JP2002139172A - 浮子制水弁 - Google Patents

浮子制水弁

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JP2002139172A JP2001245443A JP2001245443A JP2002139172A JP 2002139172 A JP2002139172 A JP 2002139172A JP 2001245443 A JP2001245443 A JP 2001245443A JP 2001245443 A JP2001245443 A JP 2001245443A JP 2002139172 A JP2002139172 A JP 2002139172A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の水位で弁を短時間で確実に開閉するこ
とができ、しかも、その開閉状態を安定して保持するこ
とができる、浮子制水弁を提供する。 【解決手段】 浮子制水弁10は、弁箱12を含む。弁
箱12内には、給水栓等に接続される給水部14に配置
される弁座16、弁箱12内に摺動自在に配置される弁
棒18、弁座16に着座される弁体22等が組み込まれ
る。弁箱12には、回動自在の揺動レバー30と、揺動
レバー30と同じ回動中心32を支点にする伝達アーム
46とが設けられる。伝達アーム46には、フロート用
ロッド50を介してフロート52が装着される。揺動レ
バー30と協働して弁棒18にスナップ運動を付与する
スナップ機構としてのたとえばカム装置56が配置され
る。伝達アーム46により、フロート52の昇降運動
は、揺動レバー30に二元的に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、浮子制水弁に関
し、特に、たとえば貯水槽に給水し、貯水槽の液体レベ
ルが規定の高さになったとき閉鎖される浮子制水弁に関
する。
【0002】
【従来の技術】図50は、本願発明の背景となる従来の
フロート弁の一例を示す正面図解図である。フロート弁
1は、ハウジング2を含む。ハウジング2内には弁座
3、弁体4、および弁棒等5が配置される。ハウジング
2には、弁棒5を作動させ、フロート弁1を開閉自在に
するL字状のレバー6が回動自在に設けられる。レバー
6は、枢軸部7によりハウジング2に回動自在に配置さ
れる。この場合、レバー6の一辺側6aが弁棒5に挿入
配置され、レバー6の他辺側6bにはロッド8が取り付
けられる。さらに、ロッド8の先端部には、フロート9
が配置される。
【0003】この従来のフロート弁1では、貯水槽内の
液体レベルの変動によるフロート9の昇降によって弁棒
5を作動させ、弁体4を弁座3に座らせたり、弁体4を
弁座3から離間させたりすることが可能となり、それに
よってフロート弁1が自動的に開閉される。従来のフロ
ート弁1では、貯水槽への給水後、フロート9の上昇に
よって、弁体4が徐々に弁座3に近づいていき、水位の
上昇と共に貯水槽への給水量が減少するが、所定の水位
になる直前では、極端に給水量が減少する事態が続い
て、そして、最終的に弁体4が弁座3に座って、フロー
ト弁1が閉じることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフロート弁1では、わずかな水位の変化で
も、それに対応して、弁体4が弁座3から離間した状態
になる。そのため、図50に示す従来のフロート弁1を
例えば給水方式が自動運転の加圧ポンプ方式の配管回路
に用いた場合、加圧ポンプの作動および停止が頻繁に発
生するという不具合が生じる。
【0005】また、この従来のフロート弁1では、給水
開始後、貯水槽内の水位上昇の最終段階でフロート弁1
が閉じるが、その最終段階でのフロート9の上昇変化が
小さいめ、給水動作の開始から給水完了までの時間が非
常に長いものとなる。しかも、フロート弁1の各部の部
材が摩耗した場合、各部の部材の動作が鈍くなり、弁体
4の弁座3への閉鎖動作がさらに遅くなる。そのため、
給水の停止も不完全となる。
【0006】さらに、弁体4と弁座3との間隔が狭い状
態で給水が続くと、給水側の水圧がたとえば300kpa
程度以上の場合、最後まで水が通過する弁座3の一部分
に切り傷が発生して弁体4を完全に弁座3に閉鎖するこ
とができない等の問題が生じていた。この場合、弁体4
を通過する水音が騒音となり、居住空間においては支障
を来すものとなっている。
【0007】それゆえに、本願発明の主たる目的は、弁
が少し開いたり閉じたりする状態が長く続くことから生
じる上述した種々の問題点を解消するために、所定の水
位で弁を短時間で確実に開閉することができ、しかも、
その開閉状態を安定して保持することができる、浮子制
水弁を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明にかかる浮子制
水弁は、貯水槽等の容器内の液体レベルに対応して開閉
操作される浮子制水弁であって、その一方側に給水部が
配置され、給水部から供給された流体が流出される流出
部を有する弁箱と、給水部に配置される弁座と、弁箱の
他方側で弁箱内に摺動自在に配置される弁棒と、弁棒の
給水部と対向する側に配置され、弁座に着座可能に設け
られる弁体と、長さ方向を有するロッドと、ロッドの長
さ方向の一端側に配設されるフロートと、その一方側が
ロッドの長さ方向の他端側に配設され、その他方側が弁
箱に挿入配置され、弁棒を作動させて弁体を弁座に着座
可能にするように、弁箱に回動自在に配設される揺動レ
バーと、揺動レバーの回動中心を支点にして弁箱に回動
自在に配置され、フロートの昇降運動を前記揺動レバー
に二元的に伝達する伝達アームと、揺動レバーと協働し
て弁棒にスナップ運動を付与するスナップ機構とを含
み、容器内の液体レベルが所定の高さになったとき、ス
ナップ機構による弁棒のスナップ動作によって、弁体お
よび弁座間の開閉動作が行われることを特徴とする、浮
子制水弁である。スナップ機構は、揺動レバーにスナッ
プ運動を付与するカムを含み、揺動レバーおよびカムに
より弁棒にスナップ動作を行わせることができる。ま
た、スナップ機構は、弁棒の摺動運動に、ばね等の弾性
体の付勢力を付与する付勢力付与装置を含み、付勢力付
与装置により弁棒にスナップ動作を行わせるようにして
もよい。さらに、スナップ機構は、伝達アームとカムと
をリンクするリンク装置をさらに含み、伝達アームと揺
動レバーとカムとリンク装置との協働作用により、弁棒
にスナップ動作を行わせることが好ましい。
【0009】
【作用】本願発明にかかる浮子制水弁は、貯水タンク等
の水位に応じて自動的に開閉動作する。この浮子制水弁
では、給水栓等と接続される給水部から流体が給水さ
れ、流出部から吐出される。弁棒の摺動動作により、弁
体が弁座に着座自在となり、開閉動作が行われる。揺動
レバーは、その回動中心を支点に回動運動する。さら
に、伝達アームが揺動レバーの回動中心を支点に回動運
動する。貯水槽等の容器内の水位が上がったり下がった
りすることによって、フロートの昇降運動が行われる。
このとき、フロートの昇降運動は、伝達アームを介し
て、揺動レバーに二元的に伝達される。そして、容器内
の液体レベルが所定の高さになると、伝達アームおよび
揺動レバーの協働作用により、弁棒にスナップ運動が付
与される(スナップ機構)。このスナップ機構による弁
棒のスナップ運動により、弁体および弁座間の開閉動作
が即行的となる。この場合、特定の条件が満たされたと
き、つまり、貯水槽内の水位が所定の高さを通過すると
き、スナップ機構によって、弁棒が即行運動する。スナ
ップ機構が揺動レバーおよび揺動レバーにスナップ運動
を付与するカムを含む場合、原節であるカムの形状によ
って、従節である揺動レバーにスナップ運動が付与され
る。また、スナップ機構が弁棒の摺動運動にスナップ運
動を付与する付勢力付与装置を含む場合、付勢力付与装
置による付勢力が弁棒を介して揺動レバーにスナップ運
動が付与される。さらに、スナップ機構が、伝達アーム
とカムとをリンクするリンク装置をさらに含む場合、伝
達アームと揺動レバーとカムとリンク装置との協働作用
により、弁棒を介して揺動レバーにスナップ運動がより
一層安定して付与され、弁棒がより正確に安定して即行
運動する。本願発明にかかる浮子制水弁では、弁の開閉
状態が完全に維持できるため、この浮子制水弁を含む水
道設備への給水方式が自動運転の加圧ポンプ方式である
場合、その配管回路内の圧力が安定に保たれ、加圧ポン
プの作動および停止を頻繁に繰り返す等の不都合を大幅
に減少させることができる。フロートと弁棒との間にフ
ロートの昇降運動を間接的に揺動レバーに伝達する伝達
アームを介在させ、さらに、揺動レバーにスナップ運動
を付与することによって、水位に直接的に関係せずに弁
体を動作させる弁棒をスナップ動作させる。これによ
り、所定の位置(水位)で弁を短時間で確実に開閉さ
せ、且つ、その開閉状態を安定して保持する。
【0010】本願発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
【実施例】図1は、本願発明の第一実施例を示す正面図
解図であり、特に、貯水槽に給水が始まったときの状態
を示す正面図解図であり、図2は、図1の浮子制水弁を
側面から見た状態の一部切欠き拡大断面図解図である。
本実施例では、貯水タンク等の容器内の液体レベル(以
下、水位という。)に対応して開閉操作され、所定の水
位に制御することができるフロート弁等の浮子制水弁に
ついて説明する。
【0012】浮子制水弁10は、中空分岐管状の弁箱1
2を含む。弁箱12は、その一方端側にたとえば給水管
からなる給水部14を有する。給水部14の一端側の開
口部には、給水栓等が接続され、弁箱12内に水,湯等
の流体が適宜給水される。給水部14の他端側の開口部
には、弁座16が配置される。
【0013】また、弁箱12の他方端側には、弁箱12
内を摺動自在に直線往復運動運する弁棒18が配置され
る。弁棒18は、たとえば円柱状に形成され、その直径
方向に対向する周壁部分に貫通孔部20を有する。この
貫通孔部20は、弁棒18の軸方向の中央部から一方側
にかけて設けられる。そして、上記給水部14と対向す
る弁棒18の長さ方向の一端部には、弁座16に着座可
能な弁体22が配置される。さらに、弁箱12の下向き
に延び設けられている分岐部には、たとえば吐出管から
なる流出部24が配置される。給水部14の他端側の開
口部から流出された流体は、流出部24の開口端から貯
水槽等に吐出される。
【0014】弁棒18が変位する部分に対応する弁箱1
2の上面および下面には、それらを貫通する開放部26
が設けられる。弁箱12の下面の開放部26の両側端縁
には、たとえばU字形板状の一組のブラケット部材28
が配置される。ブラケット部材28は、弁箱12の下向
きに延び設けられている分岐部と平行に並び設けられ
る。そして、一組のブラケット部材28の間には、揺動
レバー30がピン等の枢軸部32によって回動自在に支
持される。
【0015】揺動レバー30は、略L字形のレバー本体
34を含む。レバー本体34の一方の短辺腕部36は、
図2に示すように、たとえば管状に形成され、レバー本
体34の他方の長辺腕部40は、たとえば断面矩形板状
に形成される。レバー本体34の一方の短辺腕部36に
は、ねじ止め等により、レバー補助ロッド38が取り付
けられる。レバー本体34の他方の長辺腕部40には、
後述するカムに作用するカムロッド42が一体的に連接
される。カムロッド42の先端部には、ころ44が回動
自在に形成される。レバー本体34の長辺腕部40およ
びカムロッド42は、弁箱12の下面側の開放部26か
ら挿入され、カムロッド42が弁箱12の上面側の開放
部26から突出される。
【0016】さらに、一方および他方のブラケット部材
28の外側面には、たとえば断面「コ」字状で正面視三
角形状の伝達アーム46がそれぞれ回動自在に配置され
る。伝達アーム46は、枢軸部32によって回動自在に
支持される。この場合、伝達アーム46と揺動レバー3
0とは、同じ枢軸部32を回動中心を支点にして弁箱1
2に回動自在に支持されている。伝達アーム46は、図
2に示すように、揺動レバー30を囲うようにその外側
に配置される。図1および図2に示す伝達アーム46
は、正面視三角形状のアームプレート48を含み、アー
ムプレート48の対向する2辺の端部には、その長さ方
向に沿って所定の長さの当り部(図1,図2では図示し
ていないが、図31,図32,図33の符号138,1
40に相当するものである。)がそれぞれ形成される。
これらの当り部は、アームプレート48の主面に対して
それぞれ直角に配置される。
【0017】伝達アーム46の回動中心と反対側には、
レバー補助ロッド38と間隔を隔てた部位に、フロート
用ロッド50が取り付けられる。この場合、フロート用
ロッド50の長さ方向の一端部が、ねじ止めおよび溶接
等の手段によって、伝達アーム46に取り付けられる。
そして、フロート用ロッド50の長さ方向の他端側に
は、ねじ止め等によりフロート52が取り付けられる。
【0018】一方、弁棒18が変位する部分に対応する
弁箱12の上方には、揺動レバー30と協働して弁棒1
8にスナップ運動を付与するスナップ機構としてのたと
えばカム装置56が配置される。カム装置56は、ハウ
ジング58を含む。ハウジング58内には、長さ方向を
有するカム60が配置される。カム60は、その長さ方
向の一端側がピン,ビス等の枢軸部62により回動自在
に支持されている。カム60の長さ方向の他端側は、加
圧手段64により、下方に加圧されている。加圧手段6
4は、ばね等の弾力部66を備え、弾力部66は、ハウ
ジング58の上面から挿通される弾力調整部材68によ
って、その弾力が適宜調節される。
【0019】なお、本実施例では、カム60の長さ方向
の他端側に、たとえば円板状の台座部70が設けられ、
弾力部66の下端部が嵌め込まれ、弾力部66の上端部
には、弾力部66が不用意に外れてしまわないように保
持キャップ72が被せられている。また、弾力調整部材
68としてのたとえば調整ねじが、保持キャップ72の
上から弾力部66の弾力を調整可能にしている。
【0020】カム60の長さ方向の中間部には、所定の
長さにわたって下方に膨出してなる凸部74と、凸部7
4の両側に設けられた略円弧状の凹部76,78とが配
置される。本実施例では、カム60の下面が、カムロッ
ド42のころ44が接触しながら転動する摺動面として
形成される。カム60は所謂カム機構における原節とし
て構成され、カムロッド42およびころ44が従節とし
て構成される。この場合、カム60の長さ方向の他端側
には、上方から、常時、加圧手段64で所定の弾力が付
与されているので、カムロッド42のころ44がカム6
0の凹部76ないし78から凸部74に変位するとき
に、所定のスナップ運動をカムロッド42を介して揺動
レバー30に付与することが可能となる。
【0021】次に、上述した第一実施例の浮子制水弁1
0を貯水槽等に用いたときの作動状態について、図1〜
図8を参照しながら説明する。先ず、図1に示すよう
に、貯水槽内への給水が始まると、フロート52の浮上
により、フロート52および伝達アーム46が枢軸部3
2を支点にして上昇する。このとき、伝達アーム46の
下側の当り部(図31の符号140に相当する部分)
は、伝達アーム46の上昇に伴い、レバー補助ロッド3
8を介して揺動レバー30を押し上げる。
【0022】そして、図3に示すように、水位Aから水
位Bに貯水槽内の水位が上昇すると、カムロッド42の
ころ44がカム60の摺動面に沿って変位していく。こ
の場合、ころ44はカム60の凹部76内に位置するこ
とによって運動を制御されるため、フロート52の浮上
による力が蓄積される。
【0023】さらに、図4に示すように、水位Bから水
位Cに貯水槽内の水位が上昇すると、ころ44は、カム
60の凸部74に転動して到達し、枢軸部62を支点に
して、弾力調整部材68の加圧を受けながらカム60を
押し上げる。
【0024】さらに、図5に示すように、水位Cから水
位Dに貯水槽内の水位が上昇すると、ころ44は、カム
60の凸部74を乗り越えて、弾力調整部材68の加圧
を受けながら凹部78へと到達する。このとき、カムロ
ッド42を介して揺動レバー30を連動させることによ
って、弁棒18にスナップ動作が付与される。そのた
め、弁体22は、弁座16に即行的に着座し、その状態
を保持する(閉弁操作)。
【0025】また、図6に示すように、貯水槽内の排水
が始まると、水位Dから水位Eまで水位が下降する間、
フロート52および伝達アーム46が下降を始める。こ
のとき、ころ44は、カム60との接触圧力によって、
カム60の凹部78に留まる。そのため、弁体22は、
弁座16に着座した状態を維持する。
【0026】そして、図7に示すように、貯水槽内の水
位が水位Eから水位Fまで下降すると、伝達アーム46
の上側の当り部(図31の符号138に相当する部分)
が保持されたレバー補助ロッド38および揺動レバー3
0に対して、フロート52および伝達アーム46の重量
が徐々に加わっていく。
【0027】さらに、図8に示すように、貯水槽内の水
位が水位Fから水位Gまで下降すると、フロート52お
よび伝達アーム46の重量が、ころ44とカム60との
接触圧力による保持力を超えたときに、ころ44は、カ
ム60の凸部74を乗り越えて凹部76に移行する。こ
のとき、カムロッド42を介して揺動レバー30を連動
させることによって、弁棒18にスナップ動作が付与さ
れる。そのため、弁体22は、弁座16から即行的に離
間し、その状態を保持する(開弁操作)。
【0028】このような一連の動作が一巡することによ
り、浮子制水弁10の自動的な開閉操作が行われる。こ
の第一実施例では、フロート52の昇降運動と共にカム
60面を転動するころ44が、特に、カム60の凹部7
6,78と、凸部74とに接触することにより、フロー
ト52の昇降運動の運動エネルギーを蓄積することがで
きる。そして、その力をスナップ機構と協働させること
によって、弁の開閉操作を即行して行うことができ、弁
の開閉状態を安定して保持することが可能となってい
る。
【0029】図9は、本願発明の第二実施例を示す正面
図解図であり、特に、貯水槽に給水が始まったときの状
態を示す正面図解図である。図10は、第二実施例の浮
子制水弁のスナップ機構の要部を示す平面拡大図解図で
あり、特に、図9に示す作動状態での浮子制水弁のスナ
ップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。本第二実
施例では、上述の第一実施例と比べて、特に、スナップ
機構の構成が相違するので、スナップ機構の構造を中心
に説明する。なお、第一実施例と同じ符号を付した同じ
名称の部材については、基本的に同様の構造および作用
・効果を有するものであるため、簡単に説明しているか
あるいはその詳細な説明は省略している。
【0030】第二実施例の浮子制水弁10では、カムロ
ッド42を備えておらず、揺動レバー30が正面視L字
状のレバー本体34だけで形成されている。また、弁箱
12には、弁棒18の長さ方向の端部に連接され、弁棒
18と共に弁箱12内を直線往復運動する連動ロッド8
0が形成されている。連動ロッド80の長さ方向の一方
側でその上端部には、後述の緩衝装置88の緩衝ロッド
90に当接する当接バー86が上方に延び設けられる。
そのため、第二実施例では、弁箱12に連動ロッド80
を収納可能にするための延長ハウジング部82が弁箱1
2に追加して設けられ、延長ハウジング部82の上面に
は開口部84が設けられている。この場合、当接バー8
6は、開口部84から上方に突出し、弁棒18の変位に
応じて、連動ロッド80と共に直線往復運動するもので
ある。
【0031】なお、この第二実施例では、弁箱12の上
面に緩衝装置88が配置されている。この緩衝装置88
は、フロート52の急激な運動、つまり、本実施例の浮
子制水弁10の急激な開閉作用によるウォーターハンマ
を防止するためのものである。緩衝装置88の緩衝ロッ
ド90は、上記当接バー86に適宜当接することによ
り、緩衝装置88が機能する。
【0032】そして、この第二実施例では、連動ロッド
80を介して、揺動レバー30にスナップ動作を行わせ
るための付勢力付与装置91が設けられる。付勢力付与
装置91は、図10,図12,図15等に示すように、
上述の連動ロッド80を含む。連動ロッド80の長さ方
向の一方側で当接バー86の近傍の両側には、たとえば
断面U字形のブラケット部材92が連動ロッド80を間
に挟んで対向配置される。さらに、連動ロッド80と対
向する延長ハウジング部82には、先のブラケット部材
92と対応する箇所に、他のブラケット部材94がそれ
ぞれ配置される。
【0033】各ブラケット部材92およびブラケット部
材94間には、それぞれ、圧縮ばね等の弾性体96が係
止される。弾性体96は、たとえば図13に示すよう
に、その軸方向の一端部および他端部が、それぞれ、各
ブラケット部材92および94の二股片92a,92b
間および94a,94b間に挿入された状態で、各ブラ
ケット部材92,94に嵌め込まれる。弾性体96は、
その付勢力により、弾性体96の軸方向に常時突っ張る
ように付勢配置されている。そのため、弾性体96は、
各ブラケット部材92,94間から外れないように係止
される。この場合、弾性体96の付勢力と、水位変動に
よるフロート52の昇降運動で作用する力との協働作用
により、所定のスナップ運動を連動ロッド80を介して
揺動レバー30に付与することができる。
【0034】次に、上述した第二実施例の浮子制水弁1
0を貯水槽等に用いたときの作動状態について、図9〜
図18を参照しながら説明する。先ず、図9に示すよう
に、貯水槽内への給水が始まると、フロート52の浮上
により、フロート52および伝達アーム46が枢軸部3
2を支点にして上昇する。このとき、伝達アーム46の
下側の当り部(図31の符号140に相当する部分)
は、伝達アーム46の上昇に伴い、レバー補助ロッド3
8を介して揺動レバー30を押し上げる。
【0035】そして、図11に示すように、水位Aから
水位Bに貯水槽内の水位が上昇すると、揺動レバー30
の長辺腕部40が枢軸部32を支点に弁棒18を開弁方
向に押すが、このとき、連動ロッド80に装着されてい
る弾性体96の付勢力により、フロート52の上昇を抑
制している。
【0036】さらに、図14に示すように、水位Bから
水位Cに貯水槽内の水位が上昇すると、フロート52の
浮力が弾性体96の付勢力による抑制力を超えたとき、
弾性体96の付勢力とフロート52の浮力とによる反動
力で、揺動レバー30およびレバー補助ロッド38が弁
棒18をスナップ動作をさせる。そのため、弁体22
は、弁座16に即行的に着座し、その状態を保持する
(閉弁操作)。
【0037】また、図16に示すように、貯水槽内の排
水が始まると、水位Cから水位Dまで水位が下降し、フ
ロート52および伝達アーム46が下降を始める。
【0038】そして、図17に示すように、貯水槽内の
水位が水位Dから水位Eまで下降すると、伝達アーム4
6の上側の当り部(図31の符号138に相当する部
分)が保持されたレバー補助ロッド38および揺動レバ
ー30に対して、フロート52および伝達アーム46の
重量と、弁体22および弁棒18を押し返そうとする給
水圧力の力とが加わっていく。そのため、連動ロッド8
0を開弁方向に移動させようとするが、弾性体96の付
勢力により、閉弁状態を維持することができる。
【0039】さらに、図18に示すように、貯水槽内の
水位が水位Eから水位Fまで下降すると、フロート52
および伝達アーム46の重量が、弾性体96の付勢力で
閉弁状態を維持していた保持力を超えたとき、その反動
力によって、揺動レバー30を連動させて、弁棒18に
スナップ動作が付与される。そのため、弁体22は、弁
座16から即行的に離間し、その状態を保持する(開弁
操作)。
【0040】このような一連の動作が一巡することによ
り、浮子制水弁10の自動的な開閉操作が行われる。こ
の第二実施例では、フロート52の昇降動作を揺動レバ
ー30に連動させるものであるが、特に、弾性体96の
付勢力(反発力)を利用したラッチ機構を配置すること
によって、水位に直接的には関係せずに開弁操作ないし
閉弁操作を援助すると共に、開弁操作ないし閉弁操作に
スナップ動作を付与するものである。揺動レバー30を
介して弁棒18にスナップ動作をさせることによって、
弁の開閉操作を即行して行うことができ、弁の開閉状態
を安定して保持することが可能となっている。さらに、
上述の実施例と同様、伝達アーム46を配置することに
よって、任意の位置でフロート52の昇降運動による運
動エネルギーを間接的にレバー補助ロッド38および揺
動レバー30に伝達させることができる。
【0041】図19は、本願発明の第三実施例を示す正
面図解図であり、特に、貯水槽に給水が始まったときの
状態を示す正面拡大図解図である。図20は、第三実施
例の浮子制水弁のスナップ機構の要部を示す平面拡大図
解図であり、特に、図19に示す作動状態での浮子制水
弁のスナップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。
本第三実施例では、上述の各実施例と比べて、特に、ス
ナップ機構の構成が相違するので、スナップ機構の構造
を中心に説明する。なお、上述の各実施例と同じ符号を
付した同じ名称の部材については、基本的に同様の構造
および作用・効果を有するものであるため、簡単に説明
しているかあるいはその詳細な説明は省略している。
【0042】第三実施例の浮子制水弁10では、図1
9,図20に示すように、延長ハウジング部82の上面
に、たとえばキャッチローラで構成されるスナップ機構
が配置される。すなわち、この第三実施例のスナップ機
構は、キャッチローラ100を含む。キャッチローラ1
00は、長さ方向を有する一対のアーム部材102a,
102bを含む。一対のアーム部材102a,102b
は、その長さ方向の一端側がピン等の枢軸部104によ
り、回動自在に支持されている。また、アーム部材10
2aおよび102bの長さ方向の他端側には、それぞ
れ、ピン等の枢軸部106aおよび106bにより、ロ
ーラ108aおよび108bが回動自在に配置される。
この枢軸部104は、延長ハウジング部82の上面の肉
厚部分にセットされている(図30参照)。
【0043】さらに、一対のアーム部材102a,10
2bの長さ方向の一端側には、ねじりばね等のばね部材
110が装着される。ばね部材110は、アーム部材1
02a,102bが閉じる方向に付勢されるように、枢
軸部104に巻き設けられる。ばね部材110は、その
一端側が一方のアーム部材102aに係止され、その他
端側が他方のアーム部材102bに係止される。この場
合、アーム部材102a,102bは、ばね部材110
により閉鎖方向に付勢され、ローラ108a,108b
は、互いに接触した状態を初期状態としている。
【0044】また、この第三実施例では、連動ロッド8
0に配設された当接バー86に、挿入ロッド112が形
成される。挿入ロッド112は、当接バー86に対して
直角に接続され、キャッチローラ100の一対のアーム
部材102a,102b間に向いて配置される。挿入ロ
ッド112は、図20に示すように、平面視矩形のロッ
ド本体114を含む。ロッド本体114の一端部は、溶
接等の固着手段により、当接バー86に固着される。ロ
ッド本体114の他端部には、両側に広がった首部11
6を介して、矢先状の挿入部118が連接されている。
挿入部118の相対する両側面は、先端側にいくほど幅
狭になるように対称的に傾斜している。そして、挿入部
118の頂端部は、アール部120を有するものであ
る。
【0045】上述したように、この第三実施例のスナッ
プ機構では、挿入ロッド112に先細の挿入部118が
配置されているので、挿入ロッド112が2つのローラ
108a,108b間に挿入されていくとき、初期的に
スムーズに挿入される。また、挿入部118に引き続い
て、挿入ロッド112には挿入方向に対して幅広でテー
パを有する首部116が配置されているため、挿入部1
18が2つのローラ108a,108b間を通過すると
きに、ばね部材104の付勢力に対する抗力が最大とな
る。そのため、この第三実施例では、スナップ運動がよ
り効果的に行われる。
【0046】次に、上述した第三実施例の浮子制水弁1
0を貯水槽等に用いたときの作動状態について、図19
〜図27を参照しながら説明する。先ず、図19に示す
ように、貯水槽内への給水が始まると、フロート52の
浮上により、フロート52および伝達アーム46が枢軸
部32を支点にして上昇する。このとき、伝達アーム4
6の下側の当り部(図31の符号140に相当する部
分)は、伝達アーム46の上昇に伴い、レバー補助ロッ
ド38を介して揺動レバー30を押し上げる。
【0047】そして、図21に示すように、水位Aから
水位Bに貯水槽内の水位が上昇すると、キャッチローラ
100の2つのアーム部材102a,102b間に挿入
ロッド112の挿入部118が挿入される。
【0048】さらに、図23に示すように、水位Bから
水位Cに貯水槽内の水位が上昇すると、挿入ロッド11
2の挿入部118がさらにキャッチローラ100の2つ
のアーム部材102a,102b間に進入するが、挿入
ロッド112の首部116部分の作用によりフロート5
2および伝達アーム46の上昇が抑制される。そして、
ばね部材104による付勢力よりもフロート52の上昇
力が大きくなったとき、挿入ロッド112は、ばね部材
110の付勢力に抗して、キャッチローラ100の2つ
のアーム部材102a,102b間を開いてすっぽりと
進入する。すなわち、フロート52の浮力がばね部材1
10の付勢力による抑制力を超えたとき、ばね部材11
0の付勢力とフロート52の浮力とによる反動力で、揺
動レバー30およびレバー補助ロッド38が弁棒18を
スナップ動作をさせる。そのため、弁体22は、弁座1
6に即行的に着座し、その状態を保持する(閉弁操
作)。
【0049】また、図25に示すように、貯水槽内の排
水が始まると、水位Cから水位Dまで水位が下降し、フ
ロート52および伝達アーム46が下降を始める。この
とき、挿入ロッド112は、キャッチローラ100によ
って保持されることによって、閉弁状態を維持する。
【0050】そして、図26に示すように、貯水槽内の
水位が水位Dから水位Eまで下降すると、伝達アーム4
6の上側の当り部(図31の符号138に相当する部
分)が挿入ロッド112に対して、フロート52および
伝達アーム46の重量が徐々に加わっていき、その加圧
力と、弁体22および弁棒18を押し返そうとする給水
圧力の力とが加わっていく。このとき、連動ロッド80
を開弁方向に移動させようとするが、ばね部材110の
付勢力により、閉弁状態を維持することができる。
【0051】さらに、図27に示すように、貯水槽内の
水位が水位Eから水位Fまで下降すると、フロート52
および伝達アーム46の重量が、ばね部材110の付勢
力で閉弁状態を維持していた保持力を超えたとき、その
反動力によって、揺動レバー30を連動させることによ
って、弁棒18にスナップ動作をさせる。そのため、弁
体22は、弁座16から即行的に離間し、その状態を保
持する(開弁操作)。
【0052】このような一連の動作が一巡することによ
り、浮子制水弁10の自動的な開閉操作が行われる。こ
の第三実施例では、特に、キャッチローラ100によっ
て、水位に直接的には関係せずに開弁操作ないし閉弁操
作を援助すると共に、キャッチローラ100の2つのア
ーム部材102a,102b間に挿入ロッド112の挿
入部118を挿入することにより、開弁操作ないし閉弁
操作にスナップ動作を付与するものである。したがっ
て、弁の開閉操作を即行して行うことができ、弁の開閉
状態を安定して保持することが可能となっている。さら
に、上述の各実施例と同様、伝達アーム46を配置する
ことによって、任意の位置でフロート52の昇降運動に
よる運動エネルギーを間接的にレバー補助ロッド38お
よび揺動レバー30に二元的に伝達させることができ
る。
【0053】図28は、図19〜図27に示す第三実施
例のスナップ機構の変形例を示す平面拡大図であり、特
に、開弁状態での作動状態を示す平面拡大図である。ま
た、図29は、特に、閉弁状態での作動状態を示す平面
拡大図である。図28,図29に示す挿入ロッド122
は、図19〜図27に示す挿入ロッド112と比べて、
特に、ロッド本体に顕著な凹部が配設され、挿入部の先
端部が幅細状に形成されている点で相違する。
【0054】すなわち、図28,図29に示す挿入ロッ
ド122は、全体が瓢箪状に形成され、その長さ方向の
中間部にたとえば半円状の凹部124が配置される。凹
部124の長さ方向の両側には、先細状のテーパ部を有
する挿入部128と、取り付け根元部126とが連接さ
れる。テーパ部122の最大径よりも取り付け根元部1
26の径の方が大きく形成され、テーパ部122の先端
部には、先細矩形棒状の挿入端部130が設けられてい
る。この挿入ロッド122は、ピン,ビス等の固着手段
132により、当接バー86に固着される。
【0055】図28,図29に示す挿入ロッド122で
は、図19〜図27に示す挿入ロッド112と比べて、
特に、ロッド本体に凹部124が形成されているため、
挿入ロッド122をキャッチローラ100に挿入したと
き、2つのローラ108a,108bが凹部124に嵌
合される。このとき、2つのローラ108a,108b
と凹部124との接触面積は、図19〜図27に示す挿
入ロッド112と比べて、大きくなる。さらに、凹部1
24とその両側の挿入部128,取り付け根元部126
との段差も、図19〜図27に示す挿入ロッド112と
比べて、大きい。そのため、キャッチローラ100のば
ね部材110の付勢力に対する抗力を大きくすることが
できる。したがって、図28,図29に示す挿入ロッド
122を第三実施例に適用した場合、スナップ運動をさ
らにいっそう効果的に行わせることができる。
【0056】図30は、図19〜図27に示す第三実施
例の変形例を示す正面拡大図である。本変形例は、第三
実施例と比べて、特に、当接バー86の長さ方向の下端
部が連動ロッド80を貫通し、さらに、延長ハウジング
部82の下面を貫通した構造となっている。すなわち、
図30に示す変形例では、延長ハウジング82の下面部
に、上面部の開口部84と対応する開口部134が配設
される。開口部134は、連動ロッド80の変位に応じ
て、当接バー86がそれに追従できるように、延長ハウ
ジング部82の下面の長さ方向に所定の長さをもって配
設される。
【0057】この場合、連動ロッド80には、当接バー
86を挿通させるための貫通孔87が設けられる。当接
バー86は、貫通孔87に挿入され、その長さ方向の下
端部が延長ハウジング部82の開口部134から下方に
突出する。そして、当接バー86は、セットピン136
により、連動ロッド80に装着される。
【0058】本変形例では、当接バー86の長さ方向の
中間部が延長ハウジング部82を貫通しているため、当
接バー86は、連動ロッド80をその径方向の両側か
ら、支持されることとなる。しかも、当接バー86は、
その長さ方向の中間部が延長ハウジング部82の上面の
開口部84の周縁部およびその下面部の開口部134の
周縁部で支持されるので、連動ロッド80が不用意に横
振れしたり、回転したりすることを未然に防止すること
ができる。
【0059】なお、第一実施例は、給水管側の口径が、
たとえば20〜25mm程度の中口径用のものに適当で
あり、第二実施例は、給水管側の口径が、たとえば25
mmを超える中口径以上のものに適当であり、第三実施
例は、給水管側の口径が、たとえば13mm以下の小口
径用のものに適当である。
【0060】図31は、本願発明にかかる浮子制水弁に
適用される伝達アームおよびその周辺の変形例の要部を
示す拡大斜視図である。なお、上述の各実施例と同じ符
号を付した同じ名称の部材については、基本的に同様の
構造および作用・効果を有するものであるため、簡単に
説明しているかあるいはその詳細な説明は省略してい
る。図31に示す伝達アーム46では、特に、上述の各
実施例に開示された伝達アーム46と比べて、特に、フ
ロート用ロッド50とレバー補助ロッド38との取り付
け位置が相違する。
【0061】すなわち、上述の各実施例では、フロート
用ロッド50がレバー補助ロッド38の軸方向の延長線
上に間隔を隔てて装着されている。この場合、レバー補
助ロッド38は、伝達アーム46の当り部138側に配
置されている。なお、当り部は、図1,図2では図示し
ていないが、図31に示す当り部138,140に相当
するものである。
【0062】それに対して、図31に示す伝達アーム4
6では、フロート用ロッド50がレバー補助ロッド38
の軸方向の延長線上には配置されておらず、フロート用
ロッド50は、当り部140側に配置されている。この
場合、伝達アーム46には、フロート用ロッド50を取
り付けるためのブラケット片142が、アームプレート
48の底辺部49の端縁部から、ほぼ直角に延び設けら
れる。ブラケット片142の中央部には、たとえば円形
の取り付け孔 144が設けられる。また、フロート
用ロッド50の長さ方向の一端部には、ねじ部(図示せ
ず)が設けられている。フロート用ロッド50は、取り
付け孔144に挿通され、ねじ部にナット等が螺合され
ることにより抜け止めされる。
【0063】図32は、本願発明にかかる浮子制水弁に
適用される伝達アームおよびその周辺の他の変形例の要
部を示す拡大斜視図である。図32に示す伝達アーム4
6では、特に、図31の伝達アーム46と比べて、特
に、一方の当り部140に上限水位設定部材148が配
置されている。すなわち、一方の当り部140の長さ方
向の一端側には、レバー補助ロッド38の軸方向の一端
側に対応する部分に、ねじ部を有する挿入孔146が設
けられる。そして、当り部140の外面側から、上限水
位設定部材としてのたとえば調整ねじ148が挿入孔1
46に適宜取り付けられる。
【0064】この場合、当り部140の内面側へ突出す
る調整ねじ148の長さを適宜調節することによって、
レバー補助ロッド38と調整ねじ148の軸方向の先端
部149との当接位置を変更させることができる。当り
部140の内面側へ突出する調整ねじ148の長さを長
くすればするほど、レバー補助ロッド38の揺動範囲が
小さくなる。すなわち、フロート52の昇降範囲が小さ
くなり、貯水槽内の水位を低く設定することができる。
反対に、当り部140の内面側へ突出する調整ねじ14
8の長さを短くすればするほど、レバー補助ロッド38
の揺動範囲が先の場合に比べて大きくなる。すなわち、
フロート52の昇降範囲を先の場合に比べて大きくする
ことができ、それに応じて、貯水槽内の水位も先の場合
に比べて比較的高く設定することが可能となる。
【0065】図33は、本願発明にかかる浮子制水弁に
適用される伝達アームおよびその周辺のさらに他の変形
例の要部を示す拡大斜視図である。図33に示す伝達ア
ーム46では、特に、図31,図32の伝達アーム46
と比べて、特に、揺動レバー30と、レバー補助ロッド
38とが一体的に形成されている。この場合、レバー本
体34の短辺腕部36および長辺腕部40が、平面視略
L字形で且つ断面矩形板状に形成され、さらに、短辺腕
部36とレバー補助ロッド38とが一体的に形成されて
いる。したがって、図33に示す伝達アーム46では、
図31,図32の伝達アーム46と比べて、製造が容易
となり、伝達アーム46への組み込みも簡単となる。
【0066】図34は、本願発明にかかる浮子制水弁に
適用される伝達アームおよびその周辺のさらに他の変形
例の要部を示す一部切欠き拡大断面図解図である。図3
4に示す伝達アーム46では、特に、上述の各実施例に
開示された伝達アーム46と比べて、特に、弁箱12の
下向きに延び設けられているブラケット部材28の一方
側にのみ、回動自在に装着されている。この場合、上述
の各実施例と比べて、揺動レバー30、レバー補助ロッ
ド38、伝達アーム46およびフロート用ロッド50等
の弁箱12への組み込み作業がしやすく、組み立て後の
清掃も簡単にできる。
【0067】なお、第二実施例で開示した弾性体96、
あるいは、第三実施例で開示したキャッチローラ100
のばね部材110の弾力を調整して、スナップ運動の運
動エネルギーを加減することができる。この場合、弾性
体96やばね部材110に用いられるばねの巻数や線
径、ばねの材料を変更することにより、ばね定数を変更
してばねの弾性力を適宜変更すればよい。
【0068】図35は本願発明の第四実施例を示す要部
斜視図であり、図36〜図45は第四実施例の浮子制水
弁の動きを示す正面図解図である。この第四実施例にお
いて、第一実施例と同じ符号を付した同じ名称の部材に
ついては、基本的に同様の構造および作用・効果を有す
るので、それらの各部材については簡単に説明している
かあるいはその詳細な説明は省略している。
【0069】第四実施例にかかる浮子制水弁10は、特
に、第一実施例の浮子制水弁10と比べて、スナップ機
構の構成が相違する。第一実施例では、揺動レバー3
0、伝達アーム46およびカム装置56の協働作用によ
って弁棒18にスナップ動作を付与し、弁座16および
弁体22間の開閉動作を即行的に行っていたが、第四実
施例の浮子制水弁10では、特に、前記揺動レバー3
0、伝達アーム46およびカム装置56に加えて、伝達
アーム46とカム装置56とをリンクさせるリンク装置
150が配設される。また、第四実施例にかかる浮子制
水弁10は、第一実施例の浮子制水弁10と比べて、カ
ム装置56、揺動レバー30、弁座16、弁体22およ
び伝達アーム46等の構造が改良されている。
【0070】すなわち、図35〜図45に示す第四実施
例の浮子制水弁10は、図1〜図8に示す第一実施例の
浮子制水弁10と比べて、リンク装置150をさらに含
む。リンク装置150は、たとえば2つのリンクロッド
152および154を含む。一方のリンクロッド152
は、その長さ方向の一端側がビス,ピン等の軸部156
により、カム装置56のカム60の一端部に回動自在に
取着される。他方のリンクロッド154は、特に、図3
5に示すように、その長さ方向の一端側がビス,ピン等
の軸部158により、また、その長さ方向の中間部がビ
ス,ピン等の軸部159により、伝達アーム46に取着
される。軸部159の軸心は、第一実施例で示した枢軸
部32の軸心と略同一軸線上に配置される。
【0071】さらに、一方のリンクロッド152の他端
側と他方のリンクロッド154の他端側とは、ビス,ピ
ン等の軸部160により回動自在に連結される。この場
合、一方のリンクロッド152は、その長さ方向の他端
側にたとえばトラック状の長孔162を有し、この長孔
162の長軸方向に軸部160が変位自在となるよう
に、他方のリンクロッド154と回動自在に連結され
る。
【0072】一方、この第四実施例のカム装置56は、
第一実施例のカム装置56と比べて、特に、カム60の
凹部164および凹部166における円弧状部の曲率が
大きく、つまり、凹みの度合いが大きく、かつ、2つの
凹部164,166が連続して配置される。そのため、
第四実施例のカム60では、凹部164および凹部16
6間の間隔が第一実施例の凹部76および凹部78間の
間隔よりも狭く、凹部164および凹部166間に配設
される凸部168が尖鋭な頂部として形成される。な
お、この実施例では、凹部166の曲率の方が、凹部1
64の曲率よりも大きく設定されている。
【0073】また、この第四実施例のカム装置56は、
カムロッド26の揺動に付勢力を付与するための付勢部
材170をさらに含む。付勢部材170としては、たと
えばコイルスプリングが用いられ得る。付勢部材170
の一端部は、ビス,座金等の係止具172a,172b
により、カム60の長さ方向の中間部に係止される。ま
た、付勢部材170の他端部は、ボルト,座金等の係止
具174a,174bにより、カム60のころ44の近
傍に係止される。この付勢部材170は、常時、弁体2
2を弁座16から離間する方向に、つまり、開弁方向に
弁棒18を変位させる方向に付勢されている。言いかえ
ると、付勢部材170は、常時、揺動レバー30のころ
44がカム60の枢軸部62側へ押圧される方向に、こ
ろ44を付勢している。
【0074】また、この第四実施例では、第一実施例と
比べて、レバー本体34の短辺腕部36とレバー補助ロ
ッド38とが一体的に形成される。(以下、短辺腕部3
6とレバー補助ロッド38とが一体的に形成された部分
を便宜的に、レバー補助ロッド38と称する。)さら
に、レバー本体34の長辺腕部40には、その長さ方向
の中間部に、たとえば断面半円状の膨出部35が形成さ
れる。この膨出部35は、揺動レバー30の長辺腕部4
0を弁棒18に安定して接触・押圧させるための機能を
有するものである。なお、レバー本体34の短辺腕部3
6、長辺腕部40、膨出部35およびレバー補助ロッド
38は、たとえばステンレスで一体的に成形される。
【0075】また、伝達アーム46の上側の当り部13
8には、図32および図33に示す伝達アーム46と同
様に、調整ねじ148が配設されている。この場合、当
り部の138の内面側へ突出する調整ねじ148の軸長
さを長くすればするほど、弁座16および弁体22の開
弁状態を早めることができ、反対に、当り部の138の
内面側へ突出する調整ねじ148の軸長さを短くすれば
するほど、弁座16および弁体22の開弁状態を遅らせ
ることができる。
【0076】なお、この調整ねじ148は、上側の当り
部138に加えて、たとえば図46に示すように、下側
の当り部140にも配設するようにしてもよい。この場
合、当り部の140の内面側へ突出する調整ねじ148
の軸長さを長くすればするほど、弁座16および弁体2
2の閉弁状態を早めることができ、反対に、当り部の1
40の内面側へ突出する調整ねじ148の軸長さを短く
すればするほど、弁座16および弁体22の閉弁状態を
遅らせることができる。
【0077】さらに、第四実施例では、第一実施例と比
べて、弁座16および弁体22等の構造が相違する。第
一実施例では、弁座16が平面座に類似したものが用い
られ、弁体22もそれに対応したものが用いられてい
る。それに対して、この第四実施例では、弁座16にた
とえば円すい座が用いられ、弁座16に着座される弁体
22は、たとえば球冠状に形成される。弁棒18の軸方
向の一端部に弁体22が配設され、弁体22は、その両
側にOリング等の密封部材23が配設された弁押え25
によって支持されている。
【0078】この第四実施例では、弁体22が球冠状に
形成されているので、弁体22が弁座16から離間され
たとき、弁座16および弁体22間の水の流れに対する
抵抗を小さくすることができる。そのため、開弁状態に
おける給水部14からの給水がスムーズに行われると共
に、閉弁に際しては、弁体22をスムーズに弁座16に
着座させることができる。
【0079】次に、上述した第四実施例の浮子制水弁1
0を貯水槽等に用いたときの作動状態および作用・効果
について、図35および図36〜図45等を参照しなが
ら説明する。先ず、貯水槽内が所定の水位(たとえば最
高水位)で一定に保たれている状態から排水が始まる
と、貯水槽内の水位が下降していくため、たとえば図3
6および図37に示すように、フロート52(図36お
よび図37では図示せず)の下降と連動して、フロート
用ロッド50が下降する。そのため、伝達アーム46
は、枢軸部32を支点にし、図36および図37で見
て、時計方向に回転する。さらに、伝達アーム46の動
きに連動して、リンクロッド154も枢軸部32を支点
にし、時計方向に回転する。
【0080】この場合、軸部160は、長孔162の長
軸方向に沿って上方に変位するが、弾力部66の弾力に
抗して、リンクロッド154は、未だ、リンクロッド1
52を押し上げるまでには至っていない。また、伝達ア
ーム46のころ44は、カム60との接触圧力によっ
て、未だカム60の凹部166内に留まり、且つ、揺動
アーム30の長辺腕部40の膨出部35は、付勢部材1
70の付勢力に抗して、弁体22が弁座16を閉鎖する
方向に弁棒18を付勢している。そのため、弁体22は
弁座16に着座され、給水部14の他端側の開口部が閉
鎖されている。
【0081】そして、貯水槽内の水位がさらに下降して
いくと、たとえば図38に示すように、伝達アーム46
の上側の当り部138に配置された調整ねじ148の先
端部149が、揺動レバー30のレバー補助ロッド38
に当りそれを下方に押圧する。この場合、フロート52
(図示せず)および伝達アーム46の重量が加わってい
くため、リンクロッド154は、軸部160を介し、弾
力部66の弾力に抗して、リンクロッド152を押し上
げていく。つまり、カム60が枢軸部62を支点にし
て、時計方向に徐々に回転していく。そのため、付勢部
材170の付勢力に抗して、ころ44がカム60の凹部
166の面に沿って、凸部168へと転動していく。
【0082】さらに、貯水槽内の水位が下降していく
と、調整ねじ148の先端部149がレバー補助ロッド
38をさらに下方に押圧する。そして、フロート52
(図示せず)および伝達アーム46の重量が、ころ44
およびカム60の接触圧力による保持力を超えたとき、
ころ44は、たとえば図39および図40に示すよう
に、カム60の凸部168を乗り越えて凹部164に移
行する。この場合、ころ44は、付勢部材170の付勢
力によって、より効果的に、凸部168を乗り越えて凹
部164に移行する。さらに、リンクロッド154は、
軸部160を介し、弾力部66の弾力に抗して、リンク
ロッド152をさらに押し上げるので、カム60は、枢
軸部62を支点にして、時計方向にさらに回転する。こ
のことがころ44の凹部164への移行を助長してい
る。
【0083】ころ44がカム60の凸部168を乗り越
えて凹部164に移行したとき、弁棒18にスナップ動
作が付与される。そのため、弁体22は、弁座16から
即行的に離間し、開弁状態を維持する(開弁操作)。こ
の場合、浮子制水弁10は、給水部14から適宜給水可
能な状態となる。
【0084】次に、貯水槽内が所定の水位(たとえば最
低水位)の状態から給水が始まると、貯水槽内の水位が
上昇していくため、たとえば図41および図42に示す
ように、フロート52(図41および図42では図示せ
ず)の上昇と連動して、フロート用ロッド50が上昇す
る。そのため、伝達アーム46は、枢軸部32を支点に
し、図41および図42で見て、反時計方向に回転す
る。さらに、伝達アーム46の動きに連動して、リンク
ロッド154も枢軸部32を支点にし、反時計方向に回
転していく。リンクロッド152は、リンクロッド15
4に連動して、下方へと変位していく。そのため、カム
60は、枢軸部62を支点にして、反時計方向に回転し
ていく。
【0085】この場合、伝達アーム46の下側の当り部
140は、フロート用ロッド50の上昇に伴って、レバ
ー補助ロッド38に当たり、それを上側へ押圧する。そ
のため、揺動レバー30は、枢軸部32を支点にして、
反時計方向に回転する。したがって、ころ44は、付勢
部材170の付勢力に抗して、カム60の凹部164の
摺動面に沿って凸部168側へと転動していく。
【0086】そして、貯水槽内の水位がさらに上昇する
と、図43に示すように、伝達アーム46の動きに連動
して、揺動アーム30およびリンクロッド154が、さ
らに反時計方向に回転する。そのため、ころ44は、カ
ム60の凸部168の頂部近傍に転動していく。この場
合、リンクロッド154の回転に連動して、リンクロッ
ド152は、弾力部66の弾力にも助長され、さらに下
方へと変位していく。軸部160は、長孔162の長軸
方向に沿って、下方に変位していく。そのため、カム6
0は、枢軸部62を支点にして、さらに反時計方向に回
転していく。
【0087】さらに、貯水槽内の水位がさらに上昇する
と、図44に示すように、ころ44は、カム60の凸部
168に到達する。このとき、ころ44は、弾力部66
の弾力を受けながら、枢軸部62を支点にして、カム6
0の凸部168を押し上げる。
【0088】さらに、貯水槽内の水位がさらに上昇する
と、図44に示すように、ころ44は、カム60の凸部
168を乗り越えて、弾力部66の弾力を受けながら、
凹部166へと到達する。すなわち、さらなるリンクロ
ッド154の回転に連動して、リンクロッド152は、
弾力部66の弾力にも助長され、さらに下方へと変位し
ていき、軸部160を介して、リンクロッド154をさ
らに下方に押圧する。そのため、カム60は、枢軸部6
2を支点にして、さらに反時計方向に回転していく。
【0089】ころ44がカム60の凸部168を乗り越
えて凹部166に移行したとき、弁棒18にスナップ動
作が付与される。そのため、弁体22は、弁座16へと
即行的に着座し、閉弁状態を維持する(閉弁操作)。こ
の場合、リンクロッド152の長さ方向の下端側に軸部
160が当たって、リンクロッド152を下方に引っ張
っている。つまり、枢軸部62を支点に、カム60を下
方に引っ張っている。そのため、図45に示す閉弁状態
では、貯水槽内の水位が下がらない限り、弁体22が弁
座16から離間する恐れがない。
【0090】このような一連の動作が一巡することによ
り、浮子制水弁10の自動的な開閉操作が行われる。こ
の第四実施例では、フロート52の昇降運動と共にカム
60面を転動するころ44が、カム60の凹部164,
166と、凸部168とに接触することにより、フロー
ト52の昇降運動の運動エネルギーを蓄積することがで
きる。そして、その力をスナップ機構と協働させること
によって、弁の開閉操作を即行して行うことができ、弁
の開閉状態を安定して保持することが可能となってい
る。特に、この第四実施例では、伝達アーム46とカム
装置56とをリンクさせるリンク装置150が配設され
ているため、フロート52の昇降運動の運動エネルギー
を逃さず有効に蓄積することができる。しかも、揺動レ
バー30の揺動を助長する付勢部材170、そして、カ
ム60の枢軸部62を支点にした回動運動を助長させる
弾力部66、さらには、弁座16,弁体22の改良も含
めたそれらの協働作用により、より効果的に、弁の開閉
操作を即行して行うことができる。
【0091】図47は、図35〜図45に示す第四実施
例の浮子制水弁と従来の浮子制水弁との性能を比較する
ための実験例を示す要部斜視図である。この実験例で
は、貯水槽としてのたとえば箱型の水槽200が準備さ
れる。水槽200は、その中央が仕切板202により仕
切られ、2つの水槽204,206を有する。水槽20
4には、第四実施例の浮子制水弁10が配置され、水槽
206には、従来例の浮子制水弁1が配置される。水槽
200の下には、2つの水槽204,206から排水さ
れる水の排水タンク208が配置される。この実験例で
は、2つの水槽204,206内で、第四実施例の浮子
制水弁10および従来例の浮子制水弁1の性能テストを
同時に行ない、その結果を図48および図49に示し
た。
【0092】図48のグラフから明らかなように、たと
えば給水の開始から完了するまでの時間が、従来の浮子
制水弁1よりも、第四実施例の浮子制水弁10の方が早
く、また、図49のグラフから明らかなように、開弁す
るまでの時間および閉弁するまでの時間が、従来の浮子
制水弁1よりも、第四実施例の浮子制水弁10の方が早
くなっており、スピーディーである。
【0093】
【発明の効果】本願発明によれば、所定の水位で弁を短
時間で確実に開閉することができ、しかも、その開閉状
態を安定して保持することができる、浮子制水弁が得ら
れる。したがって、本願発明の浮子制水弁を用いれば、
従来の技術が抱えていた様々な課題を解消することがで
きる。特に、本願発明にかかる浮子制水弁を備えた水道
設備への給水方式が自動運転の加圧ポンプ方式である場
合、その配管内の圧力を安定して保つことができるた
め、加圧ポンプのスイッチのオン/オフが頻繁に繰り返
されることを大幅に減少することができる。また、給水
時間を短縮することができ、給水側の高水圧にも耐え、
騒音も極めて減少させることができる。給水口は、瞬間
的に完全に開放されるので、給水速度が迅速になり、単
位時間当りの給水量も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一実施例を示す正面図解図であ
り、特に、貯水槽に給水が始まったときの状態を示す正
面図解図である。
【図2】第一実施例の浮子制水弁を側面から見た状態の
一部切欠き拡大断面図解図である。
【図3】水位の上昇に伴い、第一実施例の浮子制水弁の
フロートが上昇していく途中を示す正面図解図である。
【図4】さらに水位が上昇して、第一実施例の浮子制水
弁のフロートがさらに上昇していく途中を示す正面図解
図である。
【図5】さらに水位が上昇して所定の水位になったとき
の第一実施例の浮子制水弁の状態を示す正面図解図であ
る。
【図6】所定の水位から水位が下降して、第一実施例の
浮子制水弁のフロートが下降していく途中を示す正面図
解図である。
【図7】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制水
弁のフロートがさらに下降していく途中を示す正面図解
図である。
【図8】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制水
弁のフロートがさらに下降したときの状態を示す正面図
解図である。
【図9】本願発明の第二実施例を示す正面図解図であ
り、特に、貯水槽に給水が始まったときの状態を示す正
面図解図である。
【図10】第二実施例の浮子制水弁のスナップ機構の要
部を示す平面拡大図解図であり、特に、図9に示す作動
状態での浮子制水弁のスナップ機構の要部を示す平面拡
大図解図である。
【図11】水位の上昇に伴い、第二実施例の浮子制水弁
のフロートが上昇していく途中を示す正面図解図であ
る。
【図12】図11に示す作動状態での浮子制水弁のスナ
ップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。
【図13】図10,図11および図12に示すスナップ
機構の取り付け状態の要部を示す拡大図解図である。
【図14】さらに水位が上昇して所定の水位になったと
きの第二実施例の浮子制水弁の状態を示す正面図解図で
ある。
【図15】図13に示す作動状態での浮子制水弁のスナ
ップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。
【図16】所定の水位から水位が下降して、第二実施例
の浮子制水弁のフロートが下降していく途中を示す正面
図解図である。
【図17】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降していく途中を示す正面図
解図である。
【図18】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降したときの状態を示す正面
図解図である。
【図19】本願発明の第三実施例を示す正面図解図であ
り、特に、貯水槽に給水が始まったときの状態を正面拡
大図解図である。
【図20】第三実施例の浮子制水弁のスナップ機構の要
部を示す平面拡大図解図であり、特に、図19に示す作
動状態での浮子制水弁のスナップ機構の要部を示す平面
拡大図解図である。
【図21】水位の上昇に伴い、第三実施例の浮子制水弁
のフロートが上昇していく途中を示す正面図解図であ
る。
【図22】図21に示す作動状態での浮子制水弁のスナ
ップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。
【図23】さらに水位が上昇して所定の水位になったと
きの第三実施例の浮子制水弁の状態を示す正面図解図で
ある。
【図24】図23に示す作動状態での浮子制水弁のスナ
ップ機構の要部を示す平面拡大図解図である。
【図25】所定の水位から水位が下降して、第三実施例
の浮子制水弁のフロートが下降していく途中を示す正面
図解図である。
【図26】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降していく途中を示す正面図
解図である。
【図27】さらに水位が下降して、第一実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降したときの状態を示す正面
図解図である。
【図28】図19〜図27に示す第三実施例のスナップ
機構の変形例を示す平面拡大図であり、特に、開弁状態
での作動状態を示す平面拡大図である。
【図29】図19〜図27に示す第三実施例のスナップ
機構の変形例を示す平面拡大図であり、特に、閉弁状態
での作動状態を示す平面拡大図である。
【図30】図19〜図27に示す第三実施例の変形例を
示す正面拡大図である。
【図31】本願発明にかかる浮子制水弁に適用される伝
達アームおよびその周辺の変形例の要部を示す拡大斜視
図である。
【図32】本願発明にかかる浮子制水弁に適用される伝
達アームおよびその周辺の他の変形例の要部を示す拡大
斜視図である。
【図33】本願発明にかかる浮子制水弁に適用される伝
達アームおよびその周辺のさらに他の変形例の要部を示
す拡大斜視図である。
【図34】本願発明にかかる浮子制水弁に適用される伝
達アームおよびその周辺のさらに他の変形例の要部を示
す一部切欠き拡大断面図解図である。
【図35】本願発明の第四実施例を示す要部斜視図であ
る。
【図36】図35に示す第四実施例の正面図解図であ
り、特に、貯水槽からの排水が開始されるときの状態を
示す正面図解図である。
【図37】所定の水位(最高水位)から水位が下降し
て、第四実施例の浮子制水弁のフロートが下降していく
途中を示す正面図解図である。
【図38】さらに水位が下降して、第四実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降していく途中を示す正面図
解図である。
【図39】さらに水位が下降して、第四実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに下降していく途中を示す正面図
解図である。
【図40】さらに水位が下降して所定の水位(最低水
位)になったときの第四実施例の浮子制水弁の状態を示
す正面図解図である。
【図41】図35に示す第四実施例の正面図解図であ
り、特に、所定の水位(最低水位)の状態から、貯水槽
に給水が始まったときの状態を示す正面図解図である。
【図42】貯水槽への給水による水位の上昇に伴い、第
四実施例の浮子制水弁のフロートが上昇していく途中を
示す正面図解図である。
【図43】さらに水位が上昇して、第四実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに上昇していく途中を示す正面図
解図である。
【図44】さらに水位が上昇して、第四実施例の浮子制
水弁のフロートがさらに上昇していく途中を示す正面図
解図である。
【図45】さらに水位が上昇して所定の水位(最高水
位)になったときの第四実施例の浮子制水弁の状態を示
す正面図解図である。
【図46】本願発明にかかる浮子制水弁に適用される伝
達アームおよびその周辺の別の変形例を示す正面図解図
である。
【図47】図35〜図45に示す第四実施例の浮子制水
弁と従来の浮子制水弁との性能を比較するための実験例
を示す要部斜視図である。
【図48】図35〜図45に示す第四実施例の浮子制水
弁と従来の浮子制水弁との性能を比較した例を示すグラ
フである。
【図49】図35〜図45に示す第四実施例の浮子制水
弁と従来の浮子制水弁との性能を比較した他の例を示す
グラフである。
【図50】本願発明の背景となる従来のフロート弁の一
例を示す正面図解図である。
【符号の説明】
10 浮子制水弁 12 弁箱 16 弁座 18 弁棒 22 弁体 23 Oリング 25 弁押え 50 ロッド 52 フロート 30 揺動レバー 34 レバー本体 36 短辺腕部 38 レバー補助ロッド 40 長辺腕部 42 カムロッド 44 ころ 46 伝達アーム 56 カム装置 60 カム 66 弾力部 91 付勢力付与装置 100 キャッチローラ 138,140 当り部 148 調整ねじ 150 リンク装置 152,154 リンクロッド 170 付勢部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水槽等の容器内の液体レベルに対応し
    て開閉操作される浮子制水弁であって、 その一方側に給水部が配置され、前記給水部から供給さ
    れた流体が流出される流出部を有する弁箱、 前記給水部に配置される弁座、 前記弁箱の他方側で前記弁箱内に摺動自在に配置される
    弁棒、 前記弁棒の前記給水部と対向する側に配置され、前記弁
    座に着座可能に設けられる弁体、 長さ方向を有するロッド、 前記ロッドの長さ方向の一端側に配設されるフロート、 その一方側が前記ロッドの長さ方向の他端側に配設さ
    れ、その他方側が前記弁箱に挿入配置され、前記弁棒を
    作動させて前記弁体を前記弁座に着座可能にするよう
    に、前記弁箱に回動自在に配設される揺動レバー、 前記揺動レバーの回動中心を支点にして前記弁箱に回動
    自在に配置され、前記フロートの昇降運動を前記揺動レ
    バーに二元的に伝達する伝達アーム、および前記揺動レ
    バーと協働して前記弁棒にスナップ運動を付与するスナ
    ップ機構を含み、 前記容器内の液体レベルが所定の高さになったとき、前
    記スナップ機構による前記弁棒のスナップ動作によっ
    て、前記弁体および前記弁座間の開閉動作が行われるこ
    とを特徴とする、浮子制水弁。
  2. 【請求項2】 前記スナップ機構は、前記揺動レバーに
    前記スナップ運動を付与するカムを含み、前記揺動レバ
    ーおよび前記カムにより前記弁棒に前記スナップ動作を
    行わせることを特徴とする、請求項1に記載の浮子制水
    弁。
  3. 【請求項3】 前記スナップ機構は、前記弁棒の摺動運
    動に、ばね等の弾性体の付勢力を付与する付勢力付与装
    置を含み、前記付勢力付与装置により前記弁棒に前記ス
    ナップ動作を行わせることを特徴とする、請求項1に記
    載の浮子制水弁。
  4. 【請求項4】 前記スナップ機構は、前記伝達アームと
    前記カムとをリンクするリンク装置をさらに含み、前記
    伝達アーム、前記揺動レバー、前記カムおよび前記リン
    ク装置の協働作用により前記弁棒に前記スナップ動作を
    行わせることを特徴とする、請求項2に記載の浮子制水
    弁。
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