消費電力となる1画素中の開
口率を考えてみる。このとき有機EL素子j のみを点灯
させるものとして考えるとよい。
【0210】有機EL素子j のみを上記の駆動条件で点
灯させた場合、ディスプレイの輝度をKd,j とすると、
階調とディスプレイの輝度Kd,j の関係は、簡単のため
線形とすると、図54のようになり、最大階調レベルで
あるN階調目の輝度は、上述のKd.max,j と等しい。
【0211】このとき、有機EL素子j の輝度Kc,j と
階調の関係は、1画素中の開口率がXELj であること、
および発光期間を考慮すると、有機EL素子j のみを点
灯した場合のディスプレイの最高輝度Kd.max,j 時に、
各サブピクセルの有機EL素子jの発光輝度Kc,j は、
次の式の右辺でなければならないため図55のようにな
る。
【0212】
【数64】
【0213】1画素中における、有機EL素子j の開口
率がXELj,1 、XELj,2 、XELj,3であるような3種類
のディスプレイを考え、m階調目をすべての有機EL素
子jに表示するとする。また開口率の大小関係はXELj,1
<XELj,2 <XELj,3 であるとする。それぞれの開口
率における、階調と有機EL素子j の輝度Kc,j の関係
は(17)式を用いることにより図56のようになる。
ここで、XELj,2 は、m階調目における有機EL素子の
輝度Kc,j が、最大発光効率時の輝度Kc,j(Vemax,j)
と等しくなるような開口率とする。すなわち
【0214】
【数65】
【0215】である。ディスプレイの消費電力は、m階
調目の輝度における電圧、電流密度の積に、ディスプレ
イ内に占める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたも
のであるが、(18)の右辺を満たしている開口率XEL
j,2 の場合、最大発光効率となる輝度で発光しているた
め、最も低消費電力となるはずである。
【0216】〔実施例13〕これを確かめるために、1
画素が3つのサブピクセルから成り、各サブピクセルに
は赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の発光スペクト
ルを示す有機EL素子がそれぞれに形成された図10の
ような回路構成を備え、緑の光を発光する有機EL素子
の開口率が5%、10%、20%の3つのディスプレイを考
えてみる。ただし、図9の基本単位1つにつき、1つの
サブピクセルが対応しており、各画素のサブピクセル
は、同一走査線上に沿って形成されている。
【0217】このようなディスプレイでは、図57の断
面図に示すように、陽極にITO等の透明電極8が使用
されており、この上に、正孔注入層3、正孔輸送層4、
各発光層19、20、21、アルミ電極10(陰極)が
積層されている。正孔注入層3は図58(a)に示す材
料(CuPc)からなっている。正孔輸送層4は図58
(b)に示す材料(TPD)からなっている。CuPc
は銅フタロシアニンであり、TPDは、N,N'-bis(3-met
hylphenyl)-N,N'diphenyl-[1,1'-diphenyl]-4,4'-diami
neである。
【0218】各発光層19、20、21は、赤色発光層
19、緑色発光層20、青色発光層21であり、各色で
異なる材料からなるものである。緑の発光を示す発光層
の材料は図58(c)に示す材料〔Alq3 〕である。
なお、図57においては、TFTや配線等は省略してあ
る。Alq3 は、tris(8-quinolinolato)aluminum であ
る。
【0219】緑の光を発光する有機EL素子の輝度特
性、電流特性、発光効率特性はそれぞれ図59(a)、
図59(b)、図59(c)のようであった。主な特性
を以下に示す。 ・最大発光効率となる電圧Vemax,j 3.31V(その時の
発光効率は2.78 lm/W ) ・最大発光効率時の輝度Kc,j(Vemax,j) 327 cd/m2 ディスプレイの仕様は輝度を除いて〔仕様2〕と同じで
ある。緑の光を発光する有機EL素子のみを点灯させた
ときのディスプレイの最高輝度を 110 cd/m2としてい
る。このとき緑の光を発光する有機EL素子と階調の関
係は、図60のようになる。例えば、緑の光を発光する
有機EL素子の開口率が5%の場合では、最高輝度Kd.
max,j = 110 cd/m2のとき、(17)式を用いて、
【0220】
【数66】
【0221】である。
【0222】今、m=77階調目を全画面の緑発光の画素
において表示するとき、緑の光を発光する有機EL素子
について最適な開口率を考えると、(18)式から
【0223】
【数67】
【0224】となり、緑の光を発光する有機EL素子
が、1画素中に10%の開口率となるように形成されてい
れば、低消費電力になるはずである。
【0225】そこで、開口率が5%、10%、20%のディ
スプレイをそれぞれ作製し、それらについて実際の消費
電力を計算、および測定したところ、各開口率を備えた
ディスプレイの作動時における消費電力は図61のよう
になり、開口率10%のディスプレイが最も低消費電力で
あった。
【0226】〔実施例14〕図23のような分布を示す
画像に対して、消費電力を計算した。(18)式を用い
て、図23のような分布を示す画像に対して、最も低消
費電力になる開口率を求めてみると、最も使用頻度の高
い階調レベルは、前述したように、例えば87階調目であ
るので、
【0227】
【数68】
【0228】から、開口率11%近辺が最も低消費電力に
なることが予想される。
【0229】そこで上記の開口率5%、10%、20%のデ
ィスプレイを用い、図23に示す画像を表示した場合の
消費電力を計算、および測定したところ、消費電力と、
開口率の関係は図62のようになり、開口率10%のディ
スプレイが最も低消費電力になることがわかり、上記の
予想は正しいことが証明された。
【0230】一般の画像の場合、全階調レベルの20%〜
80%が最も使用されることを考えると、この範囲の階調
レベルにおいて、(18)式の右辺を満たす開口率、す
なわち以下の式(19)にて示される範囲内の開口率で
あれば低消費電力化できることが予想される(図63参
照)。
【0231】
【数69】
【0232】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 〔実施例15〕式(19)に対し、前述の各値を代入す
ると、開口率が、7%から27%の範囲であれば、(1
9)式の範囲を満たしている。そこで、1画素におけ
る、緑色を発光する有機EL素子の開口率が2%、10
%、20%、25%のディスプレイを作製し、一般画像を表
示させたところ、平均の消費電力は、図64のようにな
った。このことから、(19)式の範囲内の開口率内で
あれば、低消費電力化が実現できることが判った。他の
発光色の有機EL素子についても、同様な方法で、低消
費電力となる開口率を求めることができる。
【0233】次に、印加電圧Vに対する輝度特性が、そ
れぞれKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,m (V)
であり、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ電圧V
emax,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値を示
し、印加電圧Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1
(V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であ
るm種類の発光素子(有機EL素子1 、有機EL素子2
、…、有機EL素子m )が、m個のサブピクセルから
成る1画素中の各サブピクセルに対し、1種類ずつ形成
された画素を複数備え、かつ、光出射側に透過スペクト
ルがF(λ)である円偏光板が設置されているディスプ
レイを考える。
【0234】各種類の有機EL素子の開口率を、1画素
の面積中に占める、各種類の有機EL素子の発光部の面
積の割合であると定義し、先の有機EL素子の順番に対
応して、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるとする。ま
た1フレーム期間Tにおける、各有機EL素子の発光時
の発光時間をtとする。また、円偏光板の透過率に相当
する値Yj は次の式(20)で与えられている。
【0235】
【数70】
【0236】ただし、上の式(20)でバーy(λ)は
等色関数である。
【0237】ディスプレイの最高輝度を決定し、これを
Kd.max とし、この時の階調レベルをNとする。また最
低輝度Kd.min 時の階調レベルを0とする。最低輝度K
d.min が最高輝度Kd.max に比べ十分小さい時は、近似
的にKd.min =0としてよく、以下の説明ではKd.min
=0として説明している。
【0238】ディスプレイの最高輝度Kd.max 時に、各
種類の有機EL素子の発光時に印加される電圧を、先の
有機EL素子の順番に対応させて、Vmax,1 、Vmax,2
、…、Vmax,m とおくと、このときの各種類の有機E
L素子の発光スペクトルは、S1 (Vmax,1 、λ)、S
2 (Vmax,2 、λ)、…、Sm (Vmax,m 、λ)と書け
る。ディスプレイの最高輝度Kd.max 時のこれらスペク
トルの輝度を、順番にKd.max,1 、Kd.max,2 、…、K
d.max,m とすると、Kd.max =Kd.max,1 +Kd.max,2
+…+Kd.max,m が成り立つ。
【0239】今、これら各種の有機EL素子のうち、有
機EL素子j において、低消費電力となる1画素中の開
口率を考えてみる。このとき有機EL素子j のみを点灯
させるものとして考えるとよい。
【0240】有機EL素子j のみを上記の駆動条件で点
灯させた場合、ディスプレイの輝度をKd,j とすると、
階調とディスプレイの輝度Kd,j の関係は、簡単のため
線形とすると、図54のようになり、最大階調レベルで
あるN階調目の輝度は、上述のKd.max,j と等しい。
【0241】このとき、有機EL素子j の輝度Kc,j と
階調の関係は、1画素中の開口率がXELj であること、
上記のYj および発光期間を考慮すると、有機EL素子
j のみを点灯した場合のディスプレイの最高輝度Kd.ma
x,j 時に、各サブピクセルの有機EL素子jの発光輝度
Kc,j は、次の式の右辺でなければならないため図65
のようになる。
【0242】
【数71】
【0243】1画素中における、有機EL素子j の開口
率がXELj,1 、XELj,2 、XELj,3であるような3種類
のディスプレイを考え、m階調目をすべての有機EL素
子jに表示するとする。また開口率の大小関係はXELj,1
<XELj,2 <XELj,3 であるとする。それぞれの開口
率における、階調と有機EL素子j の輝度Kc,j の関係
は(21)式を用いることにより図66のようになる。
ここで、XELj,2 は、m階調目における有機EL素子の
輝度Kc,j が、最大発光効率時の輝度Kc,j(Vemax,j)
と等しくなるような開口率とする。すなわち
【0244】
【数72】
【0245】である。ディスプレイの消費電力は、m階
調目の輝度における電圧、電流密度の積に、ディスプレ
イ内に占める有機EL素子の発光面積を掛け合わせたも
のであるが、(22)の右辺を満たしている開口率XEL
j,2 の場合、最大発光効率となる輝度で発光しているた
め、最も低消費電力となるはずである。
【0246】〔実施例16〕これを確かめるために、1
画素が3つのサブピクセルから成り、各サブピクセルに
は赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の発光スペクト
ルを示す有機EL素子がそれぞれに形成された図10の
ような回路構成を備え、緑の光を発光する有機EL素子
の開口率が10%、19%、25%の3つのディスプレイを考
えてみる。ただし、図9の基本単位一つにつき、一つの
サブピクセルが対応しており、各画素のサブピクセル
は、同一走査線上にある。
【0247】また、光出射側には、図30に示した透過
スペクトルを備えた円偏光板が形成されている。図67
にディスプレイの断面図を示す。図67は、図57に示
したディスプレイに対し、図48に示した、λ/4板1
2と偏光板13とからなっている円偏光板を、図48と
同様に設けてある。また図67には、TFTや配線等の
図示は省略してある。用いた有機EL素子は実施例13
で用いた有機EL素子と同様のものである。
【0248】また、ディスプレイの使用も実施例13と
同様であり、緑の光を発光する有機EL素子のみを点灯
させたときのディスプレイの最高輝度を 110 cd/m2とし
ている。(20)式より、円偏光板の緑の光に対する透
過率Yj を計算すると、53となった。すなわち、緑の光
に対して53%の透過率である。
【0249】緑の光を発光する有機EL素子と階調の関
係は、図68のようになる。例えば、緑の光を発光する
有機EL素子の開口率が10%の場合では、最高輝度Kd.
max,j = 110 cd/m2時には、(21)式を用いて、
【0250】
【数73】
【0251】である。
【0252】今、m=77階調目を全画面に渡って表示す
るとき、緑の光を発光する有機EL素子について最適な
開口率を考えると、(22)式から
【0253】
【数74】
【0254】となり、緑の光を発光する有機EL素子
が、1画素中に19%の開口率となるように形成されてい
れば、低消費電力になるはずである。
【0255】そこで、実際に消費電力を計算、および測
定したところ、開口率に対する消費電力は図69のよう
になり、開口率19%のディスプレイが最も低消費電力に
なった。
【0256】〔実施例17〕図23のような分布を示す
画像に対して、消費電力を計算した。(22)式を用い
て、図23のような分布を示す画像に対して、最も低消
費電力になる開口率を求めてみると、最も使用頻度の高
い階調レベルは、前述したように、87階調目であるの
で、
【0257】
【数75】
【0258】から、開口率21%近辺が最も低消費電力に
なることが予想される。
【0259】そこで上記の開口率10%、19%、25%のデ
ィスプレイを用い、図23に示す画像を表示した場合の
消費電力を計算、および測定したところ、消費電力と、
開口率の関係は図70のようになり、開口率19%のディ
スプレイが最も低消費電力になることがわかり、上記の
予想は正しいことが証明された。
【0260】一般の画像の場合、全階調レベルの20%〜
80%が最も使用されることを考えると、この範囲の階調
レベルにおいて、(22)式の右辺を満たす開口率、す
なわち以下の式(23)にて示される範囲内の開口率で
あれば低消費電力化できることが予想される(図71参
照)。
【0261】
【数76】
【0262】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 〔実施例18〕各値を代入すると、開口率が、12%から
50%の範囲であれば、(23)式の範囲を満たしてい
る。しかし、1画素に3つのサブピクセルがあるので、
それらが均等な面積を有するとすると、それぞれの開口
率は33%以内でなければならない。よって、この場合、
12%から33%の範囲の開口率であれば低消費電力となる
はずである。
【0263】そこで、1画素における、緑色を発光する
有機EL素子の開口率が2%、12%、20%、25%のディ
スプレイを作製し、一般画像を表示させたところ、平均
の消費電力は、図72のようになった。このことから、
(23)式の範囲内の開口率内であれば、低消費電力化
が実現できることが判った。他の発光色の有機EL素子
についても、同様な方法で、低消費電力となる開口率を
求めることができる。
【0264】なお、以上の各実施例では、有機ELを用
いた例について記述したが、印加電圧に対する発光効率
特性が、図2(c)に示すように、閾値から最大印加電
圧の間のある印加電圧で最大値(極大値)を示す特性を
備えた発光素子を用いた発光表示素子であれば、本発明
は適用できる。
【0265】
【発明の効果】本発明の発光表示素子の製造プログラム
は、以上のように、マトリクス状に配置された複数の画
素を表示面に備え、上記画素に発光素子をそれぞれ形成
するための発光表示素子の製造プログラムであって、上
記発光素子は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)で
あり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧Vem
axにおいて最大値を示すものであり、1フレーム期間T
において、各発光素子の発光時の発光期間はtであり、
上記表示面の最低輝度がKd.min であり、そのときの階
調レベルを0とし、上記表示面の最高輝度がKd.max で
あり、そのときの階調レベルをN(Nは整数)とし、各
係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2 ≦1)が全階調レベル
での所望する値であるとき、1画素中の前記発光素子の
開口率X%(0<X≦100)を、次式を用いて、
【0266】
【数77】
【0267】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 選択し、設定する製造プログラムである。
【0268】それゆえ、上記製造プログラムは、単色光
を発光する発光表示素子において、低消費電力化が実現
できる開口率を、より確実に選択して、低消費電力化が
より確実に実現できるという効果を奏する。
【0269】本発明の発光表示素子は、以上のように、
マトリクス状に配置された複数の画素が表示面に設けら
れ、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加
電圧に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて
最大値を示すような発光素子がそれぞれの画素に形成さ
れ、画素中の発光素子の開口率が、上記表示面での設定
された最高輝度、表示画像の階調分布および上記発光効
率に基づいて、例えば、1フレーム期間Tにおいて、各
発光素子の発光時の発光期間はtであり、上記表示面の
最低輝度がKd.min であり、そのときの階調レベルを0
とし、上記表示面の最高輝度がKd.max であり、そのと
きの階調レベルをN(Nは整数)としたとき、1画素中
の前記発光素子の開口率X%が、次式を用いて、
【0270】
【数78】
【0271】〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示
す〕 設定されている構成である。
【0272】それゆえ、上記構成は、発光表示素子にお
いて、開口率を低消費電力化に好適となるように選択で
きることから、低消費電力化が実現できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光表示素子(以下、ディスプレイと
いう)における、発光素子としての有機EL素子と画素
との関係である開口率を示す模式図である。
【図2】上記有機ELの各特性を示したグラフであり、
(a)は印加電圧と輝度との関係を示し、(b)は印加
電圧と電流との関係を示し、(c)は印加電圧と発光効
率との関係を示す。
【図3】上記有機ELの構造を示した概略断面図であ
る。
【図4】上記ディスプレイにおける輝度と階調との関係
を表したグラフである。
【図5】上記ディスプレイにおける、コントラストを強
調した場合の輝度と階調の関係を表したグラフである。
【図6】上記ディスプレイに設けられた有機EL素子に
おける、輝度と階調との関係を表したグラフである。
【図7】上記ディスプレイにおける、画面全体にm階調
目を表した場合の、画素の個数のヒストグラムである。
【図8】上記画素における、開口率がそれぞれX1 、X
2 、X3 の場合の、有機EL素子の輝度と階調との関係
を表したグラフである。
【図9】上記有機EL素子に対し、それを駆動するため
のTFT回路を接続した場合の回路図である。
【図10】上記回路図を複数形成したときのディスプレ
イの回路図である。
【図11】上記ディスプレイに係る実施例1の断面図で
ある。
【図12】上記ディスプレイに係る各実施例1ないし1
2で用いた、有機EL素子の各材料の構造式であり、
(a)はPVK、(b)はPBD、(c)はTPB、
(d)はクマリン6、(e)はDCM1 、(f)はナイ
ルレッドを示す。
【図13】上記各実施例1ないし12で用いた有機EL
素子の特性のグラフであり、(a)は印加電圧と輝度と
の関係を示し、(b)は印加電圧と電流との関係を示
し、(c)は印加電圧と発光効率との関係を示す。
【図14】上記ディスプレイにおける、プログレッシブ
走査の場合の走査のタイミングを表したタイミングチャ
ートである。
【図15】上記プログレッシブ走査において、1フレー
ム(期間T)中に2回走査を行う場合の走査のタイミン
グを表したタイミングチャートである。
【図16】上記ディスプレイにおける、第一のインター
レース走査の場合の走査のタイミングを表したタイミン
グチャートである。
【図17】上記第一のインターレース走査において、1
フィールド中に2回走査を行う場合の走査のタイミング
を表したタイミングチャートである。
【図18】上記ディスプレイにおける、第二のインター
レース走査の場合の走査のタイミングを表したタイミン
グチャートである。
【図19】上記第二のインターレース走査で、1フィー
ルド中に2回走査を行う場合の走査のタイミングを表し
たタイミングチャートである。
【図20】上記実施例1における有機EL素子の輝度と
階調の関係を各開口率にてそれぞれ表したグラフであ
る。
【図21】上記実施例1における、設定した階調レベル
と、画素の個数との関係を表したヒストグラムである。
【図22】上記実施例1における開口率と消費電力の関
係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図23】上記ディスプレイにおける、サッカーの1シ
ーン(1画像)における、各階調レベルにそれぞれ対応
した画素の個数を表したヒストグラムである。
【図24】上記実施例2における開口率と消費電力との
関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図25】上記実施例2における(3)式の関係を表し
たグラフである。
【図26】上記実施例3における開口率と消費電力との
関係を実測にて表したグラフである。
【図27】上記ディスプレイに円偏光板を設けた場合の
有機EL素子の輝度と階調の関係を表したグラフであ
る。
【図28】上記ディスプレイに円偏光板を設けた場合に
おける開口率がそれぞれX1 、X 2 、X3 の場合の、有
機EL素子の輝度と階調の関係を表したグラフである。
【図29】上記円偏光板を設けたディスプレイの概略断
面図である。
【図30】上記円偏光板の透過スペクトルを示すグラフ
である。
【図31】上記実施例4における有機EL素子の輝度と
階調の関係を各開口率にてそれぞれ表したグラフであ
る。
【図32】上記実施例4における開口率と消費電力との
関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図33】上記実施例5における開口率と消費電力との
関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図34】上記実施例5における(7)式の関係を表し
たグラフである。
【図35】上記実施例6における開口率と消費電力との
関係を実測により表したグラフである。
【図36】上記実施例1に記載のディスプレイに対し、
カラーフィルタを設けたときの、有機EL素子の輝度と
階調の関係を表したグラフである。
【図37】上記カラーフィルタを設けたディスプレイに
おける開口率がそれぞれX1 、X 2 、X3 の場合の有機
EL素子の輝度と階調の関係を表したグラフである。
【図38】上記各カラーフィルタの透過スペクトルR
(λ)、G(λ)、B(λ)をそれぞれ示すグラフであ
る。
【図39】上記各カラーフィルタを設けたディスプレイ
の断面図である。
【図40】上記各カラーフィルタの透過スペクトルR
(λ)、G(λ)、B(λ)において、(R(λ)+G
(λ)+B(λ))/3を計算した場合のスペクトルを
示すグラフである。
【図41】上記実施例7における有機EL素子の輝度と
階調との関係を各開口率にてそれぞれ表したグラフであ
る。
【図42】上記実施例7における開口率と消費電力との
関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図43】上記実施例8における開口率と消費電力との
関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図44】上記実施例8における(12)式の関係を表
したグラフである。
【図45】上記実施例9における開口率と消費電力との
関係を実測にて表したグラフである。
【図46】上記カラーフィルタと円偏光板との双方を備
えたディスプレイにおける有機EL素子の輝度と階調と
の関係を表したグラフである。
【図47】上記カラーフィルタと円偏光板とを備えたデ
ィスプレイにおける開口率がそれぞれX1 、X2 、X3
の場合の有機EL素子の輝度と階調との関係を表したグ
ラフである。
【図48】上記カラーフィルタと円偏光板との双方を備
えたディスプレイの概略断面図である。
【図49】上記実施例10における有機EL素子の輝度
と階調の関係を各開口率にてそれぞれ表したグラフであ
る。
【図50】上記実施例10における開口率と消費電力と
の関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図51】上記実施例11における開口率と消費電力と
の関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図52】上記実施例11における(16)式の関係を
表したグラフである。
【図53】上記実施例12における開口率と消費電力と
の関係を実測にて表したグラフである。
【図54】上記画素の各サブピクセルにそれぞれ形成さ
れた各有機EL素子の一種のみを発光させた場合のディ
スプレイの輝度と階調との関係を表したグラフである。
【図55】上記有機EL素子の一種のみを発光させた場
合の有機EL素子の輝度と階調との関係を表したグラフ
である。
【図56】上記有機EL素子の一種の開口率がそれぞれ
XELj,1 、XELj,2 、XELj,3 の場合の、有機EL素子
の輝度と階調との関係を表したグラフである。
【図57】上記ディスプレイにおける各サブピクセルに
異なる波長の光を発光する有機EL素子が形成された場
合の概略断面図である。
【図58】上記有機EL素子に用いる各材料の構造式を
示し、(a)はCuPc、(b)はTPD、(c)はA
lq3 を示す。
【図59】上記有機EL素子における、緑の光を発光す
るものの各特性を示すグラフであって、(a)は、印加
電圧と輝度との関係を示し、(b)は印加電圧と電流と
の関係を示し、(c)は印加電圧と発光効率との関係を
示す。
【図60】本発明に係る実施例13における緑の光を発
光する有機EL素子の輝度と階調の関係を各開口率にて
それぞれ表したグラフである。
【図61】上記実施例13における開口率と消費電力と
の関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図62】本発明に係る実施例14における開口率と消
費電力との関係を計算と実測とにより表したグラフであ
る。
【図63】上記実施例14における(19)式の関係を
表したグラフである。
【図64】本発明に係る実施例15における開口率と消
費電力との関係を実測にて表したグラフである。
【図65】本発明に係る、画素の各サブピクセルに相異
なる波長の光を発光する有機EL素子が形成され、かつ
円偏光板が形成されたディスプレイにおける、有機EL
素子の輝度と階調との関係を表したグラフである。
【図66】上記ディスプレイにおいて、有機EL素子の
一種の開口率がそれぞれXELj,1、XELj,2 、XELj,3
の場合の有機EL素子の輝度と階調との関係を表したグ
ラフである。
【図67】上記ディスプレイの概略断面図である。
【図68】本発明に係る実施例16における緑の光を発
光する有機EL素子の輝度と階調との関係を各開口率に
てそれぞれ表したグラフである。
【図69】上記実施例16における開口率と消費電力と
の関係を計算と実測とにより表したグラフである。
【図70】本発明に係る実施例17における開口率と消
費電力との関係を計算と実測とにより表したグラフであ
る。
【図71】上記実施例17における(23)式の関係を
表したグラフである。
【図72】本発明に係る実施例18における開口率と消
費電力との関係を実測にて表したグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 正孔注入層 4 正孔輸送層 5 発光層 6 電子輸送層 7 陰極 8 ITO電極 9 発光層 10 アルミ電極 11 絶縁体 12 λ/4板 13 偏光板 14 ブラックマトリクス 15 赤色カラーフィルタ 16 緑色カラーフィルタ 17 青色カラーフィルタ 18 オーバーコート 19 赤色発光層 20 緑色発光層 21 青色発光層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリクス状に配置された複数の画素を表
    示面に備え、上記画素に発光素子をそれぞれ形成するた
    めの発光表示素子の製造プログラムであって、 上記発光素子は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)
    であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧V
    emaxにおいて最大値を示すものであり、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2
    1)が全階調レベルでの所望する値であるとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%(0<X≦10
    0)を、次式を用いて、 【数1】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 選択し、設定することを特徴とする発光表示素子の製造
    プログラム。
  2. 【請求項2】マトリクス状に配置された複数の画素を表
    示面に備え、各画素の光出射側には、透過スペクトルが
    F(λ)となる少なくとも1層から成る層またはフィル
    ムが形成されており、上記画素に対し、発光スペクトル
    がP(λ)である発光素子をそれぞれ形成するための発
    光表示素子の製造プログラムであって、 上記発光素子は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)
    であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧V
    emaxにおいて最大値を示すものであり、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2
    1)が全階調レベルでの所望する値であり、 【数2】 を定義したとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%(0<X≦10
    0)を、次式を用いて、 【数3】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 選択し、設定することを特徴とする発光表示素子の製造
    プログラム。
  3. 【請求項3】m個のサブピクセルからなる画素を、複
    数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、 互いに異なる透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、
    Am (λ)を有するm種類のカラーフィルタが、各画素
    の各サブピクセルに対し、1種類ずつ、光出射側に形成
    されており、 発光スペクトルがP(λ)である発光素子を上記各サブ
    ピクセルにそれぞれ形成するための発光表示素子の製造
    プログラムであって、 上記発光素子は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)
    であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧V
    emaxにおいて最大値を示すものであり、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2
    1)が全階調レベルでの所望する値であり、 【数4】 【数5】 を定義したとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%(0<X≦10
    0)を、次式を用いて、 【数6】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕選択し、
    設定することを特徴とする発光表示素子の製造プログラ
    ム。
  4. 【請求項4】m個のサブピクセルからなる画素を、複
    数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、 互いに異なる透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、
    Am (λ)を有するm種類のカラーフィルタが、各画素
    の各サブピクセルに対し、1種類ずつ、光出射側に形成
    されており、 各画素の光出射側には、透過スペクトルがF(λ)とな
    る少なくとも1層から成る層またはフィルムが形成され
    ており、 発光スペクトルがP(λ)である発光素子を上記各サブ
    ピクセルにそれぞれ形成するための発光表示素子の製造
    プログラムであって、 上記発光素子は、印加電圧に対する輝度特性がKc(V)
    であり、印加電圧に対する発光効率E(V)が、電圧V
    emaxにおいて最大値を示すものであり、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、各係数Z1 、Z2 (0<Z1 <Z2
    1)が全階調レベルでの所望する値であり、 【数7】 【数8】 を定義したとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%(0<X≦10
    0)を、次式を用いて、 【数9】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 選択し、設定することを特徴とする発光表示素子の製造
    プログラム。
  5. 【請求項5】m個のサブピクセルからなる画素を、複
    数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、 印加電圧Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1
    (V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であ
    るm種類の発光素子(発光素子1 、発光素子2 、…、発
    光素子m )が、m個のサブピクセルから成る1画素中の
    各サブピクセルに対し、1種類ずつ、かつ、各種類の発
    光素子の1画素中における開口率が、先の発光素子の順
    番に対応して、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるよう
    に形成されている発光表示素子の製造プログラムであっ
    て、 m種類の発光素子は、印加電圧Vに対する輝度特性が、
    それぞれKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,m
    (V)であり、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ
    電圧Vemax,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値
    を示すものであり、 1フレーム期間Tにおける、各発光素子の発光時の発光
    時間をtであり、表示面での最低輝度Kd.min 時の階調
    レベルを0とし、表示面での最高輝度Kd.maxのときの
    階調レベルをNとし、最高輝度Kd.max 時のこれら発光
    スペクトルの輝度を、順番にKd.max,1 、Kd.max,2 、
    …、Kd.max,m とし、各係数Z1 、Z2(0<Z1 <Z
    2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値であり、 少なくとも1種類の発光素子j において、次式を用い
    て、開口率XELj%(0<XELj ≦100)を、 【数10】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 選択し、設定することを特徴とする発光表示素子の製造
    プログラム。
  6. 【請求項6】m個のサブピクセルからなる画素を、複
    数、マトリクス状に配置されて表示面に備え、 印加電圧Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1
    (V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であ
    るm種類の発光素子(発光素子1 、発光素子2 、…、発
    光素子m )が、m個のサブピクセルから成る1画素中の
    各サブピクセルに対し、1種類ずつ、かつ、各種類の発
    光素子の1画素中における開口率が、先の発光素子の順
    番に対応して、XEL1 、XEL2 、…、XELm であるよう
    に形成され、 各サブピクセルの光出射側には、透過スペクトルがF
    (λ)となる少なくとも一層からなる層またはフィルム
    が形成されている発光表示素子の製造プログラムであっ
    て、 m種類の発光素子は、印加電圧Vに対する輝度特性が、
    それぞれKc,1 (V)、Kc,2 (V)、…、Kc,m
    (V)であり、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ
    電圧Vemax,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値
    を示すものであり、 1フレーム期間Tにおける、各発光素子の発光時の発光
    時間をtであり、表示面での最低輝度Kd.min 時の階調
    レベルを0とし、表示面での最高輝度Kd.maxのときの
    階調レベルをNとし、最高輝度Kd.max 時のこれら発光
    スペクトルの輝度を、順番にKd.max,1 、Kd.max,2 、
    …、Kd.max,m とし、各係数Z1 、Z2(0<Z1 <Z
    2 ≦1)が全階調レベルでの所望する値であり、 【数11】 を定義したとき、 少なくとも1種類の発光素子j において、次式を用い
    て、開口率XELj%(0<XELj ≦100)を、 【数12】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕選択し、
    設定することを特徴とする発光表示素子の製造プログラ
    ム。
  7. 【請求項7】マトリクス状に配置された複数の画素が表
    示面に設けられ、 印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧
    に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大
    値を示すような発光素子がそれぞれの画素に形成され、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)としたとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%が、次式を用い
    て、 【数13】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 設定されていることを特徴とする発光表示素子。
  8. 【請求項8】マトリクス状に配置された複数の画素が表
    示面に設けられ、 印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧
    に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大
    値を示すような発光素子がそれぞれの画素に形成され、 各画素の光出射側に、透過スペクトルF(λ)を備え
    た、コントラスト等の光学特性を改善するための光学機
    能層が形成され、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、 【数14】 を定義したとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%が、次式を用い
    て、 【数15】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 設定されていることを特徴とする発光表示素子。
  9. 【請求項9】マトリクス状に配置された複数の画素が表
    示面に設けられ、 印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧
    に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大
    値を示すような発光素子がそれぞれの画素に形成され、 画素が、m個のサブピクセルからなり、 互いに異なる透過スペクトルA1(λ)、A2(λ)、…、
    Am (λ)を有するm種類のカラーフィルタが、各画素
    の各サブピクセルに対し、1種類ずつ、光出射側に形成
    されており、 1フレーム期間Tにおいて、各発光素子の発光時の発光
    期間はtであり、上記表示面の最低輝度がKd.min であ
    り、そのときの階調レベルを0とし、上記表示面の最高
    輝度がKd.max であり、そのときの階調レベルをN(N
    は整数)とし、 【数16】 【数17】 を定義したとき、 1画素中の前記発光素子の開口率X%が、次式を用い
    て、 【数18】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 設定されていることを特徴とする発光表示素子。
  10. 【請求項10】マトリクス状に配置された複数の画素が
    表示面に設けられ、 印加電圧に対する輝度特性がKc(V)であり、印加電圧
    に対する発光効率E(V)が、電圧Vemaxにおいて最大
    値を示すような発光素子がそれぞれの画素に形成され、 画素は、m個のサブピクセルからなり、 発光素子は、印加電圧Vに対する輝度特性が、それぞれ
    Kc,1 (V)、Kc,2(V)、…、Kc,m (V)であ
    り、印加電圧に対する発光効率が、それぞれ電圧Vema
    x,1、Vemax,2、…、Vemax,mにおいて最大値を示し、
    印加電圧Vに対する発光スペクトルがそれぞれS1
    (V、λ)、S2 (V、λ)、…、Sm (V、λ)であ
    るm種類の発光素子(発光素子1 、発光素子2 、…、発
    光素子m )であり、 上記m種類の発光素子は、m個のサブピクセルから成る
    1画素中の各サブピクセルに対し、1種類ずつ、かつ、
    各種類の発光素子の1画素中における開口率が、先の発
    光素子の順番に対応して、XEL1 、XEL2 、…、XELm
    であるように形成されており、 1フレーム期間Tにおける、各発光素子の発光時の発光
    時間をtであり、表示面での最低輝度Kd.min 時の階調
    レベルを0とし、表示面での最高輝度Kd.maxのときの
    階調レベルをNとし、最高輝度Kd.max 時のこれら発光
    スペクトルの輝度を、順番にKd.max,1 、Kd.max,2 、
    …、Kd.max,m とし、 少なくとも1種類の発光素子j においては、次式を用い
    て、開口率XELj が、 【数19】 〔Trunc ()とは()内の値の整数部を示す〕 設定されていることを特徴とする発光表示素子。
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