JP2002141262A - 表面状態の検出方法及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

表面状態の検出方法及びマイクロデバイスの製造方法

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JP2002141262A
JP2002141262A JP2000331527A JP2000331527A JP2002141262A JP 2002141262 A JP2002141262 A JP 2002141262A JP 2000331527 A JP2000331527 A JP 2000331527A JP 2000331527 A JP2000331527 A JP 2000331527A JP 2002141262 A JP2002141262 A JP 2002141262A
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Sayaka Ishibashi
さやか 石橋
Masanori Kato
正紀 加藤
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成の大型化並びに基板の位置情報及び
位置合わせ精度の悪化を招かず、且つマイクロデバイス
の製造効率を悪化させずに基板等の表面状態を高精度に
検出することができる表面状態の検出方法を提供する。 【解決手段】 投影光学系PLの結像位置を求め、基準
反射板FM1,FM2の上面を投影光学系PLの結像位
置に合わせた状態で基準反射板FM1,FM2の上面の
Z軸方向における位置情報を照射系26a及び受光系2
6bを備える位置検出装置でそれぞれ検出する。次に、
照射系27a、リレー系27b、及び受光系27cを備
える面状態検出装置で基準反射板FM1,FM2に対
し、順に検出光を経由させて基準反射板FM1の上面の
Z軸方向の位置情報と基準反射板FM2の上面のZ軸方
向の位置情報との和を求める。位置検出装置及び面状態
面出装置の検出結果に基づいて面状態検出装置を較正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面状態の検出方
法及びマイクロデバイスの製造方法に係り、特に半導体
素子、撮像素子、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等
のマイクロデバイスをリソグラフィー工程で製造する際
に、各種のマイクロデバイスが形成される基板の表面状
態を検出する表面状態の検出方法及び当該検出方法によ
って表面状態が検出された基板を用いてマイクロデバイ
スを製造するマイクロデバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造工程の
1つであるフォトリソグラフィ工程においては、マスク
やレチクル(以下、マスクと総称する)に形成されたパ
ターンの像を、フォレジスト等の感光剤が塗布されたウ
ェハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合
は、基板と称する)に転写する露光装置が用いられる。
例えば、液晶表示素子(LCD)を製造する際には、所
謂ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(以下、
ステッパと称する)が用いられることが多い。このステ
ッパは、マスク上に形成されたLCDのパターンを基板
としてのガラスプレート(以下、プレートと称する)の
所定の領域に露光した後、プレートが載置されているス
テージを一定距離だけステッピング移動させて、プレー
トの別の領域を露光し、かかる動作をプレートに設定さ
れた全ての領域に対して繰り返し行うことにより、プレ
ート全体に対してマスクに形成されたパターンの像を転
写する装置である。
【0003】上述したステッパ等の露光装置によってパ
ターンが転写された基板に対して現像処理を行うと、基
板上には転写されたパターンに応じたレジストパターン
が形成される。その後、処理工程においてこのレジスト
パターンをマスクとして基板に対するエッチング処理、
配線形成処理等の各種処理を行い、マスクのパターンに
応じたパターンを基板上に形成する。パターンが形成さ
れた基板上面には、再度感光剤が塗布され、上記工程が
数回〜数十回程度繰り返し行われる。このように、フォ
トリソグラフィ工程においては、既に基板に形成されて
いるパターン対して次に形成されるパターンの像が重ね
合わされて転写される。よって、所期の機能を有するデ
バイスを製造するためには、レチクルと基板とを高精度
に位置合わせ(アライメント)しなければならない。近
年、高密度化や低消費電力化等のためにパターンが微細
化しており、これに伴って例えば最小線幅の数分の1〜
数十分の1程度の高いアライメント精度が要求されてい
る。
【0004】また、パターンの微細化に伴い、マスクに
形成されたパターンの像を投影光学系を介して基板上に
転写する際に、基板の表面を投影光学系の結像位置に正
確に合わせ込む必要がある。このため、ステッパ等の露
光装置は投影光学系の光軸方向(結像方向)における基
板の位置情報を検出する位置検出装置を備える。ステッ
パに備えられることが多い位置検出装置は、基板表面の
ある一点に対して検出光を斜め方向から入射させ、斜め
方向に反射した光束を検出して投影光学系の光軸方向に
おける基板表面の位置情報を検出する斜入射式の位置検
出装置である。斜入射式の位置検出装置は、基板の表面
を被検出面として、その被検出面に投射光束を斜めに投
射してスリット状の像を被検出面に結像させ、その反射
光を受光部に設けられた光電変換素子で構成された検出
部上に再結像させることにより、その反射光の検出部上
での入射位置を検知するように構成されている。従っ
て、被検出面の基板の表面が上下方向に変位すると、そ
の上下方向の変位に対応して、検出部に入射する反射光
像がその入射方向に対して直交する方向に横ずれを起こ
すことになる。この横ずれ量を検出することによって基
板表面が投影光学系の結像位置にあるか否かを判定する
ことができる。
【0005】半導体素子の製造に用いられるステッパ
は、通常、比較的小さな露光領域が設定されているが、
上述した位置検出装置の検出原理を応用して露光領域の
ほぼ全面に複数のスリット像を投影し、その反射像を検
出することにより露光領域内の任意の位置における投影
光学系の光軸方向における位置情報を得る位置検出装置
が案出されている。また、液晶表示素子の製造に用いら
れるステッパは、半導体素子の製造に用いられるステッ
パにおいて設定される露光領域の2〜5倍程度の露光領
域が設定されている。液晶表示素子の製造に用いられる
基板(プレート)は、半導体素子の製造に用いられる基
板(ウェハ)に比較して大面積であるため、基板表面の
うねりや、基板表面と裏面とが平行に形成されていない
(テーパーが生じている)場合があることを考慮する
と、半導体素子の製造に用いられるステッパと同様に、
投影光学系の光軸方向における基板表面の位置を露光領
域内で複数検出することができる位置検出装置を備えて
いることが好ましい。
【0006】しかしながら、上述したように液晶表示素
子を製造する際に用いられるステッパは広い露光領域が
設定されているため、露光領域内のほぼ全面に亘ってス
リット像を投射する構成にすると、光学系が大型になり
すぎて実際的ではない。その上、液晶表示素子の製造に
おいて用いられる基板(プレート)では傾斜よりも基板
表面のうねりが問題となるため、複数の検出点の変位位
置を個々に求める上記の方法はコスト的にも配置的にも
問題がある。また、複数の検出点を検出するために前述
した斜入射式の位置検出装置を複数設け、各々の位置検
出装置から射出される検出光が露光領域内の異なる検出
点を照射するよう構成すれば実現可能と考えられるが、
位置検出装置が複数設けられることになるため配置上の
問題がある。
【0007】これらの問題点を解決した複数の検出点を
検出する位置検出装置が同出願人から案出されている。
この位置検出装置を簡単に説明すると、矩形形状に設定
された露光領域内の対角線上に2つの検出点を設定し、
1つの照射系を用いてスリット像を検出点の一方に対し
て斜め方向から投射し、その反射光を等倍のリレーレン
ズを介して他方の検出点に斜め方向から投射し、他方の
検出点の反射光を受光系で検出するリレー式の位置検出
装置である。かかる構成の位置検出装置では、スリット
像が少なくとも2つの検出点に投射されており、受光系
で検出される横ずれ量は基板上に設定された各検出点に
おける投影光学系の結像位置からのずれ量が加算された
量に相当するものとなる。従って、検出されたずれ量を
基板上に設定された検出点の数で除算することにより、
投影光学系の結像位置からの基板表面のずれ量の平均値
を求めることができる。以上説明した構成の位置検出装
置は、照射系及び受光系をそれぞれ1つ設け、更にリレ
ー光学系を備える構成であるので、装置構成を簡素化す
ることができ、コスト面及び配置上の問題が解消され
る。このリレー式の位置検出装置の詳細は、例えば特開
平10−326745号公報及び特開平11−8193
号公報を参照されたい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、露光装置に
備えられる各位置検出装置の検出精度を維持するために
は、定期的に較正する必要があるが、位置検出装置は基
板を載置するステージ上に設けられ、所定形状の基準マ
ークが形成された基準板を用いて較正される。ここで、
前述した斜入射式の位置検出装置の較正方法の一例を挙
げると、以下の手順により行われる。まず、露光光を基
準板の下方向から導いて基準マークを照明し、投影光学
系を介して基準マークの像を観察する。この観察方法
は、所謂TTL(スルー・ザ・レンズ)方式の観察方法
である。
【0009】基準板に形成された基準マークの像を観察
している状態でステージを投影光学系の光軸方向に移動
させて基準マークの像の光量の変化を求める。基準板の
上面が投影光学系の結像位置に位置するときに、基準マ
ークの像の光量は最大となる。よって、基準マークの像
の光量の変化から光量が最大となる位置を求める。次
に、基準マークの像の光量が最大となる位置に基準板の
上面が配置されているときに、斜入射式の位置検出装置
を用いて投影光学系の光軸方向における基準板の上面の
位置情報を検出し、この位置に位置検出装置の零点を設
定することにより位置検出装置の較正を行う。尚、投影
光学系の結像位置を求める場合には、投影光学系を介し
て基準板に形成された基準マークの像とマスクに形成さ
れたマークとを同時に観察する所謂TTM(スルー・ザ
・マスク)方式の観察方法により求めても良い。
【0010】以上の手順により斜入射式の位置検出装置
を較正することができるが、前述したリレー式の位置検
出装置も同様の手順を経て較正することができる。しか
しながら、リレー式の位置検出装置はリレーレンズを介
してスリット像を複数の検出点に順次投射することによ
り投影光学系の結像位置に対する基板表面のずれ量を求
めているため、較正を行う際にも上述した基準板に相当
する部材が検出点全てに配置されていなければならな
い。通常、検出点は検出精度等の観点から露光領域の一
方の端部と他方の端部に設定されるため、露光領域と同
程度の大きさをを有する反射部材、例えば基板(ウェハ
やプレート)を使用して較正が行われていた。
【0011】基板を用いてリレー式の位置検出装置を較
正する場合には、まず、前述した手順を経て斜入射式の
位置検出装置を較正する。次に、ステージ上に基板を載
置し、較正された斜入射式の位置検出装置を用いて複数
設定された検出点における投影光学系の結像位置からの
ずれ量を検出する。そして、リレー式の位置検出装置で
上記複数の検出点に順次スリット像を投射して検出点毎
のずれ量の和を検出し、この検出結果を斜入射式の位置
検出装置の検出結果に整合させてリレー式の位置検出装
置を較正する。
【0012】露光装置は、基板の位置情報を検出するた
めに種々の検出装置が設けられているが、これらの検出
装置の較正は、前述した基準板を用いて行われる。よっ
て、一連の露光処理の合間、例えばロット間において較
正を行うことができる。しかしながら、リレー式の位置
検出装置を較正する場合には、基板をステージ上に載置
しなければならないため、一連の露光処理を一時中断し
てダミーの基板を露光装置内に搬入する必要がある。従
って、ダミー基板の搬入に時間及び手間を必要とするた
め、生産効率に多大な影響を及ぼす。ステージ上に基板
を載置することなくリレー式の位置検出装置を較正でき
れば生産効率の低下を防止できると考えられる。
【0013】そこで、ステージ上であって基板が載置さ
れる位置の近傍に露光領域とほぼ同程度の大きさを有す
る基準板を設ければ、ステージ上にダミーの基板を載置
することなくリレー式の位置検出装置を較正できる。し
かしながら、ステージをかかる構成とするとステージが
大型化し、更にステージの移動可能な範囲(ストロー
ク)を拡大する必要があるため大幅にコストが上昇し、
しかも大型化に伴なってステージの精度の維持も困難に
なるという問題が生ずる。また、露光領域とほぼ同程度
の大きさを有する基準板を、基板が載置される位置であ
って基準板表面がステージの表面よりも下方に位置する
ように配置し、較正時にステージを投影光学系の光軸方
向に移動させれば、ステージ上にダミーの基板を載置す
ることなく、しかもステージの大型化を招くことなくリ
レー式の位置検出装置を較正できる。しかしながら、基
準板が配置されている位置には、基板を吸着するための
吸着機構を設置することができないため、ステージに基
板が載置されたときに基板の平面度が悪化し、基板の位
置情報の検出精度や位置合わせ精度が悪化するという問
題が生ずる。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、装置構成の大型化並びに基板の位置情報及び位
置合わせ精度の悪化を招かず、且つマイクロデバイスの
製造効率を悪化させずに基板等の表面状態を高精度に検
出することができる表面状態の検出方法及び当該検出方
法によって表面状態が検出された基板を用いてマイクロ
デバイスを製造するマイクロデバイスの製造方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の表面状態の検出方法は、投影系(PL)の
結像位置を求める第1検出工程(S10、S12、S3
0、S50、S90)と、前記第1検出工程(S10、
S12、S30、S50、S90)で求められた前記投
影系(PL)の結像位置の情報を用いて、保持手段(P
S)に設けられた基準面(FP1)において形成された
少なくとも2つの領域(FM1,FM2)の内の少なく
とも一方の領域の位置と前記投影系(PL)の結像位置
との結像方向(Z軸方向)に沿った整合状態を検出する
第2検出工程(S16、S20、S34、S40、S5
4)と、面状態検出装置(27)を用いて前記少なくと
も2つの領域(FM1,FM2)に検出光を経由させる
ことにより前記基準面(FP1)の状態を検出する第3
検出工程(S24、S44、S60)と、前記第2及び
第3検出工程の結果を用いて前記面状態検出装置(2
7)の較正を行う較正工程(S26、S46、S62)
と、前記較正工程にて較正された前記面状態検出装置
(27)を用いて前記保持手段(PS)に保持された被
検物(P)の表面の状態を検出する第4検出工程とを含
むことを特徴としている。この発明によれば、保持手段
に設けられた基準面において形成された少なくとも2つ
の領域の内の少なくとも一方の領域の位置と投影系の結
像位置との結像方向に沿った整合状態を検出するととも
に、面状態検出装置を用いて基準面において形成された
上記少なくとも2つの領域に検出光を経由させることに
より基準面の状態を検出し、これらの検出結果に基づい
て面状態検出装置の較正を行い、較正された面状態検出
装置を用いて保持手段に保持された被検物の表面の状態
を検出しているので、例えば基板等の被検物の結像方向
における位置情報の検出精度の悪化を招くことはなく、
表面状態を高精度に検出することができる。また、基準
面において形成された少なくとも2つの領域における検
出結果に基づいて投影系の結像位置と基準面との整合状
態とを検出しており、大型の反射板を設ける必要もない
ので、装置構成の大型化を招くことはない。また、本発
明の表面状態の検出方法は、前記第2検出工程(S1
6、S20、S34、S40、S54)が、前記基準面
(FP1)の少なくとも2つの領域(FM1,FM2)
の内の何れか一方の領域に検出光を照射する位置検出装
置(26)を用いて、前記何れか一方の領域の前記結像
方向(Z軸方向)に沿った位置を検出する工程を含むこ
とを特徴としている。この発明によれば、従来から露光
装置が備えている位置検出装置によって、基準面におい
て形成された少なくとも2つの領域の内の何れか一方の
結像方向に沿った位置を検出しているので、装置構成の
大型化及び複雑化を招くことはない。また、基準面にお
いて形成された少なくとも2つの領域の内の何れか一方
の結像方向に沿った位置を検出しているので、検出に要
する時間を短縮することができ、その結果として製造効
率の向上にも資することができる。ここで、前記第2検
出工程(S16、S20、S34、S40、S54)
が、前記第1検出工程(S10、S12、S30、S5
0、S90)からの前記投影系(PL)の結像位置の情
報を用いて前記位置検出装置(26)の較正を行う工程
(S36)と、前記較正された前記位置検出装置(2
6)を用いて、前記投影系(PL)の結像位置に対する
前記基準面(FP1)の少なくとも2つの領域(FM
1,FM2)の結像方向(Z軸方向)に沿った位置報を
それぞれ得る工程(S34、36、S40)とを含むこ
とを特徴としている。この発明によれば、面状態検出装
置の較正を行う際に、位置検出装置の較正をも行ってい
る。面状態検出装置は、位置検出装置の検出結果に基づ
いて較正される訳であるが、位置検出装置自体に検出誤
差があったのでは面状態検出装置を正確に較正すること
ができず、その結果として検出精度の悪化を招く虞があ
る。この発明では、最初に位置検出装置の較正を行い、
較正後の位置検出装置の検出結果に基づいて面状態検出
装置の較正を行っているため、検出精度の悪化を防止す
ることができる。また、本発明の表面状態の検出方法
は、前記第2検出工程(S16、S20、S34、S4
0、S54)が、前記基準面(FP1)の少なくとも2
つの領域(FM1,FM2)における結像方向(Z軸方
向)に沿った位置ずれ情報を求める工程と、前記基準面
(FP1)の少なくとも2つの領域(FM1,FM2)
における一方の領域の結像方向(Z軸方向)に沿った位
置情報を検出する工程(S54)と、前記位置ずれ情報
と前記基準面(FP1)の少なくとも2つの領域(FM
1,FM2)における他方の領域の結像方向(Z軸方
向)に沿った位置情報を算出する工程(S56)とを含
むことを特徴としている。この発明によれば、基準面の
少なくとも2つの領域の内の1つの結像方向における位
置を検出し、この検出結果と少なくとも2つの領域の結
像方向のずれ量とに基づいて、検出していない領域の位
置が算出される。よって、基準面の少なくとも2つの領
域の結像方向における位置が異なっている場合であって
も少なくとも1つの領域の検出を伴わずに位置を求める
ことができるので、領域の設計の自由度が高くなるとと
もに、製造効率の向上に資することができる。ここで、
本発明の表面状態の検出方法は、前記第1検出工程(S
10、S12、S30、S50、S90)が、前記基準
面(FP1)の少なくとも2つの領域(FM1,FM
2)の内の少なくとも一方の領域に形成された所定形状
を持つ開口部へ光を導く工程と、前記開口部からの光を
前記投影系(PL)に導くことによって、前記投影系
(PL)の結像位置を求める工程とを含むことを特徴と
し、又は、前記第1検出工程(S10、S12、S3
0、S50、S90)が、前記投影系(PL)の結像面
に形成される空間像を検出する空間像検出装置(22)
を用いて、前記投影系(PL)の結像位置を求める工程
を含むことを特徴としている。この発明によれば、投影
系の結像位置を求めるに際し、基準面の少なくとも2つ
の領域に内の少なくとも一方の領域に形成された所定形
状を持つ開口部へ光を導き、開口部からの光を投影系に
導くことにより投影系の結像位置を求める方法と、空間
像検出装置を用いて投影系の結像位置を求める方法とを
選択することができるため装置構成の自由度が高まる。
また、本発明のマイクロデバイスの製造方法は、上記の
表面状態の検出方法を用いて前記被検物としての基板
(P)の表面状態を検出する表面状態検出工程と、露光
光をマスク(M)へ照明し、当該マスク(M)に形成さ
れた所定のパターン(DP)の像を前記投影系(PL)
を介して前記基板(P)に転写する転写工程と、前記転
写工程にて転写された前記基板(P)を現像する現像工
程とを含むことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態による表面状態の検出方法及びマイクロデバイス
の製造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の
実施形態による表面状態の検出方法に用いられる面状態
検出装置及び位置検出装置を備える露光装置の構成を示
す図である。本実施形態においては、マスクMとして液
晶表示素子のパターンが形成されたものを用い、ステッ
プ・アンド・リピート方式により、上記パターンの像を
プレートPに転写する場合を例に挙げて説明する。尚、
以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座
標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部
材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、
X軸及びY軸がステージPSに対して平行となるよう設
定され、Z軸がステージPSに対して直交する方向(投
影光学系PLの光軸AXに平行な方向)に設定されてい
る。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面
に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定され
る。尚、本実施形態ではZ軸方向が本発明にいう結像方
向である。
【0017】楕円鏡1の第1焦点位置には、例えばg線
(436nm)及びi線(365nm)の露光光を供給
する超高圧水銀ランプ等の光源2が配置されており、こ
の光源2からの露光光は、楕円鏡1により集光されてミ
ラー3で反射された後、楕円鏡1の第2焦点位置に収斂
される。そして、コレクタレンズ4に入射して平行光束
に変換される。尚、ミラー3とコレクタレンズ4との間
には光路に対して進退自在に減光フィルタ5が配置され
る。減光フィルタ5は、ミラー3で反射された露光光の
光量を抑制するものであり、例えば光電検出器24で検
出される光量を調整するために設けられる。また、図示
は省略しているが、ミラー3とコレクタレンズ4との間
の光路に所定の波長の露光光のみを通過させる波長選択
フィルタを設けることが好ましい。
【0018】コレクタレンズ4を透過した露光光は、フ
ライアイ・インテグレータ6にて均一な照度分布の光束
にされる。フライアイ・インテグレータ6は、多数の正
レンズ要素からなるものであり、その射出側に正レンズ
要素の数の等しい数の光源像を形成して実質的な面光源
を形成している。尚、図1においては図示を省略してい
るが、フライアイ・インテグレータ6の射出面には、照
明条件を決定するσ値(後述する投影光学系PLの瞳の
開口径に対する、その瞳面上での光源像の口径の比)を
設定するための絞り部材が配置されている。
【0019】フライアイ・インテグレータ6により形成
された多数の光源像からの光束は、ハーフミラー7及び
レンズ8を介して開口Sの大きさを増減させて露光光の
照射範囲を調整するブラインド9を照射する。ブライン
ド9の開口Sを通過した露光光は、レンズ10を介した
後、ミラー11で反射されてコンデンサレンズ12に入
射し、このコンデンサレンズ12によってブラインド9
の開口Sの像がマスクステージMS上に載置されたマス
クM上で結像し、マスクMの所望範囲が照明される。マ
スクステージMS上に載置されるマスクMの交換は、不
図示のマスクチェンジャによって行われる。尚、楕円鏡
1、光源2、ミラー3、コレクタレンズ4、減光フィル
タ5、フライアイ・インテグレータ6、ハーフミラー
7、レンズ8、ブラインド9、レンズ10、ミラー1
1、及びコンデンサレンズ12は照明光学系をなす。
【0020】マスクMを載置するマスクステージMS
は、投影光学系PLの光軸AXの方向に微動可能で、且
つその光軸AXに垂直な面内で2次元移動及び微小回転
可能に構成される。マスクMには透明なガラス基板表面
にクロム等によって液晶表示素子のデバイスパターンD
P及びマスクの位置計測用マークMMが形成されてい
る。通常、デバイスパターンDP及び位置計測用マーク
MMには描画誤差が存在し、更にマスクの位置によって
は、投影光学系PLのディストーションの影響を考慮す
る必要があるため、位置計測用マークMMはデバイスパ
ターンDPの近傍に形成される。
【0021】照明光学系から射出された露光光がマスク
Mに照射されると、デバイスパターンDPの像は、投影
光学系PLを介してステージPS上に載置され、上面に
フォトレジスト等の感光剤が塗布された被検物又は基板
としてのプレートPに転写される。投影光学系PLに
は、温度、気圧等の環境変化に対応して、結像特性等の
光学特性を一定に制御する不図示のレンズコントローラ
部が設けられている。尚、図1においては、プレートP
を破線で示してあるが、これはプレートPがステージP
S上に載置されたときの状態を示すものである。
【0022】ステージPSはXY平面内においてプレー
トPを移動させるXYステージ、Z軸方向にプレートP
を移動させるZステージ、プレートPをXY平面内で微
小回転させるステージ、及びZ軸に対する角度を変化さ
せてXY平面に対するプレートPの傾きを調整するステ
ージ等から構成される。ステージPSの上面の一端には
ステージPSの移動可能範囲以上の長さを有する移動鏡
13が取り付けられ、移動鏡の鏡面に対向した位置にレ
ーザ干渉計14が配置されている。尚、図1では図示を
簡略化しているが、移動鏡13はX軸に垂直な鏡面を有
する移動鏡及びY軸に垂直な鏡面を有する移動鏡から構
成されている。また、レーザ干渉計14は、X軸に沿っ
て移動鏡13にレーザビームを照射する2個のX軸用の
レーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡13にレーザビー
ムを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成され、X軸
用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉
計によりステージPSのX座標及びY座標が計測され
る。また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差に
より、ステージPSの回転角が計測される。
【0023】レーザ干渉計14によって計測されたステ
ージPSのX座標、Y座標、及び回転角の情報はステー
ジ位置情報として主制御系15に供給される。主制御系
15は供給されたステージ位置情報をモニターしつつス
テージ駆動系16へ制御信号を出力し、ステージPSの
位置決め動作を制御する。尚、図1では図示を省略して
いるが、マスクMを載置するマスクステージMSにもス
テージPSに対して設けられた移動鏡13及びレーザ干
渉計14と同様のものが設けられており、マスクステー
ジMSのXYZ位置等の情報が主制御系15に入力され
る。
【0024】また、前述した照明光学系内に設けられた
ミラー3とコレクタレンズ4との間の光路にはシャッタ
17が配置される。このシャッタ17は、開状態となる
ことにより露光光を透過させて照明光学系から露光光を
射出する。一方、閉状態となると露光光を反射して照明
光学系からの露光光の射出を停止させる。シャッタ17
によって反射された露光光は、集光レンズ18により光
ファイバ19の一端19aから光ファイバ19内に入射
する。光ファイバ19に入射した露光光は光ファイバ1
9によって導かれ、ステージPS内部に配置された光フ
ァイバ19の他端19bから射出される。光ファイバ1
9の他端19bから射出された露光光は、ステージPS
内部に設けられたコリメートレンズ20によって平行光
に変換された後、ミラー21によって+Z軸方向に反射
され、ステージPSに設けられた基準反射板FM0を下
方向から照明する。
【0025】基準反射板FM0は、露光装置のベースラ
イン量の計測を行うために設けられる。尚、ベースライ
ン量の詳細については後述する。また、ステージPS上
には、基準反射板FM0と同様の基準反射板FM1及び
基準反射板FM2が設けられている。この基準反射板F
M1,FM2は、後述する面状態検出装置27(照射系
27a、リレー系27b、及び受光系27cを備える)
の較正を行うために設けられ、図示は省略しているが基
準反射板FM0と同様に光ファイバ19により露光光が
下方向から導かれる。基準反射板FM0〜FM2はステ
ージPSの表面に対して突没自在に構成される。尚、基
準反射板FM0〜FM2がステージPSの表面に対して
没入ときに、没入した基準反射板FM0〜FM2を覆
い、その上面に露光光に対する反射防止膜が形成された
シャッタを設けることが好ましい。かかる構成にするこ
とで、露光時に露光光が基準反射板FM0〜FM2で反
射され、その反射光がプレートPに塗布された感光剤を
露光することを防止できる。
【0026】本実施形態ではステージPSの大型化を避
けるため及びステージPSの移動量を極力少なくしてス
ループットの向上を図るため、ステージPS上のプレー
トPが載置される位置に突没自在に構成した基準反射板
FM0〜FM2を設けている。図2は、ステージPSに
設けられた基準反射板FM0〜FM2の配置を示すステ
ージPSの上面図である。尚、図2は、ステージPSの
中心位置が投影光学系PLの露光領域の中心位置に配置
されている状態をしている。図2に符号ERを付して示
した矩形形状の領域は、投影光学系PLの露光領域であ
り、一辺が百数十ミリメートル程度に設定される。ステ
ージPSがXY平面内において移動すると基準反射板F
M0〜FM2も移動するが、露光領域ERの位置は移動
しない。
【0027】図2に示したように基準反射板FM0〜F
M2は、X軸及びY軸に対して45度の角をなすX1軸
方向に配列され、上面形状が略円形形状の部材である。
基準反射板FM1と基準反射板FM2とは投影光学系P
Lの露光領域ERの対角線の長さ程度の距離をもって離
間されており、基準反射板FM0は基準反射板FM1と
基準反射板FM2との間に配置されている。尚、図2に
おいて、符号A1を付した矩形形状の領域は、X1軸方
向の頂点が基準反射板FM1,FM2の中心位置に配置
された面状態検出装置27の検出領域を示す。
【0028】基準反射板FM0〜FM2はステージPS
に対して突出した状態にあるときに、その上面がステー
ジPSにプレートPが載置されたときのプレートPの表
面位置とほぼ同一となるよう設計されている。尚、本実
施形態では、基準反射板FM1,FM2がステージPS
に対して突出した状態にあるとき、基準反射板FM1,
FM2の上面が本発明にいう基準面FP1に含まれると
する。図1においては、図面の簡略化のためにプレート
Pの表面に符号FP1が付してあるが、基準面FP1は
基準反射板FM1,FM2がステージPSに対して突出
した状態にあるときの基準反射板FM1,FM2の上面
が含まれる面をいい、ステージP上に載置されたプレー
トPの表面をいうのではない点に留意されたい。
【0029】更に、基準反射板FM0〜FM2は、プレ
ートPをステージPS上に載置したときの平坦度を悪化
させないために、上面が5ミリメートル程度の寸法に形
成される。次に、基準反射板FM0〜FM2の上面に形
成された基準マークについて説明する。図3は、基準反
射板FM0〜FM2の上面に形成された基準マークの一
例を示す上面図である。図3に示した例では、十字形状
の開口部が形成された基準マークm1、ドットをX軸方
向及びY軸方向に所定数配列した基準マークm2X,基
準マークm2Y及び、長手方向がX軸方向に設定された
線状の遮光部と長手方向がY軸に設定された線状の遮光
部とからなる基準マークm3が形成されている。基準反
射板は例えば透明な石英板を備え、この石英板の表面に
クロムを蒸着して基準マークm1,m2X,m2Y,m3
が形成される。図3においては、クロムが蒸着されてい
る箇所に斜線を付している。
【0030】基準反射板FM1,FM2に形成された基
準マークm1は投影光学系PLの結像位置を求める際に
用いられ、基準反射板FM0に形成された基準マークm
1はベースライン量、基準マークm2X,m2Y又は基準
マークm3は後述するプレートアライメントセンサ25
a〜25dで基準反射板FM0のXY面内における位置
情報を計測する際に用いられる。また、基準反射板FM
1,FM2の上面は位置検出装置26、面状態検出装置
27から射出される検出光に対する反射板として用いら
れる。
【0031】尚、本実施形態においては、基準反射板F
M0〜FM2をステージPの表面に対して突没自在に構
成されている場合を例に挙げて説明するが、これらの表
面がステージPSの表面より下方位置するようにステー
ジPS内に埋設した構成であってもよい。この場合に
は、露光光に対する反射を防止するために、表面に反射
防止膜を形成することが好ましいが、位置検出装置26
又は面状態検出装置27から射出される検出光(基準反
射板FM0〜FM2の表面に対して斜め方向から入射)
に対する反射率を高くする必要がある。尚、基準反射板
FM0は基準反射板FM1又は基準反射板FM2を兼ね
るようにしてもよい。また、露光光の波長と、位置検出
装置26又は面状態検出装置27から射出される検出光
の波長とが異なる場合には、基準反射板FM0〜FM2
の上面に露光光の波長に対する反射防止膜を形成すると
ともに、基準マークm1,m2X,m2Y,m3による露
光光の反射を防止するために、基準マークm1,m
X,m2Y,m3を、例えば特開平2000−1245
2号公報に開示された位相パターンとして形成すること
が好ましい。但し、基準反射板FM0〜FM2の上面に
形成する反射防止膜は、位置検出装置26又は面状態検
出装置27から射出される検出光の波長に対してはある
程度反射率が高くなるように設定する必要がある。
【0032】図1に戻り、ステージPS内には、更に投
影光学系PLを介して投影される空間像を検出する空間
像検出装置22を備える。図4は、空間像検出装置22
の構成を示す断面図である。図4に示したように、空間
像検出装置22は、ステージPSの上面に形成された数
ミリ程度の内径を有する開口部30、第1リレーレンズ
31、第2リレーレンズ32、及びCCD等の撮像素子
33からなる。第1リレーレンズ31及び第2リレーレ
ンズ32は、プレートPがステージPS上に載置された
ときのプレートPの上面とほぼ同一となるように設定さ
れた焦点面PP1と撮像素子33の撮像面とを光学的に
共役にする。よって、焦点面PP1が投影光学系PLの
結像面と一致しているときに、投影光学系PLを介して
投影される空間像のコントラストが最も鮮明となる。撮
像素子33で撮像された空間像の画像信号は主制御系1
5へ出力されて画像処理が施される。
【0033】再び、図1に戻り、本実施形態の露光装置
はマスクステージMS上に載置されたマスクMの位置情
報を計測するマスクアライメントセンサ23a,23b
をマスクステージMSの上方に備える。マスクアライメ
ントセンサ23a,23bは、マスクMに形成された位
置計測用マークMMに検知光を照射し、その反射光を受
光することにより、位置計測用のマークMMの位置情報
を計測するものであって、その計測結果を主制御系15
に出力する。主制御系15は、マスクアライメントセン
サ23a,23bの計測結果に基づいて、マスクMを保
持するマスクステージMSを、図示しないリニアモータ
等の駆動手段をサーボ制御することにより、XY平面上
の所望の位置に移動させる。
【0034】また、照明光学系内には光電検出器24が
設けられている。この光電検出器24は、前述した光フ
ァイバ19によって導かれた露光光を基準反射板FM0
〜FM2に形成された基準マークm1に照射して得られ
る像の光量を検出するものである。光電検出器24は、
投影光学系PLの結像位置及びマスクMに対して瞳の位
置に配置されている。前述したように、基準マークFM
0〜FM2に形成された基準マークm1は十字形状のス
リットを有しており、露光光がスリットを通過すること
によりスリットの像が形成される。このスリットの像
は、投影光学系PL、コンデンサレンズ12、ミラー1
1、レンズ10、ブラインド9、及びレンズ8を順に介
してハーフミラー7に至り偏向される。ハーフミラー7
によって偏向されたスリットの像は光電検出器24によ
って光電変換される。光電検出器24は像の光量を示す
信号を主制御系15へ出力する。本実施形態において、
この光電検出器24は投影光学系PLの結像位置を計測
する際に用いられる。
【0035】次に、光電検出器24を用いて投影光学系
PLの結像位置を計測する原理を簡単に説明する。露光
光が基準反射板FM0に形成された基準マークm1を照
明している状態で、主制御系15はステージ駆動系16
を介してステージPSをZ軸方向へ移動させ、ステージ
PSのZ軸方向の位置情報と光電検出器24から出力さ
れる信号強度との関係を得る。露光光が照明されている
基準マークm1が投影光学系PLの結像位置に位置した
ときに光電検出器24から出力される信号強度が最大に
なる。よって、光電変換器24から出力される信号が最
大になるときのステージPSのZ軸方向の位置情報を求
めることにより投影光学系PLの結像位置が計測され
る。尚、基準反射板FM1,FM2を用いて投影光学系
PLの結像位置を計測する場合も同様にして計測するこ
とができる。
【0036】また、ステージPS上に載置されたプレー
トPの位置情報は、投影光学系PLの側方に設けられた
プレートアライメントセンサ25a〜25dによって計
測される。このプレートアライメントセンサ25a〜2
5dは、計測領域が投影光学系PLの露光領域外に設定
され、投影光学系PLを介することなく直接プレートP
に形成された位置計測用のマークの位置情報を計測する
所謂オフ・アクシス方式のアライメントセンサである。
プレートアライメントセンサ25a〜25dは、レーザ
光をプレート上に形成されたドット列のマークに照射
し、回折・散乱された光を利用してそのマークの位置情
報を計測する所謂LSA(Laser Step Alignment)方式
のアライメントセンサ、又は、ハロゲンランプ等の波長
帯域幅の広い光源を用いてマークを照明し、その結果得
られたマークの像を画像信号に変換した後、画像処理し
てマークの位置情報を求める所謂FIA(Field Image
Alignment)方式のアライメントセンサである。尚、図
1においては、2つのプレートアライメントセンサ25
a,25bのみを図示している。複数のプレートアライ
メントセンサ20a〜20dを設ける理由は、ステージ
PSの移動量を少なくするため、及びスループットの向
上を図るためである。
【0037】このように、マスクMに形成されたパター
ンの投影像の中心(露光中心)と、プレートアライメン
トセンサ25a〜25d各々の計測中心とはある距離を
もって配ずれて配置されている。この露光中心とプレー
トアライメントセンサ25a〜25d各々の計測中心と
の距離がベースライン量である。ベースライン量は、プ
レートアライメントセンサ25a〜25dによって計測
されたプレートPの位置情報に基づいて、プレートPに
設定されたデバイスパターンDPの像が転写される領域
を投影光学系PLの露光領域ERに位置合わせする際に
用いられる。
【0038】更に、本実施形態の露光装置は、プレート
PのZ軸方向の位置情報を検出する位置検出装置26と
面状態検出装置27とを、投影光学系PLの側方に備え
る。位置検出装置26は、露光領域ERのほぼ中心位置
におけるプレートPのZ軸方向の位置情報を検出するの
に対して、面状態検出装置27は、露光領域ERの隅部
に設定された2点におけるプレートPのZ軸方向の位置
情報を検出する(図2参照)。尚、図1においては位置
検出装置26が備える照射系26a及び受光系26bを
簡略化して図示しており、面状態検出装置27が備える
照射系27a、リレー系27b、及び受光系27を簡略
化して図示している。次に、位置検出装置26及び面状
態検出装置27の構成について説明する。図5は、位置
検出装置26の構成を示す図である。尚、図5は図1に
示したX軸及びY軸に対して45度の角をなすX1軸方
向に位置検出装置26を見た矢視図である。図5に示す
ように、光ファイバ40の一端から射出された検出光
は、コンデンサレンズ41を介して送光スリット板42
を照射する。
【0039】図6は、送光スリット板42の構成を示す
図である。送光スリット板42は例えば透明ガラス基板
にクロム等の遮光用の金属が蒸着され、送光スリット板
42にはスリット42aが形成される。送光スリット板
42に形成されたスリット42aは、長手方向がX1方
向に設定されて配置される。送光スリット板42を検出
光が透過することにより検出光は送光スリット板42に
形成されたスリット42aの形状に整形される。図5に
戻り、送光スリット板42に形成されたスリット42a
を透過した検出光は偏向ミラー43によって偏向され、
対物レンズ44を介してプレートPの表面に対して斜め
方向からプレートP上に設定された検出点SP0に入射
する。よって、前述したスリット42aの像がプレート
Pの検出点SP0に投射される。尚、光ファイバ40、
コンデンサレンズ41、送光スリット板42、偏向ミラ
ー43、及び対物レンズ44は位置検出装置26の照射
系26a(図1参照)をなす。
【0040】プレートPによって反射された検出光は、
対物レンズ45、振動ミラー46、受光スリット板4
7、及び集光レンズ48を順に介して光電変換素子49
に至り、光電変換される。受光スリット板47に形成さ
れたスリットは、送光スリット板42に形成されるスリ
ット42aと同様に長手方向がX1方向に設定される。
尚、対物レンズ45、振動ミラー46、受光スリット板
47、集光レンズ48、及び光電変換素子49は位置検
出装置26の受光系26b(図1参照)をなす。ここ
で、以上の構成による位置検出装置26の検出原理につ
いて説明する。検出動作を行っている間、振動ミラー4
6は図5中の符号d1が付された方向(X1軸の周り)
に振動する。振動ミラー46が振動することによりプレ
ートPの表面で反射されたスリット像は、受光スリット
板47に形成されたスリットに対して振動する。従っ
て、光電変換素子49は、受光スリット板47及び集光
レンズ45を通過した光を光電検出し、光電変換素子4
9から出力される信号に基づいて主制御系15が所謂同
期検波の手法によってプレートPの表面の位置(検出点
SP0の位置)を検出する。
【0041】以上、位置検出装置26の構成及び検出原
理について簡単に説明したが、次に面状態検出装置27
について説明する。図7は、面状態検出装置27の構成
を示す斜視図である。面状態検出装置27は、不図示の
光源から射出された検出光が不図示のコンデンサレンズ
を介して送光スリット板50を照射する。この送光スリ
ット板50は図5に示した位置検出装置26が備える送
光スリット板42と同様の構成であり、送光スリット板
50に形成されたスリットの長手方向がX1軸方向に設
定されている。送光スリット板50を透過した検出光は
偏向ミラー51によって偏向され、対物レンズ52を介
してプレートPの表面に対して斜め方向からプレートP
の検出点SP1に入射する。対物レンズ52は、送光ス
リット板50と検出点SP1とを共役にしているため、
スリット板50に形成されたスリットのスリット像が検
出点SP1に投射される。尚、送光スリット板50、偏
向ミラー51、及び対物レンズ52は面状態検出装置2
7の照射系27a(図1参照)の一部をなす。
【0042】検出点SP1で反射された光束の進行方向
には、リレーレンズ53が配置され、その先にリレーレ
ンズ53の光軸をX1軸に平行な方向に偏向するミラー
54が配置されている。また、ミラー54のX1軸方向
には光軸を更に検出点SP2に向けて偏向するミラー5
5が配置され、ミラー55と検出点SP2との間には、
リレーレンズ56が配置されている。尚、リレーレンズ
53、ミラー54、ミラー55、及びリレーレンズ56
は、面状態検出装置27が備えるリレー系27bをなす
ものであり、検出点SP1と検出点SP2とを光学的に
共役としている。よって、前述したように検出点SP1
には送光スリット板50に形成されたスリット像が投射
されているので、送光スリット板50に形成されたスリ
ット像とほぼ同様のスリット像が検出点SP2にも投射
される。このように、リレー系27bは、1つの検出点
SP1からの反射光をプレートPの表面に対して斜め方
向から他の検出点SP2を照射させることにより検出光
を経由する。
【0043】検出点SP2において反射された光束は、
対物レンズ57、振動ミラー58、及び開口絞り59を
順に介して受光スリット板47に至る。その後、不図示
の光電変換素子によって光電変換される。受光スリット
板47に形成されたスリットは、送光スリット板42に
形成されるスリット42aと同様に長手方向がX1方向
に設定され、検出点SP2と受光スリット板59とは対
物レンズ57によって光学的に共役に設定される。尚、
対物レンズ57、振動ミラー58、視野絞り59、及び
受光スリット板60は面状態検出装置27の受光系27
c(図1参照)の一部をなす。面状態検出装置27の検
出原理は、前述した位置検出装置26の検出原理と同様
である。以上の構成による面状態検出装置27は、検出
点SP1における基準面FP1(図1参照)からのZ軸
方の位置ずれと検出点SP2における基準面FP1から
のZ軸方の位置ずれとを加算した位置ずれを検出する。
【0044】ここで、面状態検出装置27が検出点SP
1及び検出点SP2における基準面FP1からのZ軸方
の位置ずれを加算した位置ずれを検出する原理について
簡単に説明する。図7において、送光スリット板50か
ら、受光スリット60までの検出光の進む方向を示すた
めに主光線に矢印を付してある。また、L0は検出点S
P1に投射される検出光の主光線を示し、L1は、検出
領域A1の面がプレートPの表面と同一であり、検出点
SP1及び検出点SP2が共にプレートPの表面に配置
されているときの主光線を示し、L2は検出領域A1の
面に対してプレートPの表面がZ軸方向に位置ずれして
配置されているときの主光線を示している。
【0045】いま、図7において、プレートPの表面が
検出領域A1の面に対してZ軸方向にΔZだけ下方向
(投影光学系PLから離れる方向)に配置されている場
合を考える。プレートPの表面が基準面FP1と同一に
配置されている状態で、プレートPの表面で反射した場
合は、当然ながら受光スリット板60上に形成される送
光スリット板50のスリット像の位置は変化しない。し
かしながらプレートPが基準面FP1からΔZだけ下方
にずれていたとすれば、検出光は検出点SP1で反射さ
れず、検出点SP1からずれた位置R1で反射され、こ
のときの主光線L2は図示した通り、主光線L1の位置
から−Z軸方向へずれてリレーレンズ53を介してミラ
ー54へ入射する。
【0046】主光線L2がミラー54で反射されると、
リレーレンズ53の瞳位置P1にて基準光線L1と交差
し、主光線L1よりも+Z軸方向の位置においてミラー
55で反射される。よって、主光線L2は主光線L1よ
りも+Z軸方向にずれてリレーレンズ56へ入射する。
この主光線L2は、リレーレンズ56を通過し、主光線
L1よりも+Z軸方向に位置したまま進むが検出点SP
2は通過しない。これは、検出光が検出点SP1で反射
されず検出点SP1からずれた位置R1で反射されたた
めである。また、リレーレンズ56を通過したした主光
線L2は、検出点SP2を通過しないのみならず、プレ
ートPが基準面FP1からずれている分、更にずれた位
置R2において反射される。従って、受光スリット板6
0に形成されるスリット像は、検出点SP1におけるプ
レートPの基準面からのずれ量ΔZと、検出点SP2に
おけるプレートPの基準面からのずれ量ΔZとの和に応
じた分だけずれたものとなる。このようにして、面状態
検出装置27は検出点SP1及び検出点SP2における
基準面からのZ軸方の位置ずれを加算した位置ずれを検
出する。
【0047】図8は、位置検出装置26及び面状態検出
装置27の配置を示す上面図である。図8に示すように
位置検出装置26及び面状態検出装置27は、X軸方向
及びY軸方向に対してほぼ45度の角度をもって検出光
を射出する。ここで、位置検出装置26及び面状態検出
装置27がX軸方向及びY軸方向に対してほぼ45度の
角度をもって検出光を射出するよう配置される理由につ
いて説明する。通常、プレートP上に形成されるパター
ンは互いに直角をなす縦横の直線を主な構成要素として
いるため、X軸方向に長手方向を有するパターンとY軸
方向に長手方向を有するパターンとがプレートP上に多
数形成されることになる。前述のように、位置検出装置
26及び面状態検出装置27はスリット像を検出光とし
てプレートP上に投射する。ここで、投射されるスリッ
トの像の長手方向が、このような縦横の直線方向と一致
しないように投射することで、パターンによる明暗や、
反射率の不均一さを平均化して表面位置の検出精度を向
上させている。尚、X軸となす角は45度であることが
望ましいが、パターンの縦と横の線を横断してスリット
の像が結像されればよいので、90度以外の角度、例え
ば30度や60度であってもよい。
【0048】以上、本発明の実施形態による表面状態の
検出方法に用いられる面状態検出装置及び位置検出装置
を備える露光装置の全体構成について説明したが、次に
本発明の実施形態による表面状態の検出方法について説
明する。尚、以下の説明ではプレートPの表面の面状態
を検出する場合を例に挙げて説明するが、本実施形態は
プレートPの表面状態の検出に限られず、半導体基板の
表面状態の検出にも適用することができる。ここで、プ
レートPの表面状態を検出する理由は、マスクMに形成
されたデバイスパターンDPの像を投影光学系PLを介
して転写する際に、投影光学系系PLの結像位置にプレ
ートPの表面を高い精度で位置合わせすることにより、
プレートP上に微細なパタンを精度良く形成するためで
ある。
【0049】プレートPの表面状態は、前述した位置検
出装置26又は面状態検出装置27を用いて行われる
が、前述した理由によって投影光学系PLの結像位置か
らのプレートPの表面のずれ量を検出する必要がある。
従って、面状態計測装置27の零点が投影光学系PLの
結像位置に一致するように較正する必要がある。よっ
て、面状態計測装置27を較正するときには、まず投影
光学系PLの結像位置を計測し、次に面状態検出装置2
7の零点を検出された投影光学系PLの結像位置に合わ
せる手順が少なくとも必要になる。以下、面状態検出装
置27の較正方法について説明する。
【0050】〔面状態校正装置の第1較正方法〕面状態
検出装置27の第1較正方法は、投影光学系PLの結像
位置を計測するために、図1に示した基準反射板FM
1,FM2及び光電検出器24を用い、面状態検出装置
27の零点を合わせるために位置検出装置26を用いて
いる。この第1較正方法は、位置検出装置26の較正が
完了しており、基準面FP1に零点が設定されているこ
とを前提としたものである。図9は、面状態校正装置2
7の第1較正方法を示すフローチャートである。処理を
開始するにあたり、最初に基準反射板FM0〜FM2を
ステージPSの表面に対して突出した状態とする。処理
が開始すると、主制御系15はステージ駆動系16を介
してステージPSをXY平面内で移動させ、基準反射板
FM1,FM2を露光領域ER内に配置する。
【0051】基準反射板FM1,FM2の配置が完了す
ると、シャッタ17を閉状態として光ファイバ19を介
して露光光を基準反射板FM1の下方へ導き、基準反射
板FM1に形成された基準マークm1を照射する。基準
マークm1のスリットの像は、投影光学系PL、コンデ
ンサレンズ12、ミラー11、レンズ10、ブラインド
9、レンズ8、ハーフミラー7を順に介して光電検出器
24によって検出される。光電検出器24の検出結果は
スリットの像の光量を示す信号として主制御系15へ出
力される。この状態において、主制御系15はステージ
駆動系16を介してステージPSをZ軸方向へ移動させ
ながらステージPSのZ軸方向の位置情報と光電検出器
24から出力される信号との対応関係を記憶する。そし
て、光電検出器24から出力される信号の強度が最も高
くなるステージPSのZ軸方向の位置情報を求めること
により投影光学系PLの結像位置を計測する(ステップ
S10)。
【0052】次に、露光光が基準反射板FM2の下方か
ら基準反射板FM2に形成された基準マークm1を照射
している状態とし、ステージPSをZ軸方向へ移動させ
ながらステージPSのZ軸方向の位置情報と光電検出器
24から出力される信号との対応関係を得る。そして、
ステップS10と同様に光電検出器24から出力される
信号の強度が最も高くなるステージPSのZ軸方向の位
置情報を求めることにより投影光学系PLの結像位置を
計測する(ステップS12)。以上の処理によって、基
準反射板FM1及び基準反射板FM2を用いて投影光学
系PLの結像位置が求められることになる。ここで、投
影光学系PLの結像位置を計測するのは、機械的な振動
や周囲の温度によって投影光学系PLの結像位置が僅か
に変化するためである。また、基準反射板FM1と基準
反射板FM2とを用いて投影光学系PLの結像位置を求
める理由は、基準反射板FM1の上面のZ軸方向の位置
と基準反射板FM2の上面のZ軸方向の位置が機械的な
振動等によって変化する場合があるためである。
【0053】ステップS12の処理が終了すると、主制
御系15はステージPSをZ軸方向へ移動させ、ステッ
プS10で計測された投影光学系PLの結像位置に基準
反射板FM1の上面を配置し、この状態でステージPS
をXY面内で移動させて基準反射板FM1を位置検出装
置26の検出点SP0(露光領域ERの中心位置)に配
置する(ステップS14)。基準反射板FM1の配置が
完了すると、Z軸方向における基準反射板FM1の上面
の位置情報を位置検出装置26で検出する処理が行われ
る(ステップS16)。仮に、投影光学系PLの結像位
置が前回計測した位置よりもZ軸方向にずれている場合
には、位置検出装置26がそのずれ量を検出することに
なる。
【0054】以上の処理が終了すると、主制御系15は
ステージPSをZ軸方向へ移動させ、ステップS12で
計測された投影光学系PLの結像位置に基準反射板FM
2の上面を配置し、この状態でステージPSをXY面内
で移動させて基準反射板FM2を位置検出装置26の検
出点SP0(露光領域ERの中心位置)に配置する(ス
テップS18)。基準反射板FM2の配置が完了する
と、Z軸方向における基準反射板FM2の上面の位置情
報を位置検出装置26で検出する処理が行われる(ステ
ップS20)。ステップS16及びステップS20の処
理を経ることにより、基準反射板FM1及び基準反射板
FM2が投影光及び基準反射板FM2に配置されている
ときのZ軸方向の位置情報がそれぞれ求まることにな
る。
【0055】次に、主制御系15はステージ駆動系16
を介してステージPSをXY面内で移動させ、基準反射
板FM1を面状態検出装置27の検出点SP1に配置
し、基準反射板FM2を面状態検出装置27の検出点S
P2に配置する(ステップS22)。基準反射板FM
1,FM2の配置が完了すると、面状態検出装置27は
投射系27aから検出光を射出して基準反射板FM1の
上面に対して斜め方向から照射し、基準反射板FM1の
上面で反射された光束をリレー系27bで導いて基準反
射板FM2の上面に対して斜め方向から照射し、更に基
準反射板FM2の上面で反射された光束を受光系27c
で受光することにより、Z軸方向における基準反射板F
M1及び基準反射板FM2の上面の位置情報の和を検出
する(ステップS24)。
【0056】前述したステップS16において、較正さ
れている位置検出装置26によって基準反射板FM1の
上面の位置情報が検出され、ステップS20において較
正されている位置検出装置26によって基準反射板FM
2の上面の位置情報が検出されている。一方、ステップ
S24で面状態検出装置27によって検出された値はZ
軸方向における基準反射板FM1及び基準反射板FM2
の上面の位置情報の和である。従って、ステップS24
で検出された面状態検出装置27の検出結果を、ステッ
プS16及びステップS20で得られた検出結果の和に
一致させ、かかる値を面状態検出装置27の零点とする
ことで面状態検出装置27の較正を行う(ステップS2
6)。
【0057】〔面状態校正装置の第2較正方法〕次に、
面状態検出装置27の第2較正方法について説明する。
上述した面状態検出装置27の第1較正方法は、位置検
出装置26が較正されていることを前提としていたが、
面状態検出装置27の第2較正方法は、位置検出装置2
6及び面状態検出装置27を共に較正するものである。
この第2較正方法は、投影光学系PLの結像位置を計測
するために、図1に示した基準反射板FM1のみと光電
検出器24とを用いている。図10は、面状態校正装置
27の第2較正方法を示すフローチャートである。処理
を開始するにあたり、最初に基準反射板FM0〜FM2
をステージPSの表面に対して突出した状態とするのは
第1較正方法と同様である。
【0058】処理が開始すると、主制御系15はステー
ジ駆動系16を介してステージPSをXY平面内で移動
させ、基準反射板FM1,FM2を露光領域ER内に配
置する。基準反射板FM1,FM2の配置が完了する
と、露光光が基準反射板FM1の下方から基準反射板F
M1に形成された基準マークm1を照射している状態と
し、ステージPSをZ軸方向へ移動させながらステージ
PSのZ軸方向の位置情報と光電検出器24から出力さ
れる信号との対応関係を得る。そして、光電検出器24
から出力される信号の強度が最も高くなるステージPS
のZ軸方向の位置情報を求めることにより投影光学系P
Lの結像位置を計測する(ステップS30)。
【0059】次に、主制御系15はステージPSをXY
面内で移動させて基準反射板FM1を位置検出装置26
の検出点SP0(露光領域ERの中心位置)に配置する
(ステップS32)。基準反射板FM1の配置が完了す
ると、Z軸方向における基準反射板FM1の上面の位置
情報を位置検出装置26で検出する(ステップS3
4)。検出が終了すると、この検出結果に基づいて位置
検出装置26の較正を行う(ステップS36)。つま
り、位置検出装置26の零点を基準反射板FM1が投影
光学系PLの結像位置に配置されているときに得られた
検出結果に合わせる。位置検出装置26の較正が終了す
ると、主制御系15はステージ駆動系26を介してステ
ージPSをXY平面内で移動させて基準反射板FM2を
位置検出装置26の検出点SP0(露光領域ERの中心
位置)に配置する(ステップS38)。基準反射板FM
2の配置が完了すると、Z軸方向における基準反射板F
M2の上面の位置情報を較正された位置検出装置26で
検出する処理が行われる(ステップS40)。前述した
ステップS36の処理によって位置検出装置26の零点
が投影光学系PLの結像位置に合わせられたため、この
処理では基準反射板FM2の上面の投影光学系PLの結
像位置からのZ軸方向のずれ量が求まる。
【0060】次に、主制御系15はステージ駆動系16
を介してステージPSをXY面内で移動させ、基準反射
板FM1を面状態検出装置27の検出点SP1に配置
し、基準反射板FM2を面状態検出装置27の検出点S
P2に配置する(ステップS42)。基準反射板FM
1,FM2の配置が完了すると、面状態検出装置27は
Z軸方向における基準反射板FM1及び基準反射板FM
2の上面の位置情報の和を検出する(ステップS4
4)。前述したステップS34,S36において、位置
検出装置26の零点が、投影光学系PLの結像位置に合
わせられており、ステップS40では、投影光学系PL
の結像位置に対する基準反射板FM2の表面のZ軸方向
におけるずれ量が得られている。よって、ステップS4
4で検出された面状態検出装置27の検出結果を、ステ
ップS40で得られた検出結果と一致させ、かかる値を
面状態検出装置27の零点とすることで面状態検出装置
27の較正を行う(ステップS46)。
【0061】〔面状態校正装置の第3較正方法〕次に、
面状態検出装置27の第3較正方法について説明する。
上述した面状態検出装置27の第1較正方法及び第2較
正方法は、基準反射板FM1の上面と基準反射板FM2
が共に基準面に含まれるように設計されている場合に適
用される較正方法であった。以下に説明する第3較正方
法は、基準反射板FM1の上面のZ軸方向の位置と基準
反射板FM2の上面のZ軸方向の位置とが異なるよう設
計されており、基準反射板FM1及び基準反射板FM2
の何れか一方の上面のみが基準面FP1に含まれている
場合の較正方法である。この第3較正方法では、基準反
射板FM1の上面と基準反射面FM2の上面とのZ軸方
向におけるずれ量を精密に予め計測し、主制御系15に
記憶させておく。よって、第3較正方法は、基準反射板
FM1の上面と基準反射板FM2の上面とのずれ量が変
動しないことを前提している。また、投影光学系PLの
結像位置を計測するために、図1に示した基準反射板F
M1のみと光電検出器24とを用いている。
【0062】図11は、面状態校正装置27の第3較正
方法を示すフローチャートである。処理を開始するにあ
たり、最初に基準反射板FM0〜FM2をステージPS
の表面に対して突出した状態とするのは第1較正方法及
び第2較正方法と同様である。処理が開始すると、主制
御系15はステージ駆動系16を介してステージPSを
XY平面内で移動させ、基準反射板FM1,FM2を露
光領域ER内に配置する。基準反射板FM1,FM2の
配置が完了すると、露光光が基準反射板FM1の下方か
ら基準反射板FM1に形成された基準マークm1を照射
している状態とし、ステージPSをZ軸方向へ移動させ
ながらステージPSのZ軸方向の位置情報と光電検出器
24から出力される信号との対応関係を得る。そして、
光電検出器24から出力される信号の強度が最も高くな
るステージPSのZ軸方向の位置情報を求めることによ
り投影光学系PLの結像位置を計測する(ステップS5
0)。
【0063】次に、主制御系15はステージPSをXY
面内で移動させて基準反射板FM1を位置検出装置26
の検出点SP0(露光領域ERの中心位置)に配置する
(ステップS52)。基準反射板FM1の配置が完了す
ると、Z軸方向における基準反射板FM1の上面の位置
情報を位置検出装置26で検出する(ステップS5
4)。検出が終了すると、この検出結果と主制御系15
に予め記憶してある基準反射板FM1の上面と基準反射
面FM2の上面とのZ軸方向におけるずれ量とに基づい
て、基準反射板FM2の上面のZ軸方向における上面の
位置情報を算出する(ステップS56)。
【0064】次に、主制御系15はステージ駆動系16
を介してステージPSをXY面内で移動させ、基準反射
板FM1を面状態検出装置27の検出点SP1に配置
し、基準反射板FM2を面状態検出装置27の検出点S
P2に配置する(ステップS58)。基準反射板FM
1,FM2の配置が完了すると、面状態検出装置27は
Z軸方向における基準反射板FM1及び基準反射板FM
2の上面の位置情報の和を検出する(ステップS6
0)。ステップS54において基準反射板FM1の上面
のZ軸方向における位置情報が得られており、ステップ
S56において基準反射板FM2の上面の位置情報が算
出されている。よって、ステップS60で検出された面
状態検出装置27の検出結果を、ステップS54で得ら
れた検出結果とステップS56で求められた算出結果と
の和に一致させ、かかる値を面状態検出装置27の零点
とすることで面状態検出装置27の較正を行う(ステッ
プS62)。
【0065】〔面状態校正装置の第4較正方法〕次に、
面状態検出装置27の第4較正方法について説明する。
上述した面状態検出装置27の第1較正方法〜第3較正
方法は、基準反射板FM1,FM2の少なくとも一方に
形成された基準マークm1の像の光量を光電検出器24
で検出し、光量が最大となる箇所を求めることによって
投影光学系PLの結像位置を計測していた。第4の較正
方法は、投影光学系PLの結像位置をステージPS内に
設けられた空間像検出装置22(図1及び図4参照)を
用いて計測するものである。前述したように、空間像検
出装置22は、焦点面PP1が投影光学系PLの結像面
と一致しているときに、投影光学系PLを介して投影さ
れる空間像が最も鮮明となる。しかしながら、空間像検
出装置22の焦点面PP1は必ずしも基準面FP1と一
致している訳ではないので、予め焦点面PP1と基準面
FP1とのずれ量を計測する必要がある。よって、まず
焦点面PP1と基準面FP1とのずれ量の計測方法につ
いて説明する。
【0066】図12は、空間像検出装置22の焦点面P
P1と基準面FP1とのZ軸方向におけるずれ量を計測
する方法を示すフローチャートである。まず、マスクス
テージMS上にテストパターンが形成されたテスト用の
マスクを載置する。次に、プレートPと厚みや外形寸法
が同一のテストプレートをステージPS上に載置してテ
スト用のマスクに形成されたテストパターンの像を投影
光学系PLを介して実際にテストプレートに転写する。
このとき、予め複数枚のテストプレートを用意してお
き、各々のテストプレート毎に例えば数マイクロメート
ルづつステージPSのZ軸方向の位置を変えつつ順次テ
ストパターンを転写する(ステップS70)。尚、テス
トプレートがステージPS上に載置される場合には、基
準反射板FM0〜FM2は、ステージPSに没入した状
態とされる。次に、複数枚のテストプレートに対する露
光結果を評価して最良結像位置を算出する(ステップS
72)。ここで、最良結像位置とは、例えば線幅が最も
設計値に近いパターンが形成されたテストプレートが露
光されたときのステージPSのZ軸方向の位置である。
【0067】次に、ステージPSのZ軸方向の位置を最
良結像位置に合わせるとともに、基準反射板FM1をス
テージPSの表面に対して突出させた状態として基準反
射板FM1を位置検出装置26の検出点SP0に配置す
る(ステップS74)。基準反射板FM1の配置が完了
すると、Z軸方向における基準反射板FM1の上面の位
置情報を位置検出装置26で検出し、この検出結果に基
づいて位置検出装置26の較正が行われる(ステップS
76)。つまり、位置検出装置26の零点はステージP
Sが最長結像位置に配置されているときの基準反射板F
M1の上面に設定される。
【0068】以上の処理が終了すると、主制御系15は
ステージPSをXY平面内で移動させ、空間像検出装置
22の開口部30を露光領域ER内に配置する。次に、
テスト用のマスクに露光光を照射し、投影光学系PLを
介してテストパターンの像を露光領域ERに照射する。
主制御系15はテストパターンの像が露光領域ER内に
照射されている状態で、ステージPSをZ軸方向に移動
させステージPSのZ軸方向の位置情報と空間像検出装
置22が備える撮像素子33から出力される画像情報と
を対応づけて記憶する。そして、記憶した画像情報の
内、例えばテストパターンのコントラストが最も高い画
像情報を求め、この画像情報が得られたときのステージ
PSのZ軸方向の位置情報を投影光学系PLの結像位置
として計測する(ステップS78)。最もコントラスト
が高い画像情報が得られたときには空間像検出装置22
の焦点面PP1と投影光学系PLの結像位置とが一致し
ている状態である。
【0069】次に、主制御系15は、ステージPSをZ
軸方向に移動させて空間像検出装置22の焦点面PP1
と投影光学系PLの結像位置とが一致している状態と
し、更にステージPSをXY面内で移動させて基準反射
板FM1を位置検出装置26の検出点SP0に配置する
(ステップS80)。基準反射板FM1の配置が完了す
ると、Z軸方向における基準反射板FM1の上面の位置
情報を位置検出装置26で検出する処理が行われる(ス
テップS82)。前述したステップS76において、位
置検出装置26の零点は基準反射板FM1の上面が投影
光学系PLの結像位置設定されているため、ステップS
82で検出される位置情報は、空間像検出装置22の焦
点面PP1と基準面FP1とのZ軸方向のずれ量であ
る。従って、主制御系15は、ステップS82の検出結
果から空間像検出装置22の焦点面PP1と基準面FP
1とのずれ量を算出する(ステップS84)。以上のス
テップにより、空間像検出装置22の焦点面PP1と基
準面FP1とのずれ量が求められる。求められたずれ量
は主制御系15が記憶する。尚、以上の説明では、位置
計測装置26で基準反射板26の上面を検出する場合を
例に挙げて説明したが、基準反射板FM0又は基準反射
FM2を用いても良い。
【0070】面状態検出装置27の較正を行う場合に
は、以上の処理を予め行って主制御系15に記憶されて
いるずれ量を用いて投影光学系PLの結像位置が計測さ
れる。図13は、空間像検出装置22を用いて投影光学
系PLの結像位置を求める際の手順を示すフローチャー
トである。本実施形態では投影光学系PLの結像位置を
求める際に基準反射板FM0〜FM2を用いていない
が、位置検出装置26及び面状態検出装置27で位置情
報を検出するために、基準反射板FM0〜FM2をステ
ージPSの表面に対して突出した状態とする。次に、主
制御系15はステージPSをXY平面内で移動させ、空
間像検出装置22の開口部30を露光領域ER内に配置
する。そして、テスト用のマスクに露光光を照射し、投
影光学系PLを介してテストパターンの像を露光領域E
Rに照射する。
【0071】主制御系15はテストパターンの像が露光
領域ER内に照射されている状態で、ステージPSをZ
軸方向に移動させステージPSのZ軸方向の位置情報と
空間像検出装置22が備える撮像素子33から出力され
る画像情報とを対応づけて記憶し、記憶した画像情報の
内、例えばテストパターンのコントラストが最も高い画
像情報を求め、この画像情報が得られたときのステージ
PSのZ軸方向の位置情報を投影光学系PLの結像位置
として計測する(ステップS90)。次に、主制御装置
15は、空間像検出装置22の焦点面PP1と投影光学
系PLの結像位置とが一致している状態から予め記憶し
てある空間像検出装置22の焦点面PP1と基準面FP
1とのずれ量の分だけステージPSをZ軸方向へ移動さ
せ、反射基準板FM0〜FM2の少なくとも1つの上面
を投影光学系PLの結像位置に配置する。
【0072】以上の処理によって、反射基準板FM0〜
FM2の少なくとも1つが投影光学系PLの結像位置に
配置されたので、図9に示した第1較正方法のステップ
S14、図10に示した第2較正方法のステップS3
2、又は図11に示した第3較正方法のステップS52
へ進み基準反射板FM0〜FM2の位置情報を位置検出
装置26及び面状態検出装置27で検出し、これらの検
出結果に基づいて面状態検出装置27の較正が行われ
る。
【0073】デバイス製造工程においては、上述した方
法で面状態検出装置27の較正を行うとともに、デバイ
スパターンDP及び位置計測用のマークMMが形成され
たマスクMをマスクステージMS上に載置する。そし
て、マスクアライメントセンサ23a,23bを用いて
マスクMに形成された位置計測用のマークMMの位置情
報を計測して、マスクステージMS上のマスクMの位置
を調整する。また、基準反射板FM0に形成された基準
マークm1とマスクMに形成された位置計測用のマーク
MMとを光電検出器24で同時に観察してマスクMに形
成されたパターンの投影像の中心(露光中心)を求め
る。更に基準反射板FM0に形成された基準マークm2
X,m2Y又は基準マークm3をプレートアライメントセ
ンサ25a〜25d各々で観察して各々の計測中心を求
める。そして、得られた露光中心とプレートアライメン
トセンサ25a〜25dの計測中心とからベースライン
量を求める。
【0074】次に、基準反射板FM0〜FM2をステー
ジPSに没入させた後に、プレートPをステージPS上
に載置し、プレートPに形成されたマーク(図示省略)
のXY面内における位置情報をプレートアライメントセ
ンサ25a〜25dで計測し、更にプレートPのZ軸方
向の位置情報を位置検出装置26及び面状態検出装置2
7で検出する。主制御系15はプレートアライメントセ
ンサ25a〜25dの計測結果及び前述したベースライ
ン量に基づいて、プレートPの所定領域と露光領域ER
との位置合わせを行うとともに、位置検出装置26及び
面状態検出装置27の検出結果に基づいてプレートPの
表面を投影光学系PLの結像位置に合わせ込む。そし
て、露光光をマスクMに照射し、投影光学系PLを介し
てデバイスパターンDPの像をプレートPの所定領域に
転写する。プレートPのある領域に対して転写が終了す
るとマスクステージMS上のマスクMが交換され、新た
にマスクステージMS上に載置されたマスクMに形成さ
れた位置計測用のマークMMをマスクアライメントセン
サ23a,23bで計測してマスクMの位置調整が行わ
れる。また主制御系15はステージPSをXY面内にお
いて移動してプレートPの他の領域を露光領域ERに位
置合わせして、新たなマスクMの像を転写する。かかる
動作が繰り返されてプレートP全面が露光される。
【0075】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範
囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態
ではステップ・アンド・リピート方式の露光装置を例に
挙げて説明したが、ステップ・アンド・スキャン方式の
露光装置にも適用可能である。また、本実施形態の露光
装置の照明光学系の光源は、超高圧水銀ランプから射出
されるg線(436nm)及びi線(365nm)等を
用いていたが、これに限らず、KrFエキシマレーザ
(248nm)、ArFエキシマレーザ(193n
m)、F2レーザ(157nm)から射出されるレーザ
光、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができ
る。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱
電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タ
ンタル(Ta)を用いることができる。また、前述した
実施形態においては、液晶表示素子を製造する場合を例
に挙げて説明したが、もちろん、液晶表示素子の製造に
用いられる露光装置だけではなく、半導体素子等を含む
ディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを半
導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造
に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ
転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用
いられる露光装置等にも本発明を適用することができ
る。
【0076】また、上述した実施形態では、面状態検出
装置27として2点に検出光を順次投射し、2点の検出
点のずれ量の和を用いる装置を例として挙げたが、検出
点の数は2点に制限されることはなく、3点であっても
よい。検出点が3点に設定された面状態検出装置は、例
えば特開平10−326045号公報及び特開平111
1−8193号公報に詳細が開示されている。また、基
準反射板FM0〜FM2をステージPSの上面に対して
突没自在とする構成は、例えば特開平10−20899
1号公報に開示されている。
【0077】次に本発明の一実施形態による露光装置を
リソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方
法の実施形態について説明する。図14は、マイクロデ
バイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、
CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例
のフローチャートを示す図である。図14に示すよう
に、まず、ステップS100(設計ステップ)におい
て、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導
体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現する
ためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS10
1(マスク製作ステップ)において、設計した回路パタ
ーンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、
ステップS102(ウェハ製造ステップ)において、シ
リコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0078】次に、ステップS103(ウェハ処理ステ
ップ)において、ステップS100〜ステップS102
で用意したマスクとウェハを使用して、後述するよう
に、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路
等を形成する。次いで、ステップS104(デバイス組
立ステップ)において、ステップS103で処理された
ウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS1
04には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパ
ッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じ
て含まれる。最後に、ステップS105(検査ステッ
プ)において、ステップS104で作製されたマイクロ
デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行
う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成
し、これが出荷される。
【0079】図15は、半導体デバイスの場合におけ
る、図14のステップS103の詳細なフローの一例を
示す図である。図15において、ステップS111(酸
化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ス
テップS112(CVDステップ)においてはウェハ表
面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ス
テップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成
する。ステップS114(イオン打込みステップ)にお
いてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS1
11〜ステップS114のそれぞれは、ウェハ処理の各
段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要
な処理に応じて選択されて実行される。
【0080】ウェハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS
115(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感
光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ス
テップ)において、上で説明したリソグラフィシステム
(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パター
ンをウェハに転写する。次に、ステップS117(現像
ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステ
ップS118(エッチングステップ)において、レジス
トが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチン
グにより取り去る。そして、ステップS119(レジス
ト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要と
なったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処
理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重
に回路パターンが形成される。
【0081】以上説明した本実施形態のマイクロデバイ
ス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS116)
において上記の露光装置及び上で説明した露光方法が用
いられ、真空紫外域の照明光により解像力の向上が可能
となり、しかも露光量制御を高精度に行うことができる
ので、結果的に最小線幅が0.1μm程度の高集積度の
デバイスを歩留まり良く生産することができる。
【0082】また、半導体素子等のマイクロデバイスだ
けではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装
置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマ
スクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板
やシリコンウェハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置
にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)や
VUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的
に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石
英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フ
ッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プ
ロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等で
は、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマス
ク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウェハ等
が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99
/34255号、WO99/50712号、WO99/
66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453
号、特開2000−29202号等に開示されている。
【0083】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、保持手段に設けられた基準面において形成された少
なくとも2つの領域の内の少なくとも一方の領域の位置
と投影系の結像位置との結像方向に沿った整合状態を検
出するとともに、面状態検出装置を用いて基準面におい
て形成された上記少なくとも2つの領域に検出光を経由
させることにより基準面の状態を検出し、これらの検出
結果に基づいて面状態検出装置の較正を行い、較正され
た面状態検出装置を用いて保持手段に保持された被検物
の表面の状態を検出しているので、例えば基板等の被検
物の結像方向における位置情報の検出精度の悪化を招く
ことはなく、表面状態を高精度に検出することができる
という効果がある。また、基準面において形成された少
なくとも2つの領域における検出結果に基づいて投影系
の結像位置と基準面との整合状態とを検出しており、大
型の反射板を設ける必要もないので、装置構成の大型化
を招くことはないという効果も得られる。また、本発明
によれば、従来から露光装置が備えている位置検出装置
によって、基準面において形成された少なくとも2つの
領域の内の何れか一方の結像方向に沿った位置を検出し
ているので、装置構成の大型化及び複雑化を招くことは
ない。また、基準面において形成された少なくとも2つ
の領域の内の何れか一方の結像方向に沿った位置を検出
しているので、検出に要する時間を短縮することがで
き、その結果として製造効率の向上にも資することがで
きるという効果がある。また、本発明によれば、面状態
検出装置の較正を行う際に、位置検出装置の較正をも行
っている。面状態検出装置は、位置検出装置の検出結果
に基づいて較正される訳であるが、位置検出装置自体に
検出誤差があったのでは面状態検出装置を正確に較正す
ることができず、その結果として検出精度の悪化を招く
虞がある。この発明では、最初に位置検出装置の較正を
行い、較正後の位置検出装置の検出結果に基づいて面状
態検出装置の較正を行っているため、検出精度の悪化を
防止することができるという効果がある。また、本発明
によれば、基準面の少なくとも2つの領域の内の1つの
結像方向における位置を検出し、この検出結果と少なく
とも2つの領域の結像方向のずれ量とに基づいて、検出
していない領域の位置が算出される。よって、基準面の
少なくとも2つの領域の結像方向における位置が異なっ
ている場合であっても少なくとも1つの領域の検出を伴
わずに位置を求めることができるので、領域の設計の自
由度が高くなるとともに、製造効率の向上に資すること
ができるという効果がある。また、本発明によれば、投
影系の結像位置を求めるに際し、基準面の少なくとも2
つの領域に内の少なくとも一方の領域に形成された所定
形状を持つ開口部へ光を導き、開口部からの光を投影系
に導くことにより投影系の結像位置を求める方法と、空
間像検出装置を用いて投影系の結像位置を求める方法と
を選択することができるため装置構成の自由度が高まる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による表面状態の検出方法
に用いられる面状態検出装置及び位置検出装置を備える
露光装置の構成を示す図である。
【図2】 ステージPSに設けられた基準反射板FM0
〜FM2の配置を示すステージPSの上面図である。
【図3】 基準反射板FM0〜FM2の上面に形成され
た基準マークの一例を示す上面図である。
【図4】 空間像検出装置22の構成を示す断面図であ
る。
【図5】 位置検出装置26の構成を示す図である。
【図6】 送光スリット板42の構成を示す図である。
【図7】 面状態検出装置27の構成を示す斜視図であ
る。
【図8】 位置検出装置26及び面状態検出装置27の
配置を示す上面図である。
【図9】 面状態校正装置27の第1較正方法を示すフ
ローチャートである。
【図10】 面状態校正装置27の第2較正方法を示す
フローチャートである。
【図11】 面状態校正装置27の第3較正方法を示す
フローチャートである。
【図12】 空間像検出装置22の焦点面PP1と基準
面FP1とのZ軸方向におけるずれ量を計測する方法を
示すフローチャートである。
【図13】 空間像検出装置22を用いて投影光学系P
Lの結像位置を求める際の手順を示すフローチャートで
ある。
【図14】 マイクロデバイスを製造する際のフローチ
ャートを示す図である。
【図15】 半導体デバイスの場合における、図14の
ステップS103の詳細なフローの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
22 空間像検出装置 26 位置検出装置 27 面状態検出装置 DP デバイスパターン(所定のパター
ン) FM1,FM2 基準反射板(領域) FP1 基準面 M マスク P プレート(被検物、基板) PL 投影光学系(投影系) PS ステージ(保持手段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/20 501 G03F 7/207 H 7/207 H01L 21/30 526B Fターム(参考) 2F065 AA03 AA04 AA06 AA20 AA39 BB01 BB27 CC00 CC20 CC25 EE00 FF01 FF42 FF51 FF61 GG03 GG04 HH05 HH12 HH13 JJ01 JJ03 JJ05 JJ08 JJ09 JJ26 LL00 LL02 LL04 LL12 LL13 LL22 LL24 LL28 LL50 NN16 NN20 PP12 PP13 QQ27 2H097 BA01 GB00 LA10 LA12 LA20 5F046 BA03 CC01 CC05 CC16 DA05 DA14 DB05 DB11 DB12 DC02 DC12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投影系の結像位置を求める第1検出工程
    と、 前記第1検出工程で求められた前記投影系の結像位置の
    情報を用いて、保持手段に設けられた基準面において形
    成された少なくとも2つの領域の内の少なくとも一方の
    領域の位置と前記投影系の結像位置との結像方向に沿っ
    た整合状態を検出する第2検出工程と、 面状態検出装置を用いて前記少なくとも2つの領域に検
    出光を経由させることにより前記基準面の状態を検出す
    る第3検出工程と、 前記第2及び第3検出工程の結果を用いて前記面状態検
    出装置の較正を行う較正工程と、 前記較正工程にて較正された前記面状態検出装置を用い
    て前記保持手段に保持された被検物の表面の状態を検出
    する第4検出工程とを含むことを特徴とする表面状態の
    検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第2検出工程は、前記基準面の少な
    くとも2つの領域の内の何れか一方の領域に検出光を照
    射する位置検出装置を用いて、前記何れか一方の領域の
    前記結像方向に沿った位置を検出する工程を含むことを
    特徴とする請求項1記載の表面状態の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記第2検出工程は、前記第1検出工程
    からの前記投影系の結像位置の情報を用いて前記位置検
    出装置の較正を行う工程と、 前記較正された前記位置検出装置を用いて、前記投影系
    の結像位置に対する前記基準面の少なくとも2つの領域
    の結像方向に沿った位置報をそれぞれ得る工程とを含む
    ことを特徴とする請求項2記載の表面状態の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記第2検出工程は、前記基準面の少な
    くとも2つの領域における結像方向に沿った位置ずれ情
    報を求める工程と、 前記基準面の少なくとも2つの領域における一方の領域
    の結像方向に沿った位置情報を検出する工程と、 前記位置ずれ情報と前記基準面の少なくとも2つの領域
    における他方の領域の結像方向に沿った位置情報を算出
    する工程とを含むことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の表面状態の検出方法。
  5. 【請求項5】 前記第1検出工程は、前記基準面の少な
    くとも2つの領域の内の少なくとも一方の領域に形成さ
    れた所定形状を持つ開口部へ光を導く工程と、 前記開口部からの光を前記投影系に導くことによって、
    前記投影系の結像位置を求める工程とを含むことを特徴
    とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の表面
    状態の検出方法。
  6. 【請求項6】 前記第1検出工程は、前記投影系の結像
    面に形成される空間像を検出する空間像検出装置を用い
    て、前記投影系の結像位置を求める工程を含むことを特
    徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の表
    面状態の検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れか一項に記
    載の表面状態の検出方法を用いて前記被検物としての基
    板の表面状態を検出する表面状態検出工程と、 露光光をマスクへ照明し、当該マスクに形成された所定
    のパターンの像を前記投影系を介して前記基板に転写す
    る転写工程と、 前記転写工程にて転写された前記基板を現像する現像工
    程とを含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103365099A (zh) * 2012-03-31 2013-10-23 上海微电子装备有限公司 一种调焦调平信号处理方法

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