JP2002138810A - エンジンにおける調時伝動装置の潤滑装置 - Google Patents
エンジンにおける調時伝動装置の潤滑装置Info
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Abstract
も,巻掛式調時伝動装置の被動側をもオイル飛沫で確実
に潤滑できるようにする。 【解決手段】 動弁機構22の巻掛式調時伝動装置22
aの駆動側をオイルタンク40内に臨ませ,そのオイル
タンク40内の貯留オイルOを飛散させて,調時伝動装
置22aの潤滑のためのオイル飛沫を生成するオイルス
リンガ56a,56bをオイルタンク40内に配設し
た,エンジンにおける調時伝動装置の潤滑装置におい
て,エンジンEの横倒し時,付着したオイル飛沫を調時
伝動装置22aのオイルタンク40に臨む部分に誘導,
滴下する油滴誘導壁90をオイルタンク40の内壁に突
設した。
Description
の他の携帯型作業機の動力源となるハンドヘルド型四サ
イクルエンジンに関し,特に,クランク軸の回転に連動
して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する動弁機構の巻掛式
調時伝動装置の駆動側をオイルタンク内に臨ませ,その
オイルタンクには,その内部の貯留オイルを飛散させ
て,前記調時伝動装置の潤滑のためのオイル飛沫を生成
するオイル飛沫生成手段を配設した,エンジンにおける
調時伝動装置の潤滑装置の改良に関する。
開平11−223110号公報に開示されるように,既
に知られている。
る調時伝動装置の潤滑装置では,オイル飛沫生成手段の
作動により生成されたオイル飛沫が,オイルタンク内に
臨む調時伝動装置の駆動側でタイミングベルト等の巻掛
部材に付着して,被動側に運ばれ,調時伝動装置全体が
潤滑されるのであるが,従来の潤滑装置では,エンジン
が運転中に横倒しにされた場合には,調時伝動装置の回
転方向によっては,オイル飛沫が調時伝動装置の被動側
まで供給されず,その被動側に潤滑不足を来すことが懸
念される。
で,エンジンが横倒し状態で運転される場合でも,巻掛
式調時伝動装置の被動側をもオイル飛沫で確実に潤滑す
ることができるようにした,前記エンジンにおける調時
伝動装置の潤滑装置を提供することを目的とする。
に,本発明は,クランク軸の回転に連動して吸気弁及び
排気弁を開閉駆動する動弁機構の巻掛式調時伝動装置の
駆動側をオイルタンク内に臨ませ,そのオイルタンクに
は,その内部の貯留オイルを飛散させて,前記調時伝動
装置の潤滑のためのオイル飛沫を生成するオイル飛沫生
成手段を配設した,エンジンにおける調時伝動装置の潤
滑装置において,エンジンの横倒し時,付着したオイル
飛沫を前記調時伝動装置のオイルタンクに臨む部分に誘
導,滴下する油滴誘導壁をオイルタンクの内壁に突設し
たことを特徴とする。
で運転する場合には,油滴誘導壁に付着したオイル飛沫
が油滴となって,調時伝動装置の駆動側で巻掛部材上に
落下するので,特に,巻掛部材の上側部分が駆動側から
被動側に移動するとき,上記油滴を,遠心力の影響を殆
ど受けることなく,巻掛部材によって被動側へ運び,被
動側を確実に潤滑することができる。
本発明の実施例中のオイルスリンガ56a,56bに対
応し,また前記巻掛部材は,同実施例中のタイミングベ
ルト25に対応する。
に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
エンジンの一使用例を示す斜視図,図2は上記四サイク
ルエンジンの縦断側面図,図3は図2の3−3線断面
図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の要部拡
大断面図,図6は図5の要部分解図,図7は図4の7−
7線断面図,図8は図4の8−8線断面図,図9は図8
の9−9線断面図,図10は図5の10−10矢視図
(ヘッドカバーの底面図),図11は図5の11−11
線断面図,図12は上記エンジンの潤滑経路図,図13
は上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対応図,図
14は同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対応図
である。
クルエンジンEは,例えば動力トリマTの動力源とし
て,その駆動部に取付けられる。動力トリマTは,その
作業状態によりカッタCを色々の方向に向けて使用され
るので,その都度エンジンEも大きく傾けられ,あるい
は逆さにされ,その運転姿勢は一定しない。
ジンEの外周りの構造について図2及び図3により説明
する。
ンジン本体1には,その前後に気化器2及び排気マフラ
3がそれぞれ取付けられ,気化器2の吸気道入口にはエ
アクリーナ4が装着される。またエンジン本体1の下面
には合成樹脂製の燃料タンク5が取付けられる。クラン
ク軸13は,エンジン本体1と,このエンジン本体1の
一側に隣接したオイルタンク40との両外側方に両端部
を突出させており,その一端部に固着した被動部材84
に伝動,連結可能なリコイル式スタータ42がオイルタ
ンク40の外側面に取付けられる。
ルを兼ねる冷却ファン43が固着される。この冷却ファ
ン43の外側面には,複数の取付けボス46(図2に
は,そのうちの1個を示す)が形成されており,この各
取付けボス46に遠心シュー47が揺動自在に軸支され
る。この遠心シュー47は,後述する駆動軸50に固着
されるクラッチドラム48と共に遠心クラッチ48を構
成するもので,クランク軸13の回転数が所定値を超え
ると,遠心シュー47が,それ自体の遠心力によりクラ
ッチドラム48の内周壁に圧接して,クランク軸13の
出力トルクを駆動軸50に伝達するようになる。この遠
心クラッチ48よりも,冷却ファン43は大径になって
いる。
く付属機器を覆うエンジンカバー51は,エンジン本体
1の適所に固着され,このエンジンカバー51と燃料タ
ンク5との間に冷却風取り入れ口19が設けられる。し
たがって,冷却ファン43の回転により,この冷却風取
り入れ口19から外気が取り入れられ,エンジンE各部
の冷却に供される。
同軸に並ぶ円錐台状の軸受ホルダ58が固着され,この
軸受ホルダ58は,前記カッタCを回転駆動する駆動軸
50をベアリング59を介して支持する。
側にオイルタンク40及びスタータ42,他側に冷却フ
ァン43及び遠心クラッチ49がそれぞれ配置されるの
で,エンジンEの左右の重量バランスが良好で,エンジ
ンEの重心をエンジン本体1の中心部に近づけることが
でき,エンジンEの取り回し性が良好となる。
間において,遠心シュー47より大径の冷却ファン43
がクランク軸13に固着されるので,冷却ファン43に
よるエンジンEの大型化を極力回避することができる。
0の構造について図2〜図5,図6,図10,図11を
参照しながら説明する。
クランク室6aを有するクランクケース6,一つのシリ
ンダボア7aを有するシリンダブロック7,並びに燃焼
室8a及び該室8に開口する吸,排気ポート9,10を
有するシリンダヘッド8からなっており,シリンダブロ
ック7及びシリンダヘッド8の外周には多数の冷却フィ
ン38が形成される。
3は,クランクケース6の左右両側壁にボールベアリン
グ14,14′を介して回転自在に支承される。その
際,左側のボールベアリング14はシール付きとされ,
右側のボールベアリング14′の外側にはオイルシール
17が隣接して配設される。クランク軸13には,従来
普通のように,シリンダボア7aに嵌装されたピストン
15がコンロッド16を介して連接される。
に隣接するオイルタンク40が一体に連設され,このオ
イルタンク40をクランク軸13のシール付きボールベ
アリング14側の端部が貫通するように配置される。そ
して,クランク軸13に貫通される,オイルタンク40
の外側壁にはオイルシール39が装着される。
通するように上下に延びると共に上下両端を開放した偏
平断面のベルト案内筒86が一体に連設される。このベ
ルト案内筒86の下端は,オイルタンク40内のクラン
ク軸13近傍まで延びており,また上端部は,シリンダ
ヘッド8と隔壁85を共有するように,シリンダヘッド
8に一体に連設される。シリンダヘッド8及びベルト案
内筒86の上端周縁には,一連の環状シールビード87
が形成され,隔壁85は,このシールビード87より上
方に突出している。
に,ヘッドカバー36の下端面には,上記シールビード
87に対応する環状シール溝88aが,また該カバー3
6の内面には,環状シール溝88aの両側部間を連通す
る線状シール溝88bがそれぞれ形成され,環状シール
溝88aには環状パッキン89aが装着され,線状シー
ル溝88bには,環状パッキン89aと一体成形された
線状パッキン89bが装着される。そして,環状パッキ
ン89aにはシールビード87が,線状パッキン89b
には隔壁85がそれぞれ圧接するように,ヘッドカバー
36はシリンダヘッド8にボルト37により結合され
る。
36の一半部とで第1動弁室21aが,またシリンダヘ
ッド8とヘッドカバー36の他半部とで第2動弁室21
bがそれぞれ画成され,両動弁室21a,21bは前記
隔壁85によって仕切られる。
及びオイルタンク40は,クランク軸13の軸線を通り
且つシリンダボア7aの軸線と直交する平面で,上部ブ
ロックBaと下部ブロックBbとに2分割される。即
ち,上部ブロックBaは,クランクケース6の上半部,
シリンダブロック7,シリンダヘッド8,オイルタンク
40の上半部及びベルト案内筒86を一体に連ねて構成
され,下部ブロックBbは,クランクケース6の下半部
と,オイルタンク40の下半部とを一体に連ねて構成さ
れるもので,これら上部及び下部ブロックBa,Bbは
個別に鋳造され,各部を加工された後,複数のボルト1
2(図4参照)により相互に結合される。
排気ポート10をそれぞれ開閉する吸気弁18i及び排
気弁18eがシリンダボア7aの軸線と平行に設けら
れ,また点火栓20が,その電極を燃焼室8aの中心部
に近接させて螺着される。
を開閉駆動する動弁機構22について,図3〜図7によ
り説明する。
前記第1動弁室21aにわたり配設される巻掛式調時伝
動装置22aと,前記第1動弁室21aから第2動弁室
21bにわたり配設されるカム装置22bとで構成され
る。
ク40内のクランク軸13に固設した駆動プーリ23
と,ベルト案内筒86の上部に回転自在に軸支される被
動プーリ24と,これら駆動及び被動プーリ23,24
間に巻き掛けたタイミングベルト25とからなってお
り,被動プーリ24の,隔壁85側の端面には,カム装
置22bの一部をなすカム26が一体に結合されてい
る。駆動及び被動プーリ23,24は歯付きであり,駆
動プーリ23はベルト25を介して被動プーリ24を2
分の1の減速比をもって駆動するようになっている。
ールビード87の内側で起立してヘッドカバー36の内
面に当接もしくは近接する支持壁27が一体に形成され
ており,この支持壁27及び前記隔壁85に,シールビ
ード87より上方で同軸に並び貫通孔28a及び底付き
孔28bがそれぞれ設けられる。そして,これら貫通孔
28a及び底付き孔28bによって支軸29の両端部が
回転自在に支持され,この支軸29の中間部で前記被動
プーリ24及びカム26が回転自在に支承される。支軸
29は,ヘッドカバー36の取り付け前に,貫通孔28
aから,被動プーリ24及びカム26の軸孔35,底付
き孔28bへと挿入されるもので,その挿入後,ヘッド
カバー36をシリンダヘッド8及びベルト案内筒86に
接合すると,ヘッドカバー36の内面が支軸29の外端
に対向して,該軸29の貫通孔28aからの抜け止めを
果たし,また底付き孔28bの底部が該軸29の内方へ
の移動限を規制する。こうして支軸29の内外への軸方
向移動が拘束される。
専用のストッパ部材を設ける必要がなく,また支軸29
の潤滑はヘッドカバー36内で行われ,このヘッドカバ
ー36及びシリンダヘッド8の油密な接合部によってそ
のオイル漏れは阻止されることになるから,支軸29に
特別なシール部材を取り付ける必要もなく,部品点数を
削減し,コストの低減を図ることができる。さらに,シ
ールビード87の内側で起立する支持壁27は,シール
ビード87よりも上方位置の貫通孔28aを持ち,この
支持壁27の外側面に,ヘッドカバー36の内面が当接
もしくは近接するようにヘッドカバー36が形成される
ので,ヘッドカバー36取り付け前での支軸29の着脱
を可能にしながら,ヘッドカバー36のコンパクト化を
図ることができる。
29と平行に突出する一対の軸受ボス30i,30eが
一体に形成されており,カム装置22bは,前記カム2
6と,上記軸受ボス30i,30eにそれぞれ回転自在
に支持される吸気ロッカ軸31i及び排気ロッカ軸31
eと,第1動弁室21aでこれらロッカ軸31i,31
eの一端にそれぞれ固着されてカム26の下面に先端を
摺接させる吸気カムフォロワ22i及び排気カムフォロ
ワ22eと,第2動弁室21bで吸気及び排気ロッカ軸
31i,31eの他端にそれぞれ固着されて先端部を吸
気弁18i及び排気弁18eの上端に当接させる吸気ロ
ッカアーム33i及び排気ロッカアーム33eと,吸気
弁18i及び排気弁18eにそれぞれ装着されて,それ
らを閉弁方向に付勢する吸気ばね34i及び排気ばね3
4eとからなっている。
共に回転する駆動プーリ23がベルト25を介して被動
プーリ24及びカム26を回転すると,そのカム26が
吸気及び排気カムフォロワ32i,32eを適時揺動さ
せ,それらの揺動は,各対応するロッカ軸31i,31
eを介して吸気及び排気ロッカアーム33i,33eに
伝達して,それらを揺動させるので,吸気及び排気ばね
34i,34eとの協働により,吸気及び排気弁18
i,18eを適時開閉することができる。
24及びカム26は支軸29に回転自在に支承され,ま
たその支軸29も第1動弁室21aの両側壁に回転自在
に支承されるので,被動プーリ24及びカム26の回転
中は,摩擦により引きずられて支軸29も回転すること
なり,被動プーリ24及びカム26と支軸29との回転
速度差が減少し,回転摺動部の摩耗の低減を図ることが
できる。したがって,したがって,特別な素材や表面処
理を用いずとも,カム26及び支軸29の耐久性の向上
に寄与し得る。
滑系について説明する。
には,給油口40aから注入された規定量の潤滑用オイ
ルOが貯留される。このオイルタンク40内において,
クランク軸13には,前記駆動プーリ23を挟んで軸方
向に並ぶ一対のオイルスリンガ56a,56bが圧入等
により固着される。これらオイルスリンガ56a,56
bは,互いに正反対の半径方向を向くと共に,互いに先
端を軸方向に離反させるように屈曲しており,クランク
軸13により回転駆動されると,エンジンEの如何なる
運転姿勢でも,両オイルスリンガ56a,56bの少な
くとも一方がオイルタンク40内に貯留オイルOを攪
拌,飛散させ,オイルミストを生成するようになってい
る。このとき,発生したオイル飛沫は,第1動弁室21
aからオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22
aの一部に振り掛かったり,第1動弁室21aに進入し
たりして,調時伝動装置22aを直接潤滑するようにな
っており,これが一つの潤滑系統である。
12に示すように,オイルタンク40の内部とクランク
室6aとの間を連通すべくクランク軸13に設けられた
通孔55と,クランク室6aの下部を第2動弁室21b
の下部に接続すべくエンジン本体1外側に配設されるオ
イル送り導管60と,第2動弁室21bに液化して溜ま
ったオイルを吸い上げるべくシリンダヘッド8に設けら
れるオイル回収室74と,このオイル回収室74を第1
動弁室21aを介してオイルタンク40に連通すべくシ
リンダヘッド8及びオイルタンク40間に形成されるオ
イル戻し通路78と,クランク室6aの下部に設置され
てクランク室6aからオイル送り導管60への一方向の
みオイルミストの流れを許容する一方向弁61とを備え
る。
口端55aは,をエンジンEの如何なる姿勢でも,常
に,オイルタンク40内のオイルOの液面上に露出して
いるように,該タンク40内の中心部もしくはその近傍
に配置される。クランク軸13の固着される駆動プーリ
23と一方のオイルスリンガ56aは,上記開口端55
aを塞がないように,開口端55aを間に置いて配置さ
れる。
ではリード弁から構成され,ピストン15の往復運動に
伴いクランク室6aが負圧になったとき閉弁し,正圧に
なったとき開弁するようになっている。
ケース6の外側面に突設された下部接続管62a(図3
参照)に,また上端部は,シリンダヘッド8の外側面に
突設された上部接続管62b(図4及び図8参照)にそ
れぞれ嵌め込まれて接続される。上部接続管62bの内
部は,一方でシリンダヘッド8の形成された通路面積の
大きい連通路63(図8及び図9参照)を介して第2動
弁室21bの下部に連通し,他方で,オリフィス状のバ
イパス64(図8参照)を介してオイル戻し通路78に
連通する。
ッドカバー36の天井壁には,該カバー36内の上部に
ブリーザ室69を画成する仕切り板65が,該天井壁に
突設された複数の支柱66と,それに係止されるクリッ
プ67とで取り付けられ,そのブリーザ室69は,一方
で仕切り板65に一体に形成された第2動弁室21b側
に突出する流路面積が大きい連通管68と,仕切り板6
5のヘッドカバー36内面との間隙gとを介して第2動
弁室21bと連通され,他方でブリーザパイプ70を介
して前記エアクリーナ4内に連通される。このブリーザ
室69は,混合状態のオイル及びブローバイガスの気液
分離を行うところであり,その気液分離を促進するため
の迷路壁72がヘッドカバー36の天井壁内面に突設さ
れる。
オイル回収室74を画成する平面視でT字形の,一面を
開放した箱状仕切り体79が溶着されており,したがっ
て,オイル回収室74もT字形となる。
字形の横棒の両端部に当たる2箇所にそれぞれ連通する
2本の吸い上げ管75が一体に突設される。これら吸い
上げ管75は,各先端を第2動弁室21bの底面近傍ま
で延ばしており,それらの各先端開口部がオリフィス7
5aとなっている。
室74のT字形の横棒及び縦棒の各先端部に当たる3箇
所にそれぞれ連通する3本の吸い上げ管76が一体に突
設される。これら吸い上げ管76は,各先端をブリーザ
室69の天井面近傍まで延ばしており,それらの先端開
口部がオリフィス76aとなっている。
の窪み部65aをオイル回収室74に連通するオリフィ
ス80が穿設される。
のT字形の縦棒の先端部に当たる部分に連通する1本の
導管81が一体に突設され,この導管81の先端部は,
第2動弁室21bの底面に開口する前記オイル戻し通路
78の入口78aにグロメット82を介して嵌合され
る。こうしてオイル回収室74はオイル戻し通路78と
接続される。上記導管81は,第2動弁室21bの一内
側面に近接して配置され,上記内側面に近接した部分
に,第2動弁室21bを該導管81内に連通するオイル
吸い上げ用のオリフィス81aが穿設される。
プ70を介してエアクリーナ4内に連通しているので,
エンジンEの運転中でもブリーザ室69の圧力は,略大
気圧に保たれ,このブリーザ室69に流路抵抗の小さい
連通管68を介して連通する第2動弁室21bはブリー
ザ室69と略同圧である。
ピストン15の昇降により生ずる圧力脈動の正圧成分の
みを一方向弁61からオイル送り導管60に吐出するこ
とから,クランク室6aは平均的に負圧状態となり,上
記正圧を受ける第2動弁室21bは,流路抵抗の小さい
連通管68を介してブリーザ室69と連通しているか
ら,ブリーザ室69と略同圧となる。クランク室6aの
負圧は,クランク軸13の通孔55を経てオイルタンク
40に伝達し,更にオイル戻し通路78を介してオイル
回収室74に伝達するので,オイル回収室74は,第2
動弁室21bやブリーザ室69よりも低圧,オイルタン
ク40及び第1動弁室21aはオイル回収室74よりも
低圧となる。
ク室6aの圧力をPc,オイルタンク40の圧力をP
o,第1動弁室21aの圧力をPva,第2動弁室21
bの圧力をPvb,オイル回収室74の圧力をPs,ブ
リーザ室69のPbとすると,その大小関係は次式で表
すことができる。
その結果,第2動弁室21b及びブリーザ室69の圧力
は吸い上げ管75,76やオリフィス80を通してオイ
ル回収室74へ,更にオイル戻し通路78を通してオイ
ルタンク40へ,そしてクランク室6aへと移動する。
において,クランク軸13に回転されるオイルスリンガ
56a,56bが潤滑油Oを攪拌,飛散させることによ
りオイルミストが生成される。そのとき発生したオイル
の飛沫は,ベルト案内筒86からオイルタンク40内に
露出した調時伝動装置22aの一部,即ち駆動プーリ2
3及びタイミングベルト25の一部に振り掛かり,ある
いは第1動弁室21aに進入して,調時伝動装置22a
を直接潤滑することは既に述べた通りである。オイルの
飛沫が調時伝動装置22aの一部にでも振り掛かると,
そのオイルは,調時伝動装置22aの作動に伴い,該装
置22a全体のみならず,カム26のも運ばれ,それら
を効果的に潤滑することができる。
トは,前述の圧力の流れに従って,クランク軸13の通
孔55を通してクランク室6aに吸入され,クランク軸
13ピストン15周りを潤滑する。次いでピストン15
の下降によりクランク室6aが正圧になると,一方向弁
61の開弁により上記オイルミストはクランク室6aで
発生したブローバイガスと共にオイル送り導管60及び
連通路63を昇って第2動弁室21bに供給され,該室
21b内のカム装置22bの各部,即ち吸気及び排気ロ
ッカアーム33i,33e等を潤滑する。
ストの一部は,オリフィス状のバイパス64からオイル
戻し通路78へ短絡する。したがって,バイパス64の
流路抵抗を適当に設定することにより,オイルミストの
第2動弁室21bへの供給量を調節することができる。
ローバイガスは,連通管68及び仕切り板65周りの間
隙gを通ってブリーザ室69に移ると,その際の膨張作
用及び迷路壁72との衝突作用により気液分離され,ブ
ローバイガスは,エンジンEの吸気行程時,ブリーザパ
イプ70及びエアクリーナ4を順次経由してエンジンE
に吸入される。
ジンEの正立状態では,仕切り体79上面の窪み部65
aに溜まるか,連通管68や間隙gを流下して第2動弁
室21bの底面に溜まるので,それらの場所に待機する
オリフィス80や吸い上げ管75によってオイル回収室
74へと吸い上げられる。またエンジンEの倒立状態で
は,上記液化オイルはヘッドカバー36の天井面に溜ま
ることになるので,その場所に待機する吸い上げ管76
によってオイル回収室74へと吸い上げられる。
たオイルは,導管81からオイル戻し通路78を通って
オイルタンク40に還流する。この場合,図示例のよう
に,オイル戻し通路78を第2動弁室21bを介してオ
イルタンク40に連通させると,オイル戻し通路78を
出たオイルが調時伝動装置22aに振り掛かり,その潤
滑にも寄与することになり,好都合である。
バー36の天井面と,ヘッドカバー36の内壁に取り付
ける仕切り板65との間に画成され,また前記オイル回
収室74は,上記仕切り板65の上面と,それに溶着さ
れる仕切り体79との間に画成されるので,ヘッドカバ
ー36の天井壁を分割することなく,ヘッドカバー36
にオイル回収室74及びブリーザ69を設けることがで
きる。しかも,これらブリーザ69及びオイル回収室7
4は,共にヘッドカバー36内に存在することから,両
室69,74から多少のオイル漏れがあったとしても,
そのオイルは第2動弁室21bに戻るだけで何等の支障
も生ぜず,両室69,74周りの油密検査は不要とな
り,製作コストの低減を図ることができる。
ッドカバー36への取り付け前に,仕切り板65への溶
着が可能であり,したがって仕切り板65へのオイル回
収室74の形成を簡単に行うことができる。
切り板65及び仕切り体79にそれぞれ一体成形するの
で,オイル吸い上げ管75,76の形成を簡単に行うこ
とができる。
が図13に示すように,倒立状態にされた場合,貯留オ
イルOが該タンク40の天井側,即ち第1動弁室21a
側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40
内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイ
ルOの液面より高い位置を占めるように設定されてお
り,したがって,第2動弁室21bへの貯留オイルOの
流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐこ
とができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイ
ル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによる
オイルミストの生成の継続が可能となる。
に,横倒し状態にされた場合には,貯留オイルOは該タ
ンク40の側面側に移動するが,第1動弁室21aのオ
イルタンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によ
って,貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように
設定されており,したがって,この場合も第2動弁室2
1bへの貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置2
2aの過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタン
ク40内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリン
ガ56a,56bによるオイルミストの生成の継続が可
能となる。
ンEの上記横倒し時,調時伝動装置22aのタイミング
ベルト25の上側部分25aが駆動側から被動側へ移動
する場合に,タイミングベルト25の駆動側上面に対向
する油滴誘導壁90(図5及び図14参照)が一体に突
設される。
イミングベルト25の上側部分25aが駆動側から被動
側へ略水平に移動する場合には,オイルタンク40内の
貯留オイルOがタイミングベルト25の下方に来ていて
も,オイルスリンガ56a,56bの回転により生成さ
れたオイル飛沫の一部が油滴誘導壁90に付着し,その
オイルが油滴O′となって前記タイミングベルト25の
駆動側上部に落下するので,その油滴O′は,遠心力の
影響を殆ど受けることなく,タイミングベルト25の上
側部分25aに乗って被動プーリ24側まで運ばれる間
に上側部分25aの裏側に回り,被動プーリ24をも確
実に潤滑することができる。
いとしたならば,オイルスリンガ56a,56bによっ
て生成されるオイル飛沫の多くは,タイミングベルト2
5の下側部分に付着するが,その油滴は,タイミングベ
ルト25の下側部分が駆動プーリ23の回転により上側
まで駆動される間に,遠心力の作用により,タイミング
ベルト25から引き離されてしまい,タイミングベルト
25の被動側までは達し難いことになる。
イルタンク40内の飛散オイルでオイルタンク40及び
第1動弁室21a内の調時伝動装置22aとカム装置2
2bの一部を潤滑する系統と,第2動弁室21bに移送
されたオイルミストにより第2動弁室21b内のカム装
置22bの残りの部分を潤滑する系統との2系統に分け
られるので,各潤滑系統の負担が軽減することになっ
て,動弁機構22全体を万遍なく潤滑することができ
る。しかもオイルの飛沫やオイルミストの使用により,
エンジンの如何なる運転姿勢においても,エンジンの各
部を確実に潤滑することができる。
オイルを,クランク室6aの圧力脈動と,一方向弁61
の一方向移送機能を利用して循環させるようにしたの
で,オイルミストの循環のための専用のオイルポンプは
不要であり,構造の簡素化を図ることができる。
ク室6a及び第2動弁室21b間を結ぶオイル送り導管
60は,エンジン本体1外側に配設されるので,エンジ
ン本体1の薄肉化及びコンパクト化を何ら妨げず,エン
ジンEの軽量化に大いに寄与することができる。特に,
外部配置のオイル送り導管60は,エンジン本体1から
熱影響を受け難く,しかも放熱し易いので,これを通る
オイルミストの冷却を促進することができる。
一外側に配設されるので,エンジンEの全高の大幅低下
をもたらすことができ,しかも調時伝動装置22aの一
部がオイルタンク40に収められるので,エンジンEの
横幅の増加を極力抑えることができて,コンパクト化を
図ることができる。
はなく,その要旨の範囲を逸脱することなく種々の設計
変更が可能である。例えば,上記実施例では,調時伝動
装置22aにベルト式を採用したが,チェーン式を採用
することもできる。
軸の回転に連動して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する動
弁機構の巻掛式調時伝動装置の駆動側をオイルタンク内
に臨ませ,そのオイルタンクには,その内部の貯留オイ
ルを飛散させて,前記調時伝動装置の潤滑のためのオイ
ル飛沫を生成するオイル飛沫生成手段を配設した,エン
ジンにおける調時伝動装置の潤滑装置において,エンジ
ンの横倒し時,付着したオイル飛沫を前記調時伝動装置
のオイルタンクに臨む部分に誘導,滴下する油滴誘導壁
をオイルタンクの内壁に突設したので,エンジンを横倒
し状態で運転する場合には,油滴誘導壁に付着したオイ
ル飛沫が油滴となって,調時伝動装置の駆動側で巻掛部
材上に落下することになり,したがって,特に,巻掛部
材の上側部分が駆動側から被動側に移動するとき,上記
油滴を,遠心力の影響を殆ど受けることなく,巻掛部材
によって被動側へ運び,被動側を確実に潤滑することが
できる。
斜視図。
面図)。
応図。
応図。
ンガ) 90・・・・・油滴誘導壁
Claims (1)
- 【請求項1】 クランク軸(13)の回転に連動して吸
気弁(18i)及び排気弁(18e)を開閉駆動する動
弁機構(22)の巻掛式調時伝動装置(22a)の駆動
側をオイルタンク(40)内に臨ませ,そのオイルタン
ク(40)には,その内部の貯留オイル(O)を飛散さ
せて,前記調時伝動装置(22a)の潤滑のためのオイ
ル飛沫を生成するオイル飛沫生成手段(56a,56
b)を配設した,エンジンにおける調時伝動装置の潤滑
装置において,エンジン(E)の横倒し時,付着したオ
イル飛沫を前記調時伝動装置(22a)のオイルタンク
(40)に臨む部分に誘導,滴下する油滴誘導壁(9
0)をオイルタンク(40)の内壁に突設したことを特
徴とする,エンジンにおける調時伝動装置の潤滑装置。
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