JP2002144250A - 切替え式異径ねじ締結工具 - Google Patents

切替え式異径ねじ締結工具

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JP2002144250A
JP2002144250A JP2000343380A JP2000343380A JP2002144250A JP 2002144250 A JP2002144250 A JP 2002144250A JP 2000343380 A JP2000343380 A JP 2000343380A JP 2000343380 A JP2000343380 A JP 2000343380A JP 2002144250 A JP2002144250 A JP 2002144250A
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JP
Japan
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tool shaft
screw
tool
engaging
shaft
Prior art date
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JP2000343380A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Koba
博 木葉
Akinori Shiyutou
彬令 周藤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】径の異なる複数種類のねじに対して選択的に係
合し、そのねじに締付け又は弛めのためのトルクを伝達
する切替え式異径ねじ締結工具を提供する。 【解決手段】筒状の第1工具軸1の先端に大径ねじの頭
部に係合する嵌合孔10を形成し、この第1工具軸1に
進退可能に挿入し且つこの第1工具軸1と一体になって
回転するように設けた第2工具軸2の先端部に小径ねじ
の頭部に係合する係合部を設ける。この係合部は複数の
係合部材8によって構成する。各係合部材8は、工具軸
本体とは結合せずに別体にし、この工具軸本体に対して
共に進退するように係合させ、上記嵌合孔10を大径ね
じの頭部に係合させるときに後退させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、径の異なる複数種
類のねじに対して選択的に係合し、そのねじに締付け又
は弛めのためのトルクを伝達するための切替え式異径ね
じ締結工具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の締結工具の一例が特開平8−2
57927号公報に記載されている。その締結工具は、
ナットランナーの回転駆動軸に結合される外方ソケット
と、そのソケット内に軸方向に進退可能に収容され且つ
スプリングで使用位置に前進付勢された内方ソケットと
を備えている。
【0003】外方ソケットの先端部内面は断面略六角形
に形成され、その周方向に120度の角度ピッチで配設
された3面が大径ボルトの六角頭(又は六角ナット。以
下、同じ。)に係合する係合面とされている。残り3面
の各々には軸方向に延びる収容溝が形成されている。
【0004】内方ソケットは、ソケット本体と、その先
端より前方へ突出した3つの板状の係合部とを備えてい
る。これら係合部はソケット周方向に120度の角度ピ
ッチをおいて設けられ、且つソケット本体と一体になっ
ている。この3つの板状係合部は、小径ボルトの六角頭
に係合するものであって、上記外方ソケットの3つの収
容溝に進退自在に収容されている。
【0005】上記締結工具によって大径ボルトにトルク
を伝達するときは、このボルトの六角頭に外方ソケット
を嵌合させて、その3つの係合面を当該六角頭の側面に
係合させるものである。この嵌合時に、その六角頭によ
って内方ソケットをスプリングの付勢に抗して後退させ
ることになる。小径ボルトにトルクを伝達するときは、
このボルトの六角頭に内方ソケットを嵌合させて、その
3つの板状係合部の内面を当該六角頭の側面に係合させ
るようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の如き締
結工具では、3つの板状係合部が内方ソケット本体と一
体になっている。すなわち、3つの板状係合部が内方ソ
ケットを介してリジットに繋がっている。従って、適用
するボルトの六角頭の寸法誤差や当該ソケットの嵌合不
良等があると、3つの板状係合部の一つにトルク反力が
集中し易い。そのためにその板状係合部の根元に割れが
入って破損するおそれがある。そのような破損を生じた
場合、内方ソケットの全体を新しいものに交換する必要
があり、コスト上昇の一因となる。
【0007】本発明は、かかる点に鑑み、径の異なる2
種類以上のねじに選択的に適用することができる締結工
具の耐久性を向上させることを課題とする。
【0008】また、本発明は、締結工具に故障があって
も一部の部品の交換で対応できるようにすることを課題
とする。
【0009】また、本発明は、一つの締結工具を径の異
なる3種類のねじに適用できるようにすることを課題と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題に対して、締結工具の小径ねじに適用すべき係合部分
を工具本体部分とは別個に形成し、且つ本体部分と係合
部分とを非結合にして、その解決を図った。
【0011】すなわち、請求項1に係る発明は、径の異
なる複数種類のねじに対して選択的に係合し、そのねじ
に締付け又は弛めのためのトルクを伝達するための切替
え式異径ねじ締結工具であって、先端に第1ねじに係合
する係合部を有し、回転駆動される第1工具軸と、先端
に上記第1ねじよりも小径の第2ねじに係合する係合部
を有し、上記第1工具軸と共に回転するように且つ軸方
向に進退可能に設けられた第2工具軸と、上記第1ねじ
にトルクを伝達するときに上記第2工具軸を該第1ねじ
に干渉しないように後退させた位置で上記第1工具軸に
固定する固定手段とを備え、上記第2工具軸の係合部
は、該第2工具軸本体とは結合されず別体になされて軸
心回りに配置された複数の係合部材によって構成され、
上記各係合部材は、上記該第2工具軸本体に係合してい
ることを特徴とする。
【0012】従って、小径の第2ねじに締付け又は弛め
のためのトルクを伝達するときは、第2工具軸の複数の
係合部材を当該第2ねじの被係合部(例えば、ボルト頭
部やナット)に係合し、第1工具軸を回転駆動すること
になる。これにより、第2工具軸が第1工具軸と共に回
転し、各係合部材から当該第2ねじにトルクが伝えられ
る。
【0013】各係合部材にはトルク反力が作用するが、
これらは第2工具軸本体とは結合されておらず別体にな
っているから、仮に第2ねじの被係合部に大小の寸法誤
差があっても、係合部材と第2工具軸本体との係合部分
の径方向や軸心回りの方向(工具軸と直交する方向)の
遊びの範囲で当該係合部材がずれ動くことにより、その
誤差が吸収される。従って、トルク反力が1本の係合部
材に集中することが少なくなる。また、仮に1本の係合
部材にトルク反力が集中するような状態になっても、各
係合部材は工具軸本体に対して結合されておらず、径方
向や軸心回りの方向の遊びの範囲で当該係合部材がずれ
動くことができるから、従来のような係合部が根元から
折れて工具軸が破壊するという問題はない。また、係合
部材自体に変形等の損傷を生じた場合は、その損傷した
係合部材のみを新しいものと交換すればよく、第2工具
軸全体を交換する必要がない。
【0014】大径の第1ねじにトルクを伝達するとき
は、第2工具軸を第1ねじに干渉しないように後退させ
て第1工具軸に固定し、その状態で第1工具軸の係合部
を当該第1ねじの被係合部に係合させればよい。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1に記載さ
れている切替え式異径ねじ締結工具において、上記第1
工具軸が上記係合部材からトルク反力の一部を受けるよ
うに該係合部材に係合していることを特徴とする。
【0016】これによれば、各係合部材に加わるトルク
反力は第1工具軸と第2工具軸本体とで分散して受けら
れるから、第1工具軸又は第2工具軸本体の工具寿命が
延びる。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載されている切替え式異径ねじ締結工具におい
て、上記第2工具軸本体の先端部外周面に当該工具軸と
直交する方向に延びる溝が形成され、該溝に上記係合部
材が嵌まっていることを特徴とする。
【0018】これにより、係合部材を第2工具軸本体と
共に第1工具軸に対して進退させることができ、係合部
材を小径の第2ねじに係合させることができるととも
に、第1工具軸を大径の第1ねじに係合させるときに、
上記係合部材を第1ねじに干渉しないように後退させる
ことができる。
【0019】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一に記載されている切替え式異径ねじ締
結工具において、上記第1工具軸は筒状であって、その
先端部内周面に上記第1ねじに係合する係合面が形成さ
れているとともに、この係合面に軸方向に延びる複数の
溝が周方向に間隔をおいて形成され、該溝に上記係合部
材が軸方向に進退自在に嵌められていることを特徴とす
る。
【0020】従って、係合部材に作用するトルク反力が
第1工具軸に確実に伝わることになり、締め付けトルク
を高める上で有利になり、また、工具の耐久性向上にも
有利になる。
【0021】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれか一に記載されている切替え式異径ねじ締
結工具において、先端に上記第2ねじよりも小径の第3
ねじに係合する係合部を有し、上記第1工具軸と共に回
転するように且つ軸方向に進退可能に設けられた第3工
具軸と、上記第1ねじにトルクを伝達するときに上記第
3工具軸を該第1ねじに干渉しないように後退させた位
置で上記第1工具軸に固定する固定手段とを備え、上記
第3工具軸の係合部は、該第3工具軸本体とは結合され
ず別体になされた複数の係合部材によって構成され、上
記第2工具軸の係合部材と第3工具軸の係合部材とは、
軸心回りに交互に配置され、上記第3工具軸の各係合部
材は、該第3工具軸本体に係合していることを特徴とす
る。
【0022】これにより、一つの締結工具を、大径の第
1ねじ、小径の第2ねじ及び該第2ねじよりも小径の第
3ねじ、という径の異なる3種類のねじに選択的に適用
することができる。また、第2工具軸及び第3工具軸の
各係合部材には各々の使用時にトルク反力が作用する
が、これらは工具軸本体とは結合されておらず別体にな
っているから、従来のような係合部が根元から割れて工
具軸が破壊するという問題はない。また、係合部材に変
形等の損傷を生じた場合は、その損傷した係合部材のみ
を新しいものと交換すればよく、工具軸全体を交換する
必要がない。
【0023】請求項6に係る発明は、請求項5に記載さ
れている切替え式異径ねじ締結工具において、上記第2
工具軸の係合部材及び第3工具軸の係合部材はピン状に
形成されていることを特徴とする。
【0024】第2工具軸及び第3工具軸の各々の係合部
材がピン状であれば、係合部材の強度を確保しながらそ
の配置スペースを小さくする上で有利になり、軸心回り
に当該2種類の係合部材を配置することが容易になる。
また、第1工具軸の係合面に係合部材用の溝を形成する
場合、その溝の形成によって係合面の第1ねじに対する
接触面積が狭くなるが、ピン状の係合部材であれば、当
該溝幅が狭くなり、第1ねじの締付けに充分な接触面積
を確保する上で有利になる。
【0025】請求項7に係る発明は、径の異なる複数種
類のねじに対して選択的に係合し、そのねじに締付け又
は弛めのためのトルクを伝達するための切替え式異径ね
じ締結工具であって、先端部に第1ねじにトルクを伝達
するように嵌合する嵌合部が形成された回転駆動される
工具軸と、上記第1ねじよりも小径の第2ねじに係合す
る係合部を有し、上記工具軸の嵌合部の内側を軸方向に
進退可能に設けられ、且つ前進方向に付勢された複数の
係合部材と、上記第2ねじよりも小径の第3ねじに係合
する係合部を有し、上記工具軸の嵌合部の内側を軸方向
に進退可能に設けられ、且つ前進方向に付勢された複数
の係合部材とを備え、上記第2ねじ用の係合部材と第3
ねじ用の係合部材とは上記軸部の回りに交互に配置され
ていることを特徴とする。
【0026】この発明の場合、第2ねじにトルクを伝達
するときは、これに第2ねじ用係合部材を係合させ、第
3ねじにトルクを伝達するときは、これに第3ねじ用係
合部材を係合させる。第1ねじにトルクを伝達するとき
は、工具軸の嵌合部を当該第1ねじに嵌合させるが、そ
のとき、第1ねじによって第2ねじ用及び第3ねじ用の
各係合部材を前進付勢力に抗して後退させることにな
る。
【0027】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、大径の第
1ねじ用の第1工具軸と、小径の第2ねじ用の第2工具
軸とを備え、該第2工具軸の係合部を、工具軸本体とは
結合されず別体になされて軸心回りに配置された複数の
係合部材によって構成し、これらの係合部材を該工具軸
本体に係合させているから、当該締結工具を径の異なる
2種類のねじに対して選択的に適用することができると
ともに、従来のような係合部が根元から割れて工具軸が
破壊するという問題がなくなり、しかも、係合部材が損
傷した場合は、その損傷した係合部材のみを新しいもの
と交換すればよく、第2工具軸全体を交換する必要がな
く、経済的になる。
【0028】請求項2に係る発明によれば、上記第1工
具軸が上記係合部材からトルク反力の一部を受けるよう
に該係合部材に係合しているから、各係合部材に加わる
トルク反力は第1工具軸と第2工具軸本体とで分散して
受けられることになり、第1工具軸又は第2工具軸本体
の工具寿命が延びる。
【0029】請求項3に係る発明によれば、上記第2工
具軸本体の先端部外周面に当該工具軸と直交する方向に
延びる溝が形成され、該溝に上記係合部材が嵌まってい
るから、係合部材を第2工具軸本体と共に第1工具軸に
対して進退させることができ、第1工具軸を大径の第1
ねじに係合させるときに、上記係合部材を第1ねじに干
渉しないように後退させることができる。
【0030】請求項4に係る発明によれば、上記第1工
具軸を筒状としてその先端部内周面に上記第1ねじに係
合する係合面を形成し、この係合面に軸方向に延びる複
数の溝を周方向に間隔をおいて形成し、該溝に上記係合
部材を嵌めているから、係合部材に作用するトルク反力
が第1工具軸に確実に伝わり、締め付けトルクを高める
上で有利になるとともに、工具の耐久性向上にも有利に
なる。
【0031】請求項5に係る発明によれば、さらに、上
記第2ねじよりも小径の第3ねじ用の第3工具軸を設
け、該第3工具軸の係合部を第2工具軸と同様に工具軸
本体とは別体・非結合の複数の係合部材によって構成し
て、第2工具軸の係合部材と第3工具軸の係合部材とを
軸心回りに交互に配置したから、一つの締結工具を径の
異なる3種類のねじに選択的に適用することができ、ま
た、従来のような係合部が根元から割れて工具軸が破壊
するという問題がなくなり、しかも、係合部材が損傷し
た場合は、その損傷した係合部材のみを新しいものと交
換すればよく、工具軸全体を交換する必要がなく、経済
的になる。
【0032】請求項6に係る発明によれば、上記第2工
具軸の係合部材及び第3工具軸の係合部材はピン状に形
成されているから、軸心回りに当該2種類の係合部材を
配置することが容易になり、また、第1工具軸の係合面
に係合部材用の溝を形成する場合、その溝の形成によっ
て係合面の第1ねじに対する接触面積が狭くなるが、ピ
ン状の係合部材であれば、当該溝幅が狭くなり、第1ね
じの締付けに充分な接触面積を確保する上で有利にな
る。
【0033】請求項7に係る発明によれば、工具軸の第
1ねじ用嵌合部の内側において、小径の第2ねじ用の係
合部材とさらに小径の第3ねじ用の係合部材とを軸部回
りに交互に配置し、これら係合部材を軸方向に進退可能
にするとともに、前進方向に付勢したから、一つの締結
工具を径の異なる3種類のねじに選択的に適用すること
ができ、第1ねじにトルクを伝達するときは、その第1
ねじによって第2ねじ用及び第3ねじ用の各係合部材を
それらの前進付勢力に抗して後退させればよく、操作が
簡単である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0035】<実施形態1> −全体構成− 図1に本形態に係る切替え式異径ねじ締結工具の全体構
成を示す。同図において、符号1は大径の第1ねじに適
用する筒状の第1工具軸を示す。この第1工具軸1の内
に小径の第2ねじに適用する第2工具軸2が軸方向に進
退可能に且つスプリング3で前進方向に付勢して収容さ
れている。また、当該締結工具は、第2工具軸2を前進
させた使用位置と後退させた非使用位置とで第1工具軸
1に固定するための固定手段4と、第2工具軸2を後退
させるための操作筒5とを備えている。第1工具軸1の
基端に締結装置本体(ナットランナー)の駆動軸6が結
合されるようになっている。
【0036】−第1工具軸1の係合部の説明− 第1工具軸1の先端部には図2に示す大径の第1ねじ1
1の六角頭に係合する嵌合孔10が形成されている。す
なわち、図2及び図3(a)に示すように、嵌合孔10
は、第1ねじ11の六角頭が嵌合し得るように横断面形
状が略六角形に形成されている。この場合、六角嵌合孔
10を構成する内周面の周方向に一つおきに存する三面
が当該六角頭の3つの側面に係合する(当接する)係合
面7に形成されている。六角筒孔を構成する残り三面に
は、第2工具軸2の係合部材8を嵌めるための溝9が形
成されている。この嵌合溝9は、浅い「コ」の字形断面
に形成され、当該六角形の一辺と同じ幅で軸方向に延び
ている。また、第1工具軸1の先端部には2つの永久磁
石15,16が埋め込まれていて、その一つは上記係合
面7に面一になるように露出し、他の一つは上記嵌合溝
9の底面に面一になるように露出している。
【0037】−第2工具軸2の係合部等の説明− 第2工具軸2の先端部には、図4に示す小径の第2ねじ
12の六角頭に係合する係合部を形成する3つの強磁性
の係合部材8が設けられている。
【0038】すなわち、図2に示すように、第2工具軸
本体2aの先端部は、上記第1工具軸1の嵌合孔の3つ
の係合面7に摺動自在に嵌合するように、横断面六角形
に形成されている。この第2工具軸本体2aの先端部の
周方向に一つおきに存する3つの側面に軸方向と直交す
る方向に横切る嵌合溝17が形成されている。一方、係
合部材8は、上記第1工具軸1の嵌合溝9に嵌合するよ
うに第2工具軸本体2aの当該六角形の一辺と同じ幅で
軸方向に延びる矩形板状のものである。この係合部材8
の基端部(第2工具軸2の基端側に存する部分)に軸方
向と直交する方向に横切る嵌合溝18が形成されてい
る。そうして、第2工具軸本体2aと係合部材8とは、
互いの顎部17a,18aを相手側の嵌合溝18,17
に嵌めることによって係合している。
【0039】従って、各係合部材8は、第1工具軸1及
び第2工具軸本体2aの各々に係合し、この両者に保持
された状態になっている。
【0040】上記3つの係合部材8は、第2工具軸本体
2aに係合することによって、各々の内面が当該本体2
aの外面よりも内側に突出しており、この3つの内面が
第2ねじ12の六角頭の周方向にひとつおきに存する3
つの側面に係合する(当接する)係合面となっている。
【0041】また、第2工具軸本体2aの中心部には永
久磁石19を保持する磁石保持部材21が該本体2aの
先端面より出没自在に設けられている。すなわち、図1
に示すように、この本体2aの中心部にはその先端面に
開口する穴22が形成されている。この穴22に上記磁
石保持部材21が収容され、且つスプリング23により
突出方向に付勢されている。また、穴22の先端部内周
面には、磁石保持部材21の突出量を規制するスナップ
リング24が嵌められている。
【0042】−固定手段4の説明− 固定手段4は、図1に示すように、第1工具軸1に設け
られたボール27と、第2工具軸2の外周面に形成され
た前側及び後側の周回溝28,29と、ボール27を周
回溝28又は29に押し当てるための筒31とを備えて
いる。ボール27は第1工具軸1の筒壁を貫通する孔3
2に収容されている。ボール27が後側の周回溝29に
押し当てられたときに第2工具軸2が前進使用位置に位
置付けて固定され、前側の周回溝28に押し当てられた
ときに第2工具軸2が後退非使用位置に位置付けて固定
されるように周回溝28,29の前後間隔が定められて
いる。
【0043】上記第2工具軸2は、その前進使用位置で
は、上記3つの係合部材8はその先端面が第1工具軸1
の先端面と略面一になり、非使用位置では係合部材8の
先端が第1工具軸1の先端から所定量後退した位置にな
る。この所定量は大径の第1ねじ11の頭部の高さ以上
の大きさである。
【0044】筒31は第1工具軸1に進退可能に外嵌め
されている。この筒31の内周面に上記ボール27の突
出を阻止する(ボール27を周回溝28又は29に押し
当てる)周回突条33が形成されている。周回突条33
の前面は前傾したカム面に形成されている。第1工具軸
1の外周面には筒31の後方位置に止め輪34が嵌めら
れ、この止め輪34と周回突条33との間にスプリング
35が設けられている。筒31は、このスプリング35
によって周回突条33が上記ボール27の上に位置付け
られるように前進付勢されている。また、第1工具軸1
の外周面には、筒31の周回突条33の過剰な前進を阻
止する段部(ストッパ)36が形成されている。
【0045】−第2工具軸2の後退手段の説明− 第2工具軸2を後退させるための操作筒5は、上記固定
手段4の後方において第1工具軸1に進退可能に外嵌め
されている。この操作筒5は、第1工具軸1と第2工具
軸2とを両者が一体になって回転するように結合するピ
ン37を利用して、第2工具軸2をスプリング3の付勢
に抗して後退させるものである。
【0046】すなわち、第1工具軸1の筒壁には、図1
に示すように軸方向に延び且つ図5に示すように軸方向
と直交する方向に相対する長孔38,38が形成されて
いる。第2工具軸2の後端部にはその軸心と直交するピ
ン孔39が形成されている。操作筒5にもその軸心と直
交する方向に相対するピン孔41,41が形成されてい
る。そうして、これら長孔38、ピン孔39,41に上
記ピン37が通され、このピン37の抜けを防止するた
めのゴムリング42が操作筒5に嵌められている。操作
筒5の外周面にはゴムリング42嵌合用の溝40が形成
されている。
【0047】従って、第2工具軸2と操作筒5とはピン
37によって係合しているから、操作筒5を後退させる
と、これに伴われて第2工具軸2が後退し、その際のピ
ン37の後退動が第1工具軸1の長孔38によって許容
されることになる。但し、第2工具軸2を後退させるに
は、スプリング35の付勢に抗して筒31を後退させる
ことにより、ボール27の後側周回溝29に対する押し
付けを解除する必要がある。その解除を行なった状態で
図1(b)に示すように、操作筒5により第2工具軸2
を後退させてボール27を前側の周回溝28に係合させ
ることになる。このボール27はスプリング35の付勢
によって前進した筒31によって当該周回溝28に押し
付けられるから、それによって第2工具軸2は後退位置
に保持される。
【0048】−第1工具軸1のナットランナーへの連結
− 第1工具軸1の後端面には結合孔43が開口している。
図2(b)に示すように、第1工具軸1には結合孔43
に直交するピン孔44,44が形成され、ナットランナ
ーの駆動軸6にも同様にピン孔が形成されている。この
両軸1,4は、互いのピン孔を合わせこの両者にピン4
6を通すことにより結合される。第1工具軸1にはピン
46の抜けを阻止するためのゴムリング47が嵌められ
る。
【0049】−締結工具の使用− 大径の第1ねじ11にナットランナーによる駆動トルク
を伝達するには、図1(b)に示すように、第2工具軸
2を後退非使用位置に位置付ける。これにより、第2工
具軸2が第1ねじ11に干渉することがなくなる。その
状態で第1工具軸1の嵌合孔10を第1ねじ11の六角
頭に嵌合する(図2参照)。これにより、嵌合孔10の
3つの係合面7が当該六角頭の3つの側面に係合する。
このとき、当該六角頭は第1工具軸1の係合面7に露出
した永久磁石15に引かれて保持される。従って、ナッ
トランナーを駆動すると、駆動軸6から駆動トルクが第
1工具軸1を介して第1ねじ11に伝わり、この第1ね
じ11をワークに締付け又は弛めることができる。
【0050】小径の第2ねじ12に駆動トルクを伝達す
るには、まず、図1(b)に示す状態から筒31をスプ
リング35の付勢に抗して後退させる。これにより、ボ
ール27による第1工具軸1に対する第2工具軸2の固
定が解除され、第2工具軸2が操作筒5と共にスプリン
グ3の付勢によって前進し、図1(a)に示すように、
ボール27が後側の周回溝29に嵌まる。
【0051】筒31は、これに与えていた後退力を解除
すると、スプリング35の付勢によって前進し、周回突
条33のカム面がボール27を内方向へ押え込みながら
その上を通過し、段部36に当たって止まる。これによ
り、ボール27は周回溝29に押し付けられた状態にな
る。すなわち、第2工具軸2は前進使用位置に固定され
る。
【0052】係合部材8は第2工具軸2と直交する方向
に延びる嵌合溝17,18によって工具軸本体2aに係
合しているから、該工具軸本体2aと共に第1工具軸1
に対して進退することになる。
【0053】第2工具軸2が前進使用位置になると、図
4に示すように3つの係合部材8の先端面が第1工具軸
1の先端面と略面一になる。
【0054】そこで、第2工具軸2の3つの係合部材8
を第2ねじ12の六角頭に嵌合する。これにより、当該
3つの係合部材8の内面が六角頭の3つの側面に係合す
る。このとき、磁石保持部材21は当該六角頭の頂面で
押されてスプリング23の付勢に抗して後退する。そう
して、当該第2ねじ12は、その六角頭の頂面が磁石保
持部材21の永久磁石19に吸着されるとともに、その
六角頭の側面が第1工具軸1の嵌合溝9の底面に露出し
た永久磁石16に一つの係合部材8を介して引かれて、
第2工具軸2に保持される。
【0055】従って、ナットランナーを駆動すると、駆
動軸6から駆動トルクが第1工具軸1及び第2工具軸2
を介して第2ねじ12に伝わり、この第2ねじ12をワ
ークに締付け又は弛めることができる。
【0056】第2ねじ12へのトルク伝達に伴って3つ
の係合部材8はトルク反力を受けるが、これら係合部材
8は第2工具軸本体2aとは結合されておらず別体にな
っているから、仮に第2ねじ12の頭部に大小の寸法誤
差があっても、係合部材8と第2工具軸本体2aとの係
合部分の遊びで当該係合部材8がずれ動くことによりそ
の誤差が吸収される。従って、トルク反力が1本の係合
部材8に集中することが少なくなる。また、仮に1本の
係合部材8にトルク反力が集中するような状態になって
も、この係合部材8は工具軸本体2aに対して結合され
ていないから、従来のような係合部が根元から折れて工
具軸が破壊するという問題はない。
【0057】また、上記係合部材8は、第2工具軸本体
2aに嵌合溝17,18によって係合し且つ第1工具軸
1の嵌合溝9に嵌合して、該第1工具軸1と第2工具軸
本体2aとによって保持されているから、上記トルク反
力は、係合部材8を介して第1工具軸1と第2工具軸本
体2aとに分散して受けられる。特に、係合部材8の両
側面と第1工具軸1の嵌合溝9の両側面とが係合部材8
の回転方向において相対しているから、上記トルク反力
は主として第1工具軸1で受けられることになる。
【0058】従って、上記係合部材8と第2工具軸本体
2aとの係合部に作用する力は小さなものになり、該係
合部の破壊が避けられるとともに、第1工具軸1と第2
工具軸本体2aとを回転方向に連結するピン37、長孔
38、ピン孔39に加わる力も小さなものになり、第1
工具軸1及び第2工具軸2の耐久性確保に有利になる。
【0059】また、係合部材8自体に変形等の損傷を生
じた場合は、その損傷した係合部材8のみを新しいもの
と交換すればよく、第2工具軸2の全体を交換する必要
がない。
【0060】<実施形態2>本実施形態の実施形態1と
異なる部分は図6〜図8に示されている。
【0061】−全体構成− 図6に全体構成を示すように、本実施形態の締結工具
も、実施形態1と同様に大径の第1ねじに適用する筒状
の第1工具軸1の内に小径の第2ねじに適用する第2工
具軸2が軸方向に進退可能に且つスプリング3で前進方
向に付勢して収容され、第2工具軸2を前進させた使用
位置と後退させた非使用位置とで第1工具軸1に固定す
るための固定手段4と、第2工具軸2を後退させるため
の操作筒5とを備え、第1工具軸1の基端に締結装置本
体(ナットランナー)の駆動軸6が結合されるようにな
っている。
【0062】−第1工具軸1の説明− 第1工具軸1は、工具軸本体1aと、この工具軸本体1
aの前端部に連結されて前方へ突出したソケット1bと
からなる。ソケット1bの先端部には実施形態1と同様
に図2に示す大径の第1ねじ11の六角頭に嵌合する嵌
合孔10が形成されている。すなわち、図2及び図7
(a)に示すように、嵌合孔10は、第1ねじ11の六
角頭が嵌合し得るように横断面形状が略六角形に形成さ
れている。この場合、六角嵌合孔10を構成する内周面
の周方向に一つおきに存する三面が当該六角頭の3つの
側面に係合する(当接する)係合面7に形成されてい
る。六角筒孔を構成する残り三面には、第2工具軸2の
係合部材8を嵌めるための溝9が形成されている。この
嵌合溝9は、浅い「コ」の字形断面に形成され、当該六
角形の一辺と同じ幅で軸方向に延びている。また、ソケ
ット1bの先端部には2つの永久磁石15,16が埋め
込まれていて、その一つは上記係合面7に面一になるよ
うに露出し、他の一つは上記嵌合溝9の底面に面一にな
るように露出している。
【0063】工具軸本体1aとソケット1bとは、図6
及び図7bに示すように、互いの外周面と内周面とを断
面多角形にして嵌合させることにより、相対回転不能に
連結され、また、ボール(鋼球)51によって軸方向に
相対移動しないように連結されている。
【0064】すなわち、工具軸本体1aには筒壁を貫通
する孔52が形成され、この孔52に上記ボール51が
収容されている。一方、ソケット1bの後端部の上記貫
通孔に対応する部位にはこのソケット1bの内周を周回
する溝53が形成されている。そうして、この周回溝5
3に上記貫通孔52のボール51が嵌まることによって
工具軸本体1aとソケット1bとは軸方向に連結されて
いる。ボール51は、工具軸本体1aに差し込まれた第
2工具軸2の外周面によって内側へ抜けないように支持
されて、上記周回溝53に押し付けられている。すなわ
ち、第2工具軸2を工具軸本体1aから抜くとボール5
1は貫通孔52から内側へ抜け、工具軸本体1aとソケ
ット1bとの連結が外れることになる。
【0065】また、工具軸本体1aの先端部1cの外周
面は図7bに破線で示すように断面六角形に形成されて
いる。一方、ソケット1bの孔の後端部1dも同様の断
面六角形に形成されて工具軸本体1aの上記断面六角形
の部位1cに嵌合している。
【0066】−第2工具軸2の係合部等の説明− 第2工具軸2は実施形態1と同じものである。すなわ
ち、第2工具軸2の先端部には、図4に示す小径の第2
ねじ12の六角頭に係合する係合部を形成する3つの強
磁性の係合部材8が設けられている。
【0067】すなわち、図2に示すように、第2工具軸
本体2aの先端部は、上記第1工具軸1の嵌合孔の3つ
の係合面7に摺動自在に嵌合するように、横断面六角形
に形成されている。この第2工具軸本体2aの先端部の
周方向に一つおきに存する3つの側面に軸方向と直交す
る方向に横切る嵌合溝17が形成されている。一方、係
合部材8は、上記第1工具軸1の嵌合溝9に嵌合するよ
うに第2工具軸本体2aの当該六角形の一辺と同じ幅で
軸方向に延びる矩形板状のものである。この係合部材8
の基端部(第2工具軸2の基端側に存する部分)に軸方
向と直交する方向に横切る嵌合溝18が形成されてい
る。そうして、第2工具軸本体2aと係合部材8とは、
互いの顎部17a,18aを相手側の嵌合溝18,17
に嵌めることによって係合している。
【0068】従って、各係合部材8は、第1工具軸1及
び第2工具軸本体2aの各々に係合し、この両者に保持
された状態になっている。
【0069】上記3つの係合部材8は、第2工具軸本体
2aに係合することによって、各々の内面が当該本体2
aの外面よりも内側に突出しており、この3つの内面が
第2ねじ12の六角頭の周方向にひとつおきに存する3
つの側面に係合する(と右折する)係合面となってい
る。
【0070】また、第2工具軸本体2aの中心部には永
久磁石19を保持する磁石保持部材21が該本体2aの
先端面より出没自在に設けられている。すなわち、図1
に示すように、この本体2aの中心部にはその先端面に
開口する穴22が形成されている。この穴22に上記磁
石保持部材21が収容され、且つスプリング23により
突出方向に付勢されている。また、穴22の先端部内周
面には、磁石保持部材21の突出量を規制するスナップ
リング24が嵌められている。
【0071】−固定手段4の説明− 固定手段4は、実施形態1と同様に構成されている。す
なわち、図6に示すように、第1工具軸本体1aに設け
られたボール27と、第2工具軸2の外周面に形成され
た前側及び後側の周回溝28,29と、ボール27を周
回溝28又は29に押し当てるための筒31とを備えて
いる。ボール27は第1工具軸本体1aの筒壁を貫通す
る孔32に収容されている。ボール27が後側の周回溝
29に押し当てられたときに第2工具軸2が前進使用位
置に位置付けて固定され、前側の周回溝28に押し当て
られたときに第2工具軸2が後退非使用位置に位置付け
て固定されるように周回溝28,29の前後間隔が定め
られている。
【0072】上記第2工具軸2は、その前進使用位置で
は、上記3つの係合部材8はその先端面が第1工具軸1
の先端面と略面一になり、非使用位置では係合部材8の
先端が第1工具軸1の先端から所定量後退した位置にな
る。この所定量は大径の第1ねじ11の頭部の高さ以上
の大きさである。
【0073】筒31は第1工具軸本体1aに進退可能に
外嵌めされている。この筒31の内周面に上記ボール2
7の突出を阻止する(ボール27を周回溝28又は29
に押し当てる)周回突条33が形成されている。周回突
条33の前面は前傾したカム面に形成されている。第1
工具軸本体1aの外周面には筒31の後方位置に止め輪
34が嵌められ、この止め輪34と周回突条33との間
にスプリング35が設けられている。筒31は、このス
プリング35によって周回突条33が上記ボール27の
上に位置付けられるように前進付勢されている。また、
第1工具軸本体1aの外周面には、筒31の周回突条3
3の過剰な前進を阻止する段部(ストッパ)36が形成
されている。
【0074】−第2工具軸2の後退手段の説明− 第2工具軸2を後退させるための操作筒5としては、ね
じの径に拘わらず同じ締め付けトルクを与えるときに用
いるインパクト用筒54と、締め付けトルクをねじの径
に応じて切り換えるためのトルク切替用筒55とを備え
ている。インパクト用筒54は上記固定手段4の後方に
おいて第1工具軸1に進退可能に外嵌めされ、このイン
パクト用筒54にトルク切替用筒55が外嵌めされてい
る。トルク切替用筒55の後端にはセンシング用フラン
ジ55aが形成されている。この操作筒5は、第1工具
軸1と第2工具軸2とを両者が一体になって回転するよ
うに結合するピン56を利用して、第2工具軸2をスプ
リング3の付勢に抗して後退させるものである。
【0075】すなわち、第1工具軸1の筒壁には、図6
に示すように軸方向に延び且つ図8に示すように軸方向
と直交する方向に相対する長孔38,38が形成されて
いる。第2工具軸2の後端部にはその軸心と直交するピ
ン孔39が形成されている。インパクト用筒54及びト
ルク切替用筒55にもその軸心と直交する方向に相対す
るピン孔41,57が形成されている。そうして、これ
ら長孔38、ピン孔39,41,57に上記ピン56が
通され、ピン56の抜けを防止するためのゴムリング5
8がトルク切替用筒55に嵌められている。トルク切替
用筒55の外周面にはゴムリング58嵌合用の溝59が
形成されている。
【0076】また、上記インパクト用筒54の外周面に
は、トルク切替用筒55を用いないときに使用するゴム
リング嵌合用の溝60が形成されている。すなわち、イ
ンパクト用筒54を使用するときは、トルク切替用筒5
5は外され、上記ピン56に代えて短めのピンが用いら
れ、このピンの抜けを防止するためのゴムリングが溝6
0に嵌められることになる。
【0077】従って、第2工具軸2とトルク切替筒55
とはピン56によって係合しているから、トルク切替用
筒55を後退させると、これに伴われて第2工具軸2が
後退し、その際のピン56の後退動が第1工具軸1の長
孔38によって許容されることになる。但し、第2工具
軸2を後退させるには、スプリング35の付勢に抗して
筒31を後退させることにより、ボール27の後側周回
溝29に対する押し付けを解除する必要がある。その解
除を行なった状態で図6(b)に示すように、トルク切
替用筒55により第2工具軸2を後退させてボール27
を前側の周回溝28に係合させることになる。このボー
ル27はスプリング35の付勢によって前進した筒31
によって当該周回第28に押し付けられるから、それに
よって第2工具軸2は後退位置に保持される。
【0078】上記第2工具軸2の進退に伴って変化する
トルク切替用筒55のフランジ55aの位置はナットラ
ンナー側に設けられた近接スイッチで検出され、その検
出に基づいて第2工具軸2が前進使用位置にあるときは
締め付けトルクが低くなり、後退非使用位置にあるとき
は締め付けトルクが高くなるように、空気圧モータに対
する供給圧力が切り換えられる。
【0079】インパクト用筒54を使用するときは、ト
ルク切替用筒55を外して、上記ピン56に代えて短め
のピン37で第1工具軸1、第2工具軸2及びインパク
ト用筒54を互いに連結し、ゴムリングをインパクトレ
ンチ用筒の溝61に嵌める。そうして、第2工具軸2を
後退させるときは、筒31をスプリング35の付勢に抗
して後退させることにより、ボール27の後側周回溝2
9に対する押し付けを解除し、インパクト用筒54を後
退させることにより第2工具軸2を後退させてボール2
7を前側の周回溝28に係合させることになる。
【0080】−第1工具軸1のナットランナーへの連結
− 第1工具軸1の後端面には結合孔43が開口している。
図2(b)に示すように、第1工具軸1には結合孔43
に直交するピン孔44,44が形成され、ナットランナ
ーの駆動軸6にも同様にピン孔が形成されている。この
両軸1,4は、互いのピン孔を合わせこの両者にピン4
6を通すことにより結合される。第1工具軸1にはピン
46の抜けを阻止するためのゴムリング47が嵌められ
る。
【0081】−締結工具の使用− 大径の第1ねじ11にナットランナーによる駆動トルク
を伝達するには、図6(b)に示すように、第2工具軸
2を第1ねじ11に干渉しないように後退非使用位置に
位置付ける。その状態で第1工具軸1の嵌合孔10を第
1ねじ11の六角頭に嵌合する(図2参照)。これによ
り、嵌合孔10の3つの係合面7が当該六角頭の3つの
側面に係合する。このとき、当該六角頭は第1工具軸1
の係合面7に露出した永久磁石15に引かれて保持され
る。従って、ナットランナーを駆動すると、駆動軸6か
ら駆動トルクが第1工具軸1を介して第1ねじ11に伝
わり、この第1ねじ11をワークに締付け又は弛めるこ
とができる。
【0082】小径の第2ねじ12に駆動トルクを伝達す
るには、図6(b)に示す状態から筒31をスプリング
35の付勢に抗して後退させる。これにより、ボール2
7による第1工具軸1に対する第2工具軸2の固定が解
除され、第2工具軸2は操作筒5と共にスプリング3の
付勢によって前進し、図6(a)に示すようにボール2
7が後側の周回溝29に嵌まる。
【0083】筒31は、これに与えていた後退力を解除
すると、スプリング35の付勢によって前進し、周回突
条33のカム面がボール27を内方向へ押え込みながら
その上を通過し、段部36に当たって止まる。これによ
り、ボール27は周回溝29に押し付けられた状態にな
る。すなわち、第2工具軸2は前進使用位置に固定され
る。
【0084】係合部材8は第2工具軸2と直交する方向
に延びる嵌合溝17,18によって工具軸本体2aに係
合しているから、該工具軸本体2aと共に第1工具軸1
に対して進退することになる。
【0085】第2工具軸2が前進使用位置になると、図
4に示すように3つの係合部材8の先端面が第1工具軸
1の先端面と略面一になる。
【0086】そこで、第2工具軸2の3つの係合部材8
を第2ねじ12の六角頭に嵌合する。これにより、当該
3つの係合部材8の内面が六角頭の3つの側面に係合す
る。このとき、磁石保持部材21は当該六角頭の頂面で
押されてスプリング23の付勢に抗して後退する。そう
して、当該第2ねじ12は、その六角頭の頂面が磁石保
持部材21の永久磁石19に吸着されるとともに、その
六角頭の側面が第1工具軸1の嵌合溝9の底面に露出し
た永久磁石16に一つの係合部材8を介して引かれて、
第2工具軸2に保持される。
【0087】従って、ナットランナーを駆動すると、駆
動軸6から駆動トルクが第1工具軸1及び第2工具軸2
を介して第2ねじ12に伝わり、この第2ねじ12をワ
ークに締付け又は弛めることができる。
【0088】第2ねじ12へのトルク伝達に伴って3つ
の係合部材8はトルク反力を受けるが、これら係合部材
8は第2工具軸本体2aとは結合されておらず別体にな
っているから、仮に第2ねじ12の頭部に大小の寸法誤
差があっても、係合部材8と第2工具軸本体2aとの係
合部分の遊びで当該係合部材8がずれ動くことによりそ
の誤差が吸収される。従って、トルク反力が1本の係合
部材8に集中することが少なくなる。また、仮に1本の
係合部材8にトルク反力が集中するような状態になって
も、この係合部材8は工具軸本体2aに対して結合され
ていないから、従来のような係合部が根元から折れて工
具軸が破壊するという問題はない。
【0089】また、上記係合部材8は、第2工具軸本体
2aに嵌合溝17,18によって係合し且つ第1工具軸
1の嵌合溝9に嵌合して、該第1工具軸1と第2工具軸
本体2aとによって保持されているから、上記トルク反
力は、係合部材8を介して第1工具軸1と第2工具軸本
体2aとに分散して受けられる。特に、係合部材8の両
側面と第1工具軸1の嵌合溝9の両側面とが係合部材8
の回転方向において相対しているから、上記トルク反力
は主として第1工具軸1で受けられることになる。
【0090】従って、上記係合部材8と第2工具軸本体
2aとの係合部に作用する力は小さなものになり、該係
合部の破壊が避けられるとともに、第1工具軸1と第2
工具軸本体2aとを回転方向に連結するピン37、長孔
38、ピン孔39に加わる力も小さなものになり、第1
工具軸1及び第2工具軸2の耐久性確保に有利になる。
【0091】また、係合部材8自体に変形等の損傷を生
じた場合は、その損傷した係合部材8のみを新しいもの
と交換すればよく、第2工具軸2の全体を交換する必要
がない。
【0092】<実施形態3>本実施形態の実施形態1と
異なる部分は図9〜図14に示されている。
【0093】−全体構成− 図9に全体構成を示すように、本実施形態の締結工具
は、大径の第1ねじに適用する筒状の第1工具軸61の
内に小径の第2ねじに適用する筒状の第2工具軸62が
軸方向に進退可能に且つスプリング64で前進方向に付
勢して収容され、また、第2工具軸62の内に上記第2
ねじよりもさらに小径の第3ねじに適用する第3工具軸
63が軸方向に進退可能に且つスプリング65で前進方
向に付勢して収容されている。
【0094】また、当該締結工具は、第2工具軸62を
前進させた使用位置と後退させた非使用位置とで第1工
具軸61に固定するための固定手段66と、第3工具軸
63を前進させた使用位置と後退させた非使用位置とで
第1工具軸61に固定するための固定手段67と、第2
工具軸62を後退させるための操作筒68と、第3工具
軸63を後退させるための操作筒69とを備え、第1工
具軸61の基端に締結装置本体(ナットランナー)の駆
動軸6が結合されるようになっている。
【0095】−第1工具軸61の係合部の説明− 第1工具軸61の先端部には実施形態1と同様に図12
に示す第1ねじ11の六角頭に嵌合する嵌合孔10が形
成されている。すなわち、嵌合孔10は、図12にも示
すように、第1ねじ11の六角頭が嵌合し得るように横
断面形状が略六角形に形成されている。この場合、六角
嵌合孔10を構成する六面が当該六角頭の側面に係合す
る(当接する)係合面7に形成されている。六角嵌合孔
10の当該六角形の各頂点位置には後述する第2ねじ用
及び第3ねじ用の各係合部材75,76が嵌まる軸方向
に延びた溝72,73が形成されている。また、第1工
具軸61の先端部には2つの永久磁石74,74が埋め
込まれていて、その各々は上記係合面7に面一になるよ
うに露出している。
【0096】−第2工具軸の係合部の説明− 第2工具軸62の先端部には、図12に示す第2ねじ1
2の六角頭に係合する係合部を形成する3つのピン状係
合部材75が設けられている。
【0097】すなわち、本例の係合部材75は、断面円
形に形成されていて、その後端寄りの部位に当該係合部
材75を周回する嵌合溝77が形成されている。この嵌
合溝77よりも前側の周面が第2ねじ12の六角頭の側
面に係合する係合面78に形成され、嵌合溝77よりも
後側の大径になった部分は顎79に形成されている。
【0098】一方、第2工具軸本体62aの先端部は、
図14にも示すように、その基本断面が六角形の筒状に
形成されている。当該六角筒の周方向に一つおきに存す
る3つの各頂点位置の外周面側には、軸方向と直交する
方向に延びる嵌合溝81が形成され、この嵌合溝81よ
りも先端側には六角形の角が落とされてなる顎82に形
成されている。
【0099】そうして、係合部材75と第2工具軸本体
62aとは、互いの顎79,82を相手側の嵌合溝8
1,77に嵌めることによって係合している。また、係
合部材75は第1工具軸61の溝72に嵌まることによ
って該第1工具軸61に係合している。従って、各係合
部材75は、第1工具軸61及び第2工具軸本体62a
の各々に係合し、この両者に保持された状態になってい
る。
【0100】また、第2工具軸本体62aの先端六角筒
の残り3つの各頂点位置には工具軸本体62aの先端よ
り軸方向後方に延びるスリット83が形成されている。
このスリット83は、第3ねじ用係合部材76の進退を
許容するためのものである。
【0101】−第3工具軸63の係合部等の説明− 第3工具軸63の先端部には、図12に示す第3ねじ1
3の六角頭に係合する係合部を形成する3つのピン状係
合部材76が設けられている。
【0102】すなわち、本列の係合部材76は、第2ね
じ用の係合部材75と同様に断面円形に形成されてい
て、その後端寄りの部位に当該係合部材76を周回する
嵌合溝84が形成されている。この嵌合溝84よりも前
側の周面が第3ねじ13の六角頭の側面に係合する係合
面85に形成され、嵌合溝84よりも後側の大径になっ
た部分は顎86に形成されている。この第3ねじ用の係
合部材76の係合面85の部位は、第2ねじ用係合部材
75の係合面78の部位よりも大径の円柱状に形成され
ている。
【0103】一方、第3工具軸本体63aの先端部は、
図14にも示すように、断面六角形に形成され、その六
角外周面の周方向に一つおきに存する3つの頂点は、先
端側に顎87が形成されるように、その後端側部分の角
が落とされている。
【0104】そうして、係合部材76と第3工具軸本体
63aとは、係合部材76の顎86が工具軸本体62a
の角落ち部88に位置付けられるように、工具軸本体6
2aの顎87を係合部材76の嵌合溝84に嵌めること
によって係合している。また、係合部材76は第1工具
軸61の溝73に嵌まることによって該第1工具軸61
に係合している。従って、各係合部材76は、第1工具
軸61及び第2工具軸本体62aの各々に係合し、この
両者に保持された状態になっている。
【0105】また、第3工具軸本体63aの中心部には
永久磁石19を保持する磁石保持部材21が該本体2a
の先端面より出没自在に設けられている。すなわち、図
9に示すように、この本体63aの中心部にはその先端
面に開口する穴22が形成されている。この穴22に上
記磁石保持部材21が収容され、且つスプリング23に
より突出方向に付勢されている。また、穴22の先端部
内周面には、磁石保持部材21の突出量を規制するスナ
ップリング24が嵌められている。
【0106】−係合部材75,76同士の関係等− 第2ねじ用係合部材75の係合面78の部位及び第3ね
じ用の係合部材76の係合面85の部位は共に円柱状に
形成されているが、前者の方が後者よりも小径に形成さ
れている。また、第3工具軸本体63aは第2工具軸本
体62aの内孔に対して、その第3ねじ用の係合部材7
5が第2工具軸本体62aのスリット83の位置に配置
されるように挿入されている。すなわち、当該2種類の
係合部材75,76は工具軸周方向において交互に配置
された関係になっており、各々第1工具軸61の溝7
2,73に進退可能に嵌められている。
【0107】−固定手段の説明− 第2工具軸62用の固定手段66は、実施形態1の固定
手段4と同様に構成されている。すなわち、固定手段6
6は、図9に示すように、第1工具軸61に設けられた
ボール27と、第2工具軸本体62aの外周面に形成さ
れた前側及び後側の周回溝28,29(図13参照)
と、ボール27を周回溝28又は29に押し当てるため
の筒31とを備えている。ボール27は第1工具軸61
の筒壁を貫通する孔32に収容されている。ボール27
が後側の周回溝29に押し当てられたときに第2工具軸
62が前進使用位置に位置付けて固定され、前側の周回
溝28に押し当てられたときに第2工具軸62が後退非
使用位置に位置付けて固定されるように周回溝28,2
9の前後間隔が定められている。
【0108】上記第2工具軸62は、その前進使用位置
では、上記3つの係合部材75の先端面が第1工具軸6
1の先端面と略面一になり、非使用位置では係合部材7
5の先端が第1工具軸61の先端から所定量後退した位
置になる。この所定量は大径の第1ねじ11の頭部の高
さ以上の大きさである。
【0109】筒31は第1工具軸61に進退可能に外嵌
めされている。この筒31の内周面に上記ボール27の
突出を阻止する(ボール27を周回溝28又は29に押
し当てる)周回突条33が形成されている。周回突条3
3の前面は前傾したカム面に形成されている。第1工具
軸61の外周面には筒31の後方位置に止め輪34が嵌
められ、この止め輪34と周回突条33との間にスプリ
ング35が設けられている。筒31は、このスプリング
35によって周回突条33が上記ボール27の上に位置
付けられるように前進付勢されている。また、第1工具
軸61の外周面には、筒31の周回突条33の過剰な前
進を阻止する段部(ストッパ)36が形成されている。
【0110】第3工具軸63用の固定手段67も、実施
形態1の固定手段4と同様に構成されている。すなわ
ち、固定手段67は、第1工具軸61に設けられたボー
ル27と、第2工具軸本体62aの外周面に形成された
前側及び後側の周回溝28,29(図13参照)と、ボ
ール27を周回溝28又は29に押し当てるための筒3
1とを備えている。ボール27は第1工具軸61の筒壁
を貫通する孔32に収容されている。ボール27が後側
の周回溝29に押し当てられたときに第3工具軸63が
前進使用位置に位置付けて固定され、前側の周回溝28
に押し当てられたときに第3工具軸63が後退非使用位
置に位置付けて固定されるように周回溝28,29の前
後間隔が定められている。
【0111】上記第3工具軸63は、その前進使用位置
では、上記3つの係合部材76の先端面が第1工具軸6
1の先端面と略面一になり、非使用位置では係合部材7
6の先端が第1工具軸61の先端から所定量後退した位
置になる。この所定量は大径の第1ねじ11の頭部の高
さ以上の大きさである。
【0112】筒31は第1工具軸61に進退可能に外嵌
めされている。この筒31の内周面に上記ボール27の
突出を阻止する(ボール27を周回溝28又は29に押
し当てる)周回突条33が形成されている。第1工具軸
61の外周面には筒31の後方位置に止め輪34が嵌め
られ、この止め輪34と周回突条33との間にスプリン
グ35が設けられている。筒31は、このスプリング3
5によって周回突条33が上記ボール27の上に位置付
けられるように前進付勢されている。また、第1工具軸
61の外周面には、筒31の周回突条33の過剰な前進
を阻止する段部(ストッパ)36が形成されている。
【0113】−後退手段の説明− 第2工具軸62を後退させるための操作筒68及び第3
工具軸63を後退させるための操作筒69は、いずれも
実施形態2と同様に、インパクト用筒54とトルク切替
用筒55とを備えている。インパクト用筒54は上記固
定手段66,67の後方において第1工具軸61に進退
可能に外嵌めされ、このインパクト用筒54にトルク切
替用筒55が外嵌めされている。
【0114】第2工具軸62用の操作筒68は、第1工
具軸61と第2工具軸62とを両者が一体になって回転
するように結合するピン56を利用して、第2工具軸6
2をスプリング64の付勢に抗して後退させるものであ
る。
【0115】すなわち、第1工具軸61の筒壁には、図
13に示すように軸方向に延び且つ軸方向と直交する方
向に相対する長孔38が形成されている。第2工具軸6
2の後端部にはその軸心と直交するピン孔39が形成さ
れている。インパクト用筒54及びトルク切替用筒55
にもその軸心と直交する方向に相対するピン孔41,5
7が形成されている。また、第3工具軸63にはピン5
6の軸方向への移動を許容する長孔89が形成されてい
る。
【0116】そうして、これら長孔38、ピン孔39,
41,57及び長孔89に上記ピン56が通され、ピン
56の抜けを防止するためのゴムリング58がトルク切
替用筒55に嵌められている。トルク切替用筒55の外
周面にはゴムリング58嵌合用の溝59が形成されてい
る。
【0117】また、上記インパクト用筒54の外周面に
は、トルク切替用筒55を用いないときに使用するゴム
リング嵌合用の溝61が形成されている。すなわち、イ
ンパクト用筒54を使用するときは、トルク切替用筒5
5は外され、上記ピン56に代えて短めのピン37が用
いられ、このピン37の抜けを防止するためのゴムリン
グが溝61に嵌められることになる。
【0118】従って、第2工具軸62とトルク切替筒5
5とはピン56によって係合しているから、トルク切替
用筒55を後退させると、これに伴われて第2工具軸6
2が後退し、その際のピン56の後退動が第1工具軸6
1の長孔38及び第3工具軸63の長孔89によって許
容されることになる。但し、第2工具軸62を後退させ
るには、スプリング35の付勢に抗して筒31を後退さ
せることにより、ボール27の後側周回溝29に対する
押し付けを解除する必要がある。その解除を行なった状
態で図11に示すように、トルク切替用筒55により第
2工具軸62を後退させてボール27を前側の周回溝2
8に係合させることになる。このボール27はスプリン
グ35の付勢によって前進した筒31によって当該周回
第28に押し付けられるから、それによって第2工具軸
62は後退位置に保持される。
【0119】上記第2工具軸62の進退に伴って変化す
るトルク切替用筒55の位置はナットランナー側に設け
られた近接スイッチで検出され、その検出に基づいて第
2工具軸62が前進使用位置にあるときは締め付けトル
クが低くなり、後退非使用位置にあるときは締め付けト
ルクが高くなるように、空気圧モータに対する供給圧力
が切り換えられる。
【0120】インパクト用筒54を使用するときは、ト
ルク切替用筒55を外して、上記ピン56に代えて短め
のピン37で第1工具軸61、第2工具軸62及びイン
パクト用筒54を互いに連結し、ゴムリングをインパク
トレンチ用筒の溝61に嵌める。そうして、第2工具軸
62を後退させるときは、筒31をスプリング35の付
勢に抗して後退させることにより、ボール27の後側周
回溝29に対する押し付けを解除し、インパクト用筒5
4を後退させることにより第2工具軸62を後退させて
ボール27を前側の周回溝28に係合させることにな
る。
【0121】第3工具軸63用の操作筒69は、第1工
具軸61と第3工具軸63とを両者が一体になって回転
するように結合するピン56を利用して、第3工具軸6
3をスプリング65の付勢に抗して後退させるものであ
り、第2工具軸62用のものと同様に構成されている。
【0122】すなわち、第1工具軸61の筒壁の後端寄
りには、図13に示すように軸方向に延び且つ軸方向と
直交する方向に相対する長孔38が形成され、第3工具
軸63の後端部にはその軸心と直交するピン孔39が形
成されている。インパクト用筒54及びトルク切替用筒
55にもその軸心と直交する方向に相対するピン孔4
1,57が形成されている。そうして、これら長孔3
8、ピン孔39,41,57に上記ピン56が通され、
ピン56の抜けを防止するためのゴムリング58がトル
ク切替用筒55に嵌められている。トルク切替用筒55
の外周面にはゴムリング58嵌合用の溝59が形成され
ている。また、上記インパクト用筒54の外周面には、
短めのピン37を用いるときにその抜けを阻止するため
のゴムリング嵌合用の溝61が形成されている。
【0123】従って、第3工具軸63とトルク切替筒5
5とはピン56によって係合しているから、トルク切替
用筒55を後退させると、これに伴われて第3工具軸6
3が後退し、その際のピン56の後退動が第1工具軸6
1の長孔38によって許容されることになる。但し、第
3工具軸63を後退させるには、スプリング35の付勢
に抗して筒31を後退させて、ボール27の後側周回溝
29に対する押し付けを解除する必要がある。その解除
を行なった状態で図9(b)に示すように、トルク切替
用筒55により第3工具軸63を後退させてボール27
を前側の周回溝28に係合させることになる。このボー
ル27はスプリング35の付勢によって前進した筒31
によって当該周回第28に押し付けられるから、それに
よって第3工具軸63は後退位置に保持される。
【0124】上記第3工具軸63の進退に伴って変化す
るトルク切替用筒55の位置はナットランナー側に設け
られた近接スイッチで検出され、その検出に基づいて第
3工具軸63が前進使用位置にあるときは締め付けトル
クが低くなり、後退非使用位置にあるときは締め付けト
ルクが高くなるように、空気圧モータに対する供給圧力
が切り換えられる。
【0125】インパクト用筒54を使用するときは、ト
ルク切替用筒55を外して、上記ピン56に代えて短め
のピン37で第1工具軸61、第3工具軸63及びイン
パクト用筒54を互いに連結し、ゴムリングをインパク
トレンチ用筒の溝61に嵌める。そうして、第3工具軸
63を後退させるときは、筒31をスプリング35の付
勢に抗して後退させることにより、ボール27の後側周
回溝29に対する押し付けを解除し、インパクト用筒5
4を後退させることにより第3工具軸63を後退させて
ボール27を前側の周回溝28に係合させることにな
る。
【0126】−第1工具軸61のナットランナーへの連
結− 第1工具軸61の後端面には結合孔43が開口してい
る。第1工具軸61には結合孔43に直交するピン孔4
4が形成され、ナットランナーの駆動軸6にも同様にピ
ン孔が形成されている。この両軸61,4は、互いのピ
ン孔を合わせこの両者にピン46を通すことにより結合
される。第1工具軸61にはピン46の抜けを阻止する
ためのゴムリング47が嵌められる。
【0127】−締結工具の使用− 大径の第1ねじ11にナットランナーによる駆動トルク
を伝達するには、図11に示すように、第2工具軸62
及び第3工具軸63を第1ねじ11に干渉しないように
後退非使用位置に位置付ける。その状態で第1工具軸6
1の嵌合孔10を第1ねじ11の六角頭に嵌合する。こ
れにより、図12に示す嵌合孔10の各係合面7が当該
六角頭の側面に係合する。このとき、当該六角頭は第1
工具軸61の係合面7に露出した永久磁石15に引かれ
て保持される。
【0128】上記六角嵌合孔10の各頂点部位には係合
部材75,76用の溝72,73が形成されているが、
溝72,73は係合部材75,76の断面形状(円形)
に対応して断面円弧状に形成されていて、嵌合孔10の
内周面周方向に広がる幅は狭いから、この溝72,73
の形成に拘わらず係合面7の面積は広い。従って、ナッ
トランナーを駆動すると、駆動軸6から駆動トルクが第
1工具軸61を介して第1ねじ11に確実に伝わり、こ
の第1ねじ11をワークに締付け又は弛めることができ
る。
【0129】小径の第2ねじ12に駆動トルクを伝達す
るには、図11に示す状態から前側の筒31をスプリン
グ35の付勢に抗して後退させる。これにより、ボール
27による第1工具軸61に対する第2工具軸62の固
定が解除され、第2工具軸62は操作筒5と共にスプリ
ング64の付勢によって前進し、図10に示すようにボ
ール27が後側の周回溝29に嵌まる。
【0130】筒31は、これに与えていた後退力を解除
すると、スプリング35の付勢によって前進し、周回突
条33のカム面がボール27を内方向へ押え込みながら
その上を通過し、段部36に当たって止まる。これによ
り、ボール27は周回溝29に押し付けられた状態にな
る。すなわち、第2工具軸62は前進使用位置に固定さ
れる。
【0131】係合部材75は第2工具軸62と直交する
方向に延びる嵌合溝77,81によって工具軸本体62
aに係合しているから、該工具軸本体62aと共に第1
工具軸61に対して進退することになる。
【0132】第2工具軸62が前進使用位置になると、
3つの係合部材75の先端面が第1工具軸61の先端面
と略面一になる。そこで、第2工具軸62の3つの係合
部材75を第2ねじ12の六角頭に嵌合する。これによ
り、当該3つの係合部材75が六角頭の3つの側面に係
合する。
【0133】従って、ナットランナーを駆動すると、駆
動軸6から駆動トルクが第1工具軸61及び第2工具軸
62を介して第2ねじ12に伝わり、この第2ねじ12
をワークに締付け又は弛めることができる。
【0134】第2ねじ12へのトルク伝達に伴って3つ
の係合部材75はトルク反力を受けるが、これら係合部
材75は第2工具軸本体62aとは結合されておらず別
体になっているから、仮に第2ねじ12の頭部に大小の
寸法誤差があっても、係合部材75と第2工具軸本体6
2aとの係合部分の遊びで当該係合部材75がずれ動く
ことによりその誤差が吸収される。従って、トルク反力
が1本の係合部材75に集中することが少なくなる。ま
た、仮に1本の係合部材75にトルク反力が集中するよ
うな状態になっても、この係合部材75は工具軸本体6
2aに対して結合されていないから、従来のような係合
部が根元から折れて工具軸が破壊するという問題はな
い。
【0135】また、上記係合部材75は、第2工具軸本
体62aに嵌合溝77,81によって係合し且つ第1工
具軸61の溝72に嵌合して、該第1工具軸61と第2
工具軸本体62aとによって保持されているから、上記
トルク反力は、係合部材75を介して第1工具軸61と
第2工具軸本体62aとに分散して受けられる。特に、
係合部材75が嵌合する第1工具軸61の溝72は六角
嵌合孔10の頂点にあり、第1工具軸61は係合部材7
5に対してその半周面よりも広い範囲にわたって接触し
ているから、上記トルク反力は主として第1工具軸61
で受けられることになる。すなわち、第1工具軸61の
溝72を六角嵌合孔10の六角形における辺の部位に形
成することもできるが、溝72を六角形の各頂点に設け
た方が第1工具軸61と係合部材75との接触面積が広
くなる。
【0136】従って、上記係合部材75と第2工具軸本
体62aとの係合部に作用する力は小さなものになり、
該係合部の破壊が避けられるとともに、第1工具軸61
と第2工具軸本体62aとを回転方向に連結するピン5
6又は37、長孔38、ピン孔39に加わる力も小さな
ものになり、第1工具軸61及び第2工具軸62の耐久
性確保に有利になる。
【0137】また、係合部材75自体に変形等の損傷を
生じた場合は、その損傷した係合部材75のみを新しい
ものと交換すればよく、第2工具軸62の全体を交換す
る必要がない。
【0138】最も小径の第3ねじ13に駆動トルクを伝
達するには、図10に示す状態から後側の筒31をスプ
リング35の付勢に抗して後退させる。これにより、ボ
ール27による第3工具軸63の固定が解除され、第3
工具軸63は操作筒5と共にスプリング65の付勢によ
って前進し、図9に示すようにボール27が後側の周回
溝29に嵌まる。筒31をスプリング35の付勢によっ
て前進させると、周回突条33のカム面がボール27を
内方向へ押え込みながらその上を通過し、筒31は段部
36に当たって止まる。これにより、ボール27は周回
溝29に押し付けられ、第3工具軸63は前進使用位置
に固定される。係合部材76は第2工具軸62の場合と
同様に第3工具軸本体62aと共に第1工具軸61に対
して進退する。
【0139】第3工具軸63が前進使用位置になると、
3つの係合部材76の先端面が第1工具軸61の先端面
と略面一になる。そこで、第3工具軸63の3つの係合
部材76を第3ねじ13の六角頭に嵌合する。これによ
り、当該3つの係合部材76が六角頭の3つの側面に係
合する。このとき、磁石保持部材21は当該六角頭の頂
面で押されスプリング23の付勢に抗して後退する。そ
うして、当該第3ねじ13は、その六角頭の頂面が磁石
保持部材21の永久磁石19に吸着される。
【0140】従って、ナットランナーを駆動すると、駆
動軸6から駆動トルクが第1工具軸61及び第3工具軸
63を介して第3ねじ13に伝わり、この第3ねじ13
をワークに締付け又は弛めることができる。
【0141】第3工具軸63の場合も第2工具軸62と
同様に、係合部材76は工具軸本体63aとは結合され
ておらず別体になっているから、トルク反力等によって
破壊することが避けられる。また、上記係合部材76
は、第1工具軸61と第3工具軸本体63aとによって
保持されているから、上記トルク反力は、係合部材76
を介して第1工具軸61と第2工具軸本体62aとに分
散して受けられ、係合部材73と第3工具軸本体63a
との係合部に作用する力は小さなものになり、該係合部
の破壊が避けられるとともに、ピン56等に加わる力も
小さなものになり、第1工具軸61及び第3工具軸63
の耐久性確保に有利になる。また、係合部材76自体に
変形等の損傷を生じた場合は、その損傷した係合部材7
5のみを新しいものと交換すればよく、第3工具軸63
の全体を交換する必要がない。
【0142】<実施形態4>本実施形態については図1
5乃至図21に示されている。
【0143】−全体構成− 図15に示すように、本実施形態に係る切替え式異径ね
じ締結工具は、工具軸91と、径の異なる2種類のピン
状係合部材92,93とを備えている。工具軸91は、
ソケット軸94と、該ソケット軸94に結合されたソケ
ット(外筒)95とを備えてなり、ソケット軸94の後
端にナットランナーの駆動軸6が結合されるようになっ
ている。
【0144】ソケット95の先端部は大径の第1ねじ1
1に係合する嵌合孔96に形成されている。小径の係合
部材92は第1ねじ11よりも小径の第2ねじ12に係
合させるためのものであり、大径の係合部材93は第2
ねじよりもさらに小径の第3ねじ13に係合させるため
のものである。
【0145】−係合部材の説明− 先に係合部材92,93の構造について説明する。図1
8に示すように、この両係合部材92,93は、いずれ
も第2ねじ12、第3ねじ13の各々の六角頭に係合さ
せるピン状係合部92a,93aを前側に有し、小径の
後側ピン部92b,93bが後方へ突出している。ピン
状係合部92aの方がピン状係合部93aよりも小径に
形成されている。
【0146】上記後側ピン部92b,93bには環状の
ストッパ97が進退可能に嵌められている。後側ピン部
92b,93bの後端にはストッパ97の抜けを阻止す
るスナップリング107が嵌められている。ピン状係合
部92a,93aとストッパ97との間には圧縮スプリ
ング98が介装されている。従って、係合部材92,9
3は、ストッパ97に対してスプリング98の付勢に抗
して相対的に後退可能になっている。
【0147】−ソケット軸の説明− ソケット軸94は、その中央部にソケット95が嵌合す
る円柱状嵌合部99が形成され、該嵌合部99に続いて
その前側に軸方向の溝101を有する六角柱状嵌合部1
02が形成され、該嵌合部102に続いてその前側に係
合部材92,93のストッパ97を収めるストッパ収容
溝100を有する円柱状のストッパ収容部103が形成
され、円柱状嵌合部99の後端に小径軸部を介して駆動
軸結合部104が連なっている。
【0148】図18に示すように、円柱状嵌合部99に
は軸心と直交するように当該嵌合部99を貫通するピン
孔105が形成されている。六角柱状嵌合部102の溝
101は、上記係合部材92,93の後側ピン部92
b,93bの後退を許容するためのものであって、嵌合
部102の外周面における当該六角形の各辺の中央部位
に形成されている。ストッパ収容溝100は、上記溝1
01に対応させて6本設けられ、当該ストッパ収容部1
03の外周面を軸方向に延びている。ストッパ収容溝1
00及び溝101は断面形状が略同心の円弧状に形成さ
れ、且つストッパ収容溝100の方が大径に形成されて
いる。
【0149】また、上記ストッパ収容部103の先端面
中心から上記六角柱状嵌合部102にわたってスプリン
グ収容穴106が形成されている。この収容穴106
は、磁石保持部材21を前方へ突出する方向に付勢する
スプリング23を収容するためのものである。
【0150】−ソケットの説明− ソケット95は、図19乃至図21に示すように、軸方
向の中間部(前寄り)に軸方向に延びる複数の孔を有す
る複孔部が形成され、これら孔の両端は前側及び後側の
一つの大きな孔になった単孔部に開口している。前側単
孔部は上述の嵌合孔96である。
【0151】上記中間複孔部は、その中心に磁石保持部
材21を収容する収容孔113を有し、その周囲に上記
係合部材92,93のピン状係合部92a,93aを収
容するための径の異なる2種類の収容孔114,115
をそれぞれ3本ずつ有する。中心収容孔113はソケッ
ト軸94のスプリング収容穴106に対応する。2種類
の収容孔114,115は中心収容孔113の周方向に
おいて交互に且つ60度の角度ピッチで配設されてい
る。
【0152】ソケット95の前側単孔部の嵌合孔96
は、小径溝116と大径溝117とを3本ずつ有する六
角孔に形成されている。すなわち、この六角嵌合孔96
は第1ねじ11の六角頭に嵌合するものである。小径溝
116と大径溝117とは、六角嵌合孔96の各辺の部
位に形成され、且つ周方向において交互に配置されてい
る。小径溝116は小径収容孔114にその溝内面を孔
内面と面一にして続き、また、大径溝117は大径収容
孔115にその溝内面を孔内面と面一にして続いてい
る。
【0153】ソケット95の後側単孔部内には、上記複
孔部の後端面に続いて収容孔114,115の位置より
も溝底が外周側へ深くなった周回溝118が形成され、
この周回溝118に続いてその後側に溝119を有する
六角嵌合孔120が形成され、該六角孔120に続いて
その後側に円形嵌合孔121が形成されている。円形嵌
合孔121の部位にはソケット軸94のピン孔103に
対応するピン孔122がソケット95の筒壁を貫通する
ように形成されている。溝119はソケット軸94の溝
101と相俟って係合部材92,93の後側ピン部92
b,93bの後退を許容する孔を形成するものである。
【0154】−ソケット軸とソケットとの組立− スプリング98及びストッパ97を組み付けた係合部材
92,93をソケット95の収容孔114,115にそ
の後端開口から差し込んで、ストッパ97を周回溝11
8に位置付けておく。また、ソケット95の中心収容孔
113の先端部にはスナップリング24を嵌め、この収
容孔113にその後端開口から磁石保持部材21を収容
しておく。一方、ソケット軸94のスプリング収容穴1
06にはスプリング23を差し込んでおく。磁石保持部
材21には永久磁石19を保持させておく。
【0155】その状態で、上記ソケット軸94とソケッ
ト95とを、スプリング収容穴106と中心収容孔11
3とが合致し、ストッパ収容溝100と係合部材収容孔
114,115とを対応するように位置決めし、互いの
六角柱状嵌合部102を六角嵌合孔120に、円柱状嵌
合部99を円形嵌合部121にそれぞれ嵌合する。そう
して、上記両ピン孔105,122にピン123を通
し、ピン抜け止め用のゴムリング124をソケット95
に嵌める。
【0156】係合部材92,93の各ストッパ97はソ
ケット軸94のストッパ収容溝100とソケット95の
周回溝118とに填って保持される。この場合、係合部
材92,93は、各々のピン状係合部92a,93aの
先端面がソケット95の先端面と面一になるように長さ
が定められている。
【0157】また、ピン状係合部92a,93aは大径
である前者が小径の後者よりもソケット95の中心側へ
寄った状態になる。すなわち、3本の小径ピン状係合部
92aは、第2ねじ12をその軸心が六角嵌合孔96の
軸心に一致するように配置したときに、その六角頭の周
方向に一つおきに存する3つの側面に接するように当該
嵌合孔96の内面から内側に突出し、3本の大径ピン状
係合部93aは、第3ねじ13をその軸心が六角嵌合孔
96の軸心に一致するように配置したときに、その六角
頭の周方向に一つおきに存する3つの側面に接するよう
に当該嵌合孔96の内面から内側に突出している。
【0158】磁石保持部材21は中心収容孔113にそ
の先端面より出没自在に且つスプリング23により突出
方向に付勢されて収容された状態になる。また、スナッ
プリング24は磁石保持部材21の突出量を規制する。
【0159】−ナットランナーへの連結− ソケット軸94の後端面には結合孔43が開口してい
る。このソケット軸94には結合孔43に直交するピン
孔44が形成され、駆動軸6にも同様にピン孔が形成さ
れている。この両軸6,94は、互いのピン孔を合わせ
この両者にピン46を通すことにより結合される。ソケ
ット軸94にはピン46の抜けを阻止するためのゴムリ
ング47が嵌められる。
【0160】−締結工具の使用− 大径の第1ねじ11にナットランナーによる駆動トルク
を伝達するときは、ソケット95の六角嵌合孔96を第
1ねじ11の六角頭に嵌める。このとき、係合部材9
2,93は、図16に示すように第1ねじ11の六角頭
の頂面に押されて収容孔114,115に没し、六角頭
の頂面は永久磁石19に吸着される。この吸着により、
当該第1ねじ11は締結工具に保持される。すなわち、
スプリング98によって係合部材92,93を介して第
1ねじ11を押し出す力よりも、永久磁石19による第
1ねじ11の吸引力の方が大きくされているものであ
る。
【0161】従って、ソケット95の嵌合孔96を形成
する6つの係合面が当該六角頭の側面に係合した状態に
なり、ナットランナーを駆動すると、駆動軸6から駆動
トルクがソケット軸94を介してソケット95に伝わ
り、この第1ねじ11をワークに締付け又は弛めること
ができる。
【0162】小径の第2ねじ12に駆動トルクを伝達す
るには、ソケット95を第2ねじ12の六角頭に対して
3本の小径ピン状係合部92aの間に当該六角頭が入る
ように嵌合していく。このとき、大径の係合部材93は
図17に示すように第2ねじ12の六角頭の頂面に押さ
れて収容孔115に没し、六角頭の頂面は永久磁石19
に吸着される。この吸着により、当該第2ねじ12は締
結工具に保持される。
【0163】従って、上記3本の小径ピン状係合部92
aが第2ねじ12の六角頭の周方向に一つおきに存する
側面に係合した状態になる。よって、ナットランナーを
駆動すると、駆動軸6から駆動トルクがソケット軸94
を介してソケット95からピン状係合部92aに伝わ
り、この第2ねじ12をワークに締付け又は弛めること
ができる。
【0164】また、さらに小径の第3ねじ13に駆動ト
ルクを伝達するには、ソケット95を第3ねじ13の六
角頭に対して3本の大径ピン状係合部93aの間に当該
六角頭が入るように嵌合していく(図15参照)。第3
ねじ13は、六角頭の頂面が永久磁石19に吸着されて
締結工具に保持される。
【0165】従って、上記3本の大径ピン状係合部93
aが第3ねじ13の六角頭の周方向に一つおきに存する
側面に係合した状態になる。よって、ナットランナーを
駆動すると、駆動軸6から駆動トルクがソケット軸94
を介してソケット95からピン状係合部93aに伝わ
り、この第3ねじ13をワークに締付け又は弛めること
ができる。
【0166】上記第2ねじ12や第3ねじ13にトルク
を伝達するとき、3つの係合部材92,93はトルク反
力を受けるが、これら係合部材92,93はソケット軸
94及びソケット95とは結合されておらず別体になっ
ているから、仮に第2ねじ12や第3ねじ13の頭部に
大小の寸法誤差があっても、係合部材92,93とソケ
ット軸94及びソケット95との間の遊びで当該係合部
材92,93がずれ動くことによりその誤差が吸収され
る。従って、トルク反力が1本の係合部材92又は93
に集中することが少なくなる。また、仮に1本の係合部
材92又は93にトルク反力が集中するような状態にな
っても、この係合部材92,93はソケット軸94及び
ソケット95に対して結合されていないから、工具軸全
体が破壊するという問題はない。
【0167】また、係合部材92,93自体に変形等の
損傷を生じた場合は、その損傷した係合部材92,93
のみを新しいものと交換すればよく、締結工具全体を交
換する必要がない。
【0168】<その他>上記各実施形態では、六角頭の
ねじ(六角頭付きボルト)をトルク伝達対象として説明
したが、その頭部形状が六角以外の多角形であっても本
発明は、係合部材の数を変えることによって適用するこ
とができる。また、ボルトに限らず多角形ナットであっ
ても本発明は同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る締結工具の全体構成
を示す縦断面図(図3(a)のA−A線断面図)。
(a)は小径ねじに適用するときの状態を示す。(b)
は大径ねじに適用するときの状態を示す。
【図2】同形態に係る第1工具軸、第2工具軸及び大径
ねじとの関係を示す一部省略した分解斜視図。
【図3】(a)は同形態に係る締結工具を一部省略して
示す拡大正面図である。(b)は同じく一部省略して示
す拡大背面図である。
【図4】同形態に係る小径ねじに適用するときの締結工
具先端部と小径ねじとを示す斜視図。
【図5】図1(a)のB−B線での拡大断面図。
【図6】本発明の実施形態2に係る締結工具の全体構成
を示す縦断面図(図7(a)のA−A線断面図)。
(a)は小径ねじに適用するときの状態を示す。(b)
は大径ねじに適用するときの状態を示す。
【図7】(a)は同形態に係る締結工具を一部省略して
示す拡大正面図であり、(b)は図6(a)のC−C線
での拡大断面図。
【図8】図6(a)のD−D線での拡大断面図。
【図9】本発明の実施形態3に係る締結工具の全体構成
を最も小径のねじに適用するときの状態で示す縦断面
図。
【図10】同形態に係る締結工具の全体構成を小径のね
じに適用するときの状態で示す縦断面図。
【図11】同形態に係る締結工具の全体構成を大径のね
じに適用するときの状態で示す縦断面図。
【図12】同形態に係る第1〜第3の各工具軸の先端
部、係合部材及び第1〜第3のねじの関係を示す分解斜
視図。
【図13】同形態に係る第1〜第3の各工具軸と係合部
材との関係を示す分解斜視図。
【図14】同形態に係る締結工具を一部省略して示す正
面図。
【図15】本発明の実施形態4に係る締結工具の全体構
成を最も小径のねじに適用するときの状態で示す縦断面
図。
【図16】同形態に係る締結工具の全体構成を小径のね
じに適用するときの状態で示す縦断面図。
【図17】同形態に係る締結工具の全体構成を大径のね
じに適用するときの状態で示す縦断面図。
【図18】同形態に係るソケット軸と係合部材との関係
を示す一部省略した斜視図。
【図19】同形態に係るソケットを一部断面にして示す
斜視図。
【図20】同形態に係るソケットの縦断面図。
【図21】同形態に係るソケットの正面図。
【符号の説明】
1 第1工具軸 2 第2工具軸 2a 工具軸本体 3 スプリング 4 固定手段 5 操作筒 6 駆動軸 7 係合面 8 係合部材 9 嵌合溝 10 嵌合孔 15,16 永久磁石 17,18 嵌合溝 61 第1工具軸 62 第2工具軸 62a 工具軸本体 63 第3工具軸 63a 工具軸本体 64 スプリング 65 スプリング 66,67 固定手段 68,69 操作筒 75,76 係合部材 77,84 嵌合溝 85 係合面 91 工具軸 92,93 ピン状係合部材 96 嵌合孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径の異なる複数種類のねじに対して選択
    的に係合し、そのねじに締付け又は弛めのためのトルク
    を伝達するための切替え式異径ねじ締結工具であって、 先端に第1ねじに係合する係合部を有し、回転駆動され
    る第1工具軸と、 先端に上記第1ねじよりも小径の第2ねじに係合する係
    合部を有し、上記第1工具軸と共に回転するように且つ
    軸方向に進退可能に設けられた第2工具軸と、 上記第1ねじにトルクを伝達するときに上記第2工具軸
    を該第1ねじに干渉しないように後退させた位置で上記
    第1工具軸に固定する固定手段とを備え、 上記第2工具軸の係合部は、該第2工具軸本体とは結合
    されず別体になされて軸心回りに配置された複数の係合
    部材によって構成され、 上記各係合部材は、上記該第2工具軸本体に係合してい
    ることを特徴とする切替え式異径ねじ締結工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている切替え式異径
    ねじ締結工具において、 上記第1工具軸が上記係合部材からトルク反力の一部を
    受けるように該係合部材に係合していることを特徴とす
    る切替え式異径ねじ締結工具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
    切替え式異径ねじ締結工具において、 上記第2工具軸本体の先端部外周面に当該工具軸と直交
    する方向に延びる溝が形成され、該溝に上記係合部材が
    嵌まっていることを特徴とする切替え式異径ねじ締結工
    具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記
    載されている切替え式異径ねじ締結工具において、 上記第1工具軸は筒状であって、その先端部内周面に上
    記第1ねじに係合する係合面が形成されているととも
    に、この係合面に軸方向に延びる複数の溝が周方向に間
    隔をおいて形成され、該溝に上記係合部材が軸方向に進
    退自在に嵌められていることを特徴とする切替え式異径
    ねじ締結工具。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
    載されている切替え式異径ねじ締結工具において、 先端に上記第2ねじよりも小径の第3ねじに係合する係
    合部を有し、上記第1工具軸と共に回転するように且つ
    軸方向に進退可能に設けられた第3工具軸と、 上記第1ねじにトルクを伝達するときに上記第3工具軸
    を該第1ねじに干渉しないように後退させた位置で上記
    第1工具軸に固定する固定手段とを備え、 上記第3工具軸の係合部は、該第3工具軸本体とは結合
    されず別体になされた複数の係合部材によって構成さ
    れ、 上記第2工具軸の係合部材と第3工具軸の係合部材と
    は、軸心回りに交互に配置され、 上記第3工具軸の各係合部材は、該第3工具軸本体に係
    合していることを特徴とする切替え式異径ねじ締結工
    具。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されている切替え式異径
    ねじ締結工具において、 上記第2工具軸の係合部材及び第3工具軸の係合部材は
    ピン状に形成されていることを特徴とする切替え式異径
    ねじ締結工具。
  7. 【請求項7】 径の異なる複数種類のねじに対して選択
    的に係合し、そのねじに締付け又は弛めのためのトルク
    を伝達するための切替え式異径ねじ締結工具であって、 先端部に第1ねじにトルクを伝達するように嵌合する嵌
    合部が形成された回転駆動される工具軸と、 上記第1ねじよりも小径の第2ねじに係合する係合部を
    有し、上記工具軸の嵌合部の内側を軸方向に進退可能に
    設けられ、且つ前進方向に付勢された複数の係合部材
    と、 上記第2ねじよりも小径の第3ねじに係合する係合部を
    有し、上記工具軸の嵌合部の内側を軸方向に進退可能に
    設けられ、且つ前進方向に付勢された複数の係合部材と
    を備え、 上記第2ねじ用の係合部材と第3ねじ用の係合部材とは
    上記軸部の回りに交互に配置されていることを特徴とす
    る切替え式異径ねじ締結工具。
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