JP2002147390A - 流体機械およびその製造方法 - Google Patents
流体機械およびその製造方法Info
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Abstract
機械等によって形成し得るようにし、コストの低減を図
った流体機械を提供する。 【解決手段】ハブ面に直交し回転軸に交叉する基準線を
想定し、この基準線に直交させて複数の平行な平面を仮
想し、これらの平面と羽根車羽根10の交線を同一半径
の円の円弧でしかもその円中心点が同一直線上にあるよ
うにしてそれぞれに近似し、これらの近似円弧を周面に
含み前記直線上に中心軸を有する楕円筒を仮想し、この
楕円筒の前記近似円弧がある部分の周面を前記直線と平
行な中心軸を有する円筒で近似し、この円筒の周面の一
部を切り取って羽根車羽根10とし、必要に応じて羽根
車羽根10の入口辺の入口角および出口辺の出口角を流
体の流れ角と一致するように前記円筒の径と中心軸の方
向を調整して流体機械を構成する。
Description
も簡単に製造することのできる羽根車羽根を備えた流体
機械に関するものである。
ては、内ケーシングに軸受けを介して回転軸が軸周りに
回転自在に支持され、この回転軸の先端に略円錐状のハ
ブが設けられ、このハブの側周面に複数の羽根車羽根が
突設される。そして、内ケーシングの外側で回転軸と同
軸上に外ケーシングが配設され、外ケーシングの先端に
羽根車羽根の突出先端側の回転軌跡の外周囲に吸込ケー
シングが設けられる。さらに、ハブの下流側で内ケーシ
ングと外ケーシングの間に複数の案内羽根が設けられ
て、内ケーシングと外ケーシングが一体化される。
間に、下流側ほど半径方向に広がりを有する流路が形成
される。回転軸の回転駆動に伴い、羽根車羽根が流路内
で回転し、流体に下流側へ移動させるエネルギーが伝達
される。ここで、羽根車羽根の周速度は半径位置により
相違し、また流体のケーシングに対する速度も半径方向
および流路方向により相違し、羽根車羽根は3次元曲面
で形成される。
曲面の複雑な形状を有するために、これを鋳造で成形
し、または3次元総金型によるプレス加工で成形してい
た。なお、鋳造またはプレス加工のいずれであっても、
成形すべき羽根車羽根の形状自体は、必要とされるポン
プ性能などから予め設定されることは勿論である。
羽根車羽根の製造にあっては、鋳造するための木型の作
成が必要であり、その木型の制作に長時間を要する。し
かも、製造台数の少ないものにあっては、木型の作成に
多くの費用がかかり、製造コストが高いものとなる。ま
た、鋳造では、羽根車羽根の全体的な肉厚が厚くなる傾
向にあり、総重量が大きく、その取り扱いならびに加工
に多大の労力を必要としていた。
根車羽根にあっては、鋳造のための木型作成以上に、3
次元総金型の制作費用が高く、その費用が流体機械の製
造コストに大きな割合を占め、流体機械を安価に製造す
るために、何らかの解決策が強く要望されていた。
を改善すべくなされたもので、羽根車羽根を鋼板でしか
も簡単な板金加工機械等によって形成し得るようにし
て、全体としてコストの低減を図った流体機械を提供す
ることを目的とする。
めに本発明の流体機械は、略円錐状のハブ面に羽根車羽
根を突設して羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動に
より流体を送出する流体機械において、前記羽根車羽根
をその突設方向に対し傾いた中心軸を有する円筒の周面
の一部で近似し、この円筒の周面の一部を切り取って前
記羽根車羽根とし、前記円筒の径と中心軸の方向を調整
して前記羽根車羽根の入口辺の入口角および出口辺の出
口角を前記流体機械の必要とする流れ角と一致するよう
にして構成される。
設して羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により流
体を送出する流体機械において前記羽根車羽根の突出方
向と交叉する複数の平行な平面を仮想し、これらの平面
と前記羽根車羽根の交線を同一半径の円の円弧でしかも
その円中心点が同一直線上にあるようにしてそれぞれに
近似し、これらの近似円弧を周面に含み前記直線と平行
な中心軸を有する円筒を仮想し、この円筒の周面の一部
を切り取って前記羽根車羽根とし、しかも前記羽根車羽
根の入口辺の入口角および出口辺の出口角を前記流体機
械の必要とする流れ角と一致するように調整して構成し
ても良い。
線上に中心軸を有する楕円筒を仮想し、この楕円筒の前
記近似円弧がある部分の周面を前記直線と平行な中心軸
を有する前記円筒で近似して構成することもできる。
転軸に交叉する基準線を想定し、この基準線に直交させ
て前記複数の平行な平面を仮想して構成することも可能
である。
交線の入口点と出口点を周面に含み回転軸を中心軸とす
る円錐を前記平面毎に仮想し、前記入口点と出口点を入
口点と出口点として前記円錐の周面と前記円筒の交線を
求め、前記入口点および出口点で、これらの円錐の周面
上の交線と前記円錐の周面上で前記回転軸を中心とする
円の接線とのなす角度が所望の入口角および出口角とな
るように調整して構成しても良い。
円錐状のハブ面に羽根車羽根を突設して羽根車を形成
し、この羽根車の回転駆動により流体を送出する流体機
械の製造方法において、まず前記羽根車羽根をその突設
方向に対し傾いた中心軸を有する円筒の周面の一部で近
似し、この円筒の周面の一部からなる前記羽根車羽根の
入口辺の入口角および出口辺の出口角を求め、前記入口
角および出口角が前記流体機械の必要とする流れ角と一
致するように前記円筒の径と中心軸の方向を調整して所
望の入口角および出口角となるようにし、前記円筒の周
面の一部を切り取って前記羽根車羽根を形成して流体機
械を製造する。
突設して羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により
流体を送出する流体機械の製造方法において、まず前記
羽根車羽根の突設方向と交叉する複数の平行な平面を設
定し、これらの平面と前記羽根車羽根の交線を描き、そ
してこれらの交線を同一半径の円の円弧でしかもその中
心点が同一直線上にあるようにしてそれぞれに近似し、
さらにこの直線方向から見てこれらの近似円弧を周面に
含み前記直線と平行な中心軸を有する円筒を近似設定
し、この円筒の周面の一部を切り取って前記羽根車羽根
を形成して流体機械を製造しても良い。
線上に中心軸を有する楕円筒を設定し、さらにこの楕円
筒の前記近似円弧がある部分の周面を前記直線と平行な
中心軸を有する前記円筒で近似して流体機械を製造する
こともできる。
に回転軸に交叉する基準線を想定し、この基準線に直交
させて前記複数の平行な平面を仮想して流体機械を製造
することも可能である。
の交線の入口点と出口点を周面に含み回転軸を中心軸と
する円錐を設定し、前記入口点と出口点を入口点と出口
点として前記円錐の周面と前記円筒の交線を描き、さら
にこの交線の入口点と出口点で、これらの交線と前記円
錐の周面上で前記回転軸を中心とする円の接線とのなす
角度が所望の入口角および出口角となるように前記円筒
の径と中心軸の方向を調整して流体機械を製造しても良
い。
交線を同一半径の円弧で近似する前記円の半径と中心位
置を調整することによって、前記交線の入口点の入口角
および出口点の出口角を調整して流体機械を製造しても
良い。
いし図18を参照して説明する。図1は、ハブ面に突設
された羽根車羽根の外観斜視図である。図2は、羽根車
羽根の子午断面図上に基準線0−0’とこれに直交する
平面A,B,Cを示した図である。図3は、羽根車羽根
の外観図を子午断面図と重ねて描いた図である。図4
は、図3で羽根車羽根のP方向矢視図である。図5は、
図3で羽根車羽根のQ方向矢視図である。図6は、羽根
車羽根と円錐Aの周面との交線を示す斜視図である。図
7は、羽根車羽根と平面Aの交線を示す斜視図である。
図8は、円錐A,B,Cの周面上に描いた交線の展開図
を基準線0−0’方向に重ねた図である。図9は、平面
A,B,C上に描いた交線を基準線0−0’方向に重ね
た図である。図10は、平面A,B,Cに描いた交線を
同一半径の円の円弧で近似することを示す図である。図
11は、同一半径の円上にある近似円弧をそれぞれの元
の平面の位置に図示した斜視図である。図12は、図1
1をZ軸方向から見た図である。図13は、図11を図
12のE方向から見た図である。図14は、図11を図
13のζ軸方向から見て円を楕円筒で近似し、さらに楕
円筒上で羽根車羽根の交線の近似円弧のある部分を円筒
で近似することを示す図である。図15は、近似した円
筒の周面の一部で羽根車羽根が形成されることを示す図
である。図16は、円筒の周面の一部からなる羽根車羽
根の展開図である。図17は、図16の展開図で厚み分
布を示す図である。図18は、本発明の鋼板製の羽根車
羽根を有する斜流ポンプと、これと同じ与仕様の鋳造型
の羽根車羽根を有する斜流ポンプのポンプ特性を比較す
るグラフである。
車羽根の設計につき説明する。この斜流ポンプの所望の
ポンプ特性から、羽根車羽根の仕様は予め定められる。
すなわち、流体が羽根車羽根に流入する入口角および流
出する出口角や羽根車羽根の長さなどが予め定められ
る。
mputer−aided design)が普及し、
画面上で立体表示が可能であり、またその断面図および
画像を任意に回転させた図などを容易に描くことができ
る。そこで、本設計にあっても、かかるCADを活用し
て設計の手助けを行うこととする。そして、予め定めら
れるハブ面やチップ壁および羽根車羽根などの仕様デー
タがCADに入力され、従来の羽根車羽根が立体的に図
示できるものとする。
の略突設方向で基準線0−0’を、ハブ面12に一例と
して直交させるとともに回転軸14と交叉させて描く。
そして、図2のごとく基準線0−0’に対して直交する
複数の平面が、例えばハブ面12側とチップ壁側および
その中間(適宜な比率で内分しても良い。)にそれぞれ
設定される。ここで、チップ壁側を平面A、中間を平面
B、ハブ面12側を平面Cとする。なお、ハブ面12側
の平面Cは、図2の子午断面図では、ハブ面12と一致
して図示される。そして、図2において、平面Aと回転
軸14の交点をAo、平面Bと回転軸14の交点をB
o、平面Cと回転軸14の交点をCoで示す。さらに、
ハブ面12の円錐の頂点は、平面Cと回転軸14との交
点Coに一致する。また、チップ壁の円錐の頂点は、A
toで示す。さらにまた、羽根車羽根10の羽根負圧面
と各平面A,B,Cとの交線A1−A2、B1−B2、
C1−C2をそれぞれの平面上に描く。ここで、A1,
B1,C1は交線の入口点であり、A2,B2,C2は
交線の出口点である。これらの作業はCADにより簡単
に行うことができる。さらに、図3に示すごとく、点A
1とA2を通り、回転軸14に垂直な直線をそれぞれに
描き、この直線と子午断面図上の羽根車羽根10の入口
辺と出口辺との交点をそれぞれに求める。この2つの交
点を結ぶ線を母線とし、回転軸14を中心軸として頂点
Ao’とする円錐Aを描く。これは点A1とA2が回転
軸14周りに回転した軌跡の2つの円を周面に含む円錐
を示す。同様にして、点B1,B2および点C1,C2
に対してもそれぞれ円錐B,Cを描き、その頂点をB
o’,Co’と示す。そしてまた、図3に示す羽根車羽
根10のP方向矢視図を図4に示し、Q方向矢視図を図
5に示す。図4および図5において、羽根車羽根10に
円錐A,B,Cとの交線が図示されている。
との交線A1’−A2’を、CADにより斜視図で描く
と、図6のごとくなる。なお、円錐Aの周面上の点A
1’,A2’は平面A上の点A1,A2と同じ点である
が、交線の描かれる位置が円錐Aの周面上か、平面A上
であるかを区別すべく、異なる符号で示してある。以
後、円錐B,Cおよび平面B,Cにおける交線も同様に
示す。
転軸14と直交する面にある円の半径をRA2’とし、
点A1’がある円の半径をRA1’とすると、円錐Aと
回転軸14とのなす角(円錐Aの頂角の1/2)がα’
であるので、円錐Aの頂点Ao’から点A2’がある円
までの周面上での距離SRA2’はSRA2’=RA
2’/sinα’であり、頂点Ao’から点A1’があ
る円までの距離SRA1’は SRA1’=RA1’/sinα’ で示される。
円錐Aの周面の接線と、交線A1’−A2’とのなす角
βA2’が、円錐A上における羽根車羽根10の出口角
となっている。また、点A1’を通過し円錐Aの周面の
接線と交線A1’−A2’とのなす角βA1’が入口角
(図6には図示せず)である。この図6と同様にして、
円錐B,Cの周面上に、交線B1’−B2’、C1’−
C2’をそれぞれに描くことができる。ここで、円錐
A,B,Cの周面上における入口角および出口角の値に
ついても同様である。
−A2をCADにより斜視図で描くと、図7のごとくな
る。点A2は、回転軸14を中心とし、半径RA2の円
筒面と平面Aとの交線上にある。この交線は、平面Aと
回転軸14の交点Aoを中心とし、2・RA2の短軸と
2・RA2/sinαの長軸を有する楕円で示される。
同様に、点A1も、2・RA1の短軸と2・RA1/s
inαの長軸を有する楕円上にある。なお、αは、平面
Aと回転軸14のなす角度である。また、図6と図7に
おいて、RA2=RA2’,RA1=RA1’である。
平面上の羽根車羽根10の交線も回転軸のまわりを回転
するから、平面上における羽根車羽根10の出口端は回
転軸に垂直な平面内で回転中心からの半径に直角方向の
周速ベクトルをもつ。このベクトルは平面A上にないの
で、平面A上の交線の出口角は直線A2Aoの垂線と交
線A1−A2が点A2上で交わる角度で近似し、平面上
における羽根車羽根10の出口角とした。また、点A1
において直線A1Aoの垂線と交線A1−A2のなす角
が平面A上の入口角βA1(図7に図示せず)である。
これから、交線A1−A2とA1またはA2を通りAo
を中心とする円の交角が平面上の羽根車羽根10の入口
角および出口角となることがわかる。この図7と同様に
して、平面B,C上に交線B1−B2、C1−C2を描
くことができる。
に描いた交線A1’−A2’、B1’−B2’、C1’
−C2’の展開図を、基準線0−0’方向に重ねて図示
したのが図8である。また、図7のごとくして平面A,
B,C上に描いた交線A1−A2,B1−B2,C1−
C2を、基準線0−0’方向に重ねて図示したのが図9
である。図8と図9を比較すると、図8に示される交線
と円が交わる角度は、図9に示される交線と円が交わる
角度と若干相違するものの、その差は3°以内であって
小さい。そこで、図示等が簡便なことから、以後平面
A,B,C上の交線A1−A2,B1−B2,C1−C
2に基づき作図設計等を行う。
1−A2,B1−B2,C1−C2は、いずれも円弧に
近い曲線であって、同一半径の円で近似することができ
る。この近似する方法として、図10に示すごとく、ま
ず点A1とA2を結ぶ直線の中央でこれに直交する線を
描き、また交点AoとA2を結ぶ直線に対して所定の平
面上の羽根車羽根10の出口角βA2の角度だけずれた
直線と、交点AoとA1を結ぶ直線に対して所定の入口
角βA1の角度だけずれた直線との交点を求める。ここ
で、点A1とA2を結ぶ直線の中央でこれに直交する線
上に、これらの2直線の交点はかならずしも位置しない
が、仮に円弧の中心点mAを適宜に設定する。同様にし
て、点C1とC2を結ぶ直線の中央でこれに直交する線
を描き、また交点CoとC2を結ぶ直線に対して所定の
出口角βC2の角度だけずれた直線と、交点CoとC1
を結ぶ直線に対して所定の入口角βC1の角度だけずれ
た直線との交点を求める。そして、この交点から仮の円
弧の中心点mCを設定する。さらに、点A1とA2およ
び点C1とC2からの距離がρで同じとなるようにして
中心点mA,mCを決定する。一方、交線B1−B2に
対する円弧の中心点mBは、直線mA−mC上で(mA
−mB)/(mB−mC)の線分の比が、平面AとB、
BとCの間隔比と同じ値となる点をmBとする。このm
Bを中心とし半径ρの円を描く。ここで、直線mA−m
Cは、基準線0−0’が紙面に直交するX−Y座標で、
X軸に対して角度μだけ傾いている。
羽根車羽根10の交線の出口角βA2の角度だけずれた
直線と、直線Ao−A1に対して入口角βA1の角度だ
けずれた直線との交点からほぼ中心点mAを設定するこ
とで、交線A1−A2の近似円弧A1−A2は、点Ao
を中心として点A1を通過する円また点A2を通過する
円に対して、それぞれにほぼ所定の入口角βA1と出口
角βA2に設定されている。なお、この円弧A1−A2
の点A1,A2は、mAを中心とする半径ρの円と平面
A上の羽根入口端および出口端を通る楕円との交点であ
るが、図9に示される点A1,A2のごく近傍にある。
1−A2,B1−B2,C1−C2が同一半径の円の円
弧で近似され得る。この図10は、基準線0−0’方向
に重ねて図示されたものであり、図11は、同一半径の
円上にある近似円弧A1−A2,B1−B2,C1−C
2をそれぞれ元の平面位置の状態に戻して、基準線0−
0’方向に離して図示した斜視図である。この図11か
ら明らかなごとく、中心点MA,MB,MCがある直線
ζは、基準線0−0’方向をZ軸として、このZ軸に対
して角度νだけ傾き、しかもX軸に対して角度μだけ傾
いたものとなる。そして、平面A上の中心点MAで半径
ρなる円Aの円周上に近似円弧A1−A2があり、平面
B上の中心点MBで半径ρなる円Bの円周上に近似円弧
B1−B2があり、平面C上の中心点MCで半径ρなる
円Cの円周上に近似円弧C1−C2がある。ここで、基
準線0−0’方向に重ねて平面C上にある中心点をm
A,mB、mCで表示し、基準線0−0’方向に重ねず
に元の状態に戻した各平面A,B,C上にある中心点を
MA,MB,MCで表示している。
方向から見るならば、図12のごとく見える。すなわ
ち、中心点MA、MB、MCがX軸に対して角度μだけ
傾いた直線にある3つの円として示される。この図12
を、紙面と平行でX軸に対して角度μだけ傾くx軸と直
交するE方向から見るならば、図13のごとくに円A,
B,Cが見える。中心点MA、MB、MCがある直線ζ
は、Z軸に対して角度νだけ傾いている。
線ζ軸方向に見ると、図14のごとく、円A,B,Cが
楕円筒の周面に重なって見える。この楕円筒は長軸が2
ρであり短軸が2ρ・cosνとなる。そして、この楕
円筒の周面上に近似円弧A1−A2,B1−B2,C1
−C2が存在する。なお、楕円筒上にある近似円弧A1
−A2,B1−B2,C1−C2は、その長さが違い、
入口辺の点および出口辺の点は一致しないが、本実施例
では、図14に示した楕円上の2点C1とA2の間にあ
る(一般的には、両端にある点の間にある)。また、こ
れらの近似円弧は、楕円筒の周面の僅かな一部分であ
る。そこで、近似円弧のある部分の周面を直径2ρoの
円筒で近似する。この近似円筒は、近似円弧の両端とほ
ぼ中央から等距離に中心点がある円で設定し得る。そし
て、図14で楕円筒の長軸方向をη軸とし、短軸方向を
ξ軸として、近似した円筒の中心点は(ξo,ηo)で
示され、その軸はζ軸と平行である。そして、この円筒
の中心点の座標(ξo,ηo)は、CADによって、そ
の座標を容易に算出できる。
の中心点の座標は、上記設計手順から基準線0−0’お
よび回転軸14に対して、その位置関係が容易に定ま
る。そこで、ハブ面12とチップ壁との間に、所定の位
置関係で上記の近似した円筒を配置し、さらに円錐A,
B,Cの周面との交線をCADで求める。ここで近似し
た円筒の周面上における近似円弧A1−A2,B1−B
2,C1−C2の両端位置から、近似した円筒と円錐
A,B,Cの交線の両端部も一義的に定まる。また、ハ
ブ面12と側板上のチップ壁との交線も当然にCADで
求める。なお、クローズド羽根であれば、チップ壁との
交線のままで良いが、オープン羽根であればチップ側ケ
ーシング壁との間に僅かな隙間を設けて羽根車羽根10
のチップ壁側の形状を設定する。
一部からなる羽根車羽根10に対して、ハブ面側とチッ
プ壁側および円錐A,B,Cの周面上における入口角と
出口角とを求め、これらと所望の入口角と出口角を比較
する。一致すれば所望の形状の羽根車羽根10が設計さ
れていることとなる。しかし、入口角と出口角がずれて
いる場合は、以下のごとくして設計の手直しを行う。入
口角と出口角が大きい場合には、図10において交線A
1−A2、B1−B2,C1−C2を円弧で近似する円
の半径ρを少し短くし、中心位置を調整して、再び設計
をし直して入口角と出口角を所望の大きさと比較する。
また、入口角と出口角が小さい場合には、近似する円の
半径ρを少し長くし、中心位置を調整して、再び設計を
し直して入口角と出口角を所望の大きさと比較する。こ
れらの作業を入口角と出口角が所望の値にほぼ一致する
まで繰り返す。
5に示すごとく、羽根車羽根10は、近似した円筒の周
面の一部で形成することができる。そこで、鋼板からな
る円筒から図15に示すごとき羽根車羽根10を切り取
って、これを所定の姿勢でハブ面12等に溶接などで取
り付ければ良い。また、この羽根車羽根10の展開図を
CADにより図16のごとく求め、平らの鋼板からこれ
を切り取り適宜にロール加工などで円筒の周面の一部と
なるように折り曲げて、ハブ面12等に取り付けても良
い。この折り曲げ加工は簡単な金型によるプレス加工で
あっても良い。
根10が一定の厚さで足りる流体機械にあっては、上述
のごとくして設計された鋼板製の羽根車羽根10を必要
な枚数だけ制作してハブ面12に等間隔で取り付ければ
良い。しかし、斜流ポンプのごとく羽根厚みが一定でな
く変化させる必要がある場合には、以下のごとき手順で
設計制作すれば良い。図16のごとき羽根車羽根10の
展開図に対して、望ましい羽根厚さの分布がわかってお
り、前述のごとくして羽根車羽根10が周面の一部とし
て設計される円筒の内径を有するとともに羽根車羽根1
0の最大厚さを有する鋼板製の円筒に対して、その内径
を基準として軸方向の2次元NC加工により厚み分布を
切削により形成し、かかる加工後に羽根車羽根10を円
筒から切り取れば良い。また、羽根車羽根10の最大厚
さを有する平らな鋼板に同様な厚み分布を切削により形
成して、これから展開図状の羽根車羽根10を切り取
り、適宜に折り曲げ加工しても良い。さらに、より簡単
に厚み加工をする方法として、円筒内面を基準として、
例えば図17に示すように、軸方向厚み分布をもつよう
に円周方向に所定の一定厚さの加工をし、また軸方向に
は、図示の円周方向厚み分布を与えるように各円周方向
の位置で決まる厚さ一定で軸方向に切削する。このよう
な加工方法によると、軸方向加工では、すでに円周方向
加工により肉厚が薄くなっていて加工できない部分をも
生ずるが何ら差し支えなく、NC加工によることなしに
も図17の羽根車羽根の展開図に斜線を施した厚み分布
が得られる。なお、鋼板からの切り取りおよび厚み分布
の形成および曲げ加工の加工手順などはいかなる順序で
なされても良いことは勿論である。なお、羽根車羽根1
0の入口辺と出口辺の部分は、適宜に仕上げ加工を行
う。
根車羽根10を取り付けた斜流ポンプのポンプ性能と、
同じ与仕様の従来の鋳造羽根車を有する斜流ポンプのポ
ンプ性能を比較した。ポンプ性能は、仕様点での吐出し
量、全揚程が同じであり、それらで無次元化した性能曲
線も図18に示すごとくほぼ同じであり、充分な性能が
得られた。
0’をハブ面12に直交するように設定したが、これに
限られず、基準線0−0’をハブ面12に直交しないが
回転軸14に交叉するように設定しても良い。また、上
記実施例では、基準線0−0’と羽根車羽根10の突設
方向がほぼ一致しているので、図8ないし図10で、平
面上の交線A1−A2,B1−B2,C1−C2および
円錐の周面上の交線A1’−A2’,B1’−B2’,
C1’−C2’が、基準線0−0’に近接して重なって
描かれている。しかし、羽根車羽根10の突設方向によ
っては、基準線0−0’に近接せずまた重ならずに離れ
て描かれることもあるが、同様の手順で近似した円筒の
周面の一部で羽根車羽根10を形成することが可能であ
る。
械の一例として説明したが、これに限られず、立軸ポン
プ等のターボポンプに適用できることは勿論である。そ
して、羽根車は、オープン羽根車に限られずクローズド
羽根車であっても良い。そして、流体は液体に限られ
ず、気体を送出する送風機に適用することもできる。こ
の送風機への適用にあっては、羽根車羽根の厚さは一様
であっても良い場合が多く、厚さ加工がない分、より製
造が容易である。
は構成され、また製造されるので、以下のごとき格別な
効果を奏する。
記載のその製造方法にあっては、円筒の周面の一部を切
り取って羽根車羽根を形成するので、従来の鋳造または
3次元金型によるプレス加工などに比べて安価に製造で
きる。特に製造台数が少ない場合に、従来のごとき鋳造
の木型およびプレスの金型を必要としないために、極め
て安価にしかも迅速に製造が可能である。
記載のその製造方法にあっては、羽根車羽根とこれと交
叉する複数の平行な平面との交線を同一半径の円の円弧
で近似し、これらの近似円弧を周面に含む円筒を想定
し、この円筒の周面の一部を切り取って羽根車羽根を形
成するので、羽根車羽根を適正に近似し得る円筒を容易
に想定でき、それだけ設計が容易である。
記載のその製造方法にあっては、同一半径の円の近似円
弧を周面に含む楕円筒を想定し、この楕円筒の近似円弧
がある部分の周面をさらに円筒で近似し、この円筒の周
面の一部を切り取って羽根車羽根を形成するので、適正
な円筒をより正確に設定することができる。
記載のその製造方法にあっては、ハブ面に直交する基準
線に直交させて複数の平行な平面を仮想するので、この
平面と羽根車羽根の交線から想定する円筒と、ハブ面お
よび回転軸などとの相対的な位置関係が決定し易く、ま
た交線の位置関係が容易に求まり、それだけ設計が容易
である。
記載のその製造方法にあっては、羽根車羽根の入口角お
よび出口角を円錐の周面上の接線とのなす角で調整する
ことで、入口角および出口角を所望の角度に正確に調整
することができる。
からなる円筒の周面の一部を切り取って羽根車羽根とす
るので、所望の径の円筒から極めて容易かつ安価に羽根
車羽根を形成できる。
からなる円筒の内周面を基準として、その外周面を切削
して羽根車羽根の所望の厚さ分布を形成するので、この
厚さ分布を形成するのにNC加工機などで簡単に行うこ
とができる。
図に応じて平らな鋼板を切り取り、これを折り曲げて羽
根車羽根とするので、簡単な板金加工機械によって作成
することができる。
な鋼板を切削して厚さ分布を加工し、さらに折り曲げ加
工して羽根車羽根とするので、厚さ分布を有する羽根車
羽根を2次元NC加工機械や旋盤加工機および板金加工
機械などで容易に作成することができる。
っては、平行な平面と羽根車羽根の交線を円弧で近似す
る円の半径を調整することで、入口角および出口角を変
更でき、近似する円の径と中心位置を調整しながら繰り
返して設計することで、入口角および出口角を所望の大
きさとすることができる。
ある。
これに直交する平面A,B,Cを示した図である。
た図である。
図である。
る。
を基準線0−0’方向に重ねた図である。
0’方向に重ねた図である。
の円弧で近似することを示す図である。
平面の位置に図示した斜視図である。
円筒で近似し、さらに楕円筒上で羽根車羽根の交線の近
似円弧のある部分を円筒で近似することを示す図であ
る。
成されることを示す図である。
図である。
ンプと、これと同じ与仕様の鋳造型の羽根車羽根を有す
る斜流ポンプのポンプ特性を比較するグラフである。
根の交線 Ao 平面Aと回転軸との交点 Bo 平面Bと回転軸との交点 Co 平面Cと回転軸との交点 Ao’ 円錐Aの頂点 Bo’ 円錐Bの頂点 Co’ 円錐Cの頂点 A1’−A2’、B1’−B2’、C1’−C2’ 円
錐の周面と羽根車羽根の交線 ρ 交線を円弧で近似する円の半径 βA1、βB1、βC1 入口角 βA2、βB2、βC2 出口角
Claims (15)
- 【請求項1】 略円錐状のハブ面に羽根車羽根を突設し
て羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により流体を
送出する流体機械において、前記羽根車羽根をその突設
方向に対して傾いた中心軸を有する円筒の周面の一部で
近似し、この円筒の周面の一部を切り取って前記羽根車
羽根とし、前記円筒の径と中心軸の方向を調整して前記
羽根車羽根の入口辺の入口角および出口辺の出口角を前
記流体機械の必要とする流れ角と一致するように構成し
たことを特徴とする流体機械。 - 【請求項2】 略円錐状のハブ面に羽根車羽根を突設し
て羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により流体を
送出する流体機械において、前記羽根車羽根の突出方向
と交叉する複数の平行な平面を仮想し、これらの平面と
前記羽根車羽根の交線を同一半径の円の円弧でしかもそ
の円中心点が同一直線上にあるようにしてそれぞれに近
似し、これらの近似円弧を周面に含み前記直線と平行な
中心軸を有する円筒を仮想し、この円筒の周面の一部を
切り取って前記羽根車羽根とし、しかも前記羽根車羽根
の入口辺の入口角および出口辺の出口角を前記流体機械
の必要とする流れ角と一致するように調整して構成した
ことを特徴とする流体機械。 - 【請求項3】 請求項2記載の流体機械において、前記
近似円弧を周面に含み前記直線上に中心軸を有する楕円
筒を仮想し、この楕円筒の前記近似円弧がある部分の周
面を前記直線と平行な中心軸を有する前記円筒で近似し
て構成したことを特徴とする流体機械。 - 【請求項4】 請求項2または3記載の流体機械におい
て、前記ハブ面に直交するとともに回転軸に交叉する基
準線を想定し、この基準線に直交させて前記複数の平行
な平面を仮想して構成したことを特徴とする流体機械。 - 【請求項5】 請求項2ないし4記載のいずれかの流体
機械において、前記平面と前記羽根車羽根の交線の入口
点と出口点を周面に含み回転軸を中心軸とする円錐を前
記平面毎に仮想し、前記入口点と出口点を入口点と出口
点として前記円錐の周面と前記円筒の交線を求め、前記
入口点および出口点で、これらの円錐の周面上の前記交
線と前記円錐の周面上で前記回転軸を中心とする円の接
線とのなす角度が所望の入口角および出口角となるよう
に調整して構成したことを特徴とする流体機械。 - 【請求項6】 請求項1ないし5記載のいずれかの流体
機械において、前記羽根車羽根を鋼板からなる前記円筒
の周面の一部を切り取って構成したことを特徴とする流
体機械。 - 【請求項7】 請求項6記載の流体機械において、前記
円筒の内周面を前記羽根車羽根の羽根負圧面とし、前記
内周面を基準として前記羽根車羽根の厚さ分布に応じて
前記円筒の外周面を切削して構成したことを特徴とする
流体機械。 - 【請求項8】 請求項1ないし5記載のいずれかの流体
機械において、前記円筒の周面の一部からなる前記羽根
車羽根の展開図を作成し、この展開図に応じて平らな鋼
板から前記羽根車羽根を切り取るとともに、前記円筒の
一部となるように折り曲げ加工して構成したことを特徴
とする流体機械。 - 【請求項9】 請求項8記載の流体機械において、前記
平らな鋼板の一側面を基準として前記羽根車羽根の厚さ
分布に応じて前記鋼板の他側面を切削し、前記一側面が
前記羽根車羽根の羽根負圧面となるように折り曲げ加工
して構成したことを特徴とする流体機械。 - 【請求項10】 略円錐状のハブ面に羽根車羽根を突設
して羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により流体
を送出する流体機械の製造方法において、まず前記羽根
車羽根をその突設方向に対し傾いた中心軸を有する円筒
の周面の一部で近似し、この円筒の周面の一部からなる
前記羽根車羽根の入口辺の入口角および出口辺の出口角
を求め、前記入口角および出口角が前記流体機械の必要
とする流れ角と一致するように前記円筒の径と中心軸の
方向を調整して所望の入口角および出口角となるように
し、前記円筒の周面の一部を切り取って前記羽根車羽根
を形成することを特徴とした流体機械の製造方法。 - 【請求項11】 略円錐状のハブ面に羽根車羽根を突設
して羽根車を形成し、この羽根車の回転駆動により流体
を送出する流体機械の製造方法において、まず前記羽根
車羽根の突設方向と交叉する複数の平行な平面を設定
し、これらの平面と前記羽根車羽根の交線を描き、そし
てこれらの交線を同一半径の円の円弧でしかもその中心
点が同一直線上にあるようにしてそれぞれに近似し、さ
らにこの直線方向から見てこれらの近似円弧を周面に含
み前記直線と平行な中心軸を有する円筒を近似設定し、
この円筒の周面の一部を切り取って前記羽根車羽根を形
成することを特徴とした流体機械の製造方法。 - 【請求項12】 請求項11記載の流体機械の製造方法
において、前記近似円弧を周面に含み前記直線上に中心
軸を有する楕円筒を設定し、さらにこの楕円筒の前記近
似円弧がある部分の周面を前記直線と平行な中心軸を有
する前記円筒で近似することを特徴とした流体機械の製
造方法。 - 【請求項13】 請求項11または12記載の流体機械
の製造方法において、前記ハブ面に直交するとともに回
転軸に交叉する基準線を想定し、この基準線に直交させ
て前記複数の平行な平面を仮想することを特徴とした流
体機械の製造方法。 - 【請求項14】 請求項11ないし13記載のいずれか
の流体機械の製造方法において、前記平面と前記羽根車
羽根の交線の入口点と出口点を周面に含み回転軸を中心
軸とする円錐を設定し、前記入口点と出口点を入口点と
出口点として前記円錐の周面と前記円筒の交線を描き、
さらにこの交線の入口点と出口点で、これらの交線と前
記円錐の周面上で前記回転軸を中心とする円の接線との
なす角度が所望の入口角および出口角となるように前記
円筒の径と中心軸の方向を調整することを特徴とした流
体機械の製造方法。 - 【請求項15】 請求項11ないし14記載のいずれか
の流体機械の製造方法において、前記平面と前記羽根車
羽根の交線を同一半径の円弧で近似する前記円の半径と
中心位置を調整することによって、前記交線の入口点の
入口角および出口点の出口角を調整することを特徴とし
た流体機械の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000344099A JP4671489B2 (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | 流体機械の製造方法 |
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-
2000
- 2000-11-10 JP JP2000344099A patent/JP4671489B2/ja not_active Expired - Lifetime
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