JP2002136175A - 同期モータ制御方法およびその装置 - Google Patents

同期モータ制御方法およびその装置

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JP2002136175A JP2000322027A JP2000322027A JP2002136175A JP 2002136175 A JP2002136175 A JP 2002136175A JP 2000322027 A JP2000322027 A JP 2000322027A JP 2000322027 A JP2000322027 A JP 2000322027A JP 2002136175 A JP2002136175 A JP 2002136175A
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敏行 前田
Masanobu Kita
正信 喜多
Manabu Kosaka
学 小坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理を簡単化して、確実に同期モータを起動
するとともに、位置検出運転への移行を確実に行う。 【解決手段】 モータモデルが設定されているととも
に、モータ電流および電圧を入力として所定の演算を行
い、回転子の回転位置を検出する位置検出部6aと、ロ
ータ位置または同期位置発生部10からの基準位置を選
択する第1選択部13と、最終電流指令または起動電流
指令部11からの電流位相を選択する第2選択部14
と、起動指令を入力として、回転磁界発生のための基準
位置情報を出力する同期位置発生部10と、起動指令、
位置検出部6aからのロータ位置、および同期位置発生
部10からの基準位置情報を入力として、回転磁界の強
さおよび基準位置からの電流位相を示す情報を出力する
起動電流指令部11と、位置検出部6aからのロータ位
置と同期位置発生部10からの基準位置情報とを入力と
してロータ位置が所定の条件を満足するか否かを判定
し、判定結果に応答して第1選択部13および第2選択
部14を制御するロック検出部12とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は同期モータ制御方
法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、同期モ
ータの入力端子電圧、電流およびこの同期モータの機器
定数を用いて回転子の回転位置を検出し、回転位置検出
結果に基づいてインバータを制御し、インバータの出力
電圧もしくは電流を同期モータに供給する同期モータ制
御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種の機器の駆動源としてブ
ラシレスDCモータが採用されているが、このブラシレ
スDCモータに対しては、電圧利用率の向上(過変調)
による運転範囲拡大と高効率化、制御性向上、低騒音化
が要求されているとともに、回転子の回転位置を検出す
るためのセンサを不要とすることによる信頼性向上とコ
ストダウン、およびセンサレス制御を行う場合にはその
緻密化が要求されている。
【0003】そして、このような要求を満足させるため
のブラシレスDCモータ制御方法として、「IPMモー
タのセンサレス制御」、モータ技術シンポジウムB−
5、1999/3に示すように、誘起電圧を外乱として
考える外乱オブザーバを用いたセンサレスベクトル制御
が提案されている。このセンサレスベクトル制御は、外
乱オブザーバ、および過変調を伴わない電流制御を用い
る制御方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の方法を
採用した場合には、停止時には回転子の回転位置を検出
することが不可能であるとともに、回転速度が低い場合
には、回転位置の検出精度が低くなるので、同期モータ
の起動時には到底適用することができない。
【0005】したがって、同期モータの起動時には、前
記の方法とは別の方法により回転位置を検出し、その後
に前記の方法を用いて回転位置を検出することになり、
この結果、回転位置の検出機構を2系統準備しておくこ
とが必要になり、高機能なCPUを用いなければならな
いことに起因してコストアップを招いてしまい、しか
も、開発のための作業が増大するとともに演算処理時間
が長くなってしまう。また、2系統の回転位置検出機構
でそれぞれセンサレスの回転位置検出を行う必要があ
り、しかもそれぞれの回転位置検出が必ずしも安定でな
いため、全体として同期モータの制御が不安定になり、
最悪の場合には同期モータを起動することができなくな
ってしまう。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、処理を簡単化することができ、しかも確
実に同期モータを起動するとともに、同期モータの入力
端子電圧、電流およびこの同期モータの機器定数を用い
て回転子の回転位置を検出し、回転位置検出結果に基づ
いて同期モータを運転する状態への移行を確実に達成す
ることができる同期モータ制御方法およびその装置を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の同期モータ制
御方法は、同期モータの入力端子電圧、電流およびこの
同期モータの機器定数を用いて回転子の回転位置を検出
し、回転位置検出結果に基づいてインバータを制御し、
インバータの出力電圧もしくは電流を同期モータに供給
するに当たって、起動時には同期モータの回転子の回転
位置に拘わらず外部から回転磁界を与える同期運転を行
って同期モータを起動し、回転位置検出結果が所定の条
件を満足することを条件として、回転位置検出結果に基
づいてインバータを制御して出力電圧もしくは電流を供
給する位置検出運転を行って同期モータを駆動する方法
である。
【0008】請求項2の同期モータ制御方法は、回転位
置検出結果に基づく運転への切替時に、(Ld−Lq)i
d+φ≠0(Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸イン
ダクタンス、idはd軸電流、φは電機子鎖交磁束)の
条件で同期モータを運転する方法である。
【0009】請求項3の同期モータ制御方法は、外部か
ら回転磁界を与えて同期モータを起動している期間中、
(Ld−Lq)id+φ>0の条件で同期モータを運転す
る方法である。
【0010】請求項4の同期モータ制御方法は、電流位
相が位置検出運転不可能な領域にあることを検出するこ
とにより、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出する
方法である。
【0011】請求項5の同期モータ制御方法は、外部か
ら回転磁界を与えて同期モータを起動している期間中、
(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモータ電
流を小さく設定する方法である。
【0012】請求項6の同期モータ制御方法は、外部か
ら回転磁界を与えて同期モータを起動している期間中、
(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出したことに応答
して、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモ
ータ運転条件を変更する方法である。
【0013】請求項7の同期モータ制御方法は、同期モ
ータの回転速度が所定回転速度に達し、もしくは同期モ
ータの起動後の経過時間が所定時間に達したことを条件
として、回転位置検出結果が所定の条件を満足するとみ
なす方法である。
【0014】請求項8の同期モータ制御方法は、同期モ
ータの入力端子電圧、電流およびこの同期モータの機器
定数に基づいて検出される値が所定範囲内であることを
条件として、回転位置検出結果が所定の条件を満足する
ことを検出する方法である。
【0015】請求項9の同期モータ制御方法は、同期モ
ータの入力端子電圧、電流、この同期モータの機器定数
および回転座標モータ逆モデルに基づいて回転子の回転
位置を検出する方法である。
【0016】請求項10の同期モータ制御方法は、同期
モータの入力端子電圧、電流、この同期モータの機器定
数および固定座標モータ逆モデルに基づいて回転子の回
転位置を検出する方法である。
【0017】請求項11の同期モータ制御方法は、電流
を制御することにより同期運転を行う方法である。
【0018】請求項12の同期モータ制御方法は、電圧
を制御することにより同期運転を行う方法である。
【0019】請求項13の同期モータ制御方法は、同期
モータにより圧縮機を駆動する方法である。
【0020】請求項14の同期モータ制御装置は、検出
手段によって、同期モータの入力端子電圧、電流および
この同期モータの機器定数を用いて回転子の回転位置を
検出し、回転位置検出結果に基づいてインバータ制御手
段によってインバータを制御し、インバータの出力電圧
もしくは電流を同期モータに供給するものであって、起
動時には同期モータの回転子の回転位置に拘わらず外部
から回転磁界を与える同期運転を行って同期モータを起
動する起動手段と、回転位置検出結果が所定の条件を満
足することを検出する第1検出手段と、回転位置検出結
果が所定の条件を満足することを条件として、回転位置
検出結果に基づいてインバータを制御して出力電圧もし
くは電流を供給する位置検出運転を行って同期モータを
駆動する定常運転手段とを含むものである。
【0021】請求項15の同期モータ制御装置は、前記
定常運転手段として、回転位置検出結果に基づく運転へ
の切替時に、(Ld−Lq)id+φ≠0(Ldはd軸イン
ダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電
流、φは電機子鎖交磁束)の条件で同期モータを運転す
るものを採用するものである。
【0022】請求項16の同期モータ制御装置は、前記
起動手段として、(Ld−Lq)id+φ>0の条件で同
期モータを運転するものを採用するものである。
【0023】請求項17の同期モータ制御装置は、電流
位相が位置検出運転不可能な領域にあることを検出する
ことにより、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出す
る第2検出手段をさらに含むものである。
【0024】請求項18の同期モータ制御装置は、前記
起動手段として、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避
けるべくモータ電流を小さく設定するものを採用するも
のである。
【0025】請求項19の同期モータ制御装置は、前記
起動手段によって同期モータを起動している期間中、
(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出したことに応答
して、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモ
ータ運転条件を変更する運転条件変更手段をさらに含む
ものである。
【0026】請求項20の同期モータ制御装置は、前記
第1検出手段として、同期モータの回転速度が所定回転
速度に達し、もしくは同期モータの起動後の経過時間が
所定時間に達したことを条件として、回転位置検出結果
が所定の条件を満足するとみなすものを採用するもので
ある。
【0027】請求項21の同期モータ制御装置は、前記
第1検出手段として、同期モータの入力端子電圧、電流
およびこの同期モータの機器定数に基づいて検出される
値が所定範囲内であることを条件として、回転位置検出
結果が所定の条件を満足することを検出するものを採用
するものである。
【0028】請求項22の同期モータ制御装置は、前記
位置検出手段として、同期モータの入力端子電圧、電
流、この同期モータの機器定数および回転座標モータ逆
モデルに基づいて回転子の回転位置を検出するものを採
用するものである。
【0029】請求項23の同期モータ制御装置は、前記
位置検出手段として、同期モータの入力端子電圧、電
流、この同期モータの機器定数および固定座標モータ逆
モデルに基づいて回転子の回転位置を検出するものを採
用するものである。
【0030】請求項24の同期モータ制御装置は、前記
起動手段として、電流を制御することにより同期運転を
行うものを採用するものである。
【0031】請求項25の同期モータ制御装置は、前記
起動手段として、電圧を制御することにより同期運転を
行うものを採用するものである。
【0032】請求項26の同期モータ制御装置は、前記
同期モータとして圧縮機を駆動するものを採用するもの
である。
【0033】
【作用】請求項1の同期モータ制御方法であれば、同期
モータの入力端子電圧、電流およびこの同期モータの機
器定数を用いて回転子の回転位置を検出し、回転位置検
出結果に基づいてインバータを制御し、インバータの出
力電圧もしくは電流を同期モータに供給するに当たっ
て、起動時には同期モータの回転子の回転位置に拘わら
ず外部から回転磁界を与える同期運転を行って同期モー
タを起動し、回転位置検出結果が所定の条件を満足する
ことを条件として、回転位置検出結果に基づいてインバ
ータを制御して出力電圧もしくは電流を供給する位置検
出運転を行って同期モータを駆動するのであるから、簡
単な処理で同期モータを起動することができ、しかも回
転位置検出結果に基づく運転への移行を確実、かつスム
ーズに行うことができる。
【0034】請求項2の同期モータ制御方法であれば、
回転位置検出結果に基づく運転への切替時に、(Ld
q)id+φ≠0の条件で同期モータを運転するのであ
るから、請求項1の作用に加え、運転切替時における回
転位置の検出を確実に行うことができる。
【0035】請求項3の同期モータ制御方法であれば、
外部から回転磁界を与えて同期モータを起動している期
間中、(Ld−Lq)id+φ>0の条件で同期モータを
運転するのであるから、請求項2の作用に加え、外部ト
ルクによって駆動されている同期モータを起動する場合
にも回転位置検出結果に基づく運転への移行を確実、か
つスムーズに行うことができ、しかもモータモデルなど
に誤差が存在している場合であっても同期モータを確実
に起動することができる。
【0036】請求項4の同期モータ制御方法であれば、
電流位相が位置検出運転不可能な領域にあることを検出
することにより、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検
出するのであるから、請求項3と同様の作用を達成する
ことができる。
【0037】請求項5の同期モータ制御方法であれば、
外部から回転磁界を与えて同期モータを起動している期
間中、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモ
ータ電流を小さく設定するのであるから、請求項1から
請求項4の何れかの作用に加え、処理を簡単化すること
ができる。
【0038】請求項6の同期モータ制御方法であれば、
外部から回転磁界を与えて同期モータを起動している期
間中、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出したこと
に応答して、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避ける
べくモータ運転条件を変更するのであるから、請求項1
から請求項5の何れかの作用に加え、モータ運転条件の
変更を最小限にすることができる。
【0039】請求項7の同期モータ制御方法であれば、
同期モータの回転速度が所定回転速度に達し、もしくは
同期モータの起動後の経過時間が所定時間に達したこと
を条件として、回転位置検出結果が所定の条件を満足す
るとみなすのであるから、請求項1から請求項5の何れ
かの作用に加え、回転位置検出結果に基づく運転への移
行を簡単に行うことができる。
【0040】請求項8の同期モータ制御方法であれば、
同期モータの入力端子電圧、電流およびこの同期モータ
の機器定数に基づいて検出される値が所定範囲内である
ことを条件として、回転位置検出結果が所定の条件を満
足することを検出するのであるから、請求項1から請求
項7の何れかの作用に加え、回転位置検出結果に基づく
運転への移行のための条件を確実に検出することができ
る。
【0041】請求項9の同期モータ制御方法であれば、
同期モータの入力端子電圧、電流、この同期モータの機
器定数および回転座標モータ逆モデルに基づいて回転子
の回転位置を検出するのであるから、請求項1から請求
項8の何れかの作用に加え、定常状態において精度良く
回転位置を検出することができる。
【0042】請求項10の同期モータ制御方法であれ
ば、同期モータの入力端子電圧、電流、この同期モータ
の機器定数および固定座標モータ逆モデルに基づいて回
転子の回転位置を検出するのであるから、請求項1から
請求項8の何れかの作用に加え、回転座標への座標変換
などを不要にでき、処理を簡単化できる。
【0043】請求項11の同期モータ制御方法であれ
ば、電流を制御することにより同期運転を行うのである
から、請求項1から請求項10の何れかの作用に加え、
モータやインバータに用いられるパワーデバイスの能力
を十分に発揮させることができる。
【0044】請求項12の同期モータ制御方法であれ
ば、電圧を制御することにより同期運転を行うのである
から、請求項1から請求項10の何れかの作用に加え、
電流の検出が不要であるほか、処理を高速化することが
できる。
【0045】請求項13の同期モータ制御方法であれ
ば、同期モータにより圧縮機を駆動するのであるから、
請求項1から請求項12の何れかの作用に加え、同期モ
ータの確実な起動、および回転位置検出結果に基づく同
期モータの運転を実現することができる。
【0046】請求項14の同期モータ制御装置であれ
ば、検出手段によって、同期モータの入力端子電圧、電
流およびこの同期モータの機器定数を用いて回転子の回
転位置を検出し、回転位置検出結果に基づいてインバー
タ制御手段によってインバータを制御し、インバータの
出力電圧もしくは電流を同期モータに供給するに当たっ
て、起動手段によって、起動時には同期モータの回転子
の回転位置に拘わらず外部から回転磁界を与える同期運
転を行って同期モータを起動し、第1検出手段によっ
て、回転位置検出結果が所定の条件を満足することを検
出し、定常運転手段によって、回転位置検出結果が所定
の条件を満足することを条件として、回転位置検出結果
に基づいてインバータを制御して出力電圧もしくは電流
を供給する位置検出運転を行って同期モータを駆動する
ことができる。
【0047】したがって、簡単な処理で同期モータを起
動することができ、しかも回転位置検出結果に基づく運
転への移行を確実、かつスムーズに行うことができる。
【0048】請求項15の同期モータ制御装置であれ
ば、前記定常運転手段として、回転位置検出結果に基づ
く運転への切替時に、(Ld−Lq)id+φ≠0の条件
で同期モータを運転するものを採用するのであるから、
請求項14の作用に加え、運転切替時における回転位置
の検出を確実に行うことができる。
【0049】請求項16の同期モータ制御装置であれ
ば、前記起動手段として、(Ld−Lq)id+φ>0の
条件で同期モータを運転するものを採用するのであるか
ら、請求項15の作用に加え、外部トルクによって駆動
されている同期モータを起動する場合にも回転位置検出
結果に基づく運転への移行を確実、かつスムーズに行う
ことができ、しかもモータモデルなどに誤差が存在して
いる場合であっても同期モータを確実に起動することが
できる。
【0050】請求項17の同期モータ制御装置であれ
ば、電流位相が位置検出運転不可能な領域にあることを
検出することにより、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件
を検出する第2検出手段をさらに含むのであるから、請
求項16と同様の作用を達成することができる。
【0051】請求項18の同期モータ制御装置であれ
ば、前記起動手段として、(Ld−Lq)id+φ≦0の
条件を避けるべくモータ電流を小さく設定するものを採
用するのであるから、請求項14から請求項17の何れ
かの作用に加え、処理を簡単化することができる。
【0052】請求項19の同期モータ制御装置であれ
ば、前記起動手段によって同期モータを起動している期
間中、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を検出したこと
に応答して、(Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避ける
べくモータ運転条件を変更する運転条件変更手段をさら
に含むのであるから、請求項14から請求項18の何れ
かの作用に加え、モータ運転条件の変更を最小限にする
ことができる。
【0053】請求項20の同期モータ制御装置であれ
ば、前記第1検出手段として、同期モータの回転速度が
所定回転速度に達し、もしくは同期モータの起動後の経
過時間が所定時間に達したことを条件として、回転位置
検出結果が所定の条件を満足するとみなすものを採用す
るのであるから、請求項14から請求項18の何れかの
作用に加え、回転位置検出結果に基づく運転への移行を
簡単に行うことができる。
【0054】請求項21の同期モータ制御装置であれ
ば、前記第1検出手段として、同期モータの入力端子電
圧、電流およびこの同期モータの機器定数に基づいて検
出される値が所定範囲内であることを条件として、回転
位置検出結果が所定の条件を満足することを検出するも
のを採用するのであるから、請求項14から請求項20
の何れかの作用に加え、回転位置検出結果に基づく運転
への移行のための条件を確実に検出することができる。
【0055】請求項22の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位置検出手段として、同期モータの入力端子電
圧、電流、この同期モータの機器定数および回転座標モ
ータ逆モデルに基づいて回転子の回転位置を検出するも
のを採用するのであるから、請求項14から請求項21
の何れかの作用に加え、定常状態において精度良く回転
位置を検出することができる。
【0056】請求項23の同期モータ制御装置であれ
ば、前記位置検出手段として、同期モータの入力端子電
圧、電流、この同期モータの機器定数および固定座標モ
ータ逆モデルに基づいて回転子の回転位置を検出するも
のを採用するのであるから、請求項14から請求項21
の何れかの作用に加え、回転座標への座標変換などを不
要にでき、処理を簡単化できる。
【0057】請求項24の同期モータ制御装置であれ
ば、前記起動手段として、電流を制御することにより同
期運転を行うものを採用するのであるから、請求項14
から請求項23の何れかの作用に加え、モータやインバ
ータに用いられるパワーデバイスの能力を十分に発揮さ
せることができる。
【0058】請求項25の同期モータ制御装置であれ
ば、前記起動手段として、電圧を制御することにより同
期運転を行うものを採用するのであるから、請求項14
から請求項23の何れかの作用に加え、電流の検出が不
要であるほか、処理を高速化することができ、ひいては
コストダウンを達成することができる。
【0059】請求項26の同期モータ制御装置であれ
ば、前記同期モータとして圧縮機を駆動するものを採用
するのであるから、請求項14から請求項25の何れか
の作用に加え、同期モータの確実な起動、および回転位
置検出結果に基づく同期モータの運転を実現することが
できる。
【0060】さらに説明する。
【0061】緻密なセンサレス制御を実現するためにモ
ータモデルを用いて回転位置検出を行うことは従来から
研究されているが、起動後、モータモデルを用いる回転
位置検出結果に基づく運転が可能になるまでの挙動は全
く研究されていない。また、起動時の挙動も全く研究さ
れていない。
【0062】さらに、「IPMモータのセンサレス制
御」においては、初期位置を検出した後に同期運転を行
って起動を行うようにしているが、初期位置を検出しな
ければ、確実に起動できる保証が全くない。
【0063】したがって、本願発明は、「IPMモータ
のセンサレス制御」から到底容易には想到することがで
きないものである。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の同期モータ制御方法およびその装置の実施の態様
を詳細に説明する。なお、以下の各実施態様において
は、インバータの出力電圧を制御する場合について説明
しているが、インバータの出力電流を制御することも可
能である。
【0065】図1はこの発明の同期モータ制御装置の一
実施態様を示すブロック図である。
【0066】この同期モータ制御装置は、交流電源1を
入力として直流電力を得るコンバータ2と、この直流電
力を入力として交流電力を得て同期モータの一種である
ブラシレスDCモータ4に供給するインバータ3と、ブ
ラシレスDCモータ4に供給されるモータ電流を検出す
る電流検出部5aと、ブラシレスDCモータ4の端子に
おける電圧を検出する電圧検出手段5bと、モータモデ
ルが設定されているとともに、モータ電流および電圧を
入力として所定の演算を行い、回転子の回転位置(以
下、ロータ位置と称する)を検出する位置検出部6a
と、ロータ位置または同期位置発生部10からの基準位
置を入力として微分処理を行って回転子の回転速度(以
下、単に速度と称する)を算出する微分処理部6bと、
算出された速度と外部から与えられる速度指令とを入力
として速度制御演算を行って、平均的速度が指令速度に
なるように電流振幅指令を出力する速度制御部7と、電
流振幅指令と外部から与えられる位相指令とを入力とし
て位相制御演算を行って最終電流指令を出力する位相制
御部8と、検出されたロータ位置または同期位置発生部
10からの基準位置、モータ電流、および最終電流指令
または起動電流指令部11からの電流位相を入力として
電流制御演算を行って電圧指令を出力し、インバータ3
に供給する電流制御部9と、ロータ位置または同期位置
発生部10からの基準位置を選択する第1選択部13
と、最終電流指令または起動電流指令部11からの電流
位相を選択する第2選択部14と、起動指令を入力とし
て、回転磁界発生のための基準位置情報を出力する同期
位置発生部10と、起動指令、位置検出部6aからのロ
ータ位置、および同期位置発生部10からの基準位置情
報を入力として、回転磁界の強さおよび基準位置からの
電流位相を示す情報を出力する起動電流指令部11と、
位置検出部6aからのロータ位置と同期位置発生部10
からの基準位置情報とを入力としてロータ位置が所定の
条件(例えば、ロータ位置変動が所定の範囲内)を満足
する(位置検出部ロック)か否かを判定し、判定結果に
応答して第1選択部13および第2選択部14を制御す
るロック検出部12とを有している。ただし、同期モー
タはブラシレスDCモータに限定されるものではない。
【0067】この構成の同期モータ制御装置の作用は次
のとおりである。
【0068】起動指令が与えられれば、ロック検出部1
2は位置検出部ロックを検出していないのであるから、
同期位置発生部10からの基準位置情報を選択するよう
に第1選択部13を制御するとともに、起動電流指令部
11からの、基準位置からの電流位相を選択するように
第2選択部14を制御する。
【0069】したがって、基準位置情報、モータ電流お
よび基準位置からの電流位相に基づいて電流制御部9か
ら電圧指令を出力してインバータ3を制御し、ブラシレ
スDCモータ4に回転磁界を与えて起動することができ
る。
【0070】なお、この間にも位置検出部6aがロータ
位置を検出し続けるので、基準位置情報および検出され
たロータ位置に基づいてロック検出部12によって位置
検出部ロックを判定し続ける。
【0071】そして、同期モータ4の回転速度が増加
し、安定したロータ位置検出が行われるようになれば、
ロータ位置が所定の条件を満足するので、ロック検出部
12が位置検出部ロックを検出し、位置検出部6aから
のロータ位置を選択するように第1選択部13を制御す
るとともに、位相制御部8からの最終電流指令を選択す
るように第2選択部14を制御する。
【0072】したがって、その後は、検出されたロータ
位置に基づくブラシレスDCモータ4の運転(位置検出
運転)を行うことができる。
【0073】なお、運転切替時に電流位相や電流値がジ
ャンプしないように各部の内部状態を調整しておく。
【0074】図2はこの発明の同期モータ制御方法の一
実施態様の要部を説明するフローチャートである。
【0075】ステップSP1において、回転磁界を印加
して同期モータを起動し、ステップSP2において、位
置検出部ロックか否かを判定する。
【0076】そして、位置検出部ロックでないと判定さ
れた場合には、再びステップSP2の判定を行う。
【0077】逆に、位置検出部ロックであると判定され
た場合には、ステップSP3において、位置検出運転を
行い、そのまま元の処理に戻る。
【0078】したがって、位置検出部ロックが判定され
るまでは、単に回転磁界を与えることによってブラシレ
スDCモータ4を起動させることができ、ロータ位置の
検出が不要である。この結果、処理を簡単化でき、ひい
てはCPUとして低機能のものを採用することができ、
しかも同期モータ制御方法、装置を開発するための作業
を簡単化できるとともに、所要時間を短縮することがで
きる。
【0079】図3は起動後の実速度の経時変化を示す
図、図4はシミュレーションによる起動後の推定速度の
経時変化を示す図、図5は起動後の電流位相の経時変化
を示す図、図6はシミュレーションによる起動後の推定
電気角偏差の経時変化を示す図である。
【0080】これらの図から、ブラシレスDCモータを
確実に起動することができ、その後に位置検出運転に確
実に移行させることができることが分かる。
【0081】また、図1の同期モータ制御装置におい
て、位置検出運転への切替時に、(L d−Lq)id+φ
≠0(Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタ
ンス、idはd軸電流、φは電機子鎖交磁束)の運転条
件で運転を行うことが好ましく、確実な位置検出が可能
になる。
【0082】具体的には、(Ld−Lq)id+φ=0の
時には位置が検出できず、位置信号が乱れるため、この
検出は位置信号の安定から検出することができる。
【0083】さらに説明する。
【0084】「IPMモータのセンサレス制御」、モー
タ技術シンポジウムB−5、99/3月に記載された数
式数1、数2、数3、数4、数5に座標変換の式数6を
代入し、dq軸上の電圧Vdq、電流idqおよび真の回転
子角度θを用いてモータ逆モデルとフィードバックを用
いた系に書き直すと図7に示すようになる。
【0085】
【数1】
【0086】
【数2】
【0087】
【数3】
【0088】
【数4】
【0089】
【数5】
【0090】
【数6】
【0091】なお、図7中において、θは電気角、ωは
電気角速度、vγ、vδはγδ軸電圧、iγ、iδはγ
δ電流、εγ、εδはγδ軸誘起電圧、φは永久磁石に
よる電機子鎖交磁束、Rは電機子抵抗、Ld、Lqはdq
軸インダクタンス、sは微分演算子、^は推定値を、そ
れぞれ示している。また、図7中のI、vγδ、iγ
δ、εγδ、LI、LJ、θe、T(θe)、αI、βIは数
7に示すとおりである。
【0092】
【数7】
【0093】さらに、フィードバックループ中の非線形
要素を線形化すると(cosθe→1、sinθe
θe、^ω→ωとすると)、図8に示すブロック構成が
得られる。
【0094】図8のブロック構成を用い、idqが周期的
な場合の収束性を考える。線形近似ブロック線図よりx
γは数8で与えられる。
【0095】
【数8】
【0096】ここで、数8の{}内をa0+a1ssin
θ1+a1ccosθ1、 θe=e0+e1ssinθ1+e1ccosθ1+e2ssin
2θ1+e2ccos2θ1 の場合を考える。xγは数9となる。
【0097】
【数9】
【0098】θeは検出できないので、代わりにxγの
DC成分と1次成分とを0に制御(kθ→∞が必要)す
ると、数9中の点線部が0になるようにe0、e1s、e
1cが調整される。数9より目的(e0=e1s=e1c
0)を達成するためには、a0≠0、かつa1s=a1c
0であればよい。そして、前者は、{φ+(Ld−Lq
d}ωの平均値が0でないことと等価であり、後者
は、{φω+(Ld−Lq)[ω s −s]idq}の1次
成分、2次成分が0であることと等価である。これは、
ωが一定、かつLd=Lqまたはid、iqが一定であるこ
とと等価である。
【0099】この結果、^θ→θとなるために十分な条
件は、安定、かつ(1)θeは小さい(cosθe→1、
sinθe→θe)、(2)φ以外の機器定数(R、
d、L q)のずれなし、(3)kθ=∞、(4)^ω=
ω=一定、(5)Ld=Lqまたはid、iqが一定、
(6){φ+(Ld−Lq)id}ωの平均値が0でな
い、を満たすことである。 この際、特に(Ld−Lq
d+φ≠0、および安定性確保は位置検出のための絶
対条件であるが、他は誤差縮小のための条件である。
【0100】また、モータ逆モデルを用い、かつセンサ
を用いることなく位置検出を行うための他のブロック構
成を図9に示す。
【0101】なお、図9において、θは電気角、ωは電
気角速度、γδ座標は^θ回転座標、αβ座標は2相直
交固定子座標、vγ、vδはγδ軸電圧、vα、vβは
αβ軸電圧、iα、iβはαβ軸電流、φは電機子鎖交
磁束、Rは電機子抵抗、Ld、Lqはdq軸インダクタン
ス、sは微分演算子、^は推定値を、それぞれ示してい
る。また、図9中のvγδ、vαβ、iαβ、Φαβ、
f(θ)は数10に示すとおりである。
【0102】
【数10】
【0103】そして、このブロック構成を採用した場合
にも、{(Ld−Lq)ΦαβTiαβ+φ}=(Ld−L
q)id+φ≠0が位置検出のための条件であることが分
かる。
【0104】図10にd軸を基準とした電流位相と2相
変換後の電流値Iaに対するΨ=(Ld−Lq)id+φの
グラフを示す。
【0105】電流位相が−50°から−130°、Ia
>7Aの領域でΨ=0が認められ、この領域では位置検
出が不可能になる可能性があることが分かる。なお、I
aは3相モータにおける相電流のピーク値の(3/2)
1/2である。
【0106】位相制御を行わず電流を流す同期起動の場
合には、負荷が大きな時の起動失敗を避けるため、でき
るだけ多くの電流を流す必要がある。このため、軽負荷
時には逆トルクが余ってしまう。
【0107】モータの発生トルクは{(Ld−Lq)id
+φ}iq、モータ電流は(id 2+i q 21/2であるた
め、電流が大きいと{(Ld−Lq)id+φ}が小さな
ポイントでバランスすることとなり、必然的に{(Ld
−Lq)id+φ}≒0となり易くなる。
【0108】この実施態様は、{(Ld−Lq)id
φ}≒0時に位置検出不能であること、大電流軽負荷時
に{(Ld−Lq)id+φ}≒0となることを見出し、
それを避けて安定に起動するために、{(Ld−Lq)i
d+φ}を検出してインバータ3を制御するようにして
いる。
【0109】さらに、外部から回転磁界を与えて同期モ
ータを起動している期間中、(Ld−Lq)id+φ>0
の条件で同期モータを運転することが好ましく、モータ
モデルなどに誤差がある場合にも確実な起動を行うこと
ができるとともに、外部トルクによる駆動されている同
期モータを起動する場合にも位置検出運転への移行を確
実に行うことができる。
【0110】さらに説明する。
【0111】図11は図9を簡略化して書き直した位置
検出部を示すブロック図である。
【0112】図11においてXαβはXα、Xβの2次
元ベクトルで、Xα={(Ld−Lq)id+φ}cos
θ、Xβ={(Ld−Lq)id+φ}sinθである。
Ψ=(Ld−Lq)id+φ<0の時には、tan-1の性
質から180°ずれた位置が出力される。そこで、ロー
タ位置情報が、同期位置発生部10の出力角度(基準位
置情報)、起動電流指令部11の電流位相から定まるロ
ータ位置と大きく異なることを条件としてΨ≦0を検出
し、例えば、起動電流指令部11の電流値などを変更し
て再度ロック検出部12によって位置検出部ロックの判
定を行う。この結果、最終的に、Ψ>0の条件で同期モ
ータを運転することができる。
【0113】また、Ψ≦0は次のようにして検出するこ
とができる。
【0114】図12は、回転子の内部に永久磁石を装着
してなる、いわゆる埋込永久磁石モータの電流位相−ト
ルク特性を示す図である。
【0115】トルクが正、かつ位相が進むにつれてトル
クが増大する領域では同期運転を行うことが可能であ
る。したがって、ロータ位置を検出せず、界磁を回転さ
せる同期運転時に、この電流位相範囲から大きく外れた
電流位相が検出された場合に、Ψ≦0と判定することが
できる。
【0116】図13はこの発明の同期モータ制御装置の
他の実施態様を示すブロック図である。
【0117】この同期モータ制御装置が図1の同期モー
タ制御装置と異なる点は、位置検出部6aから(Ld
q)id+φをも出力してロック検出部12に供給して
いる点、およびロック検出部12において、(Ld
q)id+φが0か否かをも判定し、位置検出部ロック
であると判定され、かつ(Ld−Lq)id+φ>0であ
ると判定された場合にのみ位置検出運転への切替を行わ
せるべく第1選択部13および第2選択部14を制御す
るとともに、電流値、回転数、電流位相の少なくとも1
つを変化させることを指示する変更指示を起動電流指令
部11に供給する点のみである。
【0118】この構成の同期モータ制御装置の作用は次
のとおりである。
【0119】ロータ位置を検出せず外部から回転磁界を
与えて同期モータを運転している期間中、ロック検出部
12は位置検出部6aからのロータ位置情報および(L
d−Lq)id+φを監視しており、(Ld−Lq)id+φ
≦0の場合には、起動電流指令部11に変更指示を供給
することによって、出力する電流値、回転数、電流位相
の少なくとも1つを変更し、再びロータ位置情報および
(Ld−Lq)id+φの監視を行う。
【0120】したがって、最終的に(Ld−Lq)id
φ>0の条件下で同期モータの起動を行わせることがで
きる。もちろん、ロータ位置が安定した後は、位置検出
運転に移行させることができる。
【0121】また、回転数を増加させることで所要トル
クを増加することができる用途では、図12から分かる
ように、トルクを増加させることにより電流位相が進相
側に進む。このため、回転数を増加させることで(Ld
−Lq)id+φ≦0を避け、位置検出を可能にすること
ができる。
【0122】さらに、上記の実施態様においては、電流
値、回転数、電流位相の少なくとも1つを変更して(L
d−Lq)id+φ≦0を避けるようにしているが、モー
タ電圧を下げて対処することも可能であり、この場合に
は、電流値が下がり、(Ld−Lq)id+φ≦0を避け
ることができる。
【0123】また、以上には、電流値、回転数、電流位
相の少なくとも1つを徐々に変化させる場合について説
明したが、当初からモータ電流を十分に小さくすること
によっても、起動トルクの小さい用途では同様の作用を
達成することができ、しかも処理を簡単化することがで
きる。
【0124】すなわち、(id 2+iq 21/2<{φ/
(Ld−Lq)}を満足するようにモータ電流を設定する
ことによって、(Ld−Lq)id+φ≦0を避けること
ができる。
【0125】図14はこの発明の同期モータ制御方法の
他の実施態様を説明するフローチャートである。
【0126】ステップSP1において、回転磁界を印加
して同期モータを起動し、ステップSP2において、位
置信号が安定するまで待ち、ステップSP3において、
位置は正しいか{(Ld−Lq)id+φ>0}か否かを
判定し、位置が正しくないと判定された場合には、ステ
ップSP4において、電流指令を削減し、再びステップ
SP2のウエイト処理を行う。
【0127】逆に、ステップSP3において位置が正し
いと判定された場合には、ステップSP5において、位
置検出運転を行い、元の処理に戻る。
【0128】したがって、最終的に(Ld−Lq)id
φ>0の条件下で同期モータの起動を行わせることがで
きる。もちろん、ロータ位置が安定した後は、位置検出
運転に移行させることができる。
【0129】上記の各実施態様においては、所定の条件
を満足することを検出して位置検出運転に移行するよう
にしているが、起動後の経過時間が所定時間に達した時
点、または回転数が所定回転数に達した時点で位置検出
部ロックとみなして位置検出運転に移行させることが可
能であり、この場合には、ロック検出部12における処
理を大幅に簡単化することができる。
【0130】また、ロック検出部12による位置検出部
ロックの検出は、位置検出部6aから出力される推定速
度、推定磁束{(Ld−Lq)id+φ}、ロータ位置情
報などの諸パラメータが安定化したこと(所定範囲に入
ったこと)を条件として行われてもよいが、さらに位置
検出部6aからのロータ位置情報およびそれと等価な情
報が、同期位置発生部10からの出力角度(基準位置情
報)、起動電流指令部11からの電流位相から定まる対
応する情報とほぼ等しくなることを条件として行われて
もよく、位置検出部ロックの検出を確実に達成すること
ができる。
【0131】図15は位置検出部6aの構成の一例を示
すブロック図である。
【0132】この位置検出部6aは、ロータ位置(θ)
に応じて3相電圧を入力としてγδ変換(数11参照)
を行ってγδ電圧ベクトルを出力する3相→γδ変換部
61と、ロータ位置(θ)に応じて3相電流を入力とし
てγδ変換を行ってγδ電流ベクトルを出力する3相→
γδ変換部62と、γδ電流ベクトルを入力として電圧
ベクトルを出力するモータ逆モデル部63と、モータ逆
モデル部63から出力される電圧ベクトルと3相→γδ
変換部61から出力される電圧ベクトルとの差を算出す
る差算出部64と、差算出部64から出力される差を入
力とするフィルタ65と、フィルタ65からの出力を入
力としてロータ位置(^θ)および速度を出力する位置
・速度推定部66とを有している。
【0133】
【数11】
【0134】この位置検出部6aを採用すれば、モータ
電圧、電流を推定ロータ位置を用いて2相回転座標に変
換し、その出力をモータ逆モデルを用いて誘起電圧に分
解し、誘起電圧からロータ位置を求めることができる。
【0135】そして、この位置検出部6aでは、定常状
態において定常偏差が残らないため、固定座標方式の位
置検出部と比較して精度を高めることができる。
【0136】さらに、上記各実施態様において、電流制
御の同期運転を行っているので、同期モータやインバー
タに用いられるパワーデバイスの能力を最大まで使うこ
とができる。
【0137】図16は電圧制御の同期運転を行う同期モ
ータ制御装置を示すブロック図である。
【0138】この同期モータ制御装置が図1の同期モー
タ制御装置と異なる点は、速度制御部7に代えて電圧振
幅指令を出力する速度制御部7’を採用した点、電流制
御部9に代えて座標変換部9’を採用した点のみであ
る。
【0139】この同期モータ制御装置を採用した場合に
は、速度制御部7’において、指令速度および検出速度
を入力として電圧振幅指令を生成して出力し、位相制御
部8において、電圧位相指令に従って電圧指令を生成し
て出力し、座標変換部9’において、検出されたロータ
位置と生成された電圧指令とからインバータ3が出力す
べき3相回転座標上の電圧を生成するための電圧指令を
生成して出力することによりインバータ3を制御し、同
期モータを同期運転させることができる。
【0140】この場合には、電流制御のような高速処理
が不要であるからCPUの低速化、コストダウンが可能
になる。また、電流の検出を行う必要がなくなり、カレ
ントトランスを用いることによるコストダウンも可能に
なる。
【0141】さらに、上記各実施態様の同期モータ制御
装置により制御される同期モータによって圧縮機を駆動
する場合にも好適に適用することができる。
【0142】さらに説明する。
【0143】圧縮機では、超低速での運転が必要ないだ
けでなく、静止時に位置を知る必要もない。また、起動
時に少し逆転する程度であれば実用上問題がない。さら
に、起動時に圧縮機出入り口の差圧のためにトルクが多
く必要であることもあるし、差圧のない場合または逆差
圧(入り口圧力が高い)場合もあるため、位置検出不可
能な(Ld−Lq)id+φ≦0が起こり易い。このた
め、モータモデルを用い、回転子が回転することによる
磁束の変動や誘起電圧の変動によりロータ位置検出を行
う場合、種々の条件で確実に起動することは困難であ
る。
【0144】しかし、上記の各実施態様の同期モータ制
御方法または同期モータ制御装置を採用することによっ
て確実な起動を可能にすることができ、しかも、モータ
モデルを用いた緻密な制御を、簡単なプログラム構成で
圧縮機に適用することができる。
【0145】
【発明の効果】請求項1の発明は、簡単な処理で同期モ
ータを起動することができ、しかも回転位置検出結果に
基づく運転への移行を確実、かつスムーズに行うことが
できるという特有の効果を奏する。
【0146】請求項2の発明は、請求項1の効果に加
え、運転切替時における回転位置の検出を確実に行うこ
とができるという特有の効果を奏する。
【0147】請求項3の発明は、請求項2の効果に加
え、外部トルクによって駆動されている同期モータを起
動する場合にも回転位置検出結果に基づく運転への移行
を確実、かつスムーズに行うことができ、しかもモータ
モデルなどに誤差が存在している場合であっても同期モ
ータを確実に起動することができるという特有の効果を
奏する。
【0148】請求項4の発明は、請求項3と同様の効果
を奏する。
【0149】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
の何れかの効果に加え、処理を簡単化することができる
という特有の効果を奏する。
【0150】請求項6の発明は、請求項1から請求項5
の何れかの効果に加え、モータ運転条件の変更を最小限
にすることができるという特有の効果を奏する。
【0151】請求項7の発明は、請求項1から請求項5
の何れかの効果に加え、回転位置検出結果に基づく運転
への移行を簡単に行うことができるという特有の効果を
奏する。
【0152】請求項8の発明は、請求項1から請求項7
の何れかの効果に加え、回転位置検出結果に基づく運転
への移行のための条件を確実に検出することができると
いう特有の効果を奏する。
【0153】請求項9の発明は、請求項1から請求項8
の何れかの効果に加え、定常状態において精度良く回転
位置を検出することができるという特有の効果を奏す
る。
【0154】請求項10の発明は、請求項1から請求項
8の何れかの効果に加え、回転座標への座標変換などを
不要にでき、処理を簡単化できるという特有の効果を奏
する。
【0155】請求項11の発明は、請求項1から請求項
10の何れかの効果に加え、モータやインバータに用い
られるパワーデバイスの能力を十分に発揮させることが
できるという特有の効果を奏する。
【0156】請求項12の発明は、請求項1から請求項
10の何れかの効果に加え、電流の検出が不要であるほ
か、処理を高速化することができるという特有の効果を
奏する。
【0157】請求項13の発明は、請求項1から請求項
12の何れかの効果に加え、同期モータの確実な起動、
および回転位置検出結果に基づく同期モータの運転を実
現することができるという特有の効果を奏する。
【0158】請求項14の発明は、簡単な処理で同期モ
ータを起動することができ、しかも回転位置検出結果に
基づく運転への移行を確実、かつスムーズに行うことが
できるという特有の効果を奏する。
【0159】請求項15の発明は、請求項14の効果に
加え、運転切替時における回転位置の検出を確実に行う
ことができるという特有の効果を奏する。
【0160】請求項16の発明は、請求項15の効果に
加え、外部トルクによって駆動されている同期モータを
起動する場合にも回転位置検出結果に基づく運転への移
行を確実、かつスムーズに行うことができ、しかもモー
タモデルなどに誤差が存在している場合であっても同期
モータを確実に起動することができるという特有の効果
を奏する。
【0161】請求項17の発明は、請求項16と同様の
効果を奏する。
【0162】請求項18の発明は、請求項14から請求
項17の何れかの効果に加え、処理を簡単化することが
できるという特有の効果を奏する。
【0163】請求項19の発明は、請求項14から請求
項18の何れかの効果に加え、モータ運転条件の変更を
最小限にすることができるという特有の効果を奏する。
【0164】請求項20の発明は、請求項14から請求
項18の何れかの効果に加え、回転位置検出結果に基づ
く運転への移行を簡単に行うことができるという特有の
効果を奏する。
【0165】請求項21の発明は、請求項14から請求
項20の何れかの効果に加え、回転位置検出結果に基づ
く運転への移行のための条件を確実に検出することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0166】請求項22の発明は、請求項14から請求
項21の何れかの効果に加え、定常状態において精度良
く回転位置を検出することができるという特有の効果を
奏する。
【0167】請求項23の発明は、請求項14から請求
項21の何れかの効果に加え、回転座標への座標変換な
どを不要にでき、処理を簡単化できるという特有の効果
を奏する。
【0168】請求項24の発明は、請求項14から請求
項23の何れかの効果に加え、モータやインバータに用
いられるパワーデバイスの能力を十分に発揮させること
ができるという特有の効果を奏する。
【0169】請求項25の発明は、請求項14から請求
項23の何れかの効果に加え、電流の検出が不要である
ほか、処理を高速化することができ、ひいてはコストダ
ウンを達成することができるという特有の効果を奏す
る。
【0170】請求項26の発明は、請求項14から請求
項25の何れかの効果に加え、同期モータの確実な起
動、および回転位置検出結果に基づく同期モータの運転
を実現することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の同期モータ制御装置の一実施態様を
示すブロック図である。
【図2】この発明の同期モータ制御方法の一実施態様の
要部を説明するフローチャートである。
【図3】起動後の実速度の経時変化を示す図である。
【図4】シミュレーションによる起動後の推定速度の経
時変化を示す図である。
【図5】起動後の電流位相の経時変化を示す図である。
【図6】シミュレーションによる起動後の推定電気角偏
差の経時変化を示す図である。
【図7】回転座標モータモデルに基づく位置検出器の構
成を示すブロック図である。
【図8】図7の位置検出器を線形近似した位置検出器の
構成を示すブロック図である。
【図9】固定座標モータモデルに基づく位置検出器の構
成を示すブロック図である。
【図10】d軸を基準とした電流位相と2相変換後の電
流値に対する(Ld−Lq)id+φとを示す図であ
る。
【図11】図9を簡略化して書き直した位置検出部を示
すブロック図である。
【図12】回転子の内部に永久磁石を装着してなる、い
わゆる埋込永久磁石モータの電流位相−トルク特性を示
す図である。
【図13】この発明の同期モータ制御装置の他の実施態
様を示すブロック図である。
【図14】この発明の同期モータ制御方法の他の実施態
様を説明するフローチャートである。
【図15】位置検出部の構成の一例を示すブロック図で
ある。
【図16】電圧制御の同期運転を行う同期モータ制御装
置を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 インバータ 4 ブラシレスDCモータ 6a 位置検出部 6b 速度算出部 7,7’ 速度制御部 8 位相制御部 9 電流制御部 9’ 座標変換部 10 同期位置発生部 11 起動電圧指令部 12 ロック検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小坂 学 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 株式会社ダイキン空調技術研究所内 Fターム(参考) 5H560 AA02 BB04 BB12 DA13 DC12 DC13 EB01 HA04 SS07 TT08 UA02 XA13 5H576 AA10 CC01 DD02 DD07 EE01 GG04 HB01 LL14 LL15 LL22

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期モータ(4)の入力端子電圧、電流
    およびこの同期モータ(4)の機器定数を用いて回転子
    の回転位置を検出し、回転位置検出結果に基づいてイン
    バータ(3)を制御し、インバータ(3)の出力電圧も
    しくは電流を同期モータ(4)に供給する同期モータ制
    御方法において、 起動時には同期モータ(4)の回転子の回転位置に拘わ
    らず外部から回転磁界を与える同期運転を行って同期モ
    ータ(4)を起動し、 回転位置検出結果が所定の条件を満足することを条件と
    して、回転位置検出結果に基づいてインバータ(3)を
    制御して出力電圧もしくは電流を供給する位置検出運転
    を行って同期モータ(4)を駆動することを特徴とする
    同期モータ制御方法。
  2. 【請求項2】 回転位置検出結果に基づく運転への切替
    時に、(Ld−Lq)id+φ≠0(Ldはd軸インダクタ
    ンス、Lqはq軸インダクタンス、idはd軸電流、φは
    電機子鎖交磁束)の条件で同期モータ(4)を運転する
    請求項1に記載の同期モータ制御方法。
  3. 【請求項3】 外部から回転磁界を与えて同期モータ
    (4)を起動している期間中、(Ld−Lq)id+φ>
    0の条件で同期モータ(4)を運転する請求項2に記載
    の同期モータ制御方法。
  4. 【請求項4】 電流位相が位置検出運転不可能な領域に
    あることを検出することにより、(Ld−Lq)id+φ
    ≦0の条件を検出する請求項3に記載の同期モータ制御
    方法。
  5. 【請求項5】 外部から回転磁界を与えて同期モータ
    (4)を起動している期間中、(Ld−Lq)id+φ≦
    0の条件を避けるべくモータ電流を小さく設定する請求
    項1から請求項4の何れかに記載の同期モータ制御方
    法。
  6. 【請求項6】 外部から回転磁界を与えて同期モータ
    (4)を起動している期間中、(Ld−Lq)id+φ≦
    0の条件を検出したことに応答して、(Ld−Lq)id
    +φ≦0の条件を避けるべくモータ運転条件を変更する
    請求項1から請求項4の何れかに記載の同期モータ制御
    方法。
  7. 【請求項7】 同期モータ(4)の回転速度が所定回転
    速度に達し、もしくは同期モータ(4)の起動後の経過
    時間が所定時間に達したことを条件として、回転位置検
    出結果が所定の条件を満足するとみなす請求項1から請
    求項6の何れかに記載の同期モータ制御方法。
  8. 【請求項8】 同期モータ(4)の入力端子電圧、電流
    およびこの同期モータ(4)の機器定数に基づいて検出
    される値が所定範囲内であることを条件として、回転位
    置検出結果が所定の条件を満足することを検出する請求
    項1から請求項6の何れかに記載の同期モータ制御方
    法。
  9. 【請求項9】 同期モータ(4)の入力端子電圧、電
    流、この同期モータ(4)の機器定数および回転座標モ
    ータ逆モデルに基づいて回転子の回転位置を検出する請
    求項1から請求項8の何れかに記載の同期モータ制御方
    法。
  10. 【請求項10】 同期モータ(4)の入力端子電圧、電
    流、この同期モータ(4)の機器定数および固定座標モ
    ータ逆モデルに基づいて回転子の回転位置を検出する請
    求項1から請求項8の何れかに記載の同期モータ制御方
    法。
  11. 【請求項11】 電流を制御することにより同期運転を
    行う請求項1から請求項10の何れかに記載の同期モー
    タ制御方法。
  12. 【請求項12】 電圧を制御することにより同期運転を
    行う請求項1から請求項10の何れかに記載の同期モー
    タ制御方法。
  13. 【請求項13】 同期モータ(4)により圧縮機を駆動
    する請求項1から請求項12の何れかに記載の同期モー
    タ制御方法。
  14. 【請求項14】 検出手段によって、同期モータ(4)
    の入力端子電圧、電流およびこの同期モータ(4)の機
    器定数を用いて回転子の回転位置を検出し、回転位置検
    出結果に基づいてインバータ制御手段(7)(7’)
    (8)(9)(9’)によってインバータ(3)を制御
    し、インバータ(3)の出力電圧もしくは電流を同期モ
    ータ(4)に供給する同期モータ制御装置において、 起動時には同期モータ(4)の回転子の回転位置に拘わ
    らず外部から回転磁界を与える同期運転を行って同期モ
    ータ(4)を起動する起動手段(10)(11)と、 回転位置検出結果が所定の条件を満足することを検出す
    る第1検出手段(12)と、 回転位置検出結果が所定の条件を満足することを条件と
    して、回転位置検出結果に基づいてインバータ(3)を
    制御して出力電圧もしくは電流を供給する位置検出運転
    を行って同期モータを駆動する定常運転手段(6a)
    (6b)(7)(7’)(8)(9)(9’)と、 を含むことを特徴とする同期モータ制御装置。
  15. 【請求項15】 前記定常運転手段(6a)(6b)
    (7)(7’)(8)(9)(9’)は、回転位置検出
    結果に基づく運転への切替時に、(Ld−Lq)id+φ
    ≠0(Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタ
    ンス、idはd軸電流、φは電機子鎖交磁束)の条件で
    同期モータ(4)を運転するものである請求項14に記
    載の同期モータ制御装置。
  16. 【請求項16】 前記起動手段(10)(11)は、
    (Ld−Lq)id+φ>0の条件で同期モータ(4)を
    運転するものである請求項15に記載の同期モータ制御
    装置。
  17. 【請求項17】 電流位相が位置検出運転不可能な領域
    にあることを検出することにより、(Ld−Lq)id
    φ≦0の条件を検出する第2検出手段(12)をさらに
    含む請求項16に記載の同期モータ制御装置。
  18. 【請求項18】 前記起動手段(10)(11)は、
    (Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモータ電
    流を小さく設定するものである請求項14から請求項1
    7の何れかに記載の同期モータ制御装置。
  19. 【請求項19】 前記起動手段(10)(11)によっ
    て同期モータ(4)を起動している期間中、(Ld
    q)id+φ≦0の条件を検出したことに応答して、
    (Ld−Lq)id+φ≦0の条件を避けるべくモータ運
    転条件を変更する運転条件変更手段(12)をさらに含
    む請求項14から請求項17の何れかに記載の同期モー
    タ制御装置。
  20. 【請求項20】 前記第1検出手段(12)は、同期モ
    ータ(4)の回転速度が所定回転速度に達し、もしくは
    同期モータ(4)の起動後の経過時間が所定時間に達し
    たことを条件として、回転位置検出結果が所定の条件を
    満足するとみなすものである請求項14から請求項19
    の何れかに記載の同期モータ制御装置。
  21. 【請求項21】 前記第1検出手段(12)は、同期モ
    ータ(4)の入力端子電圧、電流およびこの同期モータ
    (4)の機器定数に基づいて検出される値が所定範囲内
    であることを条件として、回転位置検出結果が所定の条
    件を満足することを検出するものである請求項14から
    請求項19の何れかに記載の同期モータ制御装置。
  22. 【請求項22】 前記位置検出手段(6a)は、同期モ
    ータ(4)の入力端子電圧、電流、この同期モータ
    (4)の機器定数および回転座標モータ逆モデルに基づ
    いて回転子の回転位置を検出するものである請求項14
    から請求項21の何れかに記載の同期モータ制御装置。
  23. 【請求項23】 前記位置検出手段(6a)は、同期モ
    ータ(4)の入力端子電圧、電流、この同期モータ
    (4)の機器定数および固定座標モータ逆モデルに基づ
    いて回転子の回転位置を検出するものである請求項14
    から請求項21の何れかに記載の同期モータ制御装置。
  24. 【請求項24】 前記起動手段(10)(11)は、電
    流を制御することにより同期運転を行うものである請求
    項14から請求項23の何れかに記載の同期モータ制御
    装置。
  25. 【請求項25】 前記起動手段(10)(11)は、電
    圧を制御することにより同期運転を行うものである請求
    項14から請求項23の何れかに記載の同期モータ制御
    装置。
  26. 【請求項26】 前記同期モータ(4)は圧縮機を駆動
    するものである請求項14から請求項25の何れかに記
    載の同期モータ制御装置。
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