JP2002144359A - ディスクブレーキパッド及びその製造方法 - Google Patents
ディスクブレーキパッド及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 摩擦材の各部の物性が平均化され、制動性能
等に悪影響を及ぼさずに鳴きを抑制できるディスクブレ
ーキパッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 摩擦材の原料混合物を好ましくは50℃
程度に予熱し、それを、含有レジンの融点以上、本成形
工程での加熱温度以下、好ましくは融点より少し高い温
度で予備成形する。このとき、摩擦材の全域でレジンを
溶かして各部のレジン浸透性のばらつきを抑え、以後、
本成形工程、後硬化のための熱処理工程、仕上げ工程を
経てパッドを製造する。
等に悪影響を及ぼさずに鳴きを抑制できるディスクブレ
ーキパッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 摩擦材の原料混合物を好ましくは50℃
程度に予熱し、それを、含有レジンの融点以上、本成形
工程での加熱温度以下、好ましくは融点より少し高い温
度で予備成形する。このとき、摩擦材の全域でレジンを
溶かして各部のレジン浸透性のばらつきを抑え、以後、
本成形工程、後硬化のための熱処理工程、仕上げ工程を
経てパッドを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用、産業機
械用ディスクブレーキに用いられるブレーキパッド、中
でも摩擦材の物性が各部で平均化されたブレーキパッド
とそのパッドの製造方法に関する。
械用ディスクブレーキに用いられるブレーキパッド、中
でも摩擦材の物性が各部で平均化されたブレーキパッド
とそのパッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは、回転しているディ
スクにパッドを押し当て、両者の摩擦により運動エネル
ギーを熱エネルギーに変換して制動を行う。
スクにパッドを押し当て、両者の摩擦により運動エネル
ギーを熱エネルギーに変換して制動を行う。
【0003】このディスクブレーキには、極寒地から酷
暑地、或いは水、氷、融雪剤、海水等を浴びるような悪
環境下でも安定した制動力を発生させ、耐久性を維持す
ることが要求されるが、同時に、制動時のいわゆる鳴き
や振動を発生させないことも重要な特性として要求され
る。
暑地、或いは水、氷、融雪剤、海水等を浴びるような悪
環境下でも安定した制動力を発生させ、耐久性を維持す
ることが要求されるが、同時に、制動時のいわゆる鳴き
や振動を発生させないことも重要な特性として要求され
る。
【0004】その鳴きや振動は、摩擦材の物性に問題が
あると発生し易い。そこで、摩擦面の硬度分布や気孔率
分布と鳴きの関係を分析して鳴きを抑える提案がなされ
ている。例えば、特開平2−134426号には、摩擦
材の周辺部の硬度を中央部の硬度よりも低くしてパッド
の振動特性を改善することが開示され、また、特開平2
−134427号には、摩擦材の周辺部の気孔率を中央
部のそれよりも大きくして同様の目的を達成することが
開示されている。
あると発生し易い。そこで、摩擦面の硬度分布や気孔率
分布と鳴きの関係を分析して鳴きを抑える提案がなされ
ている。例えば、特開平2−134426号には、摩擦
材の周辺部の硬度を中央部の硬度よりも低くしてパッド
の振動特性を改善することが開示され、また、特開平2
−134427号には、摩擦材の周辺部の気孔率を中央
部のそれよりも大きくして同様の目的を達成することが
開示されている。
【0005】通常のパッドは、摩擦材の中央部に比べて
周辺部が硬度大で気孔率小となる傾向が見られ、鳴きが
発生し易い状況になっている。
周辺部が硬度大で気孔率小となる傾向が見られ、鳴きが
発生し易い状況になっている。
【0006】摩擦材の中央部と周辺部で硬度と気孔率に
差がつく原因は、摩擦材中に含まれるレジン(熱硬化性
樹脂の結合剤)の浸透性がばらつくことにある。
差がつく原因は、摩擦材中に含まれるレジン(熱硬化性
樹脂の結合剤)の浸透性がばらつくことにある。
【0007】摩擦材を加熱、加圧して裏板に接着させる
本成形工程の初期には、レジンが融けて原料混合物中に
含まれる繊維やフィラー等の中に浸透し、接着剤として
働く。セミメタリックパッドなどに比べて金属含有量の
少ない通常のパッドは、摩擦材の断熱性が高く、このた
め、金型に近い周辺部では中央部に比べて摩擦材の昇温
速度が速くなる。この過程において、金型に近い周辺部
では、レジンの硬化反応が進行する前にレジンの粘度が
温度の上昇効果によって低下し、加圧によってレジンが
繊維やフィラー等の中へ浸透する。一方、金型から離れ
た中央部はその逆で、摩擦材の昇温速度が遅いため、金
型の周辺部と同じ温度に到着するまでに、硬化反応が進
行し、レジン粘度の温度上昇による効果が低減し、周辺
部ほどは粘度が下がらない。周辺部と中央部は同じ加圧
力を受けているので、粘度の下がり方の差に応じて、繊
維やフィラー等へのレジンの浸透性に差が生じる。これ
により中央部と周辺部のレジン浸透性に差がつき、浸透
性の高い周辺部の気孔率が小さくなり、また、そのこと
により周辺部の硬度、比重が中央部よりも大きくなる。
そのために、スティックスリップ等が生じ易くなって不
快な鳴きや振動が誘発される。
本成形工程の初期には、レジンが融けて原料混合物中に
含まれる繊維やフィラー等の中に浸透し、接着剤として
働く。セミメタリックパッドなどに比べて金属含有量の
少ない通常のパッドは、摩擦材の断熱性が高く、このた
め、金型に近い周辺部では中央部に比べて摩擦材の昇温
速度が速くなる。この過程において、金型に近い周辺部
では、レジンの硬化反応が進行する前にレジンの粘度が
温度の上昇効果によって低下し、加圧によってレジンが
繊維やフィラー等の中へ浸透する。一方、金型から離れ
た中央部はその逆で、摩擦材の昇温速度が遅いため、金
型の周辺部と同じ温度に到着するまでに、硬化反応が進
行し、レジン粘度の温度上昇による効果が低減し、周辺
部ほどは粘度が下がらない。周辺部と中央部は同じ加圧
力を受けているので、粘度の下がり方の差に応じて、繊
維やフィラー等へのレジンの浸透性に差が生じる。これ
により中央部と周辺部のレジン浸透性に差がつき、浸透
性の高い周辺部の気孔率が小さくなり、また、そのこと
により周辺部の硬度、比重が中央部よりも大きくなる。
そのために、スティックスリップ等が生じ易くなって不
快な鳴きや振動が誘発される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−13442
6号公報や特開平2−134427号公報の技術は、パ
ッド摩擦面と平行な方向における中央部に比べ外周部の
硬度等を下げることを課題として、金型に温度差をつけ
るとか、充填量に差をつける等の技術を開示している。
しかし、パッド摩擦面と垂直な方向の中央部が昇温速度
の関係で表層部より硬度等が低くなっているために、摩
耗が進んだ時、パッド摩擦面と平行な方向における外周
部と中央部の硬度関係は逆転し得る懸念があるため好ま
しくない。
6号公報や特開平2−134427号公報の技術は、パ
ッド摩擦面と平行な方向における中央部に比べ外周部の
硬度等を下げることを課題として、金型に温度差をつけ
るとか、充填量に差をつける等の技術を開示している。
しかし、パッド摩擦面と垂直な方向の中央部が昇温速度
の関係で表層部より硬度等が低くなっているために、摩
耗が進んだ時、パッド摩擦面と平行な方向における外周
部と中央部の硬度関係は逆転し得る懸念があるため好ま
しくない。
【0009】また、中央部と周辺部の硬度、気孔率を異
ならせるために金型の中型温度を上型、下型の温度より
も低くしたり、原料の充填密度に差をつけたりする必要
があり、製造も複雑になる。
ならせるために金型の中型温度を上型、下型の温度より
も低くしたり、原料の充填密度に差をつけたりする必要
があり、製造も複雑になる。
【0010】そこで、この発明は、摩擦材の物性が各部
で平均化され、それによって制動性能や生産性に悪影響
を及ぼさずに鳴きや振動が抑制されるディスクブレーキ
パッドと、そのパッドの製造方法を提供することを課題
としている。
で平均化され、それによって制動性能や生産性に悪影響
を及ぼさずに鳴きや振動が抑制されるディスクブレーキ
パッドと、そのパッドの製造方法を提供することを課題
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、パッドの製造に際して先ず、
摩擦材の原料混合物を、含有レジンの融点以下の温度に
予熱し、次いで、予熱した原料混合物を熱金型を用いて
レジンの融点以上、本成形時の加熱温度以下の温度で予
備成形し、このとき、成形時間を制御して金型に投入し
た原料混合物の温度を全域でレジンの融点に到達させ、
しかる後、加熱加圧を行う本成形工程、後硬化のための
熱処理工程、及び仕上げ工程を経る。
め、この発明においては、パッドの製造に際して先ず、
摩擦材の原料混合物を、含有レジンの融点以下の温度に
予熱し、次いで、予熱した原料混合物を熱金型を用いて
レジンの融点以上、本成形時の加熱温度以下の温度で予
備成形し、このとき、成形時間を制御して金型に投入し
た原料混合物の温度を全域でレジンの融点に到達させ、
しかる後、加熱加圧を行う本成形工程、後硬化のための
熱処理工程、及び仕上げ工程を経る。
【0012】この方法で製造されるディスクブレーキパ
ッドは、摩擦材中に含まれるレジンが各域に平均的に浸
透し、摩擦面の硬度、気孔率の分布が各域で平均化され
ているものになる。
ッドは、摩擦材中に含まれるレジンが各域に平均的に浸
透し、摩擦面の硬度、気孔率の分布が各域で平均化され
ているものになる。
【0013】
【作用】パッド製造時に、摩擦材の原料混合物や予備成
形品を予熱することは特開平10−17677号公報に
示されるように従来から行われている。その予熱は、品
質のばらつきの原因になる含有水分量の調整、予備成形
品と本成形用熱金型との温度差に起因して発生するひび
割れの防止などを目的としてなされるが、この発明で
は、原料混合物中のレジンの浸透性を均一化する目的で
予熱を行う。この発明のポイント(特徴)はレジン融点
より僅かに高い温度で加圧しながら予備成形を行うこと
にあり、予備成形前の予熱は、予備成形の過程で外周部
と中央部の温度差を初期段階から小さくするために行
う。
形品を予熱することは特開平10−17677号公報に
示されるように従来から行われている。その予熱は、品
質のばらつきの原因になる含有水分量の調整、予備成形
品と本成形用熱金型との温度差に起因して発生するひび
割れの防止などを目的としてなされるが、この発明で
は、原料混合物中のレジンの浸透性を均一化する目的で
予熱を行う。この発明のポイント(特徴)はレジン融点
より僅かに高い温度で加圧しながら予備成形を行うこと
にあり、予備成形前の予熱は、予備成形の過程で外周部
と中央部の温度差を初期段階から小さくするために行
う。
【0014】特開平10−17677号公報では原料混
合物の予熱を行っているが、原料混合物の予熱を行って
も、レジンの融解を本成形工程で行わしめる方法を採る
とレジン浸透性を均一化することができない。その理由
は、本成形工程での加熱温度が高過ぎることにある。本
成形で用いる金型は高温(150℃前後)に加熱されて
いるので、金型に近い摩擦材の外周部はレジンの粘度が
短時間のうちに下がる。これに対し、金型から離れてい
る摩擦材の中央部は昇温が遅れ、レジンの粘度が充分に
下がらないうちに硬化反応が進む。これが原因で摩擦材
の中央部と周辺部のレジン浸透性に差ができてしまう。
合物の予熱を行っているが、原料混合物の予熱を行って
も、レジンの融解を本成形工程で行わしめる方法を採る
とレジン浸透性を均一化することができない。その理由
は、本成形工程での加熱温度が高過ぎることにある。本
成形で用いる金型は高温(150℃前後)に加熱されて
いるので、金型に近い摩擦材の外周部はレジンの粘度が
短時間のうちに下がる。これに対し、金型から離れてい
る摩擦材の中央部は昇温が遅れ、レジンの粘度が充分に
下がらないうちに硬化反応が進む。これが原因で摩擦材
の中央部と周辺部のレジン浸透性に差ができてしまう。
【0015】また、加熱時間を長くして中央部のレジン
にも充分に熱を加えようとすると、中央部のレジンの粘
度が下がる前に外周部のレジンの硬化反応が進み、ガス
抜き等がスムーズにいかなくなって中央部のレジンの浸
透が妨げられる。
にも充分に熱を加えようとすると、中央部のレジンの粘
度が下がる前に外周部のレジンの硬化反応が進み、ガス
抜き等がスムーズにいかなくなって中央部のレジンの浸
透が妨げられる。
【0016】この不具合を回避するため、この発明で
は、従来常温で行っていた予備成形を加熱下で行う。予
備成形での加熱温度は本成形での加熱温度に比べて充分
に低くすることができ、それによって外周部と中央部間
の温度勾配(温度差)を小さくすると同時に外周部が先
行して硬化することも抑制する。こうして中央部でもレ
ジンを充分に溶かし、混合された繊維、粒子、フィラー
等へのレジン浸透を促して各部の硬度、気孔率が平均化
された摩擦材を得る。
は、従来常温で行っていた予備成形を加熱下で行う。予
備成形での加熱温度は本成形での加熱温度に比べて充分
に低くすることができ、それによって外周部と中央部間
の温度勾配(温度差)を小さくすると同時に外周部が先
行して硬化することも抑制する。こうして中央部でもレ
ジンを充分に溶かし、混合された繊維、粒子、フィラー
等へのレジン浸透を促して各部の硬度、気孔率が平均化
された摩擦材を得る。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明で用いる摩擦材の原料
は、有機繊維、無機繊維、金属繊維などの繊維基材、結
合剤として用いるフェノール樹脂等のレジン、摩擦調整
剤や固体潤滑剤などの充填材を主原料とし、これ等を混
合撹拌した一般的なものでよい。
は、有機繊維、無機繊維、金属繊維などの繊維基材、結
合剤として用いるフェノール樹脂等のレジン、摩擦調整
剤や固体潤滑剤などの充填材を主原料とし、これ等を混
合撹拌した一般的なものでよい。
【0018】この原料混合物を、先ず、含有レジンの融
点未満の温度で予熱する。その予熱温度がレジンの融点
を越えるとレジンが融けて硬化反応が起こり、後の作業
に支障をきたす。また、予熱温度が低過ぎると予熱の効
果が薄れる。この予熱温度は、50℃程度が好ましい。
点未満の温度で予熱する。その予熱温度がレジンの融点
を越えるとレジンが融けて硬化反応が起こり、後の作業
に支障をきたす。また、予熱温度が低過ぎると予熱の効
果が薄れる。この予熱温度は、50℃程度が好ましい。
【0019】次に、予熱した原料混合物を熱金型を用い
て予備成形する。このときの温度は、レジンを溶かして
浸透させることを狙っているので、レジンの融点よりも
高くする。その温度の上限は、本成形時の温度よりも低
くする。そうしないと加熱予備成形を行う意味が無くな
る。レジンの硬化反応を抑えるために好ましくは、(レ
ジンの融点温度+40℃)程度を上限とし、それ以下の
温度に加熱する。
て予備成形する。このときの温度は、レジンを溶かして
浸透させることを狙っているので、レジンの融点よりも
高くする。その温度の上限は、本成形時の温度よりも低
くする。そうしないと加熱予備成形を行う意味が無くな
る。レジンの硬化反応を抑えるために好ましくは、(レ
ジンの融点温度+40℃)程度を上限とし、それ以下の
温度に加熱する。
【0020】加熱時間は、予備成形品の全域がレジンの
融点に達するまでとする。その時間が必要以上に長い
と、レジンの硬化が進行して好ましくない。
融点に達するまでとする。その時間が必要以上に長い
と、レジンの硬化が進行して好ましくない。
【0021】成形圧力は、0.05MPa以下であると
充分な成形ができない。
充分な成形ができない。
【0022】この加熱予備成形を終えた後、本成形工
程、後硬化のための熱処理工程、仕上げ工程を経てブレ
ーキパッドを得る。
程、後硬化のための熱処理工程、仕上げ工程を経てブレ
ーキパッドを得る。
【0023】以下に、より詳細な実施例を示す。図1に
示すディスクブレーキパッド1を、この発明の方法と、
従来法で製造した。
示すディスクブレーキパッド1を、この発明の方法と、
従来法で製造した。
【0024】両方法とも、摩擦材の原料混合物は、レジ
ンとしてフェノール樹脂(融点80℃)を10重量%含
むものを用いた。
ンとしてフェノール樹脂(融点80℃)を10重量%含
むものを用いた。
【0025】この原料混合物を、この発明の方法では加
熱予備成形し、従来法では常温下で予備成形した。
熱予備成形し、従来法では常温下で予備成形した。
【0026】このときの予備成形条件は、以下の通りで
ある。 この発明の方法における加熱温度:100℃ 成形圧:10MPa 成形時間:5分間 この後、両方法で得られた摩擦材の予備成形品を、熱金
型を用いて本成形し、裏板2に接着させた。本成形時の
条件は、この発明の方法、従来法とも加熱温度150
℃、成形圧力10MPa、成形時間5分とした。そして
更に、200℃で10時間加熱してレジンの後硬化を行
い、終段の形状仕上げ工程を経て図1のブレーキパッド
を得た。
ある。 この発明の方法における加熱温度:100℃ 成形圧:10MPa 成形時間:5分間 この後、両方法で得られた摩擦材の予備成形品を、熱金
型を用いて本成形し、裏板2に接着させた。本成形時の
条件は、この発明の方法、従来法とも加熱温度150
℃、成形圧力10MPa、成形時間5分とした。そして
更に、200℃で10時間加熱してレジンの後硬化を行
い、終段の形状仕上げ工程を経て図1のブレーキパッド
を得た。
【0027】そのパッドについて、摩擦材3の図1I、
II、III 部の硬度と気孔率を調べた。その結果を図2、
図3に示す。図2は、この発明の方法で製造したパッ
ド、図3は従来法で製造したパッド(比較品)の各部に
おける硬度、気孔率の差である。
II、III 部の硬度と気孔率を調べた。その結果を図2、
図3に示す。図2は、この発明の方法で製造したパッ
ド、図3は従来法で製造したパッド(比較品)の各部に
おける硬度、気孔率の差である。
【0028】これから判るように、この発明の方法によ
れば、摩擦材の外周部I、III と中央部IIの硬度、気孔
率の差が小さくなる。また、外周部I、III は、比較品
よりも硬度が低下し、気孔率は比較品よりも高くなって
おり、そのため、比較品に比べて鳴きや振動が生じ難
い。また、摩擦材の各部の物性が近似しているため、制
動性能の悪化や製造の複雑化なども起こらない。
れば、摩擦材の外周部I、III と中央部IIの硬度、気孔
率の差が小さくなる。また、外周部I、III は、比較品
よりも硬度が低下し、気孔率は比較品よりも高くなって
おり、そのため、比較品に比べて鳴きや振動が生じ難
い。また、摩擦材の各部の物性が近似しているため、制
動性能の悪化や製造の複雑化なども起こらない。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、摩擦材原料の予熱、
加熱予備成形を行うこの発明の方法によれば、レジンの
浸透が摩擦材の中央部でも良好になされ、物性のばらつ
きが少なくて鳴きや振動を生じ難いブレーキパッドが得
られる。
加熱予備成形を行うこの発明の方法によれば、レジンの
浸透が摩擦材の中央部でも良好になされ、物性のばらつ
きが少なくて鳴きや振動を生じ難いブレーキパッドが得
られる。
【0030】また、各部の物性を平均化させて鳴きを抑
えるので、制動性能もより安定したパッドが得られる。
えるので、制動性能もより安定したパッドが得られる。
【0031】さらに、金型の温度や原料の充填密度に差
をつける必要がなく、製造の複雑化も回避される。
をつける必要がなく、製造の複雑化も回避される。
【図1】ディスクブレーキパッドの一例を示す正面図
【図2】この発明の方法で製造した図1のパッドの硬度
と気孔率の分布を示す図
と気孔率の分布を示す図
【図3】従来法で製造した図1のパッドの硬度と気孔率
の分布を示す図
の分布を示す図
1 ディスクブレーキパッド 2 裏板 3 摩擦材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 BA21 BA23 CA02 FA01 FA11 GA55 GA64 GA65 GA85 GA88 GA92 4F071 AA01 AA41 AD01 AF25 DA01 DA04 DA12 DA13 DA14 DA15 4F204 AA37 AB11 AB16 AH17 FA01 FB01 FG07 FN11 FN15 FW05 FW24
Claims (2)
- 【請求項1】 摩擦材の原料混合物を、含有レジンの融
点以下の温度に予熱し、次いで、予熱した原料混合物を
熱金型を用いてレジンの融点以上、本成形時の加熱温度
以下の温度で予備成形し、このとき、成形時間を制御し
て金型に投入した原料混合物の温度を全域でレジンの融
点に到達させ、しかる後、加熱加圧を行う本成形工程、
後硬化のための熱処理工程、及び仕上げ工程を経るディ
スクブレーキパッドの製造方法。 - 【請求項2】 摩擦材中に含まれるレジンが各域に平均
的に浸透し、摩擦面の硬度、気孔率の分布が各域で平均
化されている請求項1記載の方法で製造されたディスク
ブレーキパッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000341766A JP2002144359A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | ディスクブレーキパッド及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000341766A JP2002144359A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | ディスクブレーキパッド及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002144359A true JP2002144359A (ja) | 2002-05-21 |
Family
ID=18816458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000341766A Pending JP2002144359A (ja) | 2000-11-09 | 2000-11-09 | ディスクブレーキパッド及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002144359A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056959A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Nisshinbo Ind Inc | 摩擦部材の製造方法 |
-
2000
- 2000-11-09 JP JP2000341766A patent/JP2002144359A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007056959A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Nisshinbo Ind Inc | 摩擦部材の製造方法 |
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