JP2002150593A - ホログラムレーザユニットおよびそれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

ホログラムレーザユニットおよびそれを用いた光ピックアップ装置

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JP2002150593A
JP2002150593A JP2000341606A JP2000341606A JP2002150593A JP 2002150593 A JP2002150593 A JP 2002150593A JP 2000341606 A JP2000341606 A JP 2000341606A JP 2000341606 A JP2000341606 A JP 2000341606A JP 2002150593 A JP2002150593 A JP 2002150593A
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hologram
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JP2000341606A
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Katsushige Masui
克栄 増井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2つの異なる波長の光源を有し、確実に信号
を検出することのできるホログラムレーザと、そのよう
なホログラムレーザを用いた光ピックアップとを提供す
る。 【解決手段】 ホログラムレーザは、発光波長650n
mの赤色光を出射する第1の半導体レーザ素子1と、発
光波長780nmの赤外光を出射する第2の半導体レー
ザ素子2との2つの半導体レーザ素子と、光ディスク
(図示せず)において反射して戻ってきたレーザ光を所
定の方向に回折するための複数の小間格子からなるホロ
グラムが形成されたホログラム素子90と、その回折し
たレーザ光を受光する信号検出用フォトダイオード3と
を備えている。これら2つの半導体レーザ素子1、2と
信号検出用フォトダイオード3は放熱板に搭載されて、
1つのパッケージに収められている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホログラムレーザユ
ニットおよびそれを用いた光ピックアップ装置に関し、
特に、CD、CD−R、DVD、DVD−R等の光ディ
スクの信号読取り用光源として少なくとも異なる2つの
波長を有するホログラムレーザユニットと、そのような
ホログラムレーザユニットを用いた光ピックアップ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CD(Compact Disk)ファミリー
と呼ばれる波長780nmのレーザ光を用いて信号の読
み書きが行われる光ディスクが使用されてきた。近年、
より情報記憶容量の大きいDVD(Digital Versatile
Disk)ファミリーと呼ばれる光ディスクが使用されるよ
うになってきている。DVDファミリーでは、信号の読
み書きに波長630〜690nmの赤色レーザ光が用い
られている。
【0003】このため、光ディスク装置としては、CD
ファミリーの光ディスクとDVDファミリーの光ディス
クとの異なる種類の光ディスクに対して情報を読込んだ
り書き込んだりすることが必要とされる。
【0004】このような、種類の異なる光ディスクに対
して信号を記録したり再生したりする光ディスク装置と
しては、発振波長の異なる複数の半導体レーザを光源と
して用いた光ピックアップを用いる必要がある。
【0005】そのような光ピックアップの一つのとし
て、一つの光ピックアップにて異なる種類の光ディスク
に対して信号の記録・再生を行なうことが可能な光ディ
スク装置について説明する。図19に示すように、光ピ
ックアップ100として、異なる2つの波長の光を発す
る半導体レーザを1つのパッケージに収めた2波長レー
ザ110と呼ばれる光源が用いられている。2波長レー
ザ110においては、それぞれ波長の異なる2つのレー
ザ光の光軸は略平行であり、その光軸間距離は約100
μmである。
【0006】また、光ピックアップ100は回折格子1
90を備えている。回折格子190は、一方のレーザ光
を0次光および±1次光の3つの光に分離するための光
学素子である。この回折格子190により、3ビーム法
によるトラック誤差信号の検出を行なうことができる。
【0007】これらの他、光ピックアップ100は、光
軸の異なる2つのレーザ光の光軸を一致させるための光
軸補正板120、2波長レーザ110から出射する光を
平行光に変換するコリメートレンズ130、光ディスク
160の情報記録面161に対して、平行に出射された
2つのレーザ光を光ディスク160の情報記録面161
に対して垂直方向に曲げるための光軸変換ミラー14
0、レーザ光を情報記録面161に集光するための対物
レンズ150、光ディスク160で反射したレーザ光を
1つの信号検出用フォトダイオード180に入射させる
ためのハーフミラー170等の光学部品を備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、2波
長レーザ110を用いた光ディスク装置の光ピックアッ
プ100では、光源として2つの異なる波長の光を出射
する半導体レーザを用いているため、たとえば、図20
に示すような、1つの波長の光を出射する半導体レーザ
211とホログラム素子291とを含む通常の光ピック
アップ200と比較すると、この光ピックアップ100
では、光軸補正板120、ハーフミラー170等の光学
部品が余分に必要になる。
【0009】なお、通常の光ピックアップ200におい
ても、2波長レーザを用いた光ピックアップ100と同
様に、コリメートレンズ230、光軸変換ミラー240
および対物レンズ250が設けられている。
【0010】このように、2波長レーザ110を用いた
光ピックアップ100では、光学部品の点数が通常の光
ピックアップ200に比べて増えるために、調整すべき
光学素子が増加する。単純に1つの光学素子が増加する
だけで、並進および回転方向の6つの方向の調整や部品
精度の向上が必要とされる。さらに、反射面や透過面が
増えるために、光信号の分岐損失や散乱損失が増えるこ
とになる。
【0011】また、図20に示す通常の光ピックアップ
200では、半導体レーザ、信号検出用フォトダイオー
ドおよびホログラム素子を1つのパッケージに収納した
ホログラムレーザが適用されているのに対して、2波長
レーザを用いた光ピックアップでは、図19に示すよう
に、たとえば2波長レーザ110と信号検出用フォトダ
イオード180とが別体である。そのため、2波長レー
ザ110を用いた光ピックアップ100では、光ピック
アップ100そのものが通常の光ピックアップ200と
比べて大きくなってしまう。
【0012】このような問題に対して、2波長レーザ1
10における光軸間の距離dを縮めるという手法があ
る。光軸間距離dが100μm程度より大きい場合に
は、光軸補正板120を用いないとレーザ光を光ディス
ク160の情報記録面161上に十分小さいスポットに
なるまで集光することができなくなる。
【0013】一方、光軸間距離dが50μm程度よりも
小さい場合には、光軸補正板120を用いることなくレ
ーザ光を光ディスク160の情報記録面161上に十分
に小さいスポットになるまで集光することができる。
【0014】ところが、光軸間距離dをより短くして
も、2つの異なる位置から出射されたレーザ光を光ディ
スク160に照射し、反射したレーザ光を同一の信号検
出用フォトダイオード180に導くには、各光学部品に
要求される組立精度が非常に高くなってしまうという問
題があった。
【0015】特に、信号検出用フォトダイオード180
のうち焦点誤差検出用フォトダイオードに入射するレー
ザ光においては、最も重要な情報である光ディスクに記
録されている信号が重畳されている。このため、焦点誤
差信号検出用フォトダイオードでは、レーザ光が入射す
る位置に高い精度が要求される。
【0016】焦点誤差検出用フォトダイオードの受光面
積を比較的大きくして、2つの異なる位置から出射され
たレーザ光を同一の焦点誤差信号検出用フォトダイオー
ドの受光部内の異なる位置に戻そうとすると、受光面積
が大きくなることで、焦点誤差信号検出用フォトダイオ
ードにおけるpn接合の容量が増加することになる。
【0017】上記のように焦点誤差信号検出用フォトダ
イオードに入射するレーザ光には、光ディスクに記録さ
れた情報信号が重畳されている。情報信号の周波数成分
は、光ピックアップの集光レンズの位置制御に用いられ
る焦点誤差信号やトラック誤差信号に比べて高い。
【0018】ところが、焦点誤差信号検出用フォトダイ
オードの容量が大きくなると、焦点誤差信号検出用フォ
トダイオードにおける容量と抵抗との積に反比例した応
答関数となって、周波数の高い信号を受けた場合にこれ
に応答することができず、情報信号を確実に再生するこ
とができなくなるという問題があった。
【0019】また、焦点誤差信号を検出するためには、
レーザ光を焦点誤差信号検出用フォトダイオードの分割
線上に集光させる必要がある。しかしながら、この分割
線の幅は通常5μm程度しかないため、焦点誤差検出用
フォトダイオードの受光面積を大きくしようとしても、
組立て精度をそれに合わせて低くすることはできなかっ
た。
【0020】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、1つの目的は2つの異なる波長の光
源を有し、確実に信号を検出することのできるホログラ
ムレーザユニットを提供することであり、他の目的はそ
のようなホログラムレーザユニットを用いた光ピックア
ップを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面にお
けるホログラムレーザユニットの第1のものは、光源部
と、ホログラム素子と、受光部とを有している。光源部
は、互いに波長の異なる光を発光する第1光源および第
2光源を含んでいる。ホログラム素子は、光源部から光
ディスクに向かって照射されて反射した光を回折するた
めのホログラムが形成されている。受光部はそのホログ
ラムによって回折された光を受光する。そして、この受
光部は、第1光源に基づく回折光を受光するための第1
受光部と第2光源に基づく回折光を受光するための第2
受光部とを備えている。
【0022】このホログラムレーザユニットによれば、
光源部の第1光源に基づく回折光が第1受光部によって
受光され、第2光源に基づく回折光が第2受光部によっ
て受光されることになり、従来のホログラムレーザユニ
ットと比較すると、付加的な光学部品を設ける必要がな
く、また、受光部の領域を必要以上に大きくすることな
く、そして、光学系の調整が複雑になったり組立精度が
高くなることなく、種類の異なる光学メディアに対し
て、回折光を確実に受光して後述する所定の信号を確実
に検出することができる。
【0023】また、第1受光部は、第1光源に基づく光
学系の焦点を合わせるための信号を検出する第1焦点誤
差信号検出用受光部を含み、第2受光部は、第2光源に
基づく光学系の焦点を合わせるための信号を検出する第
2焦点誤差信号検出用受光部を含み、第1焦点誤差検出
用受光部は、一方向に延びてその領域を少なくとも2つ
の領域に分ける第1分割領域を含み、第2焦点誤差検出
用受光部は、一方向に延びてその領域を少なくとも2つ
の領域に分ける第2分割領域を含んでいることが好まし
い。
【0024】この場合には、第1分割領域を挟んでその
両側にそれぞれ位置する第1焦点誤差検出用受光部の部
分に落射する回折光を検出することで、第1の光源に基
づく光学系の焦点が調整され、第2分割領域を挟んでそ
の両側にそれぞれ位置する第2焦点誤差検出用受光部に
落射する回折光を検出することで、第2の光源に基づく
光学系の焦点が調整される。
【0025】さらに、第1受光部および第2受光部は、
光学ディスクに記録された情報を検出するための情報信
号検出用受光部と、光学ディスクと光学系との相対的な
位置関係を制御するための信号を検出するトラック誤差
信号検出用受光部とを含んでいることが好ましい。
【0026】これにより、光学ディスクと光学系との相
対的な位置関係が最適に配置されて、光学ディスクに記
録された情報が確実に得られる。
【0027】また、第1焦点誤差検出用受光部と第2焦
点誤差検出用受光部とは離間され、第1分割領域が延び
る方向の長さと第2分割領域が延びる方向の長さとは実
質的に同じ長さの分割領域長を有し、その分割領域長
は、第1分割領域が延びる方向に沿って第1焦点誤差検
出用受光部を2等分する位置と第2分割領域が延びる方
向に沿って第2焦点誤差検出用受光部を2等分する位置
との距離よりも短いことが好ましい。
【0028】この場合には、第1焦点誤差検出用受光部
および第2焦点誤差検出用受光部のそれぞれの幅(分割
領域が延びる方向と直交する方向)を十分確保すること
ができるとともに、第1焦点誤差検出用受光部と第2焦
点誤差検出用受光部とが重なるのを防止することができ
る。
【0029】さらに、光源部において、第1光源の発光
点と第2光源の発光点とは所定の発光点間隔を隔てら
れ、第1分割領域が延びる方向と第2分割領域が延びる
方向とが略平行になるように第1分割領域と第2分割領
域とが配置され、その延びる方向と略直交する方向に沿
った第1分割領域と第2分割領域との間隔は所定の発光
点間隔よりも短いことが好ましい。
【0030】この場合には、異なる位置にある第1の光
源と第2の光源とに基づく回折光を確実に受光して、そ
れぞれの光源に対する光学系の焦点を正確に合わせるこ
とができる。
【0031】そして、光源部の波長変動に伴う受光部に
おける回折光の落射位置の変動に対して、ホログラム
は、第1分割領域および第2分割領域がそれぞれ延びる
方向に沿って回折光の光軸が変動するようにホログラム
素子に形成されていることが好ましい。
【0032】この場合には、焦点誤差信号を検出する際
に、光源部の波長の変動に伴う要因を排除することがで
きる。
【0033】また、ホログラム素子は、ホログラムが形
成されている面とは異なる面に形成された、トラック誤
差信号検出を行うための3ビームを発生させる回折格子
を含み、その回折格子は回折光が透過しない位置に配置
されていることが好ましい。
【0034】この場合には、回折格子を透過することに
より回折しない主ビームと回折(±1次)した副ビーム
とにより、光学系と光学ディスクとの相対的な位置関係
が調整される。
【0035】本発明の第2の局面におけるホログラムレ
ーザユニットの第2のものは、光源部と、ホログラム素
子と、複数の信号検出用受光部とを備えている。光源部
は、波長の異なる少なくとも第1光源および第2光源を
含んでいる。ホログラム素子は、光源部から光学ディス
クに向かって照射されて反射した光を回折するためのホ
ログラムが形成されている。複数の信号検出用受光部
は、ホログラムによって回折された回折光を受光して、
所定の信号を検出する。そして、複数の信号検出用受光
部は、所定の信号に対応して光学ディスクで反射した光
がホログラムによって回折される方向に沿って配置さ
れ、複数の信号検出用受光部は、回折光のうち第1光源
に基づく回折光と第2光源に基づく回折光との両回折光
を受光する受光部を含んでいる。
【0036】このホログラムレーザユニットによれば、
光源部の第1光源に基づく回折光と第2光源に基づく回
折光が、複数の信号検出用受光部によって受光されるこ
とになり、従来のホログラムと比較すると、付加的な光
学部品等を設けることなく、種類の異なる光学メディア
に対して、回折光を確実に受光して所定の信号を検出す
ることができ、しかも、その信号検出用受光部が第1光
源に基づく回折光と第2光源に基づく回折光との両方を
受光する受光部を有していることで、受光部の形成領域
を削減することができ、ホログラムレーザユニットを小
型化できるとともに、受光部の生産性を向上することが
できる。
【0037】そのような所定の信号としては、具体的に
は、光学系の焦点を合わせるための焦点誤差信号と、光
学ディスクに記録された情報を含む情報信号と、光学デ
ィスクと光学系との相対的な位置関係を制御するための
トラック誤差信号とがある。
【0038】本発明の第2の局面における光ピックアッ
プ装置は、上記ホログラムレーザユニットを有する光ピ
ックアップ装置である。
【0039】この光ピックアップ装置によれば、上述し
たホログラムレーザユニットを有していることで、種類
の異なる光学メディアに対して、回折光を受光して所定
の信号を確実に検出することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】実施の形態1 実施の形態1に係るホログラムレーザについて説明す
る。図1に示すように、本発明に係るホログラムレーザ
は、光源として、たとえば発光波長650nmの赤色光
を出射する第1の半導体レーザ素子1と、発光波長78
0nmの赤外光を出射する第2の半導体レーザ素子2と
の2つの半導体レーザ素子と、光ディスク(図示せず)
において反射して戻ってきたレーザ光を所定の方向に回
折するための複数の小間格子からなるホログラムが形成
されたホログラム素子90と、その回折したレーザ光を
受光する信号検出用フォトダイオード3とを備え、これ
らが1つのパッケージに収められたユニットになってい
る。
【0041】これら2つの半導体レーザ素子1、2と信
号検出用フォトダイオード3は放熱板(図示せず)に搭
載されて、1つのパッケージに収められている。第1の
半導体レーザ素子1、第2の半導体レーザ素子2および
信号検出用フォトダイオード3はキャップ(図示せず)
で封止され、レーザ光はキャップガラス(図示せず)を
透過させることによりホログラムレーザの外へ出射され
る。
【0042】なお、ホログラム素子をキャップガラスの
代わりに用いることも可能であるが、キャップガラスを
設けておくことで、ホログラムの調整を容易に行うこと
ができる。また、第1の半導体レーザ1、第2の半導体
レーザ2および信号検出用フォトダイオード3の不具合
点を発見できるため、材料や組み立ての手間の無駄をな
くすことができる。
【0043】また、ホログラム素子90とキャップガラ
スとを設ける場合には、ホログラム素子90とキャップ
ガラスとの間において結露が発生しないように、その部
分を乾燥空気等で満たすか、あるいは、外部と通気でき
るようにしておくことが望ましい。
【0044】図2に示すように、信号検出用フォトダイ
オード3は、複数の受光部に分割されている。このう
ち、受光部3a、3b、3e、3fが第1組の信号検出
用フォトダイオードであり、受光部3c、3d、3e、
3fが第2組の信号検出用フォトダイオードである。
【0045】この受光部についてもう少し詳しく説明す
る。まず、第1の半導体レーザ1から出射されるレーザ
光の場合について説明する。第1の半導体レーザ1から
出射したレーザ光は光ディスクに照射され反射して戻っ
てくる。戻ってくるレーザ光はホログラム92を透過す
る。このとき、ホログラム92の小間格子92aによっ
て回折されたレーザ光は、第1組の信号検出用フォトダ
イオードのうちの焦点誤差信号検出用フォトダイオード
をなす受光部3a、3bによって受光される。
【0046】このとき、フォーカスが合っているときに
はレーザ光は受光部3a、3bを分ける分割領域(以
下、単に「分割線」と記す。)6a上に入射する。一
方、フォーカスがずれている場合には、いずれか一方の
受光部3a、3bに入射することになる。
【0047】分割線とは、焦点誤差信号を検出するため
に必要な領域のことをいい、図3に示すように、フォト
ダイオードとしては分割線を挟んで両側に位置する受光
部に基づく感度特性(曲線)を有することになる。
【0048】したがって、第1組の信号検出用のフォト
ダイオードのうち、受光部3a、3bによって受光され
るレーザ光に基づく出力信号の強度をそれぞれ強度Sa
および強度Sbとすると、フォーカス誤差信号は強度S
a−強度Sbとして検出される。また、情報信号は強度
Sa+強度Sbとして検出される。
【0049】一方、トラック誤差信号は3ビーム法を用
いて検出される。第1の半導体レーザ1から出射したレ
ーザ光は回折格子(図示せず)により、0次回折光の主
ビームと±1次回折光の2つの副ビームとに分割され
る。この回折格子は、ホログラムが形成されている面と
は異なる面に形成され、しかも、回折光が透過しない位
置に配置されていることが好ましい。なお、0次回折光
は実際には回折をしていない。
【0050】光ディスクで反射した副ビームは、ホログ
ラム92の小間格子92b、92cによって回折されて
第1組の信号検出フォトダイオードのうちの受光部3
e、3fに入射する。この受光部3e、3fに入射した
回折光による出力信号の強度をそれぞれ強度Se、強度
Sfとすると、トラック誤差は強度Se、強度Sfの位
相差を考慮した差信号として検出される。
【0051】上記のように、焦点誤差信号検出用フォト
ダイオードは、幅約5μmの分割線6aにより分割され
た2つの受光部3a、3bから構成される。フォーカス
誤差を確実に検出するために光ディスクで反射した光を
正確に分割線6a上に入射させる必要がある。そのた
め、仮に半導体レーザの波長が変化した場合でも、回折
光が分割線6a上に入射するように、分割線6aは波長
が連続的に変化した場合において回折光がフォトダイオ
ード上で移動する方向と同じ方向に沿って形成されてい
る。
【0052】トラック誤差信号検出用フォトダイオード
をなす受光部3e、3fは、十分に離間されている。こ
のホログラムレーザでは、DPD(Differential Phase
Detection)法によりトラック誤差信号を検出するた
め、フォトダイオードの出力信号の強度の位相差も考慮
した差信号として検出される。光ディスクで反射したレ
ーザ光がフォトダイオードの受光部3e、3fのいずれ
かに入射すれば、トラック誤差信号を検出することがで
きる。
【0053】次に、第2の半導体レーザ2から出射され
るレーザ光の場合について説明する。図4に示すよう
に、第2の半導体レーザ2から出射され、光ディスクに
照射され反射して戻ってくるレーザ光のうち、ホログラ
ム92の小間格子92aによって回折されたレーザ光
は、第2組の信号検出用フォトダイオードのうちの焦点
誤差信号検出用フォトダイオードをなす受光部3c、3
dによって受光される。
【0054】このとき、フォーカスが合っているときに
はレーザ光は受光部3c、3dを分ける分割線6b上に
入射する。一方、フォーカスがずれている場合には、い
ずれか一方の受光部3c、3dに入射することになる。
【0055】したがって、第2組の信号検出用のフォト
ダイオードのうち、受光部3c、3dによって受光され
るレーザ光に基づく出力信号の強度をそれぞれ強度Sc
および強度Sdとすると、情報信号は強度Sc+強度S
dとして検出される。また、フォーカス誤差信号は強度
Sc−強度Sdとして検出される。
【0056】一方、トラック誤差信号は第1の半導体レ
ーザ1の場合と同様に、3ビーム法を用いて検出され
る。第2の半導体レーザ2から出射したレーザ光は回折
格子(図示せず)により、0次回折光の主ビームと±1
次回折光の2つの副ビームとに分割される。
【0057】光ディスクで反射した副ビームは、ホログ
ラム92の小間格子92b、92cによって回折されて
第2組の信号検出フォトダイオードのうちの受光部3
e、3fに入射する。この受光部3e、3fに入射した
回折光による出力信号の強度をそれぞれ強度Se、強度
Sfとすると、トラック誤差は強度Se、強度Sfの位
相差を考慮した差信号として検出される。
【0058】第1の半導体レーザ1による回折光と第2
の半導体レーザ2による回折光とは同じホログラム92
によって回折されているので、回折角度が異なるだけで
いずれも同じ方向に回折する。そのため、2組の焦点誤
差検出用フォトダイオードをなす受光部3a、3bの分
割線6aと受光部3e、3fの分割線6bとは互いに平
行になるように配置されている。
【0059】しかし、これらの分割線6a、6bは同じ
直線上に位置している必要はなく、、図5および図6に
示すように、2つの分割線6a、6b間の距離Lvが2
つの半導体レーザ1、2の発光点X1、X2間の距離D
よりも短かければよい。これは、発光点X1、X2間の
分割線6a、6bが延びる方向と略直交する方向に沿っ
た距離は、距離Dよりも長くなることはないからであ
る。
【0060】なお、図5および図6では、半導体レーザ
1、2の出光面を光学ディスク(図示せず)の側に向け
出射したレーザ光がホログラム92に略垂直に入射する
場合を示している。この他に、図7に示すように、半導
体レーザの出光面を受光素子の側に向け出射したレーザ
光を光軸変換ミラーによってホログラムに略垂直に入射
させるようにしてもよい。
【0061】この場合では、半導体レーザと光軸変換ミ
ラー間の距離と光軸変換ミラーとホログラム間の距離と
の和が、光軸変換ミラーがない場合における半導体レー
ザとホログラム間の距離に等しければよい。
【0062】さらに、図5および図6では、半導体レー
ザの光軸を含み接合面と垂直な面(1点鎖線)が分割線
6a、6bを挟んで両側に位置する受光面と交差しない
ように半導体レーザとフォトダイオードの受光部が配置
されているが、その面が受光面と交差するように半導体
レーザとフォトダイオードの受光部とが配置されていて
もよい。
【0063】焦点誤差検出用フォトダイオードの受光部
の分割線6a、6b方向の長さWhは、半導体レーザの
波長の変動やホログラム素子の取付誤差などを考慮する
と、200μm程度必要になる。半導体レーザの異なる
波長ごとに信号検出用フォトダイオードを設け、しか
も、それぞれの半導体レーザ光の回折光の落射位置が重
ならないようにするには、2つのフォトダイオードの中
心間の分割線6a、6b方向の距離Lhが上記長さWh
より短いか、分割線6a、6bが延びる方向と直交する
方向に沿った距離Lvが焦点誤差検出用フォトダイオー
ドの分割線6a、6bに垂直な方向に沿った長さWvよ
りも長いことが必要である。
【0064】また、本ホログラムレーザでは、焦点誤差
検出用フォトダイオードの受光部が情報信号検出用フォ
トダイオードの受光部と兼ねているので、フォトダイオ
ードの受光部の面積を削減することができ、フォトダイ
オードにおけるpn接合の容量が低減し、応答速度を向
上することができる。
【0065】本ホログラムレーザでは、互いに異なる波
長のレーザ光をそれぞれ異なるフォトダイオードで受光
するため、半導体レーザの発光点の位置に合わせて個々
にフォトダイオードを設計することができ、任意の発光
点位置を有する2波長レーザにも適用することができ
る。
【0066】次に、焦点誤差検出用フォトダイオードの
大きさと間隔の一例について具体的に説明する。
【0067】図6に示すホログラム素子90に形成され
たホログラム92の格子ピッチをA、ホログラムを構成
する材料の屈折率をn、半導体レーザから出射されるレ
ーザ光の波長をλ1、λ2とすると、それぞれのレーザ
光がホログラム92によりホログラム素子90内におい
て回折される回折角度θ1、θ2は、θm=sin
-1(λm/nA)、m=1、2となる。そして、ホログ
ラム素子90を出たところでは、回折角度θ1、θ2
は、θm=sin-1(λm/A)、m=1、2となる。
このことは、図6に示すように、ホログラム92による
回折点Y1´、Y2´が見かけ上信号検出用フォトダイ
オードの側に近づいたことになる(回折点Y1、Y
2)。
【0068】信号検出用フォトダイオードの表面から見
かけ上の回折点Y1、Y2までの空気換算距離をh、そ
れぞれのレーザ光が信号検出用フォトダイオードに落射
する位置間の距離をZとすると、 Z=D+ABS(h・(tanθ1−tanθ2)) となる。なお、ABSは絶対値を表している。
【0069】ホログラムの格子ピッチA、ホログラム素
子の屈折率n、信号検出用フォトダイオードから見かけ
上の回折点までの空気換算距離hは、異なるレーザ光の
波長に対して同じ値として扱っても差し支えない。した
がって、それぞれのレーザ光の波長に対して、レーザ光
がフォトダイオード上に落射する位置間の距離Zは、半
導体レーザの発光点間距離Dと波長λmによって決定さ
れることになる。
【0070】半導体レーザの周辺の温度変化による波長
の変動は約10nm程度であるので、温度変化に伴って
レーザ光がフォトダイオードの面に落射する位置も上記
計算式により求めることができる。
【0071】したがって、半導体レーザの波長の変動に
対しても回折光の干渉を避けるためには、波長の長い方
のレーザ光の波長が短くなった場合にその回折光がフォ
トダイオードに落射する位置と、波長の短い方のレーザ
光の波長が長くなった場合にその回折光がフォトダイオ
ードに落射する位置とが重ならないように、2つの半導
体レーザの発光点間の距離Dと格子ピッチAを決定すれ
ばよい。
【0072】また、ホログラムによる回折角はレーザ光
の波長が長いほうが大きくなるので、それぞれのレーザ
光に対する回折光の干渉を避けるためには、波長の長い
ほうの半導体レーザを信号検出用フォトダイオードに近
い側に配置して距離Zをより大きくすることが望まし
い。
【0073】このことについてより具体的に説明する。
2つのレーザ光の標準波長λ1、λ2をλ1=650n
m、λ2=780nm、2つの半導体レーザの発光点間
の距離Dを30μm、信号検出用フォトダイオードから
見かけの回折点までの距離hを2mm、格子ピッチAを
2μmとすると、標準波長λ1のレーザ光の空気換算回
折角は約19°となり、標準波長λ2のレーザ光の空気
換算回折角は約23°となる。したがって、標準波長の
場合の落射位置間の距離Zは約500μmとなる。
【0074】また、使用温度の変化に伴う半導体レーザ
の波長の変動幅は通常±20nm程度であるので、それ
ぞれのレーザ光に対する回折光の信号検出用フォトダイ
オード上における位置(スポットの位置)の変動幅は±
20μm程度と見積もられる。したがって、レーザ光の
波長の変動に伴ってそれぞれのスポットが重なり合うこ
とはない。
【0075】なお、上記例では、波長の長い半導体レー
ザをフォトダイオードに近い側に配置した場合について
説明した。一方、波長の短い半導体レーザをフォトダイ
オードに近い側に配置させた場合では、落射位置間の距
離Zは、 Z=ABS(h・(tanθ1−tanθ2))−D となる。このような配置においても、レーザ光の波長の
変動に伴ってそれぞれのスポットが重なり合うことはな
い。
【0076】また、図6では、半導体レーザよりもフォ
トダイオードの方がホログラムに近い側に配置されてい
るが、半導体レーザの方がフォトダイオードよりもホロ
グラムに近い側に配置されていてもよい。
【0077】上記のように、第1組の信号検出用フォト
ダイオードの焦点誤差検出用受光部と第2組の信号検出
用フォトダイオードの焦点誤差検出用受光部において、
両者の中心間距離Lhが500μmである。これより、
分割線6a、6b方向の長さWhを200μmとする
と、2組の信号検出用フォトダイオードを1つの基板に
集積する場合には、基板の寸法としては700μm程度
あればよいことになる。実際には信号処理回路も集積化
するため、フォトダイオードとしては2〜5mm角程度
のサイズの基板に収められることになる。
【0078】次に、発光点の間隔が50μm以下の半導
体レーザ31の具体的な例を示す。まず、1つの基板に
2つの材料系の異なる半導体層を積層したモノリシック
2波長半導体レーザを図8に示す。
【0079】図8に示すように、n型GaAs基板31
a上に第1の半導体レーザとしてGaAlAs系半導体
レーザが形成されている。この半導体レーザは、n型ク
ラッド層31b、p型クラッド層31cおよびこられの
界面に存在する発光層(発光点B)からなる。
【0080】そして、n型GaAs基板31a上に第2
の半導体レーザとしてInGaAlP系半導体レーザが
形成されている。この半導体レーザは、n型クラッド層
31d、p型クラッド層31eおよびこられの界面に存
在する発光層(発光点A)からなる。
【0081】n型GaAs基板31aはいわゆるオフ基
板を用いるために、第1の半導体レーザを構成する層と
第2の半導体レーザを構成する層との界面が傾斜してい
る。この場合、2つの発光点A、B間の距離を理屈上は
いくらでも短くすることができるが、実際には30μm
程度が実用的な間隔である。
【0082】次に、2つの半導体レーザ素子を同一導電
型半導体基板側の電極面で接続した2波長半導体レーザ
素子を図9に示す。図9に示すように、第1の半導体素
子としてGaAlAs系半導体レーザ321が形成され
ている。このGaAlAs系半導体レーザ321は、n
型GaAs基板321a上にn型クラッド層321b、
p型クラッド層321cおよびこられの界面に存在する
発光層(発光点B)からなる。
【0083】そして、第2の半導体素子としてInGa
AlP系半導体レーザ322が形成されている。このI
nGaAlP系半導体レーザ322は、n型GaAs基
板322a上にn型クラッド層322b、p型クラッド
層322cおよびこられの界面に存在する発光層(発光
点A)からなる。
【0084】GaAlAs系半導体レーザ321のp側
電極面321dとInGaAlP系半導体レーザ322
のp側電極面322dとがロー材等により接続されてい
る。通常、GaAlAs系半導体レーザ321の方がI
nGaAlP系半導体レーザ322よりも温度特性が良
好なため、GaAlAs系半導体レーザ321の共振器
方向の長さをより短くすることができる。これにより、
p側電極としては、InGaAlP系半導体レーザ32
2のp側電極面322dを用いて外部回路と電気的に接
続することができる。
【0085】p側電極面321d、322dから発光点
Aまたは発光点Bまでの距離は10μm程度なので、2
つの発光点A、B間の距離を20μm程度にすることが
可能である。
【0086】これらの半導体レーザ31を信号検出用フ
ォトダイオード3とともに、放熱台4に搭載した2つの
形態を図10および図11に示す。図10に示す形態
は、前述した図2および図4に対応するものである。図
11に示す形態は、図10に示す半導体レーザ31を略
90°回転させたものである。この図11に示された形
態では、図12または図13に示すように、それぞれの
半導体レーザから出射されたレーザ光の回折光は、図1
0に示す形態と同様にそれぞれ信号検出用フォトダイオ
ードの受光部にて受光される。
【0087】このホログラムレーザによれば、互いに異
なる波長のレーザ光をそれぞれ異なるフォトダイオード
で受光し、各受光部の配置と発光点間の距離関係が所定
の関係を有していることで、種類の異なる光学メディア
に対して確実に信号を検出することができる。そして、
半導体レーザの発光点の位置に合わせて個々にフォトダ
イオードを設計することができるので、任意の発光点位
置を有する2波長レーザにも適用することができる。
【0088】また、本ホログラムレーザでは、焦点誤差
検出用フォトダイオードの受光部が情報信号検出用フォ
トダイオードの受光部と兼ねているので、フォトダイオ
ードの受光部の面積を削減することができ、フォトダイ
オードにおけるpn接合の容量が低減し、応答速度を向
上することができる。
【0089】さらに、信号検出用フォトダイオード3を
なす受光部のうち、受光部3aおよび受光部3cと受光
部3bおよび受光部3dとは受光するレーザ光の波長が
異なるだけで、機能は同じである。このため、受光部3
aおよび受光部3cと受光部3bおよび受光部3dとを
それぞれ半導体基板上で金属薄膜により容量を増加させ
ることなく電気的に接続して、信号検出用フォトダイオ
ードと外部回路とを電気的に接続するための端子を削減
することができる。
【0090】これにより、同一基板上に信号処理回路を
集積している場合には、回路要素を削減することができ
る。また、同一基板上に信号処理回路を集積していない
場合でも、外部の回路と電気的に接続するための端子の
数を減らすことができる。その結果、光ピックアップの
小型化を図ることが可能になる。
【0091】実施の形態2 実施の形態2に係るホログラムレーザとして、信号検出
用フォトダイオードの配置のバリエーションの一例につ
いて説明する。ホログラム素子に形成されたホログラム
の分割形状(小間格子の形状)は実施の形態1において
説明した図1に示す分割形状と同じであるが、小間格子
によってレーザ光が回折する方向が異なっている。
【0092】この実施の形態では、第1の波長のレーザ
光(赤外光)に対して、トラック誤差信号検出は位相差
(DPD)法を用い、第2の波長のレーザ光(赤外光)
に対して、トラック誤差信号検出は3ビーム法を用い
る。その信号検出用フォトダイオードの配置に対する第
1の半導体レーザによる回折光の光路を図14に示し、
第2の半導体レーザによる回折光の光路を図15に示
す。
【0093】信号検出用フォトダイオードの受光部d
8、d9は、第1の波長のレーザ光に対しては焦点誤差
検出用である。このため、図12に示された受光部d
8、d9を分ける分割線の位置は第1の半導体レーザの
レーザ光の光軸に対して精密に配置される必要がある。
【0094】一方、受光部d8、d9は、図15に示す
ように、第2の波長のレーザ光に対しては焦点誤差検出
用ではなく再生信号検出用である。このため、第2の半
導体レーザのレーザ光に対しては、受光部d8、d9を
分ける分割線の位置は第1の半導体レーザに対するほど
精密である必要はない。
【0095】第2の半導体レーザのレーザ光の場合に
は、図15に示された受光部d15、d16が焦点誤差
検出用となるため、受光部d15、d16を分ける分割
線の位置が第2の半導体レーザのレーザ光の光軸に対し
て精密に配置される必要がある。
【0096】第1の波長のレーザ光に対するトラック誤
差信号は、DPD法により図14に示された受光部d
2、d5によって得られる。一方、第2の波長のレーザ
光に対するトラック誤差信号は、3ビーム法により図1
5に示された受光部d7、d11、d14、d10、d
13、d17によって得られる。このホログラムレーザ
においては、図15に示すように、レーザ光が回折する
方向に対して略直交する方向にも信号検出用フォトダイ
オードが配置されている。
【0097】そのため、ホログラム素子のホログラムが
形成されている面とフォトダイオードとの空気換算距離
が短くなり、その結果、ホログラムの格子ピッチAをよ
り大きく設定することができ、ホログラムの形成がより
容易になる。
【0098】次に、信号検出用フォトダイオードの配置
のバリエーションの他の例について説明する。この変形
例に係る信号検出用フォトダイオードの配置に対する第
1の半導体レーザによる回折光の光路を図16に示し、
第2の半導体レーザによる回折光の光路を図17に示
す。
【0099】この場合、第1の波長のレーザ光に対して
は図16に示された信号検出用フォトダイオードの受光
部d9、d10が焦点誤差検出用となり、第2の波長の
レーザ光に対しては図17に示された信号検出用フォト
ダイオードの受光部d5、d6が焦点誤差検出用とな
る。
【0100】特に、この信号検出用フォトダイオードの
配置では、第1の波長レーザ光および第2の波長のレー
ザ光の回折方向に沿って受光部を配置することで、受光
部の数を前述した一例の場合よりも減らすことができ
る。これにより、信号検出用のフォトダイオード全体の
面積を縮小することができ、信号検出用フォトダイオー
ドの生産性が向上するとともに、ホログラムレーザの小
型化も図ることができる。
【0101】実施の形態3 実施の形態3として、上述したホログラムレーザを備え
た光ピックアップについて説明する。図18に示すよう
に、光ピックアップ300は、2波長レーザを含む本ホ
ログラムレーザ12、コリメートレンズ30、光軸変換
ミラー40および対物レンズ50を備えている。
【0102】ホログラムレーザ12から出射されたレー
ザ光は、光学ディスク60の面と略平行に進み、コリメ
ートレンズ30により並行光とされ、光軸変換ミラー4
0によりその光軸が光学ディスク60の面と略垂直にな
るように変換される。そして、対物レンズ50によりレ
ーザ光が集光されて光学ディスクの情報記録面61に照
射される。情報記録面61で反射されたレーザ光は、実
施の形態1または2において説明したように、ホログラ
ムレーザ12に装着されたホログラムによって回折さ
れ、所定のフォトダイオードによって受光信号化され
る。
【0103】本ホログラムレーザを用いることで、2つ
の波長の異なるレーザ光の発光点間の距離(光軸間の距
離)を50μm以下とすることができ、図19に示され
た従来の光ピックアップに装着されていた光軸補正板1
70が不要になる。これにより、図20に示された従来
の1つの半導体レーザを用いた光ピックアップと実質的
に同じ構成でもって、種類の異なる光学ディスクに情報
を書き込んだり情報を読み取ることができる光ピックア
ップが得られる。
【0104】また、半導体レーザから出射されるレーザ
光の進む方向が、まず光学ディスクの情報記録面と略平
行になるように半導体レーザが配置されていることで、
光ピックアップの薄型化を図ることができる。
【0105】上述した実施の形態においては、焦点誤差
信号検出用フォトダイオードとして、当該フォトダイオ
ード上で回折光をほぼ1点に集光させるナイフエッジ法
を用いた場合について説明した。この他に、複数の互い
に平行な分割線を有する焦点誤差信号検出用フォトダイ
オードを用いたスポットサイズ法(SSD)を適用して
もよい。
【0106】また、互いに直交する分割線を有する焦点
誤差信号検出用フォトダイオードを用いた非点収差法な
どを適用してもよい。この場合には、一方の分割線が回
折方向と略平行になる。
【0107】さらに、トラック誤差信号の検出にDPD
法を用いた場合と3ビーム法を用いた場合について説明
したが、特に3ビーム法を用いた場合には、ホログラム
素子において、ホログラムが形成されている面とは異な
る面に、3ビームを形成するための回折格子を設ける必
要がある。
【0108】この回折格子は半導体レーザ素子に近い側
の面に設けることが望ましく、しかも、ホログラムで回
折された回折光が回折格子を透過しないようにホログラ
ム素子の厚さおよび回折角を設計することが望ましい。
これは、回折光には、光学ディスクに記録された情報信
号が含まれているため、この回折光が回折格子によって
乱されて信号の質が劣化するのを防ぐためである。
【0109】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって、制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は上記の説明ではなくて特許請求
の範囲よって示され、特許請求の範囲と均等の意味およ
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0110】
【発明の効果】本発明に係るホログラムレーザユニット
では、互いに異なる波長のレーザ光をそれぞれ異なるフ
ォトダイオードで受光し、各受光部の配置と発光点間の
距離関係が所定の関係を有していることで、種類の異な
る光学メディアに対して確実に信号を検出することがで
きる。そして、半導体レーザの発光点の位置に合わせて
個々にフォトダイオードを設計することができるので、
任意の発光点位置を有する2波長レーザにも適用するこ
とができる。
【0111】また、このホログラムレーザユニットで
は、焦点誤差検出用フォトダイオードの受光部が情報信
号検出用フォトダイオードの受光部と兼ねているので、
フォトダイオードの受光部の面積を削減することがで
き、フォトダイオードにおけるpn接合の容量が低減
し、応答速度を向上することができる。
【0112】さらに、本発明に係る上記ホログラムレー
ザユニットを用いた光ピックアップ装置では、種類の異
なる光学メディアに対して、回折光を受光して所定の信
号を確実に検出することができるとともに、光ピックア
ップ装置の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るホログラムレー
ザの構造を示す斜視図である。
【図2】 同実施の形態において、回折光とフォトダイ
オードの配置を示す第1の斜視図である。
【図3】 同実施の形態において、分割線を有する受光
部の感度曲線を示す図である。
【図4】 同実施の形態において、回折光とフォトダイ
オードの配置を示す第2の斜視図である。
【図5】 同実施の形態において、受光部を含めた各部
の寸法関係を説明するための第1の図である。
【図6】 同実施の形態において、受光部を含めた各部
の寸法関係を説明するための第2の図である。
【図7】 同実施の形態において、半導体レーザの他の
配置を示す図である。
【図8】 同実施の形態において、ホログラムレーザに
用いられる半導体レーザを示す第1の斜視図である。
【図9】 同実施の形態において、ホログラムレーザに
用いられる半導体レーザを示す第2の斜視図である。
【図10】 同実施の形態において、半導体レーザとフ
ォトダイオードとの配置を示す第1の図である。
【図11】 同実施の形態において、半導体レーザとフ
ォトダイオードとの配置を示す第2の図である。
【図12】 同実施の形態において、回折光とフォトダ
イオードの配置を示す第3の斜視図である。
【図13】 同実施の形態において、回折光とフォトダ
イオードの配置を示す第4の斜視図である。
【図14】 本発明の実施の形態2に係るホログラムレ
ーザにおける第1のフォトダイオードの受光部の配置に
対する回折光を示す第1の図である。
【図15】 同実施の形態において、ホログラムレーザ
における第1のフォトダイオードの受光部の配置に対す
る回折光を示す第2の図である。
【図16】 同実施の形態において、ホログラムレーザ
における第2のフォトダイオードの受光部の配置に対す
る回折光を示す第1の図である。
【図17】 同実施の形態において、ホログラムレーザ
における第2のフォトダイオードの受光部の配置に対す
る回折光を示す第2の図である。
【図18】 本発明の実施の形態3に係る光ピックアッ
プの構造を示す図である。
【図19】 従来の光ピックアップの構造を示す第1の
図である。
【図20】 従来の光ピックアップの構造を示す第2の
図である。
【符号の説明】
1 第1の半導体レーザ素子、2 第2の半導体レーザ
素子、3 信号検出用フォトダイオード、3a〜3f
受光部、4 放熱板、6a、6b 分割線、122波長レ
ーザ、30 コリメートレンズ、31、32 半導体レ
ーザ、40光軸変換ミラー、50 対物レンズ、60
光学ディスク、61 情報記録面、90 ホログラム素
子、92 ホログラム、92a 小間格子、95 キャ
ップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/022 H01S 5/40 5/40 G02B 27/00 E Fターム(参考) 2H049 CA05 CA08 CA15 5D118 AA03 AA26 BA01 BB02 CD02 CD03 CD08 CF02 CF03 CF16 CG02 CG04 CG07 CG24 DA20 DB02 DB08 DC03 5D119 AA04 AA38 AA41 BA01 CA09 EA02 EA03 EC45 EC47 FA05 FA08 JA15 JA22 KA02 KA16 KA17 LB07 5F073 AB27 BA04 CA05 CA14 CB02 EA14 FA01 5F089 BA04 BC04 BC07 BC08 BC25 BC29 BC30 CA12 CA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに波長の異なる光を発光する第1光
    源および第2光源を含む光源部と、 前記光源部から光ディスクに向かって照射されて反射し
    た光を回折するためのホログラムが形成されたホログラ
    ム素子と、 前記ホログラムによって回折された光を受光するための
    受光部とを有し、 前記受光部は、 前記第1光源に基づく回折光を受光するための第1受光
    部と、 前記第2光源に基づく回折光を受光するための第2受光
    部とを備えた、ホログラムレーザユニット。
  2. 【請求項2】 前記第1受光部は、前記第1光源に基づ
    く光学系の焦点を合わせるための信号を検出する第1焦
    点誤差信号検出用受光部を含み、 前記第2受光部は、前記第2光源に基づく光学系の焦点
    を合わせるための信号を検出する第2焦点誤差信号検出
    用受光部を含み、 前記第1焦点誤差検出用受光部は、一方向に延びてその
    領域を少なくとも2つの領域に分ける第1分割領域を含
    み、 前記第2焦点誤差検出用受光部は、一方向に延びてその
    領域を少なくとも2つの領域に分ける第2分割領域を含
    む、請求項1記載のホログラムレーザユニット。
  3. 【請求項3】 前記第1受光部および前記第2受光部
    は、 光学ディスクに記録された情報を検出するための情報信
    号検出用受光部と、 光学ディスクと光学系との相対的な位置関係を制御する
    ための信号を検出するトラック誤差信号検出用受光部と
    を含む、請求項1または2に記載のホログラムレーザユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 前記第1焦点誤差検出用受光部と前記第
    2焦点誤差検出用受光部とは離間され、 前記第1分割領域が延びる方向の長さと前記第2分割領
    域が延びる方向の長さとは実質的に同じ長さの分割領域
    長を有し、 前記分割領域長は、前記第1分割領域が延びる方向に沿
    って前記第1焦点誤差検出用受光部を2等分する位置と
    前記第2分割領域が延びる方向に沿って前記第2焦点誤
    差検出用受光部を2等分する位置との距離よりも短い、
    請求項2または3に記載のホログラムレーザユニット。
  5. 【請求項5】 前記光源部において、前記第1光源の発
    光点と前記第2光源の発光点とは所定の発光点間隔を隔
    てられ、 前記第1分割領域が延びる方向と前記第2分割領域が延
    びる方向とが略平行になるように前記第1分割領域と前
    記第2分割領域とが配置され、 前記延びる方向と略直交する方向に沿った前記第1分割
    領域と前記第2分割領域との間隔は前記所定の発光点間
    隔よりも短い、請求項2〜4にいずれかに記載のホログ
    ラムレーザユニット。
  6. 【請求項6】 前記光源部の波長変動に伴う前記受光部
    における前記回折光の落射位置の変動に対して、 前記ホログラムは、前記第1分割領域および前記第2分
    割領域がそれぞれ延びる方向に沿って前記回折光の光軸
    が変動するように前記ホログラム素子に形成されてい
    る、請求項2〜5のいずれかに記載のホログラムレーザ
    ユニット。
  7. 【請求項7】 前記ホログラム素子は、前記ホログラム
    が形成されている面とは異なる面に形成された、トラッ
    ク誤差信号検出を行うための3ビームを発生させる回折
    格子を含み、 前記回折格子は前記回折光が透過しない位置に配置され
    ている、請求項1〜6のいずれかに記載のホログラムレ
    ーザユニット。
  8. 【請求項8】 波長の異なる少なくとも第1光源および
    第2光源を含む光源部と、 前記光源部から光学ディスクに向かって照射されて反射
    した光を回折するためのホログラムが形成されたホログ
    ラム素子と、 前記ホログラムによって回折された回折光を受光して、
    所定の信号を検出するための複数の信号検出用受光部と
    を備え、 前記複数の信号検出用受光部は、前記所定の信号に対応
    して光学ディスクで反射した光が前記ホログラムによっ
    て回折される方向に沿って配置され、 前記複数の信号検出用受光部は、前記回折光のうち前記
    第1光源に基づく回折光と前記第2光源に基づく回折光
    との両回折光を受光する受光部を含む、ホログラムレー
    ザユニット。
  9. 【請求項9】 前記所定の信号は、 光学系の焦点を合わせるための焦点誤差信号と、 光学ディスクに記録された情報を含む情報信号と、 光学ディスクと光学系との相対的な位置関係を制御する
    ためのトラック誤差信号とを含む、請求項8記載のホロ
    グラムレーザユニット。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のホロ
    グラムレーザユニットを有する、光ピックアップ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007184627A (ja) * 2007-02-22 2007-07-19 Sharp Corp 半導体レーザ装置およびそれを用いた光ピックアップ装置
US7548359B2 (en) 2002-11-13 2009-06-16 Asahi Glass Company, Limited Double-wavelength light source unit and optical head device having four diffraction gratings

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