JP2002136159A - 送り装置および送り機構 - Google Patents

送り装置および送り機構

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JP2002136159A
JP2002136159A JP2000324358A JP2000324358A JP2002136159A JP 2002136159 A JP2002136159 A JP 2002136159A JP 2000324358 A JP2000324358 A JP 2000324358A JP 2000324358 A JP2000324358 A JP 2000324358A JP 2002136159 A JP2002136159 A JP 2002136159A
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piezoelectric element
stage
movable body
feed mechanism
base
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JP2000324358A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Asumi
一将 阿隅
Takahiro Yamakawa
孝宏 山川
Masayuki Watanabe
雅幸 渡邉
Ryoichi Fukunaga
了一 福永
Junko Seki
順子 関
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 33モード素子のみを用いた簡便で新規な構
造を有する送り装置と送り装置に用いられる送り機構を
提供する。 【解決手段】 送り装置の一実施形態である1方向移動
ステージ10は、伸縮方向が基台17の上面17aに対
して角度θ1をなすように配設された第1圧電素子11
と、第1圧電素子11の伸縮方向と略同一面内において
交差するように配設された第2圧電素子12と、第1圧
電素子11と第2圧電素子12を連結する連結部材13
から構成される。連結部材13には所定の荷重が掛かる
ようにステージ16が当接しており、第1圧電素子11
を伸長させ、かつ、第2圧電素子12を縮ませて、連結
部材13が移動する向きへステージ16を移動させる第
1動作と、第1圧電素子11を短縮させ、かつ、第2圧
電素子12を伸長させる第2動作とを交互に所定回数行
うことにより、ステージ16を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X−Yステージや
リニアモータ、回転モータ等、可動体を固定側に対して
移動させるための送り装置と送り装置に用いられる送り
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電体の分極方向と同じ方向
に電界を印加することにより、圧電体に厚み変形(33
モード変形)が生じ、また、圧電体の分極方向に垂直な
方向に電界を印加することにより圧電体にずり剪断変形
(15モード変形)が生ずることが知られており、この
ような33モード変形を使用した圧電素子(33モード
素子)と15モード変形を利用した圧電素子(15モー
ド素子)を利用して、各種の送り装置が提案されてい
る。
【0003】例えば、特開平4−221792号公報に
は、1個の33モード素子と1個の15モード素子から
なる脚部で可動体を支持するように構成された送り装置
が開示されている。この脚部は33モード素子が可動体
に固定され、15モード素子が固定体に接地する構成と
なっている。この脚部を2本(第1脚部と第2脚部とす
る)用いた送り装置の動作は、概略、次の通りである。
【0004】最初に、第1脚部の15モード素子はその
接地面が可動体の進行方向にずれるように剪断変形して
おり、33モード素子を伸長させて第1脚部が接地した
状態にあるとし、このとき、第2脚部は接地面から浮か
せた状態としておく。この状態とすることを第1工程と
する。次に、第1脚部の15モード素子の剪断変形の方
向を逆転させると、15モード素子の接地位置は変化し
ないため、第1脚部における15モード素子と33モー
ド素子の接合面が15モード素子の変形量ほど進行方向
に移動する。こうして可動体が15モード素子の変形量
ほど進行方向に移動することとなる。この間に第2脚部
の15モード素子をその接地面が進行方向に移動するよ
うに剪断変形させておく。この工程が第2工程である。
【0005】第3工程では、第2脚部の33モード素子
を伸長させて第2脚部を接地する一方で、第1脚部の3
3モード素子を縮ませて第1脚部の15モード素子を接
地面から浮かせた状態とする。こうして第2脚部が接地
して可動体を支持した状態となる。次に、第4工程にお
いては、第2脚部の15モード素子の剪断変形の方向を
逆転させることにより、前記第2工程と同様に可動体を
進行方向に15モード素子の変形量ほど移動させ、その
間に第1脚部の15モード素子をその接地面が進行方向
に移動するように剪断変形を起こさせる。
【0006】この第4工程終了後に第1脚部を接地さ
せ、また、第2脚部については接地面から浮かせると、
第1工程後の状態と同じとなる。つまり、第4工程以降
に第1脚部と第2脚部について第1工程から第4工程を
繰り返すことにより、所定距離ほど可動体を移動させる
ことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、15モ
ード素子は分極方向と駆動電界の印加方向が直交するた
めに、駆動電界によって分極が消滅するおそれがある。
上述の送り装置では、このような特性を有する15モー
ド素子を用いているために、15モード素子に脱分極が
起こった際には再分極ができず、送り装置自体が使用不
能となる問題がある。
【0008】また、15モード素子の変形量を大きくす
ることで、前記第1工程から第4工程に至る1サイクル
間の進行距離を長くし、可動体のより高速での移動を行
うときには、より大きな電界を15モード素子に印加す
る必要が生ずるが、この場合には15モード素子の脱分
極を促進する問題がある。
【0009】さらに、15モード素子は、分極後に分極
に用いた電極を除去して新たに駆動用電極を設けなけれ
ばならない等、製造工程が複雑であり、変位量を大きく
取るために素子長を長くすると、より大きな駆動電圧を
印加する必要が生じて、送り装置の使用時の安全性が低
下する問題がある。
【0010】さらにまた、15モード素子を積層化する
ことで変位量を大きくすることも可能ではあるが、この
場合には単板形状の15モード素子を樹脂で接着する必
要がある。この接着作業のハンドリング性を考慮する
と、15モード素子1枚当たりの厚みを薄くするには限
界があり、また歩留まりも高いものとすることが困難で
あることから、結果的に送り装置は高コストとなる問題
がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、15モード素子を用いずに33
モード素子のみを用い、より簡便で新規な構造を有する
送り装置およびこのような送り装置に用いられる送り機
構を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
基台上に送り機構が配設され、前記送り機構に所定の荷
重が印加されるように可動体が当接してなる送り装置で
あって、前記送り機構は、伸縮方向が前記基台の上面と
第1の所定角度をなすように、前記基台との間に第1の
固定部材を介して配設される第1の圧電素子と、伸縮方
向が前記基台の上面と第2の所定角度をなし、かつ、前
記第1の圧電素子の伸縮方向と略同一面内において交差
するように、前記基台との間に第2の固定部材を介して
配設される第2の圧電素子と、前記第1の圧電素子と前
記第2の圧電素子を連結し、前記可動体と当接する連結
部材と、を具備し、前記第1の圧電素子を伸長させ、か
つ、前記第2の圧電素子を縮ませて、前記連結部材が移
動する向きへ前記可動体を移動させる第1動作と、前記
可動体の位置を変化させずに、前記第1の圧電素子を短
縮させ、かつ、前記第2の圧電素子を伸長させる第2動
作と、を交互に所定回数行うことによって前記可動体が
移動することを特徴とする送り装置、が提供される。
【0013】また、本発明によれば、送り機構が配設さ
れた可動体を基台上に配置してなる送り装置であって、
前記送り機構は、伸縮方向が前記可動体の下面と第1の
所定角度をなすように、前記可動体との間に第1の固定
部材を介して配設される第1圧電素子と、伸縮方向が前
記可動体の下面と第2の所定角度をなし、かつ、前記第
1の圧電素子の伸縮方向と略同一面内において交差する
ように、前記可動体との間に第2の固定部材を介して配
設される第2の圧電素子と、前記基台の上面に当接し、
前記第1の圧電素子の一方の伸縮方向端と前記第2の圧
電素子の一方の伸縮方向端とを連結する連結部材と、を
具備し、前記第1の圧電素子を伸長させ、かつ、前記第
2の圧電素子を縮ませて、前記連結部材が移動する向き
へ前記可動体を移動させる第1動作と、前記可動体の位
置を変化させずに前記第1の圧電素子を短縮させ、か
つ、前記第2の圧電素子を伸長させる第2動作と、を交
互に所定回数行うことによって前記可動体が移動するこ
とを特徴とする送り装置、が提供される。
【0014】さらに、本発明によれば、このような送り
装置に用いられる送り機構、即ち、固定体と可動体との
間に配設され、前記可動体を所定の方向に移動させる送
り機構であって、前記送り機構は、伸縮方向が前記固定
体の上面と第1の所定角度をなすように、前記固定体ま
たは前記可動体との間に第1の固定部材を介して配設さ
れる第1の圧電素子と、伸縮方向が前記基台の上面と第
2の所定角度をなし、かつ、前記第1の圧電素子の伸縮
方向と略同一面内において交差するように、前記固定体
または前記可動体との間に第2の固定部材を介して配設
される第2の圧電素子と、前記第1の圧電素子と前記第
2の圧電素子を連結し、前記可動体または前記固定体に
当接する連結部材と、を具備し、前記第1の圧電素子を
伸長させ、かつ、前記第2の圧電素子を縮ませて、前記
連結部材が移動する向きへ前記可動体を移動させる第1
動作と、前記可動体の位置を変化させずに、前記第1の
圧電素子を短縮させ、かつ、前記第2の圧電素子を伸長
させる第2動作と、を交互に所定回数行うことによって
前記可動体を移動させることを特徴とする送り機構、が
提供される。
【0015】このような送り装置および送り機構におい
ては、圧電素子として積層型の33モード素子が好適に
用いられる。33モード素子は素子長を長くすることが
容易であり、低電圧で大変位量を得ることができる利点
がある。従って、この利点を活かして第1の圧電素子の
伸縮長つまり変位量を長く設定することで、1回の第1
動作による可動体の移動距離を長くすることが可能とな
る。また、第1の所定角度を小さくすることによって
も、1回の第1動作による可動体の移動距離を長く取る
ことが可能である。このように、1回の第1動作で可動
体の移動距離を長く取ることが容易であることから、従
来よりもより高速な送り装置が実現される。しかも、1
5モード素子を用いていないことから脱分極の心配がな
く、このため装置寿命が長く、送り機構の構造が簡単で
あるので製造コストも抑制される利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の送り
装置の一実施形態である1方向移動ステージ10を示し
た平面図(a)、側面図(b)、正面図(c)である。
1方向移動ステージ10に用いられている送り機構20
a〜20fは全て同じ構造のものを用いることができる
ことから、最初に送り機構20a〜20fについて、送
り機構20aを例に説明することとする。
【0017】図1の側面図(b)に示されるように、送
り機構20aは第1圧電素子11、第2圧電素子12、
第1圧電素子11と第2圧電素子12とを連結する連結
部材13、第1圧電素子11を基台17の上面17aに
固定するための第1固定部材14、第2圧電素子12を
基台17の上面17aに固定するための第2固定部材1
5から構成されている。連結部材13の上面は、可動体
である平板状のステージ16の下面に当接している。
【0018】第1圧電素子11と第2圧電素子12は、
ともに33モードの伸縮変位を生じさせる圧電素子であ
り、好適には低い駆動電圧で大きな変位を得ることがで
きる積層型圧電素子が好適に用いられる。積層型圧電素
子には、大きく分けて接着剤を用いて圧電板と金属板と
を交互に接着して構成された接着型素子と、圧電セラミ
ックス粉末のグリーンシートに電極を印刷したものを所
定数ほど積み重ねて一体化し、同時焼成して得られる一
体焼成型素子とがある。本発明においてはいずれを用い
ても構わないが、一般的に一体焼成型素子の方が低い駆
動電圧で大きな変位を得ることができるため、本発明に
おいて好適に用いられる。
【0019】また、1方向移動ステージ10の駆動原理
を考えると、第1圧電素子11と第2圧電素子12とし
て、圧電体単板からなる33モード素子を用いることも
可能であるが、可動体(移動体)である平板状のステー
ジ16の移動速度を速くするために大きな変位を得よう
とすると非常に大きな駆動電圧が必要となる等の問題が
生ずることから実用的とは言えない。なお、33モード
の積層型圧電素子では、積層型圧電素子を構成する圧電
体の積層方向(長さ方向)が伸縮方向に一致することは
いうまでもない。
【0020】第1圧電素子11は、その伸縮方向が基台
17の上面17aに対して第1の所定角度(以下、「配
設角度θ1」とする)をなすように傾斜して配設されて
いる。第1圧電素子11は、通常、伸縮方向端面が平坦
な直方体等の形状を有することから、このような状態
は、基台17の上面17aに対して配設角度θ1の傾斜
面を有する第1固定部材14を用いることで実現され
る。なお、基台17は、ステージ16に対して常に固定
されている物体であれば制限がなく、例えば、定盤や土
台、テーブル等を挙げることができる。
【0021】配設角度θ1は0°超90°未満の任意の
角度とすることができるが、後述するように、配設角度
θ1が0°に近い場合には送り機構20aの1サイクル
の駆動によるステージ16の移動距離は長くなるが、送
り機構20a全体がステージ16に押し潰され易くな
り、一方、配設角度θ1が90°に近い場合には、送り
機構20aの1サイクルの駆動によるステージ16の移
動距離は小さくなるが機械的強度には優れたものとな
る。このような特徴は、後述する第2圧電素子12の配
設角度θ2についても同様である。
【0022】第1固定部材14の材質としては、第1圧
電素子11の駆動と変形に耐える高い剛性、機械的強度
を有し、変形が起こり難いものを用いることが好まし
く、例えば、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素等のエンジ
ニアリングセラミックスや各種鋼材を挙げることができ
る。また、基台17と第1固定部材14との間の接合、
および第1固定部材14と第1圧電素子11との接合
は、通常、樹脂接着剤を用いて行われるが、樹脂接着剤
としても第1圧電素子11の変位を吸収しないような硬
質樹脂からなるものを用いることが好ましく、その接着
層の厚みは必要な接着強度が確保される範囲内で薄くす
ることが好ましい。なお、基台17と第1固定部材14
とは一体的に形成されていてもよい。
【0023】第2圧電素子12もまた第1圧電素子11
と同様に、基台17の上面17aに対して第2の所定角
度(以下、「配設角度θ2」とする)をなすように、基
台17と第2圧電素子12との間に第2固定部材15を
介した状態で傾斜して固定され、第1圧電素子11と第
2圧電素子12とは連結部材13により、それぞれ一方
の伸縮方向端が接合されている。第2固定部材15は第
1固定部材14と同様の性質を有するものが好適に用い
られ、第2圧電素子12と第2固定部材15との接合、
および第2固定部材15と基台17との接合は、第1圧
電素子11を第1固定部材14を介して基台17に固定
したときと同様に行われる。
【0024】連結部材13はステージ16と接してお
り、第1圧電素子11と第2圧電素子12を駆動したと
き(変位させたとき)にステージ16との間に生ずる摩
擦力を利用して、ステージ16を移動させる部材である
ことから、耐摩耗性に優れ、しかも、所定の摩擦力が生
じる表面性状を有していることが必要である。本発明に
おいては、例えば、アルミナ、ジルコニア等が好適に用
いられる。
【0025】連結部材13においてステージ16と接す
る部分は、図1(b)に示されるように、Z−X断面の
形状が弧状であってY方向に延在する形状を取ることが
好ましい。但し、連結部材13の上面を球面状に形成し
てステージ16と点接触または微小面積での面接触とし
てもよい。
【0026】なお、第2圧電素子12の伸縮方向は第1
圧電素子11の伸縮方向と略同一面内において所定角度
で交差するように配設することが好ましい。つまり、図
1(a)・(b)に示されるX方向(一方の向きを正の
向きとして「+X」で示し、他方の向きを負の向きとし
て「−X」で示すこととし、以下、Y方向およびZ方向
についても同様とする)、Y方向、Z方向という直交座
標系を定めた場合に、第1圧電素子11の伸縮方向はZ
−X面内において、X方向とは略θ1の角度をなす1方
向であるが、第2圧電素子12の伸縮方向もまた同じZ
−X面内にあって、所定角度(θ1+θ2)で第1圧電
素子11の伸縮方向と交わることが好ましい。
【0027】換言すれば、Z方向から見た場合には、第
1圧電素子11の伸縮方向と第2圧電素子12の伸縮方
向は、0°または180°で交差している、つまり重な
っている状態が最も理想的である。但し、Z方向から見
た場合に、第1圧電素子11の伸縮方向と第2圧電素子
12の伸縮方向が完全に重なっていない場合であって
も、その交差角度が、例えば10°以下と微小であれ
ば、送り機構20aの駆動性能上は問題とはならない。
【0028】連結部材13に当接するようにして、送り
機構20a〜20f上に配設されているステージ16
は、X方向に延在して設けられた図示しないガイドによ
ってY方向への移動が制限されており、送り機構20a
〜20fを駆動したときにX方向にのみ移動する構成と
なっている。また、ステージ16は自重が送り機構20
a〜20fの連結部材13に掛かるように配設されてZ
方向位置が定められているので、ステージ16のZ方向
への移動を制限する部材は1方向移動ステージ10には
設けられていない。
【0029】なお、ステージ16の自重は、ステージ1
6の下面と連結部材13との間に所定の摩擦力が働くよ
うにする役割を担っていることから、ステージ16が軽
い等の理由によりその自重を利用することが困難な場合
には、所定の圧力でステージ16を送り機構20a〜2
0fに押し付ける必要がある。その際には、ステージ1
6の移動に支障がないように、ステージ16を押し付け
る機構とステージ16との間にはベアリング等の減摩材
が配設された構造とすればよい。
【0030】次に、図2を参照しながら送り機構20a
の駆動形態について説明する。図2は送り機構20aの
駆動形態を示した説明図であり、第1圧電素子11と第
2圧電素子12は、ともに変位させていない状態におい
ては同等の長さを有し、それぞれの配設角度θ1・θ2
も同角度に設定されているものとする。
【0031】図2(a)には第1圧電素子11および第
2圧電素子12を駆動していない状態が示されており、
この状態からステージ16をX方向の正の向き(以下
「+Xの向き」と記し、Y方向についても同様とする)
へ移動させるものとする。図2(a)において連結部材
13の頂点の位置、つまり、連結部材13とステージ1
6との接点PはX座標の位置X1上にあり、接点Pにお
いては、連結部材13が+Xの向きに移動した際に、そ
の移動距離ほどステージ16をともに移動させるために
十分な摩擦力が作用しているものとする。
【0032】この図2(a)に示した状態から第1圧電
素子11を伸長させ、同時に第2圧電素子12を短縮さ
せるように、第1圧電素子11と第2圧電素子12を変
位させる。ここで、第1圧電素子11の変位にのみ着目
し、第2圧電素子12の変位を無視すると、図2(b)
に示すように、第1圧電素子11を伸長させたときに
は、連結部材13とステージ16との接点Pには第1圧
電素子11が変位する向きに所定の力F1が加わる。こ
の力F1をX方向成分F1xとZ方向成分F1zに分解
して考えると明らかなように、力F1は、Z方向成分F
1zによってステージ16を上方に持ち上げつつ、X方
向成分F1xによってステージ16をX方向に送るよう
にステージ16に作用する。
【0033】しかし、ここで第1圧電素子11を伸長さ
せると同時に、図2(b)に示すようにZ方向成分F1
zを打ち消すようなZ方向成分F2zが発生するように
第2圧電素子12を縮ませると、接点Pには結果的にZ
方向の力は作用しないこととなり、ステージ16はZ方
向には変位しなくなる。
【0034】その一方で、第2圧電素子12を縮めるこ
とによる力F2のX方向成分F2xは、力F1のX方向
成分F1xと同じ+Xの向きを向いていることから、図
2(c)に示すように、第1圧電素子11の変位量のX
方向成分長さと第2圧電素子12の変位量のX方向成分
長さとの合計変位量であるΔXほど+Xの向きに連結部
材13が移動する際に、ステージ16は連結部材13と
ともにΔXほど+Xの向きに移動することとなる。な
お、図2(c)に示すように、連結部材13とステージ
16との接点Pが位置X1から+Xの向きにΔXほど移
動したときの接点PのX座標の位置を位置X2とする。
【0035】ところで、第1圧電素子11を伸長させた
後に第2圧電素子12を縮めることによっても、ステー
ジ16をX方向に移動させることが可能であるが、この
場合には、ステージ16の移動はZ方向における一時的
な上下運動を伴うものとなる。また、このような方法で
は、第1圧電素子11を伸長させたときに第2圧電素子
12を短縮させないことから、第1圧電素子11を伸長
に伴って第2圧電素子12に機械的負荷(応力)が掛か
ることとなる。しかし、この応力により第2圧電素子1
2が破壊に至らなければ、何ら問題とはならない。
【0036】さて、所定長さほど第1圧電素子11が伸
長した状態で、第2圧電素子12をさらに短縮させる
と、接点Pにおける摩擦力が減少し、極端な場合には図
2(d)に示すように連結部材13はステージ16から
離隔する。但し、連結部材13がステージ16から離隔
する場合には、ステージ16は別の保持手段によってZ
方向の位置が制御されている必要がある。
【0037】こうして、接点Pにおける摩擦力が減少し
て、そのときの摩擦力では連結部材13をX方向の負の
向き(−Xの向き)へ移動させても、連結部材13とス
テージ16との間が滑ってステージ16が移動できない
状態か、または連結部材13がステージ16と離隔した
状態において、図2(e)に示すように、第1圧電素子
11を縮めるとともに第2圧電素子12を伸長させる。
こうして、ステージ16を−Xの向きに移動させること
なく、連結部材13をX座標の位置X3へ移動させるこ
とができる。この位置X3は、例えば、位置X1から距
離ΔXほど−Xの向きにある位置とすることができる。
【0038】なお、図2(d)の状態から図2(e)の
状態に移動する上記動作の途中で、図2(a)に示した
状態に戻すことが可能である。つまり、図2(e’)に
示すように、連結部材13がX座標の位置X1上に到達
した時点で、第1圧電素子11と第2圧電素子12の駆
動電圧をオフの状態とすると、その後に連結部材13は
Z方向に上昇するように移動して、図2(a)に示した
状態となる。従って、前述した図2(a)から図2
(e’)に至る送り機構20aの駆動形態を反復して行
うことで、所定距離ほどステージ16を+Xの向きに移
動させることが可能となり、また、送り機構20aの駆
動を停止してステージ16を停止させることも可能とな
る。
【0039】さて、図2(f)に示すように、連結部材
13をX座標の位置X3に移動させた後に、連結部材1
3とステージ16との間に再びステージ16を移動させ
ることが可能な摩擦力が働くように、第1圧電素子11
を伸長させる(矢印f1)とともに第2圧電素子12を
縮ませる(矢印f2)と、図2(g)に示すように、送
り機構20aの状態は先に図2(c)に示した状態と同
じ状態となり、また、ステージ16を図2(e)に示し
た状態からさらに2ΔXほど+Xの向きに移動させた状
態とすることができる。
【0040】従って、図2(g)の状態よりもさらにス
テージ16を+Xの向きに移動させたい場合には、送り
機構20aについて図2(c)から図2(d)を経て図
2(e)に示した状態へ移行したときの動作を繰り返せ
ばよく、所定距離の移動が終了した時点で、図2
(e’)の状態として、送り機構20aの動作を停止さ
せればよい。なお、上述した送り機構20aの駆動形態
において、第1圧電素子11と第2圧電素子12の動作
を逆とすれば、ステージ16を−Xの向きへ移動させる
ことができることはいうまでもない。
【0041】上述した送り機構20aの駆動形態を考慮
すると、送り機構20aを第1圧電素子11を伸長させ
たときに変位量のX方向成分が大きくなるような構造と
すると、第1圧電素子11の伸長させて第2圧電素子1
2を縮ませ、続いて第1圧電素子11を縮ませて第2圧
電素子12を伸長させるという送り機構20aの1サイ
クルの駆動におけるステージ16の移動量が大きくな
り、より高速な移動が可能となる。
【0042】ステージ16の高速移動を可能とする具体
的方法としては、第1圧電素子11として変位量の大き
い積層型圧電素子を用いる方法、または第1圧電素子1
1の配設角度θ1を小さく取る方法が挙げられる。積層
型圧電素子の変位量を大きくするには、駆動電圧を大き
くするか、または、積層型圧電素子における圧電体の積
層数を増加させたものを用いればよい。また、配設角度
θ1は、第1固定部材14において第1圧電素子11と
接着される斜面の角度を変化させることで任意の角度に
調節することが可能である。
【0043】しかしながら、第1圧電素子11および第
2圧電素子12には、常に連結部材13を介してステー
ジ16からの荷重が曲げ応力として掛かっている。この
ような状態を考慮すると、第1圧電素子11および/ま
たは第2圧電素子12の素子長は、第1圧電素子11お
よび/または第2圧電素子12の機械的強度、特に曲げ
強度を考慮して決定されるべきである。
【0044】また、配設角度θ1および/または配設角
度θ2を小さくした場合には、配設角度θ1および/ま
たは配設角度θ2が大きい場合よりも、より大きな曲げ
応力が第1圧電素子11および/または第2圧電素子1
2に掛かるようになるため、第1圧電素子11および/
または第2圧電素子12が破壊し易くなって送り機構2
0a全体がステージ16に押し潰され易くなると考えら
れる。従って、配設角度θ1および/または配設角度θ
2は、適宜、ステージ16の荷重やステージ16上に載
置される物体等の重量を考慮して、適切な角度に設定す
ることが好ましい。
【0045】逆に言えば、一般的に積層型圧電素子にお
いては積層方向に垂直な断面の断面積が一定の場合には
素子長が長い場合に曲げ強度が小さくなることから、第
1圧電素子11および/または第2圧電素子12の素子
長が短く、また、配設角度θ1およびまたは配設角度θ
2が90°に近い場合には、送り機構20aは、1サイ
クルの駆動におけるステージ16の移動距離は短いもの
となるが、機械的強度に優れ、使用寿命の長いものとな
る。
【0046】なお、上記説明では、送り機構20aに用
いる第1圧電素子11と第2圧電素子12の素子長を同
等として、かつ、非駆動時の配設角度θ1・θ2を同等
としたが、第1圧電素子11と第2圧電素子12の配設
形態は、このような形態に限定されるものではない。例
えば、第2圧電素子12として素子長および変位量が第
1圧電素子11よりも短いものを用いることができ、こ
の場合には、一般的に配設角度θ2は配設角度θ1より
も大きくなるように配設される。
【0047】次に、1方向移動ステージ10の駆動方法
について、上述した送り機構20aの駆動形態を用い
て、図1(a)においてステージ16を+Xの向きへ移
動させる場合を例に説明する。例えば、先ず、6個の送
り機構20a〜20fを、送り機構20a・20c・2
0eの第1グループと送り機構20b・20d・20f
の第2グループに分ける。送り機構20a・20c・2
0eはX−Y面上において三角形を形成する頂点の位置
に配設されていることから、送り機構20a・20c・
20eはステージ16を3点で保持してステージ16の
高さ位置を定めることができる。このことは送り機構2
0b・20d・20fについても同様である。
【0048】第1グループの送り機構20a・20c・
20eについて、同期して第1圧電素子11を伸長させ
るとともに第2圧電素子12を短縮させ、所定距離ほど
ステージ16を移動させる。このときにステージ16が
第2グループの送り機構20b・20d・20f上を容
易に滑ることができるように、送り機構20b・20d
・20fにおける第1圧電素子11と第2圧電素子12
の素子長を制御することによって、送り機構20b・2
0d・20fの連結部材13の高さを調整することが好
ましい。こうして、第1グループの送り機構20a・2
0c・20eによるステージ16の移動が行われている
際には、駆動している送り機構20a・20c・20e
によってステージ16が保持されている状態とする。
【0049】次に、第1グループの送り機構20a・2
0c・20eについて、連結部材13をステージ16の
下面から離隔するか、または連結部材13とステージ1
6の下面との摩擦が小さくなるようにして連結部材13
をステージ16の移動方向と反対の方向に移動させる
が、このとき、第2グループの送り機構20b・20d
・20fによってステージ16を移動させるように、送
り機構20b・20d・20fの第1圧電素子11を伸
長させつつ第2圧電素子12を短縮すれば、ステージ1
6を第2グループの送り機構20b・20d・20fで
保持しつつ、+Xの向きへ移動させることが可能とな
る。
【0050】即ち、第1グループの送り機構20a・2
0c・20eによるステージ16の移動と、第2グルー
プの送り機構20b・20d・20fによるステージ1
6の移動とを連続的に交互に行うことにより、ステージ
16を常に一定の高さに保持しながら、+Xの向きに所
定距離ほど移動させることができる。
【0051】なお、第1グループまたは第2グループの
いずれか一方、例えば、送り機構20b・20d・20
fの配設位置には、送り機構ではなくステージ16を支
持するだけの柱状治具を配設することも可能である。但
し、この場合はステージ16の移動速度は、2つのグル
ープの送り機構20a〜20fを用いた場合よりも遅い
ものとなる。
【0052】また、図1に示した1方向移動ステージ1
0では、X方向の移動距離はステージ16が送り機構2
0a〜20fに当接している範囲に限定されることとな
る。そこで、例えば、図3の平面図に示すように、Y方
向に直線的に配設された3個の送り機構20(送り機構
20a〜20fと同じ)を1列として複数列(第1列か
ら第n列)をX方向に配設し、ステージ16をX方向に
移動させた際に、常にステージ16が少なくとも2列の
送り機構20に接するように、ステージ16のX方向長
さと送り機構20の列間距離を調整しておく。
【0053】すると、逐次、ステージ16に接すること
となる2列6個の送り機構20について、先に図1
(a)を参照しながら説明したように、三角形の頂点を
形成する3個ずつのグループに分けることが可能となる
ので、一方のグループの送り機構20によるステージ1
6の移動の後に、他方のグループの送り機構20による
ステージ16の移動を行うようにすることで、常にステ
ージ16を所定の高さに保持しつつステージ16のX方
向の移動距離を任意に設定することが可能となる。
【0054】ここで、送り機構20の連結部材13の上
面は、前述したように曲面状に形成されていることか
ら、ステージ16が移動方向の前方に位置する送り機構
20へ乗り上げることは容易であり、また、その際に第
1圧電素子11および第2圧電素子12を縮ませて連結
部材13の高さを低く設定しておけば、より容易にステ
ージ16の送り機構20への乗り上げが容易となる。
【0055】次に、本発明の送り装置の別の実施の形態
について説明する。図4の平面図(a)、側面図
(b)、正面図(c)に示した移動ステージ30は1方
向移動ステージ10を自走式ステージに変形したもので
あり、ステージ16に送り機構20a〜20fが固定さ
れた形態を有している。
【0056】即ち、移動ステージ30は、ステージ16
の下面と所定の配設角度θ1をなすように第1圧電素子
11が第1固定部材14を介してステージ16の下面に
固定され、第2圧電素子12が第2固定部材15を介し
てステージ16の下面と所定の配設角度θ2をなすよう
に固定され、さらに、第1圧電素子11と第2圧電素子
12は連結部材13により連結されており、連結部材1
3の先端が基台17の上面17aに接した構造となって
いる。なお、移動ステージ30における第1圧電素子1
1の配設角度θ1は、第1圧電素子11が基台17の上
面17aとなす角度でもある。
【0057】送り機構20a〜20fの駆動方法は、先
に1方向移動ステージ10について説明した方法と同じ
である。つまり、3個の送り機構20a・20c・20
eからなる第1グループと3個の送り機構20b・20
d・20fからなる第2グループに分けることで、第1
グループの送り機構20a・20c・20eと第2グル
ープの送り機構20b・20d・20fが交互に基台1
7の上面17aに接しながら、ステージ16および送り
機構20a〜20fが一体的にX方向に移動するように
駆動される。
【0058】図5の平面図(a)、側面図(b)には、
本発明の送り装置のさらに別の実施の形態である移動ス
テージ40を示す。移動ステージ40は、12個の送り
機構20a〜20lを格子状に配設した形態を有してお
り、送り機構20a〜20lは前述した1方向移動ステ
ージ10と同様に基台17の上面17aに固定されてい
る。なお、送り機構20g〜20lは当然に送り機構2
0aと同様の構造を有する。
【0059】移動ステージ40では、連結部材13の移
動方向がX方向である3個の送り機構20a・20g・
20kからなる第1グループと、同じく連結部材13の
移動方向がX方向である3個の送り機構20b・20f
・20lからなる第2グループとを用いて、前述した1
方向移動ステージ10の駆動方法を適用することによ
り、ステージ41をX方向にその向きを問わずに任意に
移動させることが可能である。
【0060】また、連結部材13の移動方向がY方向で
ある3個の送り機構20c・20i・20eからなる第
3グループと、同じく連結部材13の移動方向がY方向
である3個の送り機構20h・20d・20jからなる
第4グループとを用いて、前述した1方向移動ステージ
10の駆動方法を適用することにより、ステージ41を
Y方向へ移動させることが可能である。
【0061】さらに、移動ステージ40において、例え
ば、送り機構20a・20bをステージ41が+Xの向
きに移動するように駆動すると同時に、送り機構20k
・20lをステージ41が−Xの向きに移動するように
駆動すると、ステージ41には、送り機構20a・20
b・20k・20lの配設位置の中心である点Oを中心
として、矢印Sで示されるような時計回りの回転運動が
生ずる。同様に、送り機構20e・20jをステージ4
1が−Yの向きに、送り機構20c・20hをステージ
41が+Yの向きにそれぞれ移動するように駆動するこ
とによっても、ステージ41は点Oを中心として時計回
りの回転運動が生ずることとなる。
【0062】このように、移動ステージ40において
は、ステージ41をX方向またはY方向に移動すること
ができるのみならず、時計回りまたは反時計回りに回転
させることができる。
【0063】より具体的には、第5グループを送り機構
20a・20b・20k・20lから構成し、第6グル
ープを送り機構20c・20h・20e・20jから構
成して、先ず、第5グループの送り機構20a・20b
をステージ41が+Xの向きに移動するように駆動する
と同時に、送り機構20k・20lをステージ41が−
Xの向きに移動するようにして、ステージ41を送り機
構20a・20b・20k・20lの4点で支持しなが
ら、図5に示す矢印Sの向きに時計回りに回転駆動す
る。
【0064】次に、第5グループの送り機構20a・2
0b・20k・20lにおける連結部材13の高さ位置
を下げる際には、ステージ41の高さが変化しないよう
に、第6グループの送り機構20c・20h・20e・
20jによりステージ41が4点支持される状態に移行
しながら、送り機構20c・20hについてはステージ
41が+Yの向きへ移動するように、また送り機構20
e・20jはステージ41が−Yの向きへ移動するよう
にそれぞれ駆動し、以下、このような動作を繰り返し行
うことで、所定角度ほどステージ41を矢印Sの向きに
回転することができる。
【0065】なお、第5グループを送り機構20a・2
0e・20h・20lから構成し、第6グループを送り
機構20b・20c・20j・20kから構成してもよ
い。この場合、ステージ41を矢印Sとは反対の向きで
ある反時計回りに回転させる場合には、送り機構20a
を−Xの向きへ、送り機構20lを+Xの向きへ、送り
機構20eを+Yの向きへ、送り機構20hを−Yの向
きへそれぞれ駆動する動作と、送り機構20bを−Xの
向きへ、送り機構20kを+Xの向きへ、送り機構20
jを+Yの向きへ、送り機構20cを−Yの向きへそれ
ぞれ駆動する動作とを交互に行えばよい。
【0066】なお、ステージ41をX方向へ移動させる
際には、Y方向の駆動に用いる第3・第4グループの送
り機構20c〜20e・20h〜20jについては連結
部材13の高さ位置を下げてステージ41の移動に支障
が生じないようにすることが好ましく、同様に、ステー
ジ41をY方向へ移動させる際には、X方向の駆動に用
いる第1・第2グループの送り機構20a・20b・2
0f・20g・20k・20lについて連結部材13の
高さ位置を下げて、ステージ41の移動に支障が生じな
いようにすることが好ましい。さらに、ステージ41を
X−Y面内で回転させる場合には、使用しない送り機構
20d・20f・20g・20iについては連結部材1
3の高さ位置を常に下げた状態とし、ステージ41の移
動が円滑に行えるようにすることが好ましい。
【0067】以上、本発明の送り装置について種々の実
施の形態を示しながら説明してきたが、本発明は上記実
施の形態に限定されるものではない。例えば、1方向移
動ステージ10においては6個の送り機構20a〜20
fを必ずしも必要とするものではなく、ステージ16を
X方向に導くガイドがあれば、X方向に並べられた少な
くとも2個の送り機構、例えば、送り機構20a・20
dを交互に駆動することで、ステージ16のX方向に移
動させることが可能となり、さらに、このようなガイド
がステージ16の高さを保持する機能を有する場合に
は、1個の送り機構20aのみでもステージ16をX方
向に移動させることができる。
【0068】また、1方向移動ステージ10について用
いられる送り機構20a〜20fの固定の形態を変化さ
せることによって自走式の移動ステージ30とすること
ができたように、移動ステージ40についても、送り機
構20a〜20lをそれぞれの第1固定部材14と第2
固定部材15をステージ41側に固定した構造とするこ
とによって自走式ステージとすることが可能である。
【0069】さらに、移動ステージ40におけるX−Y
面内でのステージ41の回転駆動の形態から明らかなよ
うに、1方向移動ステージ10や移動ステージ30にお
いても、ステージ16のY方向への移動を制限するガイ
ドが設けられていない場合には、ステージ16の回転駆
動が可能であることは明らかである。例えば、送り機構
20aをステージ16を+Xの向きへ移動するように駆
動し、一方、送り機構20fをステージ16が−Xの向
きへ移動するように駆動することで、ステージ16に回
転運動を生じさせることができる。
【0070】なお、上記実施の形態では、可動体として
ステージ16・41を示し、ステージ16・41を移動
させる送り装置について説明したが、可動体はこのよう
なステージに限定されるものではなく、箱体やレール等
であってもよい。
【0071】
【発明の効果】上述の通り、本発明の送り装置および送
り機構は、送り機構に33モード素子のみが用いられ1
5モード素子を用いていないことから、圧電素子が脱分
極により使用不能となることがなく、長寿命で信頼性に
優れる送り装置が実現されるという顕著な効果を奏す
る。また、送り機構は、製造が容易で製造コストが安い
33モード素子のみを用い、しかも簡単な構造を有する
ので、送り装置自体も安価に製造することが可能であ
り、しかも駆動制御が容易であるという利点を有する。
さらに、送り機構に用いる圧電素子の伸縮長や配設角度
を調節することで、可動体の移動速度を任意に制御する
ことが可能である特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送り装置の一実施形態である1方向移
動ステージを示す平面図、側面図および正面図。
【図2】図1記載の1方向移動ステージに用いられる送
り機構の駆動形態を示す説明図。
【図3】本発明の送り装置の一実施形態である1方向移
動ステージにおける送り機構の配設形態の例を示す説明
図。
【図4】本発明の送り装置の別の実施形態である移動ス
テージを示す平面図および側面図。
【図5】本発明の送り装置のさらに別の実施形態である
移動ステージを示す平面図および側面図。
【符号の説明】
10;1方向移動ステージ 11;第1圧電素子 12;第2圧電素子 13;連結部材 14;第1固定部材 15;第2固定部材 16;ステージ 17;基台 20a〜20l;送り機構 30;移動ステージ 40;移動ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 雅幸 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 (72)発明者 福永 了一 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 (72)発明者 関 順子 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 Fターム(参考) 5H680 AA04 AA08 BB01 BB07 BB13 BB16 BB20 BC10 CC02 DD01 DD23 DD27 DD37 DD53 DD55 DD59 DD72 DD95 EE10 FF08 GG20 GG25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台上に送り機構が配設され、前記送り
    機構に所定の荷重が印加されるように可動体が当接して
    なる送り装置であって、 前記送り機構は、 伸縮方向が前記基台の上面と第1の所定角度をなすよう
    に、前記基台との間に第1の固定部材を介して配設され
    る第1の圧電素子と、 伸縮方向が前記基台の上面と第2の所定角度をなし、か
    つ、前記第1の圧電素子の伸縮方向と略同一面内におい
    て交差するように、前記基台との間に第2の固定部材を
    介して配設される第2の圧電素子と、 前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子を連結し、前
    記可動体と当接する連結部材と、 を具備し、 前記第1の圧電素子を伸長させ、かつ、前記第2の圧電
    素子を縮ませて、前記連結部材が移動する向きへ前記可
    動体を移動させる第1動作と、 前記可動体の位置を変化させずに、前記第1の圧電素子
    を短縮させ、かつ、前記第2の圧電素子を伸長させる第
    2動作と、 を交互に所定回数行うことによって前記可動体が移動す
    ることを特徴とする送り装置。
  2. 【請求項2】 送り機構が配設された可動体を基台上に
    配置してなる送り装置であって、 前記送り機構は、 伸縮方向が前記可動体の下面と第1の所定角度をなすよ
    うに、前記可動体との間に第1の固定部材を介して配設
    される第1圧電素子と、 伸縮方向が前記可動体の下面と第2の所定角度をなし、
    かつ、前記第1の圧電素子の伸縮方向と略同一面内にお
    いて交差するように、前記可動体との間に第2の固定部
    材を介して配設される第2の圧電素子と、 前記基台の上面に当接し、前記第1の圧電素子の一方の
    伸縮方向端と前記第2の圧電素子の一方の伸縮方向端と
    を連結する連結部材と、 を具備し、 前記第1の圧電素子を伸長させ、かつ、前記第2の圧電
    素子を縮ませて、前記連結部材が移動する向きへ前記可
    動体を移動させる第1動作と、 前記可動体の位置を変化させずに前記第1の圧電素子を
    短縮させ、かつ、前記第2の圧電素子を伸長させる第2
    動作と、 を交互に所定回数行うことによって前記可動体が移動す
    ることを特徴とする送り装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の圧電素子の伸縮長を長くする
    ことにより、前記第1動作における前記可動体の移動距
    離を長くすることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の送り装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の所定角度を小さくすることに
    より、1回の前記第1動作による前記可動体の移動距離
    を長くしたことを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれか1項に記載の送り装置。
  5. 【請求項5】 固定体と可動体との間に配設され、前記
    可動体を所定の方向に移動させる送り機構であって、 前記送り機構は、 伸縮方向が前記固定体の上面と第1の所定角度をなすよ
    うに、前記固定体または前記可動体との間に第1の固定
    部材を介して配設される第1の圧電素子と、 伸縮方向が前記基台の上面と第2の所定角度をなし、か
    つ、前記第1の圧電素子の伸縮方向と略同一面内におい
    て交差するように、前記固定体または前記可動体との間
    に第2の固定部材を介して配設される第2の圧電素子
    と、 前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子を連結し、前
    記可動体または前記固定体に当接する連結部材と、 を具備し、 前記第1の圧電素子を伸長させ、かつ、前記第2の圧電
    素子を縮ませて、前記連結部材が移動する向きへ前記可
    動体を移動させる第1動作と、 前記可動体の位置を変化させずに、前記第1の圧電素子
    を短縮させ、かつ、前記第2の圧電素子を伸長させる第
    2動作と、 を交互に所定回数行うことによって前記可動体を移動さ
    せることを特徴とする送り機構。
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