JP2002137643A - 燃料タンク用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料蒸発ガスの漏れ出しを減少させるように
したコネクタの提供 【解決手段】 少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタンク
Ｂ’外面部を合成樹脂製とした燃料タンクＢの開口部Ｂ
ｃに備え付けられて、該燃料タンクＢと該燃料タンクＢ
に接続される管Ｃとを連通状態に接続するコネクタＡで
あって、該コネクタＡが、筒状部１１と、該筒状部１１
の外周側に備えられる前記開口Ｂａよりも大きい面を有
する鍔状部１２とを備えたガスバリヤ性合成樹脂製のガ
スバリヤ体部１０と、このガスバリヤ体部１０における
少なくとも前記タンクＢ’外面に向き合う該鍔状部１２
の先端側を覆うように該ガスバリヤ体部１０に一体に備
えられている合成樹脂製の外殻体部２０とを備えてお
り、該コネクタＡが、前記開口Ｂａを塞ぐように、前記
鍔状部１２に備えられている外殻体部２０を前記開口周
縁Ｂｂ側方の前記タンクＢ’外面部に溶着して備え付け
られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、燃料タンク用コ
ネクタ、特に、燃料タンク内からの燃料蒸発ガスの漏れ
出しを効果的に減少させるようにしたコネクタの提供に
関する。

【０００２】

【従来の技術】燃料タンク１００には、通例、燃料の供
給管や、燃料から生ずるガスを案内する管１０１などが
該タンク１００に接続して備えられている。かかる各種
の管１０１は、図１３及び図１４で示されるように当該
燃料タンク１００に備えられるコネクタ１１０によって
接続されている。

【０００３】この図１３及び図１４で示されるコネクタ
１１０は、管１０１の接続される管状部１１１と、この
管状部１１１における一端部側の外周部から側方に突き
出すように備えられていると共に該タンク１００におけ
る開口１００ａ上を覆うように該タンク１００面に溶着
される鍔状部１１２と、前記管状部１１１と反対側の該
鍔状部１１２に備えられているフューエルカットオフバ
ルブ１１３とを有する構成としてあり、前記管状部１１
１と鍔状部１１２とが高密度ポリエチレンによって一体
に成形してある。

【０００４】また、この図示例に係るコネクタ１１０に
おける前記フューエルカットオフバルブ１１３は、前記
管状部１１１における孔に連通する孔の開口部分に弁座
１１３ａ’を備えた弁座体１１３ａを有する下面開口の
ポリアセタールからなる筒状をなすフロート室構成箱状
部１１３ｂと、上部に弁体部１１３ｅを一体に備えると
共に該箱状部１１３ｂ内に上下動可能に納め入れられる
フロート１１３ｃと、該箱状部１１３ｂの下面側の開口
を塞いで、該箱状部１１３ｂと共に、該フロート１１３
ｃを組み入れるフロート室を構成する蓋体１１３ｄとを
備えた構成としてあり、前記フロート１１３ｃの上昇に
伴って、前記弁座１１３ａ’に前記フロート１１３ｃの
前記弁体部１１３ｅが密に接して閉弁される構成として
ある。

【０００５】かかるコネクタ１１０は、前記フューエル
カットオフバルブ１１３における箱状部１１３ｂを成形
金型内にインサートした状態でなされるプラスチック成
形などによって、該箱状部１１３ｂの上部側を前記鍔状
部１１２内に埋め付け状態にして該箱状部１１３ｂを該
鍔状部１１２に一体に備えた構成としてあると共に、こ
の箱状部１１３ｂの備えられている前記鍔状部１１２の
外周部分を、前記タンク１００の開口１００ａから該箱
状部１１３ｂを該タンク１００内に差入れた状態で、該
タンク１００の開口縁周側方にある当該タンク１００面
部に溶着した構成としてある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように構成される
コネクタ１１０にあっては、前記コネクタ１１０を構成
する鍔状部１１２と管状部１１１とが高密度ポリエチレ
ンによって構成されていることから、前記タンク１００
の開口１００ａの開口縁と、このタンク１００に溶着備
えられたコネクタ１１０における前記箱状部１１３ｂと
の間に備えられる当該コネクタ１１０における鍔状部１
１２部分を通して、該タンク１００内などにおいて生ず
る燃料からの蒸発ガスが、規制値以内ではあるが、該タ
ンク１００外に漏れ出すことが予想された。

【０００７】また、かかるコネクタ１１０にあっては、
前記箱状部１１３ｂと該箱状部１１３ｂに一体に備えら
れる鍔状部１１２の各成形合成樹脂の接合面間に、前記
タンク１００内などにおいて生ずる燃料からの蒸発ガス
が侵入し、この接合面間に侵入した前記蒸発ガスが、規
制値内ではあるが、該コネクタ１１０における前記鍔状
部１１２や管状部１１１から外方に漏れ出すことが予想
された。

【０００８】この発明は、かかる従来のコネクタにおい
て予想される燃料タンクからの燃料蒸発ガスの漏れ出し
を効果的に減少させるようにした成形容易なコネクタの
提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は前記の目的を
達成するために、請求項１記載の発明を、少なくとも開
口周縁側方のタンク外面部を合成樹脂製とした燃料タン
クの開口部に備え付けられて該燃料タンクと該燃料タン
クに接続される管とを連通状態に接続するコネクタであ
って、該コネクタが、筒状部と、該筒状部の外周側に備
えられる前記開口よりも大きい面を有する鍔状部とを備
えたガスバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体部と、この
ガスバリヤ体部における少なくとも前記タンク外面に向
き合う該鍔状部の先端側を覆うように該ガスバリヤ体部
に一体に備えられている合成樹脂製の外殻体部とを備え
ており、該コネクタが、前記開口を塞ぐように、前記鍔
状部に備えられている外殻体部を前記開口周縁側方の前
記タンク外面部に溶着して備えられることを特徴とする
燃料タンク用コネクタとしてある。

【００１０】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記タンク内にもたらされる燃料からの
蒸発ガスが、当該コネクタ部分から漏れ出すのを効果的
に減じることができる。また、このように構成される燃
料タンク用コネクタにあっては、このコネクタを容易に
成形、提供することができ、また、容易に、燃料タンク
に備え付けることができる。

【００１１】次いで、前記目的を達成するために、請求
項２に記載の発明を、前記請求項１に記載の発明におい
て、前記鍔状部の先端側に、前記タンク外面部に向けて
突き出す環状突出し部が備えられていることを特徴とす
る燃料タンク用コネクタとしてある。

【００１２】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、前記蒸発ガスの、当
該燃料タンクからの漏れ出しを効果的に減少させた状態
での、当該コネクタの燃料タンクに対する取付けにおけ
る設計の自由度を増すことができる。

【００１３】また、前記目的を達成するために、請求項
３に記載の発明を、前記請求項１に記載の発明におい
て、前記鍔状部に、前記開口周縁に沿うように備えられ
ている前記タンク外面部の環状凹溝内に納め入れられる
シール材の環状凹溝に差し入れられる環状突出し部が備
えられていることを特徴とする燃料タンク用コネクタと
してある。

【００１４】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料タンクにおける
開口を前記ガスバリヤ体部で完全に塞ぐように、当該コ
ネクタを燃料タンクに溶着することができる。

【００１５】また、前記目的を達成するために、請求項
４に記載の発明を、前記請求項１に記載の発明におい
て、前記鍔状部に、前記タンク外面部に向けて突き出す
環状突出し部が備えられていると共に、前記鍔状部に備
えられている外殻体部を前記開口周縁側方の前記タンク
外面部に溶着して前記コネクタを前記燃料タンクに備え
付けた際に、該タンク外面部に接触するシール材を前記
環状突出し部に備え付けてあることを特徴とする燃料タ
ンク用コネクタとしてある。

【００１６】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料タンクにおける
開口を前記ガスバリヤ体部とシール材とによって完全に
塞ぐように、当該コネクタを燃料タンクに溶着すること
ができる。

【００１７】また、前記目的を達成するために、請求項
５に記載の発明を、前記請求項１、請求項２、請求項３
又は請求項４に記載の発明において、前記コネクタが、
燃料供給管の接続用コネクタであることを特徴とする燃
料タンク用コネクタとしてある。

【００１８】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発
ガスの漏洩を効果的に減じた状態で、燃料供給管を燃料
タンクに接続することができる。

【００１９】また、前記目的を達成するために、請求項
６に記載の発明を、前記請求項１、請求項２、請求項３
又は請求項４に記載の発明において、前記コネクタが、
通気管の接続用コネクタであることを特徴とする燃料タ
ンク用コネクタとしてある。

【００２０】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発
ガスの漏洩を効果的に減じた状態で、通気管を燃料タン
クに接続することができる。

【００２１】また、前記目的を達成するために、請求項
７に記載の発明を、前記請求項１、請求項２、請求項
３、請求項４又は請求項６に記載の発明において、前記
コネクタがフューエルカットオフバルブを備えているこ
とを特徴とする燃料タンク用コネクタとしてある。

【００２２】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発
ガスの漏洩を効果的に減じた状態で、管と燃料タンクと
をフューエルカットオフバルブを備えたコネクタで接続
することができる。

【００２３】また、前記目的を達成するために、請求項
８に記載の発明を、前記請求項１、請求項２、請求項
３、請求項４、請求項５、請求項６又は請求項７に記載
の発明において、前記ガスバリヤ体部がポリアセタール
製とされており、且つ、前記外殻体部がポリエチレン製
とされていることを特徴とする燃料タンク用コネクタと
してある。

【００２４】このように構成される燃料タンク用コネク
タは、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発ガスの漏
洩を効果的に減ずることができ、しかも、燃料タンクに
都合良く溶着して用いることができる。

【００２５】また、前記目的を達成するために、請求項
９に記載の発明を、前記請求項１、請求項２、請求項
３、請求項５、請求項６、請求項７又は請求項８に記載
の発明において、前記ガスバリヤ体部が、下方に向けて
突き出すようにフロート室を構成する筒体部を一体に備
えていると共に、前記筒状部のタンク側にある開口部に
凹部を有しており、少なくとも前記鍔状部の先端側から
前記筒体部を経て該凹部に到る面と該面に続く該凹部の
一部内面とが前記外殻体部で覆われていると共に、該凹
部内の外殻体部との間にシール材を介して該外殻体部と
前記凹部とにより構成される凹部内に前記弁座体が備え
付けられていることを特徴とする燃料タンク用コネクタ
としてある。

【００２６】このように構成される燃料タンク用コネク
タにあっては、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発
ガスが、前記ガスバリヤ体部と外殻体部との境界面から
該外殻体部内に対して侵入するのを効果的に防ぐことが
できる。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の典型的な各実施
に形態に係る燃料タンク用コネクタＡについて詳細に説
明する。

【００２８】図１〜図３は、典型的な第１の実施の形態
に係るコネクタＡを示したものであって、図１では、こ
の実施の形態に係るコネクタＡを燃料タンクＢに備え付
ける前の状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断面
して示しており、図２では、このコネクタＡを燃料タン
クＢに備え付けるために当該燃料タンクＢの面にコネク
タＡを添装した状態を上方から見て示している。また、
図３では、このコネクタＡを燃料タンクＢに備え付けた
状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断面して示し
ている。

【００２９】図４〜図６は、典型的な第２の実施の形態
に係るコネクタＡを示したものであって、図４では、こ
の実施の形態に係るコネクタＡを燃料タンクＢに備え付
ける前の状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断面
して示しており、図５では、このコネクタＡを燃料タン
クＢに備え付けるために当該燃料タンクＢの面にコネク
タＡを添装した状態を上方から見て示している。また、
図６では、このコネクタＡを燃料タンクＢに備え付けた
状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断面して示し
ている。

【００３０】図７〜図１２は、典型的な第３の実施の形
態に係るコネクタＡを示したものであって、図７では、
この実施の形態に係るコネクタＡを燃料タンクＢに備え
付ける前の状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断
面して示しており、図８では、このコネクタＡを燃料タ
ンクＢに備え付けるために当該燃料タンクＢの面にコネ
クタＡを添装した状態を上方から見て示している。ま
た、図９では、このコネクタＡを燃料タンクＢに備え付
けた状態を、当該燃料タンクＢの一部と共に縦断面して
示している。また、図１０では、当該コネクタＡに備え
付けられる環状シール材６１を縦方向で断面して、図１
１では、その要部を拡大して、更に、図１２では、該環
状シール材６１を上方から見て示している。

【００３１】この典型的な一実施の形態に係るコネクタ
Ａは、少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタンクＢ’外面部
を合成樹脂製とした燃料タンクＢの開口部Ｂｃに備え付
けられて、該燃料タンクＢと該燃料タンクＢに接続され
る管Ｃとを連通状態に接続するコネクタＡであって、該
コネクタＡが、筒状部１１と、該筒状部１１の外周側に
備えられる前記開口Ｂａよりも大きい面を有する鍔状部
１２とを備えたガスバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体
部１０と、このガスバリヤ体部１０における少なくとも
前記タンクＢ’外面に向き合う該鍔状部１２の先端側を
覆うように該ガスバリヤ体部１０に一体に備えられてい
る合成樹脂製の外殻体部２０とを備えており、該コネク
タＡが、前記開口Ｂａを塞ぐように、前記鍔状部１２に
備えられている外殻体部２０を前記開口周縁Ｂｂ側方の
前記タンクＢ’外面部に溶着して備え付けられる構成と
してあり、このコネクタＡによって、前記燃料タンクＢ
内にもたらされる燃料からの蒸発ガスが、当該コネクタ
Ａ部分から漏れ出すのを効果的に減じることができると
共に、当該コネクタＡを、容易に成形、提供でき、しか
も、当該コネクタＡを、容易に燃料タンクＢに備え付け
得る構成としてある。

【００３２】かかるコネクタＡは、典型的には、耐燃料
油性などの当該燃料タンク用コネクタＡに要請される各
種の特性を備えたものとして構成され、前記燃料タンク
Ｂに備えられている各種の開口Ｂａの開口部Ｂ’に備え
られて、この燃料タンクＢに接続備えられる各種の管
Ｃ、例えば、各種の通気管や、燃料供給管などの当該燃
料タンクＢに対する接続に用いられる。また、かかるコ
ネクタＡは、このコネクタＡに各種の弁機構、例えば、
フューエルカットオフバルブ３などを備え、又は、これ
らの弁機構を備えない状態で、前記燃料タンクＢに各種
の管Ｃを接続するのに用いられる。

【００３３】また、かかるコネクタＡを構成するガスバ
リヤ体部１０は、当該コネクタＡの構成に適し、且つ、
燃料から生じて前記燃料タンクＢ内にもたらされる各種
の蒸発ガスの透過し難い素材であれば、いかなる種類の
合成樹脂によって構成してあってもよく、各種のガスバ
リヤ性合成樹脂によって成形することができる。

【００３４】かかるガスバリヤ体部１０を構成するガス
バリヤ性合成樹脂は、板厚が０．９７ｍｍの当該ガスバ
リヤ性合成樹脂製の試料を、レギュラーガソリン（ＪＩ
Ｓ Ｋ２２０２ ２号相当品）４．６ｇを入れた直径３
８ｍｍのアルミカップの開口を密閉するように該カップ
上に載置固定すると共に、６０℃の試験温度において４
８時間経過後の減少重量測定によって、１１．３４１ｃ
ｍ² の透過面積の４８時間の透過量を気相法で測定する
ガソリン透過性試験（ＪＩＳＺ ０２０８−７６に準ず
るガソリン透過性試験）において、その透過量が１５６
ｍｇよりも少ない透過量のガスバリヤ性合成樹脂である
ことが好ましい。

【００３５】また、このガスバリヤ体部１０は、筒状部
１１と、該筒状部１１の外周側に備えられる前記開口Ｂ
ａよりも大きい面を有する鍔状部１２とを備えて構成さ
れており、更に、必要に応じて、当該ガスバリヤ体部１
０を備えて構成されるコネクタＡに必要とされる他の任
意の構成を備えたものとして構成される。

【００３６】かかるガスバリヤ体部１０に一体に備えら
れる外殻体部２０は、このガスバリヤ体部１０における
少なくとも前記タンクＢ’外面に向き合う該鍔状部１２
の先端側を覆うようにガスバリヤ体部１０に備えられて
おれば、更に、他のガスバリヤ体部１０部分を覆うよう
に備えられていてもよく、例えば、前記ガスバリヤ体部
１０の筒状部１１や、この該筒状部１１の外周側に備え
られている鍔状部１２の外面の全部又は一部を、当該外
殻体部２０によって覆った構成としてあってもよく、ま
た、この筒状部１１や、この筒状部１１の外周側に備え
られている鍔状部１２と共に備えられる各種構成体、例
えば、フューエルカットオフバルブ３などの構成体を備
えて構成されるガスバリヤ体部１０における外面の全部
又は一部を、当該外殻体部２０によって覆った構成とし
てあってもよい。

【００３７】また、この外殻体部２０は、この外殻体部
２０部分において、前記燃料タンクＢに溶着し得る合成
樹脂によって構成してあれば、いかなる合成樹脂によっ
て形成してあってもよく、また、複数の合成樹脂製外殻
体部２０を備えたものとして構成してあってもよく、ま
た、各種合成樹脂製層を多層状態に備えた外殻体部２０
としてあってもよい。

【００３８】また、かかるガスバリヤ体部１０に備えら
れる外殻体部２０は、このガスバリヤ体部１０における
少なくとも前記タンクＢ’外面に向き合う該鍔状部１２
の先端側を覆うように該ガスバリヤ体部１０に一体に備
えられておれば、いかなる態様で備えられていてもよ
く、例えば、当該ガスバリヤ体部１０を成形型内にイン
サートすると共に、該ガスバリヤ体部１０の表面部の必
要部分を覆うように、当該外殻体部２０を設けるように
形成してもよい。

【００３９】また、かかるコネクタＡの備え付けられる
燃料タンクＢは、少なくとも、その開口周縁Ｂｂ側方の
タンクＢ’外面部を、前記外殻体部２０に溶着可能な合
成樹脂製の燃料タンクＢとしてあれば、いかなる構成の
燃料タンクＢであってもよく、例えば、全体が合成樹脂
製の燃料タンクＢや、前記開口周縁Ｂｂ側方のタンク
Ｂ’外面部を前記外殻体部２０に溶着可能な合成樹脂製
として、他の部分を他の合成樹脂や金属や、更に他の適
宜の素材によって構成した燃料タンクＢとすることがで
きる。

【００４０】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
前記鍔状部１２の先端側に、前記タンクＢ’外面部に向
けて突き出す環状突出し部１２ａを備えた構成とするこ
とによって、前記特長に併せて、前記蒸発ガスの、当該
燃料タンクＢからの漏れ出しを効果的に減少させた状態
での、当該コネクタＡの燃料タンクＢに対する取付けに
おける設計の自由度を増すことができる。

【００４１】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
前記鍔状部１２における比較的先端部側に、前記開口周
縁Ｂｂに沿うように備えられている前記タンクＢ’外面
部の環状凹溝Ｂｄ内に納め入れられるシール材６０の環
状凹溝６０ａに差し入れられる環状突出し部１２ｂを備
えた構成とすることによって、前記特長に併せて、燃料
タンクＢにおける開口Ｂａを前記ガスバリヤ体部１０で
完全に塞ぐように、当該コネクタＡを燃料タンクＢに溶
着することができる。

【００４２】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
前記鍔状部１２に、前記タンクＢ’外面部に向けて突き
出す環状突出し部１２ｄが備えられていると共に、前記
鍔状部１２に備えられている外殻体部２０を前記開口周
縁Ｂｂ側方の前記タンクＢ’外面部に溶着して、前記コ
ネクタＡを前記燃料タンクＢに備え付けた際に、該タン
クＢ’外面部に接触するシール材６１を前記環状突出し
部１２ｄに備え付けた構成とすることによって、前記特
長に併せて、燃料タンクＢにおける開口Ｂａを前記ガス
バリヤ体部１０とシール材６１とによって完全に塞ぐよ
うに、当該コネクタＡを燃料タンクＢに溶着することが
できる。

【００４３】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
該コネクタＡを、燃料供給管の接続用コネクタとするこ
とによって、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発ガ
スの漏洩を効果的に減じた状態で、燃料供給管を燃料タ
ンクＢに接続することができる。

【００４４】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
該コネクタＡを、通気管の接続用コネクタとすることに
よって、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発ガスの
漏洩を効果的に減じた状態で、通気管を燃料タンクＢに
接続することができる。

【００４５】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
該コネクタＡにフューエルカットオフバルブ３を備えた
構成とすることによって、前記特長に併せて、燃料から
生ずる蒸発ガスの漏洩を効果的に減じた状態で、管Ｃと
燃料タンクＢとをフューエルカットオフバルブ３を介し
て接続することができる。

【００４６】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
前記ガスバリヤ体部１０をポリアセタール製とし、且
つ、前記外殻体部２０をポリエチレン製として構成する
ことによって、前記特長に併せて、燃料から生ずる蒸発
ガスの漏洩を効果的に減少でき、しかも、燃料タンクＢ
に都合良く溶着して用いることができる。

【００４７】また、かかる構成からなるコネクタＡは、
前記ガスバリヤ体部１０が、下方に向けて突き出すよう
にフロート室を構成する筒体部１３を一体に備えている
と共に、前記筒状部１１のタンクＢ’側にある開口部１
１ｃに凹部１５を有しており、少なくとも前記鍔状部１
２の先端側から前記筒体部１３を経て該凹部１５に到る
面と該面に続く該凹部１５の一部内面とが前記外殻体部
２０で覆われていると共に、該凹部１５内の外殻体部２
０との間にシール材３１を介して、この外殻体部２０と
前記凹部１５とにより構成される凹部６内に前記弁座体
３０が備え付けられている構成とすることによって、前
記特長に併せて、前記ガスバリヤ体部１０と外殻体部２
０との境界面から該外殻体部２０内に、前記燃料から生
ずる蒸発ガスが侵入するのを効果的に防ぐことができ
る。

【００４８】（１） 第１の実施の形態に係る燃料タン
ク用コネクタＡ 先ず、図１〜図３で示される第１の実施の形態に係る燃
料タンク用コネクタＡについて具体的に説明する。この
図示例に係るコネクタＡは、燃料タンクＢに各種の管Ｃ
を接続する手段として構成されており、特に、典型的な
フューエルカットオフバルブ３を備えたコネクタＡとし
て示されている。

【００４９】この図示例に係るコネクタＡは、基本的に
は、少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタンクＢ’外面部を
合成樹脂製とした燃料タンクＢの開口部Ｂｃに備え付け
られて、該燃料タンクＢと該燃料タンクＢに接続される
管Ｃとを連通状態に接続するコネクタＡであって、該コ
ネクタＡが、筒状部１１と、該筒状部１１の外周側に備
えられる前記開口Ｂａよりも大きい面を有する鍔状部１
２とを備えたガスバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体部
１０と、このガスバリヤ体部１０における少なくとも前
記タンクＢ’外面に向き合う該鍔状部１２の先端側を覆
うように該ガスバリヤ体部１０に一体に備えられている
合成樹脂製の外殻体部２０とを備えており、該コネクタ
Ａが、前記開口Ｂａを塞ぐように、前記鍔状部１２に備
えられている外殻体部２０を前記開口周縁Ｂｂ側方の前
記タンクＢ’外面部に溶着して備え付けられる構成とし
てあって、このコネクタＡによって、前記燃料タンクＢ
内にもたらされる燃料からの蒸発ガスが、当該コネクタ
Ａ部分から漏れ出すのを効果的に減じることができると
共に、当該コネクタＡを、容易に成形、提供でき、しか
も、当該コネクタＡを、容易に燃料タンクＢに備え付け
得る構成としてある。

【００５０】この図示例に係るコネクタＡは、かかる燃
料タンクＢに各種の管Ｃを接続する手段として用いられ
るものであって、この図示例にあっては、その典型例と
して、フューエルカットオフバルブ３を備えて燃料タン
クＢの上部側に備え付けられるコネクタＡを示してお
り、燃料から蒸発されるガスなどをキャニスタなどに移
送案内すると共に、燃料タンクＢ内にある燃料液面の変
動に際して、当該燃料の流出を防止するようにしてあ
る。

【００５１】この図示例に係るコネクタＡの備えられる
燃料タンクＢは、少なくとも当該コネクタＡにおける外
殻体部２０の溶着されるタンクＢ’部分、即ち、当該燃
料タンクＢにおける少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタン
クＢ’外面部を、この外殻体部２０に溶着可能な合成樹
脂製とされた構成としてあり、しかも、ガスバリヤ層、
即ち、前記燃料からの蒸発ガスの透過し難い層を備えた
ものとして構成してある。

【００５２】この図示例に係るコネクタＡは、孔１ｅを
備えた筒状部１と、該筒状部１の外周側に備えられ、且
つ、前記開口Ｂａよりも大きい面を有する鍔状部２と、
典型的なフューエルカットオフバルブ３とを備えた構成
としてあり、この図示例にあっては、燃料タンクＢの上
部側に備えられている開口Ｂａから、タンクＢ’内に前
記フューエルカットオフバルブ３におけるフロート室を
構成する筒体部５側を差し入れた状態で、前記鍔状部２
を、開口周縁Ｂｂ側方のタンクＢ’外面部の合成樹脂製
部分に溶着して、該燃料タンクＢと該燃料タンクＢに接
続される管Ｃとを前記孔１ｅで連通状態に接続させるコ
ネクタＡとしてある。なお、この図示例に係る開口Ｂａ
は円形の開口Ｂａとしてあると共に、前記鍔状部２が円
板状の構成としてあり、この鍔状部２が前記開口Ｂａの
直形よりも大きい直径に構成してある。

【００５３】この図示例に係るコネクタＡは、更に、具
体的には、一旦上方に向けて突き出すように備えられた
縦向き筒状部１ａと、この縦向き筒状部１ａの上部側
に、該縦向き筒状部１ａから直角に屈曲して連設されて
いる横向き筒状部１ｂとを備えた孔１ｅを有する筒状部
１と、この筒状部１における前記縦向き筒状部１ａの下
部側の外周側から側方に張り出すように備えられた円板
状をなす鍔状部２とを有すると共に、これにフューエル
カットオフバルブ３を備えた構成、即ち、この鍔状部２
の下面側、即ち、前記筒状部１の備えられている側と反
対の側に、該鍔状部２から隆起するように備えられてい
る盤状部４と、この盤状部４の周縁部から下方に向けて
突き出すように備えられている円筒状のフロート室を構
成する筒体部５と、この筒体部５の下端縁に備えられて
いる掛止突部５ａを掛止孔５０ｃに掛止して備え付けら
れる蓋体５０と、前記盤状部４における前記筒状部１の
開口部に備えられて該筒状部１の一端側を構成する凹部
６内に備え付けられる弁座体３０と、この弁座３０ｂを
有する弁座体３０を備えて、盤状部４及び筒体部５並び
に蓋体５０によって構成されるフロート室内に、該フロ
ート室内に流入する液体の液面レベルの変化に対応して
上下方向に移動自在に納め入れられるフロート４０とを
有し、このフロート４０の上部側に一体に備えられてい
る弁体部４０ａを、該フロート４０の燃料液面の変動に
伴う上方移動に伴って、前記弁座体３０における弁座３
０ｂに密着して、前記筒状部１の孔１ｅを塞ぎ状態とす
る構成としてある。

【００５４】また、前記弁座体３０の備え付けられる凹
部６は、前記筒状部１における孔１ｅの開口部にあっ
て、この筒状部１の孔１ｅの一端部側を構成するように
該孔１ｅに連続して備えられる凹段状孔部６ｃと、前記
盤状部４の下部側に備えられる拡径凹段状孔部６ａと、
この拡径凹段状孔部６ａと前記凹段状孔部６ｃ間に備え
られて該拡径凹段状孔部６ａの側で大きい円錐状孔部６
ｂとを備えた構成としてある。

【００５５】かかるコネクタＡに備えられるガスバリヤ
体部１０は、燃料タンクＢ内にもたらされるガス、典型
的には、燃料から蒸発されるガスの透過し難い合成樹脂
としての各種のガスバリヤ性合成樹脂、例えば、ポリア
セタールによって構成してあり、この図示例にあって
は、筒状部１１と、この筒状部１１の一端側の外周部か
ら側方に張出すように備えられている鍔状部１２と、こ
の鍔状部１２の下面側に備えられてフューエルカットオ
フバルブ３を構成する盤状部１２と、この盤状部１２の
周縁部から下方に向けて突設されているフロート室を構
成する筒体部１３とを一体に備えた構成としてある。

【００５６】この筒状部１１は、前記孔１ｅを構成する
孔１１ｅを備えて、エルボ状をなすように縦向き筒状部
１１ａと該縦向き筒状部１１ａに直角に連続されている
横向き筒状部１１ｂとを備えた構成としてあり、この縦
向き筒状部１１ａの下端側の外周部から側方に突き出す
ように前記鍔状部１２が備えられた構成としてある。

【００５７】この縦向き筒状部１１ａの外周部に備えら
れる鍔状部１２は、前記燃料タンクＢにおける開口Ｂａ
よりも大きい面を備えた構成、即ち、この筒状部１１に
備えられる鍔状部１２を、この筒状部１１の外周部か
ら、前記燃料タンクＢにおける開口周縁Ｂｂの側方部に
向けて延びるように備えられた構成としてあり、更に、
具体的には、該鍔状部１２が円形板状としてあり、この
鍔状部１２が前記円形状に構成されている開口Ｂａの直
径よりも大きい直径を備えたものとして構成してある。

【００５８】かかる構成の鍔状部１２における前記タン
クＢ’の外面に向き合う側、即ち、前記筒状部１１の突
き出し側と反対の側にある該鍔状部１２の外周縁部から
下方、即ち、タンクＢ’の側に向けて屈曲状に、環状突
出し部１２ａを突き出し状に備えた構成としてある。

【００５９】かかる構成の鍔状部１２は、その周側部を
除く下面部分に盤状部１４を一体に備えた構成としてあ
る。この盤状部１４は、前記フューエルカットオフバル
ブ３のフロート室の一部を構成するものであって、その
厚さ内に、外部に連通して、成形樹脂の流入される空洞
部１４ａを有していると共に、その外周縁部から下方に
向けて突き出すように、該盤状部１４に一体に筒体部１
３を備えた構成としてある、

【００６０】また、この盤状部１４のほぼ中央部には、
前記筒状部１１の筒状孔１１ｅに連続して該孔１１ｅの
一側部を構成するように、当該筒状部１１の開口部１１
ｃを構成する凹部１５が設けてある。この凹部１５は、
前記筒状部１１の筒状孔１１ｅの開口部１１ｃに、この
筒状孔１１ｅよりも大きい孔径のものとして構成してあ
り、この図示例にあっては、前記盤状部１４の下部側
に、上方に凹むように備えられている拡径凹段状孔部１
５ａと、この拡径凹段状孔部１５ａの上部側から前記筒
状部１１側に向けて備えられる円錐状孔部１５ｂと、こ
の円錐状孔部１５ｂから、該筒状部１１の開口部１１ｃ
に至るように備えられる凹段状孔部１５ｃとを備えた構
成としてある。

【００６１】なお、前記ガスバリヤ体部１０を構成する
筒体部１３は、前記盤状部１４から下方に向けて突き出
すように一体に備えられていると共に、その外周壁部に
複数の孔１３ａを備え、フューエルカットオフバルブ３
のフロート室の一部を形成する構成としてある。

【００６２】このように構成されるガスバリヤ体部１０
は、その外周面、特に、前記拡径凹段状孔部１５ａの内
周面１５ａ’と、この拡径凹段状孔部１５ａから前記盤
状部１４及び筒体部１３並びに鍔状部１２を経て前記筒
状部１１の開口端１１ｄに到る当該ガスバリヤ体部１０
における外周面を外殻体部２０によって覆った構成とし
てある。

【００６３】このガスバリヤ体部１０に備えられる外殻
体部２０は、前記拡径凹段状孔部１５ａの内周面１５
ａ’と、この拡径凹段状孔部１５ａから前記盤状部１４
及び筒体部１３並びに鍔状部１２を経て前記筒状部１１
の開口端１１ｄに到る当該ガスバリヤ体部１０における
外周面を覆う被覆部２１と、前記盤状部１４における空
胴部１４ａ内に充填される充填部２３と、前記鍔状部１
２における環状突出し部１２ａの突き出し前方、即ち、
前記燃料タンクＢの側に向けて該鍔状部２から延びるよ
うに備えられている環状突出し部２２とを備えた構成と
してあり、このガスバリヤ体部１０における筒状部１１
と鍔状部１２と筒体部１３と盤状部１４とが、当該外殻
体部２０を備えた状態で、当該コネクタＡの筒状部１と
鍔状部２と盤状部４と筒体部５とを構成してある。

【００６４】このガスバリヤ体部１０の外周面に備えら
れる外殻体部２０は、当該ガスバリヤ体部１０と共に、
コネクタＡに所期強度をもたらすと共に、当該ガスバリ
ヤ体部１０に一体に備えられ、且つ、前記燃料タンクＢ
に溶着可能な合成樹脂によって構成してあり、例えば、
ポリエチレンによって構成してある。

【００６５】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び盤状部４
並びに筒体部５は、例えば、前記ガスバリヤ体部１０
を、成形金型内にインサートした状態で、当該成形金型
内に、当該外殻体部２０の成形樹脂を射出などによって
注入して、成形、提供することができる。

【００６６】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び盤状部４
並びに筒体部５は、この外殻体部２０で構成される前記
環状突出し部２２が、前記燃料タンクＢに対する溶着部
とされていると共に、この外殻体部２０とガスバリヤ体
部１０とによって構成される筒体部５の先端外側に、こ
の外殻体部２０によって構成される掛止突部５ａを備え
た構成としてあり、また、前記孔１３ａの孔縁を覆うよ
うに当該外殻体部２０が備えられて、該筒体部５に内外
を連通する孔５ｂを備えた構成としてある。なお、この
孔５ｂは、フロート４０を納め入れ且つ蓋体５０によっ
て塞がれる前記筒体部５内とタンクＢ’内との間におけ
るガスなどの移動を円滑になし得るように備えられてい
る。

【００６７】また、前記盤状部４には、前記筒状部１の
筒孔１ｅに連続して、当該筒孔１ｅの一側部を構成する
ように、凹部６が設けてあり、この凹部６は、前記盤状
部１４における凹部１５、特に、前記拡径凹段状孔部１
５ａの内周面１５ａ’が外殻体部２０で覆われた状態で
構成される拡径凹段状孔部６ａと、前記円錐状孔部１５
ｂよりなる円錐状孔部６ｂと、前記凹段状孔部１５ｃよ
りなる凹段状孔部６ｃとを備えた構成としてある。

【００６８】次いで、前記凹部６に備え付けられて、前
記フューエルカットオフバルブ３を構成する弁座体３０
は、前記盤状部４に対する溶着に適し、しかも、この盤
状部４と共にガスバリヤ機能を当該コネクタＡにもたら
す合成樹脂、即ち、燃料から蒸発されるガスの透過し難
い合成樹脂としての各種ガスバリヤ性合成樹脂、例え
ば、ポリアセタールなどによって成形用意されるもので
あって、前記フロート４０における弁体部４０ａを受け
入れ塞がれる弁座３０ｂを、上下方向に貫通して備えら
れている孔３０ａの孔縁部に備えていると共に前記凹部
６に組み入れられる形状を備えた構成としてある。

【００６９】即ち、この弁座体３０は、ほぼ中心部に上
下方向に貫通する前記孔１ｅ、１１ｅに連通する孔３０
ａを備えていると共に、この孔３０ａの中央部を縮径孔
部３０ａ’とし、この縮径孔部３０ａ’から下方を漸次
該孔３０ａの下端縁に向けて拡径とする円錐孔状の弁座
３０ｂとして構成してあり、また、この弁座体３０の上
部側に前記孔３０ａを取り巻くように環状凹溝３０ｃが
設けてあり、この環状凹溝３０ｃによって該弁座体３０
の上部側の中央部に筒状部３０ｄを形成してあると共
に、この筒状部３０ｄを構成する環状凹溝３０ｃの外方
を上部側円盤状部３０ｅとし、また、この上部側円盤状
部３０ｅよりも下方側を、この上部側円盤状部３０ｅよ
りも大きい直径の下部側円盤状部３０ｆとして構成して
あり、この下部側円盤状部３０ｆの外周面の円周方向に
備えられている環状溝３０ｇ内に環状シール材３１を嵌
め付けた状態で、前記上部側円盤状部３０ｅの上端側を
前記円円錐状孔部６ｂに押し当て、且つ、該下部側円盤
状部３０ｆの上端面を前記拡径凹段状孔部６ａにおける
上端面、即ち、前記拡径凹段状孔部１５ａの上端面に密
着するように、該下部側円盤状部３０ｆを前記最下段に
ある拡径凹段状孔部６ａに密に納め入れた状態で、この
弁座体３０を前記盤状部４に溶着、一体に設けてあり、
該下部側円盤状部３０ｆに備えられている前記環状シー
ル材３１が前記凹部６の拡径凹段状孔部６ａの内周面を
構成する前記被覆部２１の面に圧着される構成としてあ
る。

【００７０】このように構成される弁座体３０を備えて
構成されるコネクタＡにあっては、このコネクタＡを構
成するガスバリヤ体部１０と外殻体部２０との境界面か
ら、燃料からの蒸発ガスが侵入するのを、前記ガスバリ
ヤ性を有する弁座体３０と環状シール材３１とによって
効果的に防止することができる。

【００７１】かかる構成からなる筒体部５内に組み入れ
られるフロート４０は、例えば、ポリアセタールなどに
よって構成してあり、この筒体部５内で燃料液面の変動
に伴って円滑に上下方向に移動し得るように備えられて
おり、その上方に向けた移動に際して、前記弁座３０ｂ
に密着して該弁座体３０の孔３０ａを塞ぐ弁体部４０ａ
を、その上端部側に備えた構成としてあり、その下部側
のほぼ中央部に上方に凹む凹部４０ｂを有し、しかも、
この凹部４０ｂ内に更に上方に凹む環状凹部４０ｂ’を
設け、該凹部４０ｂ内に円形台状部４０ｃを備えた構成
としてあると共に、この凹部４０ｂと該フロート４０の
上端面とを連通する孔４０ｄを備えた構成としてある。

【００７２】次いで、フューエルカットオフバルブ３に
おけるフロート４０を前記筒体部５内に組入れ状態に維
持するように該筒体部５に組み付けられて、この筒体部
５などとフロート室を構成する蓋体５０は、円板状をな
す底板部５０ａの周縁部から上方に起立する筒状周壁部
５０ｂを有し、この筒状周壁部５０ｂ内に前記筒体部５
を、該筒体部５の先端を該底板部５０ａに当接させるよ
うに受け入れると共に、この筒体部５に備えられている
掛止突部５ａを該筒状周壁部５０ｂに備えられている掛
止孔５０ｃの孔縁に掛止して、該筒体部５に組み付けら
れた構成としてあり、この蓋体５０の内側のほぼ中央部
に備えられている円形台状部５０ｄと前記フロート４０
における円形台状部４０ｃに嵌め付けた圧縮コイルバネ
３２によって、該フロート４０を該筒体部５内において
燃料液面の変動に追随して容易に浮き上り移動し得るよ
うに組み付けてある。

【００７３】かかる筒体部５内にフロート４０を組み付
ける蓋体５０は、その底板部５０ａに上下に貫通する複
数の孔５０ｅを設けてあり、この筒体部５内に対して燃
料やガスなどが容易に流出入し得る構成としてある。

【００７４】なお、前記圧縮コイルバネ３２は、前記フ
ロート４０が燃料液によって浮力を浮けていない状態
で、該フロート４０の重量とバランスを保って、このフ
ロート４０を、前記弁体部４０ａを前記弁座３０ｂから
離した位置に維持するように弾持し、このフロート４０
が燃料液による浮力を受けた際に、この浮力によって該
フロート４０が容易に浮き上がり移動し得ると共に、車
輛の転倒などに際して、該フロート４０を、その浮力に
抗して該フロート４０における弁体部４０ａを前記弁座
３０ｂに押し付け得るように構成してある。

【００７５】かかる構成からなる前記外殻体部２０とガ
スバリヤ体部１０とを備えて構成される筒状部１と鍔状
部２とを有すると共にフューエルカットオフバルブ３を
備えて構成されるコネクタＡは、このフューエルカット
オフバルブ３を構成する盤状部４に前記弁座体３０を一
体に溶着、備え付けると共に、前記筒体部５内にフロー
ト４０を納め入れ、且つ、この納め入れフロート４０と
の間に前記圧縮コイルバネ３２を介装した状態で、この
筒体部５の下部開口に蓋体５０を組み付けて構成され
る。

【００７６】このように構成されたコネクタＡにおける
前記筒体部５側を、この図示例にあっては、前記燃料タ
ンクＢの上部側に備えられている開口Ｂａから該燃料タ
ンクＢ内に差し入れ、このコネクタＡにおける前記環状
突出し部２２における該燃料タンクＢに向き合っている
先端面を該燃料タンクＢにおける開口周縁Ｂｂの側方の
面に接しさせた状態で、この環状突出し部２２の先端部
を該燃料タンクＢの面に溶着して当該コネクタＡを燃料
タンクＢにおける開口部Ｂ’に備え付け状態とする。

【００７７】このコネクタＡの燃料タンクＢの開口部
Ｂ’に対する溶着備え付けに伴って、この環状突出し部
２２内にある前記ガスバリヤ体部１０における環状突出
し部１２ａが、該燃料タンクＢにおけるタンクＢ’外面
に接し又は近接される構成としてあり、この環状突出し
部２２部分からの前記各ガスの漏れ出しを効果的に減少
させる構成としてある。

【００７８】このように燃料タンクＢに備え付けられる
コネクタＡにあっては、このコネクタＡを燃料タンクＢ
に対して容易に備えつけ得ると共に、この燃料タンクＢ
内の燃料蒸発ガスの、当該コネクタＡ部分からの漏れ出
しを、前記ガスバリヤ体部１０によって効果的に減少さ
せることができる。また、このように燃料タンクＢに備
え付けられるコネクタＡにあっては、このコネクタＡを
構成するガスバリヤ体部１０と外殻体部２０との各成形
樹脂の境界面から該外殻体部２０内に、前記燃料ガスが
侵入して、当該外殻体部２０を介して外方に漏れ出すの
を効果的に減じることができる。

【００７９】このように燃料タンクＢに備え付けられた
コネクタＡに、適宜管Ｃを接続して用いる。この管Ｃの
接続される当該コネクタＡにおける筒状部１は、この接
続される管Ｃが容易且つ確実に接続状態を維持され得る
ように、この図示例にあっては、この筒状部１における
横向き筒状部１ｂの外周面に、先窄まりの円錐状案内部
１ｃと、この円錐状案内部１ｃの頂端から連設される該
横向き筒状部１ｂの筒軸に直交する向きの段差状面１ｄ
とを有する突部を備えた構成としてあり、これを前記外
殻体部２０によって構成するようにしてある。

【００８０】（２） 第２の実施の形態に係る燃料タン
ク用コネクタＡ 次いで、図４〜図６で示される第２の実施の形態に係る
燃料タンク用コネクタＡについて具体的に説明する。こ
の図示例に係るコネクタＡは、燃料タンクＢに各種の管
Ｃを接続する手段として構成されており、特に、典型的
なフューエルカットオフバルブ３を備えたコネクタＡと
して示されている。

【００８１】この図示例に係るコネクタＡは、少なくと
も開口周縁Ｂｂ側方のタンクＢ’外面部を合成樹脂製と
した燃料タンクＢの開口部Ｂｃに備え付けられて、該燃
料タンクＢと該燃料タンクＢに接続される管Ｃとを連通
状態に接続するコネクタＡであって、該コネクタＡが、
筒状部１１と、該筒状部１１の外周側に備えられる前記
開口Ｂａよりも大きい面を有する鍔状部１２とを備えた
ガスバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体部１０と、この
ガスバリヤ体部１０における少なくとも前記タンクＢ’
外面に向き合う該鍔状部１２の先端側を覆うように該ガ
スバリヤ体部１０に一体に備えられている合成樹脂製の
外殻体部２０とを備えており、該コネクタＡが、前記開
口Ｂａを塞ぐように、前記鍔状部１２に備えられている
外殻体部２０を前記開口周縁Ｂｂ側方の前記タンクＢ’
外面部に溶着して備えられる構成としてあると共に、前
記鍔状部１２の比較的先端側に、前記開口周縁Ｂｂに沿
うように備えられている前記タンクＢ’外面部の環状凹
溝Ｂｄ内に納め入れられるシール材６０の環状凹溝６０
ａに差し入れられる環状突出し部１２ｂを備えた構成と
してあり、このコネクタＡによって、前記燃料タンクＢ
内にもたらされる燃料からの蒸発ガスが、当該コネクタ
Ａ部分から漏れ出すのを効果的に減じることができると
共に、当該コネクタＡを、容易に成形、提供でき、しか
も、当該コネクタＡを、容易に燃料タンクＢに備え付け
得る構成としてある。

【００８２】この図示例に係るコネクタＡは、かかる燃
料タンクＢに各種の管Ｃを接続する手段として用いられ
るものであって、この図示例にあっては、その典型例と
して、フューエルカットオフバルブ３を備えて燃料タン
クＢの上部側に備え付けられるコネクタＡを示してお
り、燃料から蒸発されるガスなどをキャニスタなどに移
送案内すると共に、燃料タンクＢ内にある燃料液面の変
動に際して、当該燃料の流出を防止するようにしてあ
る。

【００８３】この図示例に係るコネクタＡの備えられる
燃料タンクＢは、少なくとも当該コネクタＡにおける外
殻体部２０の溶着されるタンクＢ’部分、即ち、当該燃
料タンクＢにおける少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタン
クＢ’外面部を、この外殻体部２０に溶着可能な合成樹
脂製とされた構成としてあり、しかも、ガスバリヤ層、
即ち、前記燃料からの蒸発ガスの透過し難い層を備えた
ものとして構成してある。また、このコネクタＡの溶着
されるタンクＢ’の開口部Ｂｃにおける当該コネクタＡ
の溶着部の内側に、該燃料タンクＢにおける開口周縁Ｂ
ｂを取り囲むように、環状凹溝Ｂｄが設けてある。ま
た、この環状凹溝Ｂｄには、上端面に凹溝を備えたシー
ル材６０が納め入れ状態に装着される構成としてあり、
この環状凹溝Ｂｄ内に該シール材６０を、その凹溝側を
上方にして嵌め入れることによって環状凹溝６０ａを備
えたシール構造とするようにしてある。かかる環状凹溝
Ｂｄ内に納め入れ備えられるシール材６０は、例えば、
各種エラストマー製、例えば、前記燃料ガスなどの透過
し難いフッ素ゴムなどによって構成してあり、典型的に
は、その上面側に、長さ方向を向いた凹溝を有する断面
形状がＵ字状をなす環状のシール材として構成してある
と共に、この互いに向き合う凹溝内の周壁から、夫々他
方の周壁側に向けて、やや下向きに突き出すようにシー
ル突片６０ｂを突き出し状態に、該凹溝の長さ方向に亙
って備えた構成としてある。なお、このシール材６０
は、前記のように、一体に構成された環状シール材６０
として構成してあっても、また、長尺状に構成されたシ
ール材を前記環状凹溝Ｂｄ内に環状をなすように納め入
れるように構成してあってもよい。

【００８４】この図示例に係るコネクタＡは、筒状部１
と、該筒状部１の外周側に備えられ、且つ、前記開口Ｂ
ａよりも大きい面を有する鍔状部２と、フューエルカッ
トオフバルブ３とを備えた構成としてあり、燃料タンク
Ｂの開口Ｂａから、タンクＢ’内に前記フューエルカッ
トオフバルブ３のフロート室を構成する筒体部５側を差
し入れた状態で、前記鍔状部２を、開口周縁Ｂｂ側方の
タンクＢ’外面部の合成樹脂製部分に溶着して、該燃料
タンクＢと該燃料タンクＢに接続される管Ｃとを連通状
態に接続させるコネクタＡとしてある。なお、この図示
例に係る開口Ｂａは円形の開口Ｂａとしてあると共に、
前記鍔状部２が円板状の構成としてあり、この鍔状部２
が前記開口Ｂａの直形よりも大きい直径に構成してあ
る。

【００８５】この図示例に係るコネクタＡは、更に、具
体的には、一旦上方に向けて突き出すように備えられた
縦向き筒状部１ａと、この縦向き筒状部１ａの上部側
に、該縦向き筒状部１ａから直角に屈曲して連設されて
いる横向き筒状部１ｂとを備えた筒状部１と、この筒状
部１における前記縦向き筒状部１ａの下部側の外周側か
ら側方に張り出すように備えられた円板状をなす鍔状部
２とを有すると共に、これにフューエルカットオフバル
ブ３を備えた構成、即ち、この鍔状部２の下面側、即
ち、前記筒状部１の備えられている側と反対の側に、該
鍔状部２から隆起するように備えられている盤状部４
と、この盤状部４の周縁部から下方に向けて突き出すよ
うに備えられている円筒状のフロート室を構成する筒体
部５と、この筒体部５の下端縁に備えられている掛止突
部５ａを掛止孔５０ｃに掛止して備え付けられる蓋体５
０と、前記盤状部４における前記筒状部１の開口部に備
えられて、該筒状部１の孔１ｅの一側部を構成する凹部
６内に備え付けられる弁座体３０と、この弁座３０ｂを
有する弁座体３０を備えて、盤状部４及び筒体部５並び
に蓋体５０によって構成されるフロート室内に、このフ
ロート室内に流入する液体の液面レベルの変化に対応し
て上下方向に移動自在に納め入れられるフロート４０と
を有し、このフロート４０の上部側に一体に備えられて
いる弁体部４０ａを、該フロート４０の燃料液面の変動
に伴う上方移動に伴って、前記弁座体３０における弁座
３０ｂに密着して、前記筒状部１の筒孔１ｅを塞ぎ状態
とする構成としてある。

【００８６】また、前記弁座体３０の備え付けられる凹
部６は、前記筒状部１における筒孔の開口部にあって、
この筒状部１の筒孔１ｅの一側部を構成するように該孔
１ｅに連続して備えられる凹段状孔部６ｃと、前記盤状
部４の下部側に備えられる拡径凹段状孔部６ａと、この
拡径凹段状孔部６ａと前記凹段状孔部６ｃ間に備えられ
て該拡径凹段状孔部６ａの側で大きい円錐状孔部６ｂと
を備えた構成としてある。

【００８７】かかるコネクタＡに備えられるガスバリヤ
体部１０は、燃料タンクＢ内にもたらされるガス、典型
的には、燃料から蒸発されるガスの透過し難い合成樹脂
としての各種のガスバリヤ性合成樹脂、例えば、ポリア
セタールによって構成してあり、この図示例にあって
は、筒状部１１と、この筒状部１１の一端側の外周部か
ら側方に張出すように備えられている鍔状部１２と、こ
の鍔状部１２の下面側に備えられて前記フューエルカッ
トオフバルブ３の盤状部４を構成する盤状部１２と、こ
の盤状部１２の周縁部から下方に向けて突設されて、前
記筒体部５を構成するフロート室を構成する筒体部１３
と、前記鍔状部２における前記タンクＢ’に向いた側の
外周部から下方に向けて、即ち、該燃料タンクＢの側に
突き出す環状突出し部１２ｂを一体に備えた構成として
ある。

【００８８】前記筒状部１１は、前記孔１ｅを構成する
孔１１ｅを備えて、エルボ状をなすように縦向き筒状部
１１ａと該縦向き筒状部１１ａに直角に連続されている
横向き筒状部１１ｂとを備えた構成としてあり、この縦
向き筒状部１１ａの下端側の外周部から側方に突き出す
ように前記鍔状部１２が備えられた構成としてある。

【００８９】かかる縦向き筒状部１１ａの外周部に備え
られる鍔状部１２は、前記燃料タンクＢにおける開口Ｂ
ａよりも大きい面を備えた構成、即ち、この筒状部１１
に備えられる鍔状部１２を、この筒状部１１の外周部か
ら、前記燃料タンクＢにおける開口周縁Ｂｂの側方部に
向けて延びるように備えられた構成としてあり、更に、
具体的には、該鍔状部１２が円形板状としてあり、この
鍔状部１２が前記円形状に構成されている開口Ｂａの直
径よりも大きい直径を備えたものとして構成してある。

【００９０】かかる構成の鍔状部１２における前記タン
クＢ’の外面に向き合う側、即ち、前記筒状部１１の突
き出し側と反対の側にある該鍔状部１２の外周縁部から
下方、即ち、タンクＢ’の側に向けて屈曲状に、環状突
出し部１２ａ’を突き出し状に備えた構成としてあると
共に、この環状突出し部１２ａ’の内側にあって、該環
状突出し部１２ａ’に沿うように、該鍔状部１２から、
前記タンクＢ’に向けて突き出す環状突出し部１２ｂを
備えた構成としてあり、この環状突出し部１２ｂが、前
記環状突出し部１２ａ’の突き出し寸法よりも大きい突
き出し寸法としてある。

【００９１】かかる構成の鍔状部１２は、その周側部を
除く下面部分に、前記盤状部４を構成する盤状部１４を
一体に備えた構成としてある。この盤状部１４は、前記
フューエルカットオフバルブ３の一部を構成するもので
あって、その厚さ内に、外部に連通して、成形樹脂の流
入される空洞部１４ａを有していると共に、その外周縁
部から下方に向けて突き出すように、該盤状部１４に一
体に、前記筒体部５を構成する筒体部１３を備えた構成
としてある、

【００９２】また、この盤状部１４のほぼ中央部には、
前記筒状部１１の筒状１１ｅに連続して前記孔１１ｅの
一側部を構成するように、当該筒状部１１の開口部１１
ｃを構成する凹部１５が設けてある。この凹部６を構成
する凹部１５は、前記筒状部１１の筒状孔１１ｅの開口
部１１ｃに、この筒状孔１１ｅよりも大きい孔径のもの
として構成してあり、この図示例にあっては、前記盤状
部１４の下部側に、上方に凹むように備えられている拡
径凹段状孔部１５ａを前記拡径凹段状孔部６ａとして、
この拡径凹段状孔部１５ａの上部側から前記筒状部１１
側に向けて備えられる円錐状孔部１５ｂを前記円錐状孔
部６ｂとして、この円錐状孔部１５ｂから、該筒状部１
１の開口部１１ｃに至るように備えられる凹段状孔部１
５ｃを前記凹段状孔部６ｃとして備えた構成としてあ
る。

【００９３】また、前記筒体部５を構成する筒体部１３
は、前記盤状部１４から一体に突設状態に備えられてい
ると共に、その筒体部１３の先端側の外側部に、前記掛
止突部５ａを構成する掛止突部１３ｂを備え、且つ、そ
の外周壁部に、孔５ｂを構成する複数の孔１３ａを備え
た構成としてある。

【００９４】このように構成されるガスバリヤ体部１０
は、その外周面、特に、前記環状突出し部１２ｂの外側
にある前記鍔状部１２面から該鍔状部１２の外周側端部
を経て前記筒状部１１の開口端１１ｄに到る当該ガスバ
リヤ体部１０における外周面を外殻体部２０によって覆
った構成としてある。なお、前記鍔状部１２における前
記環状突出し部１２ａ’の内側位置に複数の孔１２ｃが
設けてあり、この孔１２ｃ内と、前記空胴部１４ａ内
に、該外殻体部２０を形成する合成樹脂が、この外殻体
部２０の形成に際して注入される構成としてある。

【００９５】かかるガスバリヤ体部１０に備えられる外
殻体部２０は、前記環状突出し部１２ｂの外側に連続さ
れている鍔状部１２面から、該鍔状部１２の外周端面を
経て前記筒状部１１の開口端１１ｄに到る当該ガスバリ
ヤ体部１０における外周面を覆う被覆部２１と、該鍔状
部１２における孔１２ｃと前記盤状部１４における空胴
部１４ａ内に充填される充填部２３と、前記鍔状部１２
における環状突出し部１２ａ’の突き出し前方、即ち、
前記燃料タンクＢの側に向けて該鍔状部２から、前記環
状突出し部１２ｂの突き出し寸法よりも小さい突き出し
寸法で延設されている環状突出し部２２とを備えた構成
としてあり、このガスバリヤ体部１０における筒状部１
１と鍔状部１２と筒体部１３と盤状部１４とが、当該外
殻体部２０を備えた状態で、当該コネクタＡの筒状部１
と鍔状部２と盤状部４と筒体部５とを構成するようにし
てある。

【００９６】このガスバリヤ体部１０の外周面に備えら
れる外殻体部２０は、当該ガスバリヤ体部１０と共に、
コネクタＡに所期強度をもたらすと共に、当該ガスバリ
ヤ体部１０に一体に備えられ、且つ、前記燃料タンクＢ
に溶着可能な合成樹脂によって構成してあり、例えば、
ポリエチレンによって構成してある。

【００９７】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び盤状部４
は、例えば、前記ガスバリヤ体部１０を、成形金型内に
インサートした状態で、当該成形金型内に、当該外殻体
部２０の成形樹脂を射出などによって注入して、成形、
提供することができる。

【００９８】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び盤状部４
並びに筒体部５は、前記環状突出し部１２ｂが、前記燃
料タンクＢに備えられている環状凹溝Ｂｄ内に納め入れ
られるシール材６０における環状凹溝６０ａ内に差し入
れられる構成としてあると共に、該外殻体部２０で構成
される前記環状突出し部２２が、前記燃料タンクＢに対
する溶着部とされており、且つ、該ガスバリヤ体部１０
の筒体部１３として構成されている筒体部５の先端外側
に、前記掛止突部１３ｂとして構成される掛止突部５ａ
を備えた構成としてあり、また、前記孔１３ａとして構
成される孔５ｂを該筒体部５の内外を連通するように備
えた構成としてある。この筒体部５に備えられる孔５ｂ
は、フロート４０を納め入れると共に蓋体５０で塞がれ
た当該筒体部５内とタンクＢ’内との間におけるガスな
どの移動を円滑になし得るように備えられている。

【００９９】次いで、前記凹部６に備え付けられて、前
記フューエルカットオフバルブ３を構成する弁座体３０
は、前記盤状部１４で構成される盤状部４に対する溶着
に適し、しかも、この盤状部４と共にガスバリヤ機能を
当該コネクタＡにもたらす合成樹脂、即ち、燃料から蒸
発されるガスの透過し難い合成樹脂としての各種のガス
バリヤ性合成樹脂、例えば、ポリアセタールなどによっ
て成形用意されるものであって、前記フロート４０にお
ける弁体部４０ａを受け入れ塞がれる弁座３０ｂを、上
下方向に貫通して備えられている孔３０ａの孔縁部に備
えていると共に前記凹部６に組み入れられる形状を備え
た構成としてある。

【０１００】即ち、この弁座体３０は、ほぼ中心部に上
下方向に貫通する前記孔１ｅ、１１ｅに連通する孔３０
ａを備えていると共に、この孔３０ａの中央部を縮径孔
部３０ａ’とし、この縮径孔部３０ａ’から下方を漸次
該孔３０ａの下端縁に向けて拡径とする円錐孔状の弁座
３０ｂとして構成してあり、また、この弁座体３０の上
部側に前記孔３０ａを取り巻くように環状凹溝３０ｃが
設けてあり、この環状凹溝３０ｃによって該弁座体３０
の上部側の中央部に筒状部３０ｄを形成してあると共
に、この筒状部３０ｄを構成する環状凹溝３０ｃの外方
を上部側円盤状部３０ｅとし、また、この上部側円盤状
部３０ｅよりも下方側を、この上部側円盤状部３０ｅよ
りも大きい直径の下部側円盤状部３０ｆとして構成して
あり、且つ、前記上部側円盤状部３０ｅの外周面に環状
シール材３１’を嵌め付けた状態で、この上部側円盤状
部３０ｅの上端側を前記円錐状孔部６ｂに押し当て、且
つ、該下部側円盤状部３０ｆの上端面を前記拡径凹段状
孔部６ａにおける上端面、即ち、前記拡径凹段状孔部１
５ａの上端面に密着するように、該下部側円盤状部３０
ｆを前記最下段にある拡径凹段状孔部６ａに納め入れた
状態で、この弁座体３０を前記盤状部４に溶着、一体に
設けてある。

【０１０１】かかる構成からなる筒体部５内に組み入れ
られるフロート４０は、例えば、ポリアセタールなどに
よって構成してあり、この筒体部５内で燃料液面の変動
に伴って円滑に上下方向に移動し得るように備えられて
おり、その上方に向けた移動に際して、前記弁座３０ｂ
に密着して該弁座体３０の孔３０ａを塞ぐ弁体部４０ａ
を、その上端部側に備えた構成としてあり、その下部側
のほぼ中央部に上方に凹む凹部４０ｂを有し、しかも、
この凹部４０ｂ内に更に上方に凹む環状凹部４０ｂ’を
設け、該凹部４０ｂ内に円形台状部４０ｃを備えた構成
としてあると共に、この凹部４０ｂと該フロート４０の
上端面とを連通する孔４０ｄを備えた構成としてある。

【０１０２】次いで、フューエルカットオフバルブ３に
おけるフロート４０を前記筒体部５内に組入れ状態に維
持するように該筒体部５に組み付けられて、この筒体部
５などとフロート室を構成する蓋体５０は、円板状をな
す底板部５０ａの周縁部から上方に起立する筒状周壁部
５０ｂを有し、この筒状周壁部５０ｂ内に前記筒体部５
を、該筒体部５の先端を該底板部５０ａに当接させるよ
うに受け入れると共に、この筒体部５に備えられている
掛止突部５ａを該筒状周壁部５０ｂに備えられている掛
止孔５０ｃの孔縁に掛止して、該筒体部５に組み付けら
れた構成としてあり、この蓋体５０の内側のほぼ中央部
に備えられている円形台状部５０ｄと前記フロート４０
における円形台状部４０ｃに嵌め付けた圧縮コイルバネ
３２によって、該フロート４０を該筒体部５内において
容易に燃料液面の変動に伴って浮き上り移動し得るよう
に組み付けてある。

【０１０３】かかる筒体部５内にフロート４０を組み付
ける蓋体５０は、その底板部５０ａに上下に貫通する複
数の孔５０ｅを設けてあり、この筒体部５内に対して燃
料やガスなどが容易に流出入し得る構成としてある。

【０１０４】なお、前記圧縮コイルバネ３２は、前記フ
ロート４０が燃料液によって浮力を浮けていない状態
で、該フロート４０の重量とバランスを保って、このフ
ロート４０を、前記弁体部４０ａを前記弁座３０ｂから
離した位置に維持するように弾持し、このフロート４０
が燃料液による浮力を受けた際に、この浮力によって該
フロート４０が容易に浮き上がり移動し得ると共に、車
輛の転倒などに際して、該フロート４０を、その浮力に
抗して該フロート４０における弁体部４０ａを前記弁座
３０ｂに押し付け得るように構成してある。

【０１０５】かかる構成からなる前記外殻体部２０とガ
スバリヤ体部１０とを備えて構成される筒状部１と鍔状
部２とを有すると共にフューエルカットオフバルブ３を
備えて構成されるコネクタＡは、このフューエルカット
オフバルブ３を構成する盤状部４に前記弁座体３０を一
体に溶着、備え付けると共に、前記筒体部５内にフロー
ト４０を納め入れ、且つ、この納め入れフロート４０と
の間に前記圧縮コイルバネ３２を介装した状態で、この
筒体部５の下部開口に蓋体５０を組み付けて構成され
る。

【０１０６】このように構成されたコネクタＡは、前記
燃料タンクＢに備えられている環状凹溝Ｂｄ内に前記シ
ール材６０を納め入れ状態に装着用意し、前記筒体部５
側を、この図示例にあっては、前記燃料タンクＢの上部
側に備えられている開口Ｂａから該燃料タンクＢ内に差
し入れ、且つ、前記シール材６０によって構成される環
状凹溝６０ａ内に、前記環状突出し部１２ｂを差し入れ
るようになすと共に、該コネクタＡにおける前記環状突
出し部２２における該燃料タンクＢに向き合っている先
端面を該燃料タンクＢにおける該環状凹溝Ｂｄの側方の
面に接しさせた状態で、この環状突出し部２２の先端部
を該燃料タンクＢの面に溶着して当該コネクタＡを燃料
タンクＢにおける開口部Ｂ’に備え付け状態とする。

【０１０７】このコネクタＡの燃料タンクＢの開口部
Ｂ’に対する溶着によって、当該コネクタＡを燃料タン
クＢに容易に備え付け得ると共に、前記ガスバリヤ体部
１０を構成する環状突出し部１２ｂが、前記燃料タンク
Ｂにおける環状凹溝Ｂｄ内に備えられているシール材６
０における環状凹溝６０ａ内においてシールされ、当該
コネクタＡから前記各ガスが漏れ出すのを効果的に減少
させることができる。また、このように燃料タンクＢに
備え付けられるコネクタＡにあっては、このコネクタＡ
を構成するガスバリヤ体部１０と外殻体部２０との各成
形樹脂の境界面が、前記環状突出し部１２ｂの外側にあ
ることから、該境界面から該外殻体部２０内に、前記燃
料ガスの侵入する虞がない。

【０１０８】このように燃料タンクＢに備え付けられた
コネクタＡに、適宜管Ｃを接続して用いる。この管Ｃの
接続される当該コネクタＡにおける筒状部１は、この接
続される管Ｃが容易且つ確実に接続状態を維持され得る
ように、この図示例にあっては、この筒状部１における
横向き筒状部１ｂの外周面に、先窄まりの円錐状案内部
１ｃと、この円錐状案内部１ｃの頂端から連設される該
横向き筒状部１ｂの筒軸に直交する向きの段差状面１ｄ
とを有する突部を備えた構成としてあり、これを前記外
殻体部２０によって構成するようにしてある。

【０１０９】（３） 第３の実施の形態に係る燃料タン
ク用コネクタＡ 次いで、図７〜図１２で示される第３の実施の形態に係
る燃料タンク用コネクタＡについて具体的に説明する。
この図示例に係るコネクタＡは、燃料タンクＢに各種の
管Ｃを接続する手段として構成されており、特に、典型
的なフューエルカットオフバルブ３を備えたコネクタＡ
として示されている。

【０１１０】この図示例に係るコネクタＡは、少なくと
も開口周縁Ｂｂ側方のタンクＢ’外面部を合成樹脂製と
した燃料タンクＢの開口部Ｂｃに備え付けられて、該燃
料タンクＢと該燃料タンクＢに接続される管Ｃとを連通
状態に接続するコネクタＡであって、該コネクタＡが、
筒状部１１と、該筒状部１１の外周側に備えられる前記
開口Ｂａよりも大きい面を有する鍔状部１２とを備えた
ガスバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体部１０と、この
ガスバリヤ体部１０における少なくとも前記タンクＢ’
外面に向き合う該鍔状部１２の先端側を覆うように該ガ
スバリヤ体部１０に一体に備えられている合成樹脂製の
外殻体部２０とを備えており、該コネクタＡが、前記開
口Ｂａを塞ぐように、前記鍔状部１２に備えられている
外殻体部２０を前記開口周縁Ｂｂ側方の前記タンクＢ’
外面部に溶着して備えられる構成としてあると共に、前
記鍔状部１２に、前記タンクＢ’の外面部に向けて突き
出す環状突出し部１２ｄが備えられており、しかも、前
記鍔状部１２に備えられている外殻体部２０を前記開口
周縁Ｂｂ側方の前記タンクＢ’外面部に溶着して、前記
コネクタＡを前記燃料タンクＢに備え付けた際に、その
先端側が、該タンクＢ’外面部に接触されるシール材６
１を前記環状突出し部１２ｄに備え付けた構成としてあ
り、このコネクタＡによって、前記燃料タンクＢ内にも
たらされる燃料からの蒸発ガスが、当該コネクタＡ部分
から漏れ出すのを効果的に減じることができると共に、
当該コネクタＡを、容易に成形、提供でき、しかも、当
該コネクタＡを、容易に燃料タンクＢに備え付け得る構
成としてある。

【０１１１】この図示例に係るコネクタＡは、かかる燃
料タンクＢに各種の管Ｃを接続する手段として用いられ
るものであって、この図示例にあっては、その典型例と
して、フューエルカットオフバルブ３を備えて燃料タン
クＢの上部側に備え付けられるコネクタＡを示してお
り、燃料から蒸発されるガスなどをキャニスタなどに移
送案内すると共に、燃料タンクＢ内にある燃料液面の変
動に際して、当該燃料の流出を防止するようにしてあ
る。

【０１１２】この図示例に係るコネクタＡの備えられる
燃料タンクＢは、少なくとも当該コネクタＡにおける外
殻体部２０の溶着されるタンクＢ’部分、即ち、当該燃
料タンクＢにおける少なくとも開口周縁Ｂｂ側方のタン
クＢ’外面部を、この外殻体部２０に溶着可能な合成樹
脂製とされた構成としてあり、しかも、ガスバリヤ層、
即ち、前記燃料からの蒸発ガスの透過し難い層を備えた
ものとして構成してある。また、この外殻体部２０の溶
着されるタンクＢ’外面部に囲まれた当該タンクＢ’外
面部にシール材６１の接触される面を備えた構成として
ある。

【０１１３】この図示例に係るコネクタＡは、筒状部１
と、該筒状部１の外周側に備えられ、且つ、前記開口Ｂ
ａよりも大きい面を有する鍔状部２と、フューエルカッ
トオフバルブ３とを備えた構成としてあり、燃料タンク
Ｂの開口Ｂａから、タンクＢ’内に前記フューエルカッ
トオフバルブ３のフロート室を構成する筒体部５側を差
し入れた状態で、前記鍔状部２を、開口周縁Ｂｂ側方の
タンクＢ’外面部の合成樹脂製部分に溶着して、該燃料
タンクＢと該燃料タンクＢに接続される管Ｃとを連通状
態に接続させるコネクタＡとしてある。なお、この図示
例に係る開口Ｂａは円形の開口Ｂａとしてあると共に、
前記鍔状部２が円板状の構成としてあり、この鍔状部２
が前記開口Ｂａの直形よりも大きい直径に構成してあ
る。

【０１１４】この図示例に係るコネクタＡは、更に、具
体的には、前記鍔状部２から上方に向けて突き出すよう
に備えられた縦向き筒状部１ａと、この筒状部１ａに連
通して且つ前記鍔状部２から下方に向けて突き出すと共
に下端側に弁座３０ｂを備えた突出筒状部１ｆと、前記
縦向き筒状部１ａの上部側に、該縦向き筒状部１ａから
直角に屈曲して連設されている横向き筒状部１ｂとを備
えた筒状部１と、この筒状部１における前記縦向き筒状
部１ａの下部側と前記突出筒状部１ｆ間の外周側から側
方に張り出すように備えられた円板状をなす鍔状部２と
を有すると共に、これにフューエルカットオフバルブ３
を備えた構成としてある。即ち、この鍔状部２の下面
側、即ち、前記突出筒状部１ｆの備えられている側に、
該鍔状部２から下方に向けて突き出すように備えられて
いる円筒状の筒体部５と、この筒体部５の下端縁に備え
られている掛止突部５ａを掛止孔５０ｃに掛止して備え
付けられる蓋体５０とを備えて構成されるフロート室
に、このフロート室内に流入する液体の液面レベルの変
化に対応して上下方向に移動自在とされると共に、上部
側に弁体部４０ａを突き出し状態に備えたフロート４０
を納め入れてあり、このフロート４０の燃料液面の変動
に伴う浮き上がりに伴う当該フロート４０における弁体
部４０ａの前記弁座３０ｂに対する密着によって、前記
筒状部１の筒孔１ｅを塞ぐ構成としてある。

【０１１５】かかるコネクタＡに備えられるガスバリヤ
体部１０は、燃料タンクＢ内にもたらされるガス、典型
的には、燃料から蒸発されるガスの透過し難い合成樹脂
としての各種のガスバリヤ性合成樹脂、例えば、ポリア
セタールや、ポリブチレンテレフタレートや、ポリフェ
ニレンスルフィドや、リキッドクリスタルポリマや、ポ
リアミドなどによって構成してあり、この図示例にあっ
ては、筒状部１１と、この筒状部１１の一端側の外周部
から側方に張出すように備えられている鍔状部１２と、
この鍔状部１２の下面側から下方に向けて突設されて、
前記筒体部５を構成するフロート室の構成筒体部１３
と、前記鍔状部２における前記タンクＢ’に向いた側か
ら下方に向けて、即ち、該燃料タンクＢの側に突き出す
ように備えられた環状突出し部１２ｄを一体に備えた構
成としてある。

【０１１６】前記筒状部１１は、前記孔１ｅを構成する
孔１１ｅを備えて、エルボ状をなすように縦向き筒状部
１１ａと該縦向き筒状部１１ａに直角に連続されている
横向き筒状部１１ｂと、前記突出筒状部１ｆとして構成
される前記鍔状部１２から下方に向けて突き出す突出筒
状部１１ｆとを備えた構成としてあり、この縦向き筒状
部１１ａの下端側と前記突出筒状部１１ｆ間の外周部か
ら側方に突き出すように前記鍔状部１２が備えられた構
成としてある。

【０１１７】かかる筒状部１１の外周部に備えられる鍔
状部１２は、前記燃料タンクＢにおける開口Ｂａよりも
大きい面を備えた構成、即ち、この筒状部１１に備えら
れる鍔状部１２を、この筒状部１１の外周部から、前記
燃料タンクＢにおける開口周縁Ｂｂの側方部に向けて延
びるように備えられた構成としてあり、更に、具体的に
は、該鍔状部１２が円形板状としてあり、この鍔状部１
２が前記円形状に構成されている開口Ｂａの直径よりも
大きい直径を備えたものとして構成してある。

【０１１８】かかる構成の鍔状部１２における前記タン
クＢ’の外面に向き合う側に、前記筒体部５を取り囲む
ように環状突出し部１２ｄを一体に備えた構成としてあ
る。この鍔状部１２に備えられる環状突出し部１２ｄ
は、この環状突出し部１２ｄに嵌め付けられるシール材
６１が、このシール材６１を備えたコネクタＡを前記燃
料タンクＢに溶着した際に、このシール材６１の先端側
が、該燃料タンクＢのタンクＢ’面に都合良く接触し得
る突き出し寸法を備えたものとして構成してある。

【０１１９】かかる環状突出し部１２ｄに嵌め付けられ
るシール材６１は、例えば、各種エラストマー製、より
典型的には、燃料ガスなどの透過し難いフッ素ゴムや、
水素添加のブタジエン−アクリロニトリルゴムなどによ
って構成してあり、典型的には、その上面側に、長さ方
向を向いた凹溝６１ａを有する環状のシール材として構
成してあると共に、この互いに向き合う凹溝６１ａの周
壁上部側から、夫々互いに近付くように突き出すシール
突部６１ｂを該凹溝６１ａの長さ方向に亙って備え、且
つ、その溝底の略中央部に、その長さ方向に亙って、該
溝底から隆起する凸条６１ｃを備え、しかも、このシー
ル材６１の底面側に、下方に向けて突き出す３条の隆起
凸条６１ｄを、その中央の隆起凸条６１ｄ’を他の隆起
凸条６１ｄよりも大きく突き出すように、その長さ方向
に亙って並設してある。なお、このシール材６１は、前
記のように、一体に構成された環状シール材６１として
構成してあっても、また、長尺状に構成されたシール材
を前記環状突出し部１２ｄに対して環状をなすように嵌
め付けるように構成してあってもよい。

【０１２０】かかる構成からなるシール材６１を、前記
環状突出し部１２ｄに対して、この環状突出し部１２ｄ
を前記凹溝６１ａ内に密に受け入れるように嵌め付けて
用いる。

【０１２１】また、前記筒体部５を構成する筒体部１３
は、前記鍔状部１２から一体に突設状態に備えられてい
ると共に、その筒体部１３の先端側の外側部に、前記掛
止突部５ａを構成する掛止突部１３ｂを備え、且つ、そ
の外周壁部に、孔５ｂを構成する複数の孔１３ａを備え
た構成としてある。

【０１２２】このように構成されるガスバリヤ体部１０
は、その外周面、特に、前記環状突出し部１２ｂの外側
にある前記鍔状部１２の先端部分と、この鍔状部１２の
先端部分から該鍔状部１２の上面側を経て前記筒状部１
１の開口端１１ｄに到る当該ガスバリヤ体部１０におけ
る外周面を外殻体部２０によって覆った構成としてあ
る。

【０１２３】かかるガスバリヤ体部１０に備えられる外
殻体部２０は、前記鍔状部１２の先端部を覆うと共に、
該鍔状部１２の先端部分を覆った部分から該鍔状部１２
の上面側を経て前記筒状部１１の開口端１１ｄに到る当
該ガスバリヤ体部１０における外周面を覆う被覆部２１
と、該開口端１１ｄから更に延設されて前記筒状部１１
に連続して設けられる筒状部２４と、前記鍔状部１２に
おける先端部を覆うと共に前記燃料タンクＢの側に向け
て該鍔状部１２の先端側から、前記環状突出し部１２ｄ
の突き出し寸法よりも大きい突き出し寸法で突設されて
いる環状突出し部２２とを備えた構成としてあり、この
ガスバリヤ体部１０における筒状部１１と鍔状部１２と
が、当該外殻体部２０を備えた状態で、当該コネクタＡ
の筒状部１と鍔状部２とを構成するようにしてある。

【０１２４】このガスバリヤ体部１０の外周面に備えら
れる外殻体部２０は、当該ガスバリヤ体部１０と共に、
コネクタＡに所期強度をもたらすと共に、当該ガスバリ
ヤ体部１０に一体に備えられ、且つ、前記燃料タンクＢ
に溶着可能な合成樹脂によって構成してあり、例えば、
ポリエチレンによって構成してある。

【０１２５】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び筒体部５
は、例えば、前記ガスバリヤ体部１０を、成形金型内に
インサートした状態で、当該成形金型内に、当該外殻体
部２０の成形樹脂を射出などによって注入して、成形、
提供することができる。

【０１２６】かかるガスバリヤ体部１０と外殻体部２０
とを備えて構成される筒状部１、鍔状部２及び筒体部５
は、前記環状突出し部１２ｄが、前記シール材６１にお
ける凹溝６１ａ内に差し入れられる構成としてあると共
に、該外殻体部２０で構成される前記環状突出し部２２
が、前記燃料タンクＢに対する溶着部とされており、且
つ、該ガスバリヤ体部１０の筒体部１３として構成され
ている筒体部５の先端外側に、前記掛止突部１３ｂとし
て構成される掛止突部５ａを備えた構成としてあり、ま
た、前記孔１３ａとして構成される孔５ｂを該筒体部５
の内外を連通するように備えた構成としてある。この筒
体部５に備えられる孔５ｂは、フロート４０を納め入れ
ると共に蓋体５０で塞がれた当該筒体部５内とタンク
Ｂ’内との間におけるガスなどの移動を円滑になし得る
ように備えられている。

【０１２７】かかる構成からなる筒体部５内に組み入れ
られるフロート４０は、例えば、ポリアセタールなどに
よって構成してあり、この筒体部５内で燃料液面の変動
に伴って円滑に上下方向に移動し得るように備えられて
おり、その上方に向けた移動に際して、前記弁座３０ｂ
に密着して前記孔１ｅ、１１ｅを塞ぐ弁体部４０ａを、
その上端部側に一体に備えた構成としてあり、その下部
側のほぼ中央部に上方に凹む凹部４０ｂを有し、しか
も、この凹部４０ｂ内に更に上方に凹む環状凹部４０
ｂ’を設け、該凹部４０ｂ内に円形台状部４０ｃを備え
た構成としてあると共に、この凹部４０ｂと該フロート
４０の上端面とを連通する孔４０ｄを備えた構成として
ある。

【０１２８】次いで、フロート４０を前記筒体部５内に
組入れ状態に維持するように該筒体部５に組み付けられ
て、この筒体部５などとフロート室を構成する蓋体５０
は、円板状をなす底板部５０ａの周縁部から上方に起立
する筒状周壁部５０ｂを有し、この筒状周壁部５０ｂ内
に前記筒体部５を、該筒体部５の先端を該底板部５０ａ
に当接させるように受け入れると共に、この筒体部５に
備えられている掛止突部５ａを該筒状周壁部５０ｂに備
えられている掛止孔５０ｃの孔縁に掛止して、該筒体部
５に組み付けられた構成としてあり、この蓋体５０の内
側のほぼ中央部に備えられている円形台状部５０ｄと前
記フロート４０における円形台状部４０ｃに嵌め付けた
圧縮コイルバネ３２によって、該フロート４０を該筒体
部５内において燃料液面の変動に追随して容易に浮き上
り移動し得るように組み付けてある。

【０１２９】かかる筒体部５内にフロート４０を組み付
ける蓋体５０は、その底板部５０ａに上下に貫通する複
数の孔５０ｅを設けてあり、この筒体部５内に対して燃
料やガスなどが容易に流出入し得る構成としてある。

【０１３０】なお、前記圧縮コイルバネ３２は、前記フ
ロート４０が燃料液によって浮力を浮けていない状態
で、該フロート４０の重量とバランスを保って、このフ
ロート４０を、前記弁体部４０ａを前記弁座３０ｂから
離した位置に維持するように弾持し、このフロート４０
が燃料液による浮力を受けた際に、この浮力によって該
フロート４０が容易に浮き上がり移動し得ると共に、車
輛の転倒などに際して、該フロート４０を、その浮力に
抗して該フロート４０における弁体部４０ａを前記弁座
３０ｂに押し付け得るように構成してある。

【０１３１】かかる構成からなる前記外殻体部２０とガ
スバリヤ体部１０とを備えて構成される筒状部１と鍔状
部２とを有すると共にフューエルカットオフバルブ３を
備えて構成されるコネクタＡは、前記筒体部５内にフロ
ート４０を納め入れ、且つ、この納め入れフロート４０
との間に前記圧縮コイルバネ３２を介装した状態で、こ
の筒体部５の下部開口に蓋体５０を組み付けると共に、
前記環状突出し部１２ｄに前記シール材６１を嵌め付け
て構成される。

【０１３２】このように構成されたコネクタＡは、前記
筒体部５側を、この図示例にあっては、前記燃料タンク
Ｂの上部側に備えられている開口Ｂａから該燃料タンク
Ｂ内に差し入れ、前記燃料タンクＢのタンクＢ’外面部
に前記シール材６１の先端側を押し付けるように、該コ
ネクタＡにおける前記環状突出し部２２の先端側を該燃
料タンクＢのタンクＢ’外面部に溶着して、当該コネク
タＡを燃料タンクＢにおける開口部Ｂ’に備え付け状態
とする。

【０１３３】このコネクタＡの燃料タンクＢの開口部
Ｂ’に対する溶着によって、当該コネクタＡを燃料タン
クＢに容易に備え付け得ると共に、前記ガスバリヤ体部
１０を構成する環状突出し部１２ｄに備えられるシール
材６１が前記燃料タンクＢのタンクＢ’外面部に密着状
態とされ、当該コネクタＡから前記各ガスが漏れ出すの
を効果的に減少させることができる。また、このように
燃料タンクＢに備え付けられるコネクタＡにあっては、
このコネクタＡを構成するガスバリヤ体部１０と外殻体
部２０との各成形樹脂の境界面が、前記環状突出し部１
２ｄに備えられるシール材６１の外側にあることから、
該境界面から該外殻体部２０内に、前記燃料ガスの侵入
する虞がない。

【０１３４】このように燃料タンクＢに備え付けられた
コネクタＡに、適宜管Ｃを接続して用いる。この管Ｃの
接続される当該コネクタＡにおける筒状部１は、この接
続される管Ｃが容易且つ確実に接続状態を維持され得る
ように、この図示例にあっては、この筒状部１における
横向き筒状部１ｂの外周面に、先窄まりの円錐状案内部
１ｃと、この円錐状案内部１ｃの頂端から連設される該
横向き筒状部１ｂの筒軸に直交する向きの段差状面１ｄ
とを有する突部を備えた構成としてあり、これを前記外
殻体部２０によって構成するようにしてある。

【０１３５】

【発明の効果】この発明に係る燃料タンク用コネクタ
は、少なくとも開口周縁側方のタンク外面部を合成樹脂
製とした燃料タンクの開口部に備え付けられて該燃料タ
ンクと該燃料タンクに接続される管とを連通状態に接続
するコネクタであって、該コネクタが、筒状部と、該筒
状部の外周側に備えられる前記開口よりも大きい面を有
する鍔状部とを備えたガスバリヤ性合成樹脂製のガスバ
リヤ体部と、このガスバリヤ体部における少なくとも前
記タンク外面に向き合う該鍔状部の先端側を覆うように
該ガスバリヤ体部に一体に備えられている合成樹脂製の
外殻体部とを備えており、該コネクタが、前記開口を塞
ぐように、前記鍔状部に備えられている外殻体部を前記
開口周縁側方の前記タンク外面部に溶着して備えられる
構成としてあることから、前記タンク内にもたらされる
燃料からの蒸発ガスが、当該コネクタ部分から漏れ出す
のを効果的に減じ得る利点を有している。また、このよ
うに構成される燃料タンク用コネクタにあっては、この
コネクタを容易に成形、提供することができ、また、容
易に、燃料タンクに備え付け得る利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】典型的な第１の実施の形態に係る燃料タンク用
コネクタを燃料タンクに備え付ける前の状態で当該燃料
タンクの要部と共に示す縦断面図

【図２】同燃料タンクに同コネクタを備え付ける前の状
態で同コネクタを燃料タンクに添装した状態を示す平面
図

【図３】同コネクタを燃料タンクに備え付けた状態を当
該燃料タンクの要部と共に示す縦断面図

【図４】典型的な第２の実施の形態に係る燃料タンク用
コネクタを燃料タンクに備え付ける前の状態で当該燃料
タンクの要部と共に示す縦断面図

【図５】同燃料タンクに同コネクタを備え付ける前の状
態で同コネクタを燃料タンクに添装した状態を示す平面
図

【図６】同コネクタを燃料タンクに備え付けた状態を当
該燃料タンクの要部と共に示す縦断面図

【図７】典型的な第３の実施の形態に係る燃料タンク用
コネクタを燃料タンクに備え付ける前の状態で当該燃料
タンクの要部と共に示す縦断面図

【図８】同燃料タンクに同コネクタを備え付ける前の状
態で同コネクタを燃料タンクに添装した状態を示す平面
図

【図９】同コネクタを燃料タンクに備え付けた状態を当
該燃料タンクの要部と共に示す縦断面図

【図１０】同コネクタに備え付けられるシール材の縦断
面図

【図１１】同要部拡大断面図

【図１２】同平面図

【図１３】従来の燃料タンク用コネクタを燃料タンクに
備え付ける前の状態で当該燃料タンクと共に示す縦断面
図

【図１４】同コネクタを燃料タンクに備え付けた状態を
当該燃料タンクの要部と共に示す縦断面図

【符号の説明】 Ａ コネクタ Ｂ 燃料タンク Ｂ’ タンク Ｂａ 開口 Ｂｂ 開口周縁 Ｂｃ 開口部 Ｂｄ 環状凹溝 Ｃ 管 ３ フューエルカットオフバルブ １０ ガスバリヤ体部 １１ 筒状部 １２ 鍔状部 ２０ 外殻体部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ１６Ｋ 27/00 Ｂ６０Ｋ 15/02 Ｍ (72)発明者 小林 靖知 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地１ 株式会社ニフコ内 Ｆターム(参考） 3D038 CA15 CB01 CC04 CC20 3H051 AA01 CC15 DD07 3H055 AA02 BA04 CC08 CC21 CC25 DD26 GG26 JJ03

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも開口周縁側方のタンク外面部
   を合成樹脂製とした燃料タンクの開口部に備え付けられ
   て該燃料タンクと該燃料タンクに接続される管とを連通
   状態に接続するコネクタであって、 該コネクタが、筒状部と、該筒状部の外周側に備えられ
   る前記開口よりも大きい面を有する鍔状部とを備えたガ
   スバリヤ性合成樹脂製のガスバリヤ体部と、このガスバ
   リヤ体部における少なくとも前記タンク外面に向き合う
   該鍔状部の先端側を覆うように該ガスバリヤ体部に一体
   に備えられている合成樹脂製の外殻体部とを備えてお
   り、 該コネクタが、前記開口を塞ぐように、前記鍔状部に備
   えられている外殻体部を前記開口周縁側方の前記タンク
   外面部に溶着して備えられることを特徴とする燃料タン
   ク用コネクタ。
2. 【請求項２】 前記鍔状部の先端側に、前記タンク外面
   部に向けて突き出す環状突出し部が備えられていること
   を特徴とする請求項１に記載の燃料タンク用コネクタ。
3. 【請求項３】 前記鍔状部に、前記開口周縁に沿うよう
   に備えられている前記タンク外面部の環状凹溝内に納め
   入れられるシール材の環状凹溝に差し入れられる環状突
   出し部が備えられていることを特徴とする請求項１に記
   載の燃料タンク用コネクタ。
4. 【請求項４】 前記鍔状部に、前記タンク外面部に向け
   て突き出す環状突出し部が備えられていると共に、前記
   鍔状部に備えられている外殻体部を前記開口周縁側方の
   前記タンク外面部に溶着して前記コネクタを前記燃料タ
   ンクに備え付けた際に、該タンク外面部に接触するシー
   ル材を前記環状突出し部に備え付けてあることを特徴と
   する請求項１に記載の燃料タンク用コネクタ。
5. 【請求項５】 前記コネクタが、燃料供給管の接続用コ
   ネクタであることを特徴とする請求項１、請求項２、請
   求項３又は請求項４に記載の燃料タンク用コネクタ。
6. 【請求項６】 前記コネクタが、通気管の接続用コネク
   タであることを特徴とする請求項１、請求項２、請求項
   ３又は請求項４に記載の燃料タンク用コネクタ。
7. 【請求項７】 前記コネクタがフューエルカットオフバ
   ルブを備えていることを特徴とする請求項１、請求項
   ２、請求項３、請求項４又は請求項６に記載の燃料タン
   ク用コネクタ。
8. 【請求項８】 前記ガスバリヤ体部がポリアセタール製
   とされており、且つ、前記外殻体部がポリエチレン製と
   されていることを特徴とする請求項１、請求項２、請求
   項３、請求項４、請求項５、請求項６又は請求項７に記
   載の燃料タンク用コネクタ。
9. 【請求項９】 前記ガスバリヤ体部が、下方に向けて突
   き出すようにフロート室を構成する筒体部を一体に備え
   ていると共に、前記筒状部のタンク側にある開口部に凹
   部を有しており、少なくとも前記鍔状部の先端側から前
   記筒体部を経て該凹部に到る面と該面に続く該凹部の一
   部内面とが前記外殻体部で覆われていると共に、該凹部
   内の外殻体部との間にシール材を介して該外殻体部と前
   記凹部とにより構成される凹部内に前記弁座体が備え付
   けられていることを特徴とする請求項１、請求項２、請
   求項３、請求項５、請求項６、請求項７又は請求項８に
   記載の燃料タンク用コネクタ。