JP2002144202A - バリ取り方法 - Google Patents

バリ取り方法

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JP2002144202A
JP2002144202A JP2001283619A JP2001283619A JP2002144202A JP 2002144202 A JP2002144202 A JP 2002144202A JP 2001283619 A JP2001283619 A JP 2001283619A JP 2001283619 A JP2001283619 A JP 2001283619A JP 2002144202 A JP2002144202 A JP 2002144202A
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JP2001283619A
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Masaru Kawamura
勝 河村
Ryozo Kitagawa
亮三 北川
Katsuhiko Sekiya
克彦 關谷
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KAWAMURA TEKKOSHO KK
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被処理材表面に傷を付けることなく、自動的
にバリ取りができるバリ取り装置と方法を提供する。 【解決手段】 金属板等の被処理材1に孔形成等の加工
処理をした際に生じたバリを除去するバリ取り装置であ
って、該被処理材1を支持する装置2と、該被処理材1
に設けられた孔9内に遊びを持って遊動可能に配付され
るバリ取り用の媒体3と、該媒体3を被処理材1の孔9
内で遊動させる媒体駆動装置5と、該媒体3を被処理材
1の孔9内に保持する機構23を有する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械加工やプレス
加工等により金属板等の被処理材に孔形成等の加工処理
をした際に生じたバリを除去するバリ取り装置と方法に
係り、より詳細には、タレットパンチャー等で打ち抜い
て孔を開けた金属板等(以下、本明細書において被処理
材という)に形成されているバリを除去するバリ取り装
置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、機械加工やプレス加工された部品
等では、その角稜部にはバリが生じている。そして、こ
れらの加工工程で、生じるバリを除去しないで、部品加
工、組立を行うと、正確な組立ができない。また、機械
に組立てたとしても、該バリが脱落して機械の細部にメ
リ込み、機械の動作信頼性を低下させたり、クリーンル
ーム内に設置された機械の場合には、機械の周囲に塵と
なって排出され周辺環境に悪影響を及ぼす。さらに、該
バリの付着している部分を手等の身体の一部が触れた場
合には、『けが』をする場合があり、危険でもある。特
に、今日のように、製造物責任が問われる時代には、こ
のようなことを極力避けることが必要である。
【0003】ところで、従来、切削加工や研削加工によ
り、バリを取る研究がなされているが、主として油圧、
空気圧機器のバルブ、管等の比較的部品全体が剛性のあ
るものに対してなされているが、該部品として、剛性が
小さい板材を打ち抜いたものについてはあまり解決策が
なく、バリを板表面と共に除去する砥石車方式や砥石ベ
ルト方式等が主に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この砥石車方
式や砥石ベルト方式を用いた従来方式の場合、次のよう
な課題がある。すなわち、 1) 被処理材の表面を共に除去するため、該被処理材の
板厚の寸法がバリ取り処理によって小さくなる。 2) また表面処理が施された被処理材をタレットパンチ
ャー等で打ち抜いたものでは、表面処理層部分に傷がつ
くため、従来法を適用できない。 3) そのため、全てといってよいほど手作業に頼らざる
を得ない。 等の課題がある。
【0005】本発明者は、被処理材のバリ取りについて
種々研究した結果、従来方式ではできなかった被処理材
表面の除去を伴わないバリ取りを、球体ないし立体的な
媒体を用い、この媒体を打ち抜き部に充填して、該媒体
に揺動運動または振動を加えることにより、打ち抜き部
の不安定なバリの除去及び角稜部の丸めを行うことがで
きるのではないかという知見を得るに至った。
【0006】そこで、本発明者はこのような知見に基づ
き、打ち抜かれた被処理材のバリ取り装置について種々
試作し、性能を評価し、板材の材質、板厚、及びバリ取
りに用いる媒体の形状・大きさ・材質等の選定を行うこ
とにより、被処理材の表面に傷を付けることなく、自動
的にバリ取りができることを究明した。
【0007】本発明は、上述した課題に対処して創案し
たものであって、その目的とする処は、被処理材表面に
傷を付けることなく、自動的にバリ取りができるバリ取
り装置と方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための手段としての本発明の請求項1のバリ取り装
置は、金属板等の被処理材に孔形成等の加工処理をした
際に生じたバリを除去するバリ取り装置であって、該被
処理材を支持する装置と、該被処理材に設けられた孔内
に遊びを持って遊動可能に配付されるバリ取り用の媒体
と、該媒体を被処理材の孔内で遊動させる媒体駆動装置
と、該媒体を被処理材の孔内に保持する機構を有するこ
とを特徴とする。被処理材に設けられた孔内で媒体を遊
動させることにより、該孔縁に形成されているバリを除
去できる。
【0009】請求項2のバリ取り装置は、金属板等の被
処理材に孔形成等の加工処理をした際に生じたバリを除
去するバリ取り装置であって、該被処理材を支持する装
置と、該被処理材の外周囲に間隔を開けて配置する枠材
と、該枠材と該被処理材の間に形成される孔内に遊びを
持って遊動可能に配付されるバリ取り用の媒体と、該媒
体を孔内で遊動させる媒体駆動装置と、該媒体を該孔内
に保持する機構を有することを特徴とする。被処理材
と、該被処理材の外周囲に間隔を開けて配置する枠材と
の間で、媒体を遊動させることにより、該被処理材の周
縁に形成されているバリを除去できる。
【0010】請求項3のバリ取り装置は、金属板等の被
処理材に孔形成等の加工処理をした際に生じたバリを除
去するバリ取り装置であって、該被処理材を支持する装
置と、該被処理材の上方に間隔を開けて配置する枠材
と、該枠材内に遊びを持って遊動可能に収納され、かつ
被処理材に設けられた孔内に遊動可能に配付されるバリ
取り用の媒体と、該媒体を該孔材内で遊動させる媒体駆
動装置と、該媒体を該枠材内に保持する機構を有するこ
とを特徴とする。ここで、前記枠材としては、金属板等
の板体に、複数個の媒体を収納できる一個若しくは複数
個の孔を形成し、該孔を媒体保持部分とする構成のもの
が好ましい。すなわち、該枠材は、該媒体を遊動自在に
収納できる孔からなる空間を備えた形態のものであれば
よい。
【0011】請求項4のバリ取り装置は、前記請求項1
〜3の装置において、前記媒体が、球体、楕円球、偏平
球、または多面体等の立体物であることを特徴とする。
ここで、該媒体の形状は、立体物、特に、10面体以上
の多面体もしくは球体が好ましく、対称軸を多数もつ形
状のものが転動しやすいため、バリ取りの効果を向上で
きる。そして、バリ取り用の媒体の材質は、鋼、セラミ
ックス、ガラス等でもよく、限定されないと共に、表面
の平滑性も特に限定されない。衝突のショックによりバ
リを除去する効果をよくするには質量の大きい材質で形
成するのが好ましい。
【0012】請求項5のバリ取り装置は、請求項1〜4
のいずれかの装置において、前記媒体を被処理材の孔内
または枠材内に保持する機構が、該媒体の自重、磁力、
または該被処理材と一定間隔を維持して配置した間隔維
持部材であることを特徴とする。ここで、該機構は、孔
内または枠材内から媒体が転がり出すのを防ぐことが可
能であればよい。従って、媒体の運動を穏やかにして媒
体の自重を利用する構成や、媒体に磁性材料を用いて磁
力を利用する構成でもよい。また、請求項6のバリ取り
装置は、前記請求項1〜5のいずれかの装置において、
前記間隔維持部材が、前記媒体の形状、または大きさに
よって自由に被処理材との間隔を変化させる得る部材で
あることを特徴とする。これにより、被処理材の厚さ
と、前記媒体の形状・大きさにしたがって、該媒体の運
動可能領域の制限を自由に変化させることができ、該被
処理材の孔内に配布された該媒体を被処理材に対して相
対運動させた際に孔内から媒体が転がり出すのを防ぐこ
とができる。
【0013】請求項7のバリ取り装置は、前記請求項1
〜6項のいずれかの装置において、前記媒体駆動装置
が、前記媒体に流体を当てて該媒体を遊動させる流体噴
出ノズルを有し、前記被処理支持装置が、該流体を貫通
して流れさせる開口を有することを特徴とする。該流体
噴出ノズルは、前記媒体に回転、揺動、振動、浮動等の
遊動を与え、被処理材の角稜部及びバリに衝突させて衝
撃を与えたり、研磨するための媒体駆動装置を形成する
ものであって、単体、または、複数個使用しても良い。
動作流体についても特に限定されるものではない。ま
た、該流体噴出ノズルに移動、または首振り等の運動を
させると、媒体の遊動を大きくできる。
【0014】請求項8のバリ取り装置は、請求項3〜6
の装置において、前記媒体駆動装置が、前記媒体を収納
する枠材を前後または/および左右方向に揺動させる駆
動機構を有することを特徴とする。請求項9のバリ取り
装置は、請求項1〜8のいずれかの装置において、前記
媒体の半径が、前記被処理材の厚さより大きい球体から
なることを特徴とする。該媒体の大きさは、該被処理材
の厚さ方向と垂直な方向の媒体最大突出部が被処理材の
厚さより高い位置にある必要があるので、球体の場合に
は、半径が被処理材厚さ以上の大きさであればよいが、
極端に大きすぎると遊動させるのに必要な動力が不必要
に大きくなると共に、孔の角部に衝突できなくなる。好
ましくは、金属基板1の板厚が0.5〜10数mmの場
合、球では直径は、板厚以上で、5倍程度のものがよ
く、より好ましくは2.5〜3.5倍程度でのものがよ
い。また請求項10のバリ取り装置は、前記請求項1〜
9のいずれかの装置は、前記被処理材を支持する装置
は、該被処理材を搬送可能としたものであることを特徴
とする。これにより、被処理材を支持しながら搬送でき
る。請求項11のバリ取り装置は、請求項1〜10のい
ずれかの装置において、前記バリ取り装置の前方または
後方に矯正装置を備えたことを特徴とする。該被処理材
の形状の歪みを矯正し、または前記遊動媒体によるバリ
取り後に残留したバリを取り除くことによりバリ取りの
効果をより向上させることができる。請求項12のバリ
取り装置は、前記請求項1〜11の装置において、前記
被処理材を支持する装置が、コンベアからなり、該コン
ベアは、該被処理材を浮かせた状態に支持する所定間隔
で凸部を有することを特徴とする。ここで、コンベアと
しては、表面に凸部を備えたベルトコンベアを用いるこ
とが好ましい。この凸部によって、被処理材を浮かせる
ことができ、これにより、前記媒体を被処理材の孔の底
部側の縁部分までに有効に接触させることができる。こ
こで、該凸部高さは、前記被処理材の厚みと、略同じ
か、若しくは若干短い程度が好ましい。例えば、被処理
材の板厚が、0.8mmの場合、前記凸部高さは、0.
6〜0.8mm、1.6mm厚みの場合、1.4〜1.
6mmとする。また、請求項13のバリ取り装置は、前
記請求項3〜12の装置において、前記媒体収納枠材
が、交換自在で、かつ前記被処理材と同じ位置に孔が形
成されている枠材からなることを特徴とする。
【0015】また請求項14のバリ取り方法は、金属板
等の被処理材に孔形成等の加工処理をした際に生じたバ
リを除去するバリ取り方法であって、該被処理材を支持
した状態で、該被処理材に設けられた孔内、または該被
処理材の外周囲に間隔を開けて配した枠材と、該枠材と
該被処理材との間に形成される孔内に遊びを持って遊動
可能にバリ取り用の媒体を配布し、該媒体を該孔内で遊
動させてバリ取りをすることを特徴とする。
【0016】請求項15のバリ取り方法は、金属板等の
被処理材に孔形成等の加工処理をした際に生じたバリを
除去するバリ取り方法であって、該被処理材を支持した
状態で、該被処理材の上方に配した枠材内に遊びを持っ
て遊動可能にバリ取り用の媒体を収納すると共に、該媒
体を該被処理材に設けられた孔内、または該被処理材の
外周囲に間隔を開けて配した枠材と該被処理材との間に
形成される孔内に遊びを持って遊動可能にバリ取り用の
媒体を配布し、該媒体を該孔内で遊動させると共に、前
記被処理材上で揺動させてバリ取りをすることを特徴と
する。
【0017】本発明において、前記媒体の遊動とは、回
転、揺動、振動、浮動等、呼び方いかんを問わず、動き
回る意味である。支持体は、被処理材を載置可能であれ
ばよいが、被処理材を移動させるものでもよい。また移
動は、連続または間欠移動できるコンベア形式のもので
もよい。また、被処理材のなかに設けられた孔に対する
バリ取りとしたが、被処理材より大きいものでこれを囲
むようにし、媒体の運動が被処理材とこの囲いの間で行
なわれるようにすると、被処理材の外周に対しても同様
に処理できることは明らかである。被処理材は板に限定
されるものでなく、媒体駆動装置と遊動媒体を孔内に保
持する機構との能力により板形状以外にも適用できる。
【0018】そして、本発明のバリ取り装置は方法は、
前記被処理材に形成されている孔内あるいは該被処理材
と枠材との間に形成される孔内に媒体を配付し、該媒体
と被処理材を相対運動させることにより、該媒体が被処
理材の孔縁や外周縁に形成されているバリと当接し、該
バリの除去ができる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1〜3のバリ取り装置、請求項14〜15のバ
リ取り方法によれば、媒体を遊動させて、これを被処理
材の角稜部およびバリ部に衝突させるので、バリは衝突
の衝撃および磨耗により除去させることができるという
効果を有する。また遊動する媒体は、被処理材の孔内、
または該被処理材と前記枠材との間に形成される孔内に
保持する機構により、該孔外に飛び出すのを規制され
て、該孔の区画内で遊動するので、前記被処理材の表面
を傷つけることがなく、欠陥の少ない製品を得ることが
できるという効果を有する。
【0020】また、請求項4のバリ取り装置によれば、
媒体の取り扱い容易であり、かつバリ取りの作業をむら
なく効率的に行うことができるという効果を有する。請
求項5のバリ取り装置によれば、被処理材の表面を傷付
けることなく、特に、被処理材がメッキ等の表面処理さ
れている場合には、メッキを傷つけることなく、バリを
取ることができ、良好な結果を得ることができるという
効果を有する。請求項6のバリ取り装置によれば、特
に、前記媒体遊動領域を規制する間隔維持部材を用いた
構成の場合、媒体の形状および被処理材の厚さが種々変
更されても、バリ取りが可能になり、バリ取りの適用範
囲を拡げられるという効果を有する。
【0021】また、請求項7のバリ取り装置によれば、
流体噴出ノズルから噴出させた流体を媒体に当てて媒体
を遊動させ、かつ被処理材の支持体および間隔維持部材
が流体が貫通し流れを妨げない開口を有するので、該噴
出流体によって、除去された小さいバリや、媒体の磨耗
粉等を除去できるので、被処理材表面の品位を保つこと
ができるという効果を有する。また、請求項8のバリ取
り装置によれば、前記媒体駆動装置が、前記媒体を収納
する媒体収納枠材を前後または/および左右方向に揺動
させる駆動機構を有するので、媒体をスムーズに被処理
材の孔内または枠材と被処理材との形成する孔内で遊動
させることができるという効果を有する。請求項9のバ
リ取り装置によれば、前記媒体の半径が被処理材の厚さ
以上の球体からなるので、該媒体を、被処理材の角稜部
のバリに確実に衝突させることができ、効率よくバリを
除去することができるという効果を有する。
【0022】請求項10のバリ取り装置によれば、前記
被処理材の支持体が、該被処理材を搬送可能としている
ので、多数の被処理材を連続的に処理することが可能と
なり、生産性を向上させることができるという効果を有
する。請求項11のバリ取り装置によれば、矯正装置を
遊動媒体によるバリ取りの前方または、後方に備えてい
るので、前記被処理材の形状のひずみを取り、遊動媒体
によるバリ取り効果を向上させることができ、または遊
動媒体によるバリ取りによっても残留した大きいバリを
取ることが可能となり、バリ取りの効果が向上させるこ
とができるという効果を有する。請求項12のバリ取り
装置によれば、前記被処理材を支持する装置が、コンベ
アからなり、該コンベアは、該被処理材を浮かせた状態
に支持する所定間隔で凸部を有するので、前記媒体を被
処理材の孔の底部側の縁部分までに有効に接触させるこ
とができるという効果を有する。また請求項13のバリ
取り装置によれば、前記媒体収納枠材が、交換自在で、
かつ前記被処理材と同じ位置に孔が形成されている枠材
からなるので、該媒体が確実に該孔内に落下し、該孔内
で遊動し、被処理材表面を傷つけることなく、バリ取り
が正確に行えるという効果を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を具体化した、より好ましい実施形態について説明す
る。ここに、図1〜図4は本発明の第1実施形態を示
し、図1はバリ取り装置の構成を示す側面図、図2は被
処理材を移送するコンベアの一部を示す平面図、図3は
媒体供給部の正面図、図4は被処理材の孔内へ媒体を配
置した状態を説明するための平面図、図5〜図6は、本
発明の第2実施形態を示し、図5は平面図、図6は概略
縦側面図である。
【0024】−実施形態1− 本実施形態のバリ取り装置は、被処理材に孔加工した際
に生じたバリを除去するバリ取り装置であって、図1〜
図4に示すように、被処理材1を載置して移動させるコ
ンベア2と、コンベア2に載置した被処理材1に設けら
れた孔9の内部(打ち抜き部)に遊動可能に供給される
研磨用の媒体である球体3と、金属基板1のコンベアと
逆側に一定の間隔を維持して配置され、球体3を被処理
材の孔9内に保持するように作用する間隔維持部材4
と、球体3を被処理材1の孔9内で遊動させる媒体駆動
装置5を形成する空気噴出ノズル13と、球体3を被処
理材1の孔9内から除去する媒体除去装置6、および矯
正装置7とからなり、コンベア2には被処理材1を供給
する材料搬入装置8を備えている。
【0025】被処理材1をバリ取り部に搬入する材料搬
入装置8は、ベルトコンベアからなり、コンベア2と同
一平面に配置され、そのリターンロール20がコンベア
2の入口端に近接して配置されている。このベルトコン
ベアは、コンベア2と同速度で運転され、被処理材1を
ベルトに載置してコンベア2に供給する。
【0026】コンベア2は、材料搬入装置8により搬入
される被処理材1を載置し、バリ取り位置に連続して移
送し、そこで空気を吹きつけることにより被処理材1の
孔9内で球体3を遊動させてバリ取り作業を行う装置で
ある。このコンベア2は、図2に示すように、プレート
21、21を連結して形成し、各プレート21には球体
3は通過しないが、吹き付けた空気が貫通して排出でき
るように小孔22を多数設けている。また、各プレート
21表面にはゴム等の弾性部材をコーティングして被処
理材の裏面を傷つけないようにし、コンベア2に被処理
材1を載置して移送するように、コンベア2を支持する
サポートロール23を多数個配置している。コンベア2
の始端には球体供給部10が設けられ、この球体供給部
10は、球体3の供給を開閉する供給バルブ11を備え
ると共に球体3を蓄えておく貯留部19を有している。
これにより、球体3の供給量等を調整できる。
【0027】球体3は、バリの付いた被処理材1の孔9
内で不規則に動き回り(遊動し)、孔9の角稜部に衝突
し、この衝突のショック及び研磨によりバリの脱落及び
角稜部の面取りを行うためのバリ取り部材(媒体)であ
る。そして、球体3は、コンベア2に載置された被処理
材1の孔9内に保持されて移送されながら、孔加工で形
成されたバリに衝突し、該バリを被処理材1と分離して
除去するようにしている。この際、球体3は、被処理材
1の孔9内から表面に転がり出ないように間隔維持部材
4により運動が規制される。
【0028】間隔維持部材4は、コンベア2に載置され
た被処理材1の孔9に、球体3を散布、供給し、孔9に
配布されない球体3を排除すると共に、孔9内に球体3
を維持する作用をする部材で、球体3より小さい多数の
開口を有するパンチングメタル又は金網から形成されて
いる。この間隔維持部材4は、コンベア2上に載置され
た被処理材1に対向して平行に、被処理材1の裏面(コ
ンベア2との接触面)からは球体3の大きさにより離れ
て配置され、かつ、被処理材1の表面(コンベア2と接
触していない面)からは球体3の大きさよりは近い位置
に設けられている。また、間隔維持部材4は、被処理材
1の厚さや球体3の大きさによって適切な位置に設置で
きるように、図示ないし間隔調整装置によりコンベア2
と間隔維持部材4との間隔を自由に調整できるものとな
っている。そして、間隔維持部材4は、球体供給部10
から供給されてくる球体3を被処理材1の孔9内に、図
4に示すように散布供給する。また、図3に示すよう
に、孔9内に散布されなかった球体3を被処理材1の表
面を転がらせ、被処理材1の表面から除いて分離部12
に集めて回収する。
【0029】媒体駆動装置5は、球体3を遊動させ、被
処理材1の孔9の角稜部、バリに衝突させて衝撃を与え
たり、研磨するための装置であって、コンベア2の移送
方向に沿って設けられている。この媒体駆動装置5は、
コンベア2で移送される被処理材1に向けて設けた多数
の空気噴出ノズル13を有し、図示しないブロワ、コン
プレッサ等の空気供給装置に接続されている。なお、こ
の空気噴出ノズル13は、図では千鳥状に配置され、こ
こから噴出した空気流により球体3の遊動が活発に行わ
れるようにしている。この空気噴出ノズル13は球体3
の遊動を活発に行なわせることができればよく、どのよ
うな配置でもよい。ここで、空気噴出ノズル13が首振
り運動を行なえるようにすると球体3の遊動はより大き
くなる。そして、この空気噴出ノズル13から噴出した
空気は、間隔維持部材4の開口を貫通し、球体3に衝突
して間隔維持部材4とコンベア2間の孔9内で球体3に
遊動、回動、振動等を与えて、コンベア2の小孔22を
貫通して装置外へ排出される。この際、噴出空気の大部
分はコンベア2の小孔22を貫通し、一部は球体供給部
10の開口や媒体除去装置6や接続部等から漏れるが、
必要に応じてこれらの空気は処理して、この空気中に含
まれる除去されたバリ、球体3の磨耗粉等のこたい除去
する。さらに、この媒体駆動装置5が設置された部分で
バリ処理が終了した被処理材1は、コンベア2により移
送され、媒体除去装置6で孔9から球体3が除去され
る。
【0030】被処理材1から球体3を除去する媒体除去
装置6は、媒体駆動装置5の終端に設けられ、コンベア
2の終端の下方に分離ノズル14を有し、除去した球体
3を受けて分離部12に送る媒体受部15を有してい
る。分離ノズル14は空気を噴出し、コンベア2の小孔
22を貫通させ、球体3を孔9から飛ばして回収する部
材であり、空気噴出ノズル13へ空気を供給する空気供
給装置に接続されている。この媒体除去装置6は、球体
3を孔9内から排除できればよく、分離ノズル14は必
要に応じて設置し、コンベア側方から球体3へ向かい空
気を噴出させる構成としてもよい。また媒体除去装置6
で被処理材1から除去された球体3を受ける媒体受部1
5および分離部12が空気噴出ノズル5と対向する位置
に設けられている。この分離部12は、球体供給部10
において被処理材1の孔9に配布されない球体3を集め
ると共に媒体受部15で受けた球体3を集める。この分
離部12は篩18が設けられており、媒体受部15で受
けた球体3を集めて球体3に付着したバリ等を分離す
る。そして、必要に応じて、球体3を除去された被処理
材1は、続いて移送ロール16に移され、矯正ロール7
に運ばれる。
【0031】矯正ロール7は、大きなバリを折り曲げて
押しつぶし、切離して除去する装置で、被処理材1を挟
む対向する一対のロール17,17からなっている。ロ
ール17は、鋼、ステンレス等の金属又はセラミックス
等の無機質等の硬質材質からなるもので有っても良い
し、これらのロールの表面にゴム、プラスチック等を被
覆したものであってもよい。また、この矯正ロール7
は、常に使用しなくてもよい。この矯正ロール7による
バリの除去は、工具を使用する切削加工のように工具移
動方向にバリが再形成されるということがない。さら
に、本実施形態では、球体3の遊動によるバリ取りの後
に矯正ロール7が設置されているが、被処理材1の形状
が歪んでうねっているような場合には、この形状の歪み
を正すために、球体3の遊動によるバリ取り装置の前方
に設置してもよい。
【0032】次に、上述した本発明の実施形態のバリ取
り装置によるバリ取り方法を説明する。まず、被処理材
1を材料搬入装置8のベルトコンベアに載置し、移動を
させてコンベア2に供給する。このとき、ベルトコンベ
アは、コンベア2と同一平面に配置され、材料搬入装置
8のリターンロール20がコンベア2の入口端に近接し
て配置され、コンベア2と同速で運転されているので、
被処理材1を円滑にコンベア2上に載置することができ
る。
【0033】コンベア2上に載置された被処理材1は、
球体3がコンベア2上に供給されている球体供給部10
の下方に達したとき、その部分に位置した孔9に球体3
を嵌め入れながら移動する。孔9内に散布されないで被
処理材1の表面に残っている球体3は、間隔維持部材4
に接触して押し戻され、球体供給部10で滞留又は分離
部12へ排出させられる。
【0034】そして、孔9に球体3を嵌め込まれた被処
理材1は、コンベア2により媒体駆動装置5と分離部1
2の間に移送され、空気噴出ノズル13から吹き出して
間隔維持部材4の開口を貫通してくる空気にあたる。こ
のとき、球体3は、孔9の中で回動、振動、揺動、浮動
等遊動し、孔9の壁面、特に角稜部とあるいは孔9内の
他の球体3と衝突するが、コンベア2と対向する方向に
は間隔維持部材4があるため、これと衝突し、孔9から
飛び出すことがない。この孔9の壁面特に角稜部と球体
3との衝突により、バリは脱離されたり、研磨されて除
かれる。
【0035】媒体駆動装置5と分離部12の間を移送さ
れ、コンベア2の終端に達した被処理材1は、続いて移
送ロール16に移され、必要に応じて矯正ロール7に運
ばれる。この矯正ロール7で、被処理材1の大きなバリ
は折り曲げられて押しつぶされて、切り離されて除去さ
れ、製品が得られる。
【0036】被処理材1の孔9内の球体3は、コンベア
2の終端で分離ノズル14から噴出された空気により孔
9から飛ばされ、媒体受部15で回収され、分離部12
に集められる。そして、この分離部12で篩18により
球体3からバリを除去し、球体3は球体貯留部に戻して
再使用する。
【0037】以上のように、本実施形態のバリ取り装置
は、媒体を遊動させてこれを角稜部およびバリ部に衝突
させるので、バリは衝突の衝撃および磨耗により離脱さ
せることができる。また遊動する媒体は、間隔維持部材
等により孔外へ飛び出すのを規制され、孔の区画内で遊
動し、被処理材の表面を傷付けることがなく、欠陥のな
い製品を得ることができる。
【0038】−実施形態2− 本実施形態のバリ取り装置は、図5〜図6に示すよう
に、前述した実施形態1の場合と同じく、被処理材に孔
加工した際に生じたバリを除去するためのバリ取り装置
であって、被処理材1を載置して移動させるコンベア2
と、コンベア2に載置した被処理材1に設けられた孔9
の内部(打ち抜き部)に遊動可能に供給される研磨用の
媒体である球体3と、金属基板1のコンベアと逆側に一
定の間隔を維持して配置され、球体3を収納すると共
に、被処理材の孔9内に保持させる媒体収納枠材31
と、球体3を被処理材1の孔9内で遊動させるために、
媒体収納枠材31を揺動駆動させるための媒体駆動装置
32を備えている。
【0039】コンベア2は、ベルトコンベア装置からな
り、該装置のベルトとしては、表面に凸部33を備えた
凸部付きベルトを用いている。この凸部33は、被処理
材1を所定間隔浮かせた状態で搬送するためのものであ
って、被処理材1の厚みに応じた高さのものを用いるこ
とが好ましい。板厚みが、0.8mmの場合、凸部高さ
が0.6〜0.8mm、板厚みが、1mmの場合、凸部
高さが0.8〜1.0mm、板厚みが、1.2mmの場
合、凸部高さが1.0〜0.2mm、板厚みが、1.6
mmの場合、凸部高さが1.4〜1.6mm程度が好ま
しい。また、球体3は、被処理材1の板厚みにより、板
厚みが薄い場合(0.8〜1.2mm程度)は、直径が
8mm程度の球体を用い、また板厚みが1.6mm程度
の場合は、直径が11mm程度の球体を用いることが好
ましい。これにより、球体3が被処理材1の孔9に遊動
自在に配付でき、かつ孔縁に形成されているバリにスム
ーズに当接させることができ、該バリの除去ができる。
【0040】媒体収納枠材31は、複数個の球体3を遊
動自在に収納するための枠材であって、枠材31aと、
球体3を上方に飛び出すのを防止するための蓋材31b
を備えている。枠材31aは、複数個の球体3を収納で
きる空間を備え、枠材31aの揺動によって、球体3を
遊動させることができる。この媒体収納枠材31は、被
処理材1の搬送方向に沿って、複数個(本実施形態にお
いては2個)配置してあり、枠材31aを被処理材1の
搬送方向に沿って左右方向に揺動させる枠材左右揺動部
35と、枠材31aを被処理材1の搬送方向に沿って前
後方向に揺動させる枠材前後揺動部36を備えている。
ここで、この媒体収納枠材31としては、被処理材1と
同じ位置に孔が形成されている板体で形成してもよい。
このような板体を用いる場合、被処理材1に形成されて
いる孔9と、媒体収納枠材31に形成されている孔が重
なった位置になった際、球体3をスムーズに被処理材1
の孔9内に落下させることができる。媒体駆動装置32
は、媒体収納枠材31を前後左右に揺動駆動させるため
の駆動部であって、モーター駆動を用いている。
【0041】そして、本実施形態のバリ取り装置は、被
処理材1をコンベア2の凸部33上に載置した後、コン
ベア2を駆動させると、被処理材1は、凸部33によっ
てコンベア2との間に所定の隙間が保持された状態で、
媒体収納枠材31に球体3が収納されている研磨処理部
である枠材左右揺動部35に搬送される。この被処理材
1が、枠材左右揺動部35に到達すると、枠材31a内
に収納された球体9が被処理材1の孔3内に落下し、該
枠材左右揺動部35の枠材31aを揺動させると、該落
下した球体9が、被処理材1の搬送方向に沿って、その
左右方向に孔3内で遊動するため、該孔3に形成されて
いるバリに当接して、該バリの除去ができる。次に、該
コンベア2により被処理材1が枠材前後揺動部36に到
達すると、枠材左右揺動部35の場合と同じく、枠材3
1a内に収納された球体9が被処理材1の孔3内に落下
し、該枠材前後揺動部36の枠材31aを揺動させる
と、該落下した球体9が、被処理材1の搬送方向に沿っ
て、その前後方向に孔3内で遊動し、該孔3に形成され
ている残りのバリに当接して、残りのバリの除去ができ
る。
【0042】このようにして、バリの除去された被処理
材1は、コンベア2によって、洗浄部で搬送されて洗浄
され、更に、押さえロール部に搬送されて押圧処理され
て、バリ取りが終了する。本実施形態のバリ取り装置の
場合、球体9が予め媒体収納枠材31内に収納されてい
て、この媒体収納枠材31を前後・左右方向に揺動させ
ることで、球体9を被処理材1の孔3内に落下、遊動さ
せることができ、該球体の遊動によりバリ取りが行え
る。ところで、本実施形態において、球体9の揺動(遊
動)は、実施形態1におけるエアー噴射による機構を用
いることもできる。この場合、蓋体31bを網板あるい
は多数の孔が形成されている板体を用いることが肝要で
ある。
【0043】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で
変形実施できる構成を含む。因に、上述した実施形態に
おいて、コンベアを連続移動させながら、流体噴出ノズ
ルから空気を噴出して媒体を遊動させてバリを取る構成
の代わりに、コンベアを間欠的に移動させ、停止させて
から、流体噴出ノズルから空気を噴出して媒体を遊動さ
せてバリを取るものであってもよいし、揺動可能なテー
ブルの上に被処理材を載置し、球体を孔内に嵌め入れた
後、回りを囲みテーブルを揺動させるように構成しても
よい。また、間隔維持部材を流体噴出ノズルとコンベア
の間に全面的に設けた例で示したが、媒体が大きく、浮
動しにくい場合は、始端部のみに設けて媒体を配布させ
るためにのみ使用する構成としてもよい。その他、上述
の例に限られず、同様の作用効果を奏する構造に形成し
てもよいことは当然である。
【0044】また、本発明のバリ取り装置は、被処理材
に孔加工されている孔周縁のバリ取りの他に、該被処理
材の外周縁のバリ取りにも適用できる。この場合は、該
被処理材の周囲に枠材を配して、該枠材と被処理材との
間に形成される孔に球体等の媒体を配布、供給して、該
媒体を遊動させる構成とする。その他の構成について
は、前述した実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のバリ取り装置の構成を示
す概略側面図である。
【図2】被処理材を移送するコンベアの一部を示す平面
図である。
【図3】媒体供給部の正面図である。
【図4】被処理材の孔内へ媒体を配置した状態を説明す
るための平面図である。
【図5】本発明の実施形態2のバリ取り装置の構成を示
す概略平面図である。
【図6】図5の概略側面図である。
【符号の説明】
1:被処理材、2:コンベア、3:球体、4:間隔維持
部材、5:媒体駆動装置、6:媒体除去装置、7:矯正
装置、8:材料搬入装置、9:孔、10:球体供給部、
11:供給バルブ、12:分離部、13:空気噴出ノズ
ル、14:分離ノズル、15:媒体受部、16:移送ロ
ール、17:ロール、18:篩、19:貯留部、20:
リターンロール、21:プレート、22:小孔、23:
サポートロール、31:媒体収納枠材、31a:枠材、
31b:蓋材、32:媒体駆動装置、33:凸部、3
4:、35:枠材左右揺動部、36:枠材前後揺動部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月19日(2001.9.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 バリ取り方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械加工やプレス
加工等により金属板等の被処理材に孔形成等の加工処理
をした際に生じたバリを除去する方法に係り、より詳細
には、タレットパンチャー等で打ち抜いて孔を開けた金
属板等(以下、本明細書において被処理材という)に形
成されているバリを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、機械加工やプレス加工された部品
等では、その角稜部にはバリが生じている。そして、こ
れらの加工工程で、生じるバリを除去しないで、部品加
工、組立を行うと、正確な組立ができない。また、機械
に組立てたとしても、該バリが脱落して機械の細部にメ
リ込み、機械の動作信頼性を低下させたり、クリーンル
ーム内に設置された機械の場合には、機械の周囲に塵と
なって排出され周辺環境に悪影響を及ぼす。さらに、該
バリの付着している部分を手等の身体の一部が触れた場
合には、『けが』をする場合があり、危険でもある。特
に、今日のように、製造物責任が問われる時代には、こ
のようなことを極力避けることが必要である。
【0003】ところで、従来、切削加工や研削加工によ
り、バリを取る研究がなされているが、主として油圧、
空気圧機器のバルブ、管等の比較的部品全体が剛性のあ
るものに対してなされているが、該部品として、剛性が
小さい板材を打ち抜いたものについてはあまり解決策が
なく、バリを板表面と共に除去する砥石車方式や砥石ベ
ルト方式等が主に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この砥石車方
式や砥石ベルト方式を用いた従来方式の場合、次のよう
な課題がある。すなわち、 (1)被処理材の表面を共に除去するため、該被処理材
の板厚の寸法がバリ取り処理によって小さくなる。 (2)また表面処理が施された被処理材をタレットパン
チャー等で打ち抜いたものでは、表面処理層部分に傷が
つくため、従来法を適用できない。 (3)そのため、全てといってよいほど手作業に頼らざ
るを得ない。 等の課題がある。
【0005】本発明者は、被処理材のバリ取りについて
種々研究した結果、従来方式ではできなかった被処理材
表面の除去を伴わないバリ取りを、球体ないし立体的な
媒体を用い、この媒体を打ち抜き部に充填して、該媒体
に揺動運動又は振動を加えることにより、打ち抜き部の
不安定なバリの除去及び角稜部の丸めを行うことができ
るのではないかという知見を得るに至った。
【0006】そこで、本発明者はこのような知見に基づ
き、打ち抜かれた被処理材のバリ取り装置について種々
試作し、性能を評価し、板材の材質、板厚、及びバリ取
りに用いる媒体の形状・大きさ・材質等の選定を行うこ
とにより、被処理材の表面に傷を付けることなく、自動
的にバリ取りができることを究明した。
【0007】本発明は、上述した課題に対処して創案し
たものであって、その目的とする処は、被処理材表面に
傷を付けることなく、自動的にバリ取りができるバリ取
り方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための手段としての本発明の請求項1のバリ取り方
法は、金属板等の被処理材に、孔形成等の加工処理をし
た際に生じたバリを除去するバリ取り方法であって、前
記被処理材を支持した状態で、該被処理材に形成された
孔に遊動可能にバリ取り用の球体を配置し、該球体を前
記孔内で遊動させてバリ取りをしている。請求項2記載
のバリ取り方法は、請求項1記載のバリ取り方法におい
て、前記被処理材は表面に凸部を備えたコンベア上に浮
かせた状態で支持されている。そして、請求項3記載の
バリ取り方法は、請求項1又は2記載のバリ取り方法に
おいて、前記球体は、媒体駆動装置によって揺動駆動さ
れる媒体収納枠材で保持されている。
【0009】本発明において、媒体の遊動とは、回転、
揺動、振動、浮動等、呼び方如何を問わず、動き回る意
味である。支持体は、被処理材を載置可能であればよい
が、被処理材を移動させるものでもよい。また移動は、
連続又は間欠移動できるコンベア形式のものでもよい。
また、被処理材のなかに設けられた孔に対するバリ取り
としたが、被処理材より大きいものでこれを囲むように
し、媒体の運動が被処理材とこの囲いの間で行なわれる
ようにすると、被処理材の外周に対しても同様に処理で
きることは明らかである。被処理材は板に限定されるも
のでなく、媒体駆動装置と遊動媒体を孔内に保持する機
構との能力により板形状以外にも適用できる。
【0010】そして、本発明のバリ取り方法は、前記被
処理材に形成されている孔内あるいは該被処理材と枠材
との間に形成される孔内に媒体を配付し、該媒体と被処
理材を相対運動させることにより、該媒体が被処理材の
孔縁に形成されているバリと当接し、該バリの除去がで
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明のバリ取り方法を具体化したより好ましい実施形態に
ついて説明する。ここに、図1〜図4は本発明の第1実
施形態を示し、図1は本発明のバリ取り方法を適用した
装置の構成を示す側面図、図2は被処理材を移送するコ
ンベアの一部を示す平面図、図3は媒体供給部の正面
図、図4は被処理材の孔内へ媒体を配置した状態を説明
するための平面図、図5〜図6は、本発明の第2実施形
態を示し、図5は平面図、図6は概略縦側面図である。
【0012】−実施形態1− 本実施形態のバリ取り方法を適用したバリ取り装置は、
被処理材に孔加工した際に生じたバリを除去するバリ取
り装置であって、図1〜図4に示すように、被処理材1
を載置して移動させるコンベア2と、コンベア2に載置
した被処理材1に設けられた孔9の内部(打ち抜き部)
に遊動可能に供給される研磨用の媒体である球体3と、
金属基板1のコンベアと逆側に一定の間隔を維持して配
置され、球体3を被処理材の孔9内に保持するように作
用する間隔維持部材4と、球体3を被処理材1の孔9内
で遊動させる媒体駆動装置5を形成する空気噴出ノズル
13と、球体3を被処理材1の孔9内から除去する媒体
除去装置6、及び矯正装置7とからなり、コンベア2に
は被処理材1を供給する材料搬入装置8を備えている。
【0013】被処理材1をバリ取り部に搬入する材料搬
入装置8は、ベルトコンベアからなり、コンベア2と同
一平面に配置され、そのリターンロール20がコンベア
2の入口端に近接して配置されている。このベルトコン
ベアは、コンベア2と同速度で運転され、被処理材1を
ベルトに載置してコンベア2に供給する。
【0014】コンベア2は、材料搬入装置8により搬入
される被処理材1を載置し、バリ取り位置に連続して移
送し、そこで空気を吹きつけることにより被処理材1の
孔9内で球体3を遊動させてバリ取り作業を行う装置で
ある。このコンベア2は、図2に示すように、プレート
21、21を連結して形成し、各プレート21には球体
3は通過しないが、吹き付けた空気が貫通して排出でき
るように小孔22を多数設けている。また、各プレート
21表面にはゴム等の弾性部材をコーティングして被処
理材の裏面を傷つけないようにし、コンベア2に被処理
材1を載置して移送するように、コンベア2を支持する
サポートロール23を多数個配置している。コンベア2
の始端には球体供給部10が設けられ、この球体供給部
10は、球体3の供給を開閉する供給バルブ11を備え
ると共に球体3を蓄えておく貯留部19を有している。
これにより、球体3の供給量等を調整できる。
【0015】球体3は、バリの付いた被処理材1の孔9
内で不規則に動き回り(遊動し)、孔9の角稜部に衝突
し、この衝突のショック及び研磨によりバリの脱落及び
角稜部の面取りを行うためのバリ取り部材(媒体)であ
る。そして、球体3は、コンベア2に載置された被処理
材1の孔9内に保持されて移送されながら、孔加工で形
成されたバリに衝突し、該バリを被処理材1と分離して
除去するようにしている。この際、球体3は、被処理材
1の孔9内から表面に転がり出ないように間隔維持部材
4により運動が規制される。
【0016】間隔維持部材4は、コンベア2に載置され
た被処理材1の孔9に、球体3を散布、供給し、孔9に
配布されない球体3を排除すると共に、孔9内に球体3
を維持する作用をする部材で、球体3より小さい多数の
開口を有するパンチングメタル又は金網から形成されて
いる。この間隔維持部材4は、コンベア2上に載置され
た被処理材1に対向して平行に、被処理材1の裏面(コ
ンベア2との接触面)からは球体3の大きさにより離れ
て配置され、かつ、被処理材1の表面(コンベア2と接
触していない面)からは球体3の大きさよりは近い位置
に設けられている。また、間隔維持部材4は、被処理材
1の厚さや球体3の大きさによって適切な位置に設置で
きるように、図示ないし間隔調整装置によりコンベア2
と間隔維持部材4との間隔を自由に調整できるものとな
っている。そして、間隔維持部材4は、球体供給部10
から供給されてくる球体3を被処理材1の孔9内に、図
4に示すように散布供給する。また、図3に示すよう
に、孔9内に散布されなかった球体3を被処理材1の表
面を転がらせ、被処理材1の表面から除いて分離部12
に集めて回収する。
【0017】媒体駆動装置5は、球体3を遊動させ、被
処理材1の孔9の角稜部、バリに衝突させて衝撃を与え
たり、研磨するための装置であって、コンベア2の移送
方向に沿って設けられている。この媒体駆動装置5は、
コンベア2で移送される被処理材1に向けて設けた多数
の空気噴出ノズル13を有し、図示しないブロワ、コン
プレッサ等の空気供給装置に接続されている。なお、こ
の空気噴出ノズル13は、図では千鳥状に配置され、こ
こから噴出した空気流により球体3の遊動が活発に行わ
れるようにしている。この空気噴出ノズル13は球体3
の遊動を活発に行なわせることができればよく、どのよ
うな配置でもよい。ここで、空気噴出ノズル13が首振
り運動を行なえるようにすると球体3の遊動はより大き
くなる。そして、この空気噴出ノズル13から噴出した
空気は、間隔維持部材4の開口を貫通し、球体3に衝突
して間隔維持部材4とコンベア2間の孔9内で球体3に
遊動、回動、振動等を与えて、コンベア2の小孔22を
貫通して装置外へ排出される。この際、噴出空気の大部
分はコンベア2の小孔22を貫通し、一部は球体供給部
10の開口や媒体除去装置6や接続部等から漏れるが、
必要に応じてこれらの空気は処理して、この空気中に含
まれる除去されたバリ、球体3の磨耗粉等のこたい除去
する。さらに、この媒体駆動装置5が設置された部分で
バリ処理が終了した被処理材1は、コンベア2により移
送され、媒体除去装置6で孔9から球体3が除去され
る。
【0018】被処理材1から球体3を除去する媒体除去
装置6は、媒体駆動装置5の終端に設けられ、コンベア
2の終端の下方に分離ノズル14を有し、除去した球体
3を受けて分離部12に送る媒体受部15を有してい
る。分離ノズル14は空気を噴出し、コンベア2の小孔
22を貫通させ、球体3を孔9から飛ばして回収する部
材であり、空気噴出ノズル13へ空気を供給する空気供
給装置に接続されている。この媒体除去装置6は、球体
3を孔9内から排除できればよく、分離ノズル14は必
要に応じて設置し、コンベア側方から球体3へ向かい空
気を噴出させる構成としてもよい。また媒体除去装置6
で被処理材1から除去された球体3を受ける媒体受部1
5及び分離部12が空気噴出ノズル5と対向する位置に
設けられている。この分離部12は、球体供給部10に
おいて被処理材1の孔9に配布されない球体3を集める
と共に媒体受部15で受けた球体3を集める。この分離
部12は篩18が設けられており、媒体受部15で受け
た球体3を集めて球体3に付着したバリ等を分離する。
そして、必要に応じて、球体3を除去された被処理材1
は、続いて移送ロール16に移され、矯正ロール7に運
ばれる。
【0019】矯正ロール7は、大きなバリを折り曲げて
押しつぶし、切離して除去する装置で、被処理材1を挟
む対向する一対のロール17,17からなっている。ロ
ール17は、鋼、ステンレス等の金属又はセラミックス
等の無機質等の硬質材質からなるもので有っても良い
し、これらのロールの表面にゴム、プラスチック等を被
覆したものであってもよい。また、この矯正ロール7
は、常に使用しなくてもよい。この矯正ロール7による
バリの除去は、工具を使用する切削加工のように工具移
動方向にバリが再形成されるということがない。さら
に、本実施形態では、球体3の遊動によるバリ取りの後
に矯正ロール7が設置されているが、被処理材1の形状
が歪んでうねっているような場合には、この形状の歪み
を正すために、球体3の遊動によるバリ取り装置の前方
に設置してもよい。
【0020】次に、上述したバリ取り装置によるバリ取
り方法を説明する。まず、被処理材1を材料搬入装置8
のベルトコンベアに載置し、移動をさせてコンベア2に
供給する。このとき、ベルトコンベアは、コンベア2と
同一平面に配置され、材料搬入装置8のリターンロール
20がコンベア2の入口端に近接して配置され、コンベ
ア2と同速で運転されているので、被処理材1を円滑に
コンベア2上に載置することができる。
【0021】コンベア2上に載置された被処理材1は、
球体3がコンベア2上に供給されている球体供給部10
の下方に達したとき、その部分に位置した孔9に球体3
を嵌め入れながら移動する。孔9内に散布されないで被
処理材1の表面に残っている球体3は、間隔維持部材4
に接触して押し戻され、球体供給部10で滞留又は分離
部12へ排出させられる。
【0022】そして、孔9に球体3を嵌め込まれた被処
理材1は、コンベア2により媒体駆動装置5と分離部1
2の間に移送され、空気噴出ノズル13から吹き出して
間隔維持部材4の開口を貫通してくる空気にあたる。こ
のとき、球体3は、孔9の中で回動、振動、揺動、浮動
等遊動し、孔9の壁面、特に角稜部とあるいは孔9内の
他の球体3と衝突するが、コンベア2と対向する方向に
は間隔維持部材4があるため、これと衝突し、孔9から
飛び出すことがない。この孔9の壁面特に角稜部と球体
3との衝突により、バリは脱離されたり、研磨されて除
かれる。
【0023】媒体駆動装置5と分離部12の間を移送さ
れ、コンベア2の終端に達した被処理材1は、続いて移
送ロール16に移され、必要に応じて矯正ロール7に運
ばれる。この矯正ロール7で、被処理材1の大きなバリ
は折り曲げられて押しつぶされて、切り離されて除去さ
れ、製品が得られる。
【0024】被処理材1の孔9内の球体3は、コンベア
2の終端で分離ノズル14から噴出された空気により孔
9から飛ばされ、媒体受部15で回収され、分離部12
に集められる。そして、この分離部12で篩18により
球体3からバリを除去し、球体3は球体貯留部に戻して
再使用する。
【0025】以上のように、本バリ取り装置は、媒体を
遊動させてこれを角稜部及びバリ部に衝突させるので、
バリは衝突の衝撃及び磨耗により離脱させることができ
る。また遊動する媒体は、間隔維持部材等により孔外へ
飛び出すのを規制され、孔の区画内で遊動し、被処理材
の表面を傷付けることがなく、欠陥のない製品を得るこ
とができる。
【0026】−実施形態2− 本実施形態のバリ取り方法を適用したバリ取り装置は、
図5〜図6に示すように、前述した実施形態1の場合と
同じく、被処理材に孔加工した際に生じたバリを除去す
るためのバリ取り装置であって、被処理材1を載置して
移動させるコンベア2と、コンベア2に載置した被処理
材1に設けられた孔9の内部(打ち抜き部)に遊動可能
に供給される研磨用の媒体である球体3と、金属基板1
のコンベアと逆側に一定の間隔を維持して配置され、球
体3を収納すると共に、被処理材の孔9内に保持させる
媒体収納枠材31と、球体3を被処理材1の孔9内で遊
動させるために、媒体収納枠材31を揺動駆動させるた
めの媒体駆動装置32を備えている。
【0027】コンベア2は、ベルトコンベア装置からな
り、該装置のベルトとしては、表面に凸部33を備えた
凸部付きベルトを用いている。この凸部33は、被処理
材1を所定間隔浮かせた状態で搬送するためのものであ
って、被処理材1の厚みに応じた高さのものを用いるこ
とが好ましい。板厚みが、0.8mmの場合、凸部高さ
が0.6〜0.8mm、板厚みが、1mmの場合、凸部
高さが0.8〜1.0mm、板厚みが、1.2mmの場
合、凸部高さが1.0〜0.2mm、板厚みが、1.6
mmの場合、凸部高さが1.4〜1.6mm程度が好ま
しい。また、球体3は、被処理材1の板厚みにより、板
厚みが薄い場合(0.8〜1.2mm程度)は、直径が
8mm程度の球体を用い、また板厚みが1.6mm程度
の場合は、直径が11mm程度の球体を用いることが好
ましい。これにより、球体3が被処理材1の孔9に遊動
自在に配付でき、かつ孔縁に形成されているバリにスム
ーズに当接させることができ、該バリの除去ができる。
【0028】媒体収納枠材31は、複数個の球体3を遊
動自在に収納するための枠材であって、枠材31aと、
球体3を上方に飛び出すのを防止するための蓋材31b
を備えている。枠材31aは、複数個の球体3を収納で
きる空間を備え、枠材31aの揺動によって、球体3を
遊動させることができる。この媒体収納枠材31は、被
処理材1の搬送方向に沿って、複数個(本実施形態にお
いては2個)配置してあり、枠材31aを被処理材1の
搬送方向に沿って左右方向に揺動させる枠材左右揺動部
35と、枠材31aを被処理材1の搬送方向に沿って前
後方向に揺動させる枠材前後揺動部36を備えている。
ここで、この媒体収納枠材31としては、被処理材1と
同じ位置に孔が形成されている板体で形成してもよい。
このような板体を用いる場合、被処理材1に形成されて
いる孔9と、媒体収納枠材31に形成されている孔が重
なった位置になった際、球体3をスムーズに被処理材1
の孔9内に落下させることができる。媒体駆動装置32
は、媒体収納枠材31を前後左右に揺動駆動させるため
の駆動部であって、モーター駆動を用いている。
【0029】そして、本バリ取り装置は、被処理材1を
コンベア2の凸部33上に載置した後、コンベア2を駆
動させると、被処理材1は、凸部33によってコンベア
2との間に所定の隙間が保持された状態で、媒体収納枠
材31に球体3が収納されている研磨処理部である枠材
左右揺動部35に搬送される。この被処理材1が、枠材
左右揺動部35に到達すると、枠材31a内に収納され
た球体9が被処理材1の孔3内に落下し、該枠材左右揺
動部35の枠材31aを揺動させると、該落下した球体
9が、被処理材1の搬送方向に沿って、その左右方向に
孔3内で遊動するため、該孔3に形成されているバリに
当接して、該バリの除去ができる。次に、該コンベア2
により被処理材1が枠材前後揺動部36に到達すると、
枠材左右揺動部35の場合と同じく、枠材31a内に収
納された球体9が被処理材1の孔3内に落下し、該枠材
前後揺動部36の枠材31aを揺動させると、該落下し
た球体9が、被処理材1の搬送方向に沿って、その前後
方向に孔3内で遊動し、該孔3に形成されている残りの
バリに当接して、残りのバリの除去ができる。
【0030】このようにして、バリの除去された被処理
材1は、コンベア2によって、洗浄部で搬送されて洗浄
され、更に、押さえロール部に搬送されて押圧処理され
て、バリ取りが終了する。本バリ取り装置の場合、球体
9が予め媒体収納枠材31内に収納されていて、この媒
体収納枠材31を前後・左右方向に揺動させることで、
球体9を被処理材1の孔3内に落下、遊動させることが
でき、該球体の遊動によりバリ取りが行える。ところ
で、本実施形態において、球体9の揺動(遊動)は、実
施形態1におけるエアー噴射による機構を用いることも
できる。この場合、蓋体31bを網板あるいは多数の孔
が形成されている板体を用いることが肝要である。
【0031】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で
変形実施できる構成を含む。因に、上述した実施形態に
おいて、コンベアを連続移動させながら、流体噴出ノズ
ルから空気を噴出して媒体を遊動させてバリを取る構成
の代わりに、コンベアを間欠的に移動させ、停止させて
から、流体噴出ノズルから空気を噴出して媒体を遊動さ
せてバリを取るものであってもよいし、揺動可能なテー
ブルの上に被処理材を載置し、球体を孔内に嵌め入れた
後、回りを囲みテーブルを揺動させるように構成しても
よい。また、間隔維持部材を流体噴出ノズルとコンベア
の間に全面的に設けた例で示したが、媒体が大きく、浮
動しにくい場合は、始端部のみに設けて媒体を配布させ
るためにのみ使用する構成としてもよい。その他、上述
の例に限られず、同様の作用効果を奏する構造に形成し
てもよいことは当然である。
【0032】また、本バリ取り装置は、被処理材に孔加
工されている孔周縁のバリ取りの他に、該被処理材の外
周縁のバリ取りにも適用できる。この場合は、該被処理
材の周囲に枠材を配して、該枠材と被処理材との間に形
成される孔に球体等の媒体を配布、供給して、該媒体を
遊動させる構成とする。その他の構成については、前述
した実施形態と同様である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1〜3のバリ取り方法によれば、媒体を遊動さ
せて、これを被処理材のバリ部に衝突させるので、バリ
は衝突の衝撃及び磨耗により除去させることができると
いう効果を有する。また遊動する媒体は、被処理材の孔
内、又は該被処理材と前記枠材との間に形成される孔内
に保持する機構により、該孔外に飛び出すのを規制され
て、該孔の区画内で遊動するので、前記被処理材の表面
を傷つけることがなく、欠陥の少ない製品を得ることが
できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るバリ取り方法を適用
した装置の構成を示す概略側面図である。
【図2】被処理材を移送するコンベアの一部を示す平面
図である。
【図3】媒体供給部の正面図である。
【図4】被処理材の孔内へ媒体を配置した状態を説明す
るための平面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るバリ取り方法を適用
した装置の構成を示す概略平面図である。
【図6】図5の概略側面図である。
【符号の説明】 1:被処理材、2:コンベア、3:球体、4:間隔維持
部材、5:媒体駆動装置、6:媒体除去装置、7:矯正
装置、8:材料搬入装置、9:孔、10:球体供給部、
11:供給バルブ、12:分離部、13:空気噴出ノズ
ル、14:分離ノズル、15:媒体受部、16:移送ロ
ール、17:ロール、18:篩、19:貯留部、20:
リターンロール、21:プレート、22:小孔、23:
サポートロール、31:媒体収納枠材、31a:枠材、
31b:蓋材、32:媒体駆動装置、33:凸部、3
4:、35:枠材左右揺動部、36:枠材前後揺動部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板等の被処理材に孔形成等の加工処
    理をした際に生じたバリを除去するバリ取り装置であっ
    て、該被処理材を支持する装置と、該被処理材に設けら
    れた孔内に遊びを持って遊動可能に配付されるバリ取り
    用の媒体と、該媒体を被処理材の孔内で遊動させる媒体
    駆動装置と、該媒体を被処理材の孔内に保持する機構を
    有することを特徴とするバリ取り装置。
  2. 【請求項2】 金属板等の被処理材に孔形成等の加工処
    理をした際に生じたバリを除去するバリ取り装置であっ
    て、該被処理材を支持する装置と、該被処理材の外周囲
    に間隔を開けて配置する枠材と、該枠材と該被処理材の
    間に形成される孔内に遊びを持って遊動可能に配付され
    るバリ取り用の媒体と、該媒体を孔内で遊動させる媒体
    駆動装置と、該媒体を該孔内に保持する機構を有するこ
    とを特徴とするバリ取り装置。
  3. 【請求項3】 金属板等の被処理材に孔形成等の加工処
    理をした際に生じたバリを除去するバリ取り装置であっ
    て、該被処理材を支持する装置と、該被処理材の上方に
    間隔を開けて配置する媒体収納枠材と、該媒体収納枠材
    内に遊びを持って遊動可能に収納され、かつ被処理材に
    設けられた孔内に遊動可能に配付されるバリ取り用の媒
    体と、該媒体を該孔材内で遊動させる媒体駆動装置と、
    該媒体を該媒体収納枠材内に保持する機構を有すること
    を特徴とするバリ取り装置。
  4. 【請求項4】 前記媒体が、球体、楕円球、偏平球、ま
    たは多面体等の立体物である請求項1〜3のいずれかに
    記載のバリ取り装置。
  5. 【請求項5】 前記媒体を被処理材の孔内または枠材
    内、あるいは媒体収納枠材内に保持する機構が、該媒体
    の自重、磁力、または該被処理材と一定間隔を維持して
    配置した間隔維持部材である請求項1〜4のいずれかに
    記載のバリ取り装置。
  6. 【請求項6】 前記間隔維持部材が、前記媒体の形状、
    または大きさによって自由に被処理材との間隔を変化さ
    せる得る部材である請求項5に記載のバリ取り装置。
  7. 【請求項7】 前記媒体駆動装置が、前記媒体に流体を
    当てて該媒体を遊動させる流体噴出ノズルを有し、前記
    被処理支持装置が、該流体を貫通して流れさせる開口を
    有する請求項1〜6項のいずれかに記載のバリ取り装
    置。
  8. 【請求項8】 前記媒体駆動装置が、前記媒体を収納す
    る枠材を前後または/および左右方向に揺動させる駆動
    機構を有する請求項3〜6のいずれかに記載のバリ取り
    装置。
  9. 【請求項9】 前記媒体の半径が、前記被処理材の厚さ
    より大きい球体からなる請求項1〜8のいずれかに記載
    のバリ取り装置。
  10. 【請求項10】 前記被処理材を支持する装置が、該被
    処理材を搬送可能としたものである請求項1〜9のいず
    れかに記載のバリ取り装置。
  11. 【請求項11】 前記バリ取り装置の前方または後方に
    矯正装置を備えた請求項1〜10のいずれかに記載のバ
    リ取り装置。
  12. 【請求項12】 前記被処理材を支持する装置が、コン
    ベアからなり、該コンベアは、該被処理材を浮かせた状
    態に支持する所定間隔で凸部を有する請求項1〜11の
    いずれかに記載のバリ取り装置。
  13. 【請求項13】 前記媒体収納枠材が、交換自在で、か
    つ前記被処理材と同じ位置に孔が形成されている枠材か
    らなる請求項3〜12のいずれかに記載のバリ取り装
    置。
  14. 【請求項14】 金属板等の被処理材に孔形成等の加工
    処理をした際に生じたバリを除去するバリ取り方法であ
    って、該被処理材を支持した状態で、該被処理材に設け
    られた孔内、または該被処理材の外周囲に間隔を開けて
    配した枠材と、該枠材と該被処理材との間に形成される
    孔内に遊びを持って遊動可能にバリ取り用の媒体を配布
    し、該媒体を該孔内で遊動させてバリ取りをすることを
    特徴とするバリ取り方法。
  15. 【請求項15】 金属板等の被処理材に孔形成等の加工
    処理をした際に生じたバリを除去するバリ取り方法であ
    って、該被処理材を支持した状態で、該被処理材の上方
    に配した媒体収納枠材内に遊びを持って遊動可能にバリ
    取り用の媒体を収納すると共に、該媒体を該被処理材に
    設けられた孔内、または該被処理材の外周囲に間隔を開
    けて配した枠材と該被処理材との間に形成される孔内に
    遊びを持って遊動可能にバリ取り用の媒体を配布し、該
    媒体を該孔内で遊動させてバリ取りをすることを特徴と
    するバリ取り方法。
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