JP2002141222A - ロングパルス磁場の発生方法とその発生装置 - Google Patents
ロングパルス磁場の発生方法とその発生装置Info
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- JP2002141222A JP2002141222A JP2000334759A JP2000334759A JP2002141222A JP 2002141222 A JP2002141222 A JP 2002141222A JP 2000334759 A JP2000334759 A JP 2000334759A JP 2000334759 A JP2000334759 A JP 2000334759A JP 2002141222 A JP2002141222 A JP 2002141222A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温超伝導バルク体の着磁に有用で、簡易な
ロングパルス磁場の発生方法と、低コストで、軽量かつ
小型で可搬型のロングパルス磁場の発生装置を提供す
る。 【解決手段】 液体窒素温度に冷却した銅製コイルに、
直流遮断器の開閉により電源装置から電流を送り、パル
ス巾1秒のロングパルス磁場を発生させる。
ロングパルス磁場の発生方法と、低コストで、軽量かつ
小型で可搬型のロングパルス磁場の発生装置を提供す
る。 【解決手段】 液体窒素温度に冷却した銅製コイルに、
直流遮断器の開閉により電源装置から電流を送り、パル
ス巾1秒のロングパルス磁場を発生させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、ロングパ
ルス磁場の発生方法とその発生装置に関するものであ
る。さらに詳しくは、この出願の発明は、高温超伝導バ
ルク体の着磁に有用で、簡易なロングパルス磁場の発生
方法と、低コストで、軽量かつ小型で可搬型のロングパ
ルス磁場の発生装置に関するものである。
ルス磁場の発生方法とその発生装置に関するものであ
る。さらに詳しくは、この出願の発明は、高温超伝導バ
ルク体の着磁に有用で、簡易なロングパルス磁場の発生
方法と、低コストで、軽量かつ小型で可搬型のロングパ
ルス磁場の発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、高特性の高温超伝導バ
ルク体が数多く開発されてきている。これらの高温超伝
導バルク体は着磁されてはじめて超伝導マグネットとし
て機能し、得られる超伝導マグネットはモーター、発電
機、分析器等の様々な分野での応用が期待されている。
ルク体が数多く開発されてきている。これらの高温超伝
導バルク体は着磁されてはじめて超伝導マグネットとし
て機能し、得られる超伝導マグネットはモーター、発電
機、分析器等の様々な分野での応用が期待されている。
【0003】高温超伝導バルク体を着磁する方法として
は、その超電導体に磁場を印加した状態でその超電導遷
移温度以下に冷却するFC法と、その超電導体の超電導
遷移温度以下に冷却したあと、外部から磁場を印加して
超電導体内部に磁場を侵入させるZFC方法とがある。
後者のZFC法のうち、定常磁場ではなく、パルス磁場
で着磁するといった、簡易な超伝導体の着磁方法も提案
(特開平6−168823)されている。
は、その超電導体に磁場を印加した状態でその超電導遷
移温度以下に冷却するFC法と、その超電導体の超電導
遷移温度以下に冷却したあと、外部から磁場を印加して
超電導体内部に磁場を侵入させるZFC方法とがある。
後者のZFC法のうち、定常磁場ではなく、パルス磁場
で着磁するといった、簡易な超伝導体の着磁方法も提案
(特開平6−168823)されている。
【0004】このようなパルス磁場による超伝導体の着
磁方法において、利用されるパルス磁場は、コイルにパ
ルス電流を供給することで発生されている。そして、一
般に、パルス電流にはコンデンサに溜めた電荷の放電を
利用しており、そのパルス電流の発生装置は、コンデン
サバンクとイグナイトロン等のスイッチ素子とを組み合
わせた比較的大規模なものとなってしまっていた。ま
た、このようなスイッチ素子を利用した場合のパルス巾
は最大でも10m秒程度と極めて短く、超電導体内部に
磁場を侵入させるために十分とは言えなかった。そのた
め、より強いパルス磁場を超伝導体に印加する必要が生
じてしまっていた。
磁方法において、利用されるパルス磁場は、コイルにパ
ルス電流を供給することで発生されている。そして、一
般に、パルス電流にはコンデンサに溜めた電荷の放電を
利用しており、そのパルス電流の発生装置は、コンデン
サバンクとイグナイトロン等のスイッチ素子とを組み合
わせた比較的大規模なものとなってしまっていた。ま
た、このようなスイッチ素子を利用した場合のパルス巾
は最大でも10m秒程度と極めて短く、超電導体内部に
磁場を侵入させるために十分とは言えなかった。そのた
め、より強いパルス磁場を超伝導体に印加する必要が生
じてしまっていた。
【0005】一方で、超伝導線材で作られたコイルを用
いて静磁場およびパルス磁場を発生する方法もよく知ら
れている。この方法は、容易に高磁場を発生することが
できるが、超伝導状態のコイルにクエンチが発生する恐
れがあり、クエンチ防止のための様々な検討が重ねられ
ている。しかしながら、クエンチの発生は予測できるも
のではなく、いずれの検討においても過剰に予防せざる
をえなかったり、高コスト化や装置の大型化を免れるこ
とができないのが現状である。そのため、超伝導体のオ
ンサイトでの磁化およびフィールドテストは実施が不可
能であった。
いて静磁場およびパルス磁場を発生する方法もよく知ら
れている。この方法は、容易に高磁場を発生することが
できるが、超伝導状態のコイルにクエンチが発生する恐
れがあり、クエンチ防止のための様々な検討が重ねられ
ている。しかしながら、クエンチの発生は予測できるも
のではなく、いずれの検討においても過剰に予防せざる
をえなかったり、高コスト化や装置の大型化を免れるこ
とができないのが現状である。そのため、超伝導体のオ
ンサイトでの磁化およびフィールドテストは実施が不可
能であった。
【0006】そこで、この出願の発明は、以上の通りの
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、高温超伝導バルク体の着磁に有用な、簡易なロ
ングパルス磁場の発生方法と、低コストで、小型かつ軽
量で可搬型のロングパルス磁場の発生装置を提供するこ
とを課題としている。
事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を
解消し、高温超伝導バルク体の着磁に有用な、簡易なロ
ングパルス磁場の発生方法と、低コストで、小型かつ軽
量で可搬型のロングパルス磁場の発生装置を提供するこ
とを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の発明
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
は、上記の課題を解決するものとして、以下の通りの発
明を提供する。
【0008】すなわち、まず第1には、この出願の発明
は、液体窒素温度に冷却した銅製コイルに、直流遮断器
の開閉により電源装置から電流を送り、パルス巾1秒の
ロングパルス磁場を発生させることを特徴とするロング
パルス磁場の発生方法を提供する。
は、液体窒素温度に冷却した銅製コイルに、直流遮断器
の開閉により電源装置から電流を送り、パルス巾1秒の
ロングパルス磁場を発生させることを特徴とするロング
パルス磁場の発生方法を提供する。
【0009】そして第2には、この出願の発明は、上記
第1の発明において、ロングパルス磁場強度が10Tで
あるロングパルス磁場の発生方法を、第3には、銅製コ
イルの外周に、超伝導マグネットを備えることを特徴と
するロングパルス磁場の発生方法を、そして第4には、
ロングパルス磁場の強度が15〜18T以上であること
を特徴とするロングパルス磁場の発生方法を提供する。
第1の発明において、ロングパルス磁場強度が10Tで
あるロングパルス磁場の発生方法を、第3には、銅製コ
イルの外周に、超伝導マグネットを備えることを特徴と
するロングパルス磁場の発生方法を、そして第4には、
ロングパルス磁場の強度が15〜18T以上であること
を特徴とするロングパルス磁場の発生方法を提供する。
【0010】また、第5には、この出願の発明は、液体
窒素温度に冷却された銅製コイルと直流遮断器と電源装
置とが備えられ、直流遮断器の開閉により電源装置から
銅製コイルに電流が送られて、ロングパルス磁場が発生
されることを特徴とするロングパルス磁場の発生装置
と、第6には、銅製コイルの外周に、超伝導マグネット
が備えられているロングパルス磁場の発生装置をも提供
する。
窒素温度に冷却された銅製コイルと直流遮断器と電源装
置とが備えられ、直流遮断器の開閉により電源装置から
銅製コイルに電流が送られて、ロングパルス磁場が発生
されることを特徴とするロングパルス磁場の発生装置
と、第6には、銅製コイルの外周に、超伝導マグネット
が備えられているロングパルス磁場の発生装置をも提供
する。
【0011】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記の通りの
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
特徴を持つものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
【0012】まず、この出願の第1の発明が提供するロ
ングパルス磁場の発生方法は、液体窒素温度に冷却した
銅製コイルに、直流遮断器の開閉によって電源装置から
電流を送り、パルス巾1秒のロングパルス磁場を発生さ
せることを特徴としている。
ングパルス磁場の発生方法は、液体窒素温度に冷却した
銅製コイルに、直流遮断器の開閉によって電源装置から
電流を送り、パルス巾1秒のロングパルス磁場を発生さ
せることを特徴としている。
【0013】銅製コイルは、直径60〜100mm程度
のものが考慮でき、たとえば断熱容器内にて液体窒素等
の冷材を使用することで、液体窒素温度にまで冷却す
る。断熱容器をコイル形状に符合した円筒形とすること
で、冷材の使用を減少させることができ、さらにはコイ
ル円筒内部空間を室温ボアとすることができる。
のものが考慮でき、たとえば断熱容器内にて液体窒素等
の冷材を使用することで、液体窒素温度にまで冷却す
る。断熱容器をコイル形状に符合した円筒形とすること
で、冷材の使用を減少させることができ、さらにはコイ
ル円筒内部空間を室温ボアとすることができる。
【0014】この液体窒素温度に冷却した銅製コイル
に、たとえば、電動式直流遮断器を介して自動車用のバ
ッテリー等のように容量の大きな電源装置を繋ぎ、電動
式直流遮断器を開閉することで300〜800Aの電流
を銅製コイルに流すことができる。この出願の発明にお
いて、コイルへの通電時間は、パルス巾が約1秒となる
ようにする。通電時間が長すぎるとコイルが発熱してし
まい、液体窒素が蒸発する等コイルの冷却等に悪影響を
及ぼしてしまうが、約1秒程度であればその影響はな
い。パルス電流の発生には、直流遮断機を利用すること
で、約1秒という長いパルス巾を実現することができ
る。
に、たとえば、電動式直流遮断器を介して自動車用のバ
ッテリー等のように容量の大きな電源装置を繋ぎ、電動
式直流遮断器を開閉することで300〜800Aの電流
を銅製コイルに流すことができる。この出願の発明にお
いて、コイルへの通電時間は、パルス巾が約1秒となる
ようにする。通電時間が長すぎるとコイルが発熱してし
まい、液体窒素が蒸発する等コイルの冷却等に悪影響を
及ぼしてしまうが、約1秒程度であればその影響はな
い。パルス電流の発生には、直流遮断機を利用すること
で、約1秒という長いパルス巾を実現することができ
る。
【0015】このように銅製コイルにパルス巾1秒程度
の大電流を流すことによって、小さな消費電力で、銅製
コイル内部に5〜10Tという高いロングパルス磁場を
発生させることができる。銅製コイルの直径、すなわち
室温ボアの孔径を小さくすることにより、10T以上の
ロングパルス磁場を発生することも可能となる。
の大電流を流すことによって、小さな消費電力で、銅製
コイル内部に5〜10Tという高いロングパルス磁場を
発生させることができる。銅製コイルの直径、すなわち
室温ボアの孔径を小さくすることにより、10T以上の
ロングパルス磁場を発生することも可能となる。
【0016】さらには、銅製コイル内部の室温ボアに断
熱容器または小型冷凍機などを設置し、超電導バルク体
を臨界温度以下に冷却した状態でロングパルス磁場を発
生させることで、この超電導バルク体を着磁することが
できる。
熱容器または小型冷凍機などを設置し、超電導バルク体
を臨界温度以下に冷却した状態でロングパルス磁場を発
生させることで、この超電導バルク体を着磁することが
できる。
【0017】従来のパルス巾が10m秒以下のパルス磁
場によると超電導バルク体の着磁量が少なく、印加最大
磁場の1/10程度しか着磁することができなかった。
しかしながら、この出願の発明の方法によって発生され
たロングパルス磁場を超伝導バルク体に印加すること
で、定常磁場による着磁と同等の着磁が可能となる。し
たがって、通常の10m秒以下のパルス巾の短いパルス
磁場を印加する場合に比べて、着磁後の超伝導バルク体
の捕捉磁場を約10倍程度に増加させることができる。
場によると超電導バルク体の着磁量が少なく、印加最大
磁場の1/10程度しか着磁することができなかった。
しかしながら、この出願の発明の方法によって発生され
たロングパルス磁場を超伝導バルク体に印加すること
で、定常磁場による着磁と同等の着磁が可能となる。し
たがって、通常の10m秒以下のパルス巾の短いパルス
磁場を印加する場合に比べて、着磁後の超伝導バルク体
の捕捉磁場を約10倍程度に増加させることができる。
【0018】この出願の第3の発明が提供するロングパ
ルス磁場の発生方法は、上記第1の発明の方法におい
て、銅製コイルの外周に、超伝導マグネットを備えるこ
とを特徴としている。ここでいう超伝導マグネットは、
着磁された超伝導バルク体や超伝導コイル等、各種のも
のを用いることができ、その形状は円筒形とすることが
できる。
ルス磁場の発生方法は、上記第1の発明の方法におい
て、銅製コイルの外周に、超伝導マグネットを備えるこ
とを特徴としている。ここでいう超伝導マグネットは、
着磁された超伝導バルク体や超伝導コイル等、各種のも
のを用いることができ、その形状は円筒形とすることが
できる。
【0019】銅製コイルの外周に、その中心軸が等し
く、かつ発生磁場の向きも同じとなるように超伝導マグ
ネットを備えることで、銅製コイルおよび超伝導マグネ
ットから生じる磁場が重なり合い、より強い磁場の発生
が可能となる。これによって、15〜18T以上もの強
磁場を発生することが可能となる。
く、かつ発生磁場の向きも同じとなるように超伝導マグ
ネットを備えることで、銅製コイルおよび超伝導マグネ
ットから生じる磁場が重なり合い、より強い磁場の発生
が可能となる。これによって、15〜18T以上もの強
磁場を発生することが可能となる。
【0020】また、超伝導マグネットとして超伝導コイ
ルを組み合わせた場合でも、内側の銅製コイルで発生さ
せる磁場の立ち上がり及び立下り時間を約0.3〜0.
4秒以内とすることで、外側の超伝導マグネットのクエ
ンチを招くことはない。
ルを組み合わせた場合でも、内側の銅製コイルで発生さ
せる磁場の立ち上がり及び立下り時間を約0.3〜0.
4秒以内とすることで、外側の超伝導マグネットのクエ
ンチを招くことはない。
【0021】これによって、磁場強度のより高いロング
パルス磁場を、安定して発生させることができる。
パルス磁場を、安定して発生させることができる。
【0022】この出願の第5の発明が提供するロングパ
ルス磁場の発生装置の概念図を、図1に示した。この出
願の発明のロングパルス磁場の発生装置は、液体窒素温
度に冷却された銅製コイル(1)と直流遮断器(2)と
電源装置(3)とが備えられた簡易な構造で、直流遮断
器(2)の開閉により電源装置(3)から銅製コイル
(1)に電流が送られて、ロングパルス磁場が発生され
ることを特徴としている。
ルス磁場の発生装置の概念図を、図1に示した。この出
願の発明のロングパルス磁場の発生装置は、液体窒素温
度に冷却された銅製コイル(1)と直流遮断器(2)と
電源装置(3)とが備えられた簡易な構造で、直流遮断
器(2)の開閉により電源装置(3)から銅製コイル
(1)に電流が送られて、ロングパルス磁場が発生され
ることを特徴としている。
【0023】この出願の発明の装置においては、磁場発
生のためのコイルに、銅製コイル(1)を用いている。
銅製コイル(1)は、超伝導線材で作られたコイルに比
べてはるかに安価である。銅製コイル(1)の形状、内
径、巻数およびコイル長は、所望の磁場強度によって、
通電するパルス電流の大きさと併せて調節することがで
きる。また、銅製コイル(1)の液体窒素温度までの冷
却には、銅製コイル(1)を液体窒素等の寒剤に浸漬さ
せてもよいし、小型冷凍機を用いてもよい。
生のためのコイルに、銅製コイル(1)を用いている。
銅製コイル(1)は、超伝導線材で作られたコイルに比
べてはるかに安価である。銅製コイル(1)の形状、内
径、巻数およびコイル長は、所望の磁場強度によって、
通電するパルス電流の大きさと併せて調節することがで
きる。また、銅製コイル(1)の液体窒素温度までの冷
却には、銅製コイル(1)を液体窒素等の寒剤に浸漬さ
せてもよいし、小型冷凍機を用いてもよい。
【0024】直流遮断器(2)には、外部制御式で、約
1秒間での開閉操作が可能なものが使用できる。電源装
置(3)も、所望の磁場強度にあわせて、たとえば、自
動車用バッテリーのように、12〜60Vの高電圧を発
生可能なものが使用できる。
1秒間での開閉操作が可能なものが使用できる。電源装
置(3)も、所望の磁場強度にあわせて、たとえば、自
動車用バッテリーのように、12〜60Vの高電圧を発
生可能なものが使用できる。
【0025】銅製コイル(1)は液体窒素温度にまで冷
却されているため、電流を流した際のコイルの抵抗値が
室温での抵抗値よりもはるかに小さくなり、コイルの温
度上昇を抑えることができる。
却されているため、電流を流した際のコイルの抵抗値が
室温での抵抗値よりもはるかに小さくなり、コイルの温
度上昇を抑えることができる。
【0026】また、この発明の装置において、銅製コイ
ル(1)には、電源装置(3)から直流遮断器(2)を
介してパルス電流が流される。パルス巾は、直流遮断器
(2)が閉じてから開くまでの時間によって制御でき、
約1秒の長いパルス巾で、300〜800Aの電流を通
電する。銅製コイル(1)への通電時間が1秒程度と短
いため、300〜800A程度の大電流を流しても、コ
イルの発熱によるコイルの溶断、液体窒素の大量の蒸発
等の弊害は起こらない。このようなパルス電流を銅製コ
イル(1)に送ることで、少ない消費電力で、5〜10
T以上のロングパルス磁場を発生することができる。
ル(1)には、電源装置(3)から直流遮断器(2)を
介してパルス電流が流される。パルス巾は、直流遮断器
(2)が閉じてから開くまでの時間によって制御でき、
約1秒の長いパルス巾で、300〜800Aの電流を通
電する。銅製コイル(1)への通電時間が1秒程度と短
いため、300〜800A程度の大電流を流しても、コ
イルの発熱によるコイルの溶断、液体窒素の大量の蒸発
等の弊害は起こらない。このようなパルス電流を銅製コ
イル(1)に送ることで、少ない消費電力で、5〜10
T以上のロングパルス磁場を発生することができる。
【0027】この発明の装置は、超伝導コイルを用いな
いため、安価で、装置が小型化できる。そのため、オン
サイトでの磁化や、フィールドテスト等に利用すること
ができる。
いため、安価で、装置が小型化できる。そのため、オン
サイトでの磁化や、フィールドテスト等に利用すること
ができる。
【0028】これによって、低コストで、軽量かつ小型
で可搬型のロングパルス磁場の発生装置が実現される。
で可搬型のロングパルス磁場の発生装置が実現される。
【0029】この出願の第6の発明が提供するロングパ
ルス磁場の発生装置は、上記第5の発明の装置におい
て、銅製コイルの外周に、超伝導マグネットが備えられ
ていることを特徴としている。
ルス磁場の発生装置は、上記第5の発明の装置におい
て、銅製コイルの外周に、超伝導マグネットが備えられ
ていることを特徴としている。
【0030】超伝導マグネットは、着磁された超伝導バ
ルク体や超伝導コイル等、各種のものを用いることがで
きる。具体的には、たとえば、NbTi線超伝導コイル
等や、RE−Ba−Cu−O系(REは、Yまたは希土
類元素あるいはこれらの元素の組み合わせ)の超伝導バ
ルク体を着磁させたもの等が使用できる。超伝導マグネ
ットの形状は円筒形とすることが好ましく、銅製コイル
の外周に、その中心軸が等しく、かつ発生磁場の向きも
同じとなるように超伝導マグネットを備えることで、銅
製コイルおよび超伝導マグネットが生じる磁場が重なり
合い、より強い磁場の発生可能な装置が実現される。
ルク体や超伝導コイル等、各種のものを用いることがで
きる。具体的には、たとえば、NbTi線超伝導コイル
等や、RE−Ba−Cu−O系(REは、Yまたは希土
類元素あるいはこれらの元素の組み合わせ)の超伝導バ
ルク体を着磁させたもの等が使用できる。超伝導マグネ
ットの形状は円筒形とすることが好ましく、銅製コイル
の外周に、その中心軸が等しく、かつ発生磁場の向きも
同じとなるように超伝導マグネットを備えることで、銅
製コイルおよび超伝導マグネットが生じる磁場が重なり
合い、より強い磁場の発生可能な装置が実現される。
【0031】以下に実施例を示し、この発明の実施の形
態についてさらに詳しく説明する。
態についてさらに詳しく説明する。
【0032】
【実施例】(実施例1)ステンレス製のボビンに直径2
mmの銅線を22層巻いて銅製コイルを作製した。得ら
れたコイルは、内径45mm、外径124mm、長さ1
21mm、コイル巻数1197巻であった。この銅製コ
イルに、図2に示した回路でパルス電流を通電し、発生
する磁場を調べた。なお、銅製コイル(1)は、液体窒
素温度にまで冷却した。パルス電流は、電動式直流遮断
器(2)によってパルス巾1秒程度のパルス電流とし、
電圧を変化させて通電させた。電源(3)には12V−
150Aのバッテリー5個を用い、60V−250Aま
での出力を可能とした。コイル(1)に供給された電流
および電圧は500A用シャント抵抗(4)および電圧
計で測定し、記録計(5)に記録した。磁場は、電流値
より計算によって求めた。
mmの銅線を22層巻いて銅製コイルを作製した。得ら
れたコイルは、内径45mm、外径124mm、長さ1
21mm、コイル巻数1197巻であった。この銅製コ
イルに、図2に示した回路でパルス電流を通電し、発生
する磁場を調べた。なお、銅製コイル(1)は、液体窒
素温度にまで冷却した。パルス電流は、電動式直流遮断
器(2)によってパルス巾1秒程度のパルス電流とし、
電圧を変化させて通電させた。電源(3)には12V−
150Aのバッテリー5個を用い、60V−250Aま
での出力を可能とした。コイル(1)に供給された電流
および電圧は500A用シャント抵抗(4)および電圧
計で測定し、記録計(5)に記録した。磁場は、電流値
より計算によって求めた。
【0033】図3に、銅製コイルに発生した磁場を示し
た。銅製コイルに、約1秒間にわたって約3Tの磁場を
発生させることが出来た。 (実施例2)複合補強銅線を用いてコイルを作製し、電
源に自動車用バッテリーを用いた実施例1と同様の装置
を用いて、コイルに300〜800Aの大電流を約1秒
間にわたって通電した。その結果、銅製コイルのボア内
に、350Aで約5T、800Aで約10T程度の強磁
場が発生することが確認された。 (実施例3)NbTi超伝導コイルのボア内に実施例2
と同じ複合補強銅線コイルを設置し、800Aの大電流
を約1秒間にわたって通電した。その結果、複合補強銅
線コイルのボア内に、20T以上の強磁場を発生させる
ことが出来た。
た。銅製コイルに、約1秒間にわたって約3Tの磁場を
発生させることが出来た。 (実施例2)複合補強銅線を用いてコイルを作製し、電
源に自動車用バッテリーを用いた実施例1と同様の装置
を用いて、コイルに300〜800Aの大電流を約1秒
間にわたって通電した。その結果、銅製コイルのボア内
に、350Aで約5T、800Aで約10T程度の強磁
場が発生することが確認された。 (実施例3)NbTi超伝導コイルのボア内に実施例2
と同じ複合補強銅線コイルを設置し、800Aの大電流
を約1秒間にわたって通電した。その結果、複合補強銅
線コイルのボア内に、20T以上の強磁場を発生させる
ことが出来た。
【0034】次に、この室温ボア内に小型冷凍機で液体
窒素以下に冷却させた超伝導バルク体を配置させた状態
で強磁場を発生させた。その結果、超伝導バルク体は着
磁され、超伝導バルクマグネットを得ることができた。
窒素以下に冷却させた超伝導バルク体を配置させた状態
で強磁場を発生させた。その結果、超伝導バルク体は着
磁され、超伝導バルクマグネットを得ることができた。
【0035】もちろん、この発明は以上の例に限定され
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
るものではなく、細部については様々な態様が可能であ
ることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、高温超伝導バルク体の着磁に有用で、簡易にロン
グパルス磁場を発生することのできる方法と、低コスト
で、小型かつ軽量で可搬型のロングパルス磁場の発生装
置が提供される。
って、高温超伝導バルク体の着磁に有用で、簡易にロン
グパルス磁場を発生することのできる方法と、低コスト
で、小型かつ軽量で可搬型のロングパルス磁場の発生装
置が提供される。
【図1】この出願の発明のロングパルス磁場の発生方法
の概念を例示した図である。
の概念を例示した図である。
【図2】実施例におけるこの発明のロングパルス磁場の
発生装置の概略を例示した図である。
発生装置の概略を例示した図である。
【図3】実施例において発生されたロングパルス磁場を
例示した図である。
例示した図である。
1 銅製コイル 2 直流遮断器 3 電源装置 4 シャント抵抗 5 記録計
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月20日(2001.4.2
0)
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】超伝導マグネットは、着磁された超伝導バ
ルク体や超伝導コイル等、各種のものを用いることがで
きる。具体的には、たとえば、NbTi線超伝導コイル
やBi系超伝導線材コイル、RE−Ba−Cu−O系
(REは、Yまたは希土類元素あるいはこれらの元素の
組み合わせ)の超伝導バルク体を着磁させたもの等が使
用できる。超伝導マグネットの形状は円筒形とすること
が好ましく、銅製コイルの外周に、その中心軸が等し
く、かつ発生磁場の向きも同じとなるように超伝導マグ
ネットを備えることで、銅製コイルおよび超伝導マグネ
ットが生じる磁場が重なり合い、より強い磁場の発生可
能な装置が実現される。
ルク体や超伝導コイル等、各種のものを用いることがで
きる。具体的には、たとえば、NbTi線超伝導コイル
やBi系超伝導線材コイル、RE−Ba−Cu−O系
(REは、Yまたは希土類元素あるいはこれらの元素の
組み合わせ)の超伝導バルク体を着磁させたもの等が使
用できる。超伝導マグネットの形状は円筒形とすること
が好ましく、銅製コイルの外周に、その中心軸が等し
く、かつ発生磁場の向きも同じとなるように超伝導マグ
ネットを備えることで、銅製コイルおよび超伝導マグネ
ットが生じる磁場が重なり合い、より強い磁場の発生可
能な装置が実現される。
Claims (6)
- 【請求項1】 液体窒素温度に冷却した銅製コイルに、
直流遮断器の開閉により電源装置から電流を送り、パル
ス巾1秒のロングパルス磁場を発生させることを特徴と
するロングパルス磁場の発生方法。 - 【請求項2】 ロングパルスの磁場強度が10Tである
ことを特徴とする請求項1のロングパルス磁場の発生方
法。 - 【請求項3】 銅製コイルの外周に、超伝導マグネット
を備えることを特徴とする請求項1のロングパルス磁場
の発生方法。 - 【請求項4】 ロングパルス磁場の磁場強度が15〜1
8T以上であることを特徴とする請求項3のロングパル
ス磁場の発生方法。 - 【請求項5】 液体窒素温度に冷却された銅製コイルと
直流遮断器と電源装置とが備えられ、直流遮断器の開閉
により電源装置から銅製コイルに電流が送られて、ロン
グパルス磁場が発生されることを特徴とする請求項1ま
たは2のロングパルス磁場の発生装置。 - 【請求項6】 銅製コイルの外周に、超伝導マグネット
が備えられていることを特徴とする請求項5のロングパ
ルス磁場の発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000334759A JP2002141222A (ja) | 2000-11-01 | 2000-11-01 | ロングパルス磁場の発生方法とその発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000334759A JP2002141222A (ja) | 2000-11-01 | 2000-11-01 | ロングパルス磁場の発生方法とその発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002141222A true JP2002141222A (ja) | 2002-05-17 |
Family
ID=18810616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000334759A Pending JP2002141222A (ja) | 2000-11-01 | 2000-11-01 | ロングパルス磁場の発生方法とその発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002141222A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066801A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Tokyo Univ Of Marine Science & Technology | 超電導体への最適化された着磁方法 |
JP4756287B1 (ja) * | 2010-06-29 | 2011-08-24 | 秀雄 中庄谷 | 簡易着磁装置 |
-
2000
- 2000-11-01 JP JP2000334759A patent/JP2002141222A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006066801A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Tokyo Univ Of Marine Science & Technology | 超電導体への最適化された着磁方法 |
JP4756287B1 (ja) * | 2010-06-29 | 2011-08-24 | 秀雄 中庄谷 | 簡易着磁装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20031031 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040129 |