JP2002147516A - ダンパー装置 - Google Patents

ダンパー装置

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JP2002147516A
JP2002147516A JP2000347556A JP2000347556A JP2002147516A JP 2002147516 A JP2002147516 A JP 2002147516A JP 2000347556 A JP2000347556 A JP 2000347556A JP 2000347556 A JP2000347556 A JP 2000347556A JP 2002147516 A JP2002147516 A JP 2002147516A
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JP
Japan
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cylinder
piston rod
seal
piston
damper device
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JP2000347556A
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Nobuo Masaki
信男 正木
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単かつコンパクトで、メインテナンスフリー
で耐久性及び耐熱性に優れ、大きな圧力を受けても減衰
材としてのエラストマーの漏れを確実に防止できるシー
ル構造を備えたダンパー装置を提供する。 【構成】軸方向に移動可能なピストン4との間にシリン
ダ室5A、5Bを形成するようにシリンダ1の両端部に
固定される各シリンダ端面部材10、11の内径部に、
各シリンダ室5A、5Bからのエラストマーの漏れを防
止するために、ピストンロッド2と嵌合するとともに軸
方向押圧力を受けて内径が縮径することで該ピストンロ
ッドの摺動部を封止する皿ばね式シール部材22から成
るシール構造13、15を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、土木あるい
は機器などの各種の構造物における振動を減衰するため
のダンパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建築、土木あるいは機器などの各種の構
造物においては、地震や風による振動を低減する目的で
ダンパー装置を設けることが行なわれている。このダン
パー装置は、構造物の変位が集中するところ(各方向に
大きな振幅が生じるところ)に装着される。この種のダ
ンパー装置は、減衰の対象となる変位の形態により、層
間ダンパーシステム、ジョイントダンパーシステム、部
材内ダンパーシステムの3つに分類することができる。
また、前記ダンパー装置は、使用する減衰材料により、
履歴型ダンパー装置、粘性抵抗型ダンパー装置、電磁力
型ダンパー装置の3つに分類することができる。前記履
歴型ダンパー装置としては、鋼製弾塑性ダンパー、鉛押
出し型ダンパー、摩擦ダンパーなどが使用されている。
また、前記粘性抵抗型ダンパー装置としては、オイルダ
ンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパーなとが使用され
ている。さらに、前記電磁力型ダンパー装置としては、
磁気ダンパー、ERダンパーなどが使用されている。
【0003】本発明は、特に、前記ジョイントダンパー
システムで使用するのに好適な前記粘性抵抗型ダンパー
装置の一種である塑性流動抵抗型のダンパー装置に係わ
るものである。本発明に関する従来技術を開示する文献
には、例えば、シリコンゴム等の塑弾性流動体を用いる
ピストン・シリンダ型の制振装置を開示する実開平2−
90443号公報及び特開平11−94001号公報が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塑性流動抵抗型のダンパー装置にあっては、大きな減衰
力を発生させようとするとシリンダ内に充填された塑弾
性流動体(生ゴム等のエラストマー)がピストンロッド
摺動部のシール部から漏れ出すことがあり、荷重や温度
等の使用環境や長期の使用によっても内部のエラストマ
ー(塑弾性流動体)が漏れることを確実に防止する構成
のものが要請されていた。さらに、鉛押出し型ダンパー
や摩擦ダンパーなどの履歴型ダンパー装置と比較する
と、減衰力特性が速度依存性を有し、構造物の熱膨張に
伴いダンパーが伸縮して余計な力を構造物に作用させる
こともあった。
【0005】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、簡単かつコンパク
トで、しかもメインテナンスフリーで耐久性に優れた構
成で、エラストマーの漏れを確実に防止できるシール構
造を備えた塑性流動抵抗型のダンパー装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
上記目的を達成するため、シリンダの両端部に固定され
た各シリンダ端面部材とピストンロッドに設けられたピ
ストンとの間に形成される両シリンダ室内にエラストマ
ーを充填し、前記ピストンの移動により前記エラストマ
ーを該ピストンによって形成される狭隘部を通して一方
のシリンダ室から他方のシリンダ室へ移動させるときの
流動抵抗により振動を減衰する塑性流動抵抗型のダンパ
ー装置において、前記各シリンダ端面部材の内径部に、
前記シリンダ室内のエラストマーの漏れを防止するため
に前記ピストンロッドの摺動部を封止するシール構造を
設け、該シール構造は前記ピストンロッドの外周面と嵌
合する皿ばね式シール部材を有することを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、上記請求項1の構成に
加えて、前記シール構造は、前記シリンダ端面部材の内
径部に嵌合される片面開放型のハウジングの内部にシリ
ンダ軸方向に弾性変位可能な複数枚の皿ばね式シール部
材を交互に表裏反転させて収納し、前記シリンダ端面部
材の内径部に軸方向位置調節可能にねじ締結されるシー
ル保持部材により前記皿ばね式シール部材をシリンダ軸
方向に所定量だけ弾性変位させることで、該皿ばね式シ
ール部材の内径部と前記ピストンロッドの摺動部との間
を封止する構成とすることにより、一層効率よく上記目
的を達成するものである。
【0008】請求項3及び4の発明は、上記構成におい
て、さらに、前記シール保持部材と前記皿ばね式シール
部材との間に押さえリングを介在させる構成、あるい
は、前記ピストンロッドの先端部を構造物に連結するた
めのピストンロッド取付部材と、前記シリンダを前記構
造物の他の部位又は他の構造物に連結するためのシリン
ダ取付部材とを設け、前記ピストンロッド取付部材を前
記ピストンロッドに対して軸方向位置調節可能な締結手
段により固定する構成とすることにより、上記目的を達
成するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明を適用した塑性流動抵
抗型のダンパー装置の一実施例を示す縦断面図であり、
図2は図1中の線2−2に沿った断面図であり、図3は
図1中のA部を拡大して示す部分拡大断面図であり、図
4は図1中のB部を拡大して示す部分拡大断面図であ
る。
【0010】図1〜図4において、中空円筒形のシリン
ダ1の内部中心部を通してピストンロッド2が挿通さ
れ、該ピストンロッド2にはシリンダ1の内径との間に
チョーク部(狭隘部)3を形成するピストン(突起部)
4が設けられている。シリンダ1とピストンロッド2と
の間に形成されるシリンダ室5内にはエラストマー6が
収容(充填)されている。前記エラストマー6として
は、例えば未加硫ゴムやシリコンゴムなどの塑性流動抵
抗物質が使用される。前記シリンダ室5は前記ピストン
4により両側のシリンダ室5A、5Bに区分されてお
り、これらのシリンダ室5A、5Bは前記チョーク部3
を通して連通している。前記エラストマー6は、これら
のシリンダ室5A、5B及び前記チョーク部3内の空間
に収容されており、前記ピストン4の移動に応じてエラ
ストマー6が両シリンダ室5A、5Bの間を行き来でき
るように構成されている。
【0011】前記ピストンロッド2の先端部(図1中の
右端部)には、該ピストンロッドを一方の構造物(不図
示)に連結するためのピストンロッド取付部材7が固定
されている。このピストンロッド取付部材7は、該部材
に形成された雌ねじにピストンロッド2の先端部に形成
された雄ねじをねじ込むとともにロックナット8を締結
することにより、該ピストンロッド2に対して軸方向位
置調節可能に固定されている。前記ピストンロッド取付
部材7の所望の複数箇所には、ダンパー装置を一方の構
造物に取付けるための取付け孔17が形成されている。
前記シリンダ1の反対側端部(図1中の左側端部)に
は、該シリンダ1を他方の構造物(不図示)に連結する
ためのシリンダ取付部材9が固定されている。このシリ
ンダ取付部材9の所望の複数箇所には、該ダンパー装置
を他方の構造物に取付けるための取付け孔18が形成さ
れている。なお、前記シリンダ取付部材9は、図示の例
では、後述する第2のシリンダ端面部材を介してシリン
ダ1にねじ締結することにより固定されている。
【0012】前記シリンダ1の図1中の右側端部には、
前記ピストン4の右側端面との間に前記シリンダ室5A
を形成するとともに、該シリンダ室5A内にエラストマ
ー6を収容保持するための第1のシリンダ端面部材10
が位置決め固定されている。この第1のシリンダ端面部
材10は、前記シリンダ1の内径部にねじ係合するとと
もに外側フランジ部10Aを前記シリンダ1の右側端面
に当接するまでねじ込む(ねじ締結する)ことにより、
位置決め固定されている。また、前記シリンダ1の図1
中の左側端部には、前記ピストン4の左側端面との間に
前記シリンダ室5Bを形成するとともに、該シリンダ室
5B内にエラストマー6を収容保持するための第2のシ
リンダ端面部材11が位置決め固定されている。この第
2のシリンダ端面部材11は、前記シリンダ1の内径部
にねじ係合するとともに軸方向中間部に形成されたフラ
ンジ部11Aを前記シリンダ1の左側端面に当接するま
でねじ込む(ねじ締結する)ことにより、位置決め固定
されている。
【0013】前記第2のシリンダ端面部材11の前記フ
ランジ部11Aの軸方向外側(図示の左側)には、シリ
ンダ1を他方の構造物(不図示)に連結するためのシリ
ンダ取付部材9が固定されている。このシリンダ取付部
材9は、その内径に形成された雌ねじを前記第2のシリ
ンダ端面部材11の外周に形成された雄ねじにねじ係合
するとともに、その先端面(右側端面)が前記第2のシ
リンダ端面部材11のフランジ部11Aの図示左側面に
当接するまでねじ込む(ねじ締結する)ことにより、位
置決め固定されている。つまり、前記シリンダ取付部材
9は、前記第2のシリンダ端面部材11を介して、前記
シリンダ1の図示左側端部にねじ締結により固定されて
いる。
【0014】前記ピストンロッド2の図1中の左側部分
(前記ピストンロッド取付部材7の反対側部分)は、シ
リンダ1を通り越して延び出すことができ、その延び出
し部分は前記第2のシリンダ端面部材11の内径部を貫
通して前記シリンダ取付部材9の内径部まで延び出すこ
とができるようになっている。図1及び図3において、
前記第1のシリンダ端面部材10の内径部には、前記シ
リンダ室5A内のエラストマー6の漏れを防止するため
に前記ピストンロッド2の摺動部を封止するための第1
のシール構造13が設けられている。この第1のシール
構造13は、後述するように前記ピストンロッド2の外
周面と嵌合する皿ばね式シール部材を有し、前記第1の
シリンダ端面部材10の内径部にねじ係合された第1の
シール保持部材14をねじ込むことにより前記皿ばね式
シール部材の内径部で前記ピストンロッド2の摺動部を
封止(シール)するように構成されている。
【0015】図1及び図4において、前記第2のシリン
ダ端面部材11の内径部には、前記シリンダ室5B内の
エラストマー6の漏れを防止するために前記ピストンロ
ッド2の摺動部を封止するための第2のシール構造15
が設けられている。この第2のシール構造15も、前記
第1のシール構造13と同様に、前記ピストンロッド2
の外周面と嵌合する皿ばね式シール部材を有し、前記第
2のシリンダ端面部材11の内径部にねじ係合された第
2のシール保持部材16をねじ込むことにより前記皿ば
ね式シール部材の内径部で前記ピストンロッド2の摺動
部を封止(シール)するように構成されている。図5は
前記第1のシール構造13の構成を示す縦断面図であ
り、図6は前記第2のシール構造15の構成を示す縦断
面図である。これらのシール構造13、15自体は実質
的に同じ構成をしているが、シリンダ1の右側に装着さ
れる第1のシール構造13とシリンダ1の左側に装着さ
れる第1のシール構造15とでは、図5及び図6に示す
ように左右勝手違いの姿勢に装着されている。
【0016】図3及び図5において、第1のシール構造
13は、第1のシリンダ端面部材10の段付き内径部に
図示のように背部を奥にして嵌合される片面開放型のハ
ウジング21の内部にシリンダ軸方向に弾性変位可能な
複数枚(図示の例では6枚)の皿ばね式シール部材22
を図示のように交互に表裏反転させて収納し、前記第1
のシリンダ端面部材10の内径部に軸方向位置調節可能
にねじ締結される第1のシール保持部材14をねじ込む
ことにより各皿ばね式シール部材22をシリンダ軸方向
に所定量だけ弾性変位させることで、各皿ばね式シール
部材22の内径を縮径させるとともに外径を増大させ、
該シール部材22の内径部とピストンロッド2の摺動部
(外周面)との間を封止(シール)するように構成され
ている。
【0017】また、図示の例では、第1のシール保持部
材14と皿ばね式シール部材22(図示の例では6枚セ
ット)との間に押さえリング23が介在されており、該
第1のシール保持部材14をねじ込むことにより、前記
押さえリング23を介して前記皿ばね式シール部材22
(図示の例では6枚セット)が押圧され、シール(封
止)機能を発揮するように構成されている。なお、前記
ハウジング21、前記皿ばね式シール部材22、前記押
さえリング23は、通常金属製(例えばSS400)で
あり、特に前記皿ばね式シール部材22の材質としては
軸材より柔らかい黄銅製にすることが好ましい。
【0018】図4及び図6において、第2のシール構造
15は、第2のシリンダ端面部材11の段付き内径部に
図示のように背部を奥にして嵌合される片面開放型のハ
ウジング21の内部にシリンダ軸方向に弾性変位可能な
複数枚(図示の例では6枚)の皿ばね式シール部材22
を図示のように交互に表裏反転させて収納し、前記第2
のシリンダ端面部材11の内径部に軸方向位置調節可能
にねじ締結される第2のシール保持部材16をねじ込む
ことにより各皿ばね式シール部材22をシリンダ軸方向
に所定量だけ弾性変位させることで、各皿ばね式シール
部材22の内径を縮径させるとともに外径を増大させ、
該シール部材22の内径部とピストンロッド2の摺動部
(外周面)との間を封止(シール)するように構成され
ている。
【0019】また、図示の例では、第2のシール保持部
材16と皿ばね式シール部材22(図示の例では6枚セ
ット)との間に押さえリング23が介在されており、該
第2のシール保持部材16をねじ込むことにより、前記
押さえリング23を介して前記皿ばね式シール部材22
(図示の例では6枚セット)が押圧され、シール(封
止)機能を発揮するように構成されている。この第2の
シール構造15においても、前記ハウジング21、前記
皿ばね式シール部材22、前記押さえリング23は、通
常金属製(例えばSS400)とし、特に前記皿ばね式
シール部材22の材質としては軸材より柔らかい黄銅製
にすることが好ましい。
【0020】図1及び図2において、本実施例では、前
記ピストン(突起部)4は前記ピストンロッド2と別体
の部品として加工(製造)されており、ねじ及び止めピ
ンによって該ピストンロッドの所定位置に固定されてい
る。すなわち、前記ピストン4の内径を前記ピストンロ
ッド2の外径にねじ係合して該ピストン4を軸方向所定
位置に嵌合するとともに、該ピストン4に形成された
(円周方向3箇所に形成された)半径方向ねじ孔31の
それぞれに六角穴付き止めねじ32をねじ込み、これら
の六角穴付き止めねじ32の先端突出部(ピン部)をピ
ストンロッド2の対応位置に形成された各係合穴に挿入
掛止(締結)することにより、ピストン4がピストンロ
ッド4の所定位置に位置決め固定されている。
【0021】図1及び図2において、前記シリンダ1の
前記シリンダ室5の軸方向略中央部(図示の例では略中
央部の円周方向2箇所)には、前記エラストマー6を充
填したり、オーバーフローさせるための貫通孔(ねじ付
き孔)33が形成され、通常では、該貫通孔33は六角
穴付き止めねじから成るプラグ(盲栓)34をねじ込む
ことにより密閉されている。
【0022】以上説明したダンパー装置は、地震や風な
どの加振力により相対変位(振動)する2つの構造物の
それぞれに前記ピストン取付部材7と前記シリンダ取付
部材9を連結して使用されるものである。図9は本発明
によるダンパー装置を2つの建物(構造物)の間に取付
けて使用するジョイントダンパーシステムを例示する概
略図である。図9において、第1の建物(構造物)51
と第2の建物(構造物)52との間に本発明によるダン
パー装置50が取付けられている。図10は本発明によ
るダンパー装置50を建物等の構造物53を構成する部
材54A、54B、54C、54Dのそれぞれの内部に
取付けて使用する部材内ダンパーシステムを例示する概
略図である。
【0023】図1〜図10において、以上説明したダン
パー装置は、地震等で構造物間(2つの構造物の間、建
物等における2つの層の間、構造物を構成する部材の各
部分の間などを含む)に相対移動が生じてピストンロッ
ド2及びピストン4がシリンダ1に対して軸方向に相対
移動すると、ピストン4によって区分されたシリンダ室
5A、5B内のエラストマー6が前記チョーク部3を通
して相互間で移動し、その際のエラストマー6の塑性流
動抵抗(内部損失)により振動を吸収し、それによって
振動を減衰する塑性流動抵抗型のダンパー装置として作
動するものである。
【0024】すなわち、シリンダ1内のエラストマー6
の容積は一定であるので、ピストン4とシリンダ1が相
対的に移動すると、エラストマー6はピストン4の外径
面とシリンダ1の内径面との間のチョーク部(狭隘部)
3を通過して移動する。このとき、ピストン(突起部)
の外径面(せん断面)に作用するせん断応力(塑性流動
抵抗)が減衰力として作用する。この減衰力の大きさ
は、同一エラストマーのもとでは、チョーク部3の隙間
寸法、ピストン4の外径面の面積、ピストン4の移動速
度などによって変化する。
【0025】こうして、シリンダ1の両端部に固定され
た各シリンダ端面部材10、11とピストンロッド2に
設けられたピストン4との間に形成される両シリンダ室
5A、5B内にエラストマー6を充填し、前記ピストン
の移動により前記エラストマーを該ピストンによって形
成される狭隘部3を通して一方のシリンダ室から他方の
シリンダ室へ移動させるときの流動抵抗により振動を減
衰する塑性流動抵抗型のダンパー装置において、各シリ
ンダ端面部材10、11の内径部に、前記シリンダ室5
A、5B内のエラストマー6の漏れを防止するためにピ
ストンロッド2の摺動部を封止するシール構造13、1
5を設け、該シール構造は前記ピストンロッドの外周面
と嵌合する皿ばね式シール部材22を有するように構成
したものが提供される。
【0026】さらに、前記シール構造13、15とし
て、各シリンダ端面部材10、11の内径部に嵌合され
る片面開放型のハウジング21の内部にシリンダ軸方向
に弾性変位可能な複数枚の皿ばね式シール部材22を交
互に表裏反転させて収納し、各シリンダ端面部材10、
11の内径部に軸方向位置調節可能にねじ締結されるシ
ール保持部材14、16により皿ばね式シール部材22
をシリンダ軸方向に所定量だけ弾性変位させることで、
該皿ばね式シール部材22の内径部とピストンロッド2
の摺動部との間を封止するように構成したものが提供さ
れる。また、前記各シール構造13、15において、前
記シール保持部材14、16のそれぞれと前記皿ばね式
シール部材22との間に押さえリング23を介在させた
構成のものが提供される。さらに、ダンパー装置とし
て、ピストンロッド2の先端部を構造物に連結するため
のピストンロッド取付部材7と、シリンダ1を前記構造
物の他の部位又は他の構造物に連結するためのシリンダ
取付部材9とを設け、ピストンロッド取付部材7をピス
トンロッド2に対して軸方向位置調節可能な締結手段
(ロックナット8)により固定する構成のものが提供さ
れる。
【0027】以上説明した実施例によれば、シリンダ室
5A、5B内のエラストマー6の漏れを防止するために
ピストンロッド2の摺動部を封止するシール構造13、
15として、該ピストンロッドの外周面と嵌合する皿ば
ね式シール部材22で封止する構成を採用するので、簡
単かつコンパクトで、しかもメインテナンスフリーで耐
久性に優れた構成で、エラストマーの漏れを確実に防止
することができる。また、皿ばね式シール部材22が圧
力を受けて扁平化する際の内径の縮小及び外径の増大を
利用してピストンロッド4の摺動面をシールすることか
ら、減衰力発生のために瞬間的に大きな圧力が作用する
と、皿ばね式シール部材22が更に拡がることになり、
従って、大きな圧力が作用する場合でもエラストマー6
の流出(漏れ)を確実に防止することができる。
【0028】さらに、シール構造13、15は、金属製
の部材のみで構成される(構成できる)ことから、耐久
性(例えば60年以上の耐久性)及び耐熱性に優れ、長
期間使用によって仕様が変化することもなく、メインテ
ナンスフリーで使用することができ、保守点検の手間を
省略することができる。また、皿ばね式シール部材22
を使用することから、構造が簡単で、小型で安価なシー
ル構造を提供することが可能となる。また、密封性に優
れた皿ばね式シール部材22を使用することから、減衰
力の温度依存性及び変位依存性が無く(又は小さく)、
大容量(例えば〜2000kN)の減衰力を発揮する装
置を容易に実現することができ、地震応答波などのラン
ダムな入力に対しても十分なエネルギー吸収特性が得ら
れるダンパー装置を提供することができる。
【0029】前述の実施例によれば、未加硫ゴムやシリ
コンゴムなどの塑性流動抵抗物質から成る前記エラスト
マー6を減衰材として用いることから、鉛押し出し型ダ
ンパー装置と比較して、緩速変形時の抵抗を小さくする
ことができる。また、減衰力の発現はエラストマー6が
前記チョーク部(狭隘部)3を通過するときの抵抗によ
るので、減衰力の温度依存性を小さくすることができ
る。また、ピストン4は止めねじ32を弛めるととも
に、シリンダ端面部材10又は11を取り外すことで容
易に交換できるので、形状、寸法の異なるピストンと交
換することにより、ダンパー装置の仕様を容易に変更す
ることができる。
【0030】さらに、ピストンロッド2の先端部を一方
の構造物に連結するためのピストンロッド取付部材7と
シリンダ1を他方の構造物に連結するためのシリンダ取
付部材9とを設け、前記ピストンロッド取付部材7を前
記ピストンロッド2に対して軸方向(長さ方向)位置調
節可能な締結手段(ねじ係合とロックナット8)により
固定する構成にしたので、ダンパー装置を構造物間(構
造物の内部メンバーの間や階層間を含む)に容易にかつ
正確に取り付けることが可能になる。また、エラストマ
ー6を前記シリンダ室5A、5B内に収容保持するため
のシリンダ端面部材10、11をシリンダ1の両端部に
ねじ係合等により嵌合(ねじ込みを含む)して位置決め
固定する構成にしたので、同一仕様のシリンダ1に対し
て異なる形状寸法のシリンダ端面部材を異なる位置に選
択的に組付けることが可能となり、共通のシリンダ1を
使用しながら種々の仕様(減衰力、ストローク、ピスト
ンロッド径)のダンパー装置を製造することが可能にな
る。
【0031】こうして、シリンダ1とピストンロッド2
との間に形成されるシリンダ室5内に収容したエラスト
マー6がピストン4の移動により該ピストンで区分され
たシリンダ室5A、5B間を移動して振動を吸収する
(減衰する)塑性流動抵抗型のダンパー装置であって、
簡単な構成で、減衰力にオイルダンパーのような速度依
存性を付与することができ、オイル漏れの問題を無くし
て維持管理の容易化を図ることができ、減衰力の温度依
存性を無くすとともに大容量の減衰力を発生することが
でき、簡単かつコンパクトで、しかもメインテナンスフ
リーで耐久性に優れた構成で、減衰材としてのエラスト
マーの漏れを確実に防止することができるダンパー装置
が得られる。ちなみに、上記実施例の構成を有するダン
パー装置を採用することにより、従来の鉛押し出し型ダ
ンパー、摩擦ダンパー及びオイルダンパーでなければ実
現することができなかった1000kN(100tf)
クラス(最大では約2000kN)のエラストマーを用
いる塑性流動抵抗型のダンパー装置を実現することがで
きた。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、シリンダの両端部に固定された各シ
リンダ端面部材とピストンロッドに設けられたピストン
との間に形成される両シリンダ室内にエラストマーを充
填し、前記ピストンの移動により前記エラストマーを該
ピストンによって形成される狭隘部を通して一方のシリ
ンダ室から他方のシリンダ室へ移動させるときの流動抵
抗により振動を減衰する塑性流動抵抗型のダンパー装置
において、前記各シリンダ端面部材の内径部に、前記シ
リンダ室内のエラストマーの漏れを防止するために前記
ピストンロッドの摺動部を封止するシール構造を設け、
該シール構造は前記ピストンロッドの外周面と嵌合する
皿ばね式シール部材を有する構成としたので、簡単かつ
コンパクトで、しかもメインテナンスフリーで耐久性に
優れた構成で、エラストマーの漏れを確実に防止できる
シール構造を備えた塑性流動抵抗型のダンパー装置が提
供される。
【0033】請求項2の発明によれば、さらに、前記シ
ール構造は、前記シリンダ端面部材の内径部に嵌合され
る片面開放型のハウジングの内部にシリンダ軸方向に弾
性変位可能な複数枚の皿ばね式シール部材を交互に表裏
反転させて収納し、前記シリンダ端面部材の内径部に軸
方向位置調節可能にねじ締結されるシール保持部材によ
り前記皿ばね式シール部材をシリンダ軸方向に所定量だ
け弾性変位させることで、該皿ばね式シール部材の内径
部と前記ピストンロッドの摺動部との間を封止する構成
としたので、一層効率よく上記効果を達成できるダンパ
ー装置が提供される。
【0034】請求項3及び4の発明によれば、さらに、
前記シール保持部材と前記皿ばね式シール部材との間に
押さえリングを介在させる構成、あるいは、前記ピスト
ンロッドの先端部を構造物に連結するためのピストンロ
ッド取付部材と、前記シリンダを前記構造物の他の部位
又は他の構造物に連結するためのシリンダ取付部材とを
設け、前記ピストンロッド取付部材を前記ピストンロッ
ドに対して軸方向位置調節可能な締結手段により固定す
る構成としたので、一層効率よく上記効果を達成できる
ダンパー装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したダンパー装置の一実施例を示
す縦断面図である。
【図2】図1中の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図1中のA部分を拡大して示す部分縦断面図で
ある。
【図4】図1中のB部分を拡大して示す部分縦断面図で
ある。
【図5】本発明を適用したダンパー装置に装着される第
1のシール構造の一実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明を適用したダンパー装置に装着される第
2のシール構造の一実施例を示す縦断面図である。
【図7】図5及び図6中の皿ばね式シール部材の縦断面
図である。
【図8】図7中の線8−8から見た皿ばね式シール部材
の正面図である。
【図9】本発明によるダンパー装置を2つの建物(構造
物)の間に取付けて使用するジョイントダンパーシステ
ムを例示する概略図である。
【図10】本発明によるダンパー装置を建物等の構造物
を構成する部材のそれぞれの内部に取付けて使用する部
材内ダンパーシステムを例示する概略図である。
【符号の説明】
1 シリンダ(外筒) 2 ピストンロッド 3 チョーク部(狭隘部) 4 ピストン(突起部) 5 シリンダ室 6 エラストマー(塑性流動抵抗物質) 7 ピストンロッド取付部材 8 ロックナット 9 シリンダ取付部材 10 第1のシリンダ端面部材 11 第2のシリンダ端面部材 13 第1のシール構造 14 第1のシール保持部材 15 第2のシール構造 16 第2のシール保持部材 17 取付け孔 18 取付け孔 21 ハウジング 22 皿ばね式シール部材 23 押さえリング 32 止めねじ(ピン) 34 止めねじ(プラグ) 50 ダンパー装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの両端部に固定された各シリ
    ンダ端面部材とピストンロッドに設けられたピストンと
    の間に形成される両シリンダ室内にエラストマーを充填
    し、前記ピストンの移動により前記エラストマーを該ピ
    ストンによって形成される狭隘部を通して一方のシリン
    ダ室から他方のシリンダ室へ移動させるときの流動抵抗
    により振動を減衰する塑性流動抵抗型のダンパー装置に
    おいて、 前記各シリンダ端面部材の内径部に、前記シリンダ室内
    のエラストマーの漏れを防止するために前記ピストンロ
    ッドの摺動部を封止するシール構造を設け、 該シール構造は前記ピストンロッドの外周面と嵌合する
    皿ばね式シール部材を有することを特徴とするダンパー
    装置。
  2. 【請求項2】 前記シール構造は、前記シリンダ端面
    部材の内径部に嵌合される片面開放型のハウジングの内
    部にシリンダ軸方向に弾性変位可能な複数枚の皿ばね式
    シール部材を交互に表裏反転させて収納し、前記シリン
    ダ端面部材の内径部に軸方向位置調節可能にねじ締結さ
    れるシール保持部材により前記皿ばね式シール部材をシ
    リンダ軸方向に所定量だけ弾性変位させることで、該皿
    ばね式シール部材の内径部と前記ピストンロッドの摺動
    部との間を封止することを特徴とする請求項1に記載の
    ダンパー装置。
  3. 【請求項3】 前記シール保持部材と前記皿ばね式シ
    ール部材との間に押さえリングを介在させることを特徴
    とする請求項2に記載のダンパー装置。
  4. 【請求項4】 前記ピストンロッドの先端部を構造物
    に連結するためのピストンロッド取付部材と、前記シリ
    ンダを前記構造物の他の部位又は他の構造物に連結する
    ためのシリンダ取付部材とを設け、前記ピストンロッド
    取付部材を前記ピストンロッドに対して軸方向位置調節
    可能な締結手段により固定することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のダンパー装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006142845A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Kayaba Ind Co Ltd 油圧式パワーステアリング用アウターボックス
JP2010174993A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Kayaba Ind Co Ltd シール部材
KR101810358B1 (ko) 2017-03-31 2018-01-25 황의상 신축이음기능을 갖는 누출방지 댐퍼 시스템

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