JP2002136938A - 中身入り容器の自動開蓋洗浄装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中身入りでキャップで開口部を閉止されてい
る瓶，缶，紙パック，ペットボトル等の容器を再使用の
ためキャップ開蓋，中身排出，瓶本体の洗浄等を自動的
に、かつ効率的に行うコンパクト構造の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置及びその方法を提供する。 【解決手段】 投入コンベア２及び容器送りユニット３
内に導入された瓶１０はセパレータ４により１個づつ順
送りされ、マニュピレータ部５のマニュピレータ１１に
より把持され開蓋ユニット６の位置に送られる。ここで
キャップが開蓋されて排送される。容器１０は開口部が
下になるように反転され、中身は自重で落下して排出さ
れる。順次ピッチ送りされてマニュピレータ１１に把持
された状態の容器１０は洗浄され、洗浄後に正転され脱
荷排送手段９の位置に移動し、ここで脱荷されて排出さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中身の入っている
瓶，缶，紙パック，ペットボトル等の容器の開蓋と中身
の除去排出とその洗浄を行って容器を再使用状態又はリ
サイクル可能な状態にする中身入り容器の自動開蓋洗浄
装置及びその方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】中身が充填されている容器は、その出荷
や使用前の段階で廃棄処分される場合がある。この場
合、中身の再使用は一般に困難であるが容器本体やその
開口部を閉止するキャップ等を再使用することは可能で
ある。容器を再使用状態又はリサイクル可能な状態にす
るためには、キャップを極力変形や損傷なしに開蓋し、
中身を容器本体から取り出し、容器内部を綺麗に洗浄す
る作業が必要である。以上の作業を人力で行うには、多
くの人手と手間を要し、かつ比較的広いスペースが必要
になる。また、手動で行う場合は作業時間がかかると共
に容器を再使用状態に高品質に仕上げる作業にムラが生
じ後工程でトラブルが生じ易い問題点がある。従来技術
でも以上の要請に対して色々な工夫がされているが、以
上の作業を自動的に確実に行うと共に装置構造がコンパ
クトにまとめられたものはなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】数多くの使用前の容器
を再使用状態又はリサイクル可能な状態にするには再使
用のための各作業を自動的に行うと共に、各作業が連続
的に行われ、かつ装置自体としてはコンパクトにまとめ
られ省スペース化の要請を満足することが必要になる。
また、キャップを極力使用可能状態に取り外す必要があ
り、容器本体の損傷やキズの発生も極力少ないことが望
ましい。

【０００４】本発明は、以上の要請に鑑みて発明された
ものであり、装置構造がコンパクトにまとめられ、容器
の投入，開蓋，中身の排出，洗浄，脱荷が自動的に整然
と行われ、かつ比較的安価に実施される中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置及びその方法を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１に記
載の中身入り容器の自動開蓋洗浄装置は、中身入りの容
器本体とこの開口部を閉止するキャップとを有する容器
の前記キャップを開蓋しその中身を排出処理した後、洗
浄を行って前記容器を再使用状態又はリサイクル可能な
状態にする作業を自動的に行うための装置であって、該
装置は、前記容器を装置内に投入するための投入コンベ
アと、これを移送する容器送りユニットと、移送されて
きた容器を１個づつ分離して順送りするセパレータと、
セパレータ内の容器を把持及び把持開放し得ると共に正
反転可能に構成されるマニュピレータを複数本回転板の
外周に放射状に等間隔に配置するマニュピレータ部と、
前記マニュピレータにより把持されている容器のキャッ
プに係合し該キャップの開蓋を行うと共に前記キャップ
を排送するキャップ排送手段を有する開蓋ユニットと、
前記マニュピレータの反転により自重で落下した前記中
身を排出処理する中身排出処理手段と、中身を排出した
容器本体の洗浄を行う洗浄手段と、前記マニュピレータ
の正転により元の姿勢に戻った前記容器本体を前記マニ
ュピレータから脱荷して排送する脱荷排送手段とから構
成されることを特徴とする。これにより、中身入りの容
器の投入から脱荷までの工程が自動的に、かつ連続的
に、かつ確実に行われ、容器の再使用が可能になり、か
つ効率的な容器の再使用復帰が可能になる。

【０００６】本発明の請求項２に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置は、前記開蓋ユニットは、前記容器の
キャップの外周に係着する弾性体からなる複数個の第１
のカムローラ及びこの支持基板と、前記容器本体の外周
に係着する弾性体からなる複数個の第２のカムローラ
と、前記支持基板を回転及び上下動させる駆動手段と、
前記開蓋されたキャップに押圧力を付加して該キャップ
をキャップ排出部側に送るキャップ排送手段とを有する
ことを特徴とする。キャップの取り外しはキャップや容
器本体に弾性体のカムローラを係合せしめ、カムローラ
のカム動作によってキャップや容器に押圧力を付加した
状態に支持基板を回動して行うため、キャップの取り外
しが容易に、かつ確実にできると共にキャップや容器本
体側に損傷を与えない。

【０００７】本発明の請求項３に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置は、前記マニュピレータは、前記容器
の容器本体に係合してその把持及び把持開放を行う弾性
機能を有する把持部と、該把持部を正反転し得る回動機
構部と、前記把持部及び回動機構部を前記回転板側に固
持する固持部とからなることを特徴とする。回動板の外
周に等間隔で放射状に配置されたマニュピレータは弾性
機能を有する把持部で容器本体を把持し得ると共にその
開放を行い、かつ正反転可能に構成されるため、所定場
所で容器の把持や開放が自由にでき、かつ必要な場所で
正反転させることが容易にできる。これにより、容器の
損傷や再使用状態への復帰が確実に行われる。

【０００８】本発明の請求項４に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置は、前記回動機構部が、前記マニュピ
レータ側に等間隔に放射状に設けられた複数枚のプレー
トと、装置の固定側の前記マニュピレータの正反転位置
に配置され前記プレートに係合するロッド部とからな
り、該ロッド部は前記回転板の回転に伴って前記プレー
トに押圧力を付加して前記マニュピレータの正反転を行
うべく構成されることを特徴とする。マニュピレータの
正反転はマニュピレータ側に固定されるプレートにロッ
ド部を当て回転板の回転運動を利用してマニュピレータ
を回動する極めて簡便の構造からなり、自動制御により
正反転する機構に較べて安価に実施できる。また、その
正反転動作が確実に行われる。

【０００９】本発明の請求項５に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置は、前記中身排出処理手段が、前記容
器本体内から自重で落下する中身を受ける受け部と、該
受け部に連通して形成される排出口とを有するケーシン
グからなり、該ケーシングは必要時にのみ所定位置に位
置決めされるべく移動可能に構成されることを特徴とす
る。以上の構造により、ケーシングを必要時に装置側に
係合せしめることにより受け部上に脱落した中身を排出
口から容易に排出させることができる。

【００１０】本発明の請求項６に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置は、洗浄手段は、反転されて開口部を
下方に向けた前記容器本体内に圧力空気及び水を送るも
のからなることを特徴とする。圧力空気と水を容器本体
内に噴射することにより容器内部に付着して残存してい
る中身が確実に除去されると共に容器内部の清掃が確実
に行われる。

【００１１】本発明の請求項７に記載の中身入り容器の
自動開蓋洗浄装置による容器の開蓋洗浄方法は、前記容
器を前記投入コンベア及び容器送りユニットにより装置
内に移送する第１の手順と、移送された容器をセパレー
タにより１個づつ分離して所定位置に順送りする第２の
手順と、前記所定位置において前記マニュピレータによ
り前記容器本体の胴部を把持し前記回転板の回動により
所定位置に前記容器を移動させる第３の手順と、前記所
定位置において前記開蓋ユニットによりキャップの開蓋
を行うと共に開蓋されたキャップを排送処理する第４の
手順と、開蓋された容器本体を前記マニュピレータの反
転によりその開口部を下方に向ける第５の手順と、前記
開口部から自重で中身を脱落させて中身排出処理手段側
に送る第６の手順と、中身のほぼ無くなった容器本体の
前記開口部に圧力空気及び水を噴射して内部の洗浄を行
う第７の手順と、洗浄された容器本体を正転して脱荷位
置に移送する第８の手順と、脱荷位置に移送された容器
本体を脱荷する第９の手順とを連続して順次行うことを
特徴とする。以上の手順により容器の投入，開蓋，中身
出し，洗浄脱荷の一連の作業が連続的に、かつ効率的に
行われる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の中身入り容器の自
動開蓋洗浄装置及びその方法の実施の形態を図面を参照
して詳述する。まず、図１乃至図８により中身入り容器
の自動開蓋洗浄装置の全体構造を説明する。

【００１３】中身入り容器の自動開蓋洗浄装置（以下、
装置という）１は、大別して次の構成要素からなる。即
ち、投入コンベア２、容器送りユニット３、セパレータ
４、マニュピレータ部５、開蓋ユニット６、中身排出処
理手段７、洗浄手段８、脱荷排送手段９等とからなる。
以下、それ等の構造を詳しく説明する。なお、以下の説
明では容器として瓶１０を選定するが、これに限定する
ものではない。なお、瓶１０は瓶本体１０ａとキャップ
１０ｂと図示しない中身等とからなる。

【００１４】投入コンベア２は瓶１０を搭載して移送す
るローラコンベアのごときものからなる。瓶１０はこの
投入コンベア２上にランダムに搭載される。投入コンベ
ア２の投入端側には容器送りユニット３が配置される。
容器送りユニット３は図示のような瓶１０を搭載して円
周送りする周縁壁を有する円板状の回転構造体からな
る。投入コンベア２により移送された瓶１０は容器送り
ユニット３の周縁壁３ａに沿って送られる。

【００１５】セパレータ４は、本実施の形態ではセグメ
ント状の回転板部材２５（図３）とその回転駆動部２４
（図３）等とからなり、回転板部材２５には瓶１０の嵌
り込む半円弧部４ａが円周側に複数箇所（図示では８箇
所）凹設される。回転駆動部２４は、図３に示すよう
に、回転板部材２５側に固定される減速機２６と、これ
にベルト２７を介して連結されるモータ２８等とからな
る。なお、回転板部材２５はモータ２７によりピッチ送
りされる。容器送りユニット３により移送されてきた瓶
１０はセパレータ４の半円弧部４ａ内に１個づつ嵌り込
み、セパレータ４のピッチ送りに沿って１個づつ順送り
される。

【００１６】次に、マニュピレータ部５の構造を図１，
図２及び図５，図６，図７等により説明する。マニュピ
レータ部５はマニュピレータ１１と、複数個（本実施の
形態では８個）のマニュピレータ１１を等間隔に放射状
に配設する回転板１２と、この回転駆動部１３（図２）
等とからなる。

【００１７】マニュピレータ１１は、図５，図６に示す
ように、その先端側に設けられる把持部１４と、把持部
１４を正反転させる回動機構部１５と、把持部１４や回
動機構部１５を回転板１２に固持する固持部１６等とか
らなる。

【００１８】把持部１４は瓶１０の瓶本体１０ａの外周
を把持するための一対の駒１７，１７からなり、駒１７
はその基端側をピン１６により基板１８側に枢支され
る。また、駒１７，１７には図略の駒回動駆動部が連結
される。なお、駒１７は瓶１０に損傷を与えることを防
止するためそれ自体として弾性体で形成されてもよい
が、瓶１０と係合する部分に弾性部材を設けるものでも
よい。

【００１９】回転機構部１５は、図示では詳細構造を省
略しているが基板１８に連結される円筒体１９と、この
内部に挿入されて後方側に伸延する棒体２０と複数枚
（本実施の形態では４枚）プレート２１と、これに係合
するロッド部２２等とからなる。なお、回転機構部１５
は棒体２０の部分を保持するブラケット２３等の固持部
により回転板１２側に固定される。なお、円筒体１９及
び基板１８は回転自在に支持される。また、円筒体１９
や棒体２０の長さを調整することにより把持部１４の先
端位置を所望の位置に調整することができる。

【００２０】回転機構部１５は前記のように円筒体１９
とこの外周に固定される４枚のプレート２１，２１，２
１，２１と、このプレート２１の外縁側に当接係合する
ロッド部２２等とからなるが、その回動動作は次のよう
にして行われる。マニュピレータ１１は前記のように回
転板１２上に固定されて回動送りされる。従って、円筒
体１９及びこれに固定されるプレート２１も回転板１２
の回転に伴って移送する。一方、ロッド部２２は装置の
固定側に固定され、頭部にテーパ部２２ａを有する棒状
体からなる。このロッド部２２をマニュピレータ１１が
正反転する必要のある場所に配置し、その頭部のテーパ
部２２ａをプレート２１の先端側に当接係合する位置に
配置することにより、回転板１２の回転によりプレート
２１とロッド部２２とが当接し、これによりプレート２
１に回転力が行われる。これにより、機械的にマニュピ
レータ１１の正反転が行われる。

【００２１】次に、回転板１２を回転駆動する回転駆動
部１３を図２により説明する。回転板１２の下面側には
減速機２９が固定され、減速機２９とモータ３０とはベ
ルト３１により連結される。また、回転板１２にはエン
コーダ３２等が連結され、そのピッチ送りをコントロー
ルする。また、モータ３０やセパレータ４側のモータ２
８等は装置の基盤フレーム３３の上面側に固定される。

【００２２】次に、開蓋ユニット６を図８，図１，図３
等により説明する。図１に示すように、開蓋ユニッ６
は、セパレータ部４からマニュピレータ１１により把持
された瓶１０が１ピッチだけ回動する位置のマニュピレ
ータ１１の把持部１４の位置の近傍に配設され、基盤フ
レーム３３上に固定される。

【００２３】開蓋ユニット６は、図８に示すようにベー
ス台３４を基盤フレーム２３上の所定位置に固定して立
設するものからなる。ベース台３４上にはシリンダ３５
とガイドポール３６が立設して配置される。シリンダ３
５のピストン３７の頂部には移動枠３８がほぼ水平方向
に沿って配置され、移動枠３８はガイドポール３６にガ
イド部３９を介して上下方向に沿って摺動自在に支持さ
れる。移動枠３８にはモータ４０が固定され、モータ４
０の回転軸に固定する歯車４１には複数個の小歯車４２
が噛合する。なお、本実施の形態では３個の同一形状小
歯車４２が大歯車４１に等間隔の位置において噛合す
る。この小歯車４２の回転軸４３には第２のカムローラ
４４が夫々連結される。第２のカムローラ４４は任意の
形状のカムでよいが、本実施の形態では図９，１０等に
示すように弾性体の円筒体の偏心孔に回転軸４３を連結
してカム形状としたものが一例として採用される。な
お、図には明示されていないが、第２のカムローラ４４
と回転軸４３の間には第２のカムローラ４４を内側に向
かって押圧すべく付勢するバネ部材等が介設される。ま
た、この第２のカムローラ４４は瓶１０の瓶本体１０ａ
の胴部に当接係合すべく配置される。

【００２４】一方、上方側には移動板４５がガイド４６
を介してガイドポール３６に上下動摺動自在に支持され
る。なお、この移動板４５を上下する駆動手段としては
移動板４５に下端を枢支されて軸線方向の移動を拘束さ
れるねじ軸４７とこれを回転するハンドル４８とからな
る。なお、ねじ軸４７はガイドポール３６の頂部に連結
されて固定する雌ねじ部４９に螺合する。また、移動板
４５には駆動手段であるモータ５０が連結されモータ５
０の回転軸には支持基板５１が連結される。また、支持
基板５１には本実施の形態では３個の回転軸５２が等間
隔で配置され、回転軸５２には第１のカムローラ５３が
連結される。なお、カムローラ５３は前記の第２のカム
ローラ４４と同様の弾性体の円筒体カム状のものからな
る。また、この第１のカムローラ５３は瓶１０のキャッ
プ１０ｂの外周に当接係合する。また、第２のカムロー
ラ４４の場合と同じく第１のカムローラ５３側にもこれ
等をキャップ１０ｂ側に押圧すべく付勢するバネ部材等
が配設される。なお、本実施の形態では支持基板５１を
第１のカムローラ５３側にのみ設けたが、第２のカムロ
ーラ側のカム廻りの構造を第１のカムローラ５３まわり
の構造とほぼ同一のものにし、第２のカムローラ４４側
にも支持基板を設けるようにしてもよい。

【００２５】開蓋ユニット６にはキャップ排送手段５４
が付設されるキャップ排送手段５４は図８，図１１に示
すように開蓋により自由状態になったキャップ１０ｂを
側面から押す押圧棒部５５と、押圧棒部５５により押さ
れて瓶本体１０ａから離れたキャップ１０ｂを回収場所
（図略）に集約するためのキャップ排出部５６等とから
なる。

【００２６】次に、第１のカムローラ５３及び第２のカ
ムローラ４４を用いてキャップ１０ｂを開蓋する方法を
図９及び図１０により説明する。まず、開蓋ユニットの
シリンダ３５やハンドル４８を操作し、第１のカムロー
ラ５３と第２のカムローラ４４をキャップ１０ｂ及び瓶
本体１０ａと係合し得る位置に移動位置決めする。この
状態で第１のカムローラ５３と第２のカムローラ４４は
図１０の（ａ）の状態になるが、前記したように第１の
カムローラ５３や第２のカムローラ４４にはバネ部材等
があるため、図１０（ｂ）に示すように第１のカムロー
ラ５３はキャップ１０ｂの外周に当接し、第２のカムロ
ーラ４４は瓶本体１０ａの胴部に当接する。なお、本実
施の形態ではモータ４０を作動し、第２のカムローラ４
４を瓶本体１０ａの胴部に圧接するようにしてもよい。
この状態で支持基板５１をモータ５０により回転させる
と弾性体の第１のカムローラ５３及び第２のカムローラ
５４はカム運動をし、図１０（ｃ）に示すようにキャッ
プ１０ｂや瓶本体１０ａに圧接する。更に、支持基板５
２を回転するとキャップ１０ｂが回転し、結果としてキ
ャップ１０ｂは自由状態となって開蓋される。

【００２７】次に、中身排出処理手段７を説明する。こ
のものは瓶本体１０ａ内から自重で落下した中身を一時
受け止めて保留すると共に保留されている中身を排出し
得る構造のものであればよい。本実施の形態では図１，
図４に示すようにケーシング５７からなる。このケーシ
ング５７は基盤フレーム３３上に移動可能に支持される
箱体からなり、周辺を囲まれると共に底部に中身の受け
部５８を有するものからなる。なお、受け部５８には図
略の排出口が連通して配置され、中身は排出口から外部
に排出される。なお、ケーシング５７は使用時にはマニ
ュピレータ部５をほぼ覆う構造のものからなるが、不使
用時には図４に示すように後端位置に位置決めされる。

【００２８】次に、洗浄手段８を説明する。洗浄手段と
しては特に限定するものではないが瓶本体１０ａの完全
洗浄を行う必要性から圧力空気と水が使用される。圧力
空気のみでは瓶本体１０ａの内部に付着した中身を洗浄
除去することは可能であるが、瓶本体１０ａを綺麗にす
るには圧力水による噴射洗浄が必要である。また、本実
施の形態では図１に示すように洗浄工程を２箇所配置し
ているが、これに限定するものではない。

【００２９】次に、脱荷排送手段９を説明する。この手
段は洗浄されて正転された瓶本体１０ａをマニュピレー
タ１１から開放し、所定の脱荷位置に移送するものから
なる。即ち、図３に示すようにマニュピレータ１１に把
持されている瓶本体１０ａを下方に押してマニュピレー
タ１１から開放するシリンダ５９と脱荷コンベア６０等
とからなる。

【００３０】次に、本発明の中身入り容器の自動開蓋洗
浄装置１による瓶１０の開蓋，洗浄等による投入から脱
荷までの一連の処理方法を主に図１２のフローチャート
等により説明する。まず、再使用のために開蓋，洗浄等
を必要とする瓶１０を投入コンベア２に投入する（ステ
ップ１００）。次に、瓶送りユニット（容器送りユニッ
ト３と同じ）により装置のセパレータ４側に搬送される
（ステップ１０１）。ここでセパレータ４により瓶１０
が１個づつ受け取られ順送りされる（ステップ１０
２）。セパレータ４がピッチ送りされ、マニュピレータ
１１の１つが待機している位置まで搬送される（ステッ
プ１０３）。ここでマニュピレータ１１がセパレータ４
より瓶１０を受け取りその瓶本体１０ａの胴部を把持す
る（ステップ１０４）。マニュピレータ１１がピッチ送
りされ、開蓋ユニット６の設置されている位置まで送ら
れる（ステップ１０５）。開蓋ユニット６により前記の
ように瓶１０のキャップ１０ｂや瓶本体１０ａが第２の
カムローラ４４や第１のカムローラ５３により把持され
（ステップ１０６）、支持基板５１の回転により（ステ
ップ１０７）、キャップ１０ｂが取り外しされる（ステ
ップ１０８）。ここでアンキャップされたキャップ１０
ｂはキャップ排送手段５４により排出される（ステップ
１０９）。次に、図１に示すように次のマニュピレータ
１１のピッチ送り位置において瓶本体１０ａが反転さ
れ、その開口部が下方に向く（ステップ１１０）。更
に、マニュピレータ１１の次のピッチ送りにより瓶本体
１０ａ内の中身が自重で落下し除去され（ステップ１１
１）、中身は中身排出処理手段７により排出される。次
に、マニュピレータ１１は次のピッチ送りで回動し（ス
テップ１１２）、洗浄手段８の位置に送られる。ここで
瓶本体１０ａの内部に圧力空気と水が噴射され瓶内部の
洗浄が行われる（ステップ１１３）。次に、マニュピレ
ータ１１がピッチ送りされ、瓶本体１０ａは正転され
（ステップ１１４）、開口部を上方に向ける。ここで、
マニュピレータ１１は脱荷排出手段７の位置のピッチ送
りされ、ここでマニュピレータ１１による瓶本体１０ａ
の把持が開放される（ステップ１１５）。脱荷排出手段
のシリンダ５９は瓶本体１０ａを下方に係合し、瓶本体
１０ａは脱荷コンベア６０上に送り出し（ステップ１１
６）、脱荷が行われる（ステップ１１７）。以上の作業
工程はすべて制御部６１により自動コントロールされ連
続的に繰り返し行われる。

【００３１】以上の説明において容器を瓶１０とした
が、容器はこれに限らず、缶，紙パック，ペットボトル
等中身があってキャップ等で閉止されているもののすべ
てが対象となる。勿論、これ等の容器の場合は装置の各
構成要素はそれ等の形状等に対応して変わる。

【００３２】

【発明の効果】本発明の中身入り容器の自動開蓋洗浄装
置によれば、容器が損傷なく再使用状態に復帰でき、省
資源化の要請を満たすことができると共に、装置の各作
業工程が自動的に連続的に行われ、効率化が図れると共
に装置構造がコンパクト化され省スペース化が得られ
る。また、比較的装置構造は簡便のもので安価に実施す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の中身入り容器の自動開蓋洗浄装置の全
体構成図。

【図２】図１におけるマニュピレータ部まわりの構造を
示す側面図。

【図３】図１のセパレータ部及び脱荷排送手段まわりの
構造を示す側面図。

【図４】図１における中身排出処理手段まわりの構造を
示す正面図。

【図５】本発明のマニュピレータ部のマニュピレータの
詳細構造を示す平面図。

【図６】図５の側面図。

【図７】図５，図６におけるマニュピレータの正反転機
構を説明するための模式図。

【図８】本発明の開蓋ユニットの詳細構造を示す正面
図。

【図９】開蓋ユニットによるキャップの取り外し状態を
説明するための模式図。

【図１０】開蓋ユニットによるキャップの取り外し状態
を説明するための模式図。

【図１１】キャップ排送手段によるキャップの搬送状態
を説明するための模式図。

【図１２】本発明の中身入り容器の自動開蓋洗浄装置に
よる瓶の投入から脱荷までのプロセスを説明するための
フローチャート。

【符号の説明】

１ 中身入り容器の自動開蓋洗浄装置 ２ 投入コンベア ３ 容器送りユニット ３ａ 周縁壁 ４ セパレータ ４ａ 半円弧部 ５ マニュピレータ部 ６ 開蓋ユニット ７ 中身排出処理手段 ８ 洗浄手段 ９ 脱荷排送手段 １０ 瓶本体 １０ａ 瓶本体 １０ｂ キャップ １１ マニュピレータ １２ 回転板 １３ 回転駆動部 １４ 把持部 １５ 回転機構部 １６ ピン １７ 駒 １８ 基板 １９ 円筒体 ２０ 棒体 ２１ プレート ２２ ロッド部 ２２ａ テーパ部 ２３ ブラケット ２４ 回転駆動部 ２５ 回転板部材 ２６ 減速機 ２７ ベルト ２８ モータ ２９ 減速機 ３０ モータ ３１ ベルト ３２ エンコーダ ３３ 基盤フレーム ３４ ベース台 ３５ シリンダ ３６ ガイドポール ３７ ピストン ３８ 移動枠 ３９ ガイド部 ４０ モータ ４１ 歯車 ４２ 小歯車 ４３ 回転軸 ４４ 第２のカムローラ ４５ 移動板 ４６ ガイド ４７ ねじ軸 ４８ ハンドル ４９ 雌ねじ部 ５０ モータ ５１ 支持基板 ５２ 回転軸 ５３ 第１のカムローラ ５４ キャップ排送手段 ５５ 押圧棒部 ５６ キャップ排出部 ５７ ケーシング ５８ 受け部 ５９ シリンダ ６０ 脱荷コンベア ６１ 制御部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ６７Ｂ 7/18 Ｂ６７Ｂ 7/18

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中身入りの容器本体とこの開口部を閉止
   するキャップとを有する容器の前記キャップを開蓋しそ
   の中身を排出処理した後、洗浄を行って前記容器を再使
   用状態又はリサイクル可能な状態にする作業を自動的に
   行うための装置であって、該装置は、前記容器を装置内
   に投入するための投入コンベアと、これを移送する容器
   送りユニットと、移送されてきた容器を１個づつ分離し
   て順送りするセパレータと、セパレータ内の容器を把持
   及び把持開放し得ると共に正反転可能に構成されるマニ
   ュピレータを複数本回転板の外周に放射状に等間隔に配
   置するマニュピレータ部と、前記マニュピレータにより
   把持されている容器のキャップに係合し該キャップの開
   蓋を行うと共に前記キャップを排送するキャップ排送手
   段を有する開蓋ユニットと、前記マニュピレータの反転
   により自重で落下した前記中身を排出処理する中身排出
   処理手段と、中身を排出した容器本体の洗浄を行う洗浄
   手段と、前記マニュピレータの正転により元の姿勢に戻
   った前記容器本体を前記マニュピレータから脱荷して排
   送する脱荷排送手段とから構成されることを特徴とする
   中身入り容器の自動開蓋洗浄装置。
2. 【請求項２】 前記開蓋ユニットは、前記容器のキャッ
   プの外周に係着する弾性体からなる複数個の第１のカム
   ローラ及びこの支持基板と、前記容器本体の外周に係着
   する弾性体からなる複数個の第２のカムローラと、前記
   支持基板を回転及び上下動させる駆動手段と、前記開蓋
   されたキャップに押圧力を付加して該キャップをキャッ
   プ排出部側に送るキャップ排送手段とを有することを特
   徴とする請求項１に記載の中身入り容器の自動開蓋洗浄
   装置。
3. 【請求項３】 前記マニュピレータは、前記容器の容器
   本体に係合してその把持及び把持開放を行う弾性機能を
   有する把持部と、該把持部を正反転し得る回動機構部
   と、前記把持部及び回動機構部を前記回転板側に固持す
   る固持部とからなることを特徴とする請求項１に記載の
   中身入り容器の自動開蓋洗浄装置。
4. 【請求項４】 前記回動機構部が、前記マニュピレータ
   側に等間隔に放射状に設けられた複数枚のプレートと、
   装置の固定側の前記マニュピレータの正反転位置に配置
   され前記プレートに係合するロッド部とからなり、該ロ
   ッド部は前記回転板の回転に伴って前記プレートに押圧
   力を付加して前記マニュピレータの正反転を行うべく構
   成されることを特徴とする請求項３に記載の中身入り容
   器の自動開蓋洗浄装置。
5. 【請求項５】 前記中身排出処理手段が、前記容器本体
   内から自重で落下する中身を受ける受け部と、該受け部
   に連通して形成される排出口とを有するケーシングから
   なり、該ケーシングは必要時にのみ所定位置に位置決め
   されるべく移動可能に構成されることを特徴とする請求
   項１に記載の中身入り容器の自動開蓋洗浄装置。
6. 【請求項６】 洗浄手段は、反転されて開口部を下方に
   向けた前記容器本体内に圧力空気及び水を送るものから
   なることを特徴とする請求項１に記載の中身入り容器の
   自動開蓋洗浄装置。
7. 【請求項７】 中身入りの容器本体とこの開口部を閉止
   するキャップとを有する容器を装置内に投入するための
   投入コンベアと、これを移送する容器送りユニットと、
   移送されてきた容器を１個づつ分離して順送りするセパ
   レータと、セパレータ内の容器を把持及び把持開放し得
   ると共に正反転可能に構成されるマニュピレータを複数
   本回転板の外周に放射状に等間隔に配置するマニュピレ
   ータ部と、前記マニュピレータにより把持されている容
   器のキャップに係合し該キャップの開蓋を行うと共に前
   記キャップを排送するキャップ排送手段を有する開蓋ユ
   ニットと、前記マニュピレータの反転により自重で落下
   した前記中身を排出処理する中身排出処理手段と、中身
   を排出した容器本体の洗浄を行う洗浄手段と、前記マニ
   ュピレータの正転により元の姿勢に戻った前記容器本体
   を前記マニュピレータから脱荷して排送する脱荷排送手
   段とから構成される中身入り容器の自動開蓋洗浄装置に
   よる容器の開蓋洗浄方法であって、前記容器を前記投入
   コンベア及び容器送りユニットにより装置内に移送する
   第１の手順と、移送された容器をセパレータにより１個
   づつ分離して所定位置に順送りする第２の手順と、前記
   所定位置において前記マニュピレータにより前記容器本
   体の胴部を把持し前記回転板の回動により所定位置に前
   記容器を移動させる第３の手順と、前記所定位置におい
   て前記開蓋ユニットによりキャップの開蓋を行うと共に
   開蓋されたキャップを排送処理する第４の手順と、開蓋
   された容器本体を前記マニュピレータの反転によりその
   開口部を下方に向ける第５の手順と、前記開口部から自
   重で中身を脱落させて中身排出処理手段側に送る第６の
   手順と、中身のほぼ無くなった容器本体の前記開口部に
   圧力空気及び水を噴射して内部の洗浄を行う第７の手順
   と、洗浄された容器本体を正転して脱荷位置に移送する
   第８の手順と、脱荷位置に移送された容器本体を脱荷す
   る第９の手順とを連続して順次行うことを特徴とする中
   身入り容器の自動開蓋洗浄装置による開蓋洗浄方法。