JP2007274791A - 駆動装置 - Google Patents

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Kazumasa Asumi
一将 阿隅
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Abstract

【課題】駆動電源の構成が簡単な圧電素子を用いた駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置10は、第1圧電素子11と第2圧電素子12と、駆動電源17と、被駆動体15を有する。第1,第2圧電素子11,12は被駆動体15の可動方向と直交する方向で被駆動体15に押し当てられている。第1圧電素子11は被駆動体15の送り方向の変位成分と被駆動体15への押圧方向の変位成分とを有する変位を生じる。第2圧電素子12は被駆動体15の送り方向の変位成分が第1圧電素子11とは逆向きの変位を生じる。駆動電源17は、第1圧電素子11を変位させて摩擦力により被駆動体15を所定の送り方向に送り、第1圧電素子11と第2圧電素子12の被駆動体15に対する姿勢を逆転させ、第2圧電素子12を変位させて摩擦力により被駆動体15を同じ送り方向にさらに送るように、第1,第2圧電素子11,12にそれぞれ独立した駆動電圧を印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リニアモータやX−Yステージ等に好適な、圧電素子を利用した駆動装置に関する。
近時、X−Yステージやリニアモータ、回転ステージ等の駆動源に圧電素子を利用する提案がなされている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
非特許文献1に開示された駆動装置は、2カ所の伸縮部が並列に設けられた圧電素子を被駆動体の移動方向に4個並べ、その伸縮方向の一端に被駆動体が押し当てられた構造を有しており、1個の圧電素子が有する2カ所の伸縮部に位相が90°ずれた駆動電圧を印加することによって圧電素子が被駆動体に接しているところの圧電素子の先端に楕円運動を生じさせ、かつ、4個の圧電素子を2組に分けて各組の圧電素子の楕円運動の位相を180°ずらすことで、被駆動体を所定の方向に移動させる。しかしながら、この駆動装置では、4個の圧電素子が有する合計8カ所の伸縮部を2部ずつ4組に分けて各組を90°ずつ位相がずれた4相の電圧で駆動制御するために、その電源の構成が複雑になる。
また、特許文献1に開示された駆動装置は、圧電素子の剪断変形(15モード)と伸縮変形(33モード)とを組み合わせた構造を有している。しかしながら、剪断変形を生じさせる圧電素子では、分極方向と駆動電圧の印加方向とが直交するために、駆動により経時的に脱分極が生じるおそれがある。また、圧電素子の作製工程は、分極処理後にその分極処理に用いた電極を除去し、それに直交する面に新たに電極を設けなければならない等、複雑である。しかも、変位量を大きく得ようとすると駆動電圧が大きくなるという問題もある。
特開2006−6021号公報(図7等) PiezoLEGS drive principle、PiezoMotor、[2006年3月29日検索]インターネット<URL:http://www.piezomotor.se/pages/animation.html>
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、圧電素子を用いた駆動装置であって、その駆動電源の構成が簡単であり、しかも、圧電素子を脱分極を生じさせることなく駆動することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、駆動部と、該駆動部を駆動するための制御部と、該駆動部により一定方向に動く被駆動体とを有する駆動装置であって、
前記駆動部は、前記被駆動体の可動方向と直交する方向において該被駆動体と所定の力で押し当てられた一対の圧電素子と、該一対の圧電素子を保持する保持手段とを具備し、
前記一対の圧電素子は、前記被駆動体の送り方向の変位成分と、該被駆動体との押圧方向の変位成分とを有する変位を生じる第1圧電素子と、該被駆動体の送り方向の変位成分については該第1圧電素子とは逆向きの変位を生じる第2圧電素子とを有し、
前記制御部は、前記第1圧電素子を変位させて該第1圧電素子と前記被駆動体との間の摩擦力によって該被駆動体を所定の送り方向に一定距離送り、該第1圧電素子と前記第2圧電素子の該被駆動体に対する姿勢を逆転させ、該第2圧電素子を変位させて該第2圧電素子と該被駆動体との間の摩擦力によって該被駆動体を該所定の送り方向にさらに一定距離送るように、該第1圧電素子と該第2圧電素子にそれぞれ独立した駆動電圧を印加することを特徴とする駆動装置が提供される。
この駆動装置において、制御部としては、第1圧電素子に所定の電圧が印加されて変位している状態から急峻に第1圧電素子が無変位状態となるように第1圧電素子に印加されている電圧を変化させ、同時に、無変位状態にある第2圧電素子に急峻な変位が生じるように電圧を印加することにより、被駆動体に対する第1圧電素子と第2圧電素子の姿勢を逆転させる制御を行うものが好ましい。
また制御部は、第1,第2圧電素子が被駆動体を摩擦力により動かしている間の駆動電圧値を調節することにより、被駆動体を所望位置に到達させる制御を行うものが好ましい。
第1,第2圧電素子としては、所定の電圧が印加されたときに伸縮変位を生じると同時に屈曲変位を生じるようにその一側面側にクランプ部を有している積層型圧電アクチュエータが好適に用いられる。この場合に第1,第2圧電素子は、それぞれのクランプ部が被駆動体の送り方向で反対向きとなるように、つまり被駆動体の送り方向をX方向とすると、一方の圧電素子のクランプ部を+X側に、他方の圧電素子のクランプ部を−X側にして、保持手段に保持させる。
第1,第2圧電素子としては、一般的な積層型圧電アクチュエータを用いることもできる。この場合には、保持手段は、第1,第2圧電素子の伸縮方向が第1,第2圧電素子と被駆動体とを押圧する方向と一定角度ずれるように、第1,第2圧電素子の伸縮方向端面がそれぞれ取り付けられる斜面を有する断面二等辺三角形状の凸部を備えた構造とする。
第1,第2圧電素子としては、補強板の片側主面に圧電板が貼り付けられたユニモルフ素子を用いることも好ましい。その場合には、第1,第2圧電素子は、それぞれの圧電板が被駆動体の送り方向で反対向きとなるように、保持手段に保持された構成とする。
本発明の駆動装置は、第1圧電素子と第2圧電素子を独立させた2相制御により駆動させることができるので、電源の構成を簡単にすることができる。また、圧電素子の駆動に15モードを用いず、圧電素子を構成する圧電体にその分極時の電圧の向きと同じ向きに駆動電圧を印加することにより駆動することができるので、圧電体に脱分極の発生するおそれが無く、これにより長寿命な駆動装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは本発明の駆動装置を、被駆動体を一軸方向に移動させるリニアモータ(スライダ)に適用した場合について説明することとする。
図1に第1の実施形態に係る駆動装置の概略構造を示す。この駆動装置10は、2個の第1圧電素子11と、2個の第2圧電素子12と、これら4個の第1,第2圧電素子11,12を固定する基台14と、第1,第2圧電素子11,12と一定の力で押し当てられた被駆動体15と、被駆動体15をX方向にスライド自在に保持するガイド16と、第1,第2圧電素子11,12を駆動するための制御部である駆動電源17を備えている。
なお、駆動装置10の構成および動作を説明するための座標軸であるX軸とZ軸を図1に示す通りに定める。また、第1,第2圧電素子11,12と被駆動体15とを一定の力で当接させるための押圧機構は図示を省略しているが、この押圧機構は、第1,第2圧電素子11,12と被駆動体15とが一定の力で押し付けられるように、Z方向で基台14とガイド16の間に力を加えている。
第1,第2圧電素子11,12は、所謂、積層型圧電アクチュエータである。第1,第2圧電素子11,12は、所定の電圧が印加されることにより、その長さ方向に伸縮する。基台14は、断面形状が二等辺三角形となる凸部14aを備えており、この凸部14aの傾斜面にそれぞれ第1,第2圧電素子11,12の伸縮方向端が固定されている。
凸部14aの底角をθとすると、第1,第2圧電素子11,12の伸縮方向はそれぞれZ軸と角度θだけずれた方向となる。よって、例えば、第1圧電素子11が変位量Mだけ伸張したとすると、そのときの変位成分は+Z成分(=+Msinθ)と−X成分(=−Mcosθ)を有し、第1圧電素子11が変位量Mだけ収縮したとすると、そのときの変位成分は−Z成分(=−Msinθ)と+X成分(=+Mcosθ)を有する。同様に、第2圧電素子12が変位量Mだけ伸張したとすると、そのときの変位成分は+Z成分(=+Msinθ)と+X成分(=+Mcosθ)を有し、第2圧電素子12が変位量Mだけ収縮したとすると、そのときの変位成分は−Z成分(=−Msinθ)と−X成分(=−Mcosθ)を有する。
駆動装置10では、1カ所の凸部14aに固定された1個の第1圧電素子11と1個の第2圧電素子12が1組の駆動部となっている。図1には2組の駆動部を備えた構成を示しているが、駆動部は3組以上がX方向に並べられた構成であってもよい。また、ガイド16による被駆動体15の保持態様に依存するが、1組の駆動部のみを有する構成とすることも可能である。
第1,第2圧電素子11,12の構造は、積層型圧電アクチュエータである限りにおいて限定はなく、圧電体と金属板を交互に接着剤を用いて接着してなる接着型のものを用いてもよいし、電極印刷されたセラミックスグリーンシートを用いて圧電セラミックスと電極を同時焼成する一体焼結型を用いてもよい。さらに、一体焼結型の積層型圧電アクチュエータの場合、所謂、積層コンデンサ構造、全面電極型構造、応力緩和型構造のいずれでもよい。
第1,第2圧電素子11,12を直接に被駆動体15に当接させた場合に生じる第1,第2圧電素子11,12の摩耗劣化を防止するために、第1,第2圧電素子11,12の被駆動体15側の端面にはそれぞれ、窒化珪素(SiN),炭化珪素(SiC),アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO)や鋳鉄,特殊ステンレス鋼等の耐摩耗性材料からなる半球状の摺動部材19が取り付けられている。
図1に示す通りに、第1,第2圧電素子11,12は被駆動体15に対して角度θだけ傾いた状態で当接しているので、摺動部材19を設けることにより、第1,第2圧電素子11,12が被駆動体15を押圧した際に第1,第2圧電素子11,12に反作用として掛かる際の負荷が第1,第2圧電素子11,12全体に及ぶようにすることができ、第1,第2圧電素子11,12を長寿命化させることができる。
なお、第1,第2圧電素子11,12は伸縮変位を生じればよいので、原理的には柱状のモノリシック圧電体を用いることもできる。しかしその場合には、被駆動体15を一定の速度で移動させるためには極めて高い駆動電圧が必要となることを考慮すれば、現実的とは言えない。
駆動電源17は、第1圧電素子11を駆動するための第1電源Vと、第2圧電素子12を駆動するための第2電源Vを有する2相駆動電源である。
続いて、駆動装置10の駆動方法について説明する。図2に第1,第2圧電素子11,12にそれぞれ印加する駆動電圧波形を示し、図3に駆動装置10の駆動態様を模式的に示す。なお、図3では、被駆動体15の移動態様を解りやすく示すために、第1,第2圧電素子11,12の変位量を極端に大きく描いており、それに伴い、被駆動体15のZ方向位置が大きく変化するように描かれている。しかし実際には、被駆動体15のZ方向位置はこのように変化するものではない。また、図3では駆動電源17の図示を省略しているが、図1によって図4に示された第1,第2圧電素子11,12に図3に示されたどの駆動電圧が印加されるかは明確である。
図3中の(A)状態は初期状態であり、第1,第2圧電素子11,12のいずれにも駆動電圧は印加されていない(V=V=0)。最初に、第1圧電素子11に印加する電圧のみを一定の勾配で電圧Vaまで上げていくと、第1圧電素子11が伸張し、第1圧電素子11に設けられた摺動部材19と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は第1圧電素子11の変位量のX方向成分長さだけ−X側に移動する。
図3中の(B)状態は、V=Va,V=0の状態を示している。このとき第2圧電素子12の先端に設けられた摺動部材19は、被駆動体15と離間しているかまたは被駆動体15と接触していても摺動部材19との摩擦力が小さくなっている状態にある。すなわち、図3中の(B)状態は、実質的に、被駆動体15は第1圧電素子11に摺動保持されている状態と言うことができる。
次に、第1圧電素子11と第2圧電素子12の被駆動体15に対する姿勢を逆転させる。すなわち、第1圧電素子11に印加する電圧VをVaから0へ急降下させ、一方、第2圧電素子12に印加する電圧Vを0からVaへ急上昇させる。これにより図3中の(C)状態に示すように、被駆動体15が第1圧電素子11によって摺動保持されている状態から第2圧電素子12によって摺動保持される状態に瞬時に切り替えることができる。
図3中の(B)状態から(C)状態へ遷移する間では、第1,第2圧電素子11,12のそれぞれの摺動部材19を被駆動体15に対して滑らせることができるので、被駆動体15を−X側に実質的に移動させることはない。
続いて、第1圧電素子11については非駆動状態(V=0)を維持し、第2圧電素子12に印加した電圧をVaから0に向けて一定勾配で下げる。これにより第2圧電素子12は収縮するが、このときの変位成分は−X成分と−Z成分を有しているので、第2圧電素子12に設けられた摺動部材19と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は第2圧電素子12の変位量の−X成分の長さだけ−X側に移動する。こうして第2圧電素子12に印加する電圧Vが0となったときの状態が図3中の(D)状態に示されている。
図3中の(D)状態における第1,第2圧電素子11,12の状態は、初期状態と同じである。したがって、上述した1サイクルの駆動電圧を所定回数繰り返して印加することにより、被駆動体15を−X側の所望の位置に移動させることができる。
なお、被駆動体15を移動させることができる長さは、原理的には第1,第2圧電素子11,12の変位量のX成分の倍数となる。そのため、例えば、10サイクルの駆動電圧印加では目的位置に到達せず11サイクルの駆動電圧印加では目的位置をオーバーしてしまう場合には、10サイクル印加後に、第1圧電素子11に印加する電圧を0からVaに上げる途中または第2圧電素子12に印加された電圧をVaから0に下げる途中のいずれかで駆動電圧を一定に保持することにより、目的位置で被駆動体15を保持することができる。
図2に示した駆動電圧波形は被駆動体15を−X側に移動させるものであるが、この電源Vによる駆動電圧を第2圧電素子12に印加し、電源Vによる駆動電圧を第1圧電素子11に印加することにより、被駆動体15を+X側に移動させることができる。
次に、第2の実施形態に係る駆動装置について説明する。図4に第2の実施形態に係る駆動装置30の概略構造を示す。この駆動装置30は、2個の第1圧電素子31と、2個の第2圧電素子32と、これら4個の第1,第2圧電素子31,32を固定する基台34と、第1,第2圧電素子31,32と一定の力で押し当てられた被駆動体15と、被駆動体15をX方向にスライド自在に保持するガイド16と、第1,第2圧電素子31,32を駆動するための駆動電源17を備えている。
駆動装置30の構成および動作を説明するための座標軸であるX軸とZ軸を図1と同様に図4に示す通りに定める。また、第1,第2圧電素子31,32と被駆動体15とを一定の力で当接させるための図示しない押圧機構は、Z方向で基台34とガイド16の間に力を加えている。駆動装置30を構成する被駆動体15,ガイド16,駆動電源17は、駆動装置10を構成するものと同じである。
基台34において第1,第2圧電素子31,32を固定する面は、基台14と異なり、平坦となっている。そのため第1,第2圧電素子31,32はその長さ方向がZ軸と平行になるように基台34に固定されている。
第1,第2圧電素子31,32の被駆動体15側の端面には摺動部材19(第1,第2圧電素子11,12に取り付けられているものと同じ)が取り付けられている。
第1圧電素子31は積層型圧電アクチュエータであるが、その+X側側面に圧電不活性なクランプ部31aが設けられた構造を有している。そのため、圧電活性領域に所定の駆動電圧が印加されると、−X側の変位量が大きく、+X側の変位量が小さくなるように、屈曲を伴う伸縮変位が生じる。すなわち、第1圧電素子31に設けられた摺動部材19は、圧電素子31に所定の電圧が印加されると、+X成分と+Z成分とを合わせた向きに移動する。
第1,第2圧電素子31,32は、駆動装置30における配置形態が異なるだけで、構造に変わりはない。したがって、第2圧電素子32もクランプ部32aを有している。先に説明した駆動装置10と同様に、駆動装置30においても1個の第1圧電素子31と1個の第2圧電素子32が1組の駆動部を構成しており、図4に示されるように、1組の駆動部を構成する第1,第2圧電素子31、32はそのクランプ部31a,32どうしが対面するように配置されている。したがって、第2圧電素子32のクランプ部32aは−X側に位置しており、第2圧電素子32に設けられた摺動部材19は、第2圧電素子32に所定の電圧が印加されると、−X成分と+Z成分とを合わせた向きに移動する。
続いて、駆動装置30の駆動方法について説明する。第1,第2圧電素子31,32にそれぞれ印加する駆動電圧は、先に図2に示したものと同じものを用いることができる。第1圧電素子31に電源Vの駆動電圧を印加し、第2圧電素子32には電源Vの駆動電圧を印加するものとする。図5に駆動装置30の駆動態様を模式的に、図3と同様に示す。
図5中の(A)状態は初期状態であり、第1,第2圧電素子31,32のいずれにも駆動電圧は印加されていない(V=V=0)。最初に、第1圧電素子31に印加する電圧のみを一定の勾配で上げていくと、第1圧電素子31が屈曲・伸張変位し、第1圧電素子31に設けられた摺動部材19と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は第1圧電素子31の変位量のX方向成分長さだけ+X側に移動する。
図5中の(B)状態は、V=Va,V=0の状態を示している。次いで、第1圧電素子31に印加する電圧VをVaから0へ急降下させ、一方、第2圧電素子32に印加する電圧VをVaへ急上昇させる。これにより図5中の(C)状態に示すように、被駆動体15が第1圧電素子31によって摺動保持されている状態から第2圧電素子32によって摺動保持される状態に瞬時に切り替えることができる。この図5中の(B)状態から(C)状態への遷移は、先に説明した図3中の(B)状態から(C)状態へ遷移と同様であり、この間に被駆動体15を−X側に実質的に移動させることはない。
続いて、第1圧電素子31については非駆動状態(V=0)を維持し、第2圧電素子32に印加した電圧をVaから0に向けて一定勾配で下げる。これにより圧電素子32は収縮するが、このときの変位成分は+X成分と−Z成分を有しているので、第2圧電素子32に設けられた摺動部材19と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は第2圧電素子32の変位量の+X成分の長さだけ+X側に移動する。こうして第2圧電素子32に印加する電圧Vが0となったときの状態が図5中の(D)状態に示されている。
以降、上述した1サイクルの駆動電圧を所定回数繰り返して印加することにより、被駆動体15を+X側の所望の位置に移動させることができ、あるサイクルの途中で第1圧電素子31または第2圧電素子32に印加する駆動電圧を一定値に保持することにより、目的位置で被駆動体15を保持することができる。
なお、駆動装置30において1組の駆動部を構成している第1,第2圧電素子31,32の配置を、第1,第2圧電素子31,32の圧電活性部どうしが対面する(1つの駆動部の第1圧電素子31のクランプ部31aは、その隣の駆動部の第2圧電素子32のクランプ部32aと対面する)配置に変形して、図5に示す駆動電圧によって第1,第2圧電素子31,32を駆動させれば、被駆動体15を−Xの向きに移動させることができる。
また、図4に示した駆動装置30の構成において、電源Vによる駆動電圧を第2圧電素子32に印加し、電源Vによる駆動電圧を第1圧電素子31に印加することによっても、被駆動体15を−X側に移動させることができる。
次に、第3の実施形態に係る駆動装置について説明する。図6に第3の実施形態に係る駆動装置50の概略構造を示す。この駆動装置50は、2個の第1圧電素子51と、2個の第2圧電素子52と、これら4個の第1,第2圧電素子51,52を固定する基台54と、第1,第2圧電素子51,52と一定の力で押し当てられた被駆動体15と、被駆動体15をX方向にスライド自在に保持するガイド16と、第1,第2圧電素子51,52を駆動するための駆動電源55を備えている。
駆動装置50の構成および動作を説明するための座標軸であるX軸とZ軸を図6に示されるように、図1,図4と同様に定める。また、第1,第2圧電素子51,52と被駆動体15とを一定の力で当接させるための図示しない押圧機構は、Z方向で基台54とガイド16の間に力を加えている。駆動装置50を構成する被駆動体15,ガイド16は、駆動装置10,30を構成するものと同じである。駆動電源55は、先に図2に示した駆動波形とは異なる波形の駆動電圧を第1,第2圧電素子51,52に印加するが、第1圧電素子51を駆動する第1電源Vと、第2圧電素子52を駆動する第2電源Vを有する2相駆動電源である点で、駆動電源17と変わりはない。
第1,第2圧電素子51,52はともに、補強板61の主面に圧電板62が貼り付けられたユニモルフ型素子であり、Z方向が長さ方向、X方向が厚さ方向、幅方向が紙面に垂直な方向となっている。補強板61の被駆動体15側端面には半円柱状(長さ方向は紙面に垂直な方向)の摺動部材63が取り付けられている。圧電板62はその厚さ方向に分極処理されている。
1個の第1圧電素子51と1個の第2圧電素子52が1組の駆動部を構成し、各駆動部においては、第1,第2圧電素子51,52はその長さ方向がZ方向となるように、かつ、圧電板62どうしが対面するように、基台54に固定されている。基台54は補強板61を保持することにより第1,第2圧電素子51,52を固定している。補強板61としては金属材料が好適に用いられる。
第1,第2圧電素子51,52の駆動は、圧電板62を分極処理したときの電圧の向きと同じ向きに駆動電圧を印加することにより行う。この場合、圧電板62は電圧の印加によりd31効果によって長さ方向で収縮するので、第1,第2圧電素子51,52は、圧電板62が内側の弧となり、補強板61が外側の弧となるように屈曲変位する。
続いて、駆動装置50の駆動方法について説明する。図7に第1,第2圧電素子51,52にそれぞれ印加する駆動電圧波形を示す。また、図8に駆動装置50の駆動態様を模式的に示す。
図8中の(A)状態は初期状態であり、第1,第2圧電素子51,52のいずれにも駆動電圧は印加されていない(V=V=0)。駆動装置50の駆動では最初に、第1,第2圧電素子51,52に同時に立ち上がりの鋭い電圧(V=V=Va)を印加してこれらを瞬時に屈曲させ、図8中の(B)状態とする。このとき、第1,第2圧電素子51,52にそれぞれ設けられた摺動部材63を被駆動体15に対して滑らせることができ、また第1,第2圧電素子51,52の屈曲変位のX成分はそれぞれ逆向きであるために、被駆動体15のX方向位置は変化しない。
続いて第2圧電素子52の状態を保持し、第1圧電素子51に印加する電圧のみを一定の勾配で下げていくと、第1圧電素子51の屈曲変位量が小さくなり元の鉛直な姿勢に戻る。この状態が図8中の(C)状態である(V=0,V=Va)。図8の(B)状態から(C)状態への遷移過程においては、第1圧電素子51に設けられた摺動部材63が円弧を描くように移動し、その際に摺動部材63と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は−X側に、大凡、第1圧電素子51のX方向変位量だけ移動する。
次いで、第1圧電素子51に印加する電圧Vを0からVaへ急上昇させ、一方、第2圧電素子52に印加する電圧VをVaへ急降下させる。これにより図8中の(D)状態(V=Va,V=0)に示すように、被駆動体15が第1圧電素子51によって保持されている状態から第2圧電素子52によって保持される状態に瞬時に切り替えることができる。図8に示す(C)状態から(D)状態への遷移の間に被駆動体15を−X側に実質的に移動させることはない。
続いて、第1圧電素子51については屈曲状態(V=Va)を維持し、第2圧電素子52に印加する電圧Vのみを0からVaへ一定の勾配で上げていくと、これにより圧電素子12が屈曲する。そのとき第2圧電素子52に設けられた摺動部材63が円弧を描くように移動し、その際に摺動部材63と被駆動体15との間の摩擦力によって、被駆動体15は−X側に、大凡、第2圧電素子52のX方向変位量だけさらに移動する。この状態が図8中の(E)状態(V=V=Va)である。
図8中の(B)状態と(E)状態とでは、被駆動体15のX方向位置が異なるだけで、第1,第2圧電素子51,52は同じ状態にあるので、以降、図8(B)状態〜10(E)状態のサイクルを繰り返すことにより、被駆動体15を−X側の所望の位置に移動させることができ、あるサイクルの途中で、第1圧電素子51または第2圧電素子52に印加する電圧を一定値に保持することにより、目的位置で被駆動体15を保持することができる。被駆動体15の目的位置での保持が終了した場合には、第1,第2圧電素子51,52に一定の駆動電圧が印加されている場合には、その駆動電圧を0に急降下させることにより、図8の(A)状態に戻すことができる。
なお、駆動装置50における1組の駆動部を構成する第1,第2圧電素子51,52の配置を、補強板61どうしが対面する配置に変形して、図7に示す駆動電圧によって第1,第2圧電素子51,52を駆動させれば、被駆動体15を+Xの向きに移動させることができる。また、図6に示した駆動装置50の構成において、図7に示した電源Vによる駆動電圧を第2圧電素子52に印加し、電源Vによる駆動電圧を第1圧電素子51に印加することによっても、被駆動体15を+X側に移動させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、駆動装置10において、第1,第2圧電素子11,12の被駆動体15に対する姿勢を逆転させるために、第1圧電素子11に印加する電圧VをVaから0へ急降下させ、一方、第2圧電素子12に印加する電圧Vを0からVaへ急上昇させた駆動方法を示したが、これに限られず、第1圧電素子11に印加する電圧VをVaに保持したまま、第2圧電素子12に印加する電圧VをVaに上げて、その後に第1圧電素子11に印加する電圧Vを0に戻すように、第1,第2圧電素子11,12を駆動してもよい。
また、上記説明においては本発明の駆動装置をリニアモータに適用した場合について説明したが、例えば、第1,第2圧電素子11,12を枢軸回りに回転自在に保持された円板の外周側面に当接させ、または円板の主面にその外周近傍において当接させれば、その円板を回転させることも可能である。
また、駆動装置10,30,50においては、被駆動体15をガイド16でスライド自在に保持した形態を示したが、例えば、駆動装置10を構成する第1,第2圧電素子11,12のペアを複数、平面的に並べて、これらが一定重量のステージを支持する構成とし、その自重を利用してステージと第1,第2圧電素子11,12との間に一定の摩擦力が作用するように構成すれば、ガイドの必要のないステージを構成することもできる。
さらに、第1,第2圧電素子11,12と基台14を一体的にZ方向で逆向きにすれば、第1,第2圧電素子11,12と基台14とが一体的に動く自走式のスライダを構成することができる。
第1の実施形態に係る駆動装置の概略構造を示す図。 図1に示す駆動装置の圧電素子に印加する駆動電圧波形を示す図。 図1に示す駆動装置の駆動態様を模式的に示す図。 第2の実施形態に係る駆動装置の概略構造を示す図。 図4に示す駆動装置の駆動態様を模式的に示す図。 第3の実施形態に係る駆動装置の概略構造を示す図。 図6に示す駆動装置の圧電素子に印加する駆動電圧波形を示す図。 図6に示す駆動装置の駆動態様を模式的に示す図。
符号の説明
10・30・50…駆動装置、11・12・31・32・51・52…圧電素子、14・34・54…基台、14a…凸部、15…被駆動体、16…ガイド、17・55…駆動電源、19・63…摺動部材、31a・32a…クランプ部、61…補強板、62…圧電体。

Claims (6)

  1. 駆動部と、該駆動部を駆動するための制御部と、該駆動部により一定方向に動く被駆動体とを有する駆動装置であって、
    前記駆動部は、前記被駆動体の可動方向と直交する方向において該被駆動体と所定の力で押し当てられた一対の圧電素子と、該一対の圧電素子を保持する保持手段とを具備し、
    前記一対の圧電素子は、前記被駆動体の送り方向の変位成分と、該被駆動体との押圧方向の変位成分とを有する変位を生じる第1圧電素子と、該被駆動体の送り方向の変位成分については該第1圧電素子とは逆向きの変位を生じる第2圧電素子とを有し、
    前記制御部は、前記第1圧電素子を変位させて該第1圧電素子と前記被駆動体との間の摩擦力によって該被駆動体を所定の送り方向に一定距離送り、該第1圧電素子と前記第2圧電素子の該被駆動体に対する姿勢を逆転させ、該第2圧電素子を変位させて該第2圧電素子と該被駆動体との間の摩擦力によって該被駆動体を該所定の送り方向にさらに一定距離送るように、該第1圧電素子と該第2圧電素子にそれぞれ独立した駆動電圧を印加することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記制御部は、前記第1圧電素子に所定の電圧が印加されて変位している状態から急峻に該第1圧電素子が無変位状態となるように該第1圧電素子に印加されている電圧を変化させ、同時に、無変位状態にある前記第2圧電素子に急峻な変位が生じるように電圧を印加することにより、該被駆動体に対する該第1圧電素子と該第2圧電素子の姿勢を逆転させることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記第1,第2圧電素子のいずれか一方が前記被駆動体を摩擦力により動かしている間の駆動電圧値を調節することにより、該被駆動体を所望位置に到達させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記第1,第2圧電素子は積層型圧電アクチュエータであり、
    前記積層型圧電アクチュエータは所定の電圧が印加されたときに、伸縮変位を生じると同時に屈曲変位を生じるように、その一側面側にクランプ部を有し、
    前記第1,第2圧電素子は、それぞれのクランプ部が前記被駆動体の送り方向で反対向きとなるように、前記保持手段に保持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記第1,第2圧電素子は積層型圧電アクチュエータであり、
    前記保持手段は、前記第1,第2圧電素子の伸縮方向が前記押圧方向と一定角度ずれるように、該第1,第2圧電素子の伸縮方向端面がそれぞれ取り付けられる斜面を有する断面二等辺三角形状の凸部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記第1,第2圧電素子は、補強板の片側主面に圧電板が貼り付けられたユニモルフ素子であり、
    前記第1,第2圧電素子は、それぞれの圧電板が前記被駆動体の送り方向で反対向きとなるように、前記保持手段に保持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009148086A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Nidec Copal Corp ステップ動作型の駆動装置
GB2483428A (en) * 2010-08-25 2012-03-14 Univ Leiden A piezoelectric drive assembly

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