JP2002148373A - 表示装置及び電子時計 - Google Patents

表示装置及び電子時計

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JP2002148373A
JP2002148373A JP2001235452A JP2001235452A JP2002148373A JP 2002148373 A JP2002148373 A JP 2002148373A JP 2001235452 A JP2001235452 A JP 2001235452A JP 2001235452 A JP2001235452 A JP 2001235452A JP 2002148373 A JP2002148373 A JP 2002148373A
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JP
Japan
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polarized light
light
linearly polarized
polarization
electronic timepiece
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JP2001235452A
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English (en)
Inventor
Yasuo Arikawa
康夫 有川
Tomoaki Hirakawa
友章 平川
Hidekazu Miyazawa
英一 宮澤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子時計等に用いる表示装置において、数字
等の情報及び背景地の両方を明るくて見易く表示できる
ようにする。また、背景地に変化を持たせることによっ
て見る者に多様な情報を提供すると共に見る者の興味を
惹き付け易くする。 【解決手段】 偏光板11、液晶パネル8及び偏光分離
フィルム12の各要素を有する表示装置である。偏光分
離フィルム12は、ある一方向の直線偏光を透過させ
(矢印Q)、それ以外の直線偏光を反射する(矢印P)
機能を有する。偏光分離フィルム12の裏に配設される
光反射層18aにロゴ、マーク、キャラクタ等といった
模様20を印刷によって形成する。数字等の情報(矢印
P)を無模様の単一色を背景として表示するのではな
く、キャラクタ等の模様20を背景とした上で(矢印
Q)、数字等の情報をその背景と同時に表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字、数字、模様
等を表示するための表示装置に関する。また、本発明
は、腕時計、ストップウオッチ等のように時を計数して
表示する電子時計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置等といったフラ
ットディスプレイ装置を用いて数字、文字その他の情報
を表示するようにした表示装置は広く知られている。そ
のような表示装置として、従来、例えば図31に示すよ
うに、液晶パネル101を挟んでその両側に一対の偏光
板102及び103を配設し、さらに、一方の偏光板1
03の裏側に反射板104を配設したものが知られてい
る。一対の偏光板102及び103は、例えば、それら
の透過偏光軸が互いに直角を成すように配置される。
【0003】この従来の表示装置では、数字等の情報の
表示は、液晶パネル101の電極間に所定電圧を印加す
ることによって行い、電圧が印加されない領域は白色等
の背景地となる。図では、電圧が印加されて情報が表示
される領域を“ON”で表し、電圧が印加されない背景
地の領域を“OFF”で表している。
【0004】この表示装置において背景地を表示(すな
わち、液晶パネル101をOFF)するときには、矢印
Pで示すように、外部光すなわち自然光のうち紙面に対
して平行方向の直線偏光が偏光板102を透過し、OF
F状態の液晶パネル101によって偏光方向が90゜捻
られて紙面に対して垂直方向の直線偏光となる。この直
線偏光は偏光板103を透過した後に反射板104の表
面で乱反射し、そしてその乱反射光の一部は、偏光板1
03、液晶パネル101及び偏光板102を順次に透過
した後に外部に表示され、これにより、該部分が反射板
104の反射像、通常は、均一な白色の背景地として認
識される。
【0005】次に、数字等の情報を表示(すなわち、液
晶パネル101をON)するときには、矢印Qで示すよ
うに、偏光板102によって外部光のうちから紙面平行
方向の直線偏光が取り出され、その直線偏光が液晶パネ
ル101を透過する。このとき液晶パネル101はON
状態にあるから直線偏光の偏光方向は捻られることなく
紙面平行方向を維持し、よって、この直線偏光は偏光板
103によって吸収される。この結果、この部分は外部
からは黒色等の暗色として認識される。
【0006】以上により、この従来の表示装置では、反
射板104からの反射像、通常は均一な白色の背景地の
上に、数字等の情報が黒色等の暗色で表示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の表示装置に
おいては、液晶パネル101を挟んで2枚の偏光板10
2及び103が設けられ、これらの偏光板は所定偏光軸
以外の直線偏光を吸収する機能を有するので、背景色や
数字等の情報を表示するために外部へ導かれる光の強度
の減衰が大きく、それ故、数字等の情報及び背景地が暗
くて見難いという問題があった。
【0008】また、従来の表示装置では、背景地が暗い
のでこの背景地に種々の色や模様やその他の工夫を付け
たとしてもその模様等をはっきりと認識することができ
ず、従って、従来の表示装置では背景地が白色等の単一
色だけで表示されるのがほとんどであった。
【0009】本発明は従来の表示装置における上記の問
題点に鑑みて成されたものであって、その第1の目的
は、数字等の情報及び背景地の両方を格段に明るくて見
易い状態で表示できるようにすると共に、背景地に変化
を持たせることによって見る者に変化に富んだ多様な情
報を提供することによって見る者の興味を惹き付け易く
することである。
【0010】ところで、従来の電子時計として、光反射
板に代えてバックライトを配設した構造の装置も知られ
ている。この構造の電子時計では、バックライトの表面
を光反射層として用いて表示を行う形態と、バックライ
トからの発光を用いて表示を行う形態との2つの形態の
いずれかを選択して表示を行うことができる。通常は、
昼間の明るいときに反射型の表示形態を選択し、夜間の
暗いときにバックライトを用いた表示形態を選択する。
【0011】しかしながら、光反射板を用いた上記従来
の電子時計では、夜間その他の暗い環境下において電子
時計の計時内容を見ることができないという問題があっ
た。また、バックライトを用いた上記従来の電子時計で
は、バックライト自体の形状が大きく、その上に電源が
必要となるので、電子時計の形状が大きくなって取り扱
いが不便になったり、コストが高くなるという問題があ
った。
【0012】本発明は従来の電子時計における上記の問
題点に鑑みて成されたものであって、その第2の目的
は、上記第1の目的を達成した上で、すなわち、数字等
の情報及び背景地の両方を格段に明るくて見易い状態で
表示すると共に背景地に変化を持たせることができるよ
うにするという目的を達成した上で、さらに、夜間の暗
い環境下でも計時表示面の内容を見ることができ、形状
を小型にでき、しかもコストの低い電子時計を提供する
ことである。
【0013】ところで、以上の説明では、液晶パネル1
01のような透過偏光軸可変手段を2枚の偏光分離手段
で挟む構造の表示装置及び電子時計において、数字等の
情報及び背景地の両方を格段に明るくて見易い状態で表
示すると共に背景地に変化を持たせるということを第1
の目的とした。このこととは別に、本発明者は、偏光分
離手段の個数及びそれらの配置の仕方を工夫することに
よって同様の目的を達成しようと鋭意努力し、その結
果、本発明の他の態様に想到した。すなわち、本発明の
第3の目的は、透過軸可変手段を挟んで配置される偏光
分離手段の個数を増やすことにより、数字等の情報及び
背景地の両方を格段に明るくて見易い状態で表示すると
共に背景地に変化を持たせるということである。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1) 上記第1の目的
を達成するため、本発明に係る表示装置は、(a)ある
一方向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交する
直線偏光成分を透過させない第1偏光分離手段と、
(b)その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける
位置に配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状
態と変化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏
光軸可変手段と、(c)その透過偏光軸可変手段を挟ん
で上記第1偏光分離手段の反対側に配置され、ある一方
向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線
偏光成分を反射する第2偏光分離手段と、(d)その第
2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段の反対
側に配置されていて光を反射する光反射層とを有し、そ
して(e)その光反射層は光反射面に模様を有すること
を特徴とする。
【0015】(2) 上記第1の目的を達成するため、
本発明に係る電子時計は、時を計数して表示する電子時
計であって、(a)ある一方向を向く直線偏光成分を透
過させ、それと直交する直線偏光成分を透過させない第
1偏光分離手段と、(b)その第1偏光分離手段から出
た直線偏光を受ける位置に配置され、透過する偏光の偏
光軸を変化させる状態と変化させない状態とのいずれか
を選択できる透過偏光軸可変手段と、(c)その透過偏
光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段の反対側に
配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、
それと直交する直線偏光成分を反射する第2偏光分離手
段と、(d)その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏
光軸可変手段の反対側に配置されていて光を反射する光
反射層とを有し、そして(e)その光反射層は光反射面
に模様を有することを特徴とする。上記の各構成におい
て、第1偏光分離手段は通常の偏光板によって構成でき
る。通常の偏光板というのは、自然光の入射に対してあ
る一方向の直線偏光を出射する機能を有するフィルム状
部材であり、例えば、偏光層をTAC(三酢酸セルロー
ス)の保護層で挟むことによって形成できる。
【0016】上記透過偏光軸可変手段は、例えば、液晶
パネルを用いて構成できる。液晶としては、TN(Twis
ted Nematic)液晶、STN(Super-Twisted Nematic)
液晶、ECB( Electrically Controlled Birefringen
ce)液晶等といった各種液晶を用いることができる。な
お、STN液晶の中には、F−STN(Film Compensat
ed Super-Nematic)液晶等といった色補償用光学異方体
を用いるSTN液晶も含まれる。
【0017】上記第2偏光分離手段は、国際公開され
た国際出願(国際公開番号WO95/17692又はW
O95/27919)に開示されたように薄膜を多数枚
積層した構造の偏光分離フィルムや、コレステリック
液晶層の両側又は片側に(1/4)λ板を配設した構造
の偏光分離板や、ブリュースターの角度を利用して反
射偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分離部材(S
ID 92 DIGEST 第427頁から第429
頁)や、あるいは、ホログラムを利用した偏光分離部
材等を用いて構成できる。
【0018】上記構成の本発明に係る表示装置及び電子
時計において特徴となる点は、(A)従来の電子時計に
おいて透過偏光軸可変手段の裏側に配設していた偏光板
の代わりに、上記構成要件(c)に記載した第2偏光分
離手段を設けたこと、そしてさらに(B)第2偏光分離
手段の裏側に配設する光反射層の表面に適宜の模様を設
けたことである。
【0019】一般的な偏光板が、ある一方向を向く直線
偏光を透過させると共にそれ以外の偏光を吸収等によっ
て透過させないという機能を奏するのに対し、本発明で
用いる第2偏光分離手段は、ある一方向の直線偏光を透
過させると共にそれ以外の直線偏光を反射し、特に、透
過偏光軸に対して直角方向の直線偏光は全反射するとい
う機能を奏するものである。
【0020】従って、上記構成要件(A)のように、通
常の偏光板等に代えて上記構成の第2偏光分離手段を用
いるようにすれば、従来であれば偏光板によって吸収又
は分散されていた光を反射によって表示に寄与させるこ
とができるので、表示装置及び電子時計の背景地又は数
字等の情報を格段に明るく表示できる。
【0021】特に、上記構成要件(B)のように、第2
偏光分離手段の裏側に光反射層を配設する場合、その第
2偏光分離手段を従来のように通常の偏光板によって構
成すると、光反射層からの反射光がその偏光板によって
吸収されてしまい、それ故、見る者にとって十分な光量
の反射光を与えることができなかった。
【0022】これに対して本発明のように第2偏光分離
手段を上記構成要件(c)のように、所定方向の直線偏
光以外の直線偏光成分を吸収ではなくて反射する方式の
偏光分離要素を用いれば、光反射層からの反射光は第2
偏光分離手段の透過偏光軸に合致するまで第2偏光分離
手段と光反射層との間で反射を繰り返し、最終的に偏光
軸が第2偏光分離手段の偏光軸に合致したときにそこを
通過して見る者に到達する。つまり、従来であれば吸収
によって無駄に消費されていた反射光量を無駄なく見る
者に提供できるようになり、その結果、光反射層に設け
た模様を十分な光量のままで見る者に提供できる。
【0023】光反射層からの反射光は、第1偏光分離手
段、透過偏光軸可変手段及び第2偏光分離手段の各要素
の偏光軸の設定如何によって、数字等の情報を表示する
ために用いることもでき、あるいは、背景地を表示する
ために用いることもできる。この光反射層からの反射光
を背景地を表示するために用いる場合には、その光反射
層に適宜の模様を形成しておけば背景地に変化を持たせ
ることができ、これにより、見る者に数字等の情報以外
に多様な情報を提供することができ、しかも、見る者の
興味を強く惹き付けることもできる。
【0024】(3) 上記電子時計において、光反射層
に設ける上記模様は印刷によって光反射層の上に形成す
ることもできるし、あるいは、模様を形成したシート材
を光反射層に重ねることにより光反射層上に模様を形成
することもできる。光反射層上に印刷によって模様を直
接に形成すれば、部品点数も少なくて済み、さらに電子
時計等の組立工程も簡単にできる。
【0025】(4) 上記電子時計において、光反射層
に設ける上記模様としては、会社名や製品名等のよう
な、まとまった意味を持つ一語又は数語から成る語句で
ある、いわゆるロゴや、商標、標章等といったマーク
や、人物、動物、その他適宜のキャラクタ等が考えら
れる。こうすれば、意味のない模様を設ける場合に比べ
て、見る者に種々の情報を提供できる。
【0026】(5) 上記電子時計において、光反射層
には蛍光材を含ませることができる。この蛍光材は、光
を蓄積できる形式の蓄光性蛍光材とすることもできる。
光反射層に蛍光材を含ませれば、光反射層に設けた模様
がいかにも背景から浮き上がるように見る者に認識させ
ることができ、それ故、見る者に強い印象を与えること
ができる。
【0027】(6) 上記電子時計において、第1偏光
分離手段を透過偏光軸可変手段に対して相対的に回転で
きるように構成することができる。こうすれば、第1偏
光分離手段の透過偏光軸を必要に応じて希望の方向に変
化させることができるので、電子時計の表示形態を種々
に変化させることができる。例えば、キャラクタ等の背
景模様を消して数字等の情報だけを表示する表示形態
や、キャラクタ等の背景模様と数字等の情報の両方を同
時に表示する表示形態等を希望に応じて自由に選択でき
る。
【0028】(7) 上記のように第1偏光分離手段を
透過偏光軸可変手段に対して回転できるように構成する
場合には、その動作を実現するために次のような構造を
採用できる。すなわち、第1偏光分離手段、透過偏光軸
可変手段、第2偏光分離手段及び光反射層を包囲するケ
ーシングと、そのケーシングに対して回転可能に取り付
けられた回転リングとを設け、第1偏光分離手段がその
回転リングと一体になって回転するように構成する。こ
うすれば、見る者が電子時計等の外部から回転リングを
回すことにより、第1偏光分離手段を相対回転させてそ
の偏光軸の方向を変化させることができる。
【0029】(8) 上記電子時計において、光反射層
を第2偏光分離手段に対して相対的に移動可能とするこ
とができる。こうすれば、光反射層を移動させることに
より、見る者に提供する模様を種々に変化させることが
でき、その結果、より多様な情報を見る者に提供でき、
さらにより一層見る者の興味を惹き付けることができ
る。
【0030】光反射層を移動させるための構造は特定の
構造に限定されるものではないが、例えば、長尺の光反
射層を巻取りリールに巻いた状態でその一部を第2偏光
分離手段の裏側に配置させてそれを背景地として表示さ
せ、必要に応じてその巻取りリールを巻き取って光反射
層の別の部分を第2偏光分離手段の裏側位置に持ち運ぶ
ことにより、背景地を別の模様に変化させることができ
る。
【0031】(9) 上記電子時計において、第2偏光
分離手段が種々の偏光分離要素によって構成できること
は既述の通りであるが、望ましくは、国際公開された国
際出願(国際公開番号WO95/17692又はWO9
5/27919)に開示された構造の偏光分離フィルム
を用いてその第2偏光分離手段を構成する。この偏光分
離フィルムは、例えば図2に示すように、2種類の層
A,Bを交互に積層して形成される複数層構造を有し、
そして、それらの複数層A,Bのうち積層方向に互いに
隣り合う2層間において、ある一方向の屈折率はそれら
2層間で等しく、それと直角方向の屈折率はそれら2層
間で異なるように設定し、さらに、個々の層の層厚に変
化を持たせている。
【0032】図2において、XYZの直交3軸方向を考
えるとき、A,Bの2層は例えば押出し成形によって多
層状態に形成され、さらに、一方向(例えばX方向)に
沿って引き延ばされ、他の一方向(すなわちY方向)に
は引き延ばされない。すなわち、X軸方向が延伸方向で
あり、Y軸方向がそれに対する横方向である。B材料は
屈折率nB (例えばnB =1.64)を有し、これは
延伸処理によっても実質的に変化しない。一方、A材料
は延伸処理によって屈折率が変化する特性を有する。例
えば、A材料から成るシートを一軸方向に延伸処理する
と、延伸方向(すなわちX方向)に一つの屈折率nAX
(例えばnAX =1.88)を有し、横方向(Y方向)
には異なる屈折率nAY (例えばnAY =1.64)を有
するようになる。 A,B材料から成る図2の積層構造
をX方向へ延伸すれば、その延伸方向に関して大きな屈
折率差Δn=1.88−1.64=0.24が発生す
る。その一方、それと直角なY方向に関しては、A,B
各層間の屈折率差Δn=1.64−1.64=0であ
り、屈折率に差は生じない。このような光学特性のた
め、本偏光分離フィルム12に光が入射すると、その入
射光のうち透過軸E方向の偏光成分(a)は偏光分離フ
ィルム12を透過する。他方、入射光のうちの吸光軸F
方向の偏光成分(b)は屈折率差Δnに直面することに
なり、それ故、その部分で反射する。
【0033】さらに、A,B各層間の層厚t1,t2,t
3,… … … は少しづつ寸法に変化が加えられ、それ
故、図3に示すように各層の境界面で波長の異なった光
(b−1)、(b−2)… … を反射できるようになっ
ている。つまり、層厚を異ならせたA,B2種類の多層
構造により、あらゆる種類の波長を含む光を効率良く反
射することが可能となる。各層の層厚の組み合わせを全
ての波長を反射できるように設定すれば、白色光を反射
できる。
【0034】以上のように、複数の薄膜を積層して形成
した薄膜積層構造の偏光分離フィルムを第2偏光分離手
段として用いる場合には、この構造の偏光分離フィルム
は、きわめて薄い厚さで形成でき、しかも可撓性を付与
することもできるので、電子時計の全体的な厚さを薄く
でき、しかも、その製造工程を簡単にすることができ
る。
【0035】(10) 次に、上記第1の目的を達成す
るため、本発明に係る他の表示装置は、(a)ある一方
向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線
偏光成分を透過させない第1偏光分離手段と、(b)そ
の第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に配
置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変化
させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可変
手段と、(c)その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第
1偏光分離手段の反対側に配置され、ある一方向を向く
直線偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分
を反射する第2偏光分離手段と、(d)その第2偏光分
離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段の反対側に配置
されていて光を反射する光反射層とを有し、そして
(e)その光反射層は、それを見る角度に応じて視覚で
認識される状態が変化する特性を有することを特徴とす
る。
【0036】(11) また、上記第1の目的を達成す
るため、本発明に係る他の電子時計は、時を計数して表
示する電子時計であって、(a)ある一方向を向く直線
偏光成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を透
過させない第1偏光分離手段と、(b)その第1偏光分
離手段から出た直線偏光を受ける位置に配置され、透過
する偏光の偏光軸を変化させる状態と変化させない状態
とのいずれかを選択できる透過偏光軸可変手段と、
(c)その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分
離手段の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光
成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射す
る第2偏光分離手段と、(d)その第2偏光分離手段を
挟んで上記透過偏光軸可変手段の反対側に配置されてい
て光を反射する光反射層とを有し、そして(e)その光
反射層は、それを見る角度に応じて視覚で認識される状
態が変化する特性を有することを特徴とする。
【0037】上記(10)及び(11)に記載の構成に
おいて、第1偏光分離手段、透過偏光軸可変手段、そし
て第2偏光分離手段は、上記(1)及び(2)に記載し
た構成に関連して説明した第1偏光分離手段、透過偏光
軸可変手段、そして第2偏光分離手段と同じ構成のもの
を使用できる。
【0038】上記構成の本発明に係る表示装置及び電子
時計において特徴となる点は、(A)従来の表示装置等
において透過偏光軸可変手段の裏側に配設していた偏光
板の代わりに、上記構成要件(c)に記載した第2偏光
分離手段を設けたこと、そしてさらに、(B)第2偏光
分離手段の裏側に配設する光反射層を、それを見る角度
に応じて視覚で認識される状態が変化する特性を有する
物質によって形成したことである。
【0039】一般的な偏光板が、ある一方向を向く直線
偏光を透過させると共にそれ以外の偏光を吸収等によっ
て透過させないという機能を奏するのに対し、本発明で
用いる第2偏光分離手段は、ある一方向の直線偏光を透
過させると共にそれ以外の直線偏光を反射し、特に、透
過偏光軸に対して直角方向の直線偏光は全反射するとい
う機能を奏するものである。
【0040】従って、上記構成要件(A)のように、通
常の偏光板等に代えて上記構成の第2偏光分離手段を用
いるようにすれば、従来であれば偏光板によって吸収又
は分散されていた光を反射によって表示に寄与させるこ
とができるので、表示装置及び電子時計の背景地又は数
字等の情報を格段に明るく表示できる。
【0041】特に、上記構成要件(B)のように、第2
偏光分離手段の裏側に光反射層を配設する場合、その第
2偏光分離手段を従来のように通常の偏光板によって構
成すると、光反射層からの反射光がその偏光板によって
吸収されてしまい、それ故、見る者にとって十分な光量
の反射光を与えることができなかった。これに対して本
発明のように第2偏光分離手段を上記構成要件(c)の
ように、所定方向の直線偏光以外の直線偏光成分を吸収
ではなくて反射する方式の偏光分離要素を用いれば、光
反射層からの反射光は第2偏光分離手段の透過偏光軸に
合致するまで第2偏光分離手段と光反射層との間で反射
を繰り返し、最終的に偏光軸が第2偏光分離手段の偏光
軸に合致したときにそこを通過して見る者に到達する。
つまり、従来であれば吸収によって無駄に消費されてい
た反射光量を無駄なく見る者に提供できるようになり、
その結果、光反射層からの反射光を十分な光量のままで
見る者に提供できる。
【0042】光反射層からの反射光は、第1偏光分離手
段、透過偏光軸可変手段及び第2偏光分離手段の各要素
の偏光軸の設定如何によって、数字等の情報を表示する
ために用いることもでき、あるいは、背景地を表示する
ために用いることもできる。この光反射層からの反射光
を背景地を表示するために用いる場合には、見る角度に
応じて視覚で認識される状態が変化する特性を有する物
質によって光反射層を形成すれば、背景地に変化を持た
せることができ、これにより、見る者に変化に富んだ表
示を提供でき、その結果、見る者の興味を強く惹き付け
ることができる。
【0043】(12) 上記の「見る角度に応じて視覚
で認識される状態が変化する特性を有する物質」として
は、表面にフレネルレンズを有する物質、例えばシート
材を用いることができる。
【0044】(13) また、上記の「見る角度に応じ
て視覚で認識される状態が変化する特性を有する物質」
としては、表面に凹凸の幾何学模様を有する物質、例え
ばシート材を用いることができる。
【0045】(14) また、上記の「見る角度に応じ
て視覚で認識される状態が変化する特性を有する物質」
としては、ホログラムシートを含む物質を用いることが
できる。
【0046】上記(12)〜(14)に記載したいずれ
のシート材も、それらを見る者がシート材を見る角度を
変化させると、それらのシート材に映る像の見え方が種
々に変化する。よって、これを電子時計表示等における
背景地として用いれば、見る者の興味を強く惹き付ける
ことができる変化に富んだ表示を実現できる。
【0047】(15) 特に、ホログラムシートを用い
る場合には、そのホログラムシートの表面にモザイク模
様を形成し、そのモザイク模様の個々の模様部分のホロ
グラム特性に意図的にバラツキをもたせることができ
る。こうすれば、モザイク模様の個々の模様部分をそれ
らに固有のホログラム特性に従った固有の反射色で発光
させることができ、結果的に、ホログラムシートを個々
のモザイク模様部分で種々の異なった反射色で発光させ
ることができる。しかも、見る者がホログラムシートを
見る角度を変化させれば、ホログラム特性に従って、各
モザイク模様部分の反射色が個々に連続的に変化する。
これにより、電子時計等の表示形態に、より一層の変化
を持たせることができる。
【0048】(16) 上記(11)〜(15)に記載
の電子時計において、第2偏光分離手段が種々の偏光分
離要素によって構成できることは既述の通りであるが、
望ましくは、国際公開された国際出願(国際公開番号W
O95/17692又はWO95/27919)に開示
された構造の偏光分離フィルムを用いてその第2偏光分
離手段を構成する。この偏光分離フィルムに関しては、
図2及び図3を用いて既に説明した通りであるので、こ
こでの説明は省略する。
【0049】(17) 次に、上記第2の目的を達成す
るため、本発明に係る電子時計は、時を計数して表示す
る電子時計であって、(a)ある一方向を向く直線偏光
成分を透過させ、それと直交する直線偏光成分を透過さ
せない第1偏光分離手段と、(b)その第1偏光分離手
段から出た直線偏光を受ける位置に配置され、透過する
偏光の偏光軸を変化させる状態と変化させない状態との
いずれかを選択できる透過偏光軸可変手段と、(c)そ
の透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段の
反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を透
過させ、それと直交する直線偏光成分を透過させない第
2偏光分離手段と、(d)その第2偏光分離手段を挟ん
で上記透過偏光軸可変手段の反対側に配置された光反射
部材とを有し、(e)その光反射部材は、外部が明るい
ときに光をエネルギとして蓄積し、その蓄積したエネル
ギを外部が暗いときに光として放出する機能を有する蓄
光性発光層を含むことを特徴とする。
【0050】この電子時計が明るい環境下にあれば、蓄
光性発光層にエネルギが蓄積され、それが夜間等の暗い
環境下に置かれると、その蓄積性発光層から発光が生
じ、その発光によって時計表示面が外部に明るく表示さ
れ、それが見る者によって認識される。蓄光性発光層は
特別な電源を必要とせず、しかもそれ自体の厚さも薄い
ので、低コストで小型の電子時計を提供できる。
【0051】上記構成において、透過偏光軸可変手段
は、上記(1)に記載した表示装置及び(2)に記載し
た電子時計において用いられるものと同じものを用いる
ことができる。
【0052】(18) 上記(17)記載の電子時計に
おいて、第1偏光分離手段及び第2偏光分離手段は、共
に、通常の偏光板によって構成できる。通常の偏光板と
いうのは、ある一方向を向く直線偏光を透過させ、それ
以外の偏光を吸収するという機能を有する光学要素であ
る。つまり、この偏光板は、所定方向以外の直線偏光を
吸収することによってその直線偏光の透過を禁止するも
のである。
【0053】この電子時計によれば、第1偏光分離部材
及び第2偏光分離部材の両方を同じ構造の偏光板によっ
て構成するので、部品管理が容易になり、コストの低減
もできる。
【0054】(19) また、上記(17)記載の電子
時計において、第1偏光分離手段を通常の偏光板によっ
て構成し、そして第2偏光分離手段を次の機能、すなわ
ち、ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、それに
対して直角方向の直線偏光成分を反射する機能を有する
反射型の偏光分離要素によって構成することもできる。
この反射型偏光要素は、所定方向以外の直線方向を反射
することによってその直線偏光の透過を禁止するもので
ある。
【0055】この電子時計によれば、通常の偏光板が所
定方向以外の直線偏光を吸収するのに対して、上記の反
射型偏光分離要素は所定方向以外の直線偏光を反射する
機能を有するので、通常の偏光板を用いた場合では実現
できない、新規で特殊な表示形態を実現できる。
【0056】以上のような機能を有する反射型偏光分離
要素は、国際公開された国際出願(国際公開番号WO
95/17692又はWO95/27919)に開示さ
れたように薄膜を多数枚積層した構造の偏光分離フィル
ムや、コレステリック液晶層の両側又は片側に(1/
4)λ板を配設した構造の偏光分離板や、ブリュース
ターの角度を利用して反射偏光と透過偏光とに分離する
構造の偏光分離部材(SID 92 DIGEST 第
427頁から第429頁)や、あるいは、ホログラム
を利用した偏光分離部材等を用いて構成できる。
【0057】国際公開された国際出願(WO95/17
692、WO95/27919)に開示された偏光分離
フィルムは、例えば図2に示すようなものであり、これ
については既に説明したのでその説明は省略する。
【0058】(20) 上記(17)記載の電子時計に
おいて、蓄光性発光層は、吸収した光によって励起され
た電子をその励起状態に保持でき、その保持された電子
と正孔との再結合によって発光を生じる物質を含むこと
によって構成できる。このような発光物質が光を吸収す
ると、電子は、まず、第1の励起状態に励起され、その
後、第1の励起状態から不純物中心や結晶格子欠陥等か
ら成る捕獲中心によって捕獲され、これにより、所定の
励起状態に保持される。
【0059】その後、この捕獲中心に保持された電子
は、熱的活性化により再び第1の励起状態に戻り、そし
て正孔と再結合して光を放出する。このような発光物質
としては、例えば、酸化ストロンチウムアルミニウム
(SrAl24)を母体結晶とし、さらに不純物として
希土類元素を含む物質が挙げられる。この電子時計によ
れば、光反射部材を発光体として用いるときに、その発
光時間を長く継続できる。 (21) 次に、上記第3の目的を達成するため、本発
明に係る電子時計は、時を計数して表示する電子時計で
あって、(a)透過偏光軸を変化させることができる透
過偏光軸可変手段と、(b)その透過偏光軸可変手段を
挟んでその両側に配置された第1偏光分離手段及び第2
偏光分離手段と、(c)その第2偏光分離手段に対して
前記透過偏光軸可変手段の反対側に配置された第3偏光
分離手段とを有し、さらに(d)前記第1偏光分離手段
は、第1の側から入射した光に対してその第1の側と対
向する第2の側から第1方向の直線偏光を出射でき、そ
の第2の側から入射した光に対して前記第1の側から前
記第1方向の直線偏光を出射できる偏光分離手段であ
り、(e)前記第2偏光分離手段は、(i)第3の側か
ら入射した光のうち第2方向の直線偏光成分を前記第3
の側と対向する第4の側に前記第2方向の直線偏光とし
て透過させ、(ii)前記第3の側から入射した光のう
ち前記第2方向と直交する第3方向の直線偏光成分であ
って且つ第1波長領域の光を前記第3の側に前記第3方
向の直線偏光として反射し、(iii)前記第3の側か
ら入射した光のうち前記第3方向の直線偏光成分であっ
て且つ第2波長領域の光を前記第4の側に前記第3方向
の直線偏光として出射できる偏光分離手段であり、
(f)前記第3の偏光分離手段は、(i)第5の側から
入射した光のうち第4方向の直線偏光成分を前記第5の
側と対向する第6の側に透過させ、(ii)前記第5の
側から入射した光のうち前記第4方向と直交する第5方
向の直線偏光成分であって且つ第3波長領域の光を前記
第5の側に前記第5方向の直線偏光として反射し、(i
ii)前記第5の側に入射した光のうち前記第5方向の
直線偏光成分であって且つ第4波長領域の光を前記第6
の側に出射できる偏光分離手段であることを特徴とす
る。
【0060】この電子時計では、透過偏光軸可変手段の
透過偏光軸の状態に応じて、第1の表示状態と第2の表
示状態との2つの表示状態が得られる。そして、第1の
表示状態の表示色と第2の表示状態の表示色とは互いに
異なるので、それらの2色によって時計表示を行うこと
ができる。また、両方の表示状態は、共に、偏光分離手
段から反射された光による表示状態であるので、吸光に
よって偏光を分離する構造の2枚の偏光板を透過させる
従来方式の表示素子に比べて、格段に明るい表示を得る
ことができる。
【0061】(22) 上記(21)記載の電子時計に
おいて、前記透過偏光軸可変手段は液晶素子を含んで構
成できる。
【0062】(23) また、その液晶素子は、TN液
晶素子、STN液晶素子又はECB液晶素子を含んで構
成できる。なお、このSTN液晶素子には、色補償用光
学異方体を用いるSTN液晶素子も含まれる。
【0063】(24) 上記(21)から(23)記載
の電子時計において、前記第1偏光分離手段は偏光板を
含んで構成できる。
【0064】(25) 上記(21)から(24)記載
の電子時計において、前記第2方向と前記第4方向との
成す角度は、好ましくは45°〜90°である。
【0065】(26) 上記(21)から(24)記載
の電子時計において、前記第2方向と前記第4方向との
成す角度は、より好ましくは60°〜90°である。
【0066】(27) 上記(21)から(24)記載
の電子時計において、前記第2方向と前記第4方向との
成す角度は、さらに好ましくは75°〜90°である。
【0067】(28) 上記(21)から(27)記載
の電子時計において、光拡散手段をさらに設けることが
できる。こうすれば、時計表示状態を鏡面状ではない状
態にすることができる。
【0068】(29) 上記(21)から(28)記載
の電子時計において、さらに光吸収手段を設けることが
できる。
【0069】(30) 上記(21)から(28)記載
の電子時計において、さらに光源を設けることができ
る。
【0070】(31) 上記(21)から(30)記載
の電子時計において、前記第2偏光分離手段は、複数の
層が互いに密着して積層された積層体であって、前記複
数の層の屈折率が、互いに隣接する層相互間で、第6方
向においては等しく、その第6方向と直交する第7方向
においては異なる積層体によって構成できる。
【0071】(32) 上記(21)から(31)記載
の電子時計において、前記第3偏光分離手段は、複数の
層が互いに密着して積層された積層体であって、前記複
数の層の屈折率が、互いに隣接する層相互間で、第8方
向においては等しく、その第8方向と直交する第9方向
においては異なる積層体によって構成できる。
【0072】上記(31)及び(32)に記載した偏光
分離手段として、例えば、図27に模式的に示すような
積層体構造の偏光分離器21を用いることができる。こ
の偏光分離器21の機能原理を説明すれば次の通りであ
る。
【0073】ここに示した偏光分離器21は、異なる2
つの層であるA層及びB層とが交互に複数層積層された
構造を有する。A層のX方向の屈折率nAX とY方向の
屈折率nAY とは互いに異なり、nAX≠nAYである。ま
た、B層のX方向の屈折率nB XとY方向の屈折率nBY
は互いに等しく、nBX=nBYである。また、A層のY方
向の屈折率nAYとB層のY方向の屈折率nBYとは互いに
等しく、nAY=nBYである。
【0074】従って、この偏光分離器21の上面21a
にその面に対して垂直な方向から偏光分離器21に光が
入射すると、その光のうちY方向の直線偏光はこの偏光
分離器21を透過して下面21bからY方向の直線偏光
の光として出射する。また逆に、偏光分離器21の下面
21bにその面に対して垂直な方向から偏光分離器21
に光が入射すると、その光のうちY方向の直線偏光の光
はこの偏光分離器21を透過して上面21aからY方向
の直線偏光の光として出射する。ここで、透過する方向
であるY方向のことを透過軸と呼ぶ。
【0075】一方、A層のZ方向における厚みをtA
し、B層のZ方向における厚みをtB とし、入射光の波
長をλとすると、光学的特性が tA・nAX+tB・nBX=λ/2 ……… (1)となる
ように設定することにより、偏光分離器21の上面21
aにその面に対して垂直な方向から波長λの光を入射さ
せたとき、その光のうちX方向の直線偏光の光は、この
偏光分離器21によってX方向の直線偏光の光として反
射される。また、波長λの光であって偏光分離器21の
下面21bにその面に対して垂直な方向から入射した直
線偏光の光は、この偏光分離器21によってX方向の直
線偏光の光として反射される。ここで、反射する方向で
あるX方向のことを反射軸と呼ぶ。
【0076】そして、A層のZ方向における厚みtA
びB層のZ方向における厚みtB を種々変化させて、可
視光のある波長範囲にわたって上記(1)式が成立する
ようにすることにより、ある波長領域の光(Δλ)だけ
が反射し、その他の波長領域(−Δλ)の光は透過する
ようにできる。すなわち、Y方向の直線偏光成分をY方
向の直線偏光として透過させ、X方向の直線偏光成分で
あって且つある波長領域の光(Δλ)をX方向の直線偏
光として反射し、X方向の直線偏光成分であって且つそ
の他の波長領域(−Δλ)の光をX方向の直線偏光とし
て透過する。
【0077】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図4は、請求項
1記載の本発明に係る表示装置を表示部として用いた請
求項2記載の電子時計の一実施形態の断面構造を示して
いる。この電子時計は腕時計であり、例えばプラスチッ
ク製のケーシング1と、そのケーシング1の内部に格納
されたムーブメント2と、ケーシング1に固定されてい
てムーブメント2の上に位置するガラス板3と、そし
て、ムーブメント2を固定する裏ぶた4とを含んで構成
される。符号6は、腕バンドを示している。
【0078】ムーブメント2は、図6に示すように、パ
ネル枠7と、そのパネル枠7に支持された透過偏光軸可
変手段としての液晶パネル8と、その液晶パネル8の外
側表面(図の上側表面)に貼着された第1偏光分離手段
としての偏光板11と、液晶パネル8を挟んで偏光板1
1の反対側に配置された第2偏光分離手段としての偏光
分離フィルム12と、その偏光分離フィルム12の底面
側に配設されたバックライト18と、そして電池9とを
有する。
【0079】偏光板11は、通常の偏光板によって形成
されていて、ある一方向を向く直線偏光成分を透過さ
せ、それ以外の偏光成分を吸収、分散等して透過させな
いように作用する。本実施形態では、図1において、偏
光板11の透過偏光軸が紙面垂直方向を向くように位置
設定される。また、偏光分離フィルム12は、図2に示
すように多数の薄膜を積層した構造の偏光分離フィルム
によって構成する。既述の通り、この偏光分離フィルム
12は、ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、そ
れ以外の直線偏光成分を吸収等ではなくて反射するよう
に、特に透過偏光軸と直角方向の直線偏光成分は全反射
するように作用する。
【0080】なお、本実施形態の偏光分離フィルム12
は、可視光域の全ての波長の光を反射できるように各層
の層厚t1,t2,t3,… … … (図2参照)が設定さ
れる。なお、偏光分離フィルム12の液晶パネル8に対
向する面は、光を鏡面反射させる平滑面とすることもで
きるし、あるいは光散乱層すなわち光拡散層とすること
もできる。平滑面とした場合には、偏光分離フィルム1
2からの反射像は鏡面反射像となる。また、光拡散層と
した場合には偏光分離フィルム12からの反射像は無模
様で単一色(通常は、白色)の背景色となる。偏光分離
フィルム12の表面にカラー層を設ければ適宜の色を付
けることもできる。
【0081】図6のバックライト18は、例えば平面発
光素子であるELによって構成する。このバックライト
18の表面は、図1に示すように、光を乱反射する光反
射層18aとなっている。本実施形態の場合、その光反
射層18aは、図8に示すように、白の背景地の上に印
刷によって模様20を設けることによって形成される。
模様20としては、適宜のロゴ、商標等といったマー
ク、適宜のキャラクタ、その他種々の模様が考えられる
が、本実施形態では「ABC」の文字が書かれるものと
する。
【0082】図6において、液晶パネル8は、互いに対
向する一対の透明ガラス基板13a及び13bを有し、
それらのガラス基板の間に形成された間隙、いわゆるセ
ルギャップ内に液晶、例えばTN液晶Lが封入される。
ガラス基板13a及び13bには、図5に示すように数
字、文字等の情報を表示するための複数の透明電極14
が形成される。本実施形態では、1桁の数字を表示する
ための透明電極として7セグメントに分割された透明電
極を用いている。
【0083】一対のガラス基板13a及び13bのそれ
ぞれに形成されていて、互いに対向する一対のセグメン
ト透明電極14の間には所定の電圧を印加でき、そのよ
うに電圧を印加(ON)するか、あるいは電圧を印加し
ない(OFF)かによって、液晶Lの配向を2つの状態
のうちのいずれかに設定できる。本実施形態の液晶は、
それがON状態のときにその液晶を通過する直線偏光の
偏光軸を変化させず、一方、それがOFF状態のときに
その液晶を通過する直線偏光の偏光軸を90゜だけ捻る
ように設定される。
【0084】以下、上記構成より成る電子腕時計につい
てその動作を説明する。この腕時計は、バックライト1
8の発光を利用する光源形態と、バックライト18の発
光を利用することなく外部の自然光を利用する光源形態
との2種類の光源形態を有する。また、腕時計の表示面
に背景地を表示したい場合にはその領域の液晶パネル8
をOFF状態とし、表示面に数字等の情報を表示する場
合にはその領域の液晶パネル8をON状態とする。以
下、それら各種の場合を個別に説明する。
【0085】(外部自然光を用いる場合)まず、外部自
然光を用いて表示を行う場合であって、特に背景地を表
示する場合には、図1において液晶パネル8をOFF状
態にする。すると、同図の矢印Qで示すように、外部光
すなわち自然光のうち紙面に対して垂直方向の直線偏光
が偏光板11を透過し、OFF状態にある液晶パネル8
によって偏光方向が90゜捻られて紙面に対して平行方
向の直線偏光となる。
【0086】この直線偏光は偏光分離フィルム12を透
過してバックライト18の光反射層18aに到達してそ
こで反射する。そしてその反射光は偏光分離フィルム1
2、液晶パネル8及び偏光板11を透過して見る者に認
識される。光反射層18aは模様20を有するから、図
7に示すように、外部からは模様20が書かれた背景地
が認識される。模様20のまわりの背景色は、文字等の
情報を際立たせるために、灰色等といった比較的暗い色
とする。なお、背景色をそのような比較的暗い色にする
ため、光反射層18aの地の色は予めそのような比較的
暗い色にしておく。
【0087】図1において、光散乱層18aで乱反射す
る光に関しては、その偏光軸がずれる成分を含んでお
り、その光成分は偏光分離フィルム12で反射して、再
度、光散乱層18aへ戻り、偏光分離フィルム12の偏
光軸に合うまで反射を繰り返した後に上方へ抜けて行
く。これに対し、偏光分離フィルム12に代えて通常の
偏光板を用いた従来の構造では、偏光軸がずれている光
成分はその偏光板に吸収されて上方へは抜けてこない。
つまり、偏光分離フィルム12を用いた本実施形態によ
れば、光散乱層18aで反射した光を効率良く外部へ導
くことができ、よって、模様20を極めて明るくて見易
い状態で表示できる。
【0088】次に、外部自然光を用いて数字等の情報を
表示する場合には、液晶パネル8をON状態にする。す
ると、矢印Pで示すように、偏光板11によって外部光
のうちから紙面垂直方向の直線偏光が取り出され、その
直線偏光が液晶パネル8を透過する。このとき液晶パネ
ル8はON状態にあるから直線偏光の偏光方向は捻られ
ることなく紙面垂直方向を維持し、よって、この直線偏
光は波長に応じて偏光分離フィルム12内の各層面間で
反射し、そしてその反射光は、液晶パネル8及び偏光板
11を順次に透過した後に外部に表示される。これによ
り、図7において、透明電極14のうちON状態にある
セグメントの部分が偏光分離フィルム12の反射色によ
って表示される。
【0089】以上により、外部自然光を用いて表示を行
う場合には、模様20が書き込まれた灰色等の背景地の
上に、セグメント電極14によって表示される数字等の
情報を認識できる。従来であれば、白色等といった単一
の背景色の上に数字等の情報が表示されるだけであった
ので、表示形態が単調であったが、本実施形態によれ
ば、背景地に模様20を書き込んでそれに変化を持たせ
ることができ、その結果、見る者に多様な情報を提供で
きると共に見る者の興味を強く惹き付けることができ
る。
【0090】(バックライト18を用いる場合)次に、
バックライト18の発光を用いて表示を行う場合、特に
背景地を表示する場合には、バックライト18を点灯
し、さらに液晶パネル8をOFF状態にする。すると、
矢印Dで示すように、バックライト18の発光すなわち
自然光から偏光分離フィルム12によって紙面平行方向
の直線偏光が取り出され、さらに、OFF状態にある液
晶表示装置8によってその直線偏光の偏光方向が90゜
捻られて紙面垂直方向の直線偏光に変換される。この直
線偏光は偏光板11を透過して外部へ出射し、背景地と
して認識される。つまり、バックライト18の発光色の
上に模様20が表示された背景地が認識される。
【0091】次に、バックライト18の発光を用いて数
字等の情報を表示する場合には、バックライト18を点
灯し、さらに液晶パネル8をON状態にする。すると、
矢印Cで示すように、バックライト18の発光から偏光
分離フィルム12によって紙面平行方向の直線偏光が取
り出され、その直線偏光が、ON状態にある液晶パネル
8を透過する。この直線偏光の偏光軸は紙面平行方向で
あるからこれは偏光板11によって吸収又は分散されて
外部への出射が阻止され、よって、この部分は外部から
黒色として認識される。
【0092】以上により、暗くて外部自然光が入らない
場合等にバックライト18からの発光を用いて表示を行
うときには、模様20が書き込まれたバックライト18
の発光色の背景地の上に黒色の暗色によって数字等の情
報が表示される。
【0093】なお、図1の光反射層18aには、光が当
たったときに蛍光を発生する蛍光材を含ませることがで
きる。こうすれば、矢印Qのように外部光によって光反
射層18aを用いて背景地を表示するとき、光反射層1
8aに印刷された模様20が蛍光を発する背景色から浮
き出るようにはっきりと認識でき、これにより、見る者
に強い印象を与えることが得きる。
【0094】(第2実施形態)図9は、請求項1記載の
本発明に係る表示装置及び請求項2記載の本発明に係る
電子時計の他の実施形態を示している。この実施形態が
図4に示した先の実施形態と異なる点は、ケーシング1
の上にそのケーシング1に対して相対回転が可能な回転
リング10を設け、その回転リング10にガラス板3及
び偏光板11の両者を一体的に接続したことである。本
実施形態によれば、見る者が回転リング10を指で摘ん
でそれを腕時計の中心軸線L0 を中心として回すことに
より、偏光板11を中心軸線L0 を中心として回転させ
ることができる。偏光板11をこのように回転させる
と、図1において、偏光板11の偏光軸が図示の紙面垂
直方向から変化するので、偏光板11による直線偏光の
透過特性が変化し、その結果、外部に表示される表示内
容が種々に変化してそれを見る者の興味を強く惹き付け
ることができる。
【0095】例えば、図1の状態から偏光板11を90
゜回転すると、偏光板11の透過偏光軸線を図10に示
すように紙面平行方向に変化させることができる。する
と、外部自然光を用いて表示を行う場合には、矢印Qで
示すように、偏光分離フィルム12の反射像によって背
景地が表示され、他方、矢印Pで示すように、光反射層
18aからの反射色によって数字等の情報が表示され
る。つまり、この場合には、光反射層18aを用いて背
景地が表示されるのではないので、その背景地には模様
20が表示されず、図5に示すように、無模様で単一色
の背景地の上にセグメント電極14によって数字等の情
報が表示される。
【0096】つまり、本実施形態によれば、回転リング
10を回すことによって、電子時計の表示形態を、図7
に示すように模様20と数字等の情報の両方を同時に表
示する形態と、図5に示すように模様20を消して数字
等の情報だけを表示する形態との間で自由に変化させる
ことができる。
【0097】なお、図7の場合には、模様20を含む背
景地は光反射層18aの反射像(図1の矢印Q)によっ
て表示され、セグメント電極14による数字等の情報は
偏光分離フィルム12の反射色(図1の矢印P)によっ
て表示される。他方、図5の場合には、背景地は偏光分
離フィルム12の反射像(図10の矢印Q)によって表
示され、数字等の情報は光反射層18aの反射色(図1
0の矢印P)によって表示される。つまり、回転リング
10を回すことによって表示形態を図5の状態と図7の
状態との間で変化させるときには、模様20を点けたり
消したりすることができると共に、それと同時に、背景
地及び数字等の情報のそれぞれの表示色を変化させるこ
とができる。よって、見る者にとって刺激に富んだ表示
を提供できる。
【0098】(第3実施形態)図11は、請求項1記載
の本発明に係る表示装置及び請求項2記載の本発明に係
る電子時計のさらに他の実施形態を示している。この実
施形態が図1に示した先の実施形態と異なる点は、バッ
クライト18の両側に一対の巻取りリール16a及び1
6bを配設し、それらのリールに長尺状の光反射層18
aを掛け渡したことである。光反射層18aの長尺方向
には、図8に示すような「ABC」の模様20以外に、
適宜のロゴ、マーク、キャラクタ等から成る他の模様が
印刷されている。従って、リール16a及び16bの一
方によって光反射層18aを巻き取り、同時に他方のリ
ールによって光反射層18aを巻き出せば、バックライ
ト18に対応する部分に種々の異なった模様を持ち運ぶ
ことができ、これにより、見る者に種々の背景模様を提
供できる。なお、リール16a及び16bの回転駆動
は、見る者が外部から人力によって行うこともでき、あ
るいは、腕時計内に配設した駆動源を用いて自動的に行
うこともできる。
【0099】(その他の実施形態)以上、請求項1及び
請求項2記載の本発明に関して好ましい実施形態を挙げ
て説明したが、請求項1及び請求項2記載の発明はそれ
らの実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に
記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0100】例えば、図4では、本発明の表示装置を電
子腕時計の表示部に適用したが、本発明の表示装置はあ
らゆる種類の電子機器に対しても適用できる。また、上
記実施形態では、腕時計に関して本発明を適用した場合
を例示したが、ストップウオッチ等といったその他の構
造の電子時計に対しても本発明を適用できることはもち
ろんである。
【0101】また、上記実施形態では、透過する偏光の
偏光軸を変化させる状態と変化させない状態とのいずれ
かを選択できる透過偏光軸可変手段として、TN液晶を
使った液晶パネルを用いたが、これに代えて、STN液
晶やECB液晶を使った液晶パネルを用いることもでき
る。
【0102】また、ある一方向の直線偏光を透過させ、
それ以外の直線偏光を反射する作用を奏する第2偏光分
離手段として、図2のような複数の薄膜を積層した多層
構造を採用したが、これに代えて、コレステリック液
晶層の両側又は片側に(1/4)λ板を配設した構造の
偏光分離板や、ブリュースターの角度を利用して反射
偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分離部材(SI
D 92 DIGEST 第427頁から第429頁)
や、あるいは、ホログラムを利用した偏光分離部材等
を用いることもできる。
【0103】(第4実施形態)図12は、請求項10に
記載の本発明に係る表示装置の一実施形態の断面構造を
示している。この表示装置を図4に示した電子時計の表
示部として用いれば、請求項11に記載の電子時計を構
成できる。この電子時計の構造については図2、図3、
図5及び図6を用いて既に説明したので、ここでの説明
は省略する。また、図12で示す各部材において図1に
示す各部材と同一の符号で示すものは同一の機能を奏す
る同一の部材であるので、それらについての説明は省略
する。
【0104】本実施形態では、図1の実施形態に比べ
て、光反射板28に改変が加えられている。すなわち、
この光反射板28はホログラムシートによって形成す
る。このホログラムシートは、周知の通り、これを見る
角度を変化させるとそれに応じてホログラムシートから
の反射光の色が変化するものである。
【0105】例えば、図13に矢印Cで示すように、ホ
ログラムシート28を見る角度をa−b−c−d−eの
ように短軸方向で徐々に変化させてゆくと、見る者にと
ってホログラムシート28の全体が、例えば、青−赤−
緑−赤−青のように各色間で連続的に色変化する。ま
た、図14に矢印Dで示すように、ホログラムシート2
8を見る角度をf−g−hのように長軸方向で徐々に変
化させてゆくと、見る者にとってホログラムシート28
の全体が、例えば、白−緑−白のように各色間で連続的
に色変化する。
【0106】以下、上記構成より成る表示装置及びそれ
を用いた電子腕時計についてその動作を説明する。
【0107】まず、背景地を表示する場合には、図12
において液晶パネル8をOFF状態にする。すると、同
図の矢印Qで示すように、外部光すなわち自然光のうち
紙面に対して垂直方向の直線偏光が偏光板11を透過
し、OFF状態にある液晶パネル8によって偏光方向が
90゜捻られて紙面に対して平行方向の直線偏光とな
る。
【0108】この直線偏光は、偏光分離フィルム12を
透過して光反射板28に到達してそこで反射する。そし
てその反射光は、偏光分離フィルム12、液晶パネル8
及び偏光板11を透過した後に見る者に認識される。光
反射板28はホログラムシートによって構成されている
ので、外部から時計表示を見る者が見る角度を変える
と、光反射板28はその角度に応じて図13及び図14
に示すように反射色が種々に色変化する。従って、これ
を見る者は、角度に応じて色が種々に変化する背景地を
認識することになる。
【0109】なお、図12において、光反射板28で乱
反射する光に関しては、その偏光軸がずれる成分を含ん
でおり、その光成分は偏光分離フィルム12で反射し
て、再度、光反射板28へ戻り、偏光分離フィルム12
の偏光軸に合うまで反射を繰り返した後に上方へ抜けて
行く。これに対し、偏光分離フィルム12に代えて通常
の偏光板を用いた従来の構造では、偏光軸がずれている
光成分はその偏光板に吸収されて上方へは抜けてこな
い。つまり、偏光分離フィルム12を用いた本実施形態
によれば、光反射板28で反射した光を効率良く外部へ
導くことができ、よって光反射板28のホログラム特性
による反射像を極めて明るくて見易い状態で外部へ表示
できる。
【0110】次に、図12において、数字等の情報を表
示する場合には、液晶パネル8をON状態にする。する
と、矢印Pで示すように、偏光板11によって外部光の
うちから紙面垂直方向の直線偏光が取り出され、その直
線偏光が液晶パネル8を透過する。このとき液晶パネル
8はON状態にあるから直線偏光の偏光方向は捻られる
ことなく紙面垂直方向を維持し、よって、この直線偏光
は波長に応じて偏光分離フィルム12内の各層面間で反
射し、そしてその反射光は、液晶パネル8及び偏光板1
1を順次に透過した後に外部に表示される。これによ
り、図5において、透明電極14のうちON状態にある
セグメントの部分が偏光分離フィルム12の反射色によ
って表示される。
【0111】以上により、本実施形態において外部自然
光を用いて時計表示を行う場合には、ホログラム特性に
従って見る角度に応じて色変化する背景地の上に、セグ
メント電極14によって表示される数字等の情報を認識
できる。従来であれば、白色等といった単一の背景色の
上に数字等の情報が表示されるだけであったので、表示
形態が単調であったが、本実施形態によれば、見る角度
に応じて背景色が色変化するので、見る者は変化に富ん
だ表示形態を楽しむことができる。
【0112】(第5実施形態)図15は、請求項10に
係る表示装置及び請求項11に係る電子時計で用いるこ
とができる光反射板の他の実施形態を示している。ここ
に示した光反射板38がホログラムシートを用いて構成
されることは、図13及び図14に示した先の光反射板
28と同じである。両者間の相違点は次の通りである。
図13の光反射板28では、その全面が単一のホログラ
ム特性を有しており、従って、見る角度に応じて光反射
板28の色が変化するときには、光反射板28の全体が
一様に色変化する。
【0113】これに対し、図15の光反射板38に関し
ては、その表面にモザイク模様が形成され、そして個々
のモザイク模様部分Mがそれぞれに独自のホログラム特
性を有している。従って、各モザイク模様部分Mは自ら
のホログラム特性に従った色の反射光を生じ、結果的
に、光反射板38の全体は個々のモザイク模様部分Mを
単位として種々の異なった色で発光する。そして、その
発光表示が時計表示の背景地等として用いられる。よっ
て、見る者は従来のような単一色の背景地を見る場合に
比べて、非常に変化に富んだ表示形態を楽しむことがで
きる。
【0114】また、見る者が時計表示を見る角度、すな
わち光反射板38を見る角度を徐々に変化させると、個
々のモザイク模様部分Mはそれぞれ独自にホログラム特
性に従って反射色を変化させる。これを光反射板38の
全体にわたって観察すれば、光反射板38は個々のモザ
イク模様部分Mを単位として、例えば緑−赤−青−灰色
等といった各色間でキラキラと連続的に色変化する。よ
ってこれを見る者は、より一層変化に富んだ表示形態を
楽しむことができる。
【0115】(第6実施形態)図16は、請求項10に
係る表示装置及び請求項11に係る電子時計で用いるこ
とができる光反射板のさらに他の実施形態を示してい
る。ここに示した光反射板48はその表面に、同心円模
様に形成された樹脂製のフレネルレンズ49を有する。
このフレネルレンズ49は、周知の通り図17に示すよ
うに、例えば凸レンズのレンズ面L1を同心円模様ごと
に分割してそれらを平坦面状に並べることによって形成
されている。そして、そのフレネルレンズ49の裏側に
はAl(アルミニウム)等の光反射層47が貼着され
る。
【0116】フレネルレンズ49を無色透明に形成すれ
ば、光反射板48に入射した光はフレネルレンズ49を
通して光反射層47へ入射し、そこで反射した後再びフ
レネルレンズ49を通して外部へ導かれる。従って、図
5の時計表示を見る者は、セグメント電極14を用いた
数字等の情報表示の背景地として、フレネルレンズ49
によって光学的に加工された鏡面反射像を認識すること
になる。この背景地は、時計表示を見る角度を変化させ
ることにより、種々の状態に変化するので、これを見る
者に変化に富んだ表示を提供できる。なお、フレネルレ
ンズ49を適宜の色付きの樹脂によって形成すれば、色
付きの反射像によって背景地を構成でき、より一層変化
に富んだ背景地を見ることができる。
【0117】(第7実施形態)図18は、請求項10に
係る表示装置及び請求項11に係る電子時計で用いるこ
とができる光反射板のさらに他の実施形態を示してい
る。ここに示した光反射板58は、例えば図16に示し
た同心円模様の平面状態に形成することができる。この
光反射板58は、同心円模様ごとに凹凸が形成されたA
l反射層57と、その上に被覆されたカラー樹脂層59
とを含んで構成される。
【0118】この実施形態では、Al反射層57に設け
た凹凸形状の働きにより、見る角度をa−b−cのよう
に紙面平行方向に連続的に変化させたり、あるいは、そ
れと直角方向の紙面垂直方向に連続的に変化させたりす
ると、外部から認識される反射像が種々の状態に変化す
る。例えば、図16の同心円模様が部分的にはっきり見
えたり見えなかったり、強く光る部分が図16の左右方
向、上下方向、あるいは円周方向に移動したり等といっ
た変化を認識できる。よって、この光反射板58を用い
て背景地を表示すれば、見る者の視認角度方向の変化に
応じて背景地の見え方を種々に変化させることができ、
それ故、時計表示等に変化を持たせることができる。
【0119】(その他の実施形態)以上、請求項10及
び請求項11記載の発明に関して好ましい実施形態を挙
げて説明したが、請求項10及び請求項11の発明はそ
れらの実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲
に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0120】例えば、請求項10記載の表示装置は電子
腕時計以外のあらゆる種類の電子機器のための表示部と
して適用できる。また、上記実施形態では、透過する偏
光の偏光軸を変化させる状態と変化させない状態とのい
ずれかを選択できる透過偏光軸可変手段として、TN液
晶を使った液晶パネルを用いたが、これに代えて、ST
N液晶やECB液晶を使った液晶パネルを用いることも
できる。
【0121】また、ある一方向の直線偏光を透過させ、
それ以外の直線偏光を反射する作用を奏する第2偏光分
離手段として、図2のような複数の薄膜を積層した多層
構造を採用したが、これに代えて、コレステリック液
晶層の両側又は片側に(1/4)λ板を配設した構造の
偏光分離板や、ブリュースターの角度を利用して反射
偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分離部材(SI
D 92 DIGEST 第427頁から第429頁)
や、あるいは、ホログラムを利用した偏光分離部材等
を用いることもできる。
【0122】(第8実施形態)図21は、請求項17に
係る電子時計で用いることができるムーブメント22の
一例を示している。このムーブメント22は、図4に示
した電子腕時計の中に組み込むことができる。
【0123】このムーブメント22は、パネル枠7と、
そのパネル枠7に支持された透過偏光軸可変手段として
の液晶パネル8と、その液晶パネル8の外側表面(図の
上側表面)に貼着された第1偏光分離手段としての偏光
板11と、液晶パネル8を挟んで偏光板11の反対側に
配置された第2偏光分離手段としての偏光板15と、そ
の偏光板15の底面側に配設された光散乱層17と、そ
の光散乱層17のさらに裏側に配置された光反射板68
と、そして電池9とを有する。
【0124】第1偏光板11及び第2偏光板15は、あ
る一方向を向く直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を
吸収、分散等して透過させないように作用する。そして
これらの偏光板11及び15は、透過させる偏光軸の方
位が互いに直角になるように設定される。光反射板68
は、その表面に蓄光性発光層を有し、その蓄光性発光層
は発光体として作用すると共にその表面が光反射層とし
ても作用する。発光体として作用する蓄光性発光層は、
外部が明るいときに光をエネルギとして蓄積し、その蓄
積したエネルギを外部が暗いときに光として放出する。
【0125】液晶パネル8は、互いに対向する一対の透
明ガラス基板13a及び13bを有し、それらのガラス
基板の間に形成された間隙、いわゆるセルギャップ内に
液晶、例えばTN液晶Lが封入される。ガラス基板13
a及び13bには、図20に示すように数字、文字等の
情報を表示するための複数の透明電極64が形成され
る。本実施形態では、1桁の数字を表示するための透明
電極として7セグメントに分割された透明電極を用いて
いる。
【0126】一対のガラス基板13a及び13bのそれ
ぞれに形成されていて、互いに対向する透明電極対64
の間には所定の電圧を印加でき、そのように電圧を印加
(ON)するか、あるいは電圧を印加しない(OFF)
かによって、液晶Lの配向を2つの状態のうちのいずれ
かに設定できる。本実施形態の液晶は、それがON状態
のときに直線偏光の偏光軸を変化させず、一方、それが
OFF状態のときに直線偏光の偏光軸を90゜だけ捻る
ように設定される。
【0127】以下、上記構成より成る電子腕時計につい
てその動作を説明する。この腕時計は、光反射板68の
反射特性を利用する表示形態と、光反射板68の発光特
性を利用する表示形態との2種類の表示形態を有する。
また、腕時計の表示面を背景色のままに維持したい場合
にはその領域の液晶パネル8をOFF状態とし、表示面
に数字等といった情報を表示する場合にはその領域の液
晶パネル8をON状態とする。以下、それら各種の場合
を個別に説明する。
【0128】(光反射板68を光反射体として用いる場
合)昼間の明るい環境下等において外部自然光を用いて
表示を行う場合、特に背景色を表示する場合には、ま
ず、図19において液晶パネル8をOFF状態にする。
すると、同図の矢印Pで示すように、外部光すなわち自
然光のうち紙面に対して平行方向の直線偏光が第1偏光
板11を透過し、OFF状態にある液晶パネル8によっ
て偏光方向が90゜捻られて紙面に対して垂直方向の直
線偏光となる。この直線偏光は第2偏光板15及び光散
乱層17を透過した後に光反射板68の表面で乱反射
し、そしてその乱反射光の一部が光散乱層17、第2偏
光板15、液晶パネル8、そして第1偏光板11を順次
に透過した後に外部に表示され、これにより、該部分が
白色の背景地として認識される。
【0129】次に、外部自然光を用いて数字等の情報を
表示する場合には、液晶パネル8をON状態にする。す
ると、矢印Qで示すように、第1偏光板11によって外
部光のうちから紙面平行方向の直線偏光が取り出され、
その直線偏光が液晶パネル8を透過する。このとき液晶
パネル8はON状態にあるから直線偏光の偏光方向は捻
られることなく紙面平行方向を維持し、よって、この直
線偏光は第2偏光板15によって吸収される。この結
果、この部分は外部からは“黒”として認識される。
【0130】以上のように、外部環境が明るい場合に
は、光反射板68が光反射要素として作用して、白色の
背景色の上に数字等の情報が黒色で表示される。そして
このとき、光反射板68は、自らが有する蓄光性発光特
性に基づいて外部光をエネルギとして蓄積する。
【0131】(光反射板68を発光体として用いる場
合)本実施形態の電子腕時計を夜間の暗い環境下等に置
くと、光反射体68の蓄光性発光層に蓄えられたエネル
ギが光として放出される。このとき、時計の表示面に背
景色を表示する場合には、液晶パネル8をOFF状態に
する。すると、矢印Cで示すように、光反射体68から
の発光すなわち自然光から第2偏光板15によって紙面
垂直方向の直線偏光が取り出され、さらに、OFF状態
にある液晶パネル8によってその直線偏光の偏光方向が
90゜捻られて紙面平行方向の直線偏光に変換され、そ
の直線偏光が第1偏光板11を透過して外部に認識され
る。このときに認識される光の色は光反射体68の発光
色であり、通常は、白色である。
【0132】次に、光反射体68の発光を用いて数字等
の情報を表示する場合には、液晶パネル8をON状態に
する。すると、矢印Dで示すように、光反射体68の発
光から第2偏光板15によって紙面垂直方向の直線偏光
が取り出され、その直線偏光が、ON状態にある液晶パ
ネル8を透過して第1偏光板11に到達する。このとき
の直線偏光は第1偏光板11の偏光方向と整合しないの
でその第1偏光板11に吸収され、その結果、外部から
は“黒”として認識される。
【0133】以上のように、外部環境が暗くなると、光
反射板68が発光体として作用して、発光色例えば白色
の背景色の上に数字等の情報が黒色で表示される。この
表示は、光反射板68の蓄光性発光層に蓄えられたエネ
ルギが無くなるまで継続する。この表示継続時間は、蓄
光性発光層を構成する材料に応じて種々に変化する。
【0134】以上のように本実施形態の腕時計では、そ
の時計が夜間等の暗い環境下に置かれる場合でも、光反
射板68の蓄光性発光層からの発光に基づいて時計表示
面を明るく表示できる。そしてさらに、蓄光性発光層は
特別な電源を必要とせず、しかもそれ自体の厚さも薄い
ので、腕時計を低コストで小型に形成できる。
【0135】(第9実施形態)図22は、請求項17に
係る電子時計の他の実施形態の要部を模式的に示してい
る。ここに示した実施形態が図19に示した先の実施形
態と異なる点は、液晶パネル8を挟んで第1偏光板11
の反対側に配設される第2偏光分離手段として反射型偏
光分離フィルム12を用いたことである。その他の点は
図1の各部材と同じであり、同じ部材は同じ番号を付し
て示している。
【0136】この実施形態で用いる偏光分離フィルム1
2は、図1の表示装置で用いた偏光分離フィルム12と
同じものを用いることができ、具体的には図2に示すよ
うな多層構造のフィルムを用いることができる。この偏
光分離フィルム12が通常の偏光板15(図19)と異
なる点は、透過可能な直線偏光以外の直線偏光成分に関
して、通常の偏光板がそれを吸収するのに対して、反射
型偏光分離フィルム12はその直線偏光成分を反射する
ことであり、このことについては既に説明した。偏光分
離フィルム12がそのような光学特性を有することか
ら、図22の実施形態では以下のような表示状態が実現
される。
【0137】(光反射板68を光反射体として用いる場
合)昼間の明るい環境下等において外部自然光を用いて
表示を行う場合、特に背景色を表示する場合には、ま
ず、図22において液晶パネル8をOFF状態にする。
すると、同図の矢印Pで示すように、外部光すなわち自
然光のうち紙面に対して平行方向の直線偏光が第1偏光
板11を透過し、OFF状態にある液晶パネル8によっ
て偏光方向が90゜捻られて紙面に対して垂直方向の直
線偏光となる。この直線偏光は波長に応じて偏光分離フ
ィルム12内の各層面間で反射し、そしてその反射光
は、液晶パネル8及び第1偏光板11を順次に透過した
後に外部に表示される。これにより、腕時計の表示面内
に背景色が表示される。この背景色は、通常は、“白”
である。
【0138】図19の実施形態では第2偏光板15によ
る光の吸収の影響により白色の背景色が暗くなる傾向に
あったが、図22に示す本実施形態では、そのような偏
光板による吸光の影響が無くなるので、白色の背景色の
輝度を高めることができ、よって、時計の表示面をより
一層明るく表示できる。
【0139】次に、外部自然光を用いて数字等の情報を
表示する場合には、液晶パネル8をON状態にする。す
ると、矢印Qで示すように、第1偏光板11によって外
部光のうちから紙面平行方向の直線偏光が取り出され、
その直線偏光が液晶パネル8を透過する。このとき液晶
パネル8はON状態にあるから直線偏光の偏光方向は捻
られることなく紙面平行方向を維持し、よって、この直
線偏光は偏光分離フィルム12を透過し、さらに光反射
板68の表面で乱反射する。この乱反射により、偏光板
11側へ戻る光は減少し、よって、この部分は、外部か
ら見て背景地に対して相対的に灰色等の暗色として表示
され、もって、観察者によって数字等の情報として認識
される。もちろん、偏光分離フィルム12と光反射板6
8との間に半透過性の光吸収体を介在させ、その光吸収
体によって積極的に光を吸収することにより、コントラ
ストの高い“黒”を積極的に作り出すこともできる。
【0140】以上により、外部自然光を用いる場合に、
光反射体68の反射特性を利用して、白色の背景色の上
に数字等の情報を暗色で表示できる。そして、そのとき
に、光反射体68の蓄光性発光層にエネルギが蓄積され
る。
【0141】(光反射板68を発光体として用いる場
合)夜間の暗い環境下等において光反射体68の発光を
用いて表示を行う場合、特に背景色を表示する場合に
は、液晶パネル8をOFF状態にする。すると、矢印C
で示すように、光反射体68の発光すなわち自然光から
偏光分離フィルム12によって紙面平行方向の直線偏光
が取り出され、さらに、OFF状態にある液晶表示装置
8によってその直線偏光の偏光方向が90゜捻られて紙
面垂直方向の直線偏光に変換される。この直線偏光は第
1偏光板11によって吸収又は分散されて外部への出射
が阻止されるので、外部からは“黒”の背景色として認
識される。
【0142】次に、光反射板68の発光を用いて数字等
の情報を表示する場合には、液晶パネル8をON状態に
する。すると、矢印Dで示すように、光反射板68の発
光から偏光分離フィルム12によって紙面平行方向の直
線偏光が取り出され、その直線偏光が、ON状態にある
液晶パネル8を透過し、さらに第1偏光板11を透過し
て外部に表示される。このときに表示される数字等の情
報の色は、光反射板68の発光色によって決まるので、
その発光色を黄緑、赤、橙の各色のように“黒”に対し
て識別し易い色に設定しておけば、“黒”の背景色の上
に表示される数字等の情報を非常に識別し易い状態で見
ることができる。なお、発光色の設定は、例えば、カラ
ーフィルタを介在させることによって行う。
【0143】以上のように本実施形態では、外部環境が
暗くなると、光反射板68が発光体として作用して、黒
色の背景色の上に黄緑その他の色で数字等の情報が表示
される。この表示は、光反射板68の蓄光性発光層に蓄
えられたエネルギが無くなるまで継続する。
【0144】以上のように本実施形態の腕時計では、そ
の時計が夜間等の暗い環境下に置かれる場合でも、光反
射板68の蓄光性発光層からの発光に基づいて計時表示
面を明るく表示できる。そしてさらに、蓄光性発光層は
特別な電源を必要とせず、しかもそれ自体の厚さも薄い
ので、腕時計を低コストで小型に形成できる。
【0145】また、本実施形態の腕時計では、外部自然
光を用いる場合(矢印P及び矢印Q)には白地に黒の情
報表示が行われ、一方、光反射板68の発光特性を用い
る場合(矢印C及び矢印D)には黒地に黄緑等の発光色
による情報表示が行われる。図19に示した腕時計によ
れば、外部自然光を用いる場合でも、光反射板68の発
光機能を用いる場合でも、表示形態は白地に黒の情報表
示が行われるだけであったので、それと比べると本実施
形態のように、外部自然光を用いる場合と光反射板68
の発光を用いる場合とで、数字等の情報の表示色が黄緑
その他の特定色と黒の標準色との間で反転するという表
示形態は、非常に斬新的であって見る者の興味を強く惹
き付けることができる。
【0146】以上、請求項17に係る電子時計について
好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明はそれら
の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記
載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0147】例えば、上記実施形態では、腕時計に関し
て本発明を適用した場合を例示したが、ストップウオッ
チ等といったその他の電子時計に対しても本発明を適用
できる。また、上記実施形態では、透過する偏光の偏光
軸を変化させる状態と変化させない状態とのいずれかを
選択できる透過偏光軸可変手段として、TN液晶を使っ
た液晶パネルを用いたが、これに代えて、STN液晶や
ECB液晶を使った液晶パネルを用いることもできる。
【0148】また、図22の実施形態では、第2偏光分
離手段として図2に示すような複数の薄膜を積層した多
層膜構造を採用したが、それに代えて、コレステリッ
ク液晶層の両側又は片側に(1/4)λ板を配設した構
造の偏光分離板や、ブリュースターの角度を利用して
反射偏光と透過偏光とに分離する構造の偏光分離部材
(SID 92 DIGEST 第427頁から第42
9頁)や、あるいは、ホログラムを利用した偏光分離
部材等を用いることもできる。
【0149】(第10実施形態)これから説明する請求
項21に係る本発明の電子時計は、液晶パネル等といっ
た透過偏光軸可変手段の一方の側に複数個、例えば2個
の偏光分離手段を重ねて配置する構造の液晶表示素子を
用いることに特徴があるものである。今、電子時計の実
施形態の説明に入る前に、そのような液晶表示素子の構
造及び動作を説明する。
【0150】図23は、透過偏光軸可変手段の一方の側
に2個の偏光分離器を配置する構造の液晶表示素子を模
式的に示している。なお、この図に示した液晶表示素子
は、単にその構造の一例を示すだけであって、液晶表示
素子がその構造に限定されるというものではない。この
液晶表示素子においては、透過偏光軸可変素子としてT
N液晶8を使用する。TN液晶8の上側には偏光板11
が設けられる。TN液晶8の下側には、光散乱層17、
偏光分離器21、偏光分離器26がこの順に設けられ
る。
【0151】偏光分離器21は、反射軸方向の光であっ
てある波長領域(Δλ1)の光を反射し、反射軸方向の
光であってそれ以外の波長領域(−Δλ1)の光を透過
する。また、偏光分離器26は、反射軸方向の光であっ
てΔλ1とは異なるある波長領域(Δλ2)の光を反射
し、反射軸方向の光であってそれ以外の波長領域(−Δ
λ2)の光を透過する。偏光分離器21の透過軸T1と偏
光分離器26の透過軸T6との成す角度は90°であ
る。
【0152】図23において、この液晶表示素子の左側
をON電圧印加部とし、その右側をOFF電圧印加部と
すれば、OFF電圧印加部においては、光Pが偏光板1
1によって紙面に平行な方向の直線偏光となり、その
後、TN液晶8によって偏光方向が90°捻られて紙面
に垂直な方向の直線偏光となり、偏光分離器21によっ
て波長領域(Δλ1)の光を反射し、波長領域(−Δ
λ1)の光を透過する。反射された波長領域(Δλ1)の
光は、紙面に垂直な方向の直線偏光となり、TN液晶8
によって偏光方向が90°捻られて紙面に平行な方向の
直線偏光となり、偏光板11から紙面に平行な方向の直
線偏光として出射する。すなわち、波長領域(Δλ1
の色が見える。
【0153】一方、透過した波長領域(−Δλ1)の光
は、紙面に垂直な方向の直線偏光となり偏光分離器26
を透過する。すなわち、波長領域(−Δλ1)の色が見
える。このように、OFF電圧印加時においては、光の
入射側から見れば、入射した光は偏光分離器1によって
吸収されるのではなく反射されるので明るい波長領域
(Δλ1)の色表示が得られる。なお、偏光分離器21と
TN液晶8との間には光散乱層17を設けているので、
偏光分離器21からの反射光が鏡面状から紙状になる。
また、光の入射側と反対側から見れば、入射した光は偏
光分離器21、偏光分離器26によって、波長領域(−
Δλ1)の色表示が得られる。
【0154】図23に示した液晶表示素子の左側のON
電圧印加部においては、光Qは、偏光板11によって紙
面に平行な方向の直線偏光となり、TN液晶8を偏光方
向を変えずに透過し、その後、偏光分離器21によって
紙面に平行な方向の直線偏光となる。偏光分離器21か
ら出射した直線偏光は偏光分離器26に入射し、その入
射した直線偏光のうち波長領域(Δλ2)の光はその偏
光分離器26で反射し、波長領域(−Δλ2)の光はそ
の偏光分離器26を透過する。
【0155】偏光分離器26で反射した波長領域(Δλ
2)の光は、紙面に平行な方向の直線偏光としてTN液
晶8を偏光方向を変えずに透過し、偏光板11から紙面
に平行な直線偏光として出射する。すなわち、波長領域
(Δλ2)の色が見える。一方、偏光分離器26の裏側に
は、透過した波長領域(−Δλ2)の光によって波長領
域(−Δλ2)の色が見える。
【0156】このように、光の入射側から見ると、OF
F電圧印加部においては、偏光分離器21によって反射
された光が波長領域(Δλ1)の色の出射光P1となり、
ON電圧印加部においては、偏光分離器21を透過した
光が偏光分離器26によって反射され、波長領域(Δλ
2)の色の出射光Q1となる。従って、光の入射側から見
ると、波長領域(Δλ1)の色地に波長領域(Δλ2)の
カラー表示が得られる。
【0157】また、光の入射側に対する反対側から見る
と、OFF電圧印加部においては、偏光分離器1を透過
した光が波長領域(−Δλ1 )の色の出射光P2 とな
り、ON電圧印加部においては、偏光分離器21を透過
した光が偏光分離器26をも透過し、波長領域(−Δλ
2)の色の出射光Q3となる。従って、光の入射側に対す
る反対側から見ると波長領域(−Δλ1)の色地に波長
領域(−Δλ2)のカラーの表示が得られる。
【0158】なお、上記記載においては、TN液晶8を
例にとって説明したが、TN液晶8に代えてSTN液晶
やECB(Electrically Controlled Birefringence)
液晶等といった、透過偏光軸を電圧等によって変えるこ
とができる要素を用いても基本的な動作原理は同じであ
る。
【0159】図24は、図27の偏光分離器21を用い
た液晶表示素子の他の例を模式的に示している。この液
晶表示素子においては、透過偏光軸可変素子としてTN
液晶8を使用する。TN液晶8の下側には偏光板11及
び反射板78が設けられる。TN液晶8の上側には、光
散乱層17、偏光分離器21、偏光分離器26がこの順
に設けられる。
【0160】偏光分離器21は、反射軸方向の光であっ
てある波長領域(Δλ1)の光を反射し、反射軸方向の
光であってそれ以外の波長領域(−Δλ1)の光を透過
する。また、偏光分離器26は、反射軸方向の光であっ
て波長領域(Δλ1)とは異なるある波長領域(Δλ2
の光を反射し、反射軸方向の光であってそれ以外の波長
領域(−Δλ2)の光を透過する。偏光分離器21の透
過軸T1と偏光分離器6の透過軸T6との成す角度は90
°である。
【0161】図24の右側のOFF電圧印加部において
は、光Pのうち偏光分離器26の透過軸T6と垂直な方
向の光で波長領域(−Δλ2)の光は、偏光分離器26
によって直線偏光として透過する。透過した光は、偏光
分離器21により紙面に平行な方向の直線偏光となり、
それを透過する。この透過光は、TN液晶8によって偏
光方向が90°捻られて紙面に垂直な方向の直線偏光と
なり、偏光板11によって吸収される。
【0162】一方、光Pのうち偏光分離器26の透過軸
6 と平行な方向の光は、偏光分離器26を直線偏光と
して透過する。透過した光であって波長領域(−Δ
λ1 )の光は、偏光分離器21により紙面に垂直な方向
の直線偏光となり、それを透過する。この透過光は、T
N液晶8によって偏光方向が90°捻られて紙面に平行
な方向の直線偏光となり、偏光板11を透過して反射板
78により反射される。この反射光は、再び偏光板1
1、TN液晶8、偏光分離器21、そして偏光分離器2
6を通る。その途中、光散乱層17にて光が拡散され、
よって、波長領域(−Δλ1)の色が広い視角で見え
る。
【0163】他方、左側のON電圧印加部においては、
光Qのうち偏光分離器26の透過軸T6 と垂直な方向の
光であって波長領域(−Δλ2 )の光は、偏光分離器2
6によって直線偏光として透過する。透過した光は、偏
光分離器21により紙面に平行な方向の直線偏光とな
り、それを透過する。この透過光は、TN液晶8によっ
て偏光方向は変らずに紙面に平行な方向の直線偏光とな
り、偏光板11を透過して反射板78で反射する。この
反射光は、再び偏光板11、TN液晶8、偏光分離器2
1、そして偏光分離器26を通る。その途中、光散乱層
17にて光が拡散され、よって、波長領域(−Δλ2
の色が広い視角で見える。
【0164】一方、光Qのうち偏光分離器26の透過軸
6 と平行な方向の光は、偏光分離器26を直線偏光と
して透過する。透過した光であって波長領域(−Δ
λ1 )の光は、偏光分離器21によって紙面に垂直な方
向の直線偏光となり、それを透過する。この透過光は、
TN液晶8によって偏光方向は変らずに紙面に垂直な方
向の直線偏光となり、偏光板11によって吸収される。
【0165】このように、OFF電圧印加部においては
波長領域(−Δλ1 )の色が見え、ON電圧印加部にお
いては波長領域(−Δλ2 )の色が見える。
【0166】図25は、請求項21に係る電子時計の一
実施形態を示している。この電子時計は、ケーシング3
1と、そのケーシング31の内部に収納したムーブメン
ト32と、ケーシング31に固定されていてムーブメン
ト32の上に位置するカバー用のガラス板33と、ケー
シング31に取り付けられた腕バンド36とを含んで構
成される。この電子時計の断面構造は、図4に示した構
造と同じであるのでそれについての説明は省略する。
【0167】ムーブメント32は、図26に示すよう
に、パネル枠37と、そのパネル枠37に支持された液
晶表示素子40と、回路基板35と、そして電池9とを
含んで構成される。液晶表示素子40は、図28に示す
ように、透過偏光軸可変手段としてSTN液晶パネル1
9を使用する。このSTN液晶パネル19の上側には位
相差フィルム34及び偏光板11がこの順に設けられ
る。STN液晶パネル19の下側には、拡散板27、偏
光分離器21、偏光分離器26、そして光吸収体39が
この順に設けられる。
【0168】偏光分離器21及び偏光分離器26として
は、図27を用いて説明した偏光分離器を使用する。但
し、偏光分離器21は、可視光のうちの特定の波長領域
(Δλ3)だけに関して上式(1)が成立しており、Y
方向の直線偏光の光をY方向の直線偏光として透過し、
X方向の直線偏光の波長領域(Δλ3)の光をX方向の
直線偏光として反射し、X方向の直線偏光の波長領域
(Δλ3)以外の波長領域(−Δλ3)の光をX方向の直
線偏光として透過させる偏光分離器である。
【0169】また、偏光分離器26は、可視光のうちの
特定の波長領域(Δλ4)だけに関して上式(1)が成
立しており、Y方向の直線偏光の光をY方向の直線偏光
として透過し、X方向の直線偏光の波長領域(Δλ4
の光をX方向の直線偏光として反射し、X方向の直線偏
光の波長領域(Δλ4)以外の波長領域(−Δλ4)の光
をX方向の直線偏光として透過させる偏光分離器であ
る。なお、偏光分離器21の透過軸と偏光分離器26の
透過軸との成す角度は90°である。
【0170】STN液晶パネル19においては、2枚の
ガラス基板13a及び13bと、シール材41とによっ
て形成されるセル内にSTN液晶LS が封入される。ガ
ラス基板13aの下面には透明電極14aが設けられ、
ガラス基板13bの上面には透明電極14bが設けられ
る。透明電極14a及び14bとしては、ITO(Indi
um Tin Oxide)や酸化錫等を用いることができる。
【0171】これらの透明電極14a,14bは、本実
施形態の場合、図25に示すように、7セグメントによ
って形成される1桁の数字を6桁並べた状態の時計表示
用パターンとして形成されている。これらのセグメント
のうちいくつかを選択的に色変化させることによって、
時刻表示のための各種数字を表示する。もちろん、数字
以外のあらゆる情報を表示することもできるがこれ以降
の説明では省略する。
【0172】図28において、位相差フィルム34は、
色補償用の光学異方体として用いており、STN液晶パ
ネル19で発生する着色を補正するために使用してい
る。また、光吸収体39は黒色フィルムである。
【0173】以下、上記構成より成る電子時計の動作を
説明する。まず、OFF電圧印加領域においては、自然
光が偏光板11の作用によって所定方向の直線偏光とな
り、その後、STN液晶パネル19によって偏光方向が
所定の角度捻られた直線偏光となり、波長領域(Δ
λ3 )の光は偏光分離器21で吸収されずに反射され、
STN液晶パネル19によって偏光方向が所定角度捻ら
れ、偏光板11から直線偏光として出射する。
【0174】また、波長領域(−Δλ3 )の光は偏光分
離器21及び偏光分離器26を透過し、光吸収体39に
よって吸収される。このように、OFF電圧印加時にお
いては、光が偏光分離器21によって吸収されずに反射
されるので、波長領域(Δλ 3 )について明るい表示色
が得られる。なお、STN液晶パネル19と偏光分離器
21との間には拡散板27を設けているので、偏光分離
器21からの反射光が鏡面状にはならない。
【0175】一方、ON電圧印加領域においては、自然
光が偏光板11の作用によって所定方向の直線偏光とな
り、その後、STN液晶パネル19及び拡散板27を直
線偏光として透過し、偏光分離器21も直線偏光として
透過する。透過した直線偏光のうち波長領域(Δλ4
の光は偏光分離器26によって反射され、その反射光は
偏光分離器21、拡散板27、STN液晶パネル19及
び偏光板11を透過し、直線偏光として出射する。ま
た、波長領域(−Δλ4 )の光は、偏光分離器26を透
過し、光吸収体39によって吸収される。
【0176】このように、ON電圧印加時においては、
偏光分離器21及び偏光分離器26によって吸収されず
に反射されるので、波長領域(Δλ4 )に関して明るい
表示色が得られる。なお、STN液晶パネル19と偏光
分離器21との間には拡散板27を設けているので、偏
光分離器21からの反射光は鏡面状にはならない。以上
により、波長領域(Δλ3)の表示色と波長領域(Δ
λ4 )の表示色とを切換えることができるようになる。
【0177】(第11実施形態)上記第10実施形態
(図28)において、偏光分離器21及び偏光分離器2
6の透過軸の成す角度をθとすれば、上記第10実施形
態ではθが90°であった。この角度θを順次に変えて
みたところ、角度θが0°から大きくなるに従い、色の
コントラストが良くなっていった。そして、角度θが4
5°になると実用レベルとなり、角度θが60°になる
と表示状態がかなり改善され、さらに角度θが90°に
なると色純度の高いレベルとなった。
【0178】(第12実施形態)図29は、請求項21
に係る電子時計に用いられる主要部、特に液晶表示素子
の他の実施形態を示している。この液晶表示素子50が
図28に示した液晶表示素子40と異なる点は、拡散板
27の配設位置を偏光分離器21と偏光分離器26との
間に変えたことである。本実施形態では、偏光分離器2
1の波長領域(Δλ3 )として黄色、偏光分離器26の
波長領域(Δλ4 )として青色とした。すると、青色表
示と、金属光沢のある黄色、すなわち金色の表示を切換
えることができた。
【0179】(第13実施形態)図30は、請求項21
に係る電子時計に用いられる主要部、特に液晶表示素子
のさらに他の実施形態を示している。この液晶表示素子
60が図28に示した液晶表示素子40と異なる点は、
光吸収体39に代えて光源66を設けたことである。こ
の光源66は、LED(Light Emitting Diode)67を
用い、そのLED67から放射される光をライトガイド
65によって伝導してその上面から外部へ向けて出射す
る。
【0180】外光下では、図28の実施形態と同様に、
波長領域(Δλ3 )の表示色と波長領域(Δλ4 )の表
示色を切換えることができる。また、光源66の点灯下
では、偏光分離器26に入射した光が、偏光分離器26
及び偏光分離器21を透過することにより、波長領域
(−Δλ3 )の直線偏光と波長領域(−Δλ4 )の直線
偏光が得られ、これらは互いに直交している。これらの
直線偏光の偏光状態をSTN液晶8を用いて切換えるこ
とにより、波長領域(−Δλ3 )の表示色と波長領域
(−Δλ4 )の表示色とを切換えることができる。
【0181】(第14実施形態)図29に示す実施形態
において、位相差フィルム34を省略した。すると、さ
らに鮮やかな青色表示と金色表示が得られた。
【0182】
【発明の効果】請求項1記載の表示装置及び請求項2記
載の電子時計によれば、第2偏光分離手段として通常の
偏光板に代えて、ある一方向の直線偏光を透過させると
共にそれ以外の直線偏光を反射する作用を奏する偏光分
離要素を用いたので、数字等の情報及び背景色の両方を
格段に明るくて見易い状態で表示できる。
【0183】また、反射層にロゴ、マーク、キャラクタ
等といった模様を設けたので、従来のような無模様で単
一色の背景地に比べて、表示面中の背景地に変化を持た
せることができ、それにより、見る者に多様な情報を提
供したり、あるいは、見る者の興味を強く惹き付けるこ
とができる。
【0184】請求項10記載の表示装置及び請求項11
記載の電子時計によれば、請求項1及び請求項2記載の
発明と同様に、第2偏光分離手段として通常の偏光板に
代えて、ある一方向の直線偏光を透過させると共にそれ
以外の直線偏光を反射する作用を奏する偏光分離要素を
用いたので、数字等の情報及び背景地の両方を格段に明
るくて見易い状態で表示できる。
【0185】また、第2偏光分離手段の裏側に配置した
光反射層からの反射光を減衰させることなく十分に外部
へ導くことができるので、その光反射層に工夫を施せ
ば、変化に富んだ背景地をはっきりと明確に認識でき
る。特に本発明では、見る角度に応じて視覚で認識され
る状態が変化するシート材によって光反射層を形成した
ので、見る者が視認角度を変化させるたびに種々の背景
地等を見ることができ、よって、従来のような無模様で
単一色の背景地に比べて、変化に富んだ時計表示等を楽
しむことができる。
【0186】請求項17記載の電子時計によれば、その
電子時計が夜間等の暗い環境下に置かれた場合でも、光
反射部材の蓄光性発光層からの発光を利用して、時計表
示面を外部へ明るく表示できる。しかも、蓄光性発光層
は特別な電源を必要とせず、しかもそれ自体の厚さも薄
いので、電子時計を低コストで小型に作製できる。
【0187】請求項21記載の電子時計によれば、数字
等といった情報を表示するために用いられる透過偏光軸
の状態に応じて、第1の表示状態と第2の表示状態との
2つの表示状態が得られる。そして、第1の表示状態の
表示色と第2の表示状態の表示色とは互いに異なるの
で、それらの2色によって時計表示を行うことができ
る。また、両方の表示状態は、共に、偏光分離手段から
反射された光による表示状態であるので、従来のように
2枚の偏光板を透過させる方式の表示素子に比べて、格
段に明るい時計表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の一実施形態を模式的に
示す図である。
【図2】図1に示す構造の要部として用いられる偏光分
離フィルムの内部構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2に示す偏光分離フィルムの作用を模式的に
示す図である。
【図4】本発明に係る電子時計の一実施形態である電子
腕時計の一実施形態の断面構造を示す断面図である。
【図5】図4の電子腕時計で用いられるムーブメントを
示す平面図である。
【図6】図5のムーブメントの断面構造を示す断面図で
ある。
【図7】図4の電子腕時計の表示形態の一例を示す平面
図である。
【図8】光反射層の一例を示す平面図である。
【図9】本発明に係る表示装置及び電子時計の他の実施
形態の断面構造を示す断面図である。
【図10】図9の電子腕時計を用いて行われる種々の表
示形態のうちの一例を模式的に示す図である。
【図11】本発明に係る表示装置のさらに他の実施形態
を模式的に示す図である。
【図12】本発明に係る表示装置のさらに他の実施形態
を模式的に示す図である。
【図13】光反射層の一実施形態を示すと共にその視認
角度特性を模式的に示す斜視図である。
【図14】図13に示す光反射層の別の方向から見た視
認角度特性を模式的に示す斜視図である。
【図15】光反射層の他の実施形態を示す平面図であ
る。
【図16】光反射層のさらに他の実施形態を示す平面図
である。
【図17】図16のV−V線に沿った断面構造を示す断
面図である。
【図18】光反射層のさらに他の実施形態を示す断面図
である。
【図19】本発明に係る電子時計に用いられる表示装置
のさらに他の一実施形態を模式的に示す図である。
【図20】本発明に係る電子時計に用いられるムーブメ
ントの一例を示す平面図である。
【図21】図20に示すムーブメントの断面図である。
【図22】本発明に係る電子時計に用いられる表示装置
のさらに他の実施形態を模式的に示す図である。
【図23】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である液晶表示素子の一例の原理を説明するための図
である。
【図24】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である液晶表示素子の他の一例の原理を説明するため
の図である。
【図25】本発明に係る電子時計の一実施形態を示す正
面図である。
【図26】図25の電子時計の内部構造の主要部分を示
す断面図である。
【図27】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である偏光分離器の一例を模式的に示す斜視図であ
る。
【図28】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である液晶表示素子の一実施形態の断面構造を模式的
に示す図である。
【図29】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である液晶表示素子の他の実施形態の断面構造を模式
的に示す図である。
【図30】本発明に係る電子時計に用いる主要な構成要
素である液晶表示素子のさらに他の実施形態の断面構造
を模式的に示す図である。
【図31】従来の表示装置の一例の要部を模式的に示す
図である。
【符号の説明】
1,31 ケーシング 2,32 ムーブメント 3,33 ガラス板 4 裏ぶた 6,36 腕バンド 7,37 パネル枠 8 液晶パネル(透過偏光軸可変手
段) 9 電池 10 回転リング 11 偏光板(第1偏光分離手段) 12 偏光分離フィルム(第2偏光分
離手段) 13a,13b ガラス基板 14,14a,14b 透明電極 15 偏光板(第2偏光分離手段) 16a,16b 巻取りリール 17 光散乱層 18 バックライト 18a 光反射層 19 STN液晶パネル(透過偏光軸
可変手段) 20 模様 21 偏光分離器 22 ムーブメント 26 偏光分離器 27 拡散板 28,38,48 光反射板 34 位相差フィルム 40,50,60 液晶表示素子 47 光反射層 49 フレネルレンズ 58 光反射板 64 透明電極 68 光反射板 A,B 異種類の薄膜層 C,D バックライト光路 E 透過軸 F 吸光軸 L 液晶 M モザイク模様部分 P,Q 外部光光路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/32 G02B 5/32 2H091 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 5G435 1/1333 1/1333 1/1335 1/1335 G09F 9/00 324 G09F 9/00 324 362 362 (31)優先権主張番号 特願平9−355733 (32)優先日 平成9年12月24日(1997.12.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 宮澤 英一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F002 AA06 EA01 EB11 EH00 2H042 BA03 BA20 2H049 BA02 BA05 BA42 BB03 BB63 BC22 CA01 CA05 CA09 CA22 2H088 EA27 HA14 HA15 HA18 HA21 HA27 HA28 JA05 JA13 MA06 MA16 2H089 HA40 QA13 RA05 TA13 TA14 TA15 TA16 TA18 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA14Z FA16Z FA27X FA32Z FA34Z FA41Z FC12 FD07 FD08 HA07 LA16 LA17 5G435 AA01 BB12 BB15 BB16 CC12 CC13 DD13 EE03 EE04 EE13 EE25 EE33 FF03 FF05 FF06 FF14 FF15 GG05 GG14 GG22 HH06 LL10

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある一方向を向く直線偏光成分を透過さ
    せ、それと直交する直線偏光成分を透過させない第1偏
    光分離手段と、 その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に
    配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変
    化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可
    変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段
    の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を
    透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射する第2
    偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置されていて光を反射する光反射層とを有
    し、そしてその光反射層は光反射面に模様を有すること
    を特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 時を計数して表示する電子時計であっ
    て、 ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交
    する直線偏光成分を透過させない第1偏光分離手段と、 その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に
    配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変
    化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可
    変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段
    の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を
    透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射する第2
    偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置されていて光を反射する光反射層とを有
    し、そしてその光反射層は光反射面に模様を有すること
    を特徴とする電子時計。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記模様は印刷によ
    って光反射層に形成されることを特徴とする電子時計。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3において、上記模
    様はロゴ、マーク又はキャラクタであることを特徴とす
    る電子時計。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4のうちの少なくと
    もいずれか1つにおいて、光反射層は蛍光材を含むこと
    を特徴とする電子時計。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5のうちの少なくと
    もいずれか1つにおいて、第1偏光分離手段は透過偏光
    軸可変手段に対して相対的に回転可能であることを特徴
    とする電子時計。
  7. 【請求項7】 請求項6において、第1偏光分離手段、
    透過偏光軸可変手段、第2偏光分離手段及び光反射層を
    包囲するケーシングと、そのケーシングに対して回転可
    能に取り付けられた回転リングとを有し、上記第1偏光
    分離手段は上記回転リングと一体に回転することを特徴
    とする電子時計。
  8. 【請求項8】 請求項2から請求項7のうちの少なくと
    もいずれか1つにおいて、光反射層は第2偏光分離手段
    に対して移動可能であることを特徴とする電子時計。
  9. 【請求項9】 請求項2から請求項8のうちの少なくと
    もいずれか1つにおいて、 上記第2偏光分離手段は、2種類の層を交互に積層して
    形成される複数層構造を有し、 それら複数層のうち積層方向に関して互いに隣り合う2
    層間において、ある一方向の屈折率はそれら2層間で等
    しく、それと直角方向の屈折率はそれら2層間で異な
    り、さらに上記複数層の各層の積層方向の層厚は各層間
    で互いに異なることを特徴とする電子時計。
  10. 【請求項10】 ある一方向を向く直線偏光成分を透過
    させ、それと直交する直線偏光成分を透過させない第1
    偏光分離手段と、 その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に
    配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変
    化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可
    変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段
    の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を
    透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射する第2
    偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置されていて光を反射する光反射層とを有
    し、そして その光反射層は、見る角度に応じて視覚で認識される状
    態が変化する特性を有することを特徴とする表示装置。
  11. 【請求項11】 時を計数して表示する電子時計であっ
    て、 ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交
    する直線偏光成分を透過させない第1偏光分離手段と、 その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に
    配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変
    化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可
    変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段
    の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を
    透過させ、それと直交する直線偏光成分を反射する第2
    偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置されていて光を反射する光反射層とを有
    し、そして その光反射層は、見る角度に応じて視覚で認識される状
    態が変化する特性を有することを特徴とする電子時計。
  12. 【請求項12】 請求項11において、光反射層はフレ
    ネルレンズを含むことを特徴とする電子時計。
  13. 【請求項13】 請求項11において、光反射層は凹凸
    の幾何学模様を含むことを特徴とする電子時計。
  14. 【請求項14】 請求項11において、光反射層はホロ
    グラムシートを含むことを特徴とする電子時計。
  15. 【請求項15】 請求項11において、光反射層はモザ
    イク模様を有するホログラムシートを含み、そのモザイ
    ク模様の各模様部分のホログラム特性はバラツキを持つ
    ことを特徴とする電子時計。
  16. 【請求項16】 請求項11から請求項15のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、 上記第2偏光分離手段は、2種類の層を交互に積層して
    形成される複数層構造を有し、 それら複数層のうち積層方向に関して互いに隣り合う2
    層間において、ある一方向の屈折率はそれら2層間で等
    しく、それと直角方向の屈折率はそれら2層間で異な
    り、さらに上記複数層の各層の積層方向の層厚は各層間
    で互いに異なることを特徴とする電子時計。
  17. 【請求項17】 時を計数して表示する電子時計であっ
    て、 ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、それと直交
    する直線偏光成分を透過させない第1偏光分離手段と、 その第1偏光分離手段から出た直線偏光を受ける位置に
    配置され、透過する偏光の偏光軸を変化させる状態と変
    化させない状態とのいずれかを選択できる透過偏光軸可
    変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んで上記第1偏光分離手段
    の反対側に配置され、ある一方向を向く直線偏光成分を
    透過させ、それと直交する直線偏光成分を透過させない
    第2偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置された光反射部材とを有し、 その光反射部材は、外部が明るいときに光をエネルギと
    して蓄積し、その蓄積したエネルギを外部が暗いときに
    光として放出する機能を有する蓄光性発光層を含むこと
    を特徴とする電子時計。
  18. 【請求項18】 請求項17において、上記第1偏光分
    離手段及び上記第2偏光分離手段は、共に、ある一方向
    を向く直線偏光を透過させ、それ以外の偏光を吸収する
    偏光板であることを特徴とする電子時計。
  19. 【請求項19】 請求項17において、上記第1偏光分
    離手段は、ある一方向を向く直線偏光成分を透過させ、
    それ以外の偏光成分を吸収する偏光板であり、 上記第2偏光分離手段は、ある一方向を向く直線偏光成
    分を透過させ、それに対して直角方向の直線偏光成分を
    反射する機能を有することを特徴とする電子時計。
  20. 【請求項20】 請求項17から請求項19のうちの少
    なくとも1つにおいて、上記蓄光性発光層は、吸収した
    光によって励起された電子をその励起状態に保持でき、
    その保持された電子と正孔との再結合によって発光を生
    じる物質を含むことを特徴とする電子時計。
  21. 【請求項21】 時を計数して表示する電子時計であっ
    て、 透過偏光軸を変化させることができる透過偏光軸可変手
    段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んでその両側に配置された
    第1偏光分離手段及び第2偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段に対して前記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置された第3偏光分離手段とを有し、さら
    に前記第1偏光分離手段は、第1の側から入射した光に
    対してその第1の側と対向する第2の側から第1方向の
    直線偏光を出射でき、その第2の側から入射した光に対
    して前記第1の側から前記第1方向の直線偏光を出射で
    きる偏光分離手段であり、 前記第2偏光分離手段は、 第3の側から入射した光のうち第2方向の直線偏光成分
    を前記第3の側と対向する第4の側に前記第2方向の直
    線偏光として透過させ、 前記第3の側から入射した光のうち前記第2方向と直交
    する第3方向の直線偏光成分であって且つ第1波長領域
    の光を前記第3の側に前記第3方向の直線偏光として反
    射し、 前記第3の側から入射した光のうち前記第3方向の直線
    偏光成分であって且つ第2波長領域の光を前記第4の側
    に前記第3方向の直線偏光として出射できる偏光分離手
    段であり、 前記第3の偏光分離手段は、 第5の側から入射した光のうち第4方向の直線偏光成分
    を前記第5の側と対向する第6の側に透過させ、 前記第5の側から入射した光のうち前記第4方向と直交
    する第5方向の直線偏光成分であって且つ第3波長領域
    の光を前記第5の側に前記第5方向の直線偏光として反
    射し、 前記第5の側に入射した光のうち前記第5方向の直線偏
    光成分であって且つ第4波長領域の光を前記第6の側に
    出射できる偏光分離手段であることを特徴とする電子時
    計。
  22. 【請求項22】 請求項21において、前記透過偏光軸
    可変手段は液晶素子を含むことを特徴とする電子時計。
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記液晶素子
    は、TN液晶素子、STN液晶素子又はECB液晶素子
    であることを特徴とする電子時計。
  24. 【請求項24】 請求項21から請求項23のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第1偏光分離手段
    は偏光板を含むことを特徴とする電子時計。
  25. 【請求項25】 請求項21から請求項24のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第2方向と前記第
    4方向との成す角度が45°〜90°であることを特徴
    とする電子時計。
  26. 【請求項26】 請求項21から請求項24のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第2方向と前記第
    4方向との成す角度が60°〜90°であることを特徴
    とする電子時計。
  27. 【請求項27】 請求項21から請求項24のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第2方向と前記第
    4方向との成す角度が75°〜90°であることを特徴
    とする電子時計。
  28. 【請求項28】 請求項21から請求項27のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、光拡散手段をさらに有
    することを特徴とする電子時計。
  29. 【請求項29】 請求項21から請求項28のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、さらに光吸収手段を有
    することを特徴とする電子時計。
  30. 【請求項30】 請求項21から請求項28のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、さらに光源を有するこ
    とを特徴とする電子時計。
  31. 【請求項31】 請求項21から請求項30のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第2偏光分離手段
    は、複数の層が互いに密着して積層された積層体であっ
    て、前記複数の層の屈折率が、互いに隣接する層相互間
    で、第6方向においては等しく、その第6方向と直交す
    る第7方向においては異なる積層体であることを特徴と
    する電子時計。
  32. 【請求項32】 請求項21から請求項31のうちの少
    なくともいずれか1つにおいて、前記第3偏光分離手段
    は、複数の層が互いに密着して積層された積層体であっ
    て、前記複数の層の屈折率が、互いに隣接する層相互間
    で、第8方向においては等しく、その第8方向と直交す
    る第9方向においては異なる積層体であることを特徴と
    する電子時計。
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