JP2002147355A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

密閉型電動圧縮機

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JP2002147355A
JP2002147355A JP2000341545A JP2000341545A JP2002147355A JP 2002147355 A JP2002147355 A JP 2002147355A JP 2000341545 A JP2000341545 A JP 2000341545A JP 2000341545 A JP2000341545 A JP 2000341545A JP 2002147355 A JP2002147355 A JP 2002147355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受部材を密閉容器に溶接固定する際の熱歪
みによる内部応力により剛性が低い軸受部溝近辺で軸受
け部が変形することを防止する。 【解決手段】 軸受部材1aは、溝5と軸受部材1aの
外周部で挟まれる部分Zには部材の肉がないので、軸受
部材1aを密閉容器10に溶接により固定支持する場合
に、溶接点14で生じる熱歪みに起因する内部応力が軸
受部材1aを通じて軸受け部4に伝達される時に、溝5
部分への力の作用方向が剛性の弱い方向である軸受部の
径方向に働かないので、軸受部4を変形させる力がほと
んど作用せず、軸受とクランク軸12の隙間を高精度に
設計しても、軸受部材1を密閉容器10に溶接固定した
後でも軸受け隙間の均一性が損なわれることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷暖房装置あるい
は冷蔵庫などに用いられるスクロール圧縮機やロータリ
ー圧縮機などの密閉型電動圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷暖房装置、あるいは冷蔵庫
などの冷却装置にはスクロール圧縮機やロータリー圧縮
機などの密閉型電動圧縮機が用いられている。
【0003】図7に示すように、密閉容器10の内部に
は、圧縮機構部11、電動機部17を構成する回転子1
6と固定子15、電動機部17の回転力を圧縮機構部1
1に伝達するクランク軸12、クランク軸12を支持す
る軸受部材1が配設され、軸受け部材1はスポット溶接
等の溶接手段により、溶接点14で密閉容器10に固定
支持されている。
【0004】一方、軸受部材1は、図8および図9に示
すように軸受部4とリム部2がリブ3により繋がれた構
成になっており、軸受部4でクランク軸12を支持し、
リム部2が密閉容器10に溶接点14で固定支持されて
いる。さらに、軸受部4にはクランク軸12の回転摺動
を円滑に行うために、潤滑油を供給する油溝として溝5
が設けられている。
【0005】上記構成において、電動機部17の回転子
16が回転すると、この回転力はクランク軸12によっ
て圧縮機構部11に伝達され、圧縮機構部11の回転に
より冷媒ガスに圧縮作用が生じ、冷凍サイクル(図示せ
ず)を稼働させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では軸受部
材1を密閉容器10に溶接固定する際に、溶接点14の
近辺で溶接熱による部材の熱膨張と冷却による熱収縮の
作用により、密閉容器10と軸受部材1に局部的な内部
応力が生じる。この内部応力は、軸受部材1では、リム
部2からリブ3を経由して軸受部4に径方向に作用する
力として働く。一方、軸受部4には溝5が設けられてい
るために軸受け部の剛性は溝5の部分で低下する。
【0007】このため、軸受部4の径方向に作用する力
の方向に溝5があると溝5の近辺で軸受部4が変形す
る。この、軸受部4の変形量を考慮した軸受け隙間を設
定すると、クランク軸12と軸受部4との隙間を精度良
く詰めることができなくなり、軸受けとクランク軸の隙
間に大きながたつきが生じることになる。
【0008】このような状態で電動機部17を駆動させ
ると、軸受け隙間のがたつきに起因して回転子16が軸
受部4の中心軸に対して振れ回るために、電動圧縮機の
運転中に異常音が生じるという課題があった。
【0009】また、回転子16の振れ回りによる固定子
15との衝突を避けるために、回転子16と固定子15
との隙間も大きくする必要があり、これにより回転子1
6と固定子15との空間絶縁距離が大きくなるので、電
動機部17の作業効率が低下する、固定子と回転子の間
で磁気空隙が大きくなるので漏洩磁束が増大し、効率が
低下するという課題があった。
【0010】本発明は、以上のような課題を解決し、性
能の高い電動圧縮機を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮
機構を駆動する電動機と、この電動機の回転力を圧縮機
構部に伝達するためのクランク軸を配設し、クランク軸
を支持する軸受部材の軸受部には溝を備えた電動圧縮機
において、前記軸受部の径方向で、前記溝と軸受部材外
周部で挟まれる部分の範囲内で前記軸受部材の肉を除去
しているので、軸受部材を通じて軸受部に伝達される応
力の作用が、軸受部で相対的に剛性の低い溝の部分に伝
わらず、軸受部の変形を低減することができる。
【0012】またもう一つの解決手段として、密閉容器
内に圧縮機構部と、この圧縮機構を駆動する電動機と、
この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクラ
ンク軸を配設し、クランク軸を支持する軸受部材の軸受
部には溝を備えた電動圧縮機において、前記軸受部材の
外周部と軸受部が接続する部分の軸受部内径を前記クラ
ンク軸を支持する軸受径に対して大きくしているので、
軸受部材を通じて軸受部に伝達される応力の作用により
軸受部が変形してもクランク軸と軸受部の摺動部に影響
を与えることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するため本願発明
は、密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機構を駆動す
る電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達す
るためのクランク軸を配設し、クランク軸を支持する軸
受部材の軸受部には溝を備えた電動圧縮機において、前
記軸受部の径方向で、前記溝と軸受部材外周部で挟まれ
る部分の範囲内で前記軸受部材の肉を除去しているの
で、軸受部材を通じて軸受部に伝達される応力の作用
が、軸受部で相対的に剛性の低い溝の部分に伝わらず、
軸受部の変形を低減することができる。
【0014】また、本願発明は、前記軸受部の径方向
で、前記溝と軸受部材外周部で挟まれる部分の範囲内で
前記軸受部材を切り欠いた構造としているので、軸受部
材を通じて軸受部に伝達される応力の作用が、軸受部で
相対的に剛性の低い溝の部分に伝わらず、軸受部の変形
を低減することができる。
【0015】また、本願発明は、密閉容器内に圧縮機構
部と、この圧縮機構を駆動する電動機と、この電動機の
回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸を配設
し、クランク軸を支持する軸受部材の軸受部には溝を備
えた電動圧縮機において、前記軸受部材の外周部と軸受
部が接続する部分の軸受部内径を前記クランク軸を支持
する軸受径に対して大きくしているので、軸受部材を通
じて軸受部に伝達される応力の作用により軸受部が変形
してもクランク軸と軸受部の摺動部に影響を与えること
がない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1から図5
を参照して説明する。
【0017】(実施例1)図1と図2に本発明の第1の実
施例を示す。軸受部材1aは、溝5と軸受部材1aの外
周部で挟まれる部分Zには部材の肉がなく中空構造にな
っているので、軸受部材1aを密閉容器10に溶接によ
り固定支持する場合に、溶接点14で生じる熱歪みに起
因する内部応力が軸受部材1aを通じて軸受け部4に伝
達される時に、溝5部分への力の作用方向が剛性の弱い
方向である軸受部の径方向に働かないので、軸受部4を
変形させる力がほとんど作用せず、軸受とクランク軸1
2の隙間を高精度に設計しても、軸受部材1aを密閉容
器10に溶接固定した後でも軸受け隙間の均一性が損な
われることがない。
【0018】(実施例2)図3と図4に本発明の第2の
実施例を示す。軸受部材1bは、溝5と軸受部材1bの
外周部で挟まれる部分Zには部材の肉がなく切り欠いた
構造になっているので、軸受部材1bを密閉容器10に
溶接により固定支持する場合に、溶接点14で生じる熱
歪みに起因する内部応力が軸受部材1bを通じて軸受け
部4に伝達される時に、溝5部分への力の作用方向が剛
性の弱い方向である軸受部の径方向に働かないので、軸
受部4を変形させる力がほとんど作用せず、軸受とクラ
ンク軸12の隙間を高精度に設計しても、軸受部材1b
を密閉容器10に溶接固定した後でも軸受け隙間の均一
性が損なわれることがなく、軸受部材の軽量化を図るこ
とができる。
【0019】(実施例3)図4と図5に本発明の第3の実
施例を示す。軸受部材1cで軸受部4の内周は、リブ3
aと軸受部4aとが接続する部分で大径部6となってお
り、大径部6はクランク軸12を支持する摺動部7の径
に対して大きくなっているので、軸受部材1cを密閉容
器10に溶接により固定支持する場合に、溶接点14で
生じる熱歪みに起因する内部応力が軸受部材1cを通じ
て軸受け部4aに伝達されるときに、軸受部4a内周面
の大径部6で剛性が低い溝5の部分が歪んでも、クラン
ク軸12を支持する摺動部7には影響が届かないため
に、軸受7とクランク軸12の隙間を高精度に設計して
も、軸受部材1を密閉容器10に溶接固定した後でも軸
受け隙間の均一性が損なわれることがない。
【0020】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本願発
明は、密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機構を駆動
する電動機と、この電動機の回転力を圧縮機構部に伝達
するためのクランク軸を配設し、クランク軸を支持する
軸受部材の軸受部には溝を備えた電動圧縮機において、
前記軸受部の径方向で、前記溝と軸受部材外周部で挟ま
れる部分の範囲内で前記軸受部材の肉を除去しているの
で、軸受部材を通じて軸受部に伝達される応力の作用
が、軸受部で相対的に剛性の低い溝の部分に伝わらず、
軸受部の変形を低減することができ、性能の高い電動圧
縮機を提供することができる。
【0021】また、本願発明は、前記軸受部の径方向
で、前記溝と軸受部材外周部で挟まれる部分の範囲内で
前記軸受部材を切り欠いた構造としているので、軸受部
材を通じて軸受部に伝達される応力の作用が、軸受部で
相対的に剛性の低い溝の部分に伝わらず、軸受部の変形
を低減することができる。
【0022】また、本願発明は、、密閉容器内に圧縮機
構部と、この圧縮機構を駆動する電動機と、この電動機
の回転力を圧縮機構部に伝達するためのクランク軸を配
設し、クランク軸を支持する軸受部材の軸受部には溝を
備えた電動圧縮機において、前記軸受部材の外周部と軸
受部が接続する部分の軸受部内径を前記クランク軸を支
持する軸受径に対して大きくしているので、軸受部材を
通じて軸受部に伝達される応力の作用により軸受部が変
形してもクランク軸と軸受部の摺動部に影響を与えるこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材平面図
【図2】本発明の第1の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材断面図
【図3】本発明の第2の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材平面図
【図4】本発明の第2の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材断面図
【図5】本発明の第3の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材平面図
【図6】本発明の第3の実施例における密閉型電動圧縮
機の軸受部材断面図
【図7】密閉型電動圧縮機の縦断面図
【図8】従来例の密閉型電動圧縮機の軸受部材平面図
【図9】従来例の密閉型電動圧縮機の軸受部材断面図
【符号の説明】
1 軸受部材 2 リム部 3 リブ 4 軸受部 5 油溝 6 大径部 7 摺動部 10 密閉容器 11 圧縮機構部 12 クランク軸 14 溶接点 15 固定子 16 回転子 17 電動機部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電
    動機部と、電動機部の回転力を圧縮機構部に伝達するク
    ランク軸と、クランク軸を回転自在に支持する軸受部材
    とを密閉容器に収納した密閉型電動圧縮機であって、前
    記軸受部は略軸方向に配置した溝を備えた円筒形状の内
    周面を有する軸受部と、前記軸受部を周方向で取り囲ん
    で配置され外周が前記密閉容器に固定される略環状のリ
    ム部と、前記軸受部と前記リム部を連結する複数のリブ
    とからなり、前記複数のリブは前記軸受部の内周面に溝
    が配置された部分を避けて配置されたことを特徴とする
    密閉型電動圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の密閉型電動圧縮機であっ
    て、軸受部の内周面に溝が配置された部分に対応する周
    方向でリム部を切り欠いたことを特徴とする密閉型電動
    圧縮機。
  3. 【請求項3】 圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動する電
    動機部と、電動機部の回転力を圧縮機構部に伝達するク
    ランク軸と、クランク軸を回転自在に支持する軸受部材
    とを密閉容器に収納した密閉型電動圧縮機であって、前
    記軸受部は略軸方向に配置した溝を備えた円筒形状の内
    周面を有する軸受部と、前記軸受部を周方向で取り囲ん
    で配置され外周が前記密閉容器に固定される略環状のリ
    ム部と、前記軸受部と前記リム部を連結する連結部とか
    らなり、少なくとも前記連結部に対応する軸方向部分に
    おいて前記軸受部内周面の径を他の部分に比べて大きく
    なるように構成したことを特徴とする密閉型電動圧縮
    機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105351200A (zh) * 2015-11-16 2016-02-24 安徽美芝精密制造有限公司 旋转式压缩机以及具有其的制冷系统
JP2017002870A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 日立アプライアンス株式会社 密閉型圧縮機

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JP2017002870A (ja) * 2015-06-15 2017-01-05 日立アプライアンス株式会社 密閉型圧縮機
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