JP2002143162A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

Info

Publication number
JP2002143162A
JP2002143162A JP2000341673A JP2000341673A JP2002143162A JP 2002143162 A JP2002143162 A JP 2002143162A JP 2000341673 A JP2000341673 A JP 2000341673A JP 2000341673 A JP2000341673 A JP 2000341673A JP 2002143162 A JP2002143162 A JP 2002143162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reference voltage
sampling
converter
ultrasonic
digital filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000341673A
Other languages
English (en)
Inventor
Izumi Tsubone
泉 坪根
Yukio Nakagawa
行雄 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuda Denshi Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Denshi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuda Denshi Co Ltd filed Critical Fukuda Denshi Co Ltd
Priority to JP2000341673A priority Critical patent/JP2002143162A/ja
Publication of JP2002143162A publication Critical patent/JP2002143162A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、超音波ドプラ法により被検体内の血
流情報を得て診断情報とする超音波診断装置に関し、ハ
ードウェアの増大を従来より抑えた上で初期化を行なう
ことにより過度応答時期の短かいMITフィルタを実現
する。 【解決手段】A/D変換器107が、信号のレベルと設
定されたリファレンス電圧とに応じたサンプリングデー
タを生成するものであって、複数個の超音波送受信のう
ちの初回の超音波送受信により得られる信号をサンプリ
ングする初回サンプリングに先立ってA/D変換器のリ
ファレンス電圧を所定の初期リファレンス電圧に設定
し、初回サンプリングにより得られたサンプリングデー
タをメモリレジスタ3,4に初期値として設定し、その
後、所定の定常リファレンス電圧に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波ドプラ法に
より被検体内の血流情報を得て診断情報とする超音波診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内の血流速度分布を実時間で測定
し、モノクロ断層像上に重ねてカラー表示するようにし
たカラードプラ法が知られている。このような装置の血
流速度分布の測定原理は次のとおりである。すなわちプ
ローブにより超音波ビームを生体内の特定の方向に一定
周期で繰返しパルス放射すると共に、散乱体によるエコ
ーを同一のプローブで受信する。この時受信信号は生体
内の音響インピーダンスの差を反映した散乱強度の情
報、及び散乱体の運動速度を反映した周波数偏移情報を
含んでいる。この周波数偏移がすなわち血流情報であ
り、この血流情報は、受信波を直交検波してドプラ信号
を検出し、ディジタル化した後周波数解析することによ
り求められる。この時超音波ビームの送受信は、解析結
果の精度を保つために通常同一方向に対して8〜16回
程度行う。さらに深さ方向に対して通常256〜102
4個程度のレンジゲートを設定し、この各々について計
測を行うことで深さ方向の分解能を得ている。この超音
波送受信を、超音波ビームの走査方向を少しづつ変化さ
せながら順次行うことにより、2次元的な血流速度分布
を得ている。
【0003】ところが、前述したカラードプラ法により
検波されたドプラ信号は、心臓壁などの運動による低周
波ドプラ信号も含んでいる。一般にクラッタ信号と呼ば
れるこの低周波ドプラ信号は、血流によるドプラ信号よ
りも数百倍もの大きな振幅を有し、血流情報を正確に検
出する妨げとなるので、除去することが必要となる。そ
のため受信検波したドプラ信号をディジタルデータに変
換した後、いわゆるMTI(Moving Targe
t Indicator)フィルタと呼ばれるハイパス
ディジタルフィルタにより低周波ドプラ信号をカットす
る。このディジタルフィルタとしては一般にIIR(無
限インパルス応答)フィルタが用いられる。その理由は
FIR(有限インパルス応答)フィルタに比べ低い次数
で急峻な遮断特性が得られるためである。しかしIIR
フィルタは過渡応答時間が長いという欠点がある。過渡
応答時間が長くなれば、超音波信号から得られるデータ
列のうち周波数解析における計算で使用可能なデータ数
が減少し、計測データの信頼性が低下してしまう結果を
もたらすことになる。
【0004】この過渡応答時間を短縮する一つの方法と
して、IIRメモリレジスタの最終的な定常状態の値を
推定し、データ列の処理に先立って、これを初期値とし
て設定しておくものがある。ここでメモリレジスタとは
フィルタの内部状態を記憶するもので、2次のフィルタ
であれば2個のレジスタが必要となる。クラッタ信号は
大振幅の直流成分及び低周波成分から構成されるため、
あるレンジゲートから最初に戻ってくるサンプリングデ
ータの値と大きさが等しい単位ステップ入力に近似する
ことができる。この近似を使えば最終的な定常状態にお
けるメモリレジスタの値を推定できる。この初期化方法
は、例えばフィルタのZ伝達関数がH(z)=(1−2
*z-1+z-2)/(1+a1*z-1+a2*z-2)である
MTIフィルタに適用することができる。この伝達関数
で表わされるMTIフィルタを採用した時、最終状態に
おける2個のメモリレジスタの値は、任意のレンジゲー
トから最初に戻ってきたデータをx(0)とした場合、
x(0)/(1+a1+a2)となる。これを各メモリレ
ジスタに初期値として設定する。
【0005】図1は、この初期化方法を採用した従来の
MTIフィルタの構成を示した図である。
【0006】図1に示すMTIフィルタは、加算器1,
2、メモリレジスタ3,4、それぞれ入力を−a1、−
2、−2倍するための掛算器5,6,7、および、入
力を1/(1+a1+a2)倍するための掛算器8から構
成されている。入力データ列x m(n)は、前段に設け
られた図示しないA/D変換器から与えられる。また、
ここでは、出力データ列をym(n)、加算器1の出力
データ列をwm0(n)、メモリレジスタ3,4の出力デ
ータ列をそれぞれwm1(n),wm2(n)とする。ここ
で、添え字n(0≦n≦N−1)は同一方向への送受信
回数を表わす番号、m(m=0,1,2,…)は深さ方
向のレンジゲートの番号を示している。またメモリレジ
スタ3,4は、それぞれ各レンジゲートのフィルタの内
部状態を保持するために、レンジゲートの個数と同一数
のデータを記憶することができるだけの記憶領域を持
つ。
【0007】本フィルタの動作は次のように行われる。
まず同一方向へのN回の超音波の送受信において、最初
の受信信号が図示しない検波回路により検波されること
によりドプラ信号が検出され、図示しないA/D変換器
でサンプリングされる。そしてサンプリングクロックに
同期して各レンジゲートのデータが順次x0(0),x1
(0),x2(0)…の順で出力され、これらが図1の
フィルタに入力される。このデータ列は掛算器8により
1/(1+a1+a2)なる定数が掛け合わされ、メモリ
レジスタ3,4の、各レンジゲートに対応した格納領域
に格納される。以上が初期化の処理手順である。
【0008】初期化完了後は通常のフィルタ処理を行
う。すなわちパルス繰り返し周期を隔てて、次の受信信
号のサンプリングデータがx0(1)、x1(1)、x2
(1)…の順で入力されるが、この時メモリレジスタ3
の格納データwm1(1)がレンジゲートごとに出力され
掛算器5により−a1が掛け合わされ、またメモリレジ
スタ4の格納データwm2(1)もレンジゲートごとに出
力されて掛算器6により−a2が掛け合わされ、それら
が加算器1により入力データxm(1)とレンジゲート
ごとに足し合わされ、wm0(1)が計算される。またメ
モリレジスタ3の出力データwm1(1)は掛算器7によ
り−2倍される。加算器2は、加算器1の出力データw
m0(1)、掛算器7の出力データ−2*wm1(1)、及
びメモリレジスタ4の出力データwm2(1)をレンジゲ
ートごとに足し合せることにより最終的なフィルタ出力
データym(1)が計算され、y0(1),y1(1),
2(1)……の順で出力される。さらに、メモリレジ
スタ3の出力データwm1(1)は、メモリレジスタ4の
各レンジゲートに対応した領域に格納され、加算器1の
出力データwm0(1)もメモリレジスタ3に同様に格納
される。その後、パルス繰返し周期を隔てて入力される
サンプリングデータx0(n),x1(n),x2(n)
…(2≦n≦N−1)に対しても同様の処理を行ない、
これを同一方向への最後の送受信迄繰り返す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の初期化方法を採
用すると、メモリレジスタ3,4を上述したような方法
で初期設定することにより、フィルタの過渡応答時間を
短縮することが可能となる。しかしメモリレジスタに格
納すべき初期値を求めるには、上述したように、各レン
ジゲートそれぞれから最初に戻ってきた各データx
(0)と定数1/(1+a1+a2)を掛け合わせる処理
が必要となる。そのためメモリレジスタの初期化を行わ
ない場合、或いはゼロで初期化する場合等に比べ掛算器
等の追加回路が必要となり、ハードウェアの増大を招く
ことが問題となっていた。
【0010】本発明は、ハードウェアの増大を従来より
抑えた上で初期化を行なうことにより過度応答時期の短
かいMITフィルタを実現し、これにより計測データの
信頼性を確保した超音波診断装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の超音波診断装置は、被検体内への超音波パルスの送
波と被検体内で反射して戻ってきた反射超音波の受信と
を複数回繰り返しこの繰り返しの間に得られる信号を検
波しさらにA/D変換器でサンプリングした後ディジタ
ルフィルタでクラッタ成分を除去することにより血流成
分を抽出する超音波診断装置において、上記A/D変換
器が、超音波送受信により得られた信号を、自在に設定
されるリファレンス電圧と比較することにより、その信
号のレベルと設定されたリファレンス電圧とに応じたサ
ンプリングデータを生成するものであって、複数個の超
音波送受信のうちの初回の超音波送受信により得られる
信号をサンプリングする初回サンプリングに先立ってA
/D変換器のリファレンス電圧を所定の初期リファレン
ス電圧に設定し、初回サンプリングの後、かつ二回目の
超音波送受信により得られる信号のサンプリングに先立
ってA/D変換器のリファレンス電圧を初期リファレン
ス電圧とは異なる所定の定常リファレンス電圧に再設定
するリファレンス電圧設定手段を有し、上記ディジタル
フィルタが、サンプリングデータを格納し繰返し周期一
周期分遅延させたタイミングで出力するメモリレジスタ
を備えたものであって、初回サンプリングにより得られ
たサンプリングデータをメモリレジスタに初期値として
設定する初期値設定手段を有することを特徴とする。
【0012】本発明の超音波診断装置は、A/D変換器
のリファレンス電圧を調整することにより所要の初期化
を行なうように構成したものであり、従来と比べハード
ウェアの増大を抑えることができる。
【0013】ここで、上記本発明の超音波診断装置にお
いて、上記ディジタルフィルタは、z伝達関数が H(z)=(1−2*z-1+z-2)/(1+a1*z-1
+a2*z-2) 但し、*は乗算、a1,a2は各係数を表わす。で表わさ
れるディジタルフィルタであることが好ましい。
【0014】本発明は、上記のz伝達関数を持つMTI
フィルタを備えた超音波診断装置に好適に適用される。
【0015】また、上記本発明の超音波診断装置におい
て、上記A/D変換器で得られたサンプリングデータを
上位ビット側にシフトすることによりそのサンプリング
データを2のべき乗倍する左シフト手段を有し、上記初
期値設定手段は、上記メモリレジスタに、初回サンプリ
ングにより得られさらに左シフト手段により2のべき乗
倍されたサンプリングデータを初期値として設定するも
のであることが好ましい。
【0016】このように構成すると、MTIフィルタの
カットオフ周波数の自由度を大幅に広げることができ
る。
【0017】また、この場合に、具体的には、例えば、
上記ディジタルフィルタは、 2-s-1≦1+a1+a2<2-s 但し、sは正の整数を表わすを満足する係数a1,a2
採用したz伝達関数 H(z)=(1−2*z-1+z-2)/(1+a1*z-1
+a2*z-2) 但し、*は乗算を表わすで表わされる特性を有するディ
ジタルフィルタであって、上記リファレンス電圧設定手
段は、初期リファレンス電圧として定常リファレンス電
圧の(1+a1+a2)*2s倍のリファレンス電圧を設
定するものであり、上記左シフト手段は、A/D変換器
で得られたサンプリングデータを上位ビット側にSビッ
トシフトするものであってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0019】図2は、本発明の超音波診断装置の構成図
である。
【0020】この図2に示す超音波診断装置100に
は、探触子101が備えられており、この探触子101
の先端には圧電セラミック等の振動子が配列されてい
る。探触子101には送信回路102と受信回路104
が接続されている。パルス発生器103は送信の繰り返
し周期(例えば4KHz)を与えるタイミング信号S1
1(レートパルス)を発生し、それを送信回路102に
供給する。送信回路102は例えば64チャンネルの、
パルスドライバ及び遅延回路から構成される。パルスド
ライバはレートパルスのタイミングで送信周波数(例え
ば2.5MHz)に等しい周期の駆動パルスを発生し、
探触子101の振動子に印加する。遅延回路は超音波ビ
ームを収束し、かつ指向性を与えるために各チャンネル
毎のパルス発生タイミングに所定の遅延を与える。その
結果超音波ビームが指向性に応じた方向にパルス放射さ
れる。このようにレートパルス周期で、生体(図示せ
ず)の内部に向けて、同一方向(例えば図2のa方向)
への送受信を例えば8回繰り返して行い、さらに断層像
取得のための1回の走査を行い、計9回の走査で一つの
周期(ライン周期)を完了し、順次b、c、dと走査方
向を切り替えながら、例えば64本の走査線について同
様の処理を行い1フレーム分の走査を完了する。
【0021】一方、生体内の音響インピーダンスの不連
続面で反射したエコーは、探触子101を介して受信回
路104でチャンネル毎に受信される。受信回路104
はプリアンプ、遅延回路、加算回路から構成される。受
信信号はプリアンプで増幅され、遅延回路により各チャ
ンネル毎に所定の遅延が与えられ、加算回路により相互
に加算される。これにより指向性に応じた方向からのエ
コーが受信される。
【0022】受信回路104から出力される受信信号は
ミキサ回路105に入力される。ミキサ回路105は、
図示しない発信器により生成された、送信周波数と同一
の周期を持ち互いに位相が90°異なる一対の参照信号
とこの受信信号を混合することにより直交検波を行い、
ドプラ信号の同相信号S12a及び直交信号S12bを
出力する。2つのローパスフィルタ106a,106b
は、それぞれ、混合の結果生じたドプラ信号の同相信号
S12aおよび直交信号S12b中の高調波成分を除去
する。各ローパスフィルタ106a,107aの出力信
号は、各A/D変換器107a,107bにより、深さ
方向に対して一定のサンプリング周期で例えば各256
点のサンプリングが行なわれてディジタル値に変換され
る。MTIフィルタ108a,108bは、ドプラ信号
に含まれる臓器の壁運動等による低周波成分を除去し血
流成分のみを抽出するものである。このMTIフィルタ
の詳細は後述する。
【0023】自己相関回路109にはMTIフィルタ1
08a,108bの出力信号が入力され、この自己相関
回路109では、繰り返し周期を隔てて得られるドプラ
信号の、同相信号を実部、直交信号を虚部とする複素自
己相関を、8回の繰返し周期のデータについて計算す
る。その演算結果は実部、虚部ごとに各走査線の7回目
のレートパルスのタイミングに同期して深さ毎に順次取
り出される。
【0024】速度検出回路110は自己相関回路109
の演算結果である自己相関値を入力し、その偏角を計算
する。この偏角値はドプラ偏移周波数に比例した量を与
える。この偏角値は平均速度データとして画像処理回路
112に送られる。
【0025】一方、受信回路104の出力信号は断層像
処理部111にも送られる。断層像処理部111は、受
信信号の包絡線を検波した後、A/D変換し、モノクロ
輝度データとして画像処理回路112に出力する。
【0026】画像処理回路112は、順次入力される平
均速度データに対して方向及びその絶対値に基づき所定
の配色を施し、断層像のモノクロ輝度データと共に、そ
の走査方向及び深さに応じて2次元状にマッピングし、
これを画像データとして、図示しない画像メモリに格納
する。さらに、その画像メモリに格納された画像データ
は一定の周期でその画像メモリから読み出され、TVモ
ニタ113上に断層像を示すモノクロ画像と血流を示す
カラー画像とが合成された診断像が表示される。
【0027】図3は、図2に示す超音波診断装置を構成
する2つのMTIフィルタ108a,108bのうちの
1つを示す、MTIフィルタの構成図である。本フィル
タのz伝達関数は図1を参照して説明した従来の方法M
TIフィルタのz伝達関数と同一であり、H(z)=
(1−2*z-1+z-2)/(1+a1*z-1+a2
-2)で表わされる。図3において、図1のMTIフィ
ルタの構成要素と、同一の構成要素には、図1に付した
符号と同一の符号を付して示す。
【0028】また、図4は図3に示すMTIフィルタの
動作を示すタイミングチャートである。本タイミングチ
ャートは簡略化のため、各レンジゲート毎のデータを例
えばxm(0)等と一まとめにして表わしている。
【0029】図3において、A/D変換器107は、図
2に示す2つのA/D変換器107a,108aのうち
の一方を代表的に示したものであり、このA/D変換器
107は、受信検波により得られたドプラ信号を一定の
サンプリングレートでサンプリングする。D/A変換器
121には、図示しない制御回路から電圧値データが入
力され、D/A変換器121ではその入力された電圧値
データがアナログ値Slに変換され、このアナログ値S
lがA/D変換器107のリファレンス電圧設定端子に
入力される。D/A変換器121の出力であるアナログ
値Slは初期状態においてはV0[V]であるとする。
A/D変換器107のアナログ入力のフルスケールは−
1/2V0〜+1/2V0[V]であり、この時入力信号
振幅がピーク時においてフルスケールの半分程度となる
ようゲイン調整が行われているものとする。
【0030】ここで、A/D変換器107の出力データ
列をxm(n)、このMTIフィルタ108の出力デー
タ列をym(n)、加算器1の出力データ列をw
m0(n)、メモリレジスタ3,4の出力データ列をそれ
ぞれwm1(n),wm2(n)とする。ここで、添え字n
(0≦n≦N−1)は同一方向への送受信回数を表わす
番号、m(m=0,1,2,…)は深さ方向のレンジゲ
ートの番号を示している。左シフト回路112は、図示
しない制御回路からシフトビット数S2が与えられ、そ
れに基いてA/D変換器107の出力データをnビット
左シフトし、その出力をメモリレジスタ3、4のプリセ
ットデータ入力端子に与える。1及び2は加算器、5,
6,7はそれぞれ入力を−a1、−a2、−2倍するため
の掛算器、3及び4はメモリレジスタである。S3はメ
モリレジスタ3,4に共通につながれたプリセット制御
信号、S4はラッチ信号である。
【0031】ここで、MTIフィルタのフィルタの正規
化カットオフ周波数に対する各パラメータ値を示してお
く。正規化カットオフ周波数とは、サンプリング周波数
で正規化したときのカットオフ周波数をいう。
【0032】
【表1】
【0033】まず最初にフィルタのカットオフ周波数が
サンプリング周波数に対して高めに設定してある場合、
例えば正規化カットオフ周波数が0.4の場合について
説明する。この場合、表1により、(1+a1+a2)は
0.82629となる。この時本フィルタの動作は次の
ように行われる。
【0034】まずパルス繰返し周期を示すレートパルス
信号の立ち上がりのタイミングに伴って、ある方向への
最初の超音波パルスの送受信が行われ、受信信号が図2
に示すミキサ回路105により検波されさらにローパス
フィルタ107a,107bにより高周波数成分が除去
されることによりドプラ信号が検出され、A/D変換器
107a,107b(図3に代表的に示すA/D変換器
107)に入力される。一方、図示しない制御回路はD
/A変換器121に与える電圧値データを調整し、その
出力電圧S2が初期リファレンス電圧(1+a1+a2
*V0[V]となるようにする。A/D変換器107は
サンプリングクロックの立ち上がりに同期して入力信号
をサンプリングするが、この時リファレンス電圧が(1
+a1+a2)倍されているため、アナログ入力のフルス
ケールも(1+a1+a2)倍され、変換出力データは1
/(1+a1+a2)倍される。すなわちx0(0)/
(1+a1+a2)、x1(1+a1+a2)、x2(0)/
(1+a1+a2)…なるサンプリングデータ列が順次A
/D変換器107より出力される。これらは左シフト回
路122に入力されるが、この時、図示しない制御回路
はシフトビット数S2を0に設定しているためビットシ
フトは行われず、各データはそのまま出力される。すな
わち、この場合は、左シフト回路122は不要である。
メモリレジスタ3,4は左シフト回路122の出力デー
タ列を各レンジゲート毎に、プリセット制御信号S3の
立ち上がりに同期して取り込み、各レンジゲート毎に割
り当てられた格納領域に順次格納する。ここまでが本実
施形態における初期化処理の手順である。
【0035】そして次のレートパルス信号の立ち上がり
に同期して、次に受信検波されたドプラ信号がA/D変
換器107に入力される。一方、図示しない制御回路
は、D/A変換器121に与える電圧値データを調整
し、その出力電圧S2を通常時の値(定常リファレンス
電圧)V0に戻すようにする。そのためA/D変換器1
07のアナログ入力のフルスケールも元の−1/2V0
〜+1/2V0[V]に戻り、その変換出力データ列が
0(1)、x1(1)、x2(1)…の順で出力されフ
ィルタに入力される。
【0036】一方、メモリレジスタ3の格納データwm1
(1)がレンジゲートごとに出力されて掛算器5により
−a1が掛け合わされ、またメモリレジスタ4の格納デ
ータwm2(1)もレンジゲートごとに出力されて掛算器
6により−a2が掛け合わされ、それらが加算器1によ
り入力データxm1(1)とレンジゲートごとに足し合わ
されてwm0(1)が計算される。またメモリレジスタ3
の出力データwm1(1)は掛算器7により−2倍され
る。加算器2は加算器1の出力データwm0(1)、掛算
器7の出力データ−2*wm1(1)、及びメモリレジス
タ4の出力データwm2(1)をレンジゲートごとに足し
合せることにより最終的なフィルタ出力データy
m(1)が計算され、y0(1),y1(1),y2(1)
……の順で出力される。さらにラッチ信号S4の立ち上
がりのタイミングに伴って、メモリレジスタ3の出力デ
ータwm1(1)はメモリレジスタ4の各レンジゲートに
対応した領域に格納され、加算器1の出力データw
m0(1)もメモリレジスタ3に同様に格納される。その
後、パルス繰返し周期を隔てて入力されるサンプリング
データx 0(n),x1(n),x2(n)……(2≦n
≦N−1)に対しても同様の処理が行なわれ、これを同
一方向への最後の送受信迄繰り返す。この過程において
出力されるフィルタ出力データym(1)は、本実施形
態によるメモリレジスタの初期化により、過渡応答時間
が短いものとなる。
【0037】次にフィルタのカットオフ周波数がサンプ
リング周波数に対して低めに設定してある場合、例えば
0.1の場合について説明する。この時、表1により、
(1+a1+a2)は0.08033となる。
【0038】2-4<0.08033<2-3であるため、
この場合には前記の動作に対して次の部分が異なる。す
なわち、ある方向から最初に受信検波されたドプラ信号
がA/D変換器107に入力される時、図示しない制御
回路はD/A変換器121へ与える電圧値データを調整
し、その出力電圧Slが(1+a1+a2)*23*V
0[V]となるようにする。一般に(1+a1+a2)の
値が2-s-1≦1+a1+a2<2-s(s=1,2,…)を
満足する場合には、A/D変換器107のリファレンス
電圧を((1+a1+a2)*23倍する。ここでは、
0.5≦(1+a1+a 2)*23<1.0であり、ピー
ク時の振幅がフルスケールの半分になるようゲインが設
定されているため、入力のオーバフローは発生しない。
【0039】A/D変換器107はサンプリングクロッ
クの立ち上がりに同期して入力信号をサンプリングする
が、この時リファレンス電圧が(1+a1+a2)*23
倍されているため、アナログ入力のフルスケールも(1
+a1+a2)*23倍され、変換出力データは2-3
(1+a1+a2)倍される。一方図示しない制御回路は
左シフト回路122へのビットシフト数S2を3に設定
する。そのため変換出力データ列は23倍され、結局1
/(1+a1+a2)倍されたデータ列xm(0)/(1
+a1+a2)が左シフト回路122からレンジゲート毎
に順次出力される。これらがプリセット制御信号S3の
立ち上がりに同期してメモリレジスタ3,4のレンジゲ
ートに対応した領域に格納され初期化が完了する。それ
以降の処理については前述したカットオフ周波数が高め
の場合と同様である。その結果、この場合にもやはりフ
ィルタ出力データym(1)は過渡応答時間が短いもの
となる。
【0040】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、従来の初期化方法でメモリレジスタの初期値を求め
るために行われていた掛算処理が不要となり、そのため
に必要であった掛算器を省略でき、ハードウェアの簡素
化が図れる。そのため応答時間の短い高性能なMTIフ
ィルタを安価なコストで実現できるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のMTIフィルタの構成を示した図であ
る。
【図2】本発明の超音波診断装置の構成図である。
【図3】図2に示す超音波診断装置を構成する2つのM
TIフィルタのうちの1つを示す、MTIフィルタの構
成図である。
【図4】図3に示すMTIフィルタの動作を示すタイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
1,2 加算器 3,4 メモリレジスタ 5,6,7,8 掛算器 100 超音波診断装置 107,107a,107b A/D変換器 108,108a,108b MTIフィルタ 121 D/A変換器 122 左シフト回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内への超音波パルスの送波と該被
    検体内で反射して戻ってきた反射超音波の受信とを複数
    回繰り返しこの繰り返しの間に得られる信号を検波しさ
    らにA/D変換器でサンプリングした後ディジタルフィ
    ルタでクラッタ成分を除去することにより血流成分を抽
    出する超音波診断装置において、 前記A/D変換器が、超音波送受信により得られた信号
    を、自在に設定されるリファレンス電圧と比較すること
    により、該信号のレベルと設定されたリファレンス電圧
    とに応じたサンプリングデータを生成するものであっ
    て、 複数個の超音波送受信のうちの初回の超音波送受信によ
    り得られる信号をサンプリングする初回サンプリングに
    先立って前記A/D変換器のリファレンス電圧を所定の
    初期リファレンス電圧に設定し、該初回サンプリングの
    後、かつ二回目の超音波送受信により得られる信号のサ
    ンプリングに先立って前記A/D変換器のリファレンス
    電圧を前記初期リファレンス電圧とは異なる所定の定常
    リファレンス電圧に再設定するリファレンス電圧設定手
    段を有し、 前記ディジタルフィルタが、サンプリングデータを格納
    し繰返し周期一周期分遅延させたタイミングで出力する
    メモリレジスタを備えたものであって、 前記初回サンプリングにより得られたサンプリングデー
    タを前記メモリレジスタに初期値として設定する初期値
    設定手段を有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記ディジタルフィルタは、z伝達関数
    が H(z)=(1−2*z-1+z-2)/(1+a1*z-1
    +a2*z-2) 但し、*は乗算、a1,a2は各係数を表わす。で表わさ
    れるディジタルフィルタであることを特徴とする請求項
    1記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記A/D変換器で得られたサンプリン
    グデータを上位ビット側にシフトすることにより該サン
    プリングデータを2のべき乗倍する左シフト手段を有
    し、 前記初期値設定手段は、前記メモリレジスタに、前記初
    回サンプリングにより得られさらに前記左シフト手段に
    より2のべき乗倍されたサンプリングデータを初期値と
    して設定するものであることを特徴とする請求項1記載
    の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記ディジタルフィルタは、 2-s-1≦1+a1+a2<2-s 但し、sは正の整数を表わすを満足する係数a1,a2
    採用したz伝達関数 H(z)=(1−2*z-1+z-2)/(1+a1*z-1
    +a2*z-2) 但し、*は乗算を表わすで表わされる特性を有するディ
    ジタルフィルタであって、 前記リファレンス電圧設定手段は、前記初期リファレン
    ス電圧として前記定常リファレンス電圧の(1+a1
    2)*2s倍のリファレンス電圧を設定するものであ
    り、 前記左シフト手段は、前記A/D変換器で得られたサン
    プリングデータを上位ビット側にSビットシフトするも
    のであることを特徴とする請求項3記載の超音波診断装
    置。
JP2000341673A 2000-11-09 2000-11-09 超音波診断装置 Withdrawn JP2002143162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000341673A JP2002143162A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000341673A JP2002143162A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 超音波診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002143162A true JP2002143162A (ja) 2002-05-21

Family

ID=18816380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000341673A Withdrawn JP2002143162A (ja) 2000-11-09 2000-11-09 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002143162A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006088094A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 超音波ドプラ血流計
US7318355B2 (en) 2004-09-10 2008-01-15 Kaijo Sonic Corporation Ultrasonic flow velocity meter and ultrasonic transducer thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7318355B2 (en) 2004-09-10 2008-01-15 Kaijo Sonic Corporation Ultrasonic flow velocity meter and ultrasonic transducer thereof
WO2006088094A1 (ja) * 2005-02-17 2006-08-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 超音波ドプラ血流計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jensen et al. SARUS: A synthetic aperture real-time ultrasound system
JP4039643B2 (ja) 超音波ビーム形成装置
EP1826587A2 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus and ultrasonic diagnostic method
US6267725B1 (en) Individual channel analog wall filtering to improve flow sensitivity in ultrasound imaging
JPH0614928A (ja) ビーム形成装置
JP4039642B2 (ja) 超音波ビーム形成装置
JP2003501177A (ja) 同時的組織及びモーション超音波診断撮像
JPH0661333B2 (ja) 流動する反射体の大きさ及び方向の表示を求める方法及びコヒーレント作像システム
KR100459616B1 (ko) 도플러 효과를 이용하여 인체 조직 속도를 측정하기 위한초음파 진단 장치 및 방법
JPH10127640A (ja) 超音波診断装置
WO1994020866A1 (en) Wall filter using circular convolution for a color flow imaging system
US20060122510A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus and data processing method therefor
US8652049B2 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
JPH0919429A (ja) 超音波診断装置
JP6245853B2 (ja) 超音波診断装置
JP2002143162A (ja) 超音波診断装置
JP3281435B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JP2007313322A (ja) 直交復調器なしにiqデータを形成する超音波診断装置及び方法
JP2563656B2 (ja) 超音波ドプラ映像装置
JP3600994B2 (ja) 超音波診断装置
JP3642834B2 (ja) 超音波ドプラ診断装置
JP2001095805A (ja) 超音波診断装置
TWI453404B (zh) 超音波成像系統及其影像處理方法
JP2003250802A (ja) 超音波診断装置
JP3136635B2 (ja) 探査方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080205