JP2002148503A - カメラシステムおよびパワーズームレンズ - Google Patents

カメラシステムおよびパワーズームレンズ

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JP2002148503A
JP2002148503A JP2001274356A JP2001274356A JP2002148503A JP 2002148503 A JP2002148503 A JP 2002148503A JP 2001274356 A JP2001274356 A JP 2001274356A JP 2001274356 A JP2001274356 A JP 2001274356A JP 2002148503 A JP2002148503 A JP 2002148503A
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JP
Japan
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zoom
lens
image magnification
focal length
flag
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Application number
JP2001274356A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kawasaki
雅博 川崎
Hiroyuki Takahashi
宏之 高橋
Yoshinari Tanimura
芳成 谷村
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
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  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】像倍率一定ズームにおいて、フォーカシング制
御とパワーズーミング制御とが互いに干渉しないズーミ
ング制御が可能で、演算処理も簡単なカメラシステムを
提供する。 【構成】パワーズームレンズ51およびパワーズームレ
ンズ51が着脱可能なカメラボディ11を備え、パワー
ズームレンズ51は、の焦点距離を検出するズームコー
ド板71および合焦している被写体距離を検出する距離
コード板81を備え、これらのコード板71、81によ
って検出した距離に基づいて像倍率を演算し、その後、
距離コード板81によって検出した被写体距離と像倍率
に基づいて、像倍率が一定になる目標焦点距離を演算す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、像倍率一定ズーム機能を
備えたパワーズームレンズおよびカメラシステムに関す
る。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、パワーズームレン
ズを備えたカメラにおいて、自動焦点装置およびパワー
ズームレンズを利用した特殊撮影手段が開発されてい
る。例えば、本件出願人が先の出願(特開平2‐858
10〜85815号公報)において開示した、設定され
た像倍率を一定に保つ像倍率一定ズーム手段がある。こ
の方法では、像倍率設定後、被写体のデフォーカス量に
基づいて像倍率が一定になる目標焦点距離を演算し、こ
の目標焦点距離に基づいてパワーズームする構成であ
る。しかし、一眼レフカメラでは、ピント位置を単位長
さ移動させるために必要なAFモータの回転量に関する
係数(以下「Kバリュー」という)が焦点距離によって
異なるので、ズーミングによりデフォーカス量が変化し
てしまう。したがって、予めこの変化分を見越した補正
を行なって、最終的に目標となる焦点距離を演算しなけ
ればならないので、演算処理が複雑であった。
【0003】また、デフォーカス量の誤差は、フォーカ
シングレンズ群が合焦位置から離れる程大きくなり、さ
らにKバリューの誤差、レンズ駆動系のバックラッシ
ュ、モータの回転量計測誤差の蓄積等があるので、1回
の演算により合焦位置まで駆動できるとは限らない。そ
のため、合焦位置の手前で停止したときには同方向に再
駆動し、行き過ぎたときには反対方向に再駆動するいわ
ゆるハンチングをすることがある。このような場合に
は、フォーカシングレンズ群が非合焦位置で停止する毎
に目標焦点距離を再演算しなければならない。このよう
に、デフォーカス量に基づいて目標焦点距離を演算する
方法は、フォーカシング制御に必要な演算値とズーミン
グ制御に必要な演算値とが互いに干渉していた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、像倍率一定ズームにおいて、
フォーカシング制御とパワーズーミング制御とが互いに
干渉しないズーミング制御が可能で、演算処理も簡単な
パワーズームレンズおよびカメラシステムを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【発明の概要】この目的を達成する本発明は、ズームレ
ンズおよび該ズームレンズの着脱が可能な、自動焦点装
置を備えたカメラであって、上記ズームレンズの焦点距
離を検出する焦点距離検出手段;上記ズームレンズが合
焦している現在の被写体距離を検出する被写体距離検出
手段;および、上記検出手段がそれぞれ検出した上記焦
点距離および上記被写体距離に基づいて像倍率を演算
し、その後、上記被写体距離検出手段が検出した被写体
距離に基づいて、上記像倍率が一定になる目標焦点距離
を演算する演算手段を備えたことに特徴を有する。ズー
ムレンズには、パワーズーム用のズームモータと、上記
演算手段が算出した目標焦点距離まで上記ズームモータ
を駆動するレンズ制御手段を備える。
【0006】演算手段は、合焦状態のときの目標焦点距
離fを式、 f=x×f/(x+Δx) ただし、 x:像倍率設定時の無限遠位置からのフォーカシング
レンズ群の繰出し量、 f:像倍率設定時の焦点距離、 x :無限遠位置からのフォーカシングレンズ群の繰出
し量、 Δx:現デフォーカス量、 により演算する。 また、演算手段は、非合焦のときは目標焦点距離fを
式、 f=x×f/x ただし、 x:像倍率設定時の無限遠位置からのフォーカシング
レンズ群の繰出し量、 f:像倍率設定時の焦点距離、 x :無限遠位置からのフォーカシングレンズ群の繰出
し量、 により演算する。
【0007】パワーズムレンズにかかる本発明は、ズー
ミングレンズおよびフォーカシングレンズ群を備え、カ
メラボディに着脱可能なズームレンズであって、ズーミ
ングレンズ駆動用のズームモータ;ズーミングレンズ位
置に対応する焦点距離を検出する焦点距離検出手段;フ
ォーカシングレンズ位置において合焦している被写体距
離を検出する被写体距離検出手段;カメラボディとの間
で情報を入出力する入出力手段;および、カメラボディ
から上記入出力手段を介して像倍率に関する情報を入力
したときは、その情報に基づいて演算し、上記ズームモ
ータを駆動するレンズ制御手段を備えたことに特徴を有
する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図示実施例に基づいて本発明
を説明する。図1は、本発明を適用した自動焦点(A
F)一眼レフカメラのボディ部の主要構成を示したブロ
ック図、図2は、同パワーズームレンズの主要構成を示
したブロック図、図3は、同パワーズームレンズの回路
ブロック図である。
【0009】このAF一眼レフカメラは、カメラボディ
11と、このカメラボディ11に着脱可能な撮影レンズ
(パワーズームレンズ)51とを備えている。パワーズ
ームレンズ51のズーム光学系53からカメラボディ1
1内に入射した被写体光束は、大部分がメインミラー1
3によりファインダ光学系を構成するペンタプリズム1
5に向かって反射され、さらに反射光の一部が測光用I
C17の受光素子(図示せず)に入射する。一方、カメ
ラボディ11内に入射した被写体光束のうち、メインミ
ラー13のハーフミラー部14に入射した被写体光束の
一部はここを透過し、後方のサブミラー19で下方に反
射されて測距用CCDセンサユニット21に入射する。
【0010】測光用IC17は、被写体光束を受光する
受光素子を備えていて、この受光素子が受光量に応じて
発生する電気信号を対数圧縮およびA/D変換し、周辺
部制御回路23を介して測光信号としてメイン(ボデ
ィ)CPU35に出力する。メインCPU35は、測光
信号およびフィルム感度情報に基づいて所定の演算を実
行し、露出用の適正シャッタ速度および絞り値を算出す
る。そして、これらのシャッタ速度および絞り値に基づ
いて露出機構(シャッタ機構)25および絞り機構27
を駆動する。
【0011】測距用CCDセンサユニット21は、いわ
ゆる位相差方式の焦点検出手段であって、図示しない
が、被写体光束を二分割する分割光学系と、二分割され
た被写体光束をそれぞれ受光して積分(光電変換および
その電荷を蓄積)するCCDラインセンサを備えてい
る。そして測距用CCDセンサユニット21は、CCD
ラインセンサが積分した積分データを、制御手段として
のメインCPU35に出力する。なお、測距用CCDセ
ンサユニット21は、周辺部制御回路23により駆動制
御される。また、CCDセンサユニット21はモニタ素
子を備えていて、周辺部制御回路23は、このモニタ素
子を介して被写体輝度を検出し、その検出結果に応じて
積分時間を変更する。
【0012】周辺部制御回路23は、デジタル測光信号
およびフィルム感度情報に基づいて所定の露出演算を実
行し、露出用の適正シャッタ速度および絞り値を算出す
る。そして、これらのシャッタ速度および絞り値に基づ
いて、露光機構(シャッタ機構)25および絞り機構2
7を駆動して露光する。さらに周辺部制御回路23は、
レリーズに際して、モータドライブ回路(モータードラ
イブIC)29を介してミラーモータ31を駆動してメ
インミラー13のアップ/ダウン処理を行ない、露光終
了後には巻上モータ33を駆動してフィルムを巻上げ
る。
【0013】さらにメインCPU35は、周辺部制御回
路23と、ボディマウント面に設けられた電気接点群B
Cと、パワーズームレンズ51のマウント面に設けられ
た電気接点群LCとの接続を介して、レンズCPU61
との間でデータ、コマンド等の通信を行なう。
【0014】また、メインCPU35は、測距用CCD
センサユニット21から出力される積分データに基づい
て所定の演算(プレディクタ演算)によりデフォーカス
量を算出し、そのデフォーカス量に基づいて、AFモー
タ39の回転方向および回転数(エンコーダ41のパル
ス数)を算出する。そしてメインCPU35は、その回
転方向およびパルス数に基づき、AFモータドライブ回
路37を介してAFモータ39を駆動する。
【0015】さらにメインCPU35は、AFモータ3
9の回転に応じてエンコーダ41が出力するパルスを検
知し、カウントしてカウント値が上記パルス数に達した
らAFモータ39を停止させる。メインCPU35は、
このAFモータ39を、起動時にはDC駆動により一気
に加速してDC駆動を維持し、フォーカシングレンズ群
53Fが目標位置に接近したら停止前に徐々に減速して
停止させる。さらにメインCPU35は、エンコーダ4
1の出力パルスの間隔に基づいてAFモータ39を一定
速度制御する機能を有する。なお、AFモータ39の回
転は、カメラボディ11のマウント部に設けられたAF
ジョイント47とパワーズームレンズ51のマウント部
に設けられたAFジョイント57との接続を介してパワ
ーズームレンズ51のAF駆動機構55に伝達される。
そして、AF駆動機構55により、フォーカシングレン
ズ群53Fが駆動される。
【0016】またメインCPU35は、プログラムをメ
モリしたROM35a、所定のデータをメモリするRA
M35bを内蔵し、さらに外部メモリ手段としてE2PRO
M43が接続されている。このE2PROM43には、カメラ
ボディ11特有の各種定数のほかに、本発明のAF(オ
ートフォーカス)演算、PZ(パワーズーム)演算に必
要な各種関数、定数などがメモリされている。
【0017】メインCPU35には、レリーズボタン
(図示せず)の半押しでオンする測光スイッチSWSお
よび同全押しでオンするレリーズスイッチSWR、自動
焦点スイッチSWAF、メインCPU35や周辺機器等
への電源をON/OFFするメインスイッチSWM、AFモー
ド、露出モードなどのモード、シャッタ速度などのパラ
メータ変更用のアップダウンスイッチSWUP/DOWNなど
が接続されている。
【0018】メインCPU35により設定されたAFモ
ード、露出モード、撮影モードなどのモード、シャッタ
速度、絞り値などの露出データは、メインCPU35に
より表示装置45に表示される。この表示装置45は、
通常、カメラボディ11の外面およびファインダ視野内
の2か所に設けられる。
【0019】カメラボディ11のマウント付近には、バ
ッテリ20の電力をパワーズームレンズ51(撮影レン
ズ)に供給するための一対の電源ピンBPCが設けられ
ている。一方、パワーズームレンズ51にも、装着時に
上記電源ピンBPCと電気的に接続される一対の電源ピ
ンLPCが設けられている。
【0020】パワーズームレンズ51は、撮影光学系と
してフォーカシングレンズ群53Fおよびズーミングレ
ンズ群53Zを備えたズーム光学系53を有している。
フォーカシングレンズ群53Fは、AF機構55により
駆動される。このAF機構55には、AFジョイント5
7、47を介してAFモータ39の駆動力が伝達され
る。フォーカシングレンズ群53Fの移動量は、AF機
構55の回転に応じてパルスを出力するAFパルサー5
9のAFパルスをレンズCPU61がカウントして測定
する。なお、レンズCPU61は、AFパルスをハード
的にカウントするAFパルスハードカウンタを含んでい
る。ズーミングレンズ群53Zは、PZ(パワーズー
ム)機構67により駆動される。このPZ機構67を駆
動するズームモータ65は、レンズCPU61によりモ
ータドライブIC63を介し制御される。また、ズーミ
ングレンズ群53Zの移動量は、ズームモータ65の回
転に連動してPZパルサー69が出力するPZパルスを
レンズCPU61がカウントして測定する。
【0021】パルサー59、69は、例えば、円周方向
に等間隔で設けられた、半径方向に延びる複数のスリッ
トを有する回転円板と、この回転円板のスリットを挟ん
で対向するLEDおよびフォトダイオードを備えたフォ
トインタラプタにより構成されている。そして各パルサ
ー59、69の回転円板は、AF機構55、PZ機構6
7の回転に連動して回転する。また、各パルサー59、
69のLEDのON/OFFはレンズCPU61により制御さ
れ、フォトダイオードの出力(パルス)は、レンズCP
U61に入力される。
【0022】さらに、ズーミングレンズ群53Zの絶対
位置(焦点距離)およびフォーカシングレンズ群53F
の絶対位置(合焦被写体距離)はそれぞれ、ズームコー
ド板71、距離コード板81により検出される。図4お
よび図5にこれらのコード板71、81の展開図を示し
た。各コード板71、81のコード列71a〜71f、
81a〜81eにはそれぞれ、ブラシ73、85が摺接
する。
【0023】コード板71、81のうち各一列のコード
列71a、81aは接地され、複数のコード列71b〜
71e、81b〜81eは、レンズCPU61の入力ポ
ートに接続されている。ズームコード板71は、ズーミ
ングレンズ群53Zの全移動範囲を26分割して、各分
割領域を5ビットの絶対位置(焦点距離)情報で識別す
る。距離コード板81は、フォーカシングレンズ群53
Fの全移動範囲を8分割して、各分割領域を3ビットの
絶対位置(被写体距離)情報で識別する。各分割領域内
における相対位置は、それぞれパルサー69、59が出
力するパルスをカウントしてそのカウント値により検出
する。距離コード板81のコード列81eの指標83
は、各領域の中央位置を検出するためのものである。コ
ード板71の各領域の境界位置(切換わり点)72及び
コード板81のコード列81eの指標83は、それぞれ
パルサーのカウント値修正の基準として利用される。
【0024】パワーズームレンズ51は、操作スイッチ
類として、ズームスピード切替えスイッチ75およびズ
ームモード切替えスイッチ77を備えている。ズームス
ピード切替えスイッチ75は、パワーズームモードにお
いて、テレ方向ズームとワイド方向ズーム、および各ズ
ーム方向におけるズーミングスピードをそれぞれ3段階
調整するスイッチ(詳細は図示せず)を備えている。ズ
ームモード切替えスイッチ77は、パワーズームとマニ
ュアル駆動ズームとを切り替えるスイッチ(D/M)、
マニュアルパワーズームモード、一定の制御下で実行す
る複数のパワーズームモードを切替えるPAスイッチ、
制御パワーズームモード(像倍率一定パワーズームモー
ド)のときに、現焦点距離等をメモリするSLスイッチ
等を備えている。SLスイッチは、プリセットズームセ
ットモードが設定されているときは焦点距離をメモリさ
せ、プリセットズームモードが設定されているときはメ
モリした焦点距離までパワーズームさせるプリセットス
イッチとして機能する。なお、ズームスピード切り替え
スイッチ75は、図示しないが、レンズ鏡筒に対して回
動自在および光軸方向に移動可能に嵌められ、常時回転
方向中立位置に付勢されたズーム操作リングに連動す
る。なお、ズーム操作リングは、パワーズームとマニュ
アルズームとを機械的に切替える機構も備えている。
【0025】以上のズームスピード切替えスイッチ75
およびズームモード切替えスイッチ77の各接点はレン
ズCPU61に接続されている。レンズCPU61は、
これらのスイッチ操作を受けてパワーズームに関する制
御処理を行なう。
【0026】レンズCPU61は、インターフェース6
2、通信接点LC、BCおよびカメラボディの周辺部制
御回路23を介してメインCPU35と接続され、メイ
ンCPU35との間で双方向通信により所定のデータ通
信を実行する。レンズCPU61からメインCPU35
に伝達されるデータとしては、開放絞り値AVMIN、
最大絞り値AVMAX、最小、最大焦点距離、現焦点距
離、現被写体距離、Kバリュー情報などのほかに、AF
パルス数、PZパルス数などがある。なおKバリュー情
報とは、ズーム光学系53により結像された像面を単位
距離(例えば1mm)移動させるために必要なエンコーダ
41(AFパルサー59)のパルス数データである。
【0027】図3には、パワーズームレンズ51のより
詳細な回路をブロックで示してある。電気接点群LC
は、インターフェース62に接続されたCONT端子、RES
端子、(反転)SCK端子、DATA端子およびGND端子の5個
の端子を備えている。こららの端子の内、CONT端子およ
びGND端子を介して、レンズCPU61等の動作に必要
な電源電圧がカメラボディ11から供給され、残りのRE
S端子、(反転)SCK端子およびDATA端子を介して通信が
行なわれる。RES端子は主にリセット信号、(反転)SCK
端子はクロック、DATA端子は所定の情報、コマンドなど
のデータの通信に供せられる。なお本明細書では、記
号"(反転)"は、トップバーを意味し、この記号"(反
転)"が前に付された記号は、アクティブロー、または
反転信号であることを表わす。電源ピンLPCは、VBAT
T端子およびPGND端子からなる。これらのVBATT、PGND端
子を介して、ズームモータ65の駆動に必要な電力が、
カメラボディ11のバッテリ20から供給される。電力
の供給は、周辺部制御回路23を介してCPU35によ
りコントロールされる。なお、図中91はクロック発生
回路である。また、VBATT端子は、モータドライブIC
63、および抵抗R4を介してレンズCPU61の電圧
モニタ用のポートP12にそれぞれ接続されている。
【0028】『レンズCPUのメイン処理』図6および
図7を参照して、レンズCPU61のメイン処理につい
て説明する。また、インストラクションコマンドを表
1、2に、カメラボディから種々のボディ側のデータを
レンズ側に送るためのコマンド(データ)を表3に、レ
ンズから種々のレンズ側のデータを送るためのコマンド
を表4に、レンズCPU61のRAM61bのメモリマ
ップを表5〜表11に示してある。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0029】メインルーチンでは、先ずレンズCPU6
1は、高速作動モードのセット、割込みの禁止、スタッ
クアドレスのセット、ポートPの初期化を行ない、ズー
ムコード板71から現在の絶対ズームコードを入力する
(S101〜S109)。そして、ズームコードに基づ
いて演算したデータをRAM61bにメモリし、カメラ
ボディ11のクロック信号による通信(旧通信)により
RAM61bにメモリしたデータ群(表5の LC0〜
LC15)をカメラボディ11に送信する(S11
1)。そして、送信が終了したら3msタイマーをスター
トさせる(S113)。
【0030】その後、旧通信が正常に終了すると、イン
ターフェース62からKAFEND信号(“L”レベル)が出
力されるので、それを3msタイマーがタイムアップする
まで待つ(S115、S117)。3msタイマーがタイ
ムアップする前に旧通信終了信号(KAFEND信号)が出力
されなかったときには、旧通信が正常に終了しなかった
ことになるので、ストップ処理(クロック91の停止)
を行なって処理を停止する(S115、S117、S1
19)。タイムアップ前にKAFEND信号が出力されたとき
には正常動作なので、カメラボディ11から通信により
コマンドを受信するが、それが新通信可能なカメラであ
ることを識別する新通信コマンドでなければ、新通信可
能なボディではない場合があるので、ストップ処理を行
なう(S121、S123、S119)。新通信とは、
カメラボディと撮影レンズとの間において、撮影レンズ
のクロックに同期して双方向にコマンド、データの送受
が可能な通信である。
【0031】新通信コマンドを受信したときには、コマ
ンド受信完了信号をカメラボディ11に出力し、2msタ
イマ割込みの許可および2msタイマをスタートさせ、さ
らに、新通信の割込みを許可し、他の割込みも許可する
(S123、S125、S127、S128、S12
9)。これ以降、2msタイマ割込み処理及び新通信の割
込みが可能になる。以上の処理は、カメラボディ11の
メインスイッチがオンされ、ボディ11から電力が供給
されたとき最初に実行される。その後は、メインスイッ
チがオンされている間は以下の処理が繰り返される。
【0032】ズームコード板71からズームコードを入
力する(S131)。ズームコードが前回と異なれば、
距離コードデータを入力して、これを含むレンズコード
データLC2をRAM61bにメモリし(表5参照)、
ズームコードのデータに基づいて演算を行ない、算出し
たデータをLC0〜17及びLB4、LBBデータとし
てレンズRAM61bにメモリする(S133、S13
5、S137)。ズームコードが前回と同一であれば、
カメラボディ11から距離コードデータを入力してこれ
を含むレンズコードデータ(LC2)をレンズRAM6
1bの所定のアドレスにメモリする(S133、S13
9、S141)。
【0033】次に、カメラボディからの通信割込みで、
ストップ要求があったかどうか(フラグF_STNDBYがセッ
トされているかどうか)、2msタイマ割込み内で電力要
求があったかどうか(フラグF_LBATREQがセットされて
いるかどうか)をチェックし、ストップの要求がないと
き、または電力要求があるときには像倍率一定ズーム処
理(ISZ処理)を行なってからNIOST処理、つま
りメインルーチンのS131に戻って上記処理を繰り返
す(S143、S145、S147)。なお、電力要求
とは、カメラボディ11の電源(バッテリ20の電力)
をズームモーター65駆動用に、電源ピンBPC、LP
Cを介してパワーズームレンズ51に供給することをカ
メラボディ11(ボディCPU35)に要求することを
いう。
【0034】ストップの要求がありかつバッテリの要求
がないときには、ストップ準備(2msタイマ割込み禁
止、ストップ解除の準備)の後にストップ処理を行なう
(S143、S145、S149、S151)。つま
り、レンズCPU61は、クロック91を止めて低消費
電力(スタンバイ)モードに入る。このストップ状態
(低消費電力モード)は、例えば、カメラボディからの
通信割込みにより解除され、通常動作(クロック91作
動)に戻る。通常動作に戻ると、通信割込みルーチン終
了後にS153に復帰し、通信割込みにて、ストップ要
求が無くなるかまたは電力要求があったときに、2msタ
イマ割込みの許可および2msタイマスタート処理を行な
ってS131に戻るが、それ以外のときにはS149に
戻って再びストップ状態(省電力モード)に入る(S1
53、S155、S157)。
【0035】『INTI処理』レンズCPU61により
実行される、図8に示した通信割込み(INT1)処理
について説明する。INT1処理は、通信割込みを行な
う処理であって、通信により受信したコマンド及びデー
タ等に基づいた処理を行なう。なお、このINT1処理
は、レンズCPU61のポートPINTIにインターフェー
ス62からの割込み信号が入力されたときに開始され
る。
【0036】通信割込みに入ると、先ず、通信割込みを
禁止し、ストップフラグ(F_STNDBY)およびNGフラグ
(F_SCKNG、F_CMDNG)をクリアした後にカメラボディ11
からコマンドを入力する(S201、S203、S20
5)。そして、入力したコマンドの上位4ビットをチェ
ックして、その上位ビットに応じたサブルーチンに進む
(S207〜S229)。さらに各サブルーチンにおい
て、下位ビットに応じた処理を行なう。本実施例では、
上位ビット(4ビット)により識別するサブルーチンと
して、LBコマンドサブルーチン、BLコマンドサブル
ーチン、インストラクションコードサブルーチン、16
byteデータ、前半8byteデータ、後半8byt
eデータサブルーチン、1バイト毎データサブルーチ
ン、テストモードサブルーチンが設けられている(S2
09、S213、S217、S221、S225、S2
29)。
【0037】上記4ビットが上記の設定されたビットで
なければ、コマンドNGフラグF_CMNDNGをセッ
トし、通信割込みを許可してメインルーチンに復帰する
(S227、S231、S233)。
【0038】『2msタイマ割込み処理』図9に示した2
msタイマ割込みフローチャートを参照して、2msタイマ
により割込みが入ったときのレンズCPU61の処理に
ついて説明する。2msタイマは、2ms経過する毎に割込
み信号を出力する、レンズCPU61の内蔵ハードタイ
マであり、2msタイマ割込みは、2msタイマがタイムア
ップする毎に、割込みが許可されていることを条件に割
込み処理を行なう定期的なインターバル処理である。
【0039】2msタイマ割込み処理に入ると、先ず、他
の割込みを禁止する(S301)。次に、AFパルスカ
ウンタから現在値を入力してレンズRAM61bにメモ
リし、距離コード板81から現在の距離コードデータを
入力してレンズRAM61bにメモリする(S303、
S305)。そして、必要に応じて、AFパルス数を補
正し、現在の距離コードを次回の2msタイマ割込み処理
のために前回の距離コードとしてレンズRAM61bの
別のアドレスにメモリする(S307、S309)。
【0040】次に、ズームコード板71から現在のズー
ムコードを読み込んで現在のズームコードとしてレンズ
RAM61bにメモリし、ズームモード切換えスイッチ
77の切換え状態とズームスピード切替えスイッチ75
の切替え状態を入力する(S311、S313)。そし
て、パワーズームモードであればDZ処理に進み、マニ
ュアルズームモードであればMZ処理に進む(S31
5)。
【0041】『DZ処理』図10に示したDZ、MZ処
理は、それぞれ電動(パワー)ズームおよびマニュアル
(手動)ズーム処理に関するフローチャートである。こ
れらの処理は、レンズCPU61により実行される。パ
ワーズーム(DZ)処理では、先ず、ズーミングレンズ
群53Zが端点に達しているかどうかを検出する端点検
出処理(端点検出サブルーチン)を実行する(S35
1)。
【0042】次に、ズームスピード切替えスイッチ75
及びフラグF_MOVTRG、F_MOV等の制御用フラグに基づい
て、モータを制御するためのフラグ等をセットし、PZ
パルスおよび焦点距離の現在値の入力及びRAM61b
へのメモリ、必要に応じてPZパルスの補正を行ない、
また、ズーミングレンズ群53Zの現在位置が不明のと
きは、ズーミングレンズ群53Zに関するポジションイ
ニシャライズ(PZ‐INITPOS)処理を行なっ
て、次回の2msタイマ割込み処理のために前回のズーム
コードとしてズームコードを別のアドレスにメモリする
(S353、S355、S357)。
【0043】像倍率一定ズームモード(ISZ処理)で
像倍率メモリフラF_ISM=1あれば、ISZメモリ処理
を行ない、次回の2msタイマ割込み処理用に、ズームス
イッチ75、77の状態を保存する(S357〜S36
1)。そして、S353においてセットしたフラグに応
じてズームモータ65の駆動制御、割込みビット・フラ
グの設定、PWM制御用のデューティー比アップ処理お
よびPWM制御時にはPWMタイマーのスタートなどを
行なう(S363)。そして、割込みを許可してリター
ンする(S395)。
【0044】マニュアルズーム(MZ)サブルーチンで
は、先ずズームモータ65をストップし、PZパルサー
69のLEDをオフし、バッテリリクエスト(電力要
求)フラグ(F_LBATREQ)をクリアし、PZレンズステ
ートPZ_LSTデータの各ビットをクリアする(S371、
S373、S375、S379)。
【0045】次に、PZコントロールに関するデータを
レンズRAM61bの所定アドレスからクリアし、次回
の2msタイマ割込み処理用にズームコードを保存(メモ
リ)する(S381、S383)。そして、ズームコー
ドより粗検出したPZパルス数を、PZパルス現在値
(PZPX)、およびPZパルススタート値(PZPS
TART)としてレンズRAM61bにメモリし、PZ
パルスカウンタ(PZPCNT)をクリアする。また、
粗検出したPZパルスの現在値を現在の焦点距離(粗デ
ータ)に変換してメモリする(S383、S385、S
387)。
【0046】そして、ズームスイッチ75、77の状態
を次回の2msタイマ割込み処理用に保存し、2msタイマ
ーをスタートし、2msタイマ割込みを許可し、INT3
(PZパルスカウント)割込みおよびINT2(PW
M)割込みを禁止する(S389〜S393)。そし
て、他の割込みを許可してリターンする(S395)。
【0047】『PWMの制御方法』PWM制御方法につ
いて、図11ないし図13に示したフローチャートに基
づいて説明する。図11は、図9及び図10に示す2ms
タイマ割込みルーチンのPWM制御に関する部分を抜粋
したものである。また、図12は、図96および図図9
7に示す、PZパルスカウント割込みルーチンのPWM
制御に関する部分を抜粋したものである。図13は、P
WM制御時のPWM割込みルーチン(ブレーキ処理)で
ある。なお、PWM制御は間欠通電の一種であって、通
電時間と非通電時間の比(デューティー比)を調整する
制御である。
【0048】ここで、図6のメインフローと各種割込み
ルーチンとの関係について説明する。図6のメインフロ
ーチャートのS127〜S131、S131〜S157
のルーチン中では、通信割込み、2msタイマー割込み、
PZパルスカウント割込み、PWM割込みのいずれかに
よる割込みが可能である。また、通信割込みルーチンに
おいては、2msタイマ割込み、PZパルスカウント割込
み、PWM割込みのいずれかによる割込みが可能となっ
ている。
【0049】PWM制御は、通電時間と非通電時間の比
(PWMデューティー比T_PWMBRK)を増減することにより
速度を制御している。つまり、本実施例では、設定時間
内にPZパルスが来なければPWMデューティー比T_PW
MBRKをアップしてズームモータ65への通電時間を長く
することにより高速化し、PZパルスが規定時間内に来
ればPWMデューティー比(T_PWMBRK)をダウンしてズ
ームモータ65への通電時間を短くすることにより低速
化する、という制御により一定速度制御を実現している
(図14参照)。
【0050】また、本実施例では、起動時(モータが停
止状態またはブレーキ状態から動作状態になった時)に
はデューティー比を最小(通電時間を最短)にセットし
てからズームモータ65への通電を開始し、PZパルサ
ー69が出力するパルスをカウントする。そして、設定
時間内にパルスが出力されないときにはデューティー比
を徐々に上げる一方、設定時間内にパルスが出力された
ときにはデューティー比を下げることにより、設定時間
周期でパルスが出力されるようにズームモータ65の加
速制御および一定速制御をしている。
【0051】先ず、ズームモータ65が起動かどうか
(フラグF_STARTがセットされているか)をチェックす
る(S401)。起動であれば、最低速で起動するため
に、PWMタイマT_PWMをクリアし、PWMデューティ
ー比T_PWMBRKを最小値にセット(最低速)してS405
に進み、起動でなければ、なにもせずにS405に進む
(S401、S403)。また、モータ起動時デューテ
ィー比を最小に設定することで、撮影者による微細な駆
動操作を可能にすることができるとともに、自然なズー
ミング動作が得られる。
【0052】S405では、ズームスピード切替スイッ
チ75等により設定された速度に応じたパルス間隔(パ
ルス周期T_PWMPLS)をセットして、ズームモータ65に
通電する(S405、S407)。つまり、パルス間隔
T_PWMPLSでPZパルスが出力されるようにズーム速度を
制御することを意味する。
【0053】次に、速度に応じたPWM駆動か、DC駆
動かをチェックし、PWM駆動であればS411に進む
が、DC駆動であればそのままリターンする(S40
9)。S411では、PWMタイマT_PWMを1インクリ
メントする。そして、そのインクリメントした値がパル
ス周期T_PWMPLSの値を超えたかどうかをチェックし、超
えていればPWMデューティー比(T_PWMBRK)をアップ
し、超えていなければなにもしない(S413、S41
5)。つまり、設定時間(パルス周期T_PWMPLS)内にP
Zパルスが来なければPWMデューティー比(T_PWMBR
K)をアップして通電時間を長くして設定速度まで高速
化を図るのである。
【0054】そして、PWMデューティー比(T_PWMBR
K)をセットし、PWM用タイマ(T_PWM)をスタートさ
せ、2msタイマ割込みを許可して終了する(S417、
S419)。なお、S407〜S419部分が図14の
(A)、(C)、(D)時刻に相当する。
【0055】また、PZパルサー69からPZパルスが
出力されると、図12のPZパルスカウント割込み処理
に入る。PZパルスカウント割込み処理では、先ずパル
ス周期T_PWMPLSとPWMタイマT_PWMとを比較し、パル
ス周期T_PWMPLSの方が大きければ、パルス周期T_PWMPLS
内にパルスが出力されたのでPWMデューティー比T_PW
MBRKを下げてからPWMタイマT_PWMをクリアし、パル
ス周期T_PWMPLSの方が小さければ、1パルス周期T_PWMP
LS経過後にパルスが出力されたのでPWMタイマT_PWM
をクリアして終了する(S421、S423、S42
5)。
【0056】図13のPWM割込みルーチンでは、割込
みを禁止し、ズームモータ65にブレーキをかけて、I
NT2(PWM)割込みを禁止し、他の割込みを許可し
てリターンする(S431〜S437)。この部分の処
理は、図14の(B)時刻に相当する。
【0057】本実施例のPWM制御では、パルス周期T_
PWMPLSを、ズームスピード切替えスイッチ75等によっ
て指定された速度に応じて、低速は8、中速は4、高速
は3の3段階に設定する。また、PWMタイマT_PWMは
モータ起動時及びPZパルサー69からPZパルスが出
力され、PZパルスカウント割込み処理に移ったときに
クリアされ、その後PZパルスが出力されるまで2msタ
イマ割込みルーチンのS411にてカウントアップされ
る。従って、PWMタイマT_PWMは、前回のPZパルス
が出力されてからの経過時間の倍数をほぼ表わすことに
なる。ただし、PZパルスの出力間隔は、高速時でも2
msタイマ割込みの周期より大きいものとする。
【0058】例えば、高速3のとき(パルス周期T_PWMP
LS=3)の前回PZパルス出力がされてからの経過時間
は、2ms×3=6msとなる。低速8のときには、パルス
周期T_PWMPLS=8になる。この低速のときの処理を、図
11および図12に示したフローチャートを参照して説
明する。2msタイマ割込みのS413において、パルス
周期T_PWMPLSがPWMタイマT_PWMよりも小さいと判断
したとき、すなわち前回PZパルスが出力されてから2
ms×8=16msよりも長い時間が経過しているときに
は、PWMデューティー比を上げる処理(S415)に
進む。
【0059】また、逆に、PZパルスカウント割込み処
理内では、S421のチェックにおいて、パルス周期T_
PWMPLSがPWMタイマT_PWMよりも大きいときは、すな
わち前回PZパルスが出力されてから2ms×8=16ms
経過前にPZパルスが出力されたことになるので、PW
Mデューティー比を下げる(S423)。
【0060】以上のように、設定されたパルス周期T_PW
MPLSでPZパルスが出力されるようにPWMのデューテ
ィー比(T_PWMBRK)を上げ下げすることによって、PZ
パルスの出力間隔が一定になる一定速度制御を実現して
いる。また、設定するパルス周期T_PWMPLSを変えること
により、PZパルスの出力間隔、すなわち制御速度を変
えることができる。
【0061】『像倍率一定ズーム』次に像倍率一定ズー
ム(ISZ)について説明する。像倍率一定ズームと
は、像倍率(撮影倍率)をm、被写体距離をD、焦点距
離をfとしたときに、m=f/Dで表わされる像倍率m
が被写体距離Dの変動にかかわらず一定になるように焦
点距離fを制御することである。
【0062】先ず、像倍率一定ズームの原理について説
明する。説明を簡単にするため、前群および後群の2群
で構成されているズームレンズに基づいて説明する。こ
のズームレンズの像倍率mは、下記式により表わされ
る。 m=x/f=f/f m =m・m=x・f/f … ただし、m :像倍率 m:前群の倍率 m:後群の倍率 f:前群の焦点距離 f :合成焦点距離 x :∞端からの前群レンズ繰出し量(移動量)
【0063】像倍率設定時の繰出し量をx、焦点距離
をfとすると、像倍率mは、 m=x・f/f …となる。
【0064】ここで、合焦処理によりレンズがxまで移
動したときに、像倍率mが下記式を満足する焦点距
離fを求めれば、像倍率を一定にできる。 m=x・f/f … 上記および式より、 x・f/f =x・f/f となる。したがって、求める焦点距離fは、 f=x・f/x … となる。
【0065】また、AF測距により、レンズ繰出し量x
のときにディフォーカス量Δxが得られたとすると、 f=x・f/(x+Δx) … 式により目標となる焦点距離fが求まる。
【0066】以上は像倍率一定ズームの原理であるが、
実際の制御においては、レンズ繰出し量はコード板、A
Fパルサー等によって管理される。なお、AFパルサー
は、繰り出し量とほぼリニアな関係になるように構成さ
れる。したがって、の式の繰出し量x及びxは、
∞端からのAFパルス数に、デフォーカス量はデフォー
カスパルス数にそれぞれ置き換えて考えることができ
る。
【0067】次に、本実施例における実際の演算方法に
ついて説明する。本実施例では、レンズCPU61によ
り像倍率一定ズーム(制御ズーミング)動作がなされ
る。また、その演算も、カメラボディ11から送られた
像倍率に基づいて演算する場合と、ある時点における被
写体距離および焦点距離に基づいて演算する場合とがあ
る。
【0068】(1)ボディから像倍率mが送られてき
た場合 (i) mより、仮の設定値、繰出しパルス数xおよ
び焦点距離fを求める。先ず、 f=|f| …とする。 ここで、xに対応する繰出し量をXとおくと、式に
より m=X・f/f … となる。レンズ繰出し量1mm当たりの繰出しAFパルス
数をkとすると、 x=X・k …となる。 以上の式におよび式を代入することにより、目的
の繰出しパルス数xが下記式のように求まる。 x=m・|f|・k …
【0069】(ii) 次に、および式からx・f
を演算し、その結果をxとおく。 x=x・f …(10)
【0070】(iii)目標焦点距離fを求める。現在位置
(現在の繰出しパルス数)xに基づいて演算する場合
は、下記式により求まる。 f=x/x …(11) デフォーカスパルス数Δxに基づいて求める場合は、下
記式により求まる。 f=x/(x+Δx) …(12)
【0071】(2)レンズRAM61bにメモリした繰
出しパルス数xおよび焦点距離fに基づいて求める
場合 (i) x・fは、メモリした繰出しパルス数x
よび焦点距離fにより、前記(10)式と同様に求め、演
算結果をxとおく。 x=x・f
【0072】(ii) 倍率mは、前記、および(10)
式により、下記式のように求まる。 m=x/(f ・k) …(13) (iii)目標焦点距離fを求める。目標焦点距離fは、先
の(1)の(iii)と同様にして、求まる。なお、前群の
焦点距離fはレンズ固有のデータであり、レンズRO
M61aにメモリされている。
【0073】『ISZ処理』次に、上記原理に基づいた
本実施例の像倍率一定(イメージサイズ指定)ズーム
(ISZ)に関する演算処理について、図15および図
16に示したフローチャートに基づいてより詳細に説明
する。この処理は、レンズCPU61により実行され
る。なお、像倍率の設定は、ズームスピード切替えスイ
ッチ75またはセットスイッチ(SLスイッチ)により
行なわれる。詳細は、図91を参照して後述する。IS
Z演算は、設定された像倍率の算出および設定像倍率を
維持するための焦点距離の算出に関する。焦点距離の演
算は、合焦を条件とする場合としない場合、撮影レンズ
で演算する場合とカメラボディで演算する場合がある。
合焦を条件にする場合は、合焦時のレンズ繰出し量に基
づいて像倍率および目標レンズ繰出し量を算出する。合
焦を条件としない場合は、デフォーカス量および現焦点
距離に基づいて像倍率および目標レンズ繰出し量を算出
する。
【0074】先ず、通信割込みを禁止(SEI)し、カ
メラボディ11から転送された通信情報に基づいてどの
ようにISZの演算を行うかを、フラグ(F_STIS、F_IS
ZM、F_ISZFOM、F_ISZXOM)によりチェックする(S45
1、S453、S465、S477、S479)。これ
らのフラグは、カメラボディ11との間でISZに関す
る通信が行なわれたことを示し、各々の通信が行なわれ
たときにRAM61bにセット(メモリ)する。そし
て、これらのフラグに基づいて必要な演算を行なう。F_
STISは、ボディから転送されるデータ使用を指示するフ
ラグ、F_ISZMは撮影レンズのデータ使用を指示するフラ
グ、F_ISZFOMは、ボディからの焦点距離fデータ使用を
指示するフラグ、F_ISZXOMは、ボディからの被写体距離
xデータ使用を指示するフラグである。
【0075】カメラボディ11から送られた像倍率によ
り像倍率一定ズームを行なうとき(F_STIS=1のとき)
には、通信割込を許可し(CLI)、前記、および
(10)式によりxを求めてRAM61bの所定のア
ドレスにメモリし、割込みを禁止してフラグF_STISをク
リアする(S455〜S463)。
【0076】像倍率のメモリ処理が行なわれ、すでにメ
モリされている焦点距離および被写体距離により像倍率
一定ズームを行なうとき(F_STIS=0、F_ISZM=1のと
き)には、割込みを許可し、前記被写体距離(繰出しパ
ルス数)xおよび焦点距離fからxを算出
し、前記(13)式により像倍率mを求めてこれらをRA
M61bの所定のアドレスにメモリし、通信割込みを禁
止してフラグF_ISZMをクリアする(S465〜S47
5)。
【0077】カメラボディ11から送られた焦点距離f
および被写体距離(繰出しパルス数)xにより像倍
率一定ズームを行なう場合(F_STIS=0、F_ISZM=0か
つF_ISZFOM=1、F_ISZXOM=1)には、先ず、受信した
焦点距離f0および被写体距離xに基づいてx
を求めてメモリし、さらに(13)式により像倍率mを求
め、割込みを禁止し、フラグF_ISZFOM、F_ISZXOMをクリ
アする(S477〜S489)。以上のいずれでもなけ
れば、カメラボディ11との間でISZの演算に関する
通信は行なわれていないのでなにもしない。
【0078】次に、カメラボディ11からすでに送られ
てきたデフォーカス量Δxが有効かどうかをフラグF_FP
REOKの状態によりチェックし、有効であればフラグF_FP
REをセットするが、有効でなければフラグF_FPREをセッ
トしない(S491、S493)。
【0079】そして、ISZズームモードであるかどう
かをチェックし、ISZズームモードであれば現在のフ
ォーカシングレンズ53Fの位置(被写体距離)が分か
っている(F_AFPOS=1)かどうかをチェックし、分か
っていれば(F_AFPOS=1)、プレディクタ演算結果を
使用して制御するFPRE‐OP処理に進み、分かって
いなければ(F_AFPOS=0)ISZ処理を抜ける(S4
95、S497)。
【0080】制御ズーム(ISZ)モードでなければ、
フラグF_FPREOK、F_FPRE、F_ISOKをそれぞれクリアし、
さらに、所定アドレス(LNS_INF1)の各ビットデータと
ビット「00000111B」の各ビットの論理和をとったデー
タを、所定アドレス(LNS_INF1)にメモリしてISZ処
理を抜ける(S495、S498、S499)。
【0081】『FPRE‐OP処理』S501〜S51
3に示した、プレディクタ演算結果(デフォーカス量)
に基づいて目標焦点距離fを求める(FPRE‐OP)
処理について、図17のフローチャートを参照して説明
する。これはレンズCPU61により実行される処理で
あって、カメラボディ11との通信によりデフォーカス
量がカメラボディ11より送られてきたとき(この通信
中にフラグF_FPREがRAM61bにセット(メモリ)さ
れる)、及びカメラボディ11とのISZに関する通信
により、S453〜S463、S465〜S475、あ
るいはS477〜S489が実行されてxの値が
変更され、かつS491〜S493によりフラグF_FPRE
がセットされた場合に実行される。このフラグF_FPRE
は、デフォーカス量による目標焦点距離fを求める演
算、f=x・f/(x+Δx)を実行するかしない
かを決めるフラグである。
【0082】この処理に入ると、フラグF_FPREがセット
されているかどうかをチェックしてプレディクタ量によ
る演算処理を行なうかどうかを判断する(S501)。
フラグF_FPREがセットされていなければS515に飛
び、セットされていれば以下の処理を行なう。
【0083】先ず、フラグF_FPREをクリアし、通信割込
みを禁止し、プレディクタ量を利用した式(12)により目
標焦点距離fを求めて通信割込みを禁止する(S503
〜S509)。次に、目標焦点距離fを、WIDE端か
らの目標PZパルス数に変換してRAM61bの所定の
アドレス(PZPFPRE)にメモリし、プレディクタ量によ
る演算が有効であることを示すフラグF_FPREOKをセット
してS515に進む(S511、S513)。
【0084】S515〜S521は、現在のAFパルス
(繰出しパルス数)による目標焦点距離fを求める処理
である。S515では、割り込み許可(CLI)処理を
行ない、(11)式により目標焦点距離fを演算してRAM
61bの所定のアドレス(ISZ_FL、H)にメモリし、割込
み禁止(SEI)処理を行なう(S515、S51
7)。さらに演算した目標焦点距離fをWIDE端から
の目標PZパルスに変換してそのパルス変換値をRAM
61bの所定のアドレス(PZPF)にメモリする(S51
9、S521)。
【0085】ここで、S529で演算されるLNS_I
NF1のbit3〜7の内容について説明する。LNS
_INF1の情報(表4参照)は、カメラボディとの通
信により、定期的にレンズからボディへ送られる情報で
ある。そのうち、bit3〜7がISZモードに関する
情報である。
【0086】bit6、7は、ISZ演算によって求め
られた目標のPZパルス(PZPFPREあるいはPZ
PF)が、現在位置のPZパルスと比べ、WIDE側に
あるか、TELE側にあるかを示すフラグである。WI
DE側にあればbit7がセットされ、TELE側にあ
ればbit6がセットされ、また一致していれば、bi
t6、7はともにセットされない。
【0087】bit3〜5は、目標PZパルス数と現在
位置のPZパルス数の差、すなわち、現在位置から目標
位置まで移動するのに要するPZパルス数を、PZの総
パルス数(WIDE端からTELE端まで移動させるの
に要するPZパルス数)で割ったおよその値を0〜7/
8の範囲で1/8単位で表す。重みづけはbit3が1
/8、bit4が1/4、bit5が1/2である。現
在位置と目標位置とが一致した場合は上記値は0なの
で、bit3〜5はすべて“0”にクリアされ、現在位
置がWIDE端で目標位置がTELE端またはその逆の
場合は7/8になるので、bit3〜5はすべて“1”
にセットされる。
【0088】このように、ISZモードにおいてカメラ
ボディ11は、パワーズームレンズ51からLNS_I
NF1情報を定期的あるいは必要時に受信することによ
り、パワーズームレンズ51に対して適切なISZ制御
情報を送信することができる。
【0089】次に、プレディクタ演算結果が有効(F_FP
REOK=1)かどうかをチェックし、有効であればプレディ
クタ演算を使用して求めた目標PZパルス数(PZPFPR
E)をアキュムレータ(ACC)にメモリし、有効でなけれ
ば現在のAFパルス数に基づいて求めた目標PZパルス
数(PZPF)をアキュムレータにメモリする(S523、
S525、S527)。次に、アキュムレータに入れた
目標PZパルス数に基づいてLNS_INF1のbit3〜7の値
を演算し、RAM61bの所定のアドレス(LNS_INF1の
bit3〜7)にメモリして割込み禁止(SEI)処理を
行なう(S529、S531)。
【0090】そして、像倍率一定ズームモードが選択さ
れていること、現在のズーミングレンズ群53Zの位置
(焦点距離)が得られていること(フラグF_PZPOS=
1)、および像倍率一定ズーム中であること(フラグF_
ISOK=1)を条件に以下の処理を行なうが、上記条件が
一つでも欠けていればS551に飛ぶ(S533〜S5
37)。
【0091】プレディクタ演算結果による目標焦点距離
(PZパルス数)の演算が有効であり(フラグF_FPREOK
=1)、かつISZの制御フラグがセットされていれば
(フラグF_ISZD=1)、プレディクタ演算結果を利用し
て求めたPZパルス数((11)式による)を目標パルス数
としてRAM61bの所定のアドレス(PZPTRGT)にメ
モリする(S539、S541、S543)。しかし、
プレディクタ演算結果による目標焦点距離の演算が無効
(F_FPREOK=0)か、ISZ制御フラグがクリアされて
いれば、現在位置のAFパルス(繰出しパルス数)に基
づいて(12)式により求めたPZパルス数を上記所定のア
ドレス(PZPTRGT)にメモリする(S539、S54
1、S545)。なお、フラグF_ISZDは、ボディ11か
ら通信によって送られ、RAM61bにメモリされたデ
ータであり、F_ISZD=1でプレディクタ演算結果による
演算値でISZ制御を実行し、F_ISZD=0でAFパルス
の現在位置による演算値でISZ制御を実行する。
【0092】そして、カメラボディ11から通信により
送られてきてRAM61bにメモリされているISZの
ズームスピードデータ(BD_ST1のbit6、7)をRAM61
bの所定のアドレス(SPDDRC2のbit2、3)にメモリし、
像倍率一定ズームフラグF_ISZをセットし、割り込みを
許可してリターンする(S547、S549、S55
1)。この像倍率一定ズームフラグF_ISZは、レンズC
PU61が目標焦点距離の算出およびズームモータ69
の駆動設定が完了し、ズームレンズ群53Zを駆動する
準備が完了したことを示すものである。このF_ISZがセ
ットされると、2msタイマ割込みルーチンにおいて像倍
率一定ズーム処理がなされる。また、PZPTRGT、SPDDRC
の値も2msタイマ割込みルーチンで利用される。
【0093】『インストラクション処理』次に、カメラ
ボディ11からインストラクションコード(コマンド)
を受信したときにパワーズームレンズ51において実行
されるインストラクション処理について、図19ないし
図26に示したフローチャートおよびインストラクショ
ンコードの内容を示した表1および表2を参照して説明
する。なお、これらのインストラクションコードは、図
8の通信割込みルーチンのS217の詳細である。コマ
ンドの下位の内容によって各インストラクション処理が
実行される。STANDBYコマンドは、レンズCPU
61をスリープ状態にさせるコマンドである。STAN
DBYコマンドを入力したときの処理に関するフローチ
ャートを図19に示してある。
【0094】レンズCPU61は、STANDBYコマ
ンドを受信すると、フラグF_STNDBYをセットし、コマン
ド受信完了信号をボディ11に送信し、通信割込みを許
可してリターンする(S601、S602、S60
3)。レンズCPU61は、フラグF_STNDBYをメインル
ーチンのS143においてチェックし、このフラグF_ST
NDBYが立っているときには、クロック91を停止させて
低消費電力状態(スタンバイモード)に移行する(図7
参照)。
【0095】AF‐INTPOSコマンドは、カメラボ
ディ11がAFモータ39によりフォーカシングレンズ
53Fを∞端に移動させた後に送られるコマンドで、パ
ワーズームレンズ51のAFパルスカウンタをクリアさ
せるAFの初期化処理コマンドである。このAF‐IN
TPOSコマンドを入力したときのレンズCPU61の
処理に関するフローチャートを図20に示してある。
【0096】レンズCPU61は、AF‐INITPO
Sコマンドを入力すると、まず距離コード板81から距
離コードデータを入力する(S611)。距離コードデ
ータが∞端(ファー端)であれば、RAM61b内に設
けられているAFパルス現在位置データ(AFPXL,H)およ
びAFパルススタート位置データ(AFPSTRTL,H)をクリア
し、フォーカシングレンズ53Fの現在位置が判明して
いることを識別するフラグF_AFPOSをセットしてS61
5に進み、∞端でなければ、上記ステップをスキップし
てS615に進む(S612〜S614)。そして、コ
マンド受信完了信号をボディ11に出力し、通信割込み
を許可してリターンする(S615、S616)。
【0097】PZ‐INITPOSコマンドは、レンズ
CPU61がズーミングレンズの位置を知るために初期
化動作を行なわせるコマンドである。本実施例では、ズ
ームモータ65を起動してズームコード板71のコード
の境目72を検出したときに、そのコードに対応するP
Zパルス数をPZパルスカウンタにセットする。PZ‐
INITPOSコマンドを入力したときの処理に関する
フローチャートを図21に示してある。なお、PZパル
スのカウント等の処理は、後述の「POS‐NG処理」
(図87)において説明する。
【0098】レンズCPU61は、PZINTPOSコ
ードを入力すると、フラグF_PZPOSをクリアし、各フラ
グF_BATREQ、F_IPZB、F_MOVをセットし、レンズRAM
61bのSPDDRC1に所定のデータ(スピード最低
速、方向TELE)をメモリし、現在位置からコードの境界
部までのPZパルスをカウントするPZパルスカウンタ
のPZPA2Bを0にする(S621〜S624)。そ
して、コマンド受信完了信号を出力し、通信割込みを許
可してリターンする(S625〜S626)。なお、こ
れらのセットされた値に基づいて、2msタイマ割込み処
理中にパワーズーム関係(PZ)の初期化動作が行なわ
れる。
【0099】RETRACT‐PZコマンドは、カメラ
ボディのメインスイッチがオフされた場合などに、パワ
ーズームレンズ51の鏡筒長が最短状態になるようにパ
ワーズームさせるコマンドである。RETRACT‐P
Zコマンドを入力したときの処理に関するフローチャー
トが図22に示されている。
【0100】レンズCPU61は、このRETRACT
‐PZコマンドを受信すると、現在の焦点距離データを
レンズRAM61bの所定アドレス(RETPOSL,H)にメモ
リし、レンズ鏡筒長が最短となるPZパルスデータ(レ
ンズ固有のデータ)をレンズRAM61bの所定アドレ
ス(PZPTRGT)にセットし、SPDDRC2に所定のデータ(最高
速)をセットする(S631、S632、S632‐
2)。そして、各フラグF_BATREQ、F_IPZB及びフラグF_
MOVTRGをセットし、コマンド受信完了信号を送信し、通
信割込みを許可してリターンする(S634〜S63
6)。
【0101】リトラクト(収納)前の焦点距離データ
は、別の通信コマンド(FOCALLEN‐Xコマン
ド)にてカメラボディ11に送信される。なお、フラグ
F_BATREQはパワーズームレンズ51にパワーズーミング
用の電力供給を要求するフラグであり、フラグF_IPZBは
レンズ内でズーミングの制御(ISZ、PZ‐INIT
POS等)を行なっていることを示すフラグであり、フ
ラグF_MOVTRGは、アドレスPZPTRGに設定された目標パル
ス位置までズーミングレンズ53Zを動かすように、2
msタイマ割込み処理において実行させるフラグである。
なお、これらの設定された値に基づいて2msタイマ割込
みルーチンにおいて、ズーミングレンズ53Zに関する
収納動作が行なわれる。
【0102】RET‐PZPOSコマンドは、RETR
ACT‐PZコマンドによるズーミングレンズ群53Z
の収納状態から収納前の状態に復帰させるコマンドであ
る。つまり、カメラボディのメインスイッチSWMAINが
オンされた場合等に、ズーミングレンズ53Zを収納前
の状態に復帰(リトラクトパワーズーミングする前の焦
点距離位置まで復帰)させるコマンドである。このRE
T‐PZPOSコマンドを入力したときの処理に関する
フローチャートを図23に示してある。
【0103】レンズCPU61は、PET‐PZPOS
コマンドを受信すると、このコードに含まれる、リトラ
クトパワーズーム直前に送信したリトラクト前の焦点距
離データ(RETPOSL,H)をレンズRAM61bの所定ア
ドレス(FCLL、H)にセットする(S641)。なお、この
アドレスRETPOSL,Hには、別の通信コマンドにてカメラ
ボディ51より送られてきた収納前の焦点距離データが
メモリされている。そして、上記焦点距離データを目標
パルス数に変換し、目標パルス数PZPTRGとしてレ
ンズRAM61bの所定のアドレスにメモリし、SPDDRC
2に所定のPZスピードデータ(高速)をメモリし、フ
ラグF_BATREQ、F_IPZB、F_MOVTRGをセットし、コマンド
受信完了信号を送信し、通信割込みを許可してリターン
する(S642〜S646)。なお、この復帰処理も、
2msタイマ割込み処理において実行される。
【0104】IPZ‐STOPコマンドは、パワーズー
ミング動作をストップさせるためのコマンドである。こ
のコマンドは、ISZ(像倍率一定)、PZ‐INIT
POS(復帰)、RETRACT‐PZ(収納)等の制
御パワーズーミングをストップさせるコマンドであり、
マニュアルパワーズームをストップさせるものではな
い。IPZ‐STOPコマンドを入力したときの処理に
関するフローチャートを図24に示してある。
【0105】レンズCPU61は、IPZ‐STOPコ
マンドを入力すると、フラグF_ISOKをクリアし、さらに
パワーズーム動作の実行に関する所定のフラグ(F_MOVT
ARG、F_MOV、F_ISZ)をクリアする(S651、S65
2)。そして、コマンド受信完了信号を出力し、通信割
込みを許可してリターンする(S653、S654)。
これらのフラグがクリアされるため、2msタイマ割込み
処理内では、マニュアルパワーズーム以外の、例えばI
SZ等の制御パワーズーミングは行なわれなくなる。
【0106】ISZ‐MEMORYコマンドは、像倍率
一定ズームを行なうために、AFパルスおよび焦点距離
の現在値を入力してメモリするためのコマンドである。
ISZ‐MEMORYコマンドを入力したときの処理に
関するフローチャートを図25に示してある。
【0107】レンズCPU61は、ISZ‐MEMOR
Yコマンドを入力すると、AFパルスカウンタの現在値
(AFPXL,H)をISZAFパルスメモリ(ISZ_AFPL,H)(レ
ンズRAM61bの所定アドレス)にメモリし、焦点距
離の現在値(FCLXL,H)をISZ焦点距離メモリ(ISZ_FCL
L,H)(レンズRAM61bの所定アドレス)にメモリす
る(S661、S662)。そして、フラグF_ISZMをセ
ットし、コマンド受信完了信号を出力し、通信割込みを
許可してからリターンする(S663〜S665)。こ
れらの値をもとに、図15のS465〜S475に示さ
れるISZの演算が行なわれる。
【0108】ISZ‐STARTコマンドは、像倍率一
定ズームをスタートさせるコマンドである。ISZ‐S
TARTコマンドを入力したときの処理に関するフロー
チャートを図26に示してある。
【0109】レンズCPU61は、このISZ‐STA
RTコマンドを入力すると、各フラグF_BATREQ、F_IPZ
B、F_ISOKをセットし、データ送信完了信号を出力し、
通信割込みを許可してリターンする(S671〜S67
3)。これらのフラグに基づいて2msタイマ割込み処理
や、図18のS537以降の処理が行なわれる。
【0110】『BLコマンドサブルーチン』次に、カメ
ラボディ11からBLコマンドを受信したときのパワー
ズームレンズ51における動作について、図27〜図3
7および表3を参照して説明する。このBLコマンド通
信処理では、先ずコマンド受信完了信号を出力し、その
後にデータを入力し、入力完了信号を出力する点が、イ
ンストラクションコマンドサブルーチンのときと相違す
る。なお、これらBLコマンドは、図8の通信割込みル
ーチンにおけるS213処理の詳細である。コマンドの
下位の内容によって各コマンド処理が実行される。
【0111】PZ‐BSTATEコマンド(20)は、
ISZ(像倍率一定ズーム制御)に必要なデータを送る
コマンドである。このコマンドにより送られるデータに
は、フォーカシングレンズ53Fがファー端(無限遠
端)(F_ENDF=1)にあるかニア端(最近距離端)(F_
ENDN=1)にあるか、ファームーブ(F_FARM=1)かニ
アムーブ(F_NEARM=1)か、オーバーラップ積分中(F
_OVAF=1)かどうか、動体予測モード(F_MOBJ=1)
かどうか、合焦状態(F_AFIF=1)かどうか、像倍率を
メモリするときにボディの命令(通信)によりメモリす
るか、レンズ自身(レンズCPU61)の判断でメモリ
するか(F_ISM=1)等に関するデータが含まれる。図2
7には、PZ‐BSTATEコマンドを受信したときの
処理に関するフローチャートを示してある。
【0112】レンズCPU61は、PZ‐BSTATE
コマンドを入力すると、コマンド受信完了信号を送信
し、カメラボディ11から1バイトのPZ‐BSTAT
Eデータを入力し、AFパルスカウント処理に関するC
NTAFPサブルーチンを実行する(S701〜S70
3)。なお、CNTAFPサブルーチンの詳細は、図3
9〜図43に示してあり、後でこれらの図に基づいて説
明する。
【0113】そして、データ入力完了信号を出力し、通
信割込みを許可してからリターンする(S704、S7
05)。なお、本実施例のカメラはAF駆動源をボディ
11に搭載してあるので、パワーズームレンズ51内で
AFパルスをカウントするときには、AF駆動前及び駆
動方向変更時等に、必ずこのコマンドでAFの駆動方向
情報等をボディ11からパワーズームレンズ51に送
る。
【0114】BODY‐STATE0コマンドは、ボデ
ィ状態に関するデータを撮影レンズに知らせるコマンド
で、撮影レンズとカメラボディ間の定期通信の際に送信
される。図28には、BODY‐STATE0コマンド
を受信したときの処理に関するフローチャートを示して
ある。
【0115】レンズCPU61は、このBODY‐ST
ATE0コマンドを入力すると、コマンド受信完了信号
を送信し、カメラボディ11から1バイトのボディ状態
に関するデータ(BODY‐STATE0)を入力し、
そのデータをレンズRAM61bのBD_ST0にスト
アする(S711〜S713)。そして、上記1バイト
データの上位5ビットをマスクしてレンズRAM61b
のZM_MODEにストアしたら、データ入力完了信号
を出力し、通信割込みを許可してリターンする(S71
4〜S716)。
【0116】BODY‐STATE0データには、カメ
ラボディ11のパワーズームモードに関する情報とし
て、例えば、像倍率一定ズーム(ISZ)、露光間ズー
ム(EXZ)、マニュアルパワーズーム(MPZ)等の
情報が下位3ビットに含まれ、上位5ビットには、ボデ
ィ回路系の電源がオン(F_VDD=1)しているか、測光
スイッチがオン(F_SWS=0)しているか、ボディ11
からズームモータに電力が供給されているか(F_BATT=
1)、ボディ11のAF/MF切替えスイッチ(図示せ
ず)がAFかMFか(F_SWAF=1かどうか)、AFのモー
ドがシングルかコンティニュアスかの情報が入る。
【0117】フラグF_BATTは、カメラ側で(メインCP
U35)が、端子VBATTに電力を供給する際に立て
る。一方、レンズ側では、レンズCPU61は、ポート
P12を介して端子VBATTの電圧レベルをモニタし
ていて、電圧が供給されているときはフラグF_VDETを立
てる。そして、フラグF_BDETは、POFF‐STATE
通信によりカメラ側(メインCPU35)に取り込まれ
る。カメラ側は、フラグF_BDETがセットされていること
により、正常に電力供給が行なわれていることを把握す
る。フラグF_BATTをセットしているにもかかわらず、フ
ラグF_BDETがクリアされているときは何らかの異常が発
生したものと認識し、端子VBATTへの電力供給を中
止する。
【0118】BODY‐STATE1コマンドはBOD
Y‐STATE0コマンドと同様のカメラボディ11の
状態に関するデータ送信に関するコマンドであり、カメ
ラボディ11のシーケンス状態情報が含まれる。図29
には、BODY‐STATE1コマンドを受信したとき
の処理に関するフローチャートを示してある。
【0119】レンズCPU61は、BODY‐STAT
E1コマンドを受信すると、コマンド受信完了信号を送
信してカメラボディ11から1バイトのデータ(BOD
Y‐STATE1)を入力し、レンズRAM61bのB
D_ST1にストアする(S721〜S723)。そし
て、フラグF_IPZDがセットされていればフラグF_ISOKを
クリアしてさらにアドレスBD_ST1のフラグF_MOVT
RG、F_MOV、F_ISZをクリアするが、フラグF_IPZDがセッ
トされていなければ上記処理を行なわない(S724、
S725、S726)。そして、データ入力完了信号を
出力し、最後に通信割込みを許可してリターンする(S
724、S727、S728)。
【0120】フラグF_IPZDがセットされている場合の動
作(S725〜S726)は、インストラクションコー
ド35のIPZ‐STOPコマンドと同様の処理であ
る。このコマンドはレンズCPU61に、ボディ側の情
報を受けさせると同時にIPZ‐STOPコマンドの実
行も兼ねさせる。本コマンドに関係するフラグについて
説明する。
【0121】F_IPZDは、上記のようにIPZ‐STOP
と同様の動作を行わせるかどうかを決めるフラグであ
る。F_MPZDは、マニュアルパワーズームを禁止するかど
うかを決めるフラグであり、F_MPZDがセットされている
ときにマニュアルパワーズームが禁止される。なお、こ
のフラグF_MPZDは2msタイマ割り込み処理において参照
される。F_ISZDは、ISZの制御を現在位置(合焦時)
のAFパルス数に基づいて求めた焦点距離で行うか、プ
レディクタ量により求めた焦点距離で行うかを決めるフ
ラグである。このフラグは、ISZの演算処理ル‐チン
(図18のS541)で参照される。F_ISSPAおよびF_I
SSPBは、ISZの制御スピードを決めるフラグであり、
図18のS547で参照される。
【0122】図30には、SET‐AFPOINTコマ
ンドを受信したときの処理に関するフローチャートを示
してある。レンズCPU61は、SET‐AFPOIN
Tコマンド(23)を入力すると、コマンド受信完了信
号を出力し、ボディ側から1バイトのSET‐AFPO
INTデータを受信してレンズRAM61bの所定のア
ドレスにセットし、データ入力完了信号を出力し、通信
割込みを許可してリターンする(S731〜735)。
【0123】SET‐AFPOINTコマンドは、LB
コマンド、LENS‐AFPULSE(15)の通信前
に、実行される。LENS‐AFPULSEコマンドで
は、SET‐AFPOINTコマンドで送られてきた情
報により、どのAFPULSEをパワーズームレンズ5
1からボディ11へ送るかを決める。
【0124】bit3(X)がセットされているとき
は、現在位置のAFパルス数(AFPULSE(AFP
XL,H))を送る。bit7(ISZM)がセットさ
れているときは、ISZモード時に像倍率をメモリした
ときのAFパルス数(AFPULSE(ISZ_AFP
L,H))を送る。なお、bit3とbit7とが同時
にセットされることはない。bit3及びbit7がセ
ットされていないときは、bit4〜6(FM0、FM
1、FM2)が有効となる。
【0125】レンズCPU61のレンズRAM61b内
には、AFパルスデータをメモリする領域が8個(0〜
7番)用意されており(AFP0L、H〜AFP7L,
H)、ボディ11からのコマンドによりそれぞれの番地
にAFパルスデータをメモリすることができる。なお、
bit4〜6の3ビットで0〜7番までのアドレスを指
定し、そのアドレスにメモリされているAFパルスデー
タを送る。なお、このコマンドは、LENS‐AFPU
LSE(15)においてボディ11に送るAFパルスデ
ータをどれにするかを指定するだけのコマンドである。
【0126】図31には、SET‐PZPOINTコマ
ンドを受信したときの処理に関するフローチャートを示
してある。レンズCPU61は、SET‐PZPOIN
Tコマンド(24)を入力すると、コマンド受信完了信
号を出力し、ボディ側からSET‐PZPOINTデー
タを受信してレンズRAM61bの所定のアドレスにセ
ットし、データ入力完了信号を出力し、通信割込みを許
可してリターンする(S741〜745)。
【0127】SET‐PZPOINTコマンドは、LB
コマンド、FOCALLEN‐X(16)の通信前に実
行される。FOCALLEN‐Xコマンドでは、SET
‐PZPOINTコマンドで送られてきた情報により、
現在位置の焦点距離データ、ISZモード時に像倍率を
メモリしたときの焦点距離のいずれをボディ11へ送る
かを決める。
【0128】bit3(X)がセットされているとき
は、現在位置の焦点距離データ(FCLXL,H)を送
る。bit7(ISZM)がセットされているときは、
ISZモード時に像倍率をメモリしたときの焦点距離
(ISZメモリの焦点距離(ISZ_FCLL,H))
を送る。なお、bit3とbit7とは同時にセットさ
れない。bit3及びbit7がセットされていないと
きは、bit4〜6(FM0、FM1、FM2)が有効
となる。
【0129】レンズRAM61b内には、焦点距離をメ
モリする領域が8個(0〜7番)用意されており(FC
L0L、H〜FCL7L,H)、ボディ11からのSE
T‐PZPOINTコマンドによりそれぞれの番地に焦
点距離をメモリすることができる。そのうち、bit4
〜6の3ビットで、0〜7番までのアドレスを指定し、
そのアドレスにメモリされた焦点距離を送る。なお、こ
のコマンドは、FOCALLEN‐X(16)において
ボディ11に送る焦点距離をどれにするかを指定するだ
けのコマンドである。
【0130】STORE‐AFPコマンドは、指定され
たアドレスに所定のAFパルスデータをセットさせるコ
マンドである。図32には、STORE‐AFPコマン
ドを受信したときの処理に関するフローチャートを示し
てある。
【0131】レンズCPU61は、STORE‐AFP
コマンド(25)を受信すると、コマンド受信完了信号
を出力してカメラボディ11から2バイトのデータを入
力する(S751、S752)。入力したデータを、そ
の内のあるビットがISZメモリでなければ(ISZM
=0)、そのデータ内のAM0〜AM2により指定され
たレンズRAM61bのアドレス(AFP0L,H〜A
FP7L,H)にメモリし、ISZメモリであれば(I
SZM=1)、レンズRAM61bのISZメモリ(I
SZ‐AFPL,H)にストアする(S751〜S75
6)。そして、ISZ演算フラグF_ISZXOMをセットし
て、データ入力完了信号を出力し、通信割込みを許可し
てリターンする(S757〜758)。
【0132】STORE‐DEFP&Dコマンド(2
6)は、カメラボディ11側のAFに関するデフォーカ
ス量及びデフォーカスパルスをレンズRAM61bにメ
モリさせるコマンドである。図33には、STORE‐
DEFP&Dコマンドを受信したときの処理に関するフ
ローチャートを示してある。
【0133】レンズCPU61は、STORE‐DEF
P&Dコマンドを受信すると、コマンド入力完了信号を
出力してカメラボディ11から2バイトのデフォーカス
パルスデータおよび2バイトのデフォーカス量データを
入力し、入力したデフォーカスパルスを1/2倍する
(S761〜S764)。本実施例では、ボディAFパ
ルス:レンズAFパルスが2:1なので、入力したデフ
ォーカスパルスを1/2倍している。なお、この比は任
意に設定可能である。
【0134】そして、フラグF_SIGNがクリアされていれ
ばデフォーカスパルス数に現在のAFパルス数を加算し
てISZ_FPXにストアし、フラグF_SIGNが立ってい
れば現在のAFパルス数からデフォーカスパルス数を減
算してISZ_FPXにストアする(S765〜S76
7)。フラグF_SIGN=1のときはFAR端側へのデフォー
カス量で、フラグF_SIGN=0のときはNEAR端側へのデ
フォーカス量である。そしてフラグF_FPREを立ててデー
タ入力完了信号を出力し、通信割込みを許可してリター
ンする(S765〜S771)。このように通信により
送られたデフォーカスパルスは、ISZ演算ルーチン内
で、デフォーカスパルスを利用して目標焦点距離を求め
る演算に使用される。また、フラグF_FPREは、デフォー
カス量を利用した演算実施の指示フラグである。
【0135】STORE‐PZPコマンド(27)は、
現在のAFの位置(フォーカシングレンズの位置または
合焦被写体距離)および現在のPZの位置(ズーミング
レンズ群53Zの位置または焦点距離)を指定のメモリ
(アドレス)にメモリさせるコマンドである。STOR
E‐PZFコマンド(28)は、カメラボディ11で指
定した焦点距離を所定のアドレスに記憶させるコマンド
である。
【0136】図34には、STORE‐PZPコマンド
を受信したときの処理に関するフローチャートを示して
ある。レンズCPU61は、STORE‐PZPコマン
ドを受信すると、コマンド受信完了信号を出力してカメ
ラボディ11から1バイトのデータを入力する(S78
1、S782)。このデータ内でPZメモリと指定され
ているとき(フラグF_PZMが立っているとき)には、現
在位置の焦点距離データをFM0〜FM2により指定さ
れたアドレス(FCL0L,H〜FCL7L,H)にメ
モリし、PZメモリでないときにはメモリしない(S7
83、S784)。
【0137】さらに、AFメモリと指定されているとき
(フラグF_AFMが立っているとき)には、現在位置のA
Fパルス数をAM0〜AM2により指定されたアドレス
(AFP0L,H〜AFP7L,H)にメモリし、AF
メモリでないときには何もせずに、データ入力完了信号
を出力し、通信割込みを許可してリターンする(S78
5〜S788)。
【0138】図35には、STORE‐PZFコマンド
を受信したときの処理に関するフローチャートを示して
ある。レンズCPU61は、STORE‐PZFコマン
ドを受信すると、カメラボディ11から2バイトのデー
タを入力し、これがISZメモリでなければ(フラグF_
ISZMが立っていなければ)、入力した2バイトのデータ
をビットFM0〜FM2により指定されたレンズRAM
61bのアドレス(FCL0L,H〜FCL7L,H)
にストアし、ISZメモリであれば(F_ISZMが立ってい
れば)、入力したデータをISZ用メモリにストアし、
焦点距離に基づいてISZの演算を実行するフラグF_IS
ZFOMを立てる(S791〜S796)。そして、データ
入力完了信号を出力し、通信割込みを許可してリターン
する(S797〜S798)。
【0139】STORE‐IS(29)コマンドは、像
倍率メモリ(レンズRAM61bのアドレスISZ‐I
MGL,H)に像倍率をメモリさせるコマンドである。
図36には、STORE‐ISコマンドを受信したとき
の処理に関するフローチャートを示してある。
【0140】レンズCPU61は、STORE‐ISコ
マンドを受信すると、コマンド受信完了信号を出力し、
カメラボディ11から2バイトの像倍率に関するデータ
を入力し、そのデータを像倍率メモリ(ISZ‐IMG
L,H)にストアし、フラグF_STISをセットする(S8
01〜804)。そして、データ入力完了信号を出力
し、通信割込みを許可してリターンする(S805〜S
806)。なお、フラグF_STISは、ボディ側から送られ
てくる像倍率に基づいて像倍率一定ズームISZの演算
を実行させるフラグである。
【0141】MOVE‐PZMDコマンド(2A)は、
指定方向、または指定したメモリ(レンズRAM61b
のアドレス)の焦点距離にパワーズームさせるコマンド
である。MOVE‐PZfコマンド(2B)は、指定焦
点距離、例えばカメラボディ11側で演算した焦点距離
にパワーズーミングさせるコマンドであり、このコマン
ドにより授受されるデータには、焦点距離およびズーミ
ングスピードに関するデータが含まれる。
【0142】図37には、MOVE‐PZMDコマンド
を受信したときの処理に関するフローチャートを示して
ある。レンズCPU61は、このMOVE‐PZMDコ
マンドを入力すると、コマンド入力完了信号を出力し、
カメラボディ11から1バイトのデータを入力する(S
811〜S812)。そして、入力したデータ中のフラ
グF_MDMが立っていれば、MVM0〜MVM2により指
定されたアドレス(FCL0L,H〜FCL7L,H)
からデータを読み出して、PZパルスデータに変換して
レンズRAM61bのPZPTRGETにストアし、駆
動スピードデータ(bit6,7のF_SPA,F_SPB)をSPDDR
C2にセットし、フラグF_MOVTRGを立てるが、フラグF_
MDMが下りていれば、入力したデータの上位4ビットを
アドレスSPDDRC1にストアし、フラグF_MOVをセ
ットする(S813〜S819)。これらのデータは、
2msタイマ割込みルーチンの中で参照され、指定された
動作のパワーズームが行なわれる。
【0143】フラグF_LBATREQおよびF_IPZBをセットし
たら、データ入力完了信号を出力し、通信割込みを許可
してリターンする(S820〜S820‐2)。なお、
フラグF_MDM(bit3)が立っているときは、指定したメモ
リにストアされている焦点距離にパワーズームさせるコ
マンドとなり、フラグF_MDMが立っていないときは、フ
ラグF_MDT、F_MDW(bit4,5)で指示される方向にパワーズ
ームさせるコマンドとなる。フラグF_MDTがTELE方
向駆動を指定し、フラグF_MDWがWIDE方向駆動を指
定し、フラグF_SPA、F_SPB(bit6,7)は、ズーミングスピ
ードを指定する。
【0144】図38には、MOVE‐PZfコマンドを
受信したときの処理に関するフローチャートを示してあ
る。レンズCPU61は、MOVE‐PZfコマンドを
入力すると、コマンド受信完了信号を出力し、カメラボ
ディ11から2バイトの焦点距離データを入力し、入力
した焦点距離データをPZパルスデータに変換してレン
ズRAM61bのアドレスPZPTRGTにストアし、
SPDDRC2に駆動スピードデータをセットし、フラ
グF_BATREQ、F_IPZB、F_MOVTRGをセットする。これらの
データは2msタイマ割込みルーチン内で参照され、指定
された動作のパワーズームを実行させる。そしてデータ
入力完了信号を出力し、通信割込みを許可してからリタ
ーンする(S821〜S827)。
【0145】『CNTAF処理』次に、パワーズームレ
ンズ51におけるAFパルスカウント処理に関して、図
39〜図43に示したフローチャートを参照して説明す
る。なお、このカウント処理は、図27のPZ‐BST
ATEコマンド(20)のS703の処理の詳細であ
る。本実施例では、フォーカシングレンズ53Fがファ
ー端(無限遠撮影位置)に達したときにAFパルスカウ
ンタの値をクリアして0にし、ニア端(最短撮影位置)
に達したときには最大値をAFパルスカウンタにセット
する。そして、AFパルサー59から出力されるAFパ
ルスを、ニアムーブ(至近距離方向に駆動)のときには
加算し、ファームーブ(無限遠方向に駆動)のときには
減算する。
【0146】先ず、割込みを禁止し、通信で入力したデ
ータをアドレスPZ_BDSTにメモリし、距離コード
板81から現在の距離コードを入力する(S901〜S
905)。そして、ファー端(無限遠位置)であること
を識別するフラグF_ENDFが立っていれば、入力した距離
コードがファー端のコードであるかどうかをチェックす
る(S907〜S909)。距離コードがファー端であ
れば、現在のAFパルス値及びAFパルスカウントスタ
ート値(アドレスAFPXL,H、AFPSTRTL,
Hの内容)をクリアし、現在位置のAFパルスが分かっ
ていることを表わすフラグF_AFPOSを立てる(S90
9、S913、S915)。さらにニアムーブであるこ
とを識別するフラグF_NEARMがクリアされていればCN
TAFP10処理に飛び、立っていれば駆動方向が変わ
るのでCNTAFP11処理に飛ぶ(S917)。検出
した距離コードがファー端コードでなければ、ファー端
フラグF_ENDFをクリアしてCNTAFP3処理に飛ぶ
(S909、S911)。
【0147】ファー端フラグF_ENDFがクリアされている
ときには、ニア端(至近合焦位置)であることを識別す
るニア端フラグF_ENDNをチェックし、クリアされていれ
ばCNTAFP3に進む(S919)。ニア端フラグF_
ENDNが立っているときには、距離コードがニア端のコー
ドであるかどうかをチェックし、ニア端のコードでなけ
れば、ニア端フラグF_ENDNをクリアしてCNTAFP3
処理に進む(S919〜S923)。距離コードがニア
端のときには、現在のAFパルスカウント値及びAFパ
ルスカウントスタート値を最大値にセット(N_AFM
AXL,HをAFPXL,H、AFPSTRTL,Hに
セット)し、現在のAFパルス値がわかっていることを
表わすフラグF_AFPOSをセットし、ファームーブ(F_FAR
M=1)であるかどうかをチェックし、ファームーブで
あればCNTAFP11処理に進み、ファームーブでな
ければCNTAFP10処理に進む(S925〜S92
9)。
【0148】以上のように、ファー端(F_ENDF=1)ある
いはニア端(F_ENDN=1)のときには、それぞれ所定の値で
AFパルスのカウント値を補正する。ただし、入力した
距離コードを判断して端点にないときは、上記端点補正
は行なわない。
【0149】フォーカシングレンズ群53Fがファー端
とニア端の間にあるときの処理(CNTAFP3処理)
について、図40に示したフローチャートを参照して説
明する。先ず、現在のAFパルスのハードカウンタのカ
ウンタ値をAFパルスカウンタ(AFPCNTL,H)
にセットする(S931、S933)。フラグF_FARMが
クリアされているときにはCNTAFP6処理に進み、
セットされているときには、前回ニアムーブであったか
どうか(フラグF_NEARMOが立っているかどうか)をチェ
ックする(S933、S935)。ニアムーブからファ
ームーブに変わったときには、AFパルスカウントスタ
ート値(AFPSTRL,H)にAFパルスカウント値
(AFPCNTL,H)を加算して所定の現在AFパル
ス値及びAFパルスカウントスタート値メモリAFPX
L,H&AFPSTRTL,HにメモリしてCNTAF
P12処理に進む(S935、S937)。
【0150】前回ニアムーブではなかったときには、前
回ファームーブであったかどうかをチェックし、ファー
ムーブでもなかったとき、つまり動いていなかったとき
にはCNTAFP11処理に進み、前回もファームーブ
だったときには駆動方向が変わっていないので、AFパ
ルスカウントスタート値(AFPSTRL,H)からカ
ウント値(AFPCNTL,H)を減算してその差を現
在のAFパルス値(AFPXL,H)にメモリし、CN
TAFP16処理に進む(S939、S941)。
【0151】現在ファームーブでなかったときのCNT
AFP6処理について、図41に示したフローチャート
を参照して説明する。なお、CNTAFP6処理は、A
F処理開始後最初に入るルーチンでもある。先ず、ニア
ムーブであるかどうかをチェックし、ニアムーブでなけ
ればCNTAFP8処理に進む(S951)。ニアムー
ブであれば、前回ニアムーブであったかどうかをチェッ
クし、前回もニアムーブであったときには、AFパルス
カウントスタート値(AFPSTRTL,H)にAFパ
ルスカウント値(AFPCNTL,H)を加算してその
和を現在のAFパルス値(AFPXL,H)にメモリす
る(S953、S955)。
【0152】前回ニアムーブでなく、かつ前記ファーム
ーブであれば駆動方向が変わっているので、AFパルス
カウントスタート値(AFPSTRTL,H)からAF
Pカウント値(AFPCNTL,H)を減算してその差
を現在のAFパルス値及びAFパルスカウントスタート
値(AFPXL,H&AFPSTRTL,H)にメモリ
する(S957、S959)。前回ファームーブでなけ
れば、CNTAFP11処理に進む(S957)。
【0153】AFモータ39が停止しているときの処理
(CNTAFP8処理)について、図42に示したフロ
ーチャートを参照して説明する。CNTAFP8処理で
は、先ず、前回ニアムーブであったかどうかをチェック
する(S961)。前回ニアムーブであれば、ニアムー
ブからの停止なので、AFパルスカウントスタート値
(AFPSTRTL,H)にAFパルスカウント値(A
FPCNTL,H)を加算してその和を現在のAFパル
ス値及びAFパルスカウントスタート値(AFPXL,
H&AFPSTRTL,H)にメモリしてCNTAFP
10処理に進む(S961、S963)。前回ファーム
ーブのときにはファームーブからの停止なので、AFパ
ルスカウントスタート値(AFPSTRTL,H)から
AFパルスカウント値(AFPCNTL,H)を減算し
て現在のAFパルス値及びAFパルスカウントスタート
値(AFPXL,H&AFPSTRTL,H)にメモリ
してからCNTAFP10処理に進む(S961、S9
65、S967)。前回ニアムーブでもファームーブで
もなければ停止なので、CNTAFP16処理に進む
(S961、S965)。
【0154】CNTAFP10、11、12、16処理
について、図43に示したフローチャートを参照して説
明する。CNTAFP10にはAFモータ39が停止し
た直後に入るので、AFパルサー59のLEDを消灯
し、PZ_BDSTの内容をPZ_BDST0にメモリ
し、通信割込みを許可してからAFパルスカウント処理
を抜ける(S971、S977、S979)。
【0155】CNTAFP11処理には、AF駆動開始
時に入るので、AFパルサー59のLEDを点灯してA
Fパルスハードカウンタ及びAFパルスカウント値メモ
リ(AFPCNTL,H)をクリアし、PZ_BDST
のメモリ内容をPZ_BDST0に移し、通信割込みを
許可してからAFパルスカウント処理を抜ける(S97
3、S975、S977、S979)。
【0156】CNTAFP12処理には、AF駆動中に
駆動方向が変わるときに入るので、AFパルスハードカ
ウンタ及びAFパルスカウント値(AFPCNTL,
H)をクリアし、PZ_BDSTのメモリ内容をPZ_
BDST0に移し、通信割込みを許可してからAFパル
スカウント処理を抜ける(S975、S977、S97
9)。
【0157】CNTAFP16処理には、ニアムーブま
たはファームーブでの同方向駆動中(S655、S64
1)、またはAFモータ停止中(S965)に入るの
で、PZ_BDSTのメモリ内容をPZ_BDST0に
移し、通信割込みを許可してからAFパルスカウント処
理を抜ける(S977、S979)。
【0158】『LBコマンド処理』次に、レンズの状態
等のレンズ側情報をカメラ側の要求に応じてパワーズー
ムレンズ51からカメラボディ11に転送させる処理に
ついて、表4および図44〜図51に示したフローチャ
ートを参照して説明する。これらのコマンドの内容は、
表4に示してある。なお、これらの図44〜図51に示
したフローチャートは、図8の通信割込みルーチンにお
けるS209に示した処理の詳細図である。コマンドの
下位の内容によって対応する処理が実行される。
【0159】『PZ‐LSTATE処理』図44に示し
たフローチャートは、PZ‐LSTATE(10)処理
に関するもので、パワーズームレンズ51のパワーズー
ム制御状態に関するデータをカメラボディ11に送る処
理である。レンズCPU61は、パワーズームに関する
レンズステート(PZ‐LSTATE)要求コマンドを
受信すると、コマンド受信完了信号を出力した後に、パ
ワーズームの制御状態に関するデータ(PZ_LS
T)、例えば像倍率一定ズーム制御中であるかどうかな
どをカメラボディ11に出力する(S1001、S10
02)。そして、データ送信完了信号を出力して通信割
込みを許可してリターンする(S1003、S100
4)。
【0160】この処理において使用されるフラグの内容
について説明する。フラグF_TMOV(bit0)は、ズーム
モータがTELE方向に動いているときにセットされ
る。フラグF_WMOV(bit1)は、ズームモータがWID
E方向に動いているときにセットされる。フラグF_TEND
は、ズーミングレンズ群53ZがTELE端にあるとき
にセットされる。フラグF_WENDは、ズーミングレンズ群
53ZがWIDE端にあるときにセットされる。フラグ
F_IPZBは、マニュアルパワーズーム以外でパワーズーム
動作(ISZ、PZのイニシャライズ動作、収納動作)
するときにセットされる。フラグF_IPZIは、ISZ動作
中にマニュアルパワーズーム操作が行われたときにセッ
トされる。フラグF_ISOKは、ISZ動作中であるときに
セットされる。フラグF_MPZIは、マニュアルパワーズー
ム動作中であるときにセットされる。
【0161】『POFF‐STATE、POFFS‐W
SLEEP処理』図45には、POFF‐STATE
(11)処理及びPOFFS‐WSLEEP(12)処
理に関するフローチャートを示してある。これらの処理
は、レンズのパワーズームに関するスイッチの情報、バ
ッテリ要求情報、PZ用の電源(バッテリ)のモニタ情
報等をボディ11に送る処理である。POFF‐STA
TE(11)とPOFFS‐WSLEEP(12)との
違いは、本コマンド通信終了後にレンズCPU61が低
消費電力モードに入るかどうかの違いである。POFF
S‐WSLEEP(12)処理を実行すると、本通信中
にフラグF_STNDBYをセットし、メインルーチンに戻った
ときに低消費電力モードに移行するコマンドである。す
なわち、POFFS‐WSLEEP(12)コマンド
は、POFF‐STATE(11)とインストラクショ
ンコードのSTANDBYコマンド(30)の内容を両
方実行するコマンドである。
【0162】レンズCPU61は、POFFS‐WSL
EEP(12)コマンドの場合、フラグF_STNDBYをセッ
トしてコマンド受信完了信号を出力し、スイッチ(7
5、77)の状態を入力する(S1011〜S101
5)。そして、フラグF_STNDBYがセットされているとき
(POFFS‐WSLEEP(12)のとき)には電動
/手動切替えスイッチ(D/Mスイッチ)が電動のとき
で、かつテレ、またはワイドスイッチ(スピード切替え
スイッチ)がオンされているときにはバッテリ要求フラ
グF_BATREQを立ててS1025に進むが、それ以外のと
きにはそのままS1025に進む(S1017、S01
9、S1021、S1023)。
【0163】なお、フラグF_STNDBYがセットされている
ときは、通常、本通信割り込みを終了して、メインルー
チンに戻ったときに、低消費電力モードへ移行するが、
フラグF_BATREQがセットされていれば、フラグF_STNDBY
がセットされていても、低消費電力モードに移行せず、
通常動作を続けることができ、マニュアルパワーズーム
の動作等が可能となる(図7参照)。
【0164】また、フラグF_STNDBYがセットされていな
いときは、メインルーチンに戻っても低消費電力モード
に移行しないので、PZスピードスイッチ75がオンさ
れていれば、本コマンド内でフラグF_BATREQをセットし
なくてもマニュアルパワーズーム等の動作は可能であ
る。フラグF_STNDBYがクリアされているとき(POFF
‐STATE(11)のとき)には、そのままS102
5に進む。
【0165】S1025では、入力したズームモード切
換えスイッチ77に応じてフラグF_SLSW、F_ASSW、F_PZ
M、F_PZD、F_AFSWをセットまたはクリアする。そして、
端子VBATTの状態をモニタし、カメラボディ11か
らズームモータ69用の電力が供給されていなければフ
ラグF_BDETをクリアし(VBATTオフ)、供給されて
いればフラグF_BDETをセットする(VBATTオン)
(S1027〜S1031)。そして、上記セットした
1バイトのデータ(POFF‐ST)をカメラボディ1
1へ転送し、データ入力完了信号を出力し、通信割込み
を許可してリターンする(S1033〜S1037)。
【0166】POFF‐STATE処理のときには、S
1011のフラグF_STNDBYセット処理を飛ばしてS10
13に入り、以降はPOFFS‐WSLEEP処理と同
一の処理を実行する。
【0167】『LENS‐INF1処理』図46に示し
たLENS‐INF1のフローチャートは、パワーズー
ムレンズ51の可変情報をカメラボディ11に送る処理
である。
【0168】レンズCPU61は、LENS‐INF1
データ要求コマンド入力すると、コマンド受信完了信号
を送信し、1バイトのLNS_INF1データのうち、
パワーズームの方向に関する2ビットをクリアし、AE
オートレンズであることを識別する1ビットをセットし
てから、ズーム方向スイッチ情報を入力する(S104
1〜S1043)。そして、入力したスイッチ情報に応
じて対応するビットをセットし、1バイトのレンズデー
タとしてカメラボディ11に出力する(S1044、S
1045)。そして、データ送信完了信号を出力し、通
信割込みを許可してリターンする(S1046〜S10
47)。なお、LNS_INF1データには、像倍率一
定ズーム処理に関するデータが含まれている。詳細は先
に記した通りである。
【0169】『LENZ‐INF2処理』図47に示し
たLENS‐INF2のフローチャートは、パワーズー
ムレンズ51固有の固定データをカメラボディ11に送
信する処理である。レンズCPU61は、LENS‐I
NF2コマンドを入力すると、コマンド受信完了信号を
出力し、LNS‐INF2データをカメラボディ11へ
出力し、データ入力完了信号を出力し、通信割込みを許
可してリターンする(S1051〜S1054)。LE
NS‐INF2データには、レンズのバージョン、PZ
レンズかどうかなどを識別するデータが含まれており、
これらのデータは固定値で、レンズROM61aに格納
されている。
【0170】『LENS‐AFPULSE処理』図48
に示したLENS‐AFPULSEのフローチャート
は、レンズAFパルスカウント値をカメラボディ11に
出力する処理である。すでに説明したように、LENS
‐AFPULSコマンドの通信前に必ず、SET‐AF
POINTコマンド通信が行われる。このSET‐AF
POINTコマンドの内容に応じてLENS‐AFPU
LSEコマンドでどのAFパルスをボディに送るかが決
まる。
【0171】レンズCPU61は、LENS‐AFPU
LSEコマンドを入力すると、コマンド受信完了信号を
出力し、現在のAFパルスを要求されているときには、
現在のAFパルス数(AFPXL,H)をレジスタ(図
示せず)にストアする(S1061〜S1063)。像
倍率一定ズーム(ISZ)のパルスを要求されていると
きには、ISZのAFパルスデータ(ISZ‐AFP
L,H)をレジスタにストアする(S1062、S10
64、S1065)。いずれでもないときには、指定さ
れたアドレスのAFパルスデータ(AFP0L,H〜A
FP7L,H)をレジスタにストアする(S1062、
S1064、S1066)。そして、レジスタにセット
したAFパルスデータをカメラボディ11に出力し、デ
ータ送信完了信号を出力し、通信割込みを許可してリタ
ーンする(S1067〜S1069)。
【0172】『FOCALLEN‐X処理』パワーズー
ムレンズ51の焦点距離データをカメラボディ11に出
力するFOCALLEN‐X処理について、図49に示
したフローチャートを参照して説明する。すでに説明し
たように、FOCALLEN‐Xコマンドの通信前に必
ずSET‐PZPOINTコマンドの通信が行われる。
このSET‐PZPOINTコマンドの内容に応じて、
FOCALLEN‐Xコマンドを受けたときにどの焦点
距離をボディに送るかが決まる。
【0173】レンズCPU61は、FOCALLEN‐
Xコマンドを受信すると、コマンド受信完了信号を出力
し、現在の焦点距離を要求されているときには、現在の
焦点距離(FCLXL,H)をレジスタにストアする
(S1071〜S1073)。像倍率一定ズーム(IS
Z)の焦点距離(ISZ‐FCLL,H)を要求されて
いるときには、像倍率一定ズームの焦点距離データをレ
ジスタにストアする(S1072、S1074、S10
75)。いずれでもないときには、指定されたアドレス
の焦点距離(FCL0L,H〜FCL7L,H)をレジ
スタにストアする(S1072、S1074、S107
6)。そして、レジスタにセットした焦点距離データを
カメラボディ11に出力し、データ送信完了信号を出力
し、通信割込みを許可してリターンする(S1077〜
S1079)。
【0174】『IMAGE‐LSIZE処理』図50に
示したIMAGE‐LSIZEのフローチャートは、レ
ンズRAM61bの所定アドレスにメモリされている、
像倍率一定ズーム制御のための像倍率データをカメラボ
ディ11に送る処理である。
【0175】レンズCPU61は、IMAGE‐LSI
ZEコマンドを入力すると、コマンド受信完了信号をカ
メラボディ11に出力し、像倍率(イメージサイズ)に
関するデータ(ISZ‐IMGL,H)をカメラボディ
11に出力し、データ送信完了信号を出力し、通信割込
みを許可してからリターンする(S1081〜S108
5)。
【0176】『16byteデータ処理』図51に示し
た16byteデータフローチャートは、16バイトの
基本レンズデータのすべてをカメラボディ11に送る処
理である。なお、このコマンドは、図8の通信割込みル
ーチンのS221における処理の詳細である。コマンド
下位の内容によって各コマンドが実行される。なお、前
半8byteおよび後半8byte処理は、16byt
eデータ通信と同様なので詳細は略す。
【0177】レンズCPU61は、16byteコマン
ドを入力すると、コマンド受信完了信号をカメラボディ
11に出力し、16バイトの所定データ(LC0〜LC
15)をカメラボディ11に出力し、データ送信完了信
号を出力し、通信割込みを許可してリターンする(S1
091〜S1095)。
【0178】『ボディのPZ処理』次に、カメラボディ
11側のパワーズームに関する処理に関して、図52〜
図55に示したフローチャートを参照して説明する。こ
の処理は、カメラボディ11のメイン(ボディ)CPU
35のROM35aにメモリされたプログラムに基い
て、メインCPU35により実行される。
【0179】このメインフロー処理には、メインスイッ
チがオン(電池を入れて電源が投入されたとき)など、
メインCPU35がリセットされたときに、最初に入
る。この処理に入ると、まずRAM35b、ポート設定
等のイニシャライズ行い、スイッチ入力、E2PROMデー
タ入力等により所定の情報を入力し、パワーズームイニ
シャライズ処理(PZINITサブルーチン)を実行す
る(S1101、S1103、S1105)。パワズー
ムイニシャライズとは、本実施例では、PZレンズにズ
ーミングレンズ位置検出のための初期化処理、フォーカ
シングレンズ位置検出のための初期化処理等を行なわせ
るための処理である。以上は最初に電源が投入されたと
き(図示しないメインスイッチがオンされたとき)の処
理で、電源が投入されている間は、次ステップ(S11
07)以降の処理を繰り返す。
【0180】S1107では、所定の情報を入力し、ロ
ックされていなければ(メインスイッチがオンしていれ
ば)撮影可能なので所定の処理に進み、ロック解除され
ていれば(メインスイッチがオフしていれば)、S11
81以降のロック処理に進む(S1109)。
【0181】ロックが解除されているときには、そのロ
ック解除が最初の場合、あるいは撮影レンズが装着され
てから最初の処理であれば、フラグF_NEWCOM(撮影レン
ズとの間で旧通信が終了して新通信に入ったときに立つ
フラグ)をクリアし、PZイニシャライズフラグF_PZIN
ITをクリアしてパワーズームのイニシャライズを行う
(S1109〜S1115、S1121、S112
3)。
【0182】最初のロック解除でも撮影レンズが装着さ
れて最初の処理でもない場合には、最初のAFモードで
あるか、あるいは最初のPZモードであれば、AF、P
Zに関する諸動作、データ等をイニシャライズするため
に、これらがイニシャライズされたときに立つフラグF_
PZINITをクリアし、PZINITサブルーチンをコール
する(S1111、S1113、S1117〜S112
3)。
【0183】次に、スイッチ情報を入力してから、パワ
ーズームに関する処理(PZLOOPサブルーチン)を
実行し、表示パネル45に所定の表示を行なってS11
33に進む(S1127〜S1131)。S1133の
測光スイッチSWS(AFスイッチ)チェックにおい
て、測光スイッチSWSがオフしていれば、測光IC、
CCD、E2PROM及び周辺制御回路の一部の電源Vdd
をオフする(S1133、S1135)。そして、AF
中フラグF_AFがクリアされていれば、STARTからの
処理へ戻り、AF中フラグF_AFが立っていればS116
5に進む(S1136)。
【0184】AF中フラグF_AFが立っていれば、測光ス
イッチSWSがオフする前にAFおよびこれに関連する
像倍率一定ズーム処理が行われている場合があるので、
像倍率一定ズームストップフラグF_ISZSTOPをセット
し、像倍率一定ズームの停止及び停止チェック処理(I
PZENDCHECKサブルーチン)を実行する(S1
136、S1165、S1167)。
【0185】次に合焦フラグF_INFOCUSをクリアし、A
Fモータ停止処理を行い、PZ‐BSTATEコマンド
通信により、パワーズームレンズ51にAFの駆動情報
等を送り、AF中フラグF_AFをクリアしてS1176に
進む(S1169、S1171、S1173、S117
5)。
【0186】S1133のチェック時に測光スイッチS
WSがONしていれば、端子Vddをオン(定電圧を印
加)し、露出に関する測光および演算を行い、その結果
を表示する(S1137、S1138)。そして、AF
モードでなければS1165からの処理へ飛ぶ(S11
39、S1165)。AFモードのときには、AF中フ
ラグF_AFをセットし、測距処理、つまり積分を開始し、
積分データを取り込んで所定のプレディクタ演算を実行
する(S1139、S1140、S1143)。
【0187】そのプレディクタ演算結果が有効のときに
は、合焦かどうかを判断して、合焦のときには合焦処理
を行なう(S1145、S1149、S1151)。非
合焦のときには、パワーズームレンズでなければ(F_PZ
=0のとき)S1176に飛ぶが、パワーズームであれ
ば、AFの駆動情報等をPZ‐BSTATEコマンドで
パワーズームレンズ51に送信して、AFモータ39を
起動してからS1159の動体処理に進む(S114
5、S1149、S1153〜S1157)。
【0188】プレディクタ演算結果が有効範囲内にない
とき、例えば被写体のコントラストが低過ぎたときなど
は、有効値を求めるサーチ処理を行なってからS115
3に進む(S1145、S1147)。サーチ処理と
は、AFモータ39を近距離側または遠距離側に駆動し
ながら積分を行なって、有効デフォーカス値を求める処
理である。
【0189】S1157の合焦処理が終了したとき、あ
るいはS1157のAFモータ駆動が終了したときに
は、被写体が動体であれば動体追従AF処理を行なう
(S1159)。そして、像倍率一定ズームモードであ
れば像倍率一定ズーム処理を行なってからレリーズスイ
ッチSWRチェック処理(S1176)に進む(S11
59〜S1163)。
【0190】S1176ではレリーズスイッチSWRが
オンされたかどうかのチェックを行ない、オフされてい
ればそのままスタートに戻り、オンされていればレリー
ズが許可されていることを条件にレリーズ処理を行なっ
てスタートに戻る(S1176、S1178、S117
9)。
【0191】また、S1109のチェック時にロックさ
れているとき(メインスイッチオフのとき)にはS11
81に進む。このロックがこのルーチンにおいて最初の
ロックかつパワーズームのときには、プリセットズーム
セットモードでメモリされている焦点距離データをカメ
ラボディに退避するために退避処理(S1183)に進
むが、それ以外のときにはS1223へ飛ぶ(S118
1、S1183)。最初のロックでないとき、または撮
影レンズがパワーズームでないときには、撮影レンズへ
の定電圧供給(CONT)および電力供給(VBAT
T)をオフし、表示器45の表示をオフしてスタートに
戻る(S1181、S1183、S1223〜S122
7)。
【0192】退避処理では、先ずレンズRAM61bに
メモリされている焦点距離をボディへ退避するため、S
ET‐PZPOINTコマンドにより退避するメモリ
(RAM61b)のアドレスを指定する。次に、FOC
ALLEN‐Xコマンドで指定されたアドレスにメモリ
されている焦点距離データをパワーズームレンズ51か
ら入力し、入力した焦点距離データを焦点距離データと
してボディRAM35bのアドレスFLMにメモリする
(S1184、S1185、S1187)。そして、レ
ンズRAM65bから像倍率を含むIMAG‐LSIZ
Eデータを入力して像倍率データをボディRAM35b
のアドレスISMにメモリし、さらにレンズRAM65
bからLENS‐INF2データを入力してS1195
に進む(S1181〜S1193)。本実施例では、退
避処理における通信プロセスを簡略化するために、像倍
率データをカメラ側に転送する構成としているが、像倍
率設定時の焦点距離データおよびレンズ繰出し量データ
の両方を転送する構成でもよい。
【0193】S1195、S1197では、LENS‐
INF2で入力したデータをもとにパワーズーム収納可
能か、パワーズームかどうかをチェックする。パワーズ
ーム収納不可、またはパワーズームでないときにはその
ままCONT1に進み、パワーズーム収納可でかつパワ
ーズーム(retPZ=1、PZD=1)のときには、ボディ側でバ
ッテリを要求してバッテリチェックを行ない、バッテリ
が正常のときには、パワーズームレンズ51にパワーズ
ーム収納処理を行なわせるコマンド(RETRACT‐
PZ)を送信し、制御ズーム中であることを識別するフ
ラグF_IPZONを立て、NGタイマーをスタートさせてC
ONT1処理に進む(S1195〜S1209)。ま
た、バッテリチェックにおいてバッテリ異常のときには
CONT1処理に進む(S1203)。なお、フラグre
tPZは、レンズ固有の情報で、ズームレンズがインナー
ズーム等でズーミングレンズの収納を必要としない場合
はクリアされていて、収納処理をしない。
【0194】CONT1処理では、パワーズームレンズ
51がAF収納可能かAFモードかをLENS‐INF
2により入力したAF収納フラグRETAF等によりチェッ
クし、AF収納可能かつAFモードであれば、AFモー
タ39を駆動してフォーカシングレンズ53Fを収納位
置(ファー端)に戻す(S1211〜S1215)。そ
して、制御パワーズーム中であれば、制御パワーズーム
が終了するのをチェックしながら待ち、終了したら、撮
影レンズへの定電圧供給および電力供給をオフし、表示
器45の表示をオフしてスタートに戻る(S1217〜
S1227)。AF収納不可、あるいはAFモードでな
ければレンズ収納処理をスキップする。なお、フラグRE
TAFはレンズ固有の情報で、ズームレンズがインナーフ
ォーカス等でフォーカシングレンズの収納を必要としな
い場合はクリアされていて、収納処理をしない。
【0195】『PZ、AF‐INIT処理』ボディ11
側で制御する、パワーズームレンズ51の初期化(S1
105)処理について、図56〜図58に示したPZI
NITサブルーチンを参照して説明する。この処理は、
パワーズームレンズ51にズーミングレンズ群53Zの
初期化とフォーカシングレンズ53F群の初期化を実行
させ、メインスイッチのOFFでボディ11に退避してい
た情報をパワーズームレンズ51に戻す処理である。す
なわち、前者は、ズーミングレンズの位置検出及びAF
レンズの位置検出のための処理で、後者はメインスイッ
チオフ時(ロック時)にボディRAM35bに退避して
いたISZの像倍率及びプリセットズーム用の焦点距離
を再びパワーズームレンズ51(レンズRAM65b)
に戻してメモりさせる処理である。
【0196】この処理に初めて入るときには、旧通信終
了を表わす新通信フラグF_NEWCOMがクリアされているの
で、レンズROMとの間でカメラボディ11のクロック
に同期してデータ通信を行う旧通信を行ない、その後レ
ンズCPU61との間で、レンズCPU61のクロック
に同期してデータ通信を行う新通信に切り替える(S1
301、S1303)。
【0197】装着された撮影レンズがレンズCPUを搭
載しているKzレンズ(本実施例のパワーズームレンズ
51を含む)でないときには新通信が不可能なのでリタ
ーンし、Kzレンズであれば、撮影レンズから新通信L
ENS‐INF2(14)によりデータを入力してパワ
ーズームレンズ(PZレンズ)かどうかをチェックする
(S1305、S1309)。PZレンズでなければ、
PZレンズであることを識別するフラグF_PZをクリアし
てS1323に進む(S1309、S1311)。
【0198】PZレンズであればフラグF_PZを立て、リ
セットからきた(電池が入れ替えられた)とき、または
初めてレンズが装着されたときには、初期値を像倍率
(イメージサイズ)用メモリISZにメモリする(S1
313、S1315、S1319)。他の場合には、S
TORE‐PZF(28)通信により、S1185にお
いてボディRAM35bのアドレスFMLに退避させて
おいたプリセットズーム等のための焦点距離の情報を、
レンズCPU61のレンズRAM61bの所定のアドレ
ス(FCL0L,H〜FCL7L,H)にメモリさせる
(S1315、S1317)。そして、STORE‐I
S(29)通信を行ない、ボディCPUのRAM(35
b)に退避させておいた像倍率か、S1319でセット
した初期値の像倍率をレンズCPUのRAM(61b)
の所定のアドレス(ISZ‐IMGL,H)へメモリさ
せ、新通信フラグF_NEWCOMをセットする(S1321、
S1323)。
【0199】次に、POFF‐STATE(11)通信
によりレンズCPU61からデータを入力する(S13
25)。パワーズームのイニシャライズが完了したこと
を示すフラグF_PZINITがセットされているか、パワーズ
ームであることを示すフラグF_PZがクリアされていれ
ば、スタンバイ処理を行うS1361に飛ぶ(S132
7、S1329)。
【0200】フラグF_PZINITがクリアされ、かつフラグ
F_PZが立っていれば、パワーズームでないとき(フラグ
F_PZD(POFF‐STATEデータのbit5)がク
リアされているとき)、すなわち手動ズームのときに
は、そのままAF初期化(AFINIT)処理に進む
(S1325〜S1331)。パワーズームモードのと
きには、PZの電源オンをボディ自身が要求するフラグ
F_BBATREQを立て、BATONOFFサブルーチンにお
いてPZの電源をONしてパワーズームレンズ51に電
力を供給し、さらに正常に電力が供給されたかをチェッ
クする(S1131〜S1137)。バッテリの電力が
正常に出力されていなければ(フラグF_BATNG=1のと
き)、そのままAFINIT処理に進み、正常(F_BATN
G=0)であればPZ‐INITPOSコマンド(32)
を出力して、撮影レンズにPZの初期化動作を行わせ、
PZのイニシャライズが完了したことを示すフラグF_PZ
INITを立ててAFINIT処理に進む(S1337〜S
1341)。
【0201】『AFINIT処理』図58に示したAF
INIT処理フローチャートは、ボディ11側の制御に
より、AFに関する初期化を行う処理である。なお、本
実施例ではPZの初期化後にAFの初期化を行なってい
るが、逆でもよい。
【0202】AFINIT処理では、撮影レンズがAF
モードであることを条件に、フォーカシングレンズ53
Fを収納位置、つまり鏡筒長が最も短くなる位置に移動
させる(S1341、S1343)。なお、本実施例に
おいて鏡筒長が最も短くなる位置は、無限遠位置であ
る。そして、AF‐INITPOS通信により初期化コ
マンドを入力し、フラグF_AFINITを立てる(S134
5、S1347)。また、この初期化において、レンズ
CPU61は、AFパルスカウント用のレンズRAM6
1bの初期化等を行なう。
【0203】次に、手動パワーズーム以外のパワーズー
ムであることを示すフラグF_BBATREQが立っていれば、
パワーズームの初期化が終了したかどうかをIPZEN
DCHECKサブルーチンでチェックする(S1349
〜S1353)。パワーズームの初期化が終了したら、
パワーズームが初期化されたことを識別するフラグF_PZ
INITを立て、ボディ側のバッテリ要求フラグF_BBATREQ
を降ろし、BATONOFFサブルーチンにてバッテリ
の電力供給停止及び停止チェックを行う(S1355〜
S1359)。
【0204】そして、ボディ11の測光IC17、CC
D21、E2PROM43等の電源がオン(Vdd ON)
していればそのままリターンし、オフしていればSTA
NDBYコマンドを送信してパワーズームレンズ51の
レンズCPU61をスタンバイ(低消費電力モードへ移
行)させてからリターンする(S1361、S136
3)。
【0205】『BATONOFF処理』図59に示した
BATONOFFフローチャートは、電力要求(バッテ
リ要求)がボディまたはレンズから出されたときに、ズ
ームモータ65用の電力をカメラボディ11からパワー
ズームレンズ51に対して供給し、供給が正常になされ
ているかどうかをどうかをチェックする、メインCPU
35によるチェック処理である。本実施例では、バッテ
リ要求は、カメラボディ11自身が出す場合と、パワー
ズームレンズ51が出す場合とがある。
【0206】BATONOFF処理では、先ず、パワー
ズームレンズ51からもカメラボディ11からもバッテ
リ要求がない場合には、すでに端子VBATTへの電力
供給をしていないとき(フラグF_BATONがクリアされて
いるとき)にはそのままリターンするが(S1401、
S1403、S1405)、端子VBATTに電力が供
給されているときには、パワーズームレンズ51(端子
VBATT)への電力供給をオフし、フラグF_BATONを
クリアし、BODY‐STATE0コマンドを出力して
電力供給がオフしたことを示すデータ(bit5のVB
ATT=1)をレンズに送ってからリターンする(S1
421〜S1425)。
【0207】パワーズームレンズ51またはカメラボデ
ィ11からバッテリ要求があったとき(POFF‐ST
ATEデータのbit1のLBATREQがセットされ
ているとき、またはBBATREQがセットされている
とき)には、電力がまだ供給されていなければパワーズ
ームレンズ51に電力供給を行ない、ボディ状態に関す
るBODY‐STATE0データを送信して電力供給中
であることを示すデータ(bit5のBBATをセッ
ト)をレンズに送り、電力供給中であることを識別する
フラグF_BATONを立ててからPOFF‐STATEデー
タを受信するが、電力がすでに供給されているときには
そのままPOFF‐STATEデータを受信する(S1
407〜S1415)。
【0208】そして、バッテリ供給が正常(POFF‐
STATEのbit0のフラグF_PZWAIT=1)であれば
バッテリ異常であることを識別するフラグF_BATNGをク
リアしてリターンする(S1417、S1418)。し
かし、電力供給が異常のとき、例えばGNDラインとシ
ョートしているときなどには、バッテリ異常であること
を識別するフラグF_BATNGを立てて、パワーズームレン
ズ51への電力供給を停止し、フラグF_BATONをクリア
し、BODY‐STATE0コマンドを出力して電力供
給停止データをパワーズームレンズ51に送ってリター
ンする(S1419〜S1425)。
【0209】『PZ‐LOOP処理』図60、図61お
よび図62に示したPZ‐LOOP処理は、メインCP
U35が行なうパワーズームに関する処理であって、間
欠的に実行される。この処理では、パワーズーム関連、
プリセットされた焦点距離までパワーズームするプリセ
ットズーム、焦点距離のプリセット、像倍率一定ズーム
制御等を行なう。本実施例では、プリセットズームセッ
ト(PSZS)モードのときは、SLスイッチ(ズーム
モード切替えスイッチ77)がオンされた時に現在の焦
点距離をメモリし、プリセットズーム(PSZ)モード
のときは、SLスイッチがオンされた時にプリセットさ
れた焦点距離までパワーズームを行なう。そして、SL
スイッチがオフされた時、またはズーム操作リングが中
立位置に戻った時(PZスピードスイッチ75がオフし
た時)にその時の像倍率をメモリする。
【0210】この処理に入ると、新通信およびパワーズ
ーム可能であることを条件にS1505に進んで各処理
を実行するが、新通信不可のときにはそのままリターン
する。また、新通信可でパワーズーム不可のときには、
BODY‐STATE0通信を行なう(S1501、S
1503、S1504‐1)。このBODY‐STAT
E0通信では、パワーズームのモード情報等のボディ側
の情報をレンズに送り、Vddがオンしているときは、
POFF‐STATE通信でレンズ側のスイッチ状態等
のレンズ情報を入力する(S1504‐2、S1504
‐3)。Vddオフのときは、POFFS‐WSLEE
P通信でレンズの情報を入力し、かつ、レンズCPU6
1をスタンバイモード(低消費電力モード)に移行させ
る(S1504‐2、S1504‐4)。このPOFF
S‐WSLEEPコマンドによりレンズCPU61は、
次の通信コマンドを受信するまで低消費電力モードを維
持したままとなる。
【0211】S1505では、パワーズームレンズ51
からPOFF‐STATEでレンズのスイッチ等のデー
タを入力して、そのデータに応じてPZモードの切換え
および表示修正を行なって、電力供給あるいは停止を行
なう(S1503〜S1509)。そして、入力したデ
ータに基づいて以下の処理を行なう(S1509〜S1
511)。
【0212】プリセットズーム(PSZ)モードであれ
ば、像倍率一定ズームの動作を禁止し(フラグF_ISZSTO
Pをセット)、IPZENDCHECKサブルーチンに
て像倍率一定ズームを終了させる(S1513〜S15
17)。プリセットズーム駆動開始(SLスイッチがオ
ン)でなければリターンする(S1519)。プリセッ
トズーム駆動開始であり、かつ現在プリセットズーム駆
動中(F_IPZON=1)であれば、IPZENDチェック
サブルーチンにてプリセットズームが終了したかどうか
のチェック処理を実行し、終了したらリターンする(S
1519、S1521、S1555)。
【0213】プリセットズーム駆動中でなければカメラ
ボディ11自体で電力供給を要求し、電力供給を行なう
(S1521〜S1525)。そして、バッテリが異常
であればそのままリターンし、正常であれば、MOVE
‐PZNDコマンドを送信して指定したアドレスにメモ
リされている焦点距離位置へパワーズームさせ、プリセ
ットズーム中であることを識別するフラグF_BBATREQを
立ててリターンする(S1527〜S1531)。
【0214】プリセットズームセット(PSZS)モー
ドのときには、プリセットズームおよび像倍率一定制御
の駆動を停止させるフラグ(F_ISZSTOP、F_IPZSTOP)を
立てて、IPZENDCHECKサブルーチンにてプリ
セットズームあるいは像倍率一定ズームの駆動を停止さ
せる(S1513、S1541、S1543、S154
5)。
【0215】そして、SLスイッチがオンされた時に
は、レンズCPU61に現在の焦点距離データを指定さ
れたレンズRAM61bのアドレスにメモリさせるため
に、STORE‐PZPコマンドをパワーズームレンズ
51に送信し、プリセットズームセット(PSZS)モ
ードをプリセットズーム(PSZ)モードに変更すると
ともに、BODYSTATE0コマンドにおけるビット
0〜2の値を変更して、BODYSTATE0コマンド
を出力してプリセットズームモードに変わったこと等を
パワーズームレンズ51に知らせてからリターンする
(S1547〜S1553)。SLスイッチがオフのま
まのときには、何もせずにリターンする(S154
7)。
【0216】像倍率一定ズームモードのときには、プリ
セットズームを停止させ、プリセットズームが終了した
ことをチェックする(S1541、S1561、S15
63、S1565)。ここで、SLスイッチがオンされ
ているときには、像倍率一定ズームの開始を禁止するフ
ラグF_PZWAITを立ててリターンする(S1567、S1
577)。SLスイッチがオフのときには、LENS‐
INF1データを入力し、ズームスイッチ(ズームスピ
ード切り替えスイッチ75)がオンされていれば、像倍
率一定ズームの開始を禁止するフラグF_PZWAITを立てて
リターンする(S1567、S1577)。ズームスピ
ード切り替えスイッチ75が中立点にあるとき(オフの
とき)にはフラグF_PZWAITをクリアし、合焦しているか
どうかをチェックし、非合焦であればそのままリターン
する(S1571〜S1575)。合焦しているときに
は、SLスイッチがオフされた時、または、ズームスピ
ード切り替えスイッチ75が中立点に戻された時(オフ
時)に、その時の像倍率をメモリさせるISZ‐MEM
ORYコマンドを撮影レンズに出力してリターンし、上
記いずれの時でもなければそのままリターンする(S1
579〜S1583)。
【0217】以上のいずれのモードでもないときには、
プリセットズームおよび像倍率一定ズームを停止させ、
プリセットズームが終了したことをチェックしてリター
ンする(S1513、S1541、S1561、S15
85〜S1587)。
【0218】『IPZENDCHEK処理』図63に示
したIPZendchekフローチャートは、プリセッ
トパワーズーム及び像倍率一定ズーム処理を終了させ、
またはその終了をチェックする、ボディ11側の処理で
ある。
【0219】このIPZENDCHEKサブルーチンに
入ると、像倍率一定ズームストップかつ像倍率一定ズー
ム動作中のとき(F_ISZSTOP=1、F_ISZON=1)、また
はプリセットズームストップかつプリセットズーム動作
中のとき(F_IPZSTOP=1、F_IPZON=1)には、フラグ
F_NGTIMERおよびフラグF_IPZENDをクリアし、パワーズ
ームを停止させるIPZ‐STOPコマンドを送信し、
各フラグF_ISZON、F_IPZON、BBATreqをクリアし、バッ
テリ供給停止及びチェックを行なってからリターンする
(S1601〜S1607、S1623〜S163
1)。
【0220】上記像倍率一定ズーム中でもなく、プリセ
ットズーム中でもないときには、PZ‐LSTATEデ
ータを入力し、パワーズームレンズ51がプリセットズ
ーム中あるいは像倍率一定ズーム中であるかどうかをチ
ェックし、ズーム中でなければ(IPZB=0のと
き)、プリセットズームあるいは像倍率一定ズーム終了
フラグF_IPZSTOP、F_ISZSTOPを立ててリターンする(S
1601〜S1617)。プリセットズーム中あるいは
像倍率一定ズーム中であれば(IPZB=1のとき)、
異常検出タイマー(NGタイマー)がタイムアップして
いなければリターンする(S1619)。
【0221】像倍率一定ズームが終了する前にNG(異
常検出)タイマーがタイムアップしたときには何らかの
異常があったと考えられるので、フラグF_TIMEUPをセッ
トし(F_TIMEUP=1)、フラグF_NGTIMERおよびフラグF
_IPZENDをクリア(F_NGTIMER=0、F_IPZEND=0)する
(S1622‐1、S1622‐2)。そして、パワー
ズーム停止処理を行なう(S1623〜S1631)。
NGタイマーがタイムアップしていないときには、その
ままリターンする
【0222】『ISZ‐DRIVE1処理』図64ない
し図67に示したフローチャート(ISZ‐DRIVE
1)は、パワーズームレンズ51(レンズCPU61)
に像倍率一定ズーム処理を行なわせるボディCPU31
の処理である。
【0223】フォーカシングレンズ53Fが無限遠位置
にあれば、AF‐INITPOSコマンドでAF初期位
置に関するデータをパワーズームレズ51に送信し(S
1701、S1703)、至近距離位置にあればPZ‐
BSTATEコマンドでカメラボディ11側のパワーズ
ームモードに関するPZボディステートデータをパワー
ズームレンズ51に送信する(S1701、S170
5、S1707)。
【0224】パワーズームウエイト(F_PZWAIT=1)の
ときまたはプレディクタ演算結果が無効のときにはなに
もせずにリターンする(S1709、S1711)。パ
ワーズームウエイトでなく、かつプレディクタ演算結果
が有効のときには、合焦状態にあるかどうかをチェック
する(S1709〜S1713)。合焦状態にあるとき
には、すでにNGタイマーが起動されているかどうか
(F_NGTIMER=1)をチェックし、起動されていなけれ
ばNGタイマーをスタートさせてフラグF_NGTIMERをセ
ットしてS1721に進む(S1713、S1715、
S1719、S1720)。NGタイマーがすでに起動
されていれば、以上の処理をスキップしてS1721に
進む。
【0225】次に、S1721の像倍率一定ズーム終了
チェック(IPZEND‐CHECK)処理終了後、像
倍率一定ズーム駆動中であれば、終了のチェックを行う
(S1723、S1725)。像倍率一定ズーム駆動中
(F_ISZON=1)かつ像倍率一定ズームが終了していれ
ば(F_IPZEND=1)、フラグF_IPZENDをクリアし、フラ
グF_ISZSTOPを立てて、IPZEND‐CHECKサブ
ルーチンにて、像倍率一定ズームの停止処理を行ってか
らリターンする(S1725〜S1729)。
【0226】像倍率一定ズーム中でないか、像倍率一定
ズームが終了していなければ、PZ‐BSTATEコマ
ンドでカメラボディ11のパワーズーム状態に関するデ
ータを送信する(S1723、S1725、S173
1)。そして、像倍率一定ズーム中でなければボディ側
で電力供給を要求してバッテリ供給チェック処理を行な
い、像倍率一定ズーム中であることを識別するフラグF_
ISZONを立ててから合焦判断に進むが、すでに像倍率一
定ズーム中であればそのまま合焦判断に進む(S173
3〜1741)。
【0227】合焦していれば、現在のAFパルス数(レ
ンズ繰出し量)に基づいて像倍率一定ズームを実行させ
るために、BODY‐STATE1コマンドで所定のデ
ータをパワーズームレンズ51に送信し、さらにISZ
‐STARTコマンドを送信してパワーズームレンズ5
1に像倍率一定ズームをスタートさせてからリターンす
る(S1741〜S1745)。非合焦であれば、カメ
ラボディ11で測距したデフォーカスパルスのデータを
STORE‐DEF&Dコマンドで送信し、デフォーカ
スパルスに基づいて像倍率一定ズームを行なわせるため
のデータをBODY‐STATE1コマンドで送信し、
ISZ‐STARTコマンドを送信してリターンする
(S1741、S1747〜S1751)。以上のコマ
ンド、データを受信したレンズCPU61は、図15の
ISZ処理を経て目標焦点距離を演算し、ズーミング制
御を実行する。
【0228】『ISZ‐DRIVE2』図66および図
67に示した像倍率一定ズーム処理の第2実施例につい
て説明する。この第2実施例は、カメラボディ11にお
いて、像倍率一定ズームに関する演算、制御をすること
に特徴を有する。
【0229】ステップS1801〜S1823までの処
理は、図63に示した第1実施例のS1701〜S17
31と同様であるからそこまでの説明は省略し、S18
25以降の処理について説明する。合焦状態にないとき
には、カメラボディ11のパワーズーム状態に関するデ
ータをPZ‐BSTATEコマンドで送信する(S18
13、S1825〜S1833)。そして、パワーズー
ムレンズ51が像倍率一定ズーム中でなければ、ボディ
側で電力要求を行なってバッテリ供給およびチェックを
行ない、制御ズーム中フラグF_IPZONをセットする(S
1827〜S1833)。
【0230】次に、像倍率メモリ時の焦点距離がメモリ
されているレンズRAM61bのアドレスを指定してS
ET‐PZPOINTコマンドを送信し、パワーズーム
レンズ51から、SET‐PZPOINTコマンドで指
定した像倍率メモリ時の焦点距離(FOCALLEN‐
Xデータ)を入力する(S1835、S1837)。さ
らに、レンズRAM61bにメモリされている像倍率メ
モリ時の焦点距離データを指定してSET‐AFPOI
NTコマンドを送信し、パワーズームレンズ51から像
倍率メモリ時のAFパルス数(LENS‐AFPULS
Eデータ)を入力する(S1839、S1841)。そ
して、入力したデータに基づいて像倍率(x)を
演算する(S1843)。さらに、現在のAFパルス値
を指定してSET‐AFPOINTコマンドを送信し、
その指定に基づいてパワーズムレンズ51から現在のA
Fパルス数(LENS‐AFPULSEデータ)を入力
する(S1845、S1847)。
【0231】次に、合焦しているかどうかをチェック
し、合焦していれば現AFパルス数xを利用した式に
より焦点距離を求め、合焦していなければ、被写体が動
体かどうかをチェックし、動体である場合には、合焦時
の場合と同様に現在のAFパルスに基づいて焦点距離を
演算し、動体でない場合は、現AFパルス数xおよびデ
フォーカスパルスΔxを利用した式により目標焦点距
離を求める(S1849〜S1853)。そして、算出
した目標焦点距離までパワーズームさせるコマンドおよ
び焦点距離データ(MOVE‐PZFコマンド)を送信
してからリターンする(S1855)。このMOVE‐
PZFコマンドを受信したレンズCPU61は、上記カ
メラボディ11から送られてきた目標焦点距離へズーミ
ングレンズ53Fを駆動する。
【0232】なお、上記実施例において、目標焦点距離
の演算方式を撮影レンズの合焦状態により変更する構成
となっているが、勿論、他の条件、例えば、動体予測A
Fであるか否かに基づいて変更する構成としてもよい。
この場合、S1853の前に、「被写体が動体か?」の
判断処理を付加し、動体である場合は、S1851によ
り目標焦点距離を現在のレンズ繰出し量によって算出
し、動体でない場合は、S1853により焦点距離を算
出する構成とすればよい。ここで、動体予測AF時にデ
フォーカス量を用いずに目標焦点距離を演算する理由
は、レンズ駆動の高速化および安定化を図るためであ
る。
【0233】『ISZ‐DRIVE3』図68および図
69に示した像倍率一定ズーム処理は、ボディ11側で
制御する像倍率一定ズームの変形であって、一度合焦し
てから像倍率一定ズームを行なっても、ズーミング終了
時に合焦状態から外れる可能性があるので、像倍率一定
ズーム後に再度AF処理及び像倍率一定ズームを行な
う、第3実施例である。また、この実施例は、併せて、
動体予測AF時に動体移動スピードに応じて像倍率一定
ズームのスピードを変えて駆動する方法も示している。
【0234】フォーカシングレンズ53Fが無限遠位置
にあれば、AF‐INITPOSコマンドをパワーズー
ムレンズ51に送信し(S1901、S1903)、至
近距離位置にあれば、PZ‐BSTATEコマンドでカ
メラボディ11側のパワーズームモードに関するPZボ
ディステートデータをパワーズームレンズ51に送信す
る(S1901、S1905、S1907)。パワーズ
ームウエイトのとき、またはプレディクタ演算結果が無
効のときにはなにもせずにリターンする(S1909、
S1911)。
【0235】パワーズームウエイトでなく、かつプレデ
ィクタ演算結果が有効のときには被写体が動体であるか
どうかをチェックする(S1909〜S1913)。動
体であり、かつ像倍率一定ズーム中フラグが下りている
とき(像倍率一定ズーム駆動中でないとき)には(19
13、S1961)ボディのバッテリ要求フラグをセッ
ト(F_BBATREQ=1)してバッテリの供給を行ない、像
倍率一定ズーム中フラグをセット(F_ISZON=1)する
(S1961〜S1967)。そして、動体移動スピー
ド(像面移動スピード)に応じたパワーズームスピード
をセットし、セットしたパワーズームのスピードデータ
(ISSPA、ISSPB)及び、現在位置のAFパル
スでISZ制御を行なわせるようにフラグF_ISZDをクリ
アしてBODY‐STATE1データ通信により送り、
ISZ‐STARTコマンドを送信してパワーズームレ
ンズ51に像倍率一定ズームを開始させる(S1969
〜S1973)。
【0236】動体でなければ、合焦2回目(F_INFOCUS
=2)か、1回目(F_INFOCUS=1)かどうかをチェッ
クする(S1913、S1915、S1917)。な
お、F_INFOCUSは2ビットである。合焦2回目でも1回
目でもなければ、つまり最初のときには、合焦している
かどうかをチェックし、合焦していなければリターン
し、合焦していれば、ボディのバッテリ要求フラグBBAT
REQをセットして電力供給を行ない、像倍率一定ズーム
中のフラグF_ISZONを立てる(S1919〜S192
5)。
【0237】そして、像倍率一定ズームスタートコマン
ドを送信して像倍率一定ズームをスタートさせ、NGタ
イマーをスタートさせ、像倍率一定ズームの終了チェッ
クを行ない、終了したら合焦1回目フラグをセットし、
像倍率一定ズーム終了フラグF_IPZENDをクリアして1回
目の処理を終了する(S1935〜S1940)。
【0238】次にこの処理に入ったときには、合焦1回
目フラグ立っているので、S1917からS1941に
入り、合焦しているかどうかをチェックする。合焦して
いなければリターンし、合焦するまで以上の処理を繰り
返す。合焦していれば、NGタイマーをスタートさせ、
像倍率一定ズームスタートコマンドを撮影レンズに送信
して撮影レンズに像倍率一定ズームをスタートさせ、合
焦2回目フラグをセットしてリターンする(S1943
〜S1947)。
【0239】S1947の処理を終了してからこのIS
Z‐DRIVE3処理に入ったときには合焦2回目フラ
グが立っているので、S1915からS1951に入
り、像倍率一定(制御)ズームの終了チェックを行な
う。制御ズームが終了していなければリターンし、終了
していれば制御ズーム終了フラグF_IPZENDをクリアし、
像倍率一定ズームストップフラグF_ISZSTOPを立て、像
倍率一定ズーム終了処理を行なってからリターンする
(S1953〜S1957)。
【0240】『AFP‐CNT処理』図70に示したA
FP‐CNT処理は、パワーズームレンズ51における
AFパルスカウント処理である。レンズCPU61は、
AFパルサー59が出力するAFパルスをハード的にカ
ウントするAFパルスカウンタを備えている。このAF
P‐CNT処理には、2msタイマ割り込みにより2ms間
隔で入る。なお、本処理は、図9に示した2msタイマ割
込みルーチンのS303処理の詳細である。
【0241】AFP‐CNT処理では先ず、AFパルス
ハードカウンタのカウント値をAFパルスカウント値メ
モリ(レンズRAM61bのアドレスAFPCNTL,
H)にメモリする(S2001)。そして、PZ‐BS
TATEコマンドにより入力したオートフォーカス制御
に関するデータ(レンズRAM61bの所定アドレスP
Z_BDSTのbit3からbit0のデータ)を参照し、A
Fモータ39がニアムーブ中であり、かつニア端に達し
ていないときには、AFパルスカウントスタート値(A
FPSTRTL,H)にAFパルスカウント値を加算
し、これを現在のAFパルス値メモリ(レンズRAM6
1bのAFPXL,H)にメモリしてこのルーチンを抜
けるが、ニア端に達していたときにはそのまま終了する
(S2002〜S2007)。
【0242】AFモータ39がファームーブ中であるが
ファー端に達していないときには、AFパルスカウント
スタート値からAFパルスカウント値を減算して現在の
AFパルス値メモリ(AFPXL,H)にメモリしてA
FP‐CNT処理を抜け、ファー端に達していたときに
はそのままAFP‐CNT処理を抜ける(S2009〜
S2013)。また、ニアムーブでもファームーブでも
ないときはAFモータ39が回転していないので、なに
もしないでAFP‐CNT処理を終了する(S200
2、S2009)。
【0243】『AFP‐ADJ処理』図71に示したA
FP‐ADJフローチャートは、バックラッシュ等の影
響による現在のAFパルス値を補正する、パワーズーム
レンズ51側の処理である。本実施例では、ファー端に
おけるAFパルス値を0とし、ニア端のAFパルス値を
最大値に設定してある。そして、距離コード板81の指
標83をブラシ85が通る毎に、その指標83位置にお
ける絶対値コードに基づく絶対AFパルス数(基準AF
パルス数)に基づいて、現在のAFパルスカウント値を
補正する構成である。本処理は、図9に示される2msタ
イマ割込みルーチンのS307の詳細である。
【0244】AFP‐ADJ処理に入ると、まず、指標
83にブラシ85が接触したかどうかをチェックし、接
触していなければそのまま処理を終了する(S202
1)。接触していても、前回の処理のときも接触してい
ればそのままリターンする(S2021、S202
3)。つまり、指標83とブラシ85とが接触した時点
(指標83のエッジ)を検出する。
【0245】指標83とブラシ85とが接触すると、A
Fモータ39がファームーブのときに接触した場合に
は、その指標83のニア端位置に対応する、AFパルス
FARテーブルデータ(指標83のNEAR端側エッジ
のデータ)を読み込んでアドレスAFPCDL,Hにメ
モリし、ニアムーブで接触したときには、その指標83
のファー端位置に対応するAFパルスNEARテーブル
データ(指標83のFAR端側のエッジのデータ)を読
み込んで、アドレスAFPCDL,Hにメモリする(S
2025〜S2033)。FARテーブルとNEARテ
ーブルの2種類のテーブルを備えているのは、指標83
に幅があるので、接触方向によりその幅分接触時の絶対
位置が異なるからである。また、AFモータ39が停止
しているときには、そのままこの処理から抜ける(S2
027、S2031)。なお、S2025のフラグF_AF
PADJはテスト用で、通常はクリアされている。
【0246】次に、現在のAFパルス値が分かっている
とき(フラグF_AFPOSが立っているとき)には、テーブ
ルデータ(AFPCDL,H)から現在のAFパルスカ
ウント値(AFPXL,Hのデータ)を減算し、その減
算値(差)をAFパルス誤差メモリ(AFPDIFX
L,H)にメモリする(S2035、S2037)。こ
こで、その誤差がマイナスのとき(ボローがあるとき)
には、上記誤差の絶対値をAFパルス現在値メモリにメ
モリする(S2039、S2041)。
【0247】そして、上記差が所定の許容誤差(N_AFPD
IF)よりも大きいかどうかをチェックして、小さい場合
にはそのまま処理を終了するが、大きい場合には補正、
つまり現在のAFパルス値メモリ(AFPXL,H)お
よびAFパルスカウントスタート値メモリ(AFPST
RTL,H)にテーブルデータ(AFPCDL,H)を
入れる(S2043、S2045)。一方、AFパルス
現在値が分かっていないときには、無条件で上記S20
45の補正処理を実行する(S2035、S204
5)。
【0248】そして、AFパルスハードカウンタをクリ
アしてスタートさせ、AFパルスカウントスタート値
(AFPCNTL,H)をクリアし、現在のAFパルス
値がわかっていることを示すフラグF_AFPOSを立てて終
了する(S2047、S2049)。
【0249】『LMT‐DTC処理』図72に示したL
MT‐DTCフローチャートは、ズーミングレンズ群5
3Zが端点に達したこと、あるいは何らかの事情で移動
できなくなったこと(擬似端点と称す)を検出する、パ
ワーズームレンズ51側の処理である。本実施例では、
PZモータ65駆動中にPZパルスが所定時間内に出力
されたかどうかをチェックして検出している。さらに所
定時間は、PZモータの駆動速度(ズーミング速度)に
応じて変更している。また、PZモータの起動時(停止
状態またはブレーキ状態から駆動状態へ移った時)から
一定時間は起動トルクが大きくなるため、端点の検出は
行なわない。本処理は、図10に示される2msタイマ割
込みルーチンのS351の詳細である。
【0250】まず、PZモータ駆動中であるかどうかを
チェックし、駆動中でなければ、リミット(端点または
擬似端点)に達したことを検出するためのリミットカウ
ンタT_LMTをクリアして抜ける(S2061、S2
071)。なお、PWMタイマT_PWMは、PZパルスが
出力されて図12に示されるPZパルスカウント割込み
処理に入ったときにクリアされる。
【0251】PZ駆動中のときには、起動時からの時間
を計測するカウンタT_STARTが0になったかどう
か(所定時間が経過したかどうか)をチェックし、0で
なければカウンタT_STARTを1デクリメントと
し、リミットカウンタT_LMTをクリアして抜ける
(S2061、S2063、S2069、S207
1)。この処理には2msごとに入るので、2msごとにカ
ウンタT_STARTがデクリメントとされる。カウン
タT_STARTの値はズームモータを起動するときに
所定の値に設定されるが、起動してから一定期間は端点
検出を行なわない。
【0252】カウンタT_STARTが0になると、モ
ータ起動後一定期間経過したことになるのでS2065
以降の端点検出の処理へ進む。PWMのデューティ比T
_PWMBRKが、PWMデューティ比の最大限界値N
_PWMMAX以上になった場合、端点検出用のカウン
タT_LMTを1インクリメントしてS2073に進
み、そうでない場合はそのままS2073に抜ける(S
2065、S2067)。また、モータがDC駆動(最
高速駆動)のときには、デューティー比T_PWMBR
Kとして最大限界値N_PWMMAXの値が設定される
ので、DC駆動時は、リミットカウンタT_LMTがイ
ンクリメントされる(S2065、S2067)。
【0253】次に、ズームモータのPWM駆動は、次の
ように制御する。PWMデューティ比T_PWMBRK
は通常、最大限界値N_PWMMAXより小さい値が設
定されている。したがって、カウンタT_LMTをイン
クリメントせず、そのまま抜ける(S2065、S20
73)。しかし、PZパルスが一定期間出力されないと
きには、2msタイマールーチンによりデューティ比T_
PWMBRKが徐々に大きく変更されるので、所定時間
経過後に最大限界値N_PWMMAXと同じ値(ほぼD
C駆動)となり、カウンタT_LMTが1インクリメン
トされるようになる。
【0254】ここで、PWMで低速駆動の場合は、PW
Mデューティー比T_PWMBRKの値が最初は小さい
ので、端点あるいは疑似端点に達したときに、カウンタ
T_LMTがインクリメントされるまでの時間が長い。
PWMで高速駆動の場合は、PWMデューティー比T_
PWMBRKの値が大きいので、端点あるいは疑似端点
に達したときに、カウンタT_LMTがインクリメント
されるまでの時間が、PWM低速時よりも短い。上記の
処理により、ズームモータの駆動速度により端点検出時
間が可変になる(2063〜S2067)。なお、カウ
ンタT_LMTが所定値(N_LMT)未満のときには
所定の端点検出時間を経過していないので、そのままこ
のサブルーチンを抜ける(S2073)。
【0255】カウンタT_LMTが所定値N_LMT以
上になると、端点または擬似端点とみなす。テレ方向駆
動のときには、ズームコードがテレ端値のときにはテレ
端フラグF_TENDを立て、テレ端でないときには何らかの
異常で停止したので疑似テレ端フラグF_LMTTを立てる
(S2075〜S2081)。ワイド方向駆動のときに
は、ズームコードがワイド端値のときにはワイド端フラ
グF_WENDを立て、テレ端でないときには何らかの異常で
停止したので疑似ワイド端フラグF_LMTWを立てる
(S2075、S2083〜S2087)。
【0256】『SET‐SET処理』図73〜図81に
示したSET‐SETフローチャートは、ズームモータ
の駆動の回転方向およびスピード、停止、ブレーキを制
御するステータス(スピード制御ビット)等を設定す
る、パワーズームレンズ51側の処理である。本処理
は、図10に示される2ms割込みルーチンのS353の
詳細である。なお、ここのSET‐SET処理には、図
73〜図81に示したMOV処理、INIT3割込み処
理、NO‐MOVE、MOV1処理、BRK1、2処
理、STP1処理、MOV‐TRG処理、DRV‐TR
G8処理が含まれる。
【0257】先ず、電力要求フラグF_BATREQをセット
し、ズームスピード切替スイッチ75の位置を所定のコ
ード(方向及びスピードを示すコード)に変換して変換
値メモリTRNSSPDに入れる(S2101、S21
03)。
【0258】指定位置への駆動(F_MOVTARG=
1)であればMOV_TRG処理へ進み、指定方向への
通常の駆動のとき(F_MOVがセットされているとき)に
はMOV処理へ進む(S2105、S2107)。
【0259】いずれの駆動でもなく、かつズーム操作環
が中立位置(ズームスイッチ75がオフ)にあり、かつ
像倍率一定ズームモードであればMOV‐TARG処理
へ進み、像倍率一定ズームモードでなければNO‐MO
V処理へ進む(S2109、S2115)。ズーム操作
環が中立位置にないときには、マニュアルパワーズーム
停止ビットがセット(F_MPZD=1)されているときには
NO‐MOV処理へ進み、そうでないときにはマニュア
ルパワーズームなので、ズームスイッチの状態を変換し
たズームスピードデータをアドレスSPDDRC1にメ
モリして、MOV処理に進む(S2109、S211
1、S2113)。
【0260】以上の処理において、ボディがレリーズ処
理に入ったとき等に、通信コマンドBODY‐ATAT
E1(22)にてフラグF_MPZDがセットされるので、レ
リーズ中のマニュアルパワーズーム動作を停止できる。
また、パワーズームをストップさせる通信コマンドIP
Z‐STOP(35)が送られてくれば、各フラグF_MO
VTRG、F_MOV、F_ISZ等がクリアされるので、マニュアル
パワーズーム以外のパワーズーム動作も停止させること
ができる。
【0261】『MOV処理』次に、パワーズームモータ
の制御について、図74〜図76に示したMOVフロー
チャートを参照して説明する。この制御は、マニュアル
ズーム及び指定方向へのパワーズーム制御(フラグF_MO
Vがセットされているとき)に関するボディパワーレン
ズ51における処理である。先ず、テレ方向駆動(F_TE
LE1=1)かどうか(駆動方向メモリSPDDRC1の
bit0)をチェックする(S2201)。
【0262】駆動方向がテレ方向であり、かつテレ端ま
たは疑似テレ端に達したときにはNO‐MOV処理に進
む(S2201〜S2205)。初めての駆動(起動)
のときには、初期設定のための処理S2233に進む
(S2207)。そして、ズームモータ制御用メモリZ
M_BDSTにセットされた前回のズームモータ制御に
関するデータを参照し、前回も駆動していたが、前回と
駆動方向(ズームモータの回転方向)が変わるとき(F_
DRCW=1)、またはボディ11からの電力供給がオフさ
れたときにはブレーキ処理(BRK1)に進む(S22
07〜S2211)。前回も同一方向駆動であり、かつ
電力が供給されているときにはS2249のスピード設
定処理に進む(S2207〜S2211)。
【0263】駆動方向がテレ方向でなく、ワイド端また
は疑似ワイド端に達していたとき(F_WEND=1またはF_
LMTW=1)にはNO‐MOV処理に進む(S2201、
S2223、S2225)。ワイド端または疑似ワイド
端に達していないが起動のときには、初期設定のための
処理S2233に進み、前回も駆動していたが、前回と
駆動方向が変わるとき、またはボディからの電力供給が
オフされたときにはブレーキ処理(BRK1)に進み、
前回も同一方向駆動であり、かつ電力が供給されている
ときにはS2249のスピード設定処理に進む(S22
25〜S2231)。
【0264】起動時の初期設定処理は、電力が供給され
ていることを条件に実行し、電力が供給されていなけれ
ば停止処理(NO‐MOV1)へ進む(S2233)。
電力が供給されているときには、ブレーキフラグF_BRK
がセットされているとき(モータがブレーキ中のとき)
にはブレーキカウンタT_BRKを1インクリメントし
て、ブレーキカウンタT_BRKが所定値(N_BRK
REV)以下の場合はブレーキ処理のためにブレーキ2
(BRK2)処理に進む(S2235〜S2239)。
【0265】ブレーキフラグF_BRKがクリアされている
か、セットされていてもブレーキタイマT_BRKが所
定値よりも大きいときにはブレーキ終了なので、スター
トフラグF_STARTをセットし、リミットタイマT_LM
TおよびPWMタイマT_PWMをクリアし、起動時に
一定期間端点検出をしないようにするためのカウンタの
設定およびPWMデューティー比の初期値(最小値)セ
ットを行なう(S2235〜S2241)。つまり、ス
タートフラグF_STARTをセットし、端点検出カウンタT
_LMTおよびPWMカウンタT_PWMをクリアし、
スタートカウンタT_STARTに初期値を入れ、PW
Mのデューティー比T_PWMBRKに最小値を入れ
る。PWMデューティー比T_PWMBRKに最小値を
セットすることにより、PWM時には最低速で起動され
ることになる。
【0266】設定が終了すると、PZパルサー69のL
EDをオンしてPZパルスカウント準備を行ない、PZ
パルスカウント割込み(INT3)が許可されていなけ
ればこれを許可してスピード設定処理(S2249)に
進む(S2243〜S2247)。
【0267】スピード設定処理では、設定されたスピー
ドに応じてPZパルス間隔(T_PWMPLSの値)を
設定する。本実施例では、設定したPZパルス周期でP
Zパルスが出力されるようにPWMにおける通電時間を
制御する構成であり、4速の設定が可能であるが、これ
に限定されない。なお、スピードの指定は、SPDDR
C1のbit2、3(F_SPDA1、F_SPDB
1)の2bitで指定される。4速については、PWM
制御ではなくDC制御のため、PZパルス間隔は設定し
ないで、端点検出用(図72のS2065)にPWMデ
ューティー比T_PWMBRKに最大値をセットする。
【0268】スピード設定が終了したら、そのスピード
およびその方向(SPDDRC1)をズーム制御用メモ
リ(ZM_ST1)に入れ、ドライブフラグF_DRVをセ
ットし、ブレーキフラグF_BRKをクリアする(S225
1)。なお、これらのフラグは、ZM_ST1のbit3
〜0(フラグSPDB1、SPDA1、WIDE1、TELE1)にそれぞれ
対応してセット、クリアされる。さらに、テレ端、ワイ
ド端疑似フラグF_LIMTT、F_LIMTWをクリアし、駆動方向
フラグF_TMOV、F_WMOV、F_TELE1、F_WIDE1をセットし、
テレ端、ワイド端フラグF_TEND、F_WENDをクリアする
(S2253〜S2257)。なお、フラグF_TMOV、F_
WMOV、F_TENDおよびF_WENDは、PZ‐LSTデータのフ
ラグであり、フラグF_TMOV、F_WMOVは、SPDDRC1
のフラグF_TELE1、F_WIDE1とそれぞれ対応してセット、
クリアされる。なお、フラグF_TMOV、F_WMOVは、ずれか
一方がセット(=1)されているときには他方はクリア
(=0)される。
【0269】そして、像倍率一定ズーム中であれば像倍
率一定ズーム中に割込んでマニュアルパワーズームとな
ったので、レンズのPZ状態に関するメモリデータ(P
Z_LST)に所定の上記フラグF_TMOV、F_WMOV、F_TE
NDおよびF_WENDなどをセットして終了する(S225
9、S2267)。像倍率一定ズーム中でない場合で、
ズームスイッチ操作によるパワーズーム(マニュアルパ
ワーズーム)であれば、マニュアルパワーズームに関す
るフラグF_MPZを含むデータをズーム状態データ(PZ
‐LST)に入れ、制御パワーズーム(指定方向へのズ
ーム)であれば、制御パワーズームに関するフラグF_IP
ZBを含むデータをズーム状態データ(PZ‐LST)に
入れてSET‐ST処理を終了する(S2261〜S2
265)。なお、PZ_LSTデータの内容は、コマン
ドPZ‐LSTATE(10)に関する通信でカメラボ
ディ11に送られる。
【0270】『INT3割込み許可』図77は、PZパ
ルスカウントのための割込み許可処理である。本実施例
では、PZパルスは、2msタイマー割込みによりソフト
的にカウントしている。そこでこの処理では、PZパル
スによるカウンタ割込みを可能にすべく、INIT割込
み許可ビットをセットする。なお本処理は、図75のS
2247及び図83のS2457の詳細である。
【0271】『NO‐MOV、NO‐MOV1処理』図
78に示したNO‐MOV、NO‐MOV1処理は、パ
ワーズームを停止またはブレーキに移行させるための処
理である。パワーズーム駆動中(フラグF_DRVがセット
されているとき)に入ると、BRK1処理に進み、パワ
ーズーム駆動中でなく、ブレーキ中でないとき(フラグ
F_BRKがクリア)には停止処理(STP1)に進み、ブ
レーキ中のときにはブレーキカウンタをインクリメント
し、その値が所定値(N_BRK)以上になればストッ
プ処理(STP1)を行ない、所定値より小さいときに
はブレーキ処理を継続するためにブレーキ2(BRK
2)処理に進む(S2301〜S2307)。なお、N
O‐MOV1処理にはパワーズーム駆動中でないときに
入るので、S2301を飛ばしてS2303から入る。
【0272】『BRK1、2処理』図79のブレーキ処
理(BRK1)では、ブレーキタイマT_BRKをクリ
アし、テレ方向フラグF_DRCT、ワイド方向フラグF_DRC
W、スピード1フラグF_SPD0、スピード2フラグF_SPD1
および駆動フラグF_DRVをクリアし、ブレーキフラグF_B
RKをセットする(S2311、S2313)。BRK2
には2回目以降に入るので、S2313の処理のみを行
なう。以上の処理を行なった後SET‐ST処理を終了
する。
【0273】『STP1処理』図80に示したSTP1
フローチャートは、パワーズームを停止させるための設
定を行なう処理である。先ず、PZパルスカウント割込
みを禁止し、PZパルサー69のLEDをオフする(S
2321、S2323)。
【0274】ズームスイッチ75が中立位置にあるとき
にはZM_ST1データをクリア(フラグをすべてクリ
ア)して、バッテリ要求を解除してS2349に進む
(S2327、S2337、S2347)。なお、ズー
ムスイッチ75が中立に戻ったときには、擬似端点フラ
グ(F_LMTT、F_LMTW)をクリアするので、前回擬似端点
がセットされていた方向にも再びズーミング動作を行な
わせることができる。
【0275】ズームスイッチ75が中立位置でなく、テ
レ方向にオンしているときには、ZM_ST1データ中
のフラグF_LMTT、F_LMTWはそのままにして他のフラグを
すべてクリアする(S2329、S2331)。テレ端
または疑似テレ端であればバッテリ要求を解除してS2
349に進むが、テレ端でも疑似テレ端でもなければバ
ッテリ要求を解除せずにS2349に進む(S233
3、S2335)。ズームモータ65がワイド方向に回
転しているときには、ZM_ST1データ中のフラグF_
LMTT、F_LMTWをそのままにして他のフラグをクリアする
(S2329、S2341)。ワイド端または疑似ワイ
ド端であればバッテリ要求を解除してS2349に進む
が、テレ端でも疑似テレ端でもなければバッテリ要求を
解除せずにS2349に進む(S2343、S234
5)。
【0276】S2349では、像倍率一定ズーム中であ
るかどうかをチェックし、S2351では像倍率一定ズ
ーム演算終了であるかどうかをチェックする。像倍率一
定ズーム中かつ演算が終了していないときには、PZ_
LSTデータ中のフラグF_TEND、F_WEND、F_IPZB、F_IS
ZOKをそのままにして、他のフラグF_TMOV、F_WMOV、F_I
PZI、F_MPZをクリアする(S2353)。像倍率一定ズ
ーム中でないとき、または像倍率一定ズーム中でも演算
が終了しているときは、PZ_LSTデータ中のフラグ
F_TEND、F_WENDをそのままにして他のフラグをクリアす
る(S2355)。なお、PZ_LSTデータの内容
は、コマンドPZ‐LSTATE(10)の通信でカメ
ラボディ11に送られる。なお、フラグF_PZDRCは、Z
M_ST1データにおけるフラグF_DRCW、F_DRCTと同一
の機能を有するものであり、F_PZDRC=1のときは、ワ
イド方向駆動を意味する。
【0277】そして、ZM‐ST2に、ZM‐ST2の
データと所定のデータとの論理和をストアして、スター
トフラグF_START、像倍率一定ズームフラグF_ISZ、指定
方向駆動フラグF_MOVTARG、指定位置駆動フラグF_MOVPL
S、F_MOVZC等をクリアしてSET‐ST処理を終了する
(S2357)。つまり、ZM‐ST2データ中のフラ
グF_PZPOS、F_PZPDRCをそのままにして他のフラグをク
リアする。
【0278】『MOV‐TRG』図82に示したフロー
チャートは、指定した位置までズーミングレンズを駆動
するMOV‐TRG処理である。プリセットズームモー
ドにおいてズームモード切替えスイッチ77がオンされ
たときは、プリセットズームセットモードにおいてメモ
リした焦点距離までズーミングレンズ群を移動させる。
先ず、目標PZパルス数が現在のPZパルスよりも大き
いかどうかをチェックする(S2401)。大きければ
テレ方向駆動であり、小さければワイド方向駆動であ
る。
【0279】テレ方向駆動のときには、目標パルス数
(PZPTRGT)を現在のパルス数(PZPX)から
減算してその差を駆動パルス数としてメモリ(PZPD
IF)する(S2403)。目標パルス数と現在のパル
ス数とが等しければ駆動する必要がないのでNO‐MO
V処理に進む(S2405)。等しくなければ、モータ
駆動方向をテレ方向に仮セットし、テレ端か疑似テレ端
であればNO‐MOV処理に進む(S2407〜S24
11)。テレ端でも疑似テレ端でもなく、駆動中での場
合には、ワイド方向フラグF_DRCWが立っているか、バッ
テリがオフであればBRK1処理に進む(S2413〜
S2417)。同方向駆動であり、かつバッテリが供給
されているときにはDRV‐TRG8処理に進む(S2
413〜S2417)。駆動中でない場合はS2441
へ進む。
【0280】ワイド方向のときには、目標パルス数(P
ZPTRGR)を現在のパルス数(PZPX)から減算
してその差を駆動パルス数としてメモリ(PZPDI
F)する(S2423)。そして、ズームモータ駆動方
向をワイド方向に仮セットし、ワイド端か疑似ワイド端
であればNO‐MOV処理に進む(S2427〜S24
31)。
【0281】ワイド端でも疑似ワイド端でもなく、駆動
中での場合には、テレ方向フラグF_DRCTが立っている
か、バッテリがオフであればBRK1処理に進む(S2
433〜S2437)。同方向駆動であり、かつバッテ
リが供給されているときにはDRV‐TRG8処理に進
む(S2433〜S2437)。駆動中でない場合は2
441へ進む。
【0282】本制御方法では、目標のPZパルスと現在
のPZパルスが等しくなったときに駆動からブレーキ処
理に移るので、パルスの行き過ぎがあり得る。しかし、
1パルスの行き過ぎはほとんど問題にならないので、誤
差パルスPZPDIFが1のとき、または誤差パルスP
ZPDIFが1でなくても電力がオフされているときに
はNO‐MOV1処理に進む(S2441〜S244
3)。
【0283】誤差パルスPZPDIFが1でなくかつ電
力が供給されている場合には、ブレーキフラグF_BRKが
セットされていればブレーキカウンタT_BRKを1イ
ンクリメントし、ブレーキカウンタT_BRKが所定値
よりも小さいときにはブレーキ処理(BRK2)に進む
(S2443〜S2449)。
【0284】ブレーキフラグF_BRKがクリアされている
か、セットされていてもブレーキカウンタT_BRKが
所定値よりも大きいときにはブレーキ処理終了なので、
起動フラグF_STARTをセットし、リミットタイマおよび
PWMタイマをクリアし、起動時に一定期間端点検出を
しないようにするためのカウンタ設定およびPWMデュ
ーティー比の初期値(最小値)セットを行なう(S24
51)。つまり、スタートフラグF_STARTをセットし、
端点検出カウンタT_LMTおよびPWMカウンタT_
PWMをクリアし、スタートカウンタT_STARTに
初期値を入れ、PWMデューティー比T_PWMBRK
に最小値を入れる。
【0285】設定が終了すると、PZパルサー69のL
EDをオンしてPZパルスカウント準備を行ない、PZ
パルス割込みが許可されていなければこれを許可してか
らDRV‐TRG8処理に進む(S2453〜S245
7)。
【0286】『DRV‐TRG8処理』図84および図
85に示したDRV‐TRG8処理は、目標焦点距離ま
での駆動PZパルス数に応じてズームスピードを制御す
る処理であり、目標位置までのパルス数(PZPDI
F)に応じて段階的に速度を変更している。本実施例で
は、目標までの駆動パルス数が第3パルス数以上であれ
ば最高速の第4速で駆動(DC駆動)し、第3パルス数
未満第2パルス以上であれば第3速で駆動し、第2パル
ス数未満第1パルス以上であれば第2速で駆動し、第1
パルス数未満であれば第1速で駆動する。なお、第4速
>第3速>第2速>第1速、および、第3パルス数>第
2パルス数>第1パルス数とする。また、本実施例では
4速可変としてあるが、可変速度の段数はこれ以上でも
以下でもよく、また無段階に近い程度に段階を多くして
もよい。
【0287】先ず、設定されたズームスピードに応じ
て、スピード選択処理に進む(S2501)。つまり、
第1速が設定されているときにはS2503に進み、第
2速が設定されているときにはS2511に進み、第3
速が設定されているときにはS2521に進み、第4速
が選択されているときにはS2541に進む。なお、ス
ピードの選択は、SPDDRC2のbit2、3(F_
SPDA2、F_SPDB2)の値に基づいて行なう。
SPDDRC2は、目標位置が設定されている場合に利
用され、ズームレンズ駆動開始時のズーム方向、および
メインCPU35あるいはレンズCPU61によって自
動設定されるズームスピードが格納されるものである。
【0288】第1速が設定されているときには、スピー
ドおよび駆動方向(ZM‐ST1の値)に変化がないか
どうかをチェックし、変化があればPWMブレーキタイ
マ(PWMデューティー比)に第1速の基準値N_PW
MMI0をセットし、変化がなければなにもせずに、T
‐PWMPLSに第1速のPZパルスの周期N_PWM
P0をセットし、R_INTと所定データとの論理和を
ZM‐ST1に入れる(スピード及び方向セット)(S
2503〜S2509)。これにより、最低速が設定さ
れる。そして、PZ‐LSTデータと所定データの論理
積をとり、さらにこの論理積とR_INTデータとの論
理和をPZ‐LSTデータに入れてこのSET‐ST処
理を終了する(S2551)。
【0289】第2速が設定されているときには、目標ま
でのパルス数(PZPDIF)が第1のパルス数以上か
どうかをチェックし、小さければ、DRVPWM0(1
速のS2503)に進む。以上であればS2513に進
み、第2速で制御するために、スピード及び方向(ZM
‐ST1の値)に変化がないかどうかをチェックし、変
化があればPWMブレーキタイマ(PWMデューティー
比)に第2速の基準値N_PWMMI1をセットし、変
化がなければなにもせずに、T‐PWMPLSに第2速
のPZパルスの周期N_PWMP1をセットし、R_I
NTデータと所定データとの論理和をZM‐ST1に入
れてS2551に進む(S2503〜S2509)。以
上の処理により、第2速がセットされる。
【0290】第3速が設定されているときには、目標ま
でのパルス数(PZPDIF)が第1のパルス数未満で
あればS2503の第1速処理(DRVPWM0)に進
み、第1のパルス数以上第2のパルス数未満であれば第
2速処理DRVPWM1に進む(S2521、S252
3)。そして、第2のパルス以上であれば、第3速で制
御するために、スピード及び方向(ZM‐ST1の値)
に変化がないかどうかをチェックし、変化があればPW
Mブレーキタイマ(PWMデューティー比)に第3速の
基準値N_PWMMI2をセットし、変化がなければな
にもせずに、T_PWMPLSに第3速のPZパルスの
周期N_PWMP2をセットし、R_INTデータと所
定データとの論理和をZM‐ST1に入れてS2551
に進む(S2523〜S2531)。以上の処理によ
り、第3速がセットされる。
【0291】第4速が設定されているときには、目標ま
でのパルス数(PZPDIF)が第1のパルス数以上か
どうかをチェックし、第1のパルス数未満であればS2
503の第1速処理(DRVPWM0)に進み、第1の
パルス数以上第2のパルス数未満がどうかをチェックし
この間の値であればDRVPWM1(第2速処理)に進
み、第2のパルス以上第3のパルス数未満であるかをチ
ェックし、第2のパルス以上第3のパルス数未満であれ
ばDRVPWM2(第3速処理)に進み、第3のパルス
数以上であれば、PWMブレーキタイマ(PWMデュー
ティー比)に最大値N_PWMMAXをセットし、ZM
‐ST1にR_INTデータと所定データとの論理和を
入れて、S2551に進む(S2547、S254
9)。S2551の処理により、第4速(DC駆動)が
設定される。
【0292】『PZP‐CNT処理』図86から図90
に示したPZP‐CNTフローチャートは、PZパルス
カウントに関する、パワーズームレンズ51側の処理で
ある。本処理は、図10の2msタイマ割込みルーチンの
S355の詳細である。
【0293】ズーミングレンズ群53Zがワイド端にあ
る場合に、PZパルスを補正するとき(F_PZPADJ=0の
とき)には、現在のPZパルス値およびPZパルスカウ
ントスタート値を0にリセットし、現在位置がわかって
いるかどうかのフラグF_PZPOSが立っていればPZP‐
CNT5処理に進み、同現在位置フラグがクリアされて
いればパワーズームのイニシャライズ(PZ‐INI
T)処理に進む(S2601〜S2605、S261
5)。補正しないときには、現在位置が分かっていると
き(F_PZPOS=1のとき)は現在位置OK(POS‐O
K)処理に進み、現在位置が分かっていないとき((F_
PZPOS=0のとき)には現在位置不明(POS‐NG)
処理に進む(S2603、S2607)。
【0294】ズーミングレンズがテレ端にある場合も同
様に、PZパルスを補正するときには、現在のPZパル
ス値およびPZパルスカウントスタート値を最大値(N
_PZPMAX)にセットし、現在位置がわかっている
かどうかのフラグが立っていればPZP‐CNT5処理
に進み、現在位置がわかっているかどうかのフラグがク
リアされていればPZイニシャライズ(PZ‐INI
T)処理に進む(S2609、S2611、S261
3)。補正しないときには、現在位置が分かっていると
き(フラグが立っているとき)は現在位置OK(POS
‐OK)処理に進み、現在位置が分かっていないときに
は現在位置不明(POS‐NG)処理に進む(S261
1、S2607)。以上のように、ズーミングレンズ群
53Zがワイド端(F_WEND=1)、あるいはテレ端(F_
TEND=1)にあるときは、所定の値でPZパルスの補正
を行なう。なお、F_PZPADJはテスト用のフラグでF_PZPA
DJ=1のときは補正が行なわれない。
【0295】テレ端でもワイド端でもないときには、現
在位置が分かってれば現在位置OK(POS‐OK)処
理に進み、現在位置が分かっていないときには現在位置
不明(POS‐NG)処理に進む(S2601、S26
11、S2607)。
【0296】『POS‐NG、PZ‐INIT処理』図
87および図88に示したPOS‐NG、PZ‐INI
T処理は、現在位置が不明のとき、あるいはテレ端また
はワイド端に達したときの処理である。POS‐NG、
PZ‐INIT処理は、ズーミングレンズの現在位置が
不明の時の処理であるが、通常、現在位置が不明のと
き、例えばカメラボディのメインスイッチがオンされた
とき、あるいは手動ズームから電動ズームにスイッチが
切り替わったときに、カメラボディよりパワーズームの
イニシャライズコマンドPZ‐INITPOS(32)
が通信により送られて来るが、この場合も実行される。
【0297】本実施例では、PZ‐INITPOSコマ
ンドが送られてきた場合、ズーミングレンズ群53Zを
最低速でテレ側へ動かして、ズームコード板71の最初
の区分点72あるいはテレ端を検出し、その位置の絶対
PZパルス数をテーブルデータから読出して所定のアド
レス(PZPX、PZPSTRT)にメモりすることに
より、ズーミングレンズ群53Zの現在位置を知るもの
である。なお、本実施例では現在位置を検出した後に、
ズーミングレンズ群53Zを移動前の元の位置まで戻す
という動作を行っている。これはPZ_INITPOS
コマンドが送られてきたときに、あるカウンタ(PZP
AZB)をクリア(0に)しておき、ズームコード板7
1の最初の区分点あるいはテレ端までのPZパルスをカ
ウントし、その位置より(現在位置を検出したら)その
カウント分だけ、ズーミングレンズを戻すということで
実現している。このズーミングレンズを戻すための動作
はPZ‐INIT処理(特にS2637〜S2649)
で行っている。
【0298】最低速でテレ側へ動かすための動作は、P
Z‐INITPOSコマンド通信により実行される。本
実施例では、現在位置検出のために一律にテレ方向に駆
動させているが、これはワイド方向でも構わないし、何
らかの条件により、どちらかを選択しても構わない。ま
た、本実施例では、現在位置不明のときに、カメラボデ
ィ51よりPZ_INITPOSコマンドが送られてこ
なくも、マニュアルパワーズームを動かせば、ズームコ
ード板の区分点あるいは端点(テレ端、ワイド端)に来
た時に、自動的に、現在位置を検出する(現在位置が分
かる)方式となっている。
【0299】POS‐NG処理から入ると、スタートフ
ラグF_STARTが立っていれば(ズームモータ起動時)現
在位置およびスタートパルスカウンタに今回読み取った
ズームコード板71のコードのPZパルス数変換値(P
Zパルス粗検出値)を入れて、ズームモータドライブ
(DRIVSTRT1)処理に進む(S2621、S2
623)。
【0300】スタートフラグF_STARTが下りているとき
には、以下の処理を行なう。ズームコードが前回のもの
と同一であれば、切換え点に達していないので、PZP
_CNT処理から抜ける(S2623、S2625)。
ズームコードが変わっているとき(コード板の区分点の
とき)は、テレ方向(F_PZPDRC=0)駆動であれば今回
入力したズームコードのPZパルス変換値を現在のPZ
パルス値(PZPX)およびPZパルスカウントスター
ト値(PZPSTRT)に入れ、ワイド方向(F_PZPDRC
=1)駆動であれば、前回入力したズームコードのPZ
パルス変換値を現在のPZパルス値(PZPX)および
PZパルスカウントスタート値(PZPSTRT)に入
れる(S2627〜S2631)。
【0301】ムーブフラグ(F_MOV)がクリアされてい
るとき(PZ_INITPOSコマンドが送られて来て
いないとき)、またはフラグF_PZPINITが立っていると
きには、現在位置を認識していることを示すフラグF_PZ
POSをセットしてパルスカウント(PZP‐CNT5)
処理に進む(S2633、S2635、S2649)。
【0302】ムーブフラグF_MOVが立っていて(PZ‐
INITPOSコマンドが送られてきたとき)、かつ現
在位置フラグF_PZINITが下りているときには、現在のP
Zパルス値(コード板境界値)から、PZイニシャライ
ズ動作前の元の位置からコード板の境界位置までのPZ
パルスカウント値(PZPAZB)を減算した値を目標
PZパルス(PZPTRGT)としてセットする(S2
633、S2635、S2637)。なお、F_PZPINIT
はPZのイニシャライズの戻し動作を禁止するフラグ
で、テスト用に使われる。F_PZPINIT=1で禁止であ
る。
【0303】上記減算値にボローがあるときには、何ら
かの誤カウントがあったので目標PZパルス数を0にし
て駆動フラグF_MOVをクリアし、ボローがないときには
そのままでムーブフラグをクリアする(S2639、S
2641)。そして、目標値ムーブフラグ(F_MOVTRG)
をセットし、PZスピードを第1速(最低速)にセット
し、現在位置フラグをセットしてPZP‐CNT5処理
へ進む(S2643〜S2649)。なお、PZ‐IN
IT処理から来たときは、S2633からこの処理に入
る。
【0304】『POS‐OK、DRVSTRT1処理』
図89に示したPOS‐OK処理は、現在のポジション
が分かっているときのPZパルスカウント処理である。
すでに起動しているとき(スタートフラグがクリアされ
ているとき)にはPZパルス補正処理(PZP‐ADJ
処理)に進み、起動のときは、テレ方向駆動のとき(F_
PZPDRC=0)には、PZパルスカウントスタート値(P
ZPSTRT)とPZパルスカウント値(PZPCN
T)とを加算してPZパルスカウントスタート値(PZ
PATRT)および現在のPZパルスカウント値(PZ
PX)に入れ、ワイド方向駆動のとき(F_PZPDRC=1)
にはPZパルスカウントスタート値(PZPSTRT)
からPZパルスカウント値(PZPCNT)を減算して
PZパルスカウントスタート値(PAPATRT)およ
び現在のPZパルス値(PZPX)に入れる(S265
1〜S2657)。
【0305】そして、スタートフラグF_STARTをクリア
し、テレ方向ムーブ(今回動こうとする方向)のときに
はパワーズーム方向フラグF_PZPDRCをクリア(テレ方向
をセット)し、ワイド方向ムーブ(今回動こうとする方
向)のときにはパワーズーム方向フラグF_PZPDRCをセッ
ト(ワイド方向をセット)する(S2659〜S266
5)。
【0306】DRIVSTART1からきたときにはS
2659に入って、スタートフラグのクリアおよび駆動
方向のセット処理を行なう(S2659〜S266
5)。
【0307】『PZP‐ADJ、PZP‐CNT5処
理』図90に示したPZP‐ADJ処理は、PZパルス
のカウント値の積算誤差を補正する処理である。先ずズ
ームコードが前回と同じかどうかをチェックし、同じで
あれば補正できないのでPZP‐CNT処理から抜け、
異なれば、PZP補正禁止フラグF_PZDADJがク
リアされていることを条件に補正処理を続ける。つま
り、コード板71の分割領域(境界)を越えるのを待つ
のである。なお、PZP補正禁止フラグF_PZDAD
Jはテスト用で、通常はクリアされている。
【0308】パワーズームの駆動方向がテレ方向であれ
ば、今回のズームコードのパルス変換値をレジスタXに
メモリし、ワイド方向であれば前回のズームコードのパ
ルス変換値をレジスタXにメモリし、レジスタXの値を
アキュムレータにメモリし、この値と現在のPZパルス
値の差の絶対値が補正限界値未満であるかどうかをチェ
ックする(S2679〜S2683)。補正限界値以上
であれば、レジスタXの値を現在のPZパルス値および
PZパルスカウントスタート値に入れて補正を行ない、
限界値未満であれば補正をしない。そして、PZパルス
カウント値(PZPCNT)をクリアし、現焦点距離の
PZパルス数(PZPX)をテーブルデータを基に現焦
点距離(mm)に変換し、FCLXL,HにメモリしてP
ZP‐CNT処理を抜ける(S2685〜S268
9)。
【0309】なお、PZP‐CNT5処理から来たとき
には、S2683に入り、PZパルスカウント値をクリ
アし、現焦点距離のパルス数を現焦点距離(mm)に変換
し、メモリしてからPZP‐CNT処理を抜ける(S2
685〜S2689)。
【0310】以上のボディからのPZ‐INITPOS
コマンドによりPZパルスイニシャライズ処理実行の指
示があると(ボディメイン電源がオンされたときな
ど)、ズーミングレンズ群53Zをテレ側にズーミング
させて、コード板71の分割領域を越えた時に、その分
割領域の境界位置から絶対位置を検出して、現在位置P
Zパルス値(PZPX)およびスタート位置(PZPS
TRT)を設定することができる。また、現在位置を検
出した後、元の位置へ戻すことも可能である。
【0311】また、ズーミング中には、コード板71の
境界を越える度に、その境界部の絶対パルス数をテーブ
ルから読み込んでカウント値と比較し、誤差が一定値よ
り大きければ補正(修正)し、一定値未満であれば補正
しない。
【0312】『ISZMEMO処理』図91に示したI
SZMEMOフローチャートは、像倍率をメモリするパ
ワーズムレンズ51側の処理である。つまり、像倍率一
定ズームモードにおいて、現在のAFパルス値(AFP
X)と現在の焦点距離(FCLXL,H)を、ズームス
ピード切り替えスイッチ75またはセットSW(SLス
イッチSW)の操作によりメモリする処理である。本処
理は、図10の2msタイマ割込みルーチンのS359の
詳細である。本実施例では、合焦を条件として、ズーム
リングが中立位置に戻されたとき、またはズームリング
が中立位置でなくても、セットスイッチSLがオフされ
た時に、その時点のAFパルス値及び焦点距離がメモリ
される構成である。
【0313】ISZMEMO処理では、像倍率メモリフ
ラグF_ISMがセットされ、像倍率一定モードが選択さ
れ、かつ合焦フラグF_AFIFがセットされていることを条
件に、S2707以降のメモリ処理に進む(S2701
〜S2705)。像倍率メモリフラグF_ISMは、コマン
ドPZ‐BSTATE(20)によりボディから送られ
てきて、PZ‐BDSTにメモリされる。
【0314】像倍率メモリフラグF_ISMは、通常はクリ
アされて送られてくるので、像倍率のメモリ(現在のA
Fパルス値及び現在の焦点距離のメモリ)は、レンズ側
で勝手に行うのではなく、ボディからのコマンドISZ
‐MEMORY(36)が送られてきた時に行われる。
また、コマンドISZ‐MEMORY(36)が送られ
てくるタイミングは、定期的な通信POFF‐STAT
E(11)のbit2(SLSW)及びLENS‐IN
F1(13)のbit0,1(PTSW、PWSW)を
ボディ側が見て、レンズのセットスイッチ(SLスイッ
チ)及びズームスピードスイッチ75のオン/オフ状態
を判断し、ズームスピードスイッチ75が中立に戻った
ときあるいは、セットスイッチSLがオフしたときであ
る。
【0315】また、フラグF_ISMがセットされて送られ
てきたときは本処理の説明のごとく、ボディからのコマ
ンドISZ‐MEMORYによらないで、レンズ側でセ
ットスイッチSL及びズームスピードスイッチ75のオ
ン/オフを判断して像倍率のメモリを行う。
【0316】ズームスイッチ75が前回中立位置でなく
今回中立位置に戻されたとき、そうでなくても、前回セ
ットスイッチSLがオンされているが今回オフされた時
に、AFパルスの現在値をアドレスISZ‐AFPL,
Hにメモリし、さらに現在の焦点距離をアドレスISZ
‐FCLL,Hにメモリし、像倍率メモリフラグF_ISM
をセットしてからISZMEMO処理を終了する(S2
707〜S2719)。つまり、合焦しかつフラグF_IS
Mがセットされていることを条件として、ズームスイッ
チ75がテレあるいはワイド方向から中立位置に戻され
たとき、またはセットスイッチSLがオン状態からオフ
されたときに、その時点の像倍率がメモリされる構成で
ある。
【0317】『MTL‐CTL処理』図92に示したM
TL‐CTLフローチャートは、SET‐ST処理でセ
ットされたズームモータ制御用フラグ(ZM‐ST1の
各フラグ)に応じたズームモータ65の駆動制御に関す
るパワーズムレンズ51の処理である。本処理は、図1
0に示した2msタイマ割込みルーチンのS363の詳細
である。
【0318】ドライブフラグF_DRVがクリアされ、かつ
ブレーキフラグF_BRKがセットされているときにはズー
ムモータ65にブレーキをかけ、ブレーキフラグF_BRK
がクリアされているときにはズームモータ65をフリー
状態にしてから、2msタイマーをスタートさせ、2msタ
イマー割込みを許可し、PWM割込みを禁止して終了す
る(S2801、S2809〜S2813、S281
7、S2819)。
【0319】ドライブフラグF_DRVがセットされている
ときには、テレ方向のときにはズームモータ65をテレ
方向に起動し、ワイド方向のときにはズームモータ65
をワイド方向に起動する(S2801〜S2807)。
そして、モータを第4速(DC)駆動するときには、2
msタイマーをスタートさせ、2msタイマー割込みを許可
し、PWM割込みを禁止して終了する(S2815、S
2817、S2819)。
【0320】第1〜第3速のPWM駆動のときには、P
WMハードタイマーを1インクリメントし、インクリメ
ントした値がオーバーフローしたときにはPWMハード
タイマーに最大値(FFH)を入れ、オーバーフローし
ていないときにはインクリメントした値を保持する(S
2815、S2821〜S2825)。
【0321】次に、PWMハードタイマー値(T_PW
M)がPWMのPZパルス周期(T_PWMPLS)を
越えたかどうか(PWMのPZパルス周期時間内にPZ
パルスが出力されたかどうか)をチェックし、越えてい
れば周期内にパルスが出力されていないのでデューティ
ー比(T_PWMBRK)をアップし、越えていなけれ
ばそのままで、デューティー比(T_PWMBRK)を
PWM制御用のハードタイマーへセットし、PWM制御
用ハードタイマーをスタートさせる(S2827〜S2
833)。そして、2msタイマーをスタートさせ、2ms
タイマー割込みを許可し、PWM割込みを許可して終了
する(S2835、S2837)。
【0322】[レリーズ処理]図93に示した、カメラ
ボディ11におけるレリーズ処理について説明する。こ
のレリーズ処理は、レリーズスイッチSWRがオンされ
たことを条件に、メインCPU35により実行される。
【0323】露光中マニュアルパワーズームが可能かど
うかをE2PROM等にメモリされているデータをもと
に判断して、この判断に応じて、BODY‐STATE
1通信で所定のデータをレンズに送る(S2901、S
2903、S2905)。露光中マニュアルパワーズー
ム可のときは、MPZ禁止フラグ(MPZD)をクリア
し、制御ズーム停止フラグ(IPZD)をセットし、レ
リーズ中フラグ(REL)をセットしたBODY‐ST
ATE1データを送る(S2905)。露光中マニュア
ルパワーズーム不可のときは、MPZ禁止フラグ(MP
ZD)をセットし、制御ズーム停止フラグ(IPZD)
をセットし、レリーズ中フラグ(REL)をセットした
BODY‐STATE1データを送る(S2903)。
これらの通信で、制御ズーム(像倍率一定ズームあるい
はプリセットズーム)が動作中であることが分かれば制
御ズームを停止させる。
【0324】次に、PZ_LSTATEコマンド通信を
行なってフラグF_IPZBをチェックし、制御ズーム(像倍
率一定ズームあるいはプリセットズーム)が終了したか
をチェックする(S2904‐1〜2)。終了したら、
像倍率一定ズーム中フラグF_ISZON、プリセットズーム
中フラグF_IPZONをクリアし、ボディのバッテリー要求
フラグをクリアし、バッテリの供給を停止する(S29
04‐3〜6)。
【0325】次に、ミラーモータ33および絞り機構4
6を起動してミラー13のアップおよび絞りの絞り込み
を行ない、これらの処理が終了したら、露光機構27の
先幕を走行させ、露光間ズームかどうかをチェックする
(S2907、S2909、S2911)。露光間ズー
ムであれば、S2913〜S2923の処理を実行す
る。露光間ズームでなけらば、S2913〜S2923
の処理をスキップする。
【0326】『露光間ズーム』露光間ズーム動作につい
て、さらに図94に示したタイミングチャートを参照し
て説明する。露光間ズームであれば、露出時間(シャッ
タ速度)が所定時間(例えば1/60秒)よりも長いこ
とを条件に、露出時間に応じたズーミングスピードをセ
ットし、パワーズームの方向(TELE方向またはWI
DE方向)をセットし、パワーズームレンズ51に電力
を供給し、正常に電力が供給されたかどうかをチェック
し、正常に供給されていることを条件に、露出時間の1
/2が経過するのを待つ(S2911、S2913〜S
2923)。
【0327】露出時間の1/2が経過したら、S291
5、S2917でセットしたズーミングスピード及び方
向のデータをMOVE‐PZMDコマンド通信でパワー
ズームレンズ51に送信して、パワーズームレンズ51
にパワーズームを開始させて、露光時間が経過するのを
待つ(S2923〜S2927)。
【0328】露出時間が経過(後幕が走行を終了)する
と、BODY‐STATE1通信を行ない、マニュアル
パワーズーミングを禁止し、露光間ズーミングを停止さ
せる(S2929)。次にPZ‐LSTATEデータ通
信でフラグIPZBをチェックし、露光間ズームのズー
ミングが停止したかをチェックする(S2929〜S2
931)。停止(IPZB=0)を確認したら、ボディ
のバッテリ要求フラグをクリアし、バッテリの供給を停
止する(S2931〜S2933)。そして、ミラーモ
ータ33およびフィルム巻上げモータ25を起動してミ
ラーダウンおよびフィルム巻上げを行ない、BODY‐
STATE1通信を行なって、マニュアルパワーズーム
を許可してリターンする(S2934〜S2937)。
【0329】以上本実施例では、露光間ズームを行なう
露出時間を1/60秒以上としたがこれに限定されず、
露光時間に応じてズームスピードを変更したが変更しな
くてもよく、1/2露出時間が経過してからパワーズー
ムを開始したが、パワーズームの開始、終了のタイミン
グも任意である。
【0330】『PZモード切換え処理』図95に示し
た、カメラボディ11におけるパワーズーム(PZ)モ
ード切換え処理について説明する。このPZモード切換
え処理は、図60に示したPZループ処理内のS150
7において実行され、パワーズームレンズ51のズーム
モード切換えスイッチ77が所定操作されたときにPZ
モード変更処理を実行する。本実施例では、手動ズーム
またはマニュアルパワーズーム、像倍率一定ズーム、プ
リセットズーム、プリセットズームセットおよび露光間
ズームからなる5種類のズームモードを備えている。な
お本フローチャートでは、各モードのナンバーを付し、
NO.0が手動ズームまたはマニュアルパワーズームモー
ド、NO.1が像倍率一定ズームモード、NO.2がプリセッ
トズームモード、NO.3がプリセットズームセットモー
ドおよびNO.4が露光間ズームモードとしてある。
【0331】先ず、装着された撮影レンズがパワーズー
ムレンズかどうか、手動ズームモードか電動ズームモー
ドか、およびパワーズームレンズであればマニュアルパ
ワーズーム(電動ズーム)かオートパワーズームかどう
かをチェックし、パワーズームレンズ、パワーズームか
つオートパワーズームでなければ、パワーズームモード
フラグをクリアし、この状態を保存してからリターンす
る(S3001、S3035、S3039)。
【0332】オートパワーズームレンズであれば、すで
に保存してあるモードを復帰する。オートフォーカスモ
ードであれば何もしないが、オートフォーカスでないと
きには、像倍率一定ズームはできないので、復帰したP
Zモードが像倍率一定ズームモード(1)あればPZモ
ードをアップ変更し、違えばそのままにする(S300
9〜S3013)。
【0333】次に、パワーズームレンズ51のLSスイ
ッチ(ズームモード切替えスイッチ77)がオンされて
いることを条件に、カメラボディ11のアップ、ダウン
スイッチSWUP、DNがオンされたときにPZモード
の変更処理を行なう(S3015〜S3029)。例え
ば、ダウンスイッチSWDNがオンされたときには、ズ
ームモードNO.が4になるまでアップ処理を行なう(S
3017、S3031、S3033)。アップスイッチ
SWUPがオンされたときは、ズームモードNO.が1に
なるまでダウン処理を行なうが、オートフォーカスモー
ドでないときには、像倍率一定ズームは選択しない(S
3019〜S3029)。なお、このPZモード切換え
処理において、アップ、ダウンスイッチSWUP、DN
はズームモード変更スイッチとして機能する。
【0334】以上のUP/DOWN処理が終了したら、選択し
たズームモードNO.を保存してリターンする(S303
9)。なお、スイッチSWASの状態は、POFF‐S
TATE通信により入力するデータに含まれている。
【0335】『PZパルスカウント割込み処理』パワー
ズームレンズ51側で実行される、図96及び図97に
示したPZパルスカウント割込み処理について説明す
る。PZパルス出力の立ち上がりで本割込み処理を行な
い、ソフト的にPZパルスのカウント等を行なう。な
お、レンズCPUの設定により、割込みは立ち下がりで
入ってもかまわない。
【0336】先ず、割込みを禁止し、PZイニシャライ
ズ処理のときにPZパルスをカウントするPZカウンタ
(PZPA2B)、およびPZパルスカウント値(PZ
PCNT)を1インクリメントし、PZパルスカウンタ
の値がオーバーフローしているときは、PZパルスカウ
ント値に最大値を入れる(S3101〜S3109)。
【0337】次にパワーズームの駆動方向をチェック
し、テレ方向のときにはPZパルスカウントスタート値
にPZパルスカウント値を加算して現PZパルス値に入
れ、ワイド方向のときにはPZパルスカウントスタート
値からPZパルスカウント値を減算して現PZパルス値
に入れる(S3111〜S3115)。
【0338】そして、ドライブ中でなければ(F_DRV=
0)、PWM制御チェック(CHKPWM)処理に進む
(S3117)。ドライブ中であるが、そのドライブが
像倍率一定ズームか目標位置へのドライブでなければP
WM制御チェック(CHKPWM)処理に進む(S31
17〜S3121)。像倍率一定ズームでドライブ中で
あるか目標位置へのドライブ中であるときには、現在の
PZパルス数と目標PZパルス数とが等しくなければP
WM制御チェック(CHKPWM)処理に進むが、等し
ければすぐにズームモータを停止させるためにブレーキ
(BREAK)処理に進む(S3117、S3119、
S3123)。
【0339】『BRAK、CHKPWM処理』図97に
は、ズームモータのブレーキ処理(BRAK処理)およ
びPWMチェック処理に関するフローチャートを示して
ある。この処理は、PZモータの回転スピードを抑える
処理である。
【0340】ブレーキ処理では、先ずズームモータにブ
レーキをかけ、(ズームモータの入力端子を閉成)し
て、ZM‐ST1にブレーキデータ(F_BRKをセット、
フラグF_LMTT、F_LMTWはそのまま、他はクリア)を入れ
る(S3151、S3153)。そして、PWMタイ
マ、リミットタイマおよびスタートタイマをクリアし、
現PZパルス値(PZPX)から現焦点距離データを得
てFCLXL,Hにメモリし、割込みを許可してリター
ンする(S3155〜S3159)。
【0341】CHKPWM処理は、PWM制御において
デューティー比を下げる処理である。PWM駆動中でな
ければ第4速(DC)そのままS3155に進むが、P
WM駆動中であれば、PWMパルス周期(T‐PWMP
LS)とPWMタイマ(T‐PWM)を比較し、PWM
パルス周期によりPWMタイマが小さいときはパワーズ
ームスピードが速すぎるので、デューティー比を下げて
からS3155に進み、PWMパルス周期よりPWMタ
イマが大きいときにはそのままS3155に進む(S3
161〜S3165)。以上の通り、本実施例で多数の
機能について説明したが、これらは、すべて単一のカメ
ラシステム(カメラボディ及び撮影レンズ)に搭載する
ことができるが、もちろん一部のみを搭載してもよい。
【0342】本実施例のパワーズームレンズを備えた一
眼レフカメラは、像倍率一定制御時には、フォーカシン
グレンズ群の繰出し量に基づいて像倍率および目標焦点
距離を求めてパワーズーム制御するので、演算が簡単で
ある。しかも、フォーカシングレンズ群の動きにのみ追
従するので、レンズ駆動動作に不安定要素がなく、応答
性のよい安定した像倍率一定ズーム制御が可能である。
また、像倍率設定時に非合焦のときにはデフォーカス量
に基づいて像倍率、目標焦点距離を演算し、合焦してい
るときにはフォーカシングレンズ群のレンズ繰出し量に
基づいて像倍率および目標焦点距離を演算するので、よ
り正確な像倍率一定制御が可能になる。
【0343】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、
焦点距離検出手段、被写体距離検出手段がそれぞれ検出
した上記焦点距離および上記被写体距離に基づいて像倍
率を演算し、その後、被写体距離検出手段が検出した被
写体距離に基づいて、先に演算した像倍率が一定になる
目標焦点距離を演算するので、像倍率を設定すると、そ
の後は被写体距離と像倍率とに基づいて目標焦点距離の
みを演算すればよいので、演算が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一眼レフカメラボディの実施
例の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した一眼レフカメラ用パワーズー
ムレンズの実施例の概要を示すブロック図である。
【図3】同パワーズームレンズの回路構成の実施例を示
すブロック図である。
【図4】同パワーズームレンズのズームコード板の展開
図である。
【図5】同パワーズームレンズの焦点距離コード板の展
開図である。
【図6】レンズCPUのメインフローチャートの第一部
分である。
【図7】レンズCPUのメインフローチャートの第二部
分である。
【図8】レンズCPUの通信割込処理に関するフローチ
ャートである。
【図9】2msタイマ割り込みに関するフローチャートで
ある。
【図10】パワーズーム、マニュアルズーム処理に関す
るフローチャートである。
【図11】PWM2msタイマ割り込みに関するフローチ
ャートである。
【図12】PZパルスカウント割り込み処理に関するフ
ローチャートである。
【図13】PWM割り込みに関するフローチャートであ
る。
【図14】PWM制御に関するタイムチャートである。
【図15】像倍率一定ズーム制御に関するフローチャー
トの第一部分である。
【図16】像倍率一定ズーム制御に関するフローチャー
トの第二部分である。
【図17】プレディクタオペレーション処理に関するフ
ローチャートの第一部分である。
【図18】プレディクタオペレーション処理に関するフ
ローチャートの第二部分である。
【図19】スタンバイ処理に関するレンズのフローチャ
ートである。
【図20】AFパルス初期化処理に関するレンズのフロ
ーチャートである。
【図21】パワーズーム位置初期化処理に関するレンズ
のフローチャートである。
【図22】パワーズームレンズの収納処理に関するレン
ズのフローチャートである。
【図23】パワーズームレンズの復帰処理に関するレン
ズのフローチャートである。
【図24】パワーズームのストップ処理に関するレンズ
のフローチャートである。
【図25】像倍率一定ズームに必要なデータを受信した
ときのレンズのフローチャートである。
【図26】像倍率一定ズーム処理に関するレンズのフロ
ーチャートであ。
【図27】像倍率一定ズームに関する情報を入力したと
きのレンズ処理に関するフローチャートである。
【図28】カメラボディの状態に関する情報を入力した
ときのレンズ処理に関するフローチャートである。
【図29】ボディシーケンス情報を入力したときのレン
ズ処理に関するフローチャートである。
【図30】カメラボディ側からAFパルスを入力したと
きのレンズ処理に関するフローチャートである。
【図31】カメラボディ側からPZパルスを入力したと
きのレンズ処理に関するフローチャートである。
【図32】レンズ内でカウントしたAFパルスデータを
メモリするコマンドを受けたときの処理に関するレンズ
のフローチャートである。
【図33】ボディ側のAFで求めたデフォーカス量をレ
ンズメモリにストアするレンズ処理に関するフローチャ
ートである。
【図34】指定されたPZパルスデータ、焦点距離デー
タのメモリ処理に関するレンズのフローチャートであ
る。
【図35】ボディ側のAFで求めたデフォーカス量をレ
ンズメモリにストアするレンズ処理に関するフローチャ
ートである。
【図36】カメラボディから受信した像倍率一定ズーム
データのメモリ処理に関するレンズのフローチャートで
ある。
【図37】指定方向または指定位置へのパワーズーミン
グ処理に関するレンズのフローチャートである。
【図38】カメラボディにより指定されたデータに基づ
くパワーズーム処理に関するレンズのフローチャートで
ある。
【図39】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートの第一部分である。
【図40】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートの第二部分である。
【図41】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートの第三部分である。
【図42】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートの第四部分である。
【図43】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートの第五部分である。
【図44】撮影レンズ側のパワーズームに関するデータ
の送信処理に関するフローチャートである。
【図45】撮影レンズのスタンバイ処理等に関するフロ
ーチャートである。
【図46】撮影レンズの可変データ送信処理に関するフ
ローチャートである。
【図47】撮影レンズの固定情報送信処理に関するフロ
ーチャートである。
【図48】撮影レンズ側のAFパルスカウント値送信処
理に関するフローチャートである。
【図49】撮影レンズの現焦点距離データの出力処理に
関するフローチャートである。
【図50】撮影レンズ側の像倍率一定ズームデータ送信
処理に関するフローチャートである。
【図51】撮影レンズのすべてのデータ出力処理に関す
るフローチャートである。
【図52】PZ処理に関するフローチャートの第一部分
である。
【図53】PZ処理に関するフローチャートの第二部分
である。
【図54】PZ処理に関するフローチャートの第三部分
である。
【図55】PZ処理に関するフローチャートの第四部分
である。
【図56】PZのイニシャライズ処理に関するフローチ
ャートである。
【図57】AFのイニシャライズ処理に関するフローチ
ャートの第一部分である。
【図58】AFのイニシャライズ処理に関するフローチ
ャートの第二部分である。
【図59】電力供給チェック処理に関するフローチャー
トである。
【図60】PZのループ処理に関するフローチャートの
第一部分である。
【図61】PZのループ処理に関するフローチャートの
第二部分である。
【図62】PZのループ処理に関するフローチャートの
第三部分である。
【図63】プリセットパワーズーム終了チェック処理に
関するフローチャートである。
【図64】像倍率一定ズームの第1実施例のフローチャ
ートの第一部分である。
【図65】像倍率一定ズームの第1実施例のフローチャ
ートの第二部分である。
【図66】像倍率一定ズームの第2実施例のフローチャ
ートの第一部分である。
【図67】像倍率一定ズームの第2実施例のフローチャ
ートの第二部分である。
【図68】像倍率一定ズームの第3実施例のフローチャ
ートの第一部分である。
【図69】像倍率一定ズームの第3実施例のフローチャ
ートの第二部分である。
【図70】AFパルスカウント処理に関するレンズのフ
ローチャートである。
【図71】AFパルスカウント値のアジャスト処理に関
するレンズのフローチャートである。
【図72】PZ端点処理に関するレンズのフローチャー
トである。
【図73】ズームモーターの回転方向、回転スピード制
御に関するレンズのフローチャートである。
【図74】ズームスイッチによるパワーズーム動作に関
するレンズのフローチャートの第一部分である。
【図75】ズームスイッチによるパワーズーム動作に関
するレンズのフローチャートの第二部分である。
【図76】ズームスイッチによるパワーズーム動作に関
するレンズのフローチャートである。
【図77】PZパルスカウント割り込み処理に関するレ
ンズのフローチャートである。
【図78】パワーズーム停止処理に関するレンズのフロ
ーチャートである。
【図79】ズームモーターのブレーキ処理に関するレン
ズのフローチャートである。
【図80】撮影レンズ状態のセット処理に関するレンズ
のフローチャートの第一部分である。
【図81】撮影レンズ状態のセット処理に関するレンズ
のフローチャートの第二部分である。
【図82】指定焦点距離へのパワーズーム処理に関する
レンズのフローチャートの第一部分である。
【図83】指定焦点距離へのパワーズーム処理に関する
レンズのフローチャートの第二部分である。
【図84】目標位置までのパルス数に応じた駆動スピー
ド調整処理に関するレンズのフローチャートの第一部分
である。
【図85】目標位置までのパルス数に応じた駆動スピー
ド調整処理に関するレンズのフローチャートの第二部分
である。
【図86】端点に達したときのPZパルスカウント修正
処理に関するレンズのフローチャートである。
【図87】現在のズーミングレンズ位置が不明のときの
PZパルスカウンタ修正処理に関するレンズのフローチ
ャートの第一部分である。
【図88】現在のズーミングレンズ位置が不明のときの
PZパルスカウンタ修正処理に関するレンズのフローチ
ャートの第二部分である。
【図89】現在の位置が分かっているときのPZパルス
カウント処理に関するレンズのフローチャートである。
【図90】PZパルスカウンタ修正処理に関するレンズ
のフローチャートである。
【図91】プリセット焦点距離プリセット処理に関する
レンズのフローチャートである。
【図92】ズームモーターの駆動制御に関するレンズの
フローチャートである。
【図93】カメラボディにおけるレリーズ処理に関する
フローチャートである。
【図94】露光間ズームに関するタイミングチャートで
ある。
【図95】パワーズームモードの切替処理に関するフロ
ーチャートである。
【図96】PZパルスカウント割り込み処理に関するレ
ンズのフローチャートである。
【図97】ズームモーターのPWM制御処理に関するレ
ンズのフローチャートである。
【符号の説明】
11 カメラボディ 20 バッテリ 21 測距用CCDセンサユニット 23 周辺部制御回路 25 露光機構(シャッタ機構) 35 メイン(ボディ)CPU(制御手段) 35b RAM 37 モータードライブIC 39 AFモーター 41 エンコーダ 51 撮影レンズ(パワーズームレンズ) 51F フォーカシングレンズ群 51Z ズーミングレンズ群 55 AF機構 59 AFパルサー 61 レンズCPU(レンズ制御手段) 61b レンズRAM 62 インターフェース 63 モータードライブIC 65 ズームモーター 67 PZ機構 69 PZパルサー 71 ズーム(焦点距離)コード板 72 切替え点 77 ズームモード切替えスイッチ 81 距離コード板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 13/36 G02B 7/04 E 17/02 7/11 Z 17/14 G03B 3/00 A (72)発明者 谷村 芳成 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H011 CA01 CA19 CA21 2H044 DA01 DA02 DA04 DB02 DC02 DC05 DE06 EC08 2H051 AA06 EB14 EC02 FA61 FA76 2H100 AA18 2H101 EE08 EE14 EE22 EE24 EE28

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ズームレンズの着脱が可能な、自動焦点
    装置を備えたカメラであって、 上記ズームレンズの焦点距離を検出する焦点距離検出手
    段;上記ズームレンズが合焦している現在の被写体距離
    を検出する被写体距離検出手段;および、 上記検出手段がそれぞれ検出した上記焦点距離および上
    記被写体距離に基づいて像倍率を演算し、その後、上記
    被写体距離検出手段が検出した被写体距離に基づいて、
    上記像倍率が一定になる目標焦点距離を演算する演算手
    段;を備えたカメラシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカメラシステムにおい
    て、上記ズームレンズは、ズーミング駆動用のズームモ
    ータと、上記演算手段が算出した目標焦点距離まで上記
    ズームモータを駆動するレンズ制御手段を備えているカ
    メラシステム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のカメラシステムにおい
    て、上記自動焦点装置は、デフォーカス量を検出する焦
    点検出手段と、このデフォーカス量に基づいて上記ズー
    ムレンズのフォーカシングレンズを合焦位置まで駆動す
    るAFモータを備えたカメラシステム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のカメラシステムは、上記
    演算手段に上記像倍率演算を開始させるスイッチ手段、
    および上記演算手段が演算した像倍率をメモリするメモ
    リ手段を備えているカメラシステム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のカメラシステムにおい
    て、、上記カメラシステムは、上記ズームモータを作動
    させるズーム操作スイッチ手段を有し、このズーム操作
    スイッチ手段がオフ状態に戻ったときに上記演算手段が
    上記像倍率演算をするカメラシステム。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の上記演算手段
    は、上記像倍率演算を実行するときに上記ズームレンズ
    が合焦状態でないときは、上記焦点検出手段が検出した
    デフォーカス量および上記被写体距離検出手段が検出し
    た焦点距離に基づいて像倍率を演算するカメラシステ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のカメラシステムにおい
    て、上記演算手段は、目標焦点距離fを式、 f=x×f/(x+Δx) ただし、 x:像倍率設定時の無限遠位置からのフォーカシング
    レンズ群の繰出し量、 f:像倍率設定時の焦点距離、 x :無限遠位置からのフォーカシングレンズ群の繰出
    し量、 Δx:現デフォーカス量、 により演算するカメラシステム。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし6のいずれか一項記載の
    カメラシステムにおいて、上記演算手段は、上記像倍率
    演算を実行するときに上記ズームレンズが合焦状態にあ
    るときには、上記被写体距離検出が検出した焦点距離お
    よび焦点距離検出手段が検出した焦点距離に基づいて像
    倍率を演算するカメラシステム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のカメラシステムにおい
    て、上記演算手段は、目標焦点距離fを式、 f=x×f/x ただし、 x:像倍率設定時の無限遠位置からのフォーカシング
    レンズ群の繰出し量、 f:像倍率設定時の焦点距離、 x :無限遠位置からのフォーカシングレンズ群の繰出
    し量、 により演算するカメラシステム。
  10. 【請求項10】 請求項7または9記載のカメラシステ
    ムは、上記自動焦点装置を作動させるAFスイッチを備
    え、演算手段は、上記メモリ手段に上記像倍率がメモリ
    されているときに上記AFスイッチがオンされると、合
    焦しているときには上記被写体距離検出手段が検出した
    合焦被写体距離および上記像倍率に基づいて目標焦点距
    離を算出し、非合焦のときには、上記焦点検出手段が検
    出したデフォーカス量および上記被写体距離検出手段が
    検出した被写体距離データに基づいて目標焦点距離を演
    算するカメラシステム。
  11. 【請求項11】 請求項7または9記載のカメラシステ
    ムにおいて、上記レンズ制御手段は、上記演算手段が演
    算した目標焦点距離まで上記ズームモータを駆動するカ
    メラシステム。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のカメラシステムは、
    上記ズームモータの駆動が終了した後に、上記演算手段
    はこのズーミング位置における像倍率を演算し、その像
    倍率が上記メモリした像倍率と異なるときには、上記メ
    モリした像倍率が得られる目標焦点距離を演算し、上記
    レンズ制御手段は、この演算した目標焦点距離になるま
    で上記ズームモータを駆動するカメラシステム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のカメラシステムにお
    いて、上記焦点検出手段により測距した被写体が移動し
    ているときには、上記演算手段がその被写体像の移動速
    度を算出してその移動速度に応じてズームスピードを調
    整するカメラシステム。
  14. 【請求項14】 ズーミングレンズおよびフォーカシン
    グレンズ群を備え、 カメラボディに着脱可能なズームレンズであって、 ズーミングレンズ駆動用のズームモータ;ズーミングレ
    ンズ位置に対応する焦点距離を検出する焦点距離検出手
    段;フォーカシングレンズ位置において合焦している被
    写体距離を検出する被写体距離検出手段;カメラボディ
    との間で情報を入出力する入出力手段;および、 カメラボディから上記入出力手段を介して像倍率に関す
    る情報を入力したときは、その情報に基づいて演算し、
    上記ズームモータを駆動するレンズ制御手段;を備えた
    ことを特徴とするパワーズームレンズ。
  15. 【請求項15】 請求項13記載のパワーズームレンズ
    において、上記レンズ制御手段は、カメラボディから上
    記入出力手段を介して所定の情報を入力したときに、上
    記各検出手段が検出した焦点距離および被写体距離を上
    記入出力手段を介してカメラボディに出力し、カメラボ
    ディから像倍率情報を入力したときは、その像倍率とな
    る焦点距離を演算して上記ズームモータを駆動するパワ
    ーズームレンズ。
  16. 【請求項16】 ズーミングレンズおよびフォーカシン
    グレンズ群を備え、カメラボディに着脱可能なズームレ
    ンズであって、 ズーミングレンズ駆動用のズームモータ;ズーミングレ
    ンズ位置から焦点距離を検出する焦点距離検出手段;フ
    ォーカシングレンズ位置から合焦している被写体距離を
    検出する被写体距離検出手段;上記各検出手段が検出し
    た焦点距離および被写体距離に基づいて像倍率を演算す
    る演算手段;演算した像倍率をメモリするメモリ手段;
    および、 上記フォーカシングレンズ位置が変動したときは、変動
    後の像倍率が上記メモリ手段にメモリした像倍率と略同
    一となる焦点距離を演算して上記ズームモータを駆動す
    るレンズ制御手段;を備えたことを特徴とするパワーズ
    ームンレズ。
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